JP2016192627A - 伝送線路および電子部品 - Google Patents

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Toshio Sakurai
俊雄 櫻井
潔 畑中
Kiyoshi Hatanaka
潔 畑中
福井 隆史
Takashi Fukui
隆史 福井
重光 戸蒔
Shigemitsu Tomaki
重光 戸蒔
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Abstract

【課題】1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させ、かつ高い無負荷Q値を得ることが出来る伝送線路および該伝送線路を用いた共振器を備える電子部品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の伝送線路は、第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなる線路部と、第2の比誘電率を有する第2の誘電体よりなる周囲誘電体部とを備え、前記第1の誘電体は、半導体粒子と該半導体粒子間を絶縁化する粒界相を有する半導体磁器であることを特徴とし、前記第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は伝送線路および該伝送線路を用いた共振器を備える電子部品に関する。
近距離無線通信や移動体通信に、マイクロ波帯、特に1GHz〜10GHzの周波数帯が多く利用されている。これらの通信に用いられる通信装置には、小型化、薄型化が強く求められ、その通信装置に用いられる電子部品にも小型化、薄型化が強く求められている。
通信装置に用いられる電子部品には、バンドパスフィルタのように共振器を含むものがある。この共振器には、分布定数線路を用いたものや、インダクタとキャパシタを用いたものなどがあるが、いずれも伝送線路を含んでいる。共振器には、無負荷Q値が大きいことが求められ、共振器の無負荷Q値は、共振器における損失を小さくすることによって大きくすることができる。
伝送線路の損失には、誘電体損、導体損および放射損がある。信号の周波数が高くなるほど、表皮効果が顕著になって、導体損は顕著に増大する。共振器における損失は、ほとんど導体損に起因する。そのため、共振器の無負荷Q値を大きくするためには、導体損を小さくすることが効果的である。
従来の1GHz〜10GHzの周波数帯用の伝送線路は、導体と誘電体を組み合わせた構造のものである。この伝送線路では、特許文献1,2に記載された技術のように導体の表面積を大きくする等の対策を行っても、導体損を大幅に小さくすることは困難である。そのため、この伝送線路を用いた共振器では、無負荷Q値を大きくすることには限界がある。
一方、50GHz程度のミリ波帯の電磁波を伝搬させる伝送線路としては、誘電体線路
が知られている。例えば、特許文献3には、平行に配置された2つの平行導体板の間に高
誘電率テープを配置し、2つの平行導体板と高誘電率テープの間に、低誘電率材料よりな
る充填誘電体を配置して構成された伝送線路が記載されている。この伝送線路では、電磁
波の電界は充填誘電体内に分布する。特許文献3には、実際に作製された伝送線路が、
30GHz〜60GHzの周波数帯で低分散な特性であることが記載されている。
特開平4−43703号公報 特開平10−13112号公報 特開2007−235630号公報
前述のように、従来の1GHz〜10GHzの周波数帯用の伝送線路は、導体で作製された電極を用いた線路を用いる構造のものである。この伝送線路では、特許文献1、2に記載された技術のように導体電極の表面積を大きくする等の対策を行っても、導体損を大幅に小さくすることは困難である。そのため、この伝送線路を用いた共振器では、無負荷Q値を大きくすることには限界がある。
一方、前述のように、50GHz程度のミリ波帯の電磁波を伝搬させる誘電体線路は知られているが、1GHz〜10GHzの周波数帯の電磁波を伝搬させる誘電体線路は知られていない。
電磁波の波長は、周波数に反比例する。1GHz〜10GHzの周波数帯の電磁波の波長は、50GHz程度のミリ波帯の電磁波の波長の5倍から50倍程度になる。一般的に、従来の誘電体線路の大きさは、伝搬させる電磁波の波長が長くなるほど大きくなる。そのため、仮に、従来の誘電体線路を用いて、1GHz〜10GHzの周波数帯用の共振器等の電子部品を構成しようとしても、電子部品が大型化して、実用的な電子部品を実現することができない。
なお、誘電体線路を伝搬する電磁波の波長は、誘電体の波長短縮効果により、真空中を伝搬する電磁波の波長よりも短くなる。しかし、従来の誘電体線路では、大幅な波長短縮効果は得られない。例えば、特許文献3には、充填誘電体の比誘電率は例えば4以下であることが記載されている。比誘電率を4とすると、波長短縮率は0.5である。そのため、従来の誘電体線路を用いても、誘電体の波長短縮効果による電子部品の大幅な小型化はできない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させ、かつ高い無負荷Q値を得ることが出来る伝送線路および該伝送線路を用いた共振器を備える電子部品を提供することを目的とする。
本発明の伝送線路は、第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなる線路部と、第2の比誘電率を有する第2の誘電体よりなる周囲誘電体部とを備え、前記第1の誘電体は、半導体粒子と該半導体粒子間を絶縁化する粒界相を有する半導体磁器であることを特徴とし、前記第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことを特徴とする。
前記第1の誘電体は、たとえばSrTiO系半導体磁器であり、一般式(1)
(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%) (1)
で表され、前記第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことが好ましい。
前記第1の誘電体にさらにMnOを含むことが好ましい。この場合、一般式(1)で表される成分を100mol%としたとき、MnO換算にて0.02mol%以上0.2mol%以下の含有量で表される。
前記第1の誘電体にさらにSiOを含むことが好ましい。この場合、一般式(1)で表される成分を100mol%としたとき、SiO換算にて0.01mol%以上0.1mol%以下の含有量で表される。
前記第2の比誘電率は前記第1の比誘電率の1/10以下であることが好ましい。
本発明の電子部品は、本発明の伝送線路を含むものである。本発明の電子部品は、1G
Hz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させ、かつ、共振器を備え
ている。この共振器は、本発明の伝送線路を用いて構成されている。
本発明によれば、1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させ、かつ高い無負荷Q値を得ることが出来る伝送線路および該伝送線路を用いた共振器を備える電子部品を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る伝送線路および電子部品を示す斜視図である。 図1に示した電子部品の回路構成を示す回路図である。 第1の誘電体を表す半導体磁器を模式化した図面である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して 、本発明の実施の形態に係る誘電体線路および電子部品の構造について説明する。図1は、本実施の形態に係る伝送線路および電子部品を示す斜視図である。
図1に示したように、本実施の形態に係る電子部品1は、本実施の形態に係る伝送線路2を含んでいる。伝送線路2は、第1の誘電体よりなる線路部10と、第2の誘電体よりなる周囲誘電体部20とを備えている。線路部10は、1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させる。周囲誘電体部20は、線路部10における電磁波の伝搬方向に直交する断面において、線路部10の周囲に存在する。
周囲誘電体部20は、Z方向の両端に位置する上面20aおよび下面20bと、X方向の両端に位置する2つの側面20c,20dと、Y方向の両端に位置する2つの側面20e,20fを有している。
本実施の形態では、特に、周囲誘電体部20の全体が、1種類の第2の誘電体によって構成されている 。
電子部品1は、更に、それぞれ周囲誘電体部20の上面20a、下面20b、側面20e,20fに配置された導体層3,4,5,6を備えている。導体層3のX方向の長さは、上面20aのX方向の長さよりも小さい。導体層3のY方向の長さは、上面20aのY方向の長さと等しい。導体層3は、上面20aの一部のみを覆っている。導体層4のX方向の長さは、下面20bのX方向の長さよりも小さい。導体層4のY方向の長さは、下面20bのY方向の長さと等しい。導体層4は、下面20bの一部のみを覆っている。導体層5は、側面20eの全体を覆い、導体層3,4に電気的に接続されている。導体層6は、側面20fの全体を覆い、導体層3,4に電気的に接続されている。導体層3,4,5,6は、グランドに接続される。
電子部品1は、更に、導体層4に対して所定の間隔をあけて対向するように周囲誘電体部20の内部に配置された導体層7を備えている。導体層4と導体層7の間には、周囲誘電体部20の一部が介在している。
線路部10のZ方向の一端は、導体層7に接続されている。導体層7は、周囲誘電体部20の側面20cに露出した端部7aを有している。線路部10のZ方向の他端は、導体層3に接続されている。
導体層3,4,5,6,7は、Ag,Cu等の金属によって構成されている。なお、電子部品1は、導体層3の代わりに、第1の誘電体よりなる誘電体層を備えていてもよい。
次に、図2の回路図を参照して、本実施の形態に係る電子部品1の回路構成について説明する。本実施の形態に係る電子部品1は、並列に接続されたインダクタ31とキャパシタ32を有する共振器30と、入出力端子33とを備えている。インダクタ31の一端とキャパシタ32の一端は、入出力端子33に電気的に接続されている。インダクタ31の他端とキャパシタ32の他端は、グランドに電気的に接続されている。インダクタ31とキャパシタ32は、並列共振回路を構成している。共振器30は、1GHz〜10GHzの範囲内の共振周波数を有している。
共振器30は、伝送線路2を用いて構成されている。より具体的に説明すると、共振器30を構成するインダクタ31が、伝送線路2の線路部10によって構成される。キャパシタ32は、図1に示した導体層4,7と、その間の周囲誘電体部20の一部によって構成されている。入出力端子33は、図1に示した導体層7の端部7aによって構成されている。なお、周囲誘電体部20の側面20cに、導体層7の端部7aに接続した導体層を設け、この導体層を入出力端子33としてもよい。
次に、本実施の形態に係る伝送線路2および電子部品1の作用について説明する。導体層7の端部7aによって構成された入出力端子33には、1GHz〜10GHzの範囲内の周波数を含む任意の周波数の電力が供給される。この電力に起因して、導体層7に接続された線路部10に電磁波が励起される。線路部10は、1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬させる。線路部10が伝搬させる電磁波の1つ以上の
周波数は、共振器30の共振周波数を含む。共振器30は、1GHz〜10GHzの範囲内の共振周波数で共振する。入出力端子33の電位は、入出力端子33に供給される電力の周波数が共振周波数と一致するときに最大値になり、入出力端子33に供給される電力の周波数が共振周波数から離れるに従って減少する。
ここで、伝送線路2において、線路部10を形成する第1の誘電体は、半導体粒子と該半導体粒子間を絶縁化する粒界相を有する半導体磁器であることを特徴とする。この構造について図3を用いて具体的に説明をする。図3は、第1の誘電体である半導体磁器の構造を示した模式図である。半導体粒子41の周りに粒界相42が存在することで、半導体粒子と該半導体粒子間を絶縁化する粒界相とを有する半導体磁器の構造となる。この構造を確認する手法として、例えば半導体磁器の断面を走査電子顕微鏡によりcompo(組成)像観察することによって確認できる。この半導体磁器の組成は特に限定されず、半導体粒子の周りには絶縁化した粒界相が存在する微細構造になっている材料であれば、線路部10として適する。例えば、一般式で(100−x−y)・[Sr(1−A−B),Ba(A),Ca(B)]TiO+x・Y+y・Nb(但し、A、Bは、0から1までの任意)で示される組成が適しており、中でも特に一般式(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%)で表される組成の特性が最適となり好ましい。
線路部10を構成する第1の誘電体は第1の比誘電率を有し、また、周囲誘電体部20を構成する第2の誘電体は第2の比誘電率を有するとした場合、第2の比誘電率は、第1の比誘電率よりも小さい関係となっている。これは、伝送線路および電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値について、従来は線路部10にAgを使用した時の無負荷Q値:Qu=300であるが、これよりも高いQu値を得るためには、既述の発明が必要となる。これにより、1GHz〜10GHzの周波数帯で共振器を構成する伝送線路および電子部品を提供することが可能となる。
第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなる線路部10は、一般式(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%)の場合に特性がより好ましくなるが、その理由は以下の通りである。
伝送線路および電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値が300より大きくなるため
の条件として比誘電率が高く、誘電損失が小さいことが必要となる。このためには、SrTiOの存在が必要であるが、常誘電体であるがゆえに本発明で求められる1GHz〜10GHzの周波数帯においての比誘電率の劣化や誘電損失の劣化は生じないが、比誘電率が300程度と低い問題があるため、比誘電率を高める必要がある。
そこで、SrTiO系半導体磁器を用い、一般式(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%)とすることで、1GHz〜10GHzの周波数帯においての比誘電率を高くし、誘電損失を良好なものとすることができる。
第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいが、その理由は、伝送線路および電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値が300より大きくなるための条件として伝送線路における損失を抑え、より効率的に電磁波を伝搬させることが可能にするためである。
本実施の形態において、一般式(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%)で表される第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなる線路部は、電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値において300より大きくするために、xの範囲として、0.1mol%≦x≦0.4mol%であり、より大きくするためには0.3mol%≦x≦0.4mol%である。同様に、yの範囲として、0.1mol%≦y≦0.4mol%であり、より大きくするためには0.3mol%≦y≦0.4mol%である。また、第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことが必要である。
また、それぞれの半導体磁器には、不純物として、以下のものを含有させても良い。不純物としては、特に限定されないが、たとえば、Mg、Al、Zr、Sc、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの各元素の酸化物などが挙げられる。
本実施の形態において、特に、MnOをさらに添加することが好ましい。MnOの添加は焼結性を高める効果があり、これにより、無負荷Q値を更により大きくする効果がある。
この場合、前記第1の誘電体にMnOを含むことからなる線路部は、電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値をさらにより大きくするために、下記一般式を(1)としたとき
(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%) (1)
一般式(1)で表される成分(これを主成分とする)を100mol%としたときにMnO換算にて0.02mol%以上0.2mol%以下であることが好ましく、MnOにて0.1mol%以上0.2mol%以下であることがより好ましいといえる。
本実施の形態において、特に、SiOをさらに添加することが好ましい。SiOの添加は焼結性を高める効果があり、これにより、無負荷Q値を更により大きくする効果がある。この場合、前記第1の誘電体にSiOを含むことからなる線路部は、電子部品形状を形成した場合の無負荷Q値をさらにより大きくするために、下記一般式を(1)としたとき
(100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb(但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%) (1)
一般式(1)で表される成分(これを主成分とする)を100mol%としたときにSiO換算にて0.01mol%以上0.1mol%以下であることが好ましく、SiOにて0.05mol%以上0.1mol%以下であることがより好ましいといえる。
本実施の形態において、前記第2の比誘電率は、第1の比誘電率の1/10以下である
ことが好ましい。特にその値を1/10以下とすることにより伝送線路における損失を抑
え、より効率的に電磁波を伝搬させることが可能になる。1/10以下にする理由は以下である。誘電体線路理論に基づき、原理的に、伝送線路の電磁波エネルギを第1の誘電体へ集中させる事により、第1の誘電体内部へ電磁波を浸透させ、電磁波を進行させる際に発生する損失と、放射を、減少させることができるためである。なお第2の比誘電率の下限は求められないが、実用上2以下の比誘電率の材料を用いることは困難であることから、第2の比誘電率は2以上であることが好ましい。
第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の材質については必ずしも限定されるわけではない
が、好ましい例としてはSrTiO、MgSiO、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)およびこれらの2種以上の組み合わせを用いることができる。
本発明の内容を実施例および比較例を参照にしてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
まず、線路部を構成する誘電体粉末を作製した。SrTiO、Y、Nb粉末を表1に示す質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表1になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で還元雰囲気化の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第1の誘電体で構成された線路部となる焼結体を得た。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した。MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表1になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部の焼結体と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の焼結体を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
[実施例2〜16]
誘電体粉末の各々の組成を表1に示すように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表1に示す。
[実施例17]
まず、線路部を構成する誘電体粉末を作製した。SrTiO、BaTiO、Y、Nb、MnO粉末を表2に示す質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表2になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で還元雰囲気化の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第1の誘電体で構成された線路部となる焼結体を得た。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した。MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表2になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部の焼結体と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の焼結体を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
[実施例18および19]
誘電体粉末の各々の組成を表2に示すように調整したこと以外は、実施例17と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表2に示す。
[実施例20]
まず、線路部を構成する誘電体粉末を作製した。SrTiO、Y、Nb、MnO粉末を表3に示す質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表3になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で還元雰囲気化の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第1の誘電体で構成された線路部となる焼結体を得た。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した。MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表3になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部の焼結体と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の焼結体を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
[実施例21〜33]
誘電体粉末の各々の組成を表3に示すように調整したこと以外は、実施例20と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表3に示す。
[実施例34]
まず、線路部を構成する誘電体粉末を作製した。SrTiO、Y、Nb、SiO粉末を表4に示す質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表4になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で還元雰囲気化の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第1の誘電体で構成された線路部となる焼結体を得た。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した。MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表4になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部の焼結体と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の焼結体を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
[実施例35〜47]
誘電体粉末の各々の組成を表4に示すように調整したこと以外は、実施例34と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表4に示す。
[実施例48および49]
誘電体粉末の各々の組成を表5に示すように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表5に示す。
また、周囲誘電体部としては、実施例1に記載したフォルステライト粉末を作製し、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。作製した各々の組成を表5に示す。
Figure 2016192627
[実施例50]
誘電体粉末の各々の組成を表6に示すように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。作製した各々の組成を表6に示す。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した
一つ目として、MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をし、フォルステライトMgSiOを得た。
二つ目として、SrTiO、Y、Nb粉末をモル比で99.6、0.3、0.1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼を行った。前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、誘電体粉末を調整した。前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で還元雰囲気化の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、SrTiO系半導体となった焼結体を粉砕することで粉末を得た。
フォルステライトとSrTiO系半導体となった粉末について、所望の第2の誘電体よりなる周囲誘電体部として機能させる割合として、実施例45においては、フォルステライト95質量部に対して、SrTiO系半導体を5質量部秤量し純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
[実施例51〜55]
線路部については、誘電体粉末の各々の組成を表6に示すように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。
また、周囲誘電体部としては、実施例50に記載したフォルステライトとSrTiO系半導体となった粉末について所望の割合で混合することで作製し、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。作製した各々の組成を表6に示す。
[比較例1〜13]
誘電体粉末の各々の組成を表7に示すように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製し、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。作製した各々の組成を表7に示す。
Figure 2016192627
[比較例14]
線路部を構成する誘電体粉末を作製した。SrTiO、Y、Nb粉末を表1に示す質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表1になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で大気雰囲気の中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。その後、焼結体周辺部にBi金属を含むペーストを塗布し、1000℃大気中で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第1の誘電体で構成された線路部となる焼結体を得た。
次に、周囲誘電体部を構成する誘電体粉末を作製した。MgCO、SiO粉末をモル比で2、1の割合で秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤と共に、ボールミルで24時間混合を行い、混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1240℃の温度範囲内で2時間仮焼をした。
前記の仮焼粉を分取し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し組成が表1になるように誘電体粉末を調整した。
前記の方法で得られた誘電体粉末に市販のアクリル樹脂系ラッカー溶液を誘電体粉末質量に対して樹脂固形分8質量%添加した後、瑪瑙乳鉢にて混練し、#300メッシュふるいを通過させ整粒し、造粒粉を得た。この造粒粉を金型に入れ、加圧成形し、円柱状の成形体試料を得た。この試料を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、1400℃で一定時間熱処理をして、室温まで冷却して焼成し、第2の誘電体で構成された周囲誘電体部となる焼結体を得た。
また得られた第1の誘電体よりなる線路部の焼結体と第2の誘電体よりなる周囲誘電体部の焼結体を用いて、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した。
Figure 2016192627
<評価>
得られた焼結体の比誘電率、誘電損失値、図1に示した伝送線路および電子部品形状を形成した場合の共振周波数と無負荷Q値について、各々算出した。
[誘電特性の測定]
本実施形態に係る焼結体についての誘電特性は、Q・f値及び比誘電率εrによって評価することができる。比誘電率、誘電損失は、日本工業規格「マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法」(JIS R1627 1996年度)に従って測定することができる。
誘電特性の評価として、両端短絡形誘電体共振器法により共振周波数とQ値を求めた。焼成体(焼結体)の寸法と共振周波数とQ値より、比誘電率および誘電損失を算出した。
なお、表1から表7まで記載した比誘電率および誘電損失はそれぞれ以下を意味する。
第1の誘電体よりなる線路部の比誘電率は、第1の比誘電率と表中には省略記載している。
第1の誘電体よりなる線路部の誘電損失は、第1の誘電損失と表中には省略記載している。
第2の誘電体よりなる周囲誘電体部は、第2の比誘電率と表中には省略記載している。
[誘電体線路および電子部品形状を形成した場合の共振周波数と無負荷Q値]
図1に示したように、本実施の形態に係る電子部品1は、本実施の形態に係る誘電体線路2を含んでいる。伝送線路2は、第1の誘電体よりなる線路部10と、第2の誘電体よりなる周囲誘電体部20とを備えている。前記実施例において得られた誘電体を用いて、この形状を形成し、電子部品としての共振周波数と無負荷Q値を各々測定し、表1から表8に記した。表1から表8には、線路部10に従来の伝送線路で使用されてきた金属Ag単体の導体電極を使用した場合の無負荷Q値:Qu=300と比較し、良否の判定を行った結果も記載した。
[粒界相の有無観察]
半導体磁器の断面を走査電子顕微鏡(商品名:JSM−T300、日本電子データム社製)によりcompo(組成)像を5000倍で観察し、粒界相の有無を観察し、半導体磁器かどうかを判定した。
表1から表6の結果から、実施例1から実施例55は、発明の範囲内にあるため、線路部に金属Ag単体の導体電極を使用した場合の電子部品としてのQu値:300より大きくできることがわかる。
表7および表8の結果から、比較例1から比較例14は、発明の範囲外にあるため、線路部に金属Ag単体の導体電極を使用した場合の電子部品としてのQu値:300より大きくはできないことがわかる。
1 電子部品
2 伝送線路
3 導体層
4 導体層
5 導体層
6 導体層
7 導体層
7a 導体層の端部
10 線路部
20 周囲誘電体部
20a 上面
20b 下面
20c 側面
20d 側面
20e 側面
20f 側面
30 共振器
31 インダクタ
32 キャパシタ
33 入出力端子
41 半導体粒子
42 粒界相

Claims (6)

  1. 第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなる線路部と、第2の比誘電率を有する第2
    の誘電体よりなる周囲誘電体部とを備え、
    前記第1の誘電体は、半導体粒子と該半導体粒子間を絶縁化する粒界相を有する半導体磁器であることを特徴とし、前記第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことを特徴とする伝送線路。
  2. 前記第1の誘電体は、SrTiO系半導体磁器であることを特徴とし、
    一般式(1)
    (100−x−y)・SrTiO+x・Y+y・Nb
    (但し、0.1mol%≦x≦0.4mol%、0.1mol%≦y≦0.4mol%) (1)
    で表され、前記第2の比誘電率は、前記第1の比誘電率よりも小さいことを特徴とする前記請求項1に記載の伝送線路。
  3. 前記第1の誘電体にさらにMnOを含み、前記一般式(1)で表される成分を100mol%としたとき、MnO換算にて0.02mol%以上0.2mol%以下を含有することを特徴とする請求項2記載の伝送線路。
  4. 前記第1の誘電体にさらにSiOを含み、前記一般式(1)で表される成分を100mol%としたとき、SiO換算にて0.01mol%以上0.1mol%以下を含有することを特徴とする請求項2または請求項3記載の伝送線路。
  5. 前記第2の比誘電率は前記第1の比誘電率の1/10以下であることを特徴とする請求項2から請求項4いずれか1項に記載の伝送線路。
  6. 前記線路部は、1GHz〜10GHzの範囲内の1つ以上の周波数の電磁波を伝搬さ
    せ、かつ、共振器を備え、前記共振器は、請求項2から請求項5いずれか1項に記載の伝送線路を用いて構成されている電子部品。
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