JP2016207583A - 二次電池電極用のシート状活物質粒子含有成形体、二次電池用電極、およびそれを用いた二次電池。 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚い電極を作製する場合、電極シート作製時および/または圧延時に二次粒子の破壊を抑制したシート状活物質粒子含有成形体、二次電池用電極、それを用いた二次電池の提供。【解決手段】体積平均粒子径1〜100μmの活物質二次粒子80重量%以上を含み、厚みが0.3〜3mmの二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体であって、さらに、該活物質二次粒子の間に、繊維状の形状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を含み、該活物質二次粒子が、体積平均粒子径が0.1〜1μmの酸化物活物質一次粒子を含み、かつ、該活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上である二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池電極用のシート状活物質粒子含有成形体、二次電池用電極、およびそれを用いた二次電池に関するものである。
一般的に、二次電池は、高エネルギー密度・低抵抗・長寿命であるものが要求され、構成部材の偏在がなく、より多くの電極活物質を電池内に存在させることが重要となる。特に、高エネルギー密度化には、充填性の良い電極活物質を使用することと、電極活物質層の厚みを厚くし、電極全体における集電体の比率を下げることが重要となる。
複数の一次粒子が結合し、ほぼ球形の二次粒子となっている表面積の小さい酸化物電極活物質は、表面積が大きい活物質に比べて、少ない結着材量で二次粒子同士や二次粒子と集電体との結着が可能であり、電極の低抵抗化により内部抵抗が小さくなること、電極内での電位分布が小さくなり局所反応が抑制されること、活物質層中での実質的な活物質密度を大きくできるので容量が大きくなること、等の理由により、このような二次粒子を使用することで上記のような高性能の二次電池を作製することができる。
しかし、このような二次粒子の圧縮破壊強度が小さいと、二次電池用電極シート作製時および/または圧延時に粒子が破壊され、それに伴い、電極シートの割れや、導電助材や結着材による被覆がなされていない一次粒子表面の露出、電極の空隙率の増加による密度低下、孤立した粒子群の発生等が生じ、電極としての性能、ひいては二次電池の特性が低下するため、このような二次粒子の二次電池用電極形成過程における破壊を抑制する必要がある。
このような観点から、特許文献1において、微粒子発生による比表面積の増大に起因する密着強度減少に伴う界面抵抗の増大を抑えるために、平均一次粒径が1nm以上10μm以下である単斜晶系β型チタン複合酸化物の一次粒子を含む平均粒径が1μm以上100μm以下である二次粒子の電池用活物質について、該二次粒子の圧縮破壊強度を20MPa以上とすることを開示している。このような二次粒子を用い、強度が弱い二次粒子であって、電極の製造過程において崩壊し一次粒子になりやすい二次粒子を含まないようにすることで、二次粒子崩壊に由来する活物質間の結着強度低下が抑制された、活物質と集電体の剥離が生じにくい電極を作製することが開示されている。
しかし、特許文献1の発明の電池は、活物質層の厚みが薄いため、エネルギー密度の観点から不利であり、そのまま活物質層の厚みを厚くした場合は、乾燥時に活物質含有層の収縮が大きくなり、活物質層にクラックが発生したり、活物質層が電極集電体から落下したりする可能性がある。また、流延乾燥法で活物質層を形成しているため、導電助材の二次粒子への付着率が低く、かつ、活物質層圧延時に二次粒子にかかる圧縮応力が、活物質層そのものによる緩和効果が期待できず大きくなり、20MPa以上という、より強い粒子圧縮破壊強度を持つ材料が必要となっている。さらに、単斜晶系β型チタン複合酸化物は、本来の意味での特定の結晶構造を有する複合酸化物ではなく、チタニアのTiが別な金属に置換された酸化物であり劈開性を有するため好ましくない。
そのため、活物質層の厚みの厚い電池を良好に作製するために十分な成形性と機械的強度を持つシート状活物質粒子含有成形体を得る方法が必要であった。
本発明者は、体積平均粒子径D50が1μm以上100μm以下、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上の活物質二次粒子を使用し、該活物質二次粒子の間に、繊維状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を存在させることにより、厚みが0.3mm以上3mm以下の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を圧縮成形により良好に作製できることを見出した。これは、粒子破壊に伴う、導電助材や結着材による被覆がなされていない一次粒子表面の露出による二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の成形性低下を抑制することに起因する現象である。
また、前記成形体を、従来のスラリー流延乾燥法ではなく、活物質を含む混合材を圧縮成形することにより作製しているため、特許文献1と比較して低い数平均圧縮破壊強度を有する活物質を使用しても成形が可能である。
即ち、本発明は、体積平均粒子径1μm以上100μm以下の活物質二次粒子80重量%以上を含み、厚みが0.3mm以上3mm以下の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体であって、さらに、該活物質二次粒子の間に、繊維状の形状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を含み、該活物質二次粒子が、体積平均粒子径が0.1μm以上1μm以下の酸化物活物質一次粒子を含み、かつ、該活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上であることを特徴とする二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に関する。
前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体は、体積平均粒子径0.001μm以上50μm以下の導電助材を、0.5重量%以上、20重量%以下含み、該導電助剤の一部が、前記活物質二次粒子の表面に直接付着していることが好ましい。
前記前記結着材樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることが好ましい。
前記酸化物活物質一次粒子は、スピネル構造を有するチタン酸リチウムおよび/またはチタン酸リチウムのイオンの一部を他のイオンで置換した酸化物、または、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他のイオンで置換した酸化物であることが好ましい。
本発明の二次電池用電極は、前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を、有孔構造を持つ集電体と一体化することにより得ることができ、前記有孔構造を持つ集電体が、アルミニウム製エキスパンドメタル、および/またはパンチングメタルであることが好ましい。
本発明によれば、活物質層の厚さが0.3mm以上3mm以下と、従来の電極と比較して厚い電極を作製する際、D50が1μm以上100μm以下、数平均粒子圧縮破壊強度が、3MPa以上の活物質二次粒子を使用し、該活物質二次粒子の間に、繊維状の形状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を存在させることにより、良好な成形性を有する活物質粒子含有混合物とすることができる。また、このような本発明のシート状活物質粒子含有成形体においては、少量の結着材量でも十分な成形性や機械的強度が得られる。十分な成形性や機械的強度が得られることにより、電極成形時や搬送時に活物質混合物が集電体から剥離することがなく取扱いに優れる。また、二次電池製造後においても、集電体からの剥離がないため、二次電池の抵抗増大も抑制することが可能である。機械的強度と柔軟性を兼ね備えた連続体としての電極が製造可能であり、ロールに捲回することも可能であることから、巻き取り、巻き出しなどが容易なため生産性に優れる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体は、厚み0.3mm以上、3mm以下のシート状の二次電池電極用の活物質粒子含有成形体である。厚みをこの範囲内とすることにより、高エネルギー密度、高レート特性の二次電池とすることができる。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体は、厚み0.3mm以上、3mm以下のシート状の二次電池電極用の活物質粒子含有成形体である。厚みをこの範囲内とすることにより、高エネルギー密度、高レート特性の二次電池とすることができる。
前記活物質粒子含有成形体は、体積平均粒子径1μm以上100μm以下の活物質二次粒子80重量%以上と、前記活物質二次粒子の間に、繊維状の形状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を含み、該活物質二次粒子が、体積平均粒子径が0.1μm以上1μm以下の酸化物活物質一次粒子を含み、かつ、該活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上であることを特徴とし、前述の各構成材料が該成形体内において均一に分散して存在する。各構成材料が均一分散されていることにより、長寿命、高エネルギー密度の二次電池とすることができる。
ここで、各構成材料が均一に分散されているとは、活物質粒子含有成形体中の任意の場所において、活物質および結着材の存在比率が、活物質粒子成形体全体の平均値に対して誤差範囲±20%以内であることをいう。存在比率はSEM観察によって確認することが可能であり、例えば、成形体中の任意の場所10点で各構成材料の存在比率を求め、その10点の存在比率の平均値と各点の存在比率の差から、誤差範囲±20%以内であるかどうかを判定することができる。本発明のように、活物質粒子含有成形体を圧縮成形により形成した場合には、各構成材料が成形体中で均一に混合されるため、任意の場所において各構成材料の存在比率は上記の範囲内となっており、均一に分散されていることとなる。
(電極の活物質、結着材、導電助材)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる酸化物活物質一次粒子は、該電極を負極に用いる場合には、その主成分が、チタンを含む酸化物、酸化モリブデン、酸化ニオブ、及び酸化タングステンであることが好ましく、より好ましくは、チタン酸リチウム、及びチタン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換したものからなる群から選ばれる1種以上であることであり、前記他の金属イオンがニオブであることが、良好な成形性および長寿命化に効果があるため、特に好ましい。また、前記リチウムチタン酸化物がスピネル構造を有していることが、充放電に対する寸法安定性および加工時の材料劈開抑制の観点から特に好ましい。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる酸化物活物質一次粒子は、該電極を負極に用いる場合には、その主成分が、チタンを含む酸化物、酸化モリブデン、酸化ニオブ、及び酸化タングステンであることが好ましく、より好ましくは、チタン酸リチウム、及びチタン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換したものからなる群から選ばれる1種以上であることであり、前記他の金属イオンがニオブであることが、良好な成形性および長寿命化に効果があるため、特に好ましい。また、前記リチウムチタン酸化物がスピネル構造を有していることが、充放電に対する寸法安定性および加工時の材料劈開抑制の観点から特に好ましい。
前記活物質二次粒子のD50が、1μm以上、100μm以下であることで、上記の成形性向上効果を得る。また、活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度は3MPa以上であれば、高強度の活物質層を得ることが可能となる。
このような負極活物質を含む負極に組み合わせる正極に含まれる正極活物質に用いられる酸化物活物質一次粒子としては、マンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物、リン酸鉄リチウム、及びリン酸マンガンリチウムからなる群から選ばれる1種以上であることが、良好な成形性および長寿命化に効果があるため好ましい。より好ましくは、マンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物からなる群から選ばれる1種以上であることであり、前記他の金属イオンがニッケル、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、コバルト、鉄から選ばれる少なくとも1種を含む金属イオンであることが、副反応が抑制されることによる長寿命化に効果があるため、特に好ましい。また、前記マンガン酸リチウムがスピネル構造を有していることが、充放電に対する寸法安定性および加工時の材料劈開抑制の観点から特に好ましい。
また、正極においても、負極と同様の理由で、前記活物質二次粒子のD50が、1μm以上、100μm以下であることで、上記の成形性向上効果を得る。また、活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度は3MPa以上であれば、高強度の活物質層を得ることが可能となる。
前記活物質二次粒子は二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に80重量%以上含まれることが好ましい。これにより、電池特性が良好でエネルギー密度の高い電池とすることができる。
前記活物質二次粒子は、体積平均粒子径が0.1μm以上1μm以下の酸化物活物質一次粒子を含むことが好ましい。体積平均粒子径が上記の範囲にあることにより、成形性が良好となり、かつ、高エネルギー密度の電池とすることができる。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる結着材は、前記活物質二次粒子の間に存在し、繊維状の形状保持構造体として作用し、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の樹脂である。引張弾性率、引張強度がこの範囲にあることにより、十分な形状保持効果を得ることが出来る。引張弾性率、引張強度は、それぞれ、差動トランス伸び計、オートグラフによって測定することができる。
前記結着材としては、たとえば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)が代表例として挙げられる。特にPTFEは、非極性で、熱可塑性樹脂ではあるものの溶融流動性を有さないため圧縮成形温度は定義できず、また、変形性が大きいため、圧縮成形により変形し繊維状の形状保持構造体となり易い。このような繊維状の形状保持構造体となる理由は、好ましくはロールにより、前記圧縮成形される際に、体積が半分程度に圧縮されるため、その過程で、本発明に係る活物質二次粒子の間に保持されたPTFEにせん断応力がかかるためである。圧縮成形による作製方法によれば、後述の導電助材と、前述の活物質二次粒子、さらに結着材が均一に分散した状態で結着性を発現させることができるため、活物質二次粒子への導電性付与効果が高く、特に大容量電池とするために活物質層を厚くすることを特徴とする本発明では、導電助材が好ましい分散状態にあるシート状活物質粒子含有成形体が得られる。また、PTFEは非極性材料であるので、二次電池性能の低下に直結する水分の脱離性に優れ、このため、本発明では、水添系粉体を原料とすることができる。
また、前記結着材以外に複数の結着材を混合させることも可能である。混合される結着材として、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グルコマンナン・グアガム等の天然多糖類およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えても良い。
前記結着材の成形体中の混合比率は、0.5重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。このような範囲内とすることで、電池性能を低下させずに十分な結着性を付与することができる。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体には導電助材を添加することが可能であり、前記導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料または/および金属微粒子が好ましい。炭素材料として、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。金属微粒子としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれら少なくとも1種を含む合金が挙げられる。また、無機材料の微粒子にめっきを施したものでも良い。これら炭素材料および金属微粒子は1種類でも良いし、2種類以上用いても良い。
前記導電助材は、体積平均粒子径0.001μm以上50μm以下とすることが、取り扱い性、良好な分散性による導電性付与の観点から好ましい。
前記導電助材の成形体中の混合比率は0.5重量%以上、20重量%以下であり、その一部が、前記活物質二次粒子の表面に直接付着していることが好ましい。導電助材の付着状態は、例えばSEM観察により確認可能である。これにより、電極の導電性が確保されつつ結着材との接着性が維持され、高強度の活物質層を得ることができる。
(二次電池)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池は、一般に、イオン伝導性を有する電解質を含むセパレータを正極、及び負極で挟持した積層体を含むものである。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池は、一般に、イオン伝導性を有する電解質を含むセパレータを正極、及び負極で挟持した積層体を含むものである。
本発明に係る二次電池は、正極と負極との間にセパレータを配置したものを捲回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、およびセパレータには、例えば、イオン伝導を担う非水電解質が含浸している。非水電解質としてゲル状のものを使用する場合は、電解質が正極および負極に含浸していても、正極・負極間のみにある状態でもよい。ゲル状電解質により正極・負極間が直接接触していなければ、セパレータを使用する必要はない。
本発明に係る二次電池は、上記捲回、あるいは積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。前記外装には発生したガス等を放出するための機構が備わっていてもよい。また、劣化した当該非水電解質二次電池の機能を回復させるための添加剤を電池外部から注入する機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電池容量を発現するように適宜設定できる。積層の場合は、電極の積層方向に圧力が加えられていても良い。二次電池内部で圧力を加えても、外装の外側から圧力を加えても良い。
本発明に係る二次電池は、複数を直列接続することによって組電池とすることができる。本発明の二次電池からなる組電池は、二次電池毎に容量ばらつきを制御する必要がないため、二次電池毎に個別に充放電せずに、組電池単位で充放電することも可能である。また、同様の理由から、組電池単位で電圧監視および制御をすることも可能である。また、直列接続した組電池同士を並列接続することができる。並列の個数には特に制限がなく、使用する用途によって自由に設計することができる。
本発明に係る組電池の用途は特に限定されないが、長寿命、高安全と云う特長から、商用電源に系統連系されて用いることが好ましい。系統連系されて用いられる場合、定電流以外の制御でも充放電がなされてもよい。例えば、終止電圧以下の定電圧を印加することにより充電することや、定ワットや定抵抗で負荷をかけることにより放電をすることが挙げられる。
本発明に係る二次電池は、前述のように、チタンを含む酸化物を負極活物質として含む負極を備えることが好ましいが、このチタンを含む酸化物の異常活性点で、電解質溶媒が分解してガスが発生する場合がある。そのために、一定の充電状態で、発生したガスを吸収する能力がある、リチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極を備えることが好ましい。しかし、このリチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極は、過充電に対し脆弱なので、本発明の効果を奏さしめつつ、このようなガス発生を抑制せしめる観点から、二次電池を、第1の正極として、リチウムマンガン酸化物およびそのマンガンの一部を異種元素で置換した酸化物からなる群から選ばれる1種以上の正極活物質を主成分とする正極を有し、かつ、前記第1の正極とは別の第2の正極として、前記リチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極をさらに有する二次電池とすることも好適な実施態様である。このようにすることで、通常の充放電に関わる第1の正極とは別に、第1の正極と同様に作動する別の活物質を塗布した第2の正極を導入することができる。第2の正極は第1の正極とは電気的に分離しており、第1の正極と第2の正極を同時に一定電圧まで充電したあと、第2の正極を電気的に切り離すことで、充電状態の第2の正極を電池内に存在させることができる。この第2の正極がリチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む場合、二次電池中に発生したガスを吸収させることが可能になる。
(セパレータ)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料または不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、電解液を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料または不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、電解液を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
セパレータの厚みは1〜500μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの機械的強度の不足により破断し、内部短絡する傾向がある。一方、500μmより厚い場合、電池の内部抵抗と、正極負極の電極間距離が増大することにより、電池の負荷特性が低下する傾向がある。より好ましい厚みは、10〜300μmである。
(電解質)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いる電解質としては、非水電解質が好ましく、非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液またはイオン液体を高分子に含浸させたゲル電解質、硫黄系固体電解質のような固体電解質、イオン液体とシリカ微粒子を混合し、疑似固体化した擬似固体電解質などを用いることができる。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いる電解質としては、非水電解質が好ましく、非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液またはイオン液体を高分子に含浸させたゲル電解質、硫黄系固体電解質のような固体電解質、イオン液体とシリカ微粒子を混合し、疑似固体化した擬似固体電解質などを用いることができる。
前記非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましく、炭酸塩であることがより好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質の溶解させやすさ、イオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
前記溶質は、特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池の場合、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2など、構成元素にリチウムとハロゲンを含む化合物が、溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解質に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
二次電池に非水電解質を用いる場合、非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。固体電解質を用いる場合には、そのまま加圧成形しても良いし、前述の電極に用いた結着材を使用し、シート状に成形して使用しても良い。また、正極内および負極内でのイオン伝導性を確保するために、電極構成材料とともに混合しても良い。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に金属等の導電性を有する集電体を貼りあわせることにより板状二次電池電極とすることができる。前記集電体に用いられる導電性材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンおよびこれら少なくとも1種を含む合金または導電性を有する高分子が挙げられる。形状としては、箔状、メッシュ状、パンチング状、エキスパンド状、または発泡構造体が挙げられる。
前記集電体は、有孔構造を持つことが好ましい。それにより、前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体と貼り合わせた際に、成形体が孔に入り込み、両者を一体化させることができ、活物質層の集電体からの剥離が抑制された二次電池用電極を得ることが可能となる。前記有孔構造を持つ集電体は、剥離抑制の効果が大きいことから、アルミニウム製エキスパンドメタル、および/またはパンチングメタルが特に好ましい。このような集電体に用いられる導電性材料は、電極作動電位で安定であればよく、リチウムイオン電池においては、作動電位がリチウム基準で0.7V以下では、銅およびその合金が好ましく、0.7V以上ではアルミニウムおよびその合金が好ましい。前述のチタン酸リチウムを負極に用いる場合には、アルミニウムが電位耐性および軽量化の観点から特に好ましい。
前記正極および負極における活物質層の空隙率は15%以上60%以下が好ましく、15%以上40%以下がより好ましい。空隙率が15%未満の場合、イオン拡散が制限されすぎるため、良好な電池性能が得られにくい。空隙率60%以上の場合、活物質同士もしくは活物質と導電助材の接触不良になることがあり、電池性能が低下する恐れがある。また、空隙率が大きい場合には体積エネルギー密度が低下するため、前記範囲内であることが好ましい。
(成形方法)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の前駆体となる活物質粒子含有混合物を製造する方法は、特に限定されないが、活物質二次粒子、導電助材、結着材を均一に混合できることから、撹拌造粒装置、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。活物質混合物の混合方法は、特に限定されないが、活物質二次粒子、導電助材を混合した後に、溶媒に分散させた結着材を加えて作製しても良いし、活物質二次粒子、導電助材、および結着材を混合した後に溶媒を加えて作製しても良い。好ましくは、活物質二次粒子に、溶媒に分散させた結着材を加えて混合した後に、導電助材を加えて、さらに撹拌混合する方法が望ましい。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の前駆体となる活物質粒子含有混合物を製造する方法は、特に限定されないが、活物質二次粒子、導電助材、結着材を均一に混合できることから、撹拌造粒装置、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。活物質混合物の混合方法は、特に限定されないが、活物質二次粒子、導電助材を混合した後に、溶媒に分散させた結着材を加えて作製しても良いし、活物質二次粒子、導電助材、および結着材を混合した後に溶媒を加えて作製しても良い。好ましくは、活物質二次粒子に、溶媒に分散させた結着材を加えて混合した後に、導電助材を加えて、さらに撹拌混合する方法が望ましい。
前述のとおり、本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に金属等の導電性を有する集電体を貼り付けることにより板状の二次電池用電極とすることができる。集電体への貼り付け方法は特に限定されないが、順に、2枚の前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体で集電体を挟み込み、集電体挟持物を形成する工程、及び該集電体挟持物を、その両面にある、前記2枚の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の両側からプレスする工程を含むことが好ましい。または、集電体と活物質粒子含有混合物を同時にプレスし、二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の製造と板状二次電池電極を同時に成形する工程を含むことが好ましい。シートの乾燥は、電極を成形する前でも後でも良い。
以下の方法で実施例1〜6、及び比較例1〜4の二次電池を作製し、性能を評価した。それぞれの評価条件は表1に記載のとおりである。
(1)二次電池の作製
電極活物質であるLi1.1Al0.1Mn1.8O4(LAMO)またはLi4Ti5O12(LTO)の粉末90重量部に対して、導電助材(アセチレンブラック)を5重量部、結着材(PTFE)を固形分換算で5重量部混合して、各々の電極に対応する活物質含有混合物を調製し、この混合物を用いて電極を作製した。具体的な方法は後述する。
電極活物質であるLi1.1Al0.1Mn1.8O4(LAMO)またはLi4Ti5O12(LTO)の粉末90重量部に対して、導電助材(アセチレンブラック)を5重量部、結着材(PTFE)を固形分換算で5重量部混合して、各々の電極に対応する活物質含有混合物を調製し、この混合物を用いて電極を作製した。具体的な方法は後述する。
なお、使用したPTFEの引張強度は230kg/cm2、引張弾性率は4.0×103kg/cm2であった。
(電極活物質の粉末の製造)
ここで、各々の電極活物質は、以下の方法で製造した。
ここで、各々の電極活物質は、以下の方法で製造した。
正極活物質であるLi1.1Al0.1Mn1.8O4(LAMO)は、文献(Electrochemical and Solid−State Letters,9(12),A557(2006))に記載されている方法で製造した。すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム、およびホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を得た。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウムおよび水酸化アルミニウムの量は、リチウム、アルミニウムおよびマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって正極活物質の粉末を得た。焼成温度条件を変更することにより体積平均粒子径および数平均粒子圧縮破壊強度を調整した。
負極活物質のLi4Ti5O12は、文献(Journal of Electrochemical Sosiety,142,1431(1995))に記載されている方法で製造した。すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質の粉末を得た。LAMO同様にスプレードライ法を用いることや、焼成温度条件を変更することにより体積平均粒子径および数平均粒子圧縮破壊強度を調整した。
体積平均粒子径はレーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定した。数平均粒子圧縮破壊強度は島津製微小圧縮試験機を用いて10回測定を行い、平均強度を算出した。
(活物質含有混合物及び電極の作製)
活物質含有混合物および電極の作製方法を以下に示す。
活物質含有混合物および電極の作製方法を以下に示す。
先ず、前記電極活物質と導電助材とを自動乳鉢を用いて混合した。得られた混合粉体をミキサーに移し、水に分散した結着材を、1流体ノズルを用いて噴霧により加え、予備混合した後、水を加えて固形分濃度90%に調整し、再度ミキサー混合することにより、活物質含有混合物を得た。
次に、活物質粒子含有成形体を圧縮成形法により作製した。すなわち、前述の活物質含有混合物をギャップロールに通し、シート状に圧延し、活物質粒子含有成形体を得た。
成形体中の任意の場所10点をSEMにより観察し、電極活物質、導電助材および結着材の存在比率を求め、その10点の存在比率の平均値と各点の存在比率の差を調べたところ、いずれも20%以内であり、各構成材料は成形体内で均一に分散されていた。また、電極活物質の表面に、導電助剤が付着していることも確認された。
このシート2枚の間にアルミニウムエキスパンドメタル(目開き1mm×2mm、厚み0.1mm)を挟み込み、再度ギャップロールを通すことにより成形した後に、170℃で真空乾燥することにより電極を作製した。電極それぞれの成形性を表1に示す。成形性が良好であった場合を○、活物質層にクラックが発生したり、活物質層の脱落が見られたりした場合は×とした。
(二次電池の作製)
LAMOは正極として、LTOは負極として使用した。
LAMOは正極として、LTOは負極として使用した。
先ず、上記で得られた電極と、表1に記載の対極を使用して、正極/セパレータ/負極の順に積層し積層体を作製した。セパレータはセルロース不織布(厚さ25μm)を2枚重ねて用いた。次に、正極および負極に引き出し電極となるアルミニウムタブを振動溶接させた後に、このタブ付きの積層体を袋状のアルミラミネートシートに入れた。正極、負極の容量を測定するために負極としてリチウム金属電極を用いる場合には、ステンレス製シートにリチウム金属を圧着させることにより作製した電極に、ニッケルタブを振動溶接したものを使用した。前記積層体入りの袋の中に、非水電解液(プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を入れた後に、袋の出口を引き出し電極ごと熱封止することによって非水電解質二次電池を作製した。
(2)二次電池の性能評価
正極にLAMOを、負極にLTOを用いた二次電池を、単独で、または同じ種類の二次電池同士を直列接続した組電池として、外装の外側から金属板で挟んだ状態で、8時間で充電または放電が終わる電流値(1/8Cレート)で充放電サイクル試験を行った。即ち、前記組電池は、前記直列接続の任意の点に流れる電流Iであって、含まれる二次電池に共通に流れる電流Iを1/8Cとして、含まれる全ての二次電池を充放電した。
正極にLAMOを、負極にLTOを用いた二次電池を、単独で、または同じ種類の二次電池同士を直列接続した組電池として、外装の外側から金属板で挟んだ状態で、8時間で充電または放電が終わる電流値(1/8Cレート)で充放電サイクル試験を行った。即ち、前記組電池は、前記直列接続の任意の点に流れる電流Iであって、含まれる二次電池に共通に流れる電流Iを1/8Cとして、含まれる全ての二次電池を充放電した。
この充放電サイクル試験において、サイクル数は100サイクルとし、単電池または組電池の両端の電圧を監視し、単電池当たりの電圧が充電終止電圧2.8V到達時に充電を終了する制御を、放電終止電圧2.0V到達時に放電を終了する制御を実施した。この二次電池の容量維持率の値を表1に示す。ここで、容量維持率とは、充放電サイクル試験を実施した後の放電容量を、1サイクル目の放電容量と比較した時のパーセント値である。
(実施例1〜6)
実施例1〜3のように、活物質二次粒子の体積平均粒子径が8μmまたは20μm、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaまたは10MPaのLTOを使用した場合には、電極作製が可能であった。また、実施例4〜6のように、LTOを、体積平均粒子径が8μmまたは15μm、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaまたは10MPaのLAMOに変更しても電極作製が可能であった。
実施例1〜3のように、活物質二次粒子の体積平均粒子径が8μmまたは20μm、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaまたは10MPaのLTOを使用した場合には、電極作製が可能であった。また、実施例4〜6のように、LTOを、体積平均粒子径が8μmまたは15μm、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaまたは10MPaのLAMOに変更しても電極作製が可能であった。
成形性に関わる因子を抽出するため、D50が20μmのシリカと結着材(PTFEまたはPVdF)を用い、シリカと結着材の重量比95:5でシート化した成形体のSEM観察を行った。図1のように、PTFEを結着材として用いた場合には、繊維状となったものが観察されるのに対し、図2のように、PVdFを用いた場合には繊維状のものは観察されない。繊維化したPTFEが成形体の構造保持体として働くことにより、成形性が良好となっているものと考えられる。前述のLTO電極とLAMO電極を組み合わせて作製した電池は、容量維持率が100サイクルで96%以上と良好な値を示した。
(比較例1)
これに対し、比較例1のように活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度を2MPaにした場合には、電極作製は困難であった。活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaより小さい場合は、活物質層自体の強度が低いため、加圧成形時に粒子破壊が発生しているものと考えられる。
これに対し、比較例1のように活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度を2MPaにした場合には、電極作製は困難であった。活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaより小さい場合は、活物質層自体の強度が低いため、加圧成形時に粒子破壊が発生しているものと考えられる。
(比較例2)
比較例2は、PTFEの代わりに引張強度500kg/cm2、引張弾性率8.5×103kg/cm2のPVdFを結着材として、水の代わりにN−メチル−2−ピロリドン溶媒に溶解させて用いた。PVdFは変形性が小さく、特に厚い電極を作製した場合にはクラックが発生してしまう結果となった。PTFEとは異なり、PVdFには、変形し繊維状の形状保持構造体になる特性は無いことがわかる。
比較例2は、PTFEの代わりに引張強度500kg/cm2、引張弾性率8.5×103kg/cm2のPVdFを結着材として、水の代わりにN−メチル−2−ピロリドン溶媒に溶解させて用いた。PVdFは変形性が小さく、特に厚い電極を作製した場合にはクラックが発生してしまう結果となった。PTFEとは異なり、PVdFには、変形し繊維状の形状保持構造体になる特性は無いことがわかる。
(比較例3、4)
比較例3は、活物質二次粒子の体積平均粒子径が1μmより小さい場合、比較例4は、活物質一次粒子の体積平均粒子径が0.1μmより小さい場合であり、いずれも成形性は悪い傾向が見られた。活物質の一次粒子、二次粒子は、特定の範囲の体積平均粒子径のものを使用することが、成形性向上の効果を得るためには必要であるものと考えられる。
比較例3は、活物質二次粒子の体積平均粒子径が1μmより小さい場合、比較例4は、活物質一次粒子の体積平均粒子径が0.1μmより小さい場合であり、いずれも成形性は悪い傾向が見られた。活物質の一次粒子、二次粒子は、特定の範囲の体積平均粒子径のものを使用することが、成形性向上の効果を得るためには必要であるものと考えられる。
Claims (8)
- 体積平均粒子径1μm以上100μm以下の活物質二次粒子80重量%以上を含み、厚みが0.3mm以上3mm以下の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体であって、
さらに、該活物質二次粒子の間に、繊維状の形状保持構造体として、引張強度が300kg/cm2以下、及び、引張弾性率が6.0×103kg/cm2以下の結着材樹脂を含み、
該活物質二次粒子が、体積平均粒子径が0.1μm以上1μm以下の酸化物活物質一次粒子を含み、かつ、
該活物質二次粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上であることを特徴とする二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。 - 前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体が、体積平均粒子径0.001μm以上50μm以下の導電助材を、0.5重量%以上、20重量%以下含み、該導電助剤の一部が、前記活物質二次粒子の表面に直接付着していることを特徴とする請求項1に記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
- 前記結着材樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項1、又は2に記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
- 前記酸化物活物質一次粒子が、スピネル構造を有するチタン酸リチウムおよび/またはチタン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した酸化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
- 前記酸化物活物質一次粒子が、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した酸化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を、有孔構造を持つ集電体と一体化することにより得られる、二次電池用電極。
- 前記有孔構造を持つ集電体が、アルミニウム製エキスパンドメタル、および/またはパンチングメタルである、請求項6に記載の二次電池用電極。
- 請求項6、又は7に記載の二次電池用電極を用いた二次電池。
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CN114132966A (zh) * | 2020-09-03 | 2022-03-04 | 星恒电源(滁州)有限公司 | 一种表面修饰锰酸锂材料及其制备方法 |
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-
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- 2015-04-27 JP JP2015090833A patent/JP2016207583A/ja active Pending
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