JP2016176220A - 防振スラブ軌道 - Google Patents

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渡辺 勉
Tsutomu Watanabe
勉 渡辺
恵一 後藤
Keiichi Goto
恵一 後藤
慎太郎 箕浦
Shintaro Minoura
慎太郎 箕浦
弘大 松岡
Kota Matsuoka
弘大 松岡
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Abstract

【課題】軌道スラブの固有振動数を14Hzまで低減させることにより、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度までの部材振動を低減することができる。【解決手段】下部構造に設けられた路盤コンクリート上に弾性変形可能なスラブマット3を介して軌道スラブ2を設け、スラブマット3は、軌道スラブ2の下面2a全体にわたって配置され、軌道スラブ2は、一体的にユニット化されたコンクリート製により形成され、1ユニットの軌道スラブ2の線路方向Xの長さ寸法は、防振スラブ軌道1を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法である構成の防振スラブ軌道を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、構造物音を抑制する防振スラブ軌道に関する。
従来、この種の防振スラブ軌道として、例えば特許文献1に示されるような、ばね部材を用いた防振ユニットを軌道スラブと軌道基礎部との間に配設したものが知られている。このような防振スラブ軌道において、鉄道沿線で生じる騒音のうち構造物音は、部材振動に起因して発生する音である。ここで、鉄筋コンクリート(RC)製の高架橋の構造物音の特性は、数十〜200Hz程度の周波数成分が主成分となっている。
ここで、近年では、新幹線の高速化に伴い構造物音が増大している。そのため、構造物音の低減方法としては、車輪およびレールの表面を平滑化することや、車両を軽量化することにより変動作用力を低減することができ、低ばね定数軌道パッドや防振軌道による振動伝搬経路での振動遮断・低減等が有効となっている。構造物音の軌道側での低減方法は、前述のうち低ばね定数軌道パッドや、ゴム等の弾性材を備えた防振軌道等によるものである。
特開平7−259004号公報
しかしながら、従来の防振スラブ軌道では、以下のような問題があった。
すなわち、新幹線における新線建設では、軌道スラブの下面にスラブマットを貼り付け、支持ばね係数を低下させることで下部構造に伝わる列車走行時の振動を低減させる防振G型スラブ軌道が採用されている。このような防振G型スラブ軌道は、既往の測定結果より、沿線騒音の数百〜数kHzの全体音の低減効果は得られているが、防振G型スラブ軌道の上下の固有振動数が57Hzであり、構造物音の主成分の周波数帯と重複しているため、構造物音の主成分である200Hz以下の帯域では明確な振動低減効果が得られず、走行性が低下するという問題があった。
そのため、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度の周波数帯で低減効果を得るためには、軌道の固有振動数をさらに低下させる必要があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、軌道スラブの固有振動数を14Hzまで低減させることにより、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度までの部材振動を低減することができ、走行性を改善することができる防振スラブ軌道を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る防振スラブ軌道は、下部構造に設けられた路盤コンクリート上に弾性変形可能な弾性材を介して軌道スラブを設けた防振スラブ軌道であって、前記弾性材は、前記軌道スラブの下面全体にわたって配置され、前記軌道スラブは、一体的にユニット化されたコンクリート製により形成され、1ユニットの前記軌道スラブの線路方向の長さ寸法は、当該防振スラブ軌道を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法であることを特徴としている。
本発明では、例えば新幹線の最大車両長が25mのときに1ユニットの軌道スラブの長さ寸法を37.5mの連続化した構造となる。すなわち、軌道スラブの長さ寸法を列車の最大車両長の1.5倍以上とすることで、軌道スラブの継目を減らすことができ連続化させることが可能となり、列車による加振と軌道スラブの応答が反共振の状態となる。そのため、軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができ、列車の走行性を改善することができる。したがって、防振スラブ軌道の固有振動数を例えば14Hz程度まで低減させることができ、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度の周波数帯までの部材振動を低減することができる。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、前記軌道スラブ間の継目は、レールの継目以外の箇所に設けられていることが好ましい。
この場合には、軌道スラブ間の継目とレールの継目とが一致しないので、軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化する効果を高めることができる利点がある。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、下部構造に設けられた路盤コンクリート上に弾性変形可能な弾性材を介して軌道スラブを設けた防振スラブ軌道であって、前記軌道スラブは、一体的にユニット化されたコンクリート製により形成され、前記弾性材は、前記軌道スラブの下面において線路方向に支持間隔をあけて複数が配置されるとともに、前記軌道スラブ同士の継目部を支持する継目ばね定数が前記軌道スラブの前記継目部を除く中央部を支持する中央ばね定数の1/2に設定されていることを特徴としている。
本発明では、軌道スラブ同士の継目部を支持する弾性材の継目ばね定数が軌道スラブの継目部を除く中央部を支持する弾性材の中央ばね定数の1/2となるように設定することが可能となる。
そのため、軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができ、列車の走行性を改善することができる。したがって、防振スラブ軌道の固有振動数を例えば14Hz程度まで低減させることができ、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度の周波数帯までの部材振動を低減することができる。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、前記継目部を支持する弾性材における線路方向の長さ寸法は、前記中央部を支持する弾性材の1/2に設定されていることが好ましい。
この場合には、軌道スラブの継目部を支持する弾性材のみの線路方向の長さ寸法が中央部を支持する弾性材の半分となり、ばね定数が半分となることから、効果的に軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、前記継目部を支持する弾性材における厚さ寸法は、前記中央部を支持する弾性材の2倍に設定されていることが好ましい。
この場合には、軌道スラブの継目部を支持する弾性材のみの厚さ寸法が中央部を支持する弾性材の2倍となり、ばね定数が半分となることから、効果的に軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、前記軌道スラブおよび前記路盤コンクリートの少なくとも一方に切欠凹部が設けられ、該切欠凹部には、前記継目部を支持する前記弾性材の厚さ寸法の1/2の部分が嵌入されていることが好ましい。
この場合には、軌道スラブの継目部を支持する弾性材の厚さ寸法の1/2の部分を軌道スラブおよび路盤コンクリートの少なくとも一方に設けられる切欠凹部に嵌入させて収容することができるので、軌道スラブを弾性材を介して路盤コンクリート上に水平に配置することができる。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、前記継目部を支持する弾性材は、前記中央部を支持する弾性材の1/2のばね定数となる材料であることが好ましい。
この場合には、軌道スラブの継目部を支持する弾性材が中央部を支持する弾性材の半分となるばね定数の部材からなることから、効果的に軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、継目部に位置する弾性材と中央部に位置する弾性材の形状を変える必要がなく同形状となるので、形状変化によって生じる軌道スラブや路盤コンクリートの加工が不要となり、施工が簡単になるという利点がある。
また、本発明に係る防振スラブ軌道は、1ユニットの前記軌道スラブの線路方向の長さ寸法は、当該防振スラブ軌道を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法であることが好ましい。
本発明では、軌道スラブ同士の継目部を支持する弾性材の継目ばね定数が中央部を支持する弾性材のみの中央ばね定数を1/2とすることによる上記効果に加えて、軌道スラブを車両長の1.5倍以上の寸法とすることで、軌道スラブの継目を減らすことができ連続化させることが可能となるので、効果的に軌道スラブ同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
本発明の防振スラブ軌道によれば、軌道スラブの固有振動数を14Hzまで低減させることにより、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度までの部材振動を低減することができ、走行性を改善することができる効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による防振スラブ軌道を示す断面図である。 (a)は防振スラブ軌道の平面図であり、(b)は防振スラブ軌道の側断面図である。 変形例による防振スラブ軌道を示す図であって、(a)は防振スラブ軌道の平面図であり、(b)は防振スラブ軌道の側断面図である。 第2の実施の形態による防振スラブ軌道の要部を示す側断面図である。 図4に示す防振スラブ軌道の要部を示す平面図である。 第3の実施の形態による防振スラブ軌道の要部を示す側断面図である。 第4の実施の形態による防振スラブ軌道の要部を示す側断面図である。 振動数比と振動伝達率の関係を示す図である。 A特性補正振動速度レベルによる普通スラブ軌道と防振スラブ軌道の比較を示す図である。
以下、本発明による防振スラブ軌道の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2(a)、(b)に示すように、本第1の実施の形態による防振スラブ軌道1は、新幹線の軌道を対象としており、一体的にユニット化されたプレキャストコンクリート製の軌道スラブ2と、軌道スラブ2の下面2aに貼り付けられるスラブマット3(弾性材)と、軌道スラブ2上に敷設されたレール4と、を備えている。
レール4は、軌道スラブ2の上面2bにレール締結装置41を用いて固定されている。レール4の線路方向Xの継目は、軌道スラブ2、2間の継目部2Aとは線路方向Xにずれた位置に設けられている。
軌道スラブ2は、下部構造に設けられた路盤コンクリート5上にスラブマット3を介して配置されている。1ユニットの軌道スラブ2は、線路方向Xの長さ寸法Lが当該区間を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法になるように設定されている。例えば、新幹線車両の最大車両長が25mの場合の軌道スラブ2の長さ寸法Lは、には、その車両長に車両長の1/2の長さ寸法(12.5m)を加えた37.5mに設定される。なお、本実施の形態の軌道スラブ2では、例えば幅寸法Dが2.34m、高さ寸法Hが0.19mに設定されている。ここで、上述した最大車両長とは、車両本体の先端から後端までの長さ寸法である。
また、軌道スラブ2、2間の継目は、上述したようにレール4の継目以外の箇所に設けられている。
スラブマット3は、軌道スラブ2の下面2aの全面にわたって設けられており、例えばゴム、ポリウレタン等の弾性変形可能な材料が用いられる。
具体的には、例えば非特許文献1(「防振G型スラブ軌道の開発実用化」鉄道技術研究報告(1357)、p1−109、1987−03、佐藤吉彦、他著、鉄道技術研究所、日本鉄道施設協会誌)に記載される廃タイヤから再生したゴム粉を主成分とし、加硫剤やゴム薬品類を添加してホットプレスを用いる圧縮成形により製造されたものを採用することができる。スラブマット3は、支持ばね係数kを下げることで路盤コンクリート5(図1参照)に伝わる列車走行時の振動を低減させ、路盤コンクリート5による構造物音および地盤に生じる振動の低下を図るためのものである。
スラブマット3の支持ばね係数kは、10000kN/mである。
また、スラブマット3は、路盤コンクリート5に対して緩衝作用を有するCAモルタル(図示省略)を介して固着されている。
ここで、図3(a)、(b)に示す防振スラブ軌道1は、軌道スラブ2の高さ寸法Hを大きくした変形例を示している。この軌道スラブ2も1ユニットにおける線路方向Xの長さ寸法Lが37.5mとなっており、下面側の全面にわたってスラブマット3を介して図示しない路盤コンクリート上に設置されている。
次に、上述した構成の防振スラブ軌道1の作用について、図面に基づいて説明する。
本実施の形態では、図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)に示すように、上述したように新幹線の最大車両長が25mのときに1ユニットの軌道スラブ2の長さ寸法Lを37.5mと連続化した構造とすることができる。すなわち、1ユニットの軌道スラブ2の長さ寸法Lを車両長の1.5倍以上の寸法とすることで、軌道スラブ2の継目を減らすことができ連続化させることが可能となり、列車による加振と軌道スラブの応答が反共振の状態となる。そのため、隣り合う軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができ、列車の走行性を改善することができる。
したがって、防振スラブ軌道1の固有振動数を例えば14Hz程度まで低減させることができ、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度の周波数帯までの部材振動を低減することができる。
また、本実施の形態では、軌道スラブ2、2間の継目は、レール4の継目以外の箇所に設けられ、双方の継目同士が平面視で一致しない位置となるので、軌道の変形を抑える効果を高めることができる利点がある。
上述した本第1の実施の形態による防振スラブ軌道1では、軌道スラブ2の固有振動数を14Hzまで低減させることにより、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度までの部材振動を低減することができ、走行性を改善することができる。
次に、本発明の防振スラブ軌道1による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図4に示すように、第2の実施の形態による防振スラブ軌道1Aでは、軌道スラブ2の下面2aにおいて線路方向Xに間隔をあけて複数のゴム材6(弾性材)が配置されている。本実施の形態の軌道スラブ2の線路方向Xの長さ寸法は、とくに制限されず、任意の長さに設定されている。つまり、標準的な5mの長さ寸法の軌道スラブ2であってもかまわない。
複数のゴム材6は、軌道スラブ2、2同士の継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの継目ばね定数k1が軌道スラブ2の継目部2Aを除く中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの中央ばね定数k2の1/2に設定されている。具体的には、図5に示すように、継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aにおける線路方向Xの長さ寸法L1が中央部Sを支持する第2ゴム材6Bの長さ寸法L2の1/2に設定されている。
本第2の実施の形態では、図4に示すように、1ユニットの軌道スラブ2、2同士の継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの継目ばね定数k1が軌道スラブ2の中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの中央ばね定数k2の1/2となるように設定することが可能となる。そのため、軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができ、列車の走行性を改善することができる。これにより、防振スラブ軌道1の固有振動数を例えば14Hz程度まで低減させることができ、構造物音の主成分である数十〜200Hz程度の周波数帯までの部材振動を低減することができる。
また、本実施の形態では、軌道スラブ2の継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aのみの線路方向Xの長さ寸法L1が中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの長さ寸法L2の半分となり、ばね定数が半分となることから、効果的に軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる効果を奏する。
(第3の実施の形態)
図6に示すように、第3の実施の形態による防振スラブ軌道1Bは、継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの厚さ寸法が中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの2倍となっている。つまり、軌道スラブ2、2同士の継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの継目ばね定数k1が軌道スラブ2の継目部2Aを除く中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの中央ばね定数k2の1/2に設定されている。
軌道スラブ2には、継目部2Aの下面側に幅方向に沿って延びる第1切欠凹部21が設けられている。第1切欠凹部21には、継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの厚さ寸法で上側の1/2の部分が嵌入されている。
本第3の実施の形態では、第1ゴム材6Aのみの厚さ寸法が第2ゴム材6Bの2倍となり、ばね定数が半分となることから、効果的に軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、第1ゴム材6Aの厚さ寸法の上部1/2の部分を軌道スラブ2に設けられる第1切欠凹部21に嵌入させて収容することができるので、軌道スラブ2をゴム材6を介して路盤コンクリート(不図示)上に水平に配置することができる。
(第4の実施の形態)
図7に示すように、第4の実施の形態による防振スラブ軌道1Cは、上述した第3の実施の形態と同様に継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの厚さ寸法が中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの2倍となっている。そのため、軌道スラブ2、2同士の継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの継目ばね定数k1が軌道スラブ2の継目部2Aを除く中央部2Bを支持する第2ゴム材6Bの中央ばね定数k2の1/2に設定されている。
路盤コンクリート5には、第1ゴム材6Aが配置される位置に第2切欠凹部51が設けられている。第2切欠凹部51には、継目部2Aを支持する第1ゴム材6Aの厚さ寸法で下側の1/2の部分が嵌入されている。
本第4の実施の形態では、上述した第3の実施の形態と同様に第1ゴム材6Aのみの厚さ寸法が第2ゴム材6Bの2倍となり、ばね定数が半分となることから、効果的に軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、第1ゴム材6Aの厚さ寸法の下部1/2の部分を路盤コンクリート5に設けられる第2切欠凹部51に嵌入させて収容することができるので、軌道スラブ2をゴム材6を介して路盤コンクリート5上に水平に配置することができる。
次に、上述した実施の形態による防振スラブ軌道の効果を裏付けるための比較検討による実施例について以下説明する。
(実施例)
本実施例では、上述した第1の実施の形態に相当する第1実施例(ケース1)及び第4実施例(ケース4)を含めた表1に示す5ケースについて、それぞれ防振スラブ軌道の固有振動数が略14Hzになるように各条件を設定し比較を行った。
防振スラブ軌道の上下方向の固有振動数は、上下1自由度の振動系の固有振動数の理論と概ね一致する。このため、図8に示すように、列車による加振振動数をfとし、防振スラブ軌道の固有振動数をfとすると、f≪fの場合では振動伝達率が略1となり、列車による加振力はそのまま構造物に伝達し、f≒fでは共振状態となり、f>√2×Fでは振動伝達率が1を下回る。なお、図8は、振動数比f/fと振動伝達率の関係を示し、減衰比ζをパラメータにとって図示したものである。減衰比ζは、0、0.05、0.10、0.20、0.50、1.0としている。
ここで、(1)式において、mは単位長さ当たりの軌道スラブの重量を示しており、kは単位長さ当たりの弾性材のばね定数を示している。
Figure 2016176220
図9は、横軸に1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)、縦軸にA特性で補正した振動速度レベル(dB)とし、普通スラブ軌道と防振スラブ軌道を比較したグラフを示している。部材は中間スラブであり、列車速度は260km/hである。図9において、縦軸は、1目盛が10dBである。
図9に示すように、防振スラブ軌道の固有振動数を14Hzとしておけば、√2×14≒20より、略20Hzより高い周波数帯で振動低減効果が得られる。なお、人間の可聴域は20〜20000Hzであるため、固有振動数14Hzを実現する必要がある。具体的には、表1に示すように、弾性材のばね定数kを低下させる方法と、軌道スラブの重量を大きくする方法と、弾性材のばね定数kを低減し軌道スラブの重量を大きくする方法と、がある。
Figure 2016176220
表1において、ケース1〜4はそれぞれ実施例1〜4を示し、ケース5は比較例を示している。そして、それぞれのケース毎に、防振スラブの高さ(m)、幅(m)、軌道スラブの単位体積重量(t/m)、単位長さ当たりの軌道スラブ重量(t/m)、支持間隔(m)、1締結あたりの弾性材のばね定数(kN/m)、単位長さ当たりの弾性材のばね定数(kN/m)、固有振動数(Hz)を示している。
ここで、上述した図2(a)、(b)はケース1の実施例1の実施形態を示しており、図3(a)、(b)はケース4の実施例4の実施形態を示している。
表1の結果、ケース1〜4の実施例1〜4に示すように、軌道スラブを連続支持とすることで、固有振動数が略14Hzとなることを確認することができた。
以上、本発明による防振スラブ軌道の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、軌道スラブ2、2同士の継目部を支持する継目ばね定数k1が軌道スラブ2の継目部2Aを除く中央部2Bを支持する中央ばね定数k2の1/2に設定する構造として、第1ゴム材6A(弾性材)の長さ寸法や厚さ寸法を変えているが、これらに限定されることはない。例えば、継目部2Aを支持する弾性材は、中央部2Bを支持する弾性材の1/2のばね定数となる材料とするようにしてもよい。
この場合には、軌道スラブ2の継目部2Aを支持する弾性材が中央部2Bを支持する弾性材の半分となるばね定数の部材からなることから、効果的に軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、継目部2Aに位置する弾性材と中央部2Bに位置する弾性材の形状を変える必要がなく同形状となるので、効果的に軌道スラブ2、2同士の継目の支持ばね定数の平準化を図ることができる。
また、上述した第2〜第4の実施の形態において、1ユニットの軌道スラブ2の線路方向Xの長さ寸法を、第1の実施の形態と同様に防振スラブ軌道1を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法としてもよい。
この場合、軌道スラブ2、2同士の継目部2Aを支持する第1ゴム材6A(弾性材)の継目ばね定数k1が中央部2Bを支持する第2ゴム材6B(弾性材)のみの中央ばね定数k2を1/2とすることによる上記効果に加えて、軌道スラブ2を車両長の1.5倍以上とすることで、軌道スラブ2の継目を減らすことができ連続化させることが可能となるので、1締結あたりの弾性材のばね定数が小さくなることによる軌道の変形を抑えることができる。
さらに、上述した第3の実施の形態と第4の実施の形態を組み合わせた構成とすることも可能である。すなわち、中央部2Bの第2ゴム材6Bの2倍の厚さ寸法を有する第1ゴム材6Aの上下部分がそれぞれ軌道スラブ2の第1切欠凹部21、路盤コンクリート5の第2切欠凹部51に嵌入される構成であってもよい。この場合、第1切欠凹部21および第2切欠凹部51の深さ寸法は第1ゴム材6Aの1/4の寸法となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A、1B、1C 防振スラブ軌道
2 軌道スラブ
2A 継目部
2B 中央部
2a 下面
3 スラブマット(弾性材)
4 レール
5 路盤コンクリート
6、6A、6B ゴム材(弾性材)
21 第1切欠凹部
51 第2切欠凹部

Claims (8)

  1. 下部構造に設けられた路盤コンクリート上に弾性変形可能な弾性材を介して軌道スラブを設けた防振スラブ軌道であって、
    前記弾性材は、前記軌道スラブの下面全体にわたって配置され、
    前記軌道スラブは、一体的にユニット化されたコンクリート製により形成され、
    1ユニットの前記軌道スラブの線路方向の長さ寸法は、当該防振スラブ軌道を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法であることを特徴とする防振スラブ軌道。
  2. 前記軌道スラブ間の継目は、レールの継目以外の箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防振スラブ軌道。
  3. 下部構造に設けられた路盤コンクリート上に弾性変形可能な弾性材を介して軌道スラブを設けた防振スラブ軌道であって、
    前記軌道スラブは、一体的にユニット化されたコンクリート製により形成され、
    前記弾性材は、前記軌道スラブの下面において線路方向に支持間隔をあけて複数が配置されるとともに、前記軌道スラブ同士の継目部を支持する継目ばね定数が前記軌道スラブの前記継目部を除く中央部を支持する中央ばね定数の1/2に設定されていることを特徴とする防振スラブ軌道。
  4. 前記継目部を支持する弾性材における線路方向の長さ寸法は、前記中央部を支持する弾性材の1/2に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の防振スラブ軌道。
  5. 前記継目部を支持する弾性材における厚さ寸法は、前記中央部を支持する弾性材の2倍に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の防振スラブ軌道。
  6. 前記軌道スラブおよび前記路盤コンクリートの少なくとも一方に切欠凹部が設けられ、
    該切欠凹部には、前記継目部を支持する前記弾性材の厚さ寸法の1/2の部分が嵌入されていることを特徴とする請求項5に記載の防振スラブ軌道。
  7. 前記継目部を支持する弾性材は、前記中央部を支持する弾性材の1/2のばね定数となる材料であることを特徴とする請求項3に記載の防振スラブ軌道。
  8. 1ユニットの前記軌道スラブの線路方向の長さ寸法は、当該防振スラブ軌道を走行する列車の最大車両長の1.5倍以上の寸法であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の防振スラブ軌道。
JP2015056003A 2015-03-19 2015-03-19 防振スラブ軌道 Pending JP2016176220A (ja)

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