[0017]電力を電力配分装置に供給する給電回路の電力使用量を監視するためのシステム、装置、方法及びソフトウェアが本明細書に開示される。場合によっては、電力配分装置は、データセンタの装置ラック内に又は装置ラック上に取り付けられることがあり、「ラックマウント電力配分装置」又は「ラックマウントPDU」と呼ばれることがある。
[0018]本明細書は、例を提供し、本発明の範囲、適用可能性、又は構成を限定することは意図されていない。むしろ、以降の説明は、当業者に、本発明の実施形態を実施するための実際的な説明を提供する。
[0019]本明細書に開示された手順及び要素の機能並びに配置は、様々に変更されてもよい。したがって、様々な実施形態は、必要に応じて、様々な手順又は要素を省略する、置き換える、或は追加することがある。例えば、開示された方法が記載したものと異なる順番で行われてもよく、様々なステップが追加され、省略され、又は組み合わせられてもよいことを理解されたい。また、ある実施形態に関して記載された態様及び要素は、様々な他の実施形態において組み合わせられてもよい。また、以下のシステム、方法、装置、及びソフトウェアは、個々に又は集合的に、より大きなシステムの構成要素であってもよく、他の手順又は要素が優先してもよく、又は他の方法でそれらの適用を修正してもよいことを理解されたい。
[0020]以下の特許及び特許出願、すなわち、2008年12月26日に出願された「Power Distribution, Management, and Monitoring Systems and Methods」という題名の米国特許出願第12/344,419号、及び2010年3月4日に出願された「Monitoring Power−Related Parameters in a Power Distribution Unit」という題名の米国特許出願第12/717,879号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0021]図1は、データセンタに収容されたサーバ108、電気設備、又は装置に電力がどのように配分されうるかの例を提供する。本例において、電力は、電力会社からデータセンタへと受け取られ、入力開閉装置及び配電部品(例えば、電圧スイッチ、レギュレータ及び配電盤)を介して無停電電源装置(UPS)100に提供される。或は、電力は、バッテリバックアップ電源を介してUPS100に提供される。
[0022]UPS100が受け取った電力は、典型的にはフロアマウントPDU102に送られ、このPDU102がいくつかの電気装置ラック106に取り付けられたサーバ108及び他の電気部品に電力を供給することができる。PDU102の形態及び目的は、ラックマウントPDU110、112の形態及び目的と異なる。
[0023]フロアマウントPDU102によって提供される電力は、遠隔電力盤(RPP)104又は基幹電力盤(CPP)などの構造体で受け取られ配分される。RPP104は、インフィードで電力を受け取り、電力を複数の(分岐回路としても知られている)給電回路に配分する。給電回路のそれぞれは、RPP104の1つ又は複数の回路遮断器を介してRPP104のインフィードに接続される。給電回路は、単相又は多相(例えば、2相若しくは3相)の形態をとってもよく、単一のRPP104は、その受け取った電力(典型的には3相電力)を単相及び多相給電回路の様々な組み合わせの中に分割することができる。単相の給電回路(又は多相給電回路の単相電力)は、典型的には電力線と呼ばれる。したがって、単相の給電回路は、1つの電力線を提供し、2相の給電回路は、2つの電力線を提供し、3相の給電回路は、3つの電力線を提供する。
[0024]電力は、RPP104から複数のラックマウントPDU110、112及び/又は他の電気部品に提供される。ラックマウントPDU110、112は、単相又は多相の形態をとってもよく、したがって、異なるタイプの給電回路に接続されてもよい。図1は、2つのPDU110、112が取り付けられた単一の電気装置ラック106のみを示すが、給電回路は、典型的にはいくつかの電気装置ラックに取り付けられたいくつかのPDUに電力を提供する。PDU110又は112のインフィード(本明細書で「ラックマウント電力配分装置インフィード」と呼ばれることがある)で受け取られた電力は、次に1つ又は複数のサーバ108、電気設備又は装置に配分される。
[0025]図2は、いくつかの電気装置ラック202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224を収容するデータセンタ200の例示的なレイアウトを提供する。例示的なレイアウトは、12の電気装置ラック202〜224を含むが、データセンタは、代替としてより多い又はより少ない電気装置ラックを収容することができる。典型的には、データセンタは、さらに多くの電気装置ラックを収容する。
[0026]例示的なレイアウトにおいて、4つの給電回路226、228、230、232は、2つのRPP234、236から取り出されている。給電回路226、228、230、232は、12の電気装置ラック202〜224に電力を届ける。給電回路のうちの2つ226、228は、単相回路であり、給電回路のうちの2つ230、232は、3相回路である。図3に、電気装置ラック202〜224に取り付けられたPDUのインフィード300、302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326、328、330、332、334、336、338、340、342、344、346への給電回路226〜232の接続を示す。
[0027]典型的には、電気装置ラック202〜224(又はキャビネット)は、2つのPDUを備え、電気装置ラック202〜224のそれぞれが異なる電源(例えば、RPP234又は236)及び給電回路226〜232から電力を受け取る。図3を参照されたい。したがって、第1のPDUは、第1の給電回路230から電力を受け取る「A」インフィード300を有することができ、第2のPDUは、第2の給電回路232から電力を受け取る「B」インフィード302を有することができ、それによって、電気装置ラック202に独立した/異なる電源による電力冗長性を提供する。典型的には、PDUが故障した場合の冗長な電力の利用可能性を保証するために、電気装置ラック内に取り付けられた各PDUには、その電力処理容量の約40%しか負荷がかけられない。
[0028]図4は、ラックマウントPDU418の例を示す。PDU418は、通信機能、環境監視装置422、及び関連付けられたプラグ426を有する入力電源コード424を備える通信モジュール420とともに、インテリジェント電力モジュール(IPM)400を含む。本実施形態によるPDU418は、装置ラックに垂直に取り付け可能なハウジングを含むが、水平に取り付け可能なハウジングを含む他のフォームファクタが使用されてもよいことを理解されるであろう。IPM400は、それぞれ、電気装置ラックに取り付けられたアセットに電力を供給する8つのコンセント402〜416を含む。そうした装置ラックは、よく知られており、データセンタの運用において使用されるいくつかの個々のアセットをしばしば含む。よく知られているように、数多くの装置ラックがデータセンタに含まれることがあり、様々な実施形態において、各装置ラックの各アセットは、1つ又は複数の関連付けられたIPM400によって電力使用量に関する監視が行われてもよい。(数字「57」を表示して示される)視覚表示装置428は、PDU418内に配置されているが、他の実施形態では、表示装置は、PDU418の外部にあってもよく、又は設けられなくてもよい。
[0029]一実施形態において、電力コンセントモジュール400は、ハウジングに収容された、それぞれがNEMA 5−20Rタイプの8つのコンセント(402〜416)を含む。NEMA 5−20Rタイプのコンセントを有するとして本明細書に記載される本実施形態及び他の実施形態は、単に例示であることを理解されるであろう。他の実施形態において、様々な他のタイプのコンセントを、代替として又はさらに設けることができる。例えば、「コンセント」は、他のNEMAタイプ(例えば、NEMA 5−15R、NEMA 6−20R、NEMA 6−30R、若しくはNEMA 6−50R)、又は様々なIECタイプ(例えば、IEC C13若しくはIEC C19)のいずれであってもよい。また、特定の電力コンセントモジュール400のすべての「コンセント」、又は本明細書に記載された他のモジュールコンセントは、同一である必要はなく、PDU418に沿って一様に向きが揃えられている必要はないことを理解されるであろう。また、「コンセント」は、3極のレセプタクルに限定されず、或は、「コンセント」の1つ又は複数が、対になる雄型コネクタの2極又は4極以上に対して構成されうることを理解されるであろう。また、「コンセント」は、雌型極レセプタクルを有することに限定されないことを理解されるであろう。いずれの「コンセント」においても、「極レセプタクル」の1つ又は複数は、条件又は必要性に応じて、雄型又は雌型構成を有することができる。一般に、及び本明細書で使用されるように、雌型及び雄型「極レセプタクル」は、「電力接続要素」と名付けられる。さらに、本明細書に記載される原理は、コンセントモジュールにハード配線されうる装置にも適用可能である。本実施形態のコンセントモジュール400は、8つのコンセントを含むが、これは一例に過ぎず、コンセントモジュールは、代替として異なる数のコンセントを含んでもよいことを理解されるであろう。
[0030]当業者には知られているように、コンセントモジュールのハウジングは、そうした装置にとって適切などんなハウジングであってもよく、PDUの他のモジュールとともに組み立てられてもよい。そうしたハウジングは、一般に前面部及び背面部を含み、ハウジングの前面部は実質的に平坦であり、ハウジングの背面部は実質的に平坦で、前面部と平行である。また、ハウジングは、長手方向に延在する側部及び横方向端部を含むことができる。前面部、背面部、側部、及び端部は、略長方形若しくは箱形構成で互いに略直角である。ハウジングは、例えば、剛性重合体(「プラスチック」)材料を含む、任意の適切な、典型的に剛性の材料から作られうる。少なくともある実施形態において、前面部及び背面部は、電気的に絶縁性の材料から作られるが、他の実施形態では、安全なグランド接合を行うために導電材料が使用される。側部及び端部は、任意選択で前面部又は背面部とともに、一体に形成されてもよい。さらに、本実施形態に記載されるコンセントモジュールは、ハウジングを含むが、他の実施形態は、ハウジングを含まないコンセントモジュールを含んでもよい。例えば、コンセントモジュールは、外部ハウジングを有さない互いに結合された多くのコンセントを含むことができ、さらにこれらのコンセントが別の機器内に据え付けられてもよい。
[0031]各コンセント402〜416は、多くのよく知られた接続スキーム、例えば、スペード、ラグ、プラグ、ねじを使用する接続スキームのいずれか、又は他の適切なタイプのコネクタによって電源に(直接又は間接的に)相互接続される。さらに、所望の場合は、これらの電気的コネクタの1つ又は複数は、電源コンセントモジュールがハウジングを含む実施形態において、ハウジングの内側に又はハウジングの外側に設置されてもよい。
[0032]場合によっては、ネットワーク通信インターフェースを有するラックマウントPDUは、図5のブロック図に示すように、ネットワークによって(例えば、イーサネット(登録商標)又はインターネットによって)ネットワーク電力マネージャに結合されてもよい。複数のそうしたPDUが、同じ又は異なる方法でネットワーク電力マネージャに結合されてもよい。このように、PDUの特性は、ネットワーク電力マネージャを使用して、ネットワークによって遠隔から構成され、監視され、又は制御されてもよい。ネットワーク電力マネージャは、デスクトップ若しくはノートブック・コンピュータ、サーバ、又はモバイルデバイス(例えば、電話機、タブレット若しくはパッド)に常駐するソフトウェアツールの形態をとってもよい。
[0033]図5を参照すると、PDUの例示的なブロック図が示され説明される。PDU500は、1つ又は複数の関連付けられたコンピューティングアセットに電力を供給する。PDU500は、コンピュータネットワーク502で使用可能であり、コンピュータネットワーク502によってネットワーク電力マネージャ504と通信することができる。ネットワーク電力マネージャ504は、データセンタの管理又は他の企業管理で使用されるサーバ、ワークステーション、若しくは他の装置に常駐してもよく、或は仮想化されてもよい。ネットワーク電力マネージャ504は、ネットワーク通信接続によってネットワークコマンドを発行する。本実施形態のPDU500は、電源506、PDU500をPDU内の他のモジュールにネットワーク接続するようにインターフェースするアプリケーション・ファームウェア及びハードウェアを有するネットワーク・インターフェース・カード(NIC)508、並びに電力マネージャ・エージェント・アプリケーション510を含む。PDU500は、配電タップに配置された複数の電源コンセント512、及びインテリジェントパワーモジュール(IPM)514をさらに含む。IPM514、NIC508、及び電力マネージャ・エージェント510は、コンピュータネットワーク502に接続される。インテリジェントパワーモジュール514は、電源コンセント512の中の対応する電源コンセント(複数可)への入力電力からの電力の供給を制御し、電力マネージャ・エージェント・アプリケーション510と通信して対応する電源コンセントのうちの1つ又は複数に対して電力の供給及び電力サイクルのオン/オフを行う。また、IPM514は、1つ又は複数のコマンドに応答して、対応する電源コンセント(複数可)に関する電力状態検知及び/又は負荷検知を行うことができる。本実施形態のIPM514は、対応する電源コンセントに供給される電力を制御するために使用されるマイクロプロセッサ516を含む。また、マイクロプロセッサ516は、対応する個々の電源コンセント(複数可)の電圧及び電流を検知する電圧検知装置518及び電流検知装置520に接続される。マイクロプロセッサ516は、この情報を使用して、以下でより詳細に説明するように、コンセントに供給される電力を決定する。また、マイクロプロセッサ516は、入力電圧検知装置522及び入力電流検知装置524を介して入力電源506からの電力測定値を受け取る。
[0034]図5のネットワーク電力マネージャ504は、電力マネージャ・エージェント510及びIPM514と通信する。ネットワーク電力マネージャ504は、IPM514及び電力マネージャ・エージェント510から情報を受け取り、IPM514及び電力マネージャ・エージェント510に命令を出すことができる。また、ネットワーク電力マネージャ504は、IPM514から関連する電力測定値を受け取り、PDU500及びPDU500の1つ又は複数の個々のコンセントと関連する電力情報(したがって、コンセントによって電力が供給される個々のアセットについての電力情報)を報告することができる。
[0035]図5に開示するように、及び米国特許出願第12/344,419号にさらに開示するように、ネットワーク電力マネージャは、PDUの電力入力部(複数可)に関する電力使用量データを受け取り、この電力使用量データを使用してPDU及びその電力使用量を監視することができる。これには、例えば、PDU内の電力位相のバランスを監視することが含まれてもよい。電力位相のバランスの監視は、例えば、PDUの電力使用量を低減させ、過熱の可能性を軽減する方法を理解するのに役立つ。数多くのPDUに対して得られた電力使用量データを使用して、PDU外部の電力使用量、例えば複数のPDUに電力を供給する給電回路の電力使用量を監視するシステム、方法、ソフトウェア及び装置が本明細書に開示される。
[0036]場合によっては、PDU500は、他の構成要素又はモジュール、例えば、ヒューズモジュール、環境監視装置、及び通信モジュールを含むことができる。
[0037]図6は、電力使用量を監視するための方法600の例を提供する。例として、本方法は、図5に示すネットワーク電力マネージャによって行われてもよい。ブロック602で、方法600は、複数のラックマウント電力配分装置の電力配分装置インフィードに関する電力使用量データにアクセスする。電力使用量データは、例えば、複数のPDUのインフィードで得られた電力読み取り値又は電流読み取り値を含むことができる。一実施形態において、電力使用量データは、図2及び3に示す電気装置ラックに含まれるPDUのインフィードに関する電力使用量データを含んでもよい。ブロック604で、方法600は、数多くの給電回路への電力配分装置インフィードの相互接続を記述する保存された回路記述にアクセスする。一実施形態において、回路記述は、図3に示すPDUインフィードと給電回路との相互接続を記述することができる。
[0038]ブロック606で、方法600は、複数のラックマウント電力配分装置を給電回路の電力使用量を監視するための電力使用量監視装置に転換する。転換は、数多くの給電回路へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続に基づいて電力使用量データの少なくとも一部を集めることによって達成される。例えば、一実施形態において、電力使用量データは、図3に示す個々のそれぞれの給電回路のインフィードに対してそれぞれ集められる。また、電力使用量データは、特定の電力線へのPDUインフィードの相互接続に基づいて集められてもよい。電力線ごとに電力使用量データを集めることは、多相の給電回路の位相間での電力配分(例えば、電力のバランス又はアンバランス)を決定する際に特に役立つ可能性がある。例として、電力使用量データは、電力使用量データを加算することによって集められてもよい。
[0039]ブロック608で、方法600は、集められた電力使用量データを表現したものを出力する。集められた電力使用量データを表現したものの出力は、表現したものを表示する、保存する、又は送信する形態をとってもよい。集められた電力使用量データを表現したものは、異なる形態をとってもよく、ある場合には、電力使用量値(例えば、電力使用量値のアナログ若しくはデジタル表現)、或は電力使用量状態標識(例えば、電力が使用されていること、又は使用量のしきい値を満たした若しくは超過したことを示すアナログ若しくはデジタル表現)を含んでもよい。言及したように、集められた電力使用量データは、電力線又は給電回路に関する電力使用量を伝えることができる。或は、電力使用量データは、単一のPDU、単一のキャビネット、一列のキャビネットのインフィード、又はインフィード若しくはPDUのその他の組み合わせに対して集められてもよい。
[0040]図7は、回路記述受信インターフェース702、電力使用量通信インターフェース704、メモリサブシステム706、及び処理装置708を備える電力使用量監視システム700の例を提供する。例として、電力使用量監視システム700は、ネットワーク電力マネージャ710、例えば図5に示すネットワーク電力マネージャの一部であるとして示されている。
[0041]回路記述受信インターフェース702は、数多くの給電回路へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続を記述する数多くの回路記述を受信する。電力使用量通信インターフェース704は、ラックマウント電力配分装置インフィードに関する電力使用量データを受信する。メモリサブシステム706は、受信した回路記述及び電力使用量データを保存する。
[0042]処理装置708は、回路記述受信インターフェース702及び電力使用量通信インターフェース704と相互接続され、数多くの回路記述及び電力使用量データを受信するようにプログラムされる。場合によっては、インターフェース702、704は、少なくとも一部が、1つ又は複数の異なる物理的状態を呈するように処理装置708を構成又はプログラムすることによって提供されてもよい。また、処理装置708は、数多くの給電回路へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続に基づいて電力使用量データの少なくとも一部を集めるようにプログラムされる。処理装置708は、集められた電力使用量データを表現したものを出力するようにさらにプログラムされる。
[0043]一部の実施形態において、処理装置708及びインターフェース702、704の一部又はすべては、共通の集積回路又はプリント回路板の一部として、或は共通の集積回路又はプリント回路板上に設けられてもよい。また、メモリサブシステム706の一部又はすべては、集積回路又はプリント回路板上に設けられてもよい。或は、電力使用量を監視するシステム700の各要素は、別々の構成要素であるが、相互接続された構成要素として設けられてもよい。例として、処理装置708は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、又はマイクロコントローラの形態をとってもよい。また、例として、メモリサブシステム706は、メモリ及びメモリコントローラの両方を備えてもよい。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置、メインメモリ、コアメモリ、キャッシュメモリ、又は情報を保存する他のコンピュータ可読媒体を含む、データを保存するための1つ又は複数の装置を備えてもよい。一部の実施形態において、電力使用量監視システム700の構成要素は、適用可能な機能の一部又はすべてをハードウェアで実施するように構成された1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて、個々に又は集合的に実施されてもよい。或は、各機能は、1つ又は複数の集積回路上の1つ又は複数の他の処理装置(若しくはコア)によって行われてもよい。他の実施形態において、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムすることができる他のタイプの集積回路(例えば、構造化/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び他のセミカスタムIC)が使用されてもよい。また、各装置の機能は、メモリ内で具現化され、1つ又は複数の汎用若しくは特定用途処理装置によって実行されるようにフォーマットされた命令によって、全体又は一部が実施されてもよい。
[0044]一部の実施形態において、電力使用量監視システム700の各要素の一部又はすべては、図5に示すネットワーク電力マネージャの一部として設けられてもよく、PDU内部及び外部の(例えば、PDU内部の分岐回路に関する、及びPDU外部の給電回路に関する)電力使用量監視を容易にする構造及び機能性を提供することができる。また、電力使用量監視システム700の各要素は、ネットワーク電力マネージャを介してPDUを遠隔から構成、監視、又は制御するための構造及び機能性を提供することができる。場合によっては、電力使用量監視システム700の各要素は、サーバコンピュータの要素として提供されてもよい。
[0045]回路記述受信インターフェース702は、ある場合には、ラックマウント電力配分装置インフィードを給電回路に直接関連付ける回路記述を受信することができる。他の場合には、回路記述は、ラックマウント電力配分装置インフィードを間接的に給電回路に関連付けてもよい。例えば、回路記述は、PDUインフィードを給電回路の特定の電力線に関連付けることができ、又は回路記述は、PDUを給電回路に関連付けることができる。これらの事例では、処理装置は、給電回路と給電回路の各電線との相関関係に、又はPDUとPDUインフィードとの相関関係にアクセスする、或はそれらの相関関係を取得するようにプログラムされてもよい。
[0046]処理装置708は、電力使用量通信インターフェース704を介して、ネットワークによって数多くのPDUと通信することができる。このように、処理装置708は、PDUからの電力使用量データを取得/受信することができる。処理装置708は、また若しくは或は、電力使用量データの一部又はすべてが保存されるデータ記憶装置と(電力使用量通信インターフェース704を介して)通信することができる。
[0047]一部の実施形態において、電力使用量監視システム700は、集められた電力使用量データを表現したものが表示される表示装置をさらに備えることができる。例として、表示装置は、陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)、デスクトップ若しくはラップトップ・コンピュータ表示装置、又は携帯電話表示装置を含んでもよい。場合によっては、処理装置708は、集められた電力使用量データを表現したものを、表示装置にトレンドチャートを生成するためのデータポイントとして、又は表示装置に位相分布チャートを生成するためのデータポイントとして出力するようにプログラムすることができる。そうしたトレンドチャート及び位相分布チャートについての特定の例が、本明細書において後ほど提供される。
[0048]集められた電力使用量データを表現したものは、ローカルの又は遠隔のユーザに伝えられてもよい。例えば、表現したものは、ネットワーク電力マネージャを提供するサーバにローカルに存在する表示装置に表示されてもよく、又は、表現したものは、遠隔コンピュータ若しくは携帯電話によって表示するためネットワークによって送信されてもよい。
[0049]集められた電力使用量データを表現したものは、例えば、電力使用量値又は電力使用量状態標識を含んでもよい。電力使用量値は、例えば、装置を含む若しくは含まない、電力又は電流の値を含むことができる。電力使用量状態標識は、例えば、単一ビット若しくは多ビットの状態記述子、或は発光ダイオード(LED)状態標識、音響警報、又は表示装置内部に含まれる状態標識をセット若しくはリセットする命令を含んでもよい。
[0050]図8〜15は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)820の画面イメージ800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500を示す。GUI820は、電力使用量監視システムによって、又は電力使用量監視システムに関連して提供されてもよい。画面イメージのうちのいくつかは、電力使用量監視システムの回路記述受信インターフェースの一部と考えられてもよい(又は、回路記述受信インターフェースをユーザに見せると考えられてもよい)。これらの画面イメージ(例えば、図8〜13に示す画面イメージ)は、ユーザがPDUインフィードを給電回路及び/又は給電回路の電線に関連付けることができるようにさせるグラフィカルなツールを提供することができる。図14及び15に示す画面イメージは、電力使用量監視システムの出力インターフェースの一部と考えられてもよい。
[0051]図8は、新回路(New Circuit)アイコン802をグラフィカルに選択して(又は押して)、GUI820を介して新しい回路記述を入力する処理を開始することができる画面イメージ800を示す。図9は、新回路ボタン802を押した後にポップアップする新回路画面900を示す。新回路画面900は、新しい給電回路の名前を受け取るためのテキストフィールド902を含む。また、新回路画面900は、回路タイプ(Circuit Type)を選択するためのドロップダウン選択ツール904を含む。図10の画面イメージ1000に示すように、回路タイプの選択は、単相(Single Phase)回路タイプ及び3相(3Phase)回路タイプを含むことができる。3相回路タイプを選択すると、3相回路への、PDUインフィードの3相(筐体(Enclosure))、2相(XY、YZ、若しくはZX)、又は単相(電線1、電線2、電線3)接続を選択するためのドロップダウン選択ツール1102が提供されうる。図11を参照されたい。3相回路に含まれる様々な電線に関するカスタム名を受け取るための電線名テキストフィールド1104、1106、1108を提供することができる。筐体(例えば、ラック又はCDU)が明示される場合、筐体が3相回路に接続される方法は、ネットワーク電力マネージャによって維持される、検索される、又はネットワーク電力マネージャに入力される情報から検索されてもよい。単相回路タイプ(図12参照)を選択すると、単相回路がどの主たる入力電力線から取り出されるかを選択するためのドロップダウン選択ツール1202、並びに単相回路に含まれる単相の電線の名称を受け取るための電線名(Line Name)テキストフィールド1204をユーザに提供することができる。
[0052]一旦回路タイプ及び電線が選択されると、ユーザは、提供された、又は発見されたインフィードのリスト1302から1つ又は複数のインフィードを選択することができる。例えば、図13に示す画面イメージ1300を参照されたい。選択されたインフィード1304は、組み込まれたウィンドウ1306にドラッグアンドドロップされ、それによって、インフィードと選択された回路及び電線との間に接続が存在することを示すことができる。組み込まれたインフィードの組を保存すると、組み込まれたウィンドウ1306にリストされたインフィードに接続された電線及び装置が回路コンテンツウィンドウ(Circuit Contents window)1308に読み込まれる。例として、インフィードは、それらのインフィード名及び対応するCDU名によってインフィード1302のリスト中で識別される。例示的な画面では、CDU名は、CDUのインターネットプロトコル(IP)アドレスの形態をとる。インフィード名は、例えば、特定の時間関係を有する2回のマウスクリックを使用して、最初にインフィード名を選択することによって変えられてもよい。図13は、数多くのPDUインフィード(例えば、TowerA_InfeedA)と特定の給電回路(例えば、Demo Circuit)の特定の電力線(例えば、Line1)との間の相互接続の仕様を示す。
[0053]図8〜13に示す画面を用いて、数多くの回路記述を電力使用量監視システムのGUI820にどのように入力することができるかについて説明したが、ここで電力使用量を監視するための2つの画面1400、1500について説明する。図14は、これらの画面の最初の画面を示す。画面1400は、don_A_test回路に関するサマリのタブ/フレーム1402を提供する。フレーム1402は、回路情報(Circuit Information)1404、回路直近事象(Circuit Recent Events)1406、電線分布(Line Distribution)1408、トレンド(Trend)1410及び回路コンテンツ(Circuit Contents)1412とラベル付けされたサブフレームを含む。回路情報サブフレーム1404は、例えば、回路の名前(Name)、回路がバランスの取れていない(Out of Balance)割合(3相回路タイプの場合)、並びに回路状態(Circuit Status)、電流状態(Current Status)及び電力状態(Power Status)の標識を提供する。回路直近事象サブフレーム1406は、対象とする最近の回路事象、例えば発生したアラーム(Alarm)をリストする。電線分布(Line Distribution)サブフレーム1408は、電流及び電力の両方について位相分布チャートを提供する。この情報は、異なる位相間の電力の負荷をバランスさせるのに特に役立つ。トレンドサブフレーム1410は、トレンドチャートを提供し、例として、ある時間にわたる回路全電力(Circuit Total Power)を示す。トレンドチャートは、PDU及び/又はPDUの電力供給される機器が、(例えば、ピークの及びピークでない利用時間における)様々な度合に応じて電源が投入される、電源が落とされる、又は使用される影響を分析するのに役立つ。この情報は、容量プラニングに特に役立つ。回路コンテンツサブフレーム1412は、回路の電力線当たりの全電力及び全電流のサマリを提供し、各電力線のコンテンツ(例えば、インフィード)を展開する又は折りたたむための展開可能なメニューを提供する。トレンド(Trend)及び電線分布(Line Distribution)タブ1414、1416は、それぞれ、拡大された若しくは代替のトレンド及び電線分布チャート又は情報を見るために選択されてもよい。
[0054]図15に示す画面1500は、「Line3」という名前の単一の電力線に関するサマリ(Summary)タブ/フレーム1502を提供する。フレーム1502は、電線情報(Line Information)1504、電線直近事象(Line Recent Event)1506、トレンド(Trend)1508、及び電線コンテンツ(Line Content)1510とラベル付けされたサブフレームを含む。電線情報サブフレーム1504は、例えば、電線の名前(Name)、電線が属する回路(Circuit)の名前、電線状態(Line Status)、並びに電流状態(Current Status)及び電力状態(Power Status)の標識を提供する。電線直近事象サブフレーム1506は、対象とする最近の電線事象、例えば、発生したアラーム(Alarm)をリストする。トレンドサブフレーム1508は、トレンドチャートを提供し、例として、ある時間にわたる例示的な電線全電力(Line Total Power)を示す。トレンドチャートは、PDU及び/又はPDUの電力供給される機器が、(例えば、ピークの及びピークでない利用時間における)様々な度合に応じて電源が投入される、電源が落とされる、又は使用される影響を分析するのに役立つ。電線コンテンツサブフレーム1510は、選択された電力線に接続されたインフィードごとに使用される全電力及び全電流のサマリを提供する。トレンドタブ1512は、拡大された若しくは代替のトレンドチャート又は情報を見るために選択されてもよい。
[0055]場合によっては、図8〜15に示すGUI820は、図7に示す処理装置708によって生成されてもよい。この説明のために、GUIは、処理装置がGUIの生成に、より高いレベル又はより低いレベルの役割を果たすかどうかには無関係に処理装置によって生成されると考えられる。例えば、処理装置は、GUIの画面イメージの実質的部分又はすべてを組み立てる及び出力することによって表示装置に表示することができるGUIを生成してもよい。他の実施形態において、例えば、処理装置は、メモリ、ビデオ又は他のサブシステムに適切なときに適切な画面イメージを組み立てさせる若しくは出力させる命令を単に提供してもよい。
[0056]場合によっては、電力使用量監視装置をインスタンス化するソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語がコンピュータ可読媒体1600上に提供されてもよい。図16を参照されたい。特に、コンピュータ可読媒体1600は、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに以下を行わせる命令1602、1604、1606、1608を保存することができる。すなわち、1)ラックマウント電力配分装置インフィード1602の(例えば、ネットワークによって、又はデータベースの)電力使用量データにアクセスさせる、2)数多くの給電回路1604へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続を記述する、(例えば、データベース内の)保存された回路記述にアクセスさせる、3)数多くの給電回路1606へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続に基づいて電力使用量データの少なくとも一部を集めさせる、及び4)集められた電力使用量データ1608を表現したものを出力させることである。この説明のために、「コンピュータ」は、命令を実行することができる装置、例えば、限定されないが、他のPDUから電力使用量データを受信するサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ又はマスターPDUなどの任意のシステムである。「コンピュータ可読媒体」は、限定されないが、ポータブル若しくは固定記憶装置、光記憶装置、ワイヤレスチャンネル、SIMカード、他のスマートカード、及び命令若しくはデータを収容する、担持する、又は保存することができる様々な他の媒体を含む、コンピュータによって実行可能な命令を保存することができる任意の媒体である。これらのコンピュータ可読媒体のうちのいくつかは、非一時的である。
[0057]場合によっては、給電回路の電力使用量監視を容易にする方法1700は、以下のようにプログラムされたコンピュータ1702を用意することを含んでもよい。すなわち、1)ラックマウント電力配分装置インフィード1704の電力使用量データにアクセスする、2)数多くの給電回路1706へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続を記述する回路記述にアクセスする、3)数多くの給電回路1708へのラックマウント電力配分装置インフィードの相互接続に基づいて電力使用量データの少なくとも一部を集める、及び4)集められた電力使用量データ1710を表現したものを出力するである。図17を参照されたい。
[0058]本明細書に記載されたシステム、装置、方法、及びソフトウェアは、データセンタ内の装置ラックに電力を供給する給電回路の電力使用量を監視するのに役立つだけでなく、1つ又は多くの電気装置ラックに給電する電力システムの物理的な基盤施設をマッピングし管理するのにも役立ち、それによってユーザが、電力システムの過負荷、利用不足、又はアンバランスなどの状態の結果としての効率のロスがどこに存在するかを判断することができる。これらの状態は、PDUレベルに、キャビネットレベルに、一列のキャビネット内に、あるゾーン内に、又はユーザが規定するその他のグループ、レベル若しくは場所に存在する可能性があり、監視されうる。
[0059]本明細書で提供された例は、ラックマウントPDUに電力を供給する給電回路に関する電力使用量監視に注目したが、本明細書の教示は、他のタイプの給電回路、例えば、フロアマウントの及び他のタイプのPDUに電力を供給する給電回路に関する電力使用量監視にも適用される。とは言うものの、特有の利点は、ラックマウント電力配分装置インフィードの電力使用量データを集めることによって実現されうる。例えば、ラックマウントPDUは、典型的には電力配分システムの最も下流のPDUであり、したがって、これらのPDUを流れる電力は、全体の電力供給チェーンを流れる電力によって影響を受ける。さらに、例えば、ラックマウントPDUは、データセンタ又は同様の設備において最も多数のタイプのPDUとなる傾向がある。したがって、これらのPDUの多数のインフィードにおいてデータを収集することによって、データセンタ内の電力の分布及びバランスを評価するための最多のデータポイントが得られる。
[0060]上で論じた方法、システム、装置、及びコンピュータ可読媒体は、単に例であることが意図されていることに留意されたい。様々な実施形態は、必要に応じて様々な手順又は構成要素を省略する、置き換える、又は追加することができることが強調されなければならない。例えば、代替の実施例において、方法が記載したものと異なる順番で行われ、様々な手順が追加され、省略され、又は組み合わせられてもよいことを理解されたい。
また、ある実施形態に関して記載された特徴は、様々な他の実施形態において組み合わせられてもよい。実施形態の異なる態様及び要素は、同様の方法で組み合わせられてもよい。また、技術は進展し、したがって、要素の多くが本来例示であり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでないことが強調されなければならない。
[0061]実施形態についての完全な理解を提供するために、特定の詳細が提供されている。しかし、実施形態がこれらの特定の詳細なしに実行されうることを当業者は理解されるであろう。例えば、よく知られた回路、処理、アルゴリズム、構造、及び技法は、実施形態を不明瞭にしないようにするために不必要な詳細なしに示された。
[0062]また、ある実施形態が流れ図又はブロック図を用いて記載されていることに留意されたい。それぞれが連続して生じる手順又は動作について記載することがあるが、手順又は動作の多くは、並列に又は同時に行われてもよい。加えて、手順又は動作の順番は、再配置されてもよい。また、処理は、図に含まれていない追加のステップを有してもよい。
[0063]さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせによって実施されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードにおいて実施される場合、必要なタスクを行うプログラムコード又はコードセグメントは、コンピュータ可読媒体に保存されてもよい。処理装置は、必要なタスクを行うことができる。
[0064]いくつかの実施形態について記載したが、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更形態、代替構造及び均等物が使用されてもよいことを当業者は認識されるであろう。例えば、上記の要素は、より大きなシステムの構成要素に過ぎなくてもよく、他の規則が本発明の適用に優先し、又は他の方法で本発明の適用を修正してもよい。また、数多くのステップは、上記の要素を考慮する前に、間に、又は後に着手されてもよい。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定すると解されるべきではない。