JP2016189702A - 細胞分析モデル生成装置及び細胞分析モデル生成方法、細胞分析装置及び細胞分析方法、並びにプログラム - Google Patents
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Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
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Abstract
Description
そこで、本発明者らは、非破壊で細胞に関する分析を行う技術について、安価かつ簡便に実現できるように研究開発をし続けている(特許文献1乃至5参照)。
各種の分析モデル毎に、適合する細胞分析用情報は異なる場合が多い。つまり、各種分析モデル毎に、細胞分析用情報の構造や種類が異なる場合が多い。ここで、細胞分析用情報とは、析モデルを生成する際に必要なサンプルの細胞に関する情報や、分析対象の細胞に関する情報をいう。
このため、各種の分析モデル毎に適合する細胞分析用情報を効率的に生成することが要求されていた。換言すると、分析内容、分析手法、各種条件毎に適合する分析モデルを効率的に生成し、そのような分析モデルを用いて、分析内容、分析手法、各種条件毎に適切な分析を行うことが要求されていた。
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから生成された特徴群情報であって、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が保持されている場合、
サンプルとなる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成される情報を、サンプルデータとして取得する情報取得手段と、
取得された1以上の前記サンプルデータを用いて、細胞に関する分析をするための分析モデルを生成するモデル生成手段と、
を備える。
1以上のサンプルデータから生成された分析モデルを用いて、細胞に関する分析処理を実行する細胞分析装置において、
分析評価の対象となる細胞画像についての、前記サンプルデータと同一形態のデータを評価対象情報として取得する取得手段と、
取得された前記評価対象情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記評価対象情報に対応する前記細胞画像に対する分析処理を実行する分析手段と、
を備え、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が生成され、
サンプル又は評価対象となる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成された情報である。
細胞分析装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、図示せぬネットワークを介して他の装置(本実施形態では後述の図2の外部装置81や前処理装置82)との間で行う通信を制御する。
細胞分析処理とは、1以上の細胞を被写体として含む画像(以下、「細胞画像」と呼ぶ)のデータと、所定の分析モデルとに基づいて、当該細胞に関する所定の分析を行い、その分析結果を出力するまでの一連の処理をいう。
ここで、細胞に関する所定の分析とは、当該細胞を被写体とする細胞画像に基づく分析であれば足りる意である。即ち、細胞に関する所定の分析は、当該細胞の種類や状態を分析することは勿論のこと、当該細胞の外部(周囲環境等)を分析することも含む広義な概念である。
また、記憶部18の一領域には、特徴群情報DB61、細胞評価DB62、及び分析モデル保持部63が設けられる。
つまり、細胞画像を提供する者を、以下、「ユーザ」と呼ぶならば、ユーザは、細胞分析装置1を保有しない場合等には、外部装置81を操作して、インターネット等を介して細胞画像のデータを細胞分析装置1に提供する。一方、ユーザは、細胞分析装置1を保有する場合等には、さらに前処理装置82も保有し、当該前処理装置82で生成した細胞画像のデータを細胞分析装置1に提供する。
前処理装置82は、細胞を調整する細胞調整部71と、当該細胞を撮影して細胞画像のデータとして出力する細胞撮影部72とを有している。
集団情報としては、例えば、細胞集団における所定の特徴パラメータのヒストグラムや、細胞集団における所定の特徴パラメータの統計値(平均値や分散値等の数値)が含まれる。
例えば所定の容器内の細胞集団が被写体とされ、時間経過と共に複数回細胞画像が撮像される場合がある。このような場合、撮像時刻が異なる複数枚の細胞画像の各データに基づいて、特徴群情報が生成される場合もある。
また例えば、異なる容器(ウェル等)で別々に培養された同一種類の細胞について、異なる容器毎に別々に撮影された複数枚の細胞画像の各データに基づいて、特徴群情報が生成される場合もある。
このように、特徴群情報は、任意の枚数の細胞画像の各データに基づいて生成され得る。
ノイズとなるデータは、例えば、細胞の培養時において手技が不良であった際の細胞画像のデータ、即ち、当該細胞画像のデータに基づいて生成された特徴群情報等から抽出されるサンプルデータである。
ここで、「特徴群情報の少なくとも一部に基づいて、サンプルデータを生成」するとは、特徴群情報の構成要素(特徴パラメータの値)の一部を単に抽出することのみならず、任意の個数の任意の種類の構成要素を用いて新たなデータを生成することも意味する。
従って、分析内容の種類毎に、分析モデルも複数種類存在する可能性がある。つまり、細胞の種類を分析するための分析モデルと、培養されている細胞の状態を判断するための分析モデルと、細胞が培養されている外部環境を分析するための分析モデルとの夫々では、異なる種類が採用されている場合が多い。
また、分析内容が同一種類であっても、多種多様な分析手法や各種条件等が存在する。従って、分析手法や各種条件によっても異なる種類の分析モデルが用いられる場合が多い。
つまり、特徴群情報に含まれる全ての種類の特徴パラメータの値が、そのままサンプルデータとして常に用いられるわけではない。
即ち、分析内容、分析手法、各種条件等毎に、特徴パラメータの種類や個数が異なる組合せが抽出され、抽出された夫々の組合せに基づいて、サンプルデータが生成される場合もある。
この場合、細胞の種類を分類する分析モデルの生成用に、第1特徴パラメータと第3特徴パラメータとの各値から、サンプルデータが生成される場合もある。
一方、培養されている細胞の状態を判断する分析モデルの生成用に、第2特徴パラメータと、第3特徴パラメータと、第4特徴パラメータとの各値から、サンプルデータが生成される場合もある。
つまり、特徴群情報のN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータに基づいて、M種類(MはNとは独立した1以上の整数値)のパラメータの各値から構成されるサンプルデータが生成される。
このM種類のパラメータは、N種類の特徴パラメータとは独立した概念である。即ち、分析内容、分析手法、各種条件等毎に、サンプルデータを構成するM種類のパラメータの種類や個数が異なる場合が多い。
ここで、所定の条件は、特に限定されず、例えば「同一容器内の時刻t1乃至t5の夫々の細胞画像」という条件を採用してもよい。この条件が採用された場合、同一容器内の時刻t1乃至t5の夫々の5枚の細胞画像から得られた特徴群情報に基づいて、1のサンプルデータが生成される。
具体的には例えば、上述の例の第1特徴パラメータ乃至第4特徴パラメータを含む特徴群情報があったとする。
そして、細胞の種類を分類する分析モデルの生成用に対しても、培養されている細胞の状態を判断する分析モデルの生成用に対しても、第3特徴パラメータの値が、サンプルデータのパラメータの値として採用されるものとする。
この場合であっても、細胞の種類を分類する分析モデルの生成用については、時刻t1と時刻t2との各値がサンプルデータに含められる一方で、培養されている細胞の状態を判断する分析モデルの生成用については、時刻t4の値がサンプルデータに含められる場合もある。
即ち、同じ特徴パラメータであっても時刻が異なる値は、夫々違う意味を持つ独立したデータである。このため、分析内容、分析手法、各種条件等毎の時間変化の違いを考慮して、サンプルデータが生成される場合がある。
このような特徴群情報に含まれるN種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて生成される、M種類のパラメータの値から構成されるデータが、サンプルデータである。
つまり、サンプルデータのM種類のパラメータは、N種類の特徴パラメータとは独立したものであり、当然ながらN種類の特徴パラメータのうち幾種類かの特徴パラメータを含み得るが、それとは別のパラメータも含み得る。
ここで、特徴パラメータ以外の別のパラメータを、以下、「付帯パラメータ」と呼ぶ。付帯パラメータとしては、例えば時間のパラメータを採用することができる。また例えば、外部環境や各種条件等で定義されるパラメータも、付帯パラメータである。また例えば、後述の図25乃至図27の例のサンプルデータでは、所定の3次元空間を構築する各軸を示すパラメータが構成要素になっている。この各軸を示すパラメータもまた、付帯パラメータの一種である。
このM種類のパラメータとしては、分析内容、分析手法、各種条件等に応じて、任意な種類の任意の個数の組み合わせを採用することができる。つまり、1の特徴群情報から、分析内容、分析手法、所定条件等に夫々適した異種類で異構造のサンプルデータを個別に生成することができる。その結果、分析内容、分析手法、所定条件等に夫々適した分析モデルの生成が可能になる。つまり、各種の分析モデル毎に適合するサンプルデータ(細胞分析用情報の1種)を効率的に生成することができる。
これにより、各種各様な分析内容、分析手法、所定条件等の夫々について、細胞に関する分析を総合的に行うことが容易かつ適切に可能になる。
そして、分析モデル生成部44は、分析内容、分析手法、各種条件等毎に種類や構造が異なるサンプルデータを1個以上用いて、分析内容、分析手法、各種条件等毎に複数の分析モデルを夫々生成する。
これらの各分析モデルは、各サンプルデータの種類や構造を示す情報と対応付けられて、分析モデル保持部63に保持される。
細胞画像に対応する評価対象情報とは、当該細胞画像の被写体となる細胞集団(例えば所定容器内の細胞集団)に対して、所定の評価法を用いて行った破壊的細胞評価の結果を示す情報である。つまり、所定の細胞集団に対して、細胞画像とは別の手段で分析評価された情報が、評価対象情報である。
破壊的細胞評価は、特に限定されず、ゲノム、遺伝子発現、タンパク質、代謝産物、相互詐称、生体移植結果、治療成績等任意のものを採用することができる。
なお、評価対象情報は、数値化情報として細胞評価DB62に格納されると好適である。評価対象情報の値を、所定の分析モデルを生成する際のサンプルデータ(多次元情報)の要素値(所定のパラメータの値)として含めることができるからである。
即ち、上述したように、分析モデルの種類毎に、生成時に用いられたサンプルデータの形態が異なる場合がある。
従って、評価対象情報も、利用対象の分析モデルの生成時に用いられたサンプルデータと同様な形態である必要がある。
この場合、「当該特徴群情報に含まれるN種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類」や、「M種類のパラメータ」は、利用対象の分析モデルのサンプルデータが生成されたときのものと同一種類である。
なお、出力情報の具体例については、図28及び図29を参照して後述する。
次に、このような図2の機能的構成を有する細胞分析装置1のうち、特徴群情報生成部42の詳細な構成について、図3を参照して説明する。
また、記憶部18(図1)の一領域には、数値化情報蓄積部101と、第1特徴群情報蓄積部102と、第2特徴群情報蓄積部103と、第3特徴群情報蓄積部104とが設けられる。
1枚の細胞画像から生成された特徴群情報、即ち、当該細胞画像に含まれる細胞オブジェクトの夫々の各種特徴パラメータの値(数値)の集合体からなる情報は、数値化情報蓄積部101に蓄積される。即ち、数値化情報蓄積部101は、1枚の細胞画像を単位として、複数単位の特徴群情報を蓄積する。
図4の例では、1枚の細胞画像G1のデータが処理単位として画像数値化部91に与えられる。
画像数値化部91は、細胞画像G1のデータから2値化データG2を生成する。画像数値化部91は、2値化データから「XXX」個(XXXは、任意の整数値)の細胞オブジェクト候補を抽出する。ここで、細胞オブジェクトとせずに候補としたのは、細胞ではないノイズとなるオブジェクト(以下、「ノイズオブジェクト」と呼ぶ)が含まれるからである。
このような各細胞オブジェクト毎の9種類の特徴パラメータの値(数値化データ)が網羅されたリストが、細胞画像G1の特徴群情報I1である。
そこで、ステップS1において、画像数値化部91は、適当なアルゴリズムに従って、細胞オブジェクト候補からノイズオブジェクトを判定し、当該ノイズオブジェクトの数値化データを除外する。
図4の例では、IDが「Cell 001」及び「Cell 002」の細胞オブジェクト候補がノイズオブジェクトと判定されている。このため、細胞画像G1の特徴群情報I1から、当該ノイズオブジェクトについての数値化データが除外され、細胞画像G1の特徴群情報I2が生成される。
図4の例では、IDが「Cell 003」及び「Cell 004」の細胞オブジェクト候補がノイズオブジェクトと判定されている。このため、細胞画像G1の特徴群情報I1から、当該ノイズオブジェクトについての数値化データが除外され、細胞画像G1の特徴群情報I3が生成される。
例えば図5は、特徴パラメータの具体的な10種類を説明する図である。
図5において、1行は所定の種類の特徴パラメータを示している。1列目の項目は、パラメータ番号を示している。2列目の項目は、特徴パラメータの名称を示している。3列目の項目は、特徴パラメータの例(求め方)を示している。4列目の項目は、特徴パラメータの説明を示している。
「Area」は、細胞内のHoleを除く面積を示す特徴パラメータである。ここで、Holeは、コントラストによって、細胞画像の明るさが閾値以上となる部分(位相差観察では白に近い状態となる箇所)である。
「Perimeter」は、細胞の外周の長さを示す特徴パラメータである。
「Length」は、細胞を横切る線のうちの最大値(細胞の全長)を示す特徴パラメータである。
「Breadth」は、「Length」に直交する線のうちの最大値(細胞の横幅)を示す特徴パラメータである。
「Inner radius」は、細胞の内周の半径を示す特徴パラメータである。
「Elliptical form factor」は、「Length」の値を「Breadth」で除した特徴パラメータである。
「Fiber Breadth」は、細胞を擬似的に線状と仮定した場合の幅(Fiber Lengthと直交する方向の長さ)を示す特徴パラメータである。
「Fiber Length」は、細胞を擬似的に線状と仮定した場合の長さを示す特徴パラメータである。
「Shape Factor」は、細胞の円形度(細胞の丸さ)を示す特徴パラメータである。
また、1枚の細胞画像には、細胞集団が含まれているため、図示はしないが集団情報も求められ、特徴群情報に含められる。例えば上述の「Total area」の平均値や分散値等が、特徴群情報に含められ得る。
また、複数個の細胞の所定の形態的特徴量のヒストグラムが求められ、そのヒストグラム内の各ビンの値等が、特徴群情報に含められ得る。
所定の規則は、特に限定されないが、ここでは、同一条件及び同一時間に撮像された複数の細胞画像が第1処理単位になるという規則が採用されている。
次に、複数画像特徴群情報生成部92は、数値化情報蓄積部101から取得した各特徴群情報について、各数値化データを結合したり整理することによって、第1処理単位の特徴群情報を生成する。
第1処理単位の特徴群情報は、第1特徴群情報蓄積部102に蓄積される。
所定の規則は、特に限定されないが、ここでは、複数条件及び同一時間に撮像された複数の細胞画像が第2処理単位になるという規則が採用されている
次に、ヘテロ性情報付加部93は、取得した各特徴群情報について、各数値化データを結合したり整理することによって、ヘテロ性情報が付加された第2処理単位の特徴群情報を生成する。なお、ヘテロ性情報や第2処理単位の特徴群情報の具体例については、図12を参照して後述する。
第2処理単位の特徴群情報は、第2特徴群情報蓄積部103に蓄積される。
所定の規則は、特に限定されないが、ここでは、複数条件及び複数時間(時間変化する相異なる時間)に撮像された複数の細胞画像が第3処理単位になるという規則が採用されている
次に、経時変化情報付加部94は、取得した各特徴群情報について、各数値化データを結合したり整理することによって、経時変化の概念が付加された第3処理単位の特徴群情報を生成する。なお、経時変化の概念が付加された第3処理単位の特徴群情報の具体例については、図9乃至図12を参照して後述する。
第3処理単位の特徴群情報は、第3特徴群情報蓄積部104に蓄積される。
従って、複数画像特徴群情報生成部92乃至特徴群情報出力部95の処理対象は、画像のデータ(イメージデータ)ではなく、数値化データたる特徴群情報である。従って、複数画像特徴群情報生成部92乃至特徴群情報出力部95をまとめて、「数値化情報処理部111」と適宜呼ぶ。
図6は、特徴群情報の生成の基になる細胞画像の一例を示している。
細胞画像CAは、同一容器で培養された種類「CA」の細胞集団を撮像したたものである。
細胞画像CBは、同一容器で培養された種類「CB」の細胞集団を撮像したものである。
細胞画像CCは、同一容器で培養された種類「CC」の細胞集団を撮像したものである。
細胞画像CDは、同一容器で培養された種類「CD」の細胞集団を撮像したものである。
なお、図6の例では、各種類「CA」乃至「CD」について、1枚の細胞画像しか示されていないが、実際には、各種類毎に、別々の時刻t1乃至t10の各タイミングにおいて夫々撮像された10枚の細胞画像が存在するものとする。
なお、ここでいう「時刻」は、絶対的な時刻(世界標準時刻)ではなく、例えば培養開始から1時間後等、所定の基準時(培養開始時刻)からの相対的な時刻を意味する。
特徴群情報の単位は上述したように特に限定されないが、図7及び図8の例では、細胞の種類が1単位とされ、4単位の特徴群情報が各列に夫々配置されている。
即ち、種類「CA」の細胞の特徴群情報の一部は、(項目名を抜かすと)左から第1列に配置されている。種類「CB」の細胞の特徴群情報の一部は、左から第2列に配置されている。種類「CC」の細胞の特徴群情報の一部は、左から第3列に配置されている。種類「CD」の細胞の特徴群情報の一部は、左から第4列に配置されている。
ここで、「pas」とは(相対的な)時刻を示す。即ち、kpas(kは1乃至10の任意の整数値)は、時刻kに撮像された細胞画像から得られた値であることを示している。
「AVE」は平均値を、「SD」は標準偏差を、夫々示している。
例えば上から1番目の行の要素(Normal_Area_AVE_01pas)は、時刻t1の細胞画像に含まれるノーマルの細胞集団の「Area」の平均値を示している。
また例えば上から12番目の行の要素(Normal_Area_SD_02pas)は、時刻t2の細胞画像に含まれるノーマルの細胞集団の「Area」の標準偏差を示している。
ここで、「bin」とはビンの番号を示す。番号の付し方は特に限定されないが、図8の例では、ヒストグラムが12分割(12ビン)から構成されるものとして、左から順に番号が付されている。
例えば上から1番目の行の要素(Area_1pas_1bin)は、時刻t1の細胞画像に含まれる細胞集団の「Area」のヒスグラムのうち、左から1番目のビンの値を示している。
とある領域の色や濃淡のパターンは、細胞の種類「CA」乃至「CD」毎に異なっていたり、特徴的であったりする。
ここで、「とある領域」とは、列方向にみて、連続している複数の項目からなる連続領域の場合もあるし、非連続となっている複数の項目から形成される領域の場合もある。例えば、図7の上から1乃至10行の連続領域(Normal_Area_AVEの部分)が「とある領域」であってもよい。また例えば、時刻t1,t3の非連続な部分(01pass1,03pass3という項目名を有する非連続な領域)が「とある領域」であってもよい。
ここで例えば、特徴群情報の「とある部分」では、細胞の種類「CA」乃至「CD」の分類が容易に可能となるような、色や濃淡のパターンが存在しているものとする。この場合、「とある領域」の色や濃淡のパターンを見比べる(実際の処理では類似度等の演算をする)ことで、細胞の種類「CA」乃至「CD」の分類を容易に行うことができる。
即ち、細胞の種類「CA」乃至「CD」を分類する分析モデルの生成や更新時には、「とある領域」の各項目値(各特徴パラメータの値)に基づいて、サンプルデータが生成される。
また、未知な細胞を被写体とする細胞画像が評価対象となり、当該未知な細胞を種類「CA」乃至「CD」の何れかに分類する場合、評価対象の特徴群情報のうち「とある領域」の各項目値(各特徴パラメータの値)に基づいて、評価対象情報が取得される。つまり、サンプルデータと同一形態の評価対象情報が取得される。
特徴群情報の次元数N(データの容量)に特に制限がない場合には、細胞画像から得られるあらゆる特徴パラメータのあらゆる値の集合情報(以下、「全体情報」と呼ぶ)を、特徴群情報として採用することができる。
しかしながら、実際には、特徴群情報の次元数N(データの容量)に制限がある場合もある。このような場合には、細胞画像から得られるあらゆる特徴パラメータのあらゆる値の集合情報の一部を、特徴群情報として採用する必要がある。
一方で、情報量を絞り過ぎた特徴群情報では、高精度の分析の妨げになる。
つまり、考えられ得る全組合せの種類の集団情報の中から、分析内容、分析手法、各種条件等にとって好適な集団情報を含むような特徴群情報を生成する必要がある
例えば、図9の例では、細胞の種類「A」、「B」、及び「C」を分類する場合が想定されている。
この場合、同一の種類「A」であったとしても、1枚の細胞画像には多数の細胞オブジェクトが含まれており、特徴パラメータの値は夫々バラついている。従って、恣意的に抽出された2個の細胞単体の特徴パラメータの値は、種類「A」の代表値とは限らない。また、特徴パラメータの値は時間変化する場合もあり、ランダムな時間タイミングで抽出された2個の細胞単体の特徴パラメータの値が、種類「A」の代表的値とは限らない。
以上のことから、時間変化を考慮せずに、恣意的に選抜された幾つかの細胞単体の特徴パラメータの値のみを特徴群情報とした場合、細胞の種類「A」、「B」、及び「C」を精度よく分類することは困難な場合が多い。
例えば図9(B)の例では、全体情報のうち、形としては、細胞集団における特徴量の代表値が抽出され、時間的には、当該特徴量の代表値が定期的に抽出された場合の経時情報(時間方向の集合体)が、特徴群情報として採用される。
例えば図9(C)の例では、全体情報のうち、形としては、細胞集団における特徴量の情報全体が抽出され、時間的には、当該特徴量の情報全体が定期的に抽出された場合の経時情報(時間方向の集合体)が、特徴群情報として採用される。
ここで、図9に示すように、図9(A)→図9(B)→図9(C)に従って特徴群情報の情報量(次元Nの数)が増加していくことになる。
即ち、例えば図9(D)の例に示すように、全体情報のうち、形としては、細胞集団における特徴量のうち有効なものの強調と組合せによる加工がなされたものが抽出され、時間的には、当該細胞集団における特徴量のうち有効なものの強調と組合せによる加工がなされたものが定期的に抽出された場合の経時情報(時間方向の集合体)が、特徴群情報として採用される。
図10の例では、同一種類の細胞集団が所定容器で培養され、時間と共に細胞数も増加するものとする。
つまり、図10には、細胞画像Gaには1つの細胞のみが図示され、細胞画像Gbには2つの細胞のみが図示され、細胞画像Gcには4つの細胞のみが図示されていようにみえるが、当然ながら、図10の細胞画像Gに示すように、実際には細胞集団が所定容器に含まれている。つまり、図10の細胞は、1個の細胞を示しているのではなく、時間毎に増加する割合(=1:2:4)を示している。
例えば、集団情報として、細胞集団の「形」のヒストグラムから得られる数値データIka、細胞集団の「動き」のヒストグラムから得られる数値データIua、及び、細胞集団の「表面」のヒストグラムから得られる数値データIhaが、特徴群情報Iaに含まれている。
ここで、細胞集団の「形」のヒストグラムでは、中央左側の3つのビンが、「形」を特徴づけるものである。換言すると、ヒストグラム全体では、「形」の特徴が薄らいでしまうため、「形」の特徴を「強調」すべく中央左側の3つのビンが抽出されている。
一方、「動き」の特徴を「強調」すべきビンとしては、「形」とは異なり、右側の5つのビンが抽出されている。また、「表面」の特徴を「強調」すべきビンとしては、「形」や「動き」とは異なり、両端の6つのビンが抽出されている。
これらの各特徴(形、動き、表面)毎に強調された情報(抽出されたビン)の夫々が、数値データIka、数値データIua、及び、数値データIhaの夫々である。
そして、これら数値データIka、数値データIua、及び、数値データIhaの「組合せ」により、特徴群情報Iaがつくられている。
例えば、集団情報として、細胞集団の「形」のヒストグラムから得られる数値データIkb、細胞集団の「動き」のヒストグラムから得られる数値データIub、及び、細胞集団の「表面」のヒストグラムから得られる数値データIhbが、特徴群情報Ibに含まれている。
つまり、各特徴(形、動き、表面)毎に強調された情報(抽出されたビン)の夫々が、数値データIkb、数値データIub、及び、数値データIhbの夫々である。そして、これら数値データIkb、数値データIub、及び、数値データIhbの「組合せ」により、特徴群情報Ibがつくられている。
例えば、集団情報として、細胞集団の「形」のヒストグラムから得られる数値データIkc、細胞集団の「動き」のヒストグラムから得られる数値データIuc、及び、細胞集団の「表面」のヒストグラムから得られる数値データIhcが、特徴群情報Icに含まれている。
つまり、各特徴(形、動き、表面)毎に強調された情報(抽出されたビン)の夫々が、数値データIkc、数値データIuc、及び、数値データIhcの夫々である。そして、これら数値データIkc、数値データIuc、及び、数値データIhcの「組合せ」により、特徴群情報Icがつくられている。
このようなパターンは、図10の例の3種類に限定されず、任意の種類を設定することができる。
図11は、分布中の情報強調のパターンの各種具体例を示している。
図11(A)は、ヒストグラムの全分布情報を用いるパターンを示している。
ここで、ヒストグラムとして、個数での絶対値情報(図11の細胞画像Gから得られた各個数をそのままヒストグラム化したもの)と、データベース内の標準値を用いた標準正規化情報(図11の細胞画像Gから得られた各個数を正規化してヒストグラム化したもの)との両者を選択的に採用することができる。
図11(B)は、ヒストグラムの平均値・中央値を用いるパターンを示している。
図11(C)は、ヒストグラム(分布)中の80%信頼区間以内の情報を用いるパターンを示している。
図11(D)は、ヒストグラム(分布)中の平均値より上の情報を用いるパターンを示している。
図11(E)は、分布中の80%信頼区間以外の情報を用いるパターンを示している。
従って、図3を用いて上述したように、同一時間で同一条件の他の細胞画像(例えば複数のウェルの細胞画像)が存在するならば、複数画像特徴群情報生成部92により、当該他の細胞画像の特徴群情報と結合したり整理されたりし、その結果得られる第1単位の特徴群情報が第1特徴群情報蓄積部102に蓄積される。
ヘテロ性情報付加部93については、図12を参照して後述するものとして、経時変化情報付加部94の処理について説明する。
経時変化情報付加部94は、特徴群情報Ia乃至Icの夫々のうち、集団情報について、経時変化という点を考慮した加工(結合や整理等)をすることによって、第3処理単位の特徴群情報を生成する。
なお、上述の図12は、3つの異なるタイミングの細胞画像に基づく例とされているのに対して、この図12は4つの異なるタイミング(24h、48h、72h、及び96h)の細胞画像Ga,Gb,Gc,Gdに基づく例とされている。しかしながら、図12に示す各加工手法の考え方は図10の例にも同様に当てはまる。
標準化整理タイプAとは、分布(ヒストグラム)として、上述の図11に示す、個数での絶対値情報(図11の細胞画像Gから得られた各個数をそのままヒストグラム化したもの)を採用するパターンである。
標準化整理タイプBとは、上述の図11に示す、データベース内の標準値を用いた標準正規化情報(図11の細胞画像Gから得られた各個数を正規化してヒストグラム化したもの)を採用するパターンである。
図12(B)は、図11(B)のヒストグラムの平均値・中央値を用いるパターンを採用した場合の、時刻t1乃至t5の経時変化を考慮した特徴群情報を模式的に示したものである。
図12(C)は、図11(C)のヒストグラム(分布)中の80%信頼区間以内の情報を用いるパターンを採用した場合の、時刻t1乃至t5の経時変化を考慮した特徴群情報を模式的に示したものである。
図12(D)は、図11(D)のヒストグラム(分布)中の平均値より上の情報を用いるパターンを採用した場合の、時刻t1乃至t5の経時変化を考慮した特徴群情報を模式的に示したものである。
図12(E)は、図11(E)の分布中の80%信頼区間以外の情報を用いるパターンを採用した場合の、時刻t1乃至t5の経時変化を考慮した特徴群情報を模式的に示したものである。
図13は、ヘテロ性情報付加という点を考慮した集団情報の加工手法の各種具体例を示している。
ヘテロ性情報付加とは、複数条件及び同一時間に撮像された複数の細胞画像の関係性を示す情報を付加することをいう。即ち、複数条件及び同一時間に撮像された複数の細胞画像から夫々得られた特徴群情報について、条件変化という点を考慮した加工(結合や整理等)をすることをいう。
同様に、培養条件Bについては、時刻t1における特徴群情報IgBt1,時刻t2における特徴群情報IgBt2,時刻t3における特徴群情報IgBt3がまとめられて(加工されて)、特徴群情報IgBが構成される。
培養条件Cについては、時刻t1における特徴群情報IgCt1,時刻t2における特徴群情報IgCt2,時刻t3における特徴群情報IgCt3がまとめられて(加工されて)、特徴群情報IgcC構成される。
つまり、培養条件という条件変化という点を考慮したヘテロ性情報が付加されたことになる。
さらに、高次情報における優先順位付けが行われて、細胞品質(ここでは細胞Aの品質)を表現する高次元情報としての特徴群情報Ig2が得られる。
つまり、図3の機能ブロック図は、後者の例の機能ブロック図となっているが、図13に併せて、経時変化情報付加部94とヘテロ性情報付加部93との配置順番を入れ替えても良い。
即ち、図14の例では、所定の1列が、1つの種類の細胞品質を表現する高次元情報としての特徴群情報となっている。
なお、図14の例では、240種類の細胞品質を表現する高次元情報を単に並べたものではなく、後述するクラスタリング等によって高次情報の類似度が近いもの同士が近くなるように配置されたものである。そういった点で、類似度の近い/遠いを示す分岐図は分析モデルの一種であると把握することもできるし、そのように把握した場合、図14のデータは、当該分析モデルを導出したサンプルデータ群と把握することもできる。
次に、図15乃至図27を参照して、当該特徴群情報からサンプルデータを生成して、当該サンプルデータを用いて分析モデルを生成するまでの一連の流れについて具体的に説明する。
図15の例のサンプルデータは、細胞品質変化を予測するための分析モデルを生成するために用いられるものとする。
これに対して、本実施形態では、細胞集団の細胞形態の分布(ヒストグラム)から、図11に示す各パターン毎の情報が各時刻毎に抽出された集合体P21が得られる。当該集合体P21に基づいて特徴群情報P22が生成される。そして、当該特徴群情報P22がまとめられ(必要に応じて整理や加工がされて)、高次元の特徴群情報P23が得られる。
この特徴群情報P23から、任意の個数の任意の組合せのデータをサンプルデータとして採用することができる。
図16の例では、品質A乃至Eの夫々についてのサンプルデータの一例が示されている。
図16において、少数特徴量情報P1とは、図15の従来のサンプルデータP12に対応するものである。
高次元特徴量情報P2とは、図15の本実施形態の高次元の特徴群情報P23に対応するものである。
「細胞形態の平均」とは、図16の少数特徴量情報P1(図15の従来のサンプルデータP12)を用いた場合の予測精度を示している。
「標準化タイプA」とは、図16の高次元特徴量情報P2(図15の高次元の特徴群情報P23)のうち、図12(A)のヒストグラムの全分布情報を用いるパターンの時系列情報の部分をサンプルデータとして抽出し、当該サンプルデータを用いた場合の予測精度を示している。
「標準化タイプB」とは、図16の高次元特徴量情報P2(図15の高次元の特徴群情報P23)のうち、図12(B)のヒストグラムの平均値・中央値を用いるパターンの時系列情報の部分をサンプルデータとして抽出し、当該サンプルデータを用いた場合の予測精度を示している。
「標準化タイプC」とは、図16の高次元特徴量情報P2(図15の高次元の特徴群情報P23)のうち、図12(C)のヒストグラム(分布)中の80%信頼区間以内の情報を用いるパターンの時系列情報の部分をサンプルデータとして抽出し、当該サンプルデータを用いた場合の予測精度を示している。
「標準化タイプD」とは、図16の高次元特徴量情報P2(図15の高次元の特徴群情報P23)のうち、図12(D)のヒストグラム(分布)中の平均値より上の情報を用いるパターンの時系列情報の部分をサンプルデータとして抽出し、当該サンプルデータを用いた場合の予測精度を示している。
「標準化タイプE」とは、図16の高次元特徴量情報P2(図15の高次元の特徴群情報P23)のうち、図12(E)の分布中の80%信頼区間以外の情報を用いるパターンの時系列情報の部分をサンプルデータとして抽出し、当該サンプルデータを用いた場合の予測精度を示している。
つまり、本実施形態では、高次元の特徴群情報P23から、任意の個数の任意の組合せ(全個数含む。つまり高次元の特徴群情報P23そのものを含む)の情報群をサンプルデータとして用いることができる。
従って、所定の分析モデルを生成するに際し、その分析モデルが用いられる分析内容、分析手法、各種条件等に適合したサンプルデータ(図17の例では標準化タイプE)を見つけることができれば、当該サンプルデータを用いて、分析内容、分析手法、各種条件等に適合した分析モデルを生成することが可能になる。
図18において、行方向は正答のラベルを示し、列方向は分析結果のラベルを示している。
所定種類(品質)の細胞・所定細胞培養条件の組に対して、55回の分析が行われ、その分析結果が四角印で示されている。つまり、正答のラベルと分析結果のラベルが一致する項目に、分析結果の四角印が付されている場合、予測が成功したことを示している。
図18に示すように、非常に高精度の予測ができていることがわかる。
複数のサンプルデータIga乃至Igjは、上述したように、イメージデータではなく数値化データであり、具体的にはM種類のパラメータを要素として含む多次元情報である。
ここで、サンプルデータを構成する1要素の数値単体も、細胞の形態的特徴量等を示す値であり、有意情報である。
しかし、これらの各要素の組合せからなるサンプルデータIga乃至Igjは全体として、他のサンプルデータとの比較においてさらに特徴的な有意情報となる。
図19の例では、各要素はその値に応じた色や濃度で夫々表されており、これらの各要素の色や濃度の集合として形成される「模様」が、各サンプルデータIga乃至Igjの特徴をよく表す有意情報となっていることがわかる。
所定の観点は特に限定されないが、説明の便宜上例えば、細胞の種類を種類Aと種類Bとを分類するという観点が採用されているものとする。そして、スコアが100に近くなる程、種類Aに特有な特徴を多く含んでいる(種類Bに特有な特徴は少なくなっている)ものとする。逆に、スコアが0に近くなるほど種類Bに特有な特徴を多く含んでいる(種類Aに特有な特徴は少なくなっている)ものとする。
つまり、図19の例では、サンプルデータIgaは、スコアが「90」と最高値のため、種類Aに特有な特徴を多く含むデータである。逆に、サンプルデータIge乃至Ighは、スコアが「0」と最低値のため、種類Bに特有な特徴を多く含むデータである。サンプルデータIgiは、スコアが「50」と中央値のため、種類Aに特有な特徴も含むし、種類Bに特有な特徴を含むデータである。
例えば複数のサンプルデータIga乃至Igjの夫々に対して、対応する評価対象情報(破壊テスト等別評価で得られた既知情報)が図2の細胞評価DB62に格納されている場合、当該評価対象情報に基づいてスコアを与える手法を採用してもよい。
具体的には上記の例にあわせると、図20の例は、細胞の種類を種類Aと種類Bに分類するための分析モデルの生成例になる。
図20(A)の例では、分析モデル生成部44は、複数のサンプルデータIga乃至Igjを用いて機械学習を実行することにより、サンプルデータのM個のパラメータの各値Xを入力パラメータとしてスコアYを出力する関数(同図の例では、Y=aX+bX+cX)を生成又は更新する。
評価対象情報取得部46は、当該特徴群情報から、サンプルデータIga乃至Igjと同形態(M個のパラメータが同一)のデータを、評価対象情報として評価対象情報取得部46から取得する。
当該評価対象情報のスコアYが100に近い場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Aの可能性が高いと分析されたことになる。
当該評価対象情報のスコアYが0に近い場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Bの可能性が高いと分析されたことになる。
当該評価対象情報のスコアYが中間値の場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Aとも種類Bとも判断できないと分析されたことになる。
図20(B)の例では、分析モデル生成部44は、複数のサンプルデータIga乃至Igjを、所定のアルゴリズムを用いてクラス分類する。クラス分類の結果できるクラスの種類や個数は、複数のサンプルデータIga乃至Igjや所定のアルゴリズムに依存するが、ここでは、3つのクラスCA,CB,CNに分類されたものとする。
評価対象情報取得部46は、当該特徴群情報から、サンプルデータIga乃至Igjと同形態(M個のパラメータが同一)のデータを、評価対象情報として評価対象情報取得部46から取得する。
当該評価対象情報がクラスCAに分類された場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Aの可能性が高いと分析されたことになる。
当該評価対象情報がクラスCBに分類された場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Bの可能性が高いと分析されたことになる。
また、当該評価対象情報がクラスCNに分類された場合、当該評価対象情報に対応する細胞は、種類Aとも種類Bとも判断できないと分析されたことになる。
ここで、クラス分類の手法は特に限定されず、例えば、サンプルデータIga乃至Igjの夫々と評価対象情報との類似度等を夫々求め、類似度等に基づいて当該評価対象情報を分類する、という手法を採用することもできる。この手法が採用された場合、「複数のサンプルデータIag乃至Igと、これらに基づいて生成された3つのクラスCA,CB,CN」により分析モデルは表される。
実際の分析モデルは、例えば図21に示すような、各サンプルデータに基づく領域(図21の楕円状の実線の領域)が積み重なって表される。
即ち、図21は、分析モデルの表現形態の一例を示している。
この分析モデル内の丸印は、サンプルデータ又は評価対象情報を示す。
評価対象情報qbは、種類Aの多くの細胞のサンプルデータに基づく領域内に含まれている。従って、当該評価対象情報qbに対応する細胞は、種類Aの可能性が高い(ただし、評価対象情報qaと比較すると低い)と分析されたことになる。
評価対象情報qdは、種類Bの多くの細胞のサンプルデータに基づく領域内に含まれている。従って、当該評価対象情報qcに対応する細胞は、種類Bの可能性が高い(ただし、評価対象情報qcと比較すると低い)と分析されたことになる。
換言すると、本実施形態のサンプルデータは、特徴群情報を単にそのまま抽出したものではなく、分析内容、分析手法、各種条件等に適合するように、その形態(パラメータ数Mやパラメータの種類の組合せ等)が変化する。
そして、分析内容、分析手法、各種条件等に適合する1以上のサンプルデータから、分析モデルが生成される。従って、当該分析モデルもまた、分析内容、分析手法、各種条件等に適合するものとなっている。
そして、未知の細胞に関する分析が行われる場合、当該未知の細胞のデータとしては、サンプルデータと同一形態の評価対象情報が評価対象情報取得部46により取得される。つまり、分析内容、分析手法、各種条件等に適合した評価対象情報が取得される。
分析部47は、分析内容、分析手法、各種条件等に夫々適合した評価対象情報と分析モデル(サンプルデータ)とを用いて、当該未知の細胞に関する分析処理を実行する。
このようにして、分析内容、分析手法、各種条件等の違いによらず、未知の細胞に関する分析が容易かつ適切に行われる。
つまり、
また、分析対象の細胞についても、評価対象情報が用いられる。この評価対象情報は、サンプルデータと同一形態の数値化情報である。
従って、このような評価対象情報と分析モデル(サンプルデータ)を利用した分析処理の結果を示す出力情報を、数値化情報の羅列(リスト等)で生成することは容易である。
しかしながら、細胞に関する分析を依頼したユーザにとっては、このような数値化情報の羅列(リスト等)だけが提示されても、分析結果等を容易に認識することはできない。
つまり、ユーザへの出力形態としては、数値化情報の羅列(リスト等)のみでは不十分であり、視認しやすい形態もあると好適である。
このようなユーザにとって視認しやすい出力形態を可能にするためには、分析モデルの表現形態が重要になってくる。
例えば上述の図21に示す分析モデルの表現形態、即ち、各サンプルデータに基づく領域(図21の楕円状の実線の領域)を積み重ねて分析モデルを表す形態は、ユーザにとって視認しやすい出力形態の一例である。
図22の例では、所定の2軸(X軸、Y軸)から構成される平面上に、各サンプルデータが点としてプロットされている。各サンプルデータは、自己が属するグループに応じて色分け(同図では異なるハッチングで分類)されている。つまり、同色のサンプルデータが分布する周辺領域が、当該色に対応するグループの領域を示している。
例えば、同図中第4象限においては、サンプルデータSAの付近には、第1色(同図では間隔が一番狭い斜線)のサンプルデータが集中している。
つまり、同図中第4象限の領域は主に、第1色に対応する第1グループの領域であるといえる。
同様に、同図中第1象限の領域(サンプルデータSBの周辺領域)は主に、第2色(同図では間隔が2番目に狭い斜線)に対応する第2グループの領域であるといえる。
Y軸の正側の周辺領域(サンプルデータSCの周辺領域)は主に、第3色(同図では間隔が一番広い斜線)に対応する第3グループの領域であるといえる。
X軸の負側の周辺領域(サンプルデータSDの周辺領域)は主に、第4色(同図では白抜き)に対応する第4グループの領域であるといえる。
これにより、ユーザは、評価対象情報qの配置位置はY軸の正側の周辺領域であるので、評価対象情報qに対応する細胞は第3グループに属する可能性が高い、と容易かつ即座に視認することができる。
例えば細胞の種類を分類するための分析モデルを表現する場合、各プロット点を種類毎に色分けをするという表現形態を採用することができる。
一方、例えば細胞の状態を判断するための分析モデルを表現する場合、各プロット点を状態毎にシンボルの形状を変えるという別の表現形態を採用することができる。例えば状態が、「良」では「〇」(丸印)となり、「中」では「△」(三角印)となり、「悪」では「△」になるような表現形態を採用することができる。
この場合、ユーザは、プロット点の色を見比べることで細胞の種類を比較することが容易かつ即座にできるし、プロットのシンボルの形状を見比べることで細胞の状態を比較することが容易かつ即座にできる。
具体的には、上述したように、サンプルデータ及び評価対象情報は、M種のパラメータを要素とする、M次元の多次元情報であると把握することができる。
従って、サンプルデータや評価対象情報のM種のパラメータに基づいて、2個の要素X,Yを生成するだけで、図22の平面へのプロット点が容易に決定される。
ここで、X軸とY軸とは、特に限定されず、任意でよい。
例えば、サンプルデータや評価対象情報のM次元のうち任意の2次元の軸をそのまま、X軸とY軸として採用することもできる。
また例えば、M次元のうち、任意の数の任意の次元を組合せて新たなX軸を生成し、それとは独立して、任意の数の任意の次元を組合せて新たなY軸を生成することもできる。
例えば図23は、分析モデルの表現形態の一例であって、図21や図22とは異なる例を示す図である。
即ち、分析モデルは、図21や図22の例では2次元空間で表されていたのに対して、図23の例では3次元空間で表されている。
ここで、3次元空間を構築する3軸については、2次元の場合と全く同様に、任意の可変軸であり、ユーザの操作等により、容易に変更することが可能である。
次元の削減は、原則として、元の情報に対する情報量削減(欠落)を意味している。つまり、図21乃至図23の何れの空間も、サンプルデータのM種のパラメータからなるM次元空間(Mが4以上の場合)が射影等されたものであり、元のサンプルデータに対して何らかの情報が欠落した空間となっている。従って、図21や図22の2次元空間と比較して、図23の3次元空間では、その次元数が多い分だけ情報の欠落量も少なくなるため、より多くの情報量をユーザは容易かつ即座に得ることができる。
ここで、2つのデータの類似度は、例えば2つのデータ間の距離として表すことができる。つまり、距離が近いデータ程類似していることになる。
このような距離感を容易に視認可能な表現形態が空間上の点(プロット)であることから、先ず、上述の図21乃至図23の分析モデルの表現形態について説明した。
次に、サンプルデータや評価対象情報の類似度が容易に視認可能となる別の表現形態について、図24を参照して説明する。
図24の例では、終端がある1本の線が、1つのデータを表している。
つまり、複数のサンプルデータの夫々を示す各線の集合体(以下、線を「枝」と呼び、枝の集合体の表現形態を「枝分岐図」と呼ぶ)は、当該複数のサンプルデータを用いて生成された分析モデルを表している。
上述したように、距離が近いほど類似しているので、距離が近い枝の集合体を、1つのグループとして把握することができる。
ここで、図22に示されるように枝の分岐ポイントが幾つか存在するので、枝の分岐ポイントの単位毎に、階層化したグループを生成することも容易にできる。
例えば図24の例では、第1階層においては、通常細胞と老化細胞に分類される。
さらに、夫々の第2階層においては、培養条件の違いにより複数のグループに分類されている。
これにより、ユーザは、枝分岐図における評価対象情報qの枝のプロット位置から、評価対象情報qに対応する細胞は、通常細胞のうち培養条件Aのグループに属する可能性が高い、と容易かつ即座に視認することができる。
つまり、上述したように、サンプルデータと評価対象情報とは、本来M次元の多次元情報である。このM次元を2次元や3次元に圧縮した空間として表現されたものが、図21乃至図24の例である。
つまり、図2の分析部47は、実際には、2次元や3次元のデータによる類似度を演算するのではなく、M次元の各サンプルデータと、M次元の評価対象情報との類似度を演算している。
ただし、説明の便宜上M=3として、各サンプルデータと評価対象情報との類似度の演算手法の概要について、図25乃至図27を参照して説明する。
つまり、図25乃至図27の例ででは、たまたまM=3次元の空間になったに過ぎず、本来的には図23の3次元空間とは異なるものである点に注意を要する。
図25において、同図中横方向の項目は、所定細胞の細胞集団における所定観点(平均値、バランス、分布の形)での各要素(特徴パラメータ)を示している。即ち、サンプルデータの基になる特徴群情報には、図中横方向の各項目の値が、各要素の値として夫々含まれている。
同図中縦方向の項目は、所定細胞における個々の要素(特徴パラメータ)を示している。即ち、サンプルデータの基になる特徴群情報には、図中縦方向の各項目の値が、各要素の値として夫々含まれている。
なお、図25の例では、所定容器で培養される同一種類の細胞集団を被写体として、所定の時刻に撮像された細胞画像についての、特徴群情報ICtが示されている。
ここで、単位情報Iuは、所定細胞についての、所定時刻における、当該所定細胞の個についての特徴パラメータの値群(縦軸の情報群)と、当該所定細胞を含む細胞集団における所定観点での特徴パラメータの値群(横軸の情報群)とに基づいて生成された情報である。
このような単位情報Iuを利用することで、所定細胞についての、所定時刻における、所定観点での細胞集団における位置付けを把握することができる。
例えば図25の左上端の斜線が引かれた単位情報Iuからは、細胞1(所定細胞)の各特徴パラメータの値(例えば長さ)についての、所定時刻における、集団細胞の各特徴パラメータの平均値といった観点(例えば集団全体の長さの平均値という観点)での比較が可能になる。
この場合、図25の特徴群情報ICtは、同一容器に含まれる細胞集団に対して、所定の時刻tk(kは、1乃至nの範囲内の任意の整数値)に撮像された細胞画像の様子を示すものである。
つまり、図26に示すように、同一容器に含まれる細胞集団に対して、時刻t1乃至tnの夫々に撮像された細胞画像の様子を示す、n個の特徴群情報ICt1乃至ICtnが得られる。
これらn個の特徴群情報ICt1乃至ICtnを時間方向に順次積層することで、特徴群情報ICが構成される。
ここで、単位情報Iuの形態は、特に限定されないが、説明の便宜上、「有意情報(1)」であるか、「有意情報でない(0)」のかを示す2値を取る形態とする。
例えば、細胞の種類を分類する等の所定の分析内容が使われる場合において、各単位情報Iuにおける各要素(各種特徴パラメータ)の値の中に、細胞の種類を分類する際に支援となる値が含まれている可能性がある。このような値が含まれていれば、当該単位情報Iuは「有意情報(1)」となる。一方、細胞の種類を分類する際に支援となる値が含まれていなければ、当該単位情報Iuは「有意情報でない(0)」となる。
つまり、同一容器に含まれる同一種類の細胞であっても、個々の細胞の特徴、細胞集団の中での所定観点での位置付け、時間変化等に応じて、「有意情報(1)」になる場合もあるし、「有意情報でない(0)」となる場合もある。
分析モデル生成部44は、このようにして抽出した複数個の単位情報Iuの集合体を、サンプルデータとして生成する。
ここで、単位情報Iuは、図26に示すように、特徴群情報ICを構築する3次元空間上の位置座標、つまり3次元情報で表すことができる。
即ち、図27に示すように、特徴群情報Icを構築する3次元空間上に夫々配置された、「有意情報(1)」の単位情報Iu(図27ではハッチングが付された単位情報Iu)の集合体が、サンプルデータになる。
例えば、図27の右上のサンプルデータICS1が、種類Aを示すものであるとする。また例えば、図27の中央下のサンプルデータICS2が、種類Bを示すものであるとする。
つまり、これらサンプルデータICS1,ICS2等の集合体が、細胞の種類を種類Aと種類Bに分類する分析モデルとなる。
即ち、少なくとも20次元以上の特徴群情報から3次元のサンプルデータが抽出されたことと等価になる。
この場合、評価対象情報取得部46は、上述のサンプルデータICS1,ICS2と全く同様の手法で構築されるデータを、図27の左上に示す評価対象情報Ictとして取得する。
距離の算出手法は、特に限定されず、例えばユークリッド距離やマハラノビスの距離の手法を採用することができる。
図27の例では、評価対象情報IctとサンプルデータICS2との距離の方が、評価対象情報IctとサンプルデータICS1との距離よりも近いので、評価対象情報IctはサンプルデータICS2に類似していると判断される。
即ち、評価対象情報Ictに対応する細胞は、サンプルデータICS2が示す種類Bの可能性が高いと分析されたことになる。
図28の例の画面G0には、分析対象の細胞(培養中の細胞)の種類等の分析結果が、数値を羅列したリストだけではなく、ユーザに視認しやすい所属スペースマップや所属マップとして表示される。
所属マップは、図23を用いて上述したように、各種サンプルデータを1つの枝(線)と見立てて、近い枝ほど類似している様子を示す枝分岐図である。図27の例では「Query」と記載されたプロット点(丸印)が、評価対象情報を示している。
このように、ユーザは、所属スペースマップや所属マップをみるだけで、評価対象の細胞の分析結果(どのような種類に属する可能性が高いのか等)を即時かつ容易に視認することができるので、便宜である。
つまり、種類Aと断定するのではなく、種類Aのサンプルとの類似度(種類Aになる確率)という観点で提示している。
これにより、ユーザにとってはより正確で有意な情報が得られる。例えば、上述したように、種類Aと種類Bの両方の可能性がある場合に、種類Aの可能性が少し高いだけなのに種類Aと断定された結果が提示されたとする。この場合、実際には種類Bであるとすると間違った分析結果を伝えたことになり、ユーザにとって後々困ったことが起こり得る。
これに対して、本実施形態では、種類Aと種類Bの両方の可能性があることが提示される。これにより、種類Bとなる可能性も考慮してユーザは検討できるので、実際に種類Bであった場合にも容易に対処することができる。
即ち、説明の便宜上、細胞の種類を分類する分析手法を主に説明してきたが、サンプルデータと評価対象情報を同様に比較して分析することにより、「由来」の類似度も出力することが可能である。この「由来」の類似度が、相同性スコアである。
例えばランキング2位と3位のサンプルデータを比較すると、評価確率(種類の類似度)は2位のサンプルデータが「78」であるのに対して、3位のサンプルデータが「75」と大差ない。しかしながら、相同性スコア(由来の類似度)では、2位のサンプルデータが「80」であるのに対して、3位のサンプルデータが「70」と差が大きい。従って、ユーザは、分析対象の細胞の「由来」は、「脂肪」ではなく「骨髄」であるとある程度判断することが容易にできる。
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから生成された特徴群情報であって、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が保持されている場合(例えば図2の特徴群情報DB61に保持されている場合)、
サンプルとなる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成される情報を、サンプルデータとして取得する情報取得手段(例えば図2の分析モデル生成部44の情報取得機能)と、
取得された1以上の前記サンプルデータを用いて、細胞に関する分析をするための分析モデルを生成するモデル生成手段(例えば図2の分析モデル生成部44のモデル生成機能)と、
を備える細胞分析モデル生成装置である。
これにより、細胞に関する分析について、分析内容、分析手法、各種条件毎に適合する分析モデルを効率的に生成することができる。
1以上のサンプルデータから生成された分析モデルを用いて、細胞に関する分析処理を実行する細胞分析装置において、
分析評価の対象となる細胞画像についての、前記サンプルデータと同一形態のデータを評価対象情報として取得する取得手段(例えば図2の評価対象情報取得部46)と、
取得された前記評価対象情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記評価対象情報に対応する前記細胞画像に対する分析処理を実行する分析手段(例えば図2の分析部47)と、
を備え、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が生成され、
サンプル又は評価対象となる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成された情報である、
細胞分析装置である。
これにより、分析内容、分析手法、各種条件毎に適切な、細胞に関する分析を行うことができる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
Claims (10)
- 複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから生成された特徴群情報であって、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が保持されている場合、
サンプルとなる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成される情報を、サンプルデータとして取得する情報取得手段と、
取得された1以上の前記サンプルデータを用いて、細胞に関する分析をするための分析モデルを生成するモデル生成手段と、
を備える細胞分析モデル生成装置。 - 前記N種類の特徴パラメータは、前記細胞集団における所定観点での特徴パラメータを1種類以上含んでおり、
前記情報取得手段は、前記細胞集団における所定観点での前記特徴パラメータを少なくとも含む1種類以上の特徴パラメータに基づいて、前記サンプルデータを取得する、
請求項1に記載の細胞分析モデル生成装置。 - 前記特徴群情報の生成元となる前記単位を構成する前記細胞画像の少なくとも一部は、撮像タイミングが異なっており、
前記サンプルデータは、前記細胞画像の撮像タイミングを特定可能な時間情報を、前記M種類のパラメータの値の1つとして含む、
請求項1又は2に記載の細胞分析モデル生成装置。 - 細胞に関する分析をするための分析モデルを生成する細胞分析モデル生成装置が実行する細胞分析モデル生成方法であって、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから生成された特徴群情報であって、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が保持されている場合、
サンプルとなる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成される情報を、サンプルデータとして取得する情報取得ステップと、
取得された1以上の前記サンプルデータを用いて、前記分析モデルを生成するモデル生成ステップと、
を含む細胞分析モデル生成方法。 - 細胞に関する分析をするための分析モデルを生成するコンピュータに、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから生成された特徴群情報であって、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が保持されている場合、
サンプルとなる細胞集団の細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成される情報を、サンプルデータとして取得する情報取得ステップと、
取得された1以上の前記サンプルデータを用いて、前記分析モデルを生成するモデル生成ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。 - 1以上のサンプルデータから生成された分析モデルを用いて、細胞に関する分析処理を実行する細胞分析装置において、
分析評価の対象となる細胞画像についての、前記サンプルデータと同一形態のデータを評価対象情報として取得する取得手段と、
取得された前記評価対象情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記評価対象情報に対応する前記細胞画像に対する分析処理を実行する分析手段と、
を備え、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が生成され、
サンプル又は評価対象となる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成された情報である、
細胞分析装置。 - 前記N種類の特徴パラメータは、前記細胞集団における所定観点での特徴パラメータを1種類以上含んでおり、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、前記細胞集団における所定観点での前記特徴パラメータを少なくとも含む1種類以上の特徴パラメータに基づいて取得された情報である。
請求項6に記載の細胞分析装置。 - 前記特徴群情報の生成元となる前記単位を構成する前記細胞画像の少なくとも一部は、撮像タイミングが異なっており、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、前記細胞画像の撮像タイミングを特定可能な時間情報を、前記M種類のパラメータの値の1つとして含む、
請求項6又は7に記載の細胞分析モデル生成装置。 - 細胞分析装置が、1以上のサンプルデータから生成された分析モデルを用いて、細胞に関する分析処理を実行する細胞分析方法であって、
分析評価の対象となる細胞画像についての、前記サンプルデータと同一形態のデータを評価対象情報として取得する取得ステップと、
取得された前記評価対象情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記評価対象情報に対応する前記細胞画像に対する分析処理を実行する分析ステップと、
を含み、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が生成され、
サンプル又は評価対象となる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成された情報である、
細胞分析方法。 - 1以上のサンプルデータから生成された分析モデルを用いた、細胞に関する分析処理の実行を制御するコンピュータに、
分析評価の対象となる細胞画像についての、前記サンプルデータと同一形態のデータを評価対象情報として取得する取得ステップと、
取得された前記評価対象情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記評価対象情報に対応する前記細胞画像に対する分析処理を実行する分析ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラムであって、
前記サンプルデータ及び前記評価対象情報は、
複数の細胞からなる細胞集団を被写体として撮像された細胞画像の中から、所定条件により選定された1枚以上の細胞画像を単位として、前記単位に含まれる1以上の細胞画像のデータから、前記細胞の単体の形態的特徴又は前記細胞集団の形態的特徴に関するN種類(Nは1以上の整数値)の特徴パラメータの値を含む特徴群情報が生成され、
サンプル又は評価対象となる細胞画像についての前記特徴群情報に含まれる前記N種類の特徴パラメータのうち少なくとも1種類に基づいて、M種類(MはNとは独立した整数値)のパラメータの値から構成された情報である、
プログラム。
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