JP2016176165A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】鼻呼吸が良好にでき且つ装着感を向上させる。【解決手段】着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部1と、このマスク本体部を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部2,2と、着用者の鼻腔を拡張する鼻腔拡張部3とを備えるマスク100であって、鼻腔拡張部は、平板状の弾性部材31と、マスク本体部を形成するシート材を介して弾性部材を着用者の鼻の鼻梁を挟んだ両側部分へ貼着する貼着部32とを有している。上記マスク100は、シート材を介して弾性部材を着用者の鼻に貼着するので、弾性部材の異物感を低減しつつ鼻梁拡張を図ることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、着用者の顔面の鼻や口等を覆うマスクに関する。
疾病時や花粉、黄砂等の粉塵飛来時、その他の日常生活において使用されるマスクは、異物を遮断する効果を高めるために、マスクと鼻梁両側との隙間を塞いで外部に対する密閉性を高めている。
しかし、密閉性が高まると呼吸のための通気性が低減するため、口呼吸の比率が増加し、マスクの内側には水分を多く含んだ呼気が溜まり、マスクから水分を多く含んだ呼気が漏れ出すことになる。その結果、マスクと共に眼鏡やゴーグルを着用している場合に、眼鏡やゴーグルに水分による曇りが発生し、視界を遮る原因となる。
そこで、従来のマスクでは、口を覆うマスク本体の内面側に、鼻の表皮に粘着する粘着剤層を有する可撓性シート片を固着すると共に、当該可撓性シート片の復元力により鼻の表皮を外側に引っ張ることで鼻腔を広げて、鼻呼吸を楽に行えるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。そして、これにより、口呼吸の頻度を減らし、呼気の水分による眼鏡等の曇りを低減していた。
実用新案登録第3126469号公報
しかしながら、上記特許文献1のマスクは、可撓性シートがマスク本体の内側面に取り付けられていることから、可撓性シートが粘着剤を介して直接的にマスク着用者の皮膚に接触していた。可撓性シートは、可撓性を有することが必須であることから、その形成材料はプラスチックや金属等の硬質材料からなる弾性体が使用される。このような硬質材量からなる可撓性シートが直接的にマスク着用者の皮膚に触れると、異物感があり、さらには、着用者が痛みを感じるおそれがあった。
また、可撓性シートの伸縮は殆ど期待できないことから、硬質材料からなる可撓性シートが直接的に皮膚に貼着されると、表情の変化等の顔の筋肉の動きに追従できず、皮膚が引っ張られ、不快感を感じるおそれがあった。
本発明は、鼻呼吸を良好に行うことができ且つ装着感の良好なマスクを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、
着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、このマスク本体部を前記着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部と、前記着用者の鼻腔を拡張する鼻腔拡張部とを備えるマスクであって、
前記鼻腔拡張部は、
平板状の弾性部材と、
前記マスク本体部を形成するシート材を介して前記弾性部材を着用者の鼻の鼻梁を挟んだ両側部分へ貼着する貼着部とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部は、前記マスク本体部の上縁部に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部は、前記貼着部の貼着面を被覆する剥離紙を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部は、前記弾性部材の着用者側に配置された柔軟性を有する軟性部材を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、冷感作用を有する冷感剤を配置したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、温感作用を有する温感剤を配置したことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のマスクにおいて、
前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、芳香作用を有する芳香剤を配置したことを特徴とする。
本発明のマスクは、鼻腔拡張部を備えているので、マスクの着用者は、鼻腔拡張部により、マスク本体部によって口及び鼻が覆われた状態でも鼻呼吸を容易に行うことが可能となり、口呼吸の比率を低減して、眼鏡やゴーグルの着用時でも、水分による曇りの発生を低減することが可能となる。
さらに、本発明のマスクは、マスク本体部を形成するシート材を介して弾性部材を着用者の鼻の鼻梁を挟んだ両側部分へ貼着するので、弾性部材が直接的に皮膚に接触する場合のような異物感を低減し、軟らかな感触で鼻腔拡張状態を維持することができ、マスクの装着感をより良好なものとすることが可能となる。
また、シート材を介して弾性部材を貼着するので、顔の筋肉の動きが拘束されず、不快感等の発生を十分に低減することが可能となった。
第一の実施形態のマスクを示す斜視図である。 マスク本体部のプリーツを広げない状態での鼻腔拡張部の側面図である。 マスク本体部のプリーツを広げない状態での鼻腔拡張部の平面図である。 マスク着用時の弾性部材の変形状態を示す鼻腔拡張部の平面図である。 図5(A)〜図5(C)はいずれも第二の実施形態としての弾性部材の平面形状の変形例である。 第三の実施形態としての鼻腔拡張部を示す平面図である。 第四の実施形態としての鼻腔拡張部を示す平面図である。 第五の実施形態としての鼻腔拡張部を示す平面図である。 第六の実施形態としての鼻腔拡張部を示す平面図である。 第七の実施形態としての鼻腔拡張部を示す断面図である。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[第一の実施形態]
図1は本発明を適用した発明の第一の実施形態のマスク100を示す斜視図である。また、図2は着用状態のマスク100を正面から見た正面図である。
なお、以下の説明では、顔面側を後側とし、その反対側を前側とする。さらに、マスク100を装着した状態における上側を上部、下側を下部とし、着用者の左手側を左、右手側を右とする。
マスク100は、例えば、使い捨てのプリーツ型のマスク100であり、具体的には、図1及び図2に示すように、着用者の顔面の鼻や口や顎(対象部位)等を覆うマスク本体部1と、このマスク本体部1を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部2、2と、マスク本体部1の上縁部に設けられ、マスク100の着用者の鼻腔を拡張する鼻腔拡張部3を備えている。
マスク本体部1は、例えば、正面視にて略矩形状に形成され、上下方向に広がることが可能なプリーツ11が上下方向に複数形成されている。そして、マスク100の着用時にはプリーツ11が上下方向に広がることによりマスク本体部1が外側に膨出するように山型の立体的形状となって、着用者の顔面の鼻や口や顎等が覆われるようになっている。
また、マスク本体部1はシート材から形成されており、当該シート材は、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、ガーゼ、タオル地等による一枚生地又は複数重ね合わせの生地から形成されている。
なお、マスク本体部1の製造方法は、公知のものであれば如何なるものであっても良く、詳細な説明は省略する。
また、マスク本体部1の左右方向の両縁部12には、左右一対の耳掛け部2、2が設けられている。
左右一対の耳掛け部2、2の各々は、例えば、平紐であり、ゴム紐が縫い込まれて全体が伸縮性を有するものであっても良い。
左側の耳掛け部2の一端部はマスク本体部1の左縁部の上端に、他端部はマスク本体部1の左縁部の下端に縫い付け、接着又は溶着より固定されている。
また、右側の耳掛け部2の一端部はマスク本体部1の右縁部の上端に、他端部はマスク本体部1の右縁部の下端に縫い付け、接着又は溶着より固定されている。
[鼻腔拡張部]
図2はプリーツ11を広げていない状態のマスク本体部1の上部に設けられた鼻腔拡張部3の側面図、図3は平面図である。
鼻腔拡張部3は、マスク本体部1の外側面の上縁部に固着された長尺平板状の弾性部材31と、マスク本体部1の内側面の上縁部に固着された貼着部32と、貼着部32の着用者側の粘着面を被覆する剥離紙33とを有している。
弾性部材31は、図1〜図3に示すように、矩形のマスク本体部1の外側面の上縁部において左右方向に沿ってその中央部に設けられており、マスク着用時には、着用者の鼻の左右の鼻翼の幾分上方となる位置に重なるように配置されている。この弾性部材31は、撓んだ状態からの復元力(弾性力)を利用して鼻腔の拡張を図るものである。
従って、弾性部材31は、合成樹脂、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコン等の適度な弾性を備えた合成樹脂或いは防錆性の金属を材料とする。
上記弾性部材31は、マスク本体部1との対向面が、当該マスク本体部1の外側面に対して、熱や超音波を用いた溶着或いは接着等によって固着されている。なお、弾性部材31の取り付けは、当該弾性部材31の弾性力によって剥離を生じない十分な強度で固定可能ないかなる方法を利用しても良い。また、十分な粘着力を有する両面テープを利用しても良い。
貼着部32は短冊状であり、図2及び図3に示すように、二枚の貼着部32が矩形のマスク本体部1の内側面の上縁部において左右方向に沿った状態でマスク本体部1の中央部を挟んで左右両側に設けられている。
これら貼着部32,32は、弾性部材31と同一幅であって、弾性部材31の半分に満たない長さであり、マスク本体部1を挟んで弾性部材31の左端部と右端部とに対してそれぞれ同一の位置となるように設けられている。
これら貼着部32,32は、シートの両面に粘着剤が塗布されたいわゆる両面テープであり、マスク着用者の鼻の両鼻翼の幾分上方に貼着され、マスク本体部1を介して弾性部材31を鼻の形状に沿うように撓ませた状態に維持することができる。
各貼着部32,32の粘着剤は、アレルギー性の低い感圧性アクリル酸接着剤であって臭いや揮発成分の有無等も考慮して人体に対する影響が十分に小さいものが使用される。感圧性であるため、化学反応による硬化等が生じにくく、長期間の粘着性を維持すると共に、貼着後も弾性部材31の弾性料よりも大きな引っ張り力で鼻の表皮から剥離させることができる。また、アクリル酸系なので、皮脂が付着した表皮でも高い粘着性を維持することができる。
なお、マスク本体部1を複数重ね合わせの生地で形成しても良いことを前述したが、マスク本体部1における鼻腔拡張部3の形成箇所については、重ね合わせの生地同士が離れやすいと、弾性部材31の弾性に基づく張力がマスク着用者の鼻の表皮に伝わりにくくなるので、部分的に一枚生地とするか、重ね合わせの生地同士を接着や溶着により離れにくくすることが望ましい。
なお、貼着部32は、着用者の鼻側の面には上記の粘着剤を付するべきだが、マスク本体部1側の面は粘着剤ではなく、剥離不能な接着材を使用しても良い。即ち、貼着部32はマスク本体部1に対して一度貼着したら剥離する必要がないので、接着で固着するか、熱や超音波で溶着しても良い。
また、貼着部32は、両面テープではなく、テープと同一形状、同一の配置でマスク本体部1の内側面上に形成された上記粘着剤の層であっても良い。
また、貼着部32は、弾性部材31の弾性力に基づく張力を鼻の表皮に伝達できれば良いので、弾性部材31の左端部又は右端部の平面全体を包含するより幾分大きな粘着面を有する構成としても良い。
また、貼着部32は、弾性部材31と同じサイズか弾性部材31の平面全体より幾分大きな粘着面を有するものを一枚のみ使用しても良い。
各貼着部32,32の着用者の鼻側の面には、図2及び図3に示すように、それぞれ貼着部32側の面にロウやワックスの層が形成された剥離紙33,33が貼られており、各貼着部32,32の貼着面が被覆されている。各剥離紙33,33は、それぞれ貼着部32,32の貼着面と同一形状、同一サイズであり、マスク100の着用の際には、各剥離紙33,33は各貼着部32,32から剥離されて廃棄される。
[マスクの着用方法]
図4はマスク100の着用中における鼻腔拡張部3の状態を示した平面図である。
図2及び図3に示すように、マスク100は、鼻腔拡張部3の剥離紙33,33をそれぞれ貼着部32,32から剥離する。
そして、マスク本体部1の鼻腔拡張部3の形成位置を上として、弾性部材31側の面を外側に、貼着部32側の面を着用者の顔面側に向けて、左右の耳掛け部2,2をそれぞれ左右の耳に引っ掛ける。また、左右の耳掛け部2,2を引っ掛けた後には、マスク本体部1の各プリーツ11を上下に引っ張り、マスク本体部1を前方に凸となる立体形状に変形させる。
その結果、露出した貼着部32,32の貼着面は、着用者の鼻の左右の鼻翼よりも幾分上となる位置で表皮に貼着される。これにより、図4のように、弾性部材31は、鼻の鼻梁を挟んで左右両端部が後方に撓み、鼻の形状に倣って弾性変形した状態に保持される。
このとき、弾性部材31は元の平板形状に戻ろうとする弾性力が発生し、鼻梁の左右両側の表皮に対して外側前方に張力を付与する。これにより、鼻腔内部ではその外壁が前方向に引っ張られて鼻腔の断面積が拡張される。
また、使用済みとなったマスク100は、各耳掛け部2,2を耳から外し、各貼着部32,32を鼻の表皮から剥離させることで外すことができる。
[実施形態の技術的効果]
上記マスク100は、着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部1と、このマスク本体部1を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部2,2と、着用者の鼻腔を拡張する鼻腔拡張部3とを備えている。
このため、マスク100の着用者は、鼻腔拡張部3によって鼻腔が広げられ、マスク本体部1によって口及び鼻が覆われた状態でも鼻呼吸を容易に行うことが可能となり、口呼吸の比率を低減することができる。これにより、マスク本体部1から漏れ出る呼気の含有水分量を低減し、眼鏡やゴーグルの着用時でも、水分による曇りの発生を低減することが可能となる。
さらに、マスク100は、平板状の弾性部材31と、マスク本体部1を形成するシート材を介して弾性部材31を着用者の鼻の鼻梁を挟んだ両側部分へ貼着する貼着部32,32を備えている。
このため、金属や樹脂等からなる弾性部材31が、シート材を介してマスク着用者の鼻の表皮に張力を与えるので、弾性部材31が直接接触する場合のような異物感を低減し、軟らかな感触で鼻腔拡張状態を維持することができる。従って、マスクの装着感をより良好なものとすることが可能となる。
また、貼着部32,32によりマスク本体部1の上縁部をマスク着用者に密着させることができるので、呼吸を容易に行いつつ異物の遮断性能を十分に確保することが可能である。
さらに、シート材を介して弾性部材31を貼着するので、顔の筋肉の動きが拘束されず、不快感等の発生を十分に低減することが可能となった。
また、マスク100では、マスク本体部1の上縁部に鼻腔拡張部3を設けているので、着用の際に、位置合わせを意識することなく貼着部32,32を鼻の両鼻翼の上方に導くことができ、着用を容易に行うことができる。
また、上記配置により、マスク着用時に鼻腔拡張部3を着用者の鼻の近傍に配置することができ、より効果的に鼻腔の拡張を行うことが可能となる。
また、上記鼻腔拡張部3は、貼着部32,32の貼着面を被覆する剥離紙33,33を有するので、各貼着部32,32の貼着面を塵芥や汚れから保護することができ、マスク100を使用するまで、各貼着部32,32の粘着性を高く維持することが可能となる。
[第二の実施形態]
第二の実施形態として鼻腔拡張部3の弾性部材の他の例を示す。なお、この第二の実施形態以降で説明するマスク又は鼻腔拡張部については、全て、図1のマスクと異なる点について専ら説明するものとし、図1のマスクと同じ構成については説明を省略する。
前述した弾性部材31は、短冊状としたがこれに限定されるものではなく、左右方向について鼻の左右の鼻翼程度の幅を有するものであれば良い。その場合、弾性部材は左右が対称形状であることが望ましい。
図5にその一例を示す。例えば、図5(A)に示す弾性部材31Aのように、平面形状を波形としても良い。
また、図5(B)に示す弾性部材31Bのように、平面形状を円形、より望ましくは長円形としても良い。
また、図5(C)に示す弾性部材31Cのように、短冊状であって、その両端部が丸みを帯びた形状としても良い。また、短冊状ではない弾性部材の場合も両端部に丸みを形成しても良い。
[第三の実施形態]
第三の実施形態として鼻腔拡張部材の他の例を示す。図6は弾性部材31の着用者側に柔軟性を有する軟性部材34D,34Dを有する鼻腔拡張部3Dを示している。
上記軟性部材34Dとしては例えばシリコン樹脂が上げられるが、例えば、手で押して凹む程度の柔軟性を有する他の材料を利用しても良い。
各軟性部材34D,34Dは、各貼着部32,32とマスク本体部1との間に介挿されており、貼着部32の平面全体に密着可能な大きさに形成されている。
なお、軟性部材34Dは、弾性部材31と貼着部32との間であれば良いので、マスク本体部1と弾性部材31との間に介挿しても良い。その場合には、軟性部材は一つでよく、弾性部材31の平面全体に密着可能な大きさに形成される。
このように、軟性部材34D,34Dを鼻腔拡張部3Dに設けることにより、弾性部材31による異物感をより低減し、さらに軟らかな感触で鼻腔拡張状態を維持することができ、マスクの装着感をより良好なものとすることが可能となる。
[第四の実施形態]
第四の実施形態としてマスクの他の例を示す。図7は鼻腔拡張部3Eに冷感作用を有する冷感剤を配置したマスクを図示している。
アレルギーの炎症反応による血管拡張を原因とする鼻づまりは、血管を収縮させることにより改善することが知られている。従って、マスクに冷感剤による冷感作用を持たせ、マスク着用者の鼻づまりを改善し、鼻呼吸を良好に行うことを可能としている。
冷感剤としては、単一成分で冷感作用を有するものと水分との反応により冷感作用を生じるものとがある。前者としては、メントール、サリチル酸、カンフル、ハッカ油等があり、後者としては、硝酸アンモニウム、尿素又はこれらの混合物などがある。
上記冷感剤としては、皮膚に刺激等の何らかの影響を与えるものもあるので、直接、皮膚に触れない配置とすることが望ましい。例えば、図7のように、弾性部材31と同程度の大きさの冷感剤を含ませた冷感剤シート35Eを弾性部材31とマスク本体部1との間に介挿させても良い。
また、後述する図8の例と同様に、貼着部32と同程度の大きさの冷感剤シート(符号35F参照)を各貼着部32,32とマスク本体部1との間に介挿させても良いし、後述する図9の例と同様に、弾性部材31の外側面に冷感剤シート(符号35G参照)を配置しても良い。
その他、弾性部材31と各貼着部32,32との間でマスク本体部1に冷感剤を含ませても良いし、弾性部材31を多孔質材料から形成し、弾性部材31に直接、冷感剤を含ませても良い。
上記冷感剤を配置したマスクの場合には、冷感剤により血管収縮が図られ、鼻づまりの改善と共に鼻腔拡張との相乗効果により、さらに良好な鼻呼吸を行うことが可能となり、眼鏡等の曇りの発生もさらに低減することが可能となる。
[第五の実施形態]
第五の実施形態としてマスクの他の例を示す。図8は鼻腔拡張部3Fに芳香剤を配置したマスクを図示している。
自律神経の乱れに起因する鼻づまりは、芳香剤の吸引によるリラックス効果により改善得られる場合がある。従って、マスクに芳香剤を含ませ、マスク着用者の鼻づまりを改善し、鼻呼吸を良好に行うこと効果が期待される。
芳香剤としては、アロマオイル(精油)が挙げられ、特に、ユーカリ、ラベンダー、マートル、ティートリーが効果的といわれている。
上記芳香剤としては、吸引を良好に行うため、また、周囲への影響を低減するためにマスク本体部1の内側に配置とすることが望ましい。例えば、図8のように、貼着部32と同程度の大きさの芳香剤を含ませた芳香剤シート35Fを各貼着部32,32とマスク本体部1との間に介挿させても良い。
また、吸引の効果は劣るが、前述した図7の例と同様に、弾性部材31と同程度の大きさの芳香剤シート(符号35E参照)を弾性部材31とマスク本体部1との間に介挿させても良いし、後述する図9の例と同様に、弾性部材31の外側面に芳香剤シート(符号35G参照)を配置しても良い。
その他、弾性部材31と各貼着部32,32との間でマスク本体部1に芳香剤を含ませても良いし、弾性部材31を多孔質材料から形成し、弾性部材31に直接、芳香剤を含ませても良い。
上記芳香剤を配置したマスクの場合には、芳香剤による鼻づまりの改善と共に鼻腔拡張との相乗効果により、さらに良好な鼻呼吸を行うことが可能となり、眼鏡等の曇りの発生もさらに低減することが可能となる。
なお、芳香剤シートは、前述した冷感剤シート又は後述する温感剤シートと共にマスクに設け、それぞれの効能によって鼻づまりを改善させても良い。
[第六の実施形態]
第六の実施形態としてマスクの他の例を示す。図9は鼻腔拡張部3Gに温感作用を有する温感剤を配置したマスクを図示している。
鼻づまりは、血管の拡張や自律神経の調整により改善することが知られている。従って、マスクに温感剤による温感作用を持たせ、マスク着用者の鼻づまりを改善し、鼻呼吸を良好に行うことを可能としている。
温感剤としては、単一成分で温感作用を有するものと水分との反応により温感作用を生じるものとがある。前者としては、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド等があり、後者としては、鉄粉、酸化カルシウム等がある。
上記温感剤としては、皮膚に刺激等の何らかの影響を与えるものもあるので、直接、皮膚に触れない配置とすることが望ましい。例えば、図9のように、弾性部材31と同程度の大きさの温感剤を含ませた温感剤シート35Gを弾性部材31の外側面に配置しても良い。
また、前述した図7の例と同様に、弾性部材31と同程度の大きさの温感剤シート(符号35E参照)を弾性部材31とマスク本体部1との間に介挿させても良いし、前述した図8の例と同様に、貼着部32と同程度の大きさの温感剤シート(符号35F参照)を各貼着部32,32とマスク本体部1との間に介挿させても良い。
上記温感剤を配置したマスクの場合には、温感剤により血管拡張や自律神経の調整が図られ、鼻づまりの改善と共に鼻腔拡張との相乗効果により、さらに良好な鼻呼吸を行うことが可能となり、眼鏡等の曇りの発生もさらに低減することが可能となる。
[第七の実施形態]
第七の実施形態として弾性部材31の配置を変更した鼻腔拡張部3Hを備えるマスクの例を示す。図10は鼻腔拡張部3Hの断面図である。
弾性部材31は、直接的に皮膚に触れると異物感があるので、マスク本体部1のシート材を介在させて弾性部材31が直接的に皮膚に触れない配置とすることが望ましい。但し、これを実現する配置としては、弾性部材31をマスク本体部1の外側面に配置する場合に限られず、内側面に配置することも可能である。
即ち、図10のように、マスク本体部1の内側面(図示の後側の面)の上端部近傍に弾性部材31を固着し、マスク本体部1を形成するシート材の上端部を、弾性部材31を包むように下側に折り返し、折り返されたシート材の端部を弾性部材31の下側でシート材の内側面に固着する。
さらに、折り返されたシート材の内側面において、弾性部材31に対応する位置に貼着部32,32を設け、剥離紙33,33で被覆する。
このようにして形成された鼻腔拡張部3Hを備えるマスクの場合も、図1のマスクと同様に、弾性部材31による異物感を低減し、軟らかな感触で鼻腔拡張状態を維持することができる。
[その他]
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、各実施形態で示したマスクの形状や素材等は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、マスク本体部1は、着用者の顔面の鼻や口や顎を覆う場合を例示したが、顎までは覆わない大きさとしても良い。
また、マスク100ではプリーツ型を例示したが、これに限られない。
また、マスク100では、マスク本体部1と耳掛け部2とを別部材としたが、マスク本体部1と耳掛け部2とが耳を通す開口が形成された一枚のシートで連接されている構造としても良い。
1 マスク本体部
2 耳掛け部
3,3D,3E,3F,3G,3H 鼻腔拡張部
31,31A,31B,31C 弾性部材
32 貼着部
33 剥離紙
34D 軟性部材
35E 冷感剤シート
35F 芳香剤シート
35G 温感剤シート
100 マスク

Claims (7)

  1. 着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、このマスク本体部を前記着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部と、前記着用者の鼻腔を拡張する鼻腔拡張部とを備えるマスクであって、
    前記鼻腔拡張部は、
    平板状の弾性部材と、
    前記マスク本体部を形成するシート材を介して前記弾性部材を着用者の鼻の鼻梁を挟んだ両側部分へ貼着する貼着部とを有することを特徴とするマスク。
  2. 前記鼻腔拡張部は、前記マスク本体部の上縁部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマスク。
  3. 前記鼻腔拡張部は、前記貼着部の貼着面を被覆する剥離紙を有することを特徴とする請求項1又は2記載のマスク。
  4. 前記鼻腔拡張部は、前記弾性部材の着用者側に配置された柔軟性を有する軟性部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。
  5. 前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、冷感作用を有する冷感剤を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。
  6. 前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、温感作用を有する温感剤を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。
  7. 前記鼻腔拡張部又は前記マスク本体部に、芳香作用を有する芳香剤を配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマスク。
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