JP2016200434A - 疲労試験装置および疲労強度評価システム - Google Patents

疲労試験装置および疲労強度評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の試験体に対して一定の荷重を与えた状態で振動荷重を与えることが可能となる疲労試験装置、および疲労強度評価システムを提供する。【解決手段】試験体に対して回転運動を連続的に与える動力手段と、動力手段を固定する固定手段と、試験体の一端と係合され、かつ動力手段に係合された回転冶具と、試験体の他端と係合された動作冶具と、動作冶具を回転冶具の半径方向に移動させる移動手段と、動作冶具に対して非接触の態様で回転治具の半径方向の荷重を与える負荷手段とから構成される。これにより、複数の試験体に対して一定の荷重を与えた状態で振動負荷を与えることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、疲労試験装置および疲労強度評価システムに係り、特に高速で繰返し負荷を与え疲労強度を評価するための疲労試験装置および疲労強度評価システムに関する。
繊維強化プラスチック等の高分子材料や樹脂材料は、幅広い工業製品へ適用が拡大している。今後これらの材料は、疲労や衝撃といった過酷な負荷の作用する環境で使用される製品まで、その適用範囲が拡大することが期待されている。
然るに機械製品等の実働環境では、自重や熱変形に起因する力、回転に伴う遠心力のように一定の荷重が加わった状態に振動負荷が重畳して作用する。一般に材料の疲労強度は、繰り返し負荷される荷重に起因する応力(以下、繰返し応力と記す)に、平均的に負荷されている荷重に起因する応力(以下、平均応力と記す)が重畳すると、平均応力が作用しない場合よりも疲労強度が低下することが知られている。
また、構造物の疲労設計においては材料の疲労寿命のバラつきを適切に評価することが重要となるため、多くの試験体の疲労試験を効率的に実施する必要がある。したがって、材料に対して平均応力を発生させる一定の荷重が与えられた状態で、効率的に疲労試験を実施できる試験装置の実現が望まれる。
材料の疲労試験を効率的に実施する方法の一つとして、高速で振動荷重を与える方法がある。材料に対して高速で振動荷重を与える試験装置としては、超音波を利用した疲労試験機がある。この試験装置は、超音波振動を用いて数10kHzの周波数で高速に疲労試験を行うことが可能である。しかしながら、この装置は比較的剛性の高い金属材料を主な試験対象としているため、剛性の低い高分子材料や樹脂材料の疲労試験においては必要な変形量を発生させることが難しい。
この点に関し、金属材料と比較して剛性の低い高分子材料や樹脂材料に対して必要な変形量を発生させる試験装置としては、例えば特許文献1のものが知られている。特許文献1に記載の試験装置では、試験体を片持ち梁の態様で加振装置に取り付け、試験体の共振周波数で加振することにより、比較的小さな加振力で大変形を与えることを可能とする。
特開2010−121939号公報
特許文献1の疲労試験装置においては、平均応力を発生させた状態で繰返し応力を発生させる機構が備えられていないため、実稼働時や使用時に想定される状態を実現することは難しい。
特許文献1に係る技術では、平均値ゼロで振動する繰返し応力を試験体に発生させることを目的としており、平均応力と繰返し応力とを重畳させる機構は備えられていない。また、共振現象を利用していることから、一台の試験装置で複数の試験体の疲労試験を同時に実施することが難しい。
そこで、樹脂材料などの比較的剛性の低い材料に対して繰返し荷重を負荷する疲労試験装置においては、材料の疲労強度に関する信頼性を向上する点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、かかる従来技術の事情に鑑みてなされたものであり、複数の試験体に対して一定の荷重を与えた状態で振動荷重を与えることが可能となる疲労試験装置、および疲労強度評価システムを提供することである。
以上のことから本発明においては、試験体に対して回転運動を連続的に与える動力手段と、動力手段を固定する固定手段と、試験体の一端と係合され、かつ動力手段に係合された回転冶具と、試験体の他端と係合された動作冶具と、動作冶具を回転冶具の半径方向に移動させる移動手段と、動作冶具に対して非接触の態様で回転治具の半径方向の荷重を与える負荷手段とから構成されることを特徴とする。
また本発明では、回転側と固定側の装置で構成され、試験体の一端が回転側に支持され、回転する試験体の一部に直接的あるいは間接的に設けられた第1の磁石と、回転する第1の磁石に対向する固定側の位置に隙間を介して設けられた第2の磁石とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、機械や建造物の実稼働時や使用時に想定される、一定の荷重が負荷された状態において振動荷重が負荷される状態を模擬した疲労試験を、複数本の試験体に対して同時に実施することが可能となる。
本発明の実施例1に係る疲労試験装置の構成例を示す図。 図1のA−A断面を示す斜視図。 繰り返し応力試験時、平均応力を与えた場合と与えない場合を比較して示す図。 予想されるS−N線図(疲労強度と繰り返し数の関係図)で表示した例を示す図。 本発明の実施例2に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例3に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例4に係る疲労試験装置の試験体近傍の外観図。 本発明の実施例4に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 実施例4の構成を簡便に示した図。 本発明の実施例5に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例6に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例7に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例8に係る疲労試験装置の試験体近傍の断面図。 本発明の実施例9に係る疲労試験装置の試験体近傍の外観図。 本発明の実施例10に係る疲労試験装置の試験体近傍の外観図。 本発明の実施例11に係る疲労試験装置の試験体の外観図。 本発明の実施例11に係る疲労試験装置の試験体の外観図。
以下、図面を参照して本発明による疲労試験装置および疲労強度評価システムの一例を説明する。なお実施例1では、本発明に共通する疲労試験装置および疲労強度評価システムの構成を説明し、以下の実施例においてはその変形、代案例について説明する。
以下図1から図3を用いて本発明の実施例1について説明する。実施例1は、平均応力を発生させた状態で繰返し応力を発生させることができる機構を備えた本発明の疲労試験装置の構成を示している。本発明の疲労試験装置では、ごく簡便に述べると遠心力により平均応力を発生させ、磁石により繰返し応力を発生させるものである。
本発明の実施例1に係る疲労試験装置1は、図1に示すように回転部分と固定部分で構成された円盤状構成の装置である。ここで固定部分とは、円盤状の固定台6と固定台1上に設置された治具14であり、回転部分とは、円盤状の固定台6の中心部分に設けられた回転板4である。
円盤状構成の疲労試験装置1には、円形状のガイドレール8が形成されており、ガイドレール8に沿って滑らかに円周方向Cに移動可能なリニアスライダ5を配置している。試験体2は、その一端をボルト11Aによって回転板4に固定され、その他端をボルト11Bによってリニアスライダ5側に固定されている。このため、リニアスライダ5もまた試験体2を介した回転部分と捉えることができる。図1の場合には、リニアスライダ5が3台設置され、それぞれに試験体2A,2B,2Cを取り付けた例を示している。
また図1において、リニアスライダ5には冶具13により回転側磁石3Aが取り付けられ、円盤状の固定台6側には冶具14により固定側磁石3Bが取り付けられている。回転側磁石3Aは、N極またはS極に磁化されており、他方円盤状の固定台6に偶数個設置された固定側磁石3Bは、交互にN極とS極を配置している。また回転側磁石3Aと固定側磁石3Bの間には隙間7が設けられており、回転側磁石3Aと固定側磁石3Bの接近により両者間に反発力あるいは吸引力が生じる。この構成により、回転側磁石3Aの回転に伴い、試験体2には、同極通しの接近による反発力と異極通しの接近による吸引力が時間的に交互に作用することになる。
図2は、図1のA−A断面を示す斜視図である。図2によれば、固定台6の中心にモータ12を配置し、モータ12により回転板4を回転させている。試験体2の他端は、回転するリニアスライダ5上に載置され、周方向Cにリニアスライダ5とともに回動するが、遠心力により遠心方向(半径方向)Dに移動可能な冶具10と治具13にボルト11Bで係合されている。
また遠心方向Dに移動可能な冶具13には磁石3Aが取り付けられ、他方固定台6上に設置された治具14には、回転側の磁石3Aに対向する位置に隙間7を介して磁石3Bが取り付けられている。この結果、回転により磁石3Aと磁石3Bが接近したときに反発力と吸引力が試験体2に交互に生じ、かつ試験体2には遠心力による試験体2の遠心方向への伸びが生じることになる。この場面において、交互に生じる反発力と吸引力が繰返し応力に相当しており、遠心方向への伸びが平均応力に対応している。
図1に戻り、円盤状の装置1の円形状のガイドレール8には、複数のリニアスライダ5を配置可能であり、それぞれに試験体2(2A、2B、2C)を取り付けることで、同時に複数の試験体2をテストすることができる。また固定側の治具14も複数組が配置されている。係る構成によれば、複数組同時にテストすることが可能である。
これにより、図3に示すように、回転運動により発生する遠心力によって試験体に一定の平均応力を負荷した状態で、磁石2A、2B間の交互に生じる吸引力と反発力によって試験体に繰返し応力を重畳させることが可能となる。図3Aは繰り返し応力試験中に、かつ平均応力を与えた場合(実線)と与えない場合(点線)を比較して示している。図3Bは予想されるS−N線図(疲労強度と繰り返し数の関係図)で表示した例であり、平均応力をかけた場合(実線)にかけない場合よりも疲労強度が低下することを表している。係る試験結果の解析、表示の場合に、作用させる平均応力の大きさは、図1装置の回転数、従って遠心力の大きさで自由に設定が可能である。また繰返し応力の大きさは、図1装置の磁石の磁力あるいは、磁石間の隙間の調整などにより自由に設定が可能である。
さらに、図1に示すように、回転板4に対して試験体2A、2B、2Cを放射状に配置することにより、複数の試験体の疲労試験を同時に実施することが可能となる。また、バネや錘によって機械的に平均応力を与える場合と異なり、平均応力が経年変化しにくいという利点や、平均応力と繰返し応力を発生する機構が非接触であるため、接触部を有する場合と異なり、当該機構においてすべり摩擦に起因する発熱を防止できるという利点を有する。
本発明に係る疲労強度評価システムにおいては、図1、図2に示した疲労試験装置の結果をうけて、一例として図3の形式の出力(時系列波形あるいはSN日特性など)を得るものである。
上記構成の実施例1の発明は、試験体2に対して回転運動を連続的に与える動力手段12と、動力手段12を固定する固定手段6と、試験体2の一端と係合され、かつ動力手段12に係合された回転冶具4と、試験体2の他端と係合された動作冶具5と、動作冶具5を回転冶具4の半径方向に移動させる移動手段10と、動作冶具5に対して非接触の態様で回転冶具4の半径方向の荷重を与える負荷手段3A,3Bとから構成された疲労試験装置あるいは当該疲労試験装置を備えた疲労強度評価システムである。
またこの構成は、より簡便には、回転側と固定側の装置で構成され、試験体の一端が前記回転側に支持され、回転する前記試験体の一部に直接的あるいは間接的に設けられた第1の磁石と、回転する該第1の磁石に対向する固定側の位置に隙間を介して設けられた第2の磁石とを含むことを特徴とする疲労試験装置あるいは当該疲労試験装置を備えた疲労強度評価システムということができる。
実施例2と実施例3では、繰返し応力の大きさを可変にするための一手法を提案している。実施例2と実施例3では、実施例1の疲労試験装置の構成に計測、制御機能を付与しており、この意味において実施例2と実施例3は、疲労試験装置を備えた疲労強度評価システムを記載したものということができる。このうち実施例2では、磁石により生じる荷重を計測してこれを所望値に制御する事例である。
図4に実施例2として示す疲労試験装置1は、その試験体近傍の断面形状に示すように、実施例1の疲労試験装置1において、固定台6に荷重計測機器15と電磁石18を配置し、荷重計測機器15と電磁石18とに制御装置16を電気的に接続し、記録装置17を制御装置16に電気的に接続したものである。
これにより、試験体2の剛性低下などによって、隙間7の距離が変化した場合においても、荷重計測機器15の計測結果を基に電磁石18に流す電流を制御装置16によって制御し、磁力を一定に保持することが可能となる。また、電流値を記録装置17によって記録することにより、隙間7の変化が測定可能となるため、試験体2の剛性低下を連続的に測定することが可能となる。
このように実施例2では、固定側の磁石を電磁石とし、荷重を計測して電磁石に流れる電流を制御することにより磁力を調整して、繰返し応力の大きさを可変にしている。
上記構成の実施例2の発明は、負荷手段3A,18から与えられる荷重を計測する負荷手段18に備えられた荷重計測手段15と、荷重計測手段15と電気的に接続され荷重を制御する制御手段16と、制御手段16と電気的に接続され制御手段16の状態を記録する記録手段17から構成されている疲労強度評価システムである。
実施例3も、繰返し応力の大きさを可変にするための一手法である。実施例3では、磁石間の隙間を監視して、電磁石の制御に利用する。
図5に実施例3として示す疲労試験装置1は、その試験体近傍の断面形状に示すように、実施例1の疲労試験装置において、固定台6に電磁石18を配置し、変位計測機器19を隙間7の状態を観察可能な位置に配置し、変位計測機器19と電磁石18とに制御装置16を電気的に接続し、記録装置17を制御装置16に電気的に接続したものである。
これにより、実施例2と同様に隙間7の距離が変化した場合においても、変位計測機器19の計測結果を基に電磁石18に流す電流を制御装置16によって制御し、磁力を一定に保持することが可能となる。また、この実施形態においては、変位計測機器19の計測結果を基に、隙間7の距離が一定に保持されるように電磁石18に流す電流を制御し、試験体2に対して一定の変位を与えた状態で振動荷重を与える疲労試験を実施することも可能となる。
このように実施例3では、固定側の磁石を電磁石とし、荷重を計測して電磁石に流れる電流を制御することにより磁力を調整して、繰返し応力の大きさを可変にしている。
上記構成の実施例3の発明は、負荷手段3A,18に設けた隙間7の変化を計測する変位計測手段19と、変位計測手段19と電気的に接続され荷重を制御する制御手段16と、制御手段16と電気的に接続され制御手段16の状態を記録する記録手段17とから構成された疲労強度評価システムである。
また実施例2、実施例3は、試験体2に加えられる遠心方向の荷重または、磁石間の隙間を制御する疲労強度評価システムということができる。
実施例1から実施例3は、遠心力により試験体2に伸び方向の力を与えている。これに対し、試験体2に圧縮方向の力を与えたい場合もある。実施例4は、圧縮力を試験体に与えるための疲労試験装置1の構成を提案している。実施例4について、図6から図8を用いて説明する。
図6は、試験体近傍の外観形状を示し、図7は試験体近傍の断面形状を示している。この構成では、遠心方向に配置される試験体2の中心部側をリニアスライダ5側から支持し、遠心方向に配置される試験体2の反中心部側を回転板4側から支持する。この結果、回転時に試験体2の反中心部側が固定され、中心部側がリニアスライダ5に作用する遠心力により遠心方向への力を受ける形になる。この力は試験体2に対する圧縮力である。
具体的には、遠心方向に配置される試験体2の反中心部側を回転板4側から支持するために、回転板4に遠心方向に延伸した第1の冶具20の一端をボルト11A2で固定し、第1の冶具20の他端と試験体2の一端とをボルト11A3でスペーサ21を挟む態様で固定している。
他方遠心方向に配置される試験体2の中心部側をリニアスライダ5側から支持するために、
穴22を設けた第2の冶具10の一端に試験体2の他端を固定し、第1の冶具10の他端と冶具13とを固定したものである。
図8は、上記の関係を簡便に示したものであり、遠心方向に配置される試験体2の反中心部側を、回転部4側から第1の冶具20、ボルト11A3を介して固定し、試験体2の中心部側を、リニアスライダ5側から第2の冶具10、ボルト11A1を介して固定したものである。
これにより、第2の冶具10を介して遠心力が圧縮荷重に変換された状態で試験体2に作用するため、圧縮の平均応力と繰返し応力とを重畳させた疲労試験が可能となる。また、スペーサ21を配置していることにより、試験体の曲げ変形を抑制できる。
上記構成の実施例4の発明は、要するに半径方向に設けられた試験体2について、試験体の回転中心部側を、動作冶具5側から支持し、試験体2の反回転中心部側を回転冶具4側から支持したことを特徴とする疲労試験装置である。
またこの構成は、より簡便には、遠心方向に設けられた試験体について、試験体の回転中心部側を、遠心力を受ける側から支持し、試験体の反回転中心部側を回転軸側から支持したことを特徴とする疲労試験装置ということができる。
上記の実施例では、試験体2に平均応力と繰返し応力とを重畳させた疲労試験が可能であるが、実際の設備設置環境においては、さらに試験体2に曲げ荷重が作用することがある。図9に例示する実施例5では、曲げ荷重(垂直応力)や曲げ繰返し応力も含めて試験可能としている。
図9に実施例5として示す疲労試験装置1は、その試験体近傍の断面形状に示すように、実施例1から実施例3のいずれかの疲労試験装置において、試験体2の一端を回転板4にボルト11Aで固定し、試験体2の他端に試験体2を挟む態様で冶具10と錘23を取り付け、かつ試験体2の中央部に磁石3Cを配置し、磁石3Cと対面する態様で固定台6の上面に磁石3Dを一定の隙間7を設けた状態で配置した実施形態である。
実施例5では、他の実施例と同様に試験体2に遠心方向の平均応力と繰返し応力とを重畳させた疲労試験が可能である。さらに試験体2の垂直方向について、錘23による曲げ荷重(垂直応力)が加えられている。そのうえ、磁石3Cと3Dが接近した位置では、これらによる反発力と吸引力が交互に作用して垂直方向の繰り返し荷重も印加されることになる。
これらの4種類の応力は、全てを同時に作用させてもよく、適宜組み合わせて試験に適用することが可能である。例えば、遠心力による引張の平均応力と磁力による曲げの繰返し応力とを重畳させた疲労試験が可能となる。また、実施例4と同様に、冶具20と穴22を設けた冶具10とを用いることにより、圧縮の平均応力と曲げの繰返し応力とを重畳させた疲労試験が可能となる。
上記構成の実施例5の発明は、要するに半径方向に設けられた試験体2について、試験体2の中間部位に対して非接触の態様で試験体2の垂直方向の荷重を与える負荷手段3C,3Dとから構成されることを特徴とする疲労試験装置である。
またこの発明は、磁石を、遠心方向に設けられた試験体の中間部位に設けたものであり、
試験体に繰り返し曲げ力を生じせしめたものということができる。
試験体2に対する試験においては、平均応力や繰返し応力を試験体2の全体に対して適用する必要がなく、試験体2の一部に作用させたい場合がある。上記の実施例では試験体2の全体を荷重領域として考えていたが、図10の実施例6では、部分的に試験したい場合を想定している。
図10に実施例6として示す疲労試験装置1は、その試験体近傍の断面形状に示すように、実施例1から3のいずれかの疲労試験装置において、試験体2の中央部に冶具24と磁石3Eとを取り付け、磁石3Eと対面する態様で冶具25を介して固定台6の上面に磁石3Fを一定の隙間7を設けた状態で配置した実施形態である。
これにより、固定台6の周縁に磁石を配置するための領域を設ける必要が無いため、試験装置の小型化が可能となる。また、試験体2において、磁石3Eの取付け位置よりも装置半径方向の外側には繰返し応力が発生しないため、試験体2の特定の部位を避けて繰返し応力が作用するように試験を実施することが可能となる。
上記構成の実施例6の発明は、要するに半径方向に設けられた試験体2について、試験体2の中間部位に対して非接触の態様で試験体2の半径方向の荷重を与える負荷手段3E,3Fとから構成されることを特徴とする疲労試験装置である。
遠心力を利用する本発明の疲労試験装置1では、試験体2が加えられた応力により試験中に破損し、飛散する可能性がある。図11の実施例7では、破損や飛散に対する工夫を提案している。
図11に実施例7として示す疲労試験装置1は、その試験体近傍の断面形状に示すように、リニアスライダ5の端部にストッパー26を配置した実施形態である。
これにより、試験体2の最終破断が生じた場合においても、試験体2の破片が飛散することや磁石3Aと磁石3Bとが衝突することが無いため、試験装置の破損をさせることなく最終破断まで疲労試験を実施することが可能となる。
上記の実施例において繰り返し応力を生じせしめるための磁石は、平面状の磁石端面通しを対向させていたため、この間の磁力が安定しない傾向があった。図12の実施例8では、磁力の安定化を図ったものである。
図12に実施例8として示す疲労試験装置1は、その磁石近傍の側面形状に示すように、実施例1から7のいずれかの疲労試験装置において、凸断面形状の磁石3Gと凹断面形状の磁石3Hとを、一定の隙間7を設けて対面する態様で配置した実施形態である。
これにより、実施例1から7よりも安定的に磁力を発生できるため、試験体2に発生する繰返し応力を安定化することが可能となる。
実施例9、実施例10においては、回転中に磁石により生じる繰り返し応力が回転軸に与える影響を軽減する対策を提案するものである。例えば図1において、試験体2に吸引力が作用している時、回転軸にも吸引方向への曲げ力が作用し、逆に試験体2に反発力が作用している時、回転軸にも反発方向への曲げ力が作用している。回転軸には、回転の都度吸引あるいは反発による曲げが作用することから、この軽減が要求されてくる。
図13に実施例9として示す疲労試験装置1は、その外観形状に示すように、回転板4の中心に対して試験体2Aと対称となる位置に試験体2Bを配置し、固定台6の中心に対して磁石3Iと対称となる位置に磁石3Jを配置した実施形態である。
これにより、試験体2Aと2Bに対して同時に荷重が負荷されるため、モータ12の回転軸に作用する曲げモーメントを除去することが可能となる。
なお実施例9のさらなる応用に関し、複数の試験体2を備えている場合に、各試験体で発生している反発、吸引力により回転軸に生じる曲げモーメントは、そのベクトル合成量がキャンセルされるような位置関係、あるいは応力の発生関係とすることにより、回転軸に係る負担を軽減可能である。
実施例10も、回転中に磁石により生じる繰り返し応力が回転軸に与える影響を軽減する対策を提案するものである。
図14に実施例10として示す疲労試験装置1は、その外観形状に示すように、実施例1から9のいずれかの疲労試験装置において、回転板4の任意の位置にカウンターウェイト27A、27B、27Cを配置した実施形態である。
これにより、回転板4の重心位置に対して質量を偏りなく分布させることが可能となるため、実施例1から9よりも回転板4の振れ回りを抑制する効果を高めることが可能となる。
上記の各実施例では、試験体2はボルト11を介して回転板4および冶具10に固定されているが、図15および図16に示すように試験体2につかみ部28A、28Bを設け、これらのつかみ部を冶具で挟み込んで固定しても良い。
図15の例では、試験体2の両端につかみ部28A、28Bを設けたものである。図16の例ではつかみ部28としてさらに試験体2の中間部位に切欠きを設けたものである。
以上本発明の実施例について説明したが、さらに以下のような変形などが可能である。例えば試験体に繰り返し応力を与えるための磁石の一方は固定側に固定しておかれる必要があるが、回転側の磁石は試験体に直接設けられていてもよいし、治具などの部材を介して間接的に設けられていてもよい。
また固定側の磁石は、回転側の磁石が形成する回転経路に沿って、回転経路に対向する固定側の位置に隙間を介して複数配置されているとともに、隣接して配置される固定側の磁石は交互に異極とされていればよい。
上記の実施例1から10に示した疲労試験装置1を、その一部もしくは全体を取り囲む態様で環境槽内に配置することにより、たとえば繰返し応力に平均応力と腐食環境の影響を重畳させた疲労試験が可能となる。また、非接触状態で与えられるため、環境槽の外側から繰返し荷重を与えられるという利点や、試験装置全体を環境中に配置した場合においても環境による荷重の時間変化が生じにくいという利点を有する。
本発明による疲労試験装置は、固定台の周縁に配置する磁石の数を増加することにより、高周波数の疲労試験を複数本の試験体に対して同時に実施することが可能となる。また、固定台の周縁に電磁石を配置した場合には、制御装置を用いて実働環境で観察されるような複雑な振動波形を発生させることにより、実働環境を模擬した疲労試験を実施することが可能となる。
1:疲労試験装置
2、2A、2B、2C:試験体
3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J:磁石
4:回転板
5:リニアスライダ
6:固定台
7:隙間
8:ガイドレール
9:回転運動
10:冶具
11:ボルト
12:モータ
13:冶具
14:冶具
15:荷重計測機器
16:制御装置
17:記録装置
18:電磁石
19:変位計測機器
20:冶具
21:スペーサ
22:穴
23:錘
24:冶具
25:冶具
26:ストッパー
27A、27B、27C:カウンターウェイト
28A、28B:つかみ部
29:切欠き

Claims (15)

  1. 試験体に対して回転運動を連続的に与える動力手段と、前記動力手段を固定する固定手段と、前記試験体の一端と係合され、かつ前記動力手段に係合された回転冶具と、前記試験体の他端と係合された動作冶具と、前記動作冶具を前記回転冶具の半径方向に移動させる移動手段と、前記動作冶具に対して非接触の態様で前記回転治具の半径方向の荷重を与える負荷手段とから構成されることを特徴とする疲労試験装置。
  2. 請求項1に記載の疲労試験装置であって、
    半径方向に設けられた前記の試験体について、該試験体の回転中心部側を、前記動作冶具側から支持し、該試験体の反回転中心部側を前記回転冶具側から支持したことを特徴とする疲労試験装置。
  3. 請求項1に記載の疲労試験装置であって、
    半径方向に設けられた前記の試験体について、該試験体の中間部位に対して非接触の態様で前記試験体の垂直方向の荷重を与える負荷手段とから構成されることを特徴とする疲労試験装置。
  4. 請求項1に記載の疲労試験装置であって、
    半径方向に設けられた前記の試験体について、該試験体の中間部位に対して非接触の態様で前記試験体の半径方向の荷重を与える負荷手段とから構成されることを特徴とする疲労試験装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の疲労試験装置であって、
    前記回転冶具の重心位置に対して質量が偏り無く分布するように配置していることを特徴とする疲労試験装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の疲労試験装置を備えた疲労強度評価システムであって、
    前記負荷手段から与えられる荷重を計測する前記負荷手段に備えられた荷重計測手段と、前記荷重計測手段と電気的に接続され荷重を制御する制御手段と、該制御手段と電気的に接続され前記制御手段の状態を記録する記録手段とから構成されていることを特徴とする疲労強度評価システム。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の疲労試験装置を備えた疲労強度評価システムであって、
    前記負荷手段に設けた隙間の変化を計測する変位計測手段と、前記変位計測手段と電気的に接続された前記荷重を制御する制御手段と、前記制御手段と電気的に接続された前記制御手段の状態を記録する記録手段とから構成されていることを特徴とする疲労試験装置を備えた疲労強度評価システム。
  8. 回転側と固定側の装置で構成され、試験体の一端が前記回転側に支持され、回転する前記試験体の一部に直接的あるいは間接的に設けられた第1の磁石と、回転する該第1の磁石に対向する固定側の位置に隙間を介して設けられた第2の磁石とを含むことを特徴とする疲労試験装置。
  9. 請求項8に記載の疲労試験装置であって、
    前記第2の磁石は、前記回転する第1の磁石が形成する回転経路に沿って、該回転経路に対向する固定側の位置に隙間を介して複数配置されていることを特徴とする疲労試験装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の疲労試験装置であって、
    前記試験体に加えられる遠心方向の荷重または、前記磁石間の隙間を制御することを特徴とする疲労試験装置。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の疲労試験装置であって、
    遠心方向に設けられた前記の試験体について、該試験体の回転中心部側を、遠心力を受ける側から支持し、該試験体の反回転中心部側を回転軸側から支持したことを特徴とする疲労試験装置。
  12. 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の疲労試験装置であって、
    前記第1の磁石は、遠心方向に設けられた前記の試験体の外周側に設けられたことを特徴とする疲労試験装置。
  13. 請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の疲労試験装置であって、
    前記第1の磁石は、遠心方向に設けられた前記の試験体の中間部位に設けられたことを特徴とする疲労試験装置。
  14. 請求項13に記載の疲労試験装置であって、
    前記第1の磁石は、前記試験体の中間部位に設けられて対向する前記第2の磁石により前記試験体に繰り返し曲げ力を生じせしめることを特徴とする疲労試験装置。
  15. 請求項8に記載の疲労試験装置であって、
    前記試験体と前記第1の磁石、及び前記第2の磁石が複数組設けられ、前記第1の磁石と前記第2の磁石により前記試験体に応力が与えられるとき、複数の試験体に与えられた応力により回転側の軸が受ける曲げモーメントが相殺されることを特徴とする疲労試験装置。
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CN115266120A (zh) * 2022-07-27 2022-11-01 中国航发沈阳发动机研究所 一种航空发动机涡轮后机匣的疲劳试验装置

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