JP2016199941A - Alcパネルのメンテナンス方法 - Google Patents

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JP2016199941A JP2015081581A JP2015081581A JP2016199941A JP 2016199941 A JP2016199941 A JP 2016199941A JP 2015081581 A JP2015081581 A JP 2015081581A JP 2015081581 A JP2015081581 A JP 2015081581A JP 2016199941 A JP2016199941 A JP 2016199941A
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Yoshiyuki Ieda
芳幸 家田
吉克 水谷
Yoshikatsu Mizutani
吉克 水谷
松尾 憲樹
Noriki Matsuo
憲樹 松尾
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Abstract

【課題】地球温暖化抑制に寄与すると共に、素材曲げ強度及び熱伝導率が維持され、かつ圧縮強度が維持され又は向上するように、施工後のALCパネルを維持管理するALCパネルのメンテナンス方法の提供。
【解決手段】本発明のALCパネルのメンテナンス方法は、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になった時点で、前記ALCパネルの表面に、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなる炭酸ガスバリア膜を形成する炭酸ガスバリア膜形成工程を備え、前記炭酸ガスバリア膜が形成された後の前記ALCパネルにおける炭酸化度の増加幅が、炭酸ガス濃度が3質量%である炭酸化促進条件下で15日経過した後、10%以内であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ALCパネルのメンテナンス方法に関する。
建築物を構成する壁材や屋根材等の様々な建築部材として、オートクレーブ養生された軽量気泡コンクリート(ALC:autoclaved lightweight aerated concrete)からなるパネル(以下、ALCパネル)が利用されている。ALCパネルは、軽量であると共に、強度(例えば、圧縮強度、素材曲げ強度等)や、耐火性、断熱性等にも優れているため、建築部材として広く用いられている。
また、ALCパネルは、炭酸ガス(CO)を吸着する機能を備えている。炭酸ガスは、地球温暖化に起因する温室効果ガスの代表例であり、近年、大気中における炭酸ガス濃度の上昇が世界各地で大きな問題となっている。このような状況の中、ALCパネルは、大気中の炭酸ガスを吸着することで、地球温暖化防止の一翼を担っていると言える。
ただし、ALCパネルを長期間使用すると、ALCパネルの主成分である珪酸カルシウム水和物(トバモライト)が、大気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムと非晶質シリカと水とに分解される(いわゆる炭酸化)ことが知られている(特許文献1参照)。例えば、ALCパネルを数十年単位で使用し続けると、炭酸化が進行して、ALCパネルにひび割れや強度不足が発生する虞があった。
なお、特許文献1には、ALCの炭酸化を防止するために、ALCの表面に炭酸ガス透過性の低い塗膜を被覆することが示されている。
また、特許文献2には、ALCパネルにおける炭酸化の進行度合を数値化したもの(炭酸化度)を、ALCパネルにおける耐用年数の判断指標の1つとすることが示されている。
特開平3−287671号公報 特開2014−190903号公報
近年、環境意識の高まり等を受けて、廃棄物を削減しつつ限りある資源を効率的に利用することが求められている。そのため、ALCパネルについても、施工後、性能を維持した状態で長期間使用することが求められている。
また、従来、ALCパネルにおける炭酸化の進行度合と、ALCパネルが備える強度等の諸特性との具体的な関係については明らかにされていなかった。
本発明の目的は、地球温暖化抑制に寄与すると共に、素材曲げ強度及び熱伝導率が維持され、かつ圧縮強度が維持され又は向上するように、施工後のALCパネルを維持管理するALCパネルのメンテナンス方法を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になった時点で、前記ALCパネルの表面に、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなる炭酸ガスバリア膜を形成する炭酸ガスバリア膜形成工程を備え、前記炭酸ガスバリア膜が形成された後の前記ALCパネルにおける炭酸化度の増加幅が、炭酸ガス濃度が3質量%である炭酸化促進条件下で15日経過した後、10%以内であるALCパネルのメンテナンス方法であると、地球温暖化抑制に寄与すると共に、素材曲げ強度及び熱伝導率が維持され、かつ圧縮強度が向上するように、施工後のALCパネルが維持管理されることを見出し、本発明の完成に至った。
また、前記ALCパネルのメンテナンス方法において、前記ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になる前に、予め前記ALCパネルの表面に、前記炭酸ガスバリア膜よりも炭酸ガスを透過し易い塗膜からなる炭酸ガス透過膜を形成する炭酸ガス透過膜形成工程を備え、前記炭酸ガスバリア膜形成工程において、前記炭酸ガス透過膜に積層する形で、前記炭酸ガスバリア膜が形成されてもよい。
また、前記ALCパネルのメンテナンス方法において、前記ALCパネルの炭酸化度を測定する測定工程を備えることが好ましい。
本発明によれば、地球温暖化抑制に寄与すると共に、素材曲げ強度及び熱伝導率が維持され、かつ圧縮強度が維持され又は向上するように、施工後のALCパネルを維持管理するALCパネルのメンテナンス方法を提供することができる。
比較例1の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 比較例2の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例1の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例2の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例3の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例4の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例5の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例6の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例7の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 実施例8の試験体における経過日数と炭酸化度との関係を示すグラフ 試験体における炭酸化度と圧縮強度比との関係を示すグラフ 試験体における炭酸化度と曲げ強度比との関係を示すグラフ 試験体における炭酸化度と熱伝導率との関係、及び炭酸化度と絶乾密度との関係を示すグラフ
本実施形態のALCパネルのメンテナンス方法は、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になった時点で、前記ALCパネルの表面に、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなる炭酸ガスバリア膜を形成する炭酸ガスバリア膜形成工程を備え、前記炭酸ガスバリア膜が形成された後の前記ALCパネルにおける炭酸化度の増加幅が、炭酸ガス濃度が3質量%である炭酸化促進条件下で15日経過した後、10%以内である。
本実施形態のALCパネルのメンテナンス方法は、例えば、建築部材(例えば、外壁パネル、間仕切りパネル、屋根パネル、袖壁パネル等)として利用された施工後のALCパネルに対して、適用することができる。
ALCパネルの炭酸化度は、例えば、特開2014−190903(上記特許文献2)に記載の方法により、容易に求められる。例えば、ALCパネルの炭酸化度は、以下の方法により、測定される。
軽量気泡コンクリートパネルから採取した採取試料を絶対乾燥処理して得られた絶乾処理試料および、前記採取試料を絶対乾燥処理した後、トバモライトの全てが炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムに変化するまで炭酸化処理して得られる強制炭酸化試料について、熱重量−示差熱分析装置を用いて600℃〜900℃の雰囲気における炭酸ガス含有量を測定し、下記式(1)により前記軽量気泡コンクリートパネルの炭酸化度を算出する軽量気泡コンクリートパネルの炭酸化度の測定方法。
(前記絶乾処理試料の炭酸ガス含有量V/前記強制炭酸化試料の炭酸ガス含有量Vmax)×100(%) ・・・・・式(1)
前記強制炭酸化試料は、例えば、前記採取試料を絶対乾燥処理して得られる試料100質量部に対して、100質量部以上600質量部以下の蒸留水を添加して得られた混合試料を、炭酸化処理装置内で炭酸ガス雰囲気下、24時間以上炭酸化処理することにより得られる。
なお、具体的なALCパネルの炭酸化度の測定方法(測定工程)は、実施例において後述する。
ALCパネルは、炭酸化度が20〜60%の範囲であれば、炭酸化前と比べて、圧縮強度、素材曲げ強度等の強度や、熱伝導率等の諸性能が維持される。特に、ALCパネルの圧縮強度については、炭酸化度が20〜50%であれば、炭酸化前のALCパネルよりも向上する。
炭酸ガスバリア膜は、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になった時点で、ALCパネルを覆うように形成される。炭酸ガスバリア膜は、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなり、ALCパネルに、直接又は下地膜等の他の塗膜を介して形成される。炭酸ガスバリア膜としては、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなり、ALCパネルに対して剥離することなく接着可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知のものの中から選択される。炭酸ガスバリア膜の具体例は、実施例において後述する。
炭酸ガスバリア膜を、ALCパネルに形成する方法としては、特に制限はなく、吹きつけ、刷毛、コーター等の一般的な塗工方法が適用される。
炭酸ガスバリア膜は、ALCパネルの表側面及び裏側面の双方に形成されてもよいし、表側面及び裏側面の何れか一方のみに形成されてもよい。例えば、ALCパネルを建築物の外壁パネルとして利用する場合、炭酸ガスバリア膜を、屋外側に配されるALCパネルの一方の面(表側面)のみに形成し、屋内側に配されるALCパネルの他方の面(裏側面)には形成しなくてもよい。この場合、炭酸ガスバリア膜が形成されていないALCパネルの屋内側は、炭酸ガスバリア膜が屋外側の面に形成された後も、炭酸ガスを吸収できる状態となっている。そのため、屋外側の一方の面のみに、炭酸ガスバリア膜を形成する場合には、その後の炭酸ガスの吸収等を考慮して、ALCパネルの炭酸化度が20〜40%の範囲となった時点で、炭酸ガスバリア膜形成工程を行うことが好ましい。
また、工場出荷時や施工時等において、ALCパネルの表裏面のうち、屋内側に配される面(裏側面)のみに予め炭酸ガスバリア膜を形成しておいてもよい。そのようなALCパネルでは、屋外側に配される面(表側面)から炭酸ガスが吸収され、その後、炭酸化度が20〜60%となった時点で、屋外側に配される面(表側面)に、炭酸ガスバリア膜が形成されることになる。
炭酸ガスバリア膜が形成された後のALCパネルにおける炭酸化度の増加幅は、炭酸ガス濃度が3質量%である炭酸化促進条件下で15日経過した後、10%以内であり、より好ましくは8%以内である。ALCパネルに対して、このような炭酸ガスバリア膜が形成されていると、炭酸化促進条件下において15日以上経過した後も、ALCパネルにおける炭酸化反応が抑制され、ALCパネルの炭酸化度の上昇が抑制される。
炭酸化促進条件下とは、炭酸化が大気中よりも早く進行するように、大気中よりも炭酸ガス(CO)を高濃度(例えば、3質量%)で存在させた条件下のことであり、例えば、所定の環境試験機(CO濃度:3質量%、温度:40℃、湿度:100%)を利用して実現される。
炭酸ガスバリア膜には、本発明の目的を損なわない限り、顔料等の着色剤、溶剤、酸化防止剤、防カビ剤等の他の成分が添加されてもよい。また、炭酸ガスバリア膜は、単層状であってもよいし、2層以上の塗膜からなる多層状であってもよい。
前記炭酸化促進条件下で15日経過した後、ALCパネルにおける炭酸化度の増加幅が、上記範囲であれば、ALCパネルに形成された炭酸ガスバリア膜の性能(炭酸ガス遮蔽性能)は十分であると言える。
また、本発明のALCパネルのメンテナンス方法は、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になる前に、予めALCパネルの表面に、炭酸ガスバリア膜よりも炭酸ガスを透過し易い塗膜からなる炭酸ガス透過膜を形成する炭酸ガス透過膜形成工程を備えてもよい。
炭酸ガス透過膜としては、炭酸ガスを透過し易い塗膜(例えば、炭酸ガスバリア膜よりも透過し易い塗膜)からなり、ALCや炭酸ガスバリア膜等に対する密着性に優れるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知のものの中から選択される。炭酸ガス透過膜の具体例は、実施例において後述する。
炭酸ガス透過膜は、単層状であってもよいし、2層以上の塗膜からなる多層状であってもよい。炭酸ガス透過膜を、ALCパネルに形成する方法としては、特に制限はなく、炭酸ガスバリア膜の形成時と同様、吹きつけ、刷毛、コーター等の一般的な塗工方法が適用される。
なお、炭酸ガス透過膜には、本発明の目的を損なわない限り、顔料等の着色剤、溶剤、酸化防止剤、防カビ剤等の他の成分が添加されてもよい。
本発明によれば、ALCパネルは、炭酸化度が20〜60%となるまでは、大気中等の炭酸ガス(CO)を吸着するため、地球温暖化の抑制に寄与すると言える。そして、ALCパネルの炭酸化度が20〜60%となった後はALCパネルの表面に、所定の炭酸ガスバリア膜が形成されるため、ALCパネルにおける炭酸化反応が抑制される。その結果、ALCパネルの炭酸化度が、所定の範囲内で制御され、圧縮強度、素材曲げ強度等の強度や、熱伝導率等の諸性能が維持される。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔試験体〕
ALCの普通ブロック(100mm×400mm×500mm)を10個用意し、それらを試験体1〜10とした。なお、試験体1〜10は、同一の条件により製造されている。また、各試験体の各端面(小口)には、シリコーン系シーリング材(商品名「シリコーン・シーラント セメダイン8060プロ」、セメダイン株式会社製)が塗布されており、各端面が封止(シーリング)されている。
〔乾燥養生、及び一次炭素化養生〕
試験体1〜10が大気中の炭酸ガス(CO濃度:0.03質量%)により炭酸化されるには、数年乃至数十年という長期間を要する。そのため、試験体1〜10を先ず、炭素化養生により予め高濃度の炭酸ガスに晒して、炭酸化度を50%程度まで進行させることを試みた。
試験体1〜10を、40℃にて、自然の条件下における含水率(5〜15%)となるまで乾燥養生を行った。
〔下地調整工程(炭酸化前)〕
乾燥養生後の試験体1〜10のうち、試験体2と試験体10については、各表裏面に、変性アクリル樹脂エマルション(商品名「キクスイ浸透性プライマーE」、菊水化学工業株式会社製)を刷毛により、0.15〜0.19kg/mの割合で塗布し、試験体2及び試験体10の各表裏面に前記エマルションの塗膜からなる下地膜を形成した。なお、下地膜は、後述する炭酸ガス透過膜や炭酸ガスバリア膜を、試験体に対して接着し易くするものであり、実質的に、炭酸ガスの透過性に影響を与えるものではない。
〔炭酸ガス透過膜形成工程(炭酸化前)〕
次いで、試験体2の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、合成樹脂エマルション(商品名「キクスイファンデ」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ196g(表側面、0.98kg/m)及び184g(裏側面、0.92kg/m)塗布して、前記合成樹脂エマルションからなる炭酸ガス透過膜を形成した。
また、試験体10の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、前記合成樹脂エマルション(商品名「キクスイファンデ」)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ194g(表側面、0.97kg/m)及び190g(裏側面、0.95kg/m)塗布して、前記合成樹脂エマルションからなる炭酸ガス透過膜を形成した。
乾燥養生後の試験体1,3〜9、乾燥養生後に炭酸ガス透過膜が形成された試験体2,10を、環境試験機(CO濃度:3質量%、温度:40℃、湿度:100%)内に配置して、各試験体1〜10を炭酸化する炭酸化養生(一次炭酸化養生)を行った。
炭酸化養生中の試験体1〜10のうち、代表して試験体1〜3及び10について定期的(24時間毎)に炭酸化度を測定した。炭酸化度の測定方法は、以下に示される手順で行った。
〔炭酸化度の測定〕
試験体の表面から、コルクボーラーにより円柱状の試料(直径:約15mm)を表裏方向で刳り抜く形で試料を採取した。採取した試料のうち、表層部(表面からの深さが1mm〜10mm)を炭酸化度の測定位置とした。
採取された前記測定位置の試料を、ガラス製のシャーレに乗せ、JIS A 5416:2007(軽量気泡コンクリートパネル)に準拠して、105℃±5℃の乾燥機内に12時間以上放置して絶対乾燥処理を行った。絶乾処理後の試料を、メノウ乳鉢で細かく粉砕して粉末試料とし、その一部を絶乾処理試料とした。
絶乾処理試料0.015gについて、熱重量−示差熱分析装置(Rigaku社製、Thermo plus EVO)を用いて、COの重量減少率を測定し、600℃〜900℃における重量減少を算出して炭酸ガス含有量V(重量%)を得た。
また、0.5gの上記粉末試料に、蒸留水を0.8g加え、炭酸化処理装置にて炭酸ガス雰囲気(江場酸素工業株式会社製の工業用炭酸ガス、炭酸ガス圧:0.15MPa、炭酸ガス濃度100%)内に、24時間放置して、強制炭酸化処理を行った。強制炭酸化処理後の試料を、105℃の乾燥機にて24時間乾燥し、強制炭酸化試料を得た。
強制炭酸化試料0.015gについて、熱重量−示差熱分析装置(Rigaku社製、Thermo plus EVO)を用いて、COの重量減少率を測定し、600℃〜900℃における重量減少を算出して炭酸ガス含有量Vmax(重量%)を得た。
下記式に上記結果をあてはめて炭酸化度を算出した。
炭酸化度(%)=[絶乾処理試料の炭酸ガス含有量(V)/強制炭酸化試料の炭酸ガス含有量(Vmax)]×100
試験体1〜3及び10について、上記のような炭酸化度の測定を、それぞれ24時間毎に行った。結果は、表1に示した。なお、炭酸化度の測定により、コルクボーラーにより刳り抜かれた試験体1の部分(孔部)には、シリコーン系シーリング材を充填した。なお、後述するように、他の試験体2等においても炭酸化度の測定を行った場合、コルクボーラーにより刳り抜かれた部分は、シリコーン系シーリング材を充填する形で塞いだ。
Figure 2016199941
表1に示されるように、炭酸化養生を開始してから9日目において、試験体1の炭酸化度が51.9%となり、50%を超える結果となった。また、試験体2,3,10についても、炭酸化度が50%前後となった。そのため、残りの試験体4〜9についても、同様に、炭酸化養生を開始してから9日目の炭酸化度を測定した。結果は、表2に示した。
Figure 2016199941
表2に示されるように、試験体4〜9の炭酸化度は、何れも50%程度となっていることが確かめられた。
〔下地調整工程(約50%炭酸化後)〕
試験体4〜9の各表裏面に、変性アクリル樹脂エマルション(商品名「キクスイ浸透性プライマーE」、菊水化学工業株式会社製)を刷毛により、0.15〜0.19kg/mの割合で塗布し、試験体4〜9の各表裏面に前記エマルションの塗膜からなる下地膜を形成した。
〔実施例1〕
(炭酸ガス透過膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体3の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、合成樹脂エマルション(商品名「キクスイファンデ」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ190g(表側面、0.95kg/m)及び192g(裏側面、0.96kg/m)塗布して、前記合成樹脂エマルションからなる炭酸ガス透過膜を形成した。
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
次いで、試験体3の表裏面に、前記炭酸ガス透過膜に重ねる形で、アクリルシリコーン共重合樹脂エマルションを主成分とするアクリルシリコン樹脂塗料(商品名「水系ファインコートシリコン」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ56g(表側面、0.28kg/m)及び68g(裏側面、0.34kg/m)塗布して、前記アクリルシリコン樹脂塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例2〕
(炭酸ガス透過膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体4の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、実施例1と同様の合成樹脂エマルションを厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ204g(表側面、1.02kg/m)及び190g(裏側面、0.95kg/m)塗布して、前記合成樹脂エマルションからなる炭酸ガス透過膜を形成した。
次いで、試験4の表裏面に、前記炭酸ガス透過膜に重ねる形で、寒冷紗(商品名「クレモナ」、株式会社クラレ製)を張り付けた。
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
次いで、試験体4の表裏面に、寒冷紗張りされた前記炭酸ガス透過膜に重ねる形で、実施例1と同様のアクリルシリコン樹脂塗料を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ54g(表側面、0.27kg/m)及び54g(裏側面、0.27kg/m)塗布して、前記アクリルシリコン樹脂塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例3〕
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体5の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、アクリル樹脂エマルション(商品名「ニュートップレスクリーン」、エスケー化研株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ144g(表側面、0.72kg/m)及び138g(裏側面、0.69kg/m)塗布して、前記アクリル樹脂エマルションからなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例4〕
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体6の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、実施例3と同様のアクリル樹脂エマルションを厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ156g(表側面、0.78kg/m)及び170g(裏側面、0.85kg/m)塗布して、前記アクリル樹脂エマルションからなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
次いで、試験6の表裏面に、前記炭酸ガスバリア膜に重ねる形で、寒冷紗(商品名「クレモナ」、株式会社クラレ製)を張り付けた。
〔実施例5〕
(炭酸ガス透過膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体7の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、変性アクリル樹脂エマルション(商品名「アルコート ベース」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ168g(表側面、0.84kg/m)及び160g(裏側面、0.80kg/m)塗布して、前記変性アクリル樹脂エマルションからなる炭酸ガス透過膜を形成した。
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体7の表裏面に、前記炭酸ガス透過膜に重ねる形で、実施例1と同様のアクリルシリコン樹脂塗料(商品名「水系ファインコートシリコン」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ56g(表側面、0.28kg/m)及び64g(裏側面、0.27kg/m)塗布して、前記アクリルシリコン樹脂塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例6〕
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体8の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、ポリウレタン樹脂からなる塗料(商品名「RTワンガード」、株式会社ダイフレックス)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ440g(表側面、2.20kg/m)及440g(裏側面、2.20kg/m)塗布して、前記ポリウレタン樹脂の塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例7〕
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体9の表裏面に、前記下地膜に重ねる形で、アクリル樹脂塗料(商品名「ソフトリカバリー」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ144g(表側面、0.72kg/m)及び140g(裏側面、0.70kg/m)塗布して、前記アクリル樹脂塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔実施例8〕
(炭酸ガスバリア膜形成工程)
炭酸化度が約50%となった試験体10の表裏面に、炭酸化前に予め形成された前記炭酸ガス透過膜に重ねる形で、アクリルシリコーン共重合樹脂エマルションを主成分とするアクリルシリコン樹脂塗料(商品名「水系ファインコートシリコン」、菊水化学工業株式会社製)を厚みが均一となるように刷毛によりそれぞれ56g(表側面、0.28kg/m)及び68g(裏側面、0.34kg/m)塗布して、前記アクリルシリコン樹脂塗料からなる炭酸ガスバリア膜を形成した。
〔比較例1〕
炭酸化度が約50%となった無塗装の試験体1を、そのまま比較例1とした。なお、試験体1の表裏面には、炭酸ガスバリア膜等は形成されていない。
〔比較例2〕
炭酸化度が約50%となった試験体2を、そのまま比較例2とした。なお、試験体2の表裏面には、上述したように、炭酸化前に予め炭酸ガス透過膜が形成されている。
〔乾燥養生、及び二次炭素化養生〕
試験体1〜10(比較例1,2、及び実施例1〜8)を、室温(23℃)にて十分に乾燥養生を行った。その後、試験体1〜10(比較例1,2、及び実施例1〜8)を、上述した環境試験機(CO濃度:3質量%、温度:40℃、湿度:100%)内に配置して、各試験体1〜10(比較例1,2、及び実施例1〜8)を炭酸化する炭酸化養生(二次炭酸化養生)を行った。
炭酸化養生中の各試験体1〜10(比較例1,2、及び実施例1〜8)について、上述した炭酸化度の測定方法を適用して、定期的(原則、24時間毎)に炭酸化度を測定し、得られた測定値に基づいて、全試験体1〜10の炭酸化度を求めた。結果は、表3に示した。表3には、炭酸化を開始した日からの経過日数が、9日、11日、13日、15日、17日、24日、31日、38日、及び65日の場合の各試験体における炭酸化度が示されている。
Figure 2016199941
なお、表3中に(*1)で示されるように、比較例1では、41日目で炭酸化度が99.9%となり、また、表3中に(*2)で示されるように、比較例2では、36日目で炭酸化度が100%となった。そのため、比較例1及び比較例2では、99.9%及び100%となった時点で、炭酸化度の測定を終了した。
また、比較例1,2及び実施例1〜8における炭酸化度の結果をまとめたグラフを、図1〜10に示した。なお、各図において、横軸は経過日数(日)を表し、縦軸は炭酸化度(%)を表す。
表3及び図1〜10に示されるように、実施例1〜8の各試験体3〜10では、炭酸化度が約50%となった時点で炭酸ガスバリア膜が形成されることにより、それ以降の炭素化養生(二次炭酸化養生)においても、炭酸化が抑制されることが確かめられた。
なお、実施例1では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、48.1%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、51.2%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例1(試験体3)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、3.1%であった。
実施例2では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、50.4%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、53.3%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例2(試験体4)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、2.9%であった。
実施例3では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、46.4%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、49.1%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例3(試験体5)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、2.7%であった。
実施例4では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、47.6%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、51.8%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例4(試験体6)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、4.2%であった。
実施例5では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、50.6%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、54.0%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例5(試験体7)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、3.4%であった。
実施例6では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、47.4%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、50.0%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例6(試験体8)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、2.6%であった。
実施例7では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、53.7%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、55.0%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例7(試験体9)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、1.3%であった。
実施例8では、炭酸ガスバリア膜が形成される直前(9日目)の炭酸化度は、49.7%であるのに対し、24日目の炭酸化度は、52.0%であった。そのため、炭酸ガスバリア膜が形成された後の実施例8(試験体10)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、2.3%であった。
これに対し、炭酸ガスバリア膜等が形成されていない無塗装の比較例1では、9日目の炭酸化度が51.9%であり、24日目の炭酸化度が88.7%であった。そのため、比較例1(試験体1)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、36.8%であった。
また、炭酸ガス透過膜のみが形成されている比較例2では、9日目の炭酸化度が50.6%であり、24日目の炭酸化度が87.0%であった。そのため、比較例2(試験体2)において、炭酸化促進条件下で15日経過後の炭酸化度の増加幅は、36.4%であった。
〔試験体における炭酸化度と圧縮強度との関係〕
JIS R 5201に基づいて、様々な炭酸化度における試験体(ALC)の圧縮強度(N/mm)を測定し、試験体の炭酸化度と圧縮強度との関係を調べた。用いた試験体の寸法は、40mm×40mm×160mmである。また、様々な炭酸化度の試験体は、上述した炭酸化養生処理で用いた環境試験機(CO濃度:1質量%、温度:40℃、湿度:100%)を利用し、試験体を環境試験機内に配置する期間(日数)を適宜、調節することで得た。また、炭酸化度の測定方法も、上述した方法と同様である。ただし、ここでの炭酸化度は、試験体の表層部(0mm〜10mm)と中心部(10m〜30m)との平均値である。なお、養生前における試験体の圧縮強度は、5.54N/mmであった。結果は、図11のグラフに示した。
図11は、試験体における炭酸化度と圧縮強度比との関係を示すグラフである。図11の横軸は試験体の炭酸化度(%)を表し、縦軸は圧縮強度指数を表す。圧縮強度指数は、養生前の試験体における前記圧縮強度を基準値100としている。
図11に示されるように、炭酸化度が約35%までは、圧縮強度がやや高くなる傾向を示し、その後、炭酸化の進行に伴い圧縮強度が低下し始め、炭酸化度が約50%程度で初期強度を下回ることが確かめられた。また、炭酸化反応が飽和状態となる炭酸化度100%では、圧縮強度が初期強度の70%程度まで低下することが確かめられた。炭酸化度が50%以下の試験体では、圧縮強度が、養生前(炭酸化前)よりも高くなる傾向を示した。なお、炭酸化反応初期においては、炭酸化反応は圧縮強度に与える影響は小さいと考えられる。
〔試験体における炭酸化度と曲げ強度との関係〕
JIS R 5416に基づいて、様々な炭酸化度における試験体(ALC)の曲げ強度(N/mm)を測定し、試験体の炭酸化度と曲げ強度との関係を調べた。用いた試験体の寸法は、40mm×40mm×160mmである。また、様々な炭酸化度の試験体は、上述した炭酸化養生処理で用いた環境試験機(CO濃度:3質量%、温度:40℃、湿度:100%)を利用し、試験体を環境試験機内に配置する期間(日数)を適宜、調節することで得た。また、炭酸化度の測定方法も、上述した方法と同様である。ただし、炭酸化度は、試験体の表層部(0mm〜10mm)と中心部(10m〜30m)との平均値である。なお、養生前における試験体の曲げ強度は、1.83N/mmであった。結果は、図12のグラフに示した。
図12は、試験体における炭酸化度と曲げ強度比との関係を示すグラフである。図12の横軸は試験体の炭酸化度(%)を表し、縦軸は曲げ強度指数を表す。曲げ強度指数は、養生前の試験体における前記曲げ強度を基準値100としている。
図12に示されるように、曲げ強度は、上述した圧縮強度と比べて、試験体寸法の影響もあり、ばらつきが大きい結果となったが、炭酸化度40%程度までは曲げ強度への炭酸化の著しい影響は見られないが、その後、徐々に低下する傾向を示し、炭酸化度100%では70%程度まで強度が低下した。また、圧縮強度と同様に、50%程度までの炭酸化初期においては、炭酸化が曲げ強さに関する大きな劣化要因とはならないことが確かめられた。
〔試験体における炭酸化度と熱導電率との関係、及び炭酸化度と密度との関係〕
JIS A 1412−2:1999「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部熱流計法(HFM法)を利用して、様々な炭酸化度における試験体(ALC)の熱導電率(W/(m・K))を測定し、試験体の炭酸化度と熱導電率との関係を調べた。ここでの試験体の寸法は、26mm×200mm×200mmである。熱伝導率の測定は、高温側表面温度を30℃、低温側温度を10℃に設定して実施した。試験体の含水率は、熱伝導率測定直後に実施した105℃の温度条件による絶乾処理前後の質量差を基に算出した値とし、併せて試験体の絶乾かさ密度も測定した。結果は、図13のグラフに示した。
図13は、試験体における炭酸化度と熱伝導率との関係、及び炭酸化度と絶乾密度との関係を示すグラフである。図13の横軸は試験体の炭酸化度(%)を表し、左側に示される縦軸は熱伝導率(W/(m・K))を表す。なお、図13には、炭酸化度と密度(絶乾密度)との関係も併せて示されており、右側に示される縦軸が密度(絶乾密度)(kg/m)を表している。なお、各試験体の試験時における含水率は2〜3%であった。また、熱伝導率の測定温度は、20.0℃であった。
図13に示されるように、試験体(ALC)の熱伝導率(W/(m・K)は、炭酸化度が高くなると、小さくなる傾向が若干みられるが、一般に建築物の断熱設計に使用されているALC熱伝導率の設計値(0.17W/(m・K)))に殆ど影響しない範囲(0.129〜0.135W/(m・K))のものであり、実用上は、ALCの炭酸化は断熱性能に影響を与えないものであることが確かめられた。
また、図13に示されるように、炭酸化反応が進行すると、炭酸化度8.2%の初期の密度486kg/mから炭酸化度100%では552kg/mとなり、66kg/mの増加となった。これは、トバモライト中のCaとCOとの反応により、COがALC中に吸収されることにより、反応の進行と共に密度が高くなったと考えられる。

Claims (3)

  1. ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になった時点で、前記ALCパネルの表面に、炭酸ガスを透過し難い塗膜からなる炭酸ガスバリア膜を形成する炭酸ガスバリア膜形成工程を備え、
    前記炭酸ガスバリア膜が形成された後の前記ALCパネルにおける炭酸化度の増加幅が、炭酸ガス濃度が3質量%である炭酸化促進条件下で15日経過した後、10%以内であることを特徴とするALCパネルのメンテナンス方法。
  2. 前記ALCパネルの炭酸化度が20〜60%になる前に、予め前記ALCパネルの表面に、前記炭酸ガスバリア膜よりも炭酸ガスを透過し易い塗膜からなる炭酸ガス透過膜を形成する炭酸ガス透過膜形成工程を備え、
    前記炭酸ガスバリア膜形成工程において、前記炭酸ガス透過膜に積層する形で、前記炭酸ガスバリア膜が形成される請求項1に記載のALCパネルのメンテナンス方法。
  3. 前記ALCパネルの炭酸化度を測定する測定工程を備える請求項1又は請求項2に記載のALCパネルのメンテナンス方法。
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