JP2016182680A - 消失性模型の製造方法および射出成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば中子やフィルタやストレーナなどの無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造するに際し、無機粉末焼結体の折損の発生を抑制できる消失性模型の製造方法と、その消失性模型の製造方法に適用可能な射出成形型を提供する。
【解決手段】無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、所定の圧力で型締めした前記射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填して固化することにより、前記無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造するに際し、前記位置決め支持をバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを介して行う製造方法とする。また、前記無機粉末焼結体を位置決め支持する少なくとも2つの支持部と、該支持部の少なくとも一方に設けられたバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを含む、射出成形型を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、消失性模型の製造方法と、その消失性模型の製造方法に適用可能な射出成形型に関する。
従来、ロストワックス法やインベストメント法などの精密鋳造法により鋳物を作製する際に、無機粉末焼結体などのインサートコアを含む消失性模型を用いる場合がある。こうした消失性模型は、例えば、インサートコアを射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、射出成形型を所定の圧力で型締めし、射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填して固化することにより作製される。なお、無機粉末焼結体は、例えば、鋳物内部の中空構造(中空部)の形成に用いられる耐火性中子(セラミック中子)や、鋳型に注入される溶融材料(溶湯)の整流などに用いられるフィルタやストレーナなどとして用いられる。
インサートコアを射出成形型のキャビティ内に位置決め支持する方法については、例えば、ガスタービン動翼に関する具体例が記載された特許文献1には、キャビティ面に設けた突起により中子を支持する構成が開示されている。また、ターボ機械の低圧案内ベーンの金属製ブレードに関する具体例が記載された特許文献2には、中子に設けた突起をキャビティ面により支持する構成が開示されている。また、タービンブレードのような翼形ブレードに関する具体例が記載された特許文献3には、中子に埋め込んだピンをキャビティ面に設けた孔に挿入することにより支持する構成が開示されている。なお、特許文献1〜3に記載される中子はいずれも無機粉末焼結体である。
こうした方法で作製された消失性模型は、無機粉末焼結体の形状や厚さなどにより程度の違いはあるが、消失性模型の中で無機粉末焼結体が亀裂や割れなどの折損を発生していることがあった。消失性模型の中にある無機粉末焼結体の折損の検知は、段差を伴うような大きな折損であれば例えばX線透視により確認できるが、多くの場合は容易ではない。こうした折損した無機粉末焼結体を含む消失性模型を使用して鋳物を作製すると、折損部分の欠落による形状不良や異物噛み、あるいは溶湯の流れ(湯流れ)に係る不良などが発生しやすい。そこで、例えば、ガスタービン用動翼や静翼に関する具体例が記載された特許文献4には、射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填する際の射出圧力に起因する折損が防止可能として、キャビティ面と中子(無機粉末焼結体)の間に固形ワックスを設ける方法が開示されている。
特開平9−70642号公報 特表2011−527945号公報 特開2004−160551号公報 特開2000−246392号公報
本発明者らは、上述した特許文献4に記載された方法のように、射出成形型のキャビティ面に固形ワックスを設けてインサートコアである中子(無機粉末焼結体)を位置決め支持し、所定の圧力で型締めし、消失性材料を充填して固化することにより、中子(無機粉末焼結体)を含む消失性模型を作製した。そして、その消失性模型を詳細に調べたところ、中子(無機粉末焼結体)の機械的強度が比較的低い薄肉部分や小径部分に折損が発生しやすいことが確認された。こうした消失性模型の中で無機粉末焼結体に折損が発生する現象は、中子に限らず、上述したフィルタやストレーナなどの無機粉末焼結体をインサートコアに用いた場合も同様であることが確認された。
本発明の目的は、例えば中子やフィルタやストレーナなどの無機粉末焼結体をインサートコアとして射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、所定の圧力で型締めした射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填して固化することにより、無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造する方法において、無機粉末焼結体の折損の発生を抑制できる消失性模型の製造方法と、その消失性模型の製造方法に適用可能な射出成形型を提供することである。
本発明者は、上述した特許文献4に開示された方法や、その方法を適用して作製された中子(以下、「無機粉末焼結体」という。)を含む消失性模型について詳細に検討した。その結果、無機粉末焼結体の折損の主原因が、無機粉末焼結体を位置決め支持する射出成形型の支持部分が型締めされた時の歪(以下、「型歪」という。)の影響を受け、その型締め時の衝撃力が無機粉末焼結体に伝達され、無機粉末焼結体のもつ機械的強度では耐えることができないことであることを突き止め、本発明に想到した。
すなわち本発明に係る消失性模型の製造方法は、無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、射出成形型を所定の圧力で型締めし、射出成形型のキャビティ内に、消失性材料を充填して固化することにより、無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造する方法であって、無機粉末焼結体の位置決め支持をバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを介して行うことを特徴とする。
無機粉末焼結体は、中子、フィルタ、およびストレーナから1種以上を選ぶことができる。
なお、射出成形型のキャビティ内において、1以上の無機粉末焼結体を位置決め支持することができる。
上述した消失性模型の製造方法において、本発明に係る射出成形型を使用できる。すなわち本発明に係る射出成形型は、無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、射出成形型を所定の圧力で型締めし、射出成形型のキャビティ内に、消失性材料を充填して固化することにより、無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造するための射出成形型であって、無機粉末焼結体を位置決め支持する少なくとも2つの支持部と、その支持部の少なくとも一方に設けられたバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを備えることを特徴とする。
本発明によれば、消失性模型を作製する際の無機粉末焼結体の折損が抑制できるため、無機粉末焼結体を含む健全な消失性模型を作製することができる。また、その健全な消失性模型を用いた精密鋳造法により、健全な鋳物を作製することができる。
本発明の消失性模型の一例であって、中子を含む消失性模型の断面を示す図である。 本発明の射出成形型の一例であって、図1に示す消失性模型の作製に使用できる射出成形型の構成図を示す。 本発明の消失性模型の一例であって、フィルタを含む消失性模型の外観を示す図である。 本発明の射出成形型の一例であって、図3に示す消失性模型の作製に使用できる射出成形型の構成図を示す。
本発明の消失性模型の製造方法は、無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、所定の圧力で型締めした射出成形型のキャビティ内に、消失性材料を充填して固化することにより、無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造する方法であって、位置決め支持をバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを介して行うことを特徴とする。なお、バネは、1種による構成でも、複数種の組合せによる構成でもよい。この点は、ダンパも同様であり、バネとダンパの組合せによる構成でも同様である。
上述した中子やフィルタやストレーナなどの無機粉末焼結体(以下、単に「無機粉末焼結体」という。)を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持する際に、その位置決め支持をバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを介して行うことは重要である。無機粉末焼結体の折損は、型締めによる型歪さらには型締め時の衝撃力(以下、まとめて「型歪」という。)に応じて、無機粉末焼結体を位置決め支持する射出成形型の基部が無機粉末焼結体側に変位して応力が発生し、かかる応力が無機粉末焼結体の機械的強度を超えた場合と考えられる。これに加え、射出成形型のキャビティ内へ高圧で充填され保圧される消失性材料からの衝撃力が無機粉末焼結体の機械的強度を超えた場合と考えられる。よって、上述した構成により、かかる応力を無機粉末焼結体と射出成形型の間で緩衝し、型歪の無機粉末焼結体への伝播を緩和または抑制することが重要なのである。その結果、無機粉末焼結体の機械的強度が比較的低い薄肉部分や小径部分であっても折損の発生が抑制されるため、無機粉末焼結体を含む消失性模型を健全な状態で作製することができる。
本発明におけるバネは、金属材や樹脂材などの弾性体や、こうした弾性体を用いた弾性部品や弾性機器により構成された衝撃吸収部を意図し、復元性能や弾性エネルギの蓄積性能を有する。かかるバネは、降伏値を超えない弾性範囲内では負荷(力)に応じて弾性変形し、その負荷(力)を取り去れば元の形に戻る。かかるバネの復元力を利用して無機粉末焼結体を付勢することにより、無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内で位置決め支持することができる。また、型歪が発生した際は、かかるバネが弾性変形して弾性エネルギとして蓄積することにより、型歪の無機粉末焼結体への伝播を緩和または抑制することができる。なお、型締め方向から無機粉末焼結体の位置決め支持を行う場合にも、かかるバネによる付勢は無機粉末焼結体の位置決め精度向上に有効である。
かかるバネは、例えば、変形方向が一直線上になるコイルバネがある。コイルバネは、全体としては伸縮方向への長さの変化となり、その伸縮が負荷(力)に比例するため、型歪の衝撃力の伝播による変形量や反発力などの機械的設計が比較的容易で好ましい。より好ましくは圧縮バネであり、射出成形型と無機粉末焼結体の間が比較的狭い場合でも所定の予圧を加えた状態で組み込みやすく、射出成形型のコンパクト化や軽量化に有利である。なお、射出成形型のキャビティ内における無機粉末焼結体の配置は、バネによる付勢や型歪による変動量を考慮して決めることができる。
本発明におけるダンパは、固体や半固体の変形や摩擦や粘性の抵抗を利用した、例えば、改質ゴム、シリコーンゴム、シリコーンを主原料とするジェル状(ゲル状)材などの軟質ポリマーやそれを用いた部品や機器など、あるいは気体の圧縮や液体の粘性の抵抗を利用した空圧(空気圧やガス圧)や油圧を利用した部品や機器により構成された衝撃吸収部を意図し、いずれも振動減衰性能を有する。かかるダンパは、物体に押されて限度を超えると伸縮または回転(以下、「変位」という。)により抵抗(減衰力)を発生し、変位に係る物体の運動エネルギーを熱に変換して減衰させる。かかるダンパを利用し、ダンパが変位しない範囲で無機粉末焼結体を位置決め支持し、型歪が発生した際は無機粉末焼結体を位置決め支持する射出成形型の基部の無機粉末焼結体側への変位を減衰させることにより、型歪の無機粉末焼結体への伝播を緩和または抑制することができる。
上述したように、型締め時の型歪の衝撃力による無機粉末焼結体の折損の抑制には、バネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかにより構成された衝撃吸収部を介して無機粉末焼結体を位置決め支持することが有効である。なお、射出成形の瞬間、つまり、射出成形型のキャビティ内に消失性材料が射出されたとき、射出圧力が瞬時かつ衝撃的に無機粉末焼結体から位置決め支持部側へ伝播することに起因して無機粉末焼結体が折損することもある。こうした瞬時の圧力の伝播の緩和または抑制には、バネとダンパの組合せにより衝撃吸収部を構成し、その構成を介して無機粉末焼結体を位置決め支持することが有効である。なお、上述したバネなどを介して無機粉末焼結体の位置決め支持を行う場合の具体的方案は多様であり、その全てを包含するように標準化することは実質的に困難である。従って、無機粉末焼結体の形状、支持可能な部位や方向、機械的強度などや、射出成形型のキャビティ形状、注入口の位置、ランナー形状などの方案や射出圧力などの諸条件に対応し、適宜選定することが好ましい。
本発明における無機粉末焼結体は、例えば、鋳物内部の中空構造(中空部)の形成に使用される耐火性の中子(セラミック中子)や、鋳型に注入された溶融材料(溶湯)の整流などに使用されるフィルタあるいはストレーナなどから選ぶことができる。特に、タービンブレードのような翼形ブレードの内部冷却構造の形成に用いる薄肉部分や小径部分が多い複雑な形状の中子や、網目状多孔質のフィルタや、複数の貫通孔を有するストレーナなどは、機械的強度が比較的低く折損しやすいため、本発明の適用が好ましい。こうした無機粉末焼結体は、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシアなどの酸化物原料の中から用途に応じて適種かつ適量が配合された材質であってよい。
また、射出成形型のキャビティ内においては、1以上の無機粉末焼結体を位置決め支持することもできる。例えば、2以上の中子の組合せ、1つの中子とフィルタあるいはストレーナとの組合せ、2以上の中子とフィルタあるいはストレーナとの組合せなどであってよい。この場合、無機粉末焼結体は個別にバネまたはダンパを介して位置決め支持することが好ましい。
次に、本発明に係る消失性模型の製造方法および射出成形型について具体例を挙げ、適宜図面を用いて説明する。
(1)中子を含む消失性模型
図1は、中子2を含む消失性模型1の断面を示す図である。消失性模型1は、無機粉末焼結体である複雑形状(図1では簡略に示す)の中子2を消失性材料部3が覆い包むように形成されている。消失性模型1の消失性材料部3の表面は、射出成形型のキャビティ面の転写により形成されたキャビティ転写面5である。消失性模型1の長手方向の両端側には、射出成形型のキャビティ内に中子2を位置決め支持したときの支持跡4a、4bが残っている。
図1に示す消失性模型1は、例えば図2に示す構成を有する射出成形型10を用いて作製することができる。
射出成形型10は、キャビティ面13aを有する下型10aと、キャビティ面13bを有する上型10bを含む。上型10bが矢印11で示す方向に移動し、下型10aと型合せ面12で密着して加圧されること(型締め)により、消失性模型1の形状に対応するキャビティ13が形成される。射出成形型10のキャビティ13内には、中子2が位置決め支持されている。中子2は、長手方向の両端側に支持部である支持ピン14a、14bが当接し、その支持ピン14a、14bの基部にそれぞれ設けられた圧縮コイルバネ15a、15bを介して位置決め支持されている。
中子2の位置決め支持において、衝撃吸収部の有無と、型締め時に瞬間的に中子2に加わる圧力の関係について、常温(20〜25℃)の曲げ強度が10〜12MPaの中子2を用いて調べた結果を、表1に示す。ケース1、2は衝撃吸収部(圧縮コイルバネ15a、15b)を介さずに中子2を位置決め支持し、ケース3は衝撃吸収部(圧縮コイルバネ15a、15b)を介して中子2を位置決め支持している。ケース1、2を見ると、型締め圧力の半減により、中子2に瞬間的に加わる圧力が半減している。しかし、型締め時の下型10bの変位(型歪)は0.01mm程度の低減に止まり、中子2に折損が発生した。一方、ケース2と同じ圧力で型締めしたケース3を見ると、中子2に瞬間的に加わる圧力が曲げ強度(10MPa)を超えることがなく、中子2は折損しなかった。また、ケース3の中子2は、型締め後に消失性材料を充填して固化する射出成形を行った後も折損しなかった。以上より、衝撃吸収部(圧縮コイルバネ15a、15b)を介する中子2の位置決め支持が有効であることが確認された。
図2に示す構成例では、中子をバネを介して位置決め支持するに際し、両方の支持部にバネ(圧縮コイルバネ15a、15b)を設けているが、少なくとも一方の支持部にバネを設けることにより本発明の作用効果を奏する。また、支持部(支持ピン14a、14b)の基部に設けるバネ(圧縮コイルバネ)は、複数を並列に組合せる構成にすることもできる。また、こうしたバネを用いる構成の場合、中子2と支持ピン14a、14bの間や、支持ピン14a、14bと圧縮コイルバネ15a、15bの間などに、ダンパとして作用する例えばシリコーンゴムなどの軟質ポリマーを適切な厚さで挿入することにより、バネ(圧縮コイルバネ)による作用効果に加えて、ダンパによる作用効果を奏することができる。その他、バネを密閉空間に設けるとともに、その密閉空間にジェル状材または高粘性グリースなどを充填することにより、バネとダンパの両方の利点を奏する構成にすることもできる。
上述した構成を有する射出成形型10を用いて、型締めで形成されたキャビティ13内に消失性材料を注入口16から射出し、キャビティ13内に消失性材料を充填して適正な保圧状態で固化した後に型開きすることにより、中子2を含む健全な消失性模型1を作製することができる。なお、中子2に形成された支持跡4a、4bは、必要に応じて消失性材料部3と同質の消失性材料などを用いて埋めるなどの補修を行うことができる。ここで、消失性材料とは、鋳型を作製する際に消失除去可能な材料である。具体的には、一般的なオートクレーブ処理で溶融または半溶融して流動する性質や、酸性溶液等の溶媒に溶出する性質を有する、樹脂やワックスなどの材料である。また、スチレンやエポキシ系樹脂といった1000℃程度の高温で炭化するプラスチックなど、鋳型を焼成する過程で消失させることができる材料を選ぶこともできる。
(2)フィルタを含む消失性模型
図3は、フィルタ22を含む消失性模型21の断面を示す図である。消失性模型21は、無機粉末焼結体である網目状多孔質(図中では簡略化)のフィルタ22を消失性材料部23a、23bが挟み込むように形成されている。消失性模型21の消失性材料部23a、23bの表面は、射出成形型のキャビティ面の転写により形成されたキャビティ転写面25である。フィルタ22は、対向する矢印24a、24bで示すフィルタ22の表面部分を用いて、射出成形型のキャビティ内に位置決め支持することができる。なお、複数の貫通孔を有するストレーナを用いて、図3に示すような消失性模型を構成することができる。
図3に示す消失性模型21は、例えば図4に示す構成を有する射出成形型30を用いて作製することができる。
射出成形型30は、キャビティ面33aを有する下型30aと、キャビティ面33bを有する上型30bを含む。上型30bが矢印31で示す方向に移動し、下型30aと型合せ面32で密着して加圧されること(型締め)により、消失性模型21の形状に対応するキャビティ33が形成される。射出成形型30のキャビティ33内には、円柱状のフィルタ22が位置決め支持されている。フィルタ22の外周面の対向する2箇所の支持部34a、34bには、ダンパとして作用するシリコーンゴム(軟質ポリマー)を用いた適切な厚さのシート材35a、35bが貼付されている。この場合、シート材35a、35bは、フィルタ22を支持するとともに、自体を介してフィルタ22を下型30aと上型30bに対して位置決めする機能を有している。
図4に示す構成例では、フィルタをダンパを介して位置決め支持するに際し、外周面の対向する2箇所の支持部34a、34bにダンパ(シート材35a、35b)を設けているが、少なくとも型締め時の変位(型歪量)がより大きい側の支持部にダンパを設けることにより本発明の作用効果を奏する。また、支持部に設けるダンパ(シート材)は、複数を並列に組合せる構成にすることもできる。例えば、図4に示す構成例において上型30b側の型歪量がより小さい場合、上型30b側の支持部34bにシート材35bを設けずに、下側30a側の支持部34aを2箇所以上に増やし、それぞれにシート材35aを設けるような構成にすることもできる。また、こうしたシート材をダンパとして用いる構成の場合、ダンパ(シート材35a、35b)と下型30aおよび上型30bの間などに、バネとして作用する例えば圧縮コイルバネや板バネなどを挿入することにより、ダンパ(シート材)による作用効果に加えて、バネによる作用効果を奏することができる。
上述した構成を有する射出成形型30を用いて、型締めで形成されたキャビティ33内に消失性材料を注入口36から射出し、キャビティ33内に消失性材料を充填して適正な保圧状態で固化した後に型開きすることにより、フィルタ22を含む健全な消失性模型21を作製することができる。なお、フィルタ22に貼付されたシート材35a、35bは、必要に応じて除去することは容易にできる。
以上、本発明に係る消失性模型の製造方法および射出成形型について、射出成形型10を用いた中子2を含む消失性模型1の製造方法と、射出成形型30を用いたフィルタ22を含む消失性模型30の製造方法を具体例に挙げて説明したが、本発明の範囲をここに述べた実施形態に限定するものではない。
1.消失性模型、2.中子、3.消失性材料部、4a.支持跡、4b.支持跡、5.キャビティ転写面、10.射出成形型、10a.下型、10b.上型、11.矢印、12.型合せ面、13.キャビティ、13a.キャビティ面、13b.キャビティ面、14a.支持ピン、14b.支持ピン、15a.圧縮コイルバネ、15b.圧縮コイルバネ、16.注入口、21.消失性模型、22.フィルタ、23a、23b.消失性材料部、24a.矢印、24b.矢印、25.キャビティ転写面、30.射出成形型、30a.下型、30b.上型、31.矢印、32.型合せ面、33.キャビティ、33a.キャビティ面、33b.キャビティ面、34a.支持部、34b.支持部、35a.シート材、35b.シート材、36.注入口

Claims (3)

  1. 無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、前記射出成形型を所定の圧力で型締めし、前記射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填して固化することにより、前記無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造する方法であって、
    前記位置決め支持をバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを介して行う、消失性模型の製造方法。
  2. 前記無機粉末焼結体は、中子、フィルタ、およびストレーナから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の消失性模型の製造方法。
  3. 無機粉末焼結体を射出成形型のキャビティ内に位置決め支持し、前記射出成形型を所定の圧力で型締めし、前記射出成形型のキャビティ内に消失性材料を充填して固化することにより、前記無機粉末焼結体を含む消失性模型を製造するための前記射出成形型であって、
    前記無機粉末焼結体を位置決め支持する少なくとも2つの支持部と、該支持部の少なくとも一方に設けられたバネ、ダンパ、またはバネとダンパの組合せのいずれかを備える、射出成形型。
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