JP2016200956A - 静電容量式タッチパネル付き表示装置 - Google Patents

静電容量式タッチパネル付き表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016200956A
JP2016200956A JP2015080282A JP2015080282A JP2016200956A JP 2016200956 A JP2016200956 A JP 2016200956A JP 2015080282 A JP2015080282 A JP 2015080282A JP 2015080282 A JP2015080282 A JP 2015080282A JP 2016200956 A JP2016200956 A JP 2016200956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
polarizing plate
film
layer
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015080282A
Other languages
English (en)
Inventor
藤井 義徳
Yoshinori Fujii
義徳 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2015080282A priority Critical patent/JP2016200956A/ja
Publication of JP2016200956A publication Critical patent/JP2016200956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】良好な耐久性を有しながら、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供する。【解決手段】表示パネル、カバー層、及び前記表示パネル及び前記カバー層の間に設けられる積層体を備え、前記積層体は、第一の導電層及び第二の導電層を有し、前記カバー層は、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である、静電容量式タッチパネル付き表示装置。前記積層体はさらに、基材、視認側偏光板、円偏光板、誘電体層等の層を必要に応じて備える。【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル付き表示装置に関し、特には、静電容量式タッチパネル付きの表示装置に関する。
ノートパソコン、OA機器、医療機器、カーナビゲーション、携帯電話等の携帯式電子装置、個人情報端末(パーソナル・デジタル・アシスタント)等の電子機器においては、入力手段を兼ね備えるディスプレイとして、タッチパネル付き表示装置が広く利用されている。
ここで、タッチパネルの方式としては、静電容量式、光学式、超音波式、電磁誘導式、抵抗膜式などが知られている。そして、その中でも、指先と導電層との間での静電容量の変化を捉えて入力座標を検知する静電容量式が、抵抗膜式と並んで現在のタッチパネルの主流となってきている。
従来、静電容量式タッチパネル付き表示装置としては、例えば、バックライト側から視認側に向かって、バックライト側偏光板と、2枚のガラス基板(薄膜トランジスタ基板およびカラーフィルタ基板)の間に液晶層を挟んでなる液晶パネルと、視認側偏光板と、タッチセンサー部と、カバーガラス層とを順次積層した液晶表示装置が知られている。そして、上述した従来の静電容量式タッチパネル付き液晶表示装置では、液晶パネルと視認側偏光板との間に視野角補償用の位相差フィルムを設けることがある。
また、従来のタッチパネル付き液晶表示装置では、視認側偏光板とカバーガラス層との間に1/4波長板を設けることにより、液晶パネル側から視認側偏光板を通ってカバーガラス層側へと進む直線偏光を1/4波長板で円偏光または楕円偏光に変えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにすれば、偏光サングラスを装着した状態でタッチパネル付き液晶表示装置を操作した際に、視認側偏光板の透過軸と偏光サングラスの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、表示内容を視認することができる。
更に、従来、他の静電容量式タッチパネル付き表示装置として、表示パネル側(発光側)から視認側に向かって、有機EL表示(OLED)パネルおよび該OLEDパネルよりも視認側に位置するバリアガラス層からなる表示パネルと、1/4波長板および該1/4波長板よりも視認側に位置する偏光板からなる反射防止用の円偏光板と、タッチセンサー部と、カバーガラス層と、を順次積層した有機EL表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このような有機EL表示装置によれば、入射外光(自然光)のOLEDパネルの表面(特に、OLEDパネルにおける電極の表面)での反射により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。
そして、上述した従来の静電容量式タッチパネル付き表示装置は何れも、タッチセンサー部が、例えば、表面に導電層を形成した2枚の透明基板を、一方の透明基板の導電層と、他方の透明基板の導電層を形成した側とは反対側の面とが対向するように積層して形成されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−169837号公報 特開2013−41566号公報 特開2013−3952号公報
ここで、近年、静電容量式タッチパネル付き表示装置には、装置の更なる薄型化・軽量化が求められている。
しかし、上記従来の静電容量式タッチパネル付き表示装置では、表面に導電層を形成した2枚の透明基板を用いてタッチセンサー部を形成しているため、液晶パネルまたはOLEDパネルとカバーガラス層との間の厚さが厚くなり、結果として装置全体の厚さが厚くなるという問題があった。
特に、液晶パネルまたはOLEDパネルとカバーガラス層との間の厚さが厚くなる問題は、上述したような、視野角補償用の位相差フィルムや、偏光サングラスを装着した状態でのタッチパネル付き表示装置の操作を可能にするための1/4波長板や、反射防止用の円偏光板を設けた場合など、表示パネルとカバーガラス層との間の部材数が多い場合に大きかった。
さらに、従来の静電容量式タッチパネル付き表示装置では、耐擦傷性(その表面が使用による傷等を受けにくくする等)、耐熱性(製造及び使用における熱の変形を少なくする等)の耐久性能上の要求のため、カバー層として硬度の高いガラスを用いているが、これによって装置全体の厚さが厚くなり、装置全体の重量が重くなるという問題があった。
そこで、本発明は、耐擦傷性及び耐熱性等の耐久性に優れながら、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、偏光サングラスを装着した状態でも操作が可能であり、且つ、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能であり、且つ、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することを第3の目的とする。
本発明によれば、以下のものが提供される。
〔I〕 表示パネル、カバー層、及び前記表示パネル及び前記カバー層の間に設けられる積層体を備え、
前記積層体は、第一の導電層及び第二の導電層を有し、
前記カバー層は、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である、
静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔1a〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板の偏光フィルムよりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成されている、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔2a〕 更に、前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを備え、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記視認側偏光板の偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔1a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔3a〕 前記視認側偏光板が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側に表示パネル側保護フィルムを有し、
前記第一の導電層が、前記視認側偏光板の表示パネル側保護フィルムの前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されている、〔1a〕又は〔2a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔4a〕 前記第二の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されている、〔3a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔5a〕 前記第二の導電層が、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されている、〔3a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔6a〕 前記表示パネルが、前記カバー層側の表面にカバー層側セル基板を有し、
前記第二の導電層が、前記表示パネルのカバー層側セル基板の前記カバー層側の表面に形成され、
前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されている、〔1a〕又は〔2a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔7a〕 前記第一の導電層が、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されている、〔6a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔8a〕 前記第一の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されている、〔6a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔9a〕 前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔8a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔10a〕 前記光学フィルムが、斜め延伸フィルムである、〔2a〕〜〔9a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔11a〕 前記基材および光学フィルムの少なくとも一方に、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースが用いられている、〔1a〕〜〔10a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔12a〕 前記基材および光学フィルムの少なくとも一方に、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが用いられていることを特徴とする〔11a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔13a〕 前記基材の比誘電率が、2以上5以下である、〔1a〕〜〔3a〕、〔5a〕、〔6a〕、〔8a〕〜〔12a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔14a〕 前記基材の比誘電率が、2以上5以下である、〔4a〕又は〔7a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔15a〕 前記基材の飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔1a〕〜〔13a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔16a〕 前記基材の飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔14a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔17a〕 前記基材および光学フィルムの少なくとも一方に、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが用いられていることを特徴とする〔16a〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔18a〕 前記基材が、フィルムを有し、更に、該フィルムと前記第一の導電層との間に位置する第一のインデックスマッチング層と、該フィルムと前記第二の導電層との間に位置する第二のインデックスマッチング層との少なくとも一方を有する、〔1a〕〜〔17a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔19a〕 前記第一の導電層および前記第二の導電層の少なくとも一方が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成された、〔1a〕〜〔18a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔20a〕 前記表示パネルが、2枚のセル基板の間に液晶層を挟んでなる液晶パネルである、〔1a〕〜〔19a〕の何れか一項に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔1b〕 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板は、偏光フィルムを有する、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔2b〕 前記偏光板が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に表示パネル側保護フィルムを有し、
前記第一の導電層が、前記表示パネル側保護フィルムの前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔1b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔3b〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置する、〔2b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔4b〕 前記基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置する、〔2b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔5b〕 前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、
前記基材と前記表示パネルとの間に、他の基材をさらに備え、
前記第一の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記他の基材の一方の表面に形成されており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔1b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔6b〕 前記他の基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置する、〔5b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔7b〕 前記他の基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置する、〔5b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔8b〕 前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有する、〔2b〕〜〔7b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔9b〕 前記他の基材が基材層を有し、
前記基材層の比誘電率が、2以上5以下である、〔5b〕および〔7b〕〜〔8b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔10b〕 前記他の基材が基材層を有し、
前記基材層の比誘電率が、2以上5以下である、〔6b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔11b〕 前記他の基材が基材層を有し、
前記基材層の飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔5b〕〜〔9b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔12b〕 前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔10b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔13b〕 前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、
前記第一の導電層が、前記偏光板側基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、
前記偏光板側基材がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°である、〔1b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔14b〕 前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、
前記第一の導電層が、前記偏光板側基板の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、
前記偏光板側基板がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°である、〔1b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔15b〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置する、〔13b〕または〔14b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔16b〕 前記基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置する、〔13b〕または〔14b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔17b〕 前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記表示パネルの前記カバー層側の表面に形成されており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔1b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔18b〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置する、〔17b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔19b〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記偏光板との間に位置する、〔17b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔20b〕 前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔19b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔21b〕 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
前記円偏光板は、基材と、当該基材よりもカバー層側に位置する偏光板とを含み、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、前記偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板は、偏光フィルムおよびカバー層側保護フィルムを有し、
前記カバー層側保護フィルムは、前記偏光フィルムの前記カバー層側に形成され、
前記第二の導電層は、前記カバー層側保護フィルムの前記カバー層側の表面に形成され、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔22b〕 前記第一の導電層は、前記カバー層の前記表示パネル側の表面に形成されている、〔21b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔23b〕 前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔21b〕または〔22b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔24b〕 前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下である、〔1b〕、〔2b〕、〔4b〕〜〔14b〕、〔16b〕、〔17b〕、および〔19b〕〜〔23b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔25b〕 前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下である、〔3b〕、〔15b〕または〔18b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔26b〕 前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔1b〕〜〔24b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔27b〕 前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔25b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔28b〕 前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムである、〔1b〕〜〔27b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔29b〕 前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなる、〔1b〕〜〔28b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔30b〕 前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーであることを特徴とする〔3b〕、〔6b〕、〔10b〕、〔12b〕、〔15b〕,〔18b〕、〔25b〕または〔27b〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔31b〕 前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウム、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成された、〔1b〕〜〔30b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔32b〕 前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含む、〔1b〕〜〔31b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔33b〕 インデックスマッチング層を有さない、〔5b〕〜〔16b〕、〔19b〕および〔20b〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔1c〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、
前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔2c〕 前記第一の導電層が、前記カバー層の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されている、〔1c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔3c〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置する、〔2c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔4c〕 前記基材が、前記第二の導電層と前記視認側偏光板との間に位置する、〔2c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔5c〕 前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記カバー層側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記カバー層側の表面に貼り合わされている、〔4c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔6c〕 前記視認側偏光板が、前記偏光フィルムの前記カバー層側にカバー層側保護フィルムを有し、
前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成され、
前記第二の導電層が、前記カバー層側保護フィルムの前記カバー層側の表面に形成されている、〔1c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔7c〕 前記第一の導電層が、前記カバー層と前記基材との間に位置する、〔6c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔8c〕 前記基材が、前記カバー層と前記第一の導電層との間に位置する、〔6c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔9c〕 前記光学フィルムが、斜め延伸フィルムである、〔1c〕〜〔8c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔10c〕 前記光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなる、〔1c〕〜〔9c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔11c〕 前記光学フィルムが、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーからなる、〔3c〕または〔7c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔12c〕 前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下である、〔1c〕、〔2c〕、〔4c〕〜〔6c〕および〔8c〕〜〔10c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔13c〕 前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下である、〔3c〕、〔7c〕または〔11c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔14c〕 前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔1c〕〜〔12c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔15c〕 前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔13c〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔16c〕 前記基材が、前記第一の導電層と前記光学フィルムとの間に位置する第一のインデックスマッチング層と、前記第二の導電層と前記光学フィルムとの間に位置する第二のインデックスマッチング層との少なくとも一方を有する、〔1c〕〜〔15c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔17c〕 前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成された、〔1c〕〜〔16c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔18c〕 前記表示パネルが、2枚の基板の間に液晶層を挟んでなる液晶パネルである、〔1c〕〜〔17c〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔1d〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔2d〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板および表示パネル側基材を有し、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記表示パネル側基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層は、前記表示パネル側基材の前記カバー層側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記表示パネル側基材の前記表示パネル側の表面に形成される、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔3d〕 前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを更に備え、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、および/または、
前記表示パネル側基材は、光学補償用の位相差フィルムを有する、〔2d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔4d〕 前記表示パネルが、液晶パネルである、〔1d〕〜〔3d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔5d〕 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板は、偏光フィルムを有する、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔6d〕 積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔5d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔7d〕 前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有する、〔6d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔8d〕 前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、
前記偏光板側基材がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°である、〔5d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔9d〕 前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、
前記偏光板側基板がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°である、〔5d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔10d〕 前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含む、〔5d〕〜〔9d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔11d〕 前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムである、
〔1d〕〜〔10d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔12d〕 前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなる、〔1d〕〜〔11d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔13d〕 前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムが、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーであることを特徴とする〔12d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔14d〕 前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下である、〔1d〕〜〔13d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔15d〕 前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下である、〔1d〕〜〔14d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔16d〕 前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成された、〔1d〕〜〔15d〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔17d〕 インデックスマッチング層を有さない、〔8d〕又は〔9d〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔1e〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板、誘電体層および基材を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、
前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔2e〕 前記第一の導電層が、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されており、
前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記カバー層側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記カバー層側の表面に貼り合わされている、〔1e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔3e〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板、誘電体層および光学補償用基材を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記光学補償用基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
前記第一の導電層は、前記光学補償用基材の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記光学補償用基材側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
前記光学補償用基材は、光学補償用の位相差フィルムを有する、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔4e〕 前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを更に備え、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔3e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔5e〕 前記第一の導電層が、前記光学補償用基材の前記表示パネル側の表面に形成されており、
前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記光学補償用基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔3e〕または〔4e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔6e〕 前記積層体が、さらに視認側偏光板および誘電体層を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記第一の導電層は、前記視認側偏光板の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記視認側偏光板側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成された、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔7e〕 前記表示パネルが、液晶パネルである、〔1e〕〜〔6e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔8e〕 前記積層体が、さらに円偏光板及び誘電体層を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔9e〕 前記第一の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されており、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔8e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔10e〕 前記積層体が、さらに円偏光板及び誘電体層を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
前記第一の導電層は、前記偏光板の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記偏光板側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔11e〕 前記第一の導電層が、前記偏光板の前記カバー層側の表面に形成されており、
前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔10e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔12e〕 前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有する、〔8e〕〜〔11e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔13e〕 前記積層体が、さらに円偏光板および誘電体層を有し、
前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
前記円偏光板は、偏光板と、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置する基材と、前記偏光板と前記基材との間に位置する偏光板側基材とを含み、
前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
前記偏光板側基材は、λ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
前記第一の導電層は、導電層被形成部材の一方の表面に形成され、
前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記導電層被形成部材側とは反対側の表面に形成され、
前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
前記導電層被形成部材が、前記基材、前記偏光板側基材または前記偏光板である、〔I〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔14e〕 前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、
前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされている、〔13e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔15e〕 積層方向から見て、
前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、
前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°である、〔13e〕または〔14e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔16e〕 積層方向から見て、
前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、
前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°である、〔13e〕または〔14e〕に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔17e〕 前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含む、〔8e〕〜〔16e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔18e〕 前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムである、〔1e〕、〔2e〕、〔4e〕、〔5e〕および〔7e〕〜〔17e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔19e〕 前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または、前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなる、〔1e〕〜〔5e〕および〔7e〕〜〔18e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
〔20e〕 前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成された、〔1e〕〜〔19e〕の何れかに記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
以下の説明において、本発明のうち、上記〔1a〕〜〔20a〕にかかる態様を「態様a」、上記〔1b〕〜〔33b〕にかかる態様を「態様b」、上記〔1c〕〜〔18c〕にかかる態様を「態様c」、上記〔1d〕〜〔17d〕にかかる態様を「態様d」、上記〔1e〕〜〔20e〕にかかる態様を「態様e」ということがある。
本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、カバー層として、特定の樹脂の層を有することにより、良好な耐久性を有しながら、薄型化・軽量化されたものとしうる。
特に、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板、第一の導電層、第二の導電層および基材を有する積層体を備え、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板の偏光フィルムよりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成されていることを特徴とする。このように、第一の導電層および第二の導電層のうちの何れか一方を基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を別途使用する必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
ここで、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、更に、前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを備え、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記視認側偏光板の偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、視認側偏光板の偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でも操作が可能となる。
なお、態様aにおいて、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
また、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記視認側偏光板が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側に表示パネル側保護フィルムを有し、前記第一の導電層が、前記視認側偏光板の表示パネル側保護フィルムの前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されていることが好ましい。第一の導電層を視認側偏光板の表示パネル側保護フィルムの表面に形成すれば、タッチセンサーの構造を更に簡素化して、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
なお、この場合、前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されていてもよい。基材の表示パネル側の表面に第二の導電層を形成すれば、第一の導電層と第二の導電層との間に位置する基材を利用して静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記第二の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されていてもよい。
また、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記表示パネルが、前記カバー層側の表面にカバー層側セル基板を有し、前記第二の導電層が、前記表示パネルのカバー層側セル基板の前記カバー層側の表面に形成され、前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されていることが好ましい。第二の導電層を表示パネルのカバー層側セル基板の表面に形成すれば、タッチセンサーの構造を更に簡素化して、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
なお、この場合、前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されていてもよい。基材のカバー層側の表面に第一の導電層を形成すれば、第一の導電層と第二の導電層との間に位置する基材を利用して静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記第一の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されていてもよく、更に、前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムの保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
そして、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムが、斜め延伸フィルムであることが好ましい。光学フィルムが斜め延伸フィルムであれば、視認側偏光板および光学フィルムを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる。
また、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記基材および光学フィルムの少なくとも一方に、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースが用いられていることが好ましく、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが用いられていることが特に好ましい。更に、前記基材の比誘電率が、2以上5以下であることが好ましい。また、前記基材の飽和吸水率が、0.01質量%以下であることが好ましい。更に、前記視認側偏光板が前記偏光フィルムの前記表示パネル側に表示パネル側保護フィルムを有し、前記第一の導電層が前記視認側偏光板の表示パネル側保護フィルムの前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されている場合、或いは、前記表示パネルが前記カバー層側の表面にカバー層側セル基板を有し、前記第二の導電層が前記表示パネルのカバー層側セル基板の前記カバー層側の表面に形成され、前記第一の導電層が前記基材の前記カバー層側の表面に形成されている場合において、前記基材の比誘電率が2以上5以下、及び/又は、前記基材の飽和吸水率が0.01質量%以下、及び/又は、前記基材および光学フィルムの少なくとも一方に極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが用いられていることが特に好ましい。上述した基材および/または光学フィルムを用いることで、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
なお、態様aにおいて、「比誘電率」は、ASTM D150に準拠して測定することができる。また、態様aにおいて、「飽和吸水率」は、ASTM D570に準拠して測定することができる。
更に、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記基材が、フィルムを有し、更に、該フィルムと前記第一の導電層との間に位置する第一のインデックスマッチング層と、該フィルムと前記第二の導電層との間に位置する第二のインデックスマッチング層との少なくとも一方を有することが好ましい。インデックスマッチング層を配置すれば、視認性を向上させることができる。
そして、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記第一の導電層および前記第二の導電層の少なくとも一方が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成されていることが好ましい。
また、前記カバー層が、ガラスまたはプラスチックからなることが好ましい。
更に、前記表示パネルが、2枚のセル基板の間に液晶層を挟んでなる液晶パネルであることが好ましい。
また特に、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板、第一の導電層および第二の導電層を有する積層体を備え、前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板は、偏光フィルムを有することを特徴とする。このように、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材を偏光板よりも表示パネル側に有する円偏光板を表示パネルとカバー層との間に設ければ、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、第一の導電層および第二の導電層のうちの何れか一方を基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を別途使用する必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、態様bにおいて、「円偏光板」とは、カバー層側から表示パネル側に向かって入射した光を直線偏光に変えた後、該直線偏光を円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネルでの反射光である逆円偏光を前記直線偏光とは直交する他の直線偏光に変えることにより、反射光のカバー層側への透過を防止することができる部材であり、少なくとも、偏光板と、該偏光板よりも表示パネル側に配置された、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを備えるものである。具体的には、「円偏光板」としては、例えば、偏光フィルムを有する偏光板と、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを光学フィルムの遅相軸と偏光フィルムの透過軸との交差角が所定角度となるように順次積層したものや、偏光フィルムを有する偏光板と、λ/2の位相差を有する光学フィルムと、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを各光学フィルムの遅相軸と偏光フィルムの透過軸との交差角が所定角度となるように順次積層したものが挙げられる。なお、円偏光板を構成する偏光板と各種光学フィルムとは、積層方向に互いに離隔して配置されていてもよく、偏光板と光学フィルムとの間や、光学フィルム間には他の部材が介装されていてもよい。
ここで、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記偏光板が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に表示パネル側保護フィルムを有し、前記第一の導電層が、前記表示パネル側保護フィルムの前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。
なお、態様bにおいて、「約45°」とは、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能とし得る角度であり、例えば、45°±5°の角度範囲を指す。
なお、この場合、前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置してもよい。第一の導電層と第二の導電層との間に基材を配置すれば、静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置してもよい。
さらに、この場合、前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
ここで、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、前記基材と前記表示パネルとの間に、他の基材をさらに備え、前記第一の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記他の基材の一方の表面に形成されており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。
また、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができる。その結果、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
なお、この場合、前記他の基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置してもよい。第一の導電層と第二の導電層との間に他の基材を配置すれば、静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記他の基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置してもよい。
また、この場合、前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を円偏光に変えることができる。
また、この場合、前記他の基材が基材層を有し、前記基材層の比誘電率が、2以上5以下であることが好ましい。さらに、前記他の基材が基材層を有し、前記基材層の飽和吸水率が、0.01質量%以下であることが好ましい。上述した基材層を他の基材に用いれば、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
また、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、前記第一の導電層が、前記偏光板側基材の前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、前記偏光板側基材がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約75°とし、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角を約15°とすれば、光学フィルムと他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。従って、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを良好に防止することが可能となる。また、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていれば、偏光板側基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができる。その結果、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
なお、態様bにおいて、「約75°」および「約15°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「75°±5°」、「15°±5°」の角度範囲を指し、「約75°」および「約15°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。
さらに、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、前記第一の導電層が、前記偏光板側基板の前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、前記偏光板側基板がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約90°とし、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角を約22.5°とすれば、光学フィルムと他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。従って、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていれば、偏光板側基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができる。その結果、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
なお、態様bにおいて、「約90°」および「約22.5°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「90°±5°」、「22.5°±5°」の角度範囲を指し、「約90°」および「約22.5°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。
なお、これらの場合、前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置してもよい。第一の導電層と第二の導電層との間に基材を配置すれば、静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、これらの場合、前記基材が、前記第二の導電層と前記表示パネルとの間に位置してもよい。
また、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記表示パネルの前記カバー層側の表面に形成されており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。
なお、これらの場合、前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置してもよい。第一の導電層と第二の導電層との間に基材を配置すれば、静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、これらの場合、前記基材が、前記第一の導電層と前記偏光板との間に位置してもよい。さらに、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
また特に、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板、第一の導電層および第二の導電層を有する積層体を備え、前記円偏光板は、基材と、当該基材よりもカバー層側に位置する偏光板とを含み、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、前記偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板は、偏光フィルムおよびカバー層側保護フィルムを有し、前記カバー層側保護フィルムは、前記偏光フィルムの前記カバー層側に形成され、前記第二の導電層は、前記カバー層側保護フィルムの前記カバー層側の表面に形成され、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする。このように、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材を偏光板よりも表示パネル側に設け、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、カバー層側から偏光板を通って表示パネル側に進む直線偏光を円偏光に変え、該円偏光の表示パネルでの反射光である逆円偏光を前記直線偏光と直交する他の直線偏光に変えることができる。従って、カバー層側から偏光板を通って表示パネル側に進む直線偏光と直交する他の直線偏光の透過を防止して、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、第二の導電層をカバー層側保護フィルムに形成すれば、導電層を形成するための透明基板を別途使用する必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
ここで、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層は、前記カバー層の前記表示パネル側の表面に形成されていてもよい。第一の導電層をカバー層の表面に形成すれば、第一の導電層を形成するための透明基板を別途使用する必要がないので、タッチセンサーの構造を更に簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
さらに、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
そして、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下であることが好ましい。また、前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下であることが好ましい。さらに、前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなることが好ましく、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーであることがより好ましい。上述した光学フィルムおよび/または他の光学フィルムを基材および/または偏光板側基材に用いれば、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
なお、態様bにおいて、「比誘電率」は、ASTM D150に準拠して測定することができる。また、態様bにおいて、「飽和吸水率」は、ASTM D570に準拠して測定することができる。
そして、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムであることが好ましい。光学フィルムおよび/または他の光学フィルムが斜め延伸フィルムであれば、偏光板と、光学フィルムおよび/または他の光学フィルムとを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる。
そして、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウム、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成されていることが好ましい。
また、前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含むことが好ましい。
そして、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、インデックスマッチング層を有さないことが好ましい。このようにすれば、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
また特に、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板、第一の導電層、第二の導電層および基材を有する積層体を備え、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを有する基材を視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でもタッチパネル付き表示装置の操作が可能となる。また、第一の導電層および第二の導電層のうちの何れか一方を基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、態様cにおいて、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を基材の光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
ここで、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記カバー層の前記表示パネル側の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記基材の一方の表面に形成されていることが好ましい。第一の導電層をカバー層の表面に形成すれば、タッチセンサーの構造を更に簡素化して、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
なお、この場合、前記基材が、前記第一の導電層と前記第二の導電層との間に位置してもよい。第一の導電層と第二の導電層との間に基材を配置すれば、基材を介して静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記基材が、前記第二の導電層と前記視認側偏光板との間に位置してもよく、更に、前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記カバー層側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記カバー層側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムのカバー層側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
また、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記視認側偏光板が、前記偏光フィルムの前記カバー層側にカバー層側保護フィルムを有し、前記第一の導電層が、前記基材の一方の表面に形成され、前記第二の導電層が、前記カバー層側保護フィルムの前記カバー層側の表面に形成されていることが好ましい。第二の導電層を視認側偏光板の表面に形成すれば、タッチセンサーの構造を更に簡素化して、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
なお、この場合、前記第一の導電層が、前記カバー層と前記基材との間に位置してもよい。カバー層と基材との間に第一の導電層を配置すれば、第一の導電層と第二の導電層との間に位置する基材を利用して静電容量式タッチセンサーを容易に形成することができる。
また、この場合、前記基材が、前記カバー層と前記第一の導電層との間に位置してもよい。
そして、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムが、斜め延伸フィルムであることが好ましい。光学フィルムが斜め延伸フィルムであれば、視認側偏光板および光学フィルムを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる。
また、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなることが好ましく、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーからなることが更に好ましい。更に、前記光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下であることが好ましい。また、前記光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下であることが好ましい。上述した光学フィルムを基材に用いれば、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
なお、態様cにおいて、「比誘電率」は、ASTM D150に準拠して測定することができる。また、態様cにおいて、「飽和吸水率」は、ASTM D570に準拠して測定することができる。
更に、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記基材が、前記第一の導電層と前記光学フィルムとの間に位置する第一のインデックスマッチング層と、前記第二の導電層と前記光学フィルムとの間に位置する第二のインデックスマッチング層との少なくとも一方を有することが好ましい。インデックスマッチング層を配置すれば、表示パネルの視認性を向上させることができる。
そして、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成されていることが好ましい。
また、前記表示パネルが、2枚の基板の間に液晶層を挟んでなる液晶パネルであることが好ましい。
また特に、態様dのうちの第一の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板、第一の導電層、第二の導電層および基材を有する積層体を備え、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様d1」ということがある)。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを有する基材を視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でもタッチパネル付き表示装置の操作が可能となる。また、第一の導電層および第二の導電層の双方を一つの基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様d1において、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を基材の光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
また特に、態様dのうちの第二の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板、第一の導電層、第二の導電層および表示パネル側基材を有する積層体を備え、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記表示パネル側基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層は、前記表示パネル側基材の前記カバー層側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記表示パネル側基材の前記表示パネル側の表面に形成されることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様d2」ということがある)。このように、第一の導電層および第二の導電層の双方を一つの表示パネル側基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
ここで、態様d2の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、(i)前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを更に備え、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、および/または、(ii)前記表示パネル側基材は、光学補償用の位相差フィルムを有する、ことが好ましい。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でもタッチパネル付き表示装置の操作が可能となる。また、光学補償用の位相差フィルムを有する表示パネル側基材を視認側偏光板よりも表示パネル側に設ければ、視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を補償することができる。
なお、上記態様d2において、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
また、これらの第一及び第二発明の場合、前記表示パネルが、液晶パネルであることが好ましい。
また特に、態様dのうちの第三の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板、第一の導電層および第二の導電層を有する積層体を備え、前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板は、偏光フィルムを有することを特徴とする(以下において、この態様を、「態様d3」ということがある)。このように、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材を偏光板よりも表示パネル側に有する円偏光板を表示パネルとカバー層との間に設ければ、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、第一の導電層および第二の導電層の双方を一つの基材に形成すれば、導電層を形成するための透明基板を別途使用する必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、態様d3において、「円偏光板」とは、カバー層側から表示パネル側に向かって入射した光を直線偏光に変えた後、該直線偏光を円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネルでの反射光である逆円偏光を前記直線偏光とは直交する他の直線偏光に変えることにより、反射光のカバー層側への透過を防止することができる部材であり、少なくとも、偏光板と、該偏光板よりも表示パネル側に配置された、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを備えるものである。具体的には、「円偏光板」としては、例えば、偏光フィルムを有する偏光板と、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを光学フィルムの遅相軸と偏光フィルムの透過軸との交差角が所定角度となるように順次積層したものや、後述する、偏光フィルムを有する偏光板と、λ/2の位相差を有する光学フィルムと、λ/4の位相差を有する光学フィルムとを各光学フィルムの遅相軸と偏光フィルムの透過軸との交差角が所定角度となるように順次積層したものが挙げられる。なお、円偏光板を構成する偏光板と各種光学フィルムとは、積層方向に互いに離隔して配置されていてもよく、偏光板と光学フィルムとの間や、光学フィルム間には他の部材が介装されていてもよい。
また、上記態様d3の場合、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とし、偏光板と、λ/4の位相差を有する光学フィルムとで円偏光板を形成すれば、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。
なお、上記態様d3において、「約45°」とは、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、例えば、45°±5°の角度範囲を指す。
なお、上記態様d3の場合、前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
また、態様d3の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、前記偏光板側基材がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約75°とし、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角を約15°とすれば、光学フィルムと他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。従って、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを良好に防止することが可能となる。また、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていれば、偏光板側基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができる。その結果、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様d3において、「約75°」および「約15°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「75°±5°」、「15°±5°」の角度範囲を指し、「約75°」および「約15°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。
さらに、態様d3の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記円偏光板が、前記基材と前記偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含み、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされており、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、前記偏光板側基板がλ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、積層方向から見て、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°であることが好ましい。光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約90°とし、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角を約22.5°とすれば、光学フィルムと他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。従って、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていれば、偏光板側基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができる。その結果、偏光板の表示パネル側保護フィルムを不要とし、偏光板の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様d3において、「約90°」および「約22.5°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「90°±5°」、「22.5°±5°」の角度範囲を指し、「約90°」および「約22.5°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。
なお、上記態様d3の場合、前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含むことが好ましい。
そして、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムの比誘電率が、2以上5以下であることが好ましい。また、前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムの飽和吸水率が、0.01質量%以下であることが好ましい。さらに、前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなることが好ましく、極性基を有さないシクロオレフィンポリマーであることがより好ましい。上述した光学フィルム、位相差フィルム、および/または他の光学フィルムを、基材および/または偏光板側基材に用いれば、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
なお、態様dにおいて、「比誘電率」は、ASTM D150に準拠して測定することができる。また、態様dにおいて、「飽和吸水率」は、ASTM D570に準拠して測定することができる。
そして、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムであることが好ましい。光学フィルムおよび/または他の光学フィルムが斜め延伸フィルムであれば、偏光板と、光学フィルムおよび/または他の光学フィルムとを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる。
そして、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成されていることが好ましい。
そして、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、円偏光板が基材と偏光板との間に位置する偏光板側基材を更に含む場合、インデックスマッチング層を有さないことが好ましい。このようにすれば、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
また特に、態様eのうちの第一の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層と、基材とを有する積層体を備え、前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e1」ということがある)。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを有する基材を視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でもタッチパネル付き表示装置の操作が可能となる。また、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を基材の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様e1において、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を基材の光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
ここで、上記態様e1の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記基材の前記カバー層側の表面に形成されていることが好ましく、更に、前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記カバー層側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記カバー層側の表面に貼り合わされていることがより好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムのカバー層側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
また特に、態様eのうちの第二の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層と、光学補償用基材とを有する積層体を備え、前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記光学補償用基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、前記第一の導電層は、前記光学補償用基材の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記光学補償用基材側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、前記光学補償用基材は、光学補償用の位相差フィルムを有することを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e2」ということがある)。このように、光学補償用の位相差フィルムを有する光学補償用基材を視認側偏光板よりも表示パネル側に設ければ、視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を補償することができる。また、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を光学補償用基材の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
ここで、上記態様e2の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記カバー層と前記視認側偏光板との間に、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを更に備え、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることが好ましい。このように、光に所定の位相差を与える光学フィルムを視認側偏光板よりもカバー層側に設け、且つ、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光サングラスを装着した状態でもタッチパネル付き表示装置の操作が可能となる。
なお、上記態様e2において、「約45°」とは、表示パネル側から視認側偏光板を通ってカバー層側へと進む直線偏光を光学フィルムで円偏光または楕円偏光に変えて偏光サングラスを装着した状態での操作を可能とし得る角度であり、例えば、45°±10°の角度範囲を指す。
また、上記態様e2の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記光学補償用基材の前記表示パネル側の表面に形成されており、前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、前記偏光フィルムが、前記視認側偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記光学補償用基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、光学補償用基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムの表示パネル側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
また特に、態様eのうちの第三の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、視認側偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層とを有する積層体を備え、前記第一の導電層は、前記視認側偏光板の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記視認側偏光板側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成されたことを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e3」ということがある)。このように、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を視認側偏光板の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
そして、上記態様e1〜態様e3の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記表示パネルが、液晶パネルであることが好ましい。
また特に、態様eのうちの第四の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層とを有する積層体を備え、前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e4」ということがある)。このように、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光板と、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有する基材とで円偏光板を形成することができる。そして、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材を偏光板よりも表示パネル側に有する円偏光板を表示パネルとカバー層との間に設ければ、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を基材の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様e4において、「約45°」とは、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、例えば、45°±5°の角度範囲を指す。また、円偏光板を構成する偏光板と基材とは、積層方向に互いに離隔して配置されていてもよく、偏光板と基材との間には他の部材が介装されていてもよい。
ここで、上記態様e4の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成されていることが好ましく、更に、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることがより好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムの表示パネル側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
また特に、態様eのうちの第五の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層とを有する積層体を備え、前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、前記第一の導電層は、前記偏光板の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記偏光板側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板は、偏光フィルムを有し、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°であることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e5」ということがある)。このように、光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの透過軸との交差角を約45°とすれば、偏光板と、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有する基材とで円偏光板を形成することができる。そして、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材を偏光板よりも表示パネル側に有する円偏光板を表示パネルとカバー層との間に設ければ、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を偏光板の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、上記態様e5において、「約45°」とは、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、例えば、45°±5°の角度範囲を指す。また、円偏光板を構成する偏光板と基材とは、積層方向に互いに離隔して配置されていてもよく、偏光板と基材との間には他の部材が介装されていてもよい。
ここで、上記態様e5の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層が、前記偏光板の前記カバー層側の表面に形成されていることが好ましく、更に、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることがより好ましい。このようにすれば、基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムの表示パネル側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
そして、上記態様e4〜態様e5の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記光学フィルムが、逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
また特に、態様eのうちの第六の態様の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネルとカバー層との間に、円偏光板と、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層とを有する積層体を備え、前記円偏光板は、偏光板と、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置する基材と、前記偏光板と前記基材との間に位置する偏光板側基材とを含み、前記偏光板は、偏光フィルムを有し、前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、前記偏光板側基材は、λ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、前記第一の導電層は、導電層被形成部材の一方の表面に形成され、前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記導電層被形成部材側とは反対側の表面に形成され、前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、前記導電層被形成部材が、前記基材、前記偏光板側基材または前記偏光板であることを特徴とする(以下において、この態様を、「態様e6」ということがある)。このように、偏光板と、光にλ/2の位相差を与える他の光学フィルムを有する偏光板側基材と、光にλ/4の位相差を与える光学フィルムを有する基材とを含む円偏光板を表示パネルとカバー層との間に設ければ、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能となる。また、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層、誘電体層および第二の導電層を、基材、偏光板側基材および偏光板から選択される導電層被形成部材の一方の表面に順次形成すれば、導電層を形成するための透明基板を削減し、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、「円偏光板」とは、カバー層側から表示パネル側に向かって入射した光を直線偏光に変えた後、該直線偏光を円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネルでの反射光である逆円偏光を前記直線偏光とは直交する他の直線偏光に変えることにより、反射光のカバー層側への透過を防止することができる部材である。従って、上記態様e6では、基材、偏光板側基材および偏光板は、円偏光板を形成し得るように配置すればよく、円偏光板を構成する偏光板と、基材と、偏光板側基材とは、積層方向に互いに離隔して配置されていてもよく、各部材間には他の部材が介装されていてもよい。
ここで、上記態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記偏光フィルムが、前記偏光板の前記表示パネル側の表面に位置し、前記偏光板側基材が、前記偏光フィルムの前記表示パネル側の表面に貼り合わされていることが好ましい。このようにすれば、偏光板側基材を偏光フィルムの保護フィルムとして用いることができるので、偏光フィルムの表示パネル側保護フィルムを不要とし、表示パネルとカバー層との間の厚さを更に薄くすることができる。
更に、上記態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約75°であり、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約15°であることが好ましい。
また、上記態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約90°であり、前記他の光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約22.5°であることが好ましい。
このようにすれば、光学フィルムと他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。従って、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを良好に防止することが可能となる。
なお、上記態様e6において、「約75°」および「約15°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「75°±5°」、「15°±5°」の角度範囲を指し、「約75°」および「約15°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。また、「約90°」および「約22.5°」とは、広帯域1/4波長板を形成して入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能とし得る角度であり、それぞれ、例えば、「90°±5°」、「22.5°±5°」の角度範囲を指し、「約90°」および「約22.5°」とは、偏光フィルムの透過軸に対して同じ方向に測定された角度である。
そして、上記態様e4〜態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記表示パネルが、有機EL表示パネルを含むことが好ましい。
また、上記態様e1〜態様e2および態様e4〜態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記光学フィルムおよび/または前記他の光学フィルムが、斜め延伸フィルムであることが好ましい。光学フィルムおよび/または他の光学フィルムが斜め延伸フィルムであれば、偏光板と、光学フィルムおよび/または他の光学フィルムとを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる。
更に、上記態様e1〜態様e2および態様e4〜態様e6の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記光学フィルム、前記位相差フィルム、および/または、前記他の光学フィルムが、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースからなることが好ましい。
そして、上記態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、前記第一の導電層および前記第二の導電層が、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーを用いて形成されることが好ましい。
本発明によれば、従来のカバーガラス層を代替しうる特定の樹脂の層をカバー層として用いることにより、耐擦傷性及び耐熱性等の耐久性に優れながら、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することができる。
本発明の好適態様によれば、偏光サングラスを装着した状態でも操作が可能であり、且つ、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することができる。
本発明の他の好適態様によれば、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することが可能であり、且つ、薄型化・軽量化された静電容量式タッチパネル付き表示装置を提供することができる。
図1は、態様aに従う静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図2は、図1に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図3は、態様aに従う他の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図4は、図3に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図5は、態様bに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図6は、図5における基材30bの断面構造を模式的に示す説明図である。 図7は、図5に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図8は、態様bに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図9は、図8に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図10は、態様bに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図11は、図10に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図12は、態様bに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図13は、図12に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図14は、図13に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図15は、態様bに従う第5の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図16は、態様cに従う静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図17は、図16に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図18は、態様cに従う他の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図19は、図18に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図20は、態様dに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図21は、態様dに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図22は、態様dに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図23は、態様dに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図24は、(a)は、態様eに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)〜(c)は、図24(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図25は、(a)は、態様eに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)〜(c)は、図25(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図26は、(a)は、態様eに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)は、図26(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図27は、(a)は、態様eに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)〜(c)は、図27(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図28は、(a)は、態様eに従う第5の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)〜(c)は、図28(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図29は、(a)は、態様eに従う第6の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)は、図29(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。 図30は、(a)は、態様eに従う第7の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す説明図であり、(b)〜(d)は、図30(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置の変形例の要部の断面構造を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。但し、本発明は以下に挙げる例示物及び実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
なお、各図において同一の符号を付したものは、同一の構成要素を示すものとする。また、各図において、各部材間に位置している空間部分には、本発明の目的を達成し得る範囲内で、追加の層またはフィルムを設けてもよい。ここで、追加の層またはフィルムとしては、例えば、各部材同士を貼りあわせて一体化するための接着剤層または粘着剤層が挙げられ、接着剤層または粘着剤層は、可視光に対して透明であることが好ましく、また、無用な位相差を発生させないものであることが好ましい。
本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、表示パネル、カバー層、及びそれらの間に設けられる積層体を備える。
表示パネルは、有機EL表示パネル又はOLEDパネルとしうる。その具体例としては、以下の態様a〜態様eにおけるパネルが挙げられる。
積層体は、第一の導電層及び第二の導電層を有する。第一の導電層及び第二の導電層は積層方向に互いに離隔して配置され、又は誘電体層を伴って配置され、積層体内において静電容量式タッチセンサーを構成しうる。積層体の具体例としては、以下の態様a〜態様eにおける積層体が挙げられる。
本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置において、カバー層は、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。ここで、「鉛筆硬度7H以上の樹脂の層」とは、樹脂からなる層であり、その少なくとも一方の表面が、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で7H以上の硬度を示すものである。鉛筆硬度の上限は、特に限定されないが、例えば10H以下、又は9H以下としうる。
カバー層の例としては、下記のものが挙げられる。
(イ)硬質樹脂の層のみからなるもの。
(ロ)カバー層用基材層と、その一方又は両方の表面に設けられた硬質樹脂の層とからなるもの。
硬質樹脂としては、既知の硬質の樹脂材料から、カバー層表面に所望の鉛筆硬度を付与しうるものを適宜選択して用いうる。その例としては、特開2014−205294号公報において、三次元架橋型硬化性組成物として開示される材料、特開2014−213580号公報において、樹脂層Bの材料として開示される材料、特開2013−208896号公報において、有機・無機ハイブリッド系ハードコーティング剤として開示される材料、特開2014−152281号公報において、ハードコート層の材料として開示される材料、及びこれらの混合物が挙げられる。
カバー層が(ロ)である場合、カバー層用基材層の材料としては、本願において、基材の材料として例示された材料、光学フィルムの材料として例示された材料、及び位相差フィルムの材料として例示された材料と同様の材料を、適宜選択して用いうる。
カバー層が(ロ)である場合において、硬質樹脂の層がその一方の表面のみに設けられる場合は、硬質樹脂の層は、カバー層の視認側の表面に位置するよう設けうる。
カバー層の表面の鉛筆硬度は、硬度が高い硬質樹脂を用いることによって高めうる。硬度が高い硬質樹脂は、硬質樹脂を構成する光重合性モノマー、及びプレポリマー中の官能基数が高いもの(一分子当たりの官能基数が3以上のもの)を用いることによって得うる。また、硬質樹脂として、微粒子を含有するものを用いた場合、硬度が高い樹脂としうる。また、カバー層が(ロ)である場合、カバー層の表面の鉛筆硬度は、硬質樹脂の層の厚さを厚いものとすることによっても高めうる。
カバー層の厚さは、特に限定されないが300〜3000μmとしうる。また、カバー層が(ロ)である場合、硬質樹脂の層の厚さは、1つの層あたり100〜1000μmとしうる。カバー層用基材層の表面に硬質樹脂の層を設ける際の具体的な操作は、特に限定されず、上記の材料を用いて既知の操作を行いうる。例えば、本願において、基材、光学フィルム、又は位相差フィルムとしてハードコート層を有するものを採用する場合において、ハードコート層を形成する方法として述べたものと同様の方法により、硬質樹脂の層を形成しうる。
(イ)又は(ロ)のカバー層を構成する硬質樹脂の層の具体的な形成方法の例としては、重合性の単量体を含む単量体組成物を、適当な支持体の上に塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
かかる単量体組成物が含有する単量体としては、上に例示した従来技術に記載されるものを適宜選択しうるが、特に、多官能のアクリレート(例えば、ペンタエリストリールトリアクリレート(例えば第一工業製薬社製PET−3))を含むものが好ましい。また、多官能のアクリレートと、ケイ素含有無機−有機複合体(例えばシルセスキオキサンのポリマー又はオリゴマー)との混合物も好ましい。
かかる単量体組成物は、必要に応じて重合開始剤を含有し得る。重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えばBASF社製IRGACURE 184)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイジフェニルフォスフォンオキサイド(例えばBASF社製IRGACURE TPO)が挙げられる。
このような成分を含有する重合体組成物を、適当な支持体の上に塗布し、所望のフィルム状の形状に成形し、さらに、硬化の処理を行うことにより、硬質樹脂の層を形成しうる。硬化の処理としては、重合体組成物に適した任意の処理を行うことができ、例えば、重合開始剤として上に例示した光重合性の開始剤を用いた場合紫外線等の光を照射することにより行いうる。
得られた硬質樹脂の層は、そのまま、(イ)のカバー層として用いることができる。または、得られた硬質樹脂の層を、必要であれば適当な粘着剤(例えばアクリル系樹脂粘着剤、より具体的には日東電工社製CS9621T等)を介して、カバー層用基材層と貼合することにより、(ロ)のカバー層を得ることができる。
本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、カバー層として、上に述べた特定のものを用いることにより、良好な耐久性を有しながら、従来のガラス製のカバー層を有する表示装置に比べて、表示装置の薄型化及び軽量化を達成することができる。特に、以下に述べる態様a〜態様eの構成を採用した場合、積層体が、従来の表示装置における積層体に比べて少ない層構成で、従来の表示装置と同等の性能を発揮することができるため、良好な耐久性、薄型化及び軽量化の観点から、特に優れた静電容量式タッチパネル付き表示装置としうる。
以下の説明においては、本発明の具体的な態様の例である態様a〜態様eのそれぞれについて順次説明する。
<態様a>
以下においては、本発明の具体的な態様の例である態様aについて、より具体的な実施形態である、実施形態a1〜a4を参照して説明する。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態a1)>
図1に、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置の一例の要部の構造を示す。ここで、図1に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100aは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100aは、バックライトが照射される側(図1では下側。以下、単に「バックライト側」という。)から操作者が画像を視認する側(図1では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、バックライト側偏光板10aと、表示パネルとしての液晶パネル20aと、第二の導電層30aと、基材40aと、第一の導電層50aと、視認側偏光板60aと、光学フィルム70aと、カバー層Caとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置100aでは、視認側偏光板60aが偏光フィルム62aと、該偏光フィルム62aの液晶パネル20a側に配設された液晶パネル側保護フィルム(表示パネル側保護フィルム)61aと、該偏光フィルム62aのカバー層Ca側に配設されたカバー層側保護フィルム63aとを有し、第一の導電層50aが視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルム61aの液晶パネル20a側の表面に形成されており、第二の導電層30aが基材40aの一方(液晶パネル20a側)の表面に形成されている。
なお、バックライト側偏光板10aと、液晶パネル20aと、表面に第二の導電層30aが形成された基材40aと、液晶パネル側保護フィルム61aの表面に第一の導電層50aが形成された視認側偏光板60aと、光学フィルム70aと、カバー層Caとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。
[バックライト側偏光板]
バックライト側偏光板10aとしては、偏光フィルムを有する既知の偏光板、例えば、偏光フィルムを2枚の保護フィルムで挟んでなる偏光板を用いることができる。そして、バックライト側偏光板10aは、バックライト側偏光板10aの偏光フィルムの透過軸と、後に詳細に説明する視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが積層方向(図1では上下方向)に見て直交するように配置されて、液晶パネル20aを利用した画像の表示を可能にする。
[液晶パネル]
液晶パネル20aとしては、例えば、バックライト側に位置する薄膜トランジスタ基板21aと、視認側に位置するカラーフィルタ基板(カバー層側セル基板)23aとの間に液晶層22aを挟んでなる液晶パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aでは、バックライト側偏光板10aと視認側偏光板60aとの間に配置された液晶パネル20aの液晶層22aに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、薄膜トランジスタ基板21aおよびカラーフィルタ基板23aとしては、既知の基板を用いることができる。また、液晶層22aとしては、既知の液晶層を用いることができる。なお、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネルは、上記構造の液晶パネル20aに限定されることはない。
[第二の導電層]
第二の導電層30aは、基材40aの一方の表面に形成されており、液晶パネル20aと、基材40aとの間、より詳細には液晶パネル20aのカラーフィルタ基板23aと、基材40aとの間に位置している。そして、第二の導電層30aは、基材40aを挟んで積層方向に離隔して位置する第一の導電層50aと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層30aは、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されないが、導電性ポリマー;銀ペーストやポリマーペーストなどの導電性ペースト;金や銅などの金属コロイド;酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム:ITO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウム−スズ酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物;ヨウ化銅などの金属化合物;金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属;銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ(CNT)などの無機または有機系ナノ材料;を用いて形成することができる。これらの中でも、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーが好ましく、光透過性および耐久性の観点からは酸化インジウムスズが特に好ましい。
なお、CNTを使用する場合、用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTの何れであってもよいが、直径が0.3〜100nmであり、長さが0.1〜20μmであることが好ましい。なお、導電層の透明性を高め、表面抵抗値を低減する観点からは、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNTまたは二層CNTを用いることが好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。
導電層の他の好ましい例としては、上に述べた導電性ペーストを用いて形成したものが挙げられる。導電性ペーストの好ましい例としては、銀微粒子と親水性樹脂とを含むペーストが挙げられる。親水性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
そして、基材40aの表面上への第二の導電層30aの形成は、特に限定されることなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などを用いて行うことができる。
[基材]
基材40aとしては、特に限定されるものではなく、位相差フィルム等の種々のフィルムや、該フィルムに種々の層を設けてなる基材を用いることができるが、好ましくは位相差フィルムや、該位相差フィルムにハードコート層や、インデックスマッチング層、低屈折率層等の光学機能層を設けてなる基材を用いる。ここで、位相差フィルムは、光学補償用のフィルムであり、液晶層22aの視野角依存性や、斜視時の偏光板10a,60aの光漏れ現象を補償して、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aの視野角特性を向上させる。
そして、基材40aは、第二の導電層30aと第一の導電層50aとの間に位置しており、第一の導電層50aおよび第二の導電層30aを用いて構成される静電容量式タッチセンサーの絶縁層として機能する。
基材40aに用いるフィルムとしては、例えば、既知の縦一軸延伸フィルム、横一軸延伸フィルム、縦横二軸延伸フィルム、または液晶性化合物を重合させてなる位相差フィルムを用いることができる。具体的には、基材40aに用いるフィルムとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂を既知の方法で製膜してなる熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸したものが挙げられる。
なお、基材40aが位相差フィルムを有する場合(基材40aが位相差フィルムである場合も含む)、該位相差フィルムは、積層方向に見て、位相差フィルムの遅相軸と、偏光板10a,60aの偏光フィルムの透過軸とが、例えば、平行になるように、または、直交するように配置することができる。
基材40aの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースが好ましく、比誘電率が低いため、シクロオレフィンポリマーが特に好ましく、比誘電率および吸水率の双方が低いため、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製のフィルムを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂フィルムを位相差フィルムとして用いる場合、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある透明な熱可塑性樹脂を用いると、位相差フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような位相差フィルム(光学補償フィルム)を液晶パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、基材40aの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよい。配合剤としては、格別限定はないが、層状結晶化合物;ゴム粒子;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤;等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは、二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、基材の耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、フィルム成形時の酸化劣化等によるフィルムの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して通常0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
無機微粒子としては、0.7〜2.5μmの平均粒子径と、1.45〜1.55の屈折率を有するものが好ましい。具体的には、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられ、中でも、シリカ、ゼオライトおよびハイドロタルサイトが好ましい。無機微粒子の添加量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜5質量部である。
滑剤としては、炭化水素系滑剤;脂肪酸系滑剤;高級アルコール系滑剤;脂肪酸アマイド系滑剤;脂肪酸エステル系滑剤;金属石鹸系滑剤;が挙げられる。中でも、炭化水素系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤および脂肪酸エステル系滑剤が好ましい。更に、この中でも、融点が80℃〜150℃および酸価が10mgKOH/mg以下のものが特に好ましい。
融点が80℃〜150℃をはずれ、さらに酸価が10mgKOH/mgよりも大きくなるとヘイズ値が大きくなる虞がある。
そして、基材40aの厚み、また、基材40aが位相差フィルムを有する場合、該位相差フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。基材40aが薄すぎると強度が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下する虞がある。また、位相差フィルムが薄すぎるとレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、基材40aが位相差フィルムを有する場合、該位相差フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある位相差フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
そして、基材40aの飽和吸水率、また、基材40aが位相差フィルムを有する場合、該位相差フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。基材40aの飽和吸水率が0.01質量%を超えると、使用環境により基材40aに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。また、位相差フィルムの飽和吸水率が0.01質量%を超えると、例えば、液晶パネル20aとして反射型液晶パネルを用いた場合に、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラが発生するおそれがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある位相差フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
また、基材40aの飽和吸水率が0.01質量%以下であれば、吸水により基材40aの比誘電率が経時的に変化するのを抑制することができる。従って、図1に示すように、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層50aと第二の導電層30aとの間に基材40aを配置した場合であっても、基材40aの比誘電率の変化に起因したタッチセンサーの検出感度の変動を抑制することができる。
なお、基材40aや位相差フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、基材40aの比誘電率は、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。図1に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層50aと第二の導電層30aとの間に基材40aが配置されている。従って、基材40aの比誘電率を小さくすれば、第一の導電層50aと第二の導電層30aとの間の静電容量を低くし、静電容量式タッチセンサーの検出感度を向上させることができるからである。
[ハードコート層]
ハードコート層は、位相差フィルムの傷つきやカールを防止するためのものである。ハードコート層の形成に用いられる材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものが好適である。このような材料としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート層形成材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート層形成材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート層形成材料の使用が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。
(メタ)アクリレートとしては、重合性不飽和基を分子内に1つ有するもの、2つ有するもの、3つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に3つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよく、2種類以上のものを用いてもよい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート層形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により位相差フィルム上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により溶剤を除去した後に、アクリル系ハードコート層形成材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート層形成材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気とを調整し、塗膜全面が均一になるように制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート層形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は、通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。また、紫外線の照射は、例えば窒素およびアルゴン等の不活性ガス中において行なってもよく、空気中で行ってもよい。
なお、ハードコート層を設ける場合、位相差フィルムには、ハードコート層との接着性を高める目的で表面処理を施してもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけ位相差フィルムが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる場合には、コロナ処理を用いることで、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる位相差フィルムとハードコート層との密着を強固とすることができる。コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量が1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の位相差フィルムの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。また、ハードコート層形成材料の塗工液は、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層の外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
位相差フィルム上に形成されるハードコート層の平均厚みは、通常0.5μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上15μm以下である。ハードコート層の厚さがこれよりも厚すぎると、視認性で問題になる可能性があり、薄すぎると耐擦傷性が劣る可能性がある。
ハードコート層のヘイズは、0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。このようなヘイズ値であることにより、ハードコート層をタッチパネル付き表示装置100a内で好適に使用することができる。
また、ハードコート層形成材料には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、有機粒子、無機粒子、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
なお、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材40aは、ハードコート層を有していなくてもよいし、また、ハードコート層に替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
ここで、インデックスマッチング層は、基材40aを構成する位相差フィルム等のフィルムと、基材40a上に形成された導電層(この例では、第二の導電層30a)との間に生じる屈折率の差に起因して起きる層の界面における光の反射を防ぐ目的で、基材40aを構成するフィルムと導電層との間(界面)に設けられるものである。インデックスマッチング層としては、交互に配置された複数の高屈折率膜および低屈折率膜を含むものや、ジルコニア等の金属を含む樹脂層が挙げられる。基材40aを構成するフィルムと第二の導電層30aとの屈折率が大きく異なっていたとしても、フィルムと第二の導電層30aとの間で第二の導電層30aに隣接配置されたインデックスマッチング層によって、基材40aの、導電層が設けられている領域と、導電層が設けられていない領域とで反射率が大きく変化してしまうことを防止することができる。
[低屈折率層]
低屈折率層は、光の反射を防止する目的で設けられるものであり、例えばハードコート層上に設けることができる。ハードコート層上に設ける場合、低屈折率層とは、ハードコート層の屈折率よりも低い屈折率を有する層を指す。低屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmで1.30〜1.45の範囲であることが好ましく、1.35〜1.40の範囲であることがより好ましい。
低屈折率層としては、SiO、TiO、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF、SiO、SiO、LaF、CeF、Al、CeO、Nd、Sb、Ta、ZrO、ZnO、ZnS等よりなる無機化合物が好ましい。また、無機化合物と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機化合物との混合物も低屈折率層形成材料として好ましく用いられる。一例として、紫外線硬化樹脂とシリカ中空粒子とを含む組成物を塗布し、紫外線を照射することにより形成した低屈折率層が挙げられる。低屈折率層の膜厚は、膜厚70nm以上120nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以上110nm以下である。低屈折率層の膜厚が120nmを超えると、反射色に色味が付き、黒表示の時の色再現性が無くなるため、視認性が低下し、好ましくない場合がある。
[第一の導電層]
第一の導電層50aは、視認側偏光板60aの液晶パネル20a側の表面、より具体的には、視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルム(表示パネル側保護フィルム)61aの液晶パネル20a側の表面に形成されており、第二の導電層30aよりもカバー層Ca側、より具体的には、基材40aと、視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルム61aとの間に位置している。そして、第一の導電層50aは、基材40aを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層30aと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
そして、第一の導電層50aは、第二の導電層30aと同様の材料を用いて形成することができる。
また、視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルム61aの表面上への第一の導電層50aの形成は、第二の導電層30aと同様の方法を用いて行うことができる。
ここで、静電容量式のタッチセンサーを構成する第二の導電層30a及び第一の導電層50aは、パターン化して形成される場合が多い。具体的には、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層50aおよび第二の導電層30aは、対向配置して積層方向に見た際に、直線格子、波線格子またはダイヤモンド状格子などのメッシュ形状を形成するパターンで形成することができる。なお、波線格子とは、交差部間に少なくとも一つの湾曲部を有する形状を指す。このようなパターンを有する導電層のさらなる具体例としては、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、及び特開2010−198799号公報に記載された導電層が挙げられる。これらの形成方法は特に限定されず、既知の方法を用いて形成しうる。
なお、第一の導電層50aおよび第二の導電層30aの厚みは、例えばITOからなる場合には、特に限定されることなく、好ましくは10〜150nmとすることができ、更に好ましくは15〜70nmとすることができる。また、第一の導電層50aおよび第二の導電層30aの表面抵抗率は、特に限定されることなく、好ましくは100〜1000Ω/□とすることができる。
[視認側偏光板]
視認側偏光板60aとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム62aを2枚の保護フィルム(液晶パネル側保護フィルム61aおよびカバー層側保護フィルム63a)で挟んでなる偏光板60aを用いることができる。
偏光フィルム62aとしては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるもの、またはポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ延伸しさらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなどが挙げられる。
また、保護フィルム61a,63aとしては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、脂環式オレフィンポリマー、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を含むフィルムを、横一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、斜め延伸法などの常法により延伸したもの、無延伸の熱可塑性樹脂フィルム上に光学異方性層を形成した後、さらに延伸したもの等を用いることができる。延伸フィルムは単層の形態であっても、複数積層した形態のものであっても良い。
[光学フィルム]
光学フィルム70aとしては、特に限定されるものではないが、好ましくは(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを用いる。なお、光学フィルム70aは、当該光学フィルム70aの遅相軸と、視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、液晶パネル20a側から視認側偏光板60aを通ってカバー層Ca側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えて、操作者が偏光サングラスを装着した状態でも表示内容を視認可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、約45°程度、より具体的には45°±10°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する」とは、光学フィルム70aを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約(2n−1)/4倍[但し、nは正の整数であり、好ましくは1である]であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約(2n−1)/4倍であるとは、Reが(2n−1)λ/4±65nm、好ましくは(2n−1)λ/4±30nm、より好ましくは(2n−1)λ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム70aの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
光学フィルム70aとしては、熱可塑性樹脂を製膜および延伸することにより得られる、配向処理が施されたフィルムを用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂の延伸方法としては、既知の延伸方法を用いることができるが、斜め延伸を用いることが好ましい。光学フィルム70aは、光学フィルム70aの遅相軸と、視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが所定の角度で交差するように積層する必要があるところ、一般的な延伸処理(縦延伸処理または横延伸処理)を施した延伸フィルムの光軸の向きは、フィルムの幅方向と平行な方向または幅方向に直交する方向である。そのため、当該一般的な延伸フィルムと、偏光フィルムとを所定の角度で積層するには、延伸フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。しかし、斜め延伸したフィルムでは、光軸の向きがフィルムの幅方向に対して傾斜した方向になるので、光学フィルム70aとして斜め延伸フィルムを使用すれば、視認側偏光板60aおよび光学フィルム70aを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができるからである。なお、視認側偏光板60aおよび光学フィルム70aを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム70aとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム70aの遅相軸と、視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
斜め延伸の方法としては、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものを用いることができる。斜め延伸に用いる延伸機は特に制限されず、従来公知のテンター式延伸機を使用することができる。また、テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機などがあるが、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸できるものであれば、特に制限されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂を斜め延伸するときの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の間である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
光学フィルム70aの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートまたはトリアセチルセルロースが好ましく、比誘電率が低いため、シクロオレフィンポリマーが特に好ましく、比誘電率および吸水率の双方が低いため、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製の光学フィルム70aを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数がこのような範囲にある透明樹脂を用いると、光学フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような光学フィルムを液晶パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、光学フィルム70aの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよく、該配合剤としては、基材40aの形成に用いる熱可塑性樹脂の項で例示した配合剤が挙げられ、また、該配合剤の配合量は、基材40aの形成に用いる熱可塑性樹脂の項で記載した範囲で使用することが好ましい。
そして、光学フィルム70aとして用いられる延伸フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。フィルムが薄すぎると強度が不足したりレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下したり目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、光学フィルム70aとして用いられる延伸フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
なお、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の延伸フィルムを得る方法としては、例えば、(a)揮発性成分含有量が100質量ppm以下の未延伸フィルムを斜め延伸する方法、(b)揮発性成分含有量が100質量ppmを超える未延伸フィルムを用いて、斜め延伸の工程中、または延伸後に乾燥して揮発性成分含有量を低減する方法などが挙げられる。これらの中でも、揮発性成分含有量がより低減された延伸フィルムを得るには、(a)の方法が好ましい。(a)の方法において、揮発性成分含有量が100質量ppm以下である未延伸フィルムを得るには、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の樹脂を溶融押出成形することが好ましい。
そして、光学フィルム70aとして用いられる延伸フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。飽和吸水率が0.01質量%を超えると、使用環境により延伸フィルムに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。そして、例えば、液晶パネル20aとして反射型液晶パネルを用いた場合に、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラが発生するおそれがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
なお、延伸フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、光学フィルム70aとして用いられる延伸フィルムの比誘電率は、特に限定されるものではないが、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。
また、光学フィルム70aの一方の面または両面には、ハードコート層や低屈折率層が形成されていてもよい。光学フィルム70aのハードコート層および低屈折率層は、基材40aの項で述べたハードコート層および低屈折率層と同様の材料を用いて、同様の方法で形成することができる。
なお、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、光学フィルム70aを有していなくてもよい。
[カバー層]
カバー層Caは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aによれば、第二の導電層30aが基材40aに設けられているので、第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。更に、第一の導電層50aが視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルム61aの表面に設けられているので、第一の導電層を形成するための透明基板も設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、液晶パネル20aとカバー層Caとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20aとカバー層Caとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置の薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置100aでは、基材40aの一方側の面のみに導電層を形成しているので、基材40aの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aでは、視認側偏光板60aとカバー層Caとの間に所定の位相差を有する光学フィルム70aを配置しているので、視認側偏光板60aを通ってカバー層Ca側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えることができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aは、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
更に、上記一例の表示装置100aでは、第一の導電層50aと第二の導電層30aとの間に基材40aを配設しているので、静電容量式タッチセンサーを容易に構成することができる。また、基材40aとして、比誘電率が低く、また、飽和吸水率が小さいフィルムを用いることができるので、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態a2)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置100aの変形例について、要部の構造を図2に示す。
図2に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200aは、
・第二の導電層30aが、基材40aのカバー層Ca側の表面に形成されている点、
・第一の導電層50aと第二の導電層30aとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様の構成を有している。
ここで、基材40aの液晶パネル20a上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層50aと第二の導電層30aとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、比誘電率の低いアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系、フッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。なお、静電容量式のタッチセンサーを良好に形成する観点からは、接着剤層または粘着剤層は、比誘電率が2以上5以下であることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200aによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様に、タッチセンサーの構造を簡素化し、液晶パネル20aとカバー層Caとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20aとカバー層Caとの間の厚さを薄くすることができる。
また、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態a3)>
図3に、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置の他の例の要部の構造を示す。
ここで、図3に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300aは、
・第二の導電層30aが、基材40aの表面に形成されておらず、液晶パネル20aのカバー層Ca側の表面(具体的には、カラーフィルタ基板(カバー層側セル基板)23aのカバー層Ca側の表面)に形成されている点、
・第一の導電層50aが、視認側偏光板60aの液晶パネル20a側の表面(具体的には、液晶パネル側保護フィルム61aの液晶パネル20a側の表面)に形成されておらず、基材40aのカバー層Ca側の表面に形成されている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様の構成を有している。
ここで、カラーフィルタ基板23a上への第二の導電層30aの形成、および、基材40a上への第一の導電層50aの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300aによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様に、タッチセンサーの構造を簡素化し、液晶パネル20aとカバー層Caとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20aとカバー層Caとの間の厚さを薄くすることができる。
また、表示装置300aでは、静電容量式タッチパネル付き表示装置100aと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
更に、表示装置300aでは、基材40aを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態a4)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300aの変形例について、要部の構造を図4に示す。
図4に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400aは、
・視認側偏光板60aが液晶パネル側保護フィルム61aを有しておらず、偏光フィルム62aが視認側偏光板60aの液晶パネル20a側の表面(図4では下面)に位置している点、
・第一の導電層50aが、基材40aの液晶パネル20a側の表面に形成されている点、
・基材40aが視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの液晶パネル20a側の表面に貼り合わされている点、
・第一の導電層50aと第二の導電層30aとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の他の例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300aと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置300aと同様の構成を有している。
ここで、基材40aの偏光フィルム62a上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層50aと第二の導電層30aとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置200aで使用したのと同様の、比誘電率の低いアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系、フッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。なお、静電容量式のタッチセンサーを良好に形成する観点からは、接着剤層または粘着剤層は、比誘電率が2以上5以下であることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400aによれば、先の他の例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300aと同様に、タッチセンサーの構造を簡素化し、液晶パネル20aとカバー層Caとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20aとカバー層Caとの間の厚さを薄くすることができる。
また、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板60aの偏光フィルム62aの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
なお、この表示装置400aでは、基材40aを偏光フィルム62aの保護フィルムとして機能させることができるので、視認側偏光板60aの液晶パネル側保護フィルムを不要として、視認側偏光板60aの厚さを薄くすることができる。従って、液晶パネル20aとカバー層Caとの間の厚さを更に薄くすることができる。
以上、実施形態を例示して態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、上記実施形態に限定されることはなく、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置には、適宜変更を加えることができる。具体的には、態様aの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、視認側偏光板と表示パネルとの間に基材以外の任意の追加部材を有する場合には、第一の導電層および第二の導電層のうち基材の表面に形成されていない側の導電層を、当該追加部材の表面に形成してもよい。
<態様b>
以下においては、本発明の具体的な態様の別の例である態様bについて、より具体的な実施形態である、実施形態b1〜b10を参照して説明する。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b1)>
図5に、態様bに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。ここで、図5に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100bは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100bは、有機EL表示(OLED)パネルが配置される側(図5では下側。以下、単に「表示パネル側」という。)から操作者が画像を視認する側(図5では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、表示パネル10bとしての有機EL表示(OLED)パネル11bおよびバリア層12bと、第二の導電層20bと、基材30bと、第一の導電層40bと、偏光板50bとしての表示パネル側保護フィルム51b、偏光フィルム52bおよびカバー層側保護フィルム53bと、カバー層Cbとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置100bでは、第一の導電層40bが表示パネル側保護フィルム51bの一方(表示パネル10b側)の表面に形成されており、第二の導電層20bが基材30bの一方(表示パネル10b側)の表面に形成されている。また、この表示装置100bでは、偏光板50bと、偏光板50bよりも表示パネル10b側に位置する基材30bとが円偏光板を構成している。
なお、表示パネル10bと、第二の導電層20bが形成された基材30bと、第一の導電層40bが形成された表示パネル側保護フィルム51bと、偏光フィルム52bと、カバー層側保護フィルム53bと、カバー層Cbとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。即ち、図5における積層構造の隙間部分には、例えば、接着剤層または粘着剤層が形成される。
[有機EL表示(OLED)パネル]
有機EL表示(OLED)パネル11bとしては、例えば、透明基板表面に透明な電極材料により形成された透明電極と、この透明電極に積層され、EL材料からなる発光層と、この発光層に積層され、上記透明電極に対向して形成された背面電極とを有し、透明基板側に発光する有機EL表示(OLED)パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bでは、有機EL表示(OLED)パネル11bに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、透明電極、発光層および背面電極としては、既知の材料を用いることができる。また、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネルは、上記構造の有機EL表示(OLED)パネル11bを使用したものに限定されることはない。
[バリア層]
有機EL表示(OLED)パネル11bの視認側に位置するバリア層12bとしては、既知の部材、例えば、ガラス製またはプラスチック製の、可視光に対して透明な板を用いて形成することができる。
[第二の導電層]
第二の導電層20bは、基材30bの一方の表面に形成されており、バリア層12bと、基材30bとの間に位置している。そして、第二の導電層20bは、後に詳細に説明する第一の導電層40bと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層20bは、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されないが、導電性ポリマー;銀ペーストやポリマーペーストなどの導電性ペースト;金や銅などの金属コロイド;酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム:ITO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウム−スズ酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物;ヨウ化銅などの金属化合物;金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属;銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ(CNT)などの無機または有機系ナノ材料;を用いて形成することができる。これらの中でも、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーが好ましく、光透過性および耐久性の観点からは酸化インジウムスズが特に好ましい。
なお、CNTを使用する場合、用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTの何れであってもよいが、直径が0.3〜100nmであり、長さが0.1〜20μmであることが好ましい。なお、導電層の透明性を高め、表面抵抗値を低減する観点からは、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNTまたは二層CNTを用いることが好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。
導電層の他の好ましい例としては、上に述べた導電性ペーストを用いて形成したものが挙げられる。導電性ペーストの好ましい例としては、銀微粒子と親水性樹脂とを含むペーストが挙げられる。親水性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
そして、基材30bの表面上への第二の導電層20bの形成は、特に限定されることなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などを用いて行うことができる。
[光学フィルムを有する基材]
基材30bは、第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間に位置しており、図6に示すように、λ/4の位相差を有する光学フィルム32bと、光学フィルム32bの両表面に形成されたハードコート層31b,33bとを有している。そして、基材30bの光学フィルム32bは、当該光学フィルム32bの遅相軸と、後に詳細に説明する偏光板50bの偏光フィルム52bの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、偏光板50bと光学フィルム32bとで円偏光板を形成し、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、カバー層Cb側から偏光板50bを通って表示パネル10b側に進む直線偏光を光学フィルム32bで円偏光にし得る角度(例えば、約45°程度)、より具体的には45°±5°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「λ/4の位相差を有する」とは、光学フィルム32bを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/4倍であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/4倍であるとは、Reがλ/4±65nm、好ましくはλ/4±30nm、より好ましくはλ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム32bの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
[光学フィルム]
光学フィルム32bとしては、熱可塑性樹脂を製膜および延伸することにより得られる、配向処理が施されたフィルムを用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂の延伸方法としては、既知の延伸方法を用いることができるが、斜め延伸を用いることが好ましい。光学フィルム32bは、光学フィルム32bの遅相軸と、偏光板50bの偏光フィルム52bの透過軸とが所定の角度で交差するように積層する必要があるところ、一般的な延伸処理(縦延伸処理または横延伸処理)を施した延伸フィルムの光軸の向きは、フィルムの幅方向と平行な方向または幅方向に直交する方向である。そのため、当該一般的な延伸フィルムと、偏光フィルムとを所定の角度で積層するには、延伸フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。しかし、斜め延伸したフィルムでは、光軸の向きがフィルムの幅方向に対して傾斜した方向になるので、光学フィルム32bとして斜め延伸フィルムを使用すれば、偏光板50bおよび光学フィルム32bを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができるからである。
なお、斜め延伸の方法としては、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものを用いることができる。斜め延伸に用いる延伸機は特に制限されず、従来公知のテンター式延伸機を使用することができる。また、テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機などがあるが、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸できるものであれば、特に制限されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂を斜め延伸するときの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の間である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
光学フィルム32bの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースが好ましく、比誘電率が低いため、シクロオレフィンポリマーが特に好ましく、比誘電率および吸水率の双方が低いため、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製の光学フィルム32bを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある透明樹脂を用いると、光学フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような光学フィルムを、有機EL表示(OELD)パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、光学フィルム32bの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよい。配合剤としては、格別限定はないが、層状結晶化合物;ゴム粒子;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤;等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは、二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、光学フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、フィルム成形時の酸化劣化等によるフィルムの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して通常0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
無機微粒子としては、0.7〜2.5μmの平均粒子径と、1.45〜1.55の屈折率を有するものが好ましい。具体的には、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられ、中でも、シリカ、ゼオライトおよびハイドロタルサイトが好ましい。無機微粒子の添加量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜5質量部である。
滑剤としては、炭化水素系滑剤;脂肪酸系滑剤;高級アルコール系滑剤;脂肪酸アマイド系滑剤;脂肪酸エステル系滑剤;金属石鹸系滑剤;が挙げられる。中でも、炭化水素系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤および脂肪酸エステル系滑剤が好ましい。更に、この中でも、融点が80℃〜150℃および酸価が10mgKOH/mg以下のものが特に好ましい。
融点が80℃〜150℃をはずれ、さらに酸価が10mgKOH/mgよりも大きくなるとヘイズ値が大きくなる虞がある。
そして、光学フィルム32bとして用いられる延伸フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。フィルムが薄すぎると強度が不足したりレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下したり目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、光学フィルム32bとして用いられる延伸フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
なお、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の延伸フィルムを得る方法としては、例えば、(a)揮発性成分含有量が100質量ppm以下の未延伸フィルムを斜め延伸する方法、(b)揮発性成分含有量が100質量ppmを超える未延伸フィルムを用いて、斜め延伸の工程中、または延伸後に乾燥して揮発性成分含有量を低減する方法などが挙げられる。これらの中でも、揮発性成分含有量がより低減された延伸フィルムを得るには、(a)の方法が好ましい。(a)の方法において、揮発性成分含有量が100質量ppm以下である未延伸フィルムを得るには、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の樹脂を溶融押出成形することが好ましい。
そして、光学フィルム32bとして用いられる延伸フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。飽和吸水率が0.01質量%を超えると、使用環境により延伸フィルムに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
また、光学フィルム32bの飽和吸水率が0.01質量%以下であれば、吸水により光学フィルム32bの比誘電率が経時的に変化するのを抑制することができる。従って、図5に示すように、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間に光学フィルム32bを有する基材30bを配置した場合であっても、光学フィルム32bの比誘電率の変化に起因したタッチセンサーの検出感度の変動を抑制することができる。
なお、延伸フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、光学フィルム32bとして用いられる延伸フィルムの比誘電率は、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。図5に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間に光学フィルム32bを有する基材30bが配置されている。従って、基材30bに含まれる光学フィルム32bの比誘電率を小さくすれば、第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間の静電容量を低くし、静電容量式タッチセンサーの検出感度を向上させることができるからである。
また、光学フィルム32bは、光学フィルムに入射した光が長波長側で与えられる位相差が大きくなり、短波長側で与えられる位相差が小さくなる逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を円偏光に変えることができる。
[ハードコート層]
光学フィルム32bの両表面に形成されたハードコート層31b,33bは、光学フィルム32bの傷つきやカールを防止するためのものである。ハードコート層31b,33bの形成に用いられる材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものが好適である。このような材料としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート層形成材料の使用が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。
(メタ)アクリレートとしては、重合性不飽和基を分子内に1つ有するもの、2つ有するもの、3つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に3つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよく、2種類以上のものを用いてもよい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により光学フィルム32b上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により溶剤を除去した後に、アクリル系ハードコート材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気とを調整し、塗膜全面が均一になるように制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は、通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。
また、紫外線の照射は、例えば窒素およびアルゴン等の不活性ガス中において行なってもよく、空気中で行ってもよい。
なお、ハードコート層31b,33bを設ける場合、光学フィルム32bとして用いる延伸フィルムには、ハードコート層31b,33bとの接着性を高める目的で表面処理を施してもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけ光学フィルム32bが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる場合には、コロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光学フィルム32bとハードコート層31b,33bとの密着を強固とすることができる。コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量が1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の光学フィルム32bの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。また、ハードコート形成材料の塗工液は、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層31b,33bの外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
光学フィルム32b上に形成されるハードコート層31b,33bの平均厚みは、通常0.5μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上15μm以下である。ハードコート層31b,33bの厚さがこれよりも厚すぎると、視認性で問題になる可能性があり、薄すぎると耐擦傷性が劣る可能性がある。
ハードコート層31b,33bのヘイズは、0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。このようなヘイズ値であることにより、ハードコート層31b,33bをタッチパネル付き表示装置100b内で好適に使用することができる。
なお、ハードコート層形成材料には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、有機粒子、無機粒子、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
なお、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材30bは、ハードコート層31b,33bを有していなくてもよいし、また、ハードコート層31b,33bに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
ここで、インデックスマッチング層は、基材30bの光学フィルム32bと、基材30b上に形成された導電層(この一例では第一の導電層40bまたは第二の導電層20b)との間に生じる屈折率の差に起因して起きる層の界面における光の反射を防ぐ目的で、基材30bの光学フィルム32bと導電層との間(界面)に設けられるものである。インデックスマッチング層としては、交互に配置された複数の高屈折率膜および低屈折率膜を含むものや、ジルコニア等の金属を含む樹脂層が挙げられる。光学フィルム32bと第一の導電層40bまたは第二の導電層20bとの屈折率が大きく異なっていたとしても、光学フィルム32bと第一の導電層40bまたは第二の導電層20bとの間で第一の導電層40bまたは第二の導電層20bに隣接配置されたインデックスマッチング層によって、基材30bの、導電層が設けられている領域と、導電層が設けられていない領域とで反射率が大きく変化してしまうことを防止することができる。
なお、基材と、該基材に直接積層する層(例えば、導電層、ハードコート層、接着剤層、粘着剤層)との屈折率差が0.05以上であっても、界面反射の影響がない(例えば、基材30bまたは後述する偏光板側基材80bの表示パネル10b側表面に第一の導電層40bが形成されている)場合には、インデックス層を設ける必要が無い。
[低屈折率層]
低屈折率層は、光の反射を防止する目的で設けられるものであり、例えばハードコート層31b,33b上に設けることができる。ハードコート層31b,33b上に設ける場合、低屈折率層とは、ハードコート層31b,33bの屈折率よりも低い屈折率を有する層を指す。低屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmで1.30〜1.45の範囲であることが好ましく、1.35〜1.40の範囲であることがより好ましい。
低屈折率層としては、SiO、TiO、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF、SiO、SiO、LaF、CeF、Al、CeO、Nd、Sb、Ta、ZrO、ZnO、ZnS等よりなる無機化合物が好ましい。また、無機化合物と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機化合物との混合物も低屈折率層形成材料として好ましく用いられる。一例として、紫外線硬化樹脂とシリカ中空粒子とを含む組成物を塗布し、紫外線を照射することにより形成した低屈折率層が挙げられる。低屈折率層の膜厚は、膜厚70nm以上120nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以上110nm以下である。低屈折率層の膜厚が120nmを超えると、反射色に色味が付き、黒表示の時の色再現性が無くなるため、視認性が低下し、好ましくない場合がある。
また、図5に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層40bと、第二の導電層20bとが光学フィルム32bを有する基材30bを挟んで対向しているところ、基材30bの厚みムラが均一であれば、第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間の距離を一定に保ってタッチセンサーの検出感度を良好なものとすることができる。
[第一の導電層]
第一の導電層40bは、表示パネル側保護フィルム51bの一方の表面に形成されており、第二の導電層20bよりもカバー層Cb側、より具体的には、表示パネル側保護フィルム51bと、基材30bとの間に位置している。そして、第一の導電層40bは、基材30bを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層20bと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
そして、第一の導電層40bは、第二の導電層20bと同様の材料を用いて形成することができる。
また、表示パネル側保護フィルム51bの表面上への第一の導電層40bの形成は、第二の導電層20bと同様の方法を用いて行うことができる。
ここで、静電容量式のタッチセンサーを構成する第二の導電層20b及び第一の導電層40bは、パターン化して形成される場合が多い。具体的には、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層40bおよび第二の導電層20bは、対向配置して積層方向に見た際に、直線格子、波線格子またはダイヤモンド状格子などのメッシュ形状を形成するパターンで形成することができる。なお、波線格子とは、交差部間に少なくとも一つの湾曲部を有する形状を指す。このようなパターンを有する導電層のさらなる具体例としては、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、及び特開2010−198799号公報に記載された導電層が挙げられる。これらの形成方法は特に限定されず、既知の方法を用いて形成しうる。
なお、第一の導電層40bおよび第二の導電層20bの厚みは、例えばITOからなる場合には、特に限定されることなく、好ましくは10〜150nmとすることができ、更に好ましくは15〜70nmとすることができる。また、第一の導電層40bおよび第二の導電層20bの表面抵抗率は、特に限定されることなく、好ましくは100〜1000Ω/□とすることができる。
[偏光板]
偏光板50bは、偏光フィルム52bと、偏光フィルム52bを保護する表示パネル側保護フィルム51bおよびカバー層側保護フィルム53bとからなる。上述したように、偏光フィルム52bの透過軸と、基材30bにおける光学フィルム32bの遅相軸とは、積層方向(図5では上下方向)に見て、約45°で交差するように配置される。
偏光板50bとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム52bを2枚の保護フィルム(表示パネル側保護フィルム51bおよびカバー層側保護フィルム53b)で挟んでなる偏光板50bを用いることができる。なお、偏光板50bおよび基材30bを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム32bとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム32bの遅相軸と、偏光フィルム52bの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
[カバー層]
カバー層Cbは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bによれば、カバー層Cbと表示パネル10bとの間に、偏光フィルム52bを有する偏光板50bと、所定の位相差を有し且つ所定の光軸角度で配置された光学フィルム32bを有する基材30bとからなる円偏光板を配置しているので、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。具体的には、カバー層Cb側から偏光板50bを通って表示パネル10b側に進む直線偏光を、基材30bの光学フィルム32bで円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネル10bでの反射光である逆円偏光を基材30bの光学フィルム32bで前記直線偏光と直交する他の直線偏光に変え、偏光板50bで該他の直線偏光のカバー層Cb側への透過を防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bは、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bでは、第二の導電層20bが基材30bに設けられているので、第二の導電層20bを形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。更に、第一の導電層40bが表示パネル側保護フィルム51bに設けられているので、第一の導電層40bを形成するための透明基板も設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置100bの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置100bでは、基材30bの一方側の面のみに導電層20bを形成しているので、基材30bの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
さらに、上記一例の表示装置100bでは、第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間に基材30bを配設しているので、静電容量式タッチセンサーを容易に構成することができる。また、基材30bの光学フィルム32bとして、比誘電率が低く、また、飽和吸水率が小さいフィルムを用いることができるので、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b2)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置100bの変形例について、要部の構造を図7に示す。
図7に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300bは、
・基材30bが第二の導電層20bと表示パネル10bとの間に位置している点、
・第一の導電層40bと第二の導電層20bとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様の構成を有している。
ここで、基材30bのバリア層12b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層40bと第二の導電層20bとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。なお、静電容量式のタッチセンサーを良好に形成する観点からは、接着剤層または粘着剤層は、比誘電率が2以上5以下であることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b3)>
図8に、態様bに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図8に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400bは、
・偏光板50bが表示パネル側保護フィルム51bを有しておらず、偏光フィルム52bが偏光板50bの表示パネル10b側の表面(図8では下面)に位置している点、
・基材30bが偏光板50bの偏光フィルム52bの表示パネル10b側の表面に貼り合わされており、第一の導電層40bが基材30bの表示パネル10b側の表面に形成されている点、
・基材30bの表示パネル10b側、具体的には基材30bと表示パネル10bとの間に、他の基材70bをさらに備え、第二の導電層20bが他の基材70bの表示パネル10b側の表面に形成されている点、
・他の基材70bが、第一の導電層40bと第二の導電層20bとの間に位置する点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様の構成を有している。
ここで、他の基材70bとしては、比誘電率の低く、且つ、位相差を有さない、基材層を用いることができる。前記基材層としては、フィルム層、接着剤層、粘着剤層、などが挙げられる。
また、基材30bの偏光フィルム52b上への貼り付け、および、他の基材70bの第一の導電層40bへの貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、基材30b上への第一の導電層40bの形成、および、他の基材70b上への第二の導電層20bの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置400bでは、他の基材70bを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置400bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。具体的には、基材30bのカバー層Cb側に高屈折率層(例えば、導電層)が隣接配置されていないので、基材と、基材に隣接する層との屈折率差が0.05以上であっても、界面反射の影響が少なく、インデックス層を設ける必要が無い。
なお、この表示装置400bでは、基材30bを偏光フィルム52bの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置400bでは、基材30bとして、光学フィルム32bの偏光フィルム52b側にハードコート層33bを有さない基材(即ち、光学フィルム32bがカバー層Cb側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム32bと偏光フィルム52bとを貼り合わせてもよい。偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bに加えて基材30bのハードコート層33bも不要とすれば、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b4)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400bの変形例について、要部の構造を図9に示す。
図9に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置500bは、
・他の基材70bが第二の導電層20bと表示パネル10bとの間に位置している点、
・第一の導電層40bと第二の導電層20bとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400bと同様の構成を有している。
ここで、他の基材70bのバリア層12b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層40bと第二の導電層20bとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置300bで使用したのと同様の、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置500bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置500bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
なお、この表示装置500bでは、基材30bを偏光フィルム52bの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを更に薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b5)>
図10に、態様bに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図10に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置600bは、
・偏光板50bが表示パネル側保護フィルム51bを有しておらず、偏光フィルム52bが偏光板50bの表示パネル10b側の表面(図10では下面)に位置している点、
・基材30bと、偏光板50bとの間に偏光板側基材80bを更に含み、円偏光板が、基材30bと、偏光板側基材80bと、偏光板50bとで形成されている点、
・偏光板側基材80bが偏光板50bの偏光フィルム52bの表示パネル10b側の表面に貼り合わされており、第一の導電層40bが偏光板側基材80bの表示パネル10b側の表面に形成されている点、
・偏光板側基材80bが、λ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有する点、
・光学フィルム32bの遅相軸と、他の光学フィルムの遅相軸と、偏光フィルム52bの透過軸とが所定の角度で交差している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様の構成を有している。
ここで、偏光板側基材80bの偏光フィルム52b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、偏光板側基材80b上への第一の導電層40bの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
偏光板側基材80bは、λ/4の位相差の光学フィルムに替えて、λ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有する点、において基材30bと構成が異なり、他の点では、基材30bと同様の構成を有している。そして、他の光学フィルムは、光学フィルム32bと同様の材料および方法を使用して製造することができる。
ここで、「λ/2の位相差を有する」とは、偏光板側基材80bの他の光学フィルムを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/2であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/2倍であるとは、Reがλ/2±65nm、好ましくはλ/2±30nm、より好ましくはλ/2±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは他の光学フィルムの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
また、光学フィルム32bおよび偏光板側基材80bの他の光学フィルムは、2枚の組合せでλ/4の位相差を与える光学板(所謂、広帯域1/4波長板)となるものであり、また、共に、同じ波長分散特性を有している同一の素材からなるものであることが好ましい。
さらに、光学フィルム32bおよび偏光板側基材80bの他の光学フィルムは、光学フィルム32bの遅相軸と、偏光板50bの偏光フィルム52bの透過軸との交差角、および、偏光板側基材80bの他の光学フィルムの遅相軸と、偏光板50bの偏光フィルム52bの透過軸との交差角が、それぞれ、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、広帯域1/4波長板を形成し得る角度、具体的には、カバー層Cb側から偏光板50bを通って表示パネル10b側に進む直線偏光Aが他の光学フィルムおよび光学フィルム32bを順次通過すると円偏光Aに変わり、また、円偏光Aが表示パネル10bで反射してなる逆円偏光Bが光学フィルム32bおよび他の光学フィルムを順次通過すると、前記直線偏光Aと直交する他の直線偏光Bに変わる角度である。
具体的には、「所定の角度」は、他の光学フィルムおよび光学フィルム32bが同一の波長分散特性を有している場合には、光学フィルム32bの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角をX°、偏光板側基材80bの他の光学フィルムの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角をY°としたときに、X−2Y=45°が成り立つ角度である。より具体的には、「所定の角度」は、例えば、(i)光学フィルム32bの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角を約75°とし、偏光板側基材80bの他の光学フィルムの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角を約15°とした組合せ、(ii)光学フィルム32bの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角を約90°とし、偏光板側基材80bの他の光学フィルムの遅相軸と偏光フィルム52bの透過軸との交差角を約22.5°とした組合せ、などが挙げられる。
ここで、「約75°」は、より具体的には、75°±5°、好ましくは75°±3°、より好ましくは75°±1°、更に好ましくは75°±0.3°の範囲内の角度であり、「約15°」は、より具体的には、15°±5°、好ましくは15°±3°、より好ましくは15°±1°、更に好ましくは15°±0.3°の範囲内の角度であり、「約90°」は、より具体的には、90°±5°、好ましくは90°±3°、より好ましくは90°±1°、更に好ましくは90°±0.3°の範囲内の角度であり、「約22.5°」は、より具体的には、22.5°±5°、好ましくは22.5°±3°、より好ましくは22.5°±1°、更に好ましくは22.5°±0.3°の範囲内の角度である。
なお、偏光板50bと共に構成する積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる点で、偏光フィルム52bの透過軸との交差角が約90°となる光学フィルム32bは、縦延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム52bの透過軸との交差角が約75°となる光学フィルム32bは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム52bの透過軸との交差角が約15°となる他の光学フィルムは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム52bの透過軸との交差角が約22.5°となる他の光学フィルムは、斜め延伸フィルムであることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置600bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置600bでは、基材30bを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置600bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、この表示装置600bでは、偏光板側基材80bを偏光フィルム52bの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを更に薄くすることができる。
また、この表示装置600bでは、光学フィルム32bと偏光板側基材80bの他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b6)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置600bの変形例について、要部の構造を図11に示す。
図11に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置700bは、
・基材30bが第二の導電層20bと表示パネル10bとの間に位置している点、
・第一の導電層40bと第二の導電層20bとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置600bと同様の構成を有している。
ここで、基材30bのバリア層12b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層40bと第二の導電層20bとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置300bで使用したのと同様の、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置700bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置700bでは、基材30bを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置700bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
また、先の一例の表示装置600bと同様に、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。更に、光学フィルム32bと偏光板側基材80bの他の光学フィルムとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b7)>
図12に、態様bに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図12に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置800bは、
・第一の導電層40bが基材30bのカバー層Cb側の表面に形成されている点、
・第二の導電層20bがバリアガラス12bのカバー層Cb側の表面に形成されている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様の構成を有している。
ここで、第一の導電層40bの表示パネル側保護フィルム51b上への貼り付け、および、第二の導電層20b上への基材30bの貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、基材30b上への第一の導電層40bの形成、および、バリアガラス12b上への第二の導電層20bの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置800bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置800bでは、基材30bを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b8)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置800bの変形例について、要部の構造を図13に示す。
図13に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置900bは、
・基材30bが第一の導電層40bと表示パネル側保護フィルム51bとの間に位置している点、
・第一の導電層40bと第二の導電層20bとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置800bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置800bと同様の構成を有している。
ここで、基材30bの表示パネル側保護フィルム51b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層40bと第二の導電層20bとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置300bで使用したのと同様の、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置900bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置800bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置900bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b9)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置900bの変形例について、要部の構造を図14に示す。
図14に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置1000bは、
・偏光板50bが表示パネル側保護フィルム51bを有しておらず、偏光フィルム52bが偏光板50bの表示パネル10b側の表面(図14では下面)に位置している点、
・基材30bが偏光板50bの偏光フィルム52bの表示パネル10b側の表面に貼り合わされている点、
において先の他の例の静電容量式タッチパネル付き表示装置900bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置900bと同様の構成を有している。
ここで、基材30bの偏光フィルム52b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層40bと第二の導電層20bとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置300bで使用したのと同様の、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置1000bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置900bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置1000bによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
また、この表示装置1000bでは、基材30bを偏光フィルム52bの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置1000bでは、基材30bとして、光学フィルム32bの偏光フィルム52b側にハードコート層33bを有さない基材(即ち、光学フィルム32bがカバー層Cb側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム32bと偏光フィルム52bとを貼り合わせてもよい。偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bに加えて基材30bのハードコート層33bも不要とすれば、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b10)>
図15に、態様bに従う第5の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図15に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置1100bは、
・第一の導電層40bがカバー層Cbの表示パネル10b側の表面に形成されている点、
・第二の導電層20bがカバー層側保護フィルム53bのカバー層Cb側の表面に形成されている点、
・偏光板50bが表示パネル側保護フィルム51bを有しておらず、偏光フィルム52bが偏光板50bの表示パネル10b側の表面(図15では下面)に位置している点、
・基材30bが偏光板50bの偏光フィルム52bの表示パネル10b側の表面に貼り合わされている点、
・基材30bがバリア層12bのカバー層Cb側の表面に貼り合わされている点、
・第一の導電層40bと第二の導電層20bとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様の構成を有している。
ここで、基材30bの偏光フィルム52bおよびバリア層12b上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、カバー層Cb上への第一の導電層40bの形成、および、カバー層側保護フィルム53b上への第二の導電層20bの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100bにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置1100bによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100bと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル10bとカバー層Cbとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを薄くすることができる。
ここで、この表示装置1100bでは、基材30bとして、光学フィルム32bの偏光フィルム52b側にハードコート層33bを有さない基材(即ち、光学フィルム32bがカバー層Cb側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム32bと偏光フィルム52bとを貼り合わせてもよい。偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bに加えて基材30bのハードコート層33bも不要とすれば、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置1100bによれば、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層40bおよび第二の導電層20bをカバー層Cbと偏光板50bとの間に配設しているので、偏光板50bよりも表示パネル10b側に第一の導電層40bおよび第二の導電層20bを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、表示パネル10bと、タッチセンサーを構成する第一の導電層40bおよび第二の導電層20bとの間の距離を確保して、表示パネル10b側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
なお、この表示装置1100bでは、基材30bを偏光フィルム52bの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板50bの表示パネル側保護フィルム51bを不要として、偏光板50bの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル10bとカバー層Cbとの間の厚さを更に薄くすることができる。
以上、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、上記に限定されることはなく、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置には、適宜変更を加えることができる。具体的には、態様bの静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態b1〜実施形態b10)は、基材以外の任意の追加部材を有する場合には、第一の導電層および第二の導電層のうち基材の表面に形成されていない側の導電層を、当該追加部材の表面に形成してもよい。
<態様c>
以下においては、本発明の具体的な態様の別の例である態様cについて、より具体的な実施形態である、実施形態c1〜c4を参照して説明する。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態c1)>
図16に、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置の一例の要部の構造を示す。ここで、図16に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100cは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100cは、バックライトが照射される側(図16では下側。以下、単に「バックライト側」という。)から操作者が画像を視認する側(図16では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、バックライト側偏光板10cと、表示パネルとしての液晶パネル20cと、位相差フィルム30cと、視認側偏光板40cと、第二の導電層50cと、基材60cと、第一の導電層70cと、カバー層Ccとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置100cでは、第一の導電層70cがカバー層Ccの一方(液晶パネル20c側)の表面に形成されており、第二の導電層50cが基材60cの一方(液晶パネル20c側)の表面に形成されている。
なお、バックライト側偏光板10cと、液晶パネル20cと、位相差フィルム30cと、視認側偏光板40cと、第二の導電層50cが形成された基材60cと、第一の導電層70cが形成されたカバー層Ccとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。
[バックライト側偏光板]
バックライト側偏光板10cとしては、偏光フィルムを有する既知の偏光板、例えば、偏光フィルムを2枚の保護フィルムで挟んでなる偏光板を用いることができる。そして、バックライト側偏光板10cは、バックライト側偏光板10cの偏光フィルムの透過軸と、後に詳細に説明する視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが積層方向(図16では上下方向)に見て直交するように配置されて、液晶パネル20cを利用した画像の表示を可能にする。
[液晶パネル]
液晶パネル20cとしては、例えば、バックライト側に位置する薄膜トランジスタ基板21cと、視認側に位置するカラーフィルタ基板23cとの間に液晶層22cを挟んでなる液晶パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cでは、バックライト側偏光板10cと視認側偏光板40cとの間に配置された液晶パネル20cの液晶層22cに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、薄膜トランジスタ基板21cおよびカラーフィルタ基板23cとしては、既知の基板を用いることができる。また、液晶層22cとしては、既知の液晶層を用いることができる。なお、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネルは、上記構造の液晶パネル20cに限定されることはない。
[位相差フィルム]
位相差フィルム30cは、光学補償用のフィルムであり、液晶層22cの視野角依存性や、斜視時の偏光板10c,40cの光漏れ現象を補償して、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cの視野角特性を向上させる。
そして、位相差フィルム30cとしては、例えば、既知の縦一軸延伸フィルム、横一軸延伸フィルム、縦横二軸延伸フィルム、または、液晶性化合物を重合させてなる位相差フィルムを用いることができる。具体的には、位相差フィルム30cとしては、特に限定されることなく、ポリ(メタ)アクリレート、シクロオレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂を既知の方法で製膜してなる熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸したものが挙げられる。そして、市販の熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などが挙げられる(いずれも商品名)。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。熱可塑性樹脂には、ゴム粒子等の配合剤を配合してもよい。ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、位相差フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
なお、位相差フィルム30cは、積層方向に見て、位相差フィルム30cの遅相軸と、偏光板10c,40cの偏光フィルムの透過軸とが、例えば、平行になるように、または、直交するように配置することができる。
[視認側偏光板]
視認側偏光板40cとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム42cを2枚の保護フィルム(バックライト側保護フィルム41cおよびカバー層側保護フィルム43c)で挟んでなる偏光板40cを用いることができる。
[第二の導電層]
第二の導電層50cは、基材60cの一方の表面に形成されており、視認側偏光板40cと、基材60cとの間、より詳細には視認側偏光板40cのカバー層側保護フィルム43cと、基材60cとの間に位置している。そして、第二の導電層50cは、基材60cを挟んで積層方向に離隔して位置する第一の導電層70cと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層50cは、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されないが、導電性ポリマー;銀ペーストやポリマーペーストなどの導電性ペースト;金や銅などの金属コロイド;酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム:ITO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウム−スズ酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物;ヨウ化銅などの金属化合物;金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属;銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ(CNT)などの無機または有機系ナノ材料;を用いて形成することができる。これらの中でも、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーが好ましく、光透過性および耐久性の観点からは酸化インジウムスズが特に好ましい。
なお、CNTを使用する場合、用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTの何れであってもよいが、直径が0.3〜100nmであり、長さが0.1〜20μmであることが好ましい。なお、導電層の透明性を高め、表面抵抗値を低減する観点からは、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNTまたは二層CNTを用いることが好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。
導電層の他の好ましい例としては、上に述べた導電性ペーストを用いて形成したものが挙げられる。導電性ペーストの好ましい例としては、銀微粒子と親水性樹脂とを含むペーストが挙げられる。親水性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
そして、基材60cの表面上への第二の導電層50cの形成は、特に限定されることなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などを用いて行うことができる。
[光学フィルムを有する基材]
第二の導電層50cが形成された基材60cは、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルム62cと、光学フィルム62cの両表面に形成されたハードコート層61c,63cとを有している。そして、基材60cは、第二の導電層50cと第一の導電層70cとの間に位置しており、第一の導電層70cおよび第二の導電層50cを用いて構成される静電容量式タッチセンサーの絶縁層として機能する。なお、基材60cの光学フィルム62cは、当該光学フィルム62cの遅相軸と、視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、液晶パネル20c側から視認側偏光板40cを通ってカバー層Cc側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えて、操作者が偏光サングラスを装着した状態でも表示内容を視認可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、約45°程度、より具体的には45°±10°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する」とは、光学フィルム62cを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約(2n−1)/4倍[但し、nは正の整数であり、好ましくは1である]であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約(2n−1)/4倍であるとは、Reが(2n−1)λ/4±65nm、好ましくは(2n−1)λ/4±30nm、より好ましくは(2n−1)λ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム62cの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
[光学フィルム]
光学フィルム62cとしては、熱可塑性樹脂を製膜および延伸することにより得られる、配向処理が施されたフィルムを用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂の延伸方法としては、既知の延伸方法を用いることができるが、斜め延伸を用いることが好ましい。光学フィルム62cは、光学フィルム62cの遅相軸と、視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが所定の角度で交差するように積層する必要があるところ、一般的な延伸処理(縦延伸処理または横延伸処理)を施した延伸フィルムの光軸の向きは、フィルムの幅方向と平行な方向または幅方向に直交する方向である。そのため、当該一般的な延伸フィルムと、偏光フィルムとを所定の角度で積層するには、延伸フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。しかし、斜め延伸したフィルムでは、光軸の向きがフィルムの幅方向に対して傾斜した方向になるので、光学フィルム62cとして斜め延伸フィルムを使用すれば、視認側偏光板40cおよび光学フィルム62cを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができるからである。なお、視認側偏光板40cおよび光学フィルム62cを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム62cとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム62cの遅相軸と、偏光フィルム42cの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
斜め延伸の方法としては、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものを用いることができる。斜め延伸に用いる延伸機は特に制限されず、従来公知のテンター式延伸機を使用することができる。また、テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機などがあるが、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸できるものであれば、特に制限されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂を斜め延伸するときの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の間である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
光学フィルム62cの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースが好ましく、比誘電率が低いため、シクロオレフィンポリマーが更に好ましく、比誘電率および吸水率の双方が低いため、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製の光学フィルム62cを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある透明な熱可塑性樹脂を用いると、光学フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような光学フィルムを、液晶パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、光学フィルム62cの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよい。配合剤としては、格別限定はないが、層状結晶化合物;ゴム粒子;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤;等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは、二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、光学フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、フィルム成形時の酸化劣化等によるフィルムの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して通常0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
無機微粒子としては、0.7〜2.5μmの平均粒子径と、1.45〜1.55の屈折率を有するものが好ましい。具体的には、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられ、中でも、シリカ、ゼオライトおよびハイドロタルサイトが好ましい。無機微粒子の添加量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜5質量部である。
滑剤としては、炭化水素系滑剤;脂肪酸系滑剤;高級アルコール系滑剤;脂肪酸アマイド系滑剤;脂肪酸エステル系滑剤;金属石鹸系滑剤;が挙げられる。中でも、炭化水素系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤および脂肪酸エステル系滑剤が好ましい。更に、この中でも、融点が80℃〜150℃および酸価が10mgKOH/mg以下のものが特に好ましい。
融点が80℃〜150℃をはずれ、さらに酸価が10mgKOH/mgよりも大きくなるとヘイズ値が大きくなる虞がある。
そして、光学フィルム62cとして用いられる延伸フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。フィルムが薄すぎると強度が不足したりレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下したり目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、光学フィルム62cとして用いられる延伸フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
なお、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の延伸フィルムを得る方法としては、例えば、(a)揮発性成分含有量が100質量ppm以下の未延伸フィルムを斜め延伸する方法、(b)揮発性成分含有量が100質量ppmを超える未延伸フィルムを用いて、斜め延伸の工程中、または延伸後に乾燥して揮発性成分含有量を低減する方法などが挙げられる。これらの中でも、揮発性成分含有量がより低減された延伸フィルムを得るには、(a)の方法が好ましい。(a)の方法において、揮発性成分含有量が100質量ppm以下である未延伸フィルムを得るには、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の樹脂を溶融押出成形することが好ましい。
そして、光学フィルム62cとして用いられる延伸フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。飽和吸水率が0.01質量%を越えると、使用環境により延伸フィルムに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。そして、例えば、液晶パネル20cとして反射型液晶パネルを用いた場合に、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラが発生するおそれがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
また、光学フィルム62cの飽和吸水率が0.01質量%以下であれば、吸水により光学フィルム62cの比誘電率が経時的に変化するのを抑制することができる。従って、図16に示すように、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70cと第二の導電層50cとの間に光学フィルム62cを有する基材60cを配置した場合であっても、光学フィルム62cの比誘電率の変化に起因したタッチセンサーの検出感度の変動を抑制することができる。
なお、延伸フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、光学フィルム62cとして用いられる延伸フィルムの比誘電率は、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。図16に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100cでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70cと第二の導電層50cとの間に光学フィルム62cを有する基材60cが配置されている。従って、基材60cに含まれる光学フィルム62cの比誘電率を小さくすれば、第一の導電層70cと第二の導電層50cとの間の静電容量を低くし、静電容量式タッチセンサーの検出感度を向上させることができるからである。
[ハードコート層]
光学フィルム62cの両表面に形成されたハードコート層61c,63cは、光学フィルム62cの傷つきやカールを防止するためのものである。ハードコート層61c,63cの形成に用いられる材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものが好適である。このような材料としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート層形成材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート層形成材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート層形成材料の使用が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。
(メタ)アクリレートとしては、重合性不飽和基を分子内に1つ有するもの、2つ有するもの、3つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に3つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよく、2種類以上のものを用いてもよい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート層形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により光学フィルム62c上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により溶剤を除去した後に、アクリル系ハードコート層材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート層材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気とを調整し、塗膜全面が均一になるように制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート層形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は、通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。また、紫外線の照射は、例えば窒素およびアルゴン等の不活性ガス中において行なってもよく、空気中で行ってもよい。
なお、ハードコート層61c,63cを設ける場合、光学フィルム62cとして用いる延伸フィルムには、ハードコート層61c,63cとの接着性を高める目的で表面処理を施してもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけ光学フィルム62cが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる場合には、コロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光学フィルム62cとハードコート層61c,63cとの密着を強固とすることができる。コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量が1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の光学フィルム62cの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。また、ハードコート層形成材料の塗工液は、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層61c,63cの外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
光学フィルム62c上に形成されるハードコート層61c,63cの平均厚みは、通常0.5μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上15μm以下である。ハードコート層61c,63cの厚さがこれよりも厚すぎると、視認性で問題になる可能性があり、薄すぎると耐擦傷性が劣る可能性がある。
ハードコート層61c,63cのヘイズは、0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。このようなヘイズ値であることにより、ハードコート層61c,63cをタッチパネル付き表示装置100c内で好適に使用することができる。
なお、ハードコート層形成材料には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、有機粒子、無機粒子、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
なお、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材60cは、ハードコート層61c,63cを有していなくてもよいし、また、ハードコート層61c,63cに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
ここで、インデックスマッチング層は、基材60cの光学フィルム62cと、基材60c上に形成された導電層(この一例では第二の導電層50c)との間に生じる屈折率の差に起因して起きる層の界面における光の反射を防ぐ目的で、基材60cの光学フィルム62cと導電層との間(界面)に設けられるものである。インデックスマッチング層としては、交互に配置された複数の高屈折率膜および低屈折率膜を含むものや、ジルコニア等の金属を含む樹脂層が挙げられる。光学フィルム62cと第二の導電層50cとの屈折率が大きく異なっていたとしても、光学フィルム62cと第二の導電層50cとの間で第二の導電層50cに隣接配置されたインデックスマッチング層によって、基材60cの、導電層が設けられている領域と、導電層が設けられていない領域とで反射率が大きく変化してしまうことを防止することができる。
[低屈折率層]
低屈折率層は、光の反射を防止する目的で設けられるものであり、例えばハードコート層61c,63c上に設けることができる。ハードコート層61c,63c上に設ける場合、低屈折率層とは、ハードコート層61c,63cの屈折率よりも低い屈折率を有する層を指す。低屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmで1.30〜1.45の範囲であることが好ましく、1.35〜1.40の範囲であることがより好ましい。
低屈折率層としては、SiO、TiO、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF、SiO、SiO、LaF、CeF、Al、CeO、Nd、Sb、Ta、ZrO、ZnO、ZnS等よりなる無機化合物が好ましい。また、無機化合物と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機化合物との混合物も低屈折率層形成材料として好ましく用いられる。一例として、紫外線硬化樹脂とシリカ中空粒子とを含む組成物を塗布し、紫外線を照射することにより形成した低屈折率層が挙げられる。低屈折率層の膜厚は、膜厚70nm以上120nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以上110nm以下である。低屈折率層の膜厚が120nmを超えると、反射色に色味が付き、黒表示の時の色再現性が無くなるため、視認性が低下し、好ましくない場合がある。
[第一の導電層]
第一の導電層70cは、カバー層Ccの一方の表面に形成されており、第二の導電層50cよりもカバー層Cc側、より具体的には、基材60cと、カバー層Ccとの間に位置している。そして、第一の導電層70cは、基材60cを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層50cと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
そして、第一の導電層70cは、第二の導電層50cと同様の材料を用いて形成することができる。
また、カバー層Ccの表面上への第一の導電層70cの形成は、第二の導電層50cと同様の方法を用いて行うことができる。
ここで、静電容量式のタッチセンサーを構成する第二の導電層50c及び第一の導電層70cは、パターン化して形成される場合が多い。具体的には、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層70cおよび第二の導電層50cは、対向配置して積層方向に見た際に、直線格子、波線格子またはダイヤモンド状格子などのメッシュ形状を形成するパターンで形成することができる。なお、波線格子とは、交差部間に少なくとも一つの湾曲部を有する形状を指す。このようなパターンを有する導電層のさらなる具体例としては、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、及び特開2010−198799号公報に記載された導電層が挙げられる。これらの形成方法は特に限定されず、既知の方法を用いて形成しうる。
なお、第一の導電層70cおよび第二の導電層50cの厚みは、例えばITOからなる場合には、特に限定されることなく、好ましくは10〜150nmとすることができ、更に好ましくは15〜70nmとすることができる。また、第一の導電層70cおよび第二の導電層50cの表面抵抗率は、特に限定されることなく、好ましくは100〜1000Ω/□とすることができる。
[カバー層]
第一の導電層70cが形成されたカバー層Ccは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cによれば、視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に所定の位相差を有する光学フィルム62cを備えた基材60cを配置しているので、視認側偏光板40cを通ってカバー層Cc側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えることができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cは、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cでは、第二の導電層50cが基材60cに設けられているので、第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。更に、第一の導電層70cがカバー層Ccに設けられているので、第一の導電層を形成するための透明基板も設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置の薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置100cでは、基材60cの一方側の面のみに導電層を形成しているので、基材60cの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、上記一例の表示装置100cでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層70cおよび第二の導電層50cを視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に配設しているので、視認側偏光板40cよりも液晶パネル20c側に第一の導電層70cおよび第二の導電層50cを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、液晶パネル20cと、タッチセンサーを構成する第一の導電層70cおよび第二の導電層50cとの間の距離を確保して、液晶パネル20c側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
また、表示装置100cでは、第一の導電層70cと第二の導電層50cとの間に基材60cを配設しているので、静電容量式タッチセンサーを容易に構成することができる。また、基材60cの光学フィルム62cとして、比誘電率が低く、また、飽和吸水率が小さいフィルムを用いることができるので、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態c2)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置100cの変形例について、要部の構造を図17に示す。
図17に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200cは、
・視認側偏光板40cがカバー層側保護フィルム43cを有しておらず、偏光フィルム42cが視認側偏光板40cのカバー層Cc側の表面(図17では上面)に位置している点、
・基材60cが視認側偏光板40cと第二の導電層50cとの間に位置しており、第二の導電層50cが基材60cのカバー層Cc側の表面に形成されている点、
・基材60cが視認側偏光板40cの偏光フィルム42cのカバー層Cc側の表面に貼り合わされている点、
・第一の導電層70cと第二の導電層50cとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様の構成を有している。
ここで、基材60cの偏光フィルム42c上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
また、第一の導電層70cと第二の導電層50cとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。なお、静電容量式のタッチセンサーを良好に形成する観点からは、接着剤層または粘着剤層は、比誘電率が2以上5以下であることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200cによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さを薄くすることができる。更に、表示装置200cでは、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様に、液晶パネル20c側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
なお、この表示装置200cでは、基材60cを偏光フィルム42cの保護フィルムとして機能させることができるので、視認側偏光板40cのカバー層側保護フィルムを不要として、視認側偏光板40cの厚さを薄くすることができる。従って、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置200cでは、基材60cとして、光学フィルム62cの偏光フィルム42c側にハードコート層61cを有さない基材(即ち、光学フィルム62cが液晶パネル20c側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム62cと偏光フィルム42cとを貼り合わせてもよい。視認側偏光板40cのカバー層側保護フィルムに加えて基材60cのハードコート層61cも不要とすれば、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態c3)>
図18に、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置の他の例の要部の構造を示す。
ここで、図18に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300cは、
・第二の導電層50cが、基材60cの表面に形成されておらず、視認側偏光板40cのカバー層Cc側の表面(具体的には、カバー層側保護フィルム43cのカバー層Cc側の表面)に形成されている点、
・第一の導電層70cが、カバー層Ccの表面に形成されておらず、基材60cのカバー層Cc側の表面に形成されている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様の構成を有している。
ここで、視認側偏光板40c上への第二の導電層50cの形成、および、基材60c上への第一の導電層70cの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300cによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さを薄くすることができる。更に、表示装置300cでは、静電容量式タッチパネル付き表示装置100cと同様に、液晶パネル20c側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。また、表示装置300cでは、基材60cを用いて、静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態c4)>
次に、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300cの変形例について、要部の構造を図19に示す。
図19に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400cは、
・基材60cが第一の導電層70cとカバー層Ccとの間に位置している点、
・第一の導電層70cと第二の導電層50cとが、比誘電率の低い接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている点、
において先の他の例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300cと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置300cと同様の構成を有している。
ここで、第一の導電層70cと第二の導電層50cとを貼り合わせる接着剤層または粘着剤層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置200cで使用したのと同様の、比誘電率の低い、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系およびフッ素系の樹脂などからなる接着剤層または粘着剤層を用いることができる。なお、静電容量式のタッチセンサーを良好に形成する観点からは、接着剤層または粘着剤層は、比誘電率が2以上5以下であることが好ましい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400cによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300cと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40cの偏光フィルム42cの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40cとカバー層Ccとの間に存在する部材の数を削減して、液晶パネル20cとカバー層Ccとの間の厚さを薄くすることができる。更に、表示装置400cでは、静電容量式タッチパネル付き表示装置300cと同様に、液晶パネル20c側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
以上、実施形態を例示して態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、上記実施形態に限定されることはなく、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置には、適宜変更を加えることができる。具体的には、態様cの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、視認側偏光板とカバー層との間に基材以外の任意の追加部材を有する場合には、第一の導電層および第二の導電層のうち基材の表面に形成されていない側の導電層を、当該追加部材の表面に形成してもよい。
<態様d>
以下においては、本発明の具体的な態様の別の例である態様dについて、より具体的な実施形態である、実施形態d1〜d3及びそれらの変形例を参照して説明する。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態d1)>
図20に、態様dに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。ここで、図20に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100dは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100dは、バックライトが照射される側(図20では下側。以下、単に「バックライト側」という。)から操作者が画像を視認する側(図20では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、バックライト側偏光板10dと、表示パネル20dとしての液晶パネルと、光学補償用の位相差フィルム30dと、視認側偏光板40dと、第二の導電層50dと、基材60dと、第一の導電層70dと、カバー層Cdとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置100dでは、第一の導電層70dが基材60dの一方(カバー層Cd側)に形成されており、第二の導電層50dが基材60dの他方(表示パネル20d側)の表面に形成されている。
なお、バックライト側偏光板10dと、表示パネル20dと、位相差フィルム30dと、視認側偏光板40dと、第一の導電層70d及び第二の導電層50dが形成された基材60dと、カバー層Cdとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。即ち、図20における積層構造の隙間部分には、例えば、接着剤層または粘着剤層が形成される。
[バックライト側偏光板]
バックライト側偏光板10dとしては、偏光フィルムを有する既知の偏光板、例えば、偏光フィルムを2枚の保護フィルムで挟んでなる偏光板を用いることができる。そして、バックライト側偏光板10dは、バックライト側偏光板10dの偏光フィルムの透過軸と、後に詳細に説明する視認側偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸とが積層方向(図20では上下方向)に見て直交するように配置されて、表示パネル20dとしての液晶パネルを利用した画像の表示を可能にする。
[表示(液晶)パネル]
表示パネル20dとしての液晶パネルとしては、2枚の基板間に液晶層を挟んでなる液晶パネル、例えば、バックライト側に位置する薄膜トランジスタ基板21dと、視認側に位置するカラーフィルタ基板23dとの間に液晶層22dを挟んでなる液晶パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dでは、バックライト側偏光板10dと視認側偏光板40dとの間に配置された液晶パネルの液晶層22dに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、薄膜トランジスタ基板21dおよびカラーフィルタ基板23dとしては、既知の基板を用いることができる。また、液晶層22dとしては、既知の液晶層を用いることができる。なお、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネル20dは、上記構造の液晶パネルに限定されることはない。
[位相差フィルム]
位相差フィルム30dは、光学補償用のフィルムであり、液晶層22dの視野角依存性や、斜視時の偏光板10d,40dの光漏れ現象を補償して、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dの視野角特性を向上させる。
そして、位相差フィルム30dとしては、例えば、既知の縦一軸延伸フィルム、横一軸延伸フィルム、縦横二軸延伸フィルム、または、液晶性化合物を重合させてなる位相差フィルムを用いることができる。具体的には、位相差フィルム30dとしては、特に限定されることなく、ポリ(メタ)アクリレート、シクロオレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂を既知の方法で製膜してなる熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸したものが挙げられる。そして、市販の熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などが挙げられる(いずれも商品名)。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。熱可塑性樹脂には、ゴム粒子等の配合剤を配合してもよい。ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、位相差フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
また、位相差フィルム30dの両表面に、後述するハードコート層を形成してもよい。
なお、位相差フィルム30dは、積層方向に見て、位相差フィルム30dの遅相軸と、偏光板10d,40dの偏光フィルムの透過軸とが、例えば、平行になるように、または、直交するように配置することができる。
[視認側偏光板]
視認側偏光板40dとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム42dを2枚の保護フィルム(バックライト側保護フィルム41dおよびカバー層側保護フィルム43d)で挟んでなる偏光板40dを用いることができる。
[第二の導電層]
第二の導電層50dは、基材60dの一方(表示パネル20d側)の表面に形成されており、視認側偏光板40dと、基材60dとの間、より詳細には視認側偏光板40dのカバー層側保護フィルム43dと、基材60dとの間に位置している。そして、第二の導電層50dは、基材60dを挟んで積層方向に離隔して位置する第一の導電層70dと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層50dは、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されないが、導電性ポリマー;銀ペーストやポリマーペーストなどの導電性ペースト;金や銅などの金属コロイド;酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム:ITO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウム−スズ酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物;ヨウ化銅などの金属化合物;金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属;銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ(CNT)などの無機または有機系ナノ材料;を用いて形成することができる。これらの中でも、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーが好ましく、光透過性および耐久性の観点からは酸化インジウムスズが特に好ましい。
なお、CNTを使用する場合、用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTの何れであってもよいが、直径が0.3〜100nmであり、長さが0.1〜20μmであることが好ましい。なお、導電層の透明性を高め、表面抵抗値を低減する観点からは、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNTまたは二層CNTを用いることが好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。
導電層の他の好ましい例としては、上に述べた導電性ペーストを用いて形成したものが挙げられる。導電性ペーストの好ましい例としては、銀微粒子と親水性樹脂とを含むペーストが挙げられる。親水性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
[第一の導電層]
第一の導電層70dは、基材60dの他方(カバー層Cd側)の表面に形成されており、第二の導電層50dよりもカバー層Cd側、より具体的には、基材60dと、カバー層Cdとの間に位置している。そして、第一の導電層70dは、基材60dを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層50dと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
そして、第一の導電層70dは、第二の導電層50dと同様の材料を用いて形成することができる。
ここで、静電容量式のタッチセンサーを構成する第二の導電層50d及び第一の導電層70dは、パターン化して形成される場合が多い。具体的には、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層70dおよび第二の導電層50dは、対向配置して積層方向に見た際に、直線格子、波線格子またはダイヤモンド状格子などのメッシュ形状を形成するパターンで形成することができる。なお、波線格子とは、交差部間に少なくとも一つの湾曲部を有する形状を指す。このようなパターンを有する導電層のさらなる具体例としては、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、及び特開2010−198799号公報に記載された導電層が挙げられる。これらの形成方法は特に限定されず、既知の方法を用いて形成しうる。
そして、基材60dの各表面上への第一の導電層70dおよび第二の導電層50dの形成は、特に限定されることなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などを用いて行うことができる。
なお、第一の導電層70dおよび第二の導電層50dの厚みは、例えばITOからなる場合には、特に限定されることなく、好ましくは10〜150nmとすることができ、更に好ましくは15〜70nmとすることができる。また、第一の導電層70dおよび第二の導電層50dの表面抵抗率は、特に限定されることなく、好ましくは100〜1000Ω/□とすることができる。
[光学フィルムを有する基材]
第一の導電層70dおよび第二の導電層50dが形成された基材60dは、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルム62dと、光学フィルム62dの両表面に形成されたハードコート層61d,63dとを有している。そして、基材60dは、第二の導電層50dと第一の導電層70dとの間に位置しており、第一の導電層70dおよび第二の導電層50dを用いて構成される静電容量式タッチセンサーの絶縁層として機能する。なお、基材60dの光学フィルム62dは、当該光学フィルム62dの遅相軸と、視認側偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、表示パネル20dとしての液晶パネル側から視認側偏光板40dを通ってカバー層Cd側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えて、操作者が偏光サングラスを装着した状態でも表示内容を視認可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、約45°程度、より具体的には45°±10°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する」とは、光学フィルム62dを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約(2n−1)/4倍[但し、nは正の整数であり、好ましくは1である]であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約(2n−1)/4倍であるとは、Reが(2n−1)λ/4±65nm、好ましくは(2n−1)λ/4±30nm、より好ましくは(2n−1)λ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム62dの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
また、図20に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100dでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70dと、第二の導電層50dとが光学フィルム62dを有する基材60dを挟んで対向しているところ、基材60dの厚みムラが均一であれば、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間の距離を一定に保ってタッチセンサーの検出感度を良好なものとすることができる。
[光学フィルム]
光学フィルム62dとしては、熱可塑性樹脂を製膜および延伸することにより得られる、配向処理が施されたフィルムを用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂の延伸方法としては、既知の延伸方法を用いることができるが、斜め延伸を用いることが好ましい。光学フィルム62dは、光学フィルム62dの遅相軸と、視認側偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸とが所定の角度で交差するように積層する必要があるところ、一般的な延伸処理(縦延伸処理または横延伸処理)を施した延伸フィルムの光軸の向きは、フィルムの幅方向と平行な方向または幅方向に直交する方向である。そのため、当該一般的な延伸フィルムと、偏光フィルムとを所定の角度で積層するには、延伸フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。しかし、斜め延伸したフィルムでは、光軸の向きがフィルムの幅方向に対して傾斜した方向になるので、光学フィルム62dとして斜め延伸フィルムを使用すれば、視認側偏光板40dおよび光学フィルム62dを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができるからである。なお、視認側偏光板40dおよび光学フィルム62dを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム62dとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム62dの遅相軸と、偏光フィルム42dの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
斜め延伸の方法としては、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものを用いることができる。斜め延伸に用いる延伸機は特に制限されず、従来公知のテンター式延伸機を使用することができる。また、テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機などがあるが、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸できるものであれば、特に制限されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂を斜め延伸するときの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の間である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
光学フィルム62dの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースが好ましく、比誘電率が低いため、シクロオレフィンポリマーが更に好ましく、比誘電率および吸水率の双方が低いため、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製の光学フィルム62dを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある透明な熱可塑性樹脂を用いると、光学フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような光学フィルムを、液晶パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、光学フィルム62dの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよい。配合剤としては、格別限定はないが、層状結晶化合物;ゴム粒子;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤;等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは、二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、光学フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、フィルム成形時の酸化劣化等によるフィルムの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、熱可塑性樹脂100d質量部に対して通常0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
無機微粒子としては、0.7〜2.5μmの平均粒子径と、1.45〜1.55の屈折率を有するものが好ましい。具体的には、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられ、中でも、シリカ、ゼオライトおよびハイドロタルサイトが好ましい。無機微粒子の添加量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜5質量部である。
滑剤としては、炭化水素系滑剤;脂肪酸系滑剤;高級アルコール系滑剤;脂肪酸アマイド系滑剤;脂肪酸エステル系滑剤;金属石鹸系滑剤;が挙げられる。中でも、炭化水素系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤および脂肪酸エステル系滑剤が好ましい。更に、この中でも、融点が80℃〜150℃および酸価が10mgKOH/mg以下のものが特に好ましい。
融点が80℃〜150℃をはずれ、さらに酸価が10mgKOH/mgよりも大きくなるとヘイズ値が大きくなる虞がある。
そして、光学フィルム62dとして用いられる延伸フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。フィルムが薄すぎると強度が不足したりレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下したり目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、光学フィルム62dとして用いられる延伸フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
なお、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の延伸フィルムを得る方法としては、例えば、(a)揮発性成分含有量が100質量ppm以下の未延伸フィルムを斜め延伸する方法、(b)揮発性成分含有量が100質量ppmを超える未延伸フィルムを用いて、斜め延伸の工程中、または延伸後に乾燥して揮発性成分含有量を低減する方法などが挙げられる。これらの中でも、揮発性成分含有量がより低減された延伸フィルムを得るには、(a)の方法が好ましい。(a)の方法において、揮発性成分含有量が100質量ppm以下である未延伸フィルムを得るには、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の樹脂を溶融押出成形することが好ましい。
そして、光学フィルム62dとして用いられる延伸フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。飽和吸水率が0.01質量%を越えると、使用環境により延伸フィルムに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。そして、例えば、表示パネル20dとして反射型液晶パネルを用いた場合に、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラが発生するおそれがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
また、光学フィルム62dの飽和吸水率が0.01質量%以下であれば、吸水により光学フィルム62dの比誘電率が経時的に変化するのを抑制することができる。従って、図20に示すように、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間に光学フィルム62dを有する基材60dを配置した場合であっても、光学フィルム62dの比誘電率の変化に起因したタッチセンサーの検出感度の変動を抑制することができる。
なお、延伸フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、光学フィルム62dとして用いられる延伸フィルムの比誘電率は、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。図20に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100dでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間に光学フィルム62dを有する基材60dが配置されている。従って、基材60dに含まれる光学フィルム62dの比誘電率を小さくすれば、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間の静電容量を低くし、静電容量式タッチセンサーの検出感度を向上させることができるからである。
[ハードコート層]
光学フィルム62dの両表面に形成されたハードコート層61d,63dは、光学フィルム62dの傷つきやカールを防止するためのものである。ハードコート層61d,63dの形成に用いられる材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものが好適である。このような材料としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート層形成材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート層形成材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート層形成材料の使用が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。
(メタ)アクリレートとしては、重合性不飽和基を分子内に1つ有するもの、2つ有するもの、3つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に3つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよく、2種類以上のものを用いてもよい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート層形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により光学フィルム62d上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により溶剤を除去した後に、アクリル系ハードコート層材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート層材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気とを調整し、塗膜全面が均一になるように制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート層形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は、通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。また、紫外線の照射は、例えば窒素およびアルゴン等の不活性ガス中において行なってもよく、空気中で行ってもよい。
なお、ハードコート層61d,63dを設ける場合、光学フィルム62dとして用いる延伸フィルムには、ハードコート層61d,63dとの接着性を高める目的で表面処理を施してもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけ光学フィルム62dが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる場合には、コロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光学フィルム62dとハードコート層61d,63dとの密着を強固とすることができる。コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量が1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の光学フィルム62dの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。また、ハードコート層形成材料の塗工液は、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層61d,63dの外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
光学フィルム62d上に形成されるハードコート層61d,63dの平均厚みは、通常0.5μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上15μm以下である。ハードコート層61d,63dの厚さがこれよりも厚すぎると、視認性で問題になる可能性があり、薄すぎると耐擦傷性が劣る可能性がある。
ハードコート層61d,63dのヘイズは、0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。このようなヘイズ値であることにより、ハードコート層61d,63dをタッチパネル付き表示装置100d内で好適に使用することができる。
なお、ハードコート層形成材料には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、有機粒子、無機粒子、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
なお、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材60dは、ハードコート層61d,63dを有していなくてもよいし、また、ハードコート層61d,63dに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
ここで、インデックスマッチング層は、基材60dの光学フィルム62dと基材60d上に形成された導電層50d,70dとの間、特に、光学フィルム62dと第一の導電層70dとの間に生じる屈折率の差に起因して起きる層の界面における光の反射を防ぐ目的で、例えば、光学フィルム62dと導電層50d,70dとの間(界面)に設けられるものである。インデックスマッチング層としては、交互に配置された複数の高屈折率膜および低屈折率膜を含むものや、ジルコニア等の金属を含む樹脂層が挙げられる。光学フィルム62dと導電層50d,70dとの屈折率が大きく異なっていたとしても、光学フィルム62dと導電層50d,70dとの間で導電層50d,70dに隣接配置されたインデックスマッチング層によって、基材60dの、導電層50d,70dが設けられている領域と、導電層50d,70dが設けられていない領域とで反射率が大きく変化してしまうことを防止することができる。
[低屈折率層]
低屈折率層は、光の反射を防止する目的で設けられるものであり、例えばハードコート層61d,63d上に設けることができる。ハードコート層61d,63d上に設ける場合、低屈折率層とは、ハードコート層61d,63dの屈折率よりも低い屈折率を有する層を指す。低屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmで1.30〜1.45の範囲であることが好ましく、1.35〜1.40の範囲であることがより好ましい。
低屈折率層としては、SiO、TiO、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF、SiO、SiO、LaF、CeF、Al、CeO、Nd、Sb、Ta、ZrO、ZnO、ZnS等よりなる無機化合物が好ましい。また、無機化合物と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機化合物との混合物も低屈折率層形成材料として好ましく用いられる。一例として、紫外線硬化樹脂とシリカ中空粒子とを含む組成物を塗布し、紫外線を照射することにより形成した低屈折率層が挙げられる。低屈折率層の膜厚は、膜厚70nm以上120nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以上110nm以下である。低屈折率層の膜厚が120nmを超えると、反射色に色味が付き、黒表示の時の色再現性が無くなるため、視認性が低下し、好ましくない場合がある。
[カバー層]
カバー層Cdは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dによれば、視認側偏光板40dとカバー層Cdとの間に所定の位相差を有する光学フィルム62dを備えた基材60dを配置しているので、視認側偏光板40dを通ってカバー層Cd側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えることができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dは、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dでは、第二の導電層50d及び第一の導電層70dの双方が一つの基材60dに設けられているので、第二の導電層を形成するための透明基板及び第一の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40dとカバー層Cdとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20dとしての液晶パネルとカバー層Cdとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置100dの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置100dでは、基材60dの両面に導電層50d,70dを形成しているので、基材60dの表面に導電層50d,70dの一方を形成し、他部材の表面に導電層50d,70dの他方を形成した場合と比較して、例えば、部材積層時に第一の導電層70dと第二の導電層50dのパターンがずれることを防止することができる。
更に、上記一例の表示装置100dでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層70dおよび第二の導電層50dを視認側偏光板40dとカバー層Cdとの間に配設しているので、視認側偏光板40dよりも表示パネル20dとしての液晶パネル側に第一の導電層70dおよび第二の導電層50dを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、液晶パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層70dおよび第二の導電層50dとの間の距離を確保して、液晶パネル側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
また、表示装置100dでは、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間に基材60dを配設しているので、静電容量式タッチセンサーを容易に構成することができる。また、基材60dの光学フィルム62dとして、比誘電率が低く、また、飽和吸水率が小さいフィルムを用いることができるので、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態d2)>
図21に、態様dに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図21に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200dは、
・第二の導電層50dが、基材60dの一方(表示パネル20d側)の表面に形成されておらず、光学補償用の位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材の一方(表示パネル20d側)の表面に形成されている点、
・第一の導電層70dが、基材60dの他方(カバー層Cd側)の表面に形成されておらず、光学補償用の位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材の他方(カバー層Cd側)の表面に形成されている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100dと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dと同様の構成を有している。
ここで、位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材上への第二の導電層50d及び第一の導電層70dの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dにおける導電層の形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
また、図21に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置200dでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70dと、第二の導電層50dとが位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材を挟んで対向しているところ、位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材の厚みムラが均一であれば、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間の距離を一定に保ってタッチセンサーの検出感度を良好なものとすることができる。
なお、この静電容量式タッチパネル付き表示装置200dは、基材60dを有していなくてもよい。また、静電容量式タッチパネル付き表示装置200dの表示パネル側基材は、位相差フィルム30dの両表面にハードコート層や、インデックスマッチング層や、低屈折率層を形成したものであってもよい。ここで、ハードコート層、インデックスマッチング層および低屈折率層としては、基材60dの光学フィルム62dの表面に形成するものと同様のものを用いることができる。さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置200dの表示パネル側基材は、位相差フィルム30dからなるものではなく、所定の光学機能を有する原反フィルムからなるものであってもよい。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200dによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100dと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、第二の導電層50d及び第一の導電層70dの双方が一つの表示パネル側基材(位相差フィルム30d)に設けられているので、表示パネル20dとしての液晶パネルの視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を位相差フィルム30dで補償しつつ、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20dとしての液晶パネルとカバー層Cdとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置200dでは、位相差フィルム30dからなる表示パネル側基材を用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
なお、この表示装置200dでは、表示パネル側基材としての位相差フィルム30dの両面に導電層50d,70dを形成しているので、位相差フィルム30dの表面に導電層50d,70dの一方を形成し、他部材の表面に導電層50d,70dの他方を形成した場合と比較して、例えば、部材積層時に第一の導電層70dと第二の導電層50dのパターンがずれることを防止することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態d3)>
図22に、態様dに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。ここで、図22に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300dは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置300dは、有機EL表示(OLED)パネルが配置される側(図22では下側。以下、単に「表示パネル側」という。)から操作者が画像を視認する側(図22では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、表示パネル20dとしての有機EL表示(OLED)パネル24dおよびバリア層25dと、第二の導電層50dと、基材60dと、第一の導電層70dと、偏光板40dとしての表示パネル側保護フィルム41d、偏光フィルム42dおよびカバー層側保護フィルム43dと、カバー層Cdとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置300dでは、第一の導電層70dが基材60dの一方(カバー層Cd側)の表面に形成されており、第二の導電層50dが基材60dの他方(表示パネル20d側)の表面に形成されている。また、この表示装置300dでは、偏光板40dと、偏光板40dよりも表示パネル20d側に位置する基材60dとが円偏光板を構成している。
なお、表示パネル20dと、第二の導電層50d及び第一の導電層70dが形成された基材60dと、表示パネル側保護フィルム41dと、偏光フィルム42dと、カバー層側保護フィルム43dと、カバー層Cdとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。即ち、図22における積層構造の隙間部分には、例えば、接着剤層または粘着剤層が形成される。
[有機EL表示(OLED)パネル]
有機EL表示(OLED)パネル24dとしては、例えば、透明基板表面に透明な電極材料により形成された透明電極と、この透明電極に積層され、EL材料からなる発光層と、この発光層に積層され、上記透明電極に対向して形成された背面電極とを有し、透明基板側に発光する有機EL表示(OLED)パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置300dでは、有機EL表示(OLED)パネル24dに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、透明電極、発光層および背面電極としては、既知の材料を用いることができる。また、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネルは、上記構造の有機EL表示(OLED)パネル24dを使用したものに限定されることはない。
[バリア層]
有機EL表示(OLED)パネル24dの視認側に位置するバリア層25dとしては、既知の部材、例えば、ガラス製またはプラスチック製の、可視光に対して透明な板を用いて形成することができる。
[第二の導電層]
第二の導電層50dは、基材60dの他方(表示パネル20d側)の表面に形成されており、バリア層25dと、基材60dとの間に位置している。そして、第二の導電層50dは、第一の導電層70dと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層50dとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dで用いたのと同様のものを用いることができる。
[第一の導電層]
第一の導電層70dは、基材60dの一方(カバー層Cd側)の表面に形成されており、第二の導電層50dよりもカバー層Cd側、より具体的には、偏光板40dと、基材60dとの間に位置している。そして、第一の導電層70dは、基材60dを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層50dと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第一の導電層70dは、第二の導電層50dと同様の材料を用いて形成することができる。
そして、基材60dの表面上への第一の導電層70dおよび第二の導電層50dの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dと同様の方法を用いて行うことができる。
[光学フィルムを有する基材]
基材60dは、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間に位置しており、図22に示すように、λ/4の位相差を有する光学フィルム62dと、光学フィルム62dの両表面に形成されたハードコート層61d,63dとを有している。そして、基材60dの光学フィルム62dは、当該光学フィルム62dの遅相軸と、後に詳細に説明する偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、偏光板40dと光学フィルム62dとで円偏光板を形成し、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、カバー層Cd側から偏光板40dを通って表示パネル20d側に進む直線偏光を光学フィルム62dで円偏光にし得る角度(例えば、約45°程度)、より具体的には45°±5°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「λ/4の位相差を有する」とは、光学フィルム62dを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/4倍であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/4倍であるとは、Reがλ/4±65nm、好ましくはλ/4±30nm、より好ましくはλ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム62dの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
また、図22に示すように、この一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300dでは、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層70dと、第二の導電層50dとが光学フィルム62dを有する基材60dを挟んで対向しているところ、基材60dの厚みムラが均一であれば、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間の距離を一定に保ってタッチセンサーの検出感度を良好なものとすることができる。
[光学フィルム]
光学フィルム62dとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dで用いたのと同様のものを用いることができる。
なお、この静電容量式タッチパネル付き表示装置300dにおいて円偏光板の一部を構成する光学フィルム62dは、光学フィルムに入射した光が長波長側で与えられる位相差が大きくなり、短波長側で与えられる位相差が小さくなる逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を円偏光に変えることができる。
[ハードコート層]
光学フィルム62dの両表面に形成されたハードコート層61d,63dとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dで用いたのと同様のものを用いることができる。
[インデックスマッチング層]
インデックスマッチング層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100dで用いたのと同様のものを用いることができる。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100dと同様に、基材60dは、ハードコート層61d,63dを有していなくてもよいし、また、ハードコート層61d,63dに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[偏光板]
偏光板40dとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム42dを2枚の保護フィルム(表示パネル側保護フィルム41dおよびカバー層側保護フィルム43d)で挟んでなる偏光板40dを用いることができる。そして、上述したように、偏光フィルム42dの透過軸と、基材60dにおける光学フィルム62dの遅相軸とは、積層方向(図22では上下方向)に見て、約45°で交差するように配置される。なお、偏光板40dおよび基材60dを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム62dとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム62dの遅相軸と、偏光フィルム42dの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
[カバー層]
カバー層Cdは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置300dによれば、カバー層Cdと表示パネル20dとの間に、偏光フィルム42dを有する偏光板40dと、所定の位相差を有し且つ所定の光軸角度で配置された光学フィルム62dを有する基材60dとからなる円偏光板を配置しているので、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。具体的には、カバー層Cd側から偏光板40dを通って表示パネル20d側に進む直線偏光を、基材60dの光学フィルム62dで円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネル20dでの反射光である逆円偏光を基材60dの光学フィルム62dで前記直線偏光と直交する他の直線偏光に変え、偏光板40dで該他の直線偏光のカバー層Cd側への透過を防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置300dは、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置300dでは、第二の導電層50d及び第一の導電層70dの双方が一つの基材60dに設けられているので、第二の導電層50d及び第一の導電層70dを形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20dとカバー層Cdとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20dとカバー層Cdとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置300dの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置300dでは、基材60dの両面に導電層50d,70dを形成しているので、基材60dの表面に導電層50d,70dの一方を形成し、他部材の表面に導電層50d,70dの他方を形成した場合と比較して、例えば、部材積層時に第一の導電層70dと第二の導電層50dのパターンがずれることを防止することができる。
さらに、上記一例の表示装置300dでは、第一の導電層70dと第二の導電層50dとの間に基材60dを配設しているので、静電容量式タッチセンサーを容易に構成することができる。また、基材60dの光学フィルム62dとして、比誘電率が低く、また、飽和吸水率が小さいフィルムを用いることができるので、静電容量式タッチセンサーを良好に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態d3の変形例)>
図23に、態様dに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図23に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400dは、
・偏光板40dが表示パネル側保護フィルム41dを有しておらず、偏光フィルム42dが偏光板40dの表示パネル20d側の表面(図23では下面)に位置している点、
・基材60dと、偏光板40dとの間、より具体的には、基材60dの表面に形成された第一の導電層70dと偏光板40dの偏光フィルム42dとの間に偏光板側基材90dを更に含み、円偏光板が、基材60dと、偏光板側基材90dと、偏光板40dとで形成されている点、
・偏光板側基材90dが偏光板40dの偏光フィルム42dの表示パネル20d側の表面に貼り合わされ、偏光板側基材90dが第一の導電層70dのカバー層Cd側の表面に貼り合わされている点、
・偏光板側基材90dが、λ/2の位相差を有する他の光学フィルム92dを有する点、
・光学フィルム62dの遅相軸と、他の光学フィルム92dの遅相軸と、偏光フィルム42dの透過軸とが所定の角度で交差している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300dと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置300dと同様の構成を有している。
ここで、偏光板側基材90dの偏光フィルム42d上への貼り付け、及び、偏光板側基材90dの第一の導電層70d上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
偏光板側基材90dは、λ/2の位相差を有する他の光学フィルム92dと、光学フィルム92dの両表面に形成されたハードコート層91d,93dとを有している。そして、他の光学フィルム92dは、光学フィルム62dと同様の材料および方法を使用して製造することができる。
ここで、「λ/2の位相差を有する」とは、偏光板側基材90dの他の光学フィルムを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/2であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/2倍であるとは、Reがλ/2±65nm、好ましくはλ/2±30nm、より好ましくはλ/2±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは他の光学フィルム92dの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
また、基材60dの光学フィルム62dおよび偏光板側基材90dの他の光学フィルム92dは、2枚の組合せでλ/4の位相差を与える光学板(所謂、広帯域1/4波長板)となるものであり、また、共に、同じ波長分散特性を有している同一の素材からなるものであることが好ましい。
さらに、光学フィルム62dおよび他の光学フィルム92dは、光学フィルム62dの遅相軸と、偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸との交差角、および、偏光板側基材90dの他の光学フィルム92dの遅相軸と、偏光板40dの偏光フィルム42dの透過軸との交差角が、それぞれ、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、広帯域1/4波長板を形成し得る角度、具体的には、カバー層Cd側から偏光板40dを通って表示パネル20d側に進む直線偏光Aが他の光学フィルム92dおよび光学フィルム62dを順次通過すると円偏光Aに変わり、また、円偏光Aが表示パネル20dで反射してなる逆円偏光Bが光学フィルム62dおよび他の光学フィルム92dを順次通過すると、前記直線偏光Aと直交する他の直線偏光Bに変わる角度である。
具体的には、「所定の角度」は、他の光学フィルム92dおよび光学フィルム62dが同一の波長分散特性を有している場合には、光学フィルム62dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角をX°、偏光板側基材90dの他の光学フィルム92dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角をY°としたときに、X−2Y=45°が成り立つ角度である。より具体的には、「所定の角度」は、例えば、(i)光学フィルム62dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角を約75°とし、偏光板側基材90dの他の光学フィルム92dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角を約15°とした組合せ、(ii)光学フィルム62dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角を約90°とし、偏光板側基材90dの他の光学フィルム92dの遅相軸と偏光フィルム42dの透過軸との交差角を約22.5°とした組合せ、などが挙げられる。
ここで、「約75°」は、より具体的には、75°±5°、好ましくは75°±3°、より好ましくは75°±1°、更に好ましくは75°±0.3°の範囲内の角度であり、「約15°」は、より具体的には、15°±5°、好ましくは15°±3°、より好ましくは15°±1°、更に好ましくは15°±0.3°の範囲内の角度であり、「約90°」は、より具体的には、90°±5°、好ましくは90°±3°、より好ましくは90°±1°、更に好ましくは90°±0.3°の範囲内の角度であり、「約22.5°」は、より具体的には、22.5°±5°、好ましくは22.5°±3°、より好ましくは22.5°±1°、更に好ましくは22.5°±0.3°の範囲内の角度である。
なお、偏光板40dを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる点で、偏光フィルム42dの透過軸との交差角が約90°となる光学フィルム62dは、縦延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42dの透過軸との交差角が約75°となる光学フィルム62dは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42dの透過軸との交差角が約15°となる他の光学フィルム92dは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42dの透過軸との交差角が約22.5°となる他の光学フィルム92dは、斜め延伸フィルムであることが好ましい。
上記実施形態d3の変形例では、基材と、該基材に直接積層する層(例えば、導電層、ハードコート層、接着剤層、粘着剤層)との屈折率差が0.05以上であっても、界面反射の影響がない(例えば、偏光板側基材90dの表示パネル20d側に第一の導電層70dが形成されている)場合には、インデックスマッチング層を設ける必要が無い。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400dによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300dと同様に、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20dとカバー層Cdとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20dとカバー層Cdとの間の厚さを薄くすることができる。また、表示装置400dでは、基材60dを用いて静電容量式タッチセンサーを、容易に且つ良好に形成することができる。
さらに、静電容量式タッチパネル付き表示装置400dによれば、インデックスマッチング層を設ける必要がないので、タッチセンサーの構造を簡素化して表示パネルとカバー層との間の厚さを薄くすることができる。
なお、この表示装置400dでは、偏光板側基材90dを偏光フィルム42dの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板40dの表示パネル側保護フィルム41dを不要として、偏光板40dの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20dとカバー層Cdとの間の厚さを更に薄くすることができる。
また、この表示装置400dでは、光学フィルム62dと他の光学フィルム92dとで所謂広帯域1/4波長板を形成し、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を良好に円偏光に変えることができる。
なお、この表示装置400dでは、基材60dの両面に導電層50d,70dを形成しているので、基材60dの表面に導電層50d,70dの一方を形成し、他部材の表面に導電層50d,70dの他方を形成した場合と比較して、例えば、部材積層時に第一の導電層70dと第二の導電層50dのパターンがずれることを防止することができる。
以上、実施形態及びそれらの変形例を例示して態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、上記実施形態及びそれらの変形例に限定されることはなく、態様dの静電容量式タッチパネル付き表示装置には、適宜変更を加えることができる。
<態様e>
以下においては、本発明の具体的な態様の別の例である態様eについて、より具体的な実施形態である、実施形態e1〜e7及びそれらの変形例を参照して説明する。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e1)>
図24(a)に、態様eに従う第1の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。ここで、図24(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100eは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100eは、バックライトが照射される側(図24(a)では下側。以下、単に「バックライト側」という。)から操作者が画像を視認する側(図24(a)では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、バックライト側偏光板10eと、表示パネル20eとしての液晶パネルと、光学補償用の位相差フィルム30eと、視認側偏光板40eと、基材50eと、第一の導電層61eと、誘電体層62eと、第二の導電層63eと、カバー層Ceとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置100eでは、第一の導電層61eが、基材50eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されており、誘電体層62eが、第一の導電層61eの基材50e側とは反対側(カバー層Ce側)の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの第一の導電層61e側とは反対側(カバー層Ce側)の表面に形成されている。
なお、バックライト側偏光板10eと、表示パネル20eと、位相差フィルム30eと、視認側偏光板40eと、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが形成された基材50eと、カバー層Ceとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。即ち、図24(a)における積層構造の隙間部分には、例えば、接着剤層または粘着剤層が形成される。
[バックライト側偏光板]
バックライト側偏光板10eとしては、偏光フィルムを有する既知の偏光板、例えば、偏光フィルムを2枚の保護フィルムで挟んでなる偏光板を用いることができる。そして、バックライト側偏光板10eは、バックライト側偏光板10eの偏光フィルムの透過軸と、後に詳細に説明する視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが積層方向(図24(a)では上下方向)に見て直交するように配置されて、表示パネル20eとしての液晶パネルを利用した画像の表示を可能にする。
[表示パネル(液晶パネル)]
表示パネル20eとしての液晶パネルとしては、2枚の基板間に液晶層を挟んでなる液晶パネル、例えば、バックライト側に位置する薄膜トランジスタ基板21eと、視認側に位置するカラーフィルタ基板23eとの間に液晶層22eを挟んでなる液晶パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eでは、バックライト側偏光板10eと視認側偏光板40eとの間に配置された液晶パネルの液晶層22eに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、薄膜トランジスタ基板21eおよびカラーフィルタ基板23eとしては、既知の基板を用いることができる。また、液晶層22eとしては、既知の液晶層を用いることができる。なお、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネル20eは、上記構造の液晶パネルに限定されることはない。
[位相差フィルム]
位相差フィルム30eは、光学補償用のフィルムであり、液晶層22eの視野角依存性や、斜視時の偏光板10e,40eの光漏れ現象を補償して、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eの視野角特性を向上させる。
そして、位相差フィルム30eとしては、例えば、既知の縦一軸延伸フィルム、横一軸延伸フィルム、縦横二軸延伸フィルム、または、液晶性化合物を重合させてなる位相差フィルムを用いることができる。具体的には、位相差フィルム30eとしては、特に限定されることなく、ポリ(メタ)アクリレート、シクロオレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂を既知の方法で製膜してなる熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸したものが挙げられる。そして、市販の熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などが挙げられる(いずれも商品名)。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。熱可塑性樹脂には、ゴム粒子等の配合剤を配合してもよい。ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、位相差フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
なお、位相差フィルム30eの両表面には、後述する基材50eと同様にハードコート層や光学機能層を形成してもよい。
また、位相差フィルム30eは、積層方向に見て、位相差フィルム30eの遅相軸と、偏光板10e,40eの偏光フィルムの透過軸とが、例えば、平行になるように、または、直交するように配置することができる。
[視認側偏光板]
視認側偏光板40eとしては、特に限定されることなく、例えば、偏光フィルム42eを2枚の保護フィルム(表示パネル側保護フィルム41eおよびカバー層側保護フィルム43e)で挟んでなる偏光板40eを用いることができる。
[光学フィルムを有する基材]
積層方向一方(図24(a)ではカバー層Ce側)の表面に第一の導電層61eが形成された基材50eは、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルム52eと、光学フィルム52eの両表面に形成されたハードコート層51e,53eとを有している。なお、基材50eの光学フィルム52eは、当該光学フィルム52eの遅相軸と、視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、表示パネル20eとしての液晶パネル側から視認側偏光板40eを通ってカバー層Ce側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えて、操作者が偏光サングラスを装着した状態でも表示内容を視認可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、約45°程度、より具体的には45°±10°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する」とは、光学フィルム52eを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約(2n−1)/4倍[但し、nは正の整数であり、好ましくは1である]であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約(2n−1)/4倍であるとは、Reが(2n−1)λ/4±65nm、好ましくは(2n−1)λ/4±30nm、より好ましくは(2n−1)λ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム52eの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
[光学フィルム]
光学フィルム52eとしては、熱可塑性樹脂を製膜および延伸することにより得られる、配向処理が施されたフィルムを用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂の延伸方法としては、既知の延伸方法を用いることができるが、斜め延伸を用いることが好ましい。光学フィルム52eは、光学フィルム52eの遅相軸と、視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが所定の角度で交差するように積層する必要があるところ、一般的な延伸処理(縦延伸処理または横延伸処理)を施した延伸フィルムの光軸の向きは、フィルムの幅方向と平行な方向または幅方向に直交する方向である。そのため、当該一般的な延伸フィルムと、偏光フィルムとを所定の角度で積層するには、延伸フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。しかし、斜め延伸したフィルムでは、光軸の向きがフィルムの幅方向に対して傾斜した方向になるので、光学フィルム52eとして斜め延伸フィルムを使用すれば、視認側偏光板40eおよび光学フィルム52eを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができるからである。なお、視認側偏光板40eおよび光学フィルム52eを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム52eとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム52eの遅相軸と、偏光フィルム42eの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
斜め延伸の方法としては、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものを用いることができる。斜め延伸に用いる延伸機は特に制限されず、従来公知のテンター式延伸機を使用することができる。また、テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機などがあるが、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸できるものであれば、特に制限されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂を斜め延伸するときの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の間である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
光学フィルム52eの形成に使用し得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。この中でも、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースが好ましく、シクロオレフィンポリマーが更に好ましく、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を有さないシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、或いは、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
市販のシクロオレフィンポリマーとしては、例えば、「Topas」(Ticona製)、「アートン」(JSR製)、「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン製)、「アペル」(三井化学製)などがある(いずれも商品名)。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜して、熱可塑性樹脂製の光学フィルム52eを得ることができる。製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。また、製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン製)、「アートンフィルム」(JSR製)などがある(いずれも商品名)。延伸前の熱可塑性樹脂フィルムは、一般には未延伸の長尺のフィルムであり、長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものをいう。
上述した熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、そのガラス転移温度は、好ましくは120〜165℃としうる。また、熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある透明な熱可塑性樹脂を用いると、光学フィルムの面内方向レターデーションReのバラツキを小さくすることができる。更に、このような光学フィルムを、液晶パネルを用いた表示装置に適用した場合に、表示装置の表示画面の端部の色相が変化する現象を抑えることができる。
なお、光学フィルム52eの形成に用いる熱可塑性樹脂には、他の配合剤を配合してもよい。配合剤としては、格別限定はないが、層状結晶化合物;ゴム粒子;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤;等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは、二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
ゴム粒子の例としては、特開2013−140390号公報に記載される弾性体粒子が挙げられる。かかるゴム粒子を含むことにより、光学フィルムの耐衝撃性及び可撓性が向上しうる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、フィルム成形時の酸化劣化等によるフィルムの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して通常0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
無機微粒子としては、0.7〜2.5μmの平均粒子径と、1.45〜1.55の屈折率を有するものが好ましい。具体的には、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられ、中でも、シリカ、ゼオライトおよびハイドロタルサイトが好ましい。無機微粒子の添加量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜5質量部である。
滑剤としては、炭化水素系滑剤;脂肪酸系滑剤;高級アルコール系滑剤;脂肪酸アマイド系滑剤;脂肪酸エステル系滑剤;金属石鹸系滑剤;が挙げられる。中でも、炭化水素系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤および脂肪酸エステル系滑剤が好ましい。更に、この中でも、融点が80℃〜150℃および酸価が10mgKOH/mg以下のものが特に好ましい。
融点が80℃〜150℃をはずれ、さらに酸価が10mgKOH/mgよりも大きくなるとヘイズ値が大きくなる虞がある。
そして、光学フィルム52eとして用いられる延伸フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm程度となるようにするのが適当であり、好ましくは20〜100μmである。フィルムが薄すぎると強度が不足したりレターデーション値が不足する虞があり、厚すぎると透明性が低下したり目的のレターデーション値が得られ難くなる虞がある。
また、光学フィルム52eとして用いられる延伸フィルムは、フィルム内に残留している揮発性成分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましい。揮発性成分含有量が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。ここで、揮発性成分は、熱可塑性樹脂に微量含まれる分子量が200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、熱可塑性樹脂を重合した際に残留した残留単量体や、溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて熱可塑性樹脂を分析することにより定量することができる。
なお、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の延伸フィルムを得る方法としては、例えば、(a)揮発性成分含有量が100質量ppm以下の未延伸フィルムを斜め延伸する方法、(b)揮発性成分含有量が100質量ppmを超える未延伸フィルムを用いて、斜め延伸の工程中、または延伸後に乾燥して揮発性成分含有量を低減する方法などが挙げられる。これらの中でも、揮発性成分含有量がより低減された延伸フィルムを得るには、(a)の方法が好ましい。(a)の方法において、揮発性成分含有量が100質量ppm以下である未延伸フィルムを得るには、揮発性成分含有量が100質量ppm以下の樹脂を溶融押出成形することが好ましい。
そして、光学フィルム52eとして用いられる延伸フィルムの飽和吸水率は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.007質量%以下である。飽和吸水率が0.01質量%を越えると、使用環境により延伸フィルムに寸法変化が生じて内部応力が発生することがある。そして、例えば、表示パネル20eとして反射型液晶パネルを用いた場合に、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラが発生するおそれがある。一方で、飽和吸水率が上記範囲にある延伸フィルムは、長期間使用しても表示ムラが発生せず、光学特性の安定性に優れる。
なお、本発明において、「飽和吸水率」は、ASTM D570に準拠して測定することができる。また、延伸フィルムの飽和吸水率は、フィルムの形成に使用する熱可塑性樹脂の種類などを変更することにより調整することができる。
また、光学フィルム52eとして用いられる延伸フィルムの比誘電率は、2以上であることが好ましく、5以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。
なお、本発明において、「比誘電率」は、ASTM D150に準拠して測定することができる。
[ハードコート層]
光学フィルム52eの両表面に形成されたハードコート層51e,53eは、光学フィルム52eの傷つきやカールを防止するためのものである。ハードコート層51e,53eの形成に用いられる材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものが好適である。このような材料としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート層形成材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート層形成材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート層形成材料の使用が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。
(メタ)アクリレートとしては、重合性不飽和基を分子内に1つ有するもの、2つ有するもの、3つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に3つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよく、2種類以上のものを用いてもよい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート層形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により光学フィルム52e上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により溶剤を除去した後に、アクリル系ハードコート層材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート層材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気とを調整し、塗膜全面が均一になるように制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート層形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は、通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。また、紫外線の照射は、例えば窒素およびアルゴン等の不活性ガス中において行なってもよく、空気中で行ってもよい。
なお、ハードコート層51e,53eを設ける場合、光学フィルム52eとして用いる延伸フィルムには、ハードコート層51e,53eとの接着性を高める目的で表面処理を施してもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけ光学フィルム52eが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる場合には、コロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光学フィルム52eとハードコート層51e,53eとの密着を強固とすることができる。コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量が1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の光学フィルム52eの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。また、ハードコート層形成材料の塗工液は、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層51e,53eの外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
光学フィルム52e上に形成されるハードコート層51e,53eの平均厚みは、通常0.5μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上15μm以下である。ハードコート層51e,53eの厚さがこれよりも厚すぎると、視認性で問題になる可能性があり、薄すぎると耐擦傷性が劣る可能性がある。
ハードコート層51e,53eのヘイズは、0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。このようなヘイズ値であることにより、ハードコート層51e,53eをタッチパネル付き表示装置100e内で好適に使用することができる。
なお、ハードコート層形成材料には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、有機粒子、無機粒子、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
なお、態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材50eは、ハードコート層51e,53eを有していなくてもよいし、また、ハードコート層51e,53eに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
ここで、インデックスマッチング層は、基材50eの光学フィルム52eと基材50eに隣接配置された部材との間、例えば、光学フィルム52eと第一の導電層61eとの間に生じる屈折率の差に起因して起きる層の界面における光の反射を防ぐ目的で、例えば、光学フィルム52eと第一の導電層61eとの間(界面)に設けられるものである。インデックスマッチング層としては、交互に配置された複数の高屈折率膜および低屈折率膜を含むものや、ジルコニア等の金属を含む樹脂層が挙げられる。光学フィルム52eと基材50eに隣接配置される部材(例えば、第一の導電層61e)との屈折率が大きく異なっていたとしても、インデックスマッチング層によって、基材50eの、第一の導電層61eが設けられている領域と、第一の導電層61eが設けられていない領域とで反射率が大きく変化してしまうことを防止することができる。
[低屈折率層]
低屈折率層は、光の反射を防止する目的で設けられるものであり、例えばハードコート層51e,53e上に設けることができる。ハードコート層51e,53e上に設ける場合、低屈折率層とは、ハードコート層51e,53eの屈折率よりも低い屈折率を有する層を指す。低屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmで1.30〜1.45の範囲であることが好ましく、1.35〜1.40の範囲であることがより好ましい。
低屈折率層としては、SiO、TiO、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF、SiO、SiO、LaF、CeF、Al、CeO、Nd、Sb、Ta、ZrO、ZnO、ZnS等よりなる無機化合物が好ましい。また、無機化合物と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機化合物との混合物も低屈折率層形成材料として好ましく用いられる。一例として、紫外線硬化樹脂とシリカ中空粒子とを含む組成物を塗布し、紫外線を照射することにより形成した低屈折率層が挙げられる。低屈折率層の膜厚は、膜厚70nm以上120nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以上110nm以下である。低屈折率層の膜厚が120nmを超えると、反射色に色味が付き、黒表示の時の色再現性が無くなるため、視認性が低下し、好ましくない場合がある。
[第一の導電層]
第一の導電層61eは、基材50eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されている。そして、第一の導電層61eは、誘電体層62eを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層63eと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第一の導電層61eは、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されないが、導電性ポリマー;銀ペーストやポリマーペーストなどの導電性ペースト;金や銅などの金属コロイド;酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム:ITO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウム−スズ酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物;ヨウ化銅などの金属化合物;金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属;銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ(CNT)などの無機または有機系ナノ材料;を用いて形成することができる。これらの中でも、酸化インジウムスズ、カーボンナノチューブまたは銀ナノワイヤーが好ましく、光透過性および耐久性の観点からは酸化インジウムスズが特に好ましい。
なお、CNTを使用する場合、用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTの何れであってもよいが、直径が0.3〜100nmであり、長さが0.1〜20μmであることが好ましい。なお、導電層の透明性を高め、表面抵抗値を低減する観点からは、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNTまたは二層CNTを用いることが好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。
導電層の他の好ましい例としては、上に述べた導電性ペーストを用いて形成したものが挙げられる。導電性ペーストの好ましい例としては、銀微粒子と親水性樹脂とを含むペーストが挙げられる。親水性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
そして、基材50eの表面上への第一の導電層61eの形成は、特に限定されることなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などを用いて行うことができる。
[誘電体層(絶縁層)]
誘電体層62eは、第一の導電層61eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されている。誘電体層62eは、誘電体よりなり、第一の導電層61eと第二の導電層63eとの間に位置することで、第一の導電層61eと第二の導電層63eとの間に静電容量を形成し得るようにしている。
ここで、誘電体層62eとしては、既知の誘電体、例えば、アクリル系材料、ポリイミド系材料、エポキシ系材料、ポリエステル系材料、ポリウレタン系材料、ポリスチレン系材料を用いて形成された層を使用することができる。
そして、第一の導電層61eの表面への誘電体層62eの形成は、既知の手法を用いて行うことができる。
なお、誘電体層62eは、第一の導電層61eと第二の導電層63eとの間に静電容量を形成し得るものであれば、その構造や材料は特に限定されない。従って、誘電体層62eは、一層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。また、誘電体層62eは、一種類の材料のみを用いて形成されていてもよいし、多種類の材料を用いて形成されていてもよい。
[第二の導電層]
第二の導電層63eは、誘電体層62eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されている。そして、第二の導電層63eは、誘電体層62eを挟んで積層方向に離隔して位置する第一の導電層61eと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
そして、第二の導電層63eは、第一の導電層61eと同様の材料を用いて形成することができる。
また、誘電体層62eの表面上への第二の導電層63eの形成は、第一の導電層61eと同様の方法を用いて行うことができる。
ここで、静電容量式のタッチセンサーを構成する第一の導電層61e及び第二の導電層63eは、パターン化して形成される場合が多い。具体的には、第一の導電層61eおよび第二の導電層63eは、対向配置して積層方向に見た際に、直線格子、波線格子またはダイヤモンド状格子などのメッシュ形状を形成するパターンで形成することができる。なお、波線格子とは、交差部間に少なくとも一つの湾曲部を有する形状を指す。このようなパターンを有する導電層のさらなる具体例としては、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、及び特開2010−198799号公報に記載された導電層が挙げられる。これらの形成方法は特に限定されず、既知の方法を用いて形成しうる。
そして、パターン化された第一の導電層61eおよび第二の導電層63eの形成は、例えば、基板50eの表面にITOよりなる第1電極層パターン(第一の導電層61e)を形成し、その上に誘電体層62eを形成し、当該誘電体層62eの上にITOからなる第2電極層パターン(第二の導電層63e)を第1電極層パターンに対してマトリックス状に形成することにより行うことができる。
なお、第一の導電層61eおよび第二の導電層63eの厚みは、例えばITOからなる場合には、特に限定されることなく、好ましくは10〜150nmとすることができ、更に好ましくは15〜70nmとすることができる。また、第一の導電層61eおよび第二の導電層63eの表面抵抗率は、特に限定されることなく、好ましくは100〜1000Ω/□とすることができる。
[カバー層]
カバー層Ceは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eによれば、視認側偏光板40eとカバー層Ceとの間に所定の位相差を有する光学フィルム52eを備えた基材50eを配置しているので、視認側偏光板40eを通ってカバー層Ce側へと進む直線偏光を円偏光または楕円偏光に変えることができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eは、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの基材50eに形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、視認側偏光板40eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとしての液晶パネルとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置100eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置100eでは、基材50eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、上記一例の表示装置100eでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを視認側偏光板40eとカバー層Ceとの間に配設している。従って、視認側偏光板40eよりも表示パネル20eとしての液晶パネル側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、液晶パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を確保することができる。そして、その結果、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。特に、この表示装置100eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを基材50eよりもカバー層Ce側に形成しているので、表示パネル20eと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を十分に確保し、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を十分に抑制することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e1の第一変形例)>
図24(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置100eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図24(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100Aeは、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、基材50eの他方(表示パネル20e側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、視認側偏光板40eと基材50eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置100Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとしての液晶パネルとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、この表示装置100Aeにおいても、視認側偏光板40eよりも表示パネル20e側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。また、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e1の第二変形例)>
図24(c)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置100eの他の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図24(c)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置100Beは、
・視認側偏光板40eがカバー層側保護フィルム43eを有しておらず、偏光フィルム42eが視認側偏光板40eのカバー層Ce側の表面(図24(c)では上面)に位置している点、
・基材50eが視認側偏光板40eの偏光フィルム42eのカバー層Ce側の表面に貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の構成を有している。
ここで、基材50eの偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置100Beによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとしての液晶パネルとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、表示装置100Beでは、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を十分に抑制することができる。また、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
なお、この表示装置100Beでは、基材50eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、視認側偏光板40eのカバー層側保護フィルムを不要として、視認側偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置100Beでは、基材50eとして、光学フィルム52eの偏光フィルム42e側にハードコート層51eを有さない基材(即ち、光学フィルム52eが表示パネル20e側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム52eと偏光フィルム42eとを貼り合わせてもよい。視認側偏光板40eのカバー層側保護フィルムに加えて基材50eのハードコート層51eも不要とすれば、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e2)>
図25(a)に、態様eに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図25(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200eは、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、光学補償用の位相差フィルム30eからなる光学補償用基材の一方(カバー層Ce側)の表面に形成されている点、
・第一の導電層61eと、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成された誘電体層62eと、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成された第二の導電層63eとが、視認側偏光板40eよりも表示パネル20e側、具体的には視認側偏光板40eと光学補償用の位相差フィルム30eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の構成を有している。
なお、第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、基材50eを有していなくてもよい。また、光学補償用基材は、位相差フィルムの表面にハードコート層や光学機能層を形成したものであってもよい。
ここで、位相差フィルム30eからなる光学補償用基材上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200eによれば、基材50eを有しているので、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、静電容量式タッチパネル付き表示装置200eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの光学補償用基材(位相差フィルム30e)に形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、表示パネル20eとしての液晶パネルの視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を位相差フィルム30eで補償しつつ、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置200eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置200eでは、光学補償用基材(位相差フィルム30e)の一方側の面のみに導電層を形成しているので、光学補償用基材(位相差フィルム30e)の両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
なお、態様eに従う第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置では、基材50eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させ、視認側偏光板40eのカバー層側保護フィルムを不要として、視認側偏光板40eの厚さを薄くすることができる。即ち、第2の静電容量式タッチパネル付き表示装置では、偏光フィルム42eを視認側偏光板40eのカバー層Ce側の表面に位置させ、基材50eを視認側偏光板40eの偏光フィルム42eのカバー層Ce側の表面に貼り合わせることにより、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e2の第一変形例)>
図25(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置200eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図25(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200Aeは、
・第一の導電層61eが、光学補償用の位相差フィルム30e(光学補償用基材)の一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、位相差フィルム30eの他方(表示パネル20e側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、位相差フィルム30eと表示パネル20eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、表示パネル20eとしての液晶パネルの視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を位相差フィルム30eで補償しつつ、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、光学補償用基材(位相差フィルム30e)の両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e2の第二変形例)>
図25(c)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置200eの他の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図25(c)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置200Beは、
・第一の導電層61eが、光学補償用の位相差フィルム30e(光学補償用基材)の一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、位相差フィルム30eの他方(表示パネル20e側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、位相差フィルム30eと表示パネル20eとの間に位置している点、
・視認側偏光板40eが表示パネル側保護フィルム41eを有しておらず、偏光フィルム42eが視認側偏光板40eの表示パネル20e側の表面(図25(c)では下面)に位置している点、
・光学補償用の位相差フィルム30e(光学補償用基材)が視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの表示パネル20e側の表面に貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと同様の構成を有している。
ここで、位相差フィルム30e(光学補償用基材)の偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置200Beによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置200eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、表示パネル20eとしての液晶パネルの視野角依存性や、斜視時の偏光板の光漏れ現象を位相差フィルム30eで補償しつつ、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、光学補償用基材(位相差フィルム30e)の両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
なお、この表示装置200Beでは、位相差フィルム30e(光学補償用基材)を偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、視認側偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、視認側偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e3)>
図26(a)に、態様eに従う第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図26(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300eは、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、視認側偏光板40eの一方(カバー層Ce側)の表面、具体的には視認側偏光板40eのカバー層側保護フィルム43eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61eと、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成された誘電体層62eと、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成された第二の導電層63eとが、視認側偏光板40eと基材50eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の構成を有している。
なお、第3の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、光学フィルム52eを有する基材50eおよび位相差フィルム30eを有していなくてもよく、また、基材50eおよび位相差フィルム30eの何れか一方のみを有していてもよい。
ここで、視認側偏光板40e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300eによれば、基材50eを有しているので、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、静電容量式タッチパネル付き表示装置300eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの視認側偏光板40eに形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとしての液晶パネルとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置300eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置300eでは、視認側偏光板40eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、視認側偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、上記一例の表示装置300eでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを視認側偏光板40eとカバー層Ceとの間に配設している。従って、視認側偏光板40eよりも表示パネル20e側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、液晶パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を確保することができる。そして、その結果、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e3の第一変形例)>
図26(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置300eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図26(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置300Aeは、
・第一の導電層61eが、視認側偏光板40eの一方(カバー層Ce側)の表面に形成されておらず、視認側偏光板40eの他方(表示パネル20e側)の表面、具体的には視認側偏光板40eの表示パネル側保護フィルム41eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、視認側偏光板40eと位相差フィルム30eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置300eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置300Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置300eと同様に、操作者の偏光サングラスの透過軸と視認側偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸とが直交し、所謂クロスニコル状態になった場合でも、操作者が表示内容を視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとしての液晶パネルとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、視認側偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e4)>
図27(a)に、態様eに従う第4の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。ここで、図27(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400eは、画面に画像情報を表示する表示機能と、操作者が触れた画面位置を検知して外部へ情報信号として出力するタッチセンサー機能とを兼ね備える装置である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置400eは、有機EL表示(OLED)パネルが配置される側(図27(a)では下側。以下、単に「表示パネル側」という。)から操作者が画像を視認する側(図27(a)では上側。以下、単に「視認側」という。)に向かって、表示パネル20eとしての有機EL表示(OLED)パネル24eおよびバリア層25eと、第二の導電層63eと、誘電体層62eと、第一の導電層61eと、基材50eと、偏光板40eと、カバー層Ceとを順次積層して有している。そして、この静電容量式タッチパネル付き表示装置400eでは、第一の導電層61eが、基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されており、誘電体層62eが、第一の導電層61eの基材50e側とは反対側(表示パネル20e側)の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの第一の導電層61e側とは反対側(表示パネル20e側)の表面に形成されている。また、この表示装置400eでは、偏光板40eと、偏光板40eよりも表示パネル20e側に位置する基材50eとが円偏光板を構成している。
なお、表示パネル20eと、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが形成された基材50eと、偏光板40eと、カバー層Ceとは、接着剤層または粘着剤層、或いは、部材表面のプラズマ処理等の既知の手段を用いて各部材同士を互いに貼り合わせることにより、一体化することができる。即ち、図27(a)における積層構造の隙間部分には、例えば、接着剤層または粘着剤層が形成される。
[有機EL表示(OLED)パネル]
有機EL表示(OLED)パネル24eとしては、例えば、透明基板表面に透明な電極材料により形成された透明電極と、この透明電極に積層され、EL材料からなる発光層と、この発光層に積層され、上記透明電極に対向して形成された背面電極とを有し、透明基板側に発光する有機EL表示(OLED)パネルを用いることができる。そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eでは、有機EL表示(OLED)パネル24eに通電することにより、操作者に対して所望の画像を表示する。
なお、透明電極、発光層および背面電極としては、既知の材料を用いることができる。また、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置に用い得る表示パネルは、上記構造の有機EL表示(OLED)パネル24eを使用したものに限定されることはない。
[バリア層]
有機EL表示(OLED)パネル24eの視認側に位置するバリア層25eとしては、既知の部材、例えば、ガラス製またはプラスチック製の、可視光に対して透明な板を用いて形成することができる。
[第二の導電層]
第二の導電層63eは、誘電体層62eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されている。そして、第二の導電層63eは、誘電体層62eを挟んで積層方向に離隔して位置する第一の導電層61eと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第二の導電層63eとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。また、誘電体層62e上への第二の導電層63eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の方法を用いて行うことができる。
[誘電体層(絶縁層)]
誘電体層62eは、第一の導電層61eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されている。誘電体層62eは、誘電体よりなり、第一の導電層61eと第二の導電層63eとの間に位置することで、第一の導電層61eと第二の導電層63eとの間に静電容量を形成し得るようにしている。
ここで、誘電体層62eとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。また、第一の導電層61e上への誘電体層62eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の方法を用いて行うことができる。
[第一の導電層]
第一の導電層61eは、基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されている。そして、第一の導電層61eは、誘電体層62eを挟んで積層方向に離隔して位置する第二の導電層63eと共に静電容量式のタッチセンサーを構成する。
ここで、第一の導電層61eとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。また、基材50e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様の方法を用いて行うことができる。
[光学フィルムを有する基材]
積層方向一方(図27(a)では表示パネル20e側)の表面に第一の導電層61eが形成された基材50eは、λ/4の位相差を有する光学フィルム52eと、光学フィルム52eの両表面に形成されたハードコート層51e,53eとを有している。そして、基材50eの光学フィルム52eは、当該光学フィルム52eの遅相軸と、後に詳細に説明する偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸との交差角が、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、偏光板40eと光学フィルム52eとで円偏光板を形成し、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することを可能にし得る角度である。具体的には、所定の角度は、カバー層Ce側から偏光板40eを通って表示パネル20e側に進む直線偏光を光学フィルム52eで円偏光にし得る角度(例えば、約45°程度)、より具体的には45°±5°、好ましくは45°±3°、より好ましくは45°±1°、更に好ましくは45°±0.3°の範囲内の角度である。
また、「λ/4の位相差を有する」とは、光学フィルム52eを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/4倍であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/4倍であるとは、Reがλ/4±65nm、好ましくはλ/4±30nm、より好ましくはλ/4±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは光学フィルム52eの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
[光学フィルム]
光学フィルム52eとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。
なお、この静電容量式タッチパネル付き表示装置400eにおいて円偏光板の一部を構成する光学フィルム52eは、光学フィルムに入射した光が長波長側で与えられる位相差が大きくなり、短波長側で与えられる位相差が小さくなる逆波長分散特性を有することが好ましい。このようにすれば、光学フィルムに入射した光が長波長になるほど与えられる位相差の絶対値が大きくなり、短波長になるほど与えられる位相差の絶対値が小さくなるので、広い波長領域で所望の偏光特性を得て、直線偏光を円偏光に変えることができる。
[ハードコート層]
光学フィルム52eの両表面に形成されたハードコート層51e,53eとしては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。
ここで、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eと同様に、基材50eは、ハードコート層51e,53eを有していなくてもよいし、また、ハードコート層51e,53eに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
[インデックスマッチング層]
インデックスマッチング層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。
なお、基材50eに直接積層する層(例えば、導電層、接着剤層、粘着剤層)との屈折率差が0.05以上であっても、界面反射の影響がない(例えば、円偏光板を形成する基材50eの表示パネル20e側に第一の導電層61eが形成されている)場合には、インデックスマッチング層を設けなくてもよい。
[低屈折率層]
低屈折率層としては、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いたのと同様のものを用いることができる。
[偏光板]
偏光板40eとしては、特に限定されることなく、静電容量式タッチパネル付き表示装置100eで用いた視認側偏光板と同様のものを用いることができる。具体的には、偏光板40eとしては、偏光フィルム42eを2枚の保護フィルム(表示パネル側保護フィルム41eおよびカバー層側保護フィルム43e)で挟んでなる偏光板40eを用いることができる。そして、上述したように、偏光フィルム42eの透過軸と、基材50eにおける光学フィルム52eの遅相軸とは、積層方向(図27(a)では上下方向)に見て、約45°で交差するように配置される。なお、斜め延伸したフィルムを光学フィルム52eとして用いた基材50eを使用し、偏光板40eおよび基材50eを含む積層体をロール・トゥ・ロールで製造する場合には、光学フィルム52eとして用いる斜め延伸フィルムの配向角は、積層体を形成した際に光学フィルム52eの遅相軸と、偏光フィルム42eの透過軸とが上記所定の角度となるように調整すればよい。
[カバー層]
カバー層Ceは、上に述べた通り、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eによれば、カバー層Ceと表示パネル20eとの間に、偏光フィルム42eを有する偏光板40eと、所定の位相差を有し且つ所定の光軸角度で配置された光学フィルム52eを有する基材50eとからなる円偏光板を配置しているので、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。具体的には、カバー層Ce側から偏光板40eを通って表示パネル20e側に進む直線偏光を、基材50eの光学フィルム52eで円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネル20eでの反射光である逆円偏光を基材50eの光学フィルム52eで前記直線偏光と直交する他の直線偏光に変え、偏光板40eで該他の直線偏光のカバー層Ce側への透過を防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eでは、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの基材50eに形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置400eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置400eでは、基材50eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
ここで、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eでは、円偏光板を構成する基材50eの表示パネル20e側に第一の導電層61eを形成しているので、基材50eにインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e4の第一変形例)>
図27(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置400eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図27(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400Aeは、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、基材50eの他方(カバー層Ce側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、基材50eと偏光板40eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置400Aeによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e4の第二変形例)>
図27(c)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置400eの他の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図27(c)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置400Beは、
・偏光板40eが表示パネル側保護フィルム41eを有しておらず、偏光フィルム42eが偏光板40eの表示パネル20e側の表面(図27(c)では下面)に位置している点、
・基材50eが偏光板40eの偏光フィルム42eの表示パネル20e側の表面に貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様の構成を有している。
ここで、基材50eの偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置400Beによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置400Beによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置400Beでは、基材50eの表示パネル20e側に第一の導電層61eを形成しているので、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、基材50eにインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置400Beでは、基材50eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置400Beでは、基材50eとして、光学フィルム52eの偏光フィルム42e側にハードコート層53eを有さない基材(即ち、光学フィルム52eがカバー層Ce側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム52eと偏光フィルム42eとを貼り合わせてもよい。偏光板40eの表示パネル側保護フィルムに加えて基材50eのハードコート層53eも不要とすれば、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e5)>
図28(a)に、態様eに従う第5の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図28(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置500eは、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、偏光板40eの一方(表示パネル20e側)の表面、具体的には偏光板40eの表示パネル側保護フィルム41eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61eと、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成された誘電体層62eと、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成された第二の導電層63eとが、偏光板40eと基材50eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様の構成を有している。
ここで、偏光板40e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置500eによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置500eによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、静電容量式タッチパネル付き表示装置500eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの偏光板40eに形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置500eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置500eでは、偏光板40eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e5の第一変形例)>
図28(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置500eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図28(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置500Aeは、
・第一の導電層61eが、偏光板40eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、偏光板40eの他方(カバー層Ce側)の表面、具体的には偏光板40eのカバー層側保護フィルム43eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、カバー層Ceと偏光板40eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置500Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置500Aeによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、この表示装置500Aeでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを偏光板40eとカバー層Ceとの間に配設している。従って、偏光板40eよりも表示パネル20e側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、表示パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を確保することができる。そして、その結果、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e5の第二変形例)>
図28(c)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置500eの他の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図28(c)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置500Beは、
・第一の導電層61eが、偏光板40eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、偏光板40eの他方(カバー層Ce側)の表面、具体的には偏光板40eのカバー層側保護フィルム43eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、カバー層Ceと偏光板40eとの間に位置している点、
・偏光板40eが表示パネル側保護フィルム41eを有しておらず、偏光フィルム42eが偏光板40eの表示パネル20e側の表面(図28(c)では下面)に位置している点、
・基材50eが偏光板40eの偏光フィルム42eの表示パネル20e側の表面に貼り合わされている点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと同様の構成を有している。
ここで、基材50eの偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置500Beによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置500eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置500Beによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、この表示装置500Beでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを偏光板40eとカバー層Ceとの間に配設している。従って、偏光板40eよりも表示パネル20e側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、表示パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を確保することができる。そして、その結果、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
また、この表示装置500Beでは、基材50eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置500Beでは、基材50eとして、光学フィルム52eの偏光フィルム42e側にハードコート層53eを有さない基材(即ち、光学フィルム52eがカバー層Ce側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム52eと偏光フィルム42eとを貼り合わせてもよい。偏光板40eの表示パネル側保護フィルムに加えて基材50eのハードコート層53eも不要とすれば、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e6)>
図29(a)に、態様eに従う第6の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図29(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置600eは、
・偏光板40eが表示パネル側保護フィルム41eを有しておらず、偏光フィルム42eが偏光板40eの表示パネル20e側の表面(図29(a)では下面)に位置している点、
・基材50eが偏光板40eの偏光フィルム42eの表示パネル20e側の表面に貼り合わされている点、
・基材50eと表示パネル20eとの間に他の基材80eをさらに備えている点、
・第一の導電層61eが、基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、他の基材80eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されている点、
・第一の導電層61eと、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成された誘電体層62eと、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成された第二の導電層63eとが、他の基材80eと表示パネル20eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様の構成を有している。
ここで、基材50eの偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
[他の基材]
また、他の基材80eとしては、特に限定されることなく、既知の光学フィルムを有する基材や、可視光に対して透明であり、且つ、無用な位相差を発生させない基材を用いることができる。そして、他の基材80e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置600eによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置600eによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、静電容量式タッチパネル付き表示装置600eでは、第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが一つの他の基材80eに形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置600eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置600eでは、他の基材80eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、他の基材80eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置600eでは、円偏光板を構成する基材50eよりも表示パネル20e側に位置する他の基材80eに第一の導電層61eを形成しているので、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様に、他の基材80e等にインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置600eでは、基材50eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置600eでは、基材50eとして、光学フィルム52eの偏光フィルム42e側にハードコート層53eを有さない基材(即ち、光学フィルム52eがカバー層Ce側の表面に位置する基材)を使用し、光学フィルム52eと偏光フィルム42eとを貼り合わせてもよい。偏光板40eの表示パネル側保護フィルムに加えて基材50eのハードコート層53eも不要とすれば、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e6の第一変形例)>
図29(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置600eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図29(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置600Aeは、
・第一の導電層61eが、他の基材80eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、他の基材80eの他方(カバー層Ce側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、他の基材80eと基材50eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置600Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置600Aeによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、他の基材80eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置600Aeでは、基材50eよりも表示パネル20e側に位置する他の基材80eに第一の導電層61eを形成しているので、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと同様に、他の基材80e等にインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置600Aeでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと同様に、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置600Aeでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置600eと同様に、基材50eとして、光学フィルム52eの偏光フィルム42e側にハードコート層53eを有さない基材を使用し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くしてもよい。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e7)>
図30(a)に、態様eに従う第7の静電容量式タッチパネル付き表示装置の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図30(a)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置700eは、
・偏光板40eが表示パネル側保護フィルム41eを有しておらず、偏光フィルム42eが偏光板40eの表示パネル20e側の表面(図30(a)では下面)に位置している点、
・基材50eと、偏光板40eとの間、より具体的には、基材50eと偏光板40eの偏光フィルム42eとの間に偏光板側基材90eを更に含み、円偏光板が、基材50eと、偏光板側基材90eと、偏光板40eとで形成されている点、
・偏光板側基材90eが偏光板40eの偏光フィルム42eの表示パネル20e側の表面に貼り合わされている点、
・偏光板側基材90eが、λ/2の位相差を有する他の光学フィルム92eを有する点、
・光学フィルム52eの遅相軸と、他の光学フィルム92eの遅相軸と、偏光フィルム42eの透過軸とが所定の角度で交差している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eと同様の構成を有している。
ここで、偏光板側基材90eの偏光フィルム42e上への貼り付けは、既知の接着剤層または粘着剤層を用いて行うことができる。
[偏光板側基材]
偏光板側基材90eは、λ/2の位相差を有する他の光学フィルム92eと、光学フィルム92eの両表面に形成されたハードコート層91e,93eとを有している。そして、他の光学フィルム92eは、光に対して与える位相差をλ/2とした以外は光学フィルム52eと同様の材料および方法を使用して製造することができる。
なお、態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置では、偏光板側基材90eは、ハードコート層91e,93eを有していなくてもよい。また、偏光板側基材90eは、基材50eと同様に、ハードコート層91e,93eに替えて、或いは、加えて、インデックスマッチング層や低屈折率層等の光学機能層を有していてもよい。
ここで、「λ/2の位相差を有する」とは、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eを積層方向に透過した光に対して与える位相差(レタデーションRe)が光の波長λの約1/2であることを指す。具体的には、透過する光の波長範囲が400nm〜700nmの場合、Reが波長λの約1/2倍であるとは、Reがλ/2±65nm、好ましくはλ/2±30nm、より好ましくはλ/2±10nmの範囲であることをいう。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d[式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dは他の光学フィルム92eの厚みである]で表される面内方向レターデーションである。
また、基材50eの光学フィルム52eおよび偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eは、2枚の組合せでλ/4の位相差を与える光学板(所謂、広帯域1/4波長板)となるものであり、光学フィルム52eおよび他の光学フィルム92eは、共に、同じ波長分散特性を有している同一の素材からなるものであることが好ましい。
さらに、光学フィルム52eおよび他の光学フィルム92eは、光学フィルム52eの遅相軸と、偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸との交差角、および、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eの遅相軸と、偏光板40eの偏光フィルム42eの透過軸との交差角が、それぞれ、積層方向から見て、所定の角度となるように配置されている。
ここで、「所定の角度」とは、広帯域1/4波長板を形成し得る角度、具体的には、カバー層Ce側から偏光板40eを通って表示パネル20e側に進む直線偏光Aが他の光学フィルム92eおよび光学フィルム52eを順次通過すると円偏光Aに変わり、また、円偏光Aが表示パネル20eで反射してなる逆円偏光Bが光学フィルム52eおよび他の光学フィルム92eを順次通過すると、前記直線偏光Aと直交する他の直線偏光Bに変わる角度である。
具体的には、「所定の角度」は、他の光学フィルム92eおよび光学フィルム52eが同一の波長分散特性を有している場合には、光学フィルム52eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角をX°、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角をY°としたときに、X−2Y=45°が成り立つ角度である。より具体的には、「所定の角度」は、例えば、(i)光学フィルム52eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角を約75°とし、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角を約15°とした組合せ、(ii)光学フィルム52eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角を約90°とし、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eの遅相軸と偏光フィルム42eの透過軸との交差角を約22.5°とした組合せ、などが挙げられる。
ここで、「約75°」は、より具体的には、75°±5°、好ましくは75°±3°、より好ましくは75°±1°、更に好ましくは75°±0.3°の範囲内の角度であり、「約15°」は、より具体的には、15°±5°、好ましくは15°±3°、より好ましくは15°±1°、更に好ましくは15°±0.3°の範囲内の角度であり、「約90°」は、より具体的には、90°±5°、好ましくは90°±3°、より好ましくは90°±1°、更に好ましくは90°±0.3°の範囲内の角度であり、「約22.5°」は、より具体的には、22.5°±5°、好ましくは22.5°±3°、より好ましくは22.5°±1°、更に好ましくは22.5°±0.3°の範囲内の角度である。
なお、偏光板40eを含む積層体をロール・トゥ・ロールで容易に製造することができる点で、偏光フィルム42eの透過軸との交差角が約90°となる光学フィルム52eは、縦延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42eの透過軸との交差角が約75°となる光学フィルム52eは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42eの透過軸との交差角が約15°となる他の光学フィルム92eは、斜め延伸フィルムであることが好ましく、偏光フィルム42eの透過軸との交差角が約22.5°となる他の光学フィルム92eは、斜め延伸フィルムであることが好ましい。
そして、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eによれば、カバー層Ceと表示パネル20eとの間に、偏光フィルム42eを有する偏光板40eと、所定の位相差を有し且つ所定の光軸角度で配置された他の光学フィルム92eを有する偏光板側基材90eと、所定の位相差を有し且つ所定の光軸角度で配置された光学フィルム52eを有する基材50eとからなる円偏光板を配置しているので、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。具体的には、カバー層Ce側から偏光板40eを通って表示パネル20e側に進む直線偏光を、偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eおよび基材50eの光学フィルム52eからなる広帯域1/4波長板で円偏光に変えると共に、該円偏光の表示パネル20eでの反射光である逆円偏光を広帯域1/4波長板(偏光板側基材90eの他の光学フィルム92eおよび基材50eの光学フィルム52e)で前記直線偏光と直交する他の直線偏光に変え、偏光板40eで該他の直線偏光のカバー層Ce側への透過を防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eでは、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eでは、導電層被形成部材としての基材50eに第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが形成されているので、第一の導電層を形成するための透明基板および第二の導電層を形成するための透明基板を別途設ける必要が無い。従って、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間に存在する部材の数を削減して、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。その結果、表示装置700eの薄厚化を達成することができる。なお、この表示装置700eでは、導電層被形成部材としての基材50eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
ここで、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eでは、円偏光板を構成する基材50eの表示パネル20e側に第一の導電層61eを形成しているので、基材50eにインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置700eでは、偏光板側基材90eを偏光フィルム42eの保護フィルムとして機能させることができるので、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。従って、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを更に薄くすることができる。
ここで、この表示装置700eでは、偏光板側基材90eとして、他の光学フィルム92eの偏光フィルム42e側にハードコート層93eを有さない基材(即ち、他の光学フィルム92eがカバー層Ce側の表面に位置する基材)を使用し、他の光学フィルム92eと偏光フィルム42eとを貼り合わせてもよい。偏光板40eの表示パネル側保護フィルムに加えて偏光板側基材90eのハードコート層93eも不要とすれば、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さをより一層薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e7の第一変形例)>
図30(b)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置700eの一変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図30(b)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置700Aeは、
・第一の導電層61eが、導電層被形成部材としての基材50eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されておらず、導電層被形成部材としての基材50eの他方(カバー層Ce側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、基材50eと偏光板側基材90eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様の構成を有している。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置700Aeによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置700Aeによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。更に、導電層被形成部材としての基材50eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置700Aeでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、基材50e等にインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置700Aeでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e7の第二変形例)>
図30(c)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置700eの他の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図30(c)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置700Beは、
・導電層被形成部材が、基材50eではなく偏光板側基材90eであり、第一の導電層61eが、導電層被形成部材としての偏光板側基材90eの一方(表示パネル20e側)の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eの表示パネル20e側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eの表示パネル20e側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、基材50eと、導電層被形成部材としての偏光板側基材90eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様の構成を有している。
ここで、偏光板側基材90e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置700Beによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置700Beによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。なお、この表示装置700Beでは、導電層被形成部材としての偏光板側基材90eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、偏光板側基材90eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
また、静電容量式タッチパネル付き表示装置700Beでは、偏光板側基材90eの表示パネル20e側に第一の導電層61eを形成しているので、偏光板側基材90e等にインデックスマッチング層を設けなくてもよい。
更に、この表示装置700Beでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。
<静電容量式タッチパネル付き表示装置(実施形態e7の第三変形例)>
図30(d)に、上記静電容量式タッチパネル付き表示装置700eの別の変形例の要部の断面構造を模式的に示す。
ここで、図30(d)に示す静電容量式タッチパネル付き表示装置700Ceは、
・導電層被形成部材が、基材50eではなく偏光板40eであり、第一の導電層61eが、導電層被形成部材としての偏光板40eのカバー層Ce側の表面、具体的には偏光板40eのカバー層側保護フィルム43eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・誘電体層62eが、第一の導電層61eのカバー層Ce側の表面に形成されており、第二の導電層63eが、誘電体層62eのカバー層Ce側の表面に形成されている点、
・第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eが、カバー層Ceと、導電層被形成部材としての偏光板40eとの間に位置している点、
において先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと構成が異なっており、他の点では、静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様の構成を有している。
ここで、偏光板40e上への第一の導電層61eの形成は、静電容量式タッチパネル付き表示装置400eにおける第一の導電層61eの形成で用いたのと同様の方法を用いて行うことができる。
そして、上述した静電容量式タッチパネル付き表示装置700Ceによれば、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、入射外光の反射光により表示内容が視認しづらくなるのを防止することができる。従って、静電容量式タッチパネル付き表示装置700Ceによれば、反射光に阻害されずに、操作者が表示内容を容易に視認することができる。また、タッチセンサーの構造を簡素化し、表示パネル20eとカバー層Ceとの間の厚さを薄くすることができる。なお、この表示装置700Ceでは、導電層被形成部材としての偏光板40eの一方側の面のみに導電層を形成しているので、偏光板40eの両面に導電層を形成する場合と比較し、均一な厚みの導電層を容易に形成することができる。
更に、この表示装置700Ceでは、先の一例の静電容量式タッチパネル付き表示装置700eと同様に、偏光板40eの表示パネル側保護フィルムを不要として、偏光板40eの厚さを薄くすることができる。
また、この表示装置700Ceでは、静電容量式タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを偏光板40eよりもカバー層Ce側、具体的には偏光板40eとカバー層Ceとの間に配設している。従って、偏光板40eよりも表示パネル20e側に第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eを設けた場合と比較し、装置を薄厚化した場合であっても、表示パネルと、タッチセンサーを構成する第一の導電層61e、誘電体層62eおよび第二の導電層63eとの間の距離を確保することができる。そして、その結果、表示パネル20e側から受ける電気的なノイズの影響によるタッチセンサーの感度低下を抑制することができる。
以上、実施形態及びそれらの変形例を例示して態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置は、上記実施形態及びそれらの変形例に限定されることはなく、態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置には、適宜変更を加えることができる。
以上、態様a〜態様eの静電容量式タッチパネル付き表示装置について説明したが、本発明の静電容量式タッチパネル付き表示装置は、これらの態様に限定されることはなく、これらの態様に適宜変更を加えたものも包含される。
10a バックライト側偏光板
20a 液晶パネル
21a 薄膜トランジスタ基板
22a 液晶層
23a カラーフィルタ基板
30a 第二の導電層
40a 基材
50a 第一の導電層
60a 視認側偏光板
61a 液晶パネル側保護フィルム
62a 偏光フィルム
63a カバー層側保護フィルム
70a 光学フィルム
Ca カバー層
100a,200a,300a,400a 静電容量式タッチパネル付き表示装置
10b 表示パネル
11b 有機EL表示(OLED)パネル
12b バリア層
20b 第二の導電層
30b 基材
31b,33b ハードコート層
32b 光学フィルム
40b 第一の導電層
50b 偏光板
51b 表示パネル側保護フィルム
52b 偏光フィルム
53b カバー層側保護フィルム
Cb カバー層
70b 他の基材
80b 偏光板側基材
100b,300b,400b,500b,600b,700b,800b,900b,1000b,1100b 静電容量式タッチパネル付き表示装置
10c バックライト側偏光板
20c 液晶パネル
21c 薄膜トランジスタ基板
22c 液晶層
23c カラーフィルタ基板
30c 位相差フィルム
40c 視認側偏光板
41c バックライト側保護フィルム
42c 偏光フィルム
43c カバー層側保護フィルム
50c 第二の導電層
60c 基材
61c,63c ハードコート層
62c 光学フィルム
70c 第一の導電層
Cc カバー層
100c、200c、300c、400c 静電容量式タッチパネル付き表示装置
10d バックライト側偏光板
20d 表示パネル
21d 薄膜トランジスタ基板
22d 液晶層
23d カラーフィルタ基板
24d 有機EL表示(OLED)パネル
25d バリア層
30d 位相差フィルム
40d 視認側偏光板、偏光板
41d バックライト側(表示パネル側)保護フィルム
42d 偏光フィルム
43d カバー層側保護フィルム
50d 第二の導電層
60d 基材
61d,63d ハードコート層
62d 光学フィルム
70d 第一の導電層
Cd カバー層
90d 偏光板側基材
91d,93d ハードコート層
92d 他の光学フィルム
100d、200d、300d、400d 静電容量式タッチパネル付き表示装置
10e バックライト側偏光板
20e 表示パネル
21e 薄膜トランジスタ基板
22e 液晶層
23e カラーフィルタ基板
24e 有機EL表示(OLED)パネル
25e バリア層
30e 位相差フィルム
40e 視認側偏光板、偏光板
41e 表示パネル側保護フィルム
42e 偏光フィルム
43e カバー層側保護フィルム
50e 基材
51e,53e ハードコート層
52e 光学フィルム
61e 第一の導電層
62e 誘電体層
63e 第二の導電層
Ce カバー層
80e 他の基材
90e 偏光板側基材
91e,93e ハードコート層
92e 他の光学フィルム
100e、100Ae、100Be 静電容量式タッチパネル付き表示装置
200e、200Ae、200Be 静電容量式タッチパネル付き表示装置
300e、300Ae 静電容量式タッチパネル付き表示装置
400e、400Ae、400Be 静電容量式タッチパネル付き表示装置
500e、500Ae、500Be 静電容量式タッチパネル付き表示装置
600e、600Ae 静電容量式タッチパネル付き表示装置
700e、700Ae、700Be、700Ce 静電容量式タッチパネル付き表示装置

Claims (14)

  1. 表示パネル、カバー層、及び前記表示パネル及び前記カバー層の間に設けられる積層体を備え、
    前記積層体は、第一の導電層及び第二の導電層を有し、
    前記カバー層は、鉛筆硬度7H以上の樹脂の層である、
    静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  2. 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
    前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板の偏光フィルムよりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成されている、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  3. 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
    前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板は、偏光フィルムを有する、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  4. 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
    前記円偏光板は、基材と、当該基材よりもカバー層側に位置する偏光板とを含み、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、前記偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板は、偏光フィルムおよびカバー層側保護フィルムを有し、
    前記カバー層側保護フィルムは、前記偏光フィルムの前記カバー層側に形成され、
    前記第二の導電層は、前記カバー層側保護フィルムの前記カバー層側の表面に形成され、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  5. 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層のうちの何れか一方は、前記基材の一方の表面に形成され、
    前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
    前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  6. 前記積層体が、さらに視認側偏光板および基材を有し、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
    前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
    前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  7. 前記積層体が、さらに視認側偏光板および表示パネル側基材を有し、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記表示パネル側基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層は、前記表示パネル側基材の前記カバー層側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記表示パネル側基材の前記表示パネル側の表面に形成される、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  8. 前記積層体が、さらに円偏光板を有し、
    前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
    前記第一の導電層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、且つ、前記第一の導電層は、前記第二の導電層よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層および前記第二の導電層は、積層方向に互いに離隔して配置されて静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層は、前記基材の前記カバー層側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記基材の前記表示パネル側の表面に形成され、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板は、偏光フィルムを有する、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  9. 前記積層体が、さらに視認側偏光板、誘電体層および基材を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記視認側偏光板よりも前記カバー層側に位置し、
    前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
    前記基材は、(2n−1)λ/4の位相差[但し、nは正の整数である]を有する光学フィルムを有し、
    前記視認側偏光板は、偏光フィルムを有し、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  10. 前記積層体が、さらに視認側偏光板、誘電体層および光学補償用基材を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記光学補償用基材は、前記視認側偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
    前記第一の導電層は、前記光学補償用基材の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記光学補償用基材側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
    前記光学補償用基材は、光学補償用の位相差フィルムを有する、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  11. 前記積層体が、さらに視認側偏光板および誘電体層を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記第一の導電層は、前記視認側偏光板の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記視認側偏光板側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成された、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  12. 前記積層体が、さらに円偏光板及び誘電体層を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
    前記第一の導電層、前記誘電体層、前記第二の導電層および前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
    前記第一の導電層は、前記基材の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記基材側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  13. 前記積層体が、さらに円偏光板及び誘電体層を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記円偏光板は、基材と、偏光板とを含み、
    前記基材は、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置し、
    前記第一の導電層は、前記偏光板の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記偏光板側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
    積層方向から見て、前記光学フィルムの遅相軸と、前記偏光フィルムの透過軸との交差角が約45°である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
  14. 前記積層体が、さらに円偏光板および誘電体層を有し、
    前記第一の導電層、前記誘電体層および前記第二の導電層が、静電容量式タッチセンサーを構成し、
    前記円偏光板は、偏光板と、前記偏光板よりも前記表示パネル側に位置する基材と、前記偏光板と前記基材との間に位置する偏光板側基材とを含み、
    前記偏光板は、偏光フィルムを有し、
    前記基材は、λ/4の位相差を有する光学フィルムを有し、
    前記偏光板側基材は、λ/2の位相差を有する他の光学フィルムを有し、
    前記第一の導電層は、導電層被形成部材の一方の表面に形成され、
    前記誘電体層は、前記第一の導電層の前記導電層被形成部材側とは反対側の表面に形成され、
    前記第二の導電層は、前記誘電体層の前記第一の導電層側とは反対側の表面に形成され、
    前記導電層被形成部材が、前記基材、前記偏光板側基材または前記偏光板である、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル付き表示装置。
JP2015080282A 2015-04-09 2015-04-09 静電容量式タッチパネル付き表示装置 Pending JP2016200956A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015080282A JP2016200956A (ja) 2015-04-09 2015-04-09 静電容量式タッチパネル付き表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015080282A JP2016200956A (ja) 2015-04-09 2015-04-09 静電容量式タッチパネル付き表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016200956A true JP2016200956A (ja) 2016-12-01

Family

ID=57424334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015080282A Pending JP2016200956A (ja) 2015-04-09 2015-04-09 静電容量式タッチパネル付き表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016200956A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180729A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 日本ゼオン株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置用の複層フィルム、並びに、これを含む偏光板、反射防止フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2018169962A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 富士フイルム株式会社 積層体、タッチパネル、及びタッチパネル付表示装置
WO2020230493A1 (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 住友化学株式会社 光学積層体及び表示装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180729A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 日本ゼオン株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置用の複層フィルム、並びに、これを含む偏光板、反射防止フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2018169962A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 富士フイルム株式会社 積層体、タッチパネル、及びタッチパネル付表示装置
WO2020230493A1 (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 住友化学株式会社 光学積層体及び表示装置
JP2020187595A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 住友化学株式会社 光学積層体及び表示装置
JP7312013B2 (ja) 2019-05-15 2023-07-20 住友化学株式会社 光学積層体及び表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6579245B2 (ja) 静電容量式タッチパネル付き表示装置
US10656468B2 (en) Display device with a capacitive touch panel
US10353527B2 (en) Display device with capacitive touch panel
JP6432506B2 (ja) 静電容量式タッチパネル付き表示装置
JP6380382B2 (ja) 静電容量式タッチパネル付き表示装置
JP2016200956A (ja) 静電容量式タッチパネル付き表示装置