JP2016180615A - 磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム - Google Patents

磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム Download PDF

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実則 河野
河野 公則
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Abstract

【課題】大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損に比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中あるいは海水中、屋内などの閉塞された環境、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用い、距離を測定し、方向を測定し、あるいはこれらの両方を測定することによって、安価に高精度の位置測位装置および位置測位システムを提供する。【解決手段】磁力波信号を用いて距離を測定すると、伝搬速度の実測値が毎秒300km程度であり、電磁波信号の伝搬速度の1000分の1程度であることから、受信入力の変化によって生じる距離測定誤差が1000分の1の2cm程度となり、距離の測定誤差を無視できる程度に抑制できることから、屋内での高精度の位置測位装置および位置測位システムを安価に提供することができる。【選択図】図1

Description

この発明は、大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損に比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中あるいは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用いることによって、高精度の位置測位を可能とする位置測位装置および位置測位システムに関するものである。
従来から、電磁波信号を用いる位置測位装置が提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2012−137478号
図8は、特許文献1に記載されている従来の「距離測定装置および距離補正手段」に用いられる、距離測定装置の距離測定データであり、第1送受信手段と第2送受信手段との間を、固定長の同軸ケーブルと可変減衰器とを介して接続し、可変減衰器の減衰量を変化させながら距離を測定した結果、同軸ケーブルが固定長であるにも関わらず、可変減衰器の減衰量を変化させるだけで、測定距離が20m近く変化する問題点があった。測定誤差を生じる原因は、前記可変減衰器の減衰量を変化させることで、前記受信手段の受信入力が変化すると、受信機内部の伝搬遅延時間が大きく変化し、距離の測定誤差を生じるためである。
前記特許文献1では、前記問題点を改善するために、第2送受信手段で前記無線信号を受信すると、前記第2送受信手段で受信した無線信号から前記起点信号を復調するとともに、前記第2送受信手段の内部で生じる伝達位相誤差もしくは伝達遅延誤差を検出しあるいは推定して補正をし、前記補正した起点信号と同期した位置測位信号を含む無線信号を時分割のタイミングで折返し送信し、前記第1送受信手段において、前記第2送受信手段から受信した位置測位信号を復調するとともに、前記第1送受信手段の内部で生じる伝達位相誤差もしくは伝達遅延誤差を検出しあるいは推定して補正をし、自局で生成した起点信号を基準として前記補正した位置測位信号の伝達位相もしくは伝達遅延時間を測定して、相互間の距離を算出するとしているが、回路が複雑であるにも関わらず誤差補正が不十分であり、高価となる問題点があった。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用いて距離を測定することによって、受信入力の変化によって受信機内部で生じる距離の測定誤差が無視できる程度に抑制できる、高精度の位置測位装置および位置測位システムを安価に提供することを目的とする。
この発明に係わる磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システムにおいて、大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損に比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、変動磁界によって誘導結合される磁力波信号を用いることで、1cm以上の近距離から10kmまでの中距離間で、磁力波信号を、送信し、受信し、あるいはこれらを交互に行うことによって、従来の電磁波信号を用いる場合に距離の測定誤差が大きい屋内での距離の測定の際でも、磁力波信号を用いることによって、測定誤差が±数cmの高精度である位置測位を可能とするものである。
高精度の位置測位が可能な理由として、(1)電磁波信号の伝搬速度が毎秒300,000kmと高速であるのに対して、前記磁力波信号の伝搬速度は、太陽から放射される磁気嵐の伝搬速度である毎秒350kmと同程度であると推定され、かつ、伝搬速度の測定実験から毎秒300km程度の測定結果が得られていること、(2)従来の電磁波信号を用いる位置測位装置では、受信機への受信入力が変化することで、受信機内部の伝搬遅延時間が60ns程度変化するために、距離の測定において20m程度の測定誤差を生じること、(3)一方、磁力波信号を用いると、受信機への受信入力が変化するために生じる距離の測定誤差が1000分の1程度に抑制され、測定誤差が2cm程度に縮減できること、(4)従来の電磁波信号の伝搬減衰量が距離の2乗に比例するのに対して、磁力波信号の伝搬減衰量が距離の4乗あるいは6乗に比例するため、屋内での反射波の影響を受けにくいことなどである。
この発明に係わる位置測位装置および位置測位システムでは、第1の位置測位装置が、起点信号を含む磁力波信号をバースト信号として、第2の位置測位装置に向けて間欠送信すると、前記第2の位置測位装置が、前記磁力波信号を受信して起点信号を検出し、起点信号と高精度で同期した位置測位信号を含む磁力波信号を前記第1の位置測位装置に向けて、時分割のタイミングで折返して送信し、前記第1の位置測位装置が、前記磁力波信号を受信して前記位置測位信号を復調し、自局で生成した起点信号と同期したクロック信号を用いて前記復調した位置測位信号の位相を測定することで、前記第1の位置測位装置と第2の位置側装置との間の距離を高精度で測定することができる。
更に、例えば、前記第1の測位装置を複数組準備して屋内の天井に間隔を置いて離散的に設置し、前記第2の位置測位装置を屋内の床面を移動する移動体に設置し、前記複数組の第1の位置測位装置が、前記第2の位置測位装置手段との間の距離を順次測定し、測定した結果から、三角法あるいは双曲線航法によって、前記移動体の3次元の位置を高精度で測位することができる。
また、前記第2の位置測位装置をRFIDタグの質問器とし、前記第1の位置測位装置をRFIDタグの応答器とすることで、経済的な屋内位置測位システムを実現することができる。
なお、前記位置測位装置は、少なくとも、前記磁力波信号を外部へ効率よく放射するための磁力波アンテナと、前記磁力波アンテナに磁力波信号を送受信するための磁力波信号送受信手段と、前記磁力波信号送受信手段を制御するための制御手段とから構成され、前記磁力波アンテナが、電磁波信号もしくは変位電流を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を効率よく外部へ放射しあるいは起電力を受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有するものとする。
また、前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも位相調整手段を有し、かつ、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号駈動手段、誘起起電力受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号もしくは変位電流を放射しあるいは再放射するのを抑制し、前記磁力波信号を効率よく外部へ放射し、前記磁力波アンテナの広帯域特性化を可能とするものである。
従来、位置測位には電磁波信号が用いられており、受信入力の変化によって受信機内部の伝搬遅延時間が変化するために、距離を測定する際に20m程度の誤差を生じていたが、磁力波信号を用いて距離を測定すると、伝搬速度が実測値として毎秒300km程度であり、電磁波信号の伝搬速度の1000分の1程度であることから、受信入力の変化によって生じる距離測定誤差が1000分の1程度に縮減されて2cm程度となり、測定誤差を無視できる程度に抑制できることから、高精度の位置測位装置および位置測位システムを安価に提供することができる。
本発明の第1の実施形態における位置測位装置および位置測位システムの構成図 本発明の第1の実施形態における位置測位装置の他の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号送受信手段の構成図 本発明の第1の実施形態における位置測位制御手段の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号の構成図 本発明の第1の実施形態における位置測位のタイミングチャート 従来の実施例による距離測定データ
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態による位置測位装置および位置測位システムの構成図である。図1において、101aは第1の位置測位装置、101bは第2の位置側装置、11aは第1位置測位制御手段、11bは第2位置測位制御手段、12a、12bは送信手段、13a、13bは受信手段、14a、14bはアンテナ切替手段、15a、15bは磁力波アンテナ、16は磁力波信号の伝搬経路である。ここで、前記第1の位置測位装置101aと第2の位置測位装置101bとは、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用い、時分割同時通信方式により、伝搬経路16を介して双方向通信を行うものとする。
前記第1の位置測位装置と第2の位置側装置との間の距離を測定するために、前記第1の位置測位装置から起点信号を含む磁力波信号を前記第2の位置測位装置に向けて送信し、前記第2の位置測位装置が前記起点信号を含む磁力波信号を受信すると、前記起点信号に同期する位置測位信号を含む磁力波信号を前記第1の位置測位装置に向けて折返して送信し、前記第1の位置側装置が位置測位信号を含む磁力波信号を受信すると、自局で生成した起点信号と、受信した位置測位信号との位相差あるいは時間差を測定し、前記第2の位置測位装置との距離を測定する。
前記第1の位置測位装置101aが複数組であり、屋内の天井などに間隔を置いて離散的に設置され、前記第2の位置測位装置101bが移動体に設置されている場合、前記第2の位置測位装置から距離測定要求信号を間欠的に送信し、前記複数組の第1の位置測位装置から順次応答信号をタイムスロットを割当てて折返し返信し、前記第2の位置測位装置と前記複数組の第1の位置測位装置との間の距離を測定し、三角法もしくは双曲線航法によって、移動体の位置を高精度で測位することができる。
ここで、前記磁力波信号を用いて距離を測定すると、磁力波の伝搬速度が実測値で毎秒300km程度であり、電磁波信号の伝搬速度の1000分の1程度であることから、前記受信手段13a、13bへの受信入力の変化によって生じる距離測定誤差が電磁波信号の場合20m程度であるのが1000分の1の2cm程度に縮減されることから、距離測定誤差を無視できることになり、高精度の位置測位が可能となる。
また、磁力波信号を用いると、帯域幅内の最低周波数と最大周波数との比が20倍程度まで拡大できることから、起点信号あるいは位置測位信号として、スペクトル拡散符号を含む広帯域の信号を用いることができる。
また、従来の電磁波信号の伝搬減衰量が距離の2乗に比例するのに対して、磁力波信号の伝搬減衰量が距離の4乗あるいは6乗に比例するため、屋内での反射波の影響を受けにくい利点がある。
図2に本発明の第1の実施形態における位置測位装置の他の構成図を示し、605は電磁界シールド(断面図を示す)、700は磁力波アンテナ、707は磁性体、708は磁力波信号送受信手段、709は位置測位制御手段、718は離調抑制手段である。
ここで、前記磁力波アンテナ700が磁力波信号を効率よく外部へ放射できる形状の磁性体707の外周など、高透磁率の磁性体に近接して設けられ、電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制できる構成、構造、特性、あるいはこれらの組合せであり、前記磁力波信号送受信手段708内の位相調整手段の容量性リアクタンスとは、浮遊容量を含め、非同調状態あるいは非共振状態であるものとする。
また、前記磁力波アンテナが磁性体に近接して設けられた単巻あるいは複数巻のソレノイドコイルであり、電磁波信号を外部に向けて放射しあるいは再放射するのを抑制し、かつ、磁力波信号を効率よく外部へ放射する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せである。
また、前記磁性体が、少なくとも、棒状であり、多角形であり、複数本で構成され、前記複数本がクロスして配置され、メッシュ状に配置され、前記ソレノイドコイルが、少なくとも、単層巻であり、多層巻であり、ポリファイラ巻であり、あるいはこれらの組合せである。
また、前記磁力波アンテナが複数組設けられ、前記複数組が、間隔を置いて配置され、メッシュ状に配置され、直列に接続され、並列に接続され、同相で駈動され、あるいはこれらの組合せであり、磁力波信号の放射効率の良い磁力波アンテナを構成する。
また、前記磁力波アンテナは、移動端末、携帯端末、あるいはRFIDタグに用いられ、離調抑制手段718の内部に収納され、あるいは外周部を絶縁物によりコーティングすることで、海水などが直接磁力波アンテナに触れ、離調しあるいはミスマッチが生じるのを抑制できる。
図3は、本発明の第1の実施形態における磁力波信号送受信手段の構成図であり、708は磁力波信号送受信手段、605は電磁界シールド(断面図を示す)、704は位相調整手段、705は寄生振動抑制手段、706は送受切替手段、710は磁力波信号送信手段、711は磁力波信号受信手段、712a、712bは磁力波アンテナ接続端子、713a、713bは位置測位制御手段接続端子である。
ここで、前記磁力波アンテナ接続端子712a、712bに、前記磁力波アンテナ700が接続されると、寄生振動抑制手段705が前記磁力波アンテナと並列に接続されて前記磁力波アンテナをダンピングし、不要な寄生振動を抑制する。
また、前記電磁界シールド605は、前記磁力波信号送受信手段708から直接電磁波信号が放射されるのを防止するためのものであり、送受切替手段706は、時分割同時送受話方式により通信を行うために、常時には受信手段に接続され、送信時には送信手段に接続される。
また、前記磁力波アンテナと直列あるいは並列に位相調整手段704が接続されるが、従来の設計理論によれば、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、共振状態としあるいは同調状態とするのが常套手段であるが、その場合には、前記磁力波アンテナから電磁波信号が放射され、電磁波信号の伝搬速度が高速であるために、受信入力が変動することによって受信手段内部の伝搬遅延時間が変化し、位置測位精度を阻害する原因となるので、前記両者を非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記磁力波アンテナからは、伝搬速度が電磁波信号の1000分の1程度である、磁力波信号を効率良く放射し、あるいは効率よく受信することが必須の条件となる。
また、前記磁力波アンテナから電磁波信号が放射されず、磁力波信号のみが放射されると、海水中における伝搬損失が、大気中における伝搬損失と同程度であり、海水中において磁力波信号を用いる位置側位を可能とするメリットが得られる。
また、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを非共振あるいは非同調とし、後者の絶対値を前者の絶対値の0.01%〜95%程度に設定して離調させることで、電磁波信号が外部へ放射されあるいは再放射されるのを抑制でき、前記磁力波アンテナのVSWRが海水中において著しく増加するのを抑制でき、磁力波信号の放射効率を改善できることになる。
また、前記磁力波アンテナが、磁性体の周辺に形成され、その誘導性リアクタンスと浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとが非共振あるいは非同調状態とした時、送信側の磁力波アンテナと受信側の磁力波アンテナとが垂直方向に対向している場合、前記受信手段711への受信入力(Pr)は、受信側磁力波アンテナの起電力をボルテージフオロアでインピーダンス変換すると、
Pr={[μ0*Et(μe2*N2*S2/A*N1)/2πR^2]^2}={(1/10)(Et/N1)(μe2*N2*S2)/R^2]^2} −−(1)
となる。
一方、前記送信側磁力波アンテナと受信側磁力波アンテナとが水平方向に対向している場合、前記受信手段711への受信入力(Pr)は、
Pr={[μ0*Et(μe2*N2*S2/A*N1)/2πR^3)]^2}={(1/10)(Et/N1)(μe2*N2*S2)/R^3]^2} −−(2)
となる。
ここで、μ0=透磁率=4π*10^-7、Et=送信側駈動電圧、μe2=受信側磁性体の比透磁率、N2=受信側磁力波アンテナの巻き数、S2=受信側磁力波アンテナの面積、A=1.94*10^-6、N1=送信側磁力波アンテナの巻き数、R=送受磁力波アンテナ間の距離、50=受信機入力インピーダンスとする。
上記の式(1)より、受信入力(Pr)は、垂直方向に対向する磁力波アンテナ間の距離の四乗に反比例して12dB/octの割合で減少し、上記の式(2)より、受信入力(Pr)は、水平方向に対向する磁力波アンテナ間の距離の六乗に反比例して18dB/octの割合で減少する。
従って、屋内での位置測位に磁力波信号を用いると、電磁波信号に比較して単位距離当たりの減衰度が大きいため、屋内での位置測位のように、反射波の影響を受け易い環境では、磁力波信号の方が俄然有利で有ると言える。
また、上記式(1)および式(2)には、周波数に関係する項目を含まないことから、域幅内の最低周波数と最大周波数との比を20倍まで拡大できる。
また、磁力波信号送信手段710は、プッシュプル型増幅器、ハーフブリッジ型増幅回路、あるいはフルブリッジ型増幅回路などで構成され、電力増幅段にはMOSFET型集積回路が用いられ、平衡型であり、比較的に歪が少なく、低い出力インピーダンスであり、あるいは電源電圧を高圧にすることで、前記磁力波アンテナに大きな誘導電流を、MOSFET型集積回路が破損することなく駆動することができる。
また、前記磁力波信号送信手段には、入力されたベースバンド信号によって、搬送波を変調し、符号化し、スペクトル拡散し、あるいはこれらの組合せを行う機能が含まれるものとする。
また、前記磁力波信号受信手段711は、前記磁力波アンテナからの誘起起電力を、伝送線路を含むトランスによって昇圧し、ボルテージフォロアによってインピーダンス変換し、低雑音増幅手段によって増幅し、検波・復調し、復号化し、あるいはこれらの組合せを行い、かつ所要のレベルにまで増幅し、ベースバンド信号として次段の位置測位制御手段に転送する。
また、前記磁力波アンテナから生じる熱雑音は、直列抵抗によるものであり、誘導性リアクタンスからは生じないことから、前記伝送線路を含むトランスによって昇圧することで、前記伝送線路を含むトランスから出力される熱雑音は、前記直列抵抗により生じる熱雑音を昇圧したものとなる。
また、前記伝送線路を含むトランスの内部の浮遊容量が位相調整手段に付加されて共振状態が生ずる場合があるため、透磁率が高いトロイダルコアを用い、コイルの巻線数を減らし、前記熱雑音と浮遊容量とを軽減するための対策が必要となる。
また、前記伝送線路を含むトランスを用いる代わりに、受信時もしくは受信側の磁力波アンテナの、巻線数を増やし、磁性体の透磁率を大きくし、磁力波アンテナの面積を広くし、あるいはこれらを組み合わせることによって同様な効果が得られる。
また、磁力波信号の周波数が1MHzを超える場合には、前記磁力波アンテナと、浮遊容量、電子・機構部品、電子回路、構成、構造、あるいはこれらの組合せとによって、同調状態が生じあるいは共振状態が生じることの無いよう対策が必要である。
図4は、本発明の第1の実施形態における位置測位制御手段の構成図であり、11aは第1位置測位制御手段、11bは第2位置測位制御手段、41は基準発振器、42は位置測位手段、43は位相差あるいは時間差測定手段、44は位置測位信号再生手段、45は起点信号生成手段、51a、52aは接続端子、50は起点信号再生手段、49は同期検出手段、47は位置測位信号生成手段、46は同期発振手段、41は基準発振器、48は位相同期発振器、51b、52bは接続端子である。
図4において、前記起点信号生成手段45によって、前記基準発振器41に同期して、図7に示すシステム同期信号61と、マックレイヤ62と、単一もしくは複数の起点信号63−1〜63−nとから構成される、位置測位要求信号が生成され、接続端子51aから、図3に示す第1の位置測位装置の磁力波信号送信手段710に対して前記位置測位要求信号を供給し、前記第1の位置測位装置から磁力波信号として磁力波アンテナ15aから外部に送信するとともに、前記位相測定手段43にも距離測定のためのクロック信号として供給する。
一方、図3に示す磁力波信号受信手段711から供給されたベースバンド信号から、起点信号再生手段50によって起点信号を再生し、基準発振器41に同期した高周波位相同期発振器48によって駈動される同期検出器によって、再生された起点信号の立上がりあるいは立下り点を検出し、同期発振器46を瞬時に再生された起点信号と同期を確立させ、前記同期を確立した信号をクロックとして位置測位信号を生成し、接続点52bを介して図3に示す磁力波送信手段に供給し、第2の位置測位装置の磁力波アンテナ15bから、時分割のタイミングで、位置測位信号を含む磁力波信号を外部に送信する。
前記第2の位置測位装置の磁力波アンテナから送信された前記位置測位信号を、前記第1の位置測位装置の磁力波アンテナで受信すると、位置測位信号再生手段によって再生し、前記第1の位置測位装置で生成した起点信号を基準とし、再生した位置測位信号の位相差あるいは時間差を測定し、測定した位相差あるいは時間差から、第2の位置測位装置からの距離を高精度で測定することができる。
更に、複数の第2の位置測位装置が存在する場合には、各々に異なるタイムスロットを割当て、順次距離を措定し、三角法あるいは双曲線航法によって自局の位置を測位することができる。
前記第1の位置測位装置および第2の位置測位装置の内部の磁力波信号受信手段では、増幅利得が100dB以上であり、自動利得位置測位制御手段を内蔵しており、従って、受信入力が変動すると、増幅器の伝搬遅延時間が変動し、自動利得位置測位制御手段の伝搬遅延時間が変動し、帯域制限フイルタの伝搬遅延時間が変動するために、距離の測定値に誤差を生じる問題点がある。
これらの問題点については、前記の通り、伝搬速度が毎秒300km程度の磁力波信号を用いることにより、距離の測定誤差が無視できる程度に縮減できる。
ここで、例えば、前記磁力波信号の周波数を100kHzとすると、磁力波信号の波長は3.5mとなり、位相差の測定誤差が±1°とすると、距離の測定誤差は±1cm程度となり、受信手段の増幅器の伝搬遅延誤差が50ナノ秒として、距離の測定誤差が2cm程度となり、屋内などの閉塞された環境での測位では十分な精度である。
また、前記(1)式あるいは(2)式で示すように、磁力波信号の単位距離当たりの減衰量は、電磁波信号に比較して減衰の度合いが大きいため、屋内での位置測位のように、反射波の影響を受け易い環境では、磁力波信号の方が俄然有利で有ると言える。
また、前記同期発振手段46は、前記基準発振器41から直接もしくは位相同期発振器48から供給されるクロック信号によって駆動される、セットあるいはリセット付きの同期式あるいは非同期式のカウンタあるいは数値制御発振器によって構成され、前記セットあるいはリセット信号あるいは外部同期信号によって、セットしあるいはリセットすることで、数マイクロ秒以内の瞬時にして同期を確立し、前記起点信号が消滅しても、所定期間、前記基準発振器の精度で同期を保持できるメリットが得られる。
また、前記同期発振手段46からの出力信号に同期した位置測位信号生成手段47によって、単一の信号、周波数の異なる複数の信号、搬送波信号、副搬送波信号、変調信号、スペクトル拡散符号、あるいはこれらの組合わせによる位置測位信号が生成され、接続端子52bを介して前記第1の位置測位装置もしくは第2の位置測位装置に供給される。
また、前記位置測位信号が同期しあるいは直交し少なくとも周波数が異なる複数の位置測位信号である場合には、距離を測定するレンジを変化させることが可能であり、大まかな距離の測定から精細な距離の測定に切替えて測定することが可能となる。
また、図1〜4、図7、および請求項1に示すように、大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損と比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中において、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システムにおいて、前記磁力波信号を用いる位置測位装置が、少なくとも、磁力波アンテナと、磁力波信号送受信手段と、制御手段とから構成され、
前記磁力波アンテナが、電磁波信号を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を外部へ放射しあるいは外部から受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも位相調整手段を有し、かつ、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号送信手段、磁力波信号受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、
前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制し、かつ前記磁力波信号の広帯域化を可能とし、
前記制御手段が、少なくとも位置測位手段を有し、かつ、起点信号生成手段、起点信号再生手段、位相測定手段、時間測定手段、同期発振手段、位置測位信号生成手段、位置測位信号再生手段、あるいはこれらの組合せを有し、前記位置測位手段が、前記磁力波信号が伝搬するのに要する時間を測定し、前記磁力波信号が伝搬する際に生じる位相遅れを測定し、前記磁力波信号が伝搬する方向を測定し、あるいはこれらの組合せを測定することによって、位置測位を可能とし、
前記位置測位システムが、少なくとも、第1の位置測位装置と、第2の位置測位装置とから構成され、前記第1の位置測位装置と、前記第2の位置測位装置との間で、少なくとも位置測位信号を含む磁力波信号を送受信し、前記第1の位置測位装置、前記第2の位置測位装置、あるいはこれらの両方において、位置測位を行う。
また、図1〜4、図7、および請求項2に示すように、前記第1の位置測位装置から少なくとも起点信号を含む磁力波信号を間欠送信し、前記第2の位置測位装置において受信した前記起点信号と同期する第1の位置測位信号を含む磁力波信号を時分割のタイミングで折返して送信し、前記第1の位置測位装置において前記第2の位置測位装置によって折返された第1の位置測位信号を受信し、前記第1の位置測位装置において、自局で生成した前記起点信号を基準として、受信した前記第1の位置測位信号との位相差あるいは時間差を測定し、前記測定結果から、前記第1の位置測位装置において、前記第2の位置測位装置からの距離、方向、あるいはこれらの両方を測定し、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位する。
また、図1〜4、図7、および請求項3に示すように、前記第1の位置測位装置が、前記第2の位置測位装置によって折返された第1の位置測位信号を受信すると、前記受信した第1の位置測位信号と同期する第2の位置測位信号を時分割のタイミングで前記第2の位置測位装置に向けて送信し、前記第2の位置測位装置が、前記第1の位置測位装置から折返された第2の位置測位信号と、自局で第1の位置測位装置に向けて折返した第1の位置測位信号との位相差あるいは時間差を測定し、前記測定結果から、前記第2の位置測位装置において、前記第1の位置測位装置からの距離、方向、あるいはこれらの両方を測定し、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位する。
また、図1〜4、図7、および請求項4に示すように、前記第1の位置測位装置が複数組であり、エリア内に離散的に分布して設置され、前記複数組の位置測位装置から、少なくとも、自局の識別符号あるいは設置位置と、位置測位信号とを含む磁力波信号を、間欠送信しあるいは時間スロットを割り付けて送信し、前記第2の位置測位装置において、前記複数組の第1の位置測位装置から送信された各組毎の識別符号あるいは設置位置と、位置測位信号とから、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位する。
また、図1〜4、および請求項5に示すように、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とするために、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスの絶対値を、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスの絶対値の0.01%〜95%の範囲内に設定する。
また、図1〜4、および請求項6に示すように、前記伝搬経路中における磁力波信号の伝搬速度が毎秒300kmから350km程度の低速であり、従来の電磁波信号の伝搬速度に比較して1000分の1程度であるために、前記磁力波信号送受信手段への受信入力の変化によって生じる距離測定誤差が1000分の1程度に縮減される。
また、図1〜4、および請求項7に示すように、従来の電磁波信号の単位距離当たりの減衰度に比較して、前記磁力波信号の単位距離当たりの減衰度が大きいために、前記磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システムを、屋内あるいは閉塞された環境に適用する場合に、反射波の影響を受けにくい。
また、図4、および請求項8に示すように、同期発振器が、高安定の水晶発振器に同期する高速カウンターを、セットしあるいはリセトすることによって、瞬時に同期を確立し、かつ前記水晶発振器の精度で長時間に渡り同期を維持することができる。
図5は本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図を示し、605は電磁界シールド(断面図を示す)、610は移相手段、607は入出力コネクタ、700a〜700dは磁力波アンテナ、701は離調抑制手段を含むレドームである。
ここで、前記複数組の磁力波アンテナ700a〜700dを各組個別の角度(図中ではお互いに直交する)で配置し、各組ごとに前記移相手段610を介し、前記入出力コネクタ607に接続して、回転磁力波アンテナを構成する。
また、前記離調抑制手段を含むレドーム701は、少なくとも、磁力波アンテナ700a〜700dから垂直方向に放射される磁力波信号を減衰させず、効率よく透過させるための材質および構造を有するものとする。
また、磁力波アンテナ700a〜700dをレドーム701と垂直に設置しているが、水平あるいは任意の角度で設置しても同様な効果が得られる。
また、前記磁力波アンテナが右回転しあるいは左回転する磁力波信号を放射することによって、前記誘導経路中に存在する導電物体を探知する場合、送信側と受信側の回転磁力波アンテナを間隔を離して設置することによって、相互間の減衰量を増加させられるメリットが得られる。
また、図5、および請求項9に示すように、複数組の磁力波アンテナの各組毎に移相手段を介して接続し、回転磁力波アンテナを構成することによって、位置測位精度が向上する。
図6は、本発明の磁力波信号の構成例を示す図である。図6において、61はシステム同期信号、62はMACレイヤ、63−1〜63−nは起点信号、位置測位信号、方向測定信号、あるいはこれらの組合わせである。
前記システム同期信号61は複数ビットのユニークワードであり、±100ナノ秒程度の精度で前記第1の位置測位装置101aと第2の位置測位装置101bとの間の制御タイミングを合わせることができるので、この程度の精度で両者間の距離を測定しても、磁力波信号を用いる場合には、位置の測位精度として、±35cm程度が実現できる。
前記MACレイヤ62は、符号長、自局の識別番号、相手先番号、データ情報、誤り訂正符号、あるいはこれらの組合せから構成され、前記システム同期信号61とセットになって生成される。
前記起点信号もしくは位置測位信号は、前記第1の位置測位装置101aと第2の位置測位装置101bとの間で精密な同期を確立するための信号であり、通常、前記磁力波信号と同一の周波数かあるいはより低い周波数の、単一もしくは複数の、搬送波信号、副搬送波信号、変調信号、スペクトル拡散符号、あるいはこれらの組合せによる信号が用いられる。
また、前記MACレイヤ62の継続時間を1ms程度とし、前記起点信号もしくは位置測位信号の継続時間を1ms程度とすると、片方向の合計で2ms程度の継続時間となり、両方向の合計で5ms程度となるので、前記間欠送信の間隔をCR発振器などの自励発振器で制御することで、複数の送受信手段の間で相互間の同期を取らず非同期で間欠送信できることから、経済的なシステム運用が可能となる。
一方、前記位置測位信号の継続時間を100ms程度に延長することで、位置の測位精度を10倍程度に高くすることができるが、複数の送受信手段の間で混信が生じるようになり、これを避けるために複数の測位装置間で同期をとる必要があり、測位装置の収容台数が制限される欠点が生じることとなる。
また、図6、および請求項10に示すように、前記磁力波信号が広帯域のスペクトル拡散符号を含む。
また、図6、および請求項11に示すように、前記位置測位信号として、複数ビットのユニークワードによって構成する同期信号を用いる。
図7は、本発明の位置測位のタイミングチャートである。図7において、71aは第2の位置測位装置101bから送信される起点信号、71bは第1の位置測位装置101aよって再生される起点信号、72は前記第2の位置測位装置から第1の位置測位装置に向けて起点信号が伝搬する伝搬経路、73aは前記第1の位置測位装置よって再生された起点信号に同期して生成される位置測位信号、73bは前記第2の位置測位装置によって再生された位置測位信号、74は前記第1の位置測位装置から第2の位置測位装置に向けて位置測位信号が伝搬する伝搬経路である。
また、75は前記第2の位置測位装置から送信される起点信号71aと前記第2の位置測位装置によって再生される位置測位信号73bとの位相差、76aは前記第2の位置測位装置の送信手段の時間軸、76bは前記第2の位置測位装置の受信手段の時間軸、77aは前記第1の位置測位装置の受信手段の時間軸、77bは前記第1の位置測位装置の送信手段の時間軸、78は前記第2の位置測位装置の送信のタイミングから第1の位置測位装置の送信のタイミングまでの時分割間隔である。
前記第2の位置測位装置から送信される前記起点信号71aをASin(2πf1t)とすると、前記起点信号71aが、距離L(m)の伝搬経路位相が変化する。
前記再生された起点信号71bと、同期確立誤差がゼロで同期した位置測位信号73aを生成すると、生成された位置測位信号73aは、同じくBSin{2πf1t+(2πLf1/Cm)}で表される。ここで、Cmは磁力波信号の伝搬速度とする。
前記時分割の送受信間隔78後に、前記生成された位置測位信号73aが、前記第1の位置測位装置から送信され、再び、距離L(m)の伝搬経路74を伝搬し、前記第2の位置測位装置で再生される位置測位信号73bは、CSin{2πf1t+(4πLf1/Cm)}で表わされる。
上記磁力波信号の伝搬速度は、太陽から放射される磁気嵐の伝搬速度である毎秒350kmから推測され、また実測の結果から毎秒300kmの値が得られており、電磁波信号の伝搬速度の1000分の1程度である。
そこで、前記第2の位置測位装置で生成された起点信号71aをクロック信号を用い、前記再生された位置測位信号73bとの位相差を測定すると、前記第2の位置測位装置で生成された起点信号71aと前記第2の位置測位装置で再生された位置測位信号73bとの位相差77aが測定され、ΔΦ={4πLf1/Cm}となることから、L={CmΔΦ/4πf1}から、距離L(m)が算出できる。
なお、磁力波信号の周波数f1として2MHzを採用すると、周波数が2GHzの電磁波信号を用いる場合と等価であり、屋内などの閉塞された環境での位置測位に適する信号であることが分かる。
以上の説明では、主に、前記磁力波信号を用い、第1の位置測位装置と第2の位置測位装置との間の距離を測定して位置の測位をする場合について述べたが、方向を測定し、あるいは距離と方向とを測定しても位置の測位が可能であることは言うまでもない。
また、屋内あるいは閉塞された空間のみならず、海水中、ビル陰、その他、従来の電磁波信号を用いる位置測位、あるいは従来の超音波を用いる位置測位では高精度の測位が困難であった環境、場所あるいはエリアにおいて、本発明の磁力波信号を用いる位置測位が効果を発揮できる。
本発明は上記のように構成されているため、大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損に比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、屋内などの閉塞された環境、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、磁力波信号を利用することによって、移動体の位置を高精度で測位できる位置測位装置および位置測位システムが安価に実現できることから、実用的価値が高いものである。
11a 第1位置測位制御手段
11b 第2位置測位制御手段
12a、12b 送信手段
13a、13b 受信手段
14a、14b アンテナ切替手段
15a、15b 磁力波アンテナ
16 伝搬経路
41 基準発振器
42 位置測位手段
43 位相測定手段
44 位置測位信号再生手段
45 起点信号生成手段
46 同期発振手段
47 位置測位信号生成手段
48 位置同期検出手段
49 同期検出手段
50 起点信号再生手段
51a、52a、51b、52b 接続端子
61 同期信号
62 MACレイヤ
63−1〜63−n 位置測位信号
101a 第1の位置測位装置
101b 第2の位置側位装置
605 電磁界シールド
607 入出力コネクタ
610 移相手段
700、700a〜700f 磁力波アンテナ
701 レドーム
704 浮遊容量を含む位相調整手段(可変もしくは半固定を含む)
705 ダンピング手段
706 送受切替手段
707 磁性体
708 磁力波信号送受信手段
709 位置測位制御手段
710 磁力波信号送信手段
711 磁力波信号受信手段
712、712a、712b 磁力波アンテナ接続端子
713、713a、713b 位置測位制御手段接続端子
718 離調抑制手段

Claims (11)

  1. 大気中、電磁波信号の伝搬損が大気中での伝搬損と比較して大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中において、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システムにおいて、
    前記磁力波信号を用いる位置測位装置が、少なくとも、磁力波アンテナと、磁力波信号送受信手段と、制御手段とから構成され、
    前記磁力波アンテナが、電磁波信号を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を外部へ放射しあるいは外部から受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも位相調整手段を有し、かつ、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号送信手段、磁力波信号受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制し、かつ前記磁力波信号の広帯域化を可能とし、
    前記制御手段が、少なくとも位置測位手段を有し、かつ、起点信号生成手段、起点信号再生手段、位相測定手段、時間測定手段、同期発振手段、位置測位信号生成手段、位置測位信号再生手段、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記位置測位手段が、前記磁力波信号が伝搬するのに要する時間を測定し、前記磁力波信号が伝搬する際に生じる位相遅れを測定し、前記磁力波信号が伝搬する方向を測定し、あるいはこれらの組合せを測定することによって、位置測位を可能とし、
    前記位置測位システムが、少なくとも、第1の位置測位装置と、第2の位置測位装置とから構成され、
    前記第1の位置測位装置と、前記第2の位置測位装置との間で、少なくとも位置測位信号を含む磁力波信号を送受信し、
    前記第1の位置測位装置、前記第2の位置測位装置、あるいはこれらの両方において、位置測位を行うことを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
  2. 前記請求項第1項において、前記第1の位置測位装置から少なくとも起点信号を含む磁力波信号を間欠送信し、前記第2の位置測位装置において受信した前記起点信号と同期する第1の位置測位信号を含む磁力波信号を時分割のタイミングで折返して送信し、前記第1の位置測位装置において前記第2の位置測位装置によって折返された第1の位置測位信号を受信し、前記第1の位置測位装置において、自局で生成した前記起点信号を基準として、受信した前記第1の位置測位信号との位相差あるいは時間差を測定し、前記測定結果から、前記第1の位置測位装置において、前記第2の位置測位装置からの距離、方向、あるいはこれらの両方を測定し、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
  3. 前記請求項第2項において、前記第1の位置測位装置が、前記第2の位置測位装置によって折返された第1の位置測位信号を受信すると、前記受信した第1の位置測位信号と同期する第2の位置測位信号を時分割のタイミングで前記第2の位置測位装置に向けて送信し、前記第2の位置測位装置が、前記第1の位置測位装置から折返された第2の位置測位信号と、自局で第1の位置測位装置に向けて折返した第1の位置測位信号との位相差あるいは時間差を測定し、前記測定結果から、前記第2の位置測位装置において、前記第1の位置測位装置からの距離、方向、あるいはこれらの両方を測定し、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
  4. 前記請求項第1項において、前記第1の位置測位装置が複数組であり、エリア内に離散的に分布して設置され、前記複数組の位置測位装置から、少なくとも、自局の識別符号あるいは設置位置と、位置測位信号とを含む磁力波信号を、間欠送信しあるいは時間スロットを割り付けて送信し、前記第2の位置測位装置において、前記複数組の第1の位置測位装置から送信された各組毎の識別符号あるいは設置位置と、位置測位信号とから、三角法あるいは双曲線航法によって、自局の位置を測位することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
  5. 前記請求項第1項において、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とするために、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスの絶対値を、前記磁力波アンテナの誘導性リアクタンスの絶対値の0.01%〜95%の範囲内に設定することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置。
  6. 前記請求項第1項において、前記伝搬経路中における磁力波信号の伝搬速度が毎秒300kmから350km程度の低速であり、従来の電磁波信号の伝搬速度に比較して1000分の1程度であるために、前記磁力波信号送受信手段への受信入力の変化によって生じる距離測定誤差が1000分の1程度に縮減されることを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置。
  7. 前記請求項第1項から第6項のいずれかにおいて、従来の電磁波信号の単位距離当たりの減衰度に比較して、前記磁力波信号の単位距離当たりの減衰度が大きいために、前記磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システムを、屋内あるいは閉塞された環境に適用する場合に、反射波の影響を受けにくいことを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
  8. 前記請求項第1項から第7項のいずれかにおいて、前記同期発振器が、高安定の水晶発振器に同期する高速カウンターを、セットしあるいはリセトすることによって瞬時に同期を確立し、かつ前記水晶発振器の精度で長時間同期を維持することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置。
  9. 前記請求項第1項から第8項のいずれかにおいて、複数組の磁力波アンテナの各組毎に移相手段を介して接続し、回転磁力波アンテナを構成することによって、位置測位精度が向上することを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置。
  10. 前記請求項第1項から第9項のいずれかにおいて、前記磁力波信号が広帯域のスペクトル拡散符号を含むことを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置。
  11. 前記請求項第10項において、前記位置測位信号として、複数ビットのユニークワードによって構成する同期信号を用いることを特徴とする磁力波信号を用いる位置測位装置および位置測位システム。
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