JP2016176124A - コーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固形物を含む腐食性の流体を取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができるコーティング層、および、圧縮機を提供する。
【解決手段】コーティング層10は、母材9上に溶射により形成されたニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層11と、耐食層11を覆うように形成されて、ニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層12と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】コーティング層10は、母材9上に溶射により形成されたニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層11と、耐食層11を覆うように形成されて、ニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層12と、を備える。
【選択図】図2
Description
この発明は、コーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法に関する。
圧縮機にあっては、非特許文献1のような海底生産システム(Subsea Production System)や、非特許文献2のような浮体式海洋石油貯蔵設備(Floating Production Storage and Offloading、FPSO)に使用されるものが知られている。非特許文献1の海底生産システムに使用される圧縮機は、例えば、海底に設置されて海底から数千mの深さまで掘削した生産井から原油や天然ガス等が混在した生産流体を海上に送り出す用途で用いられる。一方で、非特許文献2の浮体式海洋石油貯蔵設備に使用される圧縮機は、船舶等の海上設備に設置される。
三菱重工技報 Vol.34 No.5 P310−P313
Turbomachinery International September/October 2014 P18−P24
一般に用いられる圧縮機の場合、取り扱う流体は精製されている場合が多い。しかし、非特許文献1や非特許文献2で用いる圧縮機の場合、その取り扱う流体は、フィルタ等により前処理がされているものの、十分に固形物の除去がなされていない場合がある。例えば、フィルタ等による前処理としては、10μm以下の固形物を98%程度分離できるものもあるが、残りの数%が残留してしまう。また、非特許文献1や非特許文献2で取り扱う流体の場合、10μmの固形物は、硬質であることが多い。
一方で、非特許文献1や非特許文献2で取り扱う流体には、硫黄などの腐食成分が含まれている。そのため、非特許文献1や非特許文献2で用いる圧縮機には、流体と接する部分に、腐食対策として溶射などの表面処理が施されている。
しかしながら、このような腐食対策の表面処理では、上述した流体に含まれる残留した固形物によって摩耗や剥離が生じてしまい、腐食の進行を抑制できなくなる場合がある。
しかしながら、このような腐食対策の表面処理では、上述した流体に含まれる残留した固形物によって摩耗や剥離が生じてしまい、腐食の進行を抑制できなくなる場合がある。
また、一般に、溶射による表面処理は、耐摩耗性を向上させる際に、Mo,W,C等の硬化元素を多く添加するため、その硬度を上昇させる。この硬度の上昇により、上記表面処理は、延性が低下し、疲労強度が低下してしまう。そのため、ヒビ、割れ等が生じる可能性がある。
さらに、溶射による表面処理は、特に硬質の皮膜の場合には、微小なピンホールが形成されることが多く、腐食環境が非常に厳しい場合には耐食性が充分ではない場合がある。
つまり、溶射による表面処理の耐摩耗性を向上させようとすると、十分な耐腐食性を確保することができない可能性がある。更に,皮膜の密着性の観点から耐食性の高い材料を単に溶射するだけでは充分でない可能性がある。
さらに、溶射による表面処理は、特に硬質の皮膜の場合には、微小なピンホールが形成されることが多く、腐食環境が非常に厳しい場合には耐食性が充分ではない場合がある。
つまり、溶射による表面処理の耐摩耗性を向上させようとすると、十分な耐腐食性を確保することができない可能性がある。更に,皮膜の密着性の観点から耐食性の高い材料を単に溶射するだけでは充分でない可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う際の耐腐食性、耐摩耗性、及び密着性の各特性を十分に確保することができるコーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、コーティング層は、母材上に溶射により形成されたニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層と、前記耐食層を覆うように形成されて、前記ニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層と、を備える。
このように構成することで、母材の表面に緻密で延性が高く、密着力の高い被膜層を形成することができる。さらに、耐食層を覆うように耐摩耗層が形成されているので、流体に含まれる固形物の衝突による耐食層の摩耗を抑制できる。加えて、耐食層の延性が高く、かつ母材との密着力が高いことから、母材の変形を耐食層に吸収させて耐食層へ作用する応力を緩和できる。そのため、耐摩耗層の硬度が高い場合であっても、耐摩耗層にヒビ、割れ、剥離等の損傷が発生することを抑制できる。
その結果、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができる。
このように構成することで、母材の表面に緻密で延性が高く、密着力の高い被膜層を形成することができる。さらに、耐食層を覆うように耐摩耗層が形成されているので、流体に含まれる固形物の衝突による耐食層の摩耗を抑制できる。加えて、耐食層の延性が高く、かつ母材との密着力が高いことから、母材の変形を耐食層に吸収させて耐食層へ作用する応力を緩和できる。そのため、耐摩耗層の硬度が高い場合であっても、耐摩耗層にヒビ、割れ、剥離等の損傷が発生することを抑制できる。
その結果、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができる。
この発明の第二態様によれば、コーティング層は、第一態様における耐摩耗層が、前記耐食層の表面にクロム拡散浸透処理を施すことで形成されていてもよい。
このように構成することで、ニッケル−アルミニウム合金を備える耐食層の表面に、耐摩耗層としてクロム濃度の高い硬い層を形成することができる。そのため、流体に含まれる固形物の衝突により耐食層が摩耗して母材が摩耗することを抑制しつつ、耐食層の耐食性を十分に維持することができる。
このように構成することで、ニッケル−アルミニウム合金を備える耐食層の表面に、耐摩耗層としてクロム濃度の高い硬い層を形成することができる。そのため、流体に含まれる固形物の衝突により耐食層が摩耗して母材が摩耗することを抑制しつつ、耐食層の耐食性を十分に維持することができる。
この発明の第三態様によれば、コーティング層は、第一態様における耐摩耗層が、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金を備えるとともに、前記ニッケル基合金、および、前記コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された複数の硬質粒子を層内に有するようにしてもよい。
このように構成することで、耐摩耗層に硬質粒子が含まれることによって、腐食性の流体に含まれる固形物が衝突した場合、この固形物が耐食層の硬質粒子にはじかれる。さらに、層内に硬質粒子を含むことで、耐摩耗層自体の硬度を増加させることができる。そのため、流体に含まれる固形物の衝突による耐摩耗層の摩耗を抑制して、耐食層や母材の摩耗を抑制できる。
このように構成することで、耐摩耗層に硬質粒子が含まれることによって、腐食性の流体に含まれる固形物が衝突した場合、この固形物が耐食層の硬質粒子にはじかれる。さらに、層内に硬質粒子を含むことで、耐摩耗層自体の硬度を増加させることができる。そのため、流体に含まれる固形物の衝突による耐摩耗層の摩耗を抑制して、耐食層や母材の摩耗を抑制できる。
この発明の第四態様によれば、コーティング層は、第三態様における耐摩耗層が、前記ニッケル基合金、又は、前記コバルト基合金に対して、50〜90vol%の前記硬質粒子を含むようにしてもよい。
このようにすることで、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金による耐食性を確保しつつ、流体に含まれる固形物が衝突することによる耐食層の摩耗を、より効果的に抑制できる。
このようにすることで、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金による耐食性を確保しつつ、流体に含まれる固形物が衝突することによる耐食層の摩耗を、より効果的に抑制できる。
この発明の第五態様によれば、コーティング層は、第三又は第四態様における硬質粒子が、タングステンカーバイト、炭化クロム、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、および、立方晶窒化ホウ素のうち、少なくとも一つから形成された粒子を含んでもよい。
このようにすることで、硬質粒子の硬度をニッケル基合金、コバルト基合金よりも高くして流体に含まれる固形物が衝突することによる耐食層の摩耗を、より効果的に抑制できる。
このようにすることで、硬質粒子の硬度をニッケル基合金、コバルト基合金よりも高くして流体に含まれる固形物が衝突することによる耐食層の摩耗を、より効果的に抑制できる。
この発明の第六態様によれば、圧縮機は、第一から第五態様の何れか一つの態様のコーティング層を備える。
このように構成することで、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う圧縮機の信頼性を向上できる。
このように構成することで、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う圧縮機の信頼性を向上できる。
この発明の第七態様によれば、コーティング層の製造方法は、母材上にニッケル−アルミニウム合金を積層して耐食層を形成する耐食層形成工程と、前記耐食層を覆うようにニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層を形成する耐摩耗層形成工程と、を含む。
このように構成することで、耐食性と、耐摩耗性との両方を有するコーティング層を容易に形成することができる。
このように構成することで、耐食性と、耐摩耗性との両方を有するコーティング層を容易に形成することができる。
この発明の第八態様によれば、コーティング層の製造方法は、第七態様における耐摩耗層形成工程が、前記ニッケル−アルミニウム合金の表面にクロム拡散浸透処理を施すクロム拡散浸透処理工程を含むようにしてもよい。
このように構成することで、ニッケル−アルミニウム合金の表面のクロム濃度を上昇させて、ニッケル−アルミニウム合金の表面の硬度を高めることができる。一方で、ニッケル−アルミニウム合金の表面から母材に近づくほどクロム濃度が低下するため、耐食層では緻密で十分な延性を確保した層を形成することができる。
このように構成することで、ニッケル−アルミニウム合金の表面のクロム濃度を上昇させて、ニッケル−アルミニウム合金の表面の硬度を高めることができる。一方で、ニッケル−アルミニウム合金の表面から母材に近づくほどクロム濃度が低下するため、耐食層では緻密で十分な延性を確保した層を形成することができる。
この発明の第九態様によれば、コーティング層の製造方法は、第七態様における耐摩耗層形成工程がニッケル基合金の粉末、又は、コバルト基合金の粉末に、前記ニッケル基合金、および、前記前記コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された複数の硬質粒子を混合して溶射材を作成する溶射材作成工程と、前記溶射材を、前記耐食層の表面に溶射する溶射工程と、を含むようにしてもよい。
このようにすることで、耐食層は緻密、且つ、延性の高い層としつつ、この耐食層を覆うように、耐摩耗性、および、耐食性の高い耐摩耗層を容易に形成することができる。
このようにすることで、耐食層は緻密、且つ、延性の高い層としつつ、この耐食層を覆うように、耐摩耗性、および、耐食性の高い耐摩耗層を容易に形成することができる。
上記コーティング層によれば、固形物を含む腐食性の流体を取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができる。
(第一実施形態)
次に、この発明の第一実施形態に係るコーティング層、圧縮機、コーティング層の製造方法を図面に基づき説明する。
この第一実施形態における圧縮機1は、海底数百から数千mに存在する油ガス田の生産井から採取された油・ガス等の生産流体を圧送する。この圧縮機1は、例えば、海洋油ガス田開発方式の一つである海底生産システム(Subsea Production System)に使用されて海底に設けられたり、浮体式海洋石油貯蔵設備(Floating Production Storage and Offloading、FPSO)に使用されて海上に設けられたりする。この圧縮機1が取り扱う流体には、硫黄等の金属を腐食させる腐食成分が含まれるとともに、フィルタ(図示せず)により除去できなかった10μm以下の固形物が数%含まれている。
次に、この発明の第一実施形態に係るコーティング層、圧縮機、コーティング層の製造方法を図面に基づき説明する。
この第一実施形態における圧縮機1は、海底数百から数千mに存在する油ガス田の生産井から採取された油・ガス等の生産流体を圧送する。この圧縮機1は、例えば、海洋油ガス田開発方式の一つである海底生産システム(Subsea Production System)に使用されて海底に設けられたり、浮体式海洋石油貯蔵設備(Floating Production Storage and Offloading、FPSO)に使用されて海上に設けられたりする。この圧縮機1が取り扱う流体には、硫黄等の金属を腐食させる腐食成分が含まれるとともに、フィルタ(図示せず)により除去できなかった10μm以下の固形物が数%含まれている。
図1は、この発明の第一実施形態における圧縮機の概略構成図である。
図1に示すように、圧縮機1は、ケーシング2と、回転軸3と、軸受部4と、インペラ5と、を備えている。この第一実施形態の説明において、圧縮機1として遠心圧縮機を例示しているが、軸流圧縮機であっても良い。
図1に示すように、圧縮機1は、ケーシング2と、回転軸3と、軸受部4と、インペラ5と、を備えている。この第一実施形態の説明において、圧縮機1として遠心圧縮機を例示しているが、軸流圧縮機であっても良い。
ケーシング2は、その内部に回転軸3、軸受部4、インペラ5をそれぞれ収容している。このケーシング2は、インペラ5とともに、圧縮する流体が流れる流路(図示せず)を形成する。
回転軸3は、軸受部4を介して軸線O回りに回転可能に支持されている。この回転軸3には、モータ等の回転動力源(図示せず)が連係される。つまり、回転動力源を駆動することで、回転軸3が回転可能となっている。
軸受部4は、ジャーナル軸受41と、スラスト軸受42と備えている。この実施形態の軸受部4は、2つのジャーナル軸受41と、1つのスラスト軸受42とをそれぞれ備えている。ジャーナル軸受41は、回転軸3に対して軸線Oを基準とする径方向に作用する荷重を支持する。一方で、スラスト軸受42は、回転軸3から径方向外側に突出するスラストカラー3aを介して、回転軸3に対して軸線O方向に作用する荷重を支持する。
インペラ5は、回転軸3に固定され、回転軸3とともに高速回転する。これにより、インペラ5は、吸込み口(図示せず)からケーシング2の内部に流入した流体Gを圧縮して、吐出口(図示せず)から圧縮流体Gcとして吐出する。この実施形態におけるインペラ5は、軸線O方向に複数設けられ、流体Gは、各インペラ5によって段階的に圧縮されて圧縮流体Gcとなる。
図2は、この発明の第一実施形態におけるインペラ5の表面の拡大断面図である。
図2に示すように、インペラ5は、その母材9の表面にコーティング層10を有している。母材9は、例えば、ステンレス鋼で形成される。コーティング層10は、母材9の耐食性、および、耐摩耗性を担保する。このコーティング層10は、耐食層11と、耐摩耗層12と、をそれぞれ備えている。
図2に示すように、インペラ5は、その母材9の表面にコーティング層10を有している。母材9は、例えば、ステンレス鋼で形成される。コーティング層10は、母材9の耐食性、および、耐摩耗性を担保する。このコーティング層10は、耐食層11と、耐摩耗層12と、をそれぞれ備えている。
耐食層11は、母材9の表面を覆うようにして層状に形成される。この耐食層11は、ニッケル−アルミニウム合金により形成される。耐食層11は、例えば、プラズマ溶射や、ワイヤー溶射などにより形成することができる。プラズマ溶射の場合、酸化ニッケルの粉末と、アルミニウムの粉末との混合物を母材9の表面に溶射により吹き付けることで耐食層11を形成できる。このニッケル−アルミニウム合金には、アルミニウムが1〜10wt%含まれる。言い換えれば、ニッケル−アルミニウム合金には、ニッケルが90から99wt%含まれる。ここで、母材9の表面に溶射してニッケル−アルミニウム合金の層を形成する場合、テルミット反応により高温になるため、非常に緻密な層を形成することができる。このニッケル−アルミニウム合金は、非常に柔らかく延性が高い。また、母材とも極わずかに融合することから、母材との密着力は極めて高くなる。つまり、母材9の変形に対して、ヒビや割れ等が生じることなく追従できる。
耐摩耗層12は、耐食層11の表面にクロム拡散浸透処理を施すことで形成される。このクロム拡散浸透処理は、耐摩耗性に優れるクロムを拡散浸透させる処理である。このように耐食層11の表面にクロム拡散浸透処理を施すことで、耐食層11よりも十分にクロム濃度の高い硬い層がコーティング層10の表面に形成される。クロム拡散浸透処理により形成される耐摩耗層12は、表面から遠いほど、言い換えれば母材9に近いほどクロムの濃度が減少する。この実施形態における表面のクロム濃度は、ほぼ100%となっており、表面における硬度はHV800程度以上となる。
ここで、クロム拡散浸透処理の一例としては、被浸透処理物を、例えば、クロム粉末、酸化アルミニウム粉末、および、塩化アンモニウム粉末を含有する調合剤と共に鋼製の炉内に収容し密閉する。その後、例えば、水素ガスやアルゴンガスを通しながら、炉内にて900℃〜1100℃で10時間程度加熱する。すると以下の反応式で示される反応が起こる。
NH4Cl⇔NH3+HCl(2NH3⇔N2+3H2)
Cr+2HCl⇔CrCl2+H2
CrCl2+H2⇔Cr+2HCl(還元反応)
CrCl2+Me⇔Cr+MeCl2(置換反応)
ここで、「Me」は、処理金属である。
Cr+2HCl⇔CrCl2+H2
CrCl2+H2⇔Cr+2HCl(還元反応)
CrCl2+Me⇔Cr+MeCl2(置換反応)
ここで、「Me」は、処理金属である。
すなわち、クロム(Cr)は、塩酸(HCl)と反応し、塩化クロム(CrCl2;蒸気)となる。この塩化クロムは、処理金属の表面で水素(H2)によって還元されてクロム(Cr)が析出する。この析出したクロム(Cr)は、拡散反応、又は、置換反応によって処理金属表面に拡散浸透する。これにより、5〜100μm程度の耐摩耗層12を形成することができる。ここで、クロム拡散浸透処理は、クロムを処理金属に対して拡散浸透できればよく、上述した拡散浸透処理の方法に限られるものではない。
図3は、縦軸を摩耗量、横軸をクロム(Cr)含有量としたグラフである。
図3に示すように、クロム含有量が多いほど(言い換えれば、クロム濃度が高いほど)処理金属の摩耗量を低減できる。処理金属の摩耗量は、クロム含有量の増加に対して二次関数的に減少する。つまり、上述したようにコーティング層10は、クロム拡散浸透処理によってクロムの濃度が母材9から離れるほど高くなっており、コーティング層10の表面の耐摩耗性が最も高くなっている。また、コーティング層10は、母材9に近づくにつれてクロム濃度が低くなるため、母材9に近づくほど緻密に形成され、ピンホール等も形成されず、母材9の近傍では十分な耐食性が確保される。
図3に示すように、クロム含有量が多いほど(言い換えれば、クロム濃度が高いほど)処理金属の摩耗量を低減できる。処理金属の摩耗量は、クロム含有量の増加に対して二次関数的に減少する。つまり、上述したようにコーティング層10は、クロム拡散浸透処理によってクロムの濃度が母材9から離れるほど高くなっており、コーティング層10の表面の耐摩耗性が最も高くなっている。また、コーティング層10は、母材9に近づくにつれてクロム濃度が低くなるため、母材9に近づくほど緻密に形成され、ピンホール等も形成されず、母材9の近傍では十分な耐食性が確保される。
次に、上述したコーティング層10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図4は、この発明の第一実施形態におけるコーティング層の製造方法の処理フローである。
図4に示すように、まず、母材9の表面に、酸化ニッケル(例えば、95wt%)、および、アルミニウム(例えば、5wt%)を溶射材として、プラズマ溶射等により吹き付ける。これにより、母材9の表面に20μmから1mm程度のニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層11が形成される(ステップS01;耐食層形成工程)。
図4は、この発明の第一実施形態におけるコーティング層の製造方法の処理フローである。
図4に示すように、まず、母材9の表面に、酸化ニッケル(例えば、95wt%)、および、アルミニウム(例えば、5wt%)を溶射材として、プラズマ溶射等により吹き付ける。これにより、母材9の表面に20μmから1mm程度のニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層11が形成される(ステップS01;耐食層形成工程)。
次いで、耐食層11に対して上述したクロム拡散浸透処理を実施する(ステップS02;耐摩耗層形成工程、クロム拡散浸透処理工程)。これにより、耐食層11の表面にクロムの濃度が高い耐摩耗層12が形成される。このクロム拡散浸透処理を行う際に、容器内で900℃〜1100℃程度に加熱しながら処理を行うことで、酸化を伴わない環境下で耐食層11と母材9との間で原子の拡散が起こるため、耐食層11と母材9との密着力を高めることができる。そのため、耐食層11が母材9から剥離し難くなり耐食層11の信頼性が向上するという副次的な効果も生じる。
ここで、クロム拡散浸透処理を行う前の下処理として、耐食層11の表面を研磨するようにしても良い。このようにすることで、耐食層11の表面の凹凸を均したり、酸化膜を除去したりすることができる。そのため、耐食層11に対してクロムをより安定的に、且つ、均一な厚さで拡散浸透させることができる。更に、クロム拡散処理は、金属クロムを析出させるプロセスであり、溶射皮膜に元々存在していたピンホールを封孔でき、耐食性の一層の向上効果を発揮する。
したがって、上述した第一実施形態によれば、母材9の表面に緻密で延性の高いニッケル−アルミニウム合金の耐食層11を形成することができる。さらに、耐食層11を覆うように耐摩耗層12が形成されているので、流体Gに含まれる固形物の衝突による耐食層11の摩耗を抑制できる。加えて、耐食層11の延性が高いことで、母材9の変形を耐食層11に吸収させて耐食層11へ作用する応力を緩和できる。そのため、耐摩耗層12の硬度が高い場合であっても、耐摩耗層12にヒビ、割れ、剥離等の損傷が発生することを抑制できる。その結果、固形物を含む腐食性の流体Gを取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができる。
さらに、クロム拡散浸透処理によって、ニッケル−アルミニウム合金を層状に備える耐食層11の表面に、耐摩耗層12としてクロム濃度の高い硬い層を形成することができる。そのため、流体Gに含まれる固形物の衝突により耐食層11が摩耗して母材9が摩耗することを抑制しつつ、耐食層11の耐食性を十分に維持することができる。
さらに、上述したコーティング層10を圧縮機1に適用することで、固形物を含む腐食性の流体Gを取り扱う際の信頼性を向上できる。
さらに、耐食層11の表面にクロム拡散浸透処理を施すだけで耐摩耗層12を形成できるため、耐食性と耐摩耗性との両方を有するコーティング層10を容易に形成することができる。
さらに、耐食層11の表面にクロム拡散浸透処理を施すだけで耐摩耗層12を形成できるため、耐食性と耐摩耗性との両方を有するコーティング層10を容易に形成することができる。
加えて、ニッケル−アルミニウム合金の表面のクロム濃度を上昇させて、ニッケル−アルミニウム合金の表面の硬度を高める一方で、ニッケル−アルミニウム合金の表面から母材9に近づくほどクロム濃度を低下させることができるため、耐食層11では緻密で十分な延性を確保した層を確保できる。
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態と耐摩耗層12の構成が異なるだけである。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図5は、この発明の第二実施形態における図2に相当する拡大断面図である。
図5に示すように、インペラ5は、その母材9の表面にコーティング層10を有している。母材9は、例えば、ステンレス鋼で形成される。コーティング層10は、母材9の耐食性、および、耐摩耗性を担保する。このコーティング層10は、耐食層11と、耐摩耗層12と、を備えている。
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態と耐摩耗層12の構成が異なるだけである。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図5は、この発明の第二実施形態における図2に相当する拡大断面図である。
図5に示すように、インペラ5は、その母材9の表面にコーティング層10を有している。母材9は、例えば、ステンレス鋼で形成される。コーティング層10は、母材9の耐食性、および、耐摩耗性を担保する。このコーティング層10は、耐食層11と、耐摩耗層12と、を備えている。
耐食層11は、インペラ5の母材9の表面を覆うようにして層状に形成される。この耐食層11は、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金、より具体的には、クロム濃度が20wt%以上のニッケル基合金、又は、クロム濃度が20wt%以上のコバルト基合金により層状に形成されている。この実施形態における耐食層11は、ニッケル基合金のクロム濃度、および、コバルト基合金のクロム濃度が共に20〜50wt%とされている。ここで、クロム濃度が20wt%を下回る場合は、摩耗し易くなり、クロム濃度が50wt%を上回る場合は、硬度が上昇しすぎて、ピンホール等が形成され耐食性が低下するとともに、延性の低下により疲労強度が低下して取り扱いが難しくなる。
ニッケル基合金としては、例えば、Ni−20Cr、Ni−50Cr、ハステロイX(登録商標:Ni−22Cr−1.5Co−9Mo−0.6W−18.5Fe)、および、インコネル625(登録商標:Ni−21.5Cr−9Mo−3.6Nb−0.2Al−0.2Ti−2.5Fe)などを用いることができる。また、コバルト基合金としては、例えば、Haynes alloy 188(登録商標:Co−22Cr−14W−3Fe),CoNiCrAlY(Co−32Ni−21Cr−8Al−0.5Y)や,CoCrAlY(Co−29Cr−6Al−0.8Y)等を用いることができる。耐食層11の厚さは、例えば、20μm〜1mm程度とされる。上述した溶射の方法としては、例えば、低圧プラズマ溶射、大気圧中におけるプラズマ溶射、および、超高速溶射等、種々の溶射方法を採用できる。
硬質粒子Kとしては、例えば、タングステンカーバイト(WC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、立方晶窒化ホウ素(Cbn)、および、酸化アルミニウム(Al2O3)などを用いることができる。硬質粒子Kの硬度は、例えば、ビッカース硬さで、タングステンカーバイトでHV2500程度、炭化クロムでHV1300程度である。さらに、炭化ケイ素でHV2400程度、窒化ケイ素でHV1800程度、立方晶窒化ホウ素でHV5000程度、酸化アルミニウムでHV2200程度となる。さらに、硬質粒子Kは、粒径が5〜50μmに形成されている。ここで、硬質粒子Kの粒径が5μmを下回ると、摩耗に対する抵抗が低下すると共に、成膜時に凝集しやすくなり、不均一な組織となりやすい。一方で、硬質粒子Kの粒径が50μmを上回ると、耐食層11の層内に硬質粒子Kを分散させることが困難になる。
耐摩耗層12は、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金に対して、50〜90vol%の硬質粒子Kを含んでいる。言い換えれば、耐摩耗層12は、10〜50vol%のニッケル基合金、又は、コバルト基合金を含んでいる。耐摩耗層12の層内において、複数の硬質粒子Kは、均一に分散するようにして配置されている。ここで、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金に対する硬質粒子Kの割合が50vol%を下回ると、流体Gに含まれる固形物が硬質粒子Kに衝突する確率が低下して耐摩耗層12の摩耗を十分に低減できない。一方で、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金に対する硬質粒子Kの割合が90vol%を上回ると、耐摩耗層12の殆んどが硬質粒子Kとなるため、耐摩耗層12の緻密さが低下し過ぎて、腐食性の流体Gに対して十分な耐食性能を発揮できなくなる。
耐摩耗層12は、溶射によって形成することができる。この溶射の方法としては、例えば、低圧プラズマ溶射、大気圧中におけるプラズマ溶射、および、超高速溶射等、種々の溶射方法を採用できる。この溶射で用いる溶射材は、ニッケル基合金の粉末、又は、コバルト基合金の粉末に対して、硬質粒子Kを予め混合したものを用いることができる。このように硬質粒子Kを、ニッケル基合金の粉末、又は、コバルト基合金の粉末に対して上述した割合(vol%)で混合する。
次に、この実施形態におけるコーティング層の製造方法について図面を参照しながら説明する。ここで、第二実施形態のコーティング層10の製造方法は、第一実施形態と耐摩耗層形成工程が異なるだけであるので、第一実施形態の図4を援用して説明する。
図6は、この発明の第二実施形態におけるコーティング層の製造方法の処理フローである。
まず図4に示すように、第一実施形態と同様に耐食層形成工程(ステップS01)を行う。次いで、耐摩耗層形成工程(ステップS02)を行う。
図6に示すように、耐摩耗層形成工程(ステップS02)においては、まず、溶射材を作成する(ステップS01;溶射材作成工程)。より具体的には、ニッケル基合金の粉末(例えば、平均粒径50μm程度)、又は、コバルト基合金の粉末(例えば、平均粒径50μm程度)に、これらニッケル基合金、および、コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された硬質粒子Kを50〜90vol%(例えば、75vol%)混合する。
図6は、この発明の第二実施形態におけるコーティング層の製造方法の処理フローである。
まず図4に示すように、第一実施形態と同様に耐食層形成工程(ステップS01)を行う。次いで、耐摩耗層形成工程(ステップS02)を行う。
図6に示すように、耐摩耗層形成工程(ステップS02)においては、まず、溶射材を作成する(ステップS01;溶射材作成工程)。より具体的には、ニッケル基合金の粉末(例えば、平均粒径50μm程度)、又は、コバルト基合金の粉末(例えば、平均粒径50μm程度)に、これらニッケル基合金、および、コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された硬質粒子Kを50〜90vol%(例えば、75vol%)混合する。
次いで、作成した溶射材を、母材9の表面に溶射する(ステップS02;溶射工程)。溶射の方法としては、例えば、低圧プラズマ溶射、大気圧中におけるプラズマ溶射、および、超高速溶射等、種々の溶射方法を採用できる。この溶射によって、母材9の表面を覆うようにして、例えば、20μm〜1mm程度の耐摩耗層12を形成する。これにより、層内に硬質粒子Kが一様に分散された耐摩耗層12が形成される。
したがって、第二実施形態によれば、耐摩耗層12のニッケル基合金、又は、コバルト基合金の層内に硬質粒子Kが含まれることによって、腐食性の流体Gに含まれる固形物Sが耐摩耗層12の表面に衝突した場合に、耐摩耗層12の硬質粒子Kにはじかれる。このように層内に硬質粒子Kを含むことで、耐摩耗層12自体の硬度を増加させることができる。そのため、流体Gに含まれる固形物Sの衝突による耐食層11の摩耗を抑制できる。その結果、固形物Sを含む腐食性の流体Gを取り扱う際の耐腐食性、および、耐摩耗性の両方を十分に確保することができる。
さらに、耐摩耗層12が、50〜90vol%の硬質粒子Kを含むので、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金による耐食性を確保しつつ、流体Gに含まれる固形物Sが衝突することによる耐摩耗層12の摩耗を、より効果的に抑制できる。
さらに、硬質粒子Kが、タングステンカーバイト、炭化クロム、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および、立方晶窒化ホウ素のうち、少なくとも一つから形成されているため、硬質粒子Kの硬度をニッケル基合金、コバルト基合金よりも高くして流体Gに含まれる固形物Sが衝突することによる耐摩耗層12の摩耗を、より効果的に抑制できる。
さらに、硬質粒子Kが、タングステンカーバイト、炭化クロム、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および、立方晶窒化ホウ素のうち、少なくとも一つから形成されているため、硬質粒子Kの硬度をニッケル基合金、コバルト基合金よりも高くして流体Gに含まれる固形物Sが衝突することによる耐摩耗層12の摩耗を、より効果的に抑制できる。
さらに、ニッケル基合金の粉末、又は、コバルト基合金の粉末に、硬質粒子Kを混合して溶射材を作成し、この溶射材を母材9に吹き付けるだけで耐摩耗層12を形成することができる。そのため、耐食性、および、耐摩耗性に優れた耐摩耗層12を容易に形成することができる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、コーティング層10がインペラ5の表面に形成される場合について説明した。しかし、コーティング層10を形成する箇所は、流体が流れる箇所であれば良く、インペラ5の表面に限られない。例えば、コーティング層10を、流体が流れる流路の内壁に形成するようにしても良い。また、コーティング層10は、圧縮機1が軸流圧縮機の場合には、動翼、および、静翼等の表面に形成される。
さらに、上述した実施形態においては、インペラ5が3つ並んで設けられる場合について説明したが、これに限られない。例えば、インペラ5を2つ以下備える圧縮機や4つ以上備える圧縮機にも適用できる。
さらに、上述した実施形態における圧縮機1は、海底生産システム、浮体式海洋石油貯蔵設備に使用される場合を例示した。しかし、この発明は、これら海底生産システム、浮体式海洋石油貯蔵設備で用いられる圧縮機に限られない。
さらに、上述した実施形態においては、硬質粒子Kが、タングステンカーバイト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化クロム、アルミナ、および、立方晶窒化ホウ素のうち、単一の粒子を用いる場合を例示した。しかし、硬質粒子Kは、タングステンカーバイト、炭化クロム、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および、立方晶窒化ホウ素の各粒子のうち、複数種類の粒子を混ぜて使用しても良い。
1 圧縮機
2 ケーシング
3 回転軸
4 軸受部
5 インペラ(インペラ本体)
9 母材
10 コーティング層
11 耐食層
12 耐摩耗層
41 ジャーナル軸受
42 スラスト軸受
G 流体
Gc 圧縮流体
K 硬質粒子
S 固形物
2 ケーシング
3 回転軸
4 軸受部
5 インペラ(インペラ本体)
9 母材
10 コーティング層
11 耐食層
12 耐摩耗層
41 ジャーナル軸受
42 スラスト軸受
G 流体
Gc 圧縮流体
K 硬質粒子
S 固形物
Claims (9)
- 母材上に溶射により形成されたニッケル−アルミニウム合金からなる耐食層と、
前記耐食層を覆うように形成されて、前記ニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層と、
を備えるコーティング層。 - 前記耐摩耗層は、前記耐食層の表面にクロム拡散浸透処理を施すことで形成されている請求項1に記載のコーティング層。
- 前記耐摩耗層は、ニッケル基合金、又は、コバルト基合金を備えるとともに、前記ニッケル基合金、および、前記コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された複数の硬質粒子を層内に有する請求項1に記載のコーティング層。
- 前記耐摩耗層は、
前記ニッケル基合金、又は、前記コバルト基合金に対して、50〜90vol%の前記硬質粒子を含む請求項3に記載のコーティング層。 - 前記硬質粒子は、タングステンカーバイト、炭化クロム、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、および、立方晶窒化ホウ素のうち、少なくとも一つから形成された粒子を含む請求項3又は4に記載のコーティング層。
- 請求項1から5の何れか一項に記載のコーティング層を備える圧縮機。
- 母材上にニッケル−アルミニウム合金で耐食層を形成する耐食層形成工程と、
前記耐食層を覆うようにニッケル−アルミニウム合金よりも耐摩耗性の高い材料を含む耐摩耗層を形成する耐摩耗層形成工程と、を含むコーティング層の製造方法。 - 前記耐摩耗層形成工程は、
前記ニッケル−アルミニウム合金の表面にクロム拡散浸透処理を施すクロム拡散浸透処理工程を含む請求項7に記載のコーティング層の製造方法。 - 前記耐摩耗層形成工程は、
ニッケル基合金の粉末、又は、コバルト基合金の粉末に、前記ニッケル基合金、および、前記前記コバルト基合金よりも硬度の高い材料から形成された複数の硬質粒子を混合して溶射材を作成する溶射材作成工程と、
前記溶射材を、前記耐食層の表面に溶射する溶射工程と、を含む請求項7に記載のコーティング層の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015058035A JP2016176124A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | コーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法 |
PCT/JP2015/082392 WO2016143197A1 (ja) | 2015-03-10 | 2015-11-18 | コーティング層、圧縮機、コーティング層の製造方法、インペラ、インペラの製造方法 |
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JP2015058035A JP2016176124A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | コーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法 |
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JP2015058035A Pending JP2016176124A (ja) | 2015-03-10 | 2015-03-20 | コーティング層、圧縮機、および、コーティング層の製造方法 |
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JP (1) | JP2016176124A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114075643A (zh) * | 2021-11-11 | 2022-02-22 | 中国航发沈阳黎明航空发动机有限责任公司 | 用于航空发动机封严支承座的耐磨防腐合金涂层及其制备 |
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2015
- 2015-03-20 JP JP2015058035A patent/JP2016176124A/ja active Pending
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