JP2016177530A - 解析モデルの振動モード判定装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な構造物でも、正確かつ短時間で振動モードを判定することができる解析モデルの振動モード判定装置及び方法を提供する。【解決手段】構造物の振動試験結果及び解析結果を求め(S1〜S2)、振動試験結果内の1つの振動モードの固有振動数の±10%内にある固有振動数を有する振動モードを解析結果から第1の振動モードとして抽出し(S3)、振動試験結果内の1つの振動モードの変位が大きい部位と、第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較し、同じ部位の変位が大きい振動モードを第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し(S4)、振動試験結果内の1つの振動モードのモードベクトルと第2の振動モードのモードベクトルとからMACを求め、当該MACが最大となる第2の振動モードを、振動試験結果内の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する(S5〜S6)。【選択図】図2
Description
本発明は、解析モデルのチューニングの際の振動モード判定装置及び方法に関する。
航空機においては、例えば、そのフラッタ速度を解析するために、FEM(Finite Element Method;有限要素法)の解析モデルの振動特性と実機の振動特性を合わせる必要がある。そのために解析モデルをチューニングする作業を実施している。
航空機の実機の振動特性はGVT(Ground Vibration Test;全機地上振動試験)にて計測される。このGVTとは、航空機の振動特性(振動数、振動モード形、構造減衰率等)を計測する試験である。解析モデルチューニングでは、解析モデルの固有振動数と振動モード形がGVT結果に合うように、解析モデルの剛性値を変更する。この際、GVT結果と解析結果で各振動モードの固有振動数、振動モード形が全体的に合うようにするため、最適化ツールを使用している。
解析モデルチューニングにおいて、固有振動数は最適化ツールの評価関数として使用するための表現が容易であるが、振動モード形は定量化が困難である。振動モード形を定量化する指標として、以下に示すMAC(Modal Assurance Criterion)があり、この値を評価関数として使用しているが、近傍の振動数帯に類似の振動モードがあると、振動モード判定がうまくいかないという問題がある。
ここで、MACとは、振動モード形(モードベクトル)について、解析値と試験値の相関を判断する指標の1つであり、次式で定義される。
上述した問題を、図3を参照して説明する。なお、図3は、試験及び解析における航空機の振動モードを説明する図であるが、ここでは、図を簡単にするため、航空機の胴体と片方の主翼のみ図示している。
例えば、航空機の試験結果のモード1が主翼の動きが顕著な主翼系の振動モードであり、解析結果のモード1Aが胴体の動きが顕著な胴体系の振動モードであり、解析結果のモード1Bが主翼の動きが顕著な主翼系の振動モードであるとする。このような場合において、モード1に対するモード1A及びモード1BのMACを各々計算したとき、両者とも同等の値となることがある。しかしながら、モード1Aは胴体の動きが顕著な振動モードであり、試験結果のモード1とは異なる振動モードである。このように、MACだけで機械的にモード判定すると、異なる振動モードを同じ振動モードと判定してしまうおそれがある。
上記特許文献1では、振動モード判定の自動化にMACを用いているが、この特許文献1は、単純な軸対称形状が対象であり、航空機のような複雑形状の構造体を対象としておらず、そのままでの適用は不可であり、もし適用したとしても、上述したように、異なる振動モードを同じ振動モードと判定してしまうおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、複雑な構造物でも、正確かつ短時間で振動モードを判定することができる解析モデルの振動モード判定装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る解析モデルの振動モード判定装置は、
解析対象の構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求める解析部と、
前記構造物に実際の振動試験を行って求められた少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果と前記解析結果とを用いて、前記振動試験結果内の振動モードと前記解析結果内の振動モードとの対応関係を判定するモード判定部とを有し、
前記モード判定部は、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする。
解析対象の構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求める解析部と、
前記構造物に実際の振動試験を行って求められた少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果と前記解析結果とを用いて、前記振動試験結果内の振動モードと前記解析結果内の振動モードとの対応関係を判定するモード判定部とを有し、
前記モード判定部は、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る解析モデルの振動モード判定装置は、
上記第1の発明に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルの精度を評価する評価部を有し、
前記評価部は、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする。
上記第1の発明に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルの精度を評価する評価部を有し、
前記評価部は、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る解析モデルの振動モード判定装置は、
上記第2の発明に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルをチューニングするチューニング部を有し、
前記チューニング部は、
前記評価部で評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする。
上記第2の発明に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルをチューニングするチューニング部を有し、
前記チューニング部は、
前記評価部で評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る解析モデルの振動モード判定方法は、
解析対象の構造物に実際の振動試験を行って、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果を求め、
前記構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求め、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする。
解析対象の構造物に実際の振動試験を行って、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果を求め、
前記構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求め、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る解析モデルの振動モード判定方法は、
上記第4の発明に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする。
上記第4の発明に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る解析モデルの振動モード判定方法は、
上記第5の発明に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする。
上記第5の発明に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする。
本発明によれば、複雑な構造物でも、正確かつ短時間で振動モードを判定することができ、その結果、振動解析のモデルチューニング作業が効率的になり、その作業時間を短縮することができる。
以下、図1及び図2を参照して、本発明に係る解析モデルの振動モード判定装置及び方法の実施形態を説明する。
(実施例1)
図1(a)は、本実施例の解析モデルの振動モード判定方法を実施する処理装置を説明する構成図であり、図1(b)は、当該処理装置における機能を説明するブロック図である。
図1(a)は、本実施例の解析モデルの振動モード判定方法を実施する処理装置を説明する構成図であり、図1(b)は、当該処理装置における機能を説明するブロック図である。
本実施例の処理装置10は、バス又はネットワークを介して相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、入力装置13と、出力装置14と、記憶装置15等を有する。つまり、コンピュータの構成を有している。
入力装置13は、例えば、キーボードやマウス等の入力用ユーザインタフェースであり、ユーザに操作されることにより、各種データをCPU11や記憶装置15に入力するものである。この入力装置13は、後述する振動試験結果21や解析モデルの解析結果24が蓄積された他の記憶装置から当該結果を授受するインタフェースを含んでも良い。出力装置14は、例えば、モニタやプリンタなどであり、CPU11から出力される情報をユーザが視認可能に出力するものである。記憶装置15は、例えば、ハードディスク、メモリ、ディスク等の記憶装置である。この記憶装置15は、ネットワークを介して外部に接続されたストレージシステムでも良い。
そして、図1(b)に示すように、処理装置10は、その機能として、解析対象の構造物の解析モデル22を用いて解析を行う解析部23と、振動試験結果21と解析部23の解析結果24とを用いて振動モードの判定を行うモード判定部25と、モード判定部25で判定した振動モードを用いて解析モデル22の評価を行う評価部26と、評価部26での評価に基づいて、解析モデル22のチューニングを行うチューニング部27とを有している。
解析モデル22、振動試験結果21及び解析結果24はデータであり、RAM12や記憶装置15に記憶されており、必要に応じて、CPU11がデータを読み込んで使用している。解析モデル22には、解析対象の構造物の形状、材料、剛性値などのデータが含まれており、振動試験結果21及び解析結果24には、振動モード、振動モード形、固有振動数などのデータが含まれている。振動試験結果21は、実際の解析対象の構造物に対する加振などによる振動試験の結果であり、解析結果24は、解析モデル22に対する数値解析による結果である。
又、解析部23、モード判定部25、評価部26及びチューニング部27はプログラムであり、RAM12や記憶装置15に記憶されており、必要に応じて、CPU11がプログラムを読み込んで実行している。解析部23では、解析モデル22の解析を行うため、例えば、FEMなどの数値解析法のプログラムが用いられている。チューニング部27では、解析モデル22のチューニングを行うため、例えば、遺伝的アルゴリズムなどの最適化ツールのプログラムが用いられている。なお、モード判定部25及び評価部26は、後述する動作を行うための特有のプログラムとなっている。
次に、図2に示すフローチャートも参照して、解析部23、モード判定部25、評価部26及びチューニング部27の動作を詳細に説明する。なお、ここでは、一例として、解析対象の構造物を航空機とし、チューニング対象とする振動モードを主翼曲げ1次モードとして以降の説明を行う。又、航空機は、主な構成として、主翼、水平尾翼、垂直尾翼及び胴体などの各部位から構成されるものとする。
(ステップS1)
実際の航空機に対する振動試験を行い、振動試験結果21を計算する。具体的には、実際の航空機に対して、上述したGVT(全機地上振動試験)を行い、実際の航空機の各部の加速度などのデータを計測し、計測したデータを用いて、振動モードの固有振動数、振動モード形(モードベクトル)を計算する。振動試験結果21としては、例えば、下記表1に示すようなデータが計算される。
実際の航空機に対する振動試験を行い、振動試験結果21を計算する。具体的には、実際の航空機に対して、上述したGVT(全機地上振動試験)を行い、実際の航空機の各部の加速度などのデータを計測し、計測したデータを用いて、振動モードの固有振動数、振動モード形(モードベクトル)を計算する。振動試験結果21としては、例えば、下記表1に示すようなデータが計算される。
(ステップS2)
航空機の解析モデル22を数値解析して、解析結果24を計算する(解析部23)。具体的には、FEMなどの数値解析法を用いて、振動モードの固有振動数、振動モード形(モードベクトル)を計算する。最初は、解析モデル22の剛性値としては設計値(初期値)を用いる。解析結果24としては、例えば、下記表2に示すようなデータが計算される。
航空機の解析モデル22を数値解析して、解析結果24を計算する(解析部23)。具体的には、FEMなどの数値解析法を用いて、振動モードの固有振動数、振動モード形(モードベクトル)を計算する。最初は、解析モデル22の剛性値としては設計値(初期値)を用いる。解析結果24としては、例えば、下記表2に示すようなデータが計算される。
振動試験結果21と解析結果24が計算された時点では、振動試験結果21と解析結果24の振動モードについて、どれとどれが対応しているかは分からない。例えば、振動モードaが振動モードA(主翼曲げ1次モード)に対応しているとは限らない。そこで、本実施例では、モード判定部25が、振動試験結果21と解析結果24に基づき、以下のステップS3〜S7の手順を用いて、振動モード判定を行っている。
(ステップS3)
ここでは、上述したように、主翼曲げ1次モードをチューニング対象にしているので、振動試験結果21の主翼曲げ1次モードである振動モードAの固有振動数の±10%以内の固有振動数を有する振動モードを解析結果24から第1の振動モードとして抽出する。解析結果24から抽出されなかった振動モードは、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。なお、ここでは、一例として、抽出範囲を±10%以内としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
ここでは、上述したように、主翼曲げ1次モードをチューニング対象にしているので、振動試験結果21の主翼曲げ1次モードである振動モードAの固有振動数の±10%以内の固有振動数を有する振動モードを解析結果24から第1の振動モードとして抽出する。解析結果24から抽出されなかった振動モードは、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。なお、ここでは、一例として、抽出範囲を±10%以内としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
(ステップS4)
振動試験結果21の振動モードAは、主翼の構造グリッドの変位が最大であり、主翼の動きが支配的な振動モードである。そして、解析結果24から抽出した第1の振動モードについても、主翼、水平尾翼、垂直尾翼及び胴体を構成する構造グリッドの最大変位を評価し、主翼の構造グリッドが最大変位の70%以上であれば、主翼の動きが支配的な振動モードであると判定し、第1の振動モードから第2の振動モードとして選択する。つまり、振動試験結果21の振動モードAの支配的振動部位の変位が、解析結果24から抽出した第1の振動モードでも大きいか確認している。主翼の動きが支配的でないと判定した第1の振動モードについては、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。なお、ここでは、一例として、支配的振動部位の変位を最大変位の70%以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
振動試験結果21の振動モードAは、主翼の構造グリッドの変位が最大であり、主翼の動きが支配的な振動モードである。そして、解析結果24から抽出した第1の振動モードについても、主翼、水平尾翼、垂直尾翼及び胴体を構成する構造グリッドの最大変位を評価し、主翼の構造グリッドが最大変位の70%以上であれば、主翼の動きが支配的な振動モードであると判定し、第1の振動モードから第2の振動モードとして選択する。つまり、振動試験結果21の振動モードAの支配的振動部位の変位が、解析結果24から抽出した第1の振動モードでも大きいか確認している。主翼の動きが支配的でないと判定した第1の振動モードについては、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。なお、ここでは、一例として、支配的振動部位の変位を最大変位の70%以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
(ステップS5)
ステップS4で主翼の動きが支配的と判定した解析結果24の第2の振動モードのモードベクトルを用いて、上述したMACを計算し、計算したMACが最大値のものを選択する。例えば、振動試験結果21の振動モードAの固有振動数の±10%以内の固有振動数であり、かつ、主翼の動きが支配的と判定した解析結果24の第2の振動モードを、振動モードaと振動モードbとすると、振動モードaのモードベクトルaと振動モードbのモードベクトルbの各々に対して、振動試験結果21の振動モードAのモードベクトルAとのMACを計算し、MACが大きい第2の振動モードを選択することになる。選択されなかった第2の振動モードは、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。
ステップS4で主翼の動きが支配的と判定した解析結果24の第2の振動モードのモードベクトルを用いて、上述したMACを計算し、計算したMACが最大値のものを選択する。例えば、振動試験結果21の振動モードAの固有振動数の±10%以内の固有振動数であり、かつ、主翼の動きが支配的と判定した解析結果24の第2の振動モードを、振動モードaと振動モードbとすると、振動モードaのモードベクトルaと振動モードbのモードベクトルbの各々に対して、振動試験結果21の振動モードAのモードベクトルAとのMACを計算し、MACが大きい第2の振動モードを選択することになる。選択されなかった第2の振動モードは、主翼曲げ1次モードの判定対象から除外し、後述するステップS7で処理を行う。
(ステップS6)
ステップS5で計算したMACが最大となる解析結果24の第2の振動モードを、主翼曲げ1次モードと判定し、振動試験結果21の振動モードAに対応すると判定する。このとき、MACの値により、対応すると判定された解析結果24の第2の振動モードが振動試験結果21の振動モードAをどの程度正しく表現しているかを評価している。MACは0〜1の値を持ち、MACが1に近いほど、正しく表現していることになる。例えば、計算したMACが0.9以上であれば、正しく表現していると考えて良い。なお、ここでは、一例として、MACを0.9以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
ステップS5で計算したMACが最大となる解析結果24の第2の振動モードを、主翼曲げ1次モードと判定し、振動試験結果21の振動モードAに対応すると判定する。このとき、MACの値により、対応すると判定された解析結果24の第2の振動モードが振動試験結果21の振動モードAをどの程度正しく表現しているかを評価している。MACは0〜1の値を持ち、MACが1に近いほど、正しく表現していることになる。例えば、計算したMACが0.9以上であれば、正しく表現していると考えて良い。なお、ここでは、一例として、MACを0.9以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
このように、上述したステップS3〜S6では、振動試験結果21の任意の1つの振動モードと解析結果24の振動モードとのMACを用いて、振動試験結果21の任意の1つの振動モードに対応する解析結果24の振動モードを正確に選択すると共に、選択した解析結果24の振動モードが振動試験結果21の任意の1つの振動モードをどの程度正しく表現されているか評価している。これにより、振動モード判定の自動化を行うと共に、振動モード形(モードベクトル)の評価を実施している。
(ステップS7)
ステップS3で解析結果24から抽出されなかった振動モード、ステップS4で主翼の動きが支配的でないと判定された振動モード(第1の振動モード)、ステップS5で選択されなかった振動モード(第2の振動モード)については、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードを主翼曲げ1次モードとは異なる振動モードに変更して、上述したステップS3〜S7を実施すれば、振動試験結果21の異なる振動モードに対応する解析結果24の振動モードを判定することができる。例えば、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードを振動モードB(主翼曲げ2次モード)に変更すれば、振動モードB(主翼曲げ2次モード)に対応する振動モードを解析結果24の中から正確に選択すると共に評価することができる。
ステップS3で解析結果24から抽出されなかった振動モード、ステップS4で主翼の動きが支配的でないと判定された振動モード(第1の振動モード)、ステップS5で選択されなかった振動モード(第2の振動モード)については、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードを主翼曲げ1次モードとは異なる振動モードに変更して、上述したステップS3〜S7を実施すれば、振動試験結果21の異なる振動モードに対応する解析結果24の振動モードを判定することができる。例えば、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードを振動モードB(主翼曲げ2次モード)に変更すれば、振動モードB(主翼曲げ2次モード)に対応する振動モードを解析結果24の中から正確に選択すると共に評価することができる。
同様に、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードを振動モードC、D、E・・・に順次変更して、上述したステップS3〜S7を実施すれば、振動試験結果21のチューニング対象の振動モードに対応する解析結果24の振動モードを正確に選択すると共に評価することができる。
(ステップS8)
振動試験結果21の全ての振動モードA、B、C、D、E・・・について、対応する解析結果24の振動モードの選択及び評価を行うと、この際に計算した複数のMACに基づいて、解析モデル22の精度を評価することができる(評価部26)。例えば、計算した複数のMACが全て0.9以上であれば、解析モデル22の精度が高いと評価して良い。なお、ここでも、一例として、MACを0.9以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
振動試験結果21の全ての振動モードA、B、C、D、E・・・について、対応する解析結果24の振動モードの選択及び評価を行うと、この際に計算した複数のMACに基づいて、解析モデル22の精度を評価することができる(評価部26)。例えば、計算した複数のMACが全て0.9以上であれば、解析モデル22の精度が高いと評価して良い。なお、ここでも、一例として、MACを0.9以上としているが、これは標準的な閾値であり、状況に応じて、適宜に変更可能である。
(ステップS9〜S10)
計算した複数のMACが所定値(例えば、0.9)以上であれば、所望の精度が出ていると判断し、一連の処理手順を終了するが、所望の精度が出ていないときは、ステップS10へ進む。ステップS10では、遺伝的アルゴリズム等を利用した最適化ツールにより、解析モデル22の剛性値を変更して(チューニング部27)、ステップS2へ戻る。このとき、最適化ツールには、上述した手順により得られた振動モード判定の結果(振動試験結果21と解析結果24の振動モード同士の対応関係)が初期値として与えられる。
計算した複数のMACが所定値(例えば、0.9)以上であれば、所望の精度が出ていると判断し、一連の処理手順を終了するが、所望の精度が出ていないときは、ステップS10へ進む。ステップS10では、遺伝的アルゴリズム等を利用した最適化ツールにより、解析モデル22の剛性値を変更して(チューニング部27)、ステップS2へ戻る。このとき、最適化ツールには、上述した手順により得られた振動モード判定の結果(振動試験結果21と解析結果24の振動モード同士の対応関係)が初期値として与えられる。
そして、剛性値が変更された新たな解析モデル22を用いて、解析結果24を計算し直して、上述したステップS3〜S8を再び実施することになる。これにより、解析モデル22をより精度が高い解析モデルへチューニング(合わせ込み)をすることが可能となる。
従来はMACだけで機械的にモード判定していたので、異なる振動モードを同じ振動モードと判定してしまうおそれがあったが、本実施例では、以上説明した手順により、振動試験結果21と解析結果24の振動モード同士の対応関係を判定しているので、振動モードの対応関係を正確かつ短時間で判定することができる。これにより、最適化ツールのルーチン内の振動モード判定の確からしさが向上し、解析モデルのチューニング作業を自動化できるため、作業時間短縮に寄与することになる。
本発明は、複雑な構造物、例えば、航空機(戦闘機、民間機)などの解析モデルのチューニングの際に、振動モードを判定するときに好適なものである。
10 処理装置
11 CPU
12 RAM
13 入力装置
14 出力装置
15 記憶装置
21 振動試験結果
22 解析モデル
23 解析部
24 解析結果
25 モード判定部
26 評価部
27 チューニング部
11 CPU
12 RAM
13 入力装置
14 出力装置
15 記憶装置
21 振動試験結果
22 解析モデル
23 解析部
24 解析結果
25 モード判定部
26 評価部
27 チューニング部
Claims (6)
- 解析対象の構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求める解析部と、
前記構造物に実際の振動試験を行って求められた少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果と前記解析結果とを用いて、前記振動試験結果内の振動モードと前記解析結果内の振動モードとの対応関係を判定するモード判定部とを有し、
前記モード判定部は、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定装置。 - 請求項1に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルの精度を評価する評価部を有し、
前記評価部は、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定装置。 - 請求項2に記載の解析モデルの振動モード判定装置において、
更に、前記解析モデルをチューニングするチューニング部を有し、
前記チューニング部は、
前記評価部で評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定装置。 - 解析対象の構造物に実際の振動試験を行って、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む振動試験結果を求め、
前記構造物の解析モデルを数値解析して、少なくとも振動モード、モードベクトル及び固有振動数を含む解析結果を求め、
前記振動試験結果内の任意の1つの振動モードについて、当該振動モードの固有振動数の所定範囲内にある固有振動数を有する振動モードを前記解析結果から第1の振動モードとして抽出し、
前記任意の1つの振動モードの変位が大きい部位と、前記第1の振動モードの変位が大きい部位とを比較して、同じ部位の変位が大きい振動モードを前記第1の振動モードから第2の振動モードとして選択し、
前記任意の1つの振動モードのモードベクトルと、前記第2の振動モードのモードベクトルとから、MAC(Modal Assurance Criterion)を求め、当該MACが最大となる前記第2の振動モードを、前記任意の1つの振動モードに対応する振動モードと判定する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定方法。 - 請求項4に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
対応すると判定された振動モード同士の全てについて、当該振動モード同士のモードベクトルから前記MACを求め、求めた全ての前記MACが所定値以上である場合、前記解析モデルの精度が高いと評価する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定方法。 - 請求項5に記載の解析モデルの振動モード判定方法において、
評価した前記MACの少なくとも1つが所定値未満である場合、対応すると判定された振動モード同士の対応関係に基づいて、前記解析モデルの剛性値を最適化する
ことを特徴とする解析モデルの振動モード判定方法。
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JP2015057134A JP2016177530A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | 解析モデルの振動モード判定装置及び方法 |
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CN114151146A (zh) * | 2021-10-20 | 2022-03-08 | 中国航发四川燃气涡轮研究院 | 多联带冠涡轮转子叶片气流激振力参数的获取方法 |
US11307175B2 (en) | 2018-06-05 | 2022-04-19 | Nec Corporation | Diagnosis apparatus, diagnosis method, and computer-readable recording medium |
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2015
- 2015-03-20 JP JP2015057134A patent/JP2016177530A/ja active Pending
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