JP2016178295A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2016178295A
JP2016178295A JP2016051089A JP2016051089A JP2016178295A JP 2016178295 A JP2016178295 A JP 2016178295A JP 2016051089 A JP2016051089 A JP 2016051089A JP 2016051089 A JP2016051089 A JP 2016051089A JP 2016178295 A JP2016178295 A JP 2016178295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
inorganic
barrier layer
resin
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016051089A
Other languages
English (en)
Inventor
明伸 早川
Akinobu Hayakawa
明伸 早川
峻士 小原
Shunji Ohara
峻士 小原
麻由美 湯川
Mayumi Yukawa
麻由美 湯川
智仁 宇野
Tomohito Uno
智仁 宇野
元彦 浅野
Motohiko Asano
元彦 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Publication of JP2016178295A publication Critical patent/JP2016178295A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】耐久性に優れ、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ない太陽電池を提供する。
【解決手段】陰極2と、陽極3と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層4とを有する太陽電池1であって、前記光電変換層が、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、前記陰極上又は前記陽極上のいずれか一方に無機層5が配置され、前記無機層上に水蒸気透過率が1×10−3〜10g/m/dayであるバリア層6が配置されている太陽電池。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐久性に優れ、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ない太陽電池に関する。
従来から、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体を備えた光電変換素子が開発されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献1には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、フラーレンに代わる材料が求められている。
特開2006−344794号公報
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
本発明は、耐久性に優れ、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ない太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池であって、前記光電変換層が、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、前記陰極上又は前記陽極上のいずれか一方に無機層が配置され、前記無機層上に水蒸気透過率が1×10−3〜10g/m/dayであるバリア層が配置されている太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、陰極と、陽極と、上記陰極と上記陽極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池において、上記光電変換層に有機無機ペロブスカイト化合物を用いることを検討した。上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることで、高い光電変換効率が期待できる。また、本発明者らは、上記陰極上又は上記陽極上のいずれか一方に無機層を配置し、上記無機層上にバリア層を配置することで封止を行い、太陽電池の耐久性を向上させることを検討した。
しかしながら、太陽電池は長期間に渡って屋外で使用されるため、何らかの衝撃等により上記無機層に剥離又はクラックが生じることがある。この場合、上記無機層の剥離又はクラックが生じた箇所を外部から目視で確認することが難しいため、性能が低下した太陽電池セルを発見することが難しく、メンテナンスしにくいことが問題である。また、何らかの刺激等により上記バリア層が剥がれた場合には、上記無機層の剥離又はクラックが生じた箇所を通って雨等とともに漏出物(例えば、有機無機ペロブスカイト化合物に含まれる鉛、スズ等の環境に深刻な影響を及ぼす化合物)が流れ出てしまい、環境汚染につながる恐れがある。
なお、近年、色素増感型太陽電池の研究も盛んに行われている。色素増感型太陽電池においても、剥離又はクラックが生じた場合にはその箇所を外部から目視で確認することが難しいため、性能が低下した太陽電池セルを発見することが難しく、メンテナンスしにくいことが問題である。また、色素増感型太陽電池は一般的に内部に電解液を含むため、剥離又はクラックが生じた箇所を通って雨等とともに電解液が流れ出てしまい、環境汚染につながる恐れがある。
このような問題に対して、本発明者らは、上記有機無機ペロブスカイト化合物が水分と反応して黒色から黄色に色が変化することに着目し、上記無機層に剥離又はクラックが生じた場合にその箇所を外部から目視で確認できる太陽電池を作製することを検討した。
その結果、本発明者らは、上記バリア層を、特定範囲の水蒸気透過率を有するバリア層とすることで、高い耐久性を保ちつつ、上記無機層に剥離又はクラックが生じた場合には、上記有機無機ペロブスカイト化合物が上記バリア層を透過した水分と反応して色が変化し、上記無機層の剥離又はクラックが生じた箇所を外部から目視で確認できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、色素増感型太陽電池に含まれる電解液は、水分により色が変化しないことが知られている。
本発明の太陽電池は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層とを有するものである。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記陰極及び上記陽極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。なお、上記陽極は、パターニングされた電極であることが多い。
陰極材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む。上記光電変換層が上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池は、有機無機ハイブリッド型太陽電池とも呼ばれる。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であることにより、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。なお、ここでいう有機半導体又は無機半導体は、後述する電子輸送層又はホール輸送層としての役割を果たしてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機半導体又は上記無機半導体を含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
本発明の太陽電池においては、上記陰極と上記光電変換層との間に、電子輸送層が配置されていてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池においては、上記陽極と上記光電変換層との間に、ホール輸送層が配置されていてもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池は、更に、基板等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
本発明の太陽電池は、上記陰極上又は上記陽極上のいずれか一方に無機層が配置され、上記無機層上にバリア層が配置されたものである。
これにより、上記無機層及び上記バリア層が水蒸気バリア性を有し、水分が上記光電変換層の内部に浸透することを抑制できるため、太陽電池の耐久性を向上させることができる。また、上記バリア層により、異物等から太陽電池を保護することもできる。
上記無機層は、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を含むことが好ましい。上記金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物は、水蒸気バリア性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記無機層に水蒸気バリア性及び柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
なかでも、上記金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物は、一般式ZnSnで表される金属酸化物であることが特に好ましい。上記無機層に上記一般式ZnSnで表される金属酸化物を用いることにより、上記金属酸化物がスズ(Sn)原子を含むため、上記無機層に適度な可撓性を付与することができ、上記無機層の厚みが増した場合であっても応力が小さくなるため、上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑えることができる。これにより、上記無機層の水蒸気バリア性を高め、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
上記一般式ZnSnで表される金属酸化物においては、ZnとSnとの総和に対するSnの比Xs(重量%)が70>Xs>0を満たすことが好ましい。
なお、上記無機層中の上記一般式ZnSnで表される金属酸化物に含まれる亜鉛(Zn)、スズ(Sn)及び酸素(O)の元素比率は、X線光電子分光(XPS)表面分析装置(例えば、VGサイエンティフィックス社製のESCALAB−200R等)を用いて測定することができる。
上記無機層は、上記一般式ZnSnで表される金属酸化物を含む場合、更に、ケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を含むことが好ましい。
上記無機層にケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を添加することにより、上記無機層の透明性を高め、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記無機層の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、上記無機層が充分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐久性が向上する。上記厚みが3000nm以下であれば、上記無機層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は100nm、更に好ましい上限は500nmである。
なお、上記無機層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE−3000等)を用いて測定することができる。
上記バリア層は、水蒸気透過率が1×10−3〜10g/m/dayである。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、水分と反応して黒色から黄色に色が変化する。このため、上記バリア層を、上記範囲の水蒸気透過率を有するバリア層とすることで、高い耐久性を保ちつつ、上記無機層に剥離又はクラックが生じた場合には、上記有機無機ペロブスカイト化合物が上記バリア層を透過した水分と反応して色が変化し、上記無機層の剥離又はクラックが生じた箇所を外部から目視で確認することができる。従って、本発明の太陽電池は、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ないものである。
上記バリア層の水蒸気透過率が1×10−3g/m/day以上であれば、上記無機層に剥離又はクラックが生じた場合には、上記有機無機ペロブスカイト化合物が上記バリア層を透過した水分と反応して色が変化し、上記無機層の剥離又はクラックが生じた箇所を外部から目視で確認することができる。上記バリア層の水蒸気透過率が10g/m/day以下であれば、水分が上記光電変換層の内部に浸透することを抑制できるため、太陽電池の高い耐久性を保つことができる。上記バリア層の水蒸気透過率の好ましい下限は1×10−1g/m/day、より好ましい下限は1g/m/dayであり、好ましい上限は5g/m/dayである。
なお、上記バリア層の水蒸気透過率は、例えば、JIS K7126(差圧法)に準拠した差圧式のガスクロマトグラフ法によって、ガス・蒸気透過率測定装置(GTRテック社製 装置名GTR−300XASC)を用いて測定することができる。
上記バリア層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.05μmである。上記バリア層の厚みが0.05μm以上であれば、上記無機層に剥離又はクラックが生じた場合にも上記バリア層に剥離又はクラックが伝播しにくくなり、太陽電池の耐久性が向上する。上記バリア層の厚みのより好ましい下限は0.1μm、更に好ましい下限は0.5μmである。上記バリア層の厚みの上限は、フレキシブル性を保てる範囲内であれば特に限定されないが、好ましい上限は1000μmである。
なお、上記バリア層の厚みは、接触式段差計等を用いて測定することができる。
上記バリア層は、上記範囲の水蒸気透過率を有していれば、樹脂層(「樹脂バリア層」ともいう)であっても無機層(「無機バリア層」ともいう)であってもよい。また、上記バリア層は、上記バリア層全体として上記範囲の水蒸気透過率を有していれば、単層であっても多層であってもよい。多層の場合、上記バリア層は、樹脂バリア層と無機バリア層とを有していてもよい。なかでも、樹脂バリア層の内部に無機バリア層が成膜されていることが好ましい。
上記樹脂バリア層を構成する樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリイソブチレン、アクリル樹脂等の光透過性を有する樹脂が挙げられる。上記樹脂バリア層は、タルク、シリカ等の無機フィラーを含有していてもよい。上記無機バリア層として、例えば、上述した陰極上又は陽極上のいずれか一方に配置された無機層と同様の層が挙げられる。
上記樹脂バリア層の厚みは特に限定されないが、太陽電池の耐久性及びフレキシブル性を保つ観点、水蒸気透過率を上記範囲に調整する観点等から、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は1000μmであり、より好ましい下限は1μm、より好ましい上限は100μmである。
上記無機バリア層の厚みは特に限定されないが、太陽電池の耐久性及びフレキシブル性を保つ観点、水蒸気透過率を上記範囲に調整する観点等から、好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmであり、より好ましい下限は50nm、より好ましい上限は500nmである。
上記バリア層の水蒸気透過率を好適な範囲に調整する方法としては、樹脂バリア層を構成する主成分の樹脂組成を変更する方法、樹脂バリア層にタルク等の無機フィラーを充填する方法、樹脂バリア層の表面もしくは内部に無機バリア層を成膜する方法が挙げられる。
本発明の太陽電池においては、上記陰極上又は上記陽極上のいずれか一方と上記無機層との間に、更に、平坦化樹脂層が配置されていてもよい。
上記平坦化樹脂層が配置されている場合には、上記陰極上又は上記陽極上のいずれか一方と上記平坦化樹脂層との間にも無機層が配置されていてもよい。この場合にも、上記無機層が水蒸気バリア性を有し、水分が上記光電変換層の内部に浸透することを抑制できるため、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
上記平坦化樹脂層を構成する樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも光硬化性樹脂でもよい。上記熱可塑性樹脂として、例えば、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。上記光硬化性樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エン−チオール樹脂等が挙げられる。
上記平坦化樹脂層は、脂環式骨格を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記脂環式骨格は特に限定されず、例えば、ノルボルネン、イソボルネン、アダマンタン、シクロヘキサン、ジシクロペンタジエン、ジシクロヘキサン、シクロペンタン等の骨格が挙げられる。これらの骨格は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記脂環式骨格を有する樹脂は、脂環式骨格を有していれば特に限定されず、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよい。これらの脂環式骨格を有する樹脂は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記脂環式骨格を有する樹脂は、反応性官能基を有する樹脂を製膜した後、上記反応性官能基を架橋反応させた樹脂であってもよい。
上記脂環式骨格を有する樹脂として、例えば、ノルボルネン樹脂(TOPAS9014、ポリプラスチックス社製)、TOPASシリーズ(ポリプラスチックス社製)、アダマンタンアクリレート(三菱ガス化学社製)の重合物等が挙げられる。
上記平坦化樹脂層において、上記脂環式骨格を有する樹脂は、脂環式骨格を有さない樹脂と混合して用いられてもよい。
上記平坦化樹脂層の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みが100nm以上であれば、上記平坦化樹脂層によって上記陰極上又は上記陽極上を充分に覆いつくすことができる。上記厚みが100000nm以下であれば、上記平坦化樹脂層の側面から浸入してくる水蒸気を充分にブロックすることができる。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は2000nmである。
図2は、本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す太陽電池1は、基板7上に陰極2と、陽極3と、この陰極2と陽極3との間に配置された光電変換層4とを有し、陽極3上に無機層5が配置され、無機層5上にバリア層6が配置されたものである。なお、図2に示す太陽電池1において、陽極3はパターニングされた電極である。
図3は、本発明の太陽電池の別の一例を模式的に示す断面図である。なお、図3は、上述したような平坦化樹脂層が配置されている場合の本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す太陽電池1’は、基板7’上に陰極2’と、陽極3’と、この陰極2’と陽極3’との間に配置された光電変換層4’とを有し、陽極3’上に平坦化樹脂層8が配置され、平坦化樹脂層8上に無機層5’が配置され、無機層5’上にバリア層6’が配置されたものである。なお、図3に示す太陽電池1’において、陽極3’はパターニングされた電極である。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記基板上に上記陰極、上記光電変換層、上記陽極をこの順で形成した後、上記陽極上に上記平坦化樹脂層を配置し、上記平坦化樹脂層上に上記無機層を配置し、上記無機層上に上記バリア層を配置する方法、上記基板上に上記陽極、上記光電変換層、上記陰極をこの順で形成した後、上記陰極上に上記平坦化樹脂層を配置し、上記平坦化樹脂層上に上記無機層を配置し、上記無機層上に上記バリア層を配置する方法等が挙げられる。
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
上記陰極上又は上記陽極上に上記平坦化樹脂層を配置する方法は特に限定されず、例えば、シート状の平坦化樹脂層を用いて上記陰極上又は上記陽極上をシールする方法、平坦化樹脂層を構成する樹脂を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を上記陰極上又は上記陽極上に塗布する方法、平坦化樹脂層となる液状モノマーを上記陰極上又は上記陽極上に塗布した後、熱又はUV等で液状モノマーを重合させる方法、平坦化樹脂層に熱をかけて融解させた後に冷却する方法等が挙げられる。
上記平坦化樹脂層上に上記無機層を配置する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記平坦化樹脂層上に原料を堆積して製膜することにより、無機層を形成することができる。
上記無機層上に上記バリア層を配置する方法は特に限定されず、例えば、シート状のバリア層を用いて上記無機層上をシールする方法が挙げられる。なお、上記バリア層が、樹脂バリア層の内部に無機バリア層が成膜されている構成である場合、例えば、PETフィルム上に樹脂バリア層1、無機バリア層、樹脂バリア層2を形成することで、シート状のバリア層を作製することができる。
また、上記無機層上に上記バリア層を配置する方法として、樹脂バリア層を構成する樹脂を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を上記無機層上に塗布する方法、樹脂バリア層を構成する樹脂となる液状モノマーを上記無機層上に塗布した後、熱又はUV等で液状モノマーを重合させる方法、樹脂バリア層に熱をかけて融解させた後に冷却する方法等も挙げられる。
本発明によれば、耐久性に優れ、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ない太陽電池を提供することができる。
有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。 本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の別の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)陰極/電子輸送層/光電変換層/陽極が積層された積層体の作製
ガラス基板上に、陰極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚み20nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み500nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbIをモル比1:1で溶かし、CHNHIとPbIの合計重量濃度を30%に調製した。この溶液を電子輸送層上にスピンコート法によって積層した。更に、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsufonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法によって300nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。
光電変換層上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、陰極/電子輸送層/光電変換層/陽極が積層された積層体を得た。
(2)平坦化樹脂層の形成
得られた陰極/電子輸送層/光電変換層/陽極が積層された積層体の陽極上に、平坦化樹脂層を構成する樹脂としての環状オレフィンポリマーであるTOPAS9014(ノルボルネン樹脂、ポリプラスチックス社製)の10%シクロヘキサン溶液をドクターブレードにより塗布し、有機溶媒を乾燥させて厚み5μmの平坦化樹脂層を形成した。
(3)無機層の形成
平坦化樹脂層を形成したサンプルをスパッタリング装置の基板ホルダーに取り付け、更に、スパッタリング装置のカソードAにZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、カソードBにSiターゲットを取り付けた。スパッタリング装置の成膜室を真空ポンプにより排気し、5.0×10−4Paまで減圧した。その後、成膜条件Aに示す条件でスパッタリングし、平坦化樹脂層上に無機層としてZnSnO(Si)薄膜を100nm形成した。
(成膜条件A)
アルゴンガス流量:50sccm,酸素ガス流量:50sccm
電源出力:カソードA=500W、カソードB=1500W
(4)バリア層の形成
厚み38μmのPETフィルム(帝人社製)上にポリイソブチレン(OPPANOL、BASF社製)のシリカナノ粒子(MT−10、トクヤマ社製)30wt%混合物を50μmの厚みで塗工し、バリア層を作製した。上記無機層上にバリア層を80℃でラミネートすることによりバリア層を積層し、太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は10g/m/dayであった。
(実施例2)
実施例1のバリア層の形成の際、PETフィルム上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層1)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を100nm形成した(無機バリア層)。その上にポリイソブチレン(OPPANOL、BASF社製)を20μmの厚みに塗工し(樹脂バリア層2)、バリア層を作製したこと以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は10−2g/m/dayであった。
(実施例3)
実施例1のバリア層の形成の際、PETフィルム上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層1)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を10nm形成した(無機バリア層)。その上にポリイソブチレン(OPPANOL、BASF社製)を20μmの厚みに塗工し(樹脂バリア層2)、バリア層を作製したこと以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は10−1g/m/dayであった。
(実施例4)
平坦化樹脂層を形成しなかったこと以外は実施例3と同じ条件で太陽電池を得た。
(実施例5)
実施例1のバリア層の形成の際、PETフィルム上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層1)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を10nm形成した(無機バリア層1)。その上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層2)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を100nm形成した(無機バリア層2)。その上にポリイソブチレン(OPPANOL、BASF社製)を20μmの厚みに塗工し(樹脂バリア層3)、バリア層を作製したこと以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は10−3g/m/dayであった。
(比較例1)
実施例1のバリア層の形成の際、PETフィルム上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層1)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を100nm形成した(無機バリア層1)。その上にポリシクロオレフィン(TOPAS6015、Polyplastics社製)を5μmの厚みで塗工し(樹脂バリア層2)、その上に上記無機層と同様の方法でZnSnO(Si)薄膜を100nm形成した(無機バリア層2)。その上にポリイソブチレン(OPPANOL、BASF社製)を20μmの厚みに塗工し(樹脂バリア層3)、バリア層を作製したこと以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は10−4g/m/dayであった。
(比較例2)
実施例1のバリア層の形成の際、PETフィルム上にアクリルポリマー(TS−146、新中村化学社製)を5μmの厚みで塗工しバリア層を作製したこと以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を得た。バリア層の水蒸気透過率は5×10g/m/dayであった。
(比較例3)
平坦化樹脂層上に無機層を形成しなかったこと以外は実施例3と同じ条件で太陽電池を得た。
(比較例4)
実施例3の光電変換層としてCHNHPbIの代わりに硫化アンチモンを用いたこと以外は実施例3と同じ条件で太陽電池を得た。硫化アンチモンを得る方法としては、塩化アンチモン1に対しチオ尿素を3のモル比率でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、20wt%の濃度になるように調整した溶液を上記電子輸送層上に塗布し、真空で260℃焼成することにより、光電変換層を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)耐久性
太陽電池を湿度85%、温度85℃の条件下に100時間置いて耐久試験を行った。耐久試験前後の太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、耐久試験後の光電変換効率/耐久試験前の光電変換効率の値を求めた。
(2)メンテナンス性
太陽電池に高さ2mの位置からゴルフボール(45.5g)を落下させ衝突させることによりクラックを発生させた。その後、(1)と同様の方法により耐久試験を行い、耐久試験後の太陽電池セルの色の変化を目視で確認した。
○:太陽電池セルの色が黄色に変化したため、クラックの位置を特定できた
×:太陽電池セルの色が変化しなかったため、クラックの位置を特定できなかった
(3)抽出鉛量
(2)のメンテナンス性評価の太陽電池を80℃の純水20mLに24h浸漬させ、鉛量を抽出し、以下の基準により評価した。
○:抽出鉛量が10ppm以下
×:抽出鉛量が10ppmを超えた
Figure 2016178295
本発明によれば、耐久性に優れ、仮に性能が低下した場合であってもメンテナンスしやすく環境への悪影響の少ない太陽電池を提供することができる。
1、1’ 太陽電池
2、2’ 陰極
3、3’ 陽極(パターニングされた電極)
4、4’ 光電変換層
5、5’ 無機層
6、6’ バリア層
7、7’ 基板
8 平坦化樹脂層

Claims (5)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池であって、
    前記光電変換層が、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、
    前記陰極上又は前記陽極上のいずれか一方に無機層が配置され、
    前記無機層上に水蒸気透過率が1×10−3〜10g/m/dayであるバリア層が配置されている
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 陰極上又は陽極上のいずれか一方と無機層との間に、更に、平坦化樹脂層が配置されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. バリア層は、樹脂バリア層と無機バリア層とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
  4. 樹脂バリア層の厚みが1〜1000μmであることを特徴とする請求項3記載の太陽電池。
  5. 無機バリア層の厚みが10〜1000nmであることを特徴とする請求項3又は4記載の太陽電池。
JP2016051089A 2015-03-18 2016-03-15 太陽電池 Pending JP2016178295A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015055005 2015-03-18
JP2015055005 2015-03-18

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016178295A true JP2016178295A (ja) 2016-10-06

Family

ID=57070560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051089A Pending JP2016178295A (ja) 2015-03-18 2016-03-15 太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016178295A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018181744A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 積水化学工業株式会社 太陽電池、及びその製造方法
JP2018163939A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 積水化学工業株式会社 太陽電池
WO2021131113A1 (ja) * 2019-12-24 2021-07-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 太陽電池
CN115224207A (zh) * 2022-08-01 2022-10-21 浙江光储充能源科技有限公司 基于微孔模板封装的钙钛矿阵列太阳能电池的制备方法
WO2023132135A1 (ja) * 2022-01-07 2023-07-13 パナソニックホールディングス株式会社 太陽電池
CN115224207B (zh) * 2022-08-01 2024-05-31 浙江光储充能源科技有限公司 基于微孔模板封装的钙钛矿阵列太阳能电池的制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018163939A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 積水化学工業株式会社 太陽電池
WO2018181744A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 積水化学工業株式会社 太陽電池、及びその製造方法
US11387421B2 (en) 2017-03-30 2022-07-12 Sekisui Chemical Co., Ltd. Solar cell and method for producing same
WO2021131113A1 (ja) * 2019-12-24 2021-07-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 太陽電池
US11696456B2 (en) 2019-12-24 2023-07-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Solar cell
WO2023132135A1 (ja) * 2022-01-07 2023-07-13 パナソニックホールディングス株式会社 太陽電池
JP7472409B2 (ja) 2022-01-07 2024-04-22 パナソニックホールディングス株式会社 太陽電池
CN115224207A (zh) * 2022-08-01 2022-10-21 浙江光储充能源科技有限公司 基于微孔模板封装的钙钛矿阵列太阳能电池的制备方法
CN115224207B (zh) * 2022-08-01 2024-05-31 浙江光储充能源科技有限公司 基于微孔模板封装的钙钛矿阵列太阳能电池的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6200619B1 (ja) 太陽電池
JP6138968B2 (ja) 太陽電池
JP6151378B2 (ja) 太陽電池
JP6286106B2 (ja) 太陽電池、及び、有機半導体用材料
JP2016178295A (ja) 太陽電池
JP6876480B2 (ja) 太陽電池
JP6921582B2 (ja) 太陽電池
JP2016082003A (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
JP5926466B1 (ja) 太陽電池
JP6078662B2 (ja) 太陽電池
JP6196685B2 (ja) 太陽電池
JP2016082006A (ja) 太陽電池の製造方法
JP2016082004A (ja) 太陽電池
JP6943591B2 (ja) 太陽電池
JP6835644B2 (ja) 太陽電池
JP6660215B2 (ja) 太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200212