JP2016194396A - 排熱回収システム、および該排熱回収システムの運用方法 - Google Patents

排熱回収システム、および該排熱回収システムの運用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水の量を従来よりも大幅に低減することが出来るとともに、熱回収効率にも優れる排熱回収システムを提供する。【解決手段】熱源1と、排熱回収ボイラ装置2と、蒸気タービン装置3と、復水器4と、復水器で凝縮された復水を含む給水を排熱回収ボイラ装置に供給する給水系統5と、複数のドラムの各々に貯留されるボイラ水のアンモニア濃度(又はpH値)が所定濃度範囲(所定値範囲)になるように、給水のアンモニア濃度(又はpH値)を調整するように構成された薬剤注入装置6と、を備える排熱回収システムであって、排熱回収ボイラ装置は、高圧ドラム211と低圧ドラム231と高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路25を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、排熱回収システム、および該排熱回収システムの運用方法に関する。
高い発電効率を発揮する発電システムとして、ガスタービンから排出される高温の排気ガスから熱エネルギーを回収して蒸気を生成し、この生成した蒸気によって蒸気タービンを駆動して回転エネルギーに変換するガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)が知られている(例えば特許文献1)。ガスタービンコンバインドサイクルでは、排熱回収ボイラにおいて熱エネルギーを回収して蒸気を生成する。排熱回収ボイラは、節炭器、蒸発器、過熱器、及びボイラ水が貯留されるドラム等からなる加熱ユニットを有している。この加熱ユニットは、ボイラの熱回収率を向上させるために、例えば高圧、中圧、低圧などのように発生蒸気の圧力別に多重に設けられる。
排熱回収ボイラの運転停止期間中においては、各ドラム内部の腐食や錆の発生原因となる酸素(空気)の侵入を防止するため、ドラムの水位が予め規定される水位を下回らないように管理される。排熱回収ボイラの運転停止後は、ボイラ水は冷却されるに伴って熱膨張量が小さくなるため、ドラムの水位は低下する。このため、排熱回収ボイラの運転停止後においては、各ドラムに給水を供給してドラムの水位を維持するような管理が行われる。よって、排熱回収ボイラの起動時においては、各ドラムのボイラ水は水温上昇に伴う熱膨張によってドラムの水位が上昇し、排熱回収ボイラの運転停止後よりもドラムの水位が高くなる。
一方、排熱回収ボイラは、その運転期間中、各ドラムの水位が予め規定される水位範囲内となるように管理される。このため、ボイラ起動時においてドラムの水位が上昇すると、規定される水位範囲を超えた分のボイラ水をボイラ外に排出(ブロー)する必要がある。
ここで、排熱回収ボイラの起動時にドラムより排出されるボイラ水の温度はおよそ200℃以上であり、環境へ与える影響を考慮すると、この高温のボイラ水をそのまま外部へ排出することは出来ない。そこで、外部へ排出可能な温度(例えば60℃)までボイラ水を冷却する必要がある。このボイラ水の簡易な冷却方法としては、一般的に、排出される高温のボイラ水を雑用水(工業用水)で希釈する方法が採られている。
特許第4233746号公報 特開昭60−2803号公報
しかしながら、上述した排出されるボイラ水の冷却には大量の雑用水が必要となるため、その雑用水の確保に多大なコストを要していた。また、せっかく加熱した高温のボイラ水を外部に排出してしまうため、発電システムのエネルギー効率の面でも無駄が多かった。
上述した課題に対する対策として、例えば、特許文献2の従来例を示す第1図に記載されているように、高圧ドラム(符号10)から排出されるボイラ水を低圧ドラム(符号5)に供給し、低圧ドラムから排出されるボイラ水を再び高圧ドラムに供給することで、ボイラ水を循環利用することが考えられるが、実際には容易に対応できるような対策ではない。すなわち、排熱回収ボイラにおいては、腐食の防止やスケール生成の抑制を目的として、ドラム内にリン酸ナトリウムを注入し、ボイラ水の性状を弱アルカリ性に保持する水処理が一般的に行われている。リン酸ナトリウムは、高温になるにつれて溶解度が低下するため、高温のボイラ水が貯留される高圧ドラム内のリン酸ナトリウム濃度は、低圧ドラム内のリン酸ナトリウム濃度よりも低く管理される。したがって、低圧ドラムから排出されるドラム水を再び高圧ドラムに供給すると、低圧ドラムから供給されるボイラ水のリン酸ナトリウム濃度が高いがために、高圧ドラムにおいてリン酸ナトリウムが析出し、アルカリ腐食を引き起こす虞がある。
このような技術的背景の下で、本発明者らが鋭意検討したところ、上述した特許文献1に記載されている水処理方法、すなわち、排熱回収ボイラに供給される給水のアンモニア濃度またはpHを適切に管理することで、各ドラム内のボイラ水のアンモニア濃度またはpHを腐食が発生しない所定の範囲に制御する、いわゆる高pH水処理方法を採用したシステムにおいて、高圧側のドラムから排出されるボイラ水を低圧側のドラムに供給し、低圧側のドラムから排出されるボイラ水を再び高圧側のドラムに供給するボイラ水の循環利用が有効であることを見出した。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述した従来技術の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水の量を従来よりも大幅に低減することが出来るとともに、熱回収効率にも優れる排熱回収システム、および該排熱回収システムの運用方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態にかかる排熱回収システムは、排熱を排出する熱源と、ボイラ水が貯留される複数のドラムを有し、熱源から排出される排熱によってボイラ水を蒸発させて蒸気を生成するように構成された排熱回収ボイラ装置と、排熱回収ボイラ装置で生成された蒸気によって駆動して回転エネルギーに変換する蒸気タービン装置と、蒸気タービン装置から排出される排気を凝縮する復水器と、復水器で凝縮された復水を含む給水を排熱回収ボイラ装置に供給する給水系統と、複数のドラムの各々に貯留されるボイラ水のアンモニア濃度が所定濃度範囲になるように、給水のアンモニア濃度を調整するか、又は、複数のドラムの各々に貯留されるボイラ水のpH値が所定値範囲になるように、給水のpH値を調整するように構成された薬剤注入装置と、を備える。
そして、上記排熱回収ボイラ装置は、所定圧力のボイラ水が貯留される高圧ドラムと、高圧ドラムよりも低圧のボイラ水が貯留される低圧ドラムと、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路と、カスケードブロー流路を開放または閉止するバルブユニットと、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すための低圧ブロー流路と、低圧ブロー流路を開放または閉止する低圧ブローバルブと、を含む。
上記(1)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路を含んでいる。このため、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を低圧ドラムに供給することで、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排水される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラムにおいて利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
また、上記(1)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すための低圧ブロー流路を含んでいる。このため、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
また、上記(1)に記載の実施形態によれば、排熱回収システムが、上述した薬剤注入装置を備えている。このため、従来のようにドラム内にリン酸ナトリウムを注入しなくても、各ドラム内のアンモニア濃度又はpHを腐食が発生しない所定の範囲に制御することが出来る。したがって、低圧ドラムから排出されるドラム水を循環利用しても、高圧ドラムにおいてリン酸ナトリウムが析出し、アルカリ腐食を引き起こす虞がない。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の排熱回収システムにおいて、所定以上の水質を有する純水が貯留される純水タンクと、所定未満の水質を有する工業用水が貯留される工業用水タンクと、低圧ブロー流路における低圧ブローバルブの下流側から分岐し、低圧ブロー流路を流れるボイラ水を純水タンク又は工業用水タンクに供給するためのタンク供給流路と、低圧ブロー流路を流れるボイラ水の流入先を低圧ブロー流路又はタンク供給流路に切り替えるための流路切替弁と、タンク供給流路を流れるボイラ水の供給先を純水タンク又は工業用水タンクに切り替えるための供給先切替弁と、を含んでいる。
上記(2)に記載の実施形態によれば、流路切替弁によって、低圧ブロー流路を流れるボイラ水の流入先を低圧ブロー流路またはタンク供給流路に切り換えることが出来る。これにより、例えば復水器にボイラ水を戻すことが出来ないような場合でも、ボイラ水を回収することが出来る。また、上記(2)に記載の実施形態によれば、供給先切替弁によって、タンク供給流路を流れるボイラ水の供給先を純水タンク又は工業用水タンクに切り替えることが出来る。これにより、ボイラ水の水質が所定以上の場合はボイラ水を純水タンクに回収し、ボイラ水の水質が所定未満の場合はボイラ水を工業用タンクに回収するなど、ボイラ水の水質に応じて純水タンクまたは工業用水タンクの夫々にボイラ水を回収することが出来る。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の排熱回収システムにおいて、高圧ドラムおよび低圧ドラムの水位を制御するための制御装置をさらに備える。そして、当該制御装置は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放するように構成される。また、排熱回収ボイラ装置の起動時において、低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブを制御して低圧ブロー流路を開放するように構成される。
排熱回収ボイラ装置の運転停止期間中においては、ドラム内部の腐食や錆の発生原因となる酸素(空気)の侵入を防止するため、各ドラムの水位が予め規定される停止水位範囲の下限水位を下回らないように管理される。排熱回収ボイラ装置の運転停止後は、ボイラ水の冷却に伴って熱膨張量が小さくなるため、各ドラムの水位は低下する。このため、排熱回収ボイラ装置の運転停止後においては、ドラムに給水を供給して各ドラムの水位を維持するような管理が行われる。よって、排熱回収ボイラ装置の起動時においては、ボイラ水の水温上昇に伴って各ドラムの水位が上昇し、排熱回収ボイラ装置の運転停止後よりも各ドラムの水位が高くなる。
一方、排熱回収ボイラ装置は、その運転期間中、各ドラムの水位が予め規定される運用水位範囲に収まるように管理される。このため、排熱回収ボイラ装置の起動時において各ドラムの水位が上昇すると、規定される運用基準水位(運用水位範囲の上限水位)を超えた分のボイラ水を排出する必要がある。
したがって、上記(3)に記載の実施形態によれば、制御装置が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放するように構成される。このため、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を低圧ドラムに供給することで、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラムにおいて利用することが出来るため、エネルギー効率の面でも優れている。
また、上記(3)に記載の実施形態によれば、制御装置が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブを制御して低圧ブロー流路を開放するように構成される。このため、排熱回収ボイラ装置の起動時において、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置の起動時において、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)の何れかに記載の排熱回収システムにおいて、高圧ドラムおよび低圧ドラムの水位を制御するための制御装置をさらに備える。そして、当該制御装置は、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放するように構成される。
従来、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、ドラムに貯留されるボイラ水の水質が所定の基準値を超えたときには、ドラムに貯留されるボイラ水の一部を外部に排出するとともに、給水系統から給水をドラムに補給し、ボイラ水の一部を入れ替える管理が行われている。上述したように、ドラムからボイラ水を外部に排出するときには、高温のボイラ水を雑用水で希釈して冷却する必要があるため、ボイラ水の冷却には大量の雑用水が必要であった。また、せっかく加熱した高温のボイラ水を外部に排出してしまうため、エネルギー効率の面でも無駄が多かった。
一方、高圧ドラムと低圧ドラムとでは、低圧ドラムの方が水質の基準値が緩く設定されている。一例としては、高圧ドラムにおける水質の基準値(シリカ濃度)が0.2mg/l以下であるのに対して、低圧ドラムにおける水質の基準値(シリカ濃度)が2mg/l以下である。このため、高圧ドラムにおいて基準値を超えた(基準値よりも悪化した)ボイラ水であっても、低圧ドラムの基準値は満たしている場合がある。
したがって、上記(4)に記載の実施形態によれば、高圧ドラムから排出されるボイラ水を高圧ドラムよりも水質の基準値の緩い低圧ドラムに供給することで、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも低減することが出来る。また、従来は外部に排出していた熱エネルギーをシステム内で再利用するため、熱回収効率に優れる排熱回収システムとすることが出来る。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)に記載の排熱回収システムにおいて、上記排熱回収ボイラ装置は、高圧ドラムよりも低圧、且つ低圧ドラムよりも高圧のボイラ水が貯留される中圧ドラムをさらに有する。上記カスケードブロー流路は、高圧ドラムから排出されるボイラ水を中圧ドラムに供給するための高圧ブロー流路、及び中圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するための中圧ブロー流路を含む。上記バルブユニットは、高圧ブロー流路を開放または閉止する高圧ブローバルブ、及び中圧ブロー流路を開放または閉止する中圧ブローバルブを含む。そして、上記制御装置は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブを制御して中圧ブロー流路を開放するように構成される。
上記(5)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、高圧ドラム及び低圧ドラムに加えて、中圧ドラムを有している。このため、中圧ドラムを有していない排熱回収ボイラと比べて、熱回収率の高い排熱回収ボイラ装置とすることが出来る。また、制御装置が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブを制御して中圧ブロー流路を開放するように構成される。このため、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水を低圧ドラムに供給することで、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラムにおいて利用することが出来るため、エネルギー効率の面でも優れている。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載の排熱回収システムにおいて、上記カスケードブロー流路は、高圧ブロー流路における高圧ブローバルブよりも下流側の位置から分岐し、中圧ドラムをバイパスして高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのバイパスブロー流路をさらに有する。そして、上記バルブユニットは、バイパスブロー流路を開放または閉止するバイパスブローバルブをさらに有する。
上記(6)に記載の実施形態によれば、バイパスブローバルブを開放することで、高圧ドラムから排出されるボイラ水を、中圧ドラムをバイパスして低圧ドラムに供給することが出来る。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)に記載の排熱回収システムにおいて、上記制御装置は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超え、且つ、中圧ドラムの水位が予め規定される規定水位に達していないときに、バイパスブローバルブを制御してバイパスブロー流路を開放するように構成される。
排熱回収ボイラ装置において、高圧ドラムに貯留されるボイラ水と、中圧ドラムに貯留されるボイラ水とでは、排熱回収ボイラ装置の起動時における温度上昇速度が異なる。よって、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときであっても、高圧ドラムから排出されるボイラ水を中圧ドラムに供給するのではなく、中圧ドラムをバイパスして、低圧ドラムに直接供給する方が良い場合がある。一例としては、中圧ドラムの水位が予め規定される規定水位よりも高い状態にある場合には、中圧ドラムをバイパスして、低圧ドラムに直接供給する方が良い。上記(7)に記載の実施形態によれば、このような場合であっても、バイパスブロー流路を介して、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに直接供給するが出来るため、中圧ドラムの水位に応じた柔軟な排熱回収システムの運用が可能となる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(7)の何れかに記載の排熱回収システムにおいて、上記低圧ブロー流路は、復水器に接続される。そして、上記排熱回収ボイラ装置は、低圧ブロー流路に配置される、低圧ブロー流路を流れるボイラ水を濾過するためのフィルタ装置と、低圧ブロー流路においてフィルタ装置の上流側に配置される、低圧ブロー流路を流れるボイラ水を冷却するための冷却装置と、をさらに備える。
上記(8)に記載の実施形態によれば、低圧ドラムから排出されるボイラ水に含まれる不純物をフィルタ装置によって除去することが出来る。また、低圧ドラムから排出されるボイラ水を冷却装置によって冷却することで、復水器内の温度上昇が抑制されるため、復水効率を維持することでタービン効率が低下するのを防止することが出来る。しかも、冷却装置が低圧ブロー流路においてフィルタ装置の上流側に配置されるため、耐熱性の低い安価なフィルタ装置を採用することが可能となる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)に記載の排熱回収システムにおいて、上記冷却装置は、蒸気タービン装置に供給される軸受冷却水を冷熱源とするように構成される。
上記(9)に記載の実施形態によれば、蒸気タービン装置に供給される軸受冷却水を冷熱源として利用することで、冷却装置の冷熱源を新たに用意する必要がないことから、システム全体をシンプルに構成することが出来る。
(10)幾つかの実施形態では、上記(5)から(7)の何れかに記載の排熱回収システムにおいて、上記制御装置は、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、中圧ドラムからボイラ水が排出されたときに、高圧ブローバルブを制御して高圧ブロー流路を開放し、高圧ドラムに貯留されているボイラ水を中圧ドラムに供給するように構成される。
上記(10)に記載の実施形態によれば、中圧ドラムからボイラ水が排出されたときに、給水系統から中圧ドラムに給水を補給するのではなく、高圧ドラムからボイラ水を中圧ドラムに供給するように構成される。したがって、給水系統からの給水が高圧ドラムに優先的に補給されることとなるため、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質を良好に保つことが出来る。
(11)本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法は、排熱を排出する熱源と、ボイラ水が貯留される複数のドラムを有し、熱源から排出される排熱によってボイラ水を蒸発させて蒸気を生成するように構成された排熱回収ボイラ装置と、排熱回収ボイラ装置で生成された蒸気によって駆動して回転エネルギーに変換する蒸気タービン装置と、蒸気タービン装置から排出される排気を凝縮する復水器と、復水器で凝縮された復水を含む給水を排熱回収ボイラ装置に供給する給水系統と、複数のドラムの各々に貯留されるボイラ水のアンモニア濃度が所定濃度範囲になるように、給水のアンモニア濃度を調整するか、又は、複数のドラムの各々に貯留されるボイラ水のpH値が所定値範囲になるように、給水のpH値を調整するように構成された薬剤注入装置と、を備える排熱回収システムの運用方法である。
蒸気排熱回収ボイラ装置は、所定圧力のボイラ水が貯留される高圧ドラムと、高圧ドラムよりも低圧のボイラ水が貯留される低圧ドラムと、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路と、カスケードブロー流路を開放または閉止するバルブユニットと、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すための低圧ブロー流路と、低圧ブロー流路を開放または閉止する低圧ブローバルブと、を含む。
そして、上記排熱回収システムの運用方法は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放する高圧ドラム起動時ブローステップと、排熱回収ボイラ装置の起動時において、低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブを制御して低圧ブロー流路を開放する低圧ドラム起動時ブローステップと、を備える。
上記(11)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路を含むとともに、排熱回収システムの運用方法が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放する高圧ドラム起動時ブローステップを備えている。このため、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を低圧ドラムに供給することで、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排水される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラムから排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラムにおいて利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
また、上記(11)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すための低圧ブロー流路を含むとともに、排熱回収システムの運用方法が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブを制御して低圧ブロー流路を開放する低圧ドラム起動時ブローステップを備えている。このため、低圧ドラムから排出されるボイラ水を復水器に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
また、上記(11)に記載の実施形態によれば、排熱回収システムが、上述した薬剤注入装置を備えている。このため、従来のようにドラム内にリン酸ナトリウムを注入しなくても、ドラム内のアンモニア濃度又はpHを腐食が発生しない所定の範囲に制御することが出来る。したがって、低圧ドラムから排出されるドラム水を循環利用しても、高圧ドラムにおいてリン酸ナトリウムが析出し、アルカリ腐食を引き起こす虞がない。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)に記載の排熱回収システムの運用方法において、上記排熱回収システムの運用方法は、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、バルブユニットを制御してカスケードブロー流路を開放する水質保全ブローステップをさらに備える。
従来、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、ドラムに貯留されるボイラ水の水質が所定の基準値よりも悪化したときには、ドラムに貯留されるボイラ水の一部を外部に排出するとともに、給水系統から給水をドラムに補給し、ボイラ水の一部を入れ替える管理が行われている。上述したように、ドラムからボイラ水を外部に排出するときには、高温のボイラ水を雑用水で希釈して冷却する必要があるため、ボイラ水の冷却には大量の雑用水が必要であった。また、せっかく加熱した高温のボイラ水を外部に排出してしまうため、発電システムのエネルギー効率の面でも無駄が多かった。
一方、高圧ドラムと低圧ドラムとでは、低圧ドラムの方が水質の基準値が緩く設定されている。一例としては、高圧ドラムにおける水質の基準値(シリカ濃度)が0.2mg/l以下であるのに対して、低圧ドラムにおける水質の基準値(シリカ濃度)が2mg/l以下である。このため、高圧ドラムにおいて基準値を超えた(基準値よりも悪化した)ボイラ水であっても、低圧ドラムの基準値は満たしている場合がある。
したがって、上記(12)に記載の実施形態によれば、排熱回収システムの運用方法が、上述した水質保全ブローステップをさらに備えるため、排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。また、従来は外部に排出していた熱エネルギーをシステム内で再利用するため、熱回収効率に優れる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)に記載の排熱回収システムの運用方法において、上記水質保全ブローステップは、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、カスケードブロー流路を所定時間だけ開放する所定時間ブローステップと、所定時間ブローステップの後、又は所定時間ブローステップと並行して、給水系統から高圧ドラムに給水を供給する給水供給ステップと、給水供給ステップの後、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質に関する検出値を取得する検査ステップと、を含む。そして、上記検査ステップにおいて取得されたボイラ水の水質に関する検出値が、予め規定される第2基準値まで改善していないときに、所定時間ブローステップ及び給水ステップを再び実施するように構成される。
上記(13)に記載の実施形態によれば、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される第2基準値に改善するまで、水質保全ブローステップ及び給水ステップが繰り返し実施される。これにより、ブロー1回当たりの排出量を小さく設定することが出来るため、水質を改善するのに必要な量だけをブローすることが出来る。なお、この第2基準値は、例えば、上述した基準値から余裕を差し引くこと(加味する)で設定される基準値である。
(14)幾つかの実施形態では、上記(11)から(13)の何れかに記載の排熱回収システムの運用方法において、上記排熱回収ボイラ装置は、高圧ドラムよりも低圧、且つ低圧ドラムよりも高圧のボイラ水が貯留される中圧ドラムをさらに有する。上記カスケードブロー流路は、高圧ドラムから排出されるボイラ水を中圧ドラムに供給するための高圧ブロー流路、及び中圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに供給するための中圧ブロー流路を含む。上記バルブユニットは、高圧ブロー流路を開放または閉止する高圧ブローバルブ、及び中圧ブロー流路を開放または閉止する中圧ブローバルブを含む。
そして、上記排熱回収システムの運用方法は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブを制御して中圧ブロー流路を開放する中圧ドラム起動時ブローステップをさらに備える。
上記(14)に記載の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置が、高圧ドラム及び低圧ドラムに加えて、中圧ドラムを有している。このため、中圧ドラムを有していない排熱回収ボイラと比べて、熱回収率の高い排熱回収ボイラ装置とすることが出来る。また、排熱回収システムの運用方法が、排熱回収ボイラ装置の起動時において、中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブを制御して中圧ブロー流路を開放する中圧ドラム起動時ブローステップをさらに備える。このため、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水を低圧ドラムに供給することで、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、中圧ドラムから排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラムにおいて利用することが出来るため、エネルギー効率の面でも優れている。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)に記載の排熱回収システムの運用方法において、上記カスケードブロー流路は、高圧ブロー流路における高圧ブローバルブよりも下流側の位置から分岐し、中圧ドラムをバイパスして高圧ドラムに貯留されるボイラ水を前記低圧ドラムに供給するためのバイパスブロー流路をさらに有する。上記バルブユニットは、バイパスブロー流路を開放または閉止するバイパスブローバルブをさらに有する。
そして、上記排熱回収システムの運用方法は、排熱回収ボイラ装置の起動時において、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超え、且つ、中圧ドラムの水位が予め規定される規定水位に達していないときに、バイパスブローバルブを制御して前記バイパスブロー流路を開放する中圧ドラムバイパスブローステップをさらに備える。
排熱回収ボイラ装置において、高圧ドラムに貯留されるボイラ水と、中圧ドラムに貯留されるボイラ水とでは、排熱回収ボイラ装置の起動時における温度上昇速度が異なる。よって、高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときであっても、高圧ドラムから排出されるボイラ水を中圧ドラムに供給するのではなく、中圧ドラムをバイパスして、低圧ドラムに直接供給する方が良い場合がある。上記(15)に記載の実施形態によれば、このような場合であっても、バイパスブロー流路を介して、高圧ドラムから排出されるボイラ水を低圧ドラムに直接供給することが出来るため、中圧ドラムの水位に応じて柔軟に排熱回収システムを運用することが出来る。
(16)幾つかの実施形態では、上記排熱回収システムの運用方法は、中圧ドラムに貯留されるボイラ水が排出されたときに、高圧ブローバルブを制御して高圧ブロー流路を開放し、高圧ドラムに貯留されているボイラ水を中圧ドラムに供給する高圧ドラム優先ブローステップをさらに備える。
上記(16)に記載の実施形態によれば、中圧ドラムからボイラ水が排出されたときに、給水系統から中圧ドラムに給水を補給するのではなく、高圧ドラムからボイラ水を中圧ドラムに供給する。したがって、給水系統からの給水が高圧ドラムに優先的に補給されるため、高圧ドラムに貯留されるボイラ水の水質を良好に保つことが出来る。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来るとともに、熱回収効率にも優れる排熱回収システム、および該排熱回収システムの運用方法を提供することが出来る。
本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。 本発明の一実施形態に対する比較形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる制御装置の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。また、比較形態を示す図においては、対応する実施形態の構成の符号に「´」を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
<排熱回収システム10>
図1〜図4は、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。図5は、本発明の一実施形態に対する比較形態の排熱回収システムの構成を示したシステム構成図である。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システム10(10A,10B,10C,10D)は、熱源1と、排熱回収ボイラ装置2と、蒸気タービン装置3と、復水器4と、給水系統5と、薬剤注入装置6と、を備える。
熱源1は、排熱を排出するように構成される。図示した実施形態では、熱源1は、圧縮機1aで圧縮した空気を燃焼器1cで燃料と燃焼させて燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスによってタービン1bを駆動して回転エネルギーに変換するように構成されるガスタービンからなる。タービン1bを駆動した高温の排気ガスe(排熱)は、後述する排熱回収ボイラ装置2に供給される。なお、熱源1としては、ガスタービン以外にも、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC)などの、高温のガス(排熱)を排出する燃料電池を採用することが出来る。
排熱回収ボイラ装置2は、ボイラ水が貯留される複数のドラムを有し、熱源1から排出される排熱によってボイラ水を蒸発させて蒸気を生成するように構成される。排熱回収ボイラ装置2の詳細な構成については後述する。
蒸気タービン装置3は、排熱回収ボイラ装置で生成された蒸気によって駆動して回転エネルギーに変換するように構成される。図示した実施形態では、蒸気タービン装置3には、温度及び圧力の異なる複数系統の蒸気が導入されるように構成されている。
復水器4は、蒸気タービン装置3から排出される排気を凝縮するように構成される。排気を凝縮するための冷熱源としては、例えば、冷却塔(不図示)などから供給される冷却水が使用される。また、図示した実施形態では、復水器4は、蒸気タービン装置3の鉛直下方側に配置されているが、蒸気タービン装置3と復水器4との配置は、特に限定されない。
給水系統5は、復水器4で凝縮された復水を含む給水を排熱回収ボイラ装置2に供給するように構成される。図1〜図4に示した実施形態では、給水系統5は、復水器4に接続される給水流路51と、給水流路51を流れる給水を加圧するための復水ポンプ52と、復水ポンプ52から供給される給水を後述する低圧ドラム231に供給するための節炭器循環ポンプ53と、復水ポンプ52から供給される給水を後述する高圧ドラム211に供給するための高圧給水ポンプ54とを有している。さらに、図2〜図4に示した実施形態では、復水ポンプ52から供給される給水を、後述する中圧ドラム221に供給するための中圧給水ポンプ55をさらに有している。
薬剤注入装置6は、給水系統5を流れる給水にアンモニアを含有する薬剤を注入するための装置である。薬剤注入装置6は、ドラム内に貯留されるボイラ水のアンモニア濃度が所定濃度範囲になるように、給水のアンモニア濃度を調整するか、又は、ドラム内に貯留されるボイラ水のpH値が所定値範囲になるように、給水のpH値を調整するように構成される。図示した実施形態では、薬剤注入装置6は、復水ポンプ52の下流側、脱気器8の上流側に配置されている。
この薬剤注入装置6の存在によって、各ドラムに貯留されるボイラ水にリン酸ナトリウムを注入する水処理を行わずとも、ボイラ水をアルカリ性に保持することが可能となった。すなわち、図5に示す比較形態の排熱回収システム10´では、復水ポンプ52´の下流側、脱気器8´の上流側の位置よりアンモニアが注入されている。この点は、本実施形態の薬剤注入装置6も同様である。しかしながら、図5に示す比較形態の排熱回収システム10´では、一定のアンモニア濃度又はpH値の給水を各ボイラに供給し、不足分を各ドラムにリン酸ナトリウムを注入することで補っているのに対し、本実施形態の薬剤注入装置6は、上述したように、ドラム内に貯留されるボイラ水のアンモニア濃度又はpH値が所定範囲になるように、給水に注入するアンモニアの量を調整する。例えば、アンモニアpH値は、各ドラムより排出されるアンモニアの量を考慮し、給水のpHが凡そ10となるような所定の範囲にアンモニアの注入量を調整する。アンモニアは蒸発しやすく、圧力が低い程に気相側に混合し易いが、本実施形態の薬剤注入装置6は、この分配率[NH(V:気相)/NH(L:液相)]をも考慮して、給水に注入するアンモニアの量を調整している(なお、薬剤注入装置の詳細については、特許文献1を参照のこと)。
そして、上述した排熱回収ボイラ装置2は、図1〜図4に示すように、所定圧力のボイラ水が貯留される高圧ドラム211と、高圧ドラム211よりも低圧のボイラ水が貯留される低圧ドラム231と、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に供給するためのカスケードブロー流路25と、カスケードブロー流路25を開放または閉止するバルブユニット26と、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を復水器4に戻すための低圧ブロー流路271と、低圧ブロー流路271を開放または閉止する低圧ブローバルブ281と、を含む。
図1〜図4に示した実施形態では、排熱回収ボイラ装置2は、排気ガスeの流れ方向における上流側の位置に、高圧蒸気を生成するための高圧過熱ユニット21が配置されている。高圧過熱ユニット21は、高圧ドラム211と、高圧ドラム211に供給される給水を加熱するための高圧節炭器212と、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水を蒸発させるための高圧蒸発器213と、高圧ドラム211から蒸気タービン装置3に供給される高圧蒸気を過熱する高圧過熱器214と、高圧ドラム211内の水位を計測するための高圧水位計215と、を有する。
また、図1〜図4に示した実施形態では、排熱回収ボイラ装置2は、排気ガスeの流れ方向における下流側の位置に、低圧蒸気を生成するための低圧過熱ユニット23が配置されている。低圧過熱ユニット23は、低圧ドラム231と、低圧ドラム231に供給される給水を加熱するための低圧節炭器232と、低圧ドラム231に貯留されるボイラ水を蒸発させるための低圧蒸発器233と、低圧ドラム231から蒸気タービン装置3に供給される低圧蒸気を過熱する低圧過熱器234と、低圧ドラム231内の水位を計測するための低圧水位計235と、を有する。
また、図2〜図4に示した実施形態では、排熱回収ボイラ装置2は、排気ガスeの流れ方向において、上述した高圧過熱ユニット21と低圧過熱ユニット23の間の位置に、高圧蒸気よりも低圧で、且つ、低圧蒸気よりも高圧な中圧蒸気を生成するための中圧過熱ユニット22が配置されている。中圧過熱ユニット22は、中圧ドラム221と、中圧ドラム221に供給される給水を加熱するための中圧節炭器222と、中圧ドラム221に貯留されるボイラ水を蒸発させるための中圧蒸発器223と、中圧ドラム221から蒸気タービン装置3に供給される中圧蒸気を過熱する中圧過熱器224と、中圧ドラム231内の水位を計測するための中圧水位計225と、を有する。
また、図1〜図4に示した実施形態では、排熱回収システム10は、蒸気を蒸気タービン装置3に供給するための蒸気系統9を備えている。蒸気系統9は、高圧蒸気が流れる高圧蒸気流路91と、低圧蒸気が流れる低圧蒸気流路92と、蒸気タービン装置3から排出されて再熱器24で再び過熱された蒸気、及び中圧蒸気の少なくとも何れか一方が流れる中圧蒸気流路93と、を有する。
また、図2〜図4に示した実施形態では、カスケードブロー流路25は、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水を中圧ドラム221に供給するための高圧ブロー流路251、及び中圧ドラム221に貯留されるボイラ水を低圧ドラム231に供給するための中圧ブロー流路252を含む。このように、カスケードブロー流路25が、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を、中圧ドラム221を介して、低圧ドラム231に供給するように構成されていても、上述した実施形態で規定するところの「高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に供給するためのカスケードブロー流路25」に含まれる。
また、バルブユニット26は、高圧ブロー流路251を開放または閉止する高圧ブローバルブ261、及び中圧ブロー流路252を開放または閉止する中圧ブローバルブ262を含む。
また、図1〜図4に示した実施形態では、低圧ブロー流路271は、復水器4に接続されている。そして、復水器4を介して、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を給水系統5に戻すように構成されている。
また、図1に示した実施形態では、カスケードブロー流路25は、低圧節炭器232と低圧ドラム231とを接続する給水流路に接続されている。この構成により、カスケードブロー流路25と低圧ドラム231とを直接接続する場合と比べて、低圧ドラム231に対する加工箇所を少なくすることが出来る。
同様に、図2〜4に示した実施形態では、高圧ブロー流路251は、中圧節炭器222と中圧ドラム221とを接続する給水流路に接続されている。また、中圧ブロー流路252は、低圧節炭器232と低圧ドラム231とを接続する給水流路に接続されている。この構成により、高圧ブロー流路251と中圧ドラム221とを直接接続する場合、及び中圧ブロー流路252と低圧ドラム231とを直接接続する場合と比べて、中圧ドラム221、低圧ドラム231に対する加工箇所を少なくすることが出来る。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる排熱回収システム10によれば、排熱回収ボイラ装置2が、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に供給するためのカスケードブロー流路25を含んでいる。このため、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を低圧ドラム231に供給することで、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排出される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラム231において利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
また、上記の実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置2が、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を復水器4に戻すための低圧ブロー流路271を含んでいる。このため、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を復水器4に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
また、上記の実施形態によれば、排熱回収システム10が、上述した薬剤注入装置6を備えている。このため、従来のようにドラム内にリン酸ナトリウムを注入しなくても、各ドラム内のアンモニア濃度又はpHを腐食が発生しない所定の範囲に制御することが出来る。したがって、リン酸ナトリウムを用いる場合は、高温になるにつれて溶解度が低下するリン酸ナトリウムが、高温のボイラ水が貯留される高圧ドラム内での析出が懸念されていたが、リン酸ナトリウムを注入しないため、低圧ドラム231から排出されるドラム水を循環利用しても、高圧ドラム211においてリン酸ナトリウムが析出し、アルカリ腐食を引き起こす虞がない。
また、排熱回収システム10は、図1〜図4に示したように、高圧ドラム211および低圧ドラム231の水位を制御するための制御装置7をさらに備える。
制御装置7は、例えば、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、およびI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成される。図6Aは、本発明の一実施形態にかかる制御装置7の機能を説明するためのブロック図である。制御装置7は、図6Aに示すように、水位制御部71と、水質保全部72と、ブローバルブ制御部73と、給水系統制御部74と、を有している。
水位制御部71は、上述した高圧水位計215、中圧水位計225、低圧水位計235で計測された各ドラムの水位に関する信号aが入力されるように構成されている。また、水位制御部71は、排熱回収ボイラ装置2の運転時(起動時も含む)における各ドラムの水位を制御するための演算ロジック部である運転時水位制御部711と、排熱回収ボイラ装置2の運転停止時における各ドラムの水位を制御するための演算ロジック部である停止時水位制御部712と、を有している。
運転時水位制御部711では、各ドラムの水位が、運転時における運用水位範囲内に収まるように、各ドラム水位の変化量を基に各ドラムへの給水量および各ドラムからの排出量を演算する。また、停止時水位制御部712でも同様に、各ドラムの水位が、停止時における停止水位範囲内に収まるように、各ドラム水位の変化量を基に各ドラムへの給水量および各ドラムからの排出量を演算する。そして、運転時水位制御部711および停止時水位制御部712で演算された各ドラムからの排出量に対応する信号bが、ブローバルブ制御部73において生成され、制御装置7から各ブローバルブ26(261、262)、281に送信される。各ブローバルブ26(261、262)、281は、この信号bに基づいて、各々のバルブ開度が制御される。同様に、運転時水位制御部711および停止時水位制御部712で演算された各ドラムへの給水量に対応する信号cが、給水系統制御部74において生成され、制御装置7から各ポンプ52、53、54、55に送信される。各ポンプ52、53、54、55は、この信号cに基づいて、各々の運転状態(例えばポンプ吐出量)が制御される。なお、一例としてブローバルブ26(261、262)および281は流量調節弁と説明したが、これに限定されず、例えばブローバルブ26(261、262)および281は開閉弁としてもよい。
そして、幾つかの実施形態では、図1〜図4に示す排熱回収システム10において、制御装置7は、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超えたときに、バルブユニット26を制御してカスケードブロー流路25を開放するように構成される。また、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、低圧ドラム231の水位が予め規定される低圧ドラム231の運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブ281を制御して低圧ブロー流路271を開放するように構成される。
排熱回収ボイラ装置2の運転停止期間中においては、ドラム内部の腐食や錆の発生原因となる酸素(空気)の侵入を防止するため、各ドラムの水位が予め規定される停止水位範囲の下限水位を下回らないように管理される。排熱回収ボイラ装置2の運転停止後は、ボイラ水の冷却に伴って熱膨張量が小さくなるため、各ドラムの水位は低下する。このため、排熱回収ボイラ装置2の運転停止後においては、ドラムに給水を供給して各ドラムの水位を維持するような管理が行われる。よって、排熱回収ボイラ装置2の起動時においては、ボイラ水の水温上昇があり、例えば、各ドラムにおいて200℃程度〜350℃程度の所定の運転時温度へとボイラ水の水温を上昇させるに伴って熱膨張量が大きくなるため、各ドラムの水位が上昇し、排熱回収ボイラ装置2の運転停止後よりも各ドラムの水位が高くなる。
一方、排熱回収ボイラ装置2は、その運転期間中、各ドラムの水位が予め規定される運用水位範囲に収まるように管理される。このため、排熱回収ボイラ装置2の起動時において各ドラムの水位が上昇すると、各ドラムに対応する各過熱器へボイラ水が流入して過熱蒸気の生成を妨げ、タービンの発電効率の低下や腐食を発生させる虞がある。従い、各ドラムで規定される運用基準水位(運用水位範囲の上限水位)を超えた分のボイラ水は排熱回収ボイラ装置2の外部に排出する必要がある。
したがって、このような実施形態によれば、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を低圧ドラム231に供給することで、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排出される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラム231において利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
また、このような実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を復水器4に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
幾つかの実施形態では、図1〜図4に示す排熱回収システム10において、制御装置7は、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、バルブユニット26を制御してカスケードブロー流路25を開放するように構成される。
図6Aに示すように、制御装置7は、高圧ドラム211の水質を保全するための演算ロジック部である水質保全部72を有している。水質保全部72には、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水の水質に関する検出値(例えばシリカ濃度)が入力されるように構成されている。また、水質保全部72では、高圧ドラム211の水質が予め規定される基準値よりも悪化しないように、高圧ドラム211への給水量および高圧ドラム211からの排出量を演算する。一例として、高圧ドラム211への給水量は、高圧ドラム211におけるカスケードブロー流路25への排出量と高圧過熱器214への排出量との合計と略同量となるよう制御される。
そして、水質保全部72で演算された高圧ドラム211からの排出量に対応する信号bが、ブローバルブ制御部73において生成され、制御装置7から各ブローバルブ26(261、262)、281に送信される。各ブローバルブ26(261、262)、281は、この信号bに基づいて、各々のバルブ開度が制御される。同様に、水質保全部72で演算された高圧ドラム211への給水量に対応する信号cが、給水系統制御部74において生成され、制御装置7から各ポンプ52、53、54、55に送信される。各ポンプ52、53、54、55は、この信号cに基づいて、各々の運転状態(例えばポンプ吐出量)が制御される。
従来、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質が所定の基準値を超えたときには、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の一部を外部に排出するとともに、給水系統5から給水を高圧ドラム211に補給し、ボイラ水の一部を入れ替える管理が行われている。上述したように、高圧ドラム211からボイラ水を外部に排出するときには、排出する高温のボイラ水を雑用水で希釈して冷却する必要があるため、ボイラ水の冷却には大量の雑用水が必要であった。また、せっかく加熱した高温のボイラ水を外部に排出してしまうため、発電システムのエネルギー効率の面でも無駄が多かった。
一方、高圧ドラム211と中圧ドラム221及び低圧ドラム231とでは、中圧ドラム221及び低圧ドラム231の方が水質の基準値が緩く設定されている。一例としては、高圧ドラム211における水質の基準値(シリカ濃度)が0.2mg/l以下であるのに対して、中圧ドラム221及び低圧ドラム231における水質の基準値(シリカ濃度)は2mg/l以下である。このため、高圧ドラム211において基準値を超えた(基準値よりも悪化した)ボイラ水であっても、中圧ドラム221及び低圧ドラム231の基準値は満たしている場合がある。なお、ボイラ水の水質検査方法として、電気伝導率計やシリカ計(自動分析計)などを用いて各ドラムに貯留されているボイラ水を連続的にサンプリング抽出して自動で水質を検査してもよい。
したがって、このような実施形態によれば、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を、高圧ドラム211よりも水質の基準値の緩い低圧ドラム231に供給することで、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水を従来よりも低減することが出来る。また、従来は外部に排出していた熱エネルギーをシステム内で再利用するため、熱回収効率に優れる排熱回収システム10とすることが出来る。
幾つかの実施形態では、図2〜図4に示す排熱回収システム10(10B,10C,10D)において、上述した制御装置7は、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、中圧ドラム221の水位が予め規定される中圧ドラム221の運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブ262を制御して中圧ブロー流路252を開放するように構成される。
このような実施形態によれば、排熱回収ボイラ装置2が、高圧ドラム211及び低圧ドラム231に加えて、中圧ドラム221を有している。このため、中圧ドラム221を有していない排熱回収ボイラと比べて、熱回収率の高い排熱回収ボイラ装置2とすることが出来る。また、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水を低圧ドラム231に供給することで、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排出される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラム231において利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、カスケードブロー流路25は、高圧ブロー流路251における高圧ブローバルブ261よりも下流側の位置から分岐し、中圧ドラム221をバイパスして高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に供給するためのバイパスブロー流路253をさらに有する。そして、バルブユニット26は、バイパスブロー流路253を開放または閉止するバイパスブローバルブ263(例えば三方弁)をさらに有する。
図示した実施形態では、バイパスブローバルブ263は、高圧ブロー流路251とバイパスブロー流路253との分岐位置に設けられている。そして、バイパスブローバルブ263は、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を、高圧ブロー流路251を介して中圧ドラム221に供給する流れと、バイパスブロー流路253を介して低圧ドラム231に供給する流れとを択一的に切り替えることが出来る三方弁として構成されている。なお、図示しないが、バイパスブローバルブ263を、三方弁に代えて2つの切替弁より構成することも可能である。
このような実施形態によれば、バイパスブローバルブ263を開放することで、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を、中圧ドラム221をバイパスして低圧ドラム231に供給することが出来る。
幾つかの実施形態では、図3に示す排熱回収システム10(10C)において、上述した制御装置7は、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超え、且つ、中圧ドラム221の水位が予め規定される規定水位に達していないときに、バイパスブローバルブ263を制御してバイパスブロー流路253を開放するように構成される。
排熱回収ボイラ装置2において、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水と、中圧ドラム221に貯留されるボイラ水とでは、排熱回収ボイラ装置2の起動時における温度上昇速度が異なる。よって、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超えたときであっても、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を中圧ドラム221に供給するのではなく、中圧ドラム221をバイパスして、低圧ドラム231に直接供給する方が良い場合がある。したがって、上記実施形態によれば、このような場合であっても、バイパスブロー流路253を介して、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に直接供給するが出来るため、中圧ドラム221の水位に応じた柔軟な排熱回収システム1の運用が可能となる。
幾つかの実施形態では、図1〜図4に示すように、低圧ブロー流路271は、復水器4に接続される。そして、排熱回収ボイラ装置2は、図1または図2に示すように、低圧ブロー流路271に配置される、低圧ブロー流路271を流れるボイラ水を濾過するためのフィルタ装置291と、低圧ブロー流路271においてフィルタ装置291の上流側に配置される、低圧ブロー流路271を流れるボイラ水を冷却するための冷却装置292と、をさらに備える。
このような実施形態によれば、低圧ドラム231から排出されるボイラ水に含まれる不純物をフィルタ装置291によって除去した後に復水器4に排出することが出来る。また、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を冷却装置292によって冷却することで、復水器4内の温度上昇が抑制されるため、復水効率を維持することでタービン効率が低下するのを防止することが出来る。しかも、冷却装置292が低圧ブロー流路271においてフィルタ装置291の上流側に配置されるため、耐熱性を必要としない安価なフィルタ装置291を採用することが可能となる。
幾つかの実施形態では、図1または図2、図4に示すように、上述した冷却装置292は、蒸気タービン装置3のタービン軸受(不図示)に供給される軸受冷却水を冷熱源とするように構成される。
このような実施形態によれば、蒸気タービン装置3のタービン軸受に供給される軸受冷却水を冷熱源として利用することで、冷却装置292の冷熱源を新たに用意する必要がないことから、システム全体をシンプルに構成することが出来る。
幾つかの実施形態では、図2〜図4に示す排熱回収システム10(10B,10C,10D)において、制御装置7は、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、中圧ドラム221からボイラ水が排出されたときに、高圧ブローバルブ261を制御して高圧ブロー流路251を開放し、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水を中圧ドラム221に供給するように構成される。
このような実施形態によれば、中圧ドラム221からボイラ水が排出されたときに、給水系統5から中圧ドラム221に給水を補給するのではなく、高圧ドラム211からボイラ水を中圧ドラム221に供給するように構成される。したがって、給水系統5からの給水が高圧ドラム211に優先的に補給されることとなるため、中圧ドラム221や低圧ドラム231よりも高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質を優先して良好に保つことが出来る。このため水質は中圧ドラム221や低圧ドラム231を優先して監視すればよく、発電システムの運用性が向上する。
また、図4に示す排熱回収システム10(10D)は、所定以上の水質を有する純水が貯留される純水タンク11と、所定未満の水質を有する工業用水が貯留される工業用水タンク12と、低圧ブロー流路271におけるフィルタ装置291の下流側から分岐し、低圧ブロー流路271を流れるボイラ水を純水タンク11又は工業用水タンク12に供給するためのタンク供給流路272と、を備えている。低圧ブロー流路271におけるタンク供給流路272との分岐位置の下流側には、流路切替弁293が配置されている。また、タンク供給流路272には、流路切替弁294が配置されている。そして、流路切替弁293,294を夫々開閉することで、低圧ブロー流路271を流れるボイラ水の流入先を低圧ブロー流路271又はタンク供給流路272に択一的に切り替えることが出来るようになっている。なお、図示した実施形態では、2つの流路切替弁293,294が配置されているが、2つの流路切替弁293,294に替えて、1つの三方弁を配置して、低圧ブロー流路を流れるボイラ水の流入先を低圧ブロー流路271又はタンク供給流路272に択一的に切り替えるようにしてもよい。
また、タンク供給流路272には、流路切替弁294よりも下流側に、タンク供給流路272を流れるボイラ水を冷却するための冷却装置292が配置されている。また、タンク供給流路272には、冷却装置292よりも下流側に、タンク供給流路272を流れるボイラ水の供給先を純水タンク11又は工業用水タンク12に択一的に切り替えるための供給先切替弁282,283が配置されている。なお、図示した実施形態では、2つの供給先切替弁282,283が配置されているが、2つの供給先切替弁282,283に替えて、1つの三方弁を配置して、タンク供給流路272を流れるボイラ水の供給先を純水タンク11又は工業用水タンク12に択一的に切り替えるようにしてもよい。
このような実施形態によれば、低圧ドラム231から排出されるボイラ水の不純物濃度が高圧ドラム211における水質の基準値(シリカ濃度)より高い場合や復水器4の所定の水位を超える場合など、低圧ボイラ231から排出されるボイラ水を復水器4に供給できないような状況下においても、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を純水タンク11または工業用水タンク12において回収することが出来るため、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水の量を低減することが可能となる。なお、タンク供給流路272を流れるボイラ水の供給先は、排出されるボイラ水の水質に基づいて切り替えられる。なお、一例として、低圧ドラム231から排出されるボイラ水の不純物濃度が高圧ドラム211における水質の基準値(シリカ濃度)より低い場合は純水タンク11へ供給され、また、低圧ドラム231から排出されるボイラ水の不純物濃度が高圧ドラム211における水質の基準値(シリカ濃度)より高い場合は工業用水タンク12へ供給されるように供給先を切り替えてもよい。
<排熱回収システム10の運用方法>
本発明の一実施形態は、図1〜図4に示す排熱回収システム10の運用方法である。本実施形態の排熱回収システム10の運用方法は、上述した排熱回収ボイラ装置2の起動時において、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超えたときに、バルブユニット26を制御してカスケードブロー流路25を開放する高圧ドラム起動時ブローステップと、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、低圧ドラム231の水位が予め規定される低圧ドラム231の運用基準水位を超えたときに、低圧ブローバルブ281を制御して低圧ブロー流路271を開放する低圧ドラム起動時ブローステップと、を備える。
図6Bは、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。図6Bに示すように、上述した高圧ドラム起動時ブローステップでは、高圧ドラム211の水位が高圧ドラム211の運用基準水位を超えたかどうかを判定し(S11)、運用基準水位を超えた場合には、カスケードブロー流路25に設けられたバルブユニット26を所定のバルブ開度で開放する(S12)。その後、高圧ドラム211の水位が高圧ドラム211の第2運用基準水位(第2運用基準水位≦運用基準水位)を下回ったかどうかを判定し(S13)、下回っていない場合には(S13において「NO」)、カスケードブロー流路25の開放を継続する。S13において、第2運用基準水位を下回った場合には(S13において「YES」)、カスケードブロー流路25に設けられたバルブユニット26を閉止し(S14)、一連のステップは終了する。
同様に、上述した低圧ドラム起動時ブローステップでは、低圧ドラム231の水位が低圧ドラム231の運用基準水位を超えたかどうかを判定し(S11)、運用基準水位を超えた場合には、低圧ブロー流路271に設けられた低圧ブローバルブ281を所定のバルブ開度で開放する(S12)。その後、低圧ドラム231の水位が低圧ドラム231の第2運用基準水位(第2運用基準水位≦運用基準水位)を下回ったかどうかを判定し(S13)、下回っていない場合には(S13において「NO」)、低圧ブロー流路271の開放を継続する。一方、S13において、第2運用基準水位を下回った場合には(S13において「YES」)、低圧ブロー流路271に設けられた低圧ブローバルブ281を閉止し(S14)、一連のステップは終了する。
ところで、一度にブローされるボイラ水の排水量は、カスケードブロー流路25、及び低圧ブロー流路271の配管径や、復水ポンプ52、節炭器循環ポンプ53、及び高圧給水ポンプ54に掛かる負荷等を考慮して設定される。一例としては、一度にブローされるボイラ水の排水量は、給水ポンプの最大流量の1/50〜1/100程度として設定され、給水ポンプの最大流量を50m/hrとしたときに、一度にブローされるボイラ水の排水量は1mと設定される。したがって、例えば、起動時において50mのボイラ水を排出する場合には、一度に1mずつ計50回のブローを行うこととなる。上述した図6Bにおける「ブロー流路を開放(S12)」とは、ブロー流路を連続的に開放する状態だけでなく、複数回のステップでブローを繰り返す状態(ブロー流路を断続的に開放する状態)も含んでいる。
このような実施形態によれば、排熱回収システム10の運用方法が、上述した高圧ドラム起動時ブローステップを備えている。このため、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を低圧ドラム231に供給することで、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、排出される高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、高圧ドラム211から排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラム231において利用することが出来るため、発電システムのエネルギー効率の面でも優れている。
また、このような実施形態によれば、排熱回収システム10の運用方法が、上述した低圧ドラム起動時ブローステップを備えている。このため、低圧ドラム231から排出されるボイラ水を復水器4に戻すことで、ボイラ水を循環利用することが出来る。これにより、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。
また、本発明の一実施形態は、図1〜図4に示す排熱回収システム10の運用方法である。本実施形態の排熱回収システム10の運用方法は、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、バルブユニット26を制御してカスケードブロー流路25を開放する水質保全ブローステップをさらに備える。
図6Cは、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。図6Cに示すように、上述した水質保全ブローステップでは、高圧ドラム211の水質が基準値よりも悪化(例えば、シリカ濃度が0.2mg/lを超過)したかどうかを判断し(S21)、基準値よりも悪化した場合には、カスケードブロー流路25を所定時間だけ開放する所定時間ブローステップを実行し、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水をカスケードブロー流路25に排出する(S22)。
このような実施形態によれば、排熱回収システム10の運用方法が、上述した水質保全ブローステップをさらに備えるため、排熱回収ボイラ装置2の運転期間中において、排熱回収ボイラ装置2から外部に排出されるボイラ水を従来よりも大幅に低減することが出来る。また、従来は外部に排出していた熱エネルギーをシステム内で再利用するため、熱回収効率に優れる。
また、本発明の一実施形態は、図1〜図4に示す排熱回収システム10の運用方法である。本実施形態の排熱回収システム10の運用方法において、上述した水質保全ブローステップは、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、カスケードブロー流路25を所定時間だけ開放する所定時間ブローステップと、所定時間ブローステップの後、又は所定時間ブローステップと並行して、給水系統5から高圧ドラム211に給水を供給する給水供給ステップと、給水供給ステップの後、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値を取得する検査ステップと、を含む。そして、検査ステップにおいて取得されたボイラ水の水質に関する検出値が、予め規定される第2基準値まで改善していないときに、所定時間ブローステップ及び給水ステップを再び実施するように構成される。
具体的には、上述した図6Cに示すように、所定時間ブローステップでは、高圧ドラム211の水質が基準値よりも悪化(例えば、シリカ濃度が0.2mg/lを超過)したかどうかを判断し(S21)、基準値よりも悪化した場合には、カスケードブロー流路25に設けられたバルブユニット26を所定のバルブ開度で所定時間だけ開放し、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水をカスケードブロー流路25に排出する(S22)。給水供給ステップでは、所定時間ブローステップの後、又は所定時間ブローステップと並行して、給水系統5から高圧ドラム211に、排出したボイラ水に相当する量の給水を供給する(S23)。検査ステップでは、給水供給ステップの後、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値を取得する(S24)。そして、高圧ドラム211の水質が第2基準値(例えば、シリカ濃度で0.2mg/l以下)まで改善したかどうかを判定し(S25)、第2基準値まで改善していない場合には(S25において「NO」)、上述した所定時間ブローステップ(S22)及び給水供給ステップ(S23)を再び実施する。一方、S25において、第2基準値まで改善した場合には(S25において「YES」)、カスケードブロー流路25に設けられたバルブユニット26を閉止し(S26)、一連のステップは終了する。
このような実施形態によれば、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される第2基準値に改善するまで、水質保全ブローステップ及び給水ステップが繰り返し実施される。これにより、ブロー1回当たりの排出量を小さく設定することが出来るため、水質を改善するのに必要な量だけをブローすることが出来る。なお、この第2基準値は、例えば、上述した基準値から余裕を差し引くこと(加味する)で設定される基準値である。例えば、上述した基準値がシリカ濃度で0.2mg/lの場合は、第2基準値はシリカ濃度で0.2mg/l以下である。
また、本発明の一実施形態は、図2〜図4に示す排熱回収システム10(10B,10C,10D)の運用方法である。本実施形態の排熱回収ボイラシステム10の運用方法は、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、中圧ドラム221の水位が予め規定される中圧ドラム221の運用基準水位を超えたときに、中圧ブローバルブ262を制御して中圧ブロー流路252を開放する中圧ドラム起動時ブローステップをさらに備える。
具体的には、上述した図6Bに示すように、上述した中圧ドラム起動時ブローステップでは、中圧ドラム221の水位が中圧ドラム221の運用基準水位を超えたかどうかを判定し(S11)、運用基準水位を超えた場合には、中圧ブロー流路252に設けられた中圧ブローバルブ262を所定のバルブ開度で開放する(S12)。その後、中圧ドラム221の水位が中圧ドラム221の第2運用基準水位(第2運用基準水位≦運用基準水位)を下回ったかどうかを判定し(S13)、下回っていない場合には(S13において「NO」)、中圧ブロー流路252の開放を継続する。S13において、下第2基準運用水位を下回った場合には(S13において「YES」)、中圧ブロー流路252に設けられた中圧ブローバルブ262を閉止し(S14)、一連のステップが終了される。
このような実施形態によれば、排熱回収システム10の運用方法が、上述した中圧ドラム起動時ブローステップをさらに備える。このため、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水を低圧ドラム231に供給することで、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水を外部に排出する場合と比べて、高温のボイラ水の冷却に必要となる雑用水の量を大幅に減らすことが出来る。また、中圧ドラム221から排出される高温のボイラ水の熱エネルギーを低圧ドラム231において利用することが出来るため、エネルギー効率の面でも優れている。
また、本発明の一実施形態は、図3に示す排熱回収システム10(10C)の運用方法である。本実施形態の排熱回収ボイラシステム10の運用方法は、排熱回収ボイラ装置2の起動時において、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超え、且つ、中圧ドラム221の水位が予め規定される規定水位に達していないときに、バイパスブローバルブ263を制御してバイパスブロー流路253を開放する中圧ドラムバイパスブローステップをさらに備える。
図6Dは、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。図6Dに示すように、上述した中圧ドラムバイパスブローステップでは、高圧ドラム211の水位が高圧ドラム211の運用基準水位を超えたかどうかを判定し(S31)、運用基準水位を超えた場合には、次に中圧ドラム221の水位が規定水位に達していないかを判定する(S32)。そして、規定水位に達していない場合には(S32において「YES」)、高圧ブロー流路251に設けられた高圧ブローバルブ261を所定のバルブ開度で開放するとともに、バイパスブロー流路253に設けられたバイパスブローバルブ263を開放し、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に直接供給する(S33)。その後、高圧ブローバルブ261及びバイパスブローバルブ263を閉止し(S35)、一連のステップは終了する。一方、規定水位に達している場合には(S32において「NO」)、高圧ブロー流路251に設けられた高圧ブローバルブ261を所定のバルブ開度で開放し、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を中圧ドラム221に供給する(S34)。その後、高圧ブローバルブ261を閉止し(S36)、一連のステップは終了する。
排熱回収ボイラ装置2において、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水と、中圧ドラム221に貯留されるボイラ水とでは、排熱回収ボイラ装置2の起動時における温度上昇速度が異なる。よって、高圧ドラム211の水位が予め規定される高圧ドラム211の運用基準水位を超えたときであっても、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を中圧ドラム221に供給するのではなく、中圧ドラム221をバイパスして、低圧ドラム231に直接供給する方が良い場合がある。本実施形態によれば、このような場合であっても、バイパスブロー流路253を介して、高圧ドラム211から排出されるボイラ水を低圧ドラム231に直接供給するが出来るため、中圧ドラム221の水位に応じて柔軟に排熱回収システム10を運用することが出来る。
また、本発明の一実施形態は、図2〜4に示す排熱回収システム10(10B,10C,10D)の運用方法である。本実施形態の排熱回収ボイラシステム10の運用方法は、中圧ドラム221に貯留されるボイラ水が排出されたときに、高圧ブローバルブ261を制御して高圧ブロー流路251を開放し、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水を中圧ドラム221に供給する高圧ドラム優先ブローステップをさらに備える。
図6Eは、本発明の一実施形態にかかる排熱回収システムの運用方法を示すフロー図である。図6Eに示すように、上述した高圧ドラム優先ブローステップでは、中圧ドラム221からボイラ水が排出されたかどうかを判定し(S41)、ボイラ水が排出された場合には、高圧ブロー流路251に設けられた高圧ブローバルブ261を所定のバルブ開度で開放し、高圧ドラム211に貯留されているボイラ水を高圧ブロー流路251に排出する(S43)。そして、このS43の後、又はS43と並行して、給水系統5から高圧ドラム211に、排出したボイラ水に相当する量の給水を供給する(S44)。そして、高圧ブロー流路251に設けられた高圧ブローバルブ261を閉止し(S45)、一連のステップは終了する。
このような実施形態によれば、中圧ドラム221からボイラ水が排出されたときに、給水系統5から中圧ドラム221に給水を補給するのではなく、高圧ドラム211からボイラ水を中圧ドラム221に供給する。したがって、給水系統5からの給水が高圧ドラム211に優先的に補給されるため、高圧ドラム211に貯留されるボイラ水の水質を良好に保つことが出来る。
また、上述した実施形態において、S41の次に、高圧ドラム211の水質が予め規定される第3基準値よりも悪化しているかどうかを判定するようにしてもよい(S42)。そして、高圧ドラム211の水質が第3基準値よりも悪化している場合は、高圧ブロー流路251に設けられた高圧ブローバルブ261は開放せずに、給水系統5から中圧ドラム221に給水を供給するようにしてもよい(S46)。このようにすることで、高圧ドラム211から水質の悪化したドラム水が中圧ドラム221に供給されるのを防ぐことが出来る。なお、ここで第3基準値とは、中圧ドラム221に供給するボイラ水として水質的に不適格と考えられるような水質に関する指標値であり、中圧ドラム221における水質の基準値に基づき、プラント毎に適宜設定される。
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
1 熱源(例えばガスタービン)
1a 圧縮機
1b タービン
1c 燃焼器
2 排熱回収ボイラ装置
3 蒸気タービン装置
4 復水器
5 給水系統
51 給水流路
52 復水ポンプ
53 節炭器循環ポンプ
54 高圧給水ポンプ
55 中圧給水ポンプ
6 薬剤注入装置
7 制御装置
71 水位制御部
711 運転時水位制御部
712 停止時水位制御部
72 水質保全部
73 ブローバルブ制御部
74 給水系統制御部
8 脱気器
9 蒸気系統
91 高圧蒸気流路
92 低圧蒸気流路
93 中圧蒸気流路
10 排熱回収ボイラシステム
11 純水タンク
12 工業用水タンク
21 高圧過熱ユニット
211 高圧ドラム
212 高圧節炭器
213 高圧蒸発器
214 高圧過熱器
215 高圧水位計
22 中圧過熱ユニット
221 中圧ドラム
222 中圧節炭器
223 中圧蒸発器
224 中圧過熱器
225 中圧水位計
23 低圧過熱ユニット
231 低圧ドラム
232 低圧節炭器
233 低圧蒸発器
234 低圧過熱器
235 低圧水位計
24 再熱器
25 カスケードブロー流路
251 高圧ブロー流路
252 中圧ブロー流路
253 バイパスブロー流路
26 バルブユニット
261 高圧ブローバルブ
262 中圧ブローバルブ
263 バイパスブローバルブ
271 低圧ブロー流路
272 タンク供給流路
281 低圧ブローバルブ
282,283 供給先切替弁
291 フィルタ装置
292 冷却装置
293,294 流路切替弁

Claims (16)

  1. 排熱を排出する熱源と、
    ボイラ水が貯留される複数のドラムを有し、前記熱源から排出される前記排熱によって前記ボイラ水を蒸発させて蒸気を生成するように構成された排熱回収ボイラ装置と、
    前記排熱回収ボイラ装置で生成された前記蒸気によって駆動して回転エネルギーに変換する蒸気タービン装置と、
    前記蒸気タービン装置から排出される排気を凝縮する復水器と、
    前記復水器で凝縮された復水を含む給水を前記排熱回収ボイラ装置に供給する給水系統と、
    前記複数のドラムの各々に貯留される前記ボイラ水のアンモニア濃度が所定濃度範囲になるように、前記給水のアンモニア濃度を調整するか、又は、前記複数のドラムの各々に貯留される前記ボイラ水のpH値が所定値範囲になるように、前記給水のpH値を調整するように構成された薬剤注入装置と、を備える排熱回収システムであって、
    前記排熱回収ボイラ装置は、
    所定圧力の前記ボイラ水が貯留される高圧ドラムと、
    前記高圧ドラムよりも低圧の前記ボイラ水が貯留される低圧ドラムと、
    前記高圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路と、
    前記カスケードブロー流路を開放または閉止するバルブユニットと、
    前記低圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記復水器に戻すための低圧ブロー流路と、
    前記低圧ブロー流路を開放または閉止する低圧ブローバルブと、を含む
    排熱回収システム。
  2. 所定以上の水質を有する純水が貯留される純水タンクと、
    所定未満の水質を有する工業用水が貯留される工業用水タンクと、
    前記低圧ブロー流路における前記低圧ブローバルブの下流側から分岐し、前記低圧ブロー流路を流れるボイラ水を前記純水タンク又は前記工業用水タンクに供給するためのタンク供給流路と、
    前記低圧ブロー流路を流れるボイラ水の流入先を前記低圧ブロー流路又は前記タンク供給流路に切り替えるための流路切替弁と、
    前記タンク供給流路を流れるボイラ水の供給先を前記純水タンク又は前記工業用水タンクに切り替えるための供給先切替弁と、を含む
    請求項1に記載の排熱回収システム。
  3. 前記高圧ドラムおよび前記低圧ドラムの水位を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記バルブユニットを制御して前記カスケードブロー流路を開放するように構成されるとともに、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記低圧ブローバルブを制御して前記低圧ブロー流路を開放するように構成される
    請求項1又は2に記載の排熱回収システム。
  4. 前記高圧ドラムおよび前記低圧ドラムの水位を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、前記バルブユニットを制御して前記カスケードブロー流路を開放するように構成される
    請求項1から3の何れか一項に記載の排熱回収システム。
  5. 前記排熱回収ボイラ装置は、前記高圧ドラムよりも低圧、且つ前記低圧ドラムよりも高圧の前記ボイラ水が貯留される中圧ドラムをさらに有し、
    前記カスケードブロー流路は、前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水を前記中圧ドラムに供給するための高圧ブロー流路、及び前記中圧ドラムに貯留される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するための中圧ブロー流路を含み、
    前記バルブユニットは、前記高圧ブロー流路を開放または閉止する高圧ブローバルブ、及び前記中圧ブロー流路を開放または閉止する中圧ブローバルブを含み、
    前記制御装置は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記中圧ブローバルブを制御して前記中圧ブロー流路を開放するように構成される
    請求項3又は4に記載の排熱回収システム。
  6. 前記カスケードブロー流路は、前記高圧ブロー流路における前記高圧ブローバルブよりも下流側の位置から分岐し、前記中圧ドラムをバイパスして前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するためのバイパスブロー流路をさらに有し、
    前記バルブユニットは、前記バイパスブロー流路を開放または閉止するバイパスブローバルブをさらに有する
    請求項5に記載の排熱回収システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超え、且つ、前記中圧ドラムの水位が予め規定される規定水位に達していないときに、前記バイパスブローバルブを制御して前記バイパスブロー流路を開放するように構成される
    請求項6に記載の排熱回収システム。
  8. 前記低圧ブロー流路は、前記復水器に接続され、
    前記排熱回収ボイラ装置は、
    前記低圧ブロー流路に配置される、前記低圧ブロー流路を流れる前記ボイラ水を濾過するためのフィルタ装置と、
    前記低圧ブロー流路において前記フィルタ装置の上流側に配置される、前記低圧ブロー流路を流れる前記ボイラ水を冷却するための冷却装置と、をさらに備える
    請求項1から7の何れか一項に記載の排熱回収システム。
  9. 前記冷却装置は、前記蒸気タービン装置に供給される軸受冷却水を冷熱源とするように構成される
    請求項8に記載の排熱回収システム。
  10. 前記制御装置は、前記排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、前記中圧ドラムから前記ボイラ水が排出されたときに、前記高圧ブローバルブを制御して前記高圧ブロー流路を開放し、前記高圧ドラムに貯留されている前記ボイラ水を前記中圧ドラムに供給するように構成される
    請求項5から7の何れか一項に記載の排熱回収システム。
  11. 排熱を排出する熱源と、
    ボイラ水が貯留される複数のドラムを有し、前記熱源から排出される前記排熱によって前記ボイラ水を蒸発させて蒸気を生成するように構成された排熱回収ボイラ装置と、
    前記排熱回収ボイラ装置で生成された前記蒸気によって駆動して回転エネルギーに変換する蒸気タービン装置と、
    前記蒸気タービン装置から排出される排気を凝縮する復水器と、
    前記復水器で凝縮された復水を含む給水を前記排熱回収ボイラ装置に供給する給水系統と、
    前記複数のドラムの各々に貯留される前記ボイラ水のアンモニア濃度が所定濃度範囲になるように、前記給水のアンモニア濃度を調整するか、又は、前記複数のドラムの各々に貯留される前記ボイラ水のpH値が所定値範囲になるように、前記給水のpH値を調整するように構成された薬剤注入装置と、を備える排熱回収システムの運用方法であって、
    前記排熱回収ボイラ装置は、
    所定圧力の前記ボイラ水が貯留される高圧ドラムと、
    前記高圧ドラムよりも低圧の前記ボイラ水が貯留される低圧ドラムと、
    前記高圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するためのカスケードブロー流路と、
    前記カスケードブロー流路を開放または閉止するバルブユニットと、
    前記低圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記復水器に戻すための低圧ブロー流路と、
    前記低圧ブロー流路を開放または閉止する低圧ブローバルブと、を含み、
    前記排熱回収システムの運用方法は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記バルブユニットを制御して前記カスケードブロー流路を開放する高圧ドラム起動時ブローステップと、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記低圧ドラムの水位が予め規定される低圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記低圧ブローバルブを制御して前記低圧ブロー流路を開放する低圧ドラム起動時ブローステップと、を備える
    排熱回収システムの運用方法。
  12. 前記排熱回収システムの運用方法は、
    前記排熱回収ボイラ装置の運転期間中において、前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、前記バルブユニットを制御して前記カスケードブロー流路を開放する水質保全ブローステップをさらに備える
    請求項11に記載の排熱回収システムの運用方法。
  13. 前記水質保全ブローステップは、
    前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水の水質に関する検出値が予め規定される基準値よりも悪化したときに、前記カスケードブロー流路を所定時間だけ開放する所定時間ブローステップと、
    前記所定時間ブローステップの後、又は前記所定時間ブローステップと並行して、前記給水系統から前記高圧ドラムに前記給水を供給する給水供給ステップと、
    前記給水供給ステップの後に、前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水の水質に関する検出値を取得する検査ステップと、を含み、
    前記検査ステップにおいて取得された前記ボイラ水の水質に関する検出値が、予め規定される第2基準値まで改善していないときに、前記所定時間ブローステップ及び前記給水ステップを再び実施するように構成される
    請求項12に記載の排熱回収システムの運用方法。
  14. 前記排熱回収ボイラ装置は、前記高圧ドラムよりも低圧、且つ前記低圧ドラムよりも高圧の前記ボイラ水が貯留される中圧ドラムをさらに有し、
    前記カスケードブロー流路は、前記高圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記中圧ドラムに供給するための高圧ブロー流路、及び前記中圧ドラムから排出される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するための中圧ブロー流路を含み、
    前記バルブユニットは、前記高圧ブロー流路を開放または閉止する高圧ブローバルブ、及び前記中圧ブロー流路を開放または閉止する中圧ブローバルブを含み、
    前記排熱回収システムの運用方法は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記中圧ドラムの水位が予め規定される中圧ドラムの運用基準水位を超えたときに、前記中圧ブローバルブを制御して前記中圧ブロー流路を開放する中圧ドラム起動時ブローステップをさらに備える
    請求項11から13の何れか一項に記載の排熱回収システムの運用方法。
  15. 前記カスケードブロー流路は、前記高圧ブロー流路における前記高圧ブローバルブよりも下流側の位置から分岐し、前記中圧ドラムをバイパスして前記高圧ドラムに貯留される前記ボイラ水を前記低圧ドラムに供給するためのバイパスブロー流路をさらに有し、
    前記バルブユニットは、前記バイパスブロー流路を開放または閉止するバイパスブローバルブをさらに有し、
    前記排熱回収システムの運用方法は、
    前記排熱回収ボイラ装置の起動時において、前記高圧ドラムの水位が予め規定される高圧ドラムの運用基準水位を超え、且つ、前記中圧ドラムの水位が予め規定される規定水位に達していないときに、前記バイパスブローバルブを制御して前記バイパスブロー流路を開放する中圧ドラムバイパスブローステップをさらに備える
    請求項14に記載の排熱回収システムの運用方法。
  16. 前記排熱回収システムの運用方法は、
    前記中圧ドラムに貯留される前記ボイラ水が排出されたときに、前記高圧ブローバルブを制御して前記高圧ブロー流路を開放し、前記高圧ドラムに貯留されている前記ボイラ水を前記中圧ドラムに供給する高圧ドラム優先ブローステップをさらに備える
    請求項14又は15に記載の排熱回収システムの運用方法。
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