JP2016189106A - Pid制御装置及びpid制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御パラメータの調整が容易であり、制御パラメータの再調整が不要であり、制御対象装置を安定して制御できるPID制御装置及びPID制御方法を提供する。
【解決手段】PID制御装置100は、入力値U(n)を制限して制御信号O(n)として出力する第1制限部110と、目標値SVから状態値PVを減算して偏差e(n)を出力するフィードバック部102と、偏差を増幅して出力する第1増幅部106と、偏差を遅延して出力する第1遅延部120と、第1遅延部の出力を増幅して出力する第2増幅部122と、制御信号を制限して出力する第2制限部124と、第2制限部の出力を遅延して出力する第2遅延部126と、第2遅延部の出力を増幅して出力する第3増幅部128と、第1〜第3増幅部の出力を加算して入力値として出力する加算部108とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータ等の制御対象装置のPID制御において、制御パラメータの調整が容易であり、調整後の制御パラメータの再調整が不要であり、制御対象装置を安定して制御することができるPID制御装置及びPID制御方法に関する。
ステッピングモータ等のモータの回転をPWM制御する場合に、モータの回転を検出するエンコーダの出力パルスをフィードバックして、モータの回転速度及び駆動量を、要望する設定量に応じて制御するモータ制御方法が知られている。フィードバック制御として、例えばPID制御が使用される。
下記特許文献1には、制御目標値に追従するための制御を行いながら、モータ出力の急激な変動によって起きる振動を抑えることができるモータ駆動制御装置が開示されている。このモータ駆動制御装置は、PID制御によりモータを制御するための出力値を決定する。モータ駆動制御装置は、今回の出力値N−PWMを算出し、算出した今回の出力値N−PWMと前回の出力値O−PWMとを用いて、両者の差分Lを算出し、差分Lと制限値±L0とを比較する。比較の結果、L>+L0であれば、今回の出力値N−PWMを、N−PWM=(O−PWM)+L0と変更し、L<−L0であれば、今回の出力値N−PWMを、N−PWM=(O−PWM)−L0と変更して、差分Lが制限値L0内になるように、今回の出力値を制限する。このように、モータを制御するための出力値の変化(差分)を予め定めた制限値内に制御することにより、モータ出力の急減な変動を抑制でき、振動及び騒音の発生を低減することができる。
特開2005−86941号公報
PID制御の基本式は、偏差eに比例する値を出力する比例動作(Poportional action:P動作)と、偏差eの積分に比例する値を出力する積分動作(Integral action:I動作)と、偏差eの微分に比例する値を出力する微分動作(Derivative action:D動作)とから構成される。
偏差eは、制御対象の目標値SVと、制御対象からのフィードバック値PVとの差(e=SV−PV)である。PID制御を伝達関数で表すと、次式のようになる。
Figure 2016189106
ここで、Kpは比例ゲイン、Tiは積分時間、Tdは微分時間である。
PID制御を、モータ等の実際の装置に適用する場合、通常、図1に示すように、PID制御の出力を、制御対象に応じて設定された所定の制限値(上限値)Xを超えないように制限することが行なわれる。
図1において、フィードバック部900は、偏差eを算出する。積分演算部902及び微分演算部904はそれぞれ、上記の式の括弧内の第2項及び第3項の演算を行ない、その結果を出力する。加算部906は、上記の式の括弧内の加算演算を行ない、その結果を出力する。増幅部908は、上記の式のKpの乗算に対応し、入力をKp倍に増幅して出力する。増幅部908の出力Uが、PID制御の出力である。
制限部910は、増幅部908の出力Uを、所定の制限値Xを超えないように制限する。即ち、制限部910により、出力値Oは、U≦XであればUとなり、U>XであればXとなる。
このような制限部910を設けることにより、出力OがPID制御の出力Uと異なる場合が生じる。したがって、図1の構成では、PID制御のパラメータ(Kp、Ti、Td)の調整が困難となる。また、パラメータの調整域が狭く、マシン毎(モータの速度別、負荷変動別等)に調整が必要となり、煩雑である。
また、図1の構成では、図2及び図3に示すように、発振が生じやすく、出力Oの波形が安定しない問題もある。図2及び図3はミュレーション結果を示す。図2及び図3において、偏差eは右側のスケールで表され、出力値Oは、左側のスケールで表されている。偏差e及び出力値Oは、何れも相対値である。横軸は時間軸(算出順序)である。
図2において、目標値SVが設定されると、偏差eは急速に減少し、所定の期間振動を繰返した後にほぼ収束する。偏差eが変動することにより、出力Oは大きく発振し、偏差eがほぼ収束しても安定しない。
図3は、パルスノイズが発生した場合のシミュレーション結果を示す。図3において、パルスノイズが発生する直前には、ほぼ収束していた偏差eは、パルスノイズが発生すると再度変動する。そのため出力値Oも、パルスノイズが発生すると再度大きく変動し、ノイズが消失しても安定しない。
これらの問題は、特許文献1によっては解決することができない。
したがって、本発明は、モータ等の制御対象装置のPID制御において、制御パラメータの調整が容易であり、調整後の制御パラメータの再調整が不要であり、制御対象装置を安定して制御することができるPID制御装置及びPID制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係るPID制御装置は、入力値を第1制限値以下に制限して、制御対象を制御するための制御信号として出力する第1制限部と、制御対象を所定状態にするための目標値から、制御対象の状態を表す状態値を減算して得られた値を偏差値として出力するフィードバック部と、フィードバック部の出力値を第1増幅率で増幅して出力する第1増幅部と、フィードバック部の出力値を所定の遅延時間遅延して出力する第1遅延部と、第1遅延部の出力値を第2増幅率で増幅して出力する第2増幅部と、制御信号を第2制限値以下に制限して出力する第2制限部と、第2制限部の出力値を遅延時間遅延して出力する第2遅延部と、第2遅延部の出力値を第3増幅率で増幅して出力する第3増幅部と、第1増幅部、第2増幅部及び第3増幅部の出力値を加算して得られた値を入力値として出力する加算部とを含む。
これにより、第1制限部から出力される制御信号が入力値と異なる場合にも、偏差値が安定し、制御パラメータ(第1〜第3増幅率)の調整が容易になり、制御対象の状態値が不安定な場合にも、制御パラメータ(第1〜第3増幅率)の調整が不要になる。制御信号は、ノイズ等による異常発生時にも、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。したがって、制御対象を速やかに所望の状態にすることができ、制御対象を安定して制御できる。
好ましくは、第2制限値は第1制限値よりも小さい。
より好ましくは、PID制御装置は、フィードバック部の出力値を遅延時間の2倍の時間遅延して出力する第3遅延部と、第3遅延部の出力値を第4増幅率で増幅して出力する第4増幅部と、制御信号を第3制限値以下に制限して出力する第3制限部と、第3制限部の出力値を遅延時間の2倍の時間遅延して出力する第4遅延部と、第4遅延部の出力値を第4増幅率で増幅して出力する第5増幅部とをさらに含む。加算部は、第1増幅部、第2増幅部、第3増幅部、第4増幅部及び第5増幅部の出力値を加算して得られた値を入力値として出力する。
これにより、第1制限部から出力される制御信号が入力値と異なる場合にも、偏差値が安定し、制御パラメータ(第1〜第5増幅率)の調整が容易になり、制御対象の状態値が不安定な場合にも、制御パラメータ(第1〜第5増幅率)の調整が不要になる。制御信号は、ノイズ等による異常発生時にも、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。したがって、制御対象を速やかに所望の状態にすることができ、制御対象を安定して制御できる。
さらに好ましくは、第3制限値は第1制限値よりも小さい。
好ましくは、PID制御装置は、目標値を所定値と比較した結果に応じて、第2制限値を変更する変更部をさらに含む。
これにより、制御対象の目標状態(例えば、モータの高速回転時又は低速回転時)に応じて、適切な第2制限値を用いて制御対象を制御できる。
本発明の第2の局面に係る制御方法は、入力値を第1制限値以下に制限して、制御対象を制御するための制御信号として出力する第1制限ステップと、制御対象を所定状態にするための目標値から、制御対象の状態を表す状態値を減算して得られた値を偏差値として出力するフィードバックステップと、フィードバックステップによる出力値を第1増幅率で増幅して出力する第1増幅ステップと、フィードバックステップによる出力値を所定の遅延時間遅延して出力する第1遅延ステップと、第1遅延ステップによる出力値を第2増幅率で増幅して出力する第2増幅ステップと、制御信号を第2制限値以下に制限して出力する第2制限ステップと、第2制限ステップによる出力値を遅延時間遅延して出力する第2遅延ステップと、第2遅延ステップによる出力値を第3増幅率で増幅して出力する第3増幅ステップと、第1増幅ステップ、第2増幅ステップ及び第3増幅ステップによる出力値を加算して得られた値を入力値として出力する加算ステップとを含む。
これにより、第1制御ステップにより出力される制御信号が入力値と異なる場合にも、偏差値が安定し、制御パラメータ(第1〜第3増幅率)の調整が容易になり、制御対象の状態値が不安定な場合にも、制御パラメータの調整が不要になる。制御信号は、ノイズ等による異常発生時にも、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。したがって、制御対象を速やかに所望の状態にすることができ、制御対象を安定して制御できる。
本発明によれば、PID制御の出力値(第1制限部の出力値)を所定値以下に制限して制御対象を制御する場合において、偏差が安定し、制御パラメータの調整が容易になり、制御対象の状態値が不安定な場合にも、制御パラメータの調整が不要になる。制御信号は、ノイズ等による異常発生時にも、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。したがって、制御対象を速やかに所望の状態にすることができ、制御対象を安定して制御することができる。
従来のPID制御を示すブロック図である。 従来のPID制御によるシミュレーション結果を示すグラフである。 従来のPID制御においてノイズを発生させた場合のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係るPID制御装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るPID制御装置を示すブロック図である。 図5のPID制御装置に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 図5のPID制御装置においてノイズを発生させた場合のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るPID制御装置を示すブロック図である。
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るPID制御装置100は、フィードバック部102、第1増幅部106、加算部108、第1制限部110、第1遅延部120、第2増幅部122、第2制限部124、第2遅延部126、及び第3増幅部128を含む。PID制御装置100により実行されるPID制御は、連続時間制御(アナログ制御)ではなく、所定のクロックで動作する離散時間制御(デジタル制御)である。PID制御装置100は、PID制御の差分法に基づく。即ち、アナログ系のPID制御において、積分を台形近似し、微分を差分で近似してデジタル化した公知のデジタル系PID制御を基本とし、これに変更を加えたものである。
フィードバック部102は、外部の制御部から入力される目標値SVと、制御対象(例えばモータ)から入力されるフィードバック値PVとの差(以下、偏差という)e(n)を出力する(e(n)=SV−PV))。フィードバック値PVは、制御対象の現在の状態(例えば、モータの回転数)を表すデータである。nは、動作クロックの1周期毎に決定される計算タイミングを特定するステップ(例えばクロックの立上りの順番)である。したがって、A(n)は、ステップnにおける値A(Aがアナログ信号であれば、クロック周期でサンプリングされた値)を表す。
第1増幅部106は、入力される偏差e(n)を増幅して出力する。第1増幅部106の増幅率をGAとする。第1増幅部106の出力値は、GA*e(n)である。
第1遅延部120は、入力される偏差e(n)を所定時間遅延させて出力する。遅延時間は、動作クロックの1周期と等しい。したがって、ステップnにおける第1遅延部120の出力値は、1ステップ前の偏差e(n−1)である。
第2増幅部122は、入力される第1遅延部120の出力値を増幅して出力する。第2増幅部122の増幅率をGBとする。ステップnにおける第2増幅部122の出力値は、GB*e(n−1)である。ここで、GBは、GB≧0に限らず、GB<0の場合もあり得る。
加算部108は、第1増幅部106の出力値、第2増幅部122の出力値、及び、第3増幅部128の出力値(後述するGC*Y*O(n−1))を加算して、理想出力値U(n)として出力する。
第1制限部110はリミッタであり、加算部108から入力される理想出力値U(n)を、所定の制限値以下に制限して出力する。第1制限部110の制限値(上限値)をXとする。即ち、出力値O(n)は、U(n)≦XであればU(n)、U(n)>XであればXである。制限値Xは、制御対象に応じて適宜設定され得る。第1制限部110の出力値O(n)は、制御対象の制御に使用される。
第2制限部124はリミッタであり、入力値(第1制限部110の出力値O(n))を所定の制限値以下に制限して出力する。第2制限部124の制限値(上限値)をYとする。第2遅延部126は、第2制限部124からの入力を所定時間遅延させて出力する。第2遅延部126の遅延時間は、第1遅延部120の遅延時間(動作クロックの1周期)と同じである。したがって、ステップnにおける第2遅延部126の出力値は、制限値Yで制限されたO(n−1)(即ち、O(n−1)≦YであればO(n−1)、O(n−1)>YであればY)である。制限値Yで制限されたO(n−1)をY*O(n−1)で表す。制御値Yは、制限値Xとは別に、適宜設定され得る。なお、制限値Y<制限値X であることが好ましい。制限値Y≧制限値X であれば、第2制限部124を設けない場合と同じになる。
第3増幅部128は、入力されるY*O(n−1)を増幅して出力する。第3増幅部128の増幅率をGCとする。ステップnにおける第3増幅部128の出力値は、GC*Y*O(n−1)となる。
以上により、PID制御装置100は、次の式(1)〜(3)で表される。
e(n)=SV−PV 式(1)
U(n)=GA*e(n)+GB*e(n−1)+GC*Y*O(n−1) 式(2)
O(n)=X*U(n) 式(3)
ここで、X*U(n)は制限値Xで制限されたU(n)であり、Y*O(n−1)は制限値Yで制限されたO(n−1)である。それ以外の演算子*は乗算を表す。
PID制御装置100により制御対象を制御する場合には、制限値Yは、制限値Y<制限値X の条件で、制限値X(制御対象)に応じて適宜設定される。そして、上記の式(1)〜(3)に含まれる制御パラメータである増幅率GA、GB、及びGCが調整される。このとき、PID制御装置100からは、理想出力値U(n)が第1制限部110により制限されて出力値O(n)として出力されるので、実際の出力値O(n)は理想出力値U(n)と異なる場合がある。そのような場合にも、偏差e(n)が安定し、制御パラメータ(GA、GB、及びGC)の調整が容易になる。
また、PID制御装置100では、フィードバック値PVが不安定なときでも、偏差e(n)が不安定にならないので、制御パラメータGA、GB、及びGCの再調整が不要である。例えば、ノイズ等による異常発生時にも、出力値O(n)は、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。
上記では、第2制限部124にO(n)が入力される場合を説明したが、U(n)が入力されてもよい。その場合には、制限値Y<制限値X という制限なく、制御値X及びYは、それぞれ独立に設定され得る。制御値X及びYが同じ値であってもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、PID制御に1周期の遅延と1つの制限値Yとを導入した。これに対して、第2の実施の形態では、PID制御に2周期までの遅延と2つ制限値とを導入する。
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るPID制御装置200は、フィードバック部102、第1増幅部106、加算部208、第1制限部110、第1遅延部120、第2増幅部122、第2制限部124、第2遅延部126、第3増幅部128、第3遅延部220、第4増幅部222、第3制限部224、第4遅延部226、及び第5増幅部228を含む。
PID制御装置200により実行されるPID制御は、所定のクロックで動作する離散時間制御(デジタル制御)である。PID制御装置200は、アナログ系のPID制御において、積分を台形近似し、微分を差分で近似してデジタル化した公知のデジタル系PID制御を基本とし、これに変更を加えたものである。
図5のPID制御装置200は、図4のPID制御装置100において、第3遅延部220、第4増幅部222、第3制限部224、第4遅延部226、及び第5増幅部228が追加され、加算部108が加算部208で代替されたものである。
第3遅延部220は、入力される偏差e(n)を所定時間遅延させて出力する。第3遅延部220の遅延時間は、第1遅延部120の遅延時間の2倍(動作クロックの2周期)である。したがって、ステップnにおける第3遅延部220の出力値は、2ステップ前の偏差e(n−2)である。
第4増幅部222は、入力される第3遅延部220の出力値を増幅して出力する。第4増幅部222の増幅率をGDとする。ステップnにおける第4増幅部222の出力値は、GD*e(n−2)である。
加算部208は、第1増幅部106の出力値、第2増幅部122の出力値、第4増幅部222の出力値、第3増幅部128の出力値、及び、第5増幅部228の出力値(後述するGE*Z*O(n−2))を加算して、理想出力値U(n)として出力する。
第3制限部224はリミッタであり、入力値(第1制限部110の出力値O(n))を所定の制限値以下に制限して出力する。第3制限部224の制限値(上限値)をZとする。第4遅延部226は、第3制限部224からの入力を所定時間遅延させて出力する。第4遅延部226の遅延時間は、第1遅延部120の遅延時間の2倍(動作クロックの2周期)である。したがって、ステップnにおける第4遅延部226の出力値は、制限値Zで制限されたO(n−2)(即ち、O(n−2)≦ZであればO(n−2)、O(n−2)>ZであればZ)である。制限値Zで制限されたO(n−2)をZ*O(n−2)で表す。制限値Zは、制限値X及びYとは別に、適宜設定され得る。なお、制限値Z<制限値X であることが好ましい。制限値Z≧制限値X であれば、第3制限部224を設けない場合と同じになる。
第5増幅部228は、入力されるZ*O(n−2)を増幅して出力する。第5増幅部228の増幅率をGEとする。ステップnにおける第5増幅部228の出力値は、GE*Z*O(n−2)となる。
以上により、PID制御装置200は、次の式(4)〜(6)で表される。
e(n)=SV−PV 式(4)
U(n)=GA*e(n)+GB*e(n−1)+GD*e(n−2)+GC*Y*O(n−1)+GE*Z*O(n−2) 式(5)
O(n)=X*U(n) 式(6)
式(3)及び(6)は、上記の式(1)及び(3)と同じである。ここで、X*U(n)は制限値Xで制限されたU(n)、Y*O(n−1)は制限値Yで制限されたO(n−1)、Z*O(n−2)は制限値Zで制限されたO(n−2)である。それ以外の演算子*は乗算を表す。
PID制御装置200により制御対象を制御する場合には、制限値Y及びZは、制限値Y<制限値X、及び制限値Z<制限値X の条件で、制限値X(制御対象)に応じて適宜設定される。そして、上記の式(4)〜(6)に含まれる制御パラメータである増幅率GA、GB、GC、GD及びGEが調整される。このとき、PID制御装置200からは、理想出力値U(n)が第1制限部110により制限されて出力値O(n)として出力されるので、実際の出力値O(n)は理想出力値U(n)と異なる場合がある。そのような場合にも、偏差e(n)が安定し、制御パラメータ(GA、GB、GC、GD及びGE)の調整が容易になる。
また、PID制御装置200では、フィードバック値PVが不安定なときでも、偏差e(n)が不安定にならないので、制御パラメータ(GA、GB、GC、GD及びGE)の再調整が不要である。例えば、ノイズ等による異常発生時にも、従来のように長時間不安定な状態になることなく、速やかに安定状態に復帰する。
シミュレーション結果を図6に示す。図6において、偏差eは右側のスケールで表され、出力値Oは、左側のスケールで表されている。偏差e及び出力値Oは、何れも相対値である。横軸は時間軸であり、ステップnを表す。図6を、従来のPID制御のシミュレーション結果を示す図2と比較すると、PID制御装置100の有効性は明らかである。即ち、図6において、偏差eは、図2のように振動することがなく、速やかに“0”になる。したがって、実際出力値Oは、図2のように大きく振動することなく、速やかに所定の値になる。
ノイズが発生した場合のシミュレーション結果を図7に示す。図7において、偏差eは右側のスケールで表され、出力値Oは、左側のスケールで表されている。偏差e及び出力値Oは、何れも相対値である。図7において、パルスノイズが発生した直後には、偏差eが変動し、そのため出力値Oも変動している。しかし、ノイズが消失すると、偏差eは速やかに“0”になり、出力値Oは安定する。
上記では、第2制限部124及び第3制限部224にO(n)が入力される場合を説明したが、U(n)が入力されてもよい。その場合には、制限値Y<制限値X、制限値Z<制限値X という制限なく、制御値X、Y及びZは、それぞれ独立に設定され得る。制御値X、Y及びZのうちの2つが同じ値であっても、全て同じ値であってもよい。
また、PID制御に3周期以上の遅延と、3つ以上の制限値とを導入してもよい。その場合、第3遅延部220及び第4増幅部222と同様の要素を、それらに並列に設け、第3制限部224〜第5増幅部228と同様の要素を、それらに並列に設ければよい。
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態では、予め設定された値に制限値が固定されている場合を説明したが、第3の実施の形態では、制御対象の状態に応じて制限値を変更する。
図8を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るPID制御装置300は、フィードバック部102、第1増幅部106、加算部208、第1制限部110、第1遅延部120、第2増幅部122、第2制限部124、第2遅延部126、第3増幅部128、第3遅延部220、第4増幅部222、第3制限部224、第4遅延部226、第5増幅部228、及び制限値制御部302を含む。図8のPID制御装置300は、図5のPID制御装置200に制限値制御部302が追加されたものである。
制限値制御部302は、外部の制御部からPID制御装置300に入力される目標値SVが入力され、目標値SVに応じて、第2制限部124の制限値Y及び第3制限部224の制限値Zを変更する。例えば、制御対象がモータである場合、制限値制御部302は、目標値SVが、モータの回転速度が所定値以上の高速回転に対応する場合、制限値を、モータの回転速度が所定値未満の低速回転である場合の制限値よりも大きく設定する。例えば、目標値SVが2000回転(rpm)に対応する場合、制限値Y及びZを16ビット(216−1)に設定し、目標値SVが2000回転未満に対応する場合、制限値Y及びZを14ビット(214−1)に設定する。
これにより、PID制御装置300は、第2の実施の形態と同様に、実際の出力値O(n)が理想出力値U(n)と異なる場合にも、偏差e(n)が安定し、制御パラメータである増幅率GA、GB、GC、GD及びGEの調整が容易になる。また、PID制御装置300は、フィードバック値PVが不安定なときでも、偏差e(n)が不安定にならないので、制御パラメータ(GA、GB、GC、GD及びGE)の再調整が不要である。さらに、PID制御装置300は、目標とする制御対象の状態に応じて、適切な精度で、制御を行なうことができる。
上記では、1つのPID制御装置300で制御対象の状態(モータ速度)に応じて、制限値を変更したが、これに限定されない。例えば、第2制限部124に、制限値が異なる複数の回路及びスイッチを備えて、複数の回路の何れか1つが使用されるように、制御対象の状態(モータ速度)に応じてスイッチを切換えてもよい。第3制限部224に関しても同様である。
上記では、第1制限部110の出力値O(n)を遅延する2つの経路を備える場合を説明したが、出力値O(n)を遅延する経路が1つであっても、3つ以上であってもよい。例えば、図4(第1の実施の形態)において、図8の制限値制御部302と同様の要素を設けて、第2制限部124の制限値Yを変更可能にしてもよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
100、200、300 PID制御装置
102 フィードバック部
106 第1増幅部
108、208 加算部
110 第1制限部
120 第1遅延部
122 第2増幅部
124 第2制限部
126 第2遅延部
128 第3増幅部
220 第3遅延部
222 第4増幅部
224 第3制限部
226 第4遅延部
228 第5増幅部
302 制限値制御部

Claims (6)

  1. 入力値を第1制限値以下に制限して、制御対象を制御するための制御信号として出力する第1制限手段と、
    前記制御対象を所定状態にするための目標値から、前記制御対象の状態を表す状態値を減算して得られた値を偏差値として出力するフィードバック手段と、
    前記フィードバック手段の出力値を第1増幅率で増幅して出力する第1増幅手段と、
    前記フィードバック手段の出力値を所定の遅延時間遅延して出力する第1遅延手段と、
    前記第1遅延手段の出力値を第2増幅率で増幅して出力する第2増幅手段と、
    前記制御信号を第2制限値以下に制限して出力する第2制限手段と、
    前記第2制限手段の出力値を前記遅延時間遅延して出力する第2遅延手段と、
    前記第2遅延手段の出力値を第3増幅率で増幅して出力する第3増幅手段と、
    前記第1増幅手段、前記第2増幅手段及び前記第3増幅手段の出力値を加算して得られた値を前記入力値として出力する加算手段とを含むPID制御装置。
  2. 前記第2制限値は、前記第1制限値よりも小さい、請求項1に記載のPID制御装置。
  3. 前記フィードバック手段の出力値を前記遅延時間の2倍の時間遅延して出力する第3遅延手段と、
    前記第3遅延手段の出力値を第4増幅率で増幅して出力する第4増幅手段と、
    前記制御信号を第3制限値以下に制限して出力する第3制限手段と、
    前記第3制限手段の出力値を前記遅延時間の2倍の時間遅延して出力する第4遅延手段と、
    前記第4遅延手段の出力値を第4増幅率で増幅して出力する第5増幅手段とをさらに含み、
    前記加算手段は、前記第1増幅手段、前記第2増幅手段、前記第3増幅手段、前記第4増幅手段及び前記第5増幅手段の出力値を加算して得られた値を前記入力値として出力する、請求項1又は2に記載のPID制御装置。
  4. 前記第3制限値は、前記第1制限値よりも小さい、請求項3に記載のPID制御装置。
  5. 前記目標値を所定値と比較した結果に応じて、前記第2制限値を変更する変更手段をさらに含む、請求項1から4の何れか1項に記載のPID制御装置。
  6. 入力値を第1制限値以下に制限して、制御対象を制御するための制御信号として出力する第1制限ステップと、
    前記制御対象を所定状態にするための目標値から、前記制御対象の状態を表す状態値を減算して得られた値を偏差値として出力するフィードバックステップと、
    前記フィードバックステップによる出力値を第1増幅率で増幅して出力する第1増幅ステップと、
    前記フィードバックステップによる出力値を所定の遅延時間遅延して出力する第1遅延ステップと、
    前記第1遅延ステップによる出力値を第2増幅率で増幅して出力する第2増幅ステップと、
    前記制御信号を第2制限値以下に制限して出力する第2制限ステップと、
    前記第2制限ステップによる出力値を前記遅延時間遅延して出力する第2遅延ステップと、
    前記第2遅延ステップによる出力値を第3増幅率で増幅して出力する第3増幅ステップと、
    前記第1増幅ステップ、前記第2増幅ステップ及び前記第3増幅ステップによる出力値を加算して得られた値を前記入力値として出力する加算ステップとを含むPID制御方法。
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