本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。前面扉1bは、筐体1aに対して回動することによって、筐体1aの開口された前面側を開閉することができる。
具体的に、前面扉1bは、筐体1aの開口を閉鎖することができ、前面扉1bが筐体1aの開口を閉鎖している状態(前面扉1bが閉じている状態)では、前面扉1b側の係止片(図示略)が筐体1a側の係止部(図示略)に係止され、前面扉1bの閉鎖状態が維持される。係止片は、シリンダ錠に連結されており、店員などが所持する所定のキー操作により係止片と係止部との係止が解除されることで前面扉1bが開放する。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部各々には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。遊技者は、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して各リール2L、2C、2Rを視認できる。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5と、クレジットを用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6と、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rとが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態においては、1枚BETスイッチ5と、ストップスイッチ8L、8C、8Rとが、前面扉1bを構成する操作パネルの前面、つまり同一面上に設けられている。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11と、BB中のメダルの獲得枚数やメダル投入部4へ正規メダル以外の異物が投入されるなどのエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12とが設けられている。
前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14と、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15と、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16と、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18と、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19と、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20とが設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rがそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23と、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24とが設けられている。
前面扉1bの内側には、ボーナス終了時やAT(Assist Time)の終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aと、ボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bとが設けられている。
ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
前面扉1bの内側には、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24と、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド(図示略)と、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ(流路切替ソレノイドよりもホッパータンク34a側に配置)を有するメダルセレクタ29と、前面扉1bの開閉を検出するドアセンサ60(図4参照)とが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態(たとえば、後述のドア開放エラー状態)および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23が設けられている。リセットスイッチ23は、カバー23aに覆われている。リセットスイッチ23を覆うカバー23aは、前面扉1bを開放しなければ触れることは不可能である。このため、店員は、前面扉1bを開放し、さらにカバー23aを開けてリセットスイッチ23を外部に露呈させなければ、リセットスイッチ23を操作できない。
筐体1aの内部には、リール2L、2C、2Rと、リールモータ32L、32C、32Rと、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)とからなるリールユニット2が設けられている。筐体1aの内部には、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000と、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34aと、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34bと、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cとからなるホッパーユニット34が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられている。満タンセンサ35aは、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出する。
筐体1aの内部には、電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100には、電源投入時(起動時)に設定変更状態および設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。
なお、リセット/設定スイッチ38は、設定キースイッチ37の近傍に配置されている。近傍の例としては、リセット/設定スイッチ38と設定キースイッチ37とは、リセット/設定スイッチ38と設定キースイッチ3との両方が一度に目に入る範囲に配置されている。また、近傍の例としては、リセット/設定スイッチ38は、設定キースイッチ37から、例えば10cm以内に配置されている。
また、リセットスイッチ23は、設定キースイッチ37の近傍に配置されている。近傍の例としては、リセットスイッチ23と設定キースイッチ37とは、リセットスイッチ23と設定キースイッチ3との両方が一度に目に入る範囲に配置されている。また、近傍の例としては、リセットスイッチ23は、設定キースイッチ37から、例えば10cm以内に配置されている。
店員は、前面扉1bを開放することによって、設定キースイッチ37を外部から操作可能である。一方、遊技者などの店員以外の者は、前面扉1bを開放することができないため、設定キースイッチ37を操作できない。つまり、設定キースイッチ37は、スロットマシン1が設置される遊技店用の操作手段である。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、もしくはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(たとえば3)が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、つまり、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが特定の図柄の組合せであるか否かを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」とも称し、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれにも小役を発生させる図柄の組合せが停止していないときには、当該停止時に1ゲームが終了する。一方、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれかに小役を発生させる図柄の組合せが停止しているときには、その小役の入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合にはメダル払出口9(図1参照)からメダルが排出)されて、1ゲームが終了する。
図4に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40と、演出制御基板90と、電源基板101とが設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、ホッパーモータ34bと、払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5と、MAXBETスイッチ6と、スタートスイッチ7と、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、精算スイッチ10と、リセットスイッチ23と、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、ドアセンサ60と、リールセンサ33L、33C、33Rとが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
さらに、遊技制御基板40には、リセットスイッチ23を覆うカバー23aが開けられたときに出力される検出信号も入力される。メイン制御部41は、この検出信号を検出することで、カバー23aが開放されたことを認識することができる。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11と、遊技補助表示器12と、ペイアウト表示器13と、1〜3BETLED14〜16と、投入要求LED17と、スタート有効LED18と、ウェイト中LED19と、リプレイ中LED20と、BETスイッチ有効LED21と、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rと、設定値表示器24と、リールモータ32L、32C、32Rとが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41aと、ROM41bと、RAM41cと、I/Oポート41dとを備えたマイクロコンピュータからなる。
遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイドの駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56と、ドアセンサ60とが接続されており、これらスイッチの検出信号が入力される。
なお、ドアセンサ60は、遊技制御基板40に接続される信号線が途中で分岐されて演出制御基板90にも接続され、ドアセンサ60の検出信号が遊技制御基板40および演出制御基板90の双方に入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、ドアセンサ60の検出状態を監視し、前面扉1bが開状態か閉状態かを判定するドア監視回路99aと、前面扉1bの開放履歴を記憶可能なドア開放履歴記憶回路99bと、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
ドア監視回路99aは、ドアセンサ60の検出信号に基づいて前面扉1bの開放を監視する回路である。本実施の形態においては、ドアセンサ60の検出信号がON状態のときには前面扉1bは開状態にあると判定される一方で、ドアセンサ60の検出信号がOFF状態のときには前面扉1bは閉状態にあると判定される。言い換えると、前面扉1bが開放されているときにはドアセンサ60の検出信号がON状態となり、前面扉1bが閉鎖されているときにはドアセンサ60の検出信号がOFF状態となる。
また、本実施の形態においては、ドアセンサ60の検出信号がON状態となったときに、前面扉1bの開放検出が有効となる。前面扉1bの開放検出が有効となる状態をドア開放エラー状態とも称する。前面扉1bの開放検出は、前面扉1bが閉鎖されることによって無効となる。さらに、前面扉1bの開放検出は、前面扉1bが開放されているときにリセットスイッチ23が操作されることによっても無効となる。前面扉1bの開放検出が有効から無効になることを、ドア開放エラー状態の解除とも称する。
ドア監視回路99aは、スロットマシン1に電力が供給されている期間では、サブ制御部91による要求に応じて判定結果をサブ制御部91に対して送信するとともに、前面扉1bの開状態を判定するごとに、当該判定結果と判定時の時間情報(日付情報および時刻情報)とを履歴データとしてドア開放履歴記憶回路99bに対して送信する。これにより、履歴データがドア開放履歴記憶回路99bに記憶される。
一方、ドア監視回路99aは、スロットマシン1への電力供給が停止されている期間では、バックアップ電源により供給される電力で作動して、ドアセンサ60の検出信号に基づいて前面扉1bの開状態を監視し、前面扉1bの開状態を判定するごとに、履歴データをドア開放履歴記憶回路99bに対して送信する。これにより、履歴データがドア開放履歴記憶回路99bに記憶される。
このようにして、ドア監視回路99aは、スロットマシン1への電力供給の有無にかかわらず、常時、前面扉1bの開状態を監視し続けることが可能となる。
ドア開放履歴記憶回路99bは、ドア監視回路99aから送信された判定結果と時間情報とを含む履歴データを記憶する回路であり、所定回数分(たとえば、100回分)の履歴データを記憶するための記憶領域を備えている。ドア開放履歴記憶回路99bは、記憶されている所定回数分の履歴データのうちの最も古い履歴データを、ドア監視回路99aから新たに送信された履歴データに順次更新するように記憶する。このため、現時点から所定回数前までの履歴データが記憶領域に記憶される。ドア開放履歴記憶回路99bには、サブ制御部91からもアクセスでき、ドア開放履歴記憶回路99bは、サブ制御部91による要求に応じて、履歴データをサブ制御部91に対して送信可能である。
ドア監視回路99a、ドア開放履歴記憶回路99b、およびドアセンサ60には、停電時においてバックアップ電源が供給される。これにより、スロットマシン1への電力供給が停止されている状況においても、ドアセンサ60は、前面扉1bの開閉状態を示すON−OFF信号を出力可能である。ドア監視回路99aは、ドアセンサ60の検出信号に基づいて前面扉1bの開状態を判定し、履歴データをドア開放履歴記憶回路99bに対して送信する。ドア開放履歴記憶回路99bは、ドア監視回路99aから送信された履歴データを順次記憶し、記憶された履歴データを記憶領域の容量内で保持し続ける。
サブ制御部91は、サブCPU91aと、ROM91bと、RAM91cと、I/Oポート91dとを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施の形態では、RAM91cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの全ての内容が保存される。なお、本実施の形態では、RAM91cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの全ての内容が保存される。
[ドアセンサの構造]
次にドアセンサ60の構造について図2、図5、および図6に基づいて説明する。
図2に示すように、ドアセンサ60は、筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bの内側の上方で回動軸と反対側の角部に設けられている。筐体1a内側の回動軸と反対側であってドアセンサ60に対応する角部には、ドアセンサ60の検出片60bが当接される検出片受け部材61が設置されている。なお、以下では、ドアセンサ60において検出片受け部材61に対向する面側をドアセンサ60の後方側とし、前面扉1bの前面側を向く面側をドアセンサ60の前方側として説明する。
ドアセンサ60は、図5(a)に示すように、ドアセンサ本体の内部において、ドアセンサ後方側の進出位置xからドアセンサ前方側の退避位置zの間を、外力により移動可能な検出片60bと、検出片60bが進出位置xと退避位置zとの間の検出位置yにあるか否かを検出可能な検出器60aと、検出片60bを退避位置zから進出位置xの方向に付勢する付勢バネ60cとを備えている。検出器60aは、投光部と受光部からなり、投光部からの光が検出片60bにより遮断され受光部が受光しなくなることで検出片60bが検出位置yにあることを検出するフォトセンサである。
検出片60bおよび検出器60aは、その位置関係が外部から視認困難となるように周囲を被覆する非透明のケース体60dに収容されており、ケース体60dに設けられた挿通孔60eを介して検出片60bの先端のみが外部に露呈する。
検出片60bは、図5に示すように、断面視で略L字状に形成されている。検出片60bの一端側は、検出片60bが進出位置xにあるときにセンサ本体の外部に進出する進出部であり、他端側は、検出片60bが検出位置yにあるときに検出器60aにより検出される検出部である。
検出器60aは、センサ本体内部の検出位置yに配置されており、検出片60bが検出位置yにあるか否かを示す検出信号を出力する。ドアセンサ60は、検出器60aにより検出片60bが検出されないとき、すなわち前面扉1bが開放されている開状態であるときにはON状態、検出器60aにより検出片60bが検出されるとき、すなわち前面扉1bが閉鎖されている閉状態であるときにはOFF状態の検出信号を出力する。
付勢バネ60cは、検出片60bを退避位置zから進出位置xの方向に付勢しており、検出片60bに外力が加えられていないときには検出片60bを進出位置xに位置させるようになっている一方で、検出片60bに外力が加えられることで付勢バネ60cが縮み、検出片60bが退避位置zまで移動可能となる。
検出片受け部材61は、図5(a)に示すように、断面視で開口が前面扉1b側を向く凹状に形成されており、凹状の凹部61aがドアセンサ60に対向するように筐体1aに固定されている。検出片受け部材61の凹部61aは、検出片60bの進出部と当接可能となっており、凹部61aの深さwは、検出片60bの進出位置xから検出位置yまでの長さとほぼ等しく形成されている。一方、検出片受け部材61においてドアセンサ60と対向する面には、図5(b)に示すように、前面扉1bの閉鎖時にドアセンサ60に当接する当接部61cが凹部61aを囲うように形成されている。
図5(a)に示すように、前面扉1bの開放時には、検出片60bには外力が加えられることがなく、付勢バネ60cで付勢されて進出位置xに位置する。検出器60aでは検出片60bが検出されない。図6に示すように、このときのタイミングt1では、ドアセンサ60の検出信号は、ON状態となる。メイン制御部41は、このドアセンサ60の検出信号を受けて、ドア開放信号を外部出力基板1000から出力させる制御を行う。一方、サブ制御部91は、ドア開放報知を実行する。ドア開放報知は、サブ制御部91により行われ、前面扉1bが開状態である旨を店員などに知らせる報知である。
図5(b)に示すように、前面扉1bの閉鎖時には、ドアセンサ60が前面扉1bとともに筐体1aの方向に移動されて検出片60bの進出部と検出片受け部材61の凹部61aとが当接することで、検出片60bが外力を受けて進出位置xから退避位置zの方向(退避方向)に移動する。前面扉1bが移動されて完全に閉鎖された状態では、ドアセンサ60と検出片受け部材61の当接部61cとが当接した状態となる。これにより、検出片60bは、検出片受け部材61の凹部61aの深さw分だけ退避方向に移動されることで、進出位置xから検出位置yまで移動する。図6に示すように、このときのタイミングt3では、検出器60aにおいて検出片60bの検出部が検出され、ドアセンサ60の検出信号は、OFF状態となる。メイン制御部41は、このドアセンサ60の検出信号を受けて、ドア開放信号の出力を停止する制御を行う。一方、サブ制御部91は、ドアセンサ60の検出信号がOFF状態となった後のタイミングt3でドア開放報知を終了させる。
図5(c)に示すように、ドアセンサ60の検出片60bが検出片受け部材61以外の指などで押されて退避方向に移動されると、検出片60bは、外力の大きさに応じて検出位置yを超えて退避位置zまで移動される。このようなときには、前面扉1bの開放時と同様に、検出器60aでは検出片60bが検出されずに、ドアセンサ60の検出信号は、ON状態となる。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検出信号を受けて、ドア開放信号を外部出力基板1000から出力させる制御を行い、サブ制御部91は、ドア開放報知を実行する。
このように、検出位置yが、検出片60bの移動可能な進出位置xと退避位置zとの間に設定されているため、検出片60bを検出片受け部材61以外の指などで押されて退避方向に移動させる場合には、検出片60bが検出位置yに位置しにくくなる。このため、ドアセンサ60の出力信号は、前面扉1bの開放時と同様にOFF状態となりやすくなる。
検出片60bおよび検出器60aは、不透明のケース体60dに収容されており、検出片60bと検出器60aとの位置関係が視認困難な構成である。このため、開状態において故意に検出片60bを検出位置yに調整することで、閉状態を検出させることが困難となる。
前面扉1bの閉鎖時において、検出片60bが検出片受け部材61の凹部61aに当接し、検出片受け部材61における凹部61aを囲う当接部61cがドアセンサ60に当接する。このため、前面扉1bの閉鎖時において検出片60bは、周囲が検出片受け部材61の周壁61bにより囲われることとなり、外部から検出片60bにアクセスできない。
スロットマシン1では、筐体1aの開口を閉塞する前面扉1bが、係止片と径止部とにより通常では閉じられた状態に維持され、店員などが所持する所定のキー操作により係止片と係止部との係止を解除することで開放できる。
前面扉1bには、前面扉1bの開放を検出するドアセンサ60が設けられており、前面扉1bが開放された際に、その旨を特定可能とすることで、何らかの不正がされた可能性を発見できる。
従来のドアセンサでは、検出片が押し込まれた状態で前面扉1bの閉鎖が検出されるため、検出片を押し込んで粘着テープで固定するだけで容易に、前面扉1bの実際の開閉状況にかかわらず、常に前面扉1bの閉状態を検出させるようできてしまう。このため、ドアセンサ60による前面扉1bの開放が検出されずに、前面扉1bを開放させることが可能となり、不正が行われたことを特定できなくなる虞があった。
これに対して、本実施の形態に係るスロットマシン1では、ドアセンサ60の検出片60bが、前面扉1bが開状態において進出位置xにあり、前面扉1bが開状態から閉状態となる場合に進出位置xから進出位置xと退避位置zとの間の検出位置yまで移動可能であって、検出片60bの位置が検出位置yであるか否かが検出器60aにより検出される。さらに、メイン制御部41およびドア監視回路99aは、検出片60bが検出位置yにある旨が検出されたときに、前面扉1bが閉状態であると判定し、検出片60bが検出位置yにない旨が検出されたときに前面扉1bが開状態であると判定する。これにより、検出片60bを手で押し込んだり、検出片60bをテープで押し込んだ状態としたりした場合でも、検出片60bを前面扉1bの閉状態が判定される検出位置yとすることが困難となり、前面扉1bが開状態であるにもかかわらず、閉状態と誤って判定させることが困難となる。このため、前面扉1bが閉状態と誤って判定されることによる不正を防止できる。
本実施の形態においては、検出片60bおよび検出器60aは、不透明のケース体60dに収容されており、検出片60bと検出器60aとの位置関係が視認困難な構成である。このため、開状態において故意に検出片60bを検出位置yに調整することで、閉状態を検出させることが困難となり、前面扉1bが閉状態と誤って判定されることによる不正を一層効果的に防止できる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60の検出片60bが、筐体1aに対して一端を軸として移動させることが可能な前面扉1b側に検出片60bが設けられている。このため、検出片60bの状況を確認し易い位置へ移動可能となるため、検出片60bに不正な細工が施されているか否かを容易に確認できる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60の検出片60bが、前面扉1bの閉状態において該検出片60bと対向する位置に固定された検出片受け部材61に当接することで検出位置yに移動する。このため、前面扉1bが開状態から閉状態となる際に、検出片60bが対向する位置に固定された検出片受け部材61に当接することで検出位置yに移動する。これにより、前面扉1bを開定状態から閉状態とした場合に、検出片60bを確実に検出位置yへ移動させることができるとともに、前面扉1bの閉状態において安定した状態で検出片60bを検出位置yに停止させることができる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60により、前面扉1bの開放が検出される。このため、前面扉1bが開放しているにもかかわらず、閉状態と誤って判定されることにより、前面扉1bが開放されて、不正な部品が取り付けられたり、基板が交換されたりするなどの不正がされた可能性を特定できなくなってしまうことを防止できる。
本実施の形態においては、スロットマシン1への電力供給が停止していても、ドア監視回路99aにより前面扉1bが開状態か否かを判定可能とするためのバックアップ電源を備えており、スロットマシン1への電力供給が停止している期間においても、前面扉1bが開状態か否かを判定可能となり、スロットマシン1への電力供給の有無にかかわらず、前面扉1bが開状態となったこと、すなわち何らかの不正がされた可能性を特定することができる。
本実施の形態においては、ドア開放履歴記憶回路99bにより前面扉1bが開状態であると判定された履歴データが記憶されるので、履歴データに基づいて過去に前面扉1bが開状態となったこと、すなわち何らかの不正がされた可能性を特定することができる。
[ドア開放エラー状態]
次に、図6を参照しながら、ドア開放エラー状態について説明する。
図6に示すように、前面扉1bが開放されたタイミングt1においては、ドアセンサ60の検出がON状態となる。このとき、前面扉1bの開放検出が有効となる(ドア開放エラー状態)。前面扉1bの開放検出は、前面扉1bが閉鎖されること、またはリセットスイッチ23が操作されることによって無効になる(つまり、ドア開放エラー状態が解除される)。図6に示す例の場合、タイミングt2でリセットスイッチ23がONされて、ドア開放エラー状態が解除される。
さらに、ドア開放エラー状態が解除されたタイミングt2においては、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドア開放エラー解除コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドア開放エラー解除コマンドを受信することにより、ドア開放エラー状態の解除を認識可能である。
本実施の形態においては、サブ制御部91が実行するドア開放報知の報知態様として、エラー解除前報知態様およびエラー解除後報知態様といった互いに異なる2種類の報知態様が用意されている。エラー解除前報知態様は、エラー解除後報知態様よりも目立つ態様である。このため、エラー解除前報知態様でドア開放報知が行われたときには、エラー解除後報知態様でドア開放報知が行われたときよりも、前面扉1bが開状態であることを店員などに対して知らせ易くなっている。
たとえば、エラー解除前報知態様でドア開放報知が行われたときには、演出効果LED52が赤色に点灯するとともに液晶表示器51の画面上の大部分の領域で「扉開放」の文字画像が表示され、さらに、スピーカ53、54から「扉が開いています」の音声が出力される。一方、エラー解除後報知態様でドア開放報知が行われたときには、エラー解除前報知態様と同様に演出効果LED52が赤色に点灯するが、液晶表示器51の画面上の一部の領域でしか「扉開放」の文字画像が表示されず、しかも、スピーカ53、54からは音声が出力されない。
このように、エラー解除前はエラー解除後よりも報知態様が目立つ態様である。これにより、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態になったときには、前面扉1bが開放された旨をいち早く店員に知らせることができ、不正行為を未然に防止できる。また、ドア開放エラー状態が解除された後は、前面扉1bが開放されていることを店員がすでに知っているため、目立たない態様で前面扉1bが開放されている旨を念のため知らせることができる。
図6に示すように、サブ制御部91は、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態となったとき(図6のタイミングt1)から、リセットスイッチ23がONされてドア開放エラー状態が解除されたとき(図6のタイミングt2)までの期間において、エラー解除前報知態様でドア開放報知を行い、ドア開放エラー状態が解除されたとき(図6のタイミングt2)から前面扉1bが閉鎖されたとき(図6のタイミングt3)までの期間において、エラー解除後報知態様でドア開放報知を行う。
なお、本実施の形態においては、前面扉1bが開放されるとドア開放エラー状態になり、リセットスイッチ23が操作されるとドア開放エラー状態が一旦解除されるが、その後、所定期間(たとえば、10秒間)が経過しても未だ前面扉1bが閉鎖されなければ、再度、前面扉1bの開放検出が有効になってドア開放エラー状態に制御される。
さらに、サブ制御部91は、リセットスイッチ23の操作によってドア開放エラー状態が一旦解除されたときには、エラー解除前報知態様からエラー解除後報知態様にドア開放報知の報知態様を変更し、その後、所定期間(たとえば、10秒間)が経過しても未だ前面扉1bが閉状態にされずにドア開放エラー状態に再び制御されたときには、エラー解除後報知態様からエラー解除前報知態様にドア開放報知の報知態様を再び変更する。
[払出率の設定]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。
払出率の設定値を変更するためには、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、さらに、設定キースイッチ37を操作して、設定キースイッチ37をON状態にしてから、スロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態にしてスロットマシン1の電源をON状態にすると、ドアセンサ60の検出信号がON状態であり、かつドア開放エラー状態が解除されていることを条件に、遊技の進行が不可能な状態である設定変更状態に移行する。設定変更状態に移行すると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。
設定変更状態においては、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。その後、スタートスイッチ7が操作されると、表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がOFF状態にされると、確定した表示値(設定値)がRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行うことにより、設定変更状態に移行されるため、該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
払出率の設定値を確認するためには、以下の作業が必要である。まず、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態において、店員は、前面扉1bを開放する。このとき、メイン制御部41によりドア開放エラー状態に制御される。次に、店員は、カバー23aを開けてリセットスイッチ23を操作する。これにより、ドア開放エラー状態が解除される。ここで、ドア開放エラー状態が解除されたときには、設定キースイッチ37が操作されたときの入力信号がメイン制御部41により有効に受け付けられる一方で、ドア開放エラー状態が解除されていないときには、設定キースイッチ37が操作されても入力信号はメイン制御部41により有効に受け付けられない。このため、店員は、ドア開放エラー状態を解除した後に設定キースイッチ37を操作することにより、入力信号がメイン制御部41により有効に受け付けられて、設定キースイッチ37がON状態となる。設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用固定データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用固定データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用固定データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用固定データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常フラグをRAM41cにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[内部抽選について]
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインLN(以下では、有効化された入賞ラインLNを単に入賞ラインLNと呼ぶ)に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(以下、「リプレイ」と称することもある)と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役(以下、「ボーナス」と称することもある)と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図11のSc6における内部抽選処理で実行する内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。なお、特別役の持ち越しとは、内部抽選において特別役に当選したゲームで特別役が入賞しなかった場合に、特別役の当選状態を次ゲーム以降に持ち越し、特別役が入賞するまで特別役の当選状態を維持することである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御について]
次に、図11のSc7におけるリール制御処理において実行するリール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLNに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインLNに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ラインLNに揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ラインLNに揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役とリプレイが同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
[各種コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトのモードデータとコマンドの内容を示す1バイトのEXTデータとからなる。サブ制御部91は、モードデータからコマンドの種類を判別し、EXTデータからコマンドの内容を判別する。
各コマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられたコマンド送信用バッファに一時的に格納され、図12および図13に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
サブ制御部91は、メイン制御部41からコマンドを受信したときに、受信したコマンドの種類に応じて、液晶表示器51から表示されている画像、スピーカ53,54から出力される音声、前面扉1bに設けられたランプなどの制御を行う。
BETコマンドは、メダルの投入枚数(賭数の設定に使用されたメダル枚数)、およびBET音の出力の有無を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数数が設定されたときに送信される。
設定変更開始コマンドは、設定変更が開始されたことを示すコマンドである。設定変更開始コマンドは設定変更の開始時に送信される。EXTデータには、設定変更が開始されたことを示す値が設定される。
設定変更終了コマンドは、設定変更が終了したことおよび設定変更により選択された設定値を示すコマンドである。設定変更終了コマンドは設定変更の終了時に送信される。EXTデータには、設定変更により選択される6種類の設定値のいずれかが設定される。
モード選択開始コマンドは、消費電力を抑えるための節電モードに設定するか否かのモード選択状態に移行することを特定可能なコマンドである。モード選択開始コマンドは、モード選択状態に移行する際に送信される。
モード特定コマンドは、選択されたモードを特定可能なコマンドである。モード特定コマンドは、モード選択状態において節電モードに設定するか否かの選択が行われたときに送信される。
モード選択終了コマンドは、モード選択状態を終了することを特定可能なコマンドである。モード選択終了コマンドは、モード選択状態を終了する際に送信される。
エラー開始コマンドは、エラーが発生したことを示すコマンドである。EXTデータには、8種類のエラーのいずれかが設定される。エラー開始コマンドはエラー処理の開始時に送信される。8種類のエラーには、オーバーフロータンク35内のメダルが満タンになったことを示すオーバーフロータンク溢れエラー、ホッパータンク34a内のメダルがなくなったことを示すホッパーエンプティエラー、払い出すメダルがホッパータンク34aなどで詰まったことを示す払出メダル詰まりエラー、メダルセレクタでのメダルの検出異常が発生したことを示す投入信号異常エラー、リールの回転が正常に行われていないことを示すリール回転異常エラー、内部抽選の結果から入賞が予想される入賞予想フラグと実際に入賞した入賞結果とが一致しなかったことを示す不正入賞エラー、RAM異常を示すRAM内容エラーが設定されている。
エラー解除コマンドは、ドア開放エラー状態以外のエラーが解除されたことを示すコマンドである。エラー解除コマンドはエラー処理の解除時に送信される。EXTデータには、エラーが解除されたことを示す値が設定される。
ドア開放エラー解除コマンドは、ドア開放エラー状態が解除されたことを特定可能なコマンドである。ドア開放エラー解除コマンドは、ドア開放エラー状態が解除されたときに送信される。
精算開始時コマンドは、メダルの精算が開始されたことを示すコマンドである。精算開始時コマンドは精算処理の開始時に送信される。EXTデータには、投入されたメダルが精算されたことを示すデータとクレジットされたメダルが精算されたことを示すデータとのいずれかが設定される。
精算終了コマンドは、メダルの精算が終了したことを示すコマンドである。精算終了コマンドは精算処理の終了時に送信される。EXTデータには、精算が終了したことを示す値が設定される。
メダル投入コマンドは、メダルが投入されたことを示すコマンドである。メダル投入コマンドは、クレジットの加算を伴わないメダルの投入時に送信される。EXTデータには、投入したメダルの枚数(1〜3枚のいずれか)を示す値が設定される。
クレジット増加コマンドは、クレジットされたメダルの枚数が増加したことを示すコマンドである。クレジット増加コマンドは、クレジットの加算を伴うメダルの投入時に送信される。EXTデータには、クレジットが増加したことを示す値が設定される。
遊技カウンタ1コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。遊技カウンタ1コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
リール加速情報コマンドは、リールの回転が開始したことを示すコマンドである。リール加速情報コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、9種類のリールの回転開始パターンのうちのいずれかを示す値が設定される。
内部当選コマンドは、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示す値が設定される。
当選番号コマンドは、内部抽選の結果を示すコマンドである。当選番号コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、内部抽選の結果を示す値が設定される。
BB投入枚数1コマンドは、BBのゲームで投入したメダルの枚数を示すコマンドである。BB投入枚数1コマンドは、リールの回転開始時に送信される。EXTデータには、投入されたメダルの枚数を示す値が設定される。
リール停止受付1コマンドは、第1停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数1コマンドは、第1停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置1コマンドは、第1停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
リール停止受付2コマンドは、第2停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数2コマンドは、第2停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置2コマンドは、第2停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
リール停止受付3コマンドは、第3停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数3コマンドは、第3停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置3コマンドは、第3停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
遊技カウンタ2コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。遊技カウンタ2コマンドは、全リールの停止後に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
RT情報2コマンドは、BBに当選したか否か、RBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。RT情報2コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かまたはRBに当選したか否かと、RTの状態とを示す値が設定される。
入賞番号1コマンドは、入賞の種類を示すコマンドである。入賞番号1コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BBの作動状態(BB中か否か)と入賞の種類を示す値が設定される。
入賞番号2コマンドは、入賞の種類を示すコマンドである。入賞番号1コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BBの作動状態(BB中か否か)と入賞の種類を示す値が設定される。
入賞枚数コマンドは、入賞により払い出されるメダルの枚数を示すコマンドである。入賞枚数コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、メダルの払出枚数を示す値が設定される。
BB払出枚数1コマンドは、BB時のメダルの払出枚数を示すコマンドである。BB払出枚数1コマンドは、BB中におけるメダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BB中におけるメダルの払出枚数を示す値(上位7ビット)が設定される。
BB払出枚数2コマンドは、BB時のメダルの払出枚数を示すコマンドである。BB払出枚数2コマンドは、BB中におけるメダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BB中におけるメダルの払出枚数を示す値(下位7ビット)が設定される。
BB終了待ちコマンドは、BBの終了待ちであることを示すコマンドである。BB終了待ちコマンドはBB終了時に送信される。EXTデータには、終了待ちのBBの種類(本実施の形態では1種類)を示す値が設定される。
BB終了コマンドは、BBが終了することを示すコマンドである。BB終了コマンドはBB終了時、自動精算の開始時、打ち止め処理の開始時に送信される。EXTデータには、終了するBBの種類(本実施の形態では1種類)を示す値が設定される。
RT情報1コマンドは、RTの状態を示すコマンドである。RT情報1コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、RTの状態を示す値が設定される。
BB作動種別コマンドは、BB中か否かを示すコマンドである。BB作動種別コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、BB中か否かを示す値が設定される。
遊技終了コマンドは、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示すコマンドである。遊技終了コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示す値が設定される。
ドアコマンドは、前面扉1bが開放されているか否かを示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、設定変更開始時、RAM内容エラー開始時、ゲーム終了時、ドア開閉時に送信される。EXTデータには、ドアの開放状態(開放あるいは閉鎖のいずれであるか)を示す値が設定される。
電断復帰1コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。電断復帰1コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
電断復帰2コマンドは、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。電断復帰2コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示す値が設定される。
電断復帰3コマンドは、BB中か否かおよび投入済みのメダルの枚数を示すコマンドである。電断復帰3コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、BB中か否かおよび投入済みのメダルの枚数を示す値が設定される。
電断復帰4コマンドは、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示すコマンドである。電断復帰4コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示す値が設定される。
ホットスタートコマンドは、電源をオフにしないで再起動することを示すコマンドである。ホットスタートコマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、電源をオフにしないで再起動することを示す値が設定される。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を説明する。
[初期設定処理]
まず、メイン制御部41が実行する初期設定処理について説明する。メイン制御部41は、電力が供給されてリセット回路49からリセット信号が入力されると、システムリセットを行い、起動処理を実行する。そして、起動処理を実行することにより、後述するIMFが0となり、割込禁止状態が設定される。また、起動処理によって内部機能レジスタ(CTCコントロールレジスタや乱数回路に関わるレジスタなど)に初期値が設定される。その後、ユーザプログラムとしてROM41bに記憶されたプログラムにしたがって、図7および図8のフローチャートに示す初期設定処理を行う。
図7および図8に示すように、メイン制御部41は、まず、後述するDI命令の実行により割込マスタ許可フラグ(IMF)=0にし、割込を禁止する(Sa1)。なお、割込処理とは、割込要因が発生したときに基本処理に割り込んで発生する処理である。図12および図13において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止する(Sa1)。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
内蔵レジスタの設定では、例えば、乱数発生回路42の設定を行う。具体的には、メイン制御部41は、乱数回路の設定において、ユーザによって予め設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを内蔵レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、内蔵レジスタに設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタに設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する。
また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタが更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する。また、メイン制御部41は、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を書き込む。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタに入力する初期値を更新するか否かを設定する。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタが更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。そして、メイン制御部41は、乱数回路起動データを書き込む。そのようにすることによって、メイン制御部41は乱数発生回路42を起動させる。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合(Sa5でN)には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合(Sa5でY)には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAMのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAMパリティを計算する(Sa10)。そして、計算したRAMパリティが0になるか否かを判定する(Sa11)。RAMパリティが0にならない場合(Sa11でN)にはSa14に進む。
RAMパリティが0になる場合(Sa11でY)にはRAM破壊診断用固定データをRAM41cから取得する(Sa12)。そして、取得したRAM破壊診断用固定データが正しいか否かを判定する(Sa13)。次いで、Sa14のステップでは、RAM破壊診断用固定データをクリアする(Sa14)。
次いで、設定キースイッチがオンにされているか否かを判定する(Sa15a)。設定キースイッチがオンの場合(Sa15aでY)には、メイン制御部41は、断電前においてエラー状態であったか否かを判定する(Sa15b)。断電前においてエラー状態であった場合(Sa15bでY)には、メイン制御部41は、後述するRAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(Sa15c)。
Sa15bの判定において断電前にエラー状態では無かったと判定した場合(Sa15bでN)、またはSa15cの判定においてRAM異常フラグがセットされていると判定した場合(SA15cでY)には、メイン制御部41は、タイマ割込の設定を行う(Sa22)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込がかかるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路のレジスタの設定を行なう。例えば0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、0.56ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。なお、タイマ回路では該レジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。そして、タイマ割込の設定が終了すると図9および図10に示す設定変更処理に移行する。
一方、Sa15aの判定において設定キースイッチがオフと判定した場合(Sa15でY)、またはSa15cの判定においてRAM異常フラグがセットされていないと判定した場合(Sa15cでN)には、Sa11の判定、Sa13の判定、RAM異常フラグがセットされているか否かにもとづきRAM41cの記憶内容が破壊されていたか否か、すなわちRAM41cの記憶内容が正常か否かを判定する(Sa16)。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合(Sa16でN)には、電断復帰コマンド(電断復帰コマンド1〜4)をサブ制御部91に送信するとともに(Sa17)、ホットスタートコマンドをサブ制御部91に送信する(Sa18)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、Sa11でY、かつSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定され、かつRAM異常フラグがセットされていない場合である。
そして、全レジスタを復帰し(Sa19)、Sa22と同様のタイマ割込みの設定を行う(Sa20)。そして、図13に示すタイマ割込処理(メイン)のSk26の処理に復帰する。
また、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合(Sa16でY)には、初期化するRAMの開始アドレスをレジスタにセットし(Sa23)、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリア(以下、「初期化」ともいう)する(Sa24)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合とは、Sa11でNまたはSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定されない場合またはRAM異常フラグがセットされている場合のいずれかの場合である。
ここで、RAM41cの格納領域は、設定値ワーク、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
設定値ワークは、設定値や乱数値など、通常の設定変更時に初期化すると不都合のあるデータが格納される領域である。
特別ワークは、I/Oポート41dの入出力データや、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータなど、設定変更開始前にのみ初期化されるデータが格納される領域である。
重要ワークは、クレジット数を示すカウンタや、各種表示器やLEDの表示データ、遊技時間の計時カウンタ、ゲーム終了時に初期化すると不都合があるデータが格納される領域である。
一般ワークは、持越しが行われない当選フラグや、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払い出し枚数など、1遊技(1ゲーム)に必要なデータであって、ゲーム終了時に初期化可能なデータが格納される領域である。
未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域である。
スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
そして、Sa23でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、上記した全ての領域が初期化される。次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa25)、エラー処理に移行する。エラー処理では、エラー状態になって遊技を行うことが不能になる。エラー状態は、設定キースイッチ37をオンにして電源スイッチ39をオンにすることによってSa15aでYと判定させ、さらにSa15bでYと判定させ、Sa15cでYと判定させることで設定変更処理(図9および図10参照)に移行させることにより解除することができる。よって、設定キースイッチ37をオンにせずに電源スイッチ39をオンにした場合には、Sa15aでNとなり、Sa16でYとなるので再度エラー状態になる。
なお、本実施の形態では、データを「00h」とすること、すなわちクリアすることにより初期化を行っている。しかし、例えば、データを「FFh」としたり、データごとに予め決められた値を入力することにより、初期化を行うことも可能である。
また、本実施の形態では、メイン制御部41は、RAM異常以外のエラー状態の場合、設定変更処理は行わないように制御する(Sa15bでY、Sa15cでN)。これにより、RAM異常以外のエラー状態(異常状態)では設定変更や設定確認(所定事象)を発生させないようにすることができる。
[設定変更処理]
次に、メイン制御部41が実行する設定変更処理について説明する。
図9および図10に示すように、メイン制御部41は、まず、初期化するRAM41cの開始アドレスをレジスタにセットする(Sb1)。なお、RAM41cは16ビットのメモリ空間アドレスにより、使用目的に応じた領域に区切られている。そして、Sb1の処理においては、メモリ空間アドレスのうち初期化を行う開始アドレスをレジスタにセットする。次いで、図7のSa10におけるRAMパリティの計算又は図7のSa12で取得したRAM破壊診断用固定データにもとづき、RAMの内容が異常であるか否かを判定する(Sb2)。RAMの内容が異常の場合(Sb2でY)にはSb4の処理に進む。RAMの内容が異常でない場合(Sb2でN)には、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットする(Sb3)。
次いで、Sb1又はSb3で指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sb4)。なお、Sb1でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、上記した全ての領域が初期化される。また、Sb3でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域が初期化される。Sb4の処理が終了すると、後述する設定変更開始コマンドをサブ制御部91に送信し(Sb5)、図12および図13において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可する(Sb6)。
次いで、設定/リセットスイッチ38がオンか否かを判定する(Sb7)。設定/リセットスイッチ38がオンの場合(Sb7でY)には設定値をレジスタにセットする(Sb8)。設定/リセットスイッチ38がオフの場合(Sb7でN)には、スタートスイッチ7がオンか否かを判定する(Sb9)。
スタートスイッチ7がオンになっていない場合(Sb9でN)にはSb7の処理に戻る。スタートスイッチ7がオンになっている場合(Sb9でY)には設定キースイッチがオフになっているか否かを判定する(Sb10)。設定キースイッチがオフになっていない場合(Sb10でN)には、設定キースイッチがオンになるまで判定を繰り返す。設定キースイッチがオフになっている場合(Sb10でY)には、レジスタにセットしている設定値のデータをRAM41cに格納する(Sb11)。
次いで、設定変更終了コマンドをサブ制御部91に送信する(Sb12)。そして、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットし(Sb13)、図11のメイン処理に移行する。
[メイン処理]
次に、メイン制御部41が実行するメイン処理について説明する。なお、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
図11に示すように、メイン制御部41は、まず、図12および図13において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止する(Sc1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレスをセットする(Sc2)。
次いで、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sc3)。このとき、設定変更処理後にメイン処理が開始された場合は、図10のSb13で指定したアドレスからSc2で指定したアドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク、一般ワークが初期化される。また、一単位の遊技の終了時には、Sc9で指定したアドレスからSc2で指定したアドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、一般ワークが初期化される。そして、図12および図13において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可する(Sc4)。
次いで、遊技開始待ち処理を実行する(Sc5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、内部抽選処理を実行する(Sc6)。内部抽選処理では、Sc5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。なお、内部抽選により特別役(BBまたはRB)に当選した場合は特別役持ち越しフラグセットされる。そして、上記したように特別役持ち越しフラグの有無を判定することによって特別役の持ち越しの有無を判定し、持ち越しの有無に応じた当選役(特別役持ち越し中には特別役は内部抽選の対象から除外される)について判定処理が行われる。
次いで、リール制御処理を実行する(Sc7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sc6のステップにおける内部抽選の結果および遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sc8)。遊技終了時設定処理では、Sc7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。なお、特別役が入賞した場合には本処理において特別役持ち越しフラグがクリアされる。そして、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理(払い出し処理)を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、遊技毎終了時の初期対象RAMの先頭アドレスをセットして、Sc1に戻る。Sc1に戻るとSc2で初期化対象RAM最終アドレスをレジスタにセットし、Sc3で指定した領域のRAMをクリアする。これにより、遊技毎にRAMがクリアされる。
また、メイン処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成してコマンドバッファに設定し、サブ制御部91に送信されるようになっている。
[タイマ割込処理(メイン)]
図12および図13は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で初期設定処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)とは、後述するカウンタタイマ(CTC)のカウントに応じて発生する割込(タイマ割込ともいう)により実行される処理であり、タイマ割込処理のプログラムが格納されたアドレスは、割込処理用ベクタテーブルのタイマ割込(CTC0)に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の間隔(0.56ms)は、CTCのタイマ値に任意値として0.56msを設定することにより設定されている。タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図12および図13に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rなどのスイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、禁止されていた割込が許可されて、割込前の処理に戻る。
[電断処理(メイン)]
図14は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。なお、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、破壊診断用固定データ(本実施の形態では、5A(H))をセットする(Sm2)。そして、図12および図13において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止し、全ての出力ポートを初期化する(Sm3)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sm5)。
その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
なお、本実施の形態では、出力ポートの初期化の前に割込禁止に設定しているが、サブ制御基板90、外部出力基板1000、リールモータやリールセンサにデータを出力するための出力ポートへのデータの書き込みやシリアル通信回路へのデータの書き込みを行う前に割込禁止に設定してもよい。
[遊技終了時設定処理]
図15は、メイン制御部41(メインCPU41a)が図11のSc8のステップにおいて実行する遊技終了時設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
遊技終了時設定処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Sj1)、遊技状態に応じた規定数(本実施例では遊技状態に関わらず3)をRAM41cに設定し(Sj2)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Sj3)。
Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算し(Sj4)、メダルOUT信号の残り出力回数を示すメダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Sj5)、Sj6のステップに進む。Sj6のステップでは、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Sj6)、BETカウンタの値が規定数でなければSj4のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sj7)、Sj8のステップに進む。Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、Sj8のステップに進む。
Sj8のステップでは、RAM41cに設定されているゲーム中フラグをクリアし(Sj8)」、エラーコードがレジスタに設定されているか否かを判定する(Sj9)。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていないと判定された場合には、遊技終了時設定処理を終了し、図11に示すフローチャートに復帰する。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていると判定された場合には、図18に示すエラー処理に移行する(Sj10)。そして、エラーが解除された場合には、遊技終了時設定処理を終了し、図11に示すフローチャートに復帰する。
このように、本実施の形態では、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、リール制御処理(図11のSc7)を終了した後に、遊技終了時設定処理(図11のSc8、図15)においてエラー処理(遊技の進行停止)を行う(図15のSj10)。これにより、制御が複雑になることがない。なお、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常の検出時点にエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行う。これにより、好適に異常報知を行うことができる。また、ゲーム終了後にフリーズが発生する場合、該ゲームで異常が発生した場合には、エラー処理を行った後にフリーズを発生させるようにしてもよい。
なお、ゲームの進行を妨げることの無い異常としては、例えば、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)や、払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)などである。なお、ゲームの進行を妨げることの無い異常は、これに限らず、ゲームの進行を妨げることが無ければどのような異常であってもよい。
また、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常としては、満タン異常(オーバーフロータンク35の満タン状態が判定された場合のエラー)、RAM異常(例えばRAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合のエラー)、リール回転異常(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)などである。なお、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常は、これに限らず、ゲームの進行を妨げる可能性があればどのような異常であってもよい。
[メダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミング]
次に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、メインCPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図16〜図18に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール制御処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール制御処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中又は払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール制御処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図16〜図18において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図16は、リール制御処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール制御処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール制御処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。なお、収集ユニットは、各スロットマシン1の遊技情報を収集する装置である。また、ホールコンピュータは、収集ユニットにて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データを管理する装置である。
図17は、メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、払出中に異常検出したときに、払出終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「払出中の異常」と「払出終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
図18は、リール制御処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール制御処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール制御処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図16,図18に示す例ではリール制御処理中(リールの回転中)であり、図17に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。例えば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図16〜図18に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
なお、上述した例では、メダルの払出のある入賞が発生した場合には、払出処理の終了後にメダルOUT信号を出力しているが、これに限らない。例えば、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力するようにしてもよい。図19は、メダルの払出直後にメダルOUT信号を出力する場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。
図示する例では、払出処理(メダル払出)を終了した後、最後のメダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。すなわち、この場合においても、リール制御処理中(リール回転処理中)にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理(メダル払出)を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、リール制御処理中(リール回転処理中)に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、この場合、メダルOUT信号のパルス幅よりも、収集ユニットがメダルOUT信号およびセキュリティ信号を収集する間隔を短くすることで、ホールコンピュータは、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することができる。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
[ドア開放エラー解除処理]
図20を参照しながら、メイン制御部41が実行するドア開放エラー解除処理について説明する。ドア開放エラー解除処理は、店員がドア開放エラー状態を解除するための処理であり、割込処理によって実行される。
メイン制御部41は、リセットスイッチ23がONされたか否かを判定する(S100)。メイン制御部41は、リセットスイッチ23がONされていないと判定したときには(S100でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、リセットスイッチ23がONされたと判定したときには(S100でY)、ドアセンサ60の検出信号がON状態であるか否かを判定する(S101)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検出信号がOFF状態であると判定したときには(S101でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検出信号がON状態であると判定したときには(S101でY)、現在がドア開放エラー状態であるか否かを判定する(S102)。メイン制御部41は、ドア開放エラー状態ではない、つまり、すでにドア開放エラー状態が解除されていると判定したときには(S102でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、未だドア開放エラー状態であると判定したときには(S102でY)、リセットスイッチ23のカバー23aが開放されているか否かを判定する(S103a)。メイン制御部41は、リセットスイッチ23のカバー23aが閉鎖されていると判定したときには(S103aでN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、リセットスイッチ23のカバー23aが開放されていると判定したときには(S103aでY)、設定キースイッチ37がオフであるか否かを判定する(S103b)。設定キースイッチ37がオフになっていない場合(S103bでN)には、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がオフになっていると判定したときには(S103bでY)、S100におけるリセットスイッチ23の操作に基づく入力信号を有効に受け付け、ドア開放エラー状態を解除する(S104)。その後、メイン制御部41は、サブ制御部91に対してドア開放エラーが解除されたことを特定可能なドア開放エラー解除コマンドをサブ制御部91に送信し(S105)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
ここで、従来においては、前面扉1bが閉鎖していても、たとえば、針金などの細い器具を筐体1aと前面扉1bの隙間から通すことによってリセットスイッチ23が不正に操作される虞がある。
しかし、本実施の形態においては、スロットマシン1の電源がON状態であり、かつドアセンサ60の検出信号がON状態、すなわち前面扉1bの開放が検出されていないと、リセットスイッチ23の操作に基づく入力信号が有効に受け付けられず、ドア開放エラー状態を解除することができない。つまり、リセットスイッチ23が操作されても、前面扉1bが閉鎖されているときにはドア開放エラー状態の解除が禁止される。これにより、ドア開放エラー状態の解除が不正に行われてしまうことを防止できる。
しかも、リセットスイッチ23はカバー23aで覆われており、カバー23aの開放が検出されないとリセットスイッチ23の操作が有効に受け付けられず、ドア開放エラー状態を解除することができない。このため、不正にドア開放エラー状態を解除することをより効果的に防止できる。
さらに、本実施の形態では、設定キースイッチ37がオンであるときにリセットスイッチ23が操作されたとしても、ドア開放エラー状態を解除しない。従って、設定キースイッチ37がオンの状態でドア開放エラー状態が終了することを防止することができる。
[エラー処理]
図21を参照しながら、メイン制御部41が実行するエラー処理について説明する。メイン制御部41は、エラー状態が発生したことを検出する。例えば、メイン制御部41は、オーバーフロータンク35内のメダルが満タンとなったときに、エラー状態「オーバーフロータンク溢れエラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、ホッパータンク34a内のメダルがなくなったときに、エラー状態「ホッパーエンプティエラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、払い出すメダルがホッパータンク34aなどで詰まったときに、エラー状態「払出メダル詰まりエラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、メダルセレクタでのメダルの検出異常が発生したときに、エラー状態「投入信号異常エラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、リールの回転が正常に行われていないときに、エラー状態「リール回転異常エラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、内部抽選の結果から入賞が予想される入賞予想フラグと実際に入賞した入賞結果とが一致しなかったときに、エラー状態「不正入賞エラー」が発生したことを検出する。また、例えば、メイン制御部41は、RAM異常が発生したときに、エラー状態「RAM内容エラー」が発生したことを検出する。なお、メイン制御部41は、これらのエラー状態や上述したドア開放エラー状態など、複数のエラー状態が発生した場合においても、発生した全てのエラー状態を検出することができる。
なお、本実施の形態では、上述したとおり、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、リール制御処理(図11のSc7)を終了した後に、遊技終了時設定処理(図11のSc8、図15)においてエラー処理(遊技の進行停止)を行う(図15のSj10)。また、ゲームの進行を妨げる異常を検出した場合、エラー処理は、各処理において、エラー状態が発生した場合に割込処理によって実行される。
エラー処理では、図21に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Se1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Se2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードが断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Se3a)、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Se3aのステップにおいて、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、設定キースイッチ37がオフであるか否かを判定する(Se3b)。設定キースイッチ37がオフになっていない場合(Se3bでN)には、設定キースイッチ37がオンになるまで判定を繰り返す。設定キースイッチがオフになっている場合(Se3bでY)には、ドア開放エラー状態であるか否かを判定する(Se3c)。ドア開放エラー状態であると判定した場合(Se3cでY)には、Se3bのステップに戻る。
一方、ドア開放エラー状態ではないと判定した場合(Se3cでN)には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Se4)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Se5)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Se3bのステップに戻る。すなわち、設定キースイッチ37がオフであり、かつドア開放エラー状態ではない場合に、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、設定キースイッチ37がオフであり、かつドア開放エラー状態ではない場合に、Se4のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSe5のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Se6)、遊技補助表示器12の表示状態をSe1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Se7)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、設定キースイッチ37がオフであり、かつドア開放エラー状態ではない場合に、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されても、エラー状態が解除されて元の状態に復帰することはない。
さらに、本実施の形態では、設定キースイッチ37がオンであるときにリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されたとしても、エラー状態を解除しない。従って、設定キースイッチ37がオンの状態でエラー状態が終了することを防止することができる。
[液晶演出処理]
次に、本実施の形態における液晶演出処理について説明する。本実施の形態では、演出キャラクタとして設定されているキャラクタに応じた演出画面を液晶表示器51に表示する演出を行う。また、本実施の形態では、初期状態では「キャラクタA」が演出キャラクタとして設定されている。なお、初期状態で設定されている演出キャラクタは「キャラクタA」に限らず、どのようなキャラクタであってもよい。
図22は、液晶演出処理の処理手順を示したフローチャートである。サブ制御部91は、遊技制御基板41から送信される当選番号コマンドに基づいて、特定役に当選したか否かを判定する(So1)。本実施形態における特定役は、チェリーaとチェリーbである。なお、特定役はこれに限らず、どのような役を特定役としてもよい。
特定役に当選したと判定した場合(So1でY)には、サブ制御部91は、ROM91bが記憶しているキャラクタ抽選テーブルに基づいて演出キャラクタの抽選(キャラクタ抽選)を行う。その後、サブ制御部91は、抽選により選択したキャラクタを演出キャラクタとして設定する(So2)。
図23は、本実施形態におけるキャラクタ抽選テーブルの例を示した図である。図示するキャラクタ抽選テーブルは、キャラクタAが選択される割合は30%であり、キャラクタBが選択される割合は70%であることを示している。なお、各キャラクタの選択割合はこれに限らず、どのような割合としてもよい。
So1で特定役に当選していないと判定した場合(So1でN)や、So2でキャラクタを設定した場合には、演出キャラクタとして設定されているキャラクタでの演出を実行する(So3)。その後、液晶演出処理を終了する。
例えば、演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されている場合、サブ制御部91は、例えば図25(A)に示すようなキャラクタA(CAa)が表示される演出を実行する。また、例えば、演出キャラクタとしてキャラクタBが設定されている場合、サブ制御部91は、例えば図26(A)に示すようなキャラクタB(CBa)が表示される演出を実行する。このように、本実施の形態では、演出キャラクタとして設定されたキャラクタに応じた演出を実行する。また、本実施の形態では、特定役が当選した場合に演出キャラクタを選択する。
[報知演出処理]
次に、本実施の形態における報知演出処理について説明する。本実施の形態では、特定事象が発生した場合には、特定事象が発生したことを報知する演出を実行する。また、本実施の形態では、所定事象が発生した場合には、所定事象が発生したことを報知する演出を実行する。
なお、特定事象は、遊技者(客)が居合わせない場面で発生する事象である。また、特定事象は、遊技者が遊技しているときに発生し難い、または発生しない事象である。例えば、特定事象は、RAM41c(記憶手段)の記憶領域の初期化や、設定変更や、電源投入などであってもよい。また、特定事象を報知する演出は、遊技者(客)が居合わせない場面で発生する事象を報知する演出である。また、特定事象を報知する演出は、遊技者が遊技しているときに発生し難い、または発生しない事象を報知する演出である。例えば、特定事象を報知する演出は、RAM41c(記憶手段)の記憶領域の初期化中であることを報知する演出や、設定変更中であることを報知する演出や、電源投入中であることを報知する演出などであってもよい。
また、所定事象は、遊技者(客)が居合わせる場面で発生する事象である。例えば、所定事象は、エラーの発生や、エラーの解消や、前面扉1bの開放や、精算や、遊技開始時や、リール2L、2C、2Rが回転してから一定時間経過した場合などであってもよい。また、所定事象を報知する演出は、遊技者(客)が居合わせる場面で発生する事象を報知する演出である。例えば、所定事象を報知する演出は、エラーが発生したことを報知する演出や、エラーが解消したことを報知する演出や、前面扉1bが開放されていることを報知する演出や、精算処理中であることを報知する演出や、遊技の開始を報知する演出や、リール2L、2C、2Rが回転してから一定時間経過したことを報知する演出などであってもよい。なお、遊技の開始を報知する演出は、例えばメダル投入部4にメダルが投入された場合に「ようこそ」などの音声をスピーカ53、54から出力する演出であってもよい。また、リール2L、2C、2Rが回転してから一定時間経過したことを報知する演出は、リール2L、2C、2Rの停止を促進する演出であってもよい。
図24は、報知演出処理の処理手順を示したフローチャートである。サブ制御部91は、遊技制御基板41から送信される各種コマンドに基づいて、特定事象が発生したか否かを判定する(Sp1)。
特定事象が発生したと判定した場合(Sp1でY)には、サブ制御部91は、特定事象が発生したことを報知する演出(特定事象報知演出)を実行する。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。
特定事象が発生していないと判定した場合(Sp1でN)には、サブ制御部91は、所定事象が発生したか否かを判定する(Sp3)。所定事象が発生していないと判定した場合(Sp3でN)には、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。
所定事象が発生したと判定した場合(Sp3でY)には、サブ制御部91は、演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されているか否かを判定する(Sp4)。演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されていると判定した場合(Sp4でY)には、キャラクタAを用いた所定事象の報知演出(所定事象報知演出)を実行する。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。一方、演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されていないと判定した場合(Sp4でN)には、キャラクタBを用いた所定事象の報知演出(所定事象報知演出)を実行する。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。
次に、所定事象報知演出について説明する。図25、図26は、本実施形態における所定事象を報知する演出例を示した概略図である。図25に示す例では、演出キャラクタとしてキャラクタAが設定され、キャラクタA(CAa)を用いた演出が実行されている(図25(A))。このときに、所定事象として「セレクタエラー」が発生した場合、図25(B)に示すように、キャラクタA(CAb)を用いた所定事象報知演出が実行される。具体的には、キャラクタA(CAb)を用いた所定事象報知演出では、キャラクタA(CAb)の吹き出し画像により、発生した所定事象の内容「セレクタエラー発生」を報知している。また、スピーカ53,54から、キャラクタAの音声により「店員を呼んでね〜」と出力し、所定事象が発生したことを報知している。
また、図26に示す例では、演出キャラクタとしてキャラクタBが設定され、キャラクタB(CBa)を用いた演出が実行されている(図26(A))。このときに、所定事象として「セレクタエラー」が発生した場合、図26(B)に示すように、キャラクタB(CBb)を用いた所定事象報知演出が実行される。具体的には、キャラクタB(CBb)を用いた所定事象報知演出では、キャラクタB(CBb)の吹き出し画像により、発生した所定事象の内容「セレクタエラー発生」を報知している。また、スピーカ53,54から、キャラクタBの音声により「店員さ〜ん」と出力し、所定事象が発生したことを報知している。
上述したとおり、本実施の形態によれば、所定事象が発生する前に実行されている演出に応じて、所定事象を報知する演出(所定事象報知演出)が異なる。例えば、所定事象が発生する前に実行されている演出が「キャラクタAを用いた演出」である場合、所定事象を報知する演出は、「キャラクタAを用いた所定事象報知演出」である。また、例えば、所定事象が発生する前に実行されている演出が「キャラクタBを用いた演出」である場合、所定事象を報知する演出は、「キャラクタBを用いた所定事象報知演出」である。
このように、本実施の形態によれば、所定事象は、遊技者(客)が居合わせる場面で発生する事象である。また、本実施の形態によれば、所定事象の発生前の演出に応じて所定事象の報知態様が異なるため、遊技の興趣を高めることができる。また、所定事象の発生前の演出で用いられるキャラクタと同じキャラクタを用いて所定事象の報知演出を実行するため、所定事象演出が実行されたとしても、遊技が途切れた感じを軽減することができる。
次に、特定事象報知演出について説明する。図27は、本実施形態における特定事象を報知する演出例を示した概略図である。図27に示す例では、特定事象として設定変更が発生し、設定変更中であることを報知する演出が実行されている。具体的には、特定事象報知演出では、文字により、発生した特定事象の内容「設定変更中」を報知している。また、スピーカ53,54から、電子音「ピロリロ ピロリロ」を出力し、特定事象が発生したことを報知している。
このように、本実施の形態によれば、遊技者(客)が居合わせない場面で発生する特定事象や、遊技者が遊技しているときに発生し難い、または発生しない特定事象を報知する場合、所定事象報知演出とは異なり、1種類の報知態様で報知する。これにより、特定事象報知演出では報知態様を複数用意する必要が無いため、演出に用いるデータの記憶容量を増やしすぎないことができる。
また、例えば、特定事象がRAM41c(記憶手段)の記憶領域の初期化である場合、本実施形態では、特定事象の報知は1種類の態様であるため、態様の選択のために用いるデータを記憶領域に残しておく必要がない。例えば、特定事象の報知の際にも、複数のうちから報知態様を選択させようとすると、RAM41cの記憶領域に何かしらのデータを残す必要がある。
なお、例えば、特定事象が設定変更の場合、設定変更が終了してから一定時間(例えば、30秒間)、電子音(例えば「ピロリロ ピロリロ」)を出力し続けるようにしてもよい。また、特定事象が設定変更の場合、設定変更が終了してから一定時間(例えば、30秒間)、演出効果LED52を例えば赤色に点灯し続けるようにしてもよい。これにより、設定変更が終了したとしても、設定変更の終了後から一定時間、設定変更が行われたことを報知することができる。なお、設定変更が終了した場合、液晶表示器51が表示する演出については、すぐに通常演出に戻してもよい。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施の形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施の形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
(変形例1)上述した例では、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタAを用いた態様としている。また、例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタBを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタBを用いた態様としている。しかしながら、これに限らない。例えば、第1演出と第2演出とでは登場しているキャラクタは同じであるが、報知態様が異なるようにしてもよい。例えば、第1演出と第2演出とに登場するキャラクタは、両方ともキャラクタAであるが、第1演出に登場するキャラクタAは笑っており、第2演出に登場するキャラクタAは怒っているようにする。そして、所定事象が発生する前に実行されていた演出が笑っているキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、笑っているキャラクタAを用いた態様とする。また、所定事象が発生する前に実行されていた演出が怒っているキャラクタAを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、怒っているキャラクタAを用いた態様とする。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(変形例2)上述した例では、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタAを用いた態様としている。また、例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタBを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタBを用いた態様としている。しかしながら、これに限らない。例えば、第1演出と第2演出とでは登場しているキャラクタは同じであるが、報知態様が異なるようにしてもよい。例えば、第1演出と第2演出とに登場するキャラクタは、両方ともキャラクタAであるが、第1演出に登場するキャラクタAは大人のキャラクタとし、第2演出に登場するキャラクタAは子供のキャラクタとする。そして、所定事象が発生する前に実行されていた演出が大人のキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、大人のキャラクタAを用いた態様とする。また、所定事象が発生する前に実行されていた演出が子供のキャラクタAを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、子供のキャラクタAを用いた態様とする。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(変形例3)上述した例では、所定事象が発生する前に実行されていた演出として、キャラクタAを用いた第1演出と、キャラクタBを用いた第2演出とを用いて説明したが、これに限らない。例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出として、3種類以上の演出を用いてもよい。例えば、キャラクタAを用いた第1演出と、キャラクタBを用いた第2演出と、キャラクタCを用いた第3演出とを用いてもよい。この場合においても、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタAを用いた態様とする。また、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタBを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタBを用いた態様とする。また、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタCを用いた第3演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタCを用いた態様とする。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。なお、所定事象が発生する前に実行されていた演出として、4種類以上の演出を用いた場合であっても同様に行うことができる。
(変形例4)上述した例では、所定事象が発生する前に実行される演出で用いられるキャラクタは、キャラクタ抽選テーブルに基づいて抽選によって決定されているが、これに限らない。例えば、所定事象が発生する前に実行される演出で用いられるキャラクタは、ユーザの選択によって選択されるようにしてもよい。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(変形例5)上述した例では、所定事象が発生する前に実行される演出で用いられるキャラクタは、キャラクタ抽選テーブルに基づいて抽選によって決定されているが、これに限らず、当選役(小役告知演出やボーナス告知演出など)に応じて選択されるようにしてもよい。例えば、所定事象の発生を報知する際の態様を、小役告知演出で登場しているキャラクタを用いた態様とするようにしてもよい。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(変形例6)上述した例では、所定事象が発生する前に実行される演出で用いられるキャラクタは、キャラクタ抽選テーブルに基づいて抽選によって決定されているが、これに限らず、演出(会話演出や連続演出など)に応じて選択されるようにしてもよい。例えば、所定事象の発生を報知する際の態様を、会話演出で登場しているキャラクタを用いた態様とするようにしてもよい。また、例えば、所定事象の発生を報知する際の態様を、連続演出で登場しているキャラクタを用いた態様とするようにしてもよい。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(変形例7)上述した例では、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタAを用いた第1演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタAを用いた態様としている。また、例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタBを用いた第2演出の場合には、所定事象の発生を報知する際の態様を、キャラクタBを用いた態様としている。しかしながら、これに限らず、所定事象が発生する前に実行されていた演出は、キャラクタAを用いた演出やキャラクタBを用いた演出ではなく、キャラクタAに関連する演出や、キャラクタBに関連する演出であってもよい。例えば、キャラクタAに関連する演出として、キャラクタAの部屋など、キャラクタAに関連するステージや背景演出であってもよい。同様に、キャラクタBに関する演出として、キャラクタBの部屋など、キャラクタBに関連するステージや背景演出であってもよい。このような構成であっても、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
[遊技機について]
以上のように、上記の実施の形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、例えば遊技球を用いるパチンコ遊技機に上記の実施形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本発明の遊技機は、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得る遊技機も本発明の遊技機に含まれるものである。
また、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
また、本実施の形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
また、本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態では、所定事象(例えば、遊技者(客)が居合わせる場面で発生する事象。例えば、エラーの発生、エラーの解消、前面扉1bの開放、精算、遊技開始時、リール2L、2C、2Rが回転してから一定時間経過した場合)が発生したときに、該所定事象が発生した旨を報知する報知手段(例えば、液晶表示器51、スピーカ53,54)と、複数の演出(例えば、キャラクタAを用いた演出、キャラクタBを用いた演出など)のうち、いずれかの演出を選択して実行する演出実行手段(例えば、サブ制御部91)と、を備え、報知手段は、所定事象が発生する前に実行されていた演出が、第1演出か第2演出かによって報知の態様を異ならせる(例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタAを用いた演出の場合には、報知の態様を、キャラクタAを用いた態様とする。また、例えば、所定事象が発生する前に実行されていた演出がキャラクタBを用いた演出の場合には、報知の態様を、キャラクタBを用いた態様とする)。
これにより、所定事象の発生前の演出に応じて報知態様が異なるため、所定事象を報知する場合においても興趣を向上させることができる。
(2) また、本実施の形態では、第1演出と第2演出とでは登場しているキャラクタが異なり(例えば、第1演出に登場するキャラクタはキャラクタAであり、第2演出に登場するキャラクタはキャラクタBである。)、該登場しているキャラクタが報知を行うことで報知の態様を異ならせるようにしてもよい。
これにより、所定事象発生前のキャラクタによる報知が行われるため、遊技が途切れる感じを軽減させることができる。
(3) また、本実施の変形例では、第1演出と前記第2演出とでは登場しているキャラクタ(例えば、第1演出に登場するキャラクタはキャラクタAであり、第2演出に登場するキャラクタはキャラクタAである。)は同じであるが、報知態様が異なる(例えば、第1演出に登場するキャラクタAは笑っており、第2演出に登場するキャラクタAは怒っている。また、例えば、第1演出に登場するキャラクタAは大人のときのキャラクタであり、第2演出に登場するキャラクタAは子供のときのキャラクタである。)ようにしてもよい。
これにより、キャラクタが同じであるが、演出により、そのキャラクタの報知態様が異なるためるため、興趣を向上させることができる。
(4) また、本実施の形態では、ゲーム中にエラー(異常)が発生したときには該ゲームの終了後にエラー信号(セキュリティ信号)を出力し、払出のあるゲーム中にエラーが発生した場合には払出信号の外部出力完了前にエラー信号の出力を開始するようにしてもよい。
これにより、エラーの発生契機を判別することができる。
(5) また、本実施の形態では、エラー(異常)状態の終了は、開閉部材(前面扉1b)の開放エラーが解除されているときのみ行うようにしてもよい。
これにより、好適にエラー状態を終了することができる。
(6) また、本実施の形態では、特定事象(例えば、遊技者(客)が居合わせない場面で発生する事象。例えば、遊技者が遊技しているときに発生し難い、または発生しない事象。例えば、初期化や、設定変更や、電源投入)が発生したときに、該特定事象が発生した旨を報知する第2報知手段(例えば、液晶表示器51、スピーカ53,54)を備え、報知手段は、所定事象が発生したときに複数の報知態様(例えば、キャラクタAを用いた報知態様とキャラクタBを用いた報知態様)の中からいずれかの報知態様を選択して該所定事象が発生した旨を報知し、第2報知手段は、特定事象が発生したときに一の報知態様(例えば、文字による報知態様)で該特定事象が発生した旨を報知するようにしてもよい。
これにより、所定事象が発生した旨の報知は複数の報知態様から選択されるため、興趣を向上させることができる。また、特定事象は一の報知態様で報知されるため、容量を増やしすぎないことができる。