JP2016178967A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像空間における電場曝露を低減するRF送信コイルおよびそれを用いたオープンMRI装置を提供する。【解決手段】静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルと、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルと、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを具備し、RF送信コイルである平面バードケージコイル70が、第1の径の外側のリング導体71と、第1の径より小さい第2の径を有する内側のリング導体72と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体73を有し、第1のリング導体が複数のラング導体より静磁場76の方向と平行な方向に撮像空間から離れている。【選択図】図6

Description

本発明は、電磁波の送信受信を行うためのコイルを用いた磁気共鳴イメージング技術に関する。
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)は静磁場とラジオ周波数(Radio Frequency:RF)の電磁波を用いて体内の臓器や組織を詳細に可視化する技術である。MRI装置は、マグネットが発生する均一な静磁場中に被検体を配置し、被検体にRF磁場を照射し、被検体内の核スピンを励起すると共に、核スピンが発生する核磁気共鳴信号を受信し、被検体の画像を構成する。RF磁場の照射と核磁気共鳴信号の受信はRFコイルによって行われ、MRI装置に適した種々の形状の送信用RFコイル、受信用RFコイル、あるいは送受信兼用RFコイルが使われる。
典型的なMRI装置では、トンネル型の超電導磁石が用いられ、1.5テスラや3テスラの高磁場MRI装置が主流である。一方、オープンMRI装置は、一対の永久磁石あるいは超電導磁石を持ち、高い開放性を実現する。オープンMRI装置は、トンネル型MRI装置では適用困難な幼児、閉所恐怖症の被験者、あるいは肥満の被験者にも適用できるというメリットがある。
オープンMRI装置では、平面バードケージコイルと呼ばれる形状のRFコイルが使用される。平面バードケージコイルは、特許文献1などに開示されている。また、特許文献2にはトンネル型MRI装置が開示されている。
国際公開番号WO2008/108048 特開2003−175015号公報
MRI装置において、静磁場強度が増加すると信号雑音比が向上し、MRIの画質が向上する傾向にあるが、一方でRF電磁波照射に関する安全管理はより厳しく求められる。国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)は、単位質量あたりの吸収電力量である比吸収率(Specific Absorption Rate:SAR)の安全基準をガイドラインによって定めている。SARは電場強度の2乗に比例するため、SARの安全基準を満たすためには、被検体が強い電場に晒されることを防止する必要がある。例えば、高磁場のトンネル型MRI装置において、電場曝露を低減させたトンネル型RFコイルが特許文献2に開示されている。
一方で、オープンMRI装置で使用されるRFコイルに関しては、電場曝露を低減させた技術に関する開示はこれまでなされていない。これは、静磁場強度が1テスラ以下の従来のオープンMRI装置では、RF電磁波照射に伴う被検体の電場曝露が小さいため、SARの安全管理が深刻でなかったことが背景にある。しかし近年、1テスラ以上の静磁場強度を持つオープンMRI装置が開発され、オープンMRI装置においても、電場曝露を低減する技術が必要になると考えられる。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するため、被検体への電場曝露を低減することが可能なMRI装置等を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、RF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、第1のリング導体が複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成のMRI装置を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、RF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、第1のリング導体が複数のラング導体各々の重心より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成のMRI装置を提供する。
本発明によれば、平面バードケージコイルにおいて、電場強度を低減することができるMRI装置を実現できる。
オープンMRI装置の一例を示す外観図である。 平面バードケージコイルの一例を示す模式図である。 平面バードケージコイル近傍における電場強度の分布を説明するための図である。 平面バードケージコイルの外側のリング導体の近傍における電場強度の周方向の分布を説明するための図である。 各実施例に係る、MRI装置の一構成を示すブロック図である。 実施例1に係る、平面バードケージコイルの構成例を示す図である。 実施例1に係る、平面バードケージコイルの効果を示す図である。 実施例2に係る、平面バードケージコイルの構成例、効果を示す図である。 実施例3に係る、平面バードケージコイルの構成例、効果を示す図である。 実施例4に係る、平面バードケージコイルの構成例を示す図である。 実施例5に係る、平面バードケージコイルの構成例を示す図である。 実施例6に係る、平面バードケージコイルの構成例を示す図である。 実施例7に係る、平面バードケージコイルの構成例、効果を示す図である。 実施例8に係る、平面バードケージコイルの構成例を示す図である。
以下、本発明の種々の実施例を説明するが、それに先立ちオープンMRI装置、及び平面バードケージコイルの一構成例について説明する。図1にオープンMRI装置の外観図を示した。同図の装置は、鉛直方向の静磁場発生系を備えたMRI装置で、テーブル2に寝かせられた被検体1は静磁場発生系のボア内の撮像空間に挿入され撮像される。
図2に典型的な平面バードケージコイルの模式図を示す。以下、本明細書において、対向する1対の平面バードケージコイルによって囲まれる撮像空間の中心を座標原点に、静磁場方向をz方向と定義する。図2の(a)は斜視図、図2の(b)は静磁場の方向(z方向)から見た平面図、図2の(c)はxz平面で切った断面図である。
図2の(a)に示されるように、1対の平面バードケージコイル60は、撮像空間を取り囲むようにして、静磁場に対してコイル面が直交するよう対向して配置される。各平面バードケージコイル60は、図2の(b)に示されるように、同心円状に配置された外側のリング導体61と内側のリング導体62とが、径方向に配置された複数のラング導体63によって接続された構造を形成する。さらに、外側のリング導体61および内側のリング導体62には、複数のキャパシタ64が直列に接続される。図2の(b)および(c)に示されるように、ラング導体63には、スイッチング機能を持つダイオード65が直列に接続される。ダイオード65のON/OFFによってRF磁場の送信/受信時におけるRF送信コイルとRF受信コイルのカップリングが抑制される。
すなわち、基本的な平面バードケージコイルの構成要素は、外側のリング導体と、内側のリング導体と、両者を放射状に接続するラング導体と、リング導体に直列接続されるキャパシタと、ラング導体に直列接続されるダイオードである。また、特許文献1には、外側のリング導体と内側のリング導体に加えて、中間の大きさを持つリング導体を配置してRF磁場の均一性を高めた平面バードケージコイルが開示されている。
続いて、以上の説明した平面バードケージコイルにおいて、本発明が解決しようとする課題について説明する。
図3はオープンMRI装置で使用されるRFコイル、すなわち1対の平面バードケージコイルの近傍における電場強度分布の例を示す。図3の(a)は平面バードケージコイル60のxz平面における断面図を示す。図3の(b)は、平面バードケージコイル60から静磁場66に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度をプロットしたグラフである。図3の(b)のグラフの横軸はx軸方向の位置を表し、外側のリング導体61の半径をaとする。この分布によれば、電場強度はx=±aすなわち外側のリング導体61の近傍において著しく高い傾向にある。上述の通り、SARは電場強度の2乗に比例するので、被検体の一部が外側のリング導体61の近傍に配置された場合、SARが局所的に高くなることが懸念される。
図4は外側のリング導体61の近傍における電場強度の周方向の分布の例を示す。図4の(a)は、図2の(b)と同様、平面バードケージコイル60の平面図である。図4の(b)は平面バードケージコイル60の外側のリング導体61およびキャパシタ64を1次元に展開して表示した模式図である。図4の(c)は横軸を角度θとして、図4の(b)の各位置から静磁場66に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布68を示す。図4の(c)によれば、外側のリング導体61の近傍における電場強度分布68は、キャパシタ64の近傍において著しく高い傾向にある。すなわち、平面バードケージコイル60では、外側のリング導体61の近傍、特にキャパシタ64の近傍において、電場が局所的に高い傾向にある。
したがって、オープンMRI装置において、被検体1の一部が外側のリング導体61の近傍、特にキャパシタ64の近傍に配置された場合、SARが局所的に高くなることが懸念される。以上が、本発明が解決する課題を解決する、すなわち、被検体への電場曝露を低減することが可能なオープンMRI装置用RFコイル、及びMRI装置の各種の実施形態について説明する。
まず、図5に基づき、各実施形態に共通するオープンMRI装置の一構成例を説明する。本オープンMRI装置の外観は図1に示した通りである。図5は、MRI装置の全体構成の一例を示すブロック図である。このMRI装置は、各磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図5に示すように、MRI装置は静磁場発生系10と、傾斜磁場コイル21と傾斜磁場電源22からなる傾斜磁場発生系と、RF発振器31、変調器32、RF増幅器RF送信コイルからなる送信系と、RF受信コイル41、信号増幅器42、位相検波器43、A/D変換器44からなる受信系と、信号処理系50と、シーケンサ3と、中央処理部(CPU)4とを備えて構成される。
静磁場発生系10は、図1に示した鉛直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と実質的に直交する方向に、水平磁場方式であれば、実質的に体軸方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル21と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源22とから成り、シーケンサ3からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源22を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に実質的に直交してかつ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ3は、RF磁場と傾斜磁場をある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU4の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系、傾斜磁場発生系、及び受信系に送る。
送信系は、被検体1の生体組織を構成する原子の核スピンに核磁気共鳴を起こすために、被検体1にRF磁場を照射するもので、RF発振器31から出力されたRF信号をシーケンサ3からの指令によるタイミングで変調器32により振幅変調し、この振幅変調されたRF信号をRF増幅器33で増幅した後に被検体1に近接して配置されたRF送信コイル34に供給することにより、RF磁場が被検体1に照射される。
受信系は、被検体1の生体組織を構成する原子の核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するものである。受信系においては、送信系のRF送信コイル34から照射されたRF磁場によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置されたRF受信コイル41で検出され、信号増幅器42で増幅された後、シーケンサ3からの指令によるタイミングで位相検波器43により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器44でデジタル信号に変換され、信号処理系50に送られる。
信号処理系50は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、磁気ディスク51、光ディスク52等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ53と、操作部54を有し、受信系からのデータがCPU4に入力されると、CPU4が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ53に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク51等に記録する。
操作部54は、MRI装置の各種制御情報や信号処理系50で行う処理の制御情報を入力するもので、例えばマウスやキーボード等から成る。この操作部50はディスプレイ53に近接して配置され、操作者がディスプレイ53を見ながら操作部54を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図5において、送信系のRF送信コイル34と傾斜磁場コイル21は、被検体1が挿入される静磁場発生系10の静磁場空間内に、鉛直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置される。また、受信系のRF受信コイル41は、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
実施例1は、第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、RF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、第1のリング導体が複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成の磁気共鳴イメージング装置、及びそのRF送信コイルである平面バードケージコイルの実施例である。図1に示した鉛直磁場方式の場合、静磁場の方向である第1の方向は、鉛直方向である。
図6は実施例1に係る平面バードケージコイルの一構成例を示す図である。図6の(a)は本実施例の平面バードケージコイル70の平面図、図6の(b)はxz平面における断面図を示す。ここで、1対の平面バードケージコイルによって挟まれた空間が撮像空間であり、この撮像空間の中心を原点とし、静磁場の方向をz軸方向と定義する。図2に示される従来の平面バードケージコイルでは、外側のリング導体61、内側のリング導体62、ラング導体63、キャパシタ64、ダイオード65が同一平面上に配置されているのに対して、図6に示される本実施例の平面バードケージコイルでは、第1のリング導体である外側のリング導体71が、ラング導体73よりも、xy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。言い換えるなら、第1のリング導体が複数のラング導体より静磁場の方向である第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている。例えば、MRI装置の撮像空間が45〜50cmの場合、1〜5cm程度離すことが望ましい。
さらに、外側のリング導体71とラング導体63とが、ダイオード65によって接続される。すなわち、第1のリング導体である外側のリング導体が、複数のラング導体各々とダイオードを介して接続されている、ここで、各ダイオード75の2つの端子のうち、第1の端子は外側のリング導体71に接続され、第2の端子はラング導体73の端部に接続されることが望ましい。すなわち、ダイオード75は平面バードケージコイルの外側のリング導体71とラング導体73との間にできる段差の位置に配置されることが望ましい。ダイオード75を段差の位置に配置することにより、発熱するダイオード75を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。
図7は本実施例における平面バードケージコイルの構成例および効果を示す図である。図7の(a)は図6の(b)と同様、本実施例の平面バードケージコイル70のxz平面における断面図である。図7の(b)の点線のプロットは、図3の(b)で示される従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67を示す。図7の(b)の実線のプロットは、図3の(b)と同じ位置、すなわち平面バードケージコイル70のラング導体73から静磁場76に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布77を示す。図7の(b)のグラフの横軸はx軸方向の位置を表し、外側のリング導体71の半径をaとする。この分布によれば、本実施例の平面バードケージコイル70の電場強度分布77は、従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67に比べて、x=±aすなわち外側のリング導体の近傍において著しく低い。したがって、本実施例の平面バードケージコイル70によれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
実施例2は、実施例1の構成に加え、第2のリング導体である内側のリング導体が、複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成を有するMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。
図8は実施例2に係る、平面バードケージコイルの構成例および効果を示す図である。図8の(a)は本実施例の平面バードケージコイル80のxz平面における断面図を示す。ここで、実施例1の図7の(a)に示される平面バードケージコイル70では、第1のリング導体である外側のリング導体71のみが、ラング導体73よりも、xy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れているのに対し、本実施例の図8の(a)に示される平面バードケージコイル80では、外側のリング導体81と第2のリング導体である内側のリング導体82が、ラング導体83よりも、撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。さらに、外側のリング導体81とラング導体83とが、ダイオード85によって接続される。図8では、外側のリング導体81とラング導体83とが、ダイオード85によって接続される例を示したが、内側のリング導体82とラング導体83とが、ダイオード85によって接続されてもよい。
ここで、各ダイオード85の2つの端子のうち、第1の端子は外側のリング導体81または内側のリング導体82に接続され、第2の端子はラング導体83の端部に接続されることが望ましい。すなわち、ダイオード85は平面バードケージコイルの外側のリング導体81または内側のリング導体82とラング導体83との間にできる段差の位置に配置されることが望ましい。ダイオード85を段差の位置に配置することにより、発熱するダイオード85を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。
図8の(b)の点線のプロットは図3の(b)で示される従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67を示す。図8(b)の実線のプロットは、図3(b)と同じ位置、すなわち平面バードケージコイル80のラング導体83から静磁場86に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布87を示す。また、図8(b)のグラフの横軸はx軸方向の位置を表し、外側のリング導体81の半径をaとする。
この分布によれば、本実施例の平面バードケージコイル80の電場強度分布87は、従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67に比べて、x=±aすなわち外側のリング導体の近傍だけでなく、x=0すなわち内側のリング導体の近傍においても著しく低い。したがって、本実施例の平面バードケージコイル80によれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
実施例3は、第1のリング導体が、直列接続された複数の第1のキャパシタを具備し、複数の第1のキャパシタが第1のリング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成のMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。また、第2のリング導体が、直列接続された複数の第2のキャパシタを具備し、複数の第2のキャパシタが第2のリング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成のMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。
図9は実施例3に係る平面バードケージコイルの一構成例および効果を示す図である。図9の(a)は平面バードケージコイル90の平面図である。図9の(b)は平面バードケージコイル90の第1のリング導体である外側のリング導体91およびキャパシタ64を1次元に展開して表示した模式図である。ここで、図4の(b)に示される従来の平面バードケージコイル60では、キャパシタ64と外側のリング導体61が同一平面上に配置されているのに対して、図9の(b)に示される本実施例の平面バードケージコイルでは、キャパシタ94が、外側のリング導体91よりも、xy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。
図9の(c)の点線のプロットは図4の(c)で示される従来の平面バードケージコイル60の外側のリング導体61の近傍における電場強度分布68を示す。図9の(c)の実線のプロットは、図4の(c)と同じ位置、すなわち図9の(b)の各位置から静磁場96に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布98を示す。図9の(c)によれば、本実施例の平面バードケージコイル90の電場強度分布98は、従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布68に比べて、キャパシタの近傍において著しく低い。したがって、本実施例の平面バードケージコイル90によれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
なお、本実施例では、外側のリング導体91に直列接続されたキャパシタ74を外側のリング導体91よりも相対的にxy平面から離した例を示したが、同様に、第2のリング導体である内側のリング導体92に直列接続されたキャパシタ74を内側のリング導体92よりも相対的にxy平面から離した平面バードケージコイルも本実施例の一例であり、上記と同様の効果が得られる。
本実施例は、第1の実施例あるいは第2の実施例と組み合わせることによって各実施例の効果を高めることができる。すなわち、外側のリング導体91かつ/または内側のリング導体92が、ラング導体93よりも相対的にxy平面から離れており、かつ外側のリング導体91に直列接続されたキャパシタ74が外側のリング導体91よりも相対的にxy平面から離れており、かつ/または内側のリング導体92に直列接続されたキャパシタ74が内側のリング導体92よりも相対的にxy平面から離れている平面バードケージコイルも本実施例の一例である。
実施例4は、RF送信コイルが、第1のリング導体の径と第2リング導体の径との中間の径を有し、複数のラング導体に接続された第3のリング導体を更に有し、第1のリング導体、第2のリング導体、及び第3のリング導体が、複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成を有するMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。
図10は実施例4に係る平面バードケージコイルの一構成例と効果を示す図である。図10の(a)は本実施例の平面バードケージコイル100の平面図、図10の(b)はxz平面における断面図を示す。図10に示される実施例の平面バードケージコイルでは、第1のリング導体である外側のリング導体101、第2のリング導体である内側のリング導体102に加えて、第3のリング導体である中間のリング導体103を備える。前述のように、中間のリング導体103は、RF磁場の均一性を高める効果がある。本実施例の平面バードケージコイル100では、外側のリング導体101と内側のリング導体102と中間のリング導体103が、ラング導体104aおよび104bよりも、撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。さらに、ラング導体104aは、ダイオード106によって、外側のリング導体101あるいは中間のリング導体103と接続される。また、必要に応じてラング導体104bも、ダイオード106によって、内側のリング導体102あるいは中間のリング導体103と接続しても構わない。
ここで、各ダイオード106の2つの端子のうち、第1の端子は外側のリング導体101または内側のリング導体102または中間のリング導体103に接続され、第2の端子はラング導体104aまたは104bに接続されることが望ましい。すなわち、ダイオード106は平面バードケージコイル100の外側のリング導体101または内側のリング導体102または中間のリング導体103リング導体と、ラング導体104aまたは104bとの間にできる段差の位置に配置されることが望ましい。ダイオード106を段差の位置に配置することにより、発熱するダイオード106を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。
図10の(c)の点線のプロットは中間のリング導体を持つ従来の平面バードケージコイルの電場強度分布108を示す。図10の(c)の実線のプロットは、本実施例の平面バードケージコイル100のラング導体104aおよび104bから静磁場107に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布109を示す。図10の(c)のグラフの横軸はx軸方向の位置を表し、外側のリング導体101の半径をa、中間のリング導体103の半径をbとする。この分布によれば、中間のリング導体103を持つ本実施例の平面バードケージコイル100の電場強度分布109は、中間のリング導体を持つ従来の平面バードケージコイルの電場強度分布108に比べて、x=±aすなわち外側のリング導体の近傍、x=±bすなわち中間のリング導体の近傍、x=0すなわち内側のリング導体の近傍において著しく低い。したがって、本実施例の平面バードケージコイル100によれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
実施例5は、静磁場の方向である鉛直方向に二つのRF送信コイルが配置され、二つのRF送信コイルの少なくとも一つにおいて、第1のリング導体が複数のラング導体より鉛直方向に撮像空間から離れている構成を有するMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。言い換えると、核磁気共鳴信号を検出する対向する2つのRF受信コイルを具備し、2つのRF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体を有し、2つのRF送信コイルの少なくとも1つにおいて、第1のリング導体が複数のラング導体より鉛直方向に撮像空間から離れている構成の実施例である。
図11は本実施例における平面バードケージコイルの一例を示す図である。本例では、実施例1で示した平面バードケージコイル70と従来の平面バードケージ60を組み合わせたRF送信コイルを構成している。図11のz方向を鉛直方向上向きと定義すると、撮像空間に被検体を搭載するテーブルは、原点と平面バードケージコイル60との間に配置される。テーブル自体に数cm程度の厚みがある場合、平面バードケージコイル60に由来する電場曝露が問題とならない場合が考えられる。この場合、上部の平面バードケージコイル70にのみ実施例1の構成を適用するだけで、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。本実施例では、従来の平面バードケージコイルと実施例1のバードケージコイル70とを組み合わせた例を示したが、実施例2または実施例3または実施例4に記載各平面バードケージコイルと従来の平面バードケージコイルの組み合わせも本実施例の構成に含まれる。
実施例6は、RF送信コイルが、非金属材料によって形成される支持体の上に配置され、支持体が鍔状部と平面部と段差部とを有し、第1のリング導体が鍔状部に配置され、ラング導体が平面部に形成され、第1のリング導体が複数のラング導体の各々とダイオードを介して接続され、ダイオードが段差部に配置されている構成を有するMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。
図12は実施例6に係る平面バードケージコイルの一構成例を示す図である。図12の(a)は、本実施例の平面バードケージコイル70の支持体110の斜視図である。支持体110は、鍔状部111と平面部112と段差部113、更には通気口114を持ち、繊維強化プラスチック(FRP)などの非金属材料によって形成される。鍔状部111と平面部112の面はそれぞれ静磁場76の方向と垂直となるように配置されることが望ましい。平面バードケージコイル70は、銅箔などの薄い金属体によって形成され、可撓性を持つため、支持体110の上に形成されることが望ましい。また、ダイオード75を段差部113に配置することにより、局所的に発熱するダイオード75を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。さらに、半田付けなどの組み立て作業が簡便となる効果がある。
ラング導体73が長くなれば、さらに、RFコイルの空冷効果を高めるため、支持体110には平面部112に通気口114を形成し、鍔状部111、平面部112、段差部113には複数のスリット穴やパンチ穴を形成する。
なお、本実施例では、実施例1のバードケージコイル70を支持体110に搭載する例を示したが、実施例2または実施例3または実施例4に記載の平面バードケージコイルにおいても、同様にコイル形状に合わせて形成された支持体の上にコイルが保持されるものとする。したがって、本実施例の平面バードケージコイルによれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れ、変形する恐れが少なく、発熱が少なく、かつ組み立て作業が簡便なMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
実施例7は、第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、RF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、第1のリング導体と第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、第1のリング導体が複数のラング導体各々の重心より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成を有するMRI装置、及びそのRF送信コイルの実施例である。
図13は実施例7に係る、平面バードケージコイルの一構成例と効果を示す図である。図13の(a)は実施例7の平面バードケージコイル120の平面図、図13の(b)はxz平面における断面図を示す。ここで、1対の平面バードケージコイルによって挟まれた空間が撮像空間であり、この撮像空間の中心を原点とし、静磁場の方向をz軸方向と定義する。図13に示される本実施例の平面バードケージコイルでは、外側のリング導体121が、複数本のラング導体123各々の重心よりも、xy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。さらに、外側のリング導体121とラング導体123とが、ダイオード125によって接続される。ここで、各ダイオード125の2つの端子のうち、第1の端子は外側のリング導体121に接続され、第2の端子はラング導体123の端部に接続されることが望ましい。ラング導体123の他の端部は、内側のリング導体122に接続されている。ラング導体123各々の重心は、ラング導体123が均一な径を有する場合、その両端部のほぼ中間点に位置する。この配置により、発熱するダイオード125を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。
図13の(c)の点線のプロットは図3の(b)で示される従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67を示す。図13の(c)の実線のプロットは、図3の(b)と同じ位置、すなわち平面バードケージコイル70のラング導体73の原点に最も近い点から静磁場126に平行な方向(z軸方向)かつ原点側に数cm離れた位置における電場強度分布127を示す。図13の(c)のグラフの横軸はx軸方向の位置を表し、外側のリング導体121の半径をaとする。この分布によれば、本実施例の平面バードケージコイル120の電場強度分布127は、従来の平面バードケージコイル60の電場強度分布67に比べて、x=±aすなわち外側のリング導体の近傍において著しく低い。したがって、本実施例の平面バードケージコイル120によれば、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
なお、本実施例では、外側のリング導体121が、ラング導体123の重心よりもxy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている例を示したが、内側のリング導体122も同様に、ラング導体123の重心よりもxy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている平面バードケージコイル、例えば、その重心点付近でV字型に折れ曲がっているラング導体123を有する構成の平面バードケージコイルも本実施例の構成に含まれる。
実施例8は、第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、RF送信コイルが、リング導体と、リング導体を放射状に連結する複数のラング導体とを有し、リング導体が複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている構成の磁気共鳴イメージング装置、及びそのRF送信コイルである平面バードケージコイルの実施例である。
図14は実施例8に係る平面バードケージコイルの一構成例を示す図である。図14の(a)は本実施例の平面バードケージコイル130の平面図、図14の(b)はxz平面における断面図を示す。本実施例のRF送信コイルとなる平面バードケージコイル130は、リング導体131と、複数のラング導体133、複数のキャパシタ134、複数のダイオード135で構成される。ここで、1対の平面バードケージコイルによって挟まれた空間が撮像空間であり、この撮像空間の中心を原点とし、静磁場の方向をz軸方向と定義する。図14に示される本実施例の平面バードケージコイルでは、リング導体131が、ラング導体133よりも、xy平面すなわち撮像空間の中心を通りコイル面に平行な平面から離れている。言い換えるなら、第1のリング導体が複数のラング導体より静磁場の方向である第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている。したがって、本実施例の平面バードケージコイル130によれば、実施例1の場合と同様に、従来よりも電場曝露が低減され、安全性に関して優れたMRI装置、及びMRI装置用RF送信コイルを提供できる。
さらに、リング導体131とラング導体133とが、ダイオード135によって接続される。すなわち、リング導体が、複数のラング導体各々とダイオードを介して接続されている、ここで、各ダイオード135の2つの端子のうち、第1の端子はリング導体131に接続され、第2の端子はラング導体133の端部に接続されることが望ましい。すなわち、ダイオード135は平面バードケージコイルの外側のリング導体131とラング導体133との間にできる段差の位置に配置されることが望ましい。ダイオード135を段差の位置に配置することにより、発熱するダイオード135を撮像空間すなわち被検体から離すことができ、安全性を高めることができる。
以上説明したように、本発明では、平面バードケージコイルに特徴的な状況を鑑み、被検体へのRF電磁波照射に伴う電場曝露を低減し、電磁エネルギーの生体吸収、すなわちSARを従来よりも低減する平面バードケージコイルからなるRF送信コイル、およびそれを用いたオープンMRI装置を提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。例えば、実施例8の構成に、実施例3、実施例5、実施例6、実施例7の構成を加えることができる。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上図面を用いて詳述した記載中には、特許請求の範囲に記載した発明のみならず多くの発明が開示されている。その一部を以下に列記する。
<列記1>
静磁場中にRF磁場を発生するオープンMRI装置用RF送信コイルであって、
第1の径の第1のリング導体と、
前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、
前記第1のリング導体と前記第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、
前記第1のリング導体が前記複数のラング導体より、前記静磁場の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記2>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
前記第2のリング導体が前記複数のラング導体より、前記静磁場の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記3>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
前記第1のリング導体が、前記複数のラング導体の各々とダイオードを介して接続されている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記4>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
前記第1のリング導体が、直列接続された複数の第1のキャパシタを具備し、前記複数の第1のキャパシタが前記第1のリング導体より前記静磁場の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記5>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
前記第2のリング導体が、直列接続された複数の第2のキャパシタを具備し、前記複数の第2のキャパシタが前記第2のリング導体より前記静磁場の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記6>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
第1の径の第1のリング導体と、前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、前記第1の径と前記第2の径との中間の第3の径を有する第3のリング導体と、前記第1のリング導体と前記第2のリング導体と前記第3のリング導体を連結する複数のラング導体を有し、前記第1のリング導体と前記第2のリング導体と前記第3のリング導体が、前記複数のラング導体より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記7>
列記1に記載のRF送信コイルであって、
前記RF送信コイルが、非金属材料によって形成される支持体の上に配置され、前記支持体が鍔状部と平面部と段差部を有し、前記第1のリング導体が前記鍔状部に配置され、前記ラング導体が前記平面部に形成され、前記第1のリング導体が、前記複数のラング導体の各々とダイオードを介して接続され、前記ダイオードが段差部に配置されている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記8>
列記7に記載のRF送信コイルであって、
前記平面部に通気口を有する、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記9>
鉛直方向に発生した静磁場に設置されRF磁場を発生する、対向する2つのオープンMRI装置用RF送信コイルであって、
前記2つのRF送信コイルが、第1の径の第1のリング導体と、前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、前記第1のリング導体と前記第2のリング導体を連結する複数のラング導体を有し、前記2つのRF送信コイルの少なくとも1つにおいて、前記第1のリング導体が前記複数のラング導体より前記鉛直方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記10>
第1の方向の静磁場に設置されるオープンMRI装置用RF送信コイルであって、
第1の径の第1のリング導体と、前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、前記第1のリング導体と前記第2のリング導体を連結する複数のラング導体を有し、前記第1のリング導体が前記ラング導体の重心より第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とするRF送信コイル。
<列記11>
第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、
RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、
前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、
核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、
前記RF送信コイルが、
リング導体と、前記リング導体を放射状に連結する複数のラング導体を有し、
前記リング導体が前記複数のラング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記12>
列記11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1の方向が鉛直方向である、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記13>
列記11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記リング導体が、前記複数の前記ラング導体の各々とダイオードを介して接続されている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記14>
列記11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記リング導体が、直列接続された複数のキャパシタを具備し、複数の前記第1のキャパシタが前記リング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記15>
列記11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1の方向が鉛直方向であり、
前記鉛直方向に二つの前記RF送信コイルが配置され、
二つの前記RF送信コイルの少なくとも一つにおいて、前記リング導体が複数の前記ラング導体より鉛直方向に前記撮像空間から離れている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記16>
列記11に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記RF送信コイルが、非金属材料によって形成される支持体の上に配置され、前記支持体が鍔状部と平面部と段差部とを有し、前記リング導体が前記鍔状部に配置され、前記ラング導体が前記平面部に形成され、前記リング導体が、前記複数のラング導体の各々とダイオードを介して接続され、前記ダイオードが前記段差部に配置されている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
<列記17>
第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、
RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、
前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、
核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、
前記RF送信コイルが、
リング導体と、前記リング導体を放射状に連結する複数のラング導体とを有し、
前記リング導体が前記複数のラング導体各々の重心より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
1 被検体
2 テーブル
3 シーケンサ
4 中央処理装置(CPU)
10 静磁場発生系
21 傾斜磁場コイル
22 傾斜磁場電源
31 RF発振器
32 変調器
33 RF増幅器
34 RF送信コイル
41 RF受信コイル
42 信号増幅器
43 位相検波器
44 A/D変換器
50 信号処理系
51 磁気ディスク
52 光ディスク
53 ディスプレイ
54 操作部
60、70、80、90、100、120、130 平面バードケージコイル
61、71、81、91、101、121、131 外側のリング導体
62,72、82、92、102、122 内側のリング導体
63、73、83、93、104a、104b、123、133 ラング導体
64、74、84、94、105、124、134 キャパシタ
65、75、85、95、107、125、135 ダイオード
66、76、86、96、106、126、136 静磁場
67、68、108、 従来の平面バードケージコイル近傍の電場強度分布
77、87、98、109、127 実施例の平面バードケージコイル近傍の電場強度分布
103 中間のリング導体
110 支持体
111 鍔状部
112 平面部
113 段差部
114 通気口

Claims (10)

  1. 第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、
    RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、
    前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、
    核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、
    前記RF送信コイルが、
    第1の径の第1のリング導体と、
    前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、
    前記第1のリング導体と前記第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、
    前記第1のリング導体が前記複数のラング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第1の方向が鉛直方向である、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第2のリング導体が前記複数のラング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第1のリング導体が、前記複数の前記ラング導体の各々とダイオードを介して接続されている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第1のリング導体が、直列接続された複数の第1のキャパシタを具備し、複数の前記第1のキャパシタが前記第1のリング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第2のリング導体が、直列接続された複数の第2のキャパシタを具備し、複数の前記第2のキャパシタが前記第2のリング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記RF送信コイルは、
    前記第1のリング導体の径と前記第2リング導体の径との中間の径を有し、前記複数のラング導体に接続された第3のリング導体を更に有し、
    前記第1、第2、第3のリング導体が、前記複数のラング導体より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第1の方向が鉛直方向であり、
    前記鉛直方向に二つの前記RF送信コイルが配置され、
    二つの前記RF送信コイルの少なくとも一つにおいて、前記第1のリング導体が複数の前記ラング導体より鉛直方向に前記撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記RF送信コイルが、非金属材料によって形成される支持体の上に配置され、前記支持体が鍔状部と平面部と段差部とを有し、前記第1のリング導体が前記鍔状部に配置され、前記ラング導体が前記平面部に形成され、前記第1のリング導体が、前記複数のラング導体の各々とダイオードを介して接続され、前記ダイオードが前記段差部に配置されている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 第1の方向に静磁場を発生する静磁場発生系と、
    RF磁場を発生するRF送信コイルを含むRF送信系と、
    前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場系と、
    核磁気共鳴信号を検出するRF受信コイルを含むRF受信系と、を具備し、
    前記RF送信コイルが、
    第1の径の第1のリング導体と、
    前記第1の径より小さい第2の径を有する第2のリング導体と、
    前記第1のリング導体と前記第2のリング導体を連結する複数のラング導体とを有し、
    前記第1のリング導体が前記複数のラング導体各々の重心より前記第1の方向と平行な方向に撮像空間から離れている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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