JP2016197276A - 避難誘導装置 - Google Patents

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Yoshiomi Kuroiwa
義臣 黒岩
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Abstract

【課題】簡易かつ低コストに設置でき、建物内部から外部に避難する人々をより確実に誘導できる避難誘導装置を提供する。
【解決手段】本発明の避難誘導装置は、建物内部において、避難の必要な場合(以下、「避難発生時」という)に、避難経路を発光により誘導する避難誘導装置であって、建物内部において、床面に交差して設けられる平面に設置される発光部と、発光部に電力を供給する蓄電池と、を備え、発光部は、避難発生時において、建物内部における避難経路を示す所定態様で発光し、避難発生時以外(以下、「通常時」という)においては、発光せず、蓄電池は、避難発生時以外においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給を受けて電力を蓄電し、避難発生時において、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、発光部に電力を供給する。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物内部において、災害や人災などで避難が必要となる場合に、建物内部の人に避難方向を示して誘導する避難誘導装置に関する。
我が国をはじめとして、多くの国において、地震、大雨による洪水や浸水、台風、土砂災害、竜巻や突風などの自然災害や、火災、犯罪、インフラの一時的な障害などの人為災害が生じることがある。これらの自然災害や人為災害をまとめた災害は、多くの国において、人々の生活の周りに存在している。ある時点では、これらの災害は発生していなくても、次の時点で災害が発生することもありえる。
また、最近では、単純な犯罪行為を超えて、テロリズム行為が発生する危険性もある。このようなテロリズムという特殊な事例も、災害の一つとしてとらえることができる。以上のように、人々の生活空間において、様々な災害発生の可能性がある。
このような災害が発生した際に、ビル、工場、公共施設、交通施設(駅など)などの建物内部に、人がいることは当然に多い。これらの建物内部で勤務していたり、公共施設や交通施設であればそこに用事があって建物内部に赴いたりしている人もいるからである。このような建物内部にいる際に上述のような災害に遭うことも当然にある。
このような災害が発生する場合には、建物内部から外部に避難する必要が生じることもある。建物内部に残ることで、災害による被害を受けたり、身体に係る影響を受けたりする可能性があるからである。火災などの災害の種類のよっては、建物内部の人は、緊急に外部に避難すべきこともある。
しかしながら、災害が発生する場合には、この建物におけるインフラが一時的に遮断されてしまうことがある。特に、停電となって電力供給が停止してしまうことがある。停電となってしまうと、建物内部のエレベーターやエスカレーターなどの電動設備が使用不能となり、建物内部から外部への避難に悪影響を生じさせる。このため、建物内部からの避難がより困難になる。加えて、停電となってしまうと、建物内部の照明設備が暗転してしまい、建物内部の明るさが落ちてしまう。
例えば、停電のきっかけとなった災害が夜間に生じれば、照明設備が暗転することで、建物内部での視認が困難になる。あるいは、災害が火災である場合には、建物内部に煙が発生し、停電による照明装置の暗転と合せて、建物内部の視認が困難になる。
これらは、災害が原因として停電が発生した場合だけでなく、インフラにおける不具合が原因で停電が発生した場合でも同様である。
このように停電が発生した場合には、建物内部から外部に避難する必要がある人々の避難を妨げることが生じてしまう。
このような停電時における建物内部からの外部への避難が困難となることに対応して、多くの建物内部には、非常階段や非常口において点灯式の標識が設けられている。例えば、「非常口」の文字が点灯することで、非常口があることを、避難を行う人に知らせる。
しかし、多くの建物は、内部が複数の部屋に仕切られている。あるいは、部屋、階段、通路、トイレ、倉庫などの様々な種類の区域を有している。一方で、建物内部から外部に避難できる非常口や非常階段は、建物内部でわずかに限られた場所である。
非常口や非常階段は、建物内部から外部に脱出できる出口に繋がっている。すなわち、建物内部から外部に脱出できる出口に到達するには、まずこの非常口や非常階段にたどり着く必要がある。しかし、上述のように建物内部は複数の部屋や区域に仕切られている。このため、複雑な内部構造を有していることが多く、建物内部にいる人は、非常口や非常階段を見つけることが難しい。これは、非常口や非常階段などに点灯表示がある場合でも同じである。
例えば、図書館などでは、多数の書架があり、この書架により建物全体の視認性が下がったり、移動の容易性が下がったりすることもある。この場合にも、非常口や非常階段などの点灯表示を探すことは難しい。
また、様々な建物が大型化しており、広い建物内部では、構造が複雑でなくても、非常口や非常階段などの点灯表示を視認することが難しい問題がある。
このような状況で、種々の方式で、建物内部の人の避難を誘導する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2014−235636号公報 特開2013−149189号公報 特開2011−28627号公報
特許文献1は、据付けられる建物の設置場所に関する情報を記憶する記憶部と、津波発生に関する信号を受信する第1の受信部19と、建物外への避難を指示する第1の発声パターンと建物内での待機を指示する第2の発声パターンを発声可能な発声部8と、第1の受信部19が津波発生に関する信号を受信したときに、設置場所に関する情報に基づいて、建物が津波の被害を受けると判別した場合に第1の発声パターンを発声するよう発声部8を制御し、建物が津波の被害を受けないと判別した場合に第2の発声パターンを発声するよう発声部を制御する制御部121と、を備える誘導装置を開示する。
特許文献1は、建物内部から外部への避難を音声で指示する技術を開示する。
しかしながら、停電の原因となる災害は、火災、地震、事故、台風、犯罪など様々であり、建物内部や外部が大きくざわついていることが多い。また、建物内部の人々も、恐怖心によるパニックなどによって、騒々しくなることもある。このため、音声による指示が、避難する人にいきわたらない懸念がある。
加えて、特許文献1の音声パターンを発生させる装置は、電力を必要とする。従来技術で説明した避難が必要となる状況は、停電時に生じることも多い。このような停電状態では、特許文献1の誘導装置は、使用できない問題もある。
特許文献2は、携帯端末に搭載されている加速度センサとジャイロセンサの出力を元に自律測位手段で携帯端末位置を測位し、携帯端末のディスプレイ上に表示した屋内地図データ上に携帯端末位置と携帯端末位置からの避難経路を重畳表示することで、携帯端末を保持する避難者を誘導する避難誘導方法を開示する。
特許文献2は、特許文献1と異なり、音声ではなく建物内部の人が所有する携帯端末に避難経路を表示することで、避難誘導を行う。
しかしながら、建物内部にいる人の全てが携帯端末を持っているとは限らない問題がある。また、携帯端末に避難経路が表示されるとしても、停電や災害などによってパニックになったり慌てたりしている人にとっては、携帯端末を操作して避難経路を確認することは困難である。もちろん、子供や老人などは、携帯端末を所有していないことも多いし、避難経路を表示する操作を行うことも難しい問題がある。
特許文献3は、避難誘導照明システム1は、部屋の床面となるように敷設される複数のパネル2,3と、パネル2の上面2aから上方に放射光を出射する光源4と、パネル3への圧力によって発電する圧電センサー5と、圧電センサー5によって発電された電力を貯蔵する蓄電装置6と、蓄電装置6に貯蔵された電力が電源として入力され、光源4を点灯する点灯装置7と、非常用信号を受信する受信装置8と、受信装置8が非常用信号を受信したときに、光源4の点灯により部屋の出口への誘導経路が形成されるように、蓄電装置6を点灯装置7に接続させるとともに点灯装置7を制御する制御装置9とを具備している。
特許文献3は、停電時でも点灯して誘導経路を形成することで、特許文献1や特許文献2のような問題を解消して、誘導経路を形成する技術を開示する。
しかしながら、特許文献3は、圧電センサーによる発電を蓄電することを前提としており、既存の建物に設置するには非常に困難である問題がある。特許文献3には、通常時においては非常用電源を家庭用電源に接続することを開示しているが、避難誘導照明システム全体としては、圧電センサーを必要とすることに変わりはない。圧電センサーは床面に設置しなければならず、建物の構造や建物の利用者の都合によっては、設置が困難となる。
また、特許文献3の避難誘導照明システムは、床面から上方を照射する。しかしながら、災害や停電が発生した場合には、床面が光っても避難経路を把握するのは困難である。災害時や停電時には、人々は非常口や非常階段を探す意識が強くなり、床面を視認する意識を持つことが難しくなるからである。また、床面が光る場合には、視認する人の立ち位置や目線の方向によって、どちらに誘導しようとしているのかを把握するのが難しい。視線の位置と床面とは、建物を3次元的に把握するのと逆の方向の把握になるため、床面の光により避難経路を3次元的に把握することが難しい問題もある。特に、災害や停電の発生時には、人々はパニックに陥っていることもあり、床面の点灯で、避難経路を正確に把握することが難しい問題がある。
加えて、特許文献3の避難誘導照明システムが設置された後で、棚やオフィス家具が設置されたり、建物のフロアーの仕切りが変更になってしまったりすることもよく生じる。この場合には、避難経路を示す床面の全てが残っていないこともあり、床面の点灯がすべて残らないこともある。あるいは、避難経路と誘導照明との方向が異なってしまったりすることもある
このように、従来技術においては次のような問題があった。
(問題1)停電による電力供給の遮断時に、点灯による視認で避難経路を誘導できない。
(問題2)既存の建物に簡易かつ低コストで設置できない。
(問題3)設置後の建物内部のレイアウト等の変更に対応できない。
(問題4)パニック等に陥っている人々に、確実かつ容易に避難経路を視認させることができない。
本発明はこれらの問題に鑑み、簡易かつ低コストに設置でき、建物内部から外部に避難する人々をより確実に誘導できる避難誘導装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の避難誘導装置は、
建物内部において、避難の必要な場合(以下、「避難発生時」という)に、避難経路を発光により誘導する避難誘導装置であって、
建物内部において、床面に交差して設けられる平面に設置される発光部と、
発光部に電力を供給する蓄電池と、を備え、
発光部は、避難発生時において、建物内部における避難経路を示す所定態様で発光し、避難発生時以外(以下、「通常時」という)においては、発光せず、
蓄電池は、避難発生時以外においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給を受けて電力を蓄電し、避難発生時において、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、発光部に電力を供給する。
本発明の避難誘導装置は、通常状態においては商用電源や家庭用電源から電力を受けて蓄電する。災害時や停電時には、この蓄電している電力を用いて、誘導経路を表示するように発光する。この結果、停電時などの電力供給がなされない場合でも、動作できる。
また、本発明の避難誘導装置は、停電時などにおいて、商用電源や家庭用電源からの電力供給が遮断されたことを受けて、蓄電されている電力からの電力供給を受けて発光を開始する。このため、特段の作業や操作を経ずに、誘導経路を案内する発光を実現できる。
本発明の避難誘導装置は、建物内部の棚や壁などの人の視線に近い高さに設置される。このため、災害や停電時における視認性が高く、パニックに陥っても、人々は避難経路を通常の建物内部の把握と同じ感覚で把握できる。この結果、確実に避難誘導できる。
更に、本発明の避難誘導装置は、建物内部の棚や壁などに設置されることで、建物内部の什器の配置やレイアウトの変更後においても、この変更に合わせて対応できる。
本発明の実施の形態1における避難誘導装置が取り付けられた壁面の模式図である。 本発明の実施の形態1における避難誘導装置が取付けられた棚の模式図である。 本発明の実施の形態1における複数の避難誘導装置が取り付けられた壁面を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における複数の避難誘導装置が取り付けられた、曲がり角を有する壁面の模式図である。 本発明の実施の形態1における避難誘導装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1における発光部の模式図である。 本発明の実施の形態1における発光部の模式図である。 本発明の実施の形態1における避難誘導装置の内部斜視図である。 本発明の実施の形態2における避難誘導装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における避難誘導装置と基地局との模式図である。 本発明の実施の形態2における順に並んで設置されている避難誘導装置の模式図である。 本発明の実施の形態2における避難方向に合わせて発光する避難誘導装置の模式図である。 本発明の実施の形態2における避難方向に合わせて発光する避難誘導装置の模式図である。
本発明の第1の発明に係る避難誘導装置は、建物内部において、避難の必要な場合(以下、「避難発生時」という)に、避難経路を発光により誘導する避難誘導装置であって、
建物内部において、床面に交差して設けられる平面に設置される発光部と、
発光部に電力を供給する蓄電池と、を備え、
発光部は、避難発生時において、建物内部における避難経路を示す所定態様で発光し、避難発生時以外(以下、「通常時」という)においては、発光せず、
蓄電池は、避難発生時以外においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給を受けて電力を蓄電し、避難発生時において、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、発光部に電力を供給する。
この構成により、避難誘導装置は、災害等で停電が発生した場合でも、建物内部から外部への避難を最適に誘導できる。また、発光部が避難する人の視認しやすい範囲にあるので、避難発生時でも、パニック等にならずに速やかに避難できる。
本発明の第2の発明に係る避難誘導装置では、第1の発明に加えて、所定態様は、避難経路を示す矢印、避難経路を示すリレー、避難経路を示す輝度変化および避難経路を示す色度変化の少なくとも一つを含む。
この構成により、発光部は、避難経路を確実に示すことができる。
本発明の第3の発明に係る避難誘導装置では、第2の発明に加えて、矢印、リレー、輝度変化および色度変化のそれぞれは、建物の非常口、非常階段、出口に向けた経路に沿った方向を示す。
この構成により、発光部は、建物内部から外部への避難誘導を確実に行える。
本発明の第4の発明に係る避難誘導装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、避難誘導装置は、建物内部の棚、壁および窓の少なくとも一つに設置される。
この構成により、避難時に避難する人が視認しながら避難できる。
本発明の第5の発明に係る避難誘導装置では、第4の発明に加えて、発光部は、人の視線高さに対応する高さにおいて設置される。
この構成により、避難する人は、避難しながら、発光部を視認できる。この結果、パニック等を引き起こさずに、避難誘導を確実に行える。
本発明の第6の発明に係る避難誘導装置では、第5の発明に加えて、矢印、リレー、輝度変化および色度変化のそれぞれは、避難する人の側面であって視線高さにおいて方向を示すように発光する。
この構成により、視線高さでの発光変化により、避難する人は避難方向を把握しやすい。加えて、注意喚起もされるので、避難発生時を把握できる。
本発明の第7の発明に係る避難誘導装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、蓄電池は、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給の停止を検出する検知信号を生成し、検知信号に基づき、発光部への電力供給を開始する。
この構成により、停電となった場合に即座に発光部が光ることができる。加えて、停電時のみに、十分な発光を行えるので、避難発生を認識させやすい。
本発明の第8の発明に係る避難誘導装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、他の位置に設置されている避難誘導装置および基地局の少なくとも一方と通信可能な通信部を更に備え、通信部は、避難発生時であることを示す避難信号を送受信可能である。
この構成により、避難信号を送受信して、複数の避難誘導装置が連続的に発光を行える。例えば、蓄電池での検知信号が不十分な場合でも、避難誘導装置は、発光できる。
本発明の第9の発明に係る避難誘導装置では、第8の発明に加えて、他の位置に設置されている避難誘導装置および基地局の少なくとも一方から、避難信号を受信する場合には、蓄電池は、発光部に電力の供給を開始し、発光部は、供給される電力に基づいて発光を開始する。
この構成により、避難信号を受けて、発光部が発光できる。この結果、停電を検知する検知信号以外の手段で、発光部が発光でき、より多彩な避難誘導を行える。
本発明の第10の発明に係る避難誘導装置では、第9の発明に加えて、避難信号は、避難方向についての情報を含み、通信部が避難信号を受信する場合に、発光部は、避難方向に基づいて、所定態様の発光方向を決定して発光する。
この構成により、避難方向が異なる場合でも、それに合わせて、最適な避難経路を示すことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(全体概要)
(使用態様の概要)
まず、実施の形態1における避難誘導装置の使用態様の概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における避難誘導装置が取り付けられた壁面の模式図である。
避難誘導装置1は、建物内部で災害や停電が生じて、人が建物外部へ避難をしなければならない場合に、この人を建物外部に誘導する。特に、建物には、非常口、非常階段、出口などがあり、災害や停電などが発生して避難をしなければならない避難発生時において、建物内部の人は、これら非常口、非常階段、出口に向けて、建物内部を非難する必要がある。
従来技術で説明したように、建物は、その種類によってさまざまな構造を有している。特に内部は部屋の区分、種々の廊下、棚などの家具など、複雑な構造を有していることもある。このような複雑で様々な内部構造の建物内部において、災害や停電などの避難発生時に、避難誘導装置1は、建物内部の人を非常口などに誘導する。
図1では、避難誘導装置1の使用態様の一例として、壁面100に、避難誘導装置1が取り付けられている状態が示されている。建物内部には、必ず通路101があり、通路101の横には壁面100が必ず設けられる。建物内部の人は、避難発生時以外(以下、「通常時」という)においては、この通路101を歩いている。あるいは、通常時において、建物内部の人は、壁面100内部の室内にいる。
避難発生時においては、通路101にいる人は当然のこと、室内にいる人も通路101に出て非常口や出口に移動する必要がある。このような避難発生時において、通路101を移動する人は、通路101の側面の壁面100を視認しやすい。避難を行う際の目線の高さと位置に対応するからである。
このような状況に対応して、避難誘導装置1は、壁面100に取り付けられることが、その一例として好適である。壁面100に避難誘導装置1が取り付けられることで、避難発生時に通路101を移動して避難する人に対して、避難誘導装置1は、避難方向を確実に示して視認させることができる。
図2は、本発明の実施の形態1における避難誘導装置が取付けられた棚の模式図である。図2においては、図1の場合と異なり、建物内部に多く存在する棚(書籍棚であったり、ファイル棚であったり、日用品を収納する棚であったり、オフィス用品などの様々な種類の物品を収納する棚であったり、用途を限定するものではない)に、避難誘導装置1が取り付けられている。
建物内部には、その内部での経済活動や生活活動のために、様々な目的に対応する棚200が備え付けられている。あるいは、建物が博物館や図書館などの公的施設である場合には、広い室内に、多数の棚200が備え付けられていることもある。このような棚200が備え付けられている場合には、明確な通路101と異なり、建物内部での人の移動動線が、不明確になりえる。
例えば、図書館のように広い室内に多数の書籍用の棚200が設置されている場合には、棚200同士に挟まれた空間が移動動線となる。この移動動線は、棚200の数に応じて、数も増加し、構造も複雑になりえる。加えて、複数の棚200によって形成される様々な移動動線の、どこに人がいるかはわからない。加えて、広い室内に複雑な移動動線が多数形成されていることで、建物内部の人は、非常口や出口の方向を把握しにくい。
このような場合に、人をスムーズに非常口や出口などに誘導するためには、棚200に避難誘導装置1が取り付けられていることが好適である。図2は、この状態を示している。棚200には、表面部材201が設けられていることが多く、避難誘導装置1は、この表面部材201に取り付けられれば良い。
図2では、図示の便宜上、一つの棚200のみが示されているが、実際の建物内部においては、多数の棚200が設置されている。複数の棚200が複数の移動動線を形成するので、これら複数の棚200の内、非常口や出口などへ誘導する避難経路に対応する棚200に、避難誘導装置1が取り付けられれば良い。このとき、複数の棚200において、非常口や出口を示す方向に向けて、避難誘導装置1が取り付けられれば良い。
また、一つの棚200に、一つの避難誘導装置1が取り付けられてもよいが、一つの棚200に、複数の避難誘導装置1が取り付けられてもよい。
建物全体においては、図1のような壁面100や棚200などが、混在している。これら壁面100(通路101)や棚200のそれぞれが、様々な移動動線を形成する。この様々な移動動線のそれぞれにおいて、非常口や出口へ誘導するように、避難誘導装置1が取り付けられれば良い。このとき、複数の避難誘導装置1が、非常口や出口などへの誘導経路を形成するように、取り付けられてもよい。
あるいは、図書館のように、多数の棚200により不連続で複数の移動動線ができる場合もある。この場合には、非常口や出口に向けて一本の誘導経路を形成することが難しい場合もある。ある棚200の前の移動動線と他の棚200の前の移動動線とは平行していることもあるからである。このような場合には、避難誘導装置1は、非常口や出口に向けて一本の連続する誘導経路を形成するのではなく、その場所から非常口や出口に向けた方向を示す目安となる経路を案内してもよい。
複数の避難誘導装置1が用いられる場合を、図3、図4に示す。
図3は、本発明の実施の形態1における複数の避難誘導装置が取り付けられた壁面を示す模式図である。図4は、本発明の実施の形態1における複数の避難誘導装置が取り付けられた、曲がり角を有する壁面の模式図である。
図3のように、一つの連続する壁面100に、複数の避難誘導装置1が取り付けられることも好適である。図3では、図示の都合上、複数の避難誘導装置1同士の間隔が狭いようにも見えるが、複数の避難誘導装置1は、視認のしやすさに応じた間隔で適宜取り付けられればよい。壁面100に複数の避難誘導装置1が取り付けられていることで(図3では、避難誘導装置1A〜1C)、避難発生時に、より確実に非常口や出口へ誘導することができる。
また、図4のように、通路101は曲がり角を有していることが多い。避難発生時には、停電であったり火災の煙が充満していたりして、曲がり角で立ち往生してしまう可能性もある。このような場合でも、図4のように、避難誘導装置1A、1B、1C、1Dと連なって取り付けられていることで、曲がり角があっても、人は確実に避難できる。
また、図4にあるように、避難誘導装置1は、避難経路を示す所定態様で発光して、避難経路を示すことも好適である。図4では、避難誘導装置1は、図の右側に向いた方向指示によって発光している。この発光により、避難発生時においては、人は、右側に向けて確実に避難できる。
また、図1〜図4での避難誘導装置1の取付けや使用態様は一例であり、建物内部において、(1)非常口や出口に向けた避難経路全体を案内する、(2)非常口や出口方向を示す、のいずれかの態様で、避難誘導装置1が取付けられればよい、いずれの場合でも、建物内部において、避難経路を示して、避難発生時の避難をスムーズに誘導できる。
なお、避難誘導装置1は(後述する発光部は)、人の視線高さに対応する高さにおいて設置される。また、壁面100や棚200に加えて、窓に設置されてもよい。
(避難誘導装置の概要)
図5は、本発明の実施の形態1における避難誘導装置の斜視図である。図5に示される避難誘導装置1は、図1や図2などで壁面100や棚200に取り付けられている避難誘導装置1の一つである。
避難誘導装置1は、建物内部において、避難発生時に避難経路を発光により誘導する。避難誘導装置1は、筐体2、発光部3、蓄電池4を備える。
避難誘導装置1は、建物内部において、壁面100や棚200などに取り付けられる。この取付けにより、避難誘導装置1の発光部3は、床面に交差して設けられる平面に設置されるようになる。床面に交差して設けられる平面とは、図1、図2などに示される壁面100や棚200である。このような取り付けがなされれば、発光部3が、壁面100や棚200の表面で発光する態様となる。
発光部3は、避難発生時において、建物内部における避難経路を示す所定態様で発光する。逆に、避難発生時以外の通常時においては、発光しない。
蓄電池4は、発光部3での発光に必要な電力を供給する。蓄電池4は、避難誘導装置1に装着されている。蓄電池4は、避難発生時以外においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力を受けて電力を蓄電する。このため、蓄電池4は、筐体2に設けられる電力線により、商用電源や家庭用電源に接続されている。
一方、避難発生時においては、蓄電池4は、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、自身が蓄電している電力を発光部3に供給する。すなわち、蓄電池4は、通常時においては、商用電源や家庭用電源に接続されている。通常時においては、これら商用電源や家庭用電源は動作している。この動作により、蓄電池4は、商用電源や家庭用電源からの電力供給を受けて蓄電できる。
これに対して、避難発生時においては停電などにより商用電源や家庭用電源からの電力供給が停止する。言い換えれば、商用電源や家庭用電源からの電力供給が停止される状態は、避難発生時を知らせるものである。避難誘導装置1は、この蓄電池4への商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、避難発生時になったことを把握できる。
この電力供給が停止される場合、すなわち、停電等により商用電源や家庭用電源からの電力供給が停止される場合には、建物内部の人は、暗がりの中を避難しなければならない状態である。蓄電池4は、この状態(すなわち、避難発生時)となった場合に初めて、発光部3に電力の供給を開始する。この結果、避難発生時になると、発光部3は、商用電源や家庭用電源が停電等により機能不全となっていても、発光して、建物内部の人の避難誘導を行える。
なお、通常時においては発光部3が光らないとあるが、通常時において発光することを厳密に否定する意図ではない。例えば、通常時でも、避難経路を示す発光をしていてもよい。ただし、避難発生時において、建物内部の人への避難経路の把握をより確実に行わせるために、発光部3は、通常時には発光しないか、発光しても避難発生時の発光よりも弱い発光であることが適当である。
筐体2は、発光部3および蓄電池4を格納する。すなわち、筐体2は、避難誘導装置1の外形を構成する。
また、図5には示していないが、筐体2は、壁面100などに取り付け可能なように、取付け器具を備えていることも好適である。筐体2は、樹脂、金属、合金などの素材やこれらの混成により形成されればよい。
次に各部の詳細について説明する。
(発光部)
発光部3は、避難誘導装置1において、避難発生時において建物内部の人を非常口や出口などに向けた避難経路を案内する。避難経路としては、図4などを用いて説明したように、非常口などまでの全経路を複数の避難誘導装置1で示してもよい。あるいは、設置された場所での非常口などの方向を示すことでもよい。
発光部3は、避難発生時において、この避難経路を示す所定態様で発光する。
図6は、本発明の実施の形態1における発光部の模式図である。図6で示される発光部3は、複数の発光素子31を備えている。これは図5の発光素子31と同等のものである。この発光素子31の態様により、発光部3での発光の所定態様が決まる。
図6における発光部3は、三角形状の複数の発光素子31を備えている。三角形状を有する発光素子31が光ることで、三角形状の先端方向が避難経路であることを示すことができる。建物内部の人は、避難発生時において、この三角形状の先端方向を目指して避難する。
あるいは、発光素子31は、図7のように矢印形状であってもよい。図7は、本発明の実施の形態1における発光部の模式図である。図7での発光部3の備える発光素子31は、矢印形状を有している。矢印形状であることで、避難経路を確実に示すことができる。
また、発光素子31は、その形状のみで避難経路を示すだけでなく、発光の仕方によって避難経路を示してもよい。すなわち、発光の仕方が、所定態様の一つとなりうる。
例えば、複数の発光素子31が、避難経路の元から先に向けて順々に発光する(リレー発光)ことでもよい。あるいは、複数の発光素子31のそれぞれの輝度が異なって変化することで、やはり避難元から避難先を示す発光の仕方であってもよい。あるいは、複数の発光素子31のそれぞれの輝度が異なって変化することで、避難元から避難先を示す発光の仕方であってもよい。
このように、発光部3の発光における所定態様は、避難経路を示す矢印形状、避難経路を示すリレー発光、避難経路を示す三角形状、避難経路を示す輝度変化や色度変化の少なくとも一つであればよい。
これらの矢印形状、三角形状、リレー発光、輝度変化発光、色度変化発光のそれぞれは、避難発生時の建物の非常口、非常階段、出口などに向けた経路に沿った方向を示す。これらの所定態様であれば、避難しなければならない人は、避難すべき方向である非常口、非常階段、出口などの方向を確実に視認できる。加えて、発光部3は、床面と交差する平面(壁面100や棚200など)に設置される。
建物内部を避難する人は、当然に立って歩いたり走ったりする姿勢で避難を行う。この姿勢で避難している場合には、視線の高さに、この発光部3が入る。また、避難方向を見ながらであっても、視界にこの発光部3が入る。特に、図4のように複数の避難誘導装置1が設置されている場合には、避難する人の横に設置されていても、斜め前方に他の避難誘導装置1が設置されている状態になる。
この状態であれば、避難する人は、避難しながら視線の範囲内に避難誘導装置1を入れることができる。避難誘導装置1の設置高さも避難する人の視線と同程度であるので、方向および高さの両方で、避難する人は、避難誘導装置1の発光部3を視認しやすい。この視認の容易性により、避難誘導装置1は、確実に避難誘導を行える。
また、発光部3が備える発光素子31の発光の仕方であるリレー発光、輝度変化および色度変化のそれぞれは、避難する人の側面であって視認高さにおいて方向を示すように発光する。このような発光により、確実に避難経路を示すことができる。
(筐体)
筐体2は、発光部3と蓄電池4を格納する。また、筐体2は、避難誘導装置1の外形を構成するので、取付けに用いられる取付け器具を備える。取付け器具は、ねじのような器具であってもよいし、接着シートであってもよい。
発光部3は、発光素子31を実装する電子基板を備える。このため、電子基板をカバーするカバー部を筐体2が備えることも好適である。このカバー部は、発光素子31の発光を外部に視認可能とするために、透明もしくは半透明であることが好ましい。
図8は、本発明の実施の形態1における避難誘導装置の内部斜視図である。図8に示される避難誘導装置1は、カバー部や発光素子31を外した状態を示している。筐体2は、このように、その内部に発光部3を構成する電子基板32と蓄電池4とを格納している。筐体2が、これらを格納することで、発光部3や蓄電池4を備える避難誘導装置1は、一体の装置として構成できる。一体の装置で構成できることで、避難誘導装置1の様々な場所への設置が容易となる。
また、複数の避難誘導装置1のそれぞれの設置も容易となる。
(蓄電池)
蓄電池4は、筐体2内部に格納される。図8では、筐体2の一部に、蓄電池4が格納されている状態が示されている。蓄電池4は、通常時においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給を受ける。このため蓄電池4には、商用電源もしくは家庭用電源からの電力をうける電力線が接続されている。
また、蓄電池4は、避難発生時には、発光部3に電力を供給する。このため、蓄電池4は、発光部3と電気的に接続されている。この電気的な接続により、蓄電池4は、避難誘導時において発光部3を発光させることができる。
蓄電池4は、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給の遮断や停止を受けて、発光部3への電力供給を開始する。このとき、蓄電池4は、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給の停止を検出する検出信号を生成する。蓄電池4は、いわゆる電力を蓄える部材に加えて、種々の電子回路を備えている。この電子回路の一部が、この電力供給の停止を検出するとともに検出信号を生成する。
電子回路の一部が、この検出信号を生成すると、電子回路の他の部分が、蓄電池4から発光部3への電力供給を開始する処理を実行する。蓄電池4から発光部3への電力供給が開始されれば、発光部3は発光を開始する。
このとき、発光部3は、通常時には発光していないか低い輝度で発光しているかである。これに対して、商用電源や家庭用電源からの電力供給が停止された後である避難発生時に、発光部3が発光を開始することで、避難発生時が生じた瞬間に、建物内部での避難誘導装置1の発光部3が発光を開始する。この瞬時の発光開始により、建物内部の人は、避難発生時に切り替わった瞬間に避難経路を示す発光を視認できる。この結果、人はパニックに陥りにくく、避難を行うことができる。
以上、実施の形態1における避難誘導装置1は、停電等の発生する避難発生時において、高い視認性と誘導性により、建物内部の人を出口等へ確実に避難誘導できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。
(通信部)
実施の形態2においては、通信部を備える避難誘導装置1について説明する。図9は、本発明の実施の形態2における避難誘導装置のブロック図である。図9では、ある場所に設置されている一つの避難誘導装置1Aともう一つの避難誘導装置1Bと、を示している。ここで、符号の1A、1BのA,Bのそれぞれは、複数の避難誘導装置を区別するための便宜上のものであり、避難誘導装置1A、避難誘導装置1Bのそれぞれは、避難誘導装置1として特段の区別を受けるものではない。総称としては避難誘導装置1として説明する。
避難誘導装置1は、通信部4を備えている。通信部5は、図9のように他の避難誘導装置1と通信可能である。すなわち、避難誘導装置1Aの通信部5と、避難誘導装置1Bの通信部5とは、相互に通信可能である。図9では、避難誘導装置1Aの通信部5が、避難誘導装置1Bの通信部4に送信を行い、避難誘導装置1Bの通信部5は、受信を行っている。
通信部5は、避難発生時であることを示す避難信号を送受信可能である。実施の形態1で説明したように、蓄電池4は、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給の停止を受けて、検知信号を生成する。蓄電池4は、この検知信号に基づき、発光部3への電力供給を開始する。併せて、蓄電池4は、この検知信号を通信部5に送信する。
通信部5は、この蓄電池4からの検知信号を受けて、これを避難信号として他の避難誘導装置1の通信部5に送信する。例えば、図9であれば、避難誘導装置1Aの蓄電池が生成した検知信号を、通信部5が受ける。避難誘導装置1Aの通信部5は、この検知信号を避難信号として、避難誘導装置1Bの通信部5に送信する。
避難信号を受信した避難誘導装置1Bは、この避難信号に基づいて、蓄電池4から発光部3への電力供給を開始する。このように、避難誘導装置1は、自身の蓄電池4が生成する検知信号に基づいて、発光部3への電力供給を行ってもよいし、他の避難誘導装置1の通信部5からの避難信号の受信に基づいて、発光部3への電力供給を行ってもよい。
この電力供給が開始されれば、発光部3は、発光を行う。
例えば、蓄電池4が商用電源や家庭用電源からの電力供給の停止を検知できない場合でも、他の避難誘導装置1からの避難信号の受信によって発光部3が発光できる。このように、避難誘導装置1は、発光部3による発光で建物内部の人を避難させる必要がある。この発光部3の発光のきっかけを、通信部5によって、フェールセーフできる。
また、図10のように、他の避難誘導装置1からではなくて、基地局7から避難信号を受信してもよい。図10は、本発明の実施の形態2における避難誘導装置と基地局との模式図である。
基地局7は、災害発生や停電発生を認識する。この認識に基づき、基地局7は、避難信号を送信する。この基地局7の通信範囲にある避難誘導装置1は、この基地局7からの避難信号を受信できる。この避難信号を受信した避難誘導装置1は、避難発生時であることを認識する。この結果、避難誘導装置1は、蓄電池4から発光部3への電力供給を開始し、発光部3を発光させる。
なお、これら避難信号などに基づいて、蓄電池4から発光部3への電力供給を実行するために、避難誘導装置1は、制御部を備えていることもよい。
(順序制御)
避難誘導装置1は、通信部5を備えていることで、例えば基地局7からの避難信号を連続的に次の避難誘導装置1に送信することもできる。この連続的な避難信号の送信により、順に並んで設置されている避難誘導装置1が、順々に発光する。
図11は、本発明の実施の形態2における順に並んで設置されている避難誘導装置の模式図である。複数の避難誘導装置1A〜1Eが、壁面100に順々に並んで設置されている。加えて、基地局7が設けられている。
基地局7は、避難誘導装置1A側に設置されている。基地局7は、災害発生や停電発生を認識する、例えば、基地局7は、災害発生や停電発生の指示を受けて、これらの状況発生を認識できる。
基地局7は、これらの災害発生や停電発生を受けて、避難信号を生成して送信する。このとき、基地局7は、図11に設置されているすべての避難誘導装置1A〜1Eの全てに避難信号を送信してもよい。しかしながら、複数の避難誘導装置1の全てに送信が出来ないこともある。
このような場合には、基地局7は、もっとも近い避難誘導装置1Aに避難信号を送信する。避難誘導装置1のそれぞれは、通信部5を備えている。この通信部5によって、避難信号は、複数の避難誘導装置1A〜1Eを数珠つなぎのように通信される。最初に、避難信号を基地局7から受信した避難誘導装置1Aは、備える通信部5から避難信号を、隣接する避難誘導装置1Bに送信する。次いで、避難誘導装置1Bの通信部5は、隣接する避難誘導装置1Cに送信する。
このように順々に避難信号を通信でつなぐことで、避難誘導装置1A〜1Eの全てが、基地局7からの避難信号を受信できる。この受信により、すべての避難誘導装置1A〜1Eが、発光部3を発光させることができる。
このように、蓄電池4での検知信号の生成に加えて、基地局7や通信部5による避難信号の送受信により、避難誘導装置1は、発光部3を発光して誘導できる。特に、停電発生時以外の避難発生時においては、基地局7からの避難信号の送信が適当である。
(避難方向の切り替え)
図12は、本発明の実施の形態2における避難方向に合わせて発光する避難誘導装置の模式図である。図12の避難誘導装置1は、発光部3を備えている。発光部3は、発光素子31を備えている。
ここで、発光部3は、図12において右方向を矢印で示す発光素子31Aと、左方向を矢印で示す発光素子31Bとを備える。すなわち、発光部3は、2種類の方向を向いた矢印態様の発光素子31A、31Bを備える。
基地局7や通信部5からの避難信号は、避難方向についての情報を含んでいることも好適である。この場合には、通信部5が避難信号を受信する場合に、避難方向の情報を認識できる。この避難方向の情報を含んだ避難信号を受信した避難誘導装置1は、この避難方向に基づいて、発光方向を決定して発光する。
例えば、図12では、右方向が避難方向であることを示す避難信号を受信している。この場合には、発光部3は、右側を矢印として向けた矢印態様で発光する。すなわち、発光素子31Aが発光する。この発光により、建物内部の人は、右方向に向かって避難を実行する。
一方、避難方向が左方向である情報を含んだ避難信号を受けた場合には、図13のように、左方向を向いた矢印態様である発光素子31Bが発光する。この場合には、建物内部の人は、左方向に向かって避難を実行する。図13は、本発明の実施の形態2における避難方向に合わせて発光する避難誘導装置の模式図である。
図12、図13のように異なる方向を示す発光態様を有する発光素子31A,31Bが備わっていることで、避難誘導装置1は、避難方向(例えば、非常口や出口の方向)に向けて、適切に人を誘導できる。
以上、実施の形態2における避難誘導装置1は、通信による発光の開始や避難方向を示す発光により、よりバリエーションのある避難誘導を行える。
なお、実施の形態〜2で説明された避難誘導装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 避難誘導装置
2 筐体
3 発光部
31 発光素子
4 蓄電池
5 通信部
7 基地局

Claims (10)

  1. 建物内部において、避難の必要な場合(以下、「避難発生時」という)に、避難経路を発光により誘導する避難誘導装置であって、
    前記建物内部において、床面に交差して設けられる平面に設置される発光部と、
    前記発光部に電力を供給する蓄電池と、を備え、
    前記発光部は、前記避難発生時において、前記建物内部における避難経路を示す所定態様で発光し、前記避難発生時以外(以下、「通常時」という)においては、発光せず、
    前記蓄電池は、前記避難発生時以外においては、商用電源もしくは家庭用電源からの電力供給を受けて電力を蓄電し、前記避難発生時において、前記商用電源もしくは前記家庭用電源からの電力供給が停止したことを受けて、前記発光部に電力を供給する、避難誘導装置。
  2. 前記所定態様は、前記避難経路を示す矢印、前記避難経路を示すリレー、前記避難経路を示す輝度変化および前記避難経路を示す色度変化の少なくとも一つを含む、請求項1記載の避難誘導装置。
  3. 前記矢印、前記リレー、前記輝度変化および前記色度変化のそれぞれは、前記建物の非常口、非常階段、出口に向けた経路に沿った方向を示す、請求項2記載の避難誘導装置。
  4. 前記避難誘導装置は、前記建物内部の棚、壁および窓の少なくとも一つに設置される、請求項1から3のいずれか記載の避難誘導装置。
  5. 前記発光部は、人の視線高さに対応する高さにおいて設置される、請求項4記載の避難誘導装置。
  6. 前記矢印、前記リレー、前記輝度変化および前記色度変化のそれぞれは、避難する人の側面であって視線高さにおいて方向を示すように発光する、請求項5記載の避難誘導装置。
  7. 前記蓄電池は、前記商用電源もしくは前記家庭用電源からの電力供給の停止を検出する検知信号を生成し、
    前記検知信号に基づき、前記発光部への電力供給を開始する、請求項1から6のいずれか記載の避難誘導装置。
  8. 他の位置に設置されている前記避難誘導装置および基地局の少なくとも一方と通信可能な通信部を更に備え、
    前記通信部は、前記避難発生時であることを示す避難信号を送受信可能である、請求項1から7のいずれか記載の避難誘導装置。
  9. 前記他の位置に設置されている前記避難誘導装置および前記基地局の少なくとも一方から、前記避難信号を受信する場合には、
    前記蓄電池は、前記発光部に電力の供給を開始し、
    前記発光部は、供給される電力に基づいて発光を開始する、請求項8記載の避難誘導装置。
  10. 前記避難信号は、避難方向についての情報を含み、前記通信部が前記避難信号を受信する場合に、
    前記発光部は、前記避難方向に基づいて、前記所定態様の発光方向を決定して発光する、請求項9記載の避難誘導装置。
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