JP2016189313A - 加熱装置 - Google Patents

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隆 森田
佳世 吉田
Kayo Yoshida
佳世 吉田
あかね 木津
Akane Kizu
あかね 木津
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Abstract

【課題】様々な大きさの容器を加熱できるとともに、当該加熱時に容器内の液体を撹拌可能であり、温水に浸漬させることなく容器を加熱できることで容器の清潔さを維持可能な加熱装置を提供する。【解決手段】本発明の加熱装置1は、台座5と、台座5を回転可能に支持する支持体6と、台座5に載置される複数のブロック7と、複数のブロック7を加熱するヒータ12とを備える。台座5の所定位置には、液体を収容する容器2が載置される。複数のブロック7は、台座5の所定位置を中心として放射状に配置されて、それぞれ台座5の所定位置に対して接近及び離反する方向に移動可能である。台座5の所定位置に容器2が載置された状態では、複数のブロック7をそれぞれ接近する方向に移動させることで、ブロック7で容器2を固定して、ブロック7の熱で容器2を加熱可能であり、且つ、台座5を回転させることで容器2内の液体を攪拌可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、液体を収容する容器を加熱するための加熱装置に関する。
従来、細胞の培養液を加熱するために、培養液が入った容器を、ウオーターバス内の温水に浸漬させることが行われている。温水は例えば37℃程度の温度を有するものであり、この温水で容器を温めることで、培養液が加熱される。培養液の加熱が終了した後では、容器をウオーターバスから取り出して、エチルアルコール等のアルコールを容器の外面に吹き付けることで容器を滅菌したり、容器の外面に付着する水やアルコールをティッシュ等で拭き取ることが行われる。この後、容器をクリーンベンチ内に収容して、当該クリーンベンチのガスバーナーで容器の口を加熱することで、細胞の培養が行われる。
また従来、容器内の液体を恒温状態で撹拌するために、ホットプレート付きのマグネティックスターラが使用されている(例えば特許文献1)。この種のマグネティックスターラでは、モータで回転駆動する磁石がケースに内蔵されており、ケースの上面にホットプレートが設けられる。このマグネティックスターラを使用する際には、液体と攪拌子を入れた容器を、ホットプレート上に載置する。そして、磁石の回転で回転磁界を発生させることで、撹拌子を液体内で回転させる。これにより、液体が所定温度まで撹拌される。
また、特許文献2,3には、容器内の液体を加熱するための装置が開示されている。特許文献2の装置は、無菌流体が投入される鉢と、鉢を収容する容器と、容器を加熱する加熱器とを備える。この特許文献2の装置では、容器から鉢に伝達された熱によって、無菌流体が加熱される。特許文献3の装置は、核酸を含む反応液が保持される反応容器と、反応容器が密着してセットされる伝熱部と、当該伝熱部に熱を伝達する伝達体とを備える。この特許文献2の装置では、伝達体から反応容器に伝達された熱によって、反応液が加熱される。
特開2006−116392号公報 特表2011−77456号公報 特開2014−32153号公報
ところで、上述したウオーターバスを用いる方法では、容器を温水に浸漬させることで、容器の外面に、カビや藻や細菌やウイルスが付着する虞れがある。このため、上述したようにアルコールの吹き付けや水滴の拭き取りを行ったり、ウオーターバスの温水を清潔にするため頻繁に交換することが行われており、これらの作業に多大な手間を要していた。
また、ウオーターバスを用いる方法では、温水や細菌等が容器内に侵入することを防止すべく、常に容器を蓋で密閉する必要があった。このため、容器内に温度計を挿入して、培養液の温度を計測することができず、容器を手で触れるなどして培養液の温度が予測されていた。その結果、培養液の温度が所望の温度(例えば37℃)に至っていないにもかかわらず、容器をウオーターバスから取り出して、培養液の加熱を終了させてしまう事態が生じていた。さらに、培養液には、タンパク性の細胞増殖制御因子など、37℃を超える加熱により失活する物質を含むため、一定温度以上に加熱できないことが多い。このため、培養液の温度を正確に確認できないことから、温水の温度を所望の温度に設定することで(例えば温水の温度を上記所望の温度に一致させることで)、培養液の温度が上記所望の温度を越えることが防止されていた。このため、培養液の加熱に長い時間を要していた。
また、上述したマグネティックスターラでは、容器の蓋を外して、撹拌子を容器内の減菌した液体に出し入れする必要があり、この際、細菌、ウイルス等が液体に混入する虞れがある。
特許文献2では、容器に収容可能な大きさの鉢しか加熱できず、また、特許文献3では、伝熱部にセット可能な大きさの反応容器しか加熱できない。このように、特許文献2,3は、加熱可能な鉢や反応容器の大きさを制限するものであり、様々な大きさの容器を加熱できるものではない。また特許文献2,3の装置では、無菌流体や反応液の加熱時に、無菌流体や反応液を撹拌させることもできない。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、様々な大きさの容器を加熱できるとともに、当該加熱時に容器内の液体を撹拌可能であり、温水に浸漬させることなく容器を加熱できることで容器の清潔さを維持可能な加熱装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の加熱装置は、液体を収容する容器を加熱するための加熱装置であって、台座と、前記台座を回転可能に支持する支持体と、前記台座に載置される複数のブロックと、前記複数のブロックを加熱するヒータとを備え、前記台座の所定位置には、液体を収容する容器が載置され、前記複数のブロックは、前記台座の所定位置を中心として放射状に配置されて、それぞれ前記台座の所定位置に対して接近及び離反する方向に移動可能であり、前記台座の所定位置に前記容器が載置された状態では、前記複数のブロックをそれぞれ前記接近する方向に移動させることで、前記複数のブロックで前記容器を固定して、前記複数のブロックの熱で前記容器を加熱することが可能であり、且つ、前記台座を回転させることで前記容器内の液体を攪拌することが可能である。
好ましくは、前記複数のブロックは、金属から形成される。
好ましくは、各前記ブロックと前記容器との間に介装される袋体をさらに備え、前記袋体にはゲルあるいは液体が封入されており、当該ゲルあるいは液体を介して前記ブロックの熱が前記容器に伝達されることで、前記容器が加熱される。
好ましくは、前記複数のブロックは、前記離反する方向に凸となる円弧状を呈する。
好ましくは、前記台座に載置される環状の外壁カバーをさらに有し、前記複数のブロックは、前記外壁カバーの内側に配置される。
好ましくは、前記外壁カバーは、樹脂から形成される。
好ましくは、前記ブロックの各々に対して設けられる螺子及びバネをさらに備え、前記螺子は、前記ブロックと相対する位置で前記外壁カバーを貫通しており、前記螺子の先端は、前記外壁カバーと前記ブロックとの間に位置し、前記バネは、一端が前記外壁カバーに接続され、他端が前記ブロックに接続され、前記螺子の一方回りの回転で、前記螺子を前記ブロック側に移動させて、前記螺子の先端を前記ブロックに押し付けることで、前記ブロックは、前記接近する方向に移動し、前記螺子の他方回りの回転で、前記螺子を前記ブロックの反対側に移動させて、前記ブロックに対する前記螺子の押し付けを弱めることで、前記ブロックは、前記バネの引張力により、前記離反する方向に移動する。
好ましくは、前記支持体は、箱状のケースと、カムと、モータと、接続棒とを備え、前記ケースの上面には、開口部が形成され、前記台座は、前記開口部を覆うように、前記ケースの上面に載置され、前記カム及び前記モータは、前記ケースの内部に配置されて、前記モータの駆動により、前記カムは回転し、前記接続棒は、前記開口部を上下に通過しており、前記接続棒の下端は前記カムに接続され、前記接続棒の上端は前記台座に接続され、
前記モータの駆動で前記カムを回転させることで、前記接続棒が回転し、当該接続棒の回転に伴い前記台座が回転することで、前記容器内の液体が攪拌される。
好ましくは、前記容器内の液体の温度を測定する温度センサと、前記温度センサの測定値に基づき、前記ヒータが前記複数のブロックに加える熱を制御する温度制御手段とを備える。
好ましくは、前記温度センサは、前記台座に載置される赤外線センサ等であり、当該赤外線センサは、隣り合う2つの前記ブロックの間から赤外線を前記容器内の液体から感知することで、前記液体の温度を測定する。容器内の液体を所定温度以下に加熱するとき、赤外線センサ等で制御されるため、加熱ブロックの温度は上記所定温度を超えることも許容される。
好ましくは、前記ヒータは、各前記ブロックの空洞部に通される電熱線に電流を流して、当該電熱線を発熱させることで、各前記ブロックを加熱するものであり、前記温度制御手段は、前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量を取得する変化量取得部と、前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にあるか否かを判定する温度判定部と、前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にない場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の上限値との差分である第1差分を取得するとともに、前記第1差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御する電流制御部とを備える。
好ましくは、前記温度判定部は、前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にある場合、前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が正負いずれの値を有するか判定し、前記電流制御部は、前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が正の値である場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の上限値との差分である第1差分を取得するとともに、当該第1差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御し、前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が負の値である場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の下限値との差分である第2差分を取得するとともに、当該第2差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御する。
本発明の加熱装置によれば、ブロックを台座の位置に対して接近又は離反する方向に移動させることで、様々な大きさの容器を台座に載置して、当該容器にブロックを当接させて当該容器にブロックの熱を伝えることができる。したがって、様々な大きさの容器を加熱可能である。また、ブロックの熱で容器が加熱されるので、温水に浸漬させることなく容器を加熱できる。したがって、容器の清潔さを維持することができる。さらに、ブロックを容器に当接させる間に台座を回転させることで、加熱時に容器内の液体を撹拌可能である。
本発明の実施形態に係る加熱装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を示す平面図である。 温度制御装置や温度センサや電源やブロックを示す概略図である。 台座や支持体を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて容器を加熱する手順を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて容器を加熱する手順を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて容器を加熱する手順を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて、容器を加熱する手順を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて、容器を加熱する手順を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いて、容器を加熱する手順を示す平面図である。 温度制御装置の処理を示すフローチャートである。 図11の処理が実行される間における温度センサの計測値の推移を示すグラフである。 本発明の変形例の加熱装置を示す平面図である。 本発明の変形例の加熱装置を示す平面図である。 本発明の変形例の加熱装置を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る加熱装置を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る加熱装置1を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る加熱装置1を示す平面図である(図2では後述する支持体6の図示を省略している)。図3は、後述するヒータ12や温度制御装置13の構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態の加熱装置1は、液体を収容する容器2を加熱するために使用される。容器2は、本体部3と、蓋部4とを備える。本体部3は、断面円形の有底筒状を呈しており、例えばポリスチレンやガラスなど、赤外線を透過可能な透明な材料から形成される。本実施形態では、本体部3の内部に細胞の培養液Eが収容される。この培養液Eは、本体部3の一端の開口から本体部3の内部に投入されたものである。蓋部4は、例えばポリスチレンから形成される。細菌等が培養液Eに混入することを防止するために、蓋部4が本体部3の開口に取り付けられて、本体部3の内部が密閉される。
本実施形態の加熱装置1は、台座5と、支持体6と、ブロック7A,7B,7Cと、外壁カバー8と、螺子9A,9B,9C(図2)と、バネ10A,10B,10C(図2)と、赤外線センサ11と、ヒータ12(図3)と、温度制御装置13(図3)とを備える。以下、ブロック7A,7B,7Cを総称してブロック7と適宜記し、螺子9A,9B,9Cを総称して螺子9と適宜記し、バネ10A,10B,10Cを総称してバネ10と適宜記す。
台座5は、金属製の板材であり、円形を呈する。この台座5の上に、容器2、ブロック7、外壁カバー8、及び赤外線センサ11が載置される。
外壁カバー8は、例えば樹脂から形成される。外壁カバー8は環状を呈しており、容器2やブロック7や赤外線センサ11は、外壁カバー8の内側に配置される。
図2に示す符号Wは、台座の中心位置を示しており、この台座の位置Wに容器2が載置される。ブロック7A,7B,7Cは、台座5の位置Wを中心として放射状に配置される。ブロック7は、熱導電性の高いアルミニウム等の金属から形成される。
ブロック7A,7B,7Cは、位置Wを中心とする周方向に間隔をあけて配置される。図2に示す二点鎖線Zは、隣り合うブロック7Aとブロック7Cとの間の隙間を示しており、赤外線センサ11は、この隙間Zの後方に配置される。赤外線センサ11は、隙間Zを通して容器2内の培養液Eから発せられる赤外線Lを感知して培養液Eの温度を測定する(後述の図8,図9参照)。
螺子9やバネ10は、ブロック7の各々に対して設けられる(螺子9Aやバネ10Aはブロック7Aに対して設けられ、螺子9Bやバネ10Bはブロック7Bに対して設けられ、螺子9Cやバネ10Cはブロック7Cに対して設けられる)。
バネ10は、一端が外壁カバー8に接続され、他端が対応するブロック7に接続される(例えば、バネ10Aは、一端が外壁カバー8に接続され、他端がブロック7Aに接続される)。
螺子9は、ブロック7と相対する位置で外壁カバー8を貫通しており、先端が外壁カバー8とブロック7との間に位置する。
具体的には、外壁カバー8には、ブロック7A,7B,7Cと相対する位置において、それぞれ貫通孔14A,14B,14Cが形成される。以下、貫通孔14A,14B,14Cを総称して貫通孔14と適宜記す。貫通孔14の内面には、螺子溝が形成される。螺子9は、軸体15と、摘み部16とを備える。軸体15の外面には、螺子凸条が形成される。摘み部16は、軸体15の基端に設けられる。螺子9A,9B,9Cの各々は、軸体15が貫通孔14に通されており、軸体15の先端が対応するブロック7と外壁カバー8との間に位置し、摘み部16が外壁カバー8の外側に位置する(例えば、螺子9Aは、軸体15が貫通孔14Aに通されており、軸体15の先端がブロック7Aと外壁カバー8との間に位置し、摘み部16が外壁カバー8の外側に位置する)。
貫通孔14内に位置する軸体15の範囲では、螺子凸条が螺子溝に螺合する。この螺合により、ユーザは摘み部16を握って螺子9を回転させることで、螺子9を進退させることができる。すなわち図2(a)に示すように、螺子9を一方回りPに回転させることで、螺子9をブロック7に向けて前進させることができる。この操作が行われる場合には、螺子9の先端がブロック7に押し付けられることで、ブロック7は、台座5の位置Wに対して接近する方向Rに移動する(以下、上記の接近する方向Rを、接近方向Rと記す)。そしてこの接近方向Rへのブロック7の移動により、バネ10は、自然長から伸びた状態になる。また図2(b)に示すように、螺子9を他方回りQに回転させることで、螺子9をブロック7の反対側に向けて後退させることができる。この操作が行われる場合には、ブロック7に対する螺子9の押し付けが弱まることで、ブロック7は、バネ10の引張力により、台座5の位置Wに対して離反する方向Sに移動する(以下、上記の離反する方向Sを、離反方向Rと記す)。ブロック7は、この離反方向Sに凸となる円弧状を呈する。
図4は、台座5や支持体6を示す平面図である。図4では、台座5に載置される容器2・ブロック7・外壁カバー8・赤外線センサ11の図示を省略している。
支持体6は、台座5を回転可能に支持するものである。この支持体6は、箱状のケース17や、接続棒18や、カム(図示せず)や、モータ(図示せず)を備える。
ケース17の上面には、開口部19が形成される。台座5は、開口部19を覆うように、ケース17の上面に載置される。
図示しないカムやモータは、ケース17の内部に配置される。接続棒18は、開口部19を上下に通過する。接続棒18の下端はカムの中心に接続される。接続棒18の上端は台座5に接続されており、その接続位置は台座5の中心Wからずれている。
図1に示すように、ケース17の側面には、モータを制御するための回転摘み30が設けられる。ユーザは、回転摘み30を回転させることで、モータを回転駆動させたり、モータの回転速度を調整することができる。この回転摘み30に対する操作でモータを駆動させると、カムが回転し、これに伴い、接続棒18が回転する。そして、この接続棒18の回転によって台座5が偏心回転する(図4の二点鎖線は、偏心回転中の台座5を示している)。そして、この台座5の偏心回転により、円や楕円の軌跡を描く容器2の移動が生じて、容器2内の培養液Eが攪拌される。また、ユーザは、回転摘み30を大きく回転させることで、モータの回転速度を高速にすることができる。この場合、カムや接続棒18の回転速度も高速になるので、台座5が高速で偏心回転して、容器2の円運動や楕円運動の速度が速くなり、大きな慣性力で培養液Eが攪拌される。
図3に示すように、ヒータ12は、電源回路40と、電熱線41A,41B,41Cと、配線42A,42B,42Cとを備える。以下、電熱線41A,41B,41Cを総称して電熱線41と適宜記し、配線42A,42B,42Cを総称して配線42と適宜記す。
電源回路40は、ケース17の内部に配置される。電熱線41や配線42は、ブロック7毎に設けられる(電熱線41Aや配線42Aはブロック7Aに対して設けられ、電熱線41Bや配線42Bはブロック7Bに対して設けられ、電熱線41Cや配線42Cはブロック7Cに対して設けられている)。電熱線41は、ブロック7の空洞部に通される。配線42は、ケース17の開口部19(図4)や、その上方にある台座5の貫通孔(図示せず)に通されて、電源回路40と電熱線41とを接続する。
図1に示すように、ケース17の側面には、電源回路40のON・OFFを切り替えるためのスイッチ23が設けられる。このスイッチ23に対する操作で電源回路40をONとすることで、電源回路40からの電圧が、配線42を介して電熱線41に印加される。これにより、電熱線41に電流が流れて電熱線41が発熱し、この電熱線41の熱がブロック7に伝達されることで、ブロック7が加熱される。
温度制御装置13は、CPUやメモリを備えるものであって、ケース17の内部に配置される。この温度制御装置13では、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することで、図3に示す測定値取得部24と温度判定部25と変化量取得部26と電流制御部27とが構成される。これら各部は、赤外線センサ11の計測値に基づき、電熱線41に流れる電流の値を制御して、ブロック7の温度を調節する。
また図1に示すように、ケース17の側面には、入力操作を行うための操作キー28が設けられる。この操作キー28には、上下左右キー、テンキー、決定キーなどが含まれる。ユーザは、操作キー28を操作することで、容器2に収容した培養液Eの量及び特性に関する情報や、目標とする培養液Eの温度範囲を入力することができる。操作キー28から入力された情報は、温度制御装置13のCPUに送られて、温度制御装置13のメモリに格納される。
また、ケース17の側面には、表示部45が設けられる。表示部45は、操作キー28から入力された情報や、赤外線センサ11が測定した培養液Eの温度等を表示可能である。
図5〜図10は、加熱装置1を用いて容器2を加熱する手順を示す平面図である。以下、図5〜図10を参照して、容器2を加熱する手順について説明する。
まず、台座5の上に容器2を載置するための作業が行われる。この際には、まず図5に示すように、螺子9の他方回りQの回転で、ブロック7を離反方向Sに後退させて、ブロック7の内側に容器2を配置可能な空間を確保する。
ついで、図6に示すように、台座5の位置Wの上に、容器2を載置する。
ついで、図6や図7に示すように、螺子9の一方回りPの回転で、ブロック7を接近方向Rに前進させる。これにより、図7に示すように、ブロック7が容器2に当接して、ブロック7により容器2が固定される。
以上の作業によれば、螺子9の回転量を調整することで、方向S,Rへのブロック7の移動量を調整できる。そして、このようにブロック7の移動量が調整できることで、ブロック7の内側の空間を大きくしたり小さくすることができる。したがって、ブロック7の内側に様々な大きさの容器2を配置して、当該容器2にブロック7を当接させることができる。
また上記の作業に前後して、操作キー28(図1)に対する操作で、容器2内に収容されている培養液Eの量及び特性に関する情報や、培養液Eの目標温度範囲が入力される。
ついで、スイッチ23(図1)に対する操作で電源回路40(図3)をONにすることで、電熱線41に電流を流す。これにより、電熱線41が発熱してブロック7が加熱される。そして、このブロック7の熱が伝わることで容器2や培養液Eが加熱される。また回転摘み30(図1)を回転させることで、モータを作動させ、台座5を偏心回転させる(図8,図9)。これにより、容器2の円移動或いは楕円移動が生じて、容器2内の培養液Eが攪拌される。
また、上記のスイッチ23に対する操作に応じて、赤外線センサ11が容器2内の培養液Eからの赤外線Lを感知して培養液Eの温度を計測することや(図8,図9)、温度制御装置13が、赤外線センサ11の計測値に基づき、電熱線41に流れる電流の値を制御することが開始される。この温度制御装置13の処理については後述する。
そして、培養液Eの温度が目標範囲内に所定時間維持された後など、培養液Eの加熱を終了すべきと判断される適宜の時点において、ユーザがスイッチ23(図1)への操作で電源回路40(図3)をOFFにし、電熱線41への通電を停止させることで、培養液Eの加熱が停止される。また、上記のスイッチ23の操作が行われることで、赤外線センサ11の温度計測や温度制御装置13の処理も停止する。また、ユーザが回転摘み30(図1)を回転させてモータを停止させることで、台座5の回転が止まり、培養液Eの攪拌が停止される。
ついで図10に示すように、螺子9の他方回りQの回転で、螺子9をブロック7の反対側に移動させる。これにより、ブロック7に対する螺子9の押し付けが解除されて、バネ10の引張力により、ブロック7が離反方向Sに移動する。これにより、ブロック7が容器2から離れた状態になる。この後、容器2が取り出されることで、全ての作業が終了する。
次に、温度制御装置13の処理について説明する。図11は、温度制御装置13の処理を示すフローチャートである。図11の処理は、図3に示す測定値取得部24や温度判定部25や変化量取得部26や電流制御部27によって実行される。図12は、図11の処理の実行時における赤外線センサ11の計測値(培養液Eの温度)の推移を示すグラフである。図12の縦軸は、赤外線センサ11の測定値(培養液Eの温度)を示す。図12の横軸は、容器2の加熱が開始された時点Tからの経過時間を示す(時点Tは電源回路40がONとされた時点である)。図12に示すD及びDは、操作キー28から入力された目標温度範囲の下限値及び上限値である(例えば、上限値Dは37℃に設定され、下限値Dは35℃に設定される)。以下、図11や図12を参照して、温度制御装置13の処理を説明する。
まず、スイッチ23(図1)への操作で電源回路40がONにされることに応じて、測定値取得部24は、赤外線センサ11の初期の測定値Dを取得して、温度制御装置13のメモリに格納する(図11のステップS1)。赤外線センサ11の初期の測定値Dとは、電源回路40がONにされた時点Tにおける赤外線センサ11の測定値である。
ステップS1の後では、S2→S3→S4→S5→S6→S7のフロー、S2→S3→S4→S5→S8→S9→S10のフロー、S2→S3→S4→S5→S8→S11→S12のフロー、S2→S3→S13のフローのうち、いずれかのフローが実行される。そして、これらのフローが実行された後には、ステップS2に復帰することで、上記3つのフローのいずれかを実行することが繰り返される。ステップS2では、温度制御装置13の測定値取得部24(図3)が、赤外線センサ11の現在の測定値Dtを取得して、温度制御装置13のメモリに格納する。このステップS2への復帰が所定の時間間隔で繰り返されることで、所定の時間間隔で、赤外線センサ11の測定値Dtが取得されて、メモリに格納される。
S2→S3→S4→S5→S6→S7のフローは、図12に示す時間帯T〜Tのように、赤外線センサ11の測定値Dtが目標温度範囲D〜Dに達していない時間帯で実行される。以下、このフローについて説明する。
ステップS2では、上述したように、測定値取得部24が、赤外線センサ11の現在の測定値Dtを取得して、温度制御装置13のメモリに格納する。
続くステップS3では、温度判定部25が、ステップS2で取得された赤外線センサ11の測定値Dtが目標温度範囲D〜Dの上限値Dを越えているか否かを判定する。時間帯T〜Tのように、測定値Dtが上限値Dを越えていない時間帯では、NOと判定されて、ステップS4に移行する。
ステップS4では、変化量取得部26が、赤外線センサ11の測定値Dtの単位時間当たりの変化量ΔDを取得する。具体的には、変化量取得部26は、ステップS2で取得された現在の測定値Dtと、メモリに格納された前回の測定値Dt-1とを取得して、(Dt−Dt-1)/Δtの計算で、変化量ΔDを取得する。初回のステップS4では、ステップS2で取得された測定値Dtと、ステップS1で取得された初期の測定値Dとを用いて、変化量ΔDが取得される。
ついで、温度判定部25が、ステップS2で取得された赤外線センサ11の現在の測定値Dtが、目標温度範囲D〜D内にあるか否かを判定する(ステップS5)。時間帯T〜Tのように、測定値Dtが目標温度範囲D〜D内に到達していない時間帯では、NOと判定されて、ステップS6に移行する。
ステップS6では、電流制御部27が、ステップS2で取得された赤外線センサ11の測定値Dtと目標温度範囲の上限値Dとの差分である第1差分S1(=D−Dt)を取得する。
ついで、電流制御部27が、ステップS4で取得された測定値Dtの単位時間当たりの変化量ΔDと、ステップS6で取得された第1差分S1とに基づき、電熱線41に流れる電流を制御する(具体的には電源回路40から印加される電圧を制御する)(ステップS7)。例えば、第1差分S1が大きく変化量ΔDが小さい場合には、差分S1や変化量ΔDに応じた量で、電熱線41に流れる電流を増加させる。また、第1差分S1が小さく変化量ΔDが大きい場合には、差分S1や変化量ΔDに応じた量で、電熱線41に流れる電流を減少させる。また、第1差分S1が大きく変化量ΔDが大きい場合、或いは、第1差分S1が小さく変化量ΔDが小さい場合には、差分S1や変化量ΔDに応じた量で、電熱線41に流れる電流を増減させる。
ステップS7の後では、ステップS2に復帰することで、ステップS2からの処理が実行される。そしてステップS3,S5でNOと再び判定される場合には、S2→S3→S4→S5→S6→S7のフローが繰り返される。このフローは、ステップS3,S5のいずれかでYESと判定されるまで繰り返され、当該繰り返し各回のステップS7で、第1差分S1や変化量ΔDに基づき、電熱線41に流れる電流が制御される。この制御によれば、培養液Eの温度(測定値Dt)が低いときに、電熱線41の電流値を大きく増加させて、ブロック7や容器2の温度を急上昇させることができる。このため、図12の時間帯T〜Tに示す温度軌跡のように、培養液Eの温度(測定値Dt)が低いときに、培養液Eの温度(測定値Dt)を急上昇させることが可能である。したがって、培養液Eの温度(測定値Dt)を、短時間で目標温度範囲D〜Dに到達させることができる。また、上記の制御によれば、培養液Eの温度(測定値Dt)が目標温度範囲D〜Dに近づくにつれて、電熱線41の電流値の増加を抑え、ブロック7や容器2の温度上昇を緩やかにすることができる。このため、培養液Eの温度(測定値Dt)が目標温度範囲D〜Dに近づくにつれて、培養液Eの温度上昇を緩やかにすることができる。
次に、S2→S3→S4→S5→S8→S9→S10のフローや、S2→S3→S4→S5→S8→S11→S12のフローについて説明する。これらのフローは、図12のT以降の時間帯のように、赤外線センサ11の測定値Dtが目標温度範囲D〜Dに達した時間帯で実行される。
まず、ステップS2で現在の赤外線センサ11の測定値Dtが取得され、ステップS3で測定値Dtが上限値Dを越えているか否かが判定される。T以降の時間帯のように、測定値Dtが上限値Dを越えていない時間帯では、ステップS3ではNOと判定されて、ステップS4に移行する。
そして、ステップS4では、赤外線センサ11の測定値Dtの変化量ΔDが取得され、続くステップS5では、ステップS2で取得された赤外線センサ11の現在の測定値Dtが、目標温度範囲D〜D内にあるか否かが判定される(ステップS5)。T以降の時間帯のように、測定値Dtが目標温度範囲D〜D内にある時間帯では、ステップS5でYESと判定されて、ステップS8に移行する。
ステップS8では、温度判定部25が、ステップS4で取得された赤外線センサ11の測定値Dtの単位時間当たりの変化量ΔDが、正負いずれの値を有するか判定する。
例えば、測定値Dtが上昇傾向にある時間帯T〜Tでは、ステップS4で、正の値の変化量ΔDが取得される。このため、ステップS8では、変化量ΔDが正の値を有すると判定される。
また例えば、赤外線センサ11の測定値Dtが下降傾向にある時間帯T〜Tでは、ステップS4で、負の値の変化量ΔDが取得される。このため、ステップS8では、変化量ΔDが負の値を有すると判定される。
そして、時間帯T〜Tのように、ステップS8で変化量ΔDが正の値を有すると判定される場合には、ステップS9,S10が実行される。
ステップS9では、電流制御部27が、赤外線センサ11の測定値Dtと目標の温度範囲の上限値Dとの差分である第1差分S1(=D−Dt)を取得する。
ステップS10では、電流制御部27が、ステップS4で取得された測定値Dtの単位時間当たりの変化量ΔDと、ステップS9で取得された第1差分S1とに基づき、電熱線41の電流値を制御する。具体的には、変化量ΔDや差分S1に応じた量で、電源回路40から印加される電圧を増減させて、電熱線41に流れる電流を増減させる。
また、時間帯T〜Tのように、ステップS8で変化量ΔDが負の値を有すると判定される場合には、ステップS11,S12が実行される。
ステップS11では、電流制御部27が、赤外線センサ11の測定値Dtと目標の温度範囲の下限値D1との差分である第2差分S2(=Dt―D1)を取得する。
ステップS12では、電流制御部27が、ステップS4で取得された測定値Dtの変化量ΔDと、ステップS11で取得された第2差分S2とに基づき、電熱線41の電流値を制御する。具体的には、変化量ΔDや差分S2に応じた量で、電源回路40から印加される電圧を増減させて、電熱線41に流れる電流を増減させる。
ステップS10,S12の後では、ステップS2に復帰することで、ステップS2からの処理が実行される。そして、ステップS3でNO、ステップS5でYES、ステップS8で正の値を有すると判定された場合には、S2→S3→S4→S5→S8→S9→S10のフローが実行される。また、ステップS3でNO、ステップS5でYES、ステップS8で負の値を有すると判定された場合には、S2→S3→S4→S5→S8→S11→S12のフローが実行される。これらのフローは、ステップS3でYES或いはステップS5でNOと判定されるまで繰り返され、各回のステップS10,S12で、変化量ΔDや差分S1,S2に基づき、電熱線41に流れる電流が制御される。この制御によれば、
培養液Eの温度(測定値)が上限値Dを上回ったり下限値D1を下回ったりしないよう、ブロック7や容器2の温度を調整できる。例えば、培養液Eの温度(測定値D)が上限値Dに近づけば、電熱線41の電流値を減少させて、ブロック7や容器2の温度上昇を抑制できる。また、培養液Eの温度(測定値D)が下限値Dに近づけば、電熱線41の電流値を増加させて、ブロック7や容器2の温度低下を抑制できる。これにより、培養液Eの温度(測定値D)は、図12のT以降の時間帯に示されるような波形軌跡で変化して、目標温度範囲D〜D内に維持される。
なお、上述したステップS7,S10,S12を実行するために、予め、温度制御装置13のメモリには、複数の計算式が格納される。これらの計算式は、変化量ΔDや差分S1,S2を入力値として、電熱線41の電流値を求めるものである。上述したステップS7,S10,S12では、操作キー28から入力された培養液Eの量や特性に関する情報に基づき、メモリに格納された計算式の中から、いずれかの計算式が選択される。そして、この選択された計算式に変化量ΔDや差分S1,S2を代入することで電流値が求められ、この値に電熱線41の電流値を一致させる制御が行われる。
次に、S2→S3→S13のフローについて説明する。このフローは、万一、培養液Eの温度(測定値Dt)が上限値Dを越えてしまう事態を考慮して設けられている。この事態が生じる場合には、ステップS3でYESと判定されることで、電流制御部27が、電熱線41の電流値を0とする(ステップS13)。これにより、ブロック7や容器2の温度が急激に低下することで、培養液Eが冷却される。ステップS13の後では、ステップS2に復帰することで、ステップS2,S3が実行され、ステップS3で再びYESと判定される場合には、S2→S3→S13のフローが繰り返される。この繰り返しは、培養液Eの温度Dtが上限値Dを下回り、ステップS3でNOと判定されるまで行われ、この間、電熱線41の電流値は0に維持される。なおステップS13では、電熱線41の電流値を0近傍の低い値にされてもよい。
本実施形態の加熱装置1によれば、ブロック7を接近方向Rや離反方向Sに移動させることで、様々な大きさの容器2を台座5に載置して、当該容器2にブロック7を当接させて容器2にブロック7の熱を伝えることができる。このため、様々な大きさの容器2を加熱することできる。また、螺子9の回転量を調整することで、ブロック7の移動量を調整できるので、確実に容器2にブロック7を当接させてブロック7の熱を伝えることができる。また、ブロック7の熱で容器2が加熱されるので、温水に浸漬させることなく容器2を加熱できる。したがって、容器2の清潔さを維持できる。さらに、ブロック7が容器2に当接する間に台座5を回転させることで、培養液Eを攪拌しながら、培養液Eを加熱することができる。
また、ブロック7が、熱導電性の高いアルミニウムなどの金属から形成されるため、ヒータ12によりブロック7を効率的に加熱できる。
また、ブロック7が、離反方向Sに凸となる円弧状を呈するため、容器2が円形断面を有する場合には、当該容器2に当接させるブロック7の面積を大きくすることができる(伝熱に寄与するブロック7の面積を大きくすることができる)。このため、容器2を迅速に加熱できる。
また、外壁カバー8の内側にブロック7が配置されることで、ブロック7に手が触れることを防止できる。このため、ブロック7の熱により手が火傷しない。また、外壁カバー8が樹脂から形成されることで、外壁カバー8の温度が高温にならない。したがって、手が外壁カバー8に触れても、手が火傷しない。
また、赤外線センサ11が測定した実際の培養液Eの温度に基づき、ブロック7の熱が制御され、このブロック7の熱が伝わることで容器2や培養液Eが加熱される。これにより、培養液Eの温度を、目標温度範囲D〜Dに到達させて、当該目標温度範囲D〜D内に維持できる。さらに、容器2内の温度(培養液Eの温度)を外部のセンサから測定することにより、容器内の液体(培養液E)を所定温度D以下に加熱するとき、ブロック7の温度が上記所定温度Dを超えることも許容される。これにより、容器内の液体(培養液E)を上記所定温度D以上で加熱することができ、迅速かつ正確な温度維持が可能である。
また、培養液Eの温度を計測するセンサとして、赤外線センサ11を用いることで、容器2を蓋で密閉した状態で、培養液Eの温度を計測できる。このため、細菌等が培養液Eに混入することなく、培養液Eの温度を計測できる。
また、台座5の上に容器2やブロック7や赤外線センサ11が載置されることで、台座5を回転させて培養液Eを攪拌する間においても、容器2とブロック7と赤外線センサ11との相対的な位置関係が維持される。このため、培養液Eを攪拌する間においても、容器内の培養液Eから発せられる赤外線Lを隣り合う2つのブロック7A,7Cの間から感知して、培養液Eの温度を測定することができる。
また、培養液Eの温度が目標温度範囲D〜Dに到達していない時間帯T〜Tでは、第1差分S1や変化量ΔDに基づき、電熱線41に流れる電流が制御される。これにより、培養液Eの温度を、短時間で目標温度範囲D〜Dに到達させることができる。
さらに、培養液Eの温度が目標温度範囲D〜DにあるT以降の時間帯では、差分S1,S2や変化量ΔDに基づき、電熱線41に流れる電流が制御される。これにより、培養液Eの温度を、目標温度範囲D〜D内に維持することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲において種々改変することができる。
例えば、上記の実施形態では、台座5に載置されるブロック7の数が3である例を示したが、ブロック7の数は、容器2を挟持可能な2以上の任意の複数に設定できる。また、このブロック7の数に応じて、螺子9やバネ10の数も適宜設定できる。また、培養液Eの目標温度範囲D〜Dの下限値Dや上限値Dも、任意の値に設定され得る。
また、上記の実施形態では、接続棒18の上端が台座5の中心Wからずれた位置に接続されることで、台座5が偏心回転する例を示したが、接続棒18の上端は、台座5の中心Wに接続されてもよい。この場合、台座5が偏心のない回転を行うことで、容器2が回転して、この回転の遠心力によって培養液が撹拌される。
また、上記の実施形態では、接続棒18の下端がカムに接続され、カムが回転することで、接続棒18が回転する例を示したが、接続棒18の下端は、前後に搖動する搖動手段に接続されてもよい。この場合、搖動手段の前後動に伴い、接続棒18や台座5が前後動することで、容器2が搖動して、培養液Eが撹拌される。なお、上記の搖動手段は、ケース17の内部に設けられて、モータの作動により前後に搖動する。
また、ケース17から上方に延びるピンを、台座5の貫通孔に挿通し、このピンを中心に台座5を回転させることで、培養液Eを撹拌させてもよい。或いは、台座5の貫通孔の径を上記ピンの径よりも大きくし、貫通孔の内周面がピンに摺接するように、台座5を回転させてもよい。この場合、台座5が偏心回転するので、円や楕円の軌跡を描く容器2の移動が生じて、容器2内の培養液Eが攪拌される。
また、上記の実施形態では、容器2内の培養液Eの温度を測定する温度センサとして、赤外線センサ11を用いる例を示したが、赤外線センサ11の代わりに、電熱線41に流れた電流の累積値や、電熱線41の通電時間の累積値から、培養液Eの温度を計算する手段が使用されてもよい。このような手段によっても、容器2を蓋で密閉した状態で、培養液Eの温度を計測できるので、細菌等が培養液Eに混入することを防止できる。
また、上記の実施形態では、ブロック7を容器2に当接させることで、容器2を加熱する例を示したが、容器2を加熱する方法はこれに限られない。例えば、熱伝導性の高いゲルあるいは液体を介してブロック7の熱を容器2に間接的に伝達することで、容器2を加熱してもよい。この場合には、例えば図13に示すように、ゲルあるいは液体を封入する袋体50が、各ブロック7と容器2との間に介装される。この袋体50の介装は、ブロック7を方向Rに移動させるときに、ブロック7と容器2との間に袋体50を挟み込むことで行われる。或いは、袋体50はブロック7の内側面に接合されるものであってもよい。この場合、袋体50がブロック7と共に方向Rに移動することで、袋体50がブロック7と容器2との間に介装される。
また、図14に示すように、バネ10の螺旋内側に螺子9を通過させてもよい。この場合、螺子9の回転で螺子9を進退させる際に、バネ10が螺子9に沿って伸縮するので、バネ10の伸縮方向が安定する。このため、確実にブロック7を接近方向や離反方向に移動させて、ブロック7を容器2に近づけたり。ブロック7を容器2から離すことができる。
また、本発明の加熱装置は、図15に示すように変形されてもよい。図15の例は、図2の例から螺子9を省略したものであり、バネ10の力で容器2を固定する。図15(a)は、バネ10の長さが自然長である状態を示す。図15(b)は、図15(a)の状態から、ブロック7の内側に容器2を差し込んだ状態を示す。図15(b)の状態では、容器2がブロック7を押圧することで、ブロック7がバネ10側に移動して、バネ10が圧縮されている。そして、この圧縮状態にあるバネ10がブロック7を押圧することで、ブロック7が容器2に密着して、容器2が固定されている。そして図15(b)の状態から、容器2を抜き出すことで、ブロック7がバネ10の反対側に移動して、バネ10の長さが自然長に復帰し、図15(a)に示す状態になる。この図15の例においても、ブロック7を容器2に当接させることができるので、ブロック7の熱で容器2を加熱することができる。また、バネ10が伸縮することで、様々な大きさの容器2をブロック7の内側に配置して、当該容器2にブロック7を当接させることができる。このため、様々な大きさの容器2を加熱することできる。
また、上記の実施形態では、容器2に培養液Eを収容する例を示したが、容器2に収容可能な液体は培養液に限定されず、加熱対象となる任意の液体を容器2に収容することができる。
1 加熱装置
2 容器
5 台座、
6 支持体
7A,7B,7C ブロック
8 外壁カバー
9A,9B,9C 螺子
10A,10B,10C バネ
11 赤外線センサ
12 ヒータ
13 温度制御装置(温度制御手段)
17 ケース
18 接続棒
19 開口部
24 測定値取得部
25 温度判定部
26 変化量取得部
27 電流制御部
41A,41B,41C 電熱線
50 袋体

Claims (12)

  1. 液体を収容する容器を加熱するための加熱装置であって、
    台座と、
    前記台座を回転可能に支持する支持体と、
    前記台座に載置される複数のブロックと、
    前記複数のブロックを加熱するヒータとを備え、
    前記台座の所定位置には、液体を収容する容器が載置され、
    前記複数のブロックは、前記台座の所定位置を中心として放射状に配置されて、それぞれ前記台座の所定位置に対して接近及び離反する方向に移動可能であり、
    前記台座の所定位置に前記容器が載置された状態では、前記複数のブロックをそれぞれ前記接近する方向に移動させることで、前記複数のブロックで前記容器を固定して、前記複数のブロックの熱で前記容器を加熱することが可能であり、且つ、前記台座を回転させることで前記容器内の液体を攪拌することが可能である加熱装置。
  2. 前記複数のブロックは、金属から形成される請求項1に記載の加熱装置。
  3. 各前記ブロックと前記容器との間に介装される袋体をさらに備え、
    前記袋体にはゲルあるいは液体が封入されており、当該ゲルあるいは液体を介して前記ブロックの熱が前記容器に伝達されることで、前記容器が加熱される請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 前記複数のブロックは、前記離反する方向に凸となる円弧状を呈する請求項1乃至3のいずれかに記載の加熱装置。
  5. 前記台座に載置される環状の外壁カバーをさらに有し、
    前記複数のブロックは、前記外壁カバーの内側に配置される請求項1乃至4のいずれかに記載の加熱装置。
  6. 前記外壁カバーは、樹脂から形成される請求項5に記載の加熱装置。
  7. 前記ブロックの各々に対して設けられる螺子及びバネをさらに備え、
    前記螺子は、前記ブロックと相対する位置で前記外壁カバーを貫通しており、前記螺子の先端は、前記外壁カバーと前記ブロックとの間に位置し、
    前記バネは、一端が前記外壁カバーに接続され、他端が前記ブロックに接続され、
    前記螺子の一方回りの回転で、前記螺子を前記ブロック側に移動させて、前記螺子の先端を前記ブロックに押し付けることで、前記ブロックは、前記接近する方向に移動し、
    前記螺子の他方回りの回転で、前記螺子を前記ブロックの反対側に移動させて、前記ブロックに対する前記螺子の押し付けを弱めることで、前記ブロックは、前記バネの引張力により、前記離反する方向に移動する請求項5又は6に記載の加熱装置。
  8. 前記支持体は、箱状のケースと、カムと、モータと、接続棒とを備え、
    前記ケースの上面には、開口部が形成され、
    前記台座は、前記開口部を覆うように、前記ケースの上面に載置され、
    前記カム及び前記モータは、前記ケースの内部に配置されて、前記モータの駆動により、前記カムは回転し、
    前記接続棒は、前記開口部を上下に通過しており、前記接続棒の下端は前記カムに接続され、前記接続棒の上端は前記台座に接続され、
    前記モータの駆動で前記カムを回転させることで、前記接続棒が回転し、当該接続棒の回転に伴い前記台座が回転することで、前記容器内の液体が攪拌される請求項1乃至7のいずれかに記載の加熱装置。
  9. 前記容器内の液体の温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサの測定値に基づき、前記ヒータが前記複数のブロックに加える熱を制御する温度制御手段とを備える請求項1乃至8のいずれかに記載の加熱装置。
  10. 前記温度センサは、前記台座に載置される赤外線センサであり、
    当該赤外線センサは、前記容器内の液体から発せられる赤外線を隣り合う2つの前記ブロックの間から感知することで、前記液体の温度を測定する請求項9に記載の加熱装置。
  11. 前記ヒータは、各前記ブロックの空洞部に通される電熱線に電流を流して、当該電熱線を発熱させることで、各前記ブロックを加熱するものであり、
    前記温度制御手段は、
    前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量を取得する変化量取得部と、
    前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にあるか否かを判定する温度判定部と、
    前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にない場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の上限値との差分である第1差分を取得するとともに、前記第1差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御する電流制御部とを備える請求項9又は10に記載の加熱装置。
  12. 前記温度判定部は、前記温度センサの測定値が目標の温度範囲内にある場合、前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が正負いずれの値を有するか判定し、
    前記電流制御部は、
    前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が正の値である場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の上限値との差分である第1差分を取得するとともに、当該第1差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御し、
    前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量が負の値である場合、前記温度センサの測定値と前記目標の温度範囲の下限値との差分である第2差分を取得するとともに、当該第2差分と前記温度センサの測定値の単位時間当たりの変化量とに基づき、前記電熱線に流れる電流の値を制御する請求項11に記載の加熱装置。
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