JP2016189500A - 同期装置、同期方法及びプログラム - Google Patents

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Toru Koda
徹 香田
豊 實松
Yutaka JITSUMATSU
豊 實松
合原 一幸
Kazuyuki Aihara
一幸 合原
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Abstract

【課題】TDSS符号及びFDSS符号を用いて、新たに遅延時間及びドップラー周波数の同期を実現することができる同期装置等を提供する。
【解決手段】同期部13は、受信器5が、送信器3から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する。TD符号相関部15は、同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号(TDSS符号)を用いてTD符号相関値を計算する。ドップラー周波数探索部17は、TD符号相関値を用いてドップラー周波数の候補値を探索する。FD符号相関部21は、同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号(FDSS符号)を用いてFD符号相関値を計算する。遅延時間探索部23は、FD符号相関値を用いて遅延時間の候補値を探索する。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期装置、同期方法及びプログラムに関し、特に、受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する同期装置等に関する。
同期は、どのような通信システムにおいても本質的な問題である。発明者らは、これまで、時間及び周波数の同期について研究してきた。非特許文献1には、従来の時間領域拡散スペクトル符号(TDSS符号)の取得について記載されている。発明者らは、これに動機づけられて、周波数領域拡散スペクトル符号(FDSS符号)を導入した(非特許文献2、3参照)。そして、発明者らは、ドップラー周波数fDを、時間領域積分及びFDSS符号を使って探索し、遅延時間(以下では、「時間遅延」ともいう。)tdを、周波数領域積分及びTDSS符号を使って探索することを提案した(非特許文献4参照)。
U.Madhow、外1名,"Acquisition in direct-sequence spreadspectrum communication networks:An asymptotic analysis,"IEEE Trans.Inf.Theory,vol.39,no.3,pp.903-912,May 1993. T.Kohda、外2名,"Frequency-division spread-spectrum makes frequency synchronization easy,"in Proc.IEEE Globecom 2012,Dec.2012,pp.3976-3982. T.Kohda、外2名,"Frequency synchronization using SS technique,"in Proc.The ninth Int.Sympo.on Wireless Cummunication Systems,Aug.2012,pp.855-859. T.Kohda、外2名,"Separability of Time-Frequency Synchronization,"in 14th International Radar Symposium,IRS2013,June,2013,pp.964-969.
これまでの同期法は、同期確立の過程で、送信されるデータ信号は、全て“1”に設定されることを前提とするものであった。この前提の下で、周波数のズレは無いという前提で、時間の同期だけがTDSS符号を用いて実現された。
しかしながら、周波数のズレが存在する場合や、従来の手法では、例えば、高いノイズに対して同期達成が難しい場合も存在した。そのため、FDSS符号及びTDSS符号を使って、新たな周波数及び時間の同期を実現する手法が求められている。
そこで、本願発明は、TDSS符号及びFDSS符号を用いて、新たに遅延時間及びドップラー周波数の同期を実現することができる同期装置等を提案することを目的とする。
本願発明の第1の観点は、受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する同期装置であって、前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号(TDSS符号)を用いてTD符号相関値を計算する周波数同期に対するTD符号相関部と、前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するドップラー周波数探索部と、前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号(FDSS符号)を用いてFD符号相関値を計算する時間同期に対するFD符号相関部と、前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索する遅延時間探索部を備えるものである。
本願発明の第2の観点は、第1の観点の同期装置であって、前記送信器は、同期のために、複素数値に設定された送信データに基づいて前記送信用送信信号を送信し、前記ドップラー周波数探索部が探索する前記ドップラー周波数の候補値は、前記TD符号相関値を、複素空間上の1つ又は複数の軸において最大化又は最小化するものであり、前記遅延時間探索部が探索する前記遅延時間の候補値は、前記FD符号相関値を、複素空間上の1つ又は複数の軸において最大化又は最小化するものである。
本願発明の第3の観点は、第2の観点の同期装置であって、前記ドップラー周波数探索部及び前記遅延時間探索部は、複素空間上の同じ軸上で最大化又は最小化させるように探索するものである。
本願発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の同期装置であって、前記ドップラー周波数探索部は、以前に探索された遅延時間の候補値に対して、前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するものであり、前記遅延時間探索部は、以前に探索されたドップラー周波数の候補値に対して、前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索するものである。
本願発明の第5の観点は、第1から第4のいずれかの観点の同期装置であって、前記TD符号相関部は、前記時間領域積分及び前記時間領域拡散スペクトル符号を用いて第1TD符号相関値を計算する第1TD符号相関部と、周波数領域積分及び前記時間領域拡散スペクトル符号を用いて第2TD符号相関値を計算する第2TD符号相関部を備え、前記FD符号相関部は、前記周波数領域積分及び前記周波数領域拡散スペクトル符号を用いて第1FD符号相関値を計算する第1FD符号相関部と、時間領域積分及び前記周波数領域拡散スペクトル符号を用いて第2FD符号相関値を計算する第2符号相関部を備え、前記ドップラー周波数探索部は、前記第1TD符号相関値及び前記第2FD符号相関値の少なくとも一方に基づいて前記ドップラー周波数の候補値を探索し、前記遅延時間探索部は、前記第1FD符号相関値及び前記第2TD符号相関値の少なくとも一方に基づいて前記遅延時間の候補値を探索する。
本願発明の第6の観点は、受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する同期方法であって、周波数同期に対するTD符号相関部が、前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いてTD符号相関値を計算し、時間同期に対するFD符号相関部が、前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いてFD符号相関値を計算する相関ステップと、ドップラー周波数探索部が、前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索し、遅延時間探索部が、前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索する探索ステップを含むものである。
本願発明の第7の観点は、コンピュータを、受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中のドップラー周波数の候補値を探索するドップラー周波数探索部と、通信路中の遅延時間の候補値を探索する遅延時間探索部として機能させるためのプログラムであって、前記ドップラー周波数探索部は、前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたTD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するものであり、前記遅延時間探索部は、前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたFD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索するものである。
なお、本願発明において、送信器は、同期のために送信する送信データは、例えば虚数値“j”である。また、前記ドップラー周波数探索部及び前記遅延時間探索部が探索に用いる複素数空間上の軸は、例えば、実軸又は虚軸である。
また、本願発明を、第7の観点のプログラムを定常的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
本願発明の各観点によれば、時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたTD符号相関値からドップラー周波数の値を探索し、周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたFD符号相関値から遅延時間の値を探索する。時間及び周波数の同期法として、時間領域拡散スペクトル符号と周波数領域拡散スペクトル符号の役割を交換して実現したしたものは、新たなものである。さらに、本願発明の各観点によれば、後に説明するように、高いノイズのために、従来の同期法では遅延時間及びドップラー周波数を推定できなくでも、同期を実現することが可能になる場合がある。このように、同期のための手法を広げることができる。
さらに、本願発明の第2の観点によれば、同期のために送信する送信データを複素数値に拡張し、TD符号相関値やFD符号相関値を、複素空間における軸上(例えば、実軸上又は虚軸上)で最大化又は最小化させることにより、例えば、直交位相シフトキーイング(QPSK)、さらには、多値位相シフトキーイング(MPSK)のように、多相信号に対する高度な同期を実現するのに適したものとなる。
さらに、本願発明の第4の観点によれば、ドップラー周波数と遅延時間の探索を、個別かつ協働して実現することが可能になる。
さらに、本願発明の第5の観点によれば、本願の同期法に併せて、従来の同期法を用いることにより、例えば、ドップラー周波数及び遅延時間を、それぞれ、低ノイズであればFDSS符号及びTDSS符号を用いて推定し、高ノイズであればTDSS符号及びFDSS符号を用いて推定するように、さらに、高度な同期を実現することが可能になる。
本願発明の実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 図1の通信システム1の動作の一例を示すフロー図である。 本願発明の実施の形態に係る通信システムの構成の他の一例を示すブロック図である。 信号s(t)並びにその遅延時間及びドップラー周波数の信号を示す図である。 受信器を示す図であり、(a)は従来の相関器を、(b)はマッチドフィルタを、(c)は^tdが固定でμが変化する場合及び(d)その周波数双対の場合の受信器を示す。 TDSS符号及びFDSS符号を使用した相関器の関係を示す図である。 TD符号化TD積分器及びFD符号化FD積分器を使って、時間−周波数領域において(td,fD)の決定手順の軌跡を示す。 図7の軌跡に対応する複素数値の16TD相関器及び16FD相関器の出力を示す。 20dBのSNRに対する(td,s,fD,s)の決定手順の軌跡を示す。 虚数のデータシンボルdGD →q=jに対する(^td,s,^fD,s)の軌跡を示す。 複素数値のTD及びFD相関器の出力を示す。
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
図1は、本願発明の実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。通信システム1は、送信器3(本願請求項の「送信器」の一例)と、受信器5(本願請求項の「受信器」の一例)を備える。
送信器3は、送信部7を備える。送信部7は、受信器5に対して、同期に用いられる同期用送信信号を送信する。また、送信部7は、必要に応じて、位相を調整して、同期用送信信号を送信する。同期用送信信号は、複素数値に設定された送信データに基づくものであってもよい。送信データは、以前、“1”に設定されていた。
受信器5は、受信部9と、フーリエ変換部11と、同期部13(本願請求項の「同期装置」の一例)を備える。受信部9は、送信部7が送信した同期用送信信号を受信して、同期用受信信号を得る。フーリエ変換部11は、同期用受信信号のフーリエ変換を演算するものである。
同期部13は、同期用受信信号に基づき、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定するものである。
一般に、遅延時間とドップラー周波数は、分離して探索することができない。しかしながら、発明者らは、これらを別々に探索することを提案した(非特許文献4参照)。非特許文献4には、ドップラー周波数を、時間領域積分及びFDSS符号を用いて探索し、かつ、遅延時間を、周波数領域積分及びTDSS符号を用いて探索することが記載されている。図1の同期部13は、ドップラー周波数を、時間領域積分及びTDSS符号を用いて探索し、かつ、遅延時間を、周波数領域積分及びFDSS符号を用いて探索するものである。そのため、図1による同期部13は、非特許文献2に記載されたものとは異なり、新たな同期法を提案するものである。そして、TDSS符号及びFDSS符号は、それぞれ、ドップラー周波数及び遅延時間を探索するために導入されたものである。さらに、周波数シフトと時間シフトの順序を逆にすれば、位相を調整するための項が生じる。TDSS符号及びFDSS符号の役割が交換可能であること、各々の符号の役割分担と対称性等は、発明者らが本願で初めて明らかにしたものであり、当業者が容易に想到し得なかった事項である。
同期部13は、TD符号相関部15(本願請求項の「周波数同期に対するTD符号相関部」の一例)と、ドップラー周波数探索部17(本願請求項の「ドップラー周波数探索部」の一例)と、ドップラー周波数記憶部19と、FD符号相関部21(本願請求項の「時間同期に対するFD符号相関部」の一例)と、遅延時間探索部23(本願請求項の「遅延時間探索部」の一例)と、遅延時間記憶部25を備える。
TD符号相関部15は、同期用受信信号に基づいて、時間領域積分及びTDSS符号を用いてTD符号相関値を計算する。ドップラー周波数探索部17は、TD符号相関値を用いてドップラー周波数の候補値を探索する。ドップラー周波数探索部17は、ドップラー周波数の候補値として、例えばTD符号相関値の実部について最大の相関値を与える値を探索する。ドップラー周波数記憶部19は、ドップラー周波数探索部17が探索したドップラー周波数の候補値を記憶する。
また、フーリエ変換部11は、同期用受信信号のフーリエ変換を演算する。FD符号相関部21は、同期用受信信号をフーリエ変換したものに基づいて、周波数領域積分及びFDSS符号を用いてFD符号相関値を計算する。遅延時間探索部23は、FD符号相関値を用いて遅延時間の候補値を探索する。遅延時間探索部23は、遅延時間の候補値として、例えばFD符号相関値の実部について最大の相関値を与える値を探索する。遅延時間記憶部25は、遅延時間探索部23が探索した遅延時間の候補値を記憶する。
なお、ドップラー周波数探索部17及び遅延時間探索部23は、例えば虚部について最小の相関値を与えるものを探索するようにしてもよい。ドップラー周波数探索部17及び遅延時間探索部23は、それぞれ、ドップラー周波数及び遅延時間の候補として、複素空間上の一つ又は複数の軸上で最大又は最小の相関を与えるものを探索するようにしてもよい。ドップラー周波数探索部17及び遅延時間探索部23が用いる複素空間上の軸は、同じでもよく、異なるものであってもよい。
TD符号相関部15及びドップラー周波数探索部17は、必要に応じて、遅延時間記憶部25に記憶された、以前に探索された遅延時間の候補値を参照する。FD符号相関部21及び遅延時間探索部23は、必要に応じて、ドップラー周波数記憶部19に記憶された、以前に探索されたドップラー周波数の候補値を参照する。例えば、ドップラー周波数と遅延時間を、奇数ステップと偶数ステップで、交互に探索するようにしてもよい。
図2は、図1の通信システム1の動作の一例を示すフロー図である。まず、通信システム1において、初期設定が行われる(ステップST1)。例えば、送信器3において、位相調整の初期値が設定される。また、ドップラー周波数記憶部19及び遅延時間記憶部25には、仮の値を設定する。
続いて、送信器3の送信部7が、受信器5に対して、初期設定により設定された位相を調整して、同期用送信信号を送信する(ステップST2)。
続いて、受信器5の受信部9が、同期用受信信号を受信する(ステップST3)。同期用送信信号と同期用受信信号の間には、伝搬路中の遅延時間及びドップラー周波数が存在する。
続いて、TD符号相関器15及びFD符号相関部21が、それぞれ、TD符号相関値及びFD符号相関値を演算する(ステップST4)。続いて、ドップラー周波数探索部17及び遅延時間探索部23が、それぞれ、ドップラー周波数及び遅延時間の候補値を探索する(ステップST5)。なお、TD符号相関値演算及びドップラー周波数探索と、FD符号相関値演算及びドップラー周波数探索は、並列に行ってもよく、交互に行ってもよい。
続いて、同期部13は、同じ同期用送信信号に基づいて、改めて周波数及び遅延時間を探索するか否かを判定する(ステップST6)。例えば、探索されたドップラー周波数及び遅延時間の候補値が、同じ同期用送信信号に基づき直前に演算された候補値から大きく変動するならば、ステップST4に戻り、改めて、ドップラー周波数及び遅延時間の候補値を探索する。探索されたドップラー周波数及び遅延時間の候補値が、同じ同期用送信信号に基づき直前に演算された以前の値とほぼ同じであれば、ステップST7に進む。
続いて、同期部13は、異なる同期用送信信号に基づいて、改めて周波数及び遅延時間の候補値を探索するか否かを判定する(ステップST7)。例えば、探索されたドップラー周波数及び遅延時間の候補値が、以前の同期用送信信号に基づき演算された候補値から大きく変動するならば、ステップST8に進む。ステップST8では、受信器5は、送信器3に対し、探索された周波数及び遅延時間の候補値をフィードバックする。ステップST9では、送信器3は、フィードバックされた周波数及び遅延時間の候補値を用いて、同期用送信信号の位相を変更する(ステップST9)。そして、ステップST2に戻り、同様の処理を行う。例えば、探索されたドップラー周波数及び遅延時間の候補値が、以前の同期用送信信号に基づき演算された候補値からそれほど変動しないならば、同期処理を終了する。
図3は、本願発明の実施の形態に係る通信システムの構成の他の一例を示すブロック図である。通信システム31は、送信器33(本願請求項の「送信器」の一例)と、受信器35(本願請求項の「受信器」の一例)を備える。送信器33は、同期用送信信号を送信する送信部37を備える。
受信器35は、送信部7が送信した同期用送信信号を受信して同期用受信信号を得る受信部39と、同期用受信信号のフーリエ変換を演算するフーリエ変換部41と、同期部43(本願請求項の「同期装置」の一例)を備える。
同期部13は、伝搬路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する。同期部13は、第1TD符号相関部45(本願請求項の「第1TD符号相関部」の一例)と、第2FD符号相関部47(本願請求項の「第2FD符号相関部」の一例)と、ドップラー周波数探索部49(本願請求項の「ドップラー周波数探索部」の一例)と、ドップラー周波数記憶部51と、第1FD符号相関部53(本願請求項の「第1FD符号相関部」の一例)と、第2TD符号相関部55(本願請求項の「第2TD符号相関部」の一例)と、遅延時間探索部23(本願請求項の「遅延時間探索部」の一例)と、遅延時間記憶部25を備える。
図3の第1TD符号相関部45及び第1FD符号相関部53は、それぞれ、図1のTD符号相関部15及びFD符号相関部21と同様に動作する。図3の第2FD符号相関部47及び第2TD符号相関部55は、従来と同様に動作するものである。すなわち、第2FD符号相関部47は、時間領域積分及びFDSS符号を用いてFD符号相関値を演算するものである。第2TD符号相関部55は、周波数領域積分及びTDSS符号を用いてTD符号相関値を演算するものである。
ドップラー周波数探索部49は、第1TD符号相関部45が演算したTD符号相関値、及び/又は第2FD符号相関部47が演算したFD符号相関値に基づいてドップラー周波数の候補値を探索する。遅延時間探索部57は、第1FD符号相関部53が演算したFD符号相関値及び/又は第2TD符号相関部55が演算したTD符号相関値に基づいて遅延時間の候補値を探索する。ドップラー周波数記憶部51及び遅延時間記憶部59は、それぞれ、探索されたドップラー周波数及び遅延時間の候補値を記憶する。
後に説明するように、従来法では、高雑音の環境で、同期できない場合が存在する。そのため、例えば、高雑音のときには第1TD符号相関部45及び第1FD符号相関部53が演算した相関値を用い、低雑音のときには第2TD符号相関部47及び第2FD符号相関部55が演算した相関値を用いるようにしてもよい。このように、ドップラー周波数探索部49は、第1TD符号相関部45及び第2FD符号相関部47の一方を選択してドップラー周波数の候補値を探索し、遅延時間探索部57は、第1FD符号相関部53及び第2TD符号相関部55の一方を選択して遅延時間の候補値を探索するようにしてもよい。ここで、第1TD符号相関部45及び第2TD符号相関部55が同時に選択されてもよく、第2FD符号相関部47及び第1FD符号相関部53が同時に選択されてもよい。また、周波数オフセット探索部49は、例えば、第1TD符号相関部45及び第2FD符号相関部47が出力する値を所定の比で考慮してもよい。同様に、遅延時間探索部57は、例えば、第1FD符号相関部53及び第2TD符号相関部55が出力する値を所定の比で考慮してもよい。
続いて、本願発明に係る同期法について、数式を使って具体的に説明する。
同期は、どのような通信システムでも、本質的な問題である。遅延時間(時間遅延、伝搬時間遅延)とドップラー周波数(ドップラーシフト)の推定は、古くからある問題であるが、最近、多くの関心をひいた。
ドップラー周波数が十分小さいならば、位相ロックループ(PLL)は、位相誤差をうまく最小化することができ、時間同期は、難しい仕事ではない。しかし、ドップラー周波数が大きければ、周波数同期は、とても難しくなる。
式(1)は、遅延時間td及びドップラー周波数fDであるチャネルを通して受信した信号のナローバンドモデルを与える。ここで、αは、減衰要素である。φuは、未知の位相である。η(t)及びξ(t)は、それぞれ、付加的な白色ガウスノイズ及び干渉である。
Figure 2016189500
d及びfDは、最初、予め定められた情報がない状態で取得されなければならない。td及びfDが得られた後は、これらの推定値の追跡は、データ送信に必須の仕事である。td及びfDの推定の難しさは、2つのパラメータの決定が、一般に、分離可能な問題でない、という事実にある。通常の二次元推定は、時間領域(TD)信号でなされる。そのため、その決定は、結果的にしらみ潰し的なものとなる。他方、発明者らは、複数のTD及びFDのテンプレート(後で定義する。)を使って、遅延時間及びドップラー周波数を並列に推定する手法を提案した。
遅延時間とドップラー周波数が個別的かつ協同的に獲得することができれば、時間−周波数同期法は、分離特性(SP)を満たすと言われる。しかしながら、式(1)のフーリエ変換は、式(2)である。ここで、S(f)、H(f)及びΞ(f)は、それぞれ、s(t)、η(t)及びξ(t)のフーリエ変換である。
Figure 2016189500
式(1)のTD信号におけるtdの役割が、式(2)のFD信号におけるfDの役割と、まさに対称的に同一にするためには、式(1)及び(2)の指数関数におけるt及びfは、それぞれ、t−td/2及びf−fD/2で置き換えられるべきである。このような信号とそのフーリエ変換のペアは、時間−周波数の対称性(time-frequency symmetry:TFS)を満足するといわれる。以下では、r(t)及びR(f)は、位相修正されたものについて使用する。
まず、s(t)を設計するために、ガボール展開を使用する。これは、式(3)で定義される。ここで、d→qは、q=(q、q')で記されるデータシンボルである。v(t)は、シグネチャ波形である。T及びFは、時間及び周波数の間隔(spacing)である。ここで、同時に一括処理されるブロックは、P・P'個のデータから成り立っている。時間シフト−qT/2は、s(t)及びそのフーリエ変換がTFSを満たすために導入される。
Figure 2016189500
次に、TFSを満足するv(t)を設計しなければならない。TFSのために、v(t)のガボール展開を再び用いる。その展開の係数は、TD及びFDのSS符号の積である。さらに、v(t)は、以下に示すように、TD及びFDのテンプレート波形の積に分解される。
発明者らは、最近、SP条件を与えた。その一つは、d→qに課されるものである。すなわち、位相項ejπ(qTfD-tdq'F)を補償しなければならない(詳細は、式(14)及び(15)参照)。受信信号の位相歪みは、td及びfDを持つチャネルを通じて“符号とデータに関して二重に構造化されたガボール信号”を送信することによって生じる。この受信信号の位相歪みには、いくつかのレベルがある。位相項を正確に評価するために、TFSにあるTD及びFDにおける遅延時間及びドップラー周波数の演算子を導入する(式(4)、(5)及び図4参照)。これらの演算子によって、低いSNRに対して、TD及びFDの相関器の出力の精確な表現を得ることができる。この出力は、予め定められた情報がなくても時間−周波数の同期に対して、これらの相関器がよく稼働する理由を示す。
続いて、遅延時間とドップラー周波数の推定に対する時間及び周波数の対称性について説明する。
まず初めに、TFSに関する信号を設計するために、TD及びFDにおける遅延時間及びドップラー周波数の演算子を、それぞれ、式(4)及び(5)のように定義する。ここで、X(f)は、x(t)のフーリエ変換を示す。TDの演算子は、ウェーブレット理論の中でしばしば議論されるが、TFSを満足しない。FDの演算子は、個別的には使用されない。
図4は、信号s(t)並びにその遅延時間及びドップラー周波数の信号を示す図である。△は、遅延時間が、ドップラー周波数シフトの後に起こる場合を示す。□は、周波数シフトが、遅延時間の後に起こる場合を示す。△の場合は、□の場合に比較して、位相項e-j2πμσを持つ。補償するためには、対称演算子Tσ,μの下で、位相項e-jπμσが残る。
Figure 2016189500
図5は、受信器を示す。(a)は、従来の相関器を示す。(b)は、マッチドフィルタを示す。(c)は^tdが固定でμが変化する場合及び(d)その周波数双対の場合に、提案された受信器を示す。通常、同期を成立させる場合と同様に、データを復元させる場合には、受信信号とシグネチャ波形の間の相関を計算するためにマッチドフィルタを採用する。他方、私たちは、fDを推定するためのキャリアμ変調TD積分(図5(c))と、tを推定するためのσ−変調FD積分(図5(d))を採用する。以下では、積分器と相関器は、同義語として使う。
これらの2つの積分は、ヴィル−ウッドワードのアンビギュイティ関数に由来するもので、式(6)及び(7)で定義される。ここで、Y(f)は、y(t)のフーリエ変換であり、上にバーがつくものは、複素共役を示す。式(6)及び(7)は、アンビギュイティ関数が、元々有していた特徴のTFSであることを示す。ガボールシステムで最も重要なものは、ガウス波形がTD及びFDで自己双対を持つことである。そして、その随伴のアンビギュイティ関数は、SPを持つ。すなわち、θg,g(τ,ν)=θg,g(τ,0)・θg,g(0,ν)、及び、θG,G(ν,-τ)=θG,G(ν,0)・θG,G(0,-τ)である。ここで、g(t)及びG(f)は、ガウス波形とそのフーリエ変換を示す。
Figure 2016189500
2つのパラメータtd及びfDは、TFS構造を持つTD及びFDの積分器によって、分離的かつ協働的に推定される。このような積分器アレイのペアは、分離特性(SP)を満足するといわれる。すなわち、まず、TFS条件は、s(t)に課され、式(3)で与えられる。2番目は、この条件は、同様に、v(t)に課される。式(8)及び(9)を定義する。ここで、TD符号X=(X0,X1,…,XN-1t及びFD符号X'=(X'0,X'1,…,X'N'-1tに関して、Xo={X,X'}である。N及びN'は、それぞれ、時間領域及び周波数領域の拡散比である。z(t)及びZ(f)は、チップ波形とそのフーリエ変換である。そして、(・)tは、ベクトルの転置を示す。
Figure 2016189500
式(8)及び(9)は、それぞれ、式(10)及び(11)に分解することができる。なお、それぞれの式は、明らかに、もう一つの別の分解をもつ。ここで、式(12)及び(13)は、それぞれ、TFSに関するTD及びFDの符号化されたテンプレートである。
Figure 2016189500
受信信号とそのフーリエ変換は、式(14)及び式(15)で与えられる。ここで、式(16)で与えられる位相の歪みは、q及びq'が増加するにつれて増加する。それゆえ、これは、受信器(図2のステップST4〜ST6参照)又は送信器(図2のステップST8及びST9参照)で補償されるべきである。これは、受動的及び能動的位相更新ループ(PULs)と呼ばれるものである。
Figure 2016189500
続いて、TD及びFD符号の役割を交換した、新たな時間−周波数の同期法について説明する。
相関器は、ドップラー周波数fDを推定するための制御パラメータμ、又は、遅延時間tdを推定するための制御パラメータσに関して、受信信号とテンプレートの間でパターンマッチングを達成するように設計される。受信器で推定された値及び送信器で予測された値を、それぞれ、(^td,^fD)及び(~td,~fD)と示す。
表1は、4つの相関器の関係について示すものである。第1行は、TD相関器であり、時間領域積分とTDSS符号を用いるものである。第2行は、FD相関器であり、周波数領域積分とFDSS符号を用いるものである。第3行は、FD相関器であり、時間領域積分とFDSS符号を用いるものである。第4行は、TD相関器であり、周波数領域積分とTDSS符号を用いるものである。
従来、周波数及び時間同期は、第3行及び第4行のFD及びTD相関器を用いて実現していた。以下で説明する新たな同期法は、周波数及び時間同期を、第1行及び第2行のTD及びFD相関器を用いて実現するものである。図6は、第1行〜第4行の相関器の関係を示す図である。
Figure 2016189500
TDテンプレートuTD m'(t;X)(m'=0,1,…,N'-1)は、受信信号に埋め込まれている。これらは、Ttd,fDqT,q'F0,m'FcTD m'(t;X)のように、時間及び周波数シフトされたものである。同様に、時間及び周波数がシフトされたFDテンプレートTf fD,-tdf q'F,-qTf 0,-mTcFD m(f;X')も、埋め込まれている。2つの演算子の合成は、位相シフトを引き起こす。このとき、受動的PULに対して、周波数同期のためのTD符号Yを用いたn'番目のTD積分器とその双対、すなわち、時間同期のためのFD符号Y'を用いたn番目のFD積分器の出力は、それぞれ、式(17)及び(18)である。ここで、データアドレスは、p=(p、p')であり、q=(q、q')に対応するテンプレートのチップアドレスは、n,n'であり、それぞれ、受信信号のチップm、m'に対応する。式(17)及び(18)は、式(6)及び(7)に対応することに注意する。
Figure 2016189500
式(17)及び(18)について、説明を加える。2つの演算子の合成は、式(19)及び(20)のように、位相項が生じる。式(17)及び(18)の右辺における2番目の位相項は、式(21)及び(22)の演算子の合成に由来する位相歪みに対して補償するために必要とされる。このような合成は、式(23)の形式のマッチドフィルタとの重大な差を生む。
Figure 2016189500
式(17)及び(18)の最初の位相項(e-jφ(^td,μ;pT,p'F)及びe-jφ(σ,^fD;pT,p'F))は、歪みejφ(td,fD;qT,q'F)を補償するために導入されている。能動的PULに対して、dGD →qを、dGD →q-jφ(~fD,~td;qT,q'F)によって置き換えると、位相歪みは、送信器において補償される。結論として、能動的PULに対するTD及びFDの相関器出力は、式(17)及び(18)の最初の位相項をe-jφ(~fD,~td;qT,q'F)によって置き換えることによって与えられる。
パラメータσ及びμは、それぞれ、精度Tc/K及びFc/K'で調節される。ここで、K及びK'は、2又は3とされる。このとき、TD相関器でKN個のサンプルが必要であり、FD相関器でK'N'個のサンプルが必要である。従来法では、一個の従来のTD相関器でKK'NN'個のサンプルが必要であった。提案法のサンプル数は、従来法のしらみ潰し的な決定よりもとても小さい。ただし、提案法では、N個のTD相関器とN'個のFD相関器を必要とする。
式(17)のテンプレートUTD n'(t;Y)及び式(18)のテンプレートUFD n(f;Y')は、それぞれ、NTnTc,0z(t)及びN'Tf n'Fc,0Z(f)の線形結合であり、それぞれ、T0,n'Fc及びTf 0,-nTcが続いて操作(計算)される。他方、2つのテンプレートuFD n(t;Y’)及びUTD n'(f;Y)は、以前提案した時間−周波数同期法において使用されたものである。これらは、N'T0,n'Fcz(t)及びNTf 0,-nTcZ(f)の線形結合であり、それぞれ、TnTc,0及びTf n'Fc,0が続いて操作(計算)される。補償のために2つの演算子の順番を交換すると、Tσ,0及びT0,μから生じる位相項が得られる(図4参照)。位相項は、簡単に補償することができると考えられるかもしれない。しかしながら、この位相項が、以前の提案法と今回の提案法との主な違いを与えるものである。
r(t)及びs(t)の内積を、式(24)と記す。2つの演算子の内積(式(25)及び(26))を使って式(17)及び(18)を計算することにより、式(27)及び(28)の位相項を与える。ここで、pn=p+n/N、qm=q+m/N、p'n'=p'+n'/N'、及び、q'm'=q'+m'/N'である。式(27)及び(28)は、式(29)及び(30)の位相項を与える。よって、式(25)及び(26)を使って式(17)及び(18)を計算することにより、式(29)及び(30)が得られる。ここで、Wc=e-j2πTcFc、Δ(^fD,-σ)=δ(σ,^fD)であり、式(31)、(32)及び(33)である。最も重要なのは、式(29)及び(30)が、位相が修正されたデータ、位相が修正されたTD及びFD符号、及び、アンビギュイティ関数という3つの項から成り立っていることである。2つの位相項は、内積の計算と2つの演算子の補償に由来するものである。
Figure 2016189500
Y=Xで、Xがi.i.d.符号である場合を考える。このとき、式(29)及び(30)の括弧のなかの二重の総和は、n=mのとき、又は、n'=m’のときに、大きな値をとることが期待される。残念ながら、アンビギュイティ関数θz,z(τ,ν)及びθZ,Z(ν,−τ)は、一般的に多くのサイドローブがある。そのため、相関器出力の大きな実数値によっては、直接、τGD 0(^td)が0に近く、かつ、νGD 0(μ)+(n'−m')Fcが0に近いこと(又は、νGD 0(^fD)が0に近く、かつ、τGD 0(σ)+(n−m)Tcが0に近いこと)が成り立つことを意味しない。
続いて、ガウシアンの場合について説明する。ガウシアンパルスの場合は、以下のように、上記の状況から一変する。まず、ガウシアン・アンビギュイティ関数は、SPを満たす。すなわち、θg,g(τ,ν)=θG,G(ν,-τ)=exp(-τ2/(2st 2)exp(-ν2/(2sf 2))などである。ここで、st=1/(2πsf)である。ガウシアン・アンビギュイティ関数の2番目の特性は、θg,g(τ,0)、θg,g(0,ν)、θG,G(0,-τ)、及び、θG,G(ν,0)が、ユニモーダル(単峰性)であり、指数関数的に減衰することである。よって、相関器出力が大きな値ならば、τGD 0(^td)が0に近く、かつ、νGD 0(μ)+(n'−m')Fcが0に近いこと(又は、νGD 0(^fD)が0に近く、かつ、τGD 0(σ)+(n−m)Tcが0に近いこと)が成り立つ。
この特性は、さらに、以下のように、式(29)及び(30)のかっこの中の二重の総和を単純化する。式(34)及び(35)は、μ及びσを変化することにより相関器の出力を高めることを示す。以下では、σ及びμを変えることによって、交互に^td及び^fDを更新する。
Figure 2016189500
続いて、シミュレーション結果について説明する。遅延時間及びドップラー周波数は、繰り返し、かつ、交互に、推定される。^td,s及び^fD,sを、s番目のステージの時間及びドップラー周波数の推定値とする。初期値^td,0及び^fD,0は、任意に選ばれる。sの奇偶に対応して、FD及びTD相関器は、それぞれ、^td,s及び^fD,sを更新する。式(36)及び(37)を定義する。ここで、R[・]は、実部を示す。このとき、σ*及びμ*は、それぞれ、^td,s+1及び^fD,s+1を更新するために使用される。推定手続きは、|^td,s+1−^td,s|<Tc/2及び|^fD,s+1−^fD,s|<Fc/2が2回連続して満足されるまで続けられる。能動的PULのときは、これらの推定値は、送信器にフィードバックされ、fD及びtdの更新に使用される(図2のステップST8参照)。
Figure 2016189500
図7は、TD符号化されたTD積分器及びFD符号化されたFD積分器を使って、時間−周波数領域において(td,fD)を決定するための軌跡を示す。図7は、s=0,1、…、5に対する(^td,s,^fD,s)の軌跡を示す。ここで、N=N'=16であり、送信信号は、dGD →q=1であり、i.i.d.符号を使用し、SNRは20dBである。Tc・Fc=1.0であり、Tc=10-6秒とした。時間及び周波数は、それぞれ、Tc及びFcを単位として表示されている。
図8は、s=0,1,2に対して、図7の軌跡に対応する複素数値の16個のTD相関器及び16個のFD相関器の出力を示す。ここで、SNRは20dBである。s=3、4に対する相関器出力は、それぞれ、s=1,2に対する相関器出力とほとんど同じなので、省略する。相関器の出力の実部は、s=2,3に対して大きく、他方、その虚部は、0に非常に近い。
図9は、−20dBのSNRに対する(td,s,fD,s)の決定手順の軌跡を示す。ここで、送信されたデータは、dGD →q=1で、SNRは−20dBである。強いノイズのため、推定手続きは、30回の更新では終了しなかった。
式(36)及び(37)における実部演算子R[・]を虚部演算子I[・]に置き換えるのであれば、TD及びFD相関器の厳密な位相補正により、これらの相関器は、虚数のデータシンボル(すなわち、dGD →q=j)を決定することができる。
図10は、s=0,1,2及びs=10,11,12に対する虚数のデータシンボルdGD →q=jに対する(^td,s,^fD,s)の軌跡を示す。ここで、N=N'=16であり、SNRは−10dBである。13回の更新の後、(^td,s,^fD,s)は、真実の値に到達する。図11は、複素数値のTD及びFD相関器の出力を示す。相関器出力の虚部は、sが増加するにつれて徐々に増加し、他方、その実部は[-0.1,0.1]に分布する。よって、シミュレーション結果は、提案された位相更新ループ(PUL)は、−10dBという低いSNRに対して働くことを示す。
1 通信システム、3 送信器、5 受信器、7 送信部、9 受信部、11 フーリエ変換部、13 同期部、15 TD符号相関部、17 ドップラー周波数探索部、19 ドップラー周波数記憶部、21 FD符号相関部、23 遅延時間探索部、25 遅延時間記憶部、31 通信システム、33 送信器、35 受信器、37 送信部、39 受信部、41 フーリエ変換部、43 同期部、45 第1TD符号相関部、47 第2FD符号相関部、49 ドップラー周波数探索部、51 ドップラー周波数記憶部、53 第1FD符号相関部、55 第2TD符号相関部、57 遅延時間探索部、59 遅延時間記憶部

Claims (7)

  1. 受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する同期装置であって、
    前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いてTD符号相関値を計算する周波数同期に対するTD符号相関部と、
    前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するドップラー周波数探索部と、
    前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いてFD符号相関値を計算する時間同期に対するFD符号相関部と、
    前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索する遅延時間探索部を備える同期装置。
  2. 前記送信器は、同期のために、複素数値に設定された送信データに基づいて前記送信用送信信号を送信し、
    前記ドップラー周波数探索部が探索する前記ドップラー周波数の候補値は、前記TD符号相関値を、複素空間上の1つ又は複数の軸において最大化又は最小化するものであり、
    前記遅延時間探索部が探索する前記遅延時間の候補値は、前記FD符号相関値を、複素空間上の1つ又は複数の軸において最大化又は最小化するものである、請求項1記載の同期装置。
  3. 前記ドップラー周波数探索部及び前記遅延時間探索部は、複素空間上の同じ軸上で最大化又は最小化させるように探索する、請求項2記載の同期装置。
  4. 前記ドップラー周波数探索部は、以前に探索された遅延時間の候補値に対して、前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するものであり、
    前記遅延時間探索部は、以前に探索されたドップラー周波数の候補値に対して、前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索するものである、請求項1から3のいずれかに記載の同期装置。
  5. 前記TD符号相関部は、
    前記時間領域積分及び前記時間領域拡散スペクトル符号を用いて第1TD符号相関値を計算する第1TD符号相関部と、
    周波数領域積分及び前記時間領域拡散スペクトル符号を用いて第2TD符号相関値を計算する第2TD符号相関部を備え、
    前記FD符号相関部は、
    前記周波数領域積分及び前記周波数領域拡散スペクトル符号を用いて第1FD符号相関値を計算する第1FD符号相関部と、
    時間領域積分及び前記周波数領域拡散スペクトル符号を用いて第2FD符号相関値を計算する第2符号相関部を備え、
    前記ドップラー周波数探索部は、前記第1TD符号相関値及び前記第2FD符号相関値の少なくとも一方に基づいて前記ドップラー周波数の候補値を探索し、
    前記遅延時間探索部は、前記第1FD符号相関値及び前記第2TD符号相関値の少なくとも一方に基づいて前記遅延時間の候補値を探索する、請求項1から4のいずれかに記載の同期装置。
  6. 受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中の遅延時間及びドップラー周波数を推定する同期方法であって、
    周波数同期に対するTD符号相関部が、前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いてTD符号相関値を計算し、時間同期に対するFD符号相関部が、前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いてFD符号相関値を計算する相関ステップと、
    ドップラー周波数探索部が、前記TD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索し、遅延時間探索部が、前記FD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索する探索ステップを含む同期方法。
  7. コンピュータを、
    受信器が、送信器から送信された同期用送信信号を受信して得られる同期用受信信号に基づいて、通信路中のドップラー周波数の候補値を探索するドップラー周波数探索部と、通信路中の遅延時間の候補値を探索する遅延時間探索部として機能させるためのプログラムであって、
    前記ドップラー周波数探索部は、前記同期用受信信号に基づいて時間領域積分及び時間領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたTD符号相関値を用いて前記ドップラー周波数の候補値を探索するものであり、
    前記遅延時間探索部は、前記同期用受信信号に基づいて周波数領域積分及び周波数領域拡散スペクトル符号を用いて計算されたFD符号相関値を用いて前記遅延時間の候補値を探索するものである、プログラム。
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