JP2016199057A - 列車制御システム、車上装置、地上制御装置 - Google Patents

列車制御システム、車上装置、地上制御装置 Download PDF

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Kenji Oguma
賢司 小熊
尊善 西野
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尊善 西野
健太郎 牧
Kentaro Maki
健太郎 牧
武典 和嶋
Takenori Wajima
武典 和嶋
真史 大村
Masashi Omura
真史 大村
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Tsuyoshi Tsutsumi
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Abstract

【課題】列車の安全な運行を、低コストで実現する列車制御システムを提供する。【解決手段】軌道1に沿って配置される複数の地上子3A、3Bには、複数の地上子3A、3Bの間を走行する列車2の運転曲線に基づいて設定される、複数の地上子間3A、3Bの走行上限時間を保持する地上子情報保持部31及び列車2と通信を行う地上子情報伝送部32を備える。軌道1を走行する列車2には、地上子3A、3Bと通信を行う列車情報伝送部23、列車2の走行速度を制御する列車速度制御部22及び地上子3A、3Bを通過する際に取得する走行上限時間と、地上子3A、3Bを通過後の経過時間との比較結果に基づいて列車速度制御部22へ指令を出力する列車情報比較部21を備える車上装置を搭載する。【選択図】図2

Description

本発明は、列車制御システム、車上装置、地上制御装置に関する。
本分野の背景技術として、特開2001−100840号公報(特許文献1)がある。この公報には、列車と地上制御装置の間で情報伝送を行う場合に、情報伝送の時間間隔に上限値を設定してタイムアウト判定を行い、タイムアウトと判定すると列車が軌道上に存在する位置を取得すること、列車に停止指令を与えることが示されている。
また特開昭62−077276号公報(特許文献2)には、地上子の間を走行する際に許容時間値を設定し、実際の走行時間と比較した結果に応じて、列車に非常停止指令を与える方法が示されている。
また、例えば鉄道信号装置の一種であるATS装置(自動列車停止装置)やATC装置(自動列車制御装置)では、地上の制御装置から列車に対して軌道回路伝送やLCX(漏洩同軸ケーブル)伝送あるいは空間波線利用により連続伝送で情報を送り、一定時間以上情報伝送が無い場合には、列車は非常停止制御を行うことが公知の技術として知られている。これらの装置では、情報伝送手段の遅れ時間を考慮する手段として、例えば遅れ時間の上限値を設定し、列車に対して情報伝送に要する時間が当該上限時間値である場合でも、当該列車が他の列車との衝突や脱線をしないことを検証することが、公知の技術として知られている。また地上子を通過した際に受け取る情報の中に、次の地上子までの走行距離情報を持つ場合があることも、公知の技術である。CBTC(無線を利用した列車制御装置)の実施において、例えば欧州では携帯電話の規格であるGSM(登録商標)を基に鉄道信号用に特化した技術も知られている。
ATS装置などでは、地上子を軌道に沿って設置し、地上子から次の信号までの距離や速度制限の情報を列車に伝送して、列車の制御に反映することが知られている。
特開2001−100840号公報 特開昭62−077276号公報
公知のATS装置やATC装置のように連続伝送で情報を送る場合、例えば地上の制御装置が故障した場合に列車の安全を保つ方法として列車を停止させるために、一定時間以上情報伝送が無い状態では、列車は停止制御を行う。このため通常の制御状態では一定時間以上の情報伝送無し状態を生じないよう、この一定時間よりも短い時間値を周期とした情報伝送を確実に実施することが必要である。ここではノイズ等が発生している状態でも情報伝送を行うために、専用の装置を必要とする。このような一定時間周期で情報伝送を確実に行う専用の装置は、一般に高コストである。これに対して例えば携帯電話の公衆回線網など、一般に低コストで導入可能な情報伝送装置は情報伝送速度が低く、ノイズ等への耐性が低い特徴がある。この装置を列車に制御に適用すると、例えばノイズ等への耐性を考慮して同じ情報を繰り返し伝送する回数を増やすことが必要であり、この回数増加と情報伝送速度が低いことより、結果として一定時間周期が大きくなる。例えばこの状態で地上の制御装置から列車に停止指令を与えると、情報の伝送に時間を要することから列車が情報受信の間に走行する距離が長くなり、列車の制御が遅れて安全を損なう可能性がある。
公知のATS装置等で使用している地上子は地上子が故障すると列車に情報を伝送することが出来ないので、例えば同じ情報を伝送する地上子をひとつの地点に複数個設置した場合、複数個の地上子ひとつ以上について地上子と列車との間で情報伝送できれば良いので、列車に伝送できる確率は高くなるが、コストが増加する課題が生じる。
また低コストで導入可能な情報伝送装置であっても、例えば携帯電話のようにコストが情報伝送量で決まる場合では、常時情報伝送を行うとコストが増加する。
ここで特許文献1の構成について、この低コストで導入可能な情報伝送装置を列車が存在する位置情報の取得に用いると、列車の位置情報収集に要する時間遅れが大きくなり、列車の安全を保つために予め列車速度を低下した状態とする必要があり、輸送力が低下する。
また特許文献2は、速度を指令値として対応する時間情報と地上子の間を走行する際の時間値を比較するものであり、地上子を設置する間隔を列車の走行速度と対応付けることが必要である。列車の走行する路線全体について地上子を走行状態に対応付けて正確に設置するには多くの地上子と作業が必要であり、高コストとなる。ここで地上子の数及び設置作業を低減するために設定する時間値の余裕を大きくすると、列車の速度超過を正しく判定できなくなり、列車の安全を保つことが困難になる。
上記課題を解決するために、本発明は、軌道に沿って配置される複数の地上子であって、複数の地上子の間を走行する列車の運転曲線に基づいて設定される複数の地上子間の走行上限時間を保持する地上子情報保持部、及び列車と通信を行う地上子情報伝送部を備える地上子と、軌道を走行する列車に搭載される車上装置であって、地上子と通信を行う列車情報伝送部、列車の走行速度を制御する列車速度制御部、及び地上子を通過する際に取得する走行上限時間と、該地上子を通過後の経過時間との比較結果に基づいて列車速度制御部へ指令を出力する列車情報比較部を備える車上装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の目的は、低コストで列車の安全を保つ制御装置を実現することにある。
本発明の装置構成を示した図である。 本発明の情報処理を行う処理構成の関係を示した図である。 本発明の列車が走行する運転曲線と地上子の関係を説明する図である。 本発明の地上子情報保持部が持つ上限走行時間と地上子間の走行時間の関係を説明する図である。 本発明の列車情報比較部が行う処理を説明するフローチャートの例である。 本発明の地上制御装置が行う処理を説明するフローチャートの例である。 本発明の地上制御装置が行う制御指令情報作成処理を説明するフローチャートの例である。 本発明の列車が走行する際の複数の運転曲線と地上子の関係を説明する図である。 本発明の列車が走行する際の複数の運転曲線に対応して地上子情報保持部が持つ上限走行時間と地上子間の走行時間の関係を説明する図である。 本発明の地上子が駅で列車が停車する位置にない場合について、列車が走行する運転曲線と地上子の関係を説明する図である。 本発明の地上子が駅で列車が停車する位置にない場合について、地上子情報保持部が持つ上限走行時間と地上子間の走行時間の関係を説明する図である。 本発明の地上制御装置において、受信した列車の状態情報と列車に送信する制御情報の対応を説明する図である。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本実施例では、列車は軌道に沿って設置された地上子から情報を受け取りながら、ひとつの運転曲線に従って走行する場合について説明する。
図1は、本実施例の列車運行制御装置の構成図の例である。列車2は軌道1を走行する。軌道1に沿って地上子3A及び3Bが配置されている。列車2は地上子3A及び3Bを通過する際に、情報を受信する。地上制御装置4は、列車2と情報の送受信を行う機能を持つ。
列車2は制御データ保持部121と演算部122と情報インタフェース部123を有する。地上子3A及び3Bは同じ構成であり、それぞれ制御データ保持部131と演算部132と情報インタフェース部133を有する。地上制御装置4は制御データ保持部141と演算部142と情報インタフェース部143を有する。
このうち制御データ保持部121、制御データ保持部131、制御データ保持部141は、プログラムやデータの記憶を行う。例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、及びフラッシュメモリなど公知の部品を利用できる。
演算部122、演算部132、演算部142は、プログラムの実行や制御途中情報の一時的な保持を行う。例えばパソコンのCPU及びメモリなど公知の部品を利用できる。
情報インタフェース部123、情報インタフェース部133、情報インタフェース部143は、各装置間の情報送受信を行う。例えばイーサネット(登録商標)のコネクタ、USBポート、光ファイバを用いたネットワーク、無線LAN、携帯電話などの無線ネットワーク、地上子と列車の間においては周波数変調を用いた無線通信など公知の部品及び手段を利用できる。
図1に示す各装置が行う処理の関係を、図2を用いて説明する。
地上子3A及び3Bは、地上子情報保持部31に持つ情報を、地上子情報伝送部32を介して列車2に伝送する。このうち地上子情報保持部31は、図1の制御データ保持部131が該当する。また地上子情報伝送部32は、図1の演算部132及び情報インタフェース部133が該当する。
列車2は、列車情報比較部21と列車速度制御部22と列車情報伝送部23を持つ。このうち列車情報比較部21は図1の情報インタフェース部123を介して地上子3から情報を受け取って制御データ保持部121に保持し、制御データ保持部121に保持する情報について演算部122で処理を行う。列車速度制御部22は図1の演算部122の処理結果に従い情報インタフェース部123を介して列車の速度を制御する。処理結果に従い列車の速度を制御する方法は、例えばATSやATCとして公知の手段を利用できる。列車情報伝送部23は図1の演算部122の処理結果に従い情報インタフェース部123を介して地上制御装置と情報伝送を行う。処理結果に従い他装置と情報伝送を行う方法は、例えばCBTCなど公知の手段を利用できる。
地上制御装置4は、地上列車制御情報作成部41と地上情報伝送部42を持つ。このうち地上列車制御情報作成部41は図1の制御データ保持部141に持つ情報を用いて演算部142で処理を行うものである。地上情報伝送部42は図1の演算部142の結果に従い情報インタフェース部143を介して情報伝送を行う。処理結果に従い他装置と情報伝送を行う方法は、例えばCBTCとして公知の手段を利用できる。
地上子情報保持部31に持つ情報について、図3を用いて説明する。軌道1を列車2が駅11Aから駅11Bに向けて運転曲線201に従って走行する。運転曲線とは軌道1の各位置における列車2の速度の対応で構成される公知の情報形態である。軌道1に沿って地上子3C、3D、3E、3Fが配置してある。このうち地上子3Cの位置は、列車2が駅11Aに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点である。また地上子3Fの位置は、列車2が駅11Aに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点である。
運転曲線201は地上子3C、3D、3E、3Fの位置により、地上子3Cから地上子3Dまでの走行時間202CD、地上子3Dから地上子3Eまでの走行時間202DE、地上子3Eから地上子3Fまでの走行時間202EFに分割され、それぞれの値が定まる。
走行時間と各地上子に保持する走行上限時間の関係を、図4を用いて説明する。走行時間202CDの時間値を40秒、走行時間202DEの時間値を40秒、走行時間202EFの時間値を30秒とする。また走行上限時間の定め方は、各区間の走行時間の1.5倍で計算した結果とする。この定め方に従い、走行時間202CDに対応する走行上限時間203CDの時間値は60秒、走行時間202DEに対応する走行上限時間203DEの時間値は60秒、走行時間202EFに対応する走行上限時間203EFの時間値は45秒となる。各地上子は上記走行上限時間を地上子情報保持部31に持ち、列車2に与える。この結果、地上子3Cは走行上限時間203CDとして60秒を、地上子3Dは走行上限時間203DEとして60秒を、地上子3Eは走行上限時間203EFとして45秒を、通過する列車2に与える。なお、各走行上限時間の定め方は、上述のように運転曲線に従って各地上子間の走行をした場合の各走行時間を基準とし、その定数倍(定数は1以上)としても良いし、走行時間に所定の秒数(例えば30秒)を追加してもよい。また、列車の暴走を検知すべく、走行下限時間を定めてもよい。その場合、同様に各走行時間を基準とし、その定数倍(定数は0〜1までの値)としてもよいし、走行時間に所定の秒数(例えば20秒)を減算してもよい。その場合、経過時間が走行下限時間よりも短いか否かの処理を1006に追加してもよい。
各装置の行う処理手順を、列車2が駅11Aから駅11Bに走行する場合についてフローチャートを用いて説明する。各処理とも指定時間経過ごとに実行される周期処理であり、全て1秒周期とする。また列車2と地上制御装置4の間の情報伝送は、1回の情報の送信から受信までに10秒を要するとする。
列車2の列車情報比較部21が行う処理を、図5を用いて説明する。まず列車2が駅11Aに停車し続けている状態について説明する。処理1001から処理を開始する。処理1002で地上子通過の有無を判定する。列車2は駅11Aに停車している状態のため、条件成立となり、地上子3Cから走行上限時間203CDとして60秒を受け取る。次に処理1003で受信情報による内容更新として、走行上限時間60秒を制御データ保持部121に保持し、後述する仮制限速度を解除する。次に処理1004で地上子通過からの経過時間値である地上子通過経過時間をリセットする。リセットにより地上子通過経過時間は0秒となる。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は0秒、走行上限時間60秒より判定は不成立となる。次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御する。仮制限速度は後述する処理で設定する値であり、設定されてから解除されるまでの間は列車2の速度を当該値以下になるよう制御する。ここでは仮制限速度が与えられていないため、速度制御は行わない。そして処理1013で処理を終了する。
次に列車2が駅11Aを出発し地上子3Cから情報を受け取らない状態になった場合について説明する。処理1001から処理を開始し、次の処理1002で出発により地上子3Cから情報を受け取らない状態になったため、条件不成立となり処理1005を行う。処理1005では地上子通過経過時間の計算を行い、保持する0秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた1秒を地上子通過経過時間に保持する。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は1秒、走行上限時間60秒より判定は不成立となる。次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御するが、仮制限速度は設定されていないので速度制御は行わない。そして処理1013で処理を終了する。
列車2が走行を継続し、地上子3Cからの走行時間が走行上限時間203CDの60秒より小さい状態で地上子3Dに到達した場合について説明する。処理1001から処理を開始し、次の処理1002で地上子3Dに到達したことから条件成立となり、処理1003を行う。処理1003で走行上限時間203DEとして60秒を受け取り、処理1004で地上子通過経過時間をリセットする。処理1006の判定では地上子通過経過時間は0秒、走行上限時間60秒より判定は不成立となる。次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御するが、仮制限速度は設定されていないので速度制御は行わない。そして処理1013で処理を終了する。
更に列車2が走行を継続し、地上子3Dからの走行時間が走行上限時間203DEの60秒より小さい状態で地上子3Eに到達した場合、地上子3Eからの走行時間が走行上限時間203EFの45秒より小さい状態で地上子3Fに到達した場合についても同様である。
このように、列車2が各地上子の間を、運転曲線201を基に作成した走行上限時間より小さな時間値で走行する場合、列車は円滑な走行を行うことが出来る。
次に列車2が地上子3Dから地上子3Eの間を走行する際に、地上子3Eが故障し列車2に対して走行上限時間EFを含めて情報を送信できない場合について説明する。
これは例えば図3で軌道1の地上子3Dと3Eの間に図示していない分岐設備と図示していない分岐設備から別の軌道が図示していない駅に接続する場合で、列車2は地上子3Dで地上子3Eに進むための情報を受けた後に、図示していない分岐設備から図示していない駅に接続する軌道に誤って進んでいる状態で、列車2の地上子3Dからの走行上限時間が地上子3Dから受けた値になった場合でも同様である。
列車2は地上子3Dから図4に示す走行上限時間60秒を受けて走行する状態とする。また列車2は図示していない駆動装置に故障が発生しておらず、図示していない架線の電圧も低下していない状態であり、正常に走行しているとする。
処理1001から処理を開始し、次の処理1002で地上子3E到達を判定できないため条件不成立となり、処理1005を行う。処理1005で地上子通過経過時間の計算を行い、保持する地上子通過経過時間に周期処理の時間間隔1秒を加えた値を地上子通過経過時間に保持する。
次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間60秒より大きいかの判定を行う。ここで地上子通過経過時間が処理1005で走行上限時間と同じ値の60秒になったとする。これにより処理1006の判定は成立となる。次の処理1007で地上制御装置4に列車2の状態情報を送信済みか判定する。ここでは状態情報を送る処理を行っていないため、条件不成立となり、処理1008で仮制限速度の作成を行う。
処理1008で作成する仮制限速度は、列車2が列車情報伝送部23を用いて地上制御装置4と情報伝送を行い走行する場合に、情報伝送に要する時間の制御遅れが発生することを考慮して、列車2の安全を確保するために列車2の速度を制限する値である。ここでは情報の送信から受信に10秒を要するので、列車2から情報を送信して地上制御装置4が受信するまでに10秒、地上制御装置4が情報を送信し列車2が受信するまでに10秒を要するため、情報伝送の制御遅れは20秒である。この20秒の制御遅れに対して、列車2の安全な走行は、速度を10km/h以下に制限することで実現できるとする。なお作成する仮制限速度の内容は、0km/h以下に制限すること、つまり列車2の停止でもよい。
次の処理1009で列車情報伝送部23を用いて地上制御装置4に状態情報を送信する。送信する状態情報は、例えば式(1)の項目が対象である。
状態情報=「列車2の状態」「走行上限時間」 ・・・ 式(1)
式(1)の「列車2の状態」は正常な走行を行っていることより「正常」であり、「走行上限時間」は地上子3Dから受けた「60秒」である。これらの情報より、状態情報として式(2)の内容を地上制御装置4に送信する。
状態情報=「列車2の状態=正常」「走行上限時間=60秒」 ・・・ 式(2)
そして処理1010で地上制御装置4からの制御指令情報有無を判定する。列車2と地上制御装置4の情報送受信は1回の情報の送受信それぞれに10秒を要するため、処理1009で送信した状態情報に対する地上制御装置4からの制御指令情報を列車2が受信するのは、少なくとも20秒後となる。受け取るまで処理1010の判定は不成立となる。不成立の場合、次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御するが、仮制限速度は設定されていないので速度制御は行わない。そして処理1013で処理を終了する。
この状態で周期処理時間が経過し、図5に示す処理を再び実施した場合について説明する。この時点では列車2は次の地上子3Fに到達しておらず、地上制御装置4から情報を受信していないとする。
処理1001で開始し処理1002では次の地上子地上子3Fに到達していないため条件不成立となり、次に処理1005を行う。この時点で地上子通過経過時間を60秒であるため、保持する60秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた61秒を地上子通過経過時間に保持する。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は61秒、走行上限時間は60秒であるため、判定は成立となる。
次の処理1007で地上制御装置4に列車2の状態情報を送信済みか判定する。ここでは状態情報を送る処理を行ってあるため、条件成立となり、処理1010で地上制御装置4からの制御指令情報有無を判定する。ここでは制御指令情報を受信していないため条件不成立となり、次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御する。ここでは仮制限速度として10km/hが設定されているため、列車2の速度を仮制限速度以下となるよう速度制御を行う。そして処理1013で処理を終了する。
列車2から状態情報を受け取った地上制御装置4の行う処理を、図6を用いて説明する。処理2001から処理を開始し、次の処理2002で状態情報の受信有無を判定する。列車2が運転曲線201を基に作成した走行上限時間より小さな時間値で走行する場合、列車2は地上制御装置4に状態情報を送信しないため、同情報受信なしにより条件不成立となり、処理2005で処理を終了する。
状態情報の受信ありの場合、条件成立となって処理2003を行う。処理2003では受け取った式(2)の状態情報を基に列車2に対する制御指令を作成する。
処理2003で行う処理を、図7を用いて説明する。状態情報として式(2)の内容を受けた場合について制御指令を作成する場合を説明する。
処理3001より処理を開始する。次の処理3002で列車2の状態が制御指令作成リストにあるか判定する。制御指令作成リストの内容を図12に示す。ここでは式(2)の列車2の状態は「正常」であるため番号1が合致するので条件成立となり、処理3003で該当する制御情報の作成を行う。ここで「次地上子までの走行許容時間を超過」に該当する制御情報の作成は図12より「仮走行上限時間=30秒」「仮制限速度20km/h」「カウンタリセット指令」である。次の処理3005で作成した情報を返し、処理3006で終了する。
列車2の状態が「正常」の場合に列車2に与える仮走行上限時間及び仮制限速度は、列車2が正常で、かつ地上子から情報を受信できない場合において列車2の安全を損なわない走行を行うための時間値及び速度値となるよう予め設定する。地上子3Eから情報を受信できないため、列車2は軌道1の上で地上子3Fつまり駅11Bまでの残り走行距離を正確に把握できない可能性がある。この状態で列車2の走行を安全に行う方法として、列車2の速度を制限することとする。この仮制限速度を一律に20km/hとする。列車2の速度を20km/hに制限したため、次地上子までの走行時間が増大するので、仮制限速度に対応する走行上限時間を列車2に与えるとする。この仮走行上限時間を一律に60秒とする。なお仮制限速度及び仮上限走行時間は、列車2の位置や速度、地上子から最後に受け取った走行上限時間を基に作成してもよい。
これより処理2003は制御指令情報として「仮上限走行時間=30秒」と「仮制限速度20km/h」「カウンタリセット指令」を作成する。作成した制御指令情報は処理2004で地上情報伝送部42を介して列車2に伝送する。そして処理2005で終了する。この場合、列車2に伝送する制御指令情報は式(3)となる。
制御指令情報=「仮制限速度20km/h」「仮上限走行時間=60秒」「カウンタリセット指令」 ・・・ 式(3)
上記の地上制御装置4が行う処理により、列車2の列車速度比較部21は、少なくとも情報伝送の往復に要する20秒経過した後に、制御指令情報として式(3)の情報を受け取る。図5に示すフローチャートにおいて制御指令情報を受け取った直後の手順を説明する。この時点で地上子通過経過時間は60秒に情報伝送の往復に要する20秒を加えた80秒、また列車2は次の地上子3Fに到達していないとする。
処理1001で開始し処理1002では次の地上子地上子3Fに到達していないため条件不成立となり、次に処理1005を行う。この時点で地上子通過経過時間を80秒であるため、保持する80秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた81秒を地上子通過経過時間に保持する。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は81秒、走行上限時間は60秒であるため、判定は成立となる。
次の処理1007で地上制御装置4に列車2の状態情報を送信済みか判定する。ここでは状態情報を送る処理を行ってあるため、条件成立となり、処理1010で地上制御装置4からの制御指令情報有無を判定する。ここでは式(3)の制御指令情報を受信しているため条件成立となり、次の処理1011で制御指令情報の反映を行う。式(3)で「仮制限速度20km/h」「仮上限走行時間=30秒」と「カウンタリセット指令」を受けているため、列車2は仮制限速度を既に保持する10km/hから20km/hに、上限走行時間を30秒に、地上子通過経過時間を0秒にする。次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御する。ここでは仮制限速度として20km/hが設定されているため、列車2の速度を仮制限速度以下となるよう速度制御を行う。そして処理1013で処理を終了する。
この状態で周期処理時間が経過し、図5に示す処理を再び実施した場合について説明する。この時点では列車2は次の地上子3Fに到達していないとする。処理1001で開始し処理1002では地上子3Eに到達していないため条件不成立となり、次に処理1005を行う。前回の処理で地上子通過経過時間を0秒にしてあるため、保持する0秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた1秒を地上子通過経過時間に保持する。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は1秒、走行上限時間は前回の処理で30秒となっているため、判定は不成立となる。次に処理1012で仮制限速度の20km/h以下に速度を制御し、処理1013で処理を終了する。
そして仮走行上限時間30秒が経過するまでに地上子3Fに到達すれば、列車2は先に述べた地上子通過時の処理手順に従い走行上限時間の更新と仮制限速度の解除を行い、走行を継続する。到達できない場合、再度処理1008の仮制限速度の作成と処理1009の地上制御装4に状態情報の送信を行い、制御指令情報を受け取る手順を繰り返す。
このように地上子3Eが故障して列車2に情報を伝送できない場合、あるいは地上子3Dと地上子3Eの間にある図示していない分岐設備から別の軌道に誤って進行している場合でも、地上子の追加を行わず、地上制御装置4と列車2の情報伝送周期に時間を要する状態で列車2の安全な走行を継続することが出来る。これにより低コストと安全を両立できる。
次に式(1)の「列車2の状態」が「架線の電圧が低下した」ことで速度が低下し、保持する走行上限時間の間に次地上子に到達できなかった場合について、以下に説明する。なお列車2は地上子3Dから3Eの間を走行中であり、地上子3Dから「走行上限時間=60秒」を受けている。
列車2は既に地上子3Dから「走行上限時間=60秒」を受信しているため、列車2は図5の処理1009で式(4)に示す状態情報を地上制御装置4に送信する。また、この時点で上記手順の処理1008で列車2の仮制限速度は10km/hとなっている。
状態情報=「列車2の状態=架線の電圧が低下した」「走行上限時間=60秒」 ・・・ 式(4)
この式(4)の情報を地上制御装置4が受けた場合について、列車2に送信する制御指令を作成する手順を説明する。
地上制御装置4は処理2001から処理を開始し、次の処理2002で状態情報の受信有無を判定する。式(4)の状態情報の受信ありの場合であるため、条件成立となって処理2003を行う。処理2003では受け取った式(4)の状態情報を基に列車2に対する制御指令を作成する。
処理2003で行う処理を、図7を用いて説明する。図7に示す処理3001より処理を開始する。次の処理3002で列車2の状態が図12の制御指令作成リストにあるか判定する。ここでは列車2から「架線の電圧が低下した」を受信しているので、番号2が該当し条件成立となる。このため次に処理3003で該当する制御情報の作成として「走行上限時間=60秒」及び「仮上限走行時間は走行上限時間から係数2.0で計算」から「仮上限走行時間=60秒×2.0=120秒」「仮制限速度解除」を作成する。次の処理3005で作成した情報を返し、処理3006で終了する。
これにより地上制御装置4は式(5)に示す制御指令情報を作成する。
制御指令情報=「仮上限走行時間=120秒」「仮制限速度解除」 ・・・ 式(5)
地上制御装置4は作成した式(5)の制御指令情報は処理2004で地上情報伝送部42を介して列車2に伝送する。そして処理2005で終了する。
列車2は式(5)に示す制御指令情報を受信する。受信した際の処理として図5に示す処理を再び実施した場合について説明する。この時点で地上子通過経過時間は60秒に情報伝送の往復に要する20秒を加えた80秒、また列車2は次の地上子3Fに到達していないとする。
処理1001で開始し処理1002では地上子3Eに到達していないため条件不成立となり、次に処理1005を行う。地上子通過経過時間を80秒のため、保持する80秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた81秒を地上子通過経過時間に保持する。次に処理1006で地上子通過経過時間が走行上限時間より大きいかの判定を行う。ここでは地上子通過経過時間は81秒、走行上限時間は60秒となっているため、判定は成立となり処理1007で地上制御装置に状態情報を送信したかの判定を行う。この時点では送信してあるため、条件成立となり処理1010で制御指令情報の受信があるかの判定を行う。ここでは受信した時点を対象としているので条件成立となり、処理1011で受信した制御指令情報の反映を行う。受信した制御指令情報は式(5)の内容であるため、仮上限走行時間を60秒から120秒に、仮制限速度を10km/hから制限無しに解除する。次に処理1012で仮制限速度以下に速度を制御するが、処理1011で解除されているため、仮制限速度の無い状態である図3の運転曲線201に従った速度で走行を行い、処理1013で処理を終了する。
そして仮走行上限時間が120秒になるまでの間に地上子3Fに到達すれば、列車2は先に述べた手順に従い走行上限時間の更新と仮制限速度の解除を行い、走行を継続する。到達できない場合、再度速度制御及び地上制御装4に状態情報の送信を行い、制御指令情報を受け取る手順を行う。
このように列車2が「架線の電圧が低下した」ことで速度が低下し、保持する走行上限時間の間に次地上子に到達できなかった場合でも、地上子の追加を行わず、地上制御装置4と列車2の情報伝送周期に時間を要する状態で列車2の安全な走行を継続することが出来る。これにより低コストと安全を両立できる。
また式(1)の「列車2の状態」が「列車の駆動装置が一部故障した」場合は、地上制御装置4は図7に示す処理3002の判定が図12の番号3に該当するため条件成立となり、処理3003で仮上限走行時間の係数3.0に対応する仮上限走行時間とカウンタリセット指令を作成し、列車2に送信する。これ以外の手順は、先に説明した列車2の状態が「列車2の状態=架線の電圧が低下した」場合と同様である。
このように列車2が「列車の駆動装置が一部故障した」ことで速度が低下し、保持する走行上限時間の間に次地上子に到達できなかった場合でも、地上子の追加を行わず、地上制御装置4と列車2の情報伝送周期に時間を要する状態で列車2の安全な走行を継続することが出来る。これにより低コストと安全を両立できる。
次に式(1)の「列車2の状態」が「列車の駆動装置が全て故障した」場合について、以下に説明する。なお列車2は地上子3Dから3Eの間を走行中であり、地上子3Dから「走行上限時間=60秒」を受けている。
列車2は図5の処理1009で「列車2の状態」が「列車の駆動装置が全て故障した」場合における走行上限時間を地上制御装置4に送信する。これより地上制御装置4は式(1)の内容のうち、式(6)の内容を受けた場合について制御指令を作成する場合を説明する。
状態情報=「列車2の状態=列車の駆動装置が全て故障した」「走行上限時間=60秒」 ・・・ 式(6)
地上制御装置4は図7に示す処理3001より処理を開始する。次の処理3002で列車2の状態が図12の制御指令作成リストにあるか判定する。ここでは列車2から「列車の駆動装置が全て故障」を受信しているので、該当する列車2の状態が無く条件不成立となる。このため次に処理3004で該当する制御情報の作成として「詳細情報の送信指令」を作成する。そして次の処理3005で作成した情報を返し、処理3006で終了する。
これにより列車2は制御指令情報として式(7)の情報を受け取る。
制御指令情報=「詳細情報の送信指令」 ・・・ 式(7)
列車2は式(7)の制御指令情報を受け取ると、図5の処理1010で制御指令情報受信あり判定が成立するので、処理1011で式(7)より受け取った「詳細情報の送信指令」に従った処理を行う。ここでは列車2と地上制御装置4について、詳細情報は「駆動装置の温度」を対象とすることが予め定めてあるとする。駆動装置が2個であり、それぞれの温度が95℃と105℃である場合、列車2は処理1011で式(8)の情報を地上制御装置4に送る。
状態情報=「詳細情報=駆動装置の温度=95℃、105℃」 ・・・ 式(8)
地上制御装置4は式(8)に示す詳細情報を受け取り、図12の制御指令作成リストにあるか判定する。ここでは番号5の詳細情報受信が該当するので、列車2に対して制御指令として「停止」を送信し、且つ詳細情報の表示として、例えば図示していない作業者に対して、図示していない情報表示部を用いて「詳細情報の表示」を行う。
このように列車2が「列車の駆動装置が全て故障した」ことで保持する走行上限時間の間に次地上子に到達できなかった場合でも、地上制御装置4は列車2の詳細な情報を受け取って表示することにより、地上子の追加を行わず、地上制御装置4と列車2の情報伝送周期に時間を要する状態で列車2の安全な状態として停止を指令することが出来る。これにより低コストと安全を両立できる。
列車2が走行を開始してから最初の地上子に到達するまでの間、あるいは走行中の列車2が落雷等の影響でリセット状態となった場合について説明する。この状態では、制御データ保持部121が保持する走行上限時間及び地上子通過経過時間共に初期化されて0秒となっているとする。また列車2は何れの地上子からも情報を受信しない位置にあるとする。
この状態で図5に示す処理を行う。まず処理1001で開始し処理1002で地上子通過の判定を行う。列車2は地上子から情報を受信しない位置にあるため条件不成立となり、処理1005で地上子通過経過時間の計算を行う。地上子通過経過時間を0秒のため、保持する0秒に周期処理の時間間隔1秒を加えた1秒を地上子通過経過時間に保持する。次の処理1006で地上子通過経過時間と走行上限時間の比較を行う。地上子通過経過時間が1秒、走行上限時間が0秒のため条件成立となり、処理1007で列車2は地上制御装置4に対して式(9)に示す状態情報を送信する。
状態情報=「列車2の状態=リセット実施」「走行上限時間=0秒」 ・・・ 式(9)
地上制御装置4は式(9)に示す列車2からの状態情報を受信し、「列車2の状態=リセット実施」に対応する制御指令として、図12の番号4より「仮走行上限時間20秒」「仮制限速度10km/h以下」「カウンタリセット指令」を得る。
この仮走行上限時間及び仮制限速度の内容は、先に説明した列車2の状態が「正常」の場合と同様に、列車2がリセット状態で列車2の安全を損なわない走行を行うための時間値及び速度値となるよう予め設定する。ここでは仮走行上限時間を一律に20秒、仮制限速度を一律に10km/hとする。これにより制御指令情報は式(10)に示す内容となる。
制御指令情報=「仮走行上限時間20秒」「仮制限速度10km/h」「カウンタリセット指令」 ・・・ 式(10)
列車2は式(8)に示す制御指令を受信し、仮走行上限時間の20秒間は仮制限速度10km/h以下となる走行を行う。20秒の間に何れかの地上子3を通過した場合、当該地上子から受信した情報に従い制御を行う。20秒の間に何れかの地上子3を通過しない場合、地上制御装置4に対して状態情報を送信し、地上制御装置4から制御指令情報を受信して制御を継続する。
このように列車2は「リセット実施」の場合でも、地上子の追加を行わず、地上制御装置4と列車2の情報伝送周期に時間を要する状態で列車2の安全な走行を継続することが出来る。これにより低コストと安全を両立できる。
以上の列車2の状態が何れの場合においても、列車2は運転曲線201に従って各地上子の間を走行上限時間以内に走行できない状態を検知してから地上制御装置4より制御指令情報を受け取るまでの制御情報が無い状態での速度を保持する仮背減速度に従って制限する処理を行い、且つ列車2と地上制御装置4との情報伝送を予め定めた必要な場合のみに限定し、同時に列車2の走行を予め定めた安全な状態となるよう制限することを実施する。この結果、列車の安全を保つことと、コストを低減することの両立を実現できる。
本実施例では、列車は軌道に沿って設置された地上子から情報を受け取りながら、駅の停車あるいは通過や走行する速度の違いを反映した複数の運転曲線のひとつに従って走行する場合について説明する。
各装置の構成は実施例1と同じであり省略する。
地上子情報保持部31に持つ情報について、図8を用いて説明する。軌道1を列車2が駅11Cから駅11Eに向けて運転曲線201Aあるいは201Bに従って走行する。軌道1に沿って地上子3G、3H、3I、3Jが配置してある。このうち地上子3Gの位置は、列車2が駅11Cに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点である。また地上子3Iの位置は、列車2が駅11Dに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点である。地上子3Jの位置は、列車2が駅11Eに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点である。
運転曲線201Aは地上子3G、3H、3I、3Jの位置により、地上子3Gから地上子3Hまでの走行時間202AGH、地上子3Hから地上子3Iまでの走行時間202AHI、地上子3Iから地上子3Jまでの走行時間202AIJに分割され、それぞれの値が定まる。同様に、運転曲線201Bは地上子3G、3H、3I、3Jの位置により、地上子3Gから地上子3Hまでの走行時間202BGH、地上子3Hから地上子3Iまでの走行時間202BHI、地上子3Iから地上子3Jまでの走行時間202BIJに分割され、それぞれの値が定まる。
走行時間と各地上子に保持する走行上限時間の関係を、図9を用いて説明する。走行時間202AGHの時間値を40秒、走行時間202AHIの時間値を40秒、走行時間202AIJの時間値を30秒、202BGHの時間値を60秒、走行時間202BHIの時間値を60秒、走行時間202BIJの時間値を80秒とする。また走行上限時間の定め方は、各区間の走行時間の1.5倍で計算した結果とする。この定め方に従い、走行時間202AGHに対応する走行上限時間203AGHの時間値は60秒、走行時間202AHIに対応する走行上限時間203AHIの時間値は60秒、走行時間202AIJに対応する走行上限時間203AIJの時間値は45秒、走行時間202BGHに対応する走行上限時間203BGHの時間値は90秒、走行時間202BHIに対応する走行上限時間203BHIの時間値は90秒、走行時間202BIJに対応する走行上限時間203BIJの時間値は120秒となる。
各地上子は上記走行上限時間を地上子情報保持部31に持ち、列車2に与える。各地上子は運転曲線201A及び201Bそれぞれに対する走行上限時間を持つため、例えば図示していない列車種別情報を用いた判定処理を行い、列車2に送信するひとつの走行上限時間を選択する。列車種別情報とは当該列車の駅停車あるいは通過を含む情報である。この情報を用いた処理とは、列車は列車種別情報を軌道に沿って設置した地上子に送信し、地上子は受信した列車種別情報を基に列車に送信する情報を選択し、列車に送信することにより、列車種別情報に応じた情報を地上子から列車に与える処理である。この方式を用いることで、列車2は自列車が制御に用いる走行曲線201Aあるいは201Bに対応した走行上限時間を得ることが出来る。以降の処理は実施例1と同じである。
以上の手順により、列車2が複数の運転曲線201Aあるいは201Bの何れかに従って走行する場合においても、列車2は指定した運転曲線に従って各地上子の間を走行上限時間以内に走行できない状態を検知してから地上制御装置4より制御指令情報を受け取るまでの制御情報が無い状態での速度を制限する処理を行い、且つ列車2と地上制御装置4との情報伝送を必要な場合のみに限定する。この結果、列車の安全を保つことと、コストを低減することの両立を実現できる。
ここでは路線1に対する2個の運転曲線201Aと201Bについて説明したが、これは路線が途中から分岐設備を介して別の路線となる2個の路線であり、それぞれ運転曲線201Aと201Bが対応する場合でも同じである。
例えば図8で地上子3Gと3Hの間で図示していない分岐設備を介して図示していない路線があり、かつ図示していない路線には図8の駅11Cから駅11Eまでの距離と同じ地点に図示していない駅があり、同様に地上子3Hから3Jと同じ距離間隔で図示していない地上子が図示していない路線に沿ってある場合、図8の運転曲線201Aが図8の駅11Cから図示していない駅への走行に対応し、運転曲線201Bが駅11Cから11Dを経由して11Eへの走行に対応とする。これより図示していない路線には図8の地上子3Hと3Iに対応する地上子が無く、地上子3Gから運転曲線201Aに対応する走行上限時間として、図9の203AGHの60秒と203AHIの60秒と203AIJの45秒を合計した185秒が列車に対して与えられる。運転曲線201Bに従って走行する場合は上記の説明と同じである。
この状態で列車2が運転曲線201Bに従って走行する際に、例えば図示していない分岐設備の故障により図示していない路線に進入し図示していない駅に向けて走行する場合、列車2は地上子3Gで受けた走行上限時間203BGHの90秒を保持している。地上子3Gの通過から走行上限時間90秒が通過した時、列車2は地上子3Gと3Hの間で図示していない路線に進入しているので、地上子3Hを通過していないため、図9の走行上限時間203BHIを受信できず、図5の処理1008で仮制限速度を作成して列車2の速度制御を行い、処理1009で地上制御装置に列車状態を送信する。ここで処理1008の仮制限速度を予め0km/hとすれば列車2は即時停止となり、誤って図示していない路線を走行することを防止できる。
以上の手順により、列車2が複数の路線それぞれに対応する運転曲線に従って走行する場合においても、列車2は指定した運転曲線に従って各地上子の間を走行上限時間以内に走行できない状態を検知してから地上制御装置4より制御指令情報を受け取るまでの制御情報が無い状態での速度を制限する処理を行い、且つ列車2と地上制御装置4との情報伝送を必要な場合のみに限定する。この結果、列車の安全を保つことと、コストを低減することの両立を実現できる。
本実施例では、列車は軌道に沿って設置された地上子から情報を受け取りながら、駅停止位置に地上子が無い場合、ひとつの運転曲線に従って走行する場合について説明する。
各装置の構成は実施例1と同じであり省略する。
地上子情報保持部31に持つ情報について、図10を用いて説明する。軌道1を列車2が駅11Fから駅11Hに向けて運転曲線201Cに従って走行する。
軌道1に沿って地上子3K、3L、3M、3Nが配置してある。このうち駅11Gについて、列車2が駅11Gに到着した際に情報インタフェース部123を介して情報を受け取ることが出来る地点に何れの地上子も無いとする。駅11F及び駅11Hと地上子の位置関係は説明に不要なため割愛する。
運転曲線201Cは地上子3K、3L、3M、3Nの位置により、地上子3Kから地上子3Lまでの走行時間202CKL、地上子3Lから地上子3Mまでの走行時間202CLM、地上子3Mから地上子3Nまでの走行時間202CMNに分割され、それぞれの値が定まる。
走行時間と各地上子に保持する走行上限時間203CKL、203CLM、203CMNの関係を、図11に示す。作成手順は実施例1と同じである。
走行時間は運転曲線201Cで定まるが、走行時間202CLMは駅11Gに停車する時間を含んでいない。同様に走行上限時間203CLMも駅11Gに停車する時間を含んでいない。このため列車2の列車情報比較部21が行う処理において、地上子通過からの経過時間を求める際に、停車時間を除いた時間として計算する。
具体的には処理手順は図5、6、7を用いた実施例1と同じであるが、図5の処理1005で地上子通過経過時間を求める際に、列車2の位置が図10の駅11Gの図示していない位置と同じであり、かつ列車2の速度が0km/h若しくは停車と判断される低い速度であり、かつ図示していないブレーキ装置が動作中の場合を停車状態として経過時間の加算を行わない処理とすることで実現できる。
これにより地上子が駅停止位置に設置されていない場合でも、地上子間の走行中の時間を判定して処理を行うことで、列車2は運転曲線201に従って各地上子の間を走行上限時間以内に走行できない状態を検知してから地上制御装置4より制御指令情報を受け取るまでの制御情報が無い状態での速度を制限する処理を行い、且つ列車2と地上制御装置4との情報伝送を必要な場合のみに限定する。この結果、列車の安全を保つことと、コストを低減することの両立を実現できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
1 軌道
2 列車
3、3A〜3N 地上子
4 地上制御装置
11A〜11H 駅
21 列車情報比較部
22 列車速度制御部
23 列車情報伝送部
31 地上子情報保持部
32 地上子情報伝送部
41 地上列車制御情報作成部
42 地上情報伝送部
121 制御データ保持部
122 演算部
123 情報インタフェース部
131 制御データ保持部
132 演算部
133 情報インタフェース部
141 制御データ保持部
142 演算部
143 情報インタフェース部
201、201A〜201C 運転曲線
202CD〜202EF、202AGH〜202AIJ、202BGH〜202BIJ、202CKL〜202CMN 地上子間の走行時間
203CD〜203EF、203AGH〜203AIJ、203BGH〜203BIJ、203CKL〜203CMN 地上子間の走行上限時間

Claims (9)

  1. 軌道に沿って配置される複数の地上子であって、前記複数の地上子の間を走行する列車の運転曲線に基づいて設定される前記複数の地上子間の走行上限時間を保持する地上子情報保持部、及び前記列車と通信を行う地上子情報伝送部を備える前記地上子と、
    前記軌道を走行する前記列車に搭載される車上装置であって、前記地上子と通信を行う列車情報伝送部、前記列車の走行速度を制御する列車速度制御部、及び前記地上子を通過する際に取得する前記走行上限時間と、該地上子を通過後の経過時間との比較結果に基づいて前記列車速度制御部へ指令を出力する列車情報比較部を備える前記車上装置と、
    を備える列車制御システム。
  2. 請求項1に記載の列車制御システムであって、
    前記地上子情報保持部は、列車種別情報に対応する前記走行上限時間を保持し、
    前記車上装置は、自列車の前記列車種別情報を保持し、前記地上子を通過する際に前記列車種別情報を前記地上子に送信し、前記列車種別情報に対応する前記走行上限時間を取得する列車制御システム。
  3. 請求項2に記載の列車制御システムであって、
    前記列車種別情報は、前記列車の駅停車あるいは通過の情報を含む列車制御システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の列車制御システムであって、更に
    前記地上子または前記車上装置と通信を行う地上情報伝送部、及び前記列車の状態に応じた制御指令作成リストを保持する制御情報作成部を備えた地上制御装置を有し、
    前記車上装置は、前記地上子を通過後の経過時間が、該地上子と次地上子間の前記走行上限時間以上である場合、前記列車の状態を示す状態情報を前記地上子へ送信し、
    前記地上制御装置は、前記車上装置から前記状態情報を受信すると、前記制御指令作成リストに基づいて前記列車の状態に応じた制御指令を前記車上装置へ送信する列車制御システム。
  5. 請求項4に記載の列車制御システムであって、
    前記車上装置は、前記地上子を通過後の経過時間が、該地上子と次地上子間の前記走行上限時間以上である場合、前記車上装置と前記地上制御装置との通信に要する時間の制御遅れに基づいて算出される走行速度で走行制御する列車制御システム。
  6. 請求項4に記載の列車制御システムであって、
    前記地上制御装置は、前記車上装置から受信する前記状態情報に応じた前記制御指令があるか検索し、非該当である場合、前記車上装置に対し詳細情報の送信指令を送信する列車制御システム。
  7. 請求項6に記載の列車制御システムであって、
    前記車上装置は、前記詳細情報の送信指令に基づいて前記詳細情報を前記地上制御装置へ送信し、
    前記地上制御装置は、前記車上装置から前記詳細情報を受信すると、前記車上装置に対して前記列車の停止指令を送信し、かつ前記詳細情報を表示可能な情報表示部に該詳細情報の表示指令を送信する列車制御システム。
  8. 軌道を走行する列車に搭載される車上装置であって、
    前記軌道に沿って配置される複数の地上子と通信を行う列車情報伝送部と、
    前記列車の走行速度を制御する列車速度制御部と、
    前記地上子を通過する際に取得する走行上限時間であって、前記列車の運転曲線に基づいて設定される前記複数の地上子間の前記走行上限時間と、該地上子を通過後の経過時間との比較に基づいて前記列車速度制御部へ指令を出力する列車情報比較部を有する車上装置。
  9. 軌道に沿って配置される複数の地上子、または前記軌道を走行する列車が備える車上装置と通信を行う地上情報伝送部、前記列車の状態に応じた制御指令作成リストを保持する制御情報作成部を有する地上制御装置であって、
    前記列車が前記地上子を通過後の経過時間が、前記列車の運転曲線に基づいて設定される前記地上子と次地上子間の走行上限時間以上である場合に、前記車上装置から前記列車の状態を示す状態情報を受信し、該状態情報に応じた制御指令を前記車上装置へ送信する地上制御装置。
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