JP2016183112A - Fc結合性タンパク質の保存方法 - Google Patents
Fc結合性タンパク質の保存方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016183112A JP2016183112A JP2015063067A JP2015063067A JP2016183112A JP 2016183112 A JP2016183112 A JP 2016183112A JP 2015063067 A JP2015063067 A JP 2015063067A JP 2015063067 A JP2015063067 A JP 2015063067A JP 2016183112 A JP2016183112 A JP 2016183112A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seq
- replaced
- binding protein
- amino acid
- aqueous solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
【解決手段】Fc結合性タンパク質を含む水溶液のpHを7.0〜9.0とし、更に0.5mol/L以上の塩化ナトリウムを含ませるFc結合性タンパク質の保存方法。特定のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質、又は特定のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入又は欠失したタンパク質である、Fc結合性タンパク質の保存方法。
【選択図】図2
Description
(A)Fc結合性タンパク質を含む水溶液であって、前記水溶液のpHが7.0から9.0である、前記水溶液。
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質、または
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質である、
(A)または(B)に記載の水溶液。
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質、または
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質である、
(D)または(E)に記載の保存方法。
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。
(1)配列番号1の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号1の27番目のバリンがグルタミン酸に置換
(3)配列番号1の29番目のフェニルアラニンがロイシンまたはセリンに置換
(4)配列番号1の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(6)配列番号1の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(7)配列番号1の48番目のグルタミンがヒスチジンまたはロイシンに置換
(8)配列番号1の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(9)配列番号1の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンに置換
(10)配列番号1の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(11)配列番号1の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(12)配列番号1の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(13)配列番号1の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号1の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号1の65番目のセリンがアルギニンに置換
(16)配列番号1の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(17)配列番号1の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(18)配列番号1の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号1の78番目のアラニンがセリンに置換
(20)配列番号1の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(21)配列番号1の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(22)配列番号1の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(23)配列番号1の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(24)配列番号1の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(25)配列番号1の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(26)配列番号1の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(27)配列番号1の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(28)配列番号1の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(29)配列番号1の119番目のリジンがグルタミン酸に置換
(30)配列番号1の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(31)配列番号1の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(32)配列番号1の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(33)配列番号1の155番目のセリンがスレオニンに置換
(34)配列番号1の163番目のスレオニンがセリンに置換
(35)配列番号1の167番目のセリンがグリシンに置換
(36)配列番号1の169番目のセリンがグリシンに置換
(37)配列番号1の171番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(38)配列番号1の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(39)配列番号1の185番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号1の192番目のグルタミンがリジンに置換
また前記(ii)の別の具体例としては、配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(41)から(111)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、Fc結合性タンパク質があげられ、さらに具体的な例として配列番号3に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸残基を含むFc結合性タンパク質があげられる(特願2015−047462号)。
(41)配列番号2の45番目のフェニルアラニンがイソロイシンまたはロイシンに置換
(42)配列番号2の55番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(43)配列番号2の64番目のグルタミンがアルギニンに置換
(44)配列番号2の67番目のチロシンがセリンに置換
(45)配列番号2の77番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(46)配列番号2の93番目のアスパラギン酸がグリシンに置換
(47)配列番号2の98番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(48)配列番号2の106番目のグルタミンがアルギニンに置換
(49)配列番号2の128番目のグルタミンがロイシンに置換
(50)配列番号2の133番目のバリンがグルタミン酸に置換
(51)配列番号2の135番目のリジンがアスパラギンまたはグルタミン酸に置換
(52)配列番号2の156番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(53)配列番号2の158番目のロイシンがグルタミンに置換
(54)配列番号2の187番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(55)配列番号2の191番目のロイシンがアルギニンに置換
(56)配列番号2の196番目のアスパラギンがセリンに置換
(57)配列番号2の204番目のイソロイシンがバリンに置換
(58)配列番号2の34番目のメチオニンがイソロイシン、リジン、スレオニンのいずれかに置換
(59)配列番号2の37番目のグルタミン酸がグリシンまたはリジンに置換
(60)配列番号2の39番目のロイシンがメチオニンまたはアルギニンに置換
(61)配列番号2の49番目のグルタミンがプロリンに置換
(62)配列番号2の62番目のリジンがイソロイシンまたはグルタミン酸に置換
(63)配列番号2の64番目のグルタミンがトリプトファンに置換
(64)配列番号2の67番目のチロシンがヒスチジンまたはアスパラギンに置換
(65)配列番号2の70番目のグルタミン酸がグリシンまたはアスパラギン酸に置換
(66)配列番号2の72番目のアスパラギンがセリンまたはイソロイシンに置換
(67)配列番号2の77番目のフェニルアラニンがロイシンに置換
(68)配列番号2の80番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(69)配列番号2の81番目のセリンがアルギニンに置換
(70)配列番号2の83番目のイソロイシンがロイシンに置換
(71)配列番号2の84番目のセリンがプロリンに置換
(72)配列番号2の85番目のセリンがアスパラギンに置換
(73)配列番号2の87番目のアラニンがスレオニンに置換
(74)配列番号2の90番目のチロシンがフェニルアラニンに置換
(75)配列番号2の91番目のフェニルアラニンがアルギニンに置換
(76)配列番号2の93番目のアスパラギン酸がバリンまたはグルタミン酸に置換
(77)配列番号2の94番目のアラニンがグルタミン酸に置換
(78)配列番号2の97番目のバリンがメチオニンとグルタミン酸に置換
(79)配列番号2の98番目のアスパラギン酸がアラニンに置換
(80)配列番号2の102番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(81)配列番号2の106番目のグルタミンがロイシンに置換
(82)配列番号2の109番目のロイシンがグルタミンに置換
(83)配列番号2の117番目のグルタミンがロイシンに置換
(84)配列番号2の119番目のグルタミン酸がバリンに置換
(85)配列番号2の121番目のヒスチジンがアルギニンに置換
(86)配列番号2の130番目のプロリンがロイシンに置換
(87)配列番号2の135番目のリジンがチロシンに置換
(88)配列番号2の136番目のグルタミン酸がバリンに置換
(89)配列番号2の141番目のヒスチジンがグルタミンに置換
(90)配列番号2の146番目のセリンがスレオニンに置換
(91)配列番号2の154番目のリジンがアルギニンに置換
(92)配列番号2の159番目のグルタミンがヒスチジンに置換
(93)配列番号2の163番目のグリシンがバリンに置換
(94)配列番号2の165番目のリジンがメチオニンに置換
(95)配列番号2の167番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(96)配列番号2の169番目のヒスチジンがチロシンに置換
(97)配列番号2の174番目のチロシンがフェニルアラニンに置換
(98)配列番号2の177番目のリジンがアルギニンに置換
(99)配列番号2の185番目のセリンがグリシンに置換
(100)配列番号2の194番目のセリンがアルギニンに置換
(101)配列番号2の196番目のアスパラギンがリジンに置換
(102)配列番号2の201番目のスレオニンがアラニンに置換
(103)配列番号2の203番目のアスパラギンがイソロイシンまたはリジンに置換
(104)配列番号2の207番目のスレオニンがアラニンに置換
(105)配列番号2の94番目のアラニンがセリンに置換
(106)配列番号2の98番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(107)配列番号2の117番目のグルタミンがアルギニンに置換
(108)配列番号2の156番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(109)配列番号2の174番目のチロシンがヒスチジンに置換
(110)配列番号2の181番目のリジンがグルタミン酸に置換
(111)配列番号2の203番目のアスパラギンがアスパラギン酸またはチロシンに置換
また前記(ii)のさらに別の具体例としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(112)から(115)に示す天然に生じるアミノ酸置換のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、Fc結合性タンパク質があげられる。
(112)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(113)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(114)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(115)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換
本発明はFc結合性タンパク質を含む水溶液を保存する際、当該水溶液のpHを7.0から9.0の範囲とすることを特徴としている。好ましくは、前記pHの範囲で緩衝能を有する緩衝液成分を含むとよく、一例として、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、MOPS緩衝液、TES緩衝液、HEPES緩衝液、DIPSO緩衝液、TASPO緩衝液、POPSO緩衝液、EPPS緩衝液、Tricine緩衝液、Bicine緩衝液、TAPS緩衝液があげられる。なお、Fc結合性タンパク質を含む水溶液に0.5mol/L以上の塩化ナトリウムをさらに含ませると、保存中に発生するFc結合性タンパク質の凝集をさらに抑えることができるため、より好ましい。本発明のFc結合性タンパク質を含む水溶液の調製法に特に限定はなく、例えば、透析による方法や、限外ろ過による方法や、硫安などの塩またはアセトン、エタノール等の水と任意の容量比で混和する有機溶媒を加えて沈殿物として回収する方法を用いて、Fc結合性タンパク質水溶液(またはFc結合性タンパク質そのもの)を調製した後、pHが7.0から9.0の緩衝液に再溶解させればよい。中でも処理の簡便性から、透析や限外ろ過による方法が工業的には好ましく用いられる。塩化ナトリウムの添加は、前述した方法で得られたpHが7.0から9.0の水溶液に、必要量の塩化ナトリウムを添加すればよい。
以降の実施例で用いるFc結合性タンパク質を、以下の方法で調製した。
(1)配列番号3に記載の配列からなるFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号4)を含む発現ベクターpTrcFcR9T8−R1を、特開2014−223064号公報で開示の方法にて作成し、当該発現ベクターを用いて大腸菌を形質転換した。なお配列番号3に記載の配列からなるFc結合性タンパク質は、配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該33番目から208番目までのアミノ酸残基において以下の(I)から(IV)のアミノ酸置換が生じたFc結合性タンパク質である(特願2015−047462号)。
(I)配列番号2の45番目のフェニルアラニンがイソロイシンに置換
(II)配列番号2の64番目のグルタミンがアルギニンに置換
(III)配列番号2の133番目のバリンがグルタミン酸に置換
(IV)配列番号2の187番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(2)得られた組換え大腸菌を、特開2012−034591号公報および特開2013−085531号公報で開示の方法に基づき、培養することで、Fc結合性タンパク質を発現させた。
(3)組換え大腸菌の培養液より菌体を回収後、特開2013−252099号公報で開示の抽出液を用いて、菌体内に発現したFc結合性タンパク質を抽出した。
(4)(3)で得られた菌体抽出液から遠心分離により上清を回収し、Fc結合性タンパク質抽出液を得た。
(5)(4)で得られたFc結合性タンパク質抽出液を、あらかじめ平衡化緩衝液A(150mmol/Lの塩化ナトリウムと0.05%のTween 20とを含んだ20mmol/LのTris−HCl酸緩衝液(pH 7.5))で平衡化した、アフィニティークロマトグラフィー用ゲル(IgG Sepharose6 Fast Flow、GEヘルスケア社製)を充填したカラムに添加した。
(6)平衡化緩衝液Aでゲルを十分洗浄した後、0.1mol/Lグリシン−塩酸緩衝液(pH 3.0)でFc結合性タンパク質を溶出し、高純度に精製したヒトFc結合性タンパク質を含む溶液を得た。
Fc結合性タンパク質を含む水溶液の、pHによる安定性の違いを確認した。
(1)実施例1で得られた精製Fc結合性タンパク質水溶液を以下の組成からなる緩衝液で透析した。
(検討した緩衝液)
20mmol/L クエン酸緩衝液(pH 3.0)
20mmol/L クエン酸緩衝液(pH 3.5)
20mmol/L 酢酸緩衝液(pH 4.0)
20mmol/L 酢酸緩衝液(pH 4.5)
20mmol/L 酢酸緩衝液(pH 5.0)
20mmol/L 酢酸緩衝液(pH 5.5)
20mmol/L リン酸緩衝液(pH 6.0)
20mmol/L リン酸緩衝液(pH 6.5)
20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.0)
20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
20mmol/L トリス−塩酸緩衝液(pH 8.0)
20mmol/L トリス−塩酸緩衝液(pH 8.5)
20mmol/L ホウ酸緩衝液(pH 9.0)
20mmol/L ホウ酸緩衝液(pH 9.5)
20mmol/L ホウ酸緩衝液(pH 10.0)
(2)アヴァクタ社製Optim2タンパク質物性解析装置を用いて、温度上昇によるFc結合性タンパク質の凝集開始温度Tagg(℃)の測定をすることで、タンパク質の安定性を評価した。
Fc結合性タンパク質を含む水溶液に添加する塩による、安定性の違いを確認した。
(1)実施例1で得られた精製Fc結合性タンパク質水溶液を以下の組成からなる緩衝液で透析した。なお塩の濃度は、各塩のイオン強度の効果を考慮し、適宜調整した。
(検討した緩衝液)
0.5mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.5mol/L 塩化カリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.16mol/L 塩化マグネシウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.16mol/L 塩化カルシウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.16mol/L 硫酸アンモニウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.12mol/L 硫酸マグネシウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.16mol/L 硫酸ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.005mol/L EDTAを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
(2)アヴァクタ社製Optim2タンパク質物性解析装置を用いて、温度上昇によるFc結合性タンパク質の凝集開始温度Tagg(℃)の測定をすることで、タンパク質の安定性を評価した。
Fc結合性タンパク質を含む水溶液に添加する塩化ナトリウムの濃度による、安定性の違いを確認した。
(1)実施例1で得られた精製Fc結合性タンパク質水溶液を以下の組成からなる緩衝液で透析した。
(検討した緩衝液)
0.1mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.2mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.3mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.4mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.5mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.6mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.7mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.8mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
0.9mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
1.0mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)
(2)アヴァクタ社製Optim2タンパク質物性解析装置を用いて、温度上昇によるFc結合性タンパク質の凝集開始温度Tagg(℃)の測定をすることで、タンパク質の安定性を評価した。
本発明のFc結合性タンパク質水溶液の保存安定性を確認した。
(1)0.8mol/L 塩化ナトリウムを含んだ20mmol/L リン酸緩衝液(pH 7.5)に実施例1で得られた精製Fc結合性タンパク質を添加することで、Fc結合性タンパク質水溶液を調製した。
(2)調製した水溶液を、−20℃での凍結保存、または3から10℃での冷蔵保存を行なった。
Claims (6)
- Fc結合性タンパク質を含む水溶液であって、前記水溶液のpHが7.0から9.0である、前記水溶液。
- さらに0.5mol/L以上の塩化ナトリウムを含む、請求項1に記載の水溶液。
- Fc結合性タンパク質が、
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質、または
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質である、
請求項1または2に記載の水溶液。 - Fc結合性タンパク質をpH7.0から9.0の水溶液中で保存する、Fc結合性タンパク質の保存方法。
- Fc結合性タンパク質を、0.5mol/L以上の塩化ナトリウムを含むpH7.0から9.0の水溶液中で保存する、Fc結合性タンパク質の保存方法。
- Fc結合性タンパク質が、
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質、または
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質である、
請求項4または5に記載の保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015063067A JP6665414B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | Fc結合性タンパク質の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015063067A JP6665414B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | Fc結合性タンパク質の保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016183112A true JP2016183112A (ja) | 2016-10-20 |
JP6665414B2 JP6665414B2 (ja) | 2020-03-13 |
Family
ID=57242473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015063067A Active JP6665414B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | Fc結合性タンパク質の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6665414B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010523508A (ja) * | 2007-04-03 | 2010-07-15 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | ヒトFcガンマ受容体III |
JP2011105716A (ja) * | 1998-12-03 | 2011-06-02 | Max-Planck-Ges Zur Foerderung Der Wissenschaften Ev | 組換え可溶性Fc受容体 |
JP2011526154A (ja) * | 2008-06-27 | 2011-10-06 | ザイモジェネティクス, インコーポレイテッド | 可溶性ハイブリッドFcγレセプターおよび関連する方法 |
JP2011206046A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-10-20 | Sagami Chemical Research Institute | 改良Fc受容体およびその製造方法 |
JP2013112640A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Tosoh Corp | 安定性が向上したFc結合性タンパク質 |
EP2796144A1 (en) * | 2013-04-26 | 2014-10-29 | SuppreMol GmbH | Highly concentrated Formulations of soluble Fc receptors |
-
2015
- 2015-03-25 JP JP2015063067A patent/JP6665414B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011105716A (ja) * | 1998-12-03 | 2011-06-02 | Max-Planck-Ges Zur Foerderung Der Wissenschaften Ev | 組換え可溶性Fc受容体 |
JP2010523508A (ja) * | 2007-04-03 | 2010-07-15 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | ヒトFcガンマ受容体III |
JP2011526154A (ja) * | 2008-06-27 | 2011-10-06 | ザイモジェネティクス, インコーポレイテッド | 可溶性ハイブリッドFcγレセプターおよび関連する方法 |
JP2011206046A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-10-20 | Sagami Chemical Research Institute | 改良Fc受容体およびその製造方法 |
JP2013112640A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Tosoh Corp | 安定性が向上したFc結合性タンパク質 |
EP2796144A1 (en) * | 2013-04-26 | 2014-10-29 | SuppreMol GmbH | Highly concentrated Formulations of soluble Fc receptors |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6665414B2 (ja) | 2020-03-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11352412B2 (en) | CTLA4-IG immunoadhesins | |
JP7560507B2 (ja) | CD40L特異的Tn3由来足場およびその使用方法 | |
CA2785414C (en) | Polypeptide modification method for purifying polypeptide multimers | |
Oganesyan et al. | Structural characterization of a mutated, ADCC-enhanced human Fc fragment | |
KR102036399B1 (ko) | 단백질 발현용 재조합 박테리아 숙주 세포 | |
AU2012283858B2 (en) | Polypeptide separation methods | |
JP2022501357A (ja) | ヘテロ二量体多重特異性抗体を精製するための方法 | |
CA3004830A1 (en) | Composition and methods for anti-tnfr2 antibodies | |
TW201125976A (en) | Method for the production of a glycosylated immunoglobulin | |
KR20190043601A (ko) | 항체를 정제하는 방법 | |
JP2023552829A (ja) | 免疫細胞機能を調節するための変異インターロイキン-10ポリペプチドの抗原結合分子との融合物 | |
US11820816B2 (en) | Anti-VEGF antibodies and methods of use | |
JP2016183112A (ja) | Fc結合性タンパク質の保存方法 | |
JP2016183113A (ja) | Fc結合性タンパク質の精製方法 | |
EP2831107A2 (en) | Toll-like receptor 2 binding epitope and binding members thereto | |
JP2023519967A (ja) | 多価免疫グロブリン単一可変ドメインの製造及び精製のための方法 | |
AU2018201080A1 (en) | Modified antibody constant region | |
JP2015178468A (ja) | Fcレセプターの保存方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190306 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190806 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191101 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20191111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200203 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6665414 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |