JP2016191700A - 加工孔の測定装置 - Google Patents

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章浩 切東
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Abstract

【課題】加工孔の識別及び加工孔の位置測定をリアルタイムで高精度に行えるようにした、加工孔の測定装置を提供する。【解決手段】超音波を発信する発信手段及び前記超音波の反射要因からの反射波を受信する受信手段を有する探触子20と、探触子20を加工孔61の穿孔方向を横切る方向へ所定の幅に亘って走査する走査機構30と、探触子20の測定箇所の位置情報と前記反射波のエコー戻り時間及びエコー高さからなる反射波情報とをセットにして、探触子20が走査機構30により測定箇所を所定距離だけ変更される毎に繰り返し取得する、情報取得手段42と、前記エコー高さが閾値以上となった後に、前記エコー戻り時間に基づいて検出される孔深さが複数の測定箇所に亘って連続して減少した場合には、探触子20の前記超音波の発信方向にある前記反射要因が、加工孔61であると識別する。【選択図】図1

Description

本発明は、検査対象に穿設された加工孔の位置を測定する、加工孔の位置測定装置に関する。
従来、UT(Ultra Tranducer)探触子を自動走査して検査対象の欠陥や加工孔を検知する装置が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。検査対象の内部に欠陥や加工孔があると、UT探触子から発信された超音波が、欠陥や加工孔に反射されて反射波として戻ってくるので、反射波が戻ってくるまでの時間を測定することで欠陥や加工孔の存在を検出することができる。
特開平10−282069号公報
ところで、ガスタービン翼の内部には、冷却用の流体を流通させる冷却孔が穿設される。この冷却孔を正規の位置に精度良く加工するために、加工中にリアルタイムで且つ高精度に冷却孔(加工孔)の位置を精度よく検出する技術が求められている。
しかしながら、UT探触子を使用した装置では、反射波に基づく加工孔の識別及び加工孔の位置測定を、走査中(つまり測定中)にリアルタイムで精度良く行う手法が未だ確立されていない。
また、特に検査対象が鋳造品の場合には、超音波の減衰が大きく、加工孔からの反射波を検出できない又は検出できたとしてもSN比が低いため、加工孔の識別や位置測定を精度良く行うことが困難である。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、加工孔の識別及び加工孔の位置測定をリアルタイムで高精度に行えるようにした、加工孔の測定装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の加工孔の位置測定装置は、超音波を発信する発信手段及び前記超音波の反射要因からの反射波を受信する受信手段を有する探触子と、前記探触子を、前記加工孔の穿孔方向を横切る方向へ所定の幅に亘って走査する走査機構と、前記探触子の測定箇所の位置情報と、前記反射波のエコー戻り時間及びエコー高さからなる反射波情報とをセットにして、前記探触子が走査機構により測定箇所を所定距離だけ変更される毎に繰り返し取得する、情報取得手段と、前記エコー高さが閾値以上となった後に、前記エコー戻り時間に基づいて検出される孔深さが複数の測定箇所に亘って連続して減少した場合には、前記探触子の前記超音波の発信方向にある前記反射要因が、前記加工孔であると識別する、加工孔識別手段とを備えたことを特徴としている。
(2)前記複数の測定箇所が3箇所であることが好ましい。
(3)前記加工孔識別手段により前記反射要因が前記加工孔であると識別された後において、検出される前記孔深さが、前回の測定箇所で検出される前記孔深さよりも増加した場合には、前記の前回の測定箇所から前記発信方向に前記加工孔が位置すると判定する、位置判定手段をさらに備えることが好ましい。
(4)前記発信手段は、超音波として、低周波成分を含むチャープ波を発信し、反射波のノイズを除去するための相関処理手段をさらに備えることが好ましい。
(5)前記位置判定手段が、前記エコー高さの時間的な変化を表す波形において、立ち上がり位置又はピーク位置における前記エコー戻り時間に基づいて、前記加工孔の深さを判定することが好ましい。
本発明によれば、エコー高さが閾値以上となった後に、エコー戻り時間が複数の測定箇所に亘って連続して減少した場合、すなわち孔深さが複数の測定箇所に亘って連続して減少した場合には、反射要因の横断面形状が、円形若しくは円形に近似した加工孔の形状を示しているとして、この反射要因が加工孔であると、測定中にリアルタイムで高精度に識別することができる。
本発明に第1実施形態としての冷却孔(加工孔)の位置測定装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る情報取得手段を説明するための模式図であって、(a)はガスタービン翼の横断面図であり(但しハッチングは省略)、(b)はエコー高さの時間的な変化を表す波形を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るガスタービンの横断面におけるエコー高さの分布を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る加工孔の測定装置の制御を説明するための模式的なフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る加工孔の測定装置の制御装置の構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る相関処理を説明するための模式図であって、(a)は反射波のエコー高さHの時間的変化を表す波形を示す図であり、(b)は参照波のエコー高さHの時間的変化を表す波形を示す図、(c)は相関処理後の反射波のエコー高さHの時間的変化を表す波形を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る加工孔の測定装置の制御装置の構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る加工孔の深さを特定する手法を説明するための模式図であって、相関処理後の反射波のエコー高さHの時間的変化を表す波形を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
なお、以下の各実施形態では、検査対象をガスタービン翼とし、加工孔を冷却孔とした例を説明するが、検査対象や加工孔はこれに限定されるものではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
本発明の第1実施形態としての位置測定装置の構成について図1を参照して説明する。
本実施形態の位置測定装置10は、UT探触子(以下、単に探触子ともいう)20と、探触子20を保持すると共に、探触子20をX方向及びZ方向に移動させる走査機構30と、制御装置40とを備えている。
探触子20は、超音波を発信する振動子,超音波の反射波を受信する振動子,受信した反射波を電気信号に変換する変換器及びこの電気信号をアナログ−デジタル変換するAD変換機を内蔵している。
ガスタービン翼60には翼長方向L(走査機構30のZ方向)に沿って冷却孔(加工孔)61が形成されている。走査機構30は、冷却孔61が形成されているであろう範囲に対し、探触子20を、図中に矢印A1で示す経路で走査する。つまり、翼幅方向W(走査機構30のX方向)に沿って(冷却孔61の穿孔方向を横切る方向に沿って)、位置X0から位置X1までの所定測定範囲に亘って探触子20を走査し、その後、翼長方向Lに沿って探触子20を移動し、その後、前回とは逆方向で翼幅方向Wの方向に沿って探触子20を走査する。このような走査手順を、タービン翼60の先端側(Z方向の上方側)から基部60a側(Z方向の下方側)に向かって繰り返し行う。
なお、図1では簡略して示しているが、複雑な曲面形状を有するガスタービン翼60を効率的に冷却できるように、冷却孔61も三次元的に複雑に湾曲している。
制御装置40は、走査機構30の作動を制御する走査機構制御部41と、情報取得手段42と、冷却孔位置特定手段43とを備えている。以下、走査機構制御部41,情報取得手段42及び冷却孔位置特定手段43について説明する。
先ず、走査機構制御部41について説明する。
走査機構制御部41は、走査機構30を制御して、上述したように矢印A1で示すようにタービン翼60の表面62に沿って探触子20を走査させる。本実施形態では、探触子20は、冷却孔61の加工の進行と同期して走査される。つまり、冷却孔61は、電極(図示略)を使用して上方から穿孔されるが、電極の先端(穿孔位置)近傍の孔の位置(つまりリアルタイムで穿孔されている位置)を測定できるように、その走査が制御される。
次に、情報取得手段42について、図2(a),(b)を参照して説明する
探触子20から発信された超音波21は、反射要因〔図2(a)に示す例では冷却孔61〕で反射して反射波22として探触子20により受信される。そして、情報取得手段42は、走査機構30が探触子20を所定の走査距離ΔX(例えば0.1mm)走査するごとに、走査機構30からの情報と探触子20からの情報とをセットにして(対応付けて)取得する。なお、冷却孔61以外の超音波の反射要因としては、例えばクラックのような欠陥である。
情報取得手段42が走査機構30から取得する情報は、走査機構30が内蔵するエンコーダが検出した探触子20のX方向の位置及びZ方向の位置、すなわちXZ座標上の測定箇所の位置情報である。
情報取得手段42が探触子20から取得する情報は反射波(エコー)22の情報である。具体的には、情報取得手段42は、反射波22の情報を、図2(b)に示すように、エコー戻り時間tとエコー高さHとの関係として取得する。エコー高さHとは、検出された反射波22の検出レベルである。エコー戻り時間tとは、探触子20から超音波21が発信されてからその反射波22が探触子20により検出されるまで時間である。
次に、冷却孔位置特定手段43について、図2(a),(b)及び図3を参照して説明する。
先ず、冷却孔位置特定手段43の概略について説明すると、情報取得手段42により取得された反射波の22の検出情報から、超音波21の反射要因が冷却孔61かどうか判定するとともに、冷却孔61の位置を測定するものである。つまり、冷却孔位置特定手段43は、本発明の加工孔識別手段と位置判定手段との両手段を構成するものである。
ここで、図3は、X軸方向に沿って所定距離(走査距離)ΔXだけ走査する毎に測定された図2(b)に示すような検出情報を、位置X0から位置X1までの所定測定範囲に亘って合成したものであり、ガスタービン翼60の横断面(翼長方向Lに垂直な断面)におけるエコー高さHの分布を示すものである。例えば、図2(b)が検出された測定箇所は、図3における測定箇所X(n)に相当する。図3中において、LH0は、エコー高さHが後述の閾値H0である点を繋いだ等高線であり、LH1は、エコー高さHがH1である点を繋いだ等高線であり、LH2は、エコー高さHがH2である点を繋いだ等高線である。エコー高さHは、低い順からH0,H1,H2となる(H0<H1<H2)。
図3に示す例では、測定箇所Xが測定箇所X(n)になった時に初めてエコー高さHが閾値H0以上となる。冷却孔位置特定手段43は、エコー高さHが閾値H0以上となったとき、測定箇所X(n)における〔測定箇所X(n)において超音波20の送信方向にある〕反射要因を冷却孔61の候補であると判断するとともに、そのときの孔深さd(n)を記憶する。なお、本実施形態では、孔深さd(n)は、エコー高さHが閾値H0以上となった時のエコー戻り時間tに基づいて算出(検出)される。また、孔深さd(n)とは、ガスタービン翼60の表面62から反射要因(冷却孔61やクラックのような孔状欠陥など)までの距離をいう。
そして、その後の測定箇所X(n+1), X(n+2),X(n+3)において、孔深さd(n),d(n+1),d(n+2),d(n+3)が所定の複数回(ここでは経験的に3回以上であば信頼性があるものとしている)連続して浅くなっているので、この孔深さの変遷が、孔が円形であることを示しているとして、この反射要因はクラックのような孔状欠陥ではなく加工された冷却孔61であると判断する。
そして、その後の測定箇所X(n+4)で孔深さd(n+4)が前回の測定箇所X(n+3)の孔深さd(n+3)よりも深くなっているので、前回の測定箇所X(n+3)の孔深さd(n+3)が最も浅い位置として、この測定箇所X(n+3)を冷却孔61のX座標上の位置と規定する。そして、この測定箇所X(n+3)に対応する孔深さd(n+3)を冷却孔61の深さと規定する(つまり、冷却孔61の最浅の計測位置及びその深さを、冷却孔61の位置及び深さと規定する)。
以下、孔深さd(n),d(n+1)…を測定箇所毎に区別しない場合は単に孔深さdと表記する。
また、制御装置40からは、電極により穿孔を行う加工装置の加工制御装置100に測定結果((加工穴61の位置情報)を送信するようになっている。加工制御装置100は、制御装置40から取得した加工穴61の位置情報に基づいて加工位置が目標位置となるようにフィードバック制御する。
[1−2.フローチャート]
本実施形態の加工孔の測定装置の制御について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態の加工孔の測定装置の制御を説明するための模式的なフローチャートである。このフローは、先ずガスタービン翼60の上端における高さで開始され、一定の高さにおけるX方向に沿った一連の測定が完了して測定箇所が下方に移動されるごとに繰り返される。
先ずステップS10で、孔深さの閾値d0,カウンタC及びフラグFが初期設定値としてそれぞれ設定される。つまり、孔深さの閾値d0は使用上可能な最大値として設定され、カウンタC及びフラグFがそれぞれ0(零)に設定される。
ついで、ステップS20に進み、エコー高さHが検出され、ステップS30へと進む。
ステップS30では、エコー高さHが閾値H0以上であるか否かが判定される。エコー高さHが閾値H0よりも低いと、ステップS100へ進み、探触子20がΔXだけ走査され、ステップS20へと戻る。すなわち、エコー高さHが閾値H0以上となる位置に探触子20が走査されるまでステップS20,S30,S100を繰り返す。
そして、ステップ30でエコー高さHが閾値H0以上になると、ステップS40に進み、探触子20がΔXだけ走査され、ステップS50へと進む。
ステップS50では、エコー高さH及び孔深さdが検出され、ステップS60へと進む。ステップS60では、エコー高さHが閾値H0以上か否か、孔深さdが閾値d0よりも低いか否かが判定される。なお、閾値d0の初期値は使用上可能な最大値として設定されているので、フローが最初にステップS60に進んだときには、必ず孔深さdが閾値d0よりも低いと判定されることとなる。
ステップS60において、エコー高さHが閾値H0以上であり且つ孔深さdが閾値d0よりも浅いと判定さると、ステップS70へ進む。ステップS70では、閾値d0に、ステップS50で検出された孔深さdが代入されるとともにカウンタCがインクリメントされる(1を加算され)。
ついでステップS80へ進み、カウンタCが3以上か否かが判定され、カウンタCが3よりも少ないと判定されるとステップS40へと戻り、探触子20がΔXだけ走査され、ステップS50で、新しい走査位置(測定箇所)においてエコー高さH及び孔深さdが検出される。
ステップS60における「エコー高さHが閾値H0以上であり且つ孔深さdが閾値d0よりも浅い(すなわち前回の測定箇所における孔深さdよりもさらに浅くなっている)」との判定、ひいてはステップ70におけるカウンタCのインクリメントが連続して繰り返されて、カウンタCが3以上になると、ステップS80からステップS90に進み、フラグFが1にセットされる。すなわち、探触子20を走査して孔深さdを計測した結果、エコー高さHが閾値H0以上であることを前提として孔深さdが3回連続して減少して計測されていることから、この反射要因はクラックではなく冷却孔61であると判定され、冷却孔61と判定された旨を示すフラグFが1にセットされる。
ステップS60において、孔深さdが閾値d0(つまり前回の測定箇所における孔深さd)以上だと判定された場合には、ステップS110に進み、フラグFが1であるか否かが判定される。フラグFが1であれば反射要因は冷却孔61であると判定されているので、ステップS120に進み、前回の孔深さdが冷却孔61の最浅位置(ガスタービン翼60の表面62から最も近い位置にある冷却孔61の先端位置)であると判定されるともともに、前回の探触子20のX座標(測定箇所の位置)が、現在の探触子20の高さ位置(Z方向位置)における孔位置dと判定され、フローが終了する。なお、幅方向Wに並列に冷却孔61が複数形成される場合には、ステップS120からリタンーンしてフローが再スタートされる。
一方、ステップS110で、フラグFが1でなかった場合には、孔深さdが3回連続して減少していないので、この反射要因は冷却孔(加工孔)61ではなかったとしてステップS10に戻る。
[1−3.効果]
本発明の第1実施形態の加工孔の測定装置によれば、測定中に、反射要因が、クラックではなく冷却孔61であるとリアルタイムで高精度に識別することができる。
つまり、エコー高さHが閾値H0以上となった後に、孔深さdが、複数の測定箇所(ここでは3つの位置)に亘って連続して減少した時点で、反射要因の横断面形状が円形(又は円形に近似した形状)を示しているとして、これらの測定箇所の超音波の発信方向にある反射要因を、クラックではなく冷却孔61であるとリアルタイムで高精度に識別することができる。
さらに、反射要因が冷却孔61であると識別された後において、孔深さdが、前回の測定箇所で取得された孔深さdよりも増加した場合(深くなった場合)には、前回の測定箇所が、冷却孔61の先端位置と判定する。冷却孔61の先端位置とは、ガスタービン翼60の表面62からもっと近い最浅位置なので、表面62に近すぎるガスタービン翼60の強度にも影響を及ぼす重要な位置となる。この冷却孔61の先端位置を精度良く検出できるので、この結果をフィードバックして穴加工を行うことで、ガスタービン翼60の品質(強度)を安定して確保することができる。
[2.第2実施形態]
本発明の第2実施形態としての加工孔の位置測定装置の構成について図5及び図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
[2−1.構造]
ガスタービン翼60に一般的に使用される鋳造材は、結晶粒が大きいため超音波の減衰が大きく、SN比が低くなる。
そこで、本実施形態の加工孔の位置測定装置は、SN比を向上させるための構成を備えている。以下、SN比を向上させるための具体的な構成を説明する。
探触子から発信する超音波の周波数が低いほど、超音波の減衰が少ないことが知られており、本実施形態の測定装置は、探触子から、低周波成分を含むチャープ波且つバースト波(チャープしたバースト波)を発信するようになっている。チャープ波とは時間経過にともない周波数を変化させる(変調させる)信号である。バースト波とは、限られた一定時間連続する連続波であって、連続波と連続波との間がある程度間隔がある波のことである。また、ここでいう低周波とは、例えば1.5MHz〜0.6MHzの範囲の周波数をいう。
また、図5に示すように、本実施形態の位置測定装置の制御装置40Aは、第1実施形態の制御装置40(図1参照)に対し、さらに相関処理手段44を備えている。
相関処理手段44は、受信した反射波と参照波とを相関処理することで反射波のノイズを低減するものである。参照波には、振動子から発信するチャープ波と同じ波形又は近似した波形が使用されており、受信した反射波22と参照波とを相関処理することにより、反射波22から参照波と相関関係のある波形のみが抽出され、参照波と相関関係のないノイズを除去することができる。
参照波は、ここでは、探触子から発信した超音波と同様に、低周波成分を含むチャープ波且つバースト波(チャープしたバースト波)が使用されている。受信した反射波22と、チャープしたバースト波である参照波とを相関処理することにより、最終的に構成される波(相関の高い波)は、パルス波のような時間分解能の高い波になり、位置分解性能を向上させることができる。
この他の構成は、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
[2−2.効果]
本発明の第2実施形態の加工孔の測定装置によれば、探触子から低周波成分を含むチャープ波が発信される。周波数が低いほど超音波の減衰率は低下するので、鋳造材のように超音波の減衰率が高い素材からなるガスタービン翼についても、低周波成分を含むチャープ波を発信することで、エコー高さHを高いレベルで検出できる。
また、図6(a)に示すような波形の反射波が、図6(b)に示す波形の低周波数成分を含むチャープしたバースト波を参照波として相関処理されることにより、図6(c)に示すようにノイズが除去された波形が得られる。
つまり、本実施形態では、超音波に低周波成分を含むチャープ波を使用することで、減衰を抑制して反射波のエコー高さHを高くすることができ(検出シグナルSのレベルを高くすることができ)、さらに、相関処理を行うことで反射波のノイズNを低減することができる。したがってSN比を向上させることができる。
また、探触子20から送信された超音波21は周波数の変調されたチャープ波であるため時間分解能低く、これに応じて、反射波22の波形も図6(a)に示すように波数が多く分解能の低い波形となるが、図6(b)に示す参照波との相関処理により図6(c)に示すような分解能の高い波形を取得することができる。
[3.第3実施形態]
本発明の第3実施形態としての加工孔の位置測定装置の構成について図7及び図8を参照して説明する。なお、上記実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
[3−1.構造]
図7に示すように、本実施形態の加工孔の位置測定装置は、第2実施形態に対し、冷却孔位置特定手段43を、冷却孔位置特定手段(加工孔識別手段,位置判定手段)43Aに置き換えたものである。冷却孔位置特定手段43Aは、冷却孔の孔深さdを、探触子により検出された反射波の立ち上がり位置に基づいて検出する。
図8を参照して、冷却孔位置特定手段43Aにおける冷却孔61の孔深さdの検出手法を説明すると、冷却孔位置特定手段43Aでは、立ち上がり位置P1におけるエコー戻り時間t1に基づいて孔深さdを検出するようにしている。
立ち上がり位置P1とは、エコー高さHが、基準高さHaを越える位置であり、基準高さHaは、例えば、図8におけるエコー高さの略平坦な部分の時間平均値に余裕値を加算した値である。或いは、エコー高さの単位時間当たりの上昇量が所定値を超えた点を立ち上がり位置としても良い。
[3−2.効果]
本発明の第3実施形態の加工孔の測定装置によれば、ガスタービン翼60を形成する素材の超音波減衰率が高い場合でも孔深さdを検出することができる。つまり、閾値H0よりも高くなった位置のエコー戻り時間tに基づいて孔深さdを検出する手法では、ガスタービン翼60を形成する素材の超音波減衰率が高いと、図8に示すように反射波の波形全体が閾値H0よりも低くなって孔深さdを検出できない場合がある。これに対し、本実施形態のように反射波の立ち上がり位置に基づいて孔深さdを検出する場合には、エコー高さHのレベルに拘わらず孔深さdを検出することができるので、ガスタービン翼60を形成する素材の超音波減衰率が高い場合でも孔深さdを検出することができる。
[3−3.その他]
上記実施形態では、反射波の立ち上がり位置P1におけるエコー戻り時間t1に基づいて孔深さdを検出するようにしたが、図8に示すように反射波のピーク(極大値)の位置P2におけるエコー戻り時間t2に基づいて孔深さdを検出するようにしても良い。
[4.その他]
(1)上記各実施形態では、冷却孔61の加工と同期して冷却孔61の位置を測定するとともに測定結果を加工制御装置100にフィードバックするようにしたが、本発明の加工孔の位置測定装置は、このような用途に限定されない。本発明の加工孔の位置測定装置は、例えば、冷却孔61の加工終了後に加工品質を確認すべく冷却孔61の位置を測定することにも使用できる。
(2)上記実施形態では、孔深さdが連続して3回(3箇所)で浅くなったときに、反射要因を冷却孔61であると判断するようにしたが、反射要因を冷却孔61であると判断するための、孔深さdが連続して浅くなる回数は、3回に限定されない。情報取得手段42は走査距離ΔX毎に情報を取得するが、上記回数は、走査距離ΔXや冷却孔61の径などに応じて適宜設定されるものである。
10 位置測定装置
20 UT探触子
21 超音波
22 反射波
30 走査機構
40,40A,40B 制御装置
41 走査機構制御部
42 情報取得手段
43,43A 冷却孔位置特定手段(加工孔識別手段,位置判定手段)
44 相関処理手段
60 ガスタービン翼
61 ガスタービン翼60の冷却孔
62 ガスタービン翼60の表面
d,d(n+1),d(n+2) 孔深さ
d0 孔深さの閾値
H,H1,H2 エコー高さ
Ha エコー高さHの基準高さ
H0 エコー高さHの閾値
P1 反射波22の立ち上がり位置
P2 反射波22の極大値の位置(ピーク位置)
t,t1,t2 エコー戻り時間
X,Z 走査機構の走査方向
X(n), X(n+1), X(n+2) 測定箇所
ΔX 走査距離

Claims (5)

  1. 検査対象に穿設された加工孔の位置を測定する、加工孔の位置測定装置であって、
    超音波を発信する発信手段及び前記超音波の反射要因からの反射波を受信する受信手段を有する探触子と、
    前記探触子を、前記加工孔の穿孔方向を横切る方向へ所定の幅に亘って走査する走査機構と、
    前記探触子の測定箇所の位置情報と、前記反射波のエコー戻り時間及びエコー高さからなる反射波情報とをセットにして、前記探触子が走査機構により測定箇所を所定距離だけ変更される毎に繰り返し取得する、情報取得手段と、
    前記エコー高さが閾値以上となった後に、前記エコー戻り時間に基づいて検出される孔深さが複数の測定箇所に亘って連続して減少した場合には、前記探触子の前記超音波の発信方向にある前記反射要因が、前記加工孔であると識別する、加工孔識別手段とを備えた
    ことを特徴とする、加工孔の位置測定装置。
  2. 前記複数の測定箇所が3箇所である
    ことを特徴とする、請求項1記載の加工孔の測定装置。
  3. 前記加工孔識別手段により前記反射要因が前記加工孔であると識別された後において、検出された前記孔深さが、前回の測定箇所で検出された前記孔深さよりも増加した場合には、前記の前回の測定箇所から前記発信方向に前記加工孔が位置すると判定する、位置判定手段をさらに備えた
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加工孔の測定装置。
  4. 前記発信手段は、超音波として、低周波成分を含むチャープ波を発信し、
    反射波のノイズを除去するための相関処理手段をさらに備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の加工孔の測定装置。
  5. 前記位置判定手段が、前記エコー高さの時間的な変化を表す波形において、立ち上がり位置又はピーク位置における前記エコー戻り時間に基づいて、前記加工孔の深さを判定する
    ことを特徴とする、請求項4記載の加工孔の測定装置。
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