本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
分割二次元コードを生成するための非公開分割情報が隠蔽された親二次元コードを生成することと、
前記親二次元コードから前記非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき前記分割二次元コードを生成することと、
を有することを特徴とする情報管理方法。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、構造的連接二次元コードに係る技術を用いて、適切に真正性を担保することができる。
また、前記親二次元コードを生成する際には、前記非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親二次元コードを生成し、
前記分割二次元コードを生成する際には、前記公開情報の一部分が含まれた分割二次元コードを生成し、
前記非公開分割情報は、
分割数と、
分割二次元コードの生成を実行する対象を示す対象情報と、
前記対象が前記生成を実行する分割二次元コードに、前記公開情報のうちのどの部分を含ませるかについての部分特定情報と、
を有することとしてもよい。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。
また、前記親二次元コードを生成する際には、親コード生成地点で生成し、
前記分割二次元コードを生成する際には、前記親コード生成地点とは異なる複数の分割コード生成地点で複数回生成することとしてもよい。
かかる場合には、第三者の介入の機会が増加する可能性が高くなるため(介入しやすくなるため)、真正性を担保する効果が有効に働く。
また、前記親コード生成地点で生成された前記親二次元コードをラベルに印刷し、該ラベルを物品に貼付することと、
前記ラベルが貼付された物品を、前記親コード生成地点から前記複数の分割コード生成地点に順番に移動させることと、
前記複数の分割コード生成地点の各々で生成された前記分割二次元コードをラベルに印刷し、該ラベルを前記物品に貼付することと、
を有することとしてもよい。
かかる場合には、真正性が担保された二次元コードでの管理が、より一層簡便に行える。
また、前記親二次元コードを生成する際には、前記非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親二次元コードを生成し、
前記分割二次元コードを生成する際には、前記公開情報の一部分が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽された分割二次元コードを生成することとしてもよい。
かかる場合には、簡便に追記情報の管理をすることができる。また、追記情報が真正な対象(者)により書かれたことが保証される。また、第三者による追記情報の改ざんを回避することができる。
また、前記非公開追記情報は、日時情報を有することとしてもよい。
かかる場合には、重要かつ基本的な情報について、簡便に管理をすることができ、真正な対象(者)により書かれたことが保証され、第三者による改ざんを回避することができる。
また、前記非公開追記情報は、担当者情報を有することとしてもよい。
かかる場合には、重要かつ基本的な情報について、簡便に管理をすることができ、真正な対象(者)により書かれたことが保証され、第三者による改ざんを回避することができる。
また、前記親二次元コードを生成する際には、親コード生成地点で生成し、
前記分割二次元コードを生成する際には、前記親コード生成地点とは異なる複数の分割コード生成地点で複数回生成し、
前記複数の分割コード生成地点の各々に対応する暗号鍵で前記非公開追記情報を暗号化することをさらに有し、
前記分割二次元コードを生成する際には、暗号化された前記非公開追記情報を隠蔽することとしてもよい。
かかる場合には、第三者による追記情報の改ざんをより一層適切に回避することが可能となる。
また、前記分割数は、前記分割コード生成地点の数よりも多いこととしてもよい。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。
次に、分割二次元コードを生成するための非公開分割情報が隠蔽された親二次元コードを生成する親コード生成装置と、
前記親二次元コードから前記分割情報を読み取って、該分割情報に基づき前記分割二次元コードを生成する分割コード生成装置と、
を有することを特徴とする情報管理システム。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、構造的連接二次元コードに係る技術を用いて、適切に真正性を担保することができる。
また、前記親コード生成装置は、前記非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親二次元コードを生成し、
前記分割コード生成装置は、前記公開情報の一部分が含まれた分割二次元コードを生成し、
前記分割情報は、
分割数と、
分割二次元コードの生成を実行する対象を示す対象情報と、
前記対象が前記生成を実行する分割二次元コードに、前記公開情報のうちのどの部分を含ませるかについての部分特定情報と、
を有することとしてもよい。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。
また、互いに異なる地点に設けられた前記分割コード生成装置を複数有し、
前記親コード生成装置と複数の前記分割コード生成装置は、異なる地点に設けられていることとしてもよい。
かかる場合には、第三者の介入の機会が増加する可能性が高くなるため(介入しやすくなるため)、真正性を担保する効果が有効に働く。
また、前記親コード生成装置は、前記親二次元コードを、物品貼付用のラベルに印刷し、
複数の前記分割コード生成装置は、それぞれ、前記分割二次元コードを、物品貼付用のラベルに印刷することとしてもよい。
かかる場合には、真正性が担保された二次元コードでの管理が、より一層簡便に行える。
また、前記親コード生成装置は、前記非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親二次元コードを生成し、
前記分割コード生成装置は、前記公開情報の一部分が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽された分割二次元コードを生成することとしてもよい。
かかる場合には、簡便に追記情報の管理をすることができる。また、追記情報が真正な対象(者)により書かれたことが保証される。また、第三者による追記情報の改ざんを回避することができる。
また、前記非公開追記情報は、日時情報を有することとしてもよい。
かかる場合には、重要かつ基本的な情報について、簡便に管理をすることができ、真正な対象(者)により書かれたことが保証され、第三者による改ざんを回避することができる。
また、前記非公開追記情報は、担当者情報を有することとしてもよい。
かかる場合には、重要かつ基本的な情報について、簡便に管理をすることができ、真正な対象(者)により書かれたことが保証され、第三者による改ざんを回避することができる。
また、互いに異なる地点に設けられた前記分割コード生成装置を複数有し、
前記分割コード生成装置は、複数の前記分割コード生成装置の各々に対応する暗号鍵で前記非公開追記情報を暗号化し、暗号化された前記非公開追記情報を隠蔽することとしてもよい。
かかる場合には、第三者による追記情報の改ざんをより一層適切に回避することが可能となる。
また、前記分割数は、前記分割コード生成装置の数よりも多いこととしてもよい。
かかる場合には、物品等を二次元コードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。
===本実施の形態に係るQRコード(QRコードの一例)について===
先ず、本実施の形態に係る情報管理方法及び情報管理システムにおいて用いられる二次元コードの一例としてのQRコード(本実施の形態に係るQRコード)について説明する。なお、以下の説明で特段のことわりのない場合には、日本工業規格 JIS X 0510 : 2004「二次元コードシンボル−QRコード−」(以下、単に「JIS規格」ということがある)に準ずる。また、このJIS規格に準ずるエンコーダを標準エンコーダといい、JIS規格に準ずるデコーダを標準デコーダという。また、非公開情報(後述する非公開分割情報、非公開追記情報)を取り扱うことができるエンコーダを拡張エンコーダといい、デコーダを拡張デコーダという。また、本項(「本実施の形態に係るQRコード(QRコードの一例)について」の項)において記載される事項は、一例であり、当該事項に限定されるものではない。
つまり、ここで用いられるQRコードは、公開情報と非公開情報とを記録することができる二次元コード(このようなQRコードを拡張QRコードということがある)を前提としている。公開情報は、JIS規格のデコーダ(標準デコーダ)で読み出し可能な情報である。一方、非公開情報は、標準デコーダでは読み出すことができず、後述する拡張デコーダ20によって抽出することが可能な情報である。
また、以下の説明において、「コード語」は、8ビット長として説明するが、システムに応じて、16ビット長とすることもできるし、1ビット長など他の長さを有するものとすることもできる。
図1は、QRコードシンボル1の説明図である。QRコードシンボル1(以下、単に、「QRコード」ということもある)は、1型から40型まで様々なサイズが用意されているが、ここでは、一例として型番「2」を例に各機能について説明する。
QRコードシンボル1は、機能パターンと符号化領域を有する。機能パターンは、QRコードのモジュール内での復号化を補助するために必要なQRコードシンボル位置の検索や特性の識別に必要なパターンである。符号化領域は、必要となる情報が書き込まれている領域である。
機能パターンは、位置検出パターンFP、分離パターンSP、タイミングパターンTP、位置合わせパターンAP、および、クワイエットゾーンQZを有する。
位置検出パターンFPは、QRコードの少なくとも3つの隅に配置されるパターンである。読み取り時において、3つの位置検出パターンFPを識別することで、QRコードシンボル1の方向や位置を正しく認識可能とする。
分離パターンSPは、位置検出パターンFPの周りに配置される1モジュール幅の明モジュールである。これにより、位置検出パターンFPをQRコードシンボル1から区別することができるようになる。
モジュールMは、QRコードシンボル1を構成する単位セルである。原則として、1ビットが1モジュールに相当する。
タイミングパターンTPは、暗モジュールと明モジュールが1モジュールずつ直線状に交互に配置されたパターンである。タイミングパターンTPによって、QRコードシンボル1のモジュール数を認識可能となるため、これによりQRコードの型番を識別することができる。
位置合わせパターンAPは、QRコードの型番によって決められた位置に配置されるパターンである。位置合わせパターンAPは、大きなモジュールの場合、QRコードシンボル1の位置の検索を補助する働きをする。
クワイエットゾーンQZは、QRコードの周囲に設けられる最低4モジュール幅の明モジュール領域である。
符号化領域は、データおよび誤り訂正コード語(以下、単に「訂正コード語」ということがある)と、形式情報FIを有する。また、型番の大きなものには型番情報VIも付加される。形式情報FIは、誤り訂正レベルと標準マスクパターン(JIS規格におけるマスクパターン)の情報を有する。
データおよび誤り訂正コード語は、実際のデータおよびデータが読み出せなかった場合の誤り訂正用の誤り訂正コード語を配置する。形式情報は、QRコードシンボル1に適用する誤り訂正レベルおよび使用する標準マスクパターンに関する情報を有し、符号化領域を復号化するのに必要な符号化パターンである。
図2は、拡張エンコーダ10のブロック図である。拡張エンコーダ10は、公開情報のみならず非公開情報を含んだ情報をQRコードシンボル1に変換する装置である。拡張エンコーダ10は、制御部11と表示装置13と印刷装置14と入力装置15を備える。
制御部11は、演算部11aと記憶部11bを備える。演算部11aは中央演算装置等からなり、プログラムの実行および種々の演算を担う。記憶部11bは、プログラムの実行に際して、必要なデータの記憶を担う。特に、記憶部11bには、各種処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
表示装置13は、データの入力等に際し必要な表示機能を担う。また、表示装置13は、生成されたQRコードシンボル1を表示により出力する。印刷装置14も、生成されたQRコードシンボル1を印刷により出力する。また、入力装置15は、データの入力および拡張エンコーダ10の操作に使用される。
本実施の形態においては、QRコードとして、構造的連接関係を有するQRコード(構造的連接QRコードとも呼ぶ)が用いられる。構造的連接関係を有するQRコードとは、自身のコード情報が、あるコード情報をもとに互いに関連を持って分割された部分的コードであることが判別可能に組み込まれたコードである。すなわち、これを利用することにより大コードを、関連を持った複数の小コードに分割することができる。換言すれば、小コードを構造的連接の形で連結することができ、連結されたコードが大コードとなる。なお、この構造的連接QRコードについては、JIS規格の第9章に規定されており、これに準ずる。また、本実施の形態においては、当該大コードを親二次元コードの一例としての親QRコード(親コードと省略することもある)と呼び、当該小コードを分割二次元コードの一例としての分割QRコード(分割コードと省略することもある)と呼ぶ。
図3は、親QRコードのRSブロックの概要図である。まず、図3を参照しつつ、親QRコードのデータフォーマットの概要、および、非公開情報(後述する非公開分割情報、非公開追記情報)を埋め込む手法について説明する。図3には、誤り訂正処理単位として、RS(リード・ソロモン)ブロックが示されている。QRコードシンボル1には、1または複数のRSブロックが含まれる。そして、RSブロックを1つの誤り訂正処理単位としている。
なお、ここで説明する実施形態においては、リード・ソロモン(RS)符号による誤り訂正方式を採用しているため、誤り検出訂正演算の処理単位ブロックの一例として、「RSブロック」と記載している。
置換前RSブロック(後に、置換後RSブロックが登場するため、ここでは置換前RSブロックとして置換後RSブロックとは区別する)は、表示対象である情報本体(公開情報に相当する)と、非表示部分である終端符号と、非表示部分であるパディングコード語とを有するデータコード語を含む。また、置換前RSブロックは、訂正コード語としてのRS(リード・ソロモン)符号を含む。情報本体とは、標準デコーダであってもQRコードシンボル1を読み取ったときにデコード可能な情報である。終端符号は、情報本体の終端を表す符号である。パディングコード語は、情報本体のコード語の総数がQRコードシンボル1の容量に満たない場合、空のコード語部分を充填する目的で使用される仮のコード語である。RS符号は、RSブロックを単位として誤り訂正するために付加される符号である。
QRコードでは、「L」「M」「Q」「H」の4段階の誤り訂正レベルが選択可能である。誤り訂正レベル「L」では、全体の語数に対して約7%の誤り訂正能力を有する。例えば、RSブロックの語数を100%とした場合、そのうちの約7%の誤り訂正能力を有する。誤り訂正レベル「M」では、全体の語数に対して約15%の訂正能力を有する。誤り訂正レベル「Q」では、全体の語数に対して約25%の訂正能力を有する。誤り訂正レベル「H」では、全体の語数に対して約30%の誤り訂正能力を有する。本実施の形態では、例えば、最高クラスの誤り訂正能力である「H」を利用して、非公開情報をQRコードに隠蔽する。ただし、コードシンボルが形成された媒体の破損の恐れの程度に応じて、あるいは方式によっては隠蔽される非公開情報の語数に応じて誤り訂正レベルを変更してもよい。
QRコードに情報を隠蔽する手法の概念は、次の通りである。ここで、情報の「隠蔽」とは、標準の方法(装置、ソフトウェア等。具体例は、デコーダ)によって読み出し取得ができる通常の情報とは異なり、標準の方法(装置、ソフトウェア等。具体例は、デコーダ)では読み出し取得できないようにすることを意味する。図3には、非公開情報が示されている。ここでは、この非公開情報でRSブロックの一部を置換する(以下、この「置換」を「上書き」ということもある)。このように、一部を置換した場合であっても、標準デコーダでは、置換後の情報本体部分を、RS符号を用いて訂正できる。そして、訂正後の情報本体部分を読み出して表示することができる。一方、非公開情報語は、RS符号により訂正されて捨てられてしまう情報であるため、標準デコーダでは表示されないことになる。
これに対し、拡張デコーダ20では、後述するように、置換後RSブロックから非公開情報語を抽出する。そして、その後、RS符号により訂正を行って情報本体部分を読み出す。以上の原理によりQRコードシンボル1に非公開情報を隠蔽することができる。なお、非公開情報語でのRSブロックの一部置換方法の詳細については、後述するものとする。
次に、具体的な親QRコードの生成方法について説明する。
図4は、QRコードシンボル生成方法のフローチャートである。図5は、親QRコードのRSブロックの説明図である。図6は、親QRコードの非公開情報語の説明図である。以下の説明において、特段のことわりがない場合、QRコードシンボル1へのエンコード手法は、JIS規格による手法が採用される。なお、QRコードシンボル1は、複数のRSブロックを有する場合がほとんどであるが、ここでは説明の容易のために、1つのRSブロックを例示して説明を行う。また、以下に示される内容は容易な説明を行うための例示であるので、各コード語長は実際のものと異なることがある。
また、前提として、記憶部11bには、所定の方法で定めることができる非公開情報語で置換される開始位置と非公開情報語の長さにかかわる情報が記憶されているものとする。本実施の形態では、一例として、「オフセット情報」と「長さ(語数)情報」が記憶されているものとする。なお、どの部分がどれ位の長さだけ非公開情報語で置換されるかをどのように定めるかについては、任意であり、何ら本実施の形態の方法に限定されるものではない。
まず、QRコードシンボル1に埋め込まれる情報本体(公開情報語)および非公開情報語が取り込まれる(S102)。ここでは、情報本体のコード語を「TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN」とし(図5)、非公開情報語を「00090012345678」としている(図6)。
次に、情報本体(公開情報語)および非公開情報語に基づいてQRコードシンボル1の型番が決定される(S104)。QRコードシンボル1は型番に応じてトータルのコード語数が定められている。トータルのコード語数は、情報本体(公開情報語)の語数を含むデータコード語数と、訂正コード語数と、の和である。また、QRコードシンボル1の型番に応じて、データコード語と訂正コード語からなるRSブロックの大きさと数が定められている。そして、誤り訂正は、RSブロックを単位として行われる。
例えば、誤り訂正レベルが「H」であって型番が「4」の場合、トータルのコード語数は「100」と定められている。そして、4つのRSブロックを含むことが定められている。1つのRSブロックにおけるデータコード語数は「9」であり、訂正コード語数は「16」である。
データコード語数「9」と訂正コード語数「16」の和は「25」であり、このようなRSブロックが4つあるため、型番が「4」のQRコードシンボルは、25×4=100の総コード語数を有することになる。
また、このときの誤り訂正語数は、RSブロック毎に「8」である。これは、データコード語数「9」のうちの「8」を訂正する能力を有することを表す。RSブロックは4つであったから、4×8=32の語数の総訂正能力を有することになる。100語のうち32語を訂正可能としているので、全体からすると32%の訂正能力を有することになる。
非公開情報語による置換は、RSブロック毎に、RSブロックの誤り訂正数を超えない範囲で行われる。上記の場合であると、RSブロック毎にコード語数「8」の置換が許容されることになり、全体では「32」のコード語数の置換が許容される(「総置換許容語数)と呼ぶことがある)ことになる。
このような演算に基づいて、非公開情報語数が総置換許容語数を上回らず、かつ、情報本体(公開情報語)の語数がデータコード語数を上回らない最小サイズのQRコードシンボル1の型番が選択される。
次に、情報本体のコード語に基づいてRSブロックが生成される(S106)。RSブロックを生成するため、情報本体のコード語が複数のブロックに分割される。そして、各ブロックに対して誤り訂正コード語が生成され、生成された訂正コード語が対応するコード語の後に付加される。そして、RSブロックが生成される。なお、訂正コード語の生成手法については、JIS規格に準ずることができる。
図5には、情報本体と終端符号と訂正コード語の一例が示されている。ここでは、情報本体のコード語としてプレインなテキスト情報が示されている。終端符号は、例えば、「0000」のビット列を採用することができる。そして、情報本体を含むコード語に基づいて生成されたRS符号が付加され、RSブロックが作成されている。
このようにして生成されたRSブロックの一部が、図6に例を示すような非公開情報語で置換される(S108)。
図7は、親QRコードのRSブロックの一部を置換したときの説明図である。図7には、前述のRSブロックと、非公開情報語が示されている。そして、前述の非公開情報語の長さ情報とオフセット情報に基づき、図7に示されるように、本実施の形態においては、RSブロックの先頭から非公開情報語で置換される。
このように、RSブロックの一部が非公開情報語で置換されると、情報本体の一部が消失してしまうことになる。しかしながら、RSブロック単位で訂正を行うことができるため、標準デコーダでは、置換後の情報本体部分をRS符号で訂正して適切に抽出し、表示できるのである。
そして、非公開情報語で置換された部分は、QRコードシンボル1の汚損等による誤りであるとみなされて捨てられてしまう情報となるので、標準デコーダでは表示することができない。一方、拡張デコーダ20では、後述するように、置換後RSブロックから非公開情報語を抽出する。そして、その後、RS符号により訂正を行って情報本体部分を抽出する。そして、抽出された非公開情報語と情報本体部分を表示するのである。
次に、置換後RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を作成する(S110)。RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を生成する手法は、JIS規格における標準的なQRコード生成手法と同様のものを採用することができる。このようにすることで、QRコードシンボル1を生成することができる。
次に、このようにして生成されたQRコードシンボル1のデコード手法について説明する。
図8は、拡張デコーダ20のブロック図である。拡張デコーダ20は、QRコードシンボル1を読み取り、QRコードシンボル1に含まれる表示対象である情報と非公開情報とを展開する装置である。拡張デコーダ20は、制御部21と撮像装置22と表示装置23と印刷装置24と入力装置25を備える。
制御部21は、演算部21aと記憶部21bを備える。演算部21aは中央演算装置等からなり、プログラムの実行および種々の演算を担う。記憶部21bは、プログラムの実行に際して、必要なデータの記憶を担う。特に、記憶部21bには、各種処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
撮像装置22は、QRコードシンボル1を撮像するための装置であって、例えば、CCDカメラなどである。
表示装置23は、データの入力等に際し必要な表示機能を担う。また、表示装置23は、QRコードから展開された情報を表示により出力する。印刷装置24も、展開された情報を印刷により出力する。また、入力装置25は、データの入力および拡張デコーダ20の操作に使用される。
図9は、親QRコードのQRコードシンボル読み取り方法のフローチャートである。以下の説明において、特段のことわりがない場合、QRコードシンボル1のデコード手法は、JIS規格による手法が採用される。
また、前提として、デコーダ20の記憶部21bには、所定の方法で定めることができる非公開情報語で置換される開始位置と非公開情報語の長さにかかわる情報が記憶されているものとする。本実施の形態では、一例として、「オフセット情報」と「長さ(語数)情報」が記憶されているものとする。なお、どの部分がどれ位の長さだけ非公開情報語で置換されるかをどのように定めるかについては、任意であり、何ら本実施の形態の方法に限定されるものではない。
まず、QRコードシンボル1の読み取りが行われる(S202)。そして、読み取ったQRコードシンボル1に基づいて、複数のRSブロックが展開される(S204)。これら複数のRSブロックへの展開は、JIS規格に準ずるものを採用することができる。これにより、たとえば、前述の図7に示された置換後RSブロックが取得される。
次に、取得された置換後RSブロックから所定の方法によって情報本体のコード語および非公開情報語が抽出される(S206)。
図10は、親QRコードの非公開情報語の抽出方法の説明図である。図10には、置換後RSブロックと非公開情報語が示されている。
置換後RSブロックは、前述のように、QRコードシンボルを読み取り、JIS規格に準じて展開することにより取得することができる。本実施の形態において、デコーダ20は、記憶部21bに記憶されている非公開情報語のオフセット情報と長さ情報とに基づいて、置換後RSブロックにおける非公開情報語の位置を特定する。そして、特定した位置から非公開情報語を抽出する。
図11は、親QRコードの情報本体の抽出方法の説明図である。デコーダ20は、置換後RSブロックの誤り訂正を行うことにより、置換前RSブロックを取得する。そして、置換前RSブロックの先頭から終端符号までの情報を抽出し、抽出したデータを情報本体とする。
次に、得られた情報本体のコード語と非公開情報語が必要に応じて出力される(S208)。
上記においては、親QRコードのデータフォーマットについて説明したが、次に、分割QRコードのデータフォーマットについて説明する。
図12は、分割QRコードのRSブロックの概要図である。図12には、誤り訂正処理単位として、RS(リード・ソロモン)ブロックが示されている。QRコードシンボル1には、1または複数のRSブロックが含まれる。そして、RSブロックを1つの誤り訂正処理単位としている。
置換前RSブロックは、上述した情報本体と終端符号とパディングコード語の他に非表示部分である連接ヘッダブロックを有するデータコード語を含む(ただし、連接ヘッダブロックを含むのは、先頭の置換前RSブロックのみである)。また、置換前RSブロックは、訂正コード語としてのRS(リード・ソロモン)符号を含む。つまり、分割QRコードにおいては、親QRコードにはない連接ヘッダブロックが設けられている。
連接ヘッダブロック(データコード語)の先頭にはモード指示子が配置され、後続して、シンボル列指示子とパリティデータが配置されている。
シンボル列指示子は、分割QRコードが、全体で何個中の何番目の構造連接関係を有するQRコードであるかを規定する。例えば、親QRコードを二分割した最初の分割QRコード(便宜上、第一分割QRコードと呼ぶ)のシンボル列指示子には、2個中1番目の分割QRコードであることが規定される。また、もう一つの分割QRコード(便宜上、第二分割QRコードと呼ぶ)のシンボル列指示子には、2個中2番目の分割QRコードであることが規定される。
また、パリティデータは、親QRコードの公開情報のパリティデータである。このパリティデータは、親QRコードから分割された分割QRコード間で共通のものであり、パリティデータが一致するか否かで、構造的連接関係を有するか否かが判断される。例えば、第一分割QRコードの公開情報と第二分割QRコードの公開情報を所定の方法で再構成した情報語のパリティが、親QRコードの公開情報のパリティデータと一致し、かつ、第一分割QRコードと第二分割QRコードとの間でパリティデータが一致することで、構造的連接関係を有するものと判定することができる。
なお、分割QRコードに情報を隠蔽する手法の概念は、既に説明した親QRコードの手法と同様である。以下、具体的な分割QRコードの生成方法について、第一分割QRコード及び第二分割QRコードを例に挙げて、図4、図13乃至図15を用いて説明する。図13は、分割QRコードのRSブロックの説明図である。図14は、分割QRコードの非公開情報語の説明図である。図15は、分割QRコードのRSブロックの一部を置換したときの説明図である。
まず、第一分割QRコード(第二分割QRコード)に埋め込まれる情報本体(公開情報語)および非公開情報語が取り込まれる(S102)。
ここで、分割QRコードの情報本体は、親QRコードの情報本体の一部分となる。すなわち、親QRコードの情報本体のコード語が前述の通り「TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN」であれば、第一分割QRコードの情報本体のコード語は例えば「TOKYO<cr>MIN」に、第二分割QRコードの情報本体のコード語は例えば「ATO<cr>JPN」になる(図13)。なお、分割QRコードに親QRコードの情報本体のうちのどの部分を含ませるか(換言すれば、親QRコードの情報本体をどのように分割するか)については任意である。
また、ここでは、第一分割QRコードの非公開情報語を「AAA」とし、第二分割QRコードの非公開情報語を「BBB」とする(図14)。なお、当該非公開情報語は、親QRコードとは無関係に、任意に選択することができる。
次に、前述の通り、情報本体(公開情報語)および非公開情報語に基づいてQRコードシンボル1の型番が決定される(S104)。
次に、情報本体のコード語に基づいてRSブロックが生成される(S106)。RSブロックを生成するため、情報本体のコード語が複数のブロックに分割される。そして、各ブロックに対して誤り訂正コード語が生成され、生成された訂正コード語が対応するコード語の後に付加される。そして、RSブロックが生成される。なお、訂正コード語の生成手法については、JIS規格に準ずることができる。また、このとき、連接ヘッダブロックに包含されるパリティデータも求められる。
図13には、情報本体と終端符号と訂正コード語の一例が示されている。ここでは、情報本体のコード語としてプレインなテキスト情報が示されている。終端符号は、例えば、「0000」のビット列を採用することができる。そして、情報本体を含むコード語に基づいて生成されたRS符号が付加され、RSブロックが作成されている。
このようにして生成されたRSブロックの一部が非公開情報語で置換される(S108)。
図15は、RSブロックの一部を置換したときの説明図である。図15には、前述のRSブロックと、非公開情報語が示されている。そして、本実施の形態においては、前述の非公開情報語の長さ情報とオフセット情報に基づき、図15に示されるように、RSブロックの先頭から非公開情報語で置換される。
次に、置換後RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を作成する(S110)。RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を生成する手法は、JIS規格における標準的なQRコード生成手法と同様のものを採用することができる。このようにすることで、QRコードシンボル1を生成することができる。
次に、このようにして生成されたQRコードシンボル1のデコード手法について説明する。デコードは、上述した拡張デコーダ20により行われる。
図16は、分割QRコードのQRコードシンボル読み取り方法のフローチャートである。以下の説明において、特段のことわりがない場合、QRコードシンボル1のデコード手法は、JIS規格による手法が採用される。
また、前提として、デコーダ20の記憶部21bには、所定の方法で定めることができる非公開情報語で置換される開始位置と非公開情報語の長さにかかわる情報が記憶されているものとする。本実施の形態では、一例として、「オフセット情報」と「長さ(語数)情報」が記憶されているものとする。なお、どの部分がどれ位の長さだけ非公開情報語で置換されるかをどのように定めるかについては、任意であり、何ら本実施の形態の方法に限定されるものではない。
まず、第一分割QRコードのQRコードシンボル1の読み取りが行われる(S302)。そして、読み取ったQRコードシンボル1に基づいて、複数のRSブロックが展開される(S304)。これら複数のRSブロックへの展開は、JIS規格に準ずるものを採用することができる。これにより、たとえば、前述の図15の上図に示された置換後RSブロックが取得される。
次に、取得された置換後RSブロックから所定の方法によって情報本体のコード語および非公開情報語が抽出される(S306)。
図17は、第一分割QRコードの非公開情報語の抽出方法の説明図である。図17には、置換後RSブロックと非公開情報語が示されている。
置換後RSブロックは、前述のように、QRコードシンボルを読み取り、JIS規格に準じて展開することにより取得することができる。本実施の形態において、デコーダ20は、記憶部21bに記憶されている非公開情報語のオフセット情報と長さ情報とに基づいて、置換後RSブロックにおける非公開情報語の位置を特定する。そして、特定した位置から非公開情報語を抽出する。
図18は、第一分割QRコードの情報本体の抽出方法の説明図である。デコーダ20は、置換後RSブロックの誤り訂正を行うことにより、置換前RSブロックを取得する。そして、置換前RSブロックの先頭から終端符号までの情報を抽出し、抽出したデータを情報本体とする。
ここで、第一分割QRコードは構造的連接QRコードであるため、連接ヘッダブロック(特に、シンボル列指示子)が参照されることにより、第二分割QRコードが存在すること(第一分割QRコードで終わりではないこと)が認識される。そのため、本実施の形態においては、非公開情報語は出力されるものの、情報本体は出力されず、代わりに、次の分割QRコード(すなわち、第二分割QRコード)のQRコードシンボル1の読み取りの実施を促すメッセージが出力される(S308)。なお、連接ヘッダブロックが参照された際には、パリティデータも抽出される(出力はされない)。
なお、本実施の形態においては、非公開情報語が出力されることとしたが、これに限定されるものではなく、読み出しはされるものの出力はされない場合であってもよい。また、情報本体が出力されないこととしたが、これに限定されるものではなく、出力されることとしてもよい(ただし、不完全な情報が出力される)。また、次の分割QRコードのQRコードシンボル1の読み取りの実施を促すメッセージが出力されることとしたが、これに限定されるものではなく、出力されないこととしてもよい。
次に、第二分割QRコードのQRコードシンボル1の読み取りが行われる(S310)。そして、読み取ったQRコードシンボル1に基づいて、複数のRSブロックが展開される(S312)。これにより、たとえば、前述の図15の下図に示された置換後RSブロックが取得される。
次に、取得された置換後RSブロックから所定の方法によって情報本体のコード語および非公開情報語が抽出される(S314)。
図19は、第二分割QRコードの非公開情報語の抽出方法の説明図である。図19には、置換後RSブロックと非公開情報語が示されている。
置換後RSブロックは、前述のように、QRコードシンボルを読み取り、JIS規格に準じて展開することにより取得することができる。本実施の形態において、デコーダ20は、記憶部21bに記憶されている非公開情報語のオフセット情報と長さ情報とに基づいて、置換後RSブロックにおける非公開情報語の位置を特定する。そして、特定した位置から非公開情報語を抽出する。
図20は、第二分割QRコードの情報本体の抽出方法の説明図である。デコーダ20は、置換後RSブロックの誤り訂正を行うことにより、置換前RSブロックを取得する。そして、置換前RSブロックの先頭から終端符号までの情報を抽出し、抽出したデータを情報本体とする。
ここで、連接ヘッダブロック(特に、シンボル列指示子)が参照されることにより、第二分割QRコードが最後の分割QRコードであること(第二分割QRコードで終わりであること)が認識される。
そして、第一分割QRコードと第二分割QRコードとの間に構造的連接関係があるか否かが判定される(S316)。既に説明した通り、構造的連接関係を有する場合には、(1)第一分割QRコードと第二分割QRコードの連接ヘッダブロックのパリティデータが一致し、(2)第一分割QRコードの公開情報と第二分割QRコードの公開情報とを所定の方法で再構成して得られる情報語のパリティデータが、連接ヘッダブロックにおけるパリティデータと一致するはずである。第一分割QRコードのパリティデータと第二分割QRコードのパリティデータは、ともに、親QRコードの公開情報に基づいて求められたパリティデータであって、共通のパリティデータとなるからである。そこで、上記条件(1)(2)を満たすかが判定される。
つまり、第二分割QRコードの連接ヘッダブロックが参照されてパリティデータが抽出され、第一分割QRコードから抽出済みのパリティデータと比較される。また、第一分割QRコードから抽出された情報本体(公開情報)と第二分割QRコードから抽出された情報本体(公開情報)とに基づいて情報語が再構成される。つまり、「TOKYO<cr>MIN」と「ATO<cr>JPN」から「TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN」が再構成される。そして、当該情報語、つまり、「TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN」のパリティデータが求められる。そして、求められたパリティデータが、第一分割QRコード(第二分割QRコード)の連接ヘッダブロックから抽出されたパリティデータと比較される。
そして、第一分割QRコードと第二分割QRコードとの間に構造的連接関係があると判定された場合には、再構成された前記情報語と第二分割QRコードの非公開情報語とが出力される(S318)。一方、構造的連接関係がないと判定された場合には、エラーメッセージが出力される。
===本実施の形態に係る情報管理方法及び情報管理システム40について===
次に、本実施の形態に係る情報管理方法及び情報管理システム40について、図21乃至図23を用いて説明する。図21は、情報管理方法のフローチャートである。図22は、各地点で、QRコードが印刷されたラベル102が、収容ケース100に貼付される様子を示した図である。図23は、情報管理システム40のブロック図である。なお、図23から明らかなように、情報管理システム40は、後述する親コード生成装置50及び分割コード生成装置(第一分割コード生成装置60、第二分割コード生成装置62、第三分割コード生成装置64)を備えている。後述するように、親コード生成装置50と複数の分割コード生成装置は、異なる地点に設けられている。
本実施の形態に係る情報管理方法は、複数の地点を移動する物品(具体的には、物品内の収容物)の情報を管理するものである。当該物品として、以下では、低温保管が必要な検体が収容された収容ケース100を例に挙げる。そして、この収容ケース100(検体)が検体の発送地点から中継地点を経由して検査地点まで移動する(移送される)例について説明する。なお、本実施の形態においては、検体の発送地点が、検体の採取地点と同じ拠点内(大阪)にあり、その発送地点を大阪発送センターとする。また、中継地点を横浜中継センター、検査地点を東京検査センターとする。
<<<親QRコードの生成>>>
先ず、検体の採取地点(親コード生成地点に相当)で、前述した非公開情報が隠蔽され、かつ、前述した公開情報(情報本体)が含まれた親QRコードを生成する(S402)。本実施の形態においては、公開情報を「検体A,ラボB,B03,20130604」とする。ここで、「検体A,ラボB,B03,20130604」とは、「ラボB」の「検体A」が職員コード「B03」の職員により「2013年6月4日」に送り出されるという意味である。なお、当該公開情報を16進表記すると、「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」となる(全24バイト)。そして、この情報部分のパリティデータは、JIS規格の第9章に規定された方法によって計算すると16進表記でD0 となる。
また、非公開情報として、分割QRコードを生成するための分割情報(非公開分割情報と呼ぶ)を、親QRコードに隠蔽する。この分割情報は、分割数と、分割QRコードの生成を実行する対象を示す対象情報と、当該対象が前記生成を実行する分割QRコードに、前記公開情報のうちのどの部分を含ませるかについての部分特定情報と、を備えている。具体的に説明すると、本実施の形態においては、非公開情報を英数字表記で「3,0601,04405, 0311,08C,8,9,7」としている。
ここで、「3,0601,04405,0311, 08C, 8,9,7」とは、以下のような意味を有する。第一に、分割数が「3」であり、この後、収容ケース100(検体)が「3」つの地点(検体の採取地点から中継地点を経由して検査地点まで)を移動し、これらの「3」地点で分割QRコードが生成されることを意味する。
第二に、分割QRコードの生成を実行する対象が、順に、「0601」コードを持つ大阪発送センター、「04405」コードを持つ横浜中継センター、「0311」コードを持つ東京検査センターであることを意味する。
第三に、「0601」コードを持つ大阪発送センターが生成を実行する分割QRコードに、公開情報のうちの最初の「8」バイト(つまり、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」)を含ませることを意味する。また、「04405」コードを持つ横浜中継センターが生成を実行する分割QRコードに、公開情報のうちの次の「9」バイト(つまり、16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」)を含ませることを意味する。また、「0311」コードを持つ東京検査センターが生成を実行する分割QRコードに、公開情報のうちの次の「7」バイト(つまり、16進表記で「30 31 33 30 36 30 34」)を含ませることを意味する。
なお、「08C」は、検体を摂氏8℃以下に低温保管する必要があることを意味する。これは、分割情報ではないが、このように非公開情報に分割情報以外の情報を含ませることとしてもよい。
次に、図22に示すように、検体の採取地点で生成された親QRコードを物品貼付用のラベル102に印刷し、該ラベル102を収容ケース100に貼付する(S404)。
なお、親QRコードの生成及び印刷は、親コード生成装置50が実行する。この親コード生成装置50は、上述した拡張エンコーダ10と同様の構成を有する。つまり、親コード生成装置50は、演算部51aと記憶部51bを有する制御部51と、表示装置53と、印刷装置54と、入力装置55と、を備える(図23参照)。
<<<分割QRコードの生成>>>
次に、ラベル102が貼付された収容ケース100を、検体の採取地点から複数の地点(つまり、発送地点である大阪発送センター、中継地点である横浜中継センター、検査地点である東京検査センター)に順番に移動させる。そして、各地点で、公開情報の一部分が含まれた分割QRコードを生成する。このように、発送地点である大阪発送センター、中継地点である横浜中継センター、検査地点である東京検査センターは、それぞれ、分割QRコード生成地点となる。すなわち、分割QRコードを生成する際には、親QRコード生成地点とは異なる複数の分割コード生成地点で複数回生成することとなる。
そして、複数の分割コード生成地点の各々で生成された分割QRコードを物品貼付用のラベル102に印刷し、該ラベル102を収容ケース100に貼付する。以下、具体的に説明する。
<発送地点における分割QRコードの生成>
検体の発送地点である大阪発送センターでは、1番目の分割QRコード(以下、第一コードと省略して呼ぶ)を生成する(S406)。そして、この際には、親QRコード(公開情報及び非公開情報)を読み取ってから、第一コードを生成する。
ここでは、親QRコードから前述した非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき第一コードを生成する。すなわち、前述したとおり、非公開分割情報には、分割数が3であり、大阪発送センターが分割QRコードの生成を1番目に実行する対象であり、第一コードに公開情報のうちの最初の「8」バイトを含ませることが記されている。公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、第一コードに含ませるのは、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」であることが分かる。また、公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、パリティデータも算出することができる(16進表記でD0 となる)。
そして、取得したこれらの情報に基づき、以下のように第一コードを生成する。
すなわち、連接ヘッダブロックのシンボル列指示子には、3個中1番目の分割QRコードであることが規定される。また、連接ヘッダブロックのパリティデータには、16進表記でD0が記される。また、公開情報は16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」とされる。
また、本実施の形態においては、当該公開情報とは別の情報が非公開情報として第一コードに、所定の方法(例えば、「本実施の形態に係るQRコード(QRコードの一例)について」の項で説明した方法)で追記(隠蔽)される。つまり、第一コードを生成する際には、親QRコードの公開情報の一部分(つまり、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」)が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽されたQRコードを生成する。この非公開追記情報は、以下のように、日時情報や担当者情報等を有する。
具体的には、非公開情報を英数字表記で「1552015,1A23,08C,1560630,223P,07C」としている。
ここで、「1552015,1A23,08C,1560630,223P,07C」とは、以下のような意味を有する。
第一に、入庫日時が「1552015」であること(2013年6月4日は第155日、その20時15分を表す)を意味する。
第二に、入庫担当者IDが「1A23」であることを意味する。
第三に、検体を「08C」(摂氏8℃)以下に低温保管する必要があること(管理温度仕様)を意味する。
第四に、出庫日時が「1560630」(2013年6月5日6時30分)であることを意味する。
第五に、出庫担当者IDが「223P」であることを意味する。
第六に、出庫時温度が「07C」(摂氏7℃)であることを意味する。
また、本実施の形態においては、非公開追記情報を暗号化し、暗号化された非公開追記情報を隠蔽するようになっている。つまり、英数字表記で「1552015,1A23,08C,1560630,223P,07C」が、複数の分割コード生成地点(複数の分割コード生成装置)の各々に対応する暗号鍵(ここでは、発送地点(大阪発送センター)専用の暗号鍵)で暗号化され、暗号化後の当該情報が、第一コードの非公開情報として隠蔽される。
次に、図22に示すように、検体の発送地点で生成された第一コードを物品貼付用のラベル102に印刷し、該ラベル102を収容ケース100に貼付する(S408)。
なお、第一コードの生成及び印刷は、分割コード生成装置が実行する。分割コード生成装置は互いに異なる地点(つまり、発送地点である大阪発送センター、中継地点である横浜中継センター、検査地点である東京検査センター)に複数設けられるため、大阪発送センターに設けられた分割コード生成装置を、他の装置と区別するため、第一分割コード生成装置60と呼ぶ。第一分割コード生成装置60は、第一コードの生成及び印刷だけでなく、親QRコードの読み取りを行う必要があるため、上述した拡張エンコーダ10と拡張デコーダ20を合わせた構成(拡張エンコーダ10と拡張デコーダ20がそれぞれ備える機能)を有する。つまり、第一分割コード生成装置60は、演算部71aと記憶部71bを有する制御部71と、撮像装置72と、表示装置73と、印刷装置74と、入力装置75と、を備える(図23参照)。また、記憶部71aには、暗号鍵が格納され、演算部71bは、非公開追記情報を当該暗号鍵で暗号化する機能を有している。
<中継地点における分割QRコードの生成>
検体の発送地点である大阪発送センターから検体の中継地点である横浜中継センターへ収容ケース100が移送されると、横浜中継センターでは、2番目の分割QRコード(以下、第二コードと省略して呼ぶ)を生成する(S410)。そして、この際には、親QRコード(公開情報及び非公開情報)を読み取ってから、第二コードを生成する。
ここでは、親QRコードから前述した非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき第二コードを生成する。すなわち、前述したとおり、非公開分割情報には、分割数が3であり、横浜中継センターが分割QRコードの生成を2番目に実行する対象であり、第二コードに公開情報のうちの次の「9」バイトを含ませることが記されている。公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、第二コードに含ませるのは、16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」であることが分かる。また、公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、パリティデータも算出することができる(16進表記でD0 となる)。
そして、取得したこれらの情報に基づき、以下のように第二コードを生成する。
すなわち、連接ヘッダブロックのシンボル列指示子には、3個中2番目の分割QRコードであることが規定される。また、連接ヘッダブロックのパリティデータには、16進表記でD0が記される。また、公開情報は16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」とされる。
また、本実施の形態においては、当該公開情報とは別の情報が非公開情報として第二コードに、所定の方法(例えば、「本実施の形態に係るQRコード(QRコードの一例)について」の項で説明した方法)で追記(隠蔽)される。つまり、第二コードを生成する際には、親QRコードの公開情報の一部分(つまり、16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」)が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽されたQRコードを生成する。この非公開追記情報は、以下のように、日時情報や担当者情報等を有する。
具体的には、非公開情報を英数字表記で「1562230,C56B,07C,08C,1570600,C5A3,07C」としている。
ここで、「1562230,C56B,07C,08C,1570600,C5A3,07C」とは、以下のような意味を有する。
第一に、入庫日時が「1562230」(2013年6月5日22時30分)であることを意味する。
第二に、入庫担当者IDが「C56B」であることを意味する。
第三に、入庫時温度が「07C」(摂氏7℃)であることを意味する。
第四に、検体を「08C」(摂氏8℃)以下に低温保管する必要があること(管理温度仕様)を意味する。
第五に、出庫日時が「1570600」(2013年6月6日6時00分)であることを意味する。
第六に、出庫担当者IDが「C5A3」であることを意味する。
第七に、出庫時温度が「07C」(摂氏7℃)であることを意味する。
また、本実施の形態においては、非公開追記情報を暗号化し、暗号化された非公開追記情報を隠蔽するようになっている。つまり、英数字表記で「1562230,C56B,07C, 08C,1570600,C5A3,07C」が、複数の分割コード生成地点(複数の分割コード生成装置)の各々に対応する暗号鍵(ここでは、中継地点(横浜中継センター)専用の暗号鍵)で暗号化され、暗号化後の当該情報が、第二コードの非公開情報として隠蔽される。
次に、図22に示すように、検体の中継地点で生成された第二コードを物品貼付用のラベル102に印刷し、該ラベル102を収容ケース100に貼付する(S412)。
なお、第二コードの生成及び印刷は、分割コード生成装置が実行する。大阪発送センターに設けられた分割コード生成装置を、他の装置と区別するため、第二分割コード生成装置62と呼ぶ。第二分割コード生成装置62の構成は、第一分割コード生成装置61と同様である(図23参照。ただし、所有する暗号鍵は異なる)。
<検査地点における分割QRコードの生成>
検体の中継地点である横浜中継センターから検体の検査地点である東京検査センターへ収容ケース100が移送されると、東京検査センターでは、3番目の分割QRコード(以下、第三コードと省略して呼ぶ)を生成する(S414)。そして、この際には、親QRコード(公開情報及び非公開情報)を読み取ってから、第三コードを生成する。
ここでは、親QRコードから前述した非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき第三コードを生成する。すなわち、前述したとおり、非公開分割情報には、分割数が3であり、東京検査センターが分割QRコードの生成を3番目に実行する対象であり、第三コードに公開情報のうちの次の「7」バイトを含ませることが記されている。公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、第三コードに含ませるのは、16進表記で「30 31 33 30 36 30 34」であることが分かる。また、公開情報を読み取ると、16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることが分かるので、パリティデータも算出することができる(16進表記でD0 となる)。
そして、取得したこれらの情報に基づき、以下のように第三コードを生成する。
すなわち、連接ヘッダブロックのシンボル列指示子には、3個中3番目の分割QRコードであることが規定される。また、連接ヘッダブロックのパリティデータには、16進表記でD0が記される。また、公開情報は16進表記で「30 31 33 30 36 30 34」とされる。
また、本実施の形態においては、当該公開情報とは別の情報が非公開情報として第三コードに、所定の方法(例えば、「本実施の形態に係るQRコード(QRコードの一例)について」の項で説明した方法)で追記(隠蔽)される。つまり、第三コードを生成する際には、親QRコードの公開情報の一部分(つまり、16進表記で「30 31 33 30 36 30 34」)が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽されたQRコードを生成する。この非公開追記情報は、以下のように、日時情報や担当者情報等を有する。
具体的には、非公開情報を英数字表記で「1571130,3144,07C」としている。
ここで、「1571130,3144,07C」とは、以下のような意味を有する。
第一に、入庫日時が「1571130」(2013年6月6日11時30分)であることを意味する。
第二に、入庫担当者IDが「3144」であることを意味する。
第三に、入庫時温度が「07C」(摂氏7℃)であることを意味する。
また、本実施の形態においては、非公開追記情報を暗号化し、暗号化された非公開追記情報を隠蔽するようになっている。つまり、英数字表記で「1571130,3144,07C」が、複数の分割コード生成地点(複数の分割コード生成装置)の各々に対応する暗号鍵(ここでは、検査地点(東京検査センター)専用の暗号鍵)で暗号化され、暗号化後の当該情報が、第三コードの非公開情報として隠蔽される。
次に、図22に示すように、検体の検査地点で生成された第三コードを物品貼付用のラベル102に印刷し、該ラベル102を収容ケース100に貼付する(S416)。
なお、第三コードの生成及び印刷は、分割コード生成装置が実行する。東京検査センターに設けられた分割コード生成装置を、他の装置と区別するため、第三分割コード生成装置64と呼ぶ。第三分割コード生成装置64の構成は、第一分割コード生成装置60や第二分割コード生成装置62と同様である(図23参照。ただし、所有する暗号鍵は異なる)。
<<<本実施の形態に係る情報管理方法及び情報管理システム40の有効性について>>>
上述したとおり、本実施の形態に係る情報管理方法は、分割QRコードを生成するための非公開分割情報が隠蔽された親QRコードを生成することと、親QRコードから非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき前記分割QRコードを生成することと、を有することとした。また、本実施の形態に係る情報管理システム40は、分割QRコードを生成するための非公開分割情報が隠蔽された親QRコードを生成する親コード生成装置50と、親QRコードから非公開分割情報を読み取って、該非公開分割情報に基づき前記分割QRコードを生成する分割コード生成装置を有することとした。
このように、本実施の形態においては、分割QRコードを生成するための非公開分割情報が親QRコードに隠蔽されているため、分割QRコードの生成を実行する対象(者)が真正な対象(者)でなければ、隠蔽された非公開分割情報を知り得ず、分割QRコードを適切に生成することができない。したがって、分割QRコードが、真正な対象(者)により作られたことが保証される。例えば、上記実施の形態においては、発送地点である大阪発送センター、中継地点である横浜中継センター、検査地点である東京検査センターに適切に収納ケース100が移送され、各地点で分割QRコードが適切に生成されたことが保証される。そして、悪徳な業者等(以下、便宜上、第三者と呼ぶ)により収納ケース100が盗難されて分割QRコードが不正に生成されることを避けることができる。このように、本実施の形態においては、物品等(これには、収容ケース100のみならず、収容ケース100に収容された検体や後述する品物や建築物も含まれる)をQRコードで管理する際に、構造的連接二次元コードに係る技術を用いて、適切に真正性を担保することができる。
なお、このような真正性を確認するためには、例えば、以下のように行えばよい。すなわち、前記拡張デコーダ20を用意し、分割QRコードを順に読み取る。分割QRコードが真正な対象(者)によって作られたものであれば、例えば、第一コード、第二コード、第三コードを順に読み取った際に、前述したとおり、分割QRコードの各々の公開情報から親QRコードの公開情報が再構成され出力されることとなる。一方、分割QRコードが不正に作られたものであれば、前述したとおり、エラーメッセージが出力されることとなる。なお、このような真正性の確認は、毎回実施される必要はなく、第三者の介入が疑われる時等に企業(会社)の管理部等が行うようにすればよい。
また、本実施の形態においては、親QRコードを生成する際には(親コード生成装置50は)、非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親QRコードを生成し、分割QRコードを生成する際には(分割コード生成装置は)、公開情報の一部分が含まれた分割QRコードを生成し、非公開分割情報は、分割数と、分割二次元コードの生成を実行する対象を示す対象情報と、前記対象が前記生成を実行する分割二次元コードに、前記公開情報のうちのどの部分を含ませるかについての部分特定情報と、を有することとした。
このように、本実施の形態においては、分割数と当該対象情報と当該部分特定情報が親QRコードに隠蔽されている。つまり、分割QRコードを作るのに必須の情報が隠蔽されているので、第三者がこの隠蔽された情報を知らなければ、正しい分割QRコードを作ることがより一層難しい状況となる。したがって、本実施の形態においては、物品等をQRコードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。
また、本実施の形態においては、親QRコードを生成する際には(親コード生成装置50は)、非公開分割情報が隠蔽され、かつ、公開情報が含まれた親二次元コードを生成し、分割QRコードを生成する際には(分割コード生成装置は)、公開情報の一部分が含まれ、かつ、該公開情報に加え非公開追記情報が隠蔽された分割QRコードを生成することとした。
このように、本実施の形態においては、非公開追記情報を分割QRコードに隠蔽(追記)することとしたため、分割QRコードを作る際に新たな情報を書き加えていくことができる。したがって、RFIDタグのような半導体記憶素子やオンラインの管理データベース(本実施の形態においては、各地点を結ぶオンラインシステムは必ずしも必要ない)等を用いなくとも簡便に追記情報の管理をすることができる。さらに、前述したとおり、分割QRコードが、真正な対象(者)により作られたことが保証されているので、分割QRコードに追記された非公開追記情報も、真正な対象(者)により書かれたことが保証される。また、非公開追記情報は、分割QRコードに隠蔽されるので、第三者による追記情報の改ざんを回避することができる。
また、本実施の形態において、非公開追記情報は、日時情報を有することとした。また、非公開追記情報は、担当者情報を有することとした。そのため、重要かつ基本的な情報に関して、上述した効果が奏される。つまり、重要かつ基本的な情報について、簡便に管理をすることができ、真正な対象(者)により書かれたことが保証され、第三者による改ざんを回避することができる。
また、本実施の形態において、分割QRコードを生成する際には、複数の分割コード生成地点の各々に対応する暗号鍵で暗号化された非公開追記情報を隠蔽することとした。換言すれば、分割コード生成装置は、複数の分割コード生成装置の各々に対応する暗号鍵で非公開追記情報を暗号化し、暗号化された非公開追記情報を隠蔽することとした。
そのため、第三者による追記情報の改ざんをより一層適切に回避することが可能となる。また、追記情報の真正性、追記プロセスの真正性、ならびに追記された情報全体の完全性を担保することができる。
なお、上記においては、真正性の確認(つまり、分割QRコードの各々の公開情報に基づいた親QRコードの公開情報の再構成)が、拡張デコーダ20を用いて、第三者の介入が疑われる時等に企業(会社)の管理部等により行われることを述べたが、かかる際には、分割QRコードの非公開追記情報の読み取りも行われる。当該管理部等の拡張レコーダ20には、各地点(発送地点、中継地点、検査地点)の鍵が格納され、暗号の複号化が適切に行われる。そして、上記の例で言えば、真正な日時、担当者、温度の情報を確認することができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、検体(が収容された収容ケース)を採取地点(発送地点)から検査地点へ検査のため移送する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、品物(が収容された収容ケース)を生産者から売り場へ流通のため移送する例であってもよい。また、工業製品等を生産する過程で、材料、中間生成物、完成品と形を変えつつ移送するような例であっても構わない。
なお、これらの例は全て移送を行うことを前提としているが、これに限定はされない。つまり、親QRコードを生成する際には、親コード生成地点で生成し、分割QRコードを生成する際には、親コード生成地点とは異なる複数の分割コード生成地点で複数回生成するような例(換言すれば、互いに異なる地点に設けられた分割コード生成装置を複数有し、親コード生成装置50と複数の分割コード生成装置は、異なる地点に設けられている例)であったが、これに限定されるものではなく、移送がされないような以下の例であっても構わない。例えば、建築物を建築する過程で、第一建築フェーズ乃至第三建築フェーズのフェーズ毎に分割QRコードを生成する例を挙げることができる。
ただし、移送がされる場合には、第三者の介入の機会が増加する可能性が高いため(介入しやすくなるため)、本発明の効果が有効に働く点で、上記実施の形態の方が望ましい。
また、上記実施の形態においては、親コード生成地点で生成された親QRコードをラベル102に印刷し、該ラベル102を物品(収容ケース100)に貼付することと、ラベルが貼付された物品(収容ケース100)を、親コード生成地点から複数の分割コード生成地点に順番に移動させることと、複数の分割コード生成地点の各々で生成された分割QRコードをラベルに印刷し、該ラベルを物品(収容ケース100)に貼付することと、を有することとした。換言すれば、親コード生成装置50は、親QRコードを、物品(収容ケース100)貼付用のラベルに印刷し、複数の分割コード生成装置は、それぞれ、分割QRコードを、物品(収容ケース100)貼付用のラベルに印刷することとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、ラベルに印刷をしない例であってもよい。例えば、物品(収容ケース100)や収容ケース100に収容された収容物に直接印刷してもよいし、物品に添付する紙(シート)に印刷して紙(シート)で管理するようにしてもよい。
ただし、真正性が担保されたQRコードでの管理が、ラベルを使うことでより一層簡便に行える点で、上記実施の形態の方が望ましい。
また、上記実施の形態においては、非公開追記情報を分割QRコードに隠蔽(追記)することとしたが、これに限定されるものではなく、非公開追記情報を分割QRコードに隠蔽(追記)しないこととしてもよい。例えば、親QRコードの方には、公開情報と非公開情報が記録されるものの、分割QRコードの方には、公開情報だけで非公開情報が記録されないようにしてもよい(つまり、分割QRコードは、拡張QRコードではなく、通常のQRコードであることとしてもよい)。なお、かかる場合には、分割QRコードは、通常のQRコードであるため、拡張デコーダ20ではなく標準デコーダでデコード可能となる。
<<<第二実施形態について>>>
ところで、上記実施の形態(第一実施形態と呼ぶ)においては、分割数が3であり、3つの分割コード生成地点で分割QRコードを生成することとしていた。すなわち、分割数と分割コード生成地点の数が同数であった。そして、このようなケースで、非公開追記情報がなく、3つのうちの2つの分割QRコードが既に生成され、当該2つの分割QRコードと親QRコードに第三者がアクセス可能である場合(非常に限定的な場合)には、第三者が3番目の(残り一つの)分割QRコード、つまり、3番目(最後)の分割コード生成地点で生成すべき分割QRコードを不正に生成することができる可能性がある。
すなわち、上記第一実施形態の具体例に基づいて説明すると、分割QRコードのシンボル列指示子と公開情報は、隠蔽、暗号化されていないので、第三者は、第一コードから、シンボル列指示子が「3個中1番目の分割QRコード」であることと、公開情報が16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」であることを知り得る可能性がある。また、第二コードから、シンボル列指示子が「3個中2番目の分割QRコード」であることと、公開情報が16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」であることを知り得る可能性がある。また、親QRコードの公開情報も、隠蔽、暗号化されていないので、第三者は、親QRコードから、公開情報が16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」であることを知り得る可能性がある。
そうすると、第三者は、3番目(最後)の分割コード生成地点で生成すべき分割QRコードのシンボル列指示子が「3個中3番目の分割QRコード」であり、公開情報が16進表記で「30 31 33 30 36 30 34」であることが推測できることとなる。さらに、親QRコードの公開情報「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89 83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32 30 31 33 30 36 30 34」(16進表記)を知っている状況においては、パリティデータも算出できるので、非公開追記情報がない公開情報だけの第三コードを第三者が作れる可能性が生ずる。
このような事態を回避するためには、分割数を、分割コード生成地点(分割コード生成装置)の数(換言すれば、分割コードを生成する回数)よりも多くすることが有効である(このような例を、第二実施形態とする)。以下、第二実施形態について、具体的に説明する。
第二実施形態においては、親QRコードの非公開分割情報の分割数を、3ではなく4とする。また、非公開分割情報の分割QRコードの生成を実行する対象を、「0601」コードを持つ大阪発送センター、「04405」コードを持つ横浜中継センター、「0311」コードを持つ東京検査センター、「0000」コードを持つダミーデータとする。また、非公開分割情報における前記部分特定情報を、例えば、「8」「9」「5」「2」バイトとする。
この場合には、第三者が、第一コードから、シンボル列指示子が「4個中1番目の分割QRコード」であることと、公開情報が16進表記で「8C 9F 91 CC 41 2C 83 89」であることを知り、第二コードから、シンボル列指示子が「4個中2番目の分割QRコード」であり、公開情報が16進表記で「83 7B 42 2C 42 30 33 2C 32」であることを知ったとしても、シンボル列指示子により残り2つの分割QRコードが存在することが提示されているため、3番目(最後)の分割コード生成地点で生成すべき分割QRコードを予測することができない。そのため、第三者による不正な分割QRコードの生成を防止することができる。そのため、物品等をQRコードで管理する際に、より一層適切に真正性を担保することができる。第一実施形態と第二実施形態で非公開分割情報を比較した比較図を図24に示す。
なお、上記においては、真正性の確認(つまり、分割QRコードの各々の公開情報に基づいた親QRコードの公開情報の再構成)が、拡張デコーダ20を用いて、第三者の介入が疑われる時等に企業(会社)の管理部等により行われることを述べたが、かかる第二実施形態の場合には、以下のようにすることができる。
すなわち、管理部等がダミーの(最後の)分割QRコード(ダミーコードと呼ぶ)を別途用意しておく。そして、拡張デコーダ20で、第一コード、第二コード、第三コード、ダミーコードの順に読み取ればよい。このようにすれば、分割QRコードの各々の公開情報から親QRコードの公開情報が再構成され出力されることとなる。
<<<QRコードに情報を隠蔽する手法に係る他の実施形態について>>>
QRコードに情報を隠蔽する手法については、前述の実施形態に限定されるものではない。例えば、次のような手法を用いて、情報をQRコードに隠蔽する(RSブロックに埋め込む)こともできる。なお、当該手法は、特開2009−9547号公報に記載されている方法である。
図25は、QRコードに情報を隠蔽する手法に係る他の実施形態を説明するための説明図である。図25には、非公開情報、情報本体(公開情報)、終端符号、パディングコード語、および、RS符号が示されている。ただし、図25では、パディングコード語が非公開情報で置き換えられる点、および、RS符号が非公開情報を埋め込んだ後に生成される点で前述の実施形態とは異なっている。
JIS規格に応じて求められたRSブロックのデータコード総数が、RSブロックで収容可能な容量に満たない場合に、情報本体のコード列の終端を示す終端符号をこのコード列の最後に配置する。さらに、コード領域の空き部分にデータを表さない埋め草コード(パディングコード語)を配置する(図25の上側の図)。本実施形態では、さらに、非公開情報をパディングコードの一部または全部に変えて、終端符号コードの後に配置する(図25の下側の図)。そして、その後、訂正コード語としてのRS符号が生成される。
このようにして生成された挿入後RSブロック(ここでは、「置換後RSブロック」との差異を明らかにするために、便宜上「挿入後RSブロック」と呼ぶ)は、一般的なデコーダでは、終端符号以降のコード語は意味の無いパディングコードとして無視され捨てられてしまう。そして、情報本体のみを読み出すことができる。一方、このようなフォーマットに対応する拡張デコーダでは、終端符号以降のデータを非公開情報として抽出することができる。
以上、QRコードに情報(非公開情報)を隠蔽する手法として、2つの方法を述べたが、いずれにおいても、情報(非公開情報)で置き換え対象を置き換えることが行われる。しかしながら、言うまでもなく、隠蔽手法は、必ずしも置き換えによるものに限定されない。