JP2016186088A - 樹脂発泡体、その製造方法、及び発泡シール材 - Google Patents

樹脂発泡体、その製造方法、及び発泡シール材 Download PDF

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Abstract

【課題】防塵性に優れるとともに、組み付け性に優れる樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂発泡体は、80%圧縮時の反発応力(樹脂発泡体を初めの厚さの80%だけ圧縮した際の反発応力)が1.0〜9.0N/cm2であり、引張弾性率が5.0〜14.0MPaであることを特徴とする。また、上記樹脂発泡体では、平均セル径が10〜180μmであり、見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂発泡体、及び、該樹脂発泡体を含む発泡シール材に関する。より詳細には、優れた柔軟性及び防塵性を有するとともに、延展性が低く、破断伸びが小さく、組み付け性が良好な樹脂発泡体、及び、該樹脂発泡体を含む発泡シール材に関する。
従来、画像表示部材(例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に固定される画像表示部材など)、カメラやレンズ(例えば、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に固定されるカメラやレンズなど)などの光学部材を、所定の部位(固定部など)に固定する際に、発泡体(樹脂発泡体)が使用されている。この部位で使用される発泡体には柔軟性が求められており、このような発泡体としては、例えば、ウレタン系発泡体が挙げられる。ウレタン系発泡体の中でも、比較的発泡倍率の高いものが好ましく、具体的には、密度0.1〜0.15g/cm3のポリウレタン系発泡体が知られている(特許文献1参照)。
また、近年、光学部材(画像表示装置、カメラ、レンズなど)が装着(セット)される製品(例えば、上記の画像表示装置、携帯電話、携帯情報端末など)が薄型化されていくにつれ、発泡体が使われる部分のクリアランス(clearance;すきま、間隔)が減少していく傾向にある。このため、発泡体には、組み付け性が求められてきている。
さらに、クリアランスの減少(クリアランスがせまくなること)に伴い、発泡体が使われる部分(例えば、上記の光学部材が組み込まれる部分など)の形状として、段差のある形状もみられるようになってきている。このため、段差追従性に優れた発泡体が求められている。
しかしながら、上記ポリウレタン系発泡体では、柔軟性がいまだ不十分であり、段差追従性や緩衝性の点で問題を生じることがあった。
さらに、段差追従性に優れた発泡体として、優れた防塵性を有しているとともに、微小なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有する発泡体(樹脂発泡体)が知られている(特許文献2参照)。しかしながら、上記発泡体は、優れた柔軟性を有しているが、引張弾性率が低いので、引っ張った際に伸びてしまい、つまり引っ張った際に塑性変形が生じて、所定の寸法が得られないという問題があった。例えば、上記発泡体を光学部材を筐体(例えば、大型の液晶テレビの筐体など)などに組み付ける際に寸法通り組み貼り合わせることができない場合があった。
一般に、厚さが薄く、細長いリボン状の発泡シール材を、液晶パネルの筐体などのような額縁状の筐体に組み付ける際、発泡シール材を引っ張りながら組み付けることが多く、シール材として必要な柔軟性を満足する従来の発泡シール材(例えば、上記特許文献2の樹脂発泡体を含む発泡シール材)では、引っ張った際に伸びて、所望の寸法を超えてしまい、組み付けることができないという問題があった。
特開2005−227392号公報 特開2005−97566号公報
近年、携帯電話や携帯情報端末機、液晶テレビに搭載される画像表示部の大型化、高機能化(情報入力機能としてのタッチパネル機能の搭載)に伴い、発泡体にこれまで以上に高い防塵性が求められている。
さらに、携帯電話、携帯情報端末機、液晶テレビなどの電気又は電子機器では、薄型化、小型化が求められており、これらに機器に搭載される光学部材にも薄型化、小型化が求められている。このため、例えば、使用される光学部材の線幅が狭くなることなどに伴い、組み付ける発泡体が扱いづらくなることがある。従って、発泡体には、さらに、組み付け性(延展性)が重要な特性として求められている。
従って、本発明の目的は、防塵性に優れるとともに、組み付け性に優れる樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、樹脂発泡体の80%圧縮時の反発応力及び引張弾性率を所定の範囲内とすると、良好な防塵性及び組み付け性が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記で定義される80%圧縮時の反発応力が1.0〜9.0N/cm2であり、引張弾性率が5.0〜14.0MPaであることを特徴とする樹脂発泡体を提供する。
80%圧縮時の反発応力:樹脂発泡体を初めの厚さの80%だけ圧縮した際の反発応力
上記樹脂発泡体は、さらに、平均セル径が10〜180μmであり、見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3であることが好ましい。
上記樹脂発泡体は、樹脂組成物に不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されることが好ましい。上記不活性ガスは、二酸化炭素であることが好ましい。また、上記不活性ガスは、超臨界状態であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記樹脂発泡体を含むことを特徴とする発泡シール材を提供する。
上記発泡シール材は、樹脂発泡体上に粘着層が形成されていることが好ましい。上記粘着層は、フィルム層を介して形成されていることが好ましい。また、上記粘着層は、アクリル系粘着剤層であることが好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、80%圧縮時の反発応力及び引張弾性率が所定の範囲内であるので、防塵性に優れるとともに、組み付け性(所定箇所への配置や固定のしやすさ)に優れる。
図1は、防塵性指標の測定の際に使用した試験片の概略外観図である。 図2は、防塵性指標の測定の際に使用した試験片であり、スペーサーを挟むことにより段差が設けられた試験片の概略外観図である。 図3は、防塵性試験装置の概略構成図である。 図4は、防塵性試験装置のA−A'線の切断部端面図である。
本発明の樹脂発泡体は、樹脂を含む発泡体であり、樹脂組成物を発泡成形することにより得られる。上記樹脂組成物は、本発明の樹脂発泡体を形成するために用いられる組成物であり、少なくとも樹脂を含む。本発明の樹脂発泡体の形状は、特に限定されないが、シート状(フィルム状を含む)、テープ状が好ましい。
また、本発明の樹脂発泡体の気泡構造は、特に限定されないが、防塵性と柔軟性の両立の点から、独立気泡構造又は半連続半独立気泡構造が好ましい。上記半連続半独立気泡構造とは、独立気泡構造と半連続半独立気泡構造とが混在している構造であり、その割合は特に限定されない。特に、本発明の樹脂発泡体の気泡構造は、半連続半独立気泡構造が好ましく、その独立気泡構造部の割合は、独立気泡構造部が40%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下である。
本発明の樹脂発泡体の気泡構造の平均セル径は、特に限定されないが、10〜180μmが好ましく、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは15〜100μm、特に好ましくは20〜80μmである。上記平均セル径の上限を180μm以下とすることにより、防塵性を高めるとともに、遮光性を良好とすることができる。また、上記平均セル径の下限を10μm以上とすることにより、柔軟性、クッション性(衝撃吸収性)を良好とすることができる。
樹脂発泡体の気泡構造や平均セル径は、例えば、樹脂発泡体を切断して、デジタルマイクロスコープにより断面の気泡構造の画像を取り込み、この画像を解析することにより求められる。
本発明の樹脂発泡体の見掛け密度は、特に限定されないが、0.01〜0.10g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.08g/cm3ある。上記見掛け密度が0.01g/cm3未満であると、強度の点で問題を生じ、良好な加工性(特に打ち抜き加工性)を得ることができないおそれがある。一方、上記見掛け密度が0.10g/cm3を超えると、柔軟性が低下し、微小クリアランスに対する追従性が低下するおそれがある。
本発明の樹脂発泡体の80%圧縮時の反発応力は、防塵性、柔軟性の点から、1.0〜9.0N/cm2あり、好ましくは1.5〜8.0N/cm2であり、より好ましくは2.0〜7.0N/cm2である。なお、上記80%圧縮時の反発応力は、樹脂発泡体を、初めの厚さの80%だけ圧縮した際の反発応力である。
また、本発明の樹脂発泡体の50%圧縮時の反発応力は、特に限定されないが、防塵性、柔軟性の点から、0.1〜4.0N/cm2が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0N/cm2である。なお、上記50%圧縮時の反発応力は、樹脂発泡体を、初めの厚さの50%だけ圧縮した際の反発応力である。
本発明の樹脂発泡体は、このような圧縮時の反発応力、特に上記80%圧縮時の反発応力を有するので、防塵性に優れるともに、柔軟性に優れる。さらに、微小クリアランスに対する追従性、特に微小な段差を有する微小クリアランスに対する追従性に優れる。また、上記微小クリアランスとしては、例えば、0.05〜2.5mmのクリアランスが挙げられる。また、上記の微小な段差を有する微小クリアランスにおける微小な段差の大きさとは、例えば、10〜500μmである。
本発明の樹脂発泡体の引張弾性率は、5.0〜14.0MPaであり、好ましくは5.5〜13.5MPaであり、より好ましくは6.0〜13.0MPaである。本発明の樹脂発泡体は、このような引張弾性率を有するので、延展性が低く、組み付け性に優れる。なお、上記引張弾性率が5.0MPa未満であると、樹脂発泡体を引っ張った際に塑性変形が生じ、所望の寸法を超えてしまい、クリアランスに適用できないという問題を生じることがある。上記引張弾性率は、JIS K 6767に準拠した引張試験により求められる。
さらに、本発明の樹脂発泡体の破断強度(引張強さ)(特にシート状の樹脂発泡体である場合、MD方向の破断強度)は、特に限定されないが、組み付け性、特に組み付ける時の作業性の点から、0.60〜1.10MPaが好ましく、より好ましくは0.70〜1.05MPaである。なお、上記破断強度は、JIS K 6767に基づいて求められる。
本発明の樹脂発泡体の破断伸び(伸び)(特にシート状の樹脂発泡体である場合、MD方向の破断伸び)は、特に限定されないが、組み付け性、特に組み付ける時の作業性の点から、50〜200%が好ましく、より好ましくは80〜150%である。なお、上記破断伸びは、JIS K 6767に基づいて求められる。
本発明の樹脂発泡体は、樹脂を含む。このような樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。なお、本発明の樹脂発泡体は、2以上の樹脂を含んでいてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1など)との共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなど)との共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリアミドイミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。また、熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。なお、熱可塑性樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれの形態の共重合体であってもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、機械強度、耐熱性、耐薬品性等の特性面や、溶融熱成形が容易といった成形面の点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。さらに、上記ポリオレフィン系樹脂としては、分子量分布が広く且つ高分子量側にショルダーを持つタイプの樹脂、微架橋タイプの樹脂(若干架橋されたタイプの樹脂)、長鎖分岐タイプの樹脂などが好ましい。
上記熱可塑性樹脂には、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分も含まれる。ゴム成分や熱可塑性エラストマー成分は、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、樹脂発泡体としたときの柔軟性及び形状追随性に著しく優れる。
上記ゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルブチルゴムなどの天然又は合成ゴム;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、及びそれらの水素添加物などのスチレン系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリアミド系エラストマー;ポリウレタン系エラストマーなどが挙げられる。また、これらのゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
中でも、上記ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分としては、オレフィン系エラストマーが好ましい。オレフィン系エラストマーは、上記熱可塑性樹脂として例示されているポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好であるためである。
また、上記オレフィン系エラストマーは、樹脂成分A(オレフィン系樹脂成分A)とゴム成分Bとがミクロ相分離した構造を有するタイプであってもよい。また、樹脂成分Aとゴム成分Bとを物理的に分散させたタイプや、樹脂成分Aとゴム成分Bとを、架橋剤の存在下、動的に熱処理したタイプ(動的架橋型熱可塑性エラストマー、TPV)であってもよい。
特に、上記オレフィン系エラストマーとしては、圧縮時の反発応力(50%圧縮時の反発応力や80%圧縮時の反発応力)を小さくして、防塵性や柔軟性、段差追従性を向上させる点や、引張弾性率を制御し、破断伸びを小さくして、組み付け性を向上させる点から、動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)が好ましい。すなわち、本発明の樹脂発泡体は、動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)を含むことが好ましい。なお、TPV(動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー)の方がTPO(非架橋型の熱可塑性オレフィン系エラストマー)よりも、弾性率が高く、且つ圧縮永久歪も小さい。このため、本発明の樹脂発泡体は、動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)を含むと、圧縮状態解放後の回復性が向上して防塵性をより向上でき、さらに弾性が向上して組み付け性をより向上できる。また、動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)を含むと、打ち抜き加工時に端部が潰れず、加工性を向上できる。
上記動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマーとは、マトリックスを形成する樹脂成分A(オレフィン系樹脂成分A)及びドメインを形成するゴム成分Bを含む混合物を、架橋剤の存在下、動的に熱処理することにより得られ、マトリックス(海相)である樹脂成分A中に、架橋ゴム粒子がドメイン(島相)として細かく分散した海島構造を有する多相系のポリマーである。
なお、本発明の樹脂発泡体に動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマーを含ませる場合、動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマーと添加剤(例えば、カーボンブラックなどの着色剤;軟化剤等)とからなる組成物を用いてもよい。
特に、本発明の樹脂発泡体は、良好な防塵性と良好な組み付け性とを実現する点から、いわゆるゴム弾性に優れた材料により構成されていることが好ましい。その観点から、本発明の樹脂発泡体では、上記熱可塑性樹脂とともに、上記ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分を含むことが好ましい。特に、上記熱可塑性樹脂とともに、上記動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)を含むことがより好ましい。
本発明の樹脂発泡体が、上記熱可塑性樹脂とともに、上記のゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分を含む場合、その割合としては、特に限定されないが、上記ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合が少なすぎると柔軟性が低下する場合や、樹脂発泡体が伸びやすくなり、組み付け性が低下する場合があり、一方、上記のゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合が多すぎると発泡体形成時にガス抜けが生じやすくなり、高発泡性の発泡体を得ることができないことがある。このため、上記熱可塑性樹脂と上記のゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分との割合としては、特に限定されないが、前者:後者(重量基準)で、80:20〜30:70が好ましく、より好ましくは60:40〜30:70であり、さらに好ましくは50:50〜30:70である。
特に、本発明の樹脂発泡体が上記熱可塑性樹脂(特にポリプロピレンなどの上記ポリオレフィン系樹脂)とともに、上記動的架橋型熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPV)を含む場合、その割合は、前者:後者(重量基準)で、80:20〜30:70が好ましく、より好ましくは70:30〜30:70であり、さらに好ましくは60:40〜30:70である。
本発明の樹脂発泡体を形成する樹脂組成物には、添加剤が含まれていてもよい。例えば、上記樹脂組成物には、造核剤が含まれることが好ましい。造核剤が含まれていると、樹脂発泡体の気泡構造のセル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性を有するとともに、切断加工性に優れた樹脂発泡体を得ることができる。
上記造核剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、モンモリナイトなどの酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属水酸化物;カーボン粒子、グラスファイバー、カーボンチューブなどが挙げられる。なお、造核剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記造核剤の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.3〜1.5μmであり、より好ましくは0.4〜1.2μmである。平均粒子径が小さすぎると造核剤として十分機能しないおそれがあり、一方、平均粒子径が大きすぎると造核剤がセルの壁を突き破り、高発泡倍率が得られないおそれがある。なお、平均粒子径は、レーザー回折式の粒度分布測定法により測定することができる。例えば、LEEDS & NORTHRUP INSTRUMENTS 社製「MICROTRAC MT−3000」により、試料の分散希釈液から測定(AUTO測定モード)することができる。
上記樹脂組成物における上記造核剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、0.5〜150重量部が好ましく、より好ましくは2〜140重量部であり、さらに好ましくは3〜130重量部である。含有量が0.5重量部未満であると造核剤を含むことによる上記の効果が得られない場合があり、一方、含有量が150重量部を超えると樹脂組成物の発泡の際に発泡が阻害されるおそれがある。
また、上記樹脂組成物には、添加剤として、難燃剤が含まれていることが好ましい。本発明の樹脂発泡体は、樹脂により構成されているので、燃えやすい。そのため、本発明の樹脂発泡体を、特に電気又は電子機器用途など難燃性の付与が不可欠な用途に用いる場合には、難燃剤が含まれることが好ましい。
上記難燃剤としては、特に限定されないが、塩素系や臭素系などの難燃剤は燃焼時に有害ガスが発生する問題があり、またリン系やアンチモン系の難燃剤においても有害性や爆発性などの問題があるため、ノンハロゲン−ノンアンチモン系である無機難燃剤が好ましい。上記無機難燃剤としては、例えば、金属水酸化物や金属化合物の水和物などが挙げられる。より具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウムや酸化亜鉛の水和物などが挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムが好ましい。なお、上記水和金属化合物は表面処理されていてもよい。また、難燃剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記樹脂組成物における上記難燃剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、5〜70重量部が好ましく、より好ましくは25〜65重量部である。含有量が5重量部未満であると、樹脂発泡体で十分な難燃性が得られないことがあり、一方、含有量が70重量部を超えると、高発泡の樹脂発泡体が得られないことがある。
さらに、上記樹脂組成物には、添加剤として、極性官能基を有し、融点が50〜150℃であり、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属石鹸から選ばれた少なくとも一つの脂肪族系化合物が含まれていてもよい。なお、本願では、このような脂肪族系化合物を、単に「脂肪族系化合物」と称する場合がある。
上記脂肪族系化合物を含む樹脂組成物により形成された樹脂発泡体は、加工(特に打ち抜き加工)の際に、気泡構造がつぶれにくくなり、形状回復性に優れ、加工性(特に打ち抜き加工性)に優れる。なお、加工性が向上するのは、このような脂肪族系化合物は結晶性が高く、樹脂表面に強固な膜を形成し、気泡構造を形成する気泡の壁面同士が互いにブロッキングすることを防ぐ働きをするためと推測される。
上記脂肪族系化合物は、特に、ポリオレフィン系樹脂に対しては、極性の高い官能基を含むものが、相溶しにくいため、樹脂発泡体表面に析出しやすく、上記の効果を発揮しやすい。
上記脂肪族系化合物の融点は、樹脂組成物を発泡成形する際の成形温度を下げ、樹脂(特にポリオレフィン系樹脂)の劣化を抑制する、耐昇華性を付与する等の観点から、好ましくは50〜150℃であり、より好ましくは70〜100℃である。
上記脂肪族系化合物としては、特に脂肪酸、脂肪酸アミドが好ましい。
上記脂肪酸としては、炭素数18〜38(より好ましくは、18〜22)のものが好ましく、具体的には、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。中でも、ベヘニン酸が特に好ましい。また、上記脂肪酸アミドとしては、脂肪酸部分の炭素数が18〜38(より好ましくは、18〜22)の脂肪酸アミドが好ましく、モノアミド、ビスアミドの何れであってもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。中でも、エルカ酸アミドが特に好ましい。さらに、上記脂肪酸金属石鹸としては、上記脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、亜鉛、鉛の塩などが挙げられる。
上記樹脂組成物における上記脂肪族系化合物の含有量は、特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、より好ましくは1.5〜3.5重量部であり、さらに好ましくは2〜3重量部である。含有量が1重量部未満であると、樹脂表面に十分な量が析出せず、加工性向上の効果が得られにくくなる。一方、含有量が5重量部を超えると、樹脂組成物が可塑化し、発泡成形の際に十分な圧力を保つことができず、発泡剤(例えば、二酸化炭素などの不活性ガス)の含有量が低下して、高い発泡倍率が得られにくくなり、所望の密度を有する樹脂発泡体が得られないおそれがある。
さらに、上記樹脂組成物には、添加剤として、滑剤が含有されていてもよい。滑剤が含有されていると、樹脂組成物の流動性を向上させるとともに、樹脂の熱劣化を抑制することができる。上記滑剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、滑剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、上記樹脂組成物における滑剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
さらにまた、上記添加剤としては、その他に、例えば、収縮防止剤、老化防止剤、熱安定剤、HALS等の耐光剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌剤、防かび剤、分散剤、粘着付与剤、カーボンブラックや有機顔料等の着色剤、充填剤などが挙げられる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明の樹脂発泡体を形成する樹脂組成物は、上記樹脂等を混合混練することにより得られる。例えば、上記熱可塑性樹脂、上記のゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分、及び、添加剤を含む樹脂組成物は、これらを混合混練することにより得られる。なお、樹脂等の混合混練は、高温雰囲気下、例えば、180〜250℃の温度雰囲気下で行われてもよい。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物を発泡成形する際に用いられる発泡方法としては、特に限定されず、例えば、物理的方法、化学的方法等の通常用いられる方法が挙げられる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類又は炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)を樹脂に分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発することにより気泡を形成させる方法である。また、一般的な化学的方法は、樹脂に添加した化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法である。しかし、一般的な物理的方法は、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念される。また、一般的な化学的方法では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存するため、特に低汚染性の要求が高い電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる。しかも、これらの物理的方法及び化学的方法では、いずれにおいても、微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難であるといわれている。
このため、本発明では、発泡方法としては、セル径が小さく且つセル密度の高い樹脂発泡体を容易に得ることができる点から、発泡剤として高圧のガスを用いる方法が好ましく、特に発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法が好ましい。なお、不活性ガスとは、樹脂組成物中の樹脂に対して不活性なガスを意味する。すなわち、本発明の樹脂発泡体の気泡構造(発泡構造)は、発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法により形成されることが好ましい。より具体的には、本発明の樹脂発泡体は、樹脂組成物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されることが好ましい。
上記不活性ガスとしては、樹脂発泡体に含まれる樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に限定されないが、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気などが挙げられる。なお、上記不活性ガスは、2以上のガスから構成される混合ガスであってもよい。中でも、上記不活性ガスは、樹脂への含浸量が多く、含浸速度の速い点から、二酸化炭素が好ましい。
さらに、樹脂組成物への含浸速度を高めるという点から、上記高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)は、超臨界状態のガスであることが好ましい。超臨界状態では、樹脂へのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、上記のように高濃度で含浸することが可能であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度は気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
本発明の樹脂発泡体の形成に際して、上記樹脂組成物を発泡剤として高圧のガスを用いる方法により発泡成形する方法としては、予め樹脂組成物を、シート状などの適宜な形状に成形して未発泡樹脂成形体(未発泡樹脂成形物)とした後、この未発泡樹脂成形体に、高圧のガスを含浸させ、圧力を解放することにより発泡させるバッチ方式であってもよく、樹脂組成物を加圧下、高圧のガスと共に混練し、成形すると同時に圧力を解放し、成形と発泡を同時に行う連続方式であってもよい。
上記バッチ方式で樹脂組成物を発泡成形する際に、発泡に供する未発泡樹脂成形体を形成する方法としては、例えば、樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて成形する方法;樹脂組成物を、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型等の羽根を設けた混練機を使用して均一に混練しておき、熱板のプレスなどを用いて所定の厚さにプレス成形する方法;樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形する方法などが挙げられる。また、未発泡樹脂成形体は、押出成形、プレス成形、射出成形以外に、他の成形方法でも形成される。さらに、未発泡樹脂成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状を選択できるが、例えば、シート状、ロール状、板状等が挙げられる。このように、バッチ方式で樹脂組成物を発泡成形する際には、所望の形状や厚さの未発泡樹脂成形体が得られる適宜な方法により樹脂組成物が成形される。
上記バッチ方式で樹脂組成物を発泡成形する場合、上記のようにして得られた未発泡樹脂成形体を耐圧容器(高圧容器)中に入れて、高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)を注入(導入)し、未発泡樹脂成形体中に高圧のガスを含浸させるガス含浸工程、十分に高圧のガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、樹脂中に気泡核を発生させる減圧工程、場合によっては(必要に応じて)、加熱することによって気泡核を成長させる加熱工程を経て、樹脂中に気泡を形成させる。なお、加熱工程を設けずに、室温で気泡核を成長させてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化してもよい。また、高圧のガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。なお、気泡核を成長させる際の加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法が挙げられる。
上記連続方式での樹脂組成物の発泡成形としては、より具体的には、樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら、高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)を注入(導入)し、十分に高圧のガスを樹脂組成物に含浸させる混練含浸工程、押出機の先端に設けられたダイスなどを通して樹脂組成物を押し出すことにより圧力を解放し(通常、大気圧まで)、成形と発泡を同時に行う成形減圧工程により発泡成形することが挙げられる。また、連続方式での樹脂組成物の発泡成形の際には、必要に応じて、加熱することによって気泡を成長させる加熱工程を設けてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化してもよい。また、高圧のガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。さらに、上記混練含浸工程及び成形減圧工程では、押出機のほか、射出成形機などを用いて行うこともできる。なお、気泡核を成長させる際の加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法が挙げられる。
樹脂組成物の発泡成形する際のガスの混合量は、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物全量(全重量、100重量%)に対して2〜10重量%が好ましく、より好ましくは2.5〜8重量%であり、さらにより好ましくは3〜6重量%である。ガス混合量が2%未満であると高発泡な樹脂発泡体を得る事ができない場合があり、一方、10%を超える量であると成形機内でガスが分離してしまい、高発泡な樹脂発泡体を得る事ができない場合がある。
上記バッチ方式におけるガス含浸工程や上記連続方式における混練含浸工程で、ガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの圧力は、ガスの種類や操作性等を考慮して適宜選択される。例えば、ガスとして不活性ガス、特に二酸化炭素を用いる場合の圧力は、6MPa以上(例えば、6〜100MPa)が好ましく、より好ましくは8MPa以上(例えば、8〜100MPa)である。ガスの圧力が6MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、セル径が大きくなりすぎ、防塵効果が低下するなどの不都合が生じやすくなり、好ましくない。これは、圧力が低いとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えてセル径が極端に大きくなるからである。また、6MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけでセル径、気泡密度が大きく変わるため、セル径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
また、上記バッチ方式におけるガス含浸工程や上記連続方式における混練含浸工程で、高圧のガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの温度は、用いるガスや樹脂の種類等によって異なり、広い範囲で選択される。例えば、ガスを含浸させる際の温度は、操作性等を考慮した場合、10〜350℃が好ましい。より具体的には、上記バッチ方式において、シート状の未発泡樹脂成形体に高圧のガスを含浸させる場合の含浸温度は、10〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜240℃であり、さらにより好ましくは60〜230℃である。また、上記連続方式において、樹脂組成物に高圧のガスを注入し混練する際の温度は、60〜350℃が好ましく、より好ましくは100〜320℃であり、さらにより好ましくは150〜300℃である。なお、高圧のガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度(含浸温度)は32℃以上(特に40℃以上)であることが好ましい。
さらに、上記バッチ方式や上記連続方式で樹脂組成物を発泡成形する際の減圧工程での減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/秒である。さらにまた、加熱工程での加熱温度は、例えば、40〜250℃(好ましくは60〜250℃)である。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物の発泡成形する際に上記の方法を用いると、高発泡の樹脂発泡体を製造することができ、厚い樹脂発泡体を製造することができるという利点を有する。例えば、連続方式で樹脂組成物の発泡成形する場合、混練含浸工程において押出機内部での圧力を保持するためには、押出機先端に取り付けるダイスのギャップを出来るだけ狭く(通常0.1〜1.0mm程度)する必要がある。従って、厚い樹脂発泡体を得るためには、狭いギャップを通して押出された樹脂組成物を高い倍率で発泡させなければならないが、従来は、高い発泡倍率が得られないことから、形成される樹脂発泡体の厚さは薄いもの(例えば0.5〜2.0mm)に限定されてしまっていた。これに対して、高圧のガスを用いて樹脂組成物を発泡・成形すれば、最終的な厚さで0.50〜5.00mmの樹脂発泡体を連続して得ることが可能である。
本発明の樹脂発泡体の気泡構造、平均セル径、見掛け密度、圧縮時の反発応力(80%圧縮時の反発応力、50%圧縮時の反発応力)、引張弾性率、破断強度、破断伸びなどは、発泡成形の際に用いられるガスの種類や量、ガス含浸工程や混練含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程や成形減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後又は成形減圧後の加熱工程における加熱温度などを適宜選択、設定することで調整される。
本発明の樹脂発泡体の形状は、特に限定されないが、シート状やテープ状が好ましい。また、本発明の樹脂発泡体は、所望の形状や厚さなどを有するように、例えば打ち抜き加工、切断加工などの加工が施されていてもよい。例えば、組み付けられる装置や機器、筐体、部材等に合わせて種々の形状に加工が施されていてもよい。
なお、本発明の樹脂発泡体の厚さ、特に形状がシート状やテープ状である場合の厚さとしては、特に限定されないが、0.1〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5mmである。
本発明の樹脂発泡体は、所定の圧縮時の反発応力(特に80%圧縮時の反発応力)を有するので、防塵性に優れる。また、柔軟性に優れ、段差追従性に優れる。さらに、本発明の樹脂発泡体は、所定の引張弾性率を有するので、延展性を低く抑えることができ、組み付け性に優れる。
さらに、本発明の樹脂発泡体は、良好な作業性を有する。特に、組み付け時の作業性に優れる。例えば、本発明の樹脂発泡体を筐体等に組み付ける際に、寸法通りに貼り合わせることができる。
本発明の樹脂発泡体は、上記特性を有するので、発泡シール材、特に電気又は電子機器用の発泡シール材として好適に用いられる。
(発泡シール材)
本発明の発泡シール材は、上記樹脂発泡体を含む部材である。また、本発明の発泡シール材は、上記樹脂発泡体のみから構成されていてもよいし、上記樹脂発泡体に他の層(特に粘着層(粘着剤層)、基材層など)が積層されている構成であってもよい。なお、本発明の発泡シール材の形状は、特に限定されないが、シート状(フィルム状)やテープ状が好ましい。
本発明の発泡シール材は、上記樹脂発泡体に他の層が積層されている構成であることが好ましく、特に上記樹脂発泡体に粘着層が積層されている構成であることが好ましい。例えば、本発明の発泡シール材がシート状やテープ状の形状を有する場合、その片面側又は両面側に粘着層を有することが好ましい。本発明の発泡シール材が粘着層を有していると、被着体への固定や仮止めに有利であり、組み付け性の点で有利である。また、樹脂発泡体上に粘着層を介して加工用台紙を設けることができる。
上記粘着層を形成する粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。上記粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、上記粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。
中でも、上記粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。つまり、本発明の発泡シール材は、上記樹脂発泡体上に粘着層が形成されていることが好ましく、特にアクリル系粘着剤層が形成されていることが好ましい。
上記粘着層の厚さは、特に限定されないが、2〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。粘着層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、薄い方が好ましい。なお、粘着層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
本発明の発泡シール材において、上記粘着層は、他の層(下層)を介して形成されていてもよい。このような下層としては、例えば、他の粘着層、中間層、下塗り層、基材層、などが挙げられる。中でも、発泡体の破断強度の向上の点から、基材層が好ましく、特にプラスチックフィルム層などのフィルム層や不織布層などが好ましい。
本発明の発泡シール材は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる。特に、本発明の発泡シール材は、電気又は電子機器において、電気又は電子機器を構成する部品を所定の部位に取り付ける(装着する)際に好適に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の発泡シール材は、電気又は電子機器用の発泡シール材であることが好ましい。
本発明の発泡シール材を利用して取付(装着)可能な各種部材又は部品としては、特に限定されないが、例えば、電気又は電子機器類における各種部材又は部品などが好ましく挙げられる。このような電気又は電子機器用の部材又は部品としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(表示部)(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)等の光学部材又は光学部品などが挙げられる。
本発明の発泡シール材の好適な具体的使用態様としては、例えば、防塵、遮光、緩衝等を目的として、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示部周りや、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示部と筐体(窓部)との間に挟み込んで使用することが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。また、実施例5は、参考例として記載するものである。
(熱可塑性エラストマー組成物A)
熱可塑性エラストマー組成物Aとして、ポリプロピレン(PP)とエチレン/プロピレン5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(EPT)との動的架橋物(動的架橋型熱可塑性エラストマー、TPV)及びカーボンブラックを含む組成物を使用した。
なお、上記TPVにおいて、ポリプロピレンと、エチレン/プロピレン5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体との割合(前者:後者)は、重量基準で、25:75である。また、組成物中のカーボンブラックの含有量は15.0重量%である。
(熱可塑性エラストマー組成物B)
熱可塑性エラストマー組成物Bとして、ポリプロピレン(PP)とエチレン/プロピレン5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(EPT)とのブレンド物(TPO)(EPT部分は未架橋、メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°)及びカーボンブラックを含む組成物を使用した。なお、組成物中のカーボンブラックの含有量は16.7重量%である。
(滑剤A)
滑剤A(滑剤組成物A)として、ステアリン酸モノグリセリド1重量部にポリエチレン10重量部を配合したマスターバッチを使用した。
(造核剤A)
造核剤Aとして、平均粒子径:0.8μmの水酸化マグネシウムを使用した。
(実施例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:35重量部、上記熱可塑性エラストマー組成物A:60重量部、上記滑剤A:5重量部及び上記造核剤A:10重量部を、二軸混練機にて、200℃の温度で混練した。混練後、混練物をストランド状に押し出し水冷してから、ペレット状に切断し、ペレットを得た。
上記ペレットを、日本製鋼社製のタンデム型単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、14(注入後18)MPaの圧力で、ペレット全重量(100重量%)に対して二酸化炭素ガスを3.8重量%注入した。二酸化炭素ガスを十分に飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却してから、ダイから押し出して、樹脂発泡体(シート状)を得た。
なお、タンデム型単軸押出機に注入された二酸化炭素ガスは、すぐに超臨界流体となった。
(実施例2)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.50g/10min]:35重量部、上記熱可塑性エラストマー組成物A:60重量部、上記滑剤A:5重量部及び上記造核剤A:10重量部を、二軸混練機にて、200℃の温度で混練した。混練後、混練物をストランド状に押し出し水冷してから、ペレット状に切断し、ペレットを得た。
上記ペレットを、日本製鋼社製のタンデム型単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、14(注入後18)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを4.6重量%注入した。二酸化炭素ガスを十分に飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却してから、ダイから押し出して、樹脂発泡体(シート状)を得た。
なお、タンデム型単軸押出機に注入された二酸化炭素ガスは、すぐに超臨界流体となった。
(実施例3)
実施例1と同様にしてペレットを作製した。次に、このペレットから、二酸化炭素ガスを4.8重量%注入したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂発泡体(シート状)を得た。
(実施例4)
実施例1と同様にしてペレットを作製した。次に、このペレットから、二酸化炭素ガスを5.0重量%注入したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂発泡体(シート状)を得た。
(実施例5)
実施例1と同様にしてペレットを作製した。次に、このペレットから、二酸化炭素ガスを3.5重量%注入したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂発泡体(シート状)を得た。
(比較例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、上記熱可塑性エラストマー組成物B:55重量部、上記滑剤A:10重量部及び上記造核剤A:10重量部を、二軸混練機にて、200℃の温度で混練した。混練後、混練物をストランド状に押し出し水冷してから、ペレット状に切断し、ペレットを得た。
上記ペレットを、日本製鋼社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、ペレット全重量(100重量%)に対して二酸化炭素ガスを5.0重量%注入した。二酸化炭素ガスを十分に飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却してから、ダイから押し出して、樹脂発泡体(シート状)を得た。
なお、タンデム型単軸押出機に注入された二酸化炭素ガスは、すぐに超臨界流体となった。
(比較例2)
市販の、平均セル径が160μmであり、50%圧縮時の反発応力(50%対反発荷重)が0.7N/cm2であり、見掛け密度が0.15g/cm3であるポリウレタンが主成分の発泡体を使用した。
(比較例3)
市販の、平均セル径が130μmであり、50%圧縮時の反発応力(50%対反発荷重)が8.6N/cm2であり、見掛け密度が0.22g/cm3であるポリエチレンが主成分の発泡体を使用した。
(見掛け密度)
樹脂発泡体の見掛け密度は、以下のようにして求めた。
30mm×30mmの打ち抜き刃型にて樹脂発泡体を打ち抜き、打ち抜いた試料の寸法(たて、よこ)を測定した。また、測定端子の直径(φ)が20mmである1/100ダイヤルゲージにて試料の厚さを測定した。試料の寸法(たて、よこ)及び試料の厚さから試料の体積を算出した。次に、試料の重量を上皿天秤にて測定した。得られた試料の体積と試料の重量から、発泡体の見掛け密度(g/cm3)を算出した。
(平均セル径)
樹脂発泡体の平均セル径は、以下のようにして求めた。
デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−600」、キーエンス株式会社製)により、樹脂発泡体断面の気泡部の拡大画像を取り込み、切断面の一定面積(1mm2)に表れた全てのセルの面積を測定し、円相当径換算した後、セル数で平均化することで求めた。
なお、画像解析には、画像解析ソフト(商品名「WIN ROOF」、三谷商事株式会社製)を用いた。
(80%圧縮時の反発応力(80%対反発荷重、80%圧縮硬さ))
樹脂発泡体の80%圧縮時の反発応力は、以下のようにして求めた。
JIS K 6767に記載されている発泡体の圧縮硬さ測定方法に準じて、80%圧縮時の反発応力を測定した。
具体的には、樹脂発泡体から、厚さ0.5mm、30mm角のシート状の試験片を得て、23℃雰囲気下、該試験片を圧縮速度10mm/minで初めの厚さの80%だけ圧縮し、そのときの応力(N)を単位面積(1cm2)当たりに換算して求めた。
(50%圧縮時の反発応力(50%対反発荷重、50%圧縮硬さ))
樹脂発泡体の50%圧縮時の反発応力は、初めの厚さの50%だけ圧縮したこと以外は、上記80%圧縮時の反発応力と同様にして求めた。
(破断強度、破断伸び)
樹脂発泡体の破断強度及び破断伸びは、JIS K 6767の引張強さ及び伸びの項に基づいてMD方向の破断強度(引張強さ)(MPa)及び破断伸び(伸び)(%)を求めた。
なお、試験片として、厚さが0.5mmの樹脂発泡体を用いた。
(引張弾性率)
JIS K 6767に準拠した引張試験を実施し、得られた応力歪曲線における弾性領域下での傾きより、下記式に基づいて算出した。つまり、応力歪曲線における弾性領域下、応力とこれに対応するひずみの比より求めた。
引張弾性率(MPa)=(応力)/(ひずみ)
Figure 2016186088
(評価)
実施例及び比較例の樹脂発泡体について、防塵性指標を測定することにより防塵性を評価し、さらに、延展性を測定することにより組み付け性を評価した。その結果を、表2に示した。
(防塵性指標の測定)
樹脂発泡体に打ち抜き加工を施して、枠形状の試験片を得た。試験片は、厚さが0.5mm、幅が1.0mm、1辺の長さが54mmの正方形状であり、その開口部は1辺の長さが52mmの正方形状である。なお、図1に、試験片の概略外観図を示す。
下記防塵性試験装置を用いて、下記防塵性指標の計測方法により、試験片を初めの厚さの50%だけ圧縮した際に通過する粒子の割合(防塵性指標(%))を測定した。また、測定は、直径0.5mmの粒子(0.5mm粒子)を用いた場合と直径1.0mmの粒子(1.0mm粒子)を用いた場合について行った。さらに、防塵性指標の計測の際には、図2に示すように、試験片の各辺に段差形成用スペーサーを挟み、段差を設けた。なお、図2において、14は試験片であり、122は段差形成用スペーサーである。段差形成用スペーサー122は、直方体形状であり、厚さが0.1mm、長さが10mm、幅が1mmである。
(防塵性試験装置)
防塵性試験装置を図3及び図4に示した。図3は防塵性試験装置の概略構成図であり、図4は防塵性試験装置のA−A'線の切断部端面図である。
図3及び図4において、1は防塵性試験装置、11は天井板、121はスペーサー、122は段差形成用スペーサー、13は両面粘着テープ、14は試験片、15は評価用箱体、16aは貫通孔、16bは貫通孔、16cは貫通孔、17は開口部、18は空間部である。天井板11は、略四角形の平板状であり、開口部となる平面視四角形(台形)の切り込みを有する。スペーサー121は、開口部17より大きく、四角形平板状であり、試験片14を所望の厚さに圧縮するために用いられる。両面粘着テープ13は、基材レスタイプで厚さが80μmの枠形状の両面粘着テープであり、スペーサー121と試験片14との固定に用いられる。貫通孔16aは管継ぎ手を介して定量ポンプに接続される。貫通孔16bは管継ぎ手を介して差圧計に接続される。貫通孔16cは管継ぎ手を介してニードルバルブに接続される。防塵性試験装置1では、天井板11と評価用箱体15とをねじ止めすることにより、略直方体状の密閉可能な空間部18が、内部に形成される。開口部17は、空間部18の開口部である。また、天井板11は、開面視四角形(台形)の切り込みを有する。
防塵性試験装置には、以下のようにして、試験片14を取り付けた。天井板11の開口部17に対向する下面に、開口部17より大きい四角形平板状のスペーサー121を、開口部17の全面に対向するように取り付けた。そして、スペーサー121下面の開口部17に対向する位置に、開口部17とほぼ同じ大きさの窓部を有する試験片14を、両面粘着テープ13を介して取り付けた。次に、試験片14の各辺下部に段差形成用スペーサー122を挟んでから、天井板11を評価用箱体15にねじ止めした。このようにして、防塵性試験装置に、試験片14を取り付けた。試験片14は、スペーサー121と開口部17の周縁部とによって、厚さ方向に圧縮される。試験片14の圧縮率は、スペーサー121の厚さを調整することによって50%圧縮(初めの厚さの50%だけ圧縮した状態)に調整された。なお、天井板11と評価用箱体15とをねじ止めすることによって、評価用箱体内の空間部18は、試験片14、スペーサー122、両面粘着テープ13及びスペーサー121によって密閉される。
(防塵性指標の計測方法)
上記のようにして、試験片を防塵性試験装置に取り付けてから、該試験片を取り付けた防塵性試験装置を粉塵箱体内に配置し、密閉した。なお、上記粉塵箱体は、粉塵供給装置及びパーティクルカウンターに接続している。また、防塵性試験装置の貫通孔16bは管継ぎ手を介してパーティクルカウンターに接続している。
次に、粉塵箱体に接続した粉塵供給装置及びパーティクルカウンターを用いて、パーティクルカウント値(数)が100000付近でほぼ一定になるように、所定の直径を有する粒子を粉塵箱体に供給した。このときのパーティクルカウント値を雰囲気粒子個数P0とした。
次に、防塵性試験装置の貫通孔16cに接続しているニードルバルブを閉じた状態で、貫通孔16aに接続している定量ポンプを用いて、吸引速度0.5L/min、30分間の吸引を行った。吸引後、防塵性試験装置の空間部18内の粒子の数をパーティクルカウンターで測定し、このときのパーティクルカウント値を発泡体通過粒子個数Pfとした。
そして、下記式より、防塵性指標を求めた。
防塵性指標(%)=(P0−Pf)/P0×100
P0:雰囲気粒子個数
Pf:発泡体通過粒子個数
(組み付け性)
「延展性(0.5N)」及び「延展性(1.0N)」を測定し、評価した。
(延展性(0.5N))
発泡体をMD方向に切り出して、厚さ0.5mm、幅3mm、長さ30mmのシート状の試験片を得た。
試験片の長さ方向の一端を固定した状態で、0.5Nの荷重で試験片を長さ方向に延伸して、延伸後の試験片の長さを測定した。
そして、下記式より、延展性(%)を求めた。
延展性(%)=[(延伸後の試験片の長さ)−(初期の試験片の長さ)]/(初期の試験片の長さ)×100
「延展性(0.5N)」(0.5Nにおける延展性)は、5.0%以下であると、良好と判断できる。
(延展性(1.0N))
荷重を1.0Nとしてこと以外は、上記の延展性(0.5N)と同様にして、延展性(%)を求めた。
「延展性(1.0N)」(1.0Nにおける延展性)は、10.0%以下であると、良好と判断できる。
Figure 2016186088
表1及び表2より、実施例の樹脂発泡体は、50%圧縮時の反発応力及び80%圧縮時の反発応力が小さく、追従性のよい樹脂発泡体であり、優れた防塵性を発揮すること、特に段差があっても優れた防塵性を発揮することが確認できた。
また、実施例の樹脂発泡体は、破断伸びの評価より伸びにくいことが確認され、貼り合わせ等の組み付け時の作業性が改善されていることが確認できた。
さらに、実施例の樹脂発泡体は、実際に樹脂発泡体を組み付けることを想定した延展性評価により、伸びにくいことが確認できた。このため、実施例の樹脂発泡体は、組み付け時に寸法通りに貼り合わせることができる。
一方、比較例1の発泡体は、引張弾性率が低く、延展性評価により、伸びやすいことが確認できた。このため、比較例1の発泡体は、組み付け時に寸法通り貼り合わせることが困難であった。
また、比較例2及び3の発泡体は、50%圧縮時の反発応力及び80%圧縮時の反発応力が大きく、硬い。このため、追従性に劣り、十分な防塵性(特に段差がある場合の防塵性)を得ることができなかった。
1 防塵性試験装置
11 天井板
121 スペーサー
122 段差形成用スペーサー
13 両面粘着テープ
14 試験片
15 評価用箱体
16a 貫通孔
16b 貫通孔
16c 貫通孔
17 開口部
18 空間部
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない

Claims (9)

  1. 下記で定義される80%圧縮時の反発応力が1.0〜9.0N/cm2であり、引張弾性率が5.0〜14.0MPaであることを特徴とする樹脂発泡体。
    80%圧縮時の反発応力:樹脂発泡体を初めの厚さの80%だけ圧縮した際の反発応力
  2. さらに、平均セル径が10〜180μmであり、見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3である請求項1記載の樹脂発泡体。
  3. 樹脂組成物に不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成される請求項1又は2記載の樹脂発泡体。
  4. 前記不活性ガスが、二酸化炭素である請求項3記載の樹脂発泡体。
  5. 前記不活性ガスが、超臨界状態である請求項3又は4記載の樹脂発泡体。
  6. 請求項1〜5の何れかの項に記載の樹脂発泡体を含むことを特徴とする発泡シール材。
  7. 樹脂発泡体上に粘着層が形成されている請求項6記載の発泡シール材。
  8. 前記粘着層が、フィルム層を介して形成されている請求項7記載の発泡シール材。
  9. 前記粘着層が、アクリル系粘着剤層である請求項7又は8記載の発泡シール材。
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