JP2016174277A - 印刷制御装置、及び、印刷制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供する。【解決手段】印刷制御装置U0は、複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部UPRを制御する。複数の印刷設定は、同じ入力画像D1から形成される印刷画像D5に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定801及び第二印刷設定802を含む。印刷制御装置U0は、第一印刷設定801において所定明度の第一設定パッチP1を印刷部UPRに印刷させ、第二印刷設定802において所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチP2を印刷部UPRに印刷させ、複数の第二設定パッチP2の中から第一設定パッチP1に色度を合わせる第二設定パッチP2を表す選択情報210を取得し、第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように選択情報210に基づいて補正する。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部を制御する印刷制御装置、及び、印刷制御方法に関する。
特許文献1には、グレーバランスを調整するための複数の試験用画像を印刷するコンピューターシステムが示されている。このコンピューターシステムは、色調整装置を構成するパーソナルコンピューター、及び、カラープリンターを備えている。色調整装置は、RGB(赤、緑、青)形式の元画像データをCIE(国際照明委員会)L*a*b*表色系のデータに変換した後、a*値及びb*値をL*値に応じた増減値Δa(L)及びΔb(L)だけ変化させ、L*値とその変化後のa*値及びb*値とからなるデータをCYMK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)形式のデータに変換して試験用画像を印刷している。
印刷画像の画質を優先する高解像度設定、印刷速度を優先する低解像度設定、光沢紙に印刷する光沢紙設定、普通紙に印刷する普通紙設定、といった複数の印刷設定の中から印刷設定を選択して印刷を行うことがある。上述したコンピューターシステムは、同じ印刷設定の中でグレーバランスの調整が行われる。一方、印刷設定が異なると、印刷画像の色調に微妙な違いが生じることがある。
尚、上記のような問題は、RGB表色系の入力画像をCMYK表色系の画像に色変換して印刷する技術に限らず、種々の技術についても同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記複数の印刷設定は、同じ入力画像から形成される印刷画像に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定及び第二印刷設定を含み、
前記第一印刷設定において所定明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させる第一設定パッチ印刷制御部と、
前記第二印刷設定において前記所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させる第二設定パッチ印刷制御部と、
前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す選択情報を取得する選択部と、
前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する補正部と、を備える、態様を有する。
前記複数の印刷設定は、同じ入力画像から形成される印刷画像に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定及び第二印刷設定を含み、
前記第一印刷設定において所定明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させる第一設定パッチ印刷制御部と、
前記第二印刷設定において前記所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させる第二設定パッチ印刷制御部と、
前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す選択情報を取得する選択部と、
前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する補正部と、を備える、態様を有する。
上述した態様は、印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することができる。
さらに、本発明は、印刷制御装置を含む印刷装置といった複合装置、上述した各部に対応した工程を含む印刷制御方法、印刷制御方法を含む複合装置用の処理方法、上述した各部に対応した機能をコンピューターに実現させる印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを含む複合装置用の処理プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜14を参照して本技術の概要を説明する。
まず、図1〜14を参照して本技術の概要を説明する。
図1等に例示される印刷制御装置U0は、複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部UPRを制御する。ここで、前記複数の印刷設定は、同じ入力画像D1から形成される印刷画像D5に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定801及び第二印刷設定802を含む。本印刷制御装置U0は、第一設定パッチ印刷制御部U1、第二設定パッチ印刷制御部U2、選択部U3、及び、補正部U4を備える。前記第一設定パッチ印刷制御部U1は、前記第一印刷設定801において所定明度の第一設定パッチP1を前記印刷部UPRに印刷させる。前記第二設定パッチ印刷制御部U2は、前記第二印刷設定802において前記所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチP2を前記印刷部UPRに印刷させる。前記選択部U3は、前記複数の第二設定パッチP2の中から前記第一設定パッチP1に色度を合わせる第二設定パッチP2を表す選択情報210を取得する。前記補正部U4は、前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように前記選択情報210に基づいて補正する。
第一設定パッチP1に色度を合わせる第二設定パッチP2を表す選択情報210に基づいた補正により、第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付く。従って、本技術は、異なる印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能となる。
尚、パッチは、色票とも呼ばれる。
上記所定明度は、一つのみでもよいし、二以上でもよい。
尚、パッチは、色票とも呼ばれる。
上記所定明度は、一つのみでもよいし、二以上でもよい。
同じ入力画像D1から形成される印刷画像D5に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定801及び第二印刷設定802には、様々な印刷設定がある。
例えば、前記第一印刷設定801は、第一解像度811で印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。前記第二印刷設定802は、前記第一解像度811とは異なる第二解像度812で印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。本態様は、解像度間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することができる。
例えば、前記第一印刷設定801は、第一解像度811で印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。前記第二印刷設定802は、前記第一解像度811とは異なる第二解像度812で印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。本態様は、解像度間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することができる。
また、前記第一印刷設定801は、第一被印刷物821に印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。前記第二印刷設定802は、前記第一被印刷物821とは種類が異なる第二被印刷物822に印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。本態様は、被印刷物の種類間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することができる。
尚、被印刷物(print substrate)は、印刷画像を保持する素材のことである。形状は長方形のものが一般的であるが、円形(例えばCD−ROM、DVD等の光ディスク)、三角形、四角形、多角形などがあり、少なくとも、JIS(日本工業規格)P0001:1998(紙・板紙及びパルプ用語)に記載の紙・板紙の品種及び加工製品の全てを含む。樹脂シート、金属板、立体物、等も被印刷物に含まれる。
汎用の被印刷物には、光沢紙、普通紙、マット紙、等の種類がある。
汎用の被印刷物には、光沢紙、普通紙、マット紙、等の種類がある。
さらに、前記第一印刷設定801は、第一の色材831を使用して印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。前記第二印刷設定802は、前記第一の色材831とは種類が異なる第二の色材832を使用して印刷画像D5を形成する印刷設定でもよい。本態様は、色材の種類間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術を提供することができる。
尚、色材には、インク、トナー、等が含まれる。インクには、顔料インク、染料インク、等が含まれる。
尚、色材には、インク、トナー、等が含まれる。インクには、顔料インク、染料インク、等が含まれる。
ところで、本印刷制御装置U0は、入力座標値(例えば図13に示すRGBの階調値Ri,Gi,Bi)と印刷用の色材(例えばインク66)の使用量(例えばCMYKの階調値Ci,Mi,Yi,Ki)との対応関係を規定した色変換テーブルを参照して入力画像D1を変換し、変換後の出力画像D4を前記印刷部UPRに印刷させる出力画像印刷制御部U5を備えてもよい。前記補正部U4は、前記第二印刷設定802において入力座標値(例えばRGBの階調値Ri,Gi,Bi)と印刷用の色材の使用量(例えばCMYKの階調値C0i,M0i,Y0i,K0i)との対応関係を規定した元色変換テーブル321を前記選択情報210に基づいて補正して前記色変換テーブルを生成してもよい。本態様は、異なる印刷設定間の印刷画像の色調を調整する好適な具体例を提供することができる。
本技術には、第一印刷設定801及び第二印刷設定802が予め決められている場合も含まれる。一方、図6(a)〜(d)等に例示するように、本印刷制御装置U0は、前記複数の印刷設定の中から前記第一印刷設定801と前記第二印刷設定802の少なくとも一方の選択を受け付ける印刷設定選択部U6を備えてもよい。この態様は、第一印刷設定801と第二印刷設定802の少なくとも一方を選択することができるので、利便性を向上させることができる。
ここで、図7(a),(b)に示すように、前記第一印刷設定801の印刷画像D5において再現可能な最大明度をL1max、前記第一印刷設定801の印刷画像D5において再現可能な最小明度をL1min、中間明度(L1max+L1min)/2をL1mid、前記最大明度と前記最小明度との差L1max−L1minをL1rとする。
前記第一設定パッチ印刷制御部U1は、L1mid−0.1L1r以上、且つ、L1mid+0.1L1r以下の第一明度L1p11の第一設定パッチP11、及び、前記最小明度L1minよりも高く前記第一明度L1p11よりも低い第二明度L1p12の第一設定パッチP12を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記第二設定パッチ印刷制御部U2は、前記第一明度L1p11で色度を変えた複数の第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12で色度を変えた複数の第二設定パッチP22を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記選択部U3は、前記第一明度L1p11において前記複数の第二設定パッチP21の中から前記第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12において前記複数の第二設定パッチP22の中から前記第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を表す前記選択情報210を取得してもよい。
前記補正部U4は、前記第一明度L1p11において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付け、且つ、前記第二明度L1p12において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように前記選択情報210に基づいて補正してもよい。
上記態様は、異なる印刷設定間の印刷画像の色調をさらに良好に調整可能な技術を提供することができる。
前記第一設定パッチ印刷制御部U1は、L1mid−0.1L1r以上、且つ、L1mid+0.1L1r以下の第一明度L1p11の第一設定パッチP11、及び、前記最小明度L1minよりも高く前記第一明度L1p11よりも低い第二明度L1p12の第一設定パッチP12を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記第二設定パッチ印刷制御部U2は、前記第一明度L1p11で色度を変えた複数の第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12で色度を変えた複数の第二設定パッチP22を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記選択部U3は、前記第一明度L1p11において前記複数の第二設定パッチP21の中から前記第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12において前記複数の第二設定パッチP22の中から前記第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を表す前記選択情報210を取得してもよい。
前記補正部U4は、前記第一明度L1p11において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付け、且つ、前記第二明度L1p12において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように前記選択情報210に基づいて補正してもよい。
上記態様は、異なる印刷設定間の印刷画像の色調をさらに良好に調整可能な技術を提供することができる。
また、図8(a),(b)に示すように、前記第一印刷設定801の印刷画像D5において再現可能な最大明度をL1max、前記第一印刷設定801の印刷画像D5において再現可能な最小明度をL1min、前記最大明度L1maxと前記最小明度L1minとの差L1max−L1minをL1r、前記第二印刷設定802の印刷画像D5において再現可能な最大明度をL2max、前記第二印刷設定802の印刷画像D5において再現可能な最小明度をL2min、前記最大明度L2maxと前記最小明度L2minとの差L2max−L2minをL2r、中間明度[{(L1max+L1min)/2}+{(L2max+L2min)/2}]/2をLmid、前記差L1rと前記差L2rの大きい方の差をLrとする。
前記第一設定パッチ印刷制御部U1は、Lmid−0.1Lr以上、且つ、Lmid+0.1Lr以下の第一明度L1p11の第一設定パッチP11、及び、前記最小明度L1minと前記最小明度L2minのうち大きい方の最小明度よりも高く前記第一明度L1p11よりも低い第二明度L1p12の第一設定パッチP12を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記第二設定パッチ印刷制御部U2は、前記第一明度L1p11で色度を変えた複数の第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12で色度を変えた複数の第二設定パッチP22を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記選択部U3は、前記第一明度L1p11において前記複数の第二設定パッチP21の中から前記第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12において前記複数の第二設定パッチP22の中から前記第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を表す前記選択情報210を取得してもよい。
前記補正部U4は、前記第一明度L1p11において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付け、且つ、前記第二明度L1p12において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように前記選択情報210に基づいて補正してもよい。
上記態様も、異なる印刷設定間の印刷画像の色調をさらに良好に調整可能な技術を提供することができる。
前記第一設定パッチ印刷制御部U1は、Lmid−0.1Lr以上、且つ、Lmid+0.1Lr以下の第一明度L1p11の第一設定パッチP11、及び、前記最小明度L1minと前記最小明度L2minのうち大きい方の最小明度よりも高く前記第一明度L1p11よりも低い第二明度L1p12の第一設定パッチP12を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記第二設定パッチ印刷制御部U2は、前記第一明度L1p11で色度を変えた複数の第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12で色度を変えた複数の第二設定パッチP22を前記印刷部UPRに印刷させてもよい。
前記選択部U3は、前記第一明度L1p11において前記複数の第二設定パッチP21の中から前記第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21、及び、前記第二明度L1p12において前記複数の第二設定パッチP22の中から前記第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を表す前記選択情報210を取得してもよい。
前記補正部U4は、前記第一明度L1p11において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付け、且つ、前記第二明度L1p12において前記第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を前記第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように前記選択情報210に基づいて補正してもよい。
上記態様も、異なる印刷設定間の印刷画像の色調をさらに良好に調整可能な技術を提供することができる。
(2)印刷制御装置を含む印刷システムの構成の具体例:
図1は、中明度のパッチP1,P2を印刷して印刷設定間の印刷画像の色調を調整する例を模式的に示している。図2は、中明度のパッチP11,P21、及び、低明度(暗部)のパッチP12,P22を印刷して印刷設定間の印刷画像の色調を調整する例を模式的に示している。ここで、明度は、例えば、CIE L*a*b*色空間を構成する明度L*で定義される。図3は、印刷装置1とホスト装置100を含む印刷システムSY1の構成例を模式的に示している。図3には、印刷装置1としてインクジェットプリンターの一種であるシリアルプリンターの構成例を示している。むろん、本技術を適用可能なインクジェットプリンターは、ラインプリンター等でもよい。本技術を適用可能な印刷装置は、レーザープリンターといった電子写真方式のプリンター等でもよく、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機、等でもよい。
図1は、中明度のパッチP1,P2を印刷して印刷設定間の印刷画像の色調を調整する例を模式的に示している。図2は、中明度のパッチP11,P21、及び、低明度(暗部)のパッチP12,P22を印刷して印刷設定間の印刷画像の色調を調整する例を模式的に示している。ここで、明度は、例えば、CIE L*a*b*色空間を構成する明度L*で定義される。図3は、印刷装置1とホスト装置100を含む印刷システムSY1の構成例を模式的に示している。図3には、印刷装置1としてインクジェットプリンターの一種であるシリアルプリンターの構成例を示している。むろん、本技術を適用可能なインクジェットプリンターは、ラインプリンター等でもよい。本技術を適用可能な印刷装置は、レーザープリンターといった電子写真方式のプリンター等でもよく、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機、等でもよい。
本技術の印刷制御装置U0は、印刷装置1に設けられてもよいし、ホスト装置100に設けられてもよいし、印刷装置1とホスト装置100に跨って設けられてもよい。まず、印刷制御装置U0を含む場合の印刷装置1の構成例を図3に基づいて説明する。印刷装置1は、コントローラー10、RAM(Random Access Memory)20、不揮発性メモリー30、機構部50、通信I/F(通信インターフェイス)72、操作パネル73、等を備える。
コントローラー10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、解像度変換部41、色変換部42、ハーフトーン処理部43、ラスタライズ処理部44、駆動信号送信部45、等を備える。コントローラー10は、SoC(System on a Chip)等により構成することができる。コントローラー10は、第一設定パッチ印刷制御部U1、第二設定パッチ印刷制御部U2、補正部U4、及び、出力画像印刷制御部U5を構成し、操作パネル73及び通信I/F72とともに選択部U3及び印刷設定選択部U6を構成する。コントローラー10のCPUは、印刷装置1における情報処理や制御を中心的に行う。
解像度変換部41は、ホスト装置100やメモリーカード等から受け取った画像の解像度を設定解像度に変換する。変換対象の画像は、例えば、sRGB表色系の成分といったRGB(赤、緑、青)の256階調の整数値を各画素に有するRGBデータで表現される。図1に示す入力画像D1は、解像度変換が行われた色変換前の画像とする。入力画像D1は、互いに直交する(異なる)x,y方向へ画素PX1が並べられ、各画素PX1に階調値(r,g,b)が格納されている。
色変換部42は、色変換テーブル300を参照して前記設定解像度のRGBデータを各画素にCMYKの階調値を有するCMYKデータに変換する。以下、色変換テーブルを単にLUT(ルックアップテーブル)とも記載する。尚、LUT300の概念には、第一印刷設定用のLUT310、及び、第二印刷設定用のLUT320が含まれる。
色変換部42は、色変換テーブル300を参照して前記設定解像度のRGBデータを各画素にCMYKの階調値を有するCMYKデータに変換する。以下、色変換テーブルを単にLUT(ルックアップテーブル)とも記載する。尚、LUT300の概念には、第一印刷設定用のLUT310、及び、第二印刷設定用のLUT320が含まれる。
LUT300は、3次元の色変換テーブルであり、図14(a)に模式的に示すように、R軸とG軸とB軸のそれぞれについてNg個の格子点GDを有している。RGB色空間における格子点GDの位置は、入力色空間の座標値(Ri,Gi,Bi)を表す。ここで、変数iは、格子点GDを識別する整数値とする。各格子点GDに格納されるCMYKそれぞれのインク使用量は、出力色空間の座標値(Ci,Mi,Yi,Ki)を表す。RGB各軸の格子点数Ngは、例えば、8ビット分の入力階調値に合わせて256個にするとデータ量が膨大となるため、17個、33個、等と少なくされる。例えば、Ng=17個である場合、LUT300の格子点GDの数は、Ng3=4913個となる。色変換部42がLUT300を参照した色変換を行う際、入力階調値(r,g,b)に一致する入力座標値(Ri,Gi,Bi)の格子点GDがあれば、その格子点GDの出力座標値(Ci,Mi,Yi,Ki)を色変換後の階調値(c,m,y,k)にすればよい。入力階調値(r,g,b)に一致する入力座標値(Ri,Gi,Bi)の格子点GDが無ければ、RGB色空間において入力階調値(r,g,b)の近傍にある複数の格子点のそれぞれに対応した出力座標値を用いて入力階調値(r,g,b)に対応する出力階調値(c,m,y,k)を補間すればよい。出力階調値(c,m,y,k)の補間には、公知の四面体補間や六面体補間(六面体は立方体といった直方体を含む。)等を用いることができる。
ハーフトーン処理部43は、CMYKデータを構成する各画素の階調値に対して例えばディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って前記階調値の階調数を減らし、ハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況を表すデータであり、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、大中小の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。
ラスタライズ処理部44は、ハーフトーンデータを機構部50でドットが形成される順番に並べ換えるラスタライズ処理を行ってラスタデータ(パス単位のイメージデータ)を生成する。
ラスタライズ処理部44は、ハーフトーンデータを機構部50でドットが形成される順番に並べ換えるラスタライズ処理を行ってラスタデータ(パス単位のイメージデータ)を生成する。
駆動信号送信部45は、ヘッド61の駆動素子63に印加する電圧信号に対応した駆動信号SGをラスタデータから生成して駆動回路62へ出力する。例えば、ラスタデータが「大ドット形成」であれば大ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力し、ラスタデータが「小ドット形成」であれば小ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力する。
上記各部41〜45は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよく、RAM20から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM20に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。
上記各部41〜45は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよく、RAM20から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM20に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。
コントローラー10に制御される機構部50(印刷部UPR)は、キャリッジモーター51、紙送り機構53、キャリッジ60、ヘッド61、等を備える。キャリッジモーター51は、図示しない複数の歯車及びベルト52を介してキャリッジ60を往復移動させる。紙送り機構53は、キャリッジの移動方向とは異なる紙送り方向へ被印刷物820を搬送する。キャリッジ60には、例えばCMYKのインク滴(液滴)67を吐出するヘッド61が搭載されている。ヘッド61は、駆動回路62、駆動素子63、等を備える。駆動回路62は、コントローラー10から入力される駆動信号SGに従って駆動素子63に電圧信号を印加する。駆動素子63には、ノズル64に連通する圧力室内のインク(液体)66に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル64からインク滴67を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。ヘッド61の圧力室には、インクカートリッジ(液体カートリッジ)65からインク66が供給される。インクカートリッジ65とヘッド61の組合せは、例えば、CMYKのそれぞれに設けられる。圧力室内のインク66は、駆動素子63によってノズル64から被印刷物820に向かってインク滴67として吐出され、被印刷物820にインク滴67のドットが形成される。複数のノズル64と被印刷物820とが相対移動することにより、入力画像D1に対応した出力画像D5が被印刷物820に形成される。
不揮発性メモリー30には、プログラムデータ、色変換テーブル、等が記憶される。不揮発性メモリー30には、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクといった磁気記録媒体、等が用いられる。
RAM20には、上記プログラムデータから展開されたプログラム、図13に示すように元LUT(元色変換テーブル)321を補正することにより生成されるLUT320、等が格納される。前記プログラムは、印刷制御装置U0の各部U1〜U6に対応した第一設定パッチ印刷制御機能、第二設定パッチ印刷制御機能、選択機能、補正機能、出力画像印刷制御機能、及び、印刷設定選択機能、を印刷装置1に実現させるプログラムを含む。尚、プログラムデータを展開するとは、CPUで解釈可能なプログラムとしてRAM20に書き込むことを意味する。
RAM20には、上記プログラムデータから展開されたプログラム、図13に示すように元LUT(元色変換テーブル)321を補正することにより生成されるLUT320、等が格納される。前記プログラムは、印刷制御装置U0の各部U1〜U6に対応した第一設定パッチ印刷制御機能、第二設定パッチ印刷制御機能、選択機能、補正機能、出力画像印刷制御機能、及び、印刷設定選択機能、を印刷装置1に実現させるプログラムを含む。尚、プログラムデータを展開するとは、CPUで解釈可能なプログラムとしてRAM20に書き込むことを意味する。
通信I/F72は、ホスト装置100の通信I/F172に接続され、ホスト装置100に対して情報を入出力する。ホスト装置100には、パーソナルコンピューターといったコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンといった携帯電話、等が含まれる。
操作パネル73は、出力部74、入力部75、等を有し、ユーザーが印刷装置1に対して各種の指示を入力可能である。出力部74は、例えば、各種の指示に応じた情報や印刷装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネル(表示部)で構成される。出力部74は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部75は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キー(操作入力部)で構成される。入力部75は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。尚、操作パネル73及び通信I/F72は、コントローラー10とともに選択部U3及び印刷設定選択部U6を構成する。
操作パネル73は、出力部74、入力部75、等を有し、ユーザーが印刷装置1に対して各種の指示を入力可能である。出力部74は、例えば、各種の指示に応じた情報や印刷装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネル(表示部)で構成される。出力部74は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部75は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キー(操作入力部)で構成される。入力部75は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。尚、操作パネル73及び通信I/F72は、コントローラー10とともに選択部U3及び印刷設定選択部U6を構成する。
ところで、印刷制御装置U0の少なくとも一部は、ホスト装置100に含まれてもよい。図3に示すようにプリンタードライバーPDがホスト装置100にインストールされる場合、プリンタードライバーPDがホスト装置100を解像度変換部41、色変換部42、ハーフトーン処理部43、及び、ラスタライズ処理部44の少なくとも一部として機能させてもよい。これにより、プリンタードライバーPDは、ホスト装置100を第一設定パッチ印刷制御部U1、第二設定パッチ印刷制御部U2、選択部U3、補正部U4、出力画像印刷制御部U5、及び、印刷設定選択部U6の少なくとも一部として機能させる。
図3に示すホスト装置100は、CPU111、ROM112、RAM113、記憶装置114、入力装置115、表示装置116、通信I/F172、等がバスに接続されて互いに情報を入出力可能とされている。記憶装置114は、オペレーティングシステム、プリンタードライバーPD、等を記憶する。記憶装置114には、ハードディスク等の磁気記憶装置、フラッシュメモリー等の不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。入力装置115は、キーボードやポインティングデバイスといった操作入力装置等で構成される。尚、プリンタードライバー実行時の入力装置115は、選択部U3及び印刷設定選択部U6を構成する。
尚、印刷装置1がラスタライズ処理部44を有する場合、ホスト装置100はラスタライズ処理部が無くてもよい。印刷装置1がさらにハーフトーン処理部43を有する場合、ホスト装置100はハーフトーン処理部が無くてもよい。印刷装置1がさらに色変換部42を有する場合、ホスト装置100は色変換部が無くてもよい。
尚、印刷装置1がラスタライズ処理部44を有する場合、ホスト装置100はラスタライズ処理部が無くてもよい。印刷装置1がさらにハーフトーン処理部43を有する場合、ホスト装置100はハーフトーン処理部が無くてもよい。印刷装置1がさらに色変換部42を有する場合、ホスト装置100は色変換部が無くてもよい。
ところで、複数の印刷設定には、印刷解像度、印刷用紙(被印刷物)の種類、等のように同じ入力画像から形成される印刷画像に色度(a*,b*)の差が生じる可能性がある印刷設定が含まれている。前記のような印刷設定同士で生じる印刷画像の色調差を補正するため、本技術の印刷制御装置U0が印刷システムSY1に設けられている。
図1に示すように、同じ入力画像から形成される印刷画像に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定801と第二印刷設定802の組合せとして、例えば、1440×720dpi(第一解像度811)と720×720dpi(第二解像度812)の組合せといった解像度設定の組合せがある。印刷画像の解像度が違うと、同じ印刷装置であっても、黒点に使用されるドットの大きさや重なりの違いにより黒の色度が異なることがあり、結果として印刷画像全体の色調がずれることがある。そこで、異なる印刷解像度間で印刷画像の色度を近付けると、印刷画像の画質を向上させることが可能となる。尚、印刷解像度には、さらに1440×1440dpi等の種々の解像度を含めることが可能である。
また、印刷設定801,802の組合せとして、例えば、光沢紙(第一被印刷物821)と普通紙(第二被印刷物822)の組合せといった被印刷物の種類の組合せもある。被印刷物の種類が違うと、インク66といった色材の発色が異なることがあり、印刷画像全体の色調がずれることがある。そこで、異なる被印刷物種類間で印刷画像の色度を近付けると、印刷画像の画質を向上させることが可能となる。尚、被印刷物の種類には、さらにマット紙等の種々の被印刷物を含めることが可能である。
さらに、印刷設定801,802の組合せとして、例えば、顔料インク(第一の色材831)と染料インク(第二の色材832)の組合せといった色材の種類の組合せもある。色材の種類が違うと、発色が異なることがあり、印刷画像全体の色調がずれることがある。そこで、異なる色材種類間で印刷画像の色度を近付けると、印刷画像の画質を向上させることが可能となる。尚、顔料インク自体も、分散質や分散媒の違いにより発色が異なることがあり、複数の種類がある。染料インク自体も、溶質や溶媒の違いにより発色が異なることがあり、複数の種類がある。
色変換部42で使用されるLUT300は、印刷設定毎に用意されてもよい。例えば、LUT300は、解像度設定毎に用意されてもよいし、被印刷物の種類毎に用意されてもよいし、色材の種類毎に用意されてもよい。
被印刷物の種類が違うと、色材を使用しない白点の明度L*や色度(a*,b*)が異なることがある。図8(a),(b)は、第一被印刷物821として例えば光沢紙を想定し、第二被印刷物822として例えば普通紙を想定して、彩度c−明度L*平面において、第一被印刷物用のLUT310、及び、第二被印刷物用の元LUT321におけるRGB色空間(入力色空間)のグレー軸を示している。尚、彩度cは、L*a*b*色空間における色度を構成する色座標a*又は色座標b*に相当する。また、入力色空間のグレー軸は、例えば、RGB色空間の場合には座標値Rと座標値Gと座標値Bが同じ(入力色空間の各軸の座標値が同じ)である線状の部分、CMY色空間の場合には座標値Cと座標値Mと座標値Yが同じである線状の部分、を意味し、厳密な無彩色(例えばL*a*b*色空間におけるa*=b*=0)になるとは限らない。一般に、光沢紙の白点の明度(例えばL1max)は、普通紙の白点の明度(例えばL2max)よりも高い。また、色材が同じでも、黒点の明度や色度が異なることがある。一般に、光沢紙の黒点の明度(例えばL1min)は、普通紙の黒点の明度(例えばL2min)よりも低い。さらに、黒点と白点との間の色度にも、ずれがある。
被印刷物の種類が違うと、色材を使用しない白点の明度L*や色度(a*,b*)が異なることがある。図8(a),(b)は、第一被印刷物821として例えば光沢紙を想定し、第二被印刷物822として例えば普通紙を想定して、彩度c−明度L*平面において、第一被印刷物用のLUT310、及び、第二被印刷物用の元LUT321におけるRGB色空間(入力色空間)のグレー軸を示している。尚、彩度cは、L*a*b*色空間における色度を構成する色座標a*又は色座標b*に相当する。また、入力色空間のグレー軸は、例えば、RGB色空間の場合には座標値Rと座標値Gと座標値Bが同じ(入力色空間の各軸の座標値が同じ)である線状の部分、CMY色空間の場合には座標値Cと座標値Mと座標値Yが同じである線状の部分、を意味し、厳密な無彩色(例えばL*a*b*色空間におけるa*=b*=0)になるとは限らない。一般に、光沢紙の白点の明度(例えばL1max)は、普通紙の白点の明度(例えばL2max)よりも高い。また、色材が同じでも、黒点の明度や色度が異なることがある。一般に、光沢紙の黒点の明度(例えばL1min)は、普通紙の黒点の明度(例えばL2min)よりも低い。さらに、黒点と白点との間の色度にも、ずれがある。
色材の種類が違うと、色材を使用しない白点の明度及び色度は変わらないものの、黒点の明度や色度が異なることがある。さらに、黒点と白点との間の色度にずれがあることがある。
解像度設定が違うと、色材を使用しない白点の明度及び色度は変わらないものの、黒点の明度や色度が異なることがある。さらに、黒点と白点との間の色度がずれることがある。
解像度設定が違うと、色材を使用しない白点の明度及び色度は変わらないものの、黒点の明度や色度が異なることがある。さらに、黒点と白点との間の色度がずれることがある。
印刷制御装置U0に含まれる印刷設定選択部U6は、複数の印刷設定の中から第一印刷設定801及び第二印刷設定802の選択を受け付ける。ここで、第一印刷設定801は基準の印刷設定であり、第二印刷設定802は色調を調整する対象の印刷設定である。本具体例では、第二印刷設定802のために用意された元LUT321を補正することにより、第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度を第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付ける。
ただ、比較するパッチが多いと、印刷画像の色調合わせに多くの時間がかかる。ここで、印刷画像の色調の違いが目立つのはグレーである。本具体例では、第一印刷設定801の印刷画像のグレーに第二印刷設定802の印刷画像のグレーを合わせることにして、色調合わせの工数を減らしている。尚、印刷画像のグレーは、入力色空間のグレー軸に存在する色である。
また、低明度から高明度まで多くのグレーパッチを用意すると、印刷画像の色調合わせに多くの時間がかかってしまう。本具体例では、比較するパッチの明度を限定することにして、色調合わせの工数を減らしている。
図1には、彩度c−明度L*平面において第一印刷設定用のLUT310、及び、第二印刷設定用の元LUT321のグレー軸を示している。簡便な色調合わせを実現する例として、中明度(図1の例ではL*=50)のパッチP1,P2を印刷することが示されている。図1に示す第一設定パッチ印刷制御部U1は、第一印刷設定801において所定明度(例えばL*=50)の第一設定パッチP1を印刷部UPRに印刷させている。被印刷物820に印刷されるパッチP1は、LUT310のグレー軸におけるL*=50の色を再現する。図1に示す第二設定パッチ印刷制御部U2は、第二印刷設定802において前記所定明度(例えばL*=50)で色度(a*,b*)を変えた複数の第二設定パッチP2を有するカラーチャートCTを印刷部UPRに印刷させている。被印刷物820に印刷されるカラーチャートCTの中心画像P2aは、元LUT321のグレー軸におけるL*=50の色を再現する。中心画像P2aを除く第二設定パッチP2は、中心画像P2aと同じ明度(例えばL*=50)で色度(a*,b*)が異なる。
尚、パッチP1,P2を比較する明度をL*=50又はその近傍の中明度にすると、グレー軸(R=G=B)の彩度cが比較的大きくなる傾向にあり、色調差が目立ち易い傾向にある。従って、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
尚、パッチP1,P2を比較する明度をL*=50又はその近傍の中明度にすると、グレー軸(R=G=B)の彩度cが比較的大きくなる傾向にあり、色調差が目立ち易い傾向にある。従って、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
図1に示す選択部U3は、チャートCTの中から第一設定パッチP1に色度を合わせる第二設定パッチP2を表す選択情報210を取得する。選択情報210は、チャートCTに含まれる第二設定パッチP2を識別可能な情報であればよく、中心画像P2aとの色度(a*,b*)の差(Δa,Δb)、第二設定パッチP2の識別番号、等が含まれる。
図1に示す補正部U4は、第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように選択情報210に基づいて補正する。例えば、元LUT321のグレー軸(R=G=B)における所定明度(例えばL*=50)の色度(a*,b*)は、上記色度差(Δa,Δb)が少なくなるように色度(a*+Δa,b*+Δb)、又は、この近傍に補正される。元LUT321のグレー軸における所定明度(例えばL*=50)以外の色度は、c−L*平面において、黒点、所定明度における補正後のグレー点、及び、白点を通る近似的な線上の色度に補正される。この近似的な線は、スプライン補間といった公知の方法により決めることができる。尚、図14(a)に示すように元LUT321の格子点GDのうちグレー軸(R=G=B)上の格子点のみ補正してもよいが、図14(b)に示すようにグレー軸及びその近傍の領域322の格子点を補正してもよい。
図1に示す出力画像印刷制御部U5は、現在の印刷設定が第二印刷設定802である場合、元LUT321から生成されるLUT320を参照して入力画像D1を変換し、変換後の出力画像D4を印刷部UPRに印刷させる。これにより、出力画像D4に対応する印刷画像D5が被印刷物820に形成され、最終印刷物400が形成される。
パッチP1,P2を対比する明度(上記所定明度)は、複数あってもよい。図2に示す第一設定パッチ印刷制御部U1は、第一印刷設定801において中明度(例えばL*=50)の第一設定パッチP11、及び、第一印刷設定801の印刷画像D5において再現可能な最小明度L1minよりも高く前記中明度(例えばL*=50)よりも低い低明度(例えばL*=20)の第一設定パッチP12を印刷部UPRに印刷させている。ここで、前記中明度は本技術の第一明度であり、前記低明度は本技術の第二明度である。第一設定パッチP1の概念には、第一設定パッチP11,P12が含まれる。図2に示す第二設定パッチ印刷制御部U2は、第二印刷設定802において、中明度(例えばL*=50)で色度(a*,b*)を変えた複数の第二設定パッチP21を有するチャートCT1、及び、低明度(例えばL*=20)で色度(a*,b*)を変えた複数の第二設定パッチP22を有するチャートCT2を印刷部UPRに印刷させている。ここで、第二設定パッチP2の概念には第二設定パッチP21,P22が含まれ、チャートCTの概念にはチャートCT1,CT2が含まれる。
尚、パッチP1,P2を比較する際、中明度よりも明るい高明度側はグレー(R=G=B)の色調差が目立ち難い傾向にある一方、中明度よりも暗い低明度側はグレー(R=G=B)の色調差が目立ち易い傾向にある。そこで、パッチP1,P2を比較する明度を中明度の他に低明度とすると、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
尚、パッチP1,P2を比較する際、中明度よりも明るい高明度側はグレー(R=G=B)の色調差が目立ち難い傾向にある一方、中明度よりも暗い低明度側はグレー(R=G=B)の色調差が目立ち易い傾向にある。そこで、パッチP1,P2を比較する明度を中明度の他に低明度とすると、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
図2に示す選択部U3は、中明度のチャートCT1の中から第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21、及び、低明度のチャートCT2の中から第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を表す選択情報210を取得する。図2に示す補正部U4は、中明度において第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付け、且つ、低明度において第二印刷設定802で形成される印刷画像D5の色度を第一印刷設定801で形成される印刷画像D5の色度に近付けるように選択情報210に基づいて補正する。
(3)印刷制御処理:
次に、図4を参照して、印刷画像D5を形成するための印刷制御処理の例を説明する。本具体例ではホスト装置100が印刷制御処理を行うものとして説明するが、印刷装置1が印刷制御処理を行ってもよい。尚、図4に示す印刷制御処理は、出力画像印刷制御部U5に対応する。
次に、図4を参照して、印刷画像D5を形成するための印刷制御処理の例を説明する。本具体例ではホスト装置100が印刷制御処理を行うものとして説明するが、印刷装置1が印刷制御処理を行ってもよい。尚、図4に示す印刷制御処理は、出力画像印刷制御部U5に対応する。
入力装置115により画像の選択操作を行って印刷を実行させる操作をホスト装置100がユーザーから受け付けると、ホスト装置100は、表示装置116に印刷設定画面710を表示する(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。印刷設定画面710には、解像度選択欄711、印刷用紙選択欄712、OKボタン714、等が設けられている。インクセットの種類を切替可能な印刷装置を使用する場合、印刷設定画面710にインク種類選択欄713が設けられてもよい。解像度選択欄711では、1440×720dpi、720×720dpi、1440×1440dpi、といった解像度設定を入力装置115により選択する操作を受け付ける。解像度選択欄711で選択された解像度が設定解像度となる。印刷用紙選択欄712では、光沢紙、普通紙、マット紙、といった被印刷物の種類を入力装置115により選択する操作を受け付ける。インク種類選択欄713では、色材の種類を入力装置115により選択する操作を受け付ける。OKボタン714が操作されると、ホスト装置100は、選択欄711〜713で選択された印刷設定を表す情報を記憶する。具体的には、解像度選択欄711で選択された解像度、印刷用紙選択欄712で選択された被印刷物の種類、及び、表示された場合のインク種類選択欄713で選択された色材の種類を表す情報が記憶される。
印刷設定が選択された後、選択された画像を解像度変換部41が設定解像度に解像度変換する(S104)。S104の解像度変換処理により生成される入力画像D1は、各画素PX1に階調値(r,g,b)が格納された色変換前の画像である。
解像度変換後、選択欄711〜713で選択された印刷設定に対応するLUT300を参照して色変換部42が入力画像D1を各画素PX1にCMYKの階調値(c,m,y,k)が格納された出力画像D4に色変換する(S106)。色変換後、ハーフトーン処理部43が出力画像D4をハーフトーンデータに変換する(S108)。ハーフトーン処理後、ラスタライズ処理部44がハーフトーンデータを機構部50でドットが形成される順番に並べ換える(S110)。生成されたラスタデータを含む印刷データをホスト装置100が印刷装置1へ送信すると(S112)、印刷装置1の駆動信号送信部45がラスタデータに対応した駆動信号SGを生成して駆動回路62へ出力する。機構部50は、駆動信号SGに従って印刷画像D5を被印刷物820に形成する。
(4)印刷設定間調整処理:
さらに、図5等を参照して、印刷設定間の印刷画像の色調差を補正するための印刷設定間調整処理の例を説明する。ここでもホスト装置100が印刷設定間調整処理を行うものとして説明するが、印刷装置1が印刷設定間調整処理を行ってもよい。尚、S202が印刷設定選択部U6に対応し、S204,S208が第一設定パッチ印刷制御部U1に対応し、S206,S208が第二設定パッチ印刷制御部U2に対応し、S210が選択部U3に対応し、S212が補正部U4に対応する。
さらに、図5等を参照して、印刷設定間の印刷画像の色調差を補正するための印刷設定間調整処理の例を説明する。ここでもホスト装置100が印刷設定間調整処理を行うものとして説明するが、印刷装置1が印刷設定間調整処理を行ってもよい。尚、S202が印刷設定選択部U6に対応し、S204,S208が第一設定パッチ印刷制御部U1に対応し、S206,S208が第二設定パッチ印刷制御部U2に対応し、S210が選択部U3に対応し、S212が補正部U4に対応する。
入力装置115により印刷設定間調整処理を開始させる操作をホスト装置100がユーザーから受け付けると、ホスト装置100は、図6(a)に示すような調整対象選択画面720を表示装置116に表示する(S202)。調整対象選択画面720では、印刷画像のグレー色調を調整する印刷設定が「解像度間」であるのか、「印刷用紙間」であるのか、表示される場合の「インク間」であるのかを選択する操作入力が可能である。OKボタン721が操作されると、ホスト装置100は、選択された印刷設定に応じて図6(b)〜(d)に示すような画面730,740,750を表示する。
「解像度間」が選択された場合、ホスト装置100は、図6(b)に示すような解像度選択画面730を表示する。解像度選択画面730には、基準解像度選択欄731、調整解像度選択欄732、OKボタン733、等が設けられている。基準解像度選択欄731では、1440×720dpi、720×720dpi、1440×1440dpi、といった解像度の中から基準にする第一解像度811(第一印刷設定801)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。調整解像度選択欄732では、1440×720dpi、720×720dpi、1440×1440dpi、といった解像度の中から調整対象の第二解像度812(第二印刷設定802)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。OKボタン733が操作されると、ホスト装置100は、基準解像度選択欄731で選択された第一解像度811、及び、調整解像度選択欄732で選択された第二解像度812を表す情報を記憶する。
「印刷用紙間」が選択された場合、ホスト装置100は、図6(c)に示すような印刷用紙選択画面740を表示する。印刷用紙選択画面740には、基準印刷用紙選択欄741、調整印刷用紙選択欄742、OKボタン743、等が設けられている。基準印刷用紙選択欄741では、光沢紙、普通紙、マット紙、といった被印刷物の種類の中から基準にする第一被印刷物821(第一印刷設定801)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。調整印刷用紙選択欄742では、光沢紙、普通紙、マット紙、といった被印刷物の種類の中から調整対象の第二被印刷物822(第二印刷設定802)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。OKボタン743が操作されると、ホスト装置100は、基準印刷用紙選択欄741で選択された第一被印刷物821、及び、調整印刷用紙選択欄742で選択された第二被印刷物822を表す情報を記憶する。
「インク間」が選択された場合、ホスト装置100は、図6(d)に示すようなインク選択画面750を表示する。インク選択画面750には、基準インク選択欄751、調整インク選択欄752、OKボタン753、等が設けられている。基準インク選択欄751では、インクの種類の中から基準にする第一の色材831(第一印刷設定801)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。調整インク選択欄752では、インクの種類の中から調整対象の第二の色材832(第二印刷設定802)を入力装置115により選択する操作を受け付ける。OKボタン753が操作されると、ホスト装置100は、基準インク選択欄751で選択された第一の色材831、及び、調整インク選択欄752で選択された第二の色材832を表す情報を記憶する。
第一印刷設定801及び第二印刷設定802が選択された後、ホスト装置100は、第一印刷設定801において、中明度(第一明度)の無地の第一設定パッチP11、及び、低明度(第二明度)の無地の第一設定パッチP12を形成するための第一設定パッチ元データをLUT310に従って色変換する(S204)。第一設定パッチ元データは、図9や図10(a)に示すような第一設定パッチP11,P12を形成するためのデータであり、中明度及び低明度においてRGB色空間のグレー軸の階調値(r=g=b)を各画素に有するRGBデータである。色変換後の第一設定パッチデータD11は、中明度及び低明度においてCMYK色空間の階調値(c,m,y,k)を各画素に有するCMYKデータである。
図7(a)は、彩度c−明度L*平面において第一設定パッチP11の第一明度L1p11(中明度)の好ましい範囲を模式的に例示している。図7(b)は、c−L*平面において第一設定パッチP12の第二明度L1p12(低明度)の好ましい範囲を模式的に例示している。
まず、図7(a)に示すように、第一印刷設定801の印刷画像において再現可能な最大明度をL1max、第一印刷設定801の印刷画像において再現可能な最小明度をL1min、中間明度(L1max+L1min)/2をL1mid、前記最大明度と前記最小明度との差L1max−L1minをL1rとする。図7(a)における第一明度L1p11及び第二明度L1p12は、以下の範囲にある。
L1mid−0.1L1r≦L1p11≦L1mid+0.1L1r …(1)
L1min<L1p12<L1p11 …(2)
また、図7(b)に示すように、第一明度L1p11と最小明度L1minとの中間明度(L1p11+L1min)/2をL1midl、第一明度L1p11と最小明度L1minとの差L1p11−L1minをL1rlとする。図7(b)における第二明度L1p12は、以下の範囲にある。
L1midl−0.1L1rl≦L1p12≦L1midl+0.1L1rl …(3)
L1mid−0.1L1r≦L1p11≦L1mid+0.1L1r …(1)
L1min<L1p12<L1p11 …(2)
また、図7(b)に示すように、第一明度L1p11と最小明度L1minとの中間明度(L1p11+L1min)/2をL1midl、第一明度L1p11と最小明度L1minとの差L1p11−L1minをL1rlとする。図7(b)における第二明度L1p12は、以下の範囲にある。
L1midl−0.1L1rl≦L1p12≦L1midl+0.1L1rl …(3)
第一明度L1p11の第一設定パッチP11を形成するための第一設定パッチ元データは、画素値(r,g,b)を明度L*に換算したときにL*=L1p11となるr=g=bのRGBデータである。第二明度L1p12の第一設定パッチP12を形成するための第一設定パッチ元データは、画素値(r,g,b)を明度L*に換算したときにL*=L1p12となるr=g=bのRGBデータである。
異なる種類の被印刷物等に形成される印刷画像の色調を調整する場合、図8(a),(b)に示すように、白点や黒点の明度が異なることがある。この場合、印刷設定間で異なる明度範囲を考慮して第一明度L1p11及び第二明度L1p12を設定してもよい。
まず、図8(a)に示すように、第一印刷設定801の印刷画像において再現可能な最大明度をL1max、第一印刷設定801の印刷画像において再現可能な最小明度をL1min、最大明度L1maxと最小明度L1minとの中間明度(L1max+L1min)/2をL1mid、最大明度L1maxと最小明度L1minとの差L1max−L1minをL1r、第二印刷設定802の印刷画像において再現可能な最大明度をL2max、第二印刷設定802の印刷画像において再現可能な最小明度をL2min、最大明度L2maxと最小明度L2minとの中間明度(L2max+L2min)/2をL2mid、最大明度L2maxと最小明度L2minとの差L2max−L2minをL2r、中間明度(L1mid+L2mid)/2=[{(L1max+L1min)/2}+{(L2max+L2min)/2}]/2をLmid、前記差L1rと前記差L2rの大きい方の差をLrとする。図8(a)における第一明度L1p11及び第二明度L1p12は、以下の範囲にある。
Lmid−0.1Lr≦L1p11≦Lmid+0.1Lr …(4)
L2min<L1p12<L1p11 …(5)
ここで、上記不等式(5)の最小明度L2minは、最小明度L1minと最小明度L2minのうち大きい方の最小明度である。従って、L1min>L2minである場合には、L1min<L1p12<L1p11となる。
Lmid−0.1Lr≦L1p11≦Lmid+0.1Lr …(4)
L2min<L1p12<L1p11 …(5)
ここで、上記不等式(5)の最小明度L2minは、最小明度L1minと最小明度L2minのうち大きい方の最小明度である。従って、L1min>L2minである場合には、L1min<L1p12<L1p11となる。
また、図8(b)に示すように、第一明度L1p11と最小明度L1minとの中間明度(L1p11+L1min)/2をL1midl、第一明度L1p11と最小明度L1minとの差L1p11−L1minをL1r1、第一明度L1p11と最小明度L2minとの中間明度(L1p11+L2min)/2をL2midl、第一明度L1p11と最小明度L2minとの差L1p11−L2minをL2rl、中間明度(L1midl+L2midl)/2=[{(L1p11+L1min)/2}+{(L1p11+L2min)/2}]/2をLmidl、前記差L1rlと前記差L2rlの大きい方の差をLrlとする。図8(b)における第二明度L1p12は、以下の範囲にある。
L1midl−0.1L1rl≦L1p12≦L1midl+0.1L1rl …(6)
ただし、L1p12>L1min、且つ、L1p12>L2minとする。
L1midl−0.1L1rl≦L1p12≦L1midl+0.1L1rl …(6)
ただし、L1p12>L1min、且つ、L1p12>L2minとする。
また、ホスト装置100は、第二印刷設定802において、中明度(第一明度L1p11)で色度を変えた複数の第二設定パッチP21を有するチャートCT1、及び、低明度(第二明度L1p12)の複数の第二設定パッチP22を有するチャートCT2を形成するための第二設定パッチ元データを元LUT321に従って色変換する(S206)。第二設定パッチ元データは、図9や図10(b)に示すような第二設定パッチP21,P22を形成するためのデータである。チャートCT1,CT2の中心画像P2aを形成するための第二設定パッチ元データは、中明度及び低明度においてRGB色空間のグレー軸の階調値(r=g=b)を各画素に有するRGBデータである。中心画像P2aを除く第二設定パッチP21,P22を形成するための第二設定パッチ元データは、中明度及び低明度においてRGB色空間のグレー軸の近傍となる階調値(r,g,b)を各画素に有するRGBデータである。図9及び図10(b)に示す中明度の第二設定パッチP21を形成するための第二設定パッチ元データは、中明度において、色座標a*をΔa刻みでずらし、色座標b*をΔb刻みでずらしたデータ群である。図9及び図10(b)に示す低明度の第二設定パッチP22を形成するための第二設定パッチ元データは、低明度において、色座標a*をΔa刻みでずらし、色座標b*をΔb刻みでずらしたデータ群である。色変換後の第二設定パッチデータD12は、中明度及び低明度においてCMYK色空間の階調値(c,m,y,k)を各画素に有するCMYKデータである。第二設定パッチデータD12には、図9及び図10(b)に示すように、各第二設定パッチP21を識別するための識別情報(識別番号11〜19)、及び、各第二設定パッチP22を識別するための識別情報(識別番号21〜29)も含まれる。
パッチP11,P21を比較する第一明度L1p11が上記不等式(1)又は上記不等式(4)を満たす中明度であると、グレー軸(R=G=B)の彩度cが比較的大きい傾向にあり、色調差が目立ち易い傾向にある。従って、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
また、パッチP12,P22を比較する第二明度L1p12が上記不等式(2)又は上記不等式(5)を満たす低明度側であると、高明度側と比べてグレー(R=G=B)の色調差が目立ち易い傾向にある。従って、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
また、パッチP12,P22を比較する第二明度L1p12が上記不等式(2)又は上記不等式(5)を満たす低明度側であると、高明度側と比べてグレー(R=G=B)の色調差が目立ち易い傾向にある。従って、印刷設定間でグレーの色調の差を確認し易く、印刷画像の色調を調整する効果が大きい。
その後、ホスト装置100は、第一設定パッチデータD11及び第二設定パッチデータD12に基づいて、第一印刷設定801で無地の第一設定パッチP11,P12を印刷装置1に印刷させ、第二印刷設定802で無地の第二設定パッチP21,P22を印刷装置1に印刷させる(S208)。例えば、ホスト装置100は、ハーフトーン処理部43で第一設定パッチデータD11を第一印刷設定801のハーフトーンデータに変換し、第二設定パッチデータD12を第二印刷設定802のハーフトーンデータに変換する。また、これらのハーフトーンデータをラスタライズ処理部44で並べ替え、生成されたラスタデータを含む印刷データを印刷装置1へ送信すればよい。すると、印刷装置1は、第一印刷設定801で第一設定パッチP11,P12を被印刷物820に印刷し、第二印刷設定802で第二設定パッチP21,P22を被印刷物820に印刷する。尚、各第二設定パッチP21,P22の例えば左上には、図9及び図10(b)に示す識別番号11〜19,21〜29も配置される。
解像度間やインク間の印刷画像の色調を調整する場合、図9に示すように同じ被印刷物820に第一設定パッチP11,P12及び第二設定パッチP21,P22を印刷することができる。図9は、同じ被印刷物820に第一設定パッチP11,P12及び第二設定パッチP21,P22を有するパッチ印刷物450を模式的に示している。図9に示すパッチ印刷物450は、解像度間の印刷画像の色調を調整する例として示している。パッチ印刷物450の左上には、1440×720dpi(第一印刷設定801に含まれる第一解像度811)の中明度の第一設定パッチP11が配置されている。パッチ印刷物450の右上には、1440×720dpiの低明度の第一設定パッチP12が配置されている。パッチ印刷物450の左下には、720×720dpi(第二印刷設定802に含まれる第二解像度812)の中明度の第二設定パッチP21が配置されている。パッチ印刷物450の右下には、720×720dpiの低明度の第二設定パッチP22が配置されている。尚、図9に示すパッチ印刷物450の左右方向がキャリッジ60の主走査方向である場合、同じ解像度1440×720dpiの第一設定パッチP11,P12を配置することにより効率良く印刷することができ、同じ解像度720×720dpiの第二設定パッチP21,P22を配置することにより効率良く印刷することができる。
被印刷物の種類間で印刷画像の色調を調整する場合、同じ被印刷物に第一設定パッチP1と第二設定パッチP2を配置することができない。そこで、図10(a),(b)に示すように、第一設定パッチP1を第一被印刷物821に印刷し、第二設定パッチP2を第二被印刷物822に印刷することにする。図10(a)は、第一被印刷物821に第一設定パッチP11,P12を有するパッチ印刷物451を模式的に示している。図10(b)は、第二被印刷物822に第二設定パッチP21,P22を有するパッチ印刷物452を模式的に示している。図10(a),(b)に示すパッチ印刷物451,452は、被印刷物の種類間の印刷画像の色調を調整する例として示している。図10(a)に示すパッチ印刷物451の左側には、光沢紙(第一印刷設定801に含まれる第一被印刷物821)の中明度の第一設定パッチP11が配置されている。パッチ印刷物451の右側には、光沢紙の低明度の第一設定パッチP12が配置されている。図10(b)に示すパッチ印刷物452の左側には、普通紙(第二印刷設定802に含まれる第二被印刷物822)の中明度の第二設定パッチP21が配置されている。パッチ印刷物452の右側には、普通紙の低明度の第二設定パッチP22が配置されている。
印刷装置1が被印刷物821,822の切替機構を有する場合、図5のS208において、ホスト装置100は、第一被印刷物821に切り替えて第一設定パッチP11,P12を印刷装置1に印刷させ、第二被印刷物822に切り替えて第二設定パッチP21,P22を印刷装置1に印刷させることができる。印刷装置1に被印刷物821,822の切替機構が無い場合、ホスト装置100は、紙送り機構53に第一被印刷物821を給紙したことを確認する操作を受け付けたときに第一設定パッチP11,P12を印刷装置1に印刷させ、紙送り機構53に第二被印刷物822を給紙したことを確認する操作を受け付けたときに第二設定パッチP21,P22を印刷装置1に印刷させることができる。
第一設定パッチP1及び第二設定パッチP2の印刷後、ホスト装置100は、複数の第二設定パッチP2の中から第一設定パッチP1に色度を合わせる第二設定パッチP2を選択する操作を受け付け、選択された第二設定パッチP2を表す選択情報210を取得する(図5のS210)。第一明度L1p11(中明度)のパッチP11,P21が印刷され、第二明度L1p12(低明度)のパッチP12,P22が印刷されるので、各明度L1p11,L1p12について選択情報210が取得される。
図11は、図5のS210で行われる選択情報取得処理の例を示している。この処理が開始されると、ホスト装置100は、表示装置116に第二設定パッチ選択画面760を表示する(S302)。第二設定パッチ選択画面760には、中明度パッチ選択欄761、低明度パッチ選択欄762、OKボタン763、等が設けられている。中明度パッチ選択欄761では、図9又は図10(b)に示す識別番号11〜19の第二設定パッチP21の中から図9又は図10(a)に示す第一設定パッチP11に色度を合わせる第二設定パッチP21を入力装置115により選択する操作を受け付ける。低明度パッチ選択欄762では、図9又は図10(b)に示す識別番号21〜29の第二設定パッチP22の中から図9又は図10(a)に示す第一設定パッチP12に色度を合わせる第二設定パッチP22を入力装置115により選択する操作を受け付ける。
OKボタン763が操作されると、ホスト装置100は、パッチ選択欄761,762で選択された第二設定パッチP21,P22の中心画像P2aを基準とした色度(a*,b*)のずれ(Δa,Δb)を選択情報210として取得し(S304)、選択情報取得処理を終了させる。例えば、中明度パッチ選択欄761で図9又は図10(b)に示す識別番号17の第二設定パッチP21が選択されたとする。中明度のチャートCT1において、識別番号15の中心画像P2aの色度(a01,b01とする)と識別番号17の第二設定パッチP21の色度(a11,b11とする)とのずれ(Δa1,Δb1とする)は、Δa1=a11−a01、Δb1=b11−b01で表される。このずれ(Δa1,Δb1)が第一明度L1p11における選択情報210である。また、低明度パッチ選択欄762で図9又は図10(b)に示す識別番号24の第二設定パッチP22が選択されたとする。低明度のチャートCT1において、識別番号25の中心画像P2aの色度(a02,b02)と識別番号24の第二設定パッチP21の色度(a12,b12)とのずれ(Δa2,Δb2)は、Δa2=a12−a02、Δb2=b12−b02で表される。このずれ(Δa2,Δb2)が第二明度L1p12における選択情報210である。
選択情報取得後、ホスト装置100は、元LUT321を選択情報210に基づいて再構築(補正)してLUT320を生成し(S212)、印刷設定間調整処理を終了させる。
図12は、彩度c−明度L*平面において元LUT321を再構築(補正)する例を模式的に示している。図12には、第一印刷設定用のLUT310のグレー軸を破線で示し、第二印刷設定用の元LUT321のグレー軸を破線で示し、補正後のLUT320のグレー軸を実線で示している。図13は、元LUT321、及び、補正後のLUT320のグレー軸の構造例を模式的に示している。図14(a),(b)は、元LUT321、及び、補正後のLUT320の全体構造例を模式的に示している。
LUT310,320及び元LUT321は、RGB色空間(入力色空間)の入力座標値と印刷用のインクの使用量との対応関係を各格子点GDについて規定している。図13に示す元LUT321は、入力座標値Ri,Gi,Biと出力座標値C0i,M0i,Y0i,K0iとの対応関係を規定しているものとする。図13に示すLUT320は、入力座標値Ri,Gi,Biと出力座標値Ci,Mi,Yi,Kiとの対応関係を規定しているものとする。尚、図13には元LUT321及びLUT320のグレー軸の対応関係が示されているが、図14(a)等に示すように元LUT321及びLUT320はRGBの三次元に格子点GDが配置されて対応関係が規定されている。ここで、図12,13に示す元LUT321及びLUT320のグレー軸の格子点GDに、黒点(最小明度L2min)の格子点GD1、第二明度L1p12の格子点GD2、第一明度L1p11の格子点GD3、及び、白点(最大明度L2max)の格子点GD4が含まれるものとする。上述したように、L2min<L1p12<L1p11<L2maxである。
第一明度L1p11(中明度)において、第一印刷設定801のLUT310のグレー色度と第二印刷設定802の元LUT321のグレー色度とのずれ(Δa1,Δb1)は、図12のc−L*平面においてLUT310のグレー軸曲線と元LUT321のグレー軸曲線との距離を示す。第二明度L1p12(低明度)においても、第一印刷設定801のLUT310のグレー色度と第二印刷設定802の元LUT321のグレー色度とのずれ(Δa2,Δb2)は、図12のc−L*平面においてLUT310のグレー軸曲線と元LUT321のグレー軸曲線との距離を示す。図12には、c−L*平面における補正後の格子点GD2,GD3の位置を示している。これらの格子点GD2,GD3は、LUT310のグレー軸曲線に近付いた位置となる。一方、第二印刷設定用の元LUT321における黒点の格子点GD1は第一印刷設定用のLUT310の黒点に合わせることができず、第二印刷設定用の元LUT321における白点の格子点GD4は第一印刷設定用のLUT310の白点に合わせることができない。
そこで、補正部U4は、黒点の格子点GD1、LUT310のグレー軸に近付いた中明度の格子点GD2及び低明度の格子点GD3、並びに、白点の格子点GD4を通る近似的な線を求め、この線で表される色度(a*,b*)となるように元LUT321のグレー軸にある各格子点の出力座標値C0i,M0i,Y0i,K0iを出力座標値Ci,Mi,Yi,Kiに補正する。上述したように、格子点GD1〜GD4を通る近似的な線は、スプライン補間といった公知の方法により決めることができる。ここで、第一明度L1p11においては、第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像の色度に近付けられる。第二明度L1p12においては、第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像の色度に近付けられる。
各格子点GDの入力座標値Ri,Gi,Biに対応する出力座標値の補正量(ΔCi,ΔMi,ΔYi,ΔKiとする)は、例えば、入力座標値Ri,Gi,Biに対応する色度の補正量(Δai,Δbiとする)を用いて、以下のように算出することができる。
ΔCi = Pc×Δai + Qc×Δbi
ΔMi = Pm×Δai + Qm×Δbi
ΔYi = Py×Δai + Qy×Δbi
ΔKi = Pk×Δai + Qk×Δbi
ここで、Pc,Qc,Pm,Qm,Py,Qy,Pk,Qkは、所定の係数である。
変換後のLUT320の出力座標値Ci,Mi,Yi,Kiは、以下のように算出することができる。
Ci = C0i + ΔCi
Mi = M0i + ΔMi
Yi = Y0i + ΔYi
Ki = K0i + ΔKi
ΔCi = Pc×Δai + Qc×Δbi
ΔMi = Pm×Δai + Qm×Δbi
ΔYi = Py×Δai + Qy×Δbi
ΔKi = Pk×Δai + Qk×Δbi
ここで、Pc,Qc,Pm,Qm,Py,Qy,Pk,Qkは、所定の係数である。
変換後のLUT320の出力座標値Ci,Mi,Yi,Kiは、以下のように算出することができる。
Ci = C0i + ΔCi
Mi = M0i + ΔMi
Yi = Y0i + ΔYi
Ki = K0i + ΔKi
以上の補正は、図14(a)に示すように元LUT321の格子点GDのうちグレー軸(R=G=B)上の格子点のみを対象としてもよい。グレー軸上の格子点の出力座標値のみ補正しても、グレー軸近傍となる入力階調値には補間のためにグレー軸上の格子点及びその近傍の格子点が参照されるので、グレー軸及びその近傍(例えば隣接格子点までの範囲)の入力色が補正され、グレーからその近傍色への色の変化が滑らかとなる。むろん、図14(b)に示すようにグレー軸及びその近傍の領域322の格子点を対象としてもよい。グレー軸を除く領域322の格子点における出力座標値の補正量(ΔCni,ΔMni,ΔYni,ΔKniとする)は、例えば、|ΔCni|<|ΔCi|、|ΔMni|<|ΔMi|、|ΔYni|<|ΔYi|、及び、|ΔKni|<|ΔKi|となるように設定することができる。
以上の補正により、黒点及びその付近、並びに、白点及びその付近を除いて、印刷設定間でグレーの色調をほぼ合わせることができる。印刷解像度間や色材種類間でグレーの色調を調整する場合には、黒点及びその付近を除いて、ほぼ合わせることができる。
以上説明したように元LUT321を補正すると、図4で示した印刷制御処理に従って、選択された印刷設定が第二印刷設定802である場合に補正後のLUT320が使用されて第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像の色度に近付く。特に、印刷設定間でグレーの色調の差が目立ち易い中明度(第一明度L1p11)において第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像の色度に近付く。また、高明度側よりはグレーの色調の差が目立ち易い低明度(第二明度L1p12)においても、第二印刷設定802で形成される印刷画像の色度が第一印刷設定801で形成される印刷画像の色度に近付く。従って、本具体例は、異なる印刷設定間の印刷画像の色調を簡便ながら良好に調整可能となる。
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、LUTの次元数は、3次元以外にも、1次元でもよいし、2次元でもよいし、4次元以上でもよい。1次元のLUTとしては、例えば、R=G=Bのモノクロ用の1次元LUT等がある。このようなモノクロ用の1次元LUTは、セピア調やウォーム調やクール調等を色再現するため、出力座標値にCMYインクといった有彩色インクの使用量を有している。
LUTの入力色空間は、RGB色空間以外にも、CMY色空間、4次元のCMYK色空間、等でもよい。出力座標値に規定する色材は、CMYK以外にも、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)、Dy(ダークイエロー)、Lk(ライトブラック)、LLk(ライトライトブラック)、Or(オレンジ)、Gr(グリーン)、B(ブルー)、V(バイオレット)、画質向上用の無着色の色材、等が含まれてもよい。ここで、LcはCよりも低濃度のシアンであり、LmはMよりも低濃度のマゼンタであり、DyはYよりも高濃度のイエローであり、LkはLよりも低濃度の無彩色であり、LLkはLkよりも低濃度の無彩色である。また、CMYKの一部の色材が無い場合も、本技術に含まれる。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、LUTの次元数は、3次元以外にも、1次元でもよいし、2次元でもよいし、4次元以上でもよい。1次元のLUTとしては、例えば、R=G=Bのモノクロ用の1次元LUT等がある。このようなモノクロ用の1次元LUTは、セピア調やウォーム調やクール調等を色再現するため、出力座標値にCMYインクといった有彩色インクの使用量を有している。
LUTの入力色空間は、RGB色空間以外にも、CMY色空間、4次元のCMYK色空間、等でもよい。出力座標値に規定する色材は、CMYK以外にも、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)、Dy(ダークイエロー)、Lk(ライトブラック)、LLk(ライトライトブラック)、Or(オレンジ)、Gr(グリーン)、B(ブルー)、V(バイオレット)、画質向上用の無着色の色材、等が含まれてもよい。ここで、LcはCよりも低濃度のシアンであり、LmはMよりも低濃度のマゼンタであり、DyはYよりも高濃度のイエローであり、LkはLよりも低濃度の無彩色であり、LLkはLkよりも低濃度の無彩色である。また、CMYKの一部の色材が無い場合も、本技術に含まれる。
上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。例えば、図5の印刷設定間調整処理において、S204の第一設定パッチデータを生成する前にS206の第二設定パッチデータを生成する処理を行ってもよい。
補正部U4は、元LUT321を補正する以外にも、LUT320を参照した色変換により得られる出力画像の画素値を補正してもよいし、色変換前の入力画像の画素値を補正してもよい。
補正部U4は、元LUT321を補正する以外にも、LUT320を参照した色変換により得られる出力画像の画素値を補正してもよいし、色変換前の入力画像の画素値を補正してもよい。
本技術には、印刷設定間のグレーの色調を調整する場合の他、印刷設定間の特定色(例えば肌色)の色調を調整する場合も含まれる。
本技術には、第一印刷設定及び第二印刷設定が予め決められていて、図5のS202の処理を行わずにS204〜S212の印刷設定間調整処理を行う技術も含まれる。また、本技術には、第一印刷設定が予め決められていて、図6(b)〜(d)に示す選択欄731,741,751が表示されない技術も含まれる。さらに、本技術には、第二印刷設定が予め決められていて、図6(b)〜(d)に示す選択欄732,742,752が表示されない技術も含まれる。
本技術には、第一印刷設定及び第二印刷設定が予め決められていて、図5のS202の処理を行わずにS204〜S212の印刷設定間調整処理を行う技術も含まれる。また、本技術には、第一印刷設定が予め決められていて、図6(b)〜(d)に示す選択欄731,741,751が表示されない技術も含まれる。さらに、本技術には、第二印刷設定が予め決められていて、図6(b)〜(d)に示す選択欄732,742,752が表示されない技術も含まれる。
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷設定間の印刷画像の色調を容易に調整可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…印刷装置、10…コントローラー、50…機構部、61…ヘッド、66…インク(色材)、73…操作パネル、74…出力部、75…入力部、100…ホスト装置、116…表示装置、210…選択情報、300,310,320…LUT(色変換テーブル)、321…元LUT(元色変換テーブル)、322…領域、400…印刷物、450,451,452…パッチ印刷物、801…第一印刷設定、802…第二印刷設定、811…第一解像度、812…第二解像度、820…被印刷物、821…第一被印刷物、822…第二被印刷物、831…第一の色材、832…第二の色材、CT,CT1,CT2…チャート、D1…入力画像、D4…出力画像、D5…印刷画像、D11…第一設定パッチデータ、D12…第二設定パッチデータ、GD,GD1〜GD4…格子点、P1,P11,P12…第一設定パッチ、P2,P21,P22…第二設定パッチ、P2a…中心画像、U0…印刷制御装置、U1…第一設定パッチ印刷制御部、U2…第二設定パッチ印刷制御部、U3…選択部、U4…補正部、U5…出力画像印刷制御部、U6…印刷設定選択部、UPR…印刷部。
Claims (9)
- 複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記複数の印刷設定は、同じ入力画像から形成される印刷画像に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定及び第二印刷設定を含み、
前記第一印刷設定において所定明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させる第一設定パッチ印刷制御部と、
前記第二印刷設定において前記所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させる第二設定パッチ印刷制御部と、
前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す選択情報を取得する選択部と、
前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する補正部と、を備える印刷制御装置。 - 入力座標値と印刷用の色材の使用量との対応関係を規定した色変換テーブルを参照して入力画像を変換し、変換後の出力画像を前記印刷部に印刷させる出力画像印刷制御部を備え、
前記補正部は、前記第二印刷設定において入力座標値と印刷用の色材の使用量との対応関係を規定した元色変換テーブルを前記選択情報に基づいて補正して前記色変換テーブルを生成する、請求項1に記載の印刷制御装置。 - 前記複数の印刷設定の中から前記第一印刷設定と前記第二印刷設定の少なくとも一方の選択を受け付ける印刷設定選択部を備える、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置。
- 前記第一印刷設定の印刷画像において再現可能な最大明度をL1max、前記第一印刷設定の印刷画像において再現可能な最小明度をL1min、中間明度(L1max+L1min)/2をL1mid、前記最大明度と前記最小明度との差L1max−L1minをL1rとして、
前記第一設定パッチ印刷制御部は、L1mid−0.1L1r以上、且つ、L1mid+0.1L1r以下の第一明度の第一設定パッチ、及び、前記最小明度L1minよりも高く前記第一明度よりも低い第二明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記第二設定パッチ印刷制御部は、前記第一明度で色度を変えた複数の第二設定パッチ、及び、前記第二明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記選択部は、前記第一明度において前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチ、及び、前記第二明度において前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す前記選択情報を取得し、
前記補正部は、前記第一明度において前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付け、且つ、前記第二明度において前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置。 - 前記第一印刷設定の印刷画像において再現可能な最大明度をL1max、前記第一印刷設定の印刷画像において再現可能な最小明度をL1min、前記最大明度L1maxと前記最小明度L1minとの差L1max−L1minをL1r、前記第二印刷設定の印刷画像において再現可能な最大明度をL2max、前記第二印刷設定の印刷画像において再現可能な最小明度をL2min、前記最大明度L2maxと前記最小明度L2minとの差L2max−L2minをL2r、中間明度[{(L1max+L1min)/2}+{(L2max+L2min)/2}]/2をLmid、前記差L1rと前記差L2rの大きい方の差をLrとして、
前記第一設定パッチ印刷制御部は、Lmid−0.1Lr以上、且つ、Lmid+0.1Lr以下の第一明度の第一設定パッチ、及び、前記最小明度L1minと前記最小明度L2minのうち大きい方の最小明度よりも高く前記第一明度よりも低い第二明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記第二設定パッチ印刷制御部は、前記第一明度で色度を変えた複数の第二設定パッチ、及び、前記第二明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記選択部は、前記第一明度において前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチ、及び、前記第二明度において前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す前記選択情報を取得し、
前記補正部は、前記第一明度において前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付け、且つ、前記第二明度において前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置。 - 前記第一印刷設定は、第一解像度で印刷画像を形成する印刷設定であり、
前記第二印刷設定は、前記第一解像度とは異なる第二解像度で印刷画像を形成する印刷設定である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。 - 前記第一印刷設定は、第一被印刷物に印刷画像を形成する印刷設定であり、
前記第二印刷設定は、前記第一被印刷物とは種類が異なる第二被印刷物に印刷画像を形成する印刷設定である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。 - 前記第一印刷設定は、第一の色材を使用して印刷画像を形成する印刷設定であり、
前記第二印刷設定は、前記第一の色材とは種類が異なる第二の色材を使用して印刷画像を形成する印刷設定である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。 - 複数の印刷設定の中から選択された印刷設定で印刷部を制御する印刷制御方法であって、
前記複数の印刷設定は、同じ入力画像から形成される印刷画像に色度の差が生じる可能性がある第一印刷設定及び第二印刷設定を含み、
前記第一印刷設定において所定明度の第一設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記第二印刷設定において前記所定明度で色度を変えた複数の第二設定パッチを前記印刷部に印刷させ、
前記複数の第二設定パッチの中から前記第一設定パッチに色度を合わせる第二設定パッチを表す選択情報を取得し、
前記第二印刷設定で形成される印刷画像の色度を前記第一印刷設定で形成される印刷画像の色度に近付けるように前記選択情報に基づいて補正する、印刷制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015053260A JP2016174277A (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | 印刷制御装置、及び、印刷制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015053260A JP2016174277A (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | 印刷制御装置、及び、印刷制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7452485B2 (ja) | 2021-03-31 | 2024-03-19 | ブラザー工業株式会社 | 色チャート作成プログラム、色チャート作成方法、および色チャート作成装置 |
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2015
- 2015-03-17 JP JP2015053260A patent/JP2016174277A/ja active Pending
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