JP2016177168A - 画像形成装置 - Google Patents

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有 榊原
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Abstract

【課題】如何なる感光体帯電電位に関わらず、中間転写体上のトナー付着量を減らすことなく、残像発生のない安定した画像が得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体10などの像担持体と、感光体駆動モータ11などの像担持体駆動手段と、帯電ローラ41などの帯電部材と、帯電バイアス電源部43などの帯電バイアス印加手段と、露光装置140などの潜像書込装置と、現像装置50などの現像装置と、中間転写ベルト162などの中間転写体と、一次転写ローラ161などの一次転写部材と、一次転写電源部169などの転写バイアス印加手段と、ベルト駆動モータ12などの中間転写体駆動手段と、像担持体の帯電電位Vdの大きさに基づいて、像担持体の線速度と中間転写体の線速度との線速度差Vsを変更し、且つ一次転写電流を含む一次転写バイアスを変更する制御部15などの制御手段と、を備えるカラープリンタ100である。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、感光体などの像担持体上に形成された静電潜像を現像装置による現像剤中のトナー供給によって可視化したトナー像とする。その後、一次転写手段に一次転写バイアス(電圧又は電流)を印加して、像担持体上のトナー像を中間転写ベルトなどの中間転写体に一旦一次転写する。その後、中間転写体上のトナー像を、中間転写体とこれを挟んで対向する二次転写ローラ及び対向ローラとで構成される二次転写部に、二次転写バイアス(電圧又は電流)を印加し、転写紙等の記録媒体に二次転写する。次いで、記録媒体に二次転写された転写紙上の未定着トナー像を定着装置によって加熱及び加圧して記録媒体に定着する構成が知られている。
この種の電子写真方式の画像形成装置において、近年の市場動向におけるユーザの要望としては、如何なる条件下でも安定した画像品質を維持しつつ、良好なトナー画像転写を求める声が大きくなってきている。経時状態及び環境条件を検知し、それに応じて感光体帯電電位を制御して、感光体上トナー付着量を制御することで、安定した画像を提供するなどといったことが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の画像形成装置では、安定した画像濃度を確保するために、経時・環境に応じて感光体帯電電位Vdを制御して、感光体に付着するトナー付着量を制御しているが、感光体帯電電位Vdが低いとき、転写バイアスの影響で、残像が発生してしまうという問題があった。この残像とは、転写バイアスの影響で、感光体1周目の露光パターンの感光体上表面電位が、感光体2周目以降の再帯電時にも残留し、感光体1周目の露光パターン履歴が画像として現れる異常画像を指す。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、如何なる感光体帯電電位に関わらず、中間転写体上のトナー付着量を減らすことなく、残像発生のない安定した画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体と、前記像担持体を駆動する像担持体駆動手段と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段と、前記像担持体上に潜像を形成する潜像書込装置と、前記像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する一次転写部材と、前記一次転写部材に一次転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、前記中間転写体を駆動する中間転写体駆動手段と、前記像担持体の帯電電位の大きさに基づいて、前記像担持体の線速度と前記中間転写体の線速度との線速度差を変更し、且つ前記一次転写バイアスを変更する制御手段と、を備える画像形成装置である。
本発明によれば、上記構成により、像担持体の如何なる帯電電位に関わらず、中間転写体上のトナー付着量を減らすことなく、残像発生のない安定した画像品質を得ることができる。
実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタの概略構成図である。 図1のカラープリンタが備えるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。 中間転写ベルト上に形成された階調パターンを各光学センサによって検知する画像濃度制御内容を説明する斜視図である。 感光体帯電電位が高いときを「高Vd」及び感光体帯電電位が低いときを「低Vd」として、それぞれの現像ポテンシャルを説明する図である。 (a)は感光体表面電位の時系列での変化を感光体周りの部材配置との関係で説明する図、(b)は感光体表面電位の時系列での変化を示すグラフである。 実施形態1の主な制御構成を示すハードウェアブロック図である。 実施例1における、感光体と中間転写ベルトとの線速度差による一次転写率アップ効果を表す線図である。 実施例2における、感光体と中間転写ベルトとの線速度差による一次転写率アップ効果を表す線図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(実施形態1)
図1を用いて、実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのプリンタについて説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタ100の概略構成図である。
図1に示すように、カラープリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、制御部15、画像形成部120、中間転写装置160及び給紙部130を有する。尚、以下の説明において、添え字Y,C,M,Kは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。以下、これらに関係する構成要素を簡明に示すため、共通する構成要素の符号に、括弧を付して示す添え字(Y,C,M,K)を付加することとする。
制御部15は、画像形成部120、中間転写装置160及び給紙部130に配設された各種センサ類等からの信号に基づき、画像形成部120、中間転写装置160及び給紙部130を制御する機能を有する。また、制御部15は、本発明に特有の後述する、感光体と中間転写ベルトの線速度差制御、一次転写バイアス制御を実行するように構成されている。
画像形成部120には、図中左側から順に、イエロートナー用のプロセスカートリッジ121Y、シアントナー用のプロセスカートリッジ121C、マゼンタトナー用のプロセスカートリッジ121M、ブラックトナー用のプロセスカートリッジ121Kが配置されている。これらのプロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)は、略水平方向に並べて配置されている。
中間転写装置160は、複数の支持ローラである駆動ローラ163、従動ローラ164及びテンションローラ165に掛け渡された中間転写体である無端状の中間転写ベルト162と、一次転写ローラ161(Y,C,M,K)と、二次転写ローラ166とを有する。
中間転写ベルト162は、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)の上方で、各プロセスカートリッジに設けられた表面移動する像担持体である潜像担持体としてのドラム状の感光体10(Y,C,M,K)の表面移動方向に沿って配置されている。中間転写ベルト162は、感光体10(Y,C,M,K)の表面移動に同期して表面移動する。
駆動ローラ163は、二次転写ローラ166の対向ローラでもあり、ベルトやプーリ、或いはギヤ列等の駆動力伝達手段を介して、中間転写体駆動手段としてのベルト駆動モータ12に連結されている。従って、ベルト駆動モータ12の回転駆動によって、駆動ローラ163を介して中間転写ベルト162が無端移動・走行し、これに従動して従動ローラ164及びテンションローラ165が従動回転することとなる。
各一次転写ローラ161(Y,C,M,K)は、一次転写部材として機能し、中間転写ベルト162を介し、感光体10(Y,C,M,K)に当接するように内周面側に配置されている。これらの一次転写ローラ161(Y,C,M,K)により中間転写ベルト162の下側に位置する外周面(表面)が各感光体10(Y,C,M,K)の外周面(表面)に圧接している。
図2に二点鎖線で示すように、各一次転写ローラ161(Y,C,M,K)、及びこれに対応して配設された一次転写電源部169(Y,C,M,K)により、一次転写装置168(Y,C,M,K)が構成されている。各一次転写電源部169(Y,C,M,K)からは、対応する一次転写ローラ161(Y,C,M,K)に一次転写バイアス(又は一次転写電流)が印加される。一次転写電源部169(Y,C,M,K)は、一次転写ローラ161(Y,C,M,K)に一次転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段として機能する。
各感光体10(Y,C,M,K)上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト162に転写する構成及び動作は、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)について実質的に同一である。但し、カラー用の3つのプロセスカートリッジ121(Y,C,M)に対応した一次転写ローラ161(Y,C,M)については、これらを上下に揺動させる揺動機構が設けられている。この揺動機構は、カラー画像が形成されないときに、感光体10(Y,C,M)に中間転写ベルト162を接触させないように動作する公知の機構である。
中間転写ユニットである中間転写装置160は、カラープリンタ100の本体から着脱自在に構成されている。具体的には、カラープリンタ100の画像形成部120を覆っている図1中の紙面手前側の前カバー(図示省略)を開き、中間転写装置160を図1中の紙面奥側から手前側へスライドさせる。これにより、カラープリンタ100の本体から中間転写装置160を取り外すことができる。中間転写装置160をカラープリンタ100の本体に装着する場合には、取り外し作業とは逆の作業をすればよい。
中間転写ベルト162における二次転写ローラ166よりも移動方向下流側であってプロセスカートリッジ121Yの上流側には、二次転写後の中間転写ベルト162上に付着した残留トナー等の付着物を除去するベルトクリーニング装置167を設けている。ベルトクリーニング装置167は、中間転写ベルト162と一体に支持された状態で中間転写装置160として、カラープリンタ100本体に対して着脱自在に構成されている。
中間転写装置160の上方には、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)に対応したトナーカートリッジ159(Y,C,M,K)が略水平方向に並べて配置されている。プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)の下方には、帯電された感光体10(Y,C,M,K)の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する潜像書込手段として機能する露光装置140が配置されている。
露光装置140の下方には、給紙部130が配置されている。給紙部130には、シート状記録媒体としての転写紙Pを収容する上下2段構成の給紙カセット131と、これに対応した給紙ローラ132が設けられている。給紙カセット131に積載された最上の転写紙Pは給紙ローラ132によって送り出され、レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ166との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで給送される。
また、二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着装置90が配置されており、この定着装置90の転写紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された転写紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
図2は、カラープリンタ100が備えるプロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)を示す概略構成図である。尚、図2において二点鎖線で示した部分は、プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)を構成するものでないことを表している。
各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,K)の構成は、ほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Kを省略して、プロセスカートリッジ121の構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50と、除電装置60を備えている。
感光体10は、ベルトやプーリ、或いはギヤ列等の駆動力伝達手段を介して、像担持体駆動手段としての感光体駆動モータ11に連結されている。感光体駆動モータ11は、後述するように制御されることで、感光体10の線速度(以下、単に線速ともいう)が変更可能になっている。
クリーニング装置30は、一次転写後の感光体10の表面に残留する残留トナーや紙粉等を除去するクリーニングブレード31と、クリーニングブレード31によって除去された残留トナー等を廃トナータンクなどに搬送する搬送スクリュ32等とを有する。
帯電装置40は、感光体10と接触して感光体10の表面を帯電させる帯電部材として機能する帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42と、帯電ローラ41に帯電バイアスを印加する帯電バイアス電源部43を有する。帯電バイアス電源部43は、帯電ローラ41に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段として機能する。
尚、帯電ローラ41、帯電バイアス電源部43は、これに限らず、コロナ放電方式で帯電させるスコロトロンやコロトロン、これに電力を供給する電源部であってもよい。
現像装置50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、キャリアとトナーとを含む現像剤を表面に担持する現像剤担持体として機能する現像ローラ51を備える。現像装置50は、この現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌スクリュ52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給しながら搬送する供給スクリュ53とを有する。
以上のような構成を有する4つのプロセスカートリッジ121は、それぞれ単独でサービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、カラープリンタ100から取り外した状態のプロセスカートリッジ121については、感光体10、帯電装置40、現像装置50、クリーニング装置30が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。尚、プロセスカートリッジ121は、クリーニング装置30で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、プロセスカートリッジ121において廃トナータンクを単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
次に、図1及び図2を用いて、カラープリンタ100の動作について説明する。
カラープリンタ100では、オペレーションパネルやパーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント命令を受け付ける。まず、感光体10は図2の矢印Aで示す移動方向(回転方向)に回転され、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面が所定の極性に一様に帯電される。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は入力されたカラー画像データに対応して光変調されたレーザ光Lを色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像が形成される。各感光体10上の各静電潜像に対し、各色の現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤が供給され、各色の静電潜像が各色の現像剤中のトナーで現像され、各色に対応したトナー像が形成されて可視像化される。
次いで、一次転写電源部169から一次転写ローラ161にトナーと逆極性の一次転写バイアスである転写電圧を印加すること(又は一次転写電流を流すこと)によって、中間転写ベルト162を挟んで感光体10と一次転写ローラ161との間に一次転写電界が形成される。同時に、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162が弱圧接されることで一次転写ニップが形成される。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
ここで、一次転写部材に一次転写バイアスを印加する「転写バイアス印加手段」と同等の意味合いで、次の「一次転写電界形成手段」のようにも表現できる。即ち、転写バイアス印加手段に代えて、電流又は電圧制御により像担持体と一次転写部材との間に像担持体上のトナー像を中間転写体に転写させる電界を形成する一次転写電界形成手段とも表現できる。これに限らず、一次転写部材に一次転写バイアス及び/又は一次転写電流を印加する一次転写条件印加手段とも表現できる。
中間転写ベルト162上に一次転写された積層トナー像に対しては、給紙カセット131内に収容されている転写紙Pが給紙ローラ132によって送り出され、更にレジストローラ対133等を経て所定のタイミングで給送される。そして、二次転写ローラ166にトナーと逆極性の二次転写バイアスである転写電圧が印加されることにより、転写紙を挟んで中間転写ベルト162と二次転写ローラ166との間に二次転写電界が形成され、転写紙上に積層トナー像が転写される。積層トナー像が転写された転写紙は定着装置90に送られ、熱及び圧力の作用で定着される。トナー像が定着された転写紙は、排紙ローラ134によって排紙収納部135に排出、積載される。一方、一次転写後の各感光体10上に残留する転写残トナー等は、各クリーニング装置30のクリーニングブレード31によって掻き取られ、除去される。
次に、本発明の特徴部である感光体と中間転写ベルトの線速度差制御、一次転写バイアス制御について説明する。まず、トナー濃度制御と、残像という異常画像の発生メカニズムについて、図1のカラープリンタ100の制御部15による本発明に特有の制御が実行されない場合を説明する。
図1のカラープリンタ100において、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行う度に、各色の画像濃度を適正化するための図3に示す画像濃度制御を実行する。図3は、中間転写ベルト162上に形成された階調パターンSk、Sm、Sc、Syを各光学センサ151(Y,C,M,K)によって検知する画像濃度制御内容を説明する斜視図である。尚、図3は、図1の中間転写ベルト162を下側から見た図を上下逆にして示している。
図3に示すように、中間転写ベルト162の移動方向Fと直交する主走査方向Sに沿って、中間転写ベルト162表面に所定の距離をもって4つの光学センサ151(Y,C,M,K)が配置されている。画像濃度制御は、まず、図3に示すような、各色の階調パターンSy,Sc,Sm,Skを中間転写ベルト162上における各光学センサ151(Y,C,M,K)に対向する位置に自動形成する。
各色の階調パターンは、10個の画像濃度が異なる2[cm]×2[cm]の面積のトナーパッチからなっている。各色の階調パターンSy,Sc,Sm,Skを作成するときの、感光体10(Y,C,M,K)の帯電電位は、プリントプロセスにおける一様な感光体10の帯電電位とは異なり、値を徐々に大きくする。そして、レーザ光の走査によって階調パターン像を形成するための複数のパッチに対応した静電潜像を感光体10(Y,C,M,K)にそれぞれ形成させながら、それらを(Y,C,M,K)用の現像装置50によって現像する。この現像の際、(Y,C,M,K)用の現像ローラ51に印加される現像バイアスの値を徐々に大きくしていく。このような現像により、感光体10(Y,C,M,K)上には(Y,C,M,K)の階調パターン像が形成される。これらは、中間転写ベルト162の主走査方向Sに所定の間隔で並ぶように一次転写される。このときの、各色の階調パターンにおけるトナーパッチのトナー付着量は最小で0.1[mg/cm]、最大で0.55[mg/cm]ほどあり、また、トナーQ/d(Q:トナー帯電量、d:トナー粒径)分布を測定すると、ほぼ正規帯電極性にそろっている。
中間転写ベルト162に形成された各トナーパターン(Sy,Sc,Sm,Sk)は、中間転写ベルト162の無端移動に伴って、光学センサ151との対向位置を通過する。この際、光学センサ151は、各階調パターンのトナーパッチに対する単位面積当たりのトナー付着量に応じた量の光を受光する。
次に、各色トナーパッチを検知したときの光学センサ151の出力電圧と、付着量変換アルゴリズムとから、各色のトナーパターンの各トナーパッチにおける付着量を算出し、算出した付着量に基づき作像条件を調整する。具体的には、トナーパッチにおけるトナー付着量を検知した結果と、各トナーパッチを作像したときの現像ポテンシャル(現像バイアスVbと感光体露光電位VLとの差)とに基づいて、その直線グラフを示す関数(y=ax+b)を回帰分析によって計算する。そして、この関数に画像濃度の目標値を代入することで適切な現像バイアス値を演算し、(Y,C,M,K)用の現像バイアス値を特定する。
後述する図6に示す制御部15のROM17等のメモリ内には、数十通りの現像バイアス値と、それぞれに個別に対応する適切な感光体帯電電位とが予め関連付けられている作像条件データテーブルが格納されている。各プロセスユニット(Y,C,M,K)について、それぞれこの作像条件テーブルの中から、特定した現像バイアス値に最も近い現像バイアス値を選び出し、これに関連付けられた感光体帯電電位を特定する。
図4は、感光体帯電電位Vdが高いときを「高Vd」及び感光体帯電電位Vdが低いときを「低Vd」として、それぞれの現像ポテンシャルGPを説明する図である。図4の上部には上記の内容が、図4の下部には図4の上部に示した現像ポテンシャルGPの際の中間転写ベルト162に形成されるトナー画像TGの画像パターンが示されている。図4において、10Sは感光体10の軸方向を示す。
図4に示すように、本実施形態を含め一般的に、トナーが初期状態であったり、環境が低温・低湿であったりすると、トナーの帯電量が高く、感光体10上に任意のトナー量を現像するためには、現像ポテンシャルGPを大きくする必要がある。現像バイアスVbと感光体帯電電位Vdの差は一定値であるので、結果として感光体帯電電位Vdは大きくなる(図4の高Vd)。一方、トナー帯電量は経時で低くなりやすく、また環境が高温・高湿であるとトナーの帯電量は低くなるので、感光体上に任意のトナー量を現像する際、現像ポテンシャルGPは小さく、つまり結果として感光体帯電電位Vdが小さくなる(図4の低Vd)。
図5を用いて感光体表面電位の時系列での変化を説明する。図5(a)は感光体表面電位の時系列での変化を感光体10周りの部材配置との関係で説明する図、図5(b)は感光体表面電位の時系列での変化を示すグラフである。図5(b)のグラフにおいて、横軸には時間tを取り、縦軸には感光体帯電電位Vd、感光体露光電位VLを取っている。
図5(a)、図5(b)に示すように、Step1.の帯電部で、帯電ローラ41を介して感光体10を帯電し、感光体10の表面電位が感光体帯電電位Vdとなる。次いで、Step2.の露光部で、露光装置140により感光体10を露光し、感光体10の表面電位が感光体露光電位VLとなる。
次いで、Step3.の一次転写部で、一次転写ローラ161を介して一次転写バイアス(又は一次転写電流)が印加され、感光体10の表面電位がさらに+電位方向へシフトする。次いで、Step4.の帯電部で、感光体10を再帯電する。更にはStep4.にて再帯電するが、Step3.にて一次転写バイアスの影響で感光体表面電位が+帯電した状態となると、再帯電時には、狙いの感光体帯電電位Vdよりも低く帯電してしまいやすい。すると、感光体10の2周目において、感光体10の1周目での露光部と非露光部とで、感光体表面電位が異なるため、画像濃度差が生じてしまい、残像TRIとして現れる。特に、低い感光体帯電電位Vd時であると、転写後の感光体表面電位が+にシフトしやすいので、残像TRIが発生しやすくなる。
また、低い感光体帯電電位Vd時というのは、トナーが低帯電な時であり、感光体10上にトナーが現像しやすい状況である。すると、感光体表面電位の少しの電位差でもトナーの付着量の差が大きくなってしまい、画像濃度差が現れやすくなるため、残像TRIが顕著に見えやすくなってしまう。
ここで、図6を用いて、本実施形態の主な制御構成を説明する。図6は、本実施形態1の主な制御構成を示すハードウェアブロック図である。
制御部15は、図1のカラープリンタ100全体の制御を司る制御手段として機能するが、図6に示すように、本発明の特徴部である感光体と中間転写ベルトの線速度差制御、一次転写バイアス制御に係る主な制御構成に絞って説明することとする。制御部15は、演算手段および制御手段の機能を有するCPU16と、情報記憶部とを備えていて、例えば複数のマイクロコンピュータを具備している。情報記憶部は、データを記憶する不揮発性RAMを含むRAM、ROM、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。本実施形態では、システムOS、コピー、ファクシミリ、プリンタプロセスに必要な各種制御プログラム、プリンタのPDL(Page Description Language)処理系、システムの初期設定値等を納めたROM17と、ワークメモリ用のRAM18等とで構成されている。
CPU16は、入出力ポートを介して、帯電装置40の帯電バイアス電源部43と、一次転写装置168の一次転写電源部169と、モータ制御部13を介して感光体駆動モータ11と、モータ制御部14を介してベルト駆動モータ12と接続されている。
CPU16から帯電バイアス電源部43には、帯電バイアスを変更する指令信号が送信される。そして、CPU16は帯電バイアス電源部43から変更後の帯電バイアス値に係る信号を受信する。
尚、帯電バイアス電源部43から変更後の帯電バイアス値に係る信号を送信することに代えて、感光体10の感光体帯電電位Vdそのものを検出する帯電電位検出手段として電位センサを感光体10の外周面近傍に配置してもよい。
CPU16から一次転写電源部169には、一次転写バイアス(又は一次転写電流、以下同じ)を変更する指令信号が送信される。そして、CPU16は一次転写電源部169から変更後の一次転写バイアス値(又は一次転写電流値、以下同じ)に係る信号を受信する。
CPU16からモータ制御部13を介して感光体駆動モータ11には、感光体駆動モータ11の線速度(回転速度)を変更する指令信号が送信される。そして、CPU16はモータ制御部13を介して線速度変更後の感光体駆動モータ11の線速度に係る信号を受信する。ここで、モータ制御部13は、感光体駆動モータ11を制御するモータコントローラとモータドライバの両方の機能を有していてもよい。
CPU16からモータ制御部14を介してベルト駆動モータ12には、ベルト駆動モータ12の線速度(走行速度)を変更する指令信号が送信される。そして、CPU16はモータ制御部14を介して線速度変更後のベルト駆動モータ12の線速度に係る信号を受信する。ここで、モータ制御部14は、ベルト駆動モータ12を制御するモータコントローラとモータドライバの両方の機能を有していてもよい。
ROM17には、CPU16の機能を発揮するための制御プログラムや、必要な関係データなどが予め記憶されている。RAM18には、各種センサの情報やCPU16に対して送受信される情報に係る各種信号等が随時或いは定期的に記憶される。ROM17には、上記した数十通りの現像バイアス値と、それぞれに個別に対応する適切な感光体帯電電位とが予め関連付けられている作像条件データテーブルが格納されている。
制御部15のCPU16(以下、説明の簡明化のために単に制御部15ともいう)は、感光体と中間転写ベルトの線速度差制御、一次転写バイアス制御(又は一次転写電流制御)を行う機能を有する。
具体的には、第1に、制御部15は、感光体帯電電位Vdの大きさに基づいて、線速度差Vsを変更するように感光体駆動モータ11及びベルト駆動モータ12を制御し、且つ一次転写バイアスを変更するように一次転写電源部169を制御する基本的な機能を有する。ここで、線速度差Vsとは、感光体10の線速度と中間転写ベルト162の線速度との差である。
第2に、制御部15は、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、線速度差Vsを変更し、且つ一次転写バイアスを変更するように一次転写電源部169を制御する機能を有する。
第3に、制御部15は、帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、感光体10の線速度を変更し、且つ一次転写バイアスを変更する機能を有する。
第4に、制御部15は、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、中間転写ベルト162の線速度を変更し、且つ一次転写バイアスを変更するように一次転写電源部169を制御する機能を有する。
第5に、制御部15は、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、線速度差Vsの絶対値を大きくし、且つ一次転写バイアスを変更するように一次転写電源部169を制御する機能を有する。
第6に、制御部15は、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、線速度差Vsの絶対値を大きくし、且つ一次転写バイアスを線速度差Vsの絶対値を大きくしないときに使用する値よりも低い値に変更するように一次転写電源部169を制御する。
説明が前後するが、図5を用いて上述した説明内容を踏まえると、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値が大きくなるように、感光体駆動モータ11を制御すればよいことが分かる。
そこで、感光体帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値が大きくなるように、感光体10の線速度を中間転写ベルト162の線速度よりも速くする、又は遅くするように感光体駆動モータ11を制御する。また、これと同時に、一次転写バイアスを通常よりも低くなるように制御すればよい。
以下、感光体10の線速度を中間転写ベルト162の線速度よりも速くする場合について述べる。
(実施例1)
本実施例では、線速度256[mm/sec]のカラープリンタ100を含む画像形成装置を想定しており、この場合は、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsを2%つけるように感光体駆動モータ11が制御部15によって制御される。通常は、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsは0.4%となるように予め設定されている。
尚、線速度256[mm/sec]のカラープリンタ100とは、感光体10の線速度、中間転写ベルト162の線速度及び転写紙を給送する給紙速度が線速度256[mm/sec]であることを意味する。
制御部15は、感光体帯電電位Vdが600V以上であるときは、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsが通常通りになるように、感光体駆動モータ11を制御する。また、感光体帯電電位Vdが600V未満であるときは、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsが2%になるように、感光体駆動モータ11を制御する。感光体10と中間転写ベルト162の線速度差Vsを2%以上大きくしても、これ以上の転写率向上の効果がない(飽和してしまっている)ことは、線速度256[mm/sec]の図1相当の実機での複数回の実験を繰り返しての実験結果から既に分かっている。また、線速度差Vsを大きくしすぎると、感光体10や中間転写ベルト162の駆動伝達部分(ギヤ同士の噛み合い等)での振動によるバンディングが生じてしまい、異常画像となってしまう懸念もある。
感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値を大きくすることで、感光体10と感光体10上トナー層との間の付着力を弱まらせるせん断力が働き、中間転写ベルト162が感光体10上のトナー像を掻き取るように変化する。これにより、感光体10上のトナー像の中間転写ベルト162への転写率が向上する。
図7は、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsによる一次転写率アップ効果を表す線図であり、横軸には一次転写電流[μA]を、縦軸には一次転写率[%]をそれぞれ取り、線速度差Vsをパラメータとしている。図7において、線速度差Vs0.4%(def)とは、通常設定(def)の線速度差Vsを表している。
図7の太矢印(B)で示すように、感光体帯電電位Vdが600V未満のときに、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsを2%つけて、一次転写電流を通常よりも25μA低く設定しても、高い転写率を維持することができることが分かる。尚、図7の実験結果では、一次転写バイアスとして一次転写電流[μA]を用いている(後述する図8に示す実施例2でも同様)。
一次転写電流を通常よりも25μA低くすることで、一次転写電流によって感光体10の表面電位が受ける影響を小さくすることができ、転写後の感光体10の表面電位が+にシフトしづらくなる。これにより、感光体10の2周目以降の再帯電時も、感光体10の表面電位ムラが起きづらくなるため、残像の発生を防ぐことができる。
尚、最初から感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値を大きくし、常に転写性が良い状態にして、一次転写電流(又は一次転写バイアス)を低く設定しておく方法も考えられる。
しかしながら、この場合、感光体10、中間転写ベルト162への負荷が大きくなってしまい、ユニット寿命を縮めてしまう。従って、感光体帯電電位Vdが600V未満のときにのみ感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsを2%にするように感光体駆動モータ11を制御するのが有効である。また、各色のユニットごとに上記制御を実施するようにしてもよい。そうすることで、各色のユニットごとに低寿命化を防ぐことができる。
また、本実施例1では、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値を大きくするために、感光体10の線速度を速くするように感光体駆動モータ11を制御するが、遅くするように制御してもよい。また、感光体10の線速度制御に限らず、中間転写ベルト162の線速度を速くする、又は遅くするように中間転写ベルト162のベルト駆動モータ12を制御するようにしてもよい。但し、その場合は、転写紙上の出力画像が伸びてしまわないように、又は縮んでしまわないように、露光装置140から感光体10への書き込みタイミングを変えるように制御する必要がある。
また、上述した感光体10と中間転写ベルト162との線速度差制御及び一次転写バイアス制御の閾値となる感光体帯電電位Vdの値、一次転写電流(又は一次転写バイアス)の下げ量ΔT1に関しては、システムによって最適化することができるため、これに限らない。
以上説明したとおり、実施形態1及び実施例1に係る第1の技術構成は、感光体10などの像担持体と、像担持体を駆動する感光体駆動モータ11などの像担持体駆動手段と、像担持体の表面を帯電させる帯電ローラ41などの帯電部材と、像担持体の表面を帯電させるための帯電バイアスを印加する帯電バイアス電源部43などの帯電バイアス印加手段と、像担持体上に潜像を形成する露光装置140などの潜像書込装置と、像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像装置50などの現像装置と、像担持体上のトナー像が転写される中間転写ベルト162などの中間転写体と、像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写ローラ161などの一次転写部材と、一次転写部材に一次転写バイアスを印加するための(又は一次転写電流を流すための)一次転写電源部169などの転写バイアス印加手段と、中間転写体を駆動するベルト駆動モータ12などの中間転写体駆動手段と、像担持体の帯電電位Vdの大きさに基づいて、像担持体の線速度と中間転写体の線速度との線速度差Vsを変更し、且つ一次転写バイアス(又は一次転写電流、以下同じ)を変更する制御部15などの制御手段と、を備えるカラープリンタ100などの画像形成装置である。
かかる第1の技術構成によれば、如何なる像担持体帯電電位に関わらず、中間転写体上のトナー付着量を減らすことなく、残像発生のない安定した画像品質を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
この効果を奏する理由は下記による。即ち、感光体などの像担持体から中間転写ベルトなどの中間転写体へトナー像を転写する場合、像担持体の線速度を中間転写体の線速度と異ならせると、像担持体と像担持体上トナー層との間の付着力を弱まらせるせん断力が働く。これにより、中間転写体が像担持体上のトナー像を掻き取り、中間転写体への転写性が向上し、中間転写体上のトナー量が増加する。像担持体と中間転写体との線速度差の絶対値が大きければ、その効果はより顕著に現れる。従って、一次転写バイアス(又は一次転写電流)を通常よりも低く設定しても、高い転写率を維持することができる。像担持体の帯電電位Vdが低いときに、一次転写バイアス(又は一次転写電流)を下げても、転写率は維持しつつ、転写後の像担持体の表面電位への影響を小さくすることができ、残像が発生することを防ぐことができるからである。
実施形態1及び実施例1に係る第2の技術構成は、第1の技術構成において、制御手段は、前記帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、前記線速度差Vsを変更し、且つ一次転写バイアスを変更する。
かかる第2の技術構成によれば、像担持体の帯電電位Vdが低いと、上述した残像が発生しやすいが、一次転写バイアスを変更することで、残像発生を防ぐことができる。また、像担持体と中間転写体との線速度差を変更することで、転写率が向上し、一次転写バイアスを変更しても、通常と同等の転写率を確保することができる。さらに、像担持体の帯電電位Vdが任意の値未満のときのみ、前記線速度差を変更することにより、常に線速度差を変更するよりも、像担持体、中間転写体への負荷を低減することができ、長寿命化につながる。上述したとおり、残像とは、一次転写バイアスの影響で、像担持体1周目の露光パターンの像担持体上表面電位が、像担持体2周目以降の再帯電時にも残留し、像担持体1周目の露光パターン履歴が、画像として現れる異常画像を指す。
実施形態1及び実施例1に係る第3の技術構成は、第1又は第2の技術構成において、制御手段は、前記帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、像担持体の線速度を変更し、且つ一次転写バイアスを変更する。
かかる第3の技術構成によれば、像担持体の線速度を変更することで、中間転写体との線速度差を変更することができ、転写率を向上することができる。
実施形態1及び実施例1に係る第4の技術構成は、第1又は第2の技術構成において、制御手段は、前記帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、中間転写体の線速度を変更し、且つ一次転写バイアスを変更する。
かかる第4の技術構成によれば、中間転写体の線速度を変更することで、像担持体との線速度差を変更することができ、転写率を向上することができる。
実施形態1及び実施例1に係る第5の技術構成は、第1ないし第4の何れか1つの技術構成において、制御手段は、前記帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、前記線速度差Vsの絶対値を大きくし、且つ一次転写バイアスを変更する。
かかる第5の技術構成によれば、像担持体と中間転写体との線速度差の絶対値を大きくすることによって、転写率を向上することができる。
実施形態1及び実施例1に係る第6の技術構成は、第1ないし第5の何れか1つの技術構成において、制御手段は、前記帯電電位Vdが任意の値未満であるときに、前記線速度差Vsの絶対値を大きくし、且つ前記一次転写バイアスを前記線速度差Vsの絶対値を大きくしないときに使用する値よりも低い値に変更することを特徴とする画像形成装置。
かかる第6の技術構成によれば、一次転写バイアスを低くすることで、転写から受ける像担持体への残留電位の影響を小さくすることができ、残像の発生を防ぐことができる。
実施形態1及び実施例1に係る第7の技術構成は、第1ないし第6の何れか1つの技術構成において、像担持体と、帯電装置及び現像装置のうち少なくとも1つとが一体となって画像形成装置の本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ121などのプロセスカートリッジを構成しているカラープリンタ100などの画像形成装置である。
かかる第7の技術構成によれば、作像手段である作像ユニットが、像担持体を含み、現像装置、帯電装置の少なくとも1つを含むプロセスカートリッジであることによって、作像手段が一体化されて、セット性・メンテナンス性が良くなる。更に、一体化することにより、現像部材、帯電部材等の像担持体に対する位置精度が良くなる。
上述の背景技術に挙げた特許文献1の技術では、トナー像の転写材への良好な転写性を確保することを目的として、現像バイアスの大きさに応じて、感光体と転写材の線速度比を適宜変化させると開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、感光体帯電電位Vdが低いとき、転写バイアスの影響で残像が発生してしまうという問題がある。
(実施例2)
実施例2について説明する。実施例2は、第1の実施形態と基本的な構成は同じであり、また実施例1では、感光体帯電電位Vdが600Vを閾値として、感光体10と中間転写ベルト162の線速度差Vsの絶対値、及び一次転写バイアスを2段階で制御していた。
実施例2では、感光体帯電電位Vdの値によって、転写バイアスによる感光体表面電位への影響の大きさは異なる、つまり残像発生に対する余裕度が異なることに着目した。実施例2は、実施例1と比較して、感光体帯電電位Vdの値に応じて、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの絶対値の大きさ、及び一次転写バイアスを多段階にして制御することが相違する。
感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsの大きさによる一次転写率への効果は、図8に示すように実験結果からも分かっている。そのため、感光体10と中間転写ベルト162との線速度差Vsによる転写率アップ効果を示す表1に示すような感光体帯電電位Vdの値によって、線速度差Vsの大きさ、一次転写バイアスとしての一次転写電流の下げ量ΔT1を多段制御にすることができる。
これにより、感光体10と中間転写ベルト162に必要以上に無駄な線速度差Vsをつける必要がなくなり、実施例1よりもユニットの低寿命化をより確実に防ぐことができる。但し、表1の値も、システムによって最適化することができるので、これに限らないことは無論である。
Figure 2016177168
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
上述した実施形態では画像形成装置としてカラープリンタを用いた例で説明したが、本発明が適用可能な画像形成装置はこれに限らず、例えば複写装置、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の機能を併有する複合機などのほかの画像形成装置にも適用可能である。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10 感光体(像担持体、潜像担持体の一例)
11 感光体駆動モータ(像担持体駆動手段の一例)
12 ベルト駆動モータ(中間転写体駆動手段の一例)
15 制御部(制御手段の一例)
16 CPU(制御手段の一例)
17 ROM
18 RAM
40 帯電装置
41 帯電ローラ(帯電部材の一例)
43 帯電バイアス電源部(帯電バイアス印加手段の一例)
50 現像装置
100 カラープリンタ(画像形成装置の一例)
120 画像形成部
121 プロセスカートリッジ
140 露光装置(潜像書込装置の一例)
160 中間転写装置
161 一次転写ローラ(一次転写部材の一例)
162 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
166 二次転写ローラ
168 一次転写装置
169 一次転写電源部(転写バイアス印加手段の一例)
F 中間転写ベルトの移動方向、副走査方向
S 主走査方向
P 転写紙(シート状記録媒体の一例)
Vd 感光体帯電電位(像担持体の帯電電位)
Vs 線速度差
特開2005−234301号公報

Claims (7)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体を駆動する像担持体駆動手段と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段と、
    前記像担持体上に潜像を形成する潜像書込装置と、
    前記像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、
    前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する一次転写部材と、
    前記一次転写部材に一次転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、
    前記中間転写体を駆動する中間転写体駆動手段と、
    前記像担持体の帯電電位の大きさに基づいて、前記像担持体の線速度と前記中間転写体の線速度との線速度差を変更し、且つ前記一次転写バイアスを変更する制御手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電電位が任意の値未満であるときに、前記線速度差を変更し、且つ一次転写バイアスを変更することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電電位が任意の値未満であるときに、前記像担持体の線速度を変更し、且つ前記一次転写バイアスを変更することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電電位が任意の値未満であるときに、前記中間転写体の線速度を変更し、且つ前記一次転写バイアスを変更することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電電位が任意の値未満であるときに、前記線速度差の絶対値を大きくし、且つ前記一次転写バイアスを変更することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電電位が任意の値未満であるときに、前記線速度差の絶対値を大きくし、且つ前記一次転写バイアスを前記線速度差の絶対値を大きくしないときに使用する値よりも低い値に変更することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体と、前記帯電装置及び現像装置のうち少なくとも1つとが一体となって前記画像形成装置の本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを構成していることを特徴とする画像形成装置。
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