JP2016185538A - 容積減少方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体成分を多量に含んだ土砂及び汚泥などの処理対象物から流体成分を効率的に取り除き、容積を減少させる。【解決手段】気密性を有する袋状の包装手段すなわち防水性及び気密性機能を備えた外側フレコン30を用いて内側フレコン20の全体を覆い、外側フレコン30内の流体成分を真空ポンプ40などで排出する。外側フレコン30から流体成分が排出されると、内側フレコン20には外側コレコン30を介して大気圧が印加するようになるので、この大気圧によって外側フレコン30及び内側コレコン20が同時に圧縮され、内側フレコン20から流体成分が取り除かれるようになるので、内側フレコン20内の土砂及び汚泥の容積は効率的に減少する。内側コレコン20と外側フレコン30との間に、流体成分を真空ポンプ40まで排出するための流路を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、流体成分(気体及び液体)を多量に含んだ土砂及び汚泥などの処理対象物から流体成分を取り除き全体の容積を減少させる容積減少方法及び装置に関する。
例えば、大地震の被害を受けた地域において、防火水槽等に溜まった土砂及び汚泥を如何にして効率的に運び出すかが大きな課題となっている。この土砂及び汚泥は、しかるべき廃棄場所に運搬して廃棄する必要がある。そのためには、土砂及び汚泥に含まれる空気や水・油などの流体成分量の割合(いわゆる流体含有率)を低くして、全体の容積を小さくして土砂及び汚泥を効率的に運搬する必要がある。
流体成分の含有率を下げる手段の1つには、凝集剤を投入、攪拌し、土砂及び汚泥を凝集体にして沈殿させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。これは、初期の手段としては有効であり、沈殿した土砂及び汚泥を掬い上げることにより、流体成分の含有率を70%〜80%程度にまで下げた土砂及び汚泥の凝集体を得ることができる。
しかし、このままでは、流体成分の含有率は未だ70%〜80%程度であり、このまま運搬したのでは、7〜8割は不要な水を運ぶことになる。また、運搬時の振動で土砂及び汚泥が沈下して上に水が溜まり、水が流れ出て、運搬車両や道路に泥水を撒き散らすことにもなりかねない。このため、凝集剤で汚泥を沈殿させて掬い上げるだけでなく、その掬い上げた土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに下げる方策が必要である。
掬い上げた、凝集体の集まりとしての土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに下げる手段として、例えば遠心分離機を使うことなどが考えられる。上記の特許文献1にも、遠心分離機による濃縮処理についての言及がある。また、特許文献2には、高含水汚泥の連続脱水処理法について言及している。
特開2014−069145号公報 特開昭52−098271号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような遠心分離機などの大掛かりな装置を現場に運んで泥水を処理するのでは、多大なコストがかかり、またどこででも簡単に処理するという訳にもいかず、不都合である。
特許文献2に記載のものは、汚泥を充填した袋体を山積みに重ね、上下に重なり合う複数の袋体間にドレーンボードを介在させ、袋体の山を気密シートで覆って大気と遮断し、真空ポンプに接続した吸引パイプを気密シート内に挿入して気密シート内を脱気して負圧にすることによって、汚泥から水・油などの流体成分を除去している。しかしながら、これを実現するためには山積みされた複数の袋体を覆うための大きな気密シートが必須である。このような大きな気密シートを準備することは困難であり、準備できたとしても高価なものになる。また、気密シート内を脱気する真空ポンプも大型の高価なものでなければならない。
この事情は、防火水槽等に溜まった土砂及び汚泥に限らず、例えば農業用の池に溜まった土砂及び汚泥などについても同様であり、さらには、土砂及び汚泥に限られず、水・油などの流体成分を多量に含むので、その流体成分の除去が求められる細砂、粗砂、シルト、粘土などは、処理対象物一般に当てはまる。また、下水浄化工場内において発生する下水汚泥(し尿や食物のくず、水処理過程で増える微生物等の固形物)から水・油などの流体成分を除去することによって堆肥の原料として利用することができるので、このような下水汚泥も処理対象物一般に当てはまる。さらに、掘削工事から生じる泥状の掘削物および泥水などの泥土や、このうち廃棄物処理法に規定する産業廃棄物として取り扱われる建設汚泥などにも同様に処理対象物一般に当てはまる。
本発明は、上記事情に鑑み、流体成分(気体及び液体)を多量に含んだ処理対象物から効率的に流体成分を取り除くことのできる容積減少方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る容積減少方法の第1の特徴は、形状が柔軟に変形する袋状の濾過手段内に流体成分を含む処理対象物を収容し、前記濾過手段の外形に沿って形状が柔軟に変形すると共に気密性を有する袋状の包装手段を用いて前記濾過手段の全体を覆い、前記包装手段内から前記流体を排出することによって前記処理対象物から前記流体を取り除き、前記処理対象物の容積を減少させることにある。
この発明では、袋状の濾過手段として、網目状素材からなる内側フレコン(フレキシブルコンテナバッグ(Flexible Containers)を用いる。この内側フレコンに処理対象物である土砂及び汚泥を収容すると、内側フレコンの網目の大きさに応じた濾過作用によって、フレコンから水や油成分が染み出す。この発明では、気密性を有する袋状の包装手段すなわち防水性及び気密性機能を備えた外側フレコンを用いて内側フレコンの全体を覆い、外側フレコン内の流体成分(気体及び液体)を真空ポンプなどで排出する。外側フレコンから流体成分が排出されると、内側フレコンには外側コレコンを介して大気圧が印加するようになるので、この大気圧によって外側フレコン及び内側コレコンが同時に圧縮され、内側フレコンから流体成分が取り除かれるようになるので、内側フレコン内の土砂及び汚泥の容積は効率的に減少するようになる。通常、土砂及び汚泥には、礫、砂(粗砂)、細砂、粗砂、シルト、粘土などが含まれている場合がある。礫は直径約2[mm]以上の大きさのものであり、水を殆ど保持しない。砂(粗砂)は直径約2〜0.2[mm]の大きさであり、毛管孔隙に水が保持されている場合がある。細砂は直径約0.2〜0.02[mm]程度の大きさであり、毛管孔隙に水を保持しており、肉眼で見える大きさの限界である。シルトは直径約0.02〜0.002[mm]であり、凝集して土塊を形成するものである。そして、粘土は直径約0.002[mm]以下であり、コロイド的な性質を持つものである。従って、土砂及び汚泥に含まれる礫、砂(粗砂)、細砂、粗砂、シルト、粘土の特徴に応じて、内側フレコンの網目の隙間を適宜選択することが重要である。
本発明に係る容積減少方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の容積減少方法において、前記包装手段が前記濾過手段の外形に沿って変形した際に、前記濾過手段と前記包装手段との間に、前記流体を前記排出手段まで排出するための流路を形成する流路形成手段を有することにある。
これは、包装手段から流体成分が排出されると、濾過手段の外側に包装手段が密着するようになり、流体成分の排出流路を確保することが困難な状態となるので、それを防止するために濾過手段と包装手段との間に流路形成手段によって排出流路を形成して流体成分を効率的に外部に排出するようにしたものである。流路形成手段としては、硬質スポンジ、ネトロンパイプ(登録商標)などの網状管、ヘチマロン(登録商標)などのプラスチック立体網状成形品などのように、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保することのできる素材、形状のものを使用することが望ましい。また、流路形成手段の形状、大きさ、配置等は濾過手段と包装手段との大きさ等に応じて最適なものを適宜採用することが望ましい。
本発明に係る容積減少方法の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の容積減少方法において、貯水槽から土砂及び汚泥と共に水を汲み上げて、前記濾過手段内に前記処理対象物として収容し、前記包装手段内から流体成分を排出することによって前記土砂及び汚泥を含む水から前記気体及び前記水を取り除くことにある。
これは、処理対象物が防火水槽や下水浄化工場内において発生する下水汚泥や建設汚泥などを貯留した水槽などに堆積している土砂及び汚泥水であり、この土砂及び汚泥水から流体成分である気体及び水・油を取り除くようにしたものである。
本発明に係る容積減少方法の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の容積減少方法において、前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内に前記処理対象物を収容し、前記包装手段内から流体成分を取り除く処理を再度実行することにある。
これは、上述の容積減少方法によって容積を減少すると、濾過手段内の処理対象物から効率的に流体成分が取り除かれ、処理対象物の容積は、濾過手段の収容可能な容積よりも十分に小さくなるので、容積減少処理後に濾過手段内に再度処理対象物を収容し、同様の容積減少方法によって処理対象物から流体成分を取り除くようにしたものである。なお、容積減少処理後に濾過手段内に処理対象物を収容すると、流体成分の取り除かれた固められた塊の外側と包装手段の内側に処理対象物が多く存在するようになり、濾過手段の濾過能力すなわち網目の大きさによって保持されない処理対象物のほとんどが濾過されることなく排出される場合がある。このような場合には、最初の容積減少処理時に、処理対象物が円筒状の塊となるように濾過手段内に円筒部材等を挿入しておき、容積減少処理後にその円筒状の空洞内に処理対象物を収容することによって、円筒状の塊を新たなフィルタ(濾過部材)として利用し、処理対象物から効率的に流体成分のみを排出する。これによって、処理対象物から効率的に流体成分を除去することができる。
本発明に係る容積減少方法の第5の特徴は、前記第1、第2、第3又は第4の特徴に記載の容積減少方法において、前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内の前記処理対象物を前記濾過手段及び前記包装手段から排出することによって、前記処理対象物の容積を減少させる処理と前記処理対象物を排出する処理とを交互に繰り返すことにある。
これは、上述の容積減少方法によって容積を減少した後に、濾過手段内の処理対象物を濾過手段及び包装手段から排出することによって、濾過手段内には新たに処理対象物を収容することができるようになるので、処理対象物の容積減少処理と減少後の処理対象物の排出処理とを交互に繰り返して、全自動制御を可能とするものである。
本発明に係る容積減少装置の第1の特徴は、流体成分を含む処理対象物から前記流体を取り除くことによって前記処理対象物の容積を減少させる容積減少装置において、前記処理対象物を収容し、その形状が柔軟に変形する袋状の濾過手段と、前記濾過手段の外形に沿って形状が柔軟に変形すると共に気密性を有する袋状部材によって前記濾過手段の全体を覆う包装手段と、前記包装手段内の前記流体の排出を行う排出手段とを備えたことにある。
これは、容積減少方法の第1の特徴に対応した容積減少装置の発明である。
本発明に係る容積減少装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の容積減少装置において、前記包装手段が前記濾過手段の外形に沿って変形した際に、前記濾過手段と前記包装手段との間に、前記流体を前記排出手段まで排出するための流路を形成する流路形成手段を備えたことにある。
これは、容積減少方法の第2の特徴に対応した容積減少装置の発明である。
本発明に係る容積減少装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の容積減少装置において、貯水槽から土砂及び汚泥と共に水を汲み上げて、前記濾過手段内に前記処理対象物として収容する搬送手段を備え、前記排出手段によって、前記包装手段内から流体成分を排出することによって前記土砂及び汚泥を含む水から前記気体及び前記水を取り除くことにある。
これは、容積減少方法の第3の特徴に対応した容積減少装置の発明である。
本発明に係る容積減少装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の容積減少装置において、前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内に前記処理対象物を収容し、前記包装手段内から流体成分を取り除く処理を再度実行することにある。
これは、容積減少方法の第4の特徴に対応した容積減少装置の発明である。
本発明に係る容積減少装置の第5の特徴は、前記第1、第2、第3又は第4の特徴に記載の容積減少装置において、前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内の前記処理対象物を前記濾過手段及び前記包装手段から排出する排出手段を備え、前記処理対象物の容積を減少させる処理と前記処理対象物を排出する処理とを交互に繰り返すことにある
これは、容積減少方法の第5の特徴に対応した容積減少装置の発明である。
本発明によれば、流体成分を多量に含んだ土砂及び汚泥などの処理対象物から効率的に流体成分を除去し、その含有率を有効に下げることができるという効果がある。
本発明の第1実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の第2実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の第3実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の第4実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の第5実施形態の容積減少装置の模式図である。 図5に示す矢印A−Aに沿う断面図である。 本発明の第6実施形態の容積減少装置の模式図である。 図7に示す矢印A−Aに沿う断面図である。 本発明の第7実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の一実施形態としての容積減少システムの概略構成を示す模式図である。 図10の容積減少装置10の一つを正面から見た縦断面図である。 図11の容積減少装置10を上方から見た横断面図である。 図11の容積減少装置10を側方から見た縦断面図である。 図10に示す容積減少システムのうちの、汲出設備の変形例を示した図である。 図11〜図13を参照して説明した容積減少装置に代わる別例の容積減少装置を正面から見た縦断面図である。 図15の容積減少装置を側方から見た縦断面図である。 図16に示した開閉機の動作説明図である。 本発明の第8実施形態の容積減少装置の模式図である。 本発明の第9実施形態の容積減少装置の模式図であり、図18の変形例を示す図である。 本発明の第10実施形態の容積減少装置の模式図であり、図18の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。土砂及び汚泥を処理対象物の一例とし、その土砂及び汚泥に含まれる水・油成分を除去してその容積を減少させることによって含有率をも下げる容積減少装置を例に挙げて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の容積減少装置の模式図である。この容積減少装置10Aには、網目(ネット)状素材からなる、いわゆるフレコン20(フレキシブルコンテナバッグ(Flexible Containers)と称される袋状の包材)が備えられている。フレコン20は、通常のフレコンバッグと比べて編み方を粗くして水切り効率を上げたものを使用する。0.2〜0.5[mm」の網目の隙間から水・油などの流体成分が染み出るようになっている。このフレコン20内には、例えば、土砂及び汚泥水が溜まった防火水槽への凝集剤の投与により沈下した凝集体としての土砂及び汚泥の塊が掬い上げられて収容される。このフレコン20内に土砂及び汚泥を入れた後、そのフレコン20の口が紐21で結束される。このフレコン20は、本発明の特徴における濾過手段、素材および第1の素材の一例に相当する。
また、このフレコン20は、その全体が、もう1つのフレコン30内に収容される。このフレコン30は、防湿・漏れ防止機能(防水性)及び気密性を備え、かつ可撓性のある柔軟な素材からなる袋状の包材である。このフレコン30は、本発明における包装手段及び包材の一例に相当する。フレコン20,30の形状は、丸型又は角形のいずれでもよいが、同じ形状のものを使用することが好ましい。
このフレコン30の口からは、真空ポンプ40のパイプ41が差し込まれる。この真空ポンプ40のパイプ41は、水吸出し用であって、内側のフレコン20と外側のフレコン30との間に形成された空間内に差し込まれる。この空間は、本発明の特徴における第1の空間の一例に相当する。また、パイプ41の先端の吸出口41aは、本発明の特徴における吸出口の一例に相当する。また、真空ポンプ40は、乾湿両用であって、本発明における排気排水手段および吸出機の一例に相当する。
外側のフレコン30の口は、パイプ41を差し込んだまま、紐31で結束される。本実施形態では、パイプ41の吸出口41aの周りは、多孔性の硬質スポンジ60で覆われている。これは、フレコン30がその吸出口41aの開口に密着するのを防いで、パイプ41に空気や水を吸い出すための流路を確保するためである。この硬質スポンジ60は、内側のフレコン20とともに、本発明における流路形成構造の一例に相当する。
なお、パイプ41に空気や水を吸い出すための流路を確保するという目的を達することができればよく、硬質スポンジ60である必要はない。例えば多数の孔が設けられた球形の中空ボールを吸出口41aの周りに取り付けてもよい。その場合、フレコン30で孔が塞がれないようにボールの表面に凹凸を設けることが望ましい。あるいは、パイプ41に何かを取り付けるのではなく、パイプ41の吸出口41aの近傍に多数の孔を開けたり、表面に凹凸を設けたり、開口の端縁をギザギザの形状にしたり、してもよい。その他、このパイプ41の吸出口41aが塞がれないように工夫されていればよく、具体的な手段はどのようなものであってもよい。例えば、ポリプロピレン樹脂を径2[mm]程度の繊維状に押出成形した立体網状成形品(プラスチック立体網状成形品)を使用することが好ましい。
また、この図1に示す容積減少装置10Aでは、内側のフレコン20と外側のフレコン30との間の、特に下寄りの部分に、多孔性の硬質スポンジ61が配置されている。この硬質スポンジ61は、真空ポンプ40で空気や水を吸い出してフレコン20,30が縮んだときに、内側のフレコン20と外側のフレコン30とが密着して水及び空気が流れ難くなるのを防ぐ目的のものである。この硬質スポンジ61は、本発明における、流路形成構造を構成している第1の介在部材の一例に相当する。
なお、内側のフレコン20と外側のフレコン30との間に水及び空気の流路が形成されればよく、本発明の特徴における第1の介在部材は、硬質スポンジ61に限られるものではない。例えば、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保してもよく、その他、流路確保の目的が達成されれば、どのような素材、形状のものであってもよい。また、この第1の介在部材は、縫い付けや接着などで内側のフレコン20あるいは外側のフレコン30と一体化されていてもよい。あるいは、フレコン20あるいはフレコン30の材質や形状等によっては完全には密着せずに流路が確保され、したがって第1の介在部材を配置する必要性が薄い場合も考えられる。
真空ポンプ40を動作させると吸出口41aから水が吸い出され、外側のフレコン30が縮んで内側のフレコン20に収容されている土砂及び汚泥を押し縮める。すると、内側のフレコン20内の土砂及び汚泥から水・油などの流体成分が絞り出され、その水・油などの流体成分が吸い出されてますます押し縮められる。
このようにして、この容積減少装置10Aによれば、土砂及び汚泥における流体成分の含有率を30%〜40%程度にまで下げることができる。この程度の含有率であれば、水・油などの流体成分が惨み出して垂れ落ちることはほとんどなく、単に濡れた状態の土砂及び汚泥という程度になる。これにより、土砂及び汚泥の効率的な運搬、廃棄処分が可能となる。土砂及び汚泥は、内側のフレコン20から取り出して運搬してもよく、内側のフレコン20に入れたまま運搬してもよい。さらには、内側のフレコン20だけでなく、パイプ41を抜き取って外側のフレコン30も一緒に運搬に用いてもよい。また、内側のフレコン20や外側のフレコン30を再利用してもよい。
また、例えば汎用の乾湿両用の真空ポンプ40を例えば1万円以下で入手することも可能であり、何度も繰り返し使用することができる。したがって、本実施形態の容積減少装置10Aは、極めて安価に構成することができ、しかも、土砂及び汚泥における流体成分の含有率を十分に低いレベルにまで下げることができる。
なお、フレコン20に土砂及び汚泥を入れた後で、そのフレコン20をもう1つのフレコン30に収容する旨、説明したが、フレコン20を空のままフレコン30に入れてから、フレコン20に土砂及び汚泥を入れてもよい。
また、パイプ41がフレコン30に差し込まれる旨、説明したが、パイプ41の吸出口がフレコン20とフレコン30との間の空間内に開いていればよい。例えば、パイプ41の吸出口41aがフレコン30と同一面を成してフレコン30内に開いた状態に、パイプ41の先端をフレコン30に固定しておいてもよい。
図2は、本発明の第2実施形態の容積減少装置の模式図である。図1に示す要素に対応する要素には、図1において付した符号と同一の符号を付して示し、相違点についてのみ説明する。
この図2に示す第2実施形態の容積減少装置10Bの、図1に示す第1実施形態の容積減少装置10Aとの相違点は、フレコン30に、もう1本の管9が差し込まれている点である。この管9には、その途中に開閉弁9aが取り付けられている。この管9は、本発明の特徴における空気流入路の一例に相当する。
真空ポンプ40を動作させることでフレコン20,30が押し潰されると、フレコン20とフレコン30との間に硬質スポンジ61等の介在部材が配置されているとはいえ、その介在部材の材質や形状等によっては、水及び空気の流路の確保が難しくなってくることも考えられる。
真空ポンプ40が空回りして水が吸い上げられない状況になるまでは開閉弁9aを閉じておき、そのような状況になってきたら、その開閉弁9aを開ける。すると、外部の空気が管9を通って吹出口92から内部に流れ込み、その流れ込んだ空気がパイプ41の吸出口41aに向かつて流れる。つまり、そこには、空気の流路が形成される。すると、その空気流路に水が流れ込み、空気と一緒にパイプ41の吸出口41aに流れ、真空ポンプ40により吸い出される。
したがって、この第2実施形態の容積減少装置10Bによれば、図1に示す第1実施形態の容積減少装置10Aと比べ、土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに下げる効果を期待できる。
なお、開閉弁9aは、空気の流量を調節できるように、開閉量を調整することができる流量調整弁であることが好ましい。また、パイプ41について前述したことと同様に、管9についてもその吹出口92がフレコン30内に開いていればよい。さらに、この管9は、フレコン30内に空気を吹き出せばよく、フレコン30内であってさらにその内側のフレコン20内に、その吹出口92を配置してもよい。
図3は、本発明の第3実施形態の容積減少装置の模式図である。この図3に示す第3実施形態以降の各実施形態においても、前述の図1に示す第1実施形態の容積減少装置10Aの要素に対応する要素には、図1に付した符号と同一の符号を付して示し、相違点を中心に説明する。
図3に示す第3実施形態の容積減少装置10Cは、図1に示す第1実施形態の容積減少装置10Aに備えられていた、ネット素材からなる内側のフレコン20は備えられていない。防水性かつ可撓性のある素材からなるフレコン30は備えられている。このフレコン30は、図1に示す容積減少装置10Aにおける外側のフレコン30に相当する。このフレコン30内には、パイプ41が差し込まれ、さらに土砂及び汚泥が収容されて紐31で結束される。
このパイプ41の周りは、パイプ41の先端の吸出口41aを含め、図1に示す内側のフレコン20の素材相当のネット素材50で閉まれている。そして、パイプ41とネット素材50との間の空間には、その吸出口41aの前面を含め、硬質スポンジ62が配置されている。すなわち、このネット素材50は、パイプ41との間に硬質スポンジ62を包み込むようにして、紐51でパイプ41に結び付けられている。このネット素材50は、本発明の特徴における素材および第2の素材の一例に相当し、硬質スポンジ62は、本発明の特徴における第2の介在部材の一例に相当する。また、パイプ41とネット素材50との間の空間、すなわち硬質スポンジ62が配置されている空間は、本発明の特徴における第2の空間の一例に相当する。パイプ41の先端の吸出口41aは、この第2の空間内に置かれている。
本発明の特徴における第2の介在部材は、上述の第1の介在部材と同様、パイプ41とネット素材50との問に水の流路が形成されればよく、硬質スポンジ61に限られるものではない。例えば、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保してもよく、その他、流路確保の目的が達成されれば、どのような素材、形状のものであってもよい。また、この第2の介在部材は、縫い付けや接着などでネット素材50やパイプ41と一体化されていてもよい。
あるいは、ネット素材50の材質や形状等によっては、パイプ41とは完全に密着せずに流路が確保され、したがって第2の介在部材を配置する必要が薄い場合や、パイプ41の先端の吸出口41aの周りのみを第2の介在部材で、覆えばよい場合も考えられる。
真空ポンプ40を動作させると、土砂及び汚泥に含まれていた水が、ネット素材50を通り抜けてネット素材50とパイプ41との間の空間を通り、パイプ41の先端の吸出口41aから吸い出される。すると、フレコン30内が負圧状態となりフレコン30が縮んで内側の土砂及び汚泥を押し縮める。すると、その土砂及び汚泥から水・油などの流体成分が絞り出され、その水・油などの流体成分が吸い出されてますます押し縮められる。
この図3に示す第3実施形態の容積減少装置10Cに示すように、水の流路はフレコン30の直ぐ内側に沿った位置ではなく、フレコン30から離れた内側に形成されていてもよい。
図4は、本発明の第4実施形態の容積減少装置の模式図である。この図4に示す第4実施形態の容積減少装置10Dは、図1を参照して説明した第1実施形態の容積減少装置10Aの特徴と、図3を参照して説明した第3実施形態の容積減少装置10Cの特徴とを合わせ持つ構成の容積減少装置である。
すなわち、この図4に示す第4実施形態の容積減少装置10Dには、外側のフレコン30のほか、内側のネット素材のフレコン20が備えられている。また、それら外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間(本発明の特徴における第1の空間の一例)内には、本発明の特徴における第1の介在部材の一例としての硬質スポンジ61が配置されている。
また、パイプ41には、ネット素材50が巻き付けられて紐51でパイプ41に結束されている。パイプ41とネット素材50との間の空間(本発明の特徴における第2の空間の一例)内には、本発明の特徴における第2の介在部材の一例としての硬質スポンジ62が配置されている。このパイプ41は、内側のフレコン20内に、このパイプ41を覆うネット素材50が内側のフレコン20の底に突き当たる位置まで、差し込まれている。したがって、硬質スポンジ61が配置された、外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間と、硬質スポンジ62が配置されたパイプ41とネット素材50との間の空間は、水の流路としては、内側のフレコン20とネット素材50を介して連続している。
土砂及び汚泥は、内側のフレコン20内であってネット素材50の外側の空間に収容される。そして、内側のフレコン20は、紐21でパイプ41に結び付けられている。真空ポンプ40を動作させると、土砂及び汚泥に含まれていた水が内側のフレコン20を通過してフレコン20とフレコン30との間の空間に入り、パイプ41の吸出口41aから吸い出される。また、土砂及び汚泥に含まれていた水の一部は、ネット素材50を通過して、ネット素材50とパイプ41との間の空間にも入り込み、この水もパイプ41の吸出口41aから吸い出される。
パイプ41の吸出口41aから水が吸い出されると、フレコン30が縮んで内側のフレコン20を押し縮め、内側のフレコン20も縮んで土砂及び汚泥を押し縮め、その土砂及び汚泥から水・油などの流体成分がさらに絞り出され、その絞り出された水・油などの流体成分が吸い出されてますます押し縮められる。こうして内側のフレコン20内に流体成分の含有率が下がった土砂及び汚泥が残った状態となる。
この第4実施形態の容積減少装置10Dは、外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間に配置された硬質スポンジ61と、ネット素材50とパイプ41との間の空間に配置された硬質スポンジ62との双方が水の流路として作用する。このため、上述の第1〜第3の実施形態の容積減少装置10A〜I0Cと比べ、水がさらに効率的に吸い出され、土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに短時間で下げることができる。
図5は、本発明の第5実施形態の容積減少装置の模式図である。また図6は、図5に示す矢印A−Aに沿う断面図である。これら図5、図6に示す第5実施形態の容積減少装置10Eは、図3に示す第3実施形態の容積減少装置10Cと同様、図1に示す第1実施形態の容積減少装置10Aに備えられていた、ネット素材からなる内側のフレコン20は備えられていない。図1に示す容積減少装置10Aにおける外側のフレコン30に相当する、防水性かつ可撓性のある素材からなるフレコン30は備えられている。このフレコン30内には、パイプ41が差し込まれ、さらに土砂及び汚泥が収容されて紐31で結束される。
このパイプ41の周りには、金属製の板を図6に示すように、複数の突起が放射状に突き出た形状に折り曲げた曲げ板70が配置されている。そして、その曲げ板70は、パイプ41の先端の吸出口41aの部分を含め、図1に示す内側のフレコン20の素材相当のネット素材50で囲まれている。そして、その曲げ板70とネット素材50との間の空間には、その吸出口41aの前面を含め、硬質スポンジ62が配置されている。すなわち、このネット素材50は、パイプ41の周りの曲げ板70との間に硬質スポンジ62を包み込むようにして、紐51でパイプ41に結び付けられている。このネット素材50は、図6には曲げ板70の形状に沿って広がるように示されているが、ネット素材50をこの形状に作り込む必要はなく、フレコン20内に土砂及び汚泥を入れるとその土砂及び汚泥に押されて図6に示す形状に近い形状となる。
このネット素材50は、本発明の特徴における素材および第2の素材の一例に相当し、硬質スポンジ62は、本発明の特徴における第2の介在部材の一例に相当する。またパイプ41とネット素材50との空間、すなわち硬質スポンジ62が配置されている空間は、本発明の特徴における第2の空間の一例に相当する。パイプ41の先端の吸出口41aは、この空間内に置かれている。
また、これも図3に示す第3の実施形態の容積減少装置10Cと同様、ネット素材50で囲まれた内側の空間に水の流路が形成されればよく、本発明の特徴における第2の介在部材は硬質スポンジ62に限られるものではない。例えば、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保してもよく、その他、流路確保の目的が達成されれば、どのような素材、形状のものであってもよい。また、この硬質スポンジ62は、縫い付けや接着などでネット素材50や曲げ板70と一体化されていてもよい。
あるいは、ネット素材50の材質や形状等によっては、曲げ板70と完全には密着せずに流路が確保され、したがって第2の介在部材を配置する必要が薄い場合や、パイプ41の先端の吸出口41aの周りのみを第2の介在部材で覆えばよい場合も考えられる。
真空ポンプ40を動作させると土砂及び汚泥に含まれていた水がネット素材50を通り抜けてネット素材50と曲げ板70との間の空間を通り、パイプ41の先端の吸出口41aから吸い出される。すると、フレコン30内が負圧状態となりフレコン30が縮んで内側の土砂及び汚泥を押し縮める。すると、その土砂及び汚泥から水・油などの流体成分が絞り出され、その水・油などの流体成分が吸い出されてますます押し縮められる。
これら図5,図6に示す第5実施形態の容積減少装置10Eによれば、図3に示す第3実施形態の容積減少装置10Cと比べ水が一層円滑に流れ、水を効率的に吸い出して土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに短時間で下げることができる。
図7は、本発明の第6実施影態の容積減少装置の模式図である。また、図8は、図7に示す矢印A−Aに沿う断面図である。
これら図7,図8に示す第6実施形態の容積減少装置10Fは、図1を参照して説明した第1実施形態の容積減少装置10Aの特徴と、図5,図6を参照して説明した第5実施形態の容積減少装置10Eの特徴とを合わせ持つ構成の容積減少装置である。
すなわち、これら図7,図8に示す第6実施形態の容積減少装置10Fには、外側のフレコン30のほか、内側のネット素材のフレコン20が備えられている。また、それら外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間(本発明の特徴における第1の空間の一例)内には、本発明の特徴における第1の介在部材の一例としての硬質スポンジ61が配置されている。
また、パイプ41の周りには、曲げ板70が配置されていて、その曲げ板70をネット素材50が覆い、そのネット素材50が紐51でパイプ41に結束されている。曲げ板70とネット素材50との問の空間(本発明の特徴における第2の空間の一例)内には、本発明の特徴における第2の介在部材の一例としての硬質スポンジ62が配置されている。このパイプ41は、内側のフレコン20内に、このパイプ41を覆うネット素材50が内側のフレコン20の底に突き当たる位置まで、差し込まれている。したがって、硬質スポンジ61が配置された、外側のフレコン30と内側のフレコン20との問の空間と、硬質スポンジ62が配置された、曲げ板70とネット素材50との間の空間は、水の流路としては、内側のフレコン20とネット素材50を介して連続している。
土砂及び汚泥は、内側のフレコン20内であってネット素材50の外側の空間に収容される。そして、内側のフレコン20は、紐21でパイプ41に結び付けられている。
真空ポンプ40を動作させると、土砂及び汚泥に含まれていた水の一部が内側のフレコン20を通過してフレコン20とフレコン30との間の空間に入り、パイプ41の吸出口41aから吸い出される。また、土砂及び汚泥に含まれていた水の一部は、ネット素材50を通過して、ネット素材50と曲げ板70との間の空間にも入り込み、この水もパイプ41の吸出口41aから吸い出される。
パイプ41の吸出口41aから水が吸い出されると、フレコン30が縮んで内側のフレコン20を押し縮め、内側のフレコン20も縮んで土砂及び汚泥を押し縮め、その土砂及び汚泥から水・油などの流体成分がさらに絞り出され、その絞り出された水・油などの流体成分が吸い出されてますます押し縮められる。こうして内側のフレコン20内に流体成分の含有率が下がった土砂及び汚泥が残った状態となる。
この第8実施形態の容積減少装置10Fは、外側のフレコン30と内側のフレコン20との間と、ネット素材50と曲げ板70との間との双方からなる広い空間が水の流路として作用する。このため、上述の第4,第5の実施形態の容積減少装置10D,10Eと比べ、水がさらに効率的に吸い出され、土砂及び汚泥における流体成分の含有率をさらに短時間で下げることができる。
このように、上記の各実施形態の容積減少装置10A〜I0Fによれば、簡易な装置で極めて安価に、土砂及び汚泥における流体成分の含有率を十分に低いレベルにまで下げることができる。
なお、説明した本発明の特徴における包材の一例に相当する外側のフレコン30は、可撓性を有する防水素材で形成されている。しかしながら、その内部の土砂及び汚泥の水が吸い出されて負圧になったときに土砂及び汚泥が押し縮められればよく、したがって、この包材として伸縮性のある素材を用い、土砂及び汚泥を入れることによって拡張させてもよい。
あるいは、この包材は、負圧により内部の土砂及び汚泥を押し縮めるという目的を達成する限りにおいて、可擁性あるいは伸縮性を有する部分と、変形しない硬い部分とがあってもよい。
図9は、本発明の第7実施形態の容積減少装置の模式図である。この図9に示す第7実施形態の容積減少装置10Gは、前述した、図4に示す第4実施形態に近似している点がある。そこで、この図9に示す第7実施形態の説明にあたり、図4に示す第4実施形態をベースにして、その第4実施形態との相違点を中心に説明する。
この図9に示す第7実施形態の容積減少装置10Gには、図4に示す第4実施形態と同様、外側の防水性のフレコン30と内側のネット素材のフレコン20が備えられている。また、それら外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間(本発明の特徴における第1の空間の一例)内には、本発明の特徴における第1の介在部材の一例としての硬質スポンジ61が配置されている。
また、真空ポンプ40に繋がるパイプ41は、固定具99に固定されてフレコン内部に挿し込まれている。このパイプ41の、フレコン内部に差し込まれた部分は、例えばネトロンパイプ(登録商標)などの網状管63に差し込まれていて、2重管を構成している。この網状管63は、その周面に、そのパイプの内外に通じる多数の孔が形成されているパイプである。本実施形態では、図4に示す第4実施形態における硬質スポンジ62に代わり、この網状管63を本発明の特徴における第2の介在部材の一例として採用している。
この網状管63は、パイプ41とともにその上端部が固定具99に固定されている。但し、この固定具99には、切欠き99aが形成されていて、網状管63の上端の開口63aは、その切欠き99aの部分で固定具99から開放されている。また、この網状管63の下端の開口63bもパイプ41の下端の吸出口41aと同様に開いている。
また、この網状管63は、その周囲が上と下に口が開いた筒状のネット素材52で取り巻かれている。内側のフレコン20の底の中央部分には穴20aが開けられていて、その穴20aの周囲が筒状のネット素材52の下の口を形成している部分と縫合等により接合されている。この筒状のネット素材52の上端部は、紐53で固定具99に結束されている。また、内側のフレコン20、外側のフレコン30も、それぞれ、紐21、紐31で固定具99に結束されている。
図4に示す第4実施形態では、硬質スポンジ61が配置されている、外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間(本発明の特徴における第lの空間の一例)と、硬質スポンジ62が配置されている、パイプ41とネット素材50との間の空間(本発明の特徴における第2の空間の一例)は、ネット素材50と、ネット素材からなる内側のフレコン20とを介して水の流路として繋がっている。これに対し、この図9に示す第7実施形態の場合、硬質スポンジ61が配置されている、外側のフレコン30と内側のフレコン20との間の空間(本発明の特徴における第1の空間の一例)と、網状管63が配置されている、パイプ41とネット素材52との間の空間(本発明の特徴における第2の空間の一例)は、ネット素材等の介在なしに直接に繋がっている。このため、本実施形態の場合、真空ポンプ40で水を吸い上げたときの抵抗が小さくて済み、効率的な水の吸出しが可能である。また、網状管63の上端の開口63aも固定具99で閉じられることなく開放されている。このため、この上端の開口63aからも水や空気が流れ込み、その分、フレコン20,30の収縮を早め、一層効率的な容積減少を可能としている。
また、この固定具99には、もう1本のパイプ93が固定されている。このパイプ93は内側のフレコン20の内部に差し込まれていて、その下端の開口93aは内側のフレコン20の内部に開いている。また、このパイプ93の上部にはバルブ94が備えられている。
図4に示す第4実施形態の場合は、フレコン20内に土砂及び汚泥を入れてから、そのフレコン20の口を紐21で結束するが、この図9に示す第7実施形態の場合は、この図9に示す形状に先に組み立てておいてから、バルブ94を開き、パイプ93経由でフレコン20内に土砂及び汚泥が送り込まれる。フレコン20が一旦ほぼ満杯となるまで土砂及び汚泥を送り込むと、バルブ94を閉じ、真空ポンプ40を動作させて内部の水を吸い出す。すると、フレコン20,30が縮み、内部の土砂及び汚泥もその体積を減じる。そうなったら、バルブ94を再度開いて土砂及び汚泥を追加して送り込み、また、真空ポンプ40で水を吸い出す。これを何度か繰り返すと、水・油などの流体成分が除去された土砂及び汚泥でフレコン20内がほぼ満杯となる。こうすることで、フレコン20やフレコン30の容積を最大限に活用することができる。
水・油などの流体成分が除去された土砂及び汚泥がほぼ満杯になったら、紐31,21,53をそれぞれ解き、固定具99と、その固定具99に固定されているパイプ41、網状管63、およびパイプ93をフレコン20,30から引き抜く。そして再度、フレコン30の口を紐31で結束する。この第7実施形態の場合は、外側のフレコン30の中に内側のフレコン20、ネット素材52、硬質スポンジ61を土砂及び汚泥とともに残したまま、所定の廃棄場所に運搬されて廃棄される。一方、固定具99や、その固定具99に固定されているパイプ41、網状管63、パイプ93は、再利用される。
なお、本発明の特徴における吸出機の一例として乾湿両用の真空ポンプ40を用いた例について説明したが、本発明の特徴における吸出機は掃除機を転用したものでもよく、さらに大きな吸引力を必要する場合に大型の真空ポンプを用いるなどしてもよい。
なお、土砂及び汚泥における流体成分の含有率を下げることによって容積を減少させる例について説明したが、本発明は、土砂及び汚泥に限らず、多量に流体成分(水・油など)を含んだ処理対象物から流体成分(水・油など)を除去してその容積を下げる場合に広く採用することができる。
図10は、本発明の一実施形態としての容積減少システムの概略構成を示す模式図である。この容積減少システム1は、一例としての防火水槽2に溜った泥水の中から土砂及び汚泥を汲み上げ、その土砂及び汚泥に含まれる水・油などの流体成分を除去して防水フレコン3に収納するシステムである。
この容積減少システム1には、2台の容積減少装置10が並列に備えられている。これらの容積減少装置10は、上述の図1〜図9に示した本発明の容積減少装置の一変形例に相当する。ここでは先ず、容積減少システム1に応用した場合の容積減少装置10の構造について説明し、その後、図1に戻って容積減少システム1について説明する。
図11は、図10の容積減少装置10の一つを正面から見た縦断面図である。図12は、図11の容積減少装置10を上方から見た横断面図である。図13は、図11の容積減少装置10を側方から見た縦断面図である。ただし、図13には、容積減少装置10の下方の一部分のみが示されている。
この容積減少装置10は、複合包材11と、開閉機12とを備えている。複合包材11は、内側のフレコン111と外側のフレコン112とを有し、吊下機13により吊り下げられている。この複合包材11は、本発明の特徴における収容体の一例に相当する。内側のフレコン111は、ネット素材からなり、図1〜図9のフレコン20に相当するものであり、その違いは、下方が開放した形状を有する点である。また、外側のフレコン112は、防水性かつ気密性の素材からなり、図1〜図9のフレコン30に相当するものであり、その違いは、下方が開放した形状を有する点である。
内側のフレコン111の下部111aは、外側のフレコン112に接合されている。(図13参照)。この接合は、接着であってもよく、あるいは、外側のフレコン112の防水性と気密性がこの複合包材11としての性能を満足する範囲で縫い合わせたものであってもよく、接合方法の如何を問うものではない。これら内側のフレコン111および外側のフレコン112は、本発明の特徴における、それぞれ、第1素材および包材の各一例に相当する。
また、これら内側のフレコン111と外側のフレコン112とに挟まれた空間内には、多孔性の硬質スポンジ113が配置されている。この空間は本発明の特徴における第1の空間の一例に相当する。この空間内に配置された多孔性の硬質スポンジ113は、後述するようにして水を吸い出してフレコン111,112が縮んだときに、内側のフレコン111と外側のフレコン112とが密着して水及び空気が流れ難くなるのを防ぐ目的のものである。この硬質スポンジ113は内側のフレコン111に縫い合わせて結合し、あるいは外側のフレコン112に接着結合してもよい。あるいは、外側のフレコン112の防水性、気密性が十分に保たれる範囲内において外側のフレコン112と縫い合わせてもよい。あるいは内側のフレコン111と硬質スポンジ113と外側のフレコン112との三者を一体に接合してもよい。この硬質スポンジ113は、内側のフレコン111とともに、本発明の特徴における流路形成構造の一例を構成している。この硬質スポンジ113は、内側のフレコン111と外側のフレコン112とに挟まれた空間内に水及び空気の流路を形成する介在部材の一例である。
なお、内側のフレコン111と外側のフレコン112との間に水及び空気の流路が形成されればよく、介在部材は、硬質スポンジ113に限られるものではない。例えば、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保してもよく、あるいは内側のフレコン111と同じ素材の包材等を重ね合わせることで流路を確保してもよく、その他、流路確保の目的が達成されれば、どのような素材、形状のものであってもよい。あるいは、内側のフレコン111や外側のフレコン112の素材や厚み、形状等によっては完全には密着せずに流路が十分に確保される場合は、介在部材を配置する必要はない。
また、この複合包材11は、流込口114と吸出口115とを有する。この複合包材11は、後述する開閉機12により、その下部が開閉される。この複合包材11の下部が閉じられている状態において、土砂及び汚泥水に凝集剤を投入して沈殿した、凝集体としての汚泥の塊及び土砂が、流込口114に差し込まれたパイプ133から内側のフレコン111内に流し込まれる。また、吸出口115からは、複合包材11の下部が閉じられて内側のフレコン111内に汚泥の塊及び土砂が流し込まれた状態において、内側のフレコン111と外側のフレコン112とに挟まれた空間内の水が、パイプ301を経由して吸い出される。このパイプ301は、固定具301aによりフレコン112に固定されている。
なお、ここに示す実施形態の場合、流込口114は複合包材11の上部に設けられているが、この流込口114は上部に設けられている必要はなく、泥を横向きから流し込むように横向きに設けられていてもよい。また、吊下機13は、複数本の柱131と、柱131の上端どうしを繋ぐ梁132とを有する。
そして、梁132には、複合包材11の内側のフレコン111に泥を流し込むためのパイプ133が固定され、そのパイプ133の下部にハンガ134が固定されている。そして、パイプ133は複合包材11の流込口114を貫通し、そのパイプ133の下端の開口133aが内側のフレコン111の内側に開いている。複合包材11はハンガ134により、パイプ133を介して梁132に吊り下げられている。複合包材11の流込口114は、パイプ133に水が漏れないように、綴じ紐135でしっかりと結びつけられている。あるいは、さらに必要であれば、そこにシーリング剤を注入してもよい。また、パイプ133の上部はバルブ62aを介してさらに上方のパイプに繋がっている(図10参照)。
また、この容積減少装置10を構成する開閉機12は、図12に示すように、2本のバー121,122と、2台のシリンダ123,124を備えている。2本のバー121,122は、複合包材11の下部を両側から挟む位置に配置されている。そしてそれら2本のバー121,122のうちの1本のバー121には、複合包材11に接する側の面にゴム板121aが貼り付けられている。また、外側のフレコン112は、2本のバー121,122と離れないように、それらのバー121,122に貼付け等により接合されている。
また、2台のシリンダ123,124の軸123a,124aは、2本のバー121,122を貫通している。これらの軸123a,124aは、2本のバー121,122のうちの1本のバー121に固定されている。また、これらの軸123a,124aは、もう1本のバー122とは自由に摺動する。そして、その1本のバー122は2台のシリンダ123,124の本体123b,124bに固定されている。
これら2台のシリンダ123,124は、軸123a,124aを本体123b,124bから突き出し、また、本体123b,124b内に引き込む動作を行なう。図12及び図13は、軸123a,124aが本体123b,124bから突き出た状態が示されている。シリンダ123,124が、軸123a,124aを本体123b,124b内に引き込むように動作すると、2本のバー121,122が複合包材11を間に挟んで互いに押し当てられた状態となり、複合包材11の下部が密に閉鎖される。
1本のバー121にはゴム板121aが貼り付けられているため、複合包材11、特に外側のフレコン112がある程度強張った材質のものであっても、複合包材11の下部で気密を保つ程度に密着させることができる。なお、2本のバー121,122は、不図示のガイド部材により、複合包材11の図12に示す向きの左右の中央(図12に示す一点鎖線C)から互いに等距離となるように動く構造となっている。
以上で容積減少装置10の説明を終了し、図10に戻って容積減少システム1の全体について説明する。防火水槽2に溜まった土砂及び汚泥水は、ポンプ23により汲み上げられホース24を通って1次沈殿槽410に注がれる。ポンプ23およびホース24は、本発明の特徴における汲出設備の一例に相当する。なお、防火水槽2内の土砂及び汚泥水の状態によっては、防火水槽2内に凝集剤が投入される。
1次沈殿槽410は、容積減少装置10と比べ、十分に高い位置に設置されている。これは、ポンプ23で1次沈殿槽410に土砂及び汚泥水を汲み上げた後は、土砂及び汚泥を、自然落下を利用して、容積減少装置10に導くためである。
1次沈殿槽410は、横長の水槽であって、ポンプ23によって汲み上げられた土砂及び汚泥水は、その1次沈殿槽410の一方の端からその中に注がれる。また、1次沈殿槽410のさらに上部には、凝集剤が収容されたタンク421が設置されていて、ポンプ22により、1次沈殿槽410内における土砂及び汚泥水が注がれたすぐ傍に凝集剤が注がれる。1次沈殿槽410に注がれた凝集剤は、土砂及び汚泥水に万遍なく混合されるように、攪拌羽根511とモータ512を備えた攪拌機510で攪拌される。
また、この1次沈殿槽410には、衝立521と金網522が設けられている。この衝立521は、1次沈殿槽410の底に流路が形成されるように、その底から離れた位置に設置されていて、1次沈殿槽410に注がれた直後における沈殿前の泥水がそのまま流れていくのを防ぐ役割を担っている。また、金網522は、1次沈殿槽410の途中の深さに張られている。この金網522は水流に対する抵抗となって水の動きを弱め、汚泥水の凝集を促して汚泥水の凝集体を金網の下に落下させる役割を担っている。また、この1次沈殿槽410の底部には、スクリューコンベア53を構成する螺旋羽根531が設置されている。この螺旋羽根531はモータ532により回転駆動される。この1次沈殿槽410に注がれた汚泥水は凝集剤の投入により凝集体となって沈殿し、スクリューコンベア53により、1次沈殿槽410内を、汚泥水等が注がれた端部とは反対側の端部に向かって搬送され、1次沈殿槽410の底に設けられている送出口411から送り出される。
これら1次沈殿槽410、タンク421およびポンプ22、攪拌機510、衝立521および金網522、並びにスクリューコンベア53は、本発明の特徴における沈殿設備の一例に相当する。ただし、本実施形態における沈殿設備は、以下に説明する2次沈殿槽420等も備えている。1次沈殿槽410から送り出された凝集体としての土砂及び汚泥水は、流路412を通って2次沈殿槽420に注がれて、その2次沈殿槽420に一時的に蓄えられる。この2次沈殿槽420は縦長の水槽であって、その底部に送出口431を有し、バルブ61aを介してパイプ32に繋がっている。1次沈殿槽410から送り出された土砂及び汚泥水は、ある程度凝集が進んでいるが、この2次沈殿槽420で一時的に蓄えることにより、さらにその凝集が進行する。
また、この2次沈殿槽420の底部寄りに、攪拌機54を構成する攪拌羽根541が設置されている。この攪拌羽根541は、モータ542により、底部寄りに沈殿した土砂及び汚泥水を持ち上げる向きに回転する。この2次沈殿槽420で土砂及び汚泥の凝集が一層進行する結果、この2次沈殿槽420の底部が泥で詰まり易くなる。そこでも、攪拌機54でその凝集が進んだ土砂及び汚泥を持ち上げる向きに攪拌することにより、土砂及び汚泥の詰まりを防止している。本実施形態では、これら2次沈殿槽420および攪拌機54も、1次沈殿槽410などとともに、本発明の特徴における沈殿設備の一例を構成している。
2次沈殿槽420の底のバルブ61aを開くと、凝集体としての土砂及び汚泥が、その2次沈殿槽420からパイプ32を通って、容積減少装置10に、その流込口114(図11参照)から注ぎ込まれる。ただし、容積減少装置10への入口にもバルブ62aが設けられていて、そのバルブ62aを開いている間のみ、土砂及び汚泥水が容積減少装置10に注がれる。バルブ61a、パイプ32、およびバルブ62aは、本発明の特徴における流込設備の一例を構成している。
また、パイプ32には、1次沈殿槽410の泥が沈殿した後の上澄みの水がパイプ33およびバルブ63dを介して注がれる構造となっている。バルブ63dを開いてパイプ32に水を注ぎ込むことにより、パイプ32内の土砂及び汚泥の詰まりが防止される。これらのパイプ32およびバルブ63dは、本発明の特徴における水流入設備の一例に相当する。
また、2次沈殿槽420内における土砂及び汚泥が沈殿した残りの上澄みの水は、パイプ34を通って1次沈殿槽410に戻される。また、1次沈殿槽410における上澄みの水は、バルブ63dを開けてパイプ32に注ぎ込まれる分を除き、パイプ35を通して防火水槽2に環流される。
容積減少装置10の吸出口115(図10〜図13参照)からは、真空ポンプ551と真空タンク552を備えた真空ポンプ55により水・油などの流体成分が吸引される。真空ポンプ55を構成する真空タンク552のほかに2つの真空タンク561,562が設置されている。これら2つの真空タンク561,562は、各バルブ661,662およびパイプ37を介して、真空ポンプ55を構成する真空タンク552に接続されている。また、それら2つの真空タンク561,562は各バルブ671,672を介してパイプ36と接続されている。真空ポンプ55を構成する真空タンク552と、2つの真空タンク561,562は、それら底部のバルブ65,681,682を介してパイプ38に接続されている。さらに、ここには、エアコンプレッサ90が備えられている。2つの真空タンク561,562は、各バルブ691,692とパイプ39を介して、そのエアコンプレッサ90に接続されている。
これら2つの真空タンク561,562およびそれに付属するバルブ661,671,681,691,662,672,682,692は、交互に使用される。例えばそれら2つの真空タンク561,562のうちの一方の真空タンク561のバルブ661,671を開放してバルブ681,691を閉じることで、その一方の真空タンク561が負圧となるように真空ポンプ55に吸引させる。すると、容積減少装置10の吸出口115(図10〜図13参照)から水・油などの流体成分が吸引され、その吸引された水・油などの流体成分は、バルブ64およびパイプ36を経由して真空タンク561に蓄えられる。真空タンク561が満杯になると、バルブ661,671を閉じてバルブ681,691を開放するとともに、もう一方の真空タンク562のバルブ662,672を開放してバルブ682,692を閉じる。すると、容積減少装置10の吸引された水は、今度は、もう一方の真空タンク562に蓄えられる。真空タンク561には、エアコンプレッサ90からの空気がパイプ39およびバルブ691を経由して流入し、その真空タンク561に蓄えられた水は、バルブ681およびパイプ38を経由して1次沈殿槽410に戻される。
真空タンク562が満杯になると、真空タンク562に溜まった水・油などの流体成分は、パイプ38を経由して1次沈殿槽410に戻されるとともに、今度は真空タンク561に水が蓄えられる。また、本実施形態では容積減少装置10が2台備えられている。これら2台の容積減少装置10は、互いに異なるタイミングで繰り返し使用することで、水・油などの流体成分を吸い出すための十分な時間を確保している。なお、本実施形態の容積減少システム1には、2台の容積減少装置10が備えられているが、本発明の容積減少システム1は、容積減少装置の台数の如何を問うものではなく、単位時間あたりの土砂及び汚泥の沈殿量や水・油などの流体成分の吸出しの時間等に応じて増減してもよい。
2台の容積減少装置10の下方には搬送部材711とモータ712を備えた泥コンベア71が配置されている。この泥コンベア71は、本発明の特徴における搬送設備の一例に相当する。容積減少装置10で水・油などの流体成分が除去された土砂及び汚泥は、開閉機12(図12参照)による複合包材11の下部の開放により、泥コンベア71上に落下する。落下した土砂及び汚泥は泥コンベア71で運ばれて、防水フレコン3に収容される。防水フレコン3は重量計25の上に載っていて、この防水フレコン3に規定重量の土砂及び汚泥が収容されると、空の防水フレコン3と交換される。土砂及び汚泥が収容された防水フレコン3は、トラック等の運搬手段により、指定場所に運搬される。
以上の容積減少システム1において、ポンプによる液の輸送、モータの回転や停止、真空ポンプの稼働や停止、および各種バルブの開閉は、あらかじめシーケンスを組み上げておいてコンピュータ制御により動作させてもよい。そうすれば、この容積減少システム1をほぼ全自動で稼働させることができる。あるいは、小規模の容積減少システムの場合は、それらの一部あるいは全部を手動で動作させてもよい。
また、本実施形態の容積減少システム1における沈殿設備は、2次沈殿槽420および攪拌機54を備えているが、泥の性質や凝集剤の投入量、1次沈殿槽410の長さや沈殿した泥の搬送速度などによって1次沈殿槽410だけで十分の場合は、2次沈殿槽420等を備えることなく、1次沈殿槽410で沈殿した泥を、その1次沈殿槽410から容積減少装置10に直接に供給してもよい。
図14は、図10に示す容積減少システムのうちの、汲出設備の変形例を示した図である。図10に示した容積減少システム1の場合、この図14に一点鎖線で示すように防火水槽2内の土砂及び汚泥をポンプ23とホース24を使って汲み出している。ところが、防火水槽2内の土砂及び汚泥水の中の土砂及び汚泥の比率が概ね5%を越えると通常のポンプ23では土砂及び汚泥水を汲み出すことができない。そこで、真空ポンプ563と真空タンク562を備えた真空ポンプ56が備えられており、防火水槽2内の土砂及び汚泥がパイプ91を通って、真空ポンプ56により、真空タンク562に汲み上げられる。その真空タンク562内に溜まった土砂及び汚泥水は、その下部に設置されているバルブ66を開放することにより1次沈殿槽410に注がれる。この図14に示すように、防火水槽2内の土砂及び汚泥水の状態によって、土砂及び汚泥水の汲出設備を変更してもよい。
なお、防火水槽2内の土砂及び汚泥の処理を行う容積減少システムについて説明したが、本発明の容積減少システムおよび容積減少装置は、防火水槽2に限らず、土砂及び汚泥水が溜まったプールや池など、様々な貯水場の土砂及び汚泥の処理に適用することができる。さらには、本発明の容積減少システムおよび容積減少装置は、土砂及び汚泥に限らず、水・油などの流体成分の除去を必要とする処理対象物の容積減少に広く適用することができる。例えば、下水浄化工場内において発生する下水汚泥(し尿や食物のくず、水処理過程で増える微生物等の固形物)から水・油などの流体成分等を除去することによって堆肥の原料として利用することができる。また、掘削工事から生じる泥状の掘削物および泥水などの泥土や、このうち廃棄物処理法に規定する産業廃棄物として取り扱われる建設汚泥などにも利用することができる。
図15は、図11〜図13を参照して説明した容積減少装置に代わる別例の容積減少装置を正面から見た縦断面図である。図16は、図15の容積減少装置を側方から見た縦断面図である。図15,図16に示すように、この容積減少装置80は、複合包材81と、開閉機82とを備えている。さらに、この容積減少装置80は、吊下機83を備えていて、複合包材81は、この吊下機83により吊り下げされている。
複合包材81は、本発明の特徴における収容体の一例に相当する。この複合包材81は、内側のフレコン811と外側のフレコン812を有する。内側のフレコン811は、ネット素材からなり、下方が開放した形状を有する。また、外側のフレコン812は、防水性かつ気密性の素材からなり、これも下方が開放した形状を有する。内側のフレコン811の下部811aは、外側のフレコン812に接合されている。この接合は、接着であってもよく、あるいは外側のフレコン812の防水性と気密性がこの複合包材81の機能を満足する範囲内で縫い合わせたものであってもよく、接合方法の如何を問うものではない。これら内側のフレコン811および外側のフレコン812は、本発明の特徴における、それぞれ、第1素材および包材の各一例に相当する。
また、これら、内側のフレコン811と外側のフレコン812とに挟まれた空間内には、多孔性の硬質スポンジ813が配置されている。この空間は、本発明の特徴における第1の空間の一例に相当する。この空間内に配置された多孔性の硬質スポンジ813は、図11〜図13を参照して説明した複合包材11の場合と同様、水を吸い出してフレコン811,812が縮んだときに、内側のフレコン811と外側のフレコン812とが密着して水や空気が流れ難くなるのを防ぐ目的のものである。この硬質スポンジ813は内側のフレコン811に縫い合わせて結合し、あるいは外側のフレコン812に接着結合してもよい。あるいは、外側のフレコン812の防水性、気密性が十分に保たれる範囲内において外側のフレコン812と縫い合わせてもよい。あるいは内側のフレコン811と硬質スポンジ813と外側のフレコン812との三者を一体に接合してもよい。この硬質スポンジ813は、内側のフレコン811とともに本発明の特徴における流路形成構造の一例を構成している。この硬質スポンジ813は、内側のフレコン811と外側のフレコン812とに挟まれた空間内に水の流路を形成する介在部材の一例である。
なお、内側のフレコン811と外側のフレコン812との間に水及び空気の流路が形成されればよく、介在部材は、硬質スポンジ813に限られるものではない。例えば、押し潰され難い波形の素材や網などを配置して流路を確保してもよく、あるいは内側のフレコン811と同じ素材の包材等を重ね合わせることで流路を確保してもよく、その他、流路確保の目的が達成されれば、どのような素材、形状のものであってもよい。あるいは、内側のフレコン811や外側のフレコン812の素材や厚み、形状等によっては完全には密着せずに十分な流路が確保される場合は、介在部材を配置する必要はない。
また、この複合包材81は、横向きに開いた流込口814と吸出口815とを有する。この複合包材81は、後述する開閉機82により、その下部が開閉される。この複合包材81の下部が閉じられている状態において、流込口814に差し込まれたパイプ901から内側のフレコン811とフレコン817との間に、土砂及び汚泥水に凝集剤を投入して沈殿した、凝集体としての土砂及び汚泥の塊が流し込まれる。また、吸出口815からは、複合包材81の下部が閉じられていて内側のフレコン811とフレコン817との間に土砂及び汚泥の塊が流し込まれた状態において、内側のフレコン811と外側のフレコン812とに挟まれた空間内の水がパイプ902を経由して吸い出される。
また、この複合包材81は、内側の中央部分に、断面が図16に示すように長円形となる形状に曲げられた金属製の曲げ板116を有し、その長円形の曲げ板116の下部には、パイプ903が差し込まれている。このパイプ903は、複合包材81のもう1つの吸出口819から複合包材81の外部に延びている。この曲げ板816の周りは、ネット素材からなる内側のフレコン817で取り巻かれている。そのフレコン817の内側、すなわち、そのフレコン817と曲げ板116とに挟まれた空間内に硬質スポンジ818が配置されている。
この複合包材81内に流し込まれた土砂及び汚泥に含まれている水は、このフレコン817を通過し、硬質スポンジ818により形成されている流路、およびパイプ903に設けられている多数の孔903aを通ってパイプ903に入り込み、このパイプ903により外に吸い出される。フレコン817は、本発明の特徴における第2の素材の一例に相当し、このフレコン817に囲まれた内側の空間は、本発明の特徴における第2の空間の一例に相当する。また、硬質スポンジ818は、内側のフレコン811と外側のフレコン812との間に配置されている硬質スポンジ813と同様、介在部材の一例である。上述の通り、この介在部材は硬質スポンジである必要はなく、また、この硬質スポンジ818からなる介在部材自体が不要な態様もあり得る。
これら図15,図16に示す複合包材81の場合、流し込んだ土砂及び汚泥の周囲と中央との両方に流路を形成して、それら両方から水を吸い出す構造であるため、水が流出しやすく、泥の含有率を一層短時間で下げることができる。なお、図15,図16に示す複合包材81は、流し込んだ泥の周囲と中央との両方から水を吸い出す構造となっているが、包材812に対面するネット泰材(本発明の特徴における第1の素材)やその間に挟まれた硬質スポンジ813を備えずに、中央の流路のみから水を吸い出す構造であっても、曲げ板116の形状等の工夫によっては、水を十分に効率的に吸い出すことができる。
図15,図16に示す吊下機83は、横向きの3本のパイプ831,832,833を有する。これらはパイプである必要はなく、中が詰まった丸棒などであってもよい。なお、図15,図16では、図11を参照して説明した柱131など、これら3本のパイプ831,832,833を支える構造については図示が省略されている。複合包材81は、これら3本のパイプ831,832,833により上から吊り下げられている。これら3本のパイプ831,832,833のうちの2本のパイプ832,833は、図16に示すように互いに近接した状態に横向きに並んでいる。また、もう1本のパイプ831は、それら2本のパイプ832,833の隙間の上に乗る位置に置かれている。
これらのパイプ831,832,833を使って複合包材81を吊り下げるにあたっては、図16に示すように、その複合包材81を構成している外側のフレコン812の上部をパイプ831に巻き付け残りの2本のパイプ832,833で挟むようにして、それら2本のパイプ832,833の上にパイプ831を置く。これにより、複合包材81が吊り下げられた状態となる。複合包材81は、使用により劣化するため、時々交換する必要がある。この交換の擦は、パイプ831を抜き取る。すると、複合包材81を下に降ろすことができ、容易に交換することができる。
また、この容積減少装置80を構成する開閉機82は、複合包材81の後ろ側と前側のそれぞれに置かれた第1の開閉機構82Aと第2の開閉機構82Bとで構成されている。ここでは先ず、後ろ側に置かれた第1の開閉機構82Aについて説明し、その後、前側に置かれた第2の開閉機構82Bについて説明する。
第1の開閉機構82Aは、図15に示すように、複合包材81の後ろ側であって、かっ、その複合包材81の左右の各位置において不図示の指示台上に固定支持された、一対の軸固定フレーム821を備えている。それら一対の軸固定フレーム821の間には軸部材822が横に延び、一対の軸固定フレーム821のそれぞれに備えられたベアリングユニット823より、それら一対の軸固定フレーム821に回転自在に支持されている。
また、各軸固定フレーム821寄りの、複合包材81の左右の各位置には、軸部材822に一端が固定されてその軸部材822と一体に回転する一対のアームバー824が備えられている。そしてそれら一対のアームバー824には、ロール825が、それら一対のアームバー824に回転自在に支持されている。このロール825は、図16に示すように、芯金825aと、その周面に巻かれたゴム825bとからなるゴムロールである。
軸部材822が回転すると、アームバー824も一体に回転し、それらのアームバー824に回転自在に支持されたロール825を、図16に実線で示す閉鎖位置と、一点鎖線で示す開放位置との間で移動させる。
複合包材81の前側に配置された第2の開閉機構82Bは、アームバー826の形状が第1の開閉機構82Aを構成しているアームバー824と異なっていることと(図17参照)、そのアームバー826に回転自在に支持されているロール827の動きが第1の開閉機構82Aとは逆向きであることを除き、第1の開閉機構82Aと同様であり、ここでの重複説明は、省略する。このロール827も、芯金827aと、その芯金827aに巻かれたゴム827bとからなるゴムロールである。
後ろ側に配置された第1の開閉機構82Aと前側に配置された第2の開閉機構82Bは、ロール825が図16に実線で示す閉鎖位置に移動したときにロール827も図16に実線で示す閉鎖栓置に移動し、ロール825が一点鎖線で示す開放位置に移動したときにロール827も一点鎖線で示す開放位置に移動するように連携して動作する。そして、それらのロール825,827が図16に実線で示す閉鎖位置に移動すると、複合包材81の下部がそれら2本のロール825,827で挟まれて閉鎖され、それらのロール825,827が図16に一点鎖線で示す開放位置に移動すると、複合包材81が下方に開いた状態になる。
そこで、それらのロール825,827を図16に実線で示す閉鎖位置に移動させて複合包材81の下部を閉じ、その状態でその複合包材81内に土砂及び汚泥が流し込まれて水が吸い出される。そしてその複合包材81内に残った、流体成分の含有率が低下した土砂及び汚泥は、ロール825,827を図16に一点鎖線で示す開放位置に移動させることで下に落下する。落下した土砂及び汚泥は、図10に示す泥コンベア71により運ばれて防水フレコン3に収納される。
図17は、図16に示した開閉機の動作説明図である。図17(A)、図17(B)は、ロール825,827が、それぞれ閉鎖位置、開放位置に移動した状態を示している。この図17では、複合包材81については、その形状を省略して、外側のフレコン812の下部のみ示されている。この開閉機82の後ろ側の開閉機構82Aを構成するアームバー824は、軸部材822(図15を合わせて参照)に固定されている。また、前側の開閉機構82Bを構成するアームバー826も、前側の開閉機構82Bを構成する、後ろ側の開閉機構82Aの軸部材822と同じ高さに備えられている軸部材830に固定されている。そして、それら後ろ側のアームバー824と前側のアームバー826は、リンクバー828により互いに連結されている。このリンクバー828は、それら2本のアームバー824,826の双方に回転自在に支持されている。
また、この開閉機82には、油圧シリンダ829が備えられている。この油圧シリンダ829は不図示の支持台に回転自在に支持されている。そして、この油圧シリンダ829の軸829aの先端が、後側の開閉機構82Aを構成しているアームバー824に回転自在に取り付けられている。この油圧シリンダ829が軸829aを引き込むように動作すると、2本のロール825,827が図17(A)に示すように閉鎖位置に移動して複合包材81の下部を閉じる。一方、この油圧シリンダ829が軸829aを突き出すように動作すると、2本のロール825,827が図17(B)に示すように開放位置に移動して、複合包材81の下部を開放する。
図11〜図13を参照して説明した容積減少装置10に代えて、図15〜図17を参照して説明した容積減少装置80を採用して、図10に示した容積減少システムを構成してもよい。なお、図15〜図17に示した容積減少装置80の場合、図15に示すように複合包材81から水を吸い出すためのパイプとしてパイプ902,903の2本が示されている。これら2本のパイプ902,903は、複合包材81の外で1本に連結され図10に示すバルブ64を介してパイプ36に接続される。
図10〜図17の実施の形態では、容積減少装置10,80によって水・油などの流体成分が除去された土砂及び汚泥は、泥コンベア71上に落下され、防水フレコン3に搬出収容される場合について説明したが、容積減少装置10,80に代えて、上述の図1〜図9に示すような容積減少装置10A〜10Gを用い、容積の減少されたフレコン20をフレコン30内から取り出して、搬出するようにシステムを構成してもよい。この場合、フレコン20,30の設置、搬出等に人手を要するようになるので、図10〜図17に示す実施の形態のようにオートメーション化することは困難となる。
図18は、本発明の第8実施形態の容積減少装置の模式図である。図1〜図9に示す要素に対応する要素には、図1〜図9において付した符号と同一の符号を付して示し、相違点についてのみ説明する。この第8実施形態が第1〜第7実施形態と異なる点は、フレコン30の下側に排水金具からなる吸出口41aを設け、真空ポンプ40を用いて吸出口41aからフレコン30内の空気や液体(水・油などの流体成分)を吸い出すように構成した点である。フレコン30は、底面に水勾配の設けられた全体的に円筒状の容器41b内に収納されている。容器41bの形状は、フレコン20,30の外形(丸型又は角形)に対応した形状のものが使用される。容器41bの下側中央には排水金具からなる吸出口41aを通過させる穴が開けられている。吸出口41aにはパイプ41を介して真空ポンプ40が取り付けられている。パイプ133の上部はバルブ62aを介してさらに上方のパイプ32に繋がっている(図10参照)。
フレコン20の外周部及び底辺部と、フレコン30との間には、気体や液体(水・油などの流体成分)を吸い出すための流路を確保するためのプラスチック立体網状成形品611〜614が設けられている。プラスチック立体網状成形品(ヘチマロン(登録商標))に代えて硬質スポンジを設けてもよい。図18では、プラスチック立体網状成形品611,612は、フレコン20の左右に設けられている場合を示しているが、フレコン20の前後にも同様のプラスチック立体網状成形品を設け、フレコン20を囲むようにしてもよい。図では、フレコン20の下側に設けられたプラスチック立体網状成形品613,614は、分離しているかのように示されているが、フレコン20,30の形状に合わせて、円板状、正方形板状、長方形板状のプラスチック立体網状成形品によって一体的に構成してあってもよい。
なお、プラスチック立体網状成形品613,614は、フレコン20,30が縮んだときに、プラスチック立体網状成形品611,612の収縮方向への動きを妨げることのない位置に設けることが望ましい。また、プラスチック立体網状成形品を、フレコン20を囲むように設ける場合には、互いのプラスチック立体網状成形品が収縮方向へ動くのを妨げることのないような形状のものを1又は複数配置することが望ましい。例えば、1枚のプラスチック立体網状成形品でフレコン20の外周を囲む場合には、フレコン20の収縮によってプラスチック立体網状成形品の端部が互いに接触しないような長さにすることが望ましい。また、複数枚のプラスチック立体網状成形品でフレコン20の外周を囲む場合には、フレコン20の収縮によって複数枚のプラスチック立体網状成形品同士が接触しないようにそれぞれ間隔を設けて配置することが望ましい。
図18の容積減少装置10Hを図10〜図17の容積減少装置10,80に代えて設置した場合の動作について説明する。図10〜図17に示した容積減少システム1は、ほぼ全自動にて稼働させることができるが、図18の容積減少装置10Hを使用した場合、その設置等に人手を要するようになるので、その部分について説明する。まず、フレコン20、パイプ133及びバルブ62aと、フレコン30、真空ポンプ40、パイプ41、容器41b及びプラスチック立体網状成形品611〜614とは、相対的に上下左右に3次元的に移動可能に構成される。すなわち、フレコン20、パイプ133及びバルブ62aが上下移動して、フレコン20を容器41b内に収納してもよいし、フレコン30、真空ポンプ40、パイプ41、容器41b及びプラスチック立体網状成形品611〜614が上下移動して、フレコン20を容器41b内に収納してもよいし、両方を相対的に移動してもよい。
まず、両方が離間した位置にある状態で、フレコン20の口を紐21でパイプ133に結束する。フレコン20を容器41b、フレコン30及びプラスチック立体網状成形品611〜614内に収納する。フレコン30の口を紐31でパイプ133に結束する。フレコン30内は常圧であり、フレコン20内には何も入れてない状態なので、バルブ62aを開き、土砂及び汚泥水をパイプ133からフレコン20内に流し込む。土砂及び汚泥水の流入によって、フレコン20は膨らみ大きくなる。真空ポンプ40を動作させると、吸出口41aからフレコン30内の空気や液体(水・油などの流体成分)が吸い出され、さらに、フレコン30が真空力によって縮んで内側のプラスチック立体網状成形品611〜614を介在してフレコン20を押し縮める。これによって、フレコン20内の土砂及び汚泥から空気及び液体が絞り出されて、ますます押し縮められる。
ある程度時間が経過して、空気及び液体の排出が終了した時点で、真空ポンプ40の動作を停止し、バルブ62aを開き、土砂及び汚泥水をパイプ133からフレコン20内に再度流し込む。この際、土砂及び汚泥水は、先に固められた土砂及び汚泥の塊の外側、すなわちフレコン20に沿って流し込まれ、フレコン20は再度膨らみ大きくなる。再度、真空ポンプ40を動作させ、吸出口41aからフレコン30内の空気や液体(水・油などの流体成分)が吸い出し、フレコン20内の土砂及び汚泥から空気及び液体が絞り出する。この一連の処理を複数回繰り返してもよい。空気及び液体の排出作業が終了した時点で、紐31の結束を解き、フレコン30をパイプ133から取り除き、フレコン20を締めている紐21を解き、パイプ133及びバルブ62aを上方又は横方向に移動させ、フレコン20を取り出し、フレコン20のみを排出する。フレコン20にプラスチック立体網状成形品611〜614が接着しないように、プラスチック立体網状成形品611〜614とフレコン30とは係合部材等によって離間しないように構成することが望ましい。
図19は、本発明の第9実施形態の容積減少装置の模式図であり、図18の変形例を示す図である。図19において、図18と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図19の容積減少装置10Jでは、バイプ133の下側に円筒部材44を支持部材45〜47が吊り下がるように固定されている。円筒部材44の上側は円錐状になっており、この円錐状の傾斜面とバイプ133とが支持部材45〜47によって溶接結合されている。なお、図では支持部材45〜47のみが示されており、紙面手前側に存在する支持部材については図示を省略してある。バイプ133から流れ込む土砂及び汚泥水は、円錐状の傾斜面と支持部材45〜47との間の空間からフレコン20内に流れ込む。土砂及び汚泥水が流れ込んだら、上述と同様に、真空ポンプ40を動作させ、吸出口41aからフレコン30内の空気や液体(水・油などの流体成分)を吸い出し、フレコン20を押し縮める。これによって、フレコン20内の土砂及び汚泥から空気及び液体が絞り出され、押し固められる。円筒部材44は、フレコン20,30の形状に合わせて円筒以外のものでもよい。
ある程度時間が経過して、空気及び液体の排出が終了した時点で、真空ポンプ40の動作を停止し、紐31,21の結束を解き、フレコン20,30をパイプ133から取り除き、円筒部材44、パイプ133及びバルブ62aを上方に移動させ、フレコン20内の押し固められた土砂及び汚泥の塊の中から円筒部材44を取り出す。フレコン20内には、円筒部材44の存在した個所が円柱状の空洞となり、その周囲に円筒状の土砂及び汚泥の塊が存在するようになる。この状態で、図18に示すようなパイプ133及びバルブ62aを下方に移動させ、フレコン20,30の口を紐21,31でパイプ133に結束して、土砂及び汚泥水をパイプ133からフレコン20内に再度流し込む。流し込まれた土砂及び汚泥水は、円柱状の空洞内に流入する。このとき、パイプ133からフレコン20内には土砂の少ない汚泥水が多く流し込まれるように制御する。例えば、2次沈殿槽420の中間部分から汚泥水のみを取り出して、パイプ133に送出するように構成すればよい。
図19の容積減少装置10Jのようにするのは、次の理由からである。それは、図18の容積減少装置10Hのように円筒部材44が存在しない場合、空気及び液体の排出が終了後にパイプ133からフレコン20内に再度流し込むと、土砂及び汚泥水は、先に固められた土砂及び汚泥の塊の外側、すなわちフレコン20に沿って流し込まれるようになるので、このとき土砂の少ない汚泥水が流れ込んだ場合、フレコン20の約0.2〜0.5[mm」の網目に保持されない汚泥水のほとんどが排出する場合がある。そこで、図19のように円筒状の土砂及び汚泥の塊を形成し、円筒状の空洞内に汚泥を流し込むことによって、円筒状の土砂及び汚泥の塊をフィルタとして利用し、汚泥水から効率的に水・油などの流体成分のみを排出し、汚泥のみを残すようにした。これによって、土砂及び汚泥水から効率的に水・油などの流体成分を除去することができる。この場合、図10の容積減少装置10の一方を図18の容積減少装置10Hで構成し、他方を図19の容積減少装置10Jで構成し、容積減少装置10Jを用いて容積減少処理を行った後に容積減少装置10Jで容積減少処理を実行するとよい。このとき容積減少装置は2台に限定されるものではなく、3以上の複数台設置してもよい。
図20は、本発明の第10実施形態の容積減少装置の模式図であり、図18の変形例を示す図である。図20において、図18と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図20の容積減少装置10Kは、軸無しスクリュー49の周囲に沿って設けられた4枚の長方形状のスクリュー保護板48a〜48dをフレコン20の内側に備えている。図20(B)及び図20(C)は、このスクリュー保護板48a〜48dの形状を示す図であり、図20(B)は、スクリュー保護板48a〜48dのほぼ中央付近の断面形状を示し、図20(C)は、スクリュー保護板48a〜48dを右側から見た側面図である。スクリュー保護板48a〜48dの右端部は円板49cに結合され、その左端部はパイプ49dに結合されている。軸無しスクリュー49は、その周囲に設けられた4枚のスクリュー保護板48a〜48dによって、フレコン30の真空圧力で縮むフレコン20内の土砂及び汚泥からの押圧から保護される。軸無しスクリュー49が回転すると、その周囲の土砂及び汚泥の塊は軸無しスクリュー49によって掘削され、掘削された土砂及び汚泥が軸無しスクリュー49とモータ49aを介して、矢印49b方向へ落下される。このとき、矢印49bの下側には開閉式になったパイプ(図示せず)が設けられており、このパイプ内は真空ポンプに接続されていて矢印49bの空間も真空で有り、土砂及び汚泥がこのパイプ内に充填され、満杯になったら、その真空状態を大気圧にしてパイプの底面を開き土砂及び汚泥をフレコン20外に排出し、図10に示すような重量計25上の防水フレコン3に収容する。これによって、図18の容積減少装置10Hのように、フレコン20、30の設置等を省略し、全自動制御を可能とする。この場合、軸無しスクリュー49とフレコン20,30は排出口の部分が密着されて気密性を保持するように構成することが望ましい。なお、軸無し(無軸)スクリューコンベアを例に説明したが、軸有スクリューコンベアを用いてもよい。
図10では、1次沈殿槽410の底部に設けたスクリューコンベア530を用いて、凝集体となって沈殿した汚泥を搬送する場合について説明したが、スクリューコンベア530を設置せずにタンク421に収容されている凝集剤を、汚泥の進行方向に沿って複数のノズルを底面に設け、そのノズルの先端から凝集剤を沈殿した砂や汚泥に高圧で噴出することにより沈殿物を搬送するようにしても良い。
なお、本発明の特徴における包材の一例に相当する外側のフレコン30,112,812は、可撓性を有する防水素材で形成されているものとして説明した。しかしながら、その内部の土砂及び汚泥の水が吸い出されて負圧になったときに土砂及び汚泥が押し縮められればよく、したがって、この包材として伸縮性のある素材を用い、土砂及び汚泥を入れることによって拡張させてもよい。あるいは、この包材は、負圧により内部の土砂及び汚泥を押し縮めるという目的を達成する限りにおいて、可撓性あるいは伸縮性を有する部分と、変形しない硬い部分とがあってもよい。
なお、土砂及び汚泥に含まれる流体成分の含有率を下げ、全体的に容積を減少させる場合について説明したが、本発明は、土砂及び汚泥に限らず、多量に空気や液体(水)を含んだ処理対象物から空気や液体(水)を除去してその容積を下げる場合に広く採用することができる。
また、図18の実施の形態では、フレコン20、フレコン30及びプラスチック立体網状成形品611〜614を別々に構成する場合について説明したが、フレコン20とフレコン30とで2重構造のフレコンを構成し、両フレコン間にプラスチック立体網状成形品を一部又は全体的に一体となるように設けることによって、新規な2重構造フレコンを作成し、それを用いるようにしてもよい。このとき、プラスチック立体網状成形品は、長尺状のものをフレコンの縦長方向に合わせて複数配置してもよいし、全体を覆うような形状のものを配置してもよい。これによって、2重構造フレコンをそのまま廃棄処分することが可能となる。
上述の実施の形態では、1枚のフレコン20を用いて容積減少処理を行う場合について説明したが、フレコン20よりも網目が約0.05〜0.1[mm」と細かいフレコン、すなわち濾過能力の高いフレコンを用いて、フレコン20をさらに覆い、フレコン20内に再度土砂及び汚泥水を流し込み、容積減少処理を行うようにしてもよい。このように、濾過能力の異なる2以上のフレコンを重ねて容積減少処理を行うことによって、汚泥水から効率的に水・油などの流体成分のみを排出し、汚泥のみを残すことができる。図18の容量減少装置10Hの場合には、プラスチック立体網状成形品611〜614と共にフレコン20を濾過能力の高いフレコンで覆い、このフレコンとフレコン30との間に、同様にしてプラスチック立体網状成形品を設けることが望ましい。
上述の実施の形態では、真空ポンプ40及びパイプ41を用いて水・油などの流体成分を排出する場合について説明したが、真空ポンプ40の排気能力及びパイプ41の径の大きさに応じて、パイプ41内に水分が残る可能性がある。そこで、パイプ41の径よりも十分に小さな、例えば数分の1の大きさの径のパイプを配管し、真空ポンプ40との接続を切り替えることによって、小さなパイプを用いてパイプ41内に残った水分を排出するようにしてもよい。
図10の容量減少システムの実施の形態では、1次沈殿槽410及び2次沈殿槽420を用いる場合について説明したが、1次沈殿槽410及び2次沈殿槽420並びにその関連設備を省略して、防火水槽2から容積減少装置10(10A〜10K),80に直接土砂及び汚泥水を汲み上げて供給するようにしてもよい。これによって、容量減少システムを簡略化することができる。
以上説明した実施形態には、次のような特徴を有する。本発明の容積減少装置は、処理対象物を収容する、気水非透過性であって、かつ、少なくとも部分的に可撓性あるいは伸縮性を有する包材と、その包材内に開いた吸出口を有し、その吸出口から、包材内部の水を吸い出す吸出機と、その吸出口の周りに水の流路を形成する通路形成構造とを備えたことを特徴とする。処理対象物を上記の包材内に収容して、その包材内の水を吸い出すと、その包材は気水非透過性であって、かつ、可撓性あるいは伸縮性を有するため、この包材が縮んで、内部に収容されている処理対象物を圧迫する。すると、その処理対象物が押されて縮み、その処理対象物内の水・油などの流体成分が滲み出して吸い出される。こうして、最終的には、流体成分の含有率の低い処理対象物が包材内に残ることになる。
本発明の容積減少装置において、上記流路形成構造が、包材内に収容された処理対象物と吸出口との間を隔てる透水性の素材を備えることが好ましい。処理対象物と吸出口との間に透水性の素材を備えることで、水の流路が形成される。また、上記素材が、内側に収容された処理対象物と上記包材との間に第1空間を形成する透水性の第1の素材を有し、上記吸出機が、その第1の素材の内側に収容された処理対象物に由来する、第1空間内の水を吸い出すものであってもよい。
この場合に、上記流路形成構造が、第1の空間内に、水を移動させる第1の介在部材を備えた構造であることが好ましい。あるいは、上記素材が、包材内に収容された処理対象物に固まれた第2空間を形成する第2の素材を有し、上記吸出機が、包材内であって第2の素材の外側に収容された処理対象物に由来する、第2の空間の内側の水を吸い出すものであってもよい。この場合に、上記流路形成構造が、第2の空間内に、水を移動させる第2の介在部材を備えた構造であることが好ましい。上記の第1の介在部材あるいは第2の介在部材を備えると、それらを備えない場合と比べ、水の円滑な流れが促進され、水の吸出しが効率的に行われて、処理対象物における流体成分の含有率を効率的に下げることができる。
上記素材が、内側に収容された処理対象物と上記包材との間に第1空間を形成する透水性の第1の素材と、包材内に収容された処理対象物に囲まれた第2空間を形成する第2の素材とを有し、上記吸出機が、第1の素材の内側であって、かつ第2の素材の外側に収容された処理対象物に由来する、第1の空間内の水と第2の空間内の水との双方を吸い出すものであることが好ましい。上記の第1の空間と第2の空間との双方を形成し、それら双方の空間内の水を吸い出す構造にすると、いずれか一方の空間のみを形成する場合と比べ、流体成分の含有率を効率的に下げることができる。上記の第1の空間と第2の空間との双方を形成した場合に、上記流路形成構造が、第1の空間内に、水を移動させる第1の介在部材を備えるとともに、第2の空間内に、水を移動させる第2の介在部材を備えた構造であることが好ましい。
本発明の容積減少装置において、上記包材内に吹出口が開き、開閉弁が設けられて開閉弁を開いたときにその吹出口から包材の内部に空気を自然流入させる空気流入路を備えることが好ましい。内部に収容されている処理対象物が上記の包材によりある程度押し潰された後、空気を自然流入させると、上記の吸出口に繋がる空気流路が形成される。この空気流路は、すなわち、水の流路ともなり、空気とともに水も一緒に流れて、包材内の処理対象物における流体成分の含有率を下げることができる。
本発明の容積減少装置において、上記包材内に流出口が開き、開閉弁が設けられて開閉弁を開いたときに流出口から包材内に容積減少装置対象物を流入させる対象物流入路を備えることが好ましい。この対象物流入路を備えておくと、処理対象物を包材内に容易に収容することができる。また、処理対象物を包材内に一旦収容してその水・油などの流体成分を吸い出すと、包材が縮んで包材内の処理対象物もその体積を減じることになる。そこで、縮んだ包材内に、上記の対象物流入路から、処理対象物を追加して流入させて、その水・油などの流体成分を吸い出すことにより、その包材の容積を有効に利用することができる。また、上記目的を達成する本発明の容積減少方法は、本発明のいずれかの態様の容積減少装置を使用して上記包材内に処理対象物を収容し、上記吸出機を動作させて包材内部の水を吸い出すことを特徴とする。
本発明の容積減少装置は、処理対象物を収容する、気水非透過性であって、かつ、少なくとも部分的に可撓性あるいは伸縮性を有し、下方に開いた包材と、処理対象物を包材内に流し込む流込口と、その流込口から流し込まれた処理対象物由来の水を吸い出す吸出口と、その吸出口周りに水の流路を形成する流路形成構造とを有する収容体と、収容体の下部を開閉自在に塞ぐ開閉機とを備えことを特徴とする。上記の開閉機により収容体の下部を塞いでおいて、その収容体の流込口から包材内に処理対象物を流し込む。そして、吸出口から水を吸い出すと、上記の包材は気水非透過性であり、かつ、少なくとも部分的に可撓性あるいは伸縮性を有するため、この包材が縮んで処理対象物を外側から圧迫する。すると、その処理対象物から水・油などの流体成分が滲み出して吸い出される。こうして、最終的には、流体成分の含有率の低い処理対象物が包材内に残ることになる。包材内に残った流体成分の含有率の低い処理対象物は、開閉機による収容体の下部の開放により、下方から取り出される。
本発明の容積減少装置において、収容体を吊り下げる吊下機を備えることが好ましい。吊下機を備えて収容体を吊り下げておくことにより、収容体の下方に空間を確保することができ、包材内に残った流体成分の含有率の低い処理対象物をその包材から容易に取り出すことができる。また、本発明の容積減少装置において、上記包材の下部と開閉機が互いに接合されていることが好ましい。包材の下部と開閉機を互いに接合しておくと、第2の包材下部の開閉操作が容易となる。
上記流込口から流し込まれた処理対象物と上記包材との間に、上記吸出口が開いた第1空間を形成する透水性の第1の素材を備えていることが好ましい。そして、その場合に、その第1の素材の下部が、包材に接合されていることが好ましい。第1の素材と包材は一緒に開閉すれば事が足りる。そこで、互いに接合しておくことにより、開閉操作が容易となる。また、上記流込口から流し込まれた処理対象物に囲まれた内側に、上記吸出口が開いた第2空間を形成する透水牲の第2の素材を備えることも好ましい形態である。
また、本発明の容積減少システムは、本発明のいずれかの形態の容積減少装置と、処理対象物を含む対象物含有水が貯留している貯留場から対象物含有水を汲み出す汲出設備と、その汲出設備により貯留場から汲み出された対象物含有水由来の処理対象物を、開閉機により下部が塞がれた状態の収容体の流込口から上記包材内に流し込む流込設備と、上記流込口から包材内に流し込まれた処理対象物由来の水を吸出口から吸い出す吸出設備とを備えたことを特徴とする。本発明の容積減少システムによれば、本発明の容積減少装置を使って、処理対象物における流体成分の含有率を有効に下げることができる。
本発明の容積減少システムにおいて、汲出設備により貯留場から汲み出された対象物含有水が注がれる1次沈殿槽を備えて沈殿した処理対象物をその1次沈殿槽から送り出す沈殿設備を備え、上記流込設備が、沈殿設錆から送り出された処理対象物を収容体の流込口から流し込むものであることが好ましい。上記の沈殿設備を備えると、容積減少装置では、流体成分の含有率がある程度下がった容積減少処理対象物を出発点とすることができ、効率的な処理を行うことができる。
本発明の容積減少システムにおいて、上記沈殿設備を備えた場合に、その沈殿設備が、1次沈殿槽から送り出された処理対象物を一時的に蓄えることによりその処理対象物の沈殿を進行させて処理対象物を底部から下方に送り出す2次沈殿槽と、2次沈殿槽の下部に沈殿する処理対象物を持ち上げる向きに攪拌する攪拌機とを備え、上記流込設備が、2次沈殿槽から送り出された処理対象物を収容体の流込口から流し込むものであることが好ましい。この2次沈殿槽を備えることにより、容積減少装置では、流体成分の含有率が低下した処理対象物を出発点として、効率的な処理を行うことができる。また、上記攪拌機を備えることで、沈殿した処理対象物で2次沈殿槽が詰まる事態を避けることができる。
本発明の容積減少システムにおいて、上記沈殿設備を備えた場合に、その沈殿設備から送り出されて収容体の流込口に向かう経路上に水を流入させる水流入設備を備えることが好ましい。この水流入設備を備えると、収容体の流込口に向かう経路の詰まりを防止し、あるいは、その詰まりから回復させることができる。
本発明の容積減少システムにおいて、上記沈殿設備を備えた場合に、その沈殿設備が、収容体よりも上方に設量され、流込設備が、沈殿設備から送り出された処理対象物を、自然落下を利用して収容体の流込口から流し込むものであることが好ましい。沈殿設備から送り出された処理対象物は流体成分の含有率が既にある程度低下しているため、ポンプ等を利用して収容体に送り込むのは容易ではない。そこで、沈殿設備を上方に設置し、自然落下を利用することで処理対象物を収容体に円滑に流し込むことができる。また、自然落下を利用することで、詰まりや故障の原因となる、途中のポンプなどの搬送動力源の数を減らすことができ、信頼性の高いシステムを構築することができる。
本発明の容積減少システムにおいて、収容体の下方を通過し、開閉機による収容体の下部の開放により落下する処理後の処理対象物を受け止めて搬送する搬送設備を備えることが好ましい。
1…容積減少システム、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10J,10K,80…容積減少装置、11,81…複合包材、12,82…開閉機、13,83…吊下機、111,811…内側のフレコン、112,812…外側のフレコン、113,813…硬質スポンジ、114,814…流込口、115,815,819…吸出口、116,816…曲げ板、121,122…バー、121a…ゴム板、123,124…シリンダ、123a,124a…軸、123b,124b…本体、13…吊下機、131…柱、132…梁、133…パイプ、133a…開口、134…ハンガ、135…紐、2…防火水槽、20…ネット素材からなるフレコン、21,31,51,53…紐、22,23…ポンプ、24…ホース、25…重量計、3,30…防水性のフレコン、301…パイプ、301a…固定具、32〜39…パイプ、40…乾湿両用の真空ポンプ、41…パイプ、410…1次沈殿槽、411…送出口、412…流路、41a…吸出口、41b…容器、420…2次沈殿槽、421…タンク、431…送出口、44…円筒部材、45…支持部材、48…掘削部、49…スクリュー、49a…モータ、50,52…ネット素材、510…攪拌機、511…攪拌羽根、512…モータ、521…衝立、522…金網、522…真空タンク、53…紐、530…スクリューコンベア、531…螺旋羽根、532…モータ、54…攪拌機、541…攪拌羽根、542…モータ、55,551,56,563…真空ポンプ、552,561,562…真空タンク、60,61,62…多孔性の硬質スポンジ、611,613…プラスチック立体網状成形品、63…網状管、61a,62a,63d…バルブ、64〜66…バルブ、661,662,671,681,682,691…バルブ、70…曲げ板、71…泥コンベア、711…搬送部材、712…モータ、817…内側のフレン、818…硬質スポンジ、819…吸出口、82…開閉機、821…軸固定フレーム、822…軸部材、823…ベアリングユニット、824…アームバー、825…ロール、825a…芯金、825b…ゴム、826…アームバー、827…ロール、827a…芯金、827b…ゴム、828…リンクバー、829…油圧シリンダ、829a…軸、82A…開閉機構、82B…開閉機構、83…吊下機、830…軸部材、831,832…パイプ、9…管、90…エアコンプレッサ、901〜903…パイプ、903a…孔、9a…開閉弁、91,93…パイプ、92…吹出口、93a…開口、94…バルブ、99…固定具

Claims (10)

  1. 形状が柔軟に変形する袋状の濾過手段内に流体成分を含む処理対象物を収容し、
    前記濾過手段の外形に沿って形状が柔軟に変形すると共に気密性を有する袋状の包装手段を用いて前記濾過手段の全体を覆い、
    前記包装手段内から前記流体を排出することによって前記処理対象物から前記流体を取り除き、前記処理対象物の容積を減少させることを特徴とする容積減少方法。
  2. 請求項1に記載の容積減少方法において、前記包装手段が前記濾過手段の外形に沿って変形した際に、前記濾過手段と前記包装手段との間に、前記流体を前記排出手段まで排出するための流路を形成する流路形成手段を有することを特徴とする容積減少方法。
  3. 請求項1又は2に記載の容積減少方法において、
    貯水槽から土砂及び汚泥と共に水を汲み上げて、前記濾過手段内に前記処理対象物として収容し、
    前記包装手段内から流体成分を排出することによって前記土砂及び汚泥を含む水から前記気体及び前記水を取り除くことを特徴とする容積減少方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の容積減少方法において、
    前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内に前記処理対象物を収容し、前記包装手段内から流体成分を取り除く処理を再度実行することを特徴とする容積減少方法。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載の容積減少方法において、
    前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内の前記処理対象物を前記濾過手段及び前記包装手段から排出することによって、前記処理対象物の容積を減少させる処理と前記処理対象物を排出する処理とを交互に繰り返すことを特徴とする容積減少方法。
  6. 流体成分を含む処理対象物から前記流体を取り除くことによって前記処理対象物の容積を減少させる容積減少装置において、
    前記処理対象物を収容し、その形状が柔軟に変形する袋状の濾過手段と、
    前記濾過手段の外形に沿って形状が柔軟に変形すると共に気密性を有する袋状部材によって前記濾過手段の全体を覆う包装手段と、
    前記包装手段内の前記流体の排出を行う排出手段と
    を備えたことを特徴とする容積減少装置。
  7. 請求項6に記載の容積減少装置において、前記包装手段が前記濾過手段の外形に沿って変形した際に、前記濾過手段と前記包装手段との間に、前記流体を前記排出手段まで排出するための流路を形成する流路形成手段を備えたことを特徴とする容積減少装置。
  8. 請求項6又は7に記載の容積減少装置において、
    貯水槽から土砂及び汚泥と共に水を汲み上げて、前記濾過手段内に前記処理対象物として収容する搬送手段を備え、
    前記排出手段によって、前記包装手段内から流体成分を排出することによって前記土砂及び汚泥を含む水から前記気体及び前記水を取り除くことを特徴とする容積減少装置。
  9. 請求項6、7又は8に記載の容積減少装置において、
    前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内に前記処理対象物を収容し、前記包装手段内から流体成分を取り除く処理を再度実行することを特徴とする容積減少装置。
  10. 請求項6、7、8又は9に記載の容積減少装置において、
    前記濾過手段内の前記処理対象物から流体成分を取り除いた後に、前記濾過手段内の前記処理対象物を前記濾過手段及び前記包装手段から排出する排出手段を備え、前記処理対象物の容積を減少させる処理と前記処理対象物を排出する処理とを交互に繰り返すことを特徴とする容積減少装置。
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