JP2016207250A - 非水電解質二次電池用電極活物質層およびこれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極における活物質の膨張・収縮による応力を緩和し、電池のサイクル特性を向上させうる手段を提供。【解決手段】繊維状樹脂骨格基材3と、活物質5とを含み、前記繊維状樹脂骨格基材3の空隙に活物質5が分散されてなる、非水電解質二次電池用電極活物質層1において、繊維状樹脂骨格基材3の含有量は、前記活物質5に対して0.1〜10質量%であり、繊維状樹脂骨格基材3は、導電性を有し、前記繊維状樹脂骨格基材3を構成する樹脂繊維は、直径が0.1〜100μmである。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池用電極活物質層およびこれを用いた非水電解質二次電池に関する。より詳細には、本発明は、充放電時の活物質の膨張・収縮により生じる電池性能の低下を抑制する技術に関する。
近年、環境や燃費の観点から、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)、さらには燃料電池自動車が製造・販売され、新たな開発が続けられている。これらのいわゆる電動車両においては、充電・放電ができる電源装置の活用が不可欠である。この電源装置としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等が利用される。特に、リチウムイオン二次電池はそのエネルギー密度の高さや繰り返し充放電に対する耐久性の高さから、電動車両に好適と考えられ、各種の開発が鋭意進められている。ただし、上記したような各種自動車のモータ駆動用電源に適用するためには、大出力を確保するために、複数の二次電池を直列に接続して用いる必要がある。
しかしながら、接続部を介して電池を接続した場合、接続部の電気抵抗によって出力が低下してしまう。また、接続部を有する電池は空間的にも不利益を有する。即ち、接続部によって、電池の出力密度やエネルギー密度の低下がもたらされる。
この問題を解決するものとして、双極型リチウムイオン二次電池等の双極型二次電池が開発されている。双極型二次電池は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成された双極型電極が、電解質層を介して複数積層された発電要素を有する。換言すると、正極活物質層、電解質層、および負極活物質層が一つの単電池層を形成しており、該単電池層が集電体を介して複数積層した構造である。
上記正極活物質層および負極活物質層に含まれる活物質は、充放電時に電解質中のリチウムイオンを吸蔵・放出することにより体積が膨張・収縮する特性を有する。この膨張・収縮は、電池構造の変形や、集電体から活物質層が剥離する等によるサイクル特性低下の主原因となっている。特に、容量が大きな活物質は吸蔵・放出するリチウムイオン量が多いため、膨張・収縮もより著しい。すなわち、電池容量とサイクル特性とはトレードオフの関係にあり、現在、容量の大きな活物質を用いた場合であっても、如何にサイクル特性を向上させるかについて様々な試みがなされている。
例えば、特許文献1では、正極と、体積変化を起こす負極活物質を含有する負極と、これらの間に介在するセパレータとを含む電極群の外周面を覆うように、合成樹脂およびゴム類等からなる絶縁性保護層を配置した非水電解質二次電池が提案されている。ここで、絶縁性保護層は、電極群の外周面に接着している接着部と、接着していない非接着部の両方を有することを特徴としている。電極群の外周面に絶縁性保護層を接着させることにより電極群を保護し、一部接着させずに外周面に沿って絶縁性保護層を設ける(すなわち、外周面と絶縁性保護層との間に空隙を設ける)ことにより負極集電体に対して垂直方向の膨張応力を緩和している。これにより、電極群の変形や負極活物質の集電体からの脱落などを防ぎ、長期に亘ってサイクル特性や安全性を維持することができる、としている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された手段は、負極活物質の集電体の面方向への膨張応力に十分に対応しているとはいえず、依然として所望のサイクル特性を達成するには至らなかった。
そこで、本発明は電極活物質層における活物質の膨張・収縮による応力を緩和し、電池のサイクル特性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、活物質とともに繊維状樹脂骨格基材を用いて電極活物質層を構成することにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は繊維状樹脂骨格基材と、活物質とを含み、前記繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質が分散されてなることを特徴とする非水電解質二次電池用電極活物質層である。
本発明によれば、繊維状樹脂骨格基材を含むことにより活物質の膨張・収縮しても電極活物質層の構造を保持することができる。また、活物質が繊維状樹脂骨格基材の空隙に分散されている(すなわち、活物質の近傍に空隙が存在している)ため、活物質の膨張・収縮による応力が全方向に亘って緩和されうる。よって、本発明の電極活物質層を非水電解質二次電池に適用することにより、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本明細書では、非水電解質二次電池用電極活物質層を単に「電極活物質層」又は「活物質層」とも称する。また、双極型リチウムイオン二次電池を単に「双極型二次電池」と、双極型リチウムイオン二次電池用電極を単に「双極型電極」と、繊維状樹脂骨格基材を単に「基材」とも称する。
<電極活物質層>
図1は、本発明の一実施形態に係る電極活物質層の一部を模式的に表した断面図である。図1に示す電極活物質層1は、繊維状樹脂骨格基材3と、負極活物質5とを含み、負極活物質5は、繊維状樹脂骨格基材3の空隙(繊維状樹脂骨格基材3が存在しない部分)に分散されてなる構造を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電極活物質層の一部を模式的に表した断面図である。図1に示す電極活物質層1は、繊維状樹脂骨格基材3と、負極活物質5とを含み、負極活物質5は、繊維状樹脂骨格基材3の空隙(繊維状樹脂骨格基材3が存在しない部分)に分散されてなる構造を有する。
本実施形態において、繊維状樹脂骨格基材3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)に導電性フィラーとしてのアセチレンブラック(図示せず)が分散されてなる、導電性を有する樹脂材料から構成されている。一方、負極活物質5は黒鉛から構成されている。さらに、繊維状樹脂骨格基材3の空隙には、導電助剤としてアセチレンブラック(図示せず)が分散されている。
図1の電極活物質層1において、繊維状樹脂骨格基材3は、主に電極活物質層の構造を保持する機能を有する。また、本実施形態では、上述のように繊維状樹脂骨格基材3は導電性を有する樹脂材料から構成されている。したがって、繊維状樹脂骨格基材3は、導電助剤とともに、負極活物質5から集電体への導電パスとしても機能しうる。負極活物質5は、繊維状樹脂骨格基材3の空隙に分散されており、負極活物質5の近傍には繊維状樹脂骨格基材3の空隙が存在しうる。当該空隙が存在することにより、充放電時の負極活物質5の膨張・収縮によって生じる応力が全方向に亘って緩和されうる。以下、本形態の電極活物質層1の構成要素について説明する。
(繊維状樹脂骨格基材)
本形態において「繊維状樹脂骨格基材」とは、繊維状に成形された樹脂(以下、樹脂繊維とも称する)が集合したものであって、主に電極活物質層の構造を保持する機能を有する。樹脂繊維の集合形態は特に限定されないが、例えば、不織布、織布、編布の形態を有しうる。
本形態において「繊維状樹脂骨格基材」とは、繊維状に成形された樹脂(以下、樹脂繊維とも称する)が集合したものであって、主に電極活物質層の構造を保持する機能を有する。樹脂繊維の集合形態は特に限定されないが、例えば、不織布、織布、編布の形態を有しうる。
繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリウレタン、ポリイミド(PI)、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその塩、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。これらの樹脂は、電解液により膨潤しても比較的大きな弾性率を維持するため、活物質の膨張・収縮による応力をより緩和させることができる。なお、これらの樹脂は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
また、繊維状樹脂骨格基材は、導電性を付与することにより、活物質と集電体との間の導電パスとしても機能しうる。よって、本形態の繊維状樹脂骨格基材は、導電性を有することが好ましい。繊維状樹脂骨格基材が導電性を有する場合の具体的な形態は、特に限定されないが、(1)繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂そのものが導電性を有する形態;(2)繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の表面を導電性材料で被覆した形態などが挙げられる。
(1)の形態としては、(1a)繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂が導電性高分子である形態が挙げられる。具体的には、上記で例示した材料のうち、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール等の導電性高分子を、繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂として使用する。また、他の形態としては、(1b)繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂として、上記で例示した非導電性高分子または導電性高分子に導電性材料からなる微粒子(以下、導電性フィラーとも称する)を分散させたもの使用する形態が挙げられる。導電性材料としては、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、フラーレン等の炭素材料や、Al、Ti、Ni、Cu、Fe等の金属および当該金属を含む合金が挙げられる。なお、これらの導電性材料は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
また、後者の(2)の形態としては、具体的には、繊維状(好ましくは、不織布、織布、編布)に成形された上記非導電性高分子または導電性高分子の表面を上記導電性材料で被覆した形態が挙げられる。
なお、(1b)または(2)の形態において使用される導電性材料の量は、特に限定されないが、繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂に対して、好ましくは5〜35質量%であり、より好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは5〜20質量%である。
繊維状樹脂骨格基材は、上述のように繊維状に成形された樹脂(樹脂繊維)が集合してなり、図1に示すように隣接する樹脂繊維間には、一定の空隙を有する。このような繊維状樹脂骨格基材は、電極活物質層の構造の保持、活物質の分散、電解液の浸透(リチウムイオンの移動)の観点から、以下の形状的特徴を有することが好ましい。
繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂繊維は、直径が0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、アスペクト比(長辺/短辺)が1〜10000であることが好ましく、1〜3000であることがより好ましい。直径が0.1μm以上であると、樹脂の弾性率にも依存するが骨格材としての強度を十分に得ることが可能であり、100μm以下であると、骨格材の占める体積が電池のエネルギー密度に与える影響を小さくすることが可能である。
繊維状樹脂骨格基材の空孔径は、10〜300μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。空孔径が10μm以上であると、空孔内に活物質を効率よく保持することが可能であり、300μm以下であると、活物質と繊維状樹脂骨格とで形成する電子ネットワークを電池として十分機能する抵抗値の範囲に収めることが可能である。
繊維状樹脂骨格基材の空隙率は、70〜98%であることが好ましく、80〜98%であることがより好ましい。空隙率が70%以上であると、電池の体積エネルギー密度を損なわずに活物質を保持することが可能であり、98%以下であると、活物質を保持する機能を発現させることが可能である。
繊維状樹脂骨格基材の通気度は、0.5〜50cm3/cm2・secであることが好ましく、20〜50cm3/cm2・secであることがより好ましい。空隙率が0.5cm3/cm2・sec以上であると、電解液の浸透が十分可能であり、50cm3/cm2・sec以下であると、骨格材の構造を維持することが可能である。
(活物質)
活物質は、充放電時にイオンを吸蔵・放出し、電気エネルギーを生み出す。活物質には、放電時にイオンを吸蔵し充電時にイオンを放出する組成を有する正極活物質と、放電時にイオンを放出し充電時にイオンを吸蔵できる組成を有する負極活物質とがある。本形態の電極活物質層は、活物質として正極活物質を使用する場合は正極活物質層として機能し、逆に負極活物質を使用する場合は負極活物質層として機能する。本明細書では、正極活物質および負極活物質に共通する事項については、単に「活物質」として説明する。
活物質は、充放電時にイオンを吸蔵・放出し、電気エネルギーを生み出す。活物質には、放電時にイオンを吸蔵し充電時にイオンを放出する組成を有する正極活物質と、放電時にイオンを放出し充電時にイオンを吸蔵できる組成を有する負極活物質とがある。本形態の電極活物質層は、活物質として正極活物質を使用する場合は正極活物質層として機能し、逆に負極活物質を使用する場合は負極活物質層として機能する。本明細書では、正極活物質および負極活物質に共通する事項については、単に「活物質」として説明する。
正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられ、さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)が用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
NMC複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiaNibMncCodMxO2(但し、式中、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0<c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たす。MはTi、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される組成を有する。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Coの原子比を表し、dは、Mnの原子比を表し、xは、Mの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)は、材料の純度向上および電子伝導性向上という観点から、容量および出力特性に寄与することが知られている。Ti等は、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<x≦0.3であることが好ましい。Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化されるため、その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
より好ましい実施形態としては、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.49≦b≦0.51、0.29≦c≦0.31、0.19≦d≦0.21であることが、容量と寿命特性とのバランスを向上させるという観点からは好ましい。例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2は、一般的な民生電池で実績のあるLiCoO2、LiMn2O4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2などと比較して、単位重量あたりの容量が大きく、エネルギー密度の向上が可能となることでコンパクトかつ高容量の電池を作製できるという利点を有しており、航続距離の観点からも好ましい。なお、より容量が大きいという点ではLiNi0.8Co0.1Al0.1O2がより有利であるが、寿命特性に難がある。これに対し、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2はLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2並みに優れた寿命特性を有しているのである。
一方、好ましい負極活物質としては、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti2O3、TiO2、もしくはSiO2、SiO、SnO2などの金属酸化物、Li4/3Ti5/3O4もしくはLi7MnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、またはグラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素材料などが挙げられる。また、負極活物質は、リチウムと合金化する元素を含むことが好ましい。リチウムと合金化する元素を用いることにより、炭素材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量および優れた出力特性の電池を得ることが可能となる。これらの負極活物質は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
上記炭素材料以外の活物質材料(以下、「非炭素系活物質材料」とも称する)を使用する場合、当該非炭素系活物質材料の表面を炭素材料で被覆したものを活物質として用いることが好ましい。かような形態によれば、活物質同士間や活物質と後述の導電助剤との間に導電ネットワークが構築され、膨張・収縮の大きい活物質を使用した場合であっても電極内の導電パスを確保することができる。その結果、充放電を繰り返した場合であっても抵抗の上昇を抑制することが可能となる。さらに好ましくは、電極のエネルギー密度を向上させる観点から、高容量のリチウムと合金化する材料を炭素材料で被覆したものを活物質として用いる。この場合の炭素材料の被覆量は、非炭素系活物質材料(粒子)の粒子径に応じて、活物質同士または活物質と導電助剤との間の電気的接触が良好となる量を使用すればよい。好ましくは、被覆された活物質の全質量に対して、2〜20質量%程度とする。なお、本発明において「被覆」とは、活物質の全面が炭素材料に覆われている形態に加えて、活物質の表面の一部に炭素材料が存在(付着)している形態をも含むものとする。
上記活物質の平均粒子径は、特に制限されないが、電池の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。このような範囲であれば、二次電池は、高出力条件下での充放電時における電池の内部抵抗の増大が抑制され、充分な電流を取り出しうる。なお、活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であるのが望ましいといえるが、本形態では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくてもよいことはいうまでもない。かかる活物質の粒径および1次粒子の粒径は、レーザー回折法を用いて得られたメディアン径を使用できる。なお、活物質の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
また、本形態の電極活物質層では、活物質の反応性を高める観点から、上記活物質からなるコア部の表面に、液体電解質の膨潤によってゲルを形成するポリマー(ゲル形成性ポリマー)と導電性材料とからなるシェル部を配置することが好ましい。ゲル形成性ポリマーとしては、電池の充放電に伴う活物質の膨張収縮に追従できて破断されにくい、ある程度の柔軟性を有する材料(具体的には、ゲル状態での引っ張り破断伸び率が10%以上の材料)を使用する。このようなゲル形成性ポリマーと導電性材料とからなるシェル部を配置することにより活物質の表面におけるリチウムイオンおよび電子の伝導パスがともに確保され、電池の内部抵抗を低減させることができる。
シェル部の厚さは特に制限されないが、ゲルを形成していない状態の厚さとして、好ましくは0.01〜5μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。また、電解液(1M LiPF6、エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=3/7(体積比))に50℃にて3日間浸した後の厚さとしては、好ましくは0.01〜10μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。
ゲル形成性ポリマーの構成材料は、上述のようにゲル状態での引っ張り破断伸び率が10%以上のゲル形成性ポリマーであればよい。「引っ張り破断伸び率」とは、ゲル形成性ポリマーの柔軟性を示す指標である。具体的には、樹脂フィルムを作製してダンベル状に打ち抜き、電解液に所定時間浸漬後ASTM D683(試験片形状TypeII)に準拠して、引っ張り破断伸び率の値を測定することにより得られる値である。ゲル形成性ポリマーの引っ張り破断伸び率の値は、10%以上であればよいが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、特に好ましくは40%以上であり、最も好ましくは50%以上である。ゲル形成性ポリマーの引っ張り破断伸び率の値は、本発明の課題解決の観点からは大きいほど好ましい。
ゲル形成性ポリマーに柔軟性を付与し、引っ張り破断伸び率を所望の値に制御するための手法として、柔軟性を有する部分構造(例えば、アルキル基、ポリエーテル残基、アルキルポリカーボネート残基、アルキルポリエステル残基など)をゲル形成性ポリマーの主鎖に導入する方法が挙げられる。また、ゲル形成性ポリマーの分子量を制御したり、架橋間分子量制御などの手法によっても、ゲル形成性ポリマーに柔軟性を付与して引っ張り破断伸び率を調節することが可能である。なかでも、ゲル形成性ポリマーはポリウレタン樹脂であることが好ましい。ポリウレタン樹脂をゲル形成性ポリマーとして用いると、まず、柔軟性の高い(引っ張り破断伸び率の大きい)シェル部が形成されるという利点がある。また、ウレタン結合どうしは強い水素結合を形成しうることから、柔軟性に優れつつも、構造的に安定したゲル形成性ポリマーを構成することが可能となる。
ゲル形成性ポリマーがポリウレタン樹脂である場合、その具体的な形態について特に制限はなく、ポリウレタン樹脂に関する従来公知の知見が適宜参照されうる。
ポリウレタン樹脂は、(1)ポリイソシアネート成分および(2)ポリオール成分から構成され、必要に応じて(3)イオン性基導入成分、(4)イオン性基中和剤成分、および(5)鎖延長剤成分をさらに用いて構成されてもよい。
(1)ポリイソシアネート成分としては、一分子中にイソシアネート基を2つ有するジイソシアネート化合物および一分子中にイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート化合物が挙げられ、これらは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4および/または(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物は、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
一分子中にイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、上記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート三量化物、ビウレット三量化物、トリメチロールプロパンアダクト化物等;トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等の三官能以上のイソシアネート等が挙げられ、これらのイソシアネート化合物はカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
(2)ポリオール成分としては、一分子中にヒドロキシル基を2つ有するジオール化合物および一分子中にヒドロキシル基を3つ以上有するポリオール化合物が挙げられ、これらは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ジオール化合物および一分子中にヒドロキシル基を3個以上有するポリオール化合物としては、低分子ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、結晶性または非結晶性のポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオールが挙げられる。
低分子ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等脂環式ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の三価以上のポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレンオキサイド付加物;上記の低分子ポリオールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、上記に例示の低分子ポリオール等のポリオールと、その化学量論量より少ない量の多価カルボン酸もしくはそのエステル、無水物、ハライド等のエステル形成性誘導体、および/または、ラクトン類もしくはその加水分解開環して得られるヒドロキシカルボン酸との直接エステル化反応および/またはエステル交換反応により得られるものが挙げられる。多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類などの多価カルボン酸が挙げられ、そのエステル形成性誘導体としては、これらの多価カルボン酸の酸無水物、当該多価カルボン酸クロライド、ブロマイド等のハライド;当該多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等の低級脂肪族エステルが挙げられる。また、上記ラクトン類としてはγ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
必要に応じて用いられる(3)イオン性基導入成分としては、アニオン性基を導入するものとカチオン性基を導入するものが挙げられる。アニオン性基を導入するものとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類が挙げられ、カチオン性基を導入するものとしては、例えば、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン等のN−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類が挙げられる。
必要に応じて用いられる(4)イオン性基中和剤成分としては、アニオン性基の中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン類、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類等の三級アミン化合物;アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等塩基性化合物が挙げられ、カチオン性基の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸等の有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸アルキル等の有機スルホン酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸等の無機酸、エピハロヒドリン等エポキシ化合物の他、ジアルキル硫酸、ハロゲン化アルキル等の四級化剤が挙げられる。
必要に応じて用いられる(5)鎖延長剤成分としては、周知一般の鎖延長剤の1種または2種以上を使用することができ、多価アミン化合物、多価一級アルコール化合物等が好ましく、多価アミン化合物がより好ましい。多価アミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等の上記例示の低分子ジオールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたものである低分子ジアミン類;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエーテルジアミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類;m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ジアミン類;ヒドラジン;上記のポリエステルポリオールに用いられる多価カルボン酸で例示したジカルボン酸とヒドラジンの化合物であるジカルボン酸ジヒドラジド化合物が挙げられる。
上述した各成分のなかでも、(1)ポリイソシアネート成分としては、ジイソシアネート化合物を用いることが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキサンメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等を用いることが特に好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが最も好ましい。また、(2)ポリオール成分としては、ジオール化合物であるエチレンオキサイド付加物を必須に用いることが好ましく、ポリエチレングリコールを必須に用いることが特に好ましい。ポリエチレングリコールはリチウムイオン伝導性に優れることから、かような構成とすることで、電池の内部抵抗の低減(上昇抑制)効果が顕著に発現しうる。ここで、ポリエチレングリコールの水酸基価から計算される数平均分子量は特に制限されないが、好ましくは2,500〜15,000であり、より好ましくは3,000〜13,000であり、さらに好ましくは3,500〜10,000である。なお、耐熱性という観点からは、上述した必須成分に加えて、ポリオール成分としてエチレングリコールおよび/またはグリセリンをさらに用いることが好ましい。特に、グリセリンを用いずにエチレングリコールのみを併用すると、ゲル形成性ポリマーが膨潤して得られるゲルは物理架橋ゲルとなることから、製造時に溶剤に溶解させることができ、後述するような種々の製造方法の適用が可能となる。一方、エチレングリコールに加えてグリセリンをも併用すると、ポリウレタン樹脂の主鎖どうしが化学架橋することになり、この場合には架橋間分子量を制御して電解液への膨潤度を任意に制御できるという利点がある。なお、ポリウレタン樹脂の合成方法について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。
上記では、本形態に係る発明の好ましい実施形態として、ゲル形成性ポリマーがポリウレタン樹脂である場合について詳細に説明したが、ゲル形成性ポリマーの構成はこれに限られないことはもちろんである。例えば、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピンレンの共重合体(PVdF−HFP)、ポリアクリロニトリル(PAN)も、同様にしてゲル形成性ポリマーとして用いられる。そして、これらの樹脂を用いる場合であっても、上述したようにゲル形成性ポリマーの分子量を制御したり、分子構造を工夫するなどの手法によってポリマーに柔軟性を付与して引っ張り破断伸び率を調節することが可能である。
シェル部においてゲル形成性ポリマーに含まれる導電性材料の具体的な種類やその含有形態について特に制限はなく、コア部である活物質の表面からシェル部の表面への導電パスを形成できるような形態であればよい。導電性材料の種類としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料;種々のカーボンナノチューブ(CNT)、気相成長カーボン繊維(VGCF)が挙げられる。
シェル部に含まれるゲル形成性ポリマーおよび導電性材料の含有量の比率についても特に制限はないが、一例として、ゲル形成性ポリマー100質量%に対して、導電性材料の含有量が好ましくは2〜30体積%であり、より好ましくは5〜20質量%である。導電性材料の含有量が10体積%以上であれば、十分な導電パスを形成することが可能となり、電池の内部抵抗の低減(上昇の抑制)に資する。一方、導電性材料の含有量が30体積%以下であれば、ベースの材料の変化が少ないという観点から好ましい。なお、これらの含有量の比率の値は、50個以上のコア−シェル型電極活物質について測定した値の平均値として算出するものとする。
本形態の電極活物質層は、繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質が分散されてなる。本明細書において「繊維状樹脂骨格基材の空隙に分散される」とは、電極活物質層の全体に亘って、繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質が存在することを意味する。この限りにおいては、電極活物質層の全体に亘って繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質が均一に存在していてもよいし、不均一に存在して(例えば、電極活物質層の厚み方向に対して濃度勾配を有して)いてもよい。
本形態の電極活物質層において、繊維状樹脂骨格基材の含有量は、活物質に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。繊維状樹脂骨格基材の含有量が0.1質量%以上であると、活物質を保持することが可能であり、10質量%以下であると、電池のエネルギー密度をあまり損なわない。
(その他の添加剤)
本形態の電極活物質層は、必要に応じて、導電助剤、バインダ、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。ただし、電極活物質層中、活物質として機能しうる材料の含有量は、85〜99.5質量%であることが好ましい。
本形態の電極活物質層は、必要に応じて、導電助剤、バインダ、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。ただし、電極活物質層中、活物質として機能しうる材料の含有量は、85〜99.5質量%であることが好ましい。
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における導電ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
バインダは、繊維状樹脂骨格基材、活物質、導電助剤などを相互に結着させ、電極活物質層の構造や導電ネットワークを保持する機能を有する。バインダとして使用される材料は、特に限定されないが、負極活物質を含む電極活物質層に使用する場合は、水系バインダを含むことが好ましい。水系バインダは、結着力が高く、また、原料としての水の調達が容易であることに加え、乾燥時に発生するのは水蒸気であるため、製造ラインへの設備投資が大幅に抑制でき、環境負荷の低減を図ることができるという利点がある。
水系バインダとは水を溶媒もしくは分散媒体とするバインダをいい、具体的には熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー、水溶性高分子など、またはこれらの混合物が該当する。ここで、水を分散媒体とするバインダとは、ラテックスまたはエマルジョンと表現される全てを含み、水と乳化または水に懸濁したポリマーを指し、例えば自己乳化するような系で乳化重合したポリマーラテックス類が挙げられる。
水系バインダとしては、具体的にはスチレン系高分子(スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体等)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル-ブタジエンゴム、(メタ)アクリル系高分子(ポリエチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリメチルメタクリレート(メタクリル酸メチルゴム)、ポリプロピルメタクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリエチルヘキシルメタクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリラウリルメタクリレート等)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂;ポリビニルアルコール(平均重合度は、好適には200〜4000、より好適には、1000〜3000、ケン化度は好適には80モル%以上、より好適には90モル%以上)およびその変性体(エチレン/酢酸ビニル=2/98〜30/70モル比の共重合体の酢酸ビニル単位のうちの1〜80モル%ケン化物、ポリビニルアルコールの1〜50モル%部分アセタール化物等)、デンプンおよびその変性体(酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプン等)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩等)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(塩)、ポリエチレングリコール、(メタ)アクリルアミドおよび/または(メタ)アクリル酸塩の共重合体[(メタ)アクリルアミド重合体、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸塩共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル−(メタ)アクリル酸塩共重合体など]、スチレン−マレイン酸塩共重合体、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性体、ホルマリン縮合型樹脂(尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂等)、ポリアミドポリアミンもしくはジアルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエチレンイミン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、並びにマンナンガラクタン誘導体等の水溶性高分子などが挙げられる。これらの水系バインダは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
上記水系バインダは、結着性の観点から、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、およびメタクリル酸メチルゴムからなる群から選択される少なくとも1つのゴム系バインダを含むことが好ましい。さらに、結着性が良好であることから、水系バインダはスチレン−ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
水系バインダとしてスチレン−ブタジエンゴムを用いる場合、塗工性向上の観点から、上記水溶性高分子を併用することが好ましい。スチレン−ブタジエンゴムと併用することが好適な水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびその変性体、デンプンおよびその変性体、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩等)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(塩)、またはポリエチレングリコールが挙げられる。なかでも、バインダとして、スチレン−ブタジエンゴムと、カルボキシメチルセルロース(塩)とを組み合わせることが好ましい。スチレン−ブタジエンゴムと、水溶性高分子との含有重量比は、特に制限されるものではないが、スチレン−ブタジエンゴム:水溶性高分子=1:0.1〜10であることが好ましく、0.5〜2であることがより好ましい。
上記水系バインダの含有量は、バインダの総量に対して、80〜100重量%であることが好ましく、90〜100重量%であることが好ましく、100重量%であることが好ましい。
また、上記水系バインダ以外のバインダ材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
バインダの含有量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
本形態の電極活物質層の厚さは、特に限定されず、電池についての従来公知の知見が適宜参照されるが、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは20〜50μmである。電極活物質層の厚さが10μm以上であれば、電池容量が充分に確保されうる。一方、電極活物質層の厚さが100μm程度以下であれば、電極深部(集電体側)にリチウムイオンが拡散しにくくなることに伴う内部抵抗の増大という問題の発生が抑制されうる。
<電極活物質層の製造方法>
本形態の電極活物質層は、上述のように繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質を分散させた形態を有するものであれば、その製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、予め用意した繊維状樹脂骨格基材と、活物質を所定の分散溶媒に分散させた活物質分散液とを接触させ、当該活物質分散液を繊維状樹脂骨格基材に浸透させることにより、繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質を分散させる方法が挙げられる。すなわち、本発明の一形態に係る電極活物質層の製造方法は、活物質を分散溶媒に分散させた活物質分散液と、繊維状樹脂骨格基材とを接触させる工程を有する。この際、繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の少なくとも1種の溶解度パラメータと、分散溶媒の溶解度パラメータとの差(ΔSP)が1.0〜10であることを特徴とし、好ましくは1.0〜3.0である。ΔSPをこのような範囲とすることにより、繊維状樹脂骨格基材が膨潤し過ぎずに分散溶媒と適度になじむため、活物質分散液が基材の空隙に浸透し、活物質が良好に分散されうる。
本形態の電極活物質層は、上述のように繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質を分散させた形態を有するものであれば、その製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、予め用意した繊維状樹脂骨格基材と、活物質を所定の分散溶媒に分散させた活物質分散液とを接触させ、当該活物質分散液を繊維状樹脂骨格基材に浸透させることにより、繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質を分散させる方法が挙げられる。すなわち、本発明の一形態に係る電極活物質層の製造方法は、活物質を分散溶媒に分散させた活物質分散液と、繊維状樹脂骨格基材とを接触させる工程を有する。この際、繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の少なくとも1種の溶解度パラメータと、分散溶媒の溶解度パラメータとの差(ΔSP)が1.0〜10であることを特徴とし、好ましくは1.0〜3.0である。ΔSPをこのような範囲とすることにより、繊維状樹脂骨格基材が膨潤し過ぎずに分散溶媒と適度になじむため、活物質分散液が基材の空隙に浸透し、活物質が良好に分散されうる。
溶解度パラメータ(SP値)は、一般に、2成分系溶液または溶媒−溶質の溶解度の目安として使用されている。そして、2つの成分の溶解度パラメータ値の差が小さいほど、溶解度が大きくなることが経験的に知られている。なお、本明細書において、樹脂の溶解度パラメータは、原子団寄与法(Van Kreveren法)を用いて得られた値を採用するものとする。また、溶媒の溶解度パラメータはHansenの溶解度パラメータによる値を採用するものとする。
本形態における樹脂は、上述のように、非導電性高分子材料または導電性高分子材料を1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせた混合物とすることもできる。後者の2種以上の高分子材料を組み合わせた混合物とする際には、その混合形態は、以下の2つの形態がありうる。第1の混合形態は、2種以上の高分子材料が分子レベルで混合されている場合である。この場合における樹脂の溶解度パラメータは、各高分子材料の溶解度パラメータに各含有割合(w/w)を乗じた値の総和、すなわち下記式により算出される値を採用する。
上記式中、Ak(A1、A2・・・Am)は各高分子材料の溶解度パラメータを表し、Xk(X1、X2・・・Xm)は樹脂全体に対する各高分子材料の含有割合(w/w)を表し、mは混合される単一高分子材料の種類数を表わす。
一方、第2の混合形態は、互いに異なる高分子材料が局在化(例えば、異なる高分子材料からなる樹脂繊維が混在)している場合である。かような形態においては、樹脂の溶解度パラメータは、最も含有割合(w/w)の大きい高分子材料の溶解度パラメータの値を採用するものとする。ただし、最も含有割合(w/w)の大きい高分子材料が複数ある場合あ(例えば、異なる高分子材料が50質量%ずつ含まれる場合)は、いずれか1つの高分子材料の溶解度パラメータにおいて上記規定が満たされていればよい。なお、「最も含有割合(w/w)の大きい高分子材料」が、2種以上の高分子材料が分子レベルで混合されてなる場合は、第1の混合形態の定義から算出された値が「最も含有割合(w/w)の大きい高分子材料」の溶解度パラメータとなる。そして、第2の混合形態の定義により、該溶解度パラメータの値が、樹脂の溶解度パラメータとなるのである。
本形態における分散溶媒は、上述のように、単一溶媒を1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせた混合物として使用してもよい。後者の2種以上の単一溶媒を組み合わせた混合物とする際の溶媒の溶解度パラメータは、各単一溶媒の溶解度パラメータに各含有割合(v/v)を乗じた値の総和、すなわち下記式により算出される値を採用する。
上記式中、Bl(B1、B2・・・Bn)は各単一溶媒の溶解度パラメータを表し、Yl(Y1、Y2・・・Yn)は溶媒全体に対する各単一溶媒の含有割合(v/v)を表し、nは混合される単一溶媒の種類数を表す。
本形態において、活物質分散液と繊維状樹脂骨格基材とを接触させる方法は、特に限定されない。例えば、活物質分散液の入った容器に繊維状樹脂骨格基材を投入して浸漬させる方法;繊維状樹脂骨格基材の表面に活物質分散液を滴下、塗布、噴霧等する方法;後述の実施例のように、活物質分散液の液滴の上に繊維状樹脂骨格基材を乗せて接触させる方法などが挙げられる。本形態では、ΔSPの値が上述の範囲にあれば、活物質分散液と繊維状樹脂骨格基材とを接触させるだけで毛細管現象により、活物質分散液が繊維状樹脂骨格基材の深部まで浸透し、基材の空隙に活物質を分散させることができる。
なお、本形態において活物質分散液の調製方法や、繊維状樹脂骨格基材の製造方法などは、特に限定されず、公知の知見などを適宜参照して製造することができる。また、繊維状樹脂骨格基材に活物質分散液を浸透させた後、必要に応じて分散溶媒を乾燥させてもよいが、当該分散溶媒を電解液の溶媒として使用できる場合は、そのまま乾燥させずに、電池の製造工程に供することも可能であり、より簡便である。
また、上記の製造方法以外にも、予め成形した樹脂繊維と活物質とを適当な溶媒に分散させ、これを塗布、乾燥することにより、シート状に成形する方法を採用してもよい。
<非水電解質二次電池>
本発明の一形態によると、上述の電極活物質層を活物質層として使用した非水電解質二次電池が提供される。すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、正極集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成されてなる負極と、正極と負極との間に介在する電解質層とを含む発電要素を有する。そして、正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一方は、上述の電極活物質層で構成されることを特徴とする。以下、本発明の非水電解質二次電池について、主に、高出力密度を達成し得る双極型リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
本発明の一形態によると、上述の電極活物質層を活物質層として使用した非水電解質二次電池が提供される。すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、正極集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成されてなる負極と、正極と負極との間に介在する電解質層とを含む発電要素を有する。そして、正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一方は、上述の電極活物質層で構成されることを特徴とする。以下、本発明の非水電解質二次電池について、主に、高出力密度を達成し得る双極型リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
図2は、本発明の一実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。図2に示す双極型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装材であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、本形態の双極型二次電池10の発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。本形態では、正極活物質層13または負極活物質層15の少なくとも一方、好ましくは負極活物質層15、より好ましくは正極活物質層13および負極活物質層15の両方が図1に示した電極活物質層で構成される。各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、電解質層17は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図2に示す双極型二次電池10では、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板25が配置され、これが延長されて電池外装材であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板27が配置され、同様にこれが延長されてラミネートフィルム29から導出している。
図2に示す双極型二次電池10においては、通常、各単電池層19の周囲にシール部31が設けられる。このシール部31は、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かようなシール部31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型二次電池10が提供されうる。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10でも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装材であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。なお、ここでは、双極型二次電池を例に挙げて本発明の実施形態を説明したが、本発明が適用可能な非水電解質二次電池の種類は特に制限されず、発電要素において単電池層が並列接続されてなる形式のいわゆる並列積層型二次電池などの従来公知の任意の非水電解質二次電池に適用可能である。以下、本形態の双極型二次電池の主な構成要素について説明する。
(集電体)
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はないが、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。なかでも電池の軽量化の観点から、導電性を有する樹脂層を採用することが好ましい。
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はないが、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。なかでも電池の軽量化の観点から、導電性を有する樹脂層を採用することが好ましい。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位、集電体へのスパッタリングによる負極活物質の密着性等の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
また、後者の導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
なお、本形態の集電体は、単独の材料からなる単層構造であってもよいし、あるいは、これらの材料からなる層を適宜組み合わせた積層構造であっても構わない。集電体の軽量化の観点からは、少なくとも導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を含むことが好ましい。また、単電池層間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、集電体の一部に金属層を設けてもよい。
(電解質層)
本形態の電解質層に使用される電解質は、特に制限はないが、上述の非水電解質二次電池用電極活物質層のイオン伝導性を確保する観点から、液体電解質、ゲルポリマー電解質、またはイオン液体電解質が用いられる。
本形態の電解質層に使用される電解質は、特に制限はないが、上述の非水電解質二次電池用電極活物質層のイオン伝導性を確保する観点から、液体電解質、ゲルポリマー電解質、またはイオン液体電解質が用いられる。
液体電解質は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解液層を構成する液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類が例示される。また、リチウム塩としては、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiCF3SO3等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。液体電解質は、上述した成分以外の添加剤をさらに含んでもよい。かような化合物の具体例としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1−ジメチル−2−メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートがより好ましい。これらの環式炭酸エステルは、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することで容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。
ゲルポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
イオン液体電解質は、イオン液体にリチウム塩が溶解したものである。なお、イオン液体とは、をカチオンおよびアニオンのみから構成される塩であり、常温で液体である一連の化合物をいう。
イオン液体を構成するカチオン成分は、置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピラゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピペリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のトリアジニウムイオン、および置換されているかまたは非置換のアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
イオン液体を構成するアニオン成分の具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、硝酸イオン(NO3 −)、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 −)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 −)、(FSO2)2N−、AlCl3 −、乳酸イオン、酢酸イオン(CH3COO−)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO−)、メタンスルホン酸イオン(CH3SO3 −)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 −)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N−)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドイオン((C2F5SO2)2N−)、BF3C2F5 −、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン((CF3SO2)3C−)、過塩素酸イオン(ClO4 −)、ジシアンアミドイオン((CN)2N−)、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、R1COO−、HOOCR1COO−、−OOCR1COO−、NH2CHR1COO−(この際、R1は置換基であり、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、またはアシル基であり、前記の置換基はフッ素原子を含んでいてもよい。)などが挙げられる。
好ましいイオン液体の例としては、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピロリジウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが挙げられる。これらのイオン液体は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
イオン液体電解質に用いられるリチウム塩は、上述の液体電解質に使用されるリチウム塩と同様である。なお、当該リチウム塩の濃度は、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。
また、イオン液体に以下のような添加剤を加えてもよい。添加剤を含むことにより、高レートでの充放電特性およびサイクル特性がより向上しうる。添加剤の具体的な例としては、例えば、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、メチルジグライム、スルホラン、トリメチルホスフェイト、トリエチルホスフェイト、メトキシメチルエチルカーボネート、フッ素化エチレンカーボネートなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。添加剤を使用する場合の使用量は、イオン液体に対して、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本形態の双極型二次電池においては、活物質層に含まれる繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の少なくとも1種と、電解質層に含まれる液体成分の少なくとも1種との溶解度パラメータの差(ΔSP)が1.0〜10であることが好ましい。当該ΔSPは、より好ましくは1.0〜3.0である。なお、本明細書において、「電解質層に含まれる液体成分」とは、上記電解質を構成する物質のうち、常温で液体であるものをいい、具体的には、上述の液体電解質に含まれる有機溶媒や、イオン液体等を意味する。また、液体成分が2種以上の単一成分を組み合わせた混合物である場合の液体成分の溶解度パラメータは、上述の分散溶媒の場合と同様に、各単一成分の溶解度パラメータに各含有割合(v/v)を乗じた値の総和より算出される値を採用する。ΔSPの差が1.0以上であると、電解質層に含まれる液体成分により繊維状樹脂骨格基材が過度に膨潤しないため、電解液不足による容量低下を抑制することができる。一方、ΔSPの差が10以下であると、繊維状樹脂骨格基材と電解質層に含まれる液体成分とがなじみやすくなるため、活物質中のリチウムイオン伝導性が良好となる。
本形態の双極型電池では、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータは、電解質を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。特に電解質として液体電解質、イオン液体電解質を使用する場合には、セパレータを用いることが好ましい。
セパレータの形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
ポリマーないし繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、微多孔質(微多孔膜)を用いることができる。該ポリマーないし繊維からなる多孔性シートの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
微多孔質(微多孔膜)セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。1例を示せば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。前記微多孔質(微多孔膜)セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。
不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により
十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
また、セパレータとしては多孔質基体に耐熱絶縁層が積層されたセパレータ(耐熱絶縁層付セパレータ)であることが好ましい。耐熱絶縁層は、無機粒子およびバインダを含むセラミック層である。耐熱絶縁層付セパレータは融点または熱軟化点が150℃以上、好ましくは200℃以上である耐熱性の高いものを用いる。耐熱絶縁層を有することによって、温度上昇の際に増大するセパレータの内部応力が緩和されるため熱収縮抑制効果が得られうる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。また、耐熱絶縁層を有することによって、耐熱絶縁層付セパレータの機械的強度が向上し、セパレータの破膜が起こりにくい。さらに、熱収縮抑制効果および機械的強度の高さから、電池の製造工程でセパレータがカールしにくくなる。
耐熱絶縁層における無機粒子は、耐熱絶縁層の機械的強度や熱収縮抑制効果に寄与する。無機粒子として使用される材料は特に制限されない。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンの酸化物(SiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2)、水酸化物、および窒化物、ならびにこれらの複合体が挙げられる。これらの無機粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来のものであってもよいし、人工的に製造されたものであってもよい。また、これらの無機粒子は1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらのうち、コストの観点から、シリカ(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)を用いることが好ましく、アルミナ(Al2O3)を用いることがより好ましい。
耐熱性粒子の目付けは、特に限定されるものではないが、5〜15g/m2であることが好ましい。この範囲であれば、十分なイオン伝導性が得られ、また、耐熱強度を維持する点で好ましい。
耐熱絶縁層におけるバインダは、無機粒子どうしや、無機粒子と樹脂多孔質基体層とを接着させる役割を有する。当該バインダによって、耐熱絶縁層が安定に形成され、また多孔質基体層および耐熱絶縁層の間の剥離を防止される。
耐熱絶縁層に使用されるバインダは、特に制限はなく、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリロニトリル、セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アクリル酸メチルなどの化合物がバインダとして用いられうる。このうち、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル酸メチル、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの化合物は、1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
耐熱絶縁層におけるバインダの含有量は、耐熱絶縁層100重量%に対して、2〜20重量%であることが好ましい。バインダの含有量が2重量%以上であると、耐熱絶縁層と多孔質基体層との間の剥離強度を高めることができ、セパレータの耐振動性を向上させることができる。一方、バインダの含有量が20重量%以下であると、無機粒子の隙間が適度に保たれるため、十分なリチウムイオン伝導性を確保することができる。
耐熱絶縁層付セパレータの熱収縮率は、150℃、2gf/cm2条件下、1時間保持後にMD、TDともに10%以下であることが好ましい。このような耐熱性の高い材質を用いることで、正極発熱量が高くなり電池内部温度が150℃に達してもセパレータの収縮を有効に防止することができる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[シール部]
シール部(絶縁層)は、集電体同士の接触や単電池層の端部における短絡を防止する機能を有する。シール部を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン−プロピレン−ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いても良く、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いても良い。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが、好ましい。
シール部(絶縁層)は、集電体同士の接触や単電池層の端部における短絡を防止する機能を有する。シール部を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン−プロピレン−ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いても良く、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いても良い。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが、好ましい。
[電池外装体]
電池外装体29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、所望の電解液層厚みへと調整容易であることから、外装体はアルミネートラミネートがより好ましい。
電池外装体29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、所望の電解液層厚みへと調整容易であることから、外装体はアルミネートラミネートがより好ましい。
本形態の双極型二次電池は、上述の電極活物質層を用いて正極活物質層または負極活物質層を構成することにより、電池容量が大きい活物質を用いても、活物質の膨張・収縮による応力が緩和され、電池のサイクル特性を向上させることができる。したがって、本形態の双極型二次電池は、EV、HEVの駆動用電源として好適に使用される。
[セルサイズ]
図3は、二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図3は、二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図3に示すように、扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材(ラミネートフィルム52)によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図2に示すリチウムイオン二次電池10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、正極(正極活物質層)15、電解質層17および負極(負極活物質層)13で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図3に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図3に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
一般的な電気自動車では、電池格納スペースが170L程度である。このスペースにセルおよび充放電制御機器等の補機を格納するため、通常セルの格納スペース効率は50%程度となる。この空間へのセルの積載効率が電気自動車の航続距離を支配する因子となる。単セルのサイズが小さくなると上記積載効率が損なわれるため、航続距離を確保できなくなる。
したがって、本発明において、発電要素を外装体で覆った電池構造体は大型であることが好ましい。具体的には、ラミネートセル電池の短辺の長さが100mm以上であることが好ましい。かような大型の電池は、車両用途に用いることができる。ここで、ラミネートセル電池の短辺の長さとは、最も長さが短い辺を指す。短辺の長さの上限は特に限定されるものではないが、通常400mm以下である。
[体積エネルギー密度および定格放電容量]
一般的な電気自動車では、一回の充電による走行距離(航続距離)は100kmが市場要求である。かような航続距離を考慮すると、電池の体積エネルギー密度は157Wh/L以上であることが好ましく、かつ定格容量は20Wh以上であることが好ましい。
一般的な電気自動車では、一回の充電による走行距離(航続距離)は100kmが市場要求である。かような航続距離を考慮すると、電池の体積エネルギー密度は157Wh/L以上であることが好ましく、かつ定格容量は20Wh以上であることが好ましい。
また、電極の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池の大型化を規定することもできる。例えば、扁平積層型ラミネート電池の場合には、定格容量に対する電池面積(電池外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値が5cm2/Ah以上であり、かつ、定格容量が3Ah以上である電池においては、単位容量当たりの電池面積が大きい。そのため、活物質の膨張収縮に伴う結晶構造の崩壊等に起因する電池特性(サイクル特性)の低下の問題がよりいっそう顕在化しやすい。したがって、本形態に係る非水電解質二次電池は、上述したような大型化された電池であることが、本願発明の作用効果の発現によるメリットがより大きいという点で、好ましい。さらに、矩形状の電極のアスペクト比は1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。なお、電極のアスペクト比は矩形状の正極活物質層の縦横比として定義される。アスペクト比をかような範囲とすることで、車両要求性能と搭載スペースを両立できるという利点がある。
[組電池]
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池が複数、直列にまたは並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成することもできる。そして、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することもできる。何個の電池を接続して組電池を作製するか、また、何段の小型組電池を積層して大容量の組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本発明の非水電解質二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記非水電解質二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記非水電解質二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
具体的には、電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
本発明を、以下の実施例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲
が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
[実施例1]
<非水電解質二次電池用電極活物質層の製造>
活物質として黒鉛(粒径20μm)30質量部、分散溶媒としてジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ8.8)70質量部を混合し、活物質分散液(固形分比30質量%)を調製した。
<非水電解質二次電池用電極活物質層の製造>
活物質として黒鉛(粒径20μm)30質量部、分散溶媒としてジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ8.8)70質量部を混合し、活物質分散液(固形分比30質量%)を調製した。
繊維状樹脂骨格基材としてポリエチレンテレフタレート(PET、溶解度パラメータ11.3)の不織布フィルム(サイズ5.0cm×5.0cm、厚さ20μm、繊維径0.8μm±0.1μm、通気度43cm3/cm2・sec、空孔径300μm、空隙率98%)を用いた。
上記活物質分散液50mLの上に上記PET不織布フィルムを置き、PET不織布フィルム内に活物質分散液を浸透させた。これにより、PET繊維の空隙に黒鉛が分散された非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。なお、得られた非水電解質二次電池用電極活物質層には、活物質に対して96質量%の繊維状樹脂骨格基材が含有されていた。
[実施例2]
分散溶媒として酢酸エチル(溶解度パラメータ9.0)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
分散溶媒として酢酸エチル(溶解度パラメータ9.0)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
[実施例3]
分散溶媒としてメチルエチルケトン(MEK、溶解度パラメータ9.3)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
分散溶媒としてメチルエチルケトン(MEK、溶解度パラメータ9.3)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
[実施例4]
分散溶媒としてアセトン(溶解度パラメータ10.0)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
分散溶媒としてアセトン(溶解度パラメータ10.0)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
[実施例5]
分散溶媒としてエチレンカーボネート(EC、溶解度パラメータ10.6)とジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ8.8)の3:7(体積比)混合溶媒(溶解度パラメータ9.3)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。なお、当該混合溶媒の溶解度パラメータは、以下のように算出した。
分散溶媒としてエチレンカーボネート(EC、溶解度パラメータ10.6)とジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ8.8)の3:7(体積比)混合溶媒(溶解度パラメータ9.3)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。なお、当該混合溶媒の溶解度パラメータは、以下のように算出した。
[実施例6]
分散溶媒としてメタノール(溶解度パラメータ14.5)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
分散溶媒としてメタノール(溶解度パラメータ14.5)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池用電極活物質層を製造した。
[比較例1]
分散溶媒として水(溶解度パラメータ23.4)を用いたことを除いて、実施例1と同様に非水電解質二次電池用電極活物質層の製造を試みたが、PET不織布フィルム内に活物質分散液が浸透せず、PET繊維の空隙に黒鉛を分散させることができなかった。
分散溶媒として水(溶解度パラメータ23.4)を用いたことを除いて、実施例1と同様に非水電解質二次電池用電極活物質層の製造を試みたが、PET不織布フィルム内に活物質分散液が浸透せず、PET繊維の空隙に黒鉛を分散させることができなかった。
以上の結果を下記表に示す。
上記表からも分かるように、実施例1〜6では活物質分散液が繊維状樹脂骨格基材へと浸透し、活物質が繊維状樹脂骨格基材の空隙に分散された。これは分散溶媒のSP値と繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂のSP値との差ΔSPを1.0〜10としたことにより、基材が膨潤し過ぎずに分散溶媒と適度になじみ、活物質分散液が基材に浸透しやすくなったことによるものと考えられた。
1 非水電解質二次電池用電極活物質層、
3 繊維状樹脂骨格基材、
5 負極活物質、
10 双極型二次電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29、52 ラミネートフィルム、
31 シール部、
50 リチウムイオン二次電池、
58 正極タブ、
59 負極タブ。
3 繊維状樹脂骨格基材、
5 負極活物質、
10 双極型二次電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29、52 ラミネートフィルム、
31 シール部、
50 リチウムイオン二次電池、
58 正極タブ、
59 負極タブ。
Claims (11)
- 繊維状樹脂骨格基材と、活物質とを含み、
前記繊維状樹脂骨格基材の空隙に活物質が分散されてなる、非水電解質二次電池用電極活物質層。 - 前記繊維状樹脂骨格基材の含有量は、前記活物質に対して0.1〜10質量%である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極活物質層。
- 前記繊維状樹脂骨格基材は、導電性を有する、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用電極活物質層。
- 前記繊維状樹脂骨格基材の空隙に導電助剤がさらに分散されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極活物質層。
- 前記繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂繊維は、直径が0.1〜100μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極活物質層。
- 正極集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる正極と、
負極集電体の表面に負極活物質層が形成されてなる負極と、
前記正極と前記負極との間に介在する電解質層と、
を含む発電要素を有し、
前記正極活物質層または前記負極活物質層の少なくとも一方は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極活物質層で構成される、非水電解質二次電池。 - 前記正極集電体および/または前記負極集電体は、導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を有する、請求項6に記載の非水電解質二次電池。
- 前記電解質層は、液体電解質、高分子ゲル電解質、またはイオン液体電解質を含む、請求項6または7に記載の非水電解質二次電池。
- 双極型リチウムイオン二次電池である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の少なくとも1種の溶解度パラメータと、前記電解質層に含まれる液体成分の溶解度パラメータとの差(ΔSP)が1.0〜10である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 活物質を分散溶媒に分散させた活物質分散液と、繊維状樹脂骨格基材とを接触させる工程を有し、
前記繊維状樹脂骨格基材を構成する樹脂の少なくとも1種の溶解度パラメータと、前記分散溶媒の溶解度パラメータとの差(ΔSP)が1.0〜10である、非水電解質二次電池用活物質層の製造方法。
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