JP2016178627A - 体感振動ヘッドホン - Google Patents

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Abstract

【課題】迫力ある重低音や臨場感が得られる体感振動ヘッドホンを提供する。【解決手段】ヘッドホン100は、第1チャンネル(右チャンネル)の音声信号に基づき生成された音波を出力する電気音響変換器50aと、音声信号を機械的振動に変換して振動する振動ドライバー30aとを含む第1のハウジング20aと、第2チャンネル(左チャンネル)の音声信号に基づき生成された音波を出力する電気音響変換器50bと、音声信号を機械的振動に変換して振動する振動ドライバー30bとを含む第2のハウジング20bとを備える。振動ドライバー30a、30bが双方振動した際に、振動ドライバー30a、30bの振動において少なくとも2つの共振周波数が現われるように、振動ドライバー30a、30bの共振周波数が設定されている。【選択図】図2

Description

本開示は、音声信号に基づき再生した音とともに、音声信号に基づき発生させた振動を使用者に伝達するヘッドホンに関する。
近年、スピーカーユニットに骨伝導振動ドライバー(振動ユニット)を搭載した重低音から中高音域まで再現するハイブリッド骨伝導ヘッドホン(体感振動ヘッドホンとも称す)が商品化されている。
特許文献1は、音声信号を音に変換する音響変換装置と音声信号を機械振動に変換して、直接聴覚神経に伝える骨伝導を備えることで、より臨場感を与える構造を開示する。
特開昭63−86997号公報
本開示は、映画館・コンサート会場での視聴のような、迫力ある重低音や臨場感が得られる体感振動ヘッドホンを提供する。
本開示にかかるヘッドホンは、第1チャンネルの音声信号に基づき生成された音波を出力する第1の電気音響変換器と、音声信号を機械的振動に変換して振動する第1の振動部とを含む第1のハウジングと、第2チャンネルの音声信号に基づき生成された音波を出力する第2の電気音響変換器と、音声信号を機械的振動に変換して振動する第2の振動部とを含む第2のハウジングと、を備える。第1の振動部および第2の振動部が双方振動した際に、第1の振動部および第2の振動部の振動において少なくとも2つの共振周波数が現われるように、第1の振動部および第2の振動部の共振周波数が設定されている。
本開示にかかる体感振動ヘッドホンは、右のハウジングに固定された振動ドライバーに組み込まれたスプリングで発生する振動がヘッドバンドを介して左のハウジングに伝わり、左のハウジングに固定された振動ドライバーに組み込まれたスプリングで発生する振動がヘッドバンドを介して右のハウジングに伝わる構造である。
本開示のヘッドホンの構成により、振動部による振動の周波数帯域を拡張できる。振動の周波数帯域が拡張されることで、音楽ソースを視聴する際に、使用者はより迫力のある重低音を体感でき、より臨場感を味わうことができる。
実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンの外観図 実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンのハウジング内の構成を示す断面図 実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンの電気回路の構成を示すブロック図 従来の体感振動ヘッドホンにおいて、左チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図 従来の体感振動ヘッドホンにおいて、右チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図 従来の体感振動ヘッドホンの振動レベルの周波数特性を示す図 振動レベルの周波数特性の測定ポイントを説明するための図 実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンにおいて、左チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図 実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンにおいて、右チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図 実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンの振動レベルの周波数特性を示す図 構成例1の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例1の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例1の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例1の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例2の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例2の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例2の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例2の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例3の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例3の右のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例3の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例3の左のハウジングにおける振動ドライバーを示す図 構成例4の振動ドライバーを示す図 構成例4の振動ドライバーにおける振動レベルの周波数特性を示す図 構成例5の振動ドライバーを示す図 構成例5の振動ドライバーにおける振動レベルの周波数特性を示す図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本発明者は、従来のヘッドホンで映画・音楽・ゲーム等の種々の音楽ソースを視聴したところ、映画館やコンサート会場のような重低音や臨場感の感じ方が十分でないことが判った。そして、本発明者は、映画・ゲーム等の音楽において特に低域の音声を分析したところ、60Hzや80Hzの特定の周波数の音のレベルが大きい場合があることを発見した。また、音声信号を音に変換する音響変換装置と、音声信号を機械振動に変換して、直接聴覚神経に伝える骨伝導のための構成(振動ドライバー)とを備える従来のヘッドホンの分析を行ったところ、骨伝導のための振動に関して周波数帯域が狭いことが判った。本発明者は、これらの知見に基づき、以下に説明する本開示のヘッドホンを考案するに至った。
(実施の形態1)
以下、添付の図面を用いて、実施の形態について説明する。
1.体感振動ヘッドホンの構成及び動作
本実施形態の体感振動ヘッドホンは、音声信号に基づき再生した音とともに、音声信号に基づき発生させた振動を使用者に伝達するヘッドホンである。図1は、実施の形態1に係る体感振動ヘッドホン(以下「ヘッドホン」という)100の外観図である。また、図2は、体感振動ヘッドホン100のハウジング内の構成を示す断面図である。
ヘッドホン100は、右のハウジング20aと左のハウジング20bを硬質なヘッドバンド10aで連結するオーバーヘッドホンタイプのヘッドホンである。また、ヘッドホン100は、ヘッドバンド10bにより頭部に装着される。
ハウジング20a、20bはそれぞれ、入力した音声信号を音波(空気の振動)に変換する電気音響変換器50a、50bと、入力した音声信号を機械的振動に変換する振動ドライバー(振動ユニット)30a、30bとを収容する。また、ハウジング20a、20bは、それぞれ、信号処理のための電気回路75を実装した回路基板70も収容する。
電気音響変換器50a、50bは不図示の振動板を有し、音声信号に基づき振動板を振動させることで入力した音声信号を音波(空気の振動)に変換する装置(例えば、スピーカ)である。電気音響変換器50a、50bから出力された音波は使用者の耳の鼓膜に伝えられる。
振動ドライバー30a、30bは、音声信号を機械的振動に変換する電磁型の振動ドライバーである。振動ドライバー30a、30bは、不図示の信号線を介して伝送される音声信号が伝わるコイル32と、コイル32による磁界変動に応じて上下に振動するマグネット33と、マグネット33に重量を付加するウェイト34と、ウェイト34に結合されたスプリング(振動子)31a、31bと、ケース35とで構成されている。ケース35は、マグネット33、コイル32及びウェイト34を収容する。さらに、ケース35は、スプリング31a、31bを介してマグネット33の機械的振動を外部に伝達する。スプリング31a、31bは骨伝導のための振動を生成する振動子であり、例えば、板バネで構成される。振動ドライバー30a、30bで生成された振動は、イヤーパッド40及びヘッドバンド10aを介して使用者の頭部に伝えられる。
なお、以下の説明では、左右のハウジング20a、20bを区別なく説明する場合は、ハウジングに対して参照符号「20」を使用する。同様に、左右の振動ドライバー30a、30bを区別なく説明する場合、振動ドライバーに対して参照符号「30」を使用する。同様に、スプリング31a、31bを区別なく説明する場合、スプリングに対して参照符号「31」を使用する。
本実施形態のヘッドホン100では、右のハウジング20aに取り付ける振動ドライバー30aと、左のハウジング20bに取り付ける振動ドライバー30bとは、互いに異なる共振周波数を有する。これにより、後述するように、体感振動ヘッドホン全体の振動周波数帯域を拡大している。振動ドライバー30の共振周波数は、振動ドライバーを構成する構成要素(例えば、スプリング31、マグネット33及びウェイト34)の重量や形状等を工夫することにより所望の値に設定できる。
右のハウジング20aと左のハウジング20bは、硬質なヘッドバンド10aで連結されている。この構成により、右のハウジング20aに固定された振動ドライバー30aに組み込まれたスプリング31aで発生する振動がヘッドバンド10aを介して左のハウジング20bに伝わる。同様に、左のハウジング20bに固定された振動ドライバー30bに組み込まれたスプリング31bで発生する振動がヘッドバンド10aを介して右のハウジング20aに伝わる。
図3は、ヘッドホン100の電気回路75の構成を示すブロック図である。電気回路75は、ヘッドホン用アンプ71と、フィルタ72と、振動ドライバー用アンプ73と、無線回路74とを含む。電気回路75の各回路71〜74は回路基板70上に実装される。ヘッドホン用アンプ71の出力は、電気音響変換器50に接続され、振動ドライバー用アンプ73の出力は振動ドライバー30内のスプリング31に接続される。
2.動作
以上のように構成されるヘッドホン100の動作を説明する。
電気回路75は、タブレット端末、スマートホン、DVDプレーヤ、TVなど音楽再生機器のヘッドホン出力から音声信号を入力する。電気回路75は、入力した音声信号から、スプリング31及び電気音響変換器50を駆動するための信号を生成する。
具体的には、タブレット端末等の音楽再生機器から送信された音声信号は、無線回路74により受信され、ヘッドホン用アンプ71に入力される。ここで、無線回路74は、WiFiやBluetooth(登録商標)等の通信規格にしたがった通信を行う回路である。
ヘッドホン用アンプ71は、無線回路74から入力した音声信号を増幅し、電気音響変換器50に出力する。電気音響変換器50は、増幅された信号に基づき音声を再生(出力)する。
ヘッドホン用アンプ71の出力信号は、フィルタ72にも入力される。フィルタ72は、所定の周波数以下の周波数の信号を通過させる。本実施形態では、フィルタ72は、100Hzを超える信号を除去(遮断)するLPF(ローパスフィルタ)で構成される。フィルタ72を通過した100Hz以下の信号は、振動ドライバー用アンプ73に入力されて増幅され、スプリング31に入力される。
スプリング31は、振動ドライバー用アンプ73からの出力信号に基づき振動する。このように、振動ドライバー用アンプ73に100Hz以下の重低音の音声信号が入力されると、スプリング31が振動する。スプリング31の振動は、ヘッドホン100のイヤーパッド40及びヘッドバンド10aを介して使用者の頭部に伝えられる。使用者は、電気音響変換器50で再生された音声と共に、スプリング31による振動を体感することで、迫力のある音を体感できる。
以上のように、振動ドライバー用アンプ73は、フィルタ72を介して取り出した低域の音声信号を増幅し、振動ドライバー30に出力する。振動ドライバー30は低域(例えば、50Hz〜100Hz)の信号が入力された時に振動する。振動ドライバー30は、使用者が聴いている音と同期して振動する。
これにより、使用者に対して音と振動が同じタイミングで脳に伝わるため、使用者は電気音響変換器50からの音だけを聴く場合に比べて、重低音や臨場感を体感できる。振動ドライバー30は、ハウジング20に固定されているため、振動ドライバー30の振動はハウジング20に伝わる。
そして、ハウジング20に伝わった振動がイヤーパッド40に伝わる。イヤーパッド40は耳の周囲の皮膚と接触し、直接振動が、聴覚神経に伝わる構造であるため、使用者は、鼓膜で音を聞くと共に、体で振動を感じ取ることができる。
3.振動ドライバーによる振動の周波数特性
本実施形態のヘッドホン100により生成される振動の周波数特性について説明する。
まず、従来の体感振動ヘッドホンにおける振動レベルの周波数特性を説明する。図4Aは、従来の体感振動ヘッドホンにおいて左チャンネル(Lch)のみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図である。図4Bは、従来の体感振動ヘッドホンにおいて、右チャンネル(Rch)のみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図である。図4Cは、従来の体感振動ヘッドホンにおける振動レベルの周波数特性を示す図である。図4A〜図4Cにおいて、縦軸は振動レベル、横軸は周波数を示す。図5は、振動レベルの周波数特性の測定ポイントを説明するための図である。
図4A〜図4Cに示すデータは、図5に示すように、ダミーヘッドに従来の体感振動ヘッドホンを装着し、ダミーヘッドのLchA、RchBの測定ポイントに加速度ピックアップを付けて、周波数を変化させながら振動レベルを測定した。この時の振動ドライバー30a、30bに組み込まれたスプリング31a、31bの共振周波数は60Hzに設定してある。
図4Aは、Lchのみに信号を加えてダミーヘッドのLchAのポイントの振動レベルの周波数特性を測定した結果を示す。図4Aに示すように、Lchの振動レベルは、60Hzでピークとなっている。図4Bは、Rchのみに信号を加えてダミーヘッドのRchBのポイントの振動レベルの周波数特性を測定した結果を示す。図4Bに示すように、Rchの振動レベルも60Hzでピークとなっている。
図4Cは、Lch、Rch両方に信号を加えて、ダミーヘッドのLchAのポイントとRchBのポイントそれぞれの振動レベルの周波数特性を測定した結果を示す。図4Cに示すように、Lch、Rchの振動レベルは、概ね同じ結果を示す。また、振動レベルの振幅は、片方のチャンネルのみの場合に比べ大きくなったが、周波数特性は変わらず、60Hzでピークとなっている。このように、従来の体感振動ヘッドホンでは、Lch,Rch両方に信号を加えても、ハウジング20a、20bに伝わる振動周波数帯域は狭いままである。実際に、映画やゲームの音楽ソースを視聴したところ、映像と振動がリンクしないことがあり、臨場感に欠けていた。
この課題を解決するために、本実施形態のヘッドホン100では、骨伝導に関する振動周波数帯域を拡大するように振動ドライバー30を構成した。具体的には、右のハウジング20aに取り付ける振動ドライバー30aに組み込まれたスプリング31aの共振周波数と、左のハウジング20bに取り付ける振動ドライバー30bに組み込まれたスプリング31bの共振周波数とを異ならせた。
図6Aは、実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンにおいて、左チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図である。図6Bは、実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンにおいて、右チャンネルのみに信号を加えた場合の振動レベルの周波数特性を示す図である。図6Cは、実施の形態1に係る体感振動ヘッドホンにおける振動レベルの周波数特性を示す図である。図6A〜図6Cにおいて、縦軸は振動レベル、横軸は周波数を示す。
本実施形態のヘッドホン100では、左右のハウジング20a、20b内の振動ドライバー30a、30bの共振周波数を互いに異ならせている。図6A〜図6Cに示すデータは、図5に示すようなダミーヘッドにヘッドホン100を装着し、ダミーヘッドのLchA、RchBの測定ポイントに加速度ピックアップを付けて測定した。
この場合、右のハウジング20aにおいて、振動ドライバー30aに組み込まれたスプリング31aの共振周波数は60Hzに設定した。一方、左のハウジング20bにおいて、振動ドライバー30bに組み込まれたスプリング31bの共振周波数は80Hzに設定した。
図6Aは、Lchのみに信号を加えてダミーヘッドのLchAのポイントの振動レベル対周波数を測定した結果を示す。図6Aに示すように、Lchの振動レベルは60Hzにピークが現れるとともに、80Hz付近にもピークが現れ、振動周波数帯域が広くなっている。
図6Bは、Rchのみに信号を加えてダミーヘッドのRchBのポイントの振動レベル対周波数を測定した結果を示す。図6Bに示すように、振動レベルは、80Hzにピークが現れているが、60Hzにもピークが現れ、振動周波数帯域が広くなっている。
図6Cは、Lch、Rch両方に信号を加えてダミーヘッドのLchAのポイントとRchBのポイントそれぞれの振動レベルの周波数特性を測定した結果を示す。図6Cに示すように、Lch、Rchの振動レベルは、60Hzおよび80Hzにピークが現れ、振動周波数帯域が広くなっている。この場合、60Hz、80Hzにおいては、概ね同じ強さの振動レベルとなる。
このように、実施の形態1の体感振動ヘッドホンでは、LchAのポイントとRchBのポイントの双方において、60Hzと80Hzそれぞれで共振周波数が観測された。これは、右のハウジング20aと左のハウジング20bを硬質なヘッドバンド10aで連結されているため、一方のハウジングの振動が他方のハウジングに伝達されるためである。
すなわち、本実施形態のように、左右のハウジング20a、20b内の振動ドライバー30a、30bの共振周波数を異ならせたことにより2つの共振周波数が現われ、振動周波数帯域が拡張される。本実施形態では、図4A〜図4Cに示す従来の構成のものと比較すると振動周波数帯域が5倍も広くなっている。実際に、本実施形態のヘッドホン100で映画やゲームの音楽ソースを視聴してみたところ、従来の構成のものと比較して、体で感じる重低音と臨場感が良くなり、実際の映画館やコンサート会場に近い体感が味わえるようになった。
4.振動ドライバーの構成例
以下、本実施の形態におけるヘッドホン100に使用される振動ドライバー30の具体的な構成例をいくつか示す。
(A)構成例1
図7A〜図7Dに構成例1の振動ドライバー30a、30bの構成を示す。図7A、図7Bは、構成例1の右のハウジング20aにおける振動ドライバー30aを示す断面図である。図7C、図7Dは、構成例1の左のハウジング20bにおける振動ドライバー30bを示す断面図である。
図7B、図7Dに示すように、構成例1では、左右の振動ドライバー30a、30bにおけるスプリング31a、31bの形状を異ならせることで、左右の振動ドライバー30a、30b全体の共振周波数を異ならせている。
具体的には、右のハウジング20aにおける振動ドライバー30aに組み込まれるスプリング31aと、左のハウジング20bにおける振動ドライバー30bに組み込まれるスプリング31bとの間で、スプリング31a、31bの腕の長さを異ならせている。これにより、左右の振動ドライバー30a、30bの間で共振周波数を異ならせている。
より具体的には、左のハウジング20bのスプリング31bの腕の長さL2を、右のハウジング20aのスプリング31aの腕の長さL1よりも短くしている。これにより、右のハウジング20aの振動ドライバー30aの共振周波数が60Hzであるのに対して、左のハウジング20bの振動ドライバー30bの共振周波数を80Hzとした。
(B)構成例2
図8A〜図8Dは、構成例2の振動ドライバー30a、30bの構成を示す。図8A、図8Bは、構成例2の右のハウジング20aにおける振動ドライバー30aを示す断面図である。図8C、図8Dは、構成例2の左のハウジング20bにおける振動ドライバー30bを示す断面図である。
構成例2では、右のハウジング20aにおける振動ドライバー30aに組み込まれるスプリング31aと、左のハウジング20bにおける振動ドライバー30bに組み込まれるスプリング31bとの間で、スプリング31の腕の太さ(幅)を異ならせて、左右の振動ドライバー30a、30bの間で共振周波数を異ならせている。
具体的には、スプリング31bの腕の太さ(幅)W2をスプリング31aの腕の太さ(幅)W1よりも太くしている。これにより、右のハウジング20aの振動ドライバー30aの共振周波数が60Hzであるのに対して、左のハウジング20bの振動ドライバー30bの共振周波数を80Hzとした。
(C)構成例3
図9A〜図9Dは、構成例3の振動ドライバー30a、30bの構成を示す。図9A、図9Bは、構成例3の右のハウジング20aにおける振動ドライバー30aを示す断面図である。図9C、図9Dは、構成例3の左のハウジング20bにおける振動ドライバー30bを示す断面図である。
構成例3では、ヘッドホン100におけるハウジング20a、ハウジング20bに取り付けられる振動ドライバーに組み込まれるスプリング31a、31bは同じ形状のものを使用している。しかし、左のスプリング31bに重り36を付加している。これにより、左の振動ドライバー30bの共振周波数を、右の振動ドライバー30aの共振周波数と異ならせている。なお、重り36の材質は、どのようなのもでも良い。例えば、ゴム、鉄などである。
(D)構成例4
構成例1〜構成例3では、1つのスプリング31(すなわち、振動ドライバー)が共振周波数を1つのみ有する構成例を示したが、1つのスプリング(すなわち、振動ドライバー)が2つの共振周波数を有してもよい。この場合でも、振動ドライバーの振動周波数の帯域を拡大できる。
図10は、構成例4の振動ドライバーを示す断面図である。図10は、2つの共振周波数を有するスプリング31の構成例を示す。構成例1〜構成例3では、1つのスプリングにおいて、それぞれの腕は同じ長さを有していた。これに対して、構成例4では、スプリング31において、各腕の長さL1,L2,L3を異なる長さとしている。
図11は、構成例4の振動ドライバー30における振動レベルの周波数特性を示した図である。図11において、実線Aは、比較例として、各腕の長さが等しいスプリングを含む振動ドライバーの周波数特性を示す。実線Aで示す振動レベルのピークが1つであるので、1つの共振周波数を有する。破線Bは、構成例4の振動ドライバーの周波数特性を示す。波線Bで示す振動レベルのピークは2つ存在する。
すなわち、構成例4の振動ドライバー30は、2つの共振周波数を有する。スプリング31の形状を工夫することで、破線Bに示すように、1つの振動ドライバーが2つの共振周波数を有するように、振動ドライバーを構成できることがわかる。
(E)構成例5
図12は、構成例5の振動ドライバーを示す断面図である。図12は、2つの共振周波数を持つスプリング31の構成例を示す。構成例5では、スプリング31において、各腕の長さL1,L2,L3および太さ(幅)W1,W2,W3をそれぞれ異なる値としている。
図13は、構成例5のスプリング31を含む振動ドライバー30の周波数特性を示した図である。図13において、実線Aは、比較例として、各腕の長さおよび太さが等しいスプリングを含む振動ドライバーの周波数特性を示す。実線Aで示す振動レベルのピークは1つであるので、1つの共振周波数を有する。破線Bは、構成例5のスプリングを含む振動ドライバーの周波数特性を示す。波線Bで示す振動レベルには2つのピークが存在する。
すなわち、構成例5の振動ドライバー30は、2つの共振周波数を有する。スプリング31の形状を工夫することで、破線Bに示すように、1つの振動ドライバーが2つの共振周波数を有するように振動ドライバーを構成できることがわかる。
構成例4、構成例5に示すように、スプリング31の形状を工夫することで1つのスプリング31(すなわち、振動ドライバー)が2つの共振周波数を有するように構成できる。よって、左右のハウジング20a、20bの少なくとも一方における振動ドライバーを2つの共振周波数を有するように構成することによっても、振動周波数の帯域を拡張することができる。
なお、構成例4、構成例5では、スプリング31の形状を工夫することで1つの振動ドライバー30が2つの共振周波数を有するように構成したが、他の要素を工夫することで1つの振動ドライバー30が2つの共振周波数を有するようにしてもよい。なお、図11、図13では、共振周波数が100Hzを超えているので、構成例4、構成例5においては、フィルタ72のカットオフ周波数を100Hzよりも高い値に設定する必要がある。
5.効果、等
以上のように、本実施形態のヘッドホン100は、右チャンネル(第1チャンネルの一例)の音声信号に基づき生成された音波を出力する電気音響変換器50aと、音声信号を機械的振動に変換して振動する振動ドライバー30a(第1の振動部の一例)とを含むハウジング20aと、左チャンネル(第2チャンネルの一例)の音声信号に基づき生成された音波を出力する電気音響変換器50bと、音声信号を機械的振動に変換して振動する振動ドライバー30b(第2の振動部の一例)とを含むハウジング20bとを備える。
振動ドライバー30aおよび30bが双方振動した際に、振動ドライバー30aおよび30bの振動において少なくとも2つの共振周波数が現われるように、振動ドライバー30aおよび30bの共振周波数が設定される。
このようなヘッドホン100は、電気音響変換器50a、50bからの音を使用者の鼓膜に伝えるとともに、重低音の信号を電気音響変換器50とは別に、振動ドライバー30a、30bで、振動として使用者の体(頭部)に伝えることができる。これにより、使用者に、重低音に関して迫力ある音を体感させることができるとともに、臨場感を与えることができる。
特に、右のハウジング20aの振動ドライバー30aの共振周波数と、左のハウジング20bの振動ドライバー30bの共振周波数とを異ならせたことにより、図6Cに示すように、振動周波数帯域を拡張できるため、映画館・コンサート会場での視聴のような、迫力ある重低音や臨場感を使用者に体感させることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素に他の要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記の実施の形態では、コイル32とマグネット33を使用した電磁型の振動ドライバーを説明したが、振動ドライバーの構成として、圧電型や動電型、静電型等の様々なものを用いることが出来る。
上記の実施形態では、フィルタ(LPF)72のカットオフ周波数を100Hzとしたが、カットオフ周波数はこれに限定されない。骨伝導による効果を考慮し、カットオフ周波数を100Hzよりも高い値または低い値に適宜設定してもよい。
上記の実施の形態で示した振動ドライバー30の共振周波数の値は一例であり、共振周波数は他の値であってもよい。例えば、共振周波数は50〜100Hzの範囲内の任意の値であってもよい。
上記の実施の形態では、振動ドライバー30aおよび振動ドライバー30bの双方が振動した際に、図6C、図11、図13に示すように、振動ドライバー30aおよび振動ドライバー30bによる振動において2つの共振周波数が現われるよう、振動ドライバー30aおよび振動ドライバー30bを構成した。
しかしながら、共振周波数の数は2に限定されない。3以上の共振周波数が現れるように振動ドライバー30を構成してもよい。複数の共振周波数を出現させることで、振動周波数の帯域を拡張することができるからである。
上記の実施の形態では、電気回路75に無線回路74を搭載し、音声信号を受信するようにしているが、無線回路74を使用せず、信号ケーブルを介して音声信号をヘッドホン用アンプ71に入力しても良い。
上記の実施の形態では、3つの支点(腕)を有するスプリング31の構成を説明したが、支点(腕)の数は1つでも4つでも良い。すなわち、左右のハウジング20a、20bが異なる共振周波数を有するように、バネ共振が発生するような構成(形状)であれば、スプリング31を任意の形状で形成してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、音声信号に基づき再生した音とともに、音声信号に基づき発生させた振動を使用者に伝達するヘッドホンに適用可能である。
10a,10b ヘッドバンド
20,20a,20b ハウジング
30,30a,30b 振動ドライバー
31,31a,31b スプリング
32 コイル
33 マグネット
34 ウェイト
35 ケース
36 重り
40 イヤーパッド
50,50a,50b 電気音響変換器
70 回路基板
71 ヘッドホン用アンプ
72 フィルタ
73 振動ドライバー用アンプ
74 無線回路
75 電気回路
100 体感振動ヘッドホン(ヘッドホン)

Claims (5)

  1. 第1チャンネルの音声信号に基づき生成された音波を出力する第1の電気音響変換器と、音声信号を機械的振動に変換して振動する第1の振動部とを含む第1のハウジングと、
    第2チャンネルの音声信号に基づき生成された音波を出力する第2の電気音響変換器と、音声信号を機械的振動に変換して振動する第2の振動部とを含む第2のハウジングと、を備え、
    前記第1の振動部および前記第2の振動部が双方振動した際に、前記第1の振動部および前記第2の振動部の振動において少なくとも2つの共振周波数が現われるように、前記第1の振動部および前記第2の振動部の共振周波数が設定された、
    体感振動ヘッドホン。
  2. 前記第1の振動部の共振周波数と前記第2の振動部の共振周波数とが互いに異なる、請求項1に記載の体感振動ヘッドホン。
  3. 前記第1の振動部および前記第2の振動部の少なくともいずれか一方が、少なくとも2つの共振周波数を有する、請求項1に記載の体感振動ヘッドホン。
  4. 前記第1のハウジングは、所定の周波数以下の周波数の音声信号を通過させる第1のローパスフィルタを有し、前記第2のハウジングは、前記所定の周波数以下の周波数の音声信号を通過させる第2のローパスフィルタを有し、
    前記第1の振動部は前記第1のローパスフィルタを通過した音声信号を機械的振動に変換して振動し、前記第2の振動部は前記第2のローパスフィルタを通過した音声信号を機械的振動に変換して振動する、
    請求項1に記載の体感振動ヘッドホン。
  5. 前記第1及び第2のローパスフィルタは100Hzを超える周波数の信号を遮断する、請求項4に記載の体感振動ヘッドホン。
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