JP2016173775A - 電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部の電源回路の異常を診断できる電子制御装置を提供する。【解決手段】メインCPUは、第1電源回路から電圧V5,V3.3mainを供給され、電圧V5を基準電圧として電圧V3.3mainをA/D変換してデジタル値D3.3mainを得る。また、メインCPUは、第2電源回路から電圧V3.3subを供給され、電圧V5を基準電圧として電圧V3.3subをA/D変換してデジタル値D3.3subを得る。メインCPUは、デジタル値D3.3mainと、電圧V5,V3.3mainが正常である場合に電圧V5を基準電圧として電圧V3.3mainをA/D変換して得られる期待値E2と、が略同一であり、かつ、デジタル値D3.3subと、電圧V5及び電圧V3.3subが正常である場合に電圧V5を基準電圧として電圧V3.3subをA/D変換して得られる期待値E3と、が略同一であると診断したとき、第1電源回路及び第2電源回路は正常であるという診断を確定させる。【選択図】図4
Description
本発明は、制御用電圧を生成する電源回路を内部に備えた電子制御装置に関する。
電子制御装置として、例えば、アクチュエータのモニタ電流から検出したアナログ検出電圧をアナログ−デジタル(A/D)変換し、そして、そのA/D変換の結果に基づいて、アクチュエータの駆動操作量を演算するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる電子制御装置のA/D変換では、電子制御装置の内部に備えられた電源回路で各種制御用に生成された制御用電圧を基準電圧に設定している。
しかしながら、制御用電圧を生成する電源回路が何らかの原因により故障して、制御用電圧を本来設定した電圧レベルに維持することができなくなる可能性がある。仮に、設定した電圧レベルと異なる異常な制御用電圧を基準電圧にした状態でA/D変換を行うと、アクチュエータの実際の駆動電流とは乖離したデジタル値を算出してしまい、アクチュエータの駆動電流を正確に認識できなくなるおそれがある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、制御用電圧を生成する内部の電源回路の異常を診断できる電子制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る電子制御装置では、同一電源から第1電圧及び第2電圧を生成する第1の電源回路と、第3電圧を生成する第2の電源回路と、第1電圧、第2電圧及び第3電圧を入力する第1の制御器と、を含んで構成され、第1の制御器は、第1電圧を基準電圧として、第2電圧及び第3電圧をそれぞれA/D変換し、A/D変換した後のデジタル値に基づいて、第1の電源回路又は第2の電源回路に異常が発生しているか否かを診断している。
本発明に係る電子制御装置によれば、制御用電圧を生成する内部の電源回路に異常が発生しているか否かを診断しているので、例えば、制御用電圧を基準電圧として、アクチュエータの電流モニタ値として検出されたアナログ電圧をA/D変換する場合、A/D変換された後のデジタル値が実際のアクチュエータの駆動電流の値から乖離しているか否かを直ちに診断することができ、フェールセーフ制御の実施やA/D変換されたデジタル値の補正が早期に可能となる。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電子制御装置の一実施形態を示し、車両用変速装置におけるオイル供給システムに適用した一例を示す。
図1は、本発明に係る電子制御装置の一実施形態を示し、車両用変速装置におけるオイル供給システムに適用した一例を示す。
本車両の動力源であるエンジン(内燃機関)1には、回転出力を伝達するためのエンジン出力軸1aが設けられ、このエンジン出力軸1aが、トルクコンバータ2を介して無段変速機3の変速機入力軸3aへ接続されている。トルクコンバータ2には、車速に応じてエンジン出力軸1aを変速機入力軸3aへ直結するロックアップ機構(図示省略)が設けられている。
無段変速機3は、プライマリプーリ3b及びセカンダリプーリ3cと、これらプーリ間に巻き掛けたベルト3dとを含み、変速機入力軸3aによるプライマリプーリ3bの回転は、ベルト3dを介して、セカンダリプーリ3cへ伝達され、セカンダリプーリ3cの回転は、変速機出力軸3eを介して、図示省略の駆動輪へ伝達される。
無段変速機3では、プライマリプーリ3bの一対の可動円錐板、及び、セカンダリプーリ3cの一対の可動円錐板を、それぞれの作動油の油圧制御によって軸方向に移動させて、プライマリプーリ3b及びセカンダリプーリ3cとベルト3dとが接触する位置の半径を変えることにより、プライマリプーリ3bとセカンダリプーリ3cとのプーリ比(回転比)を変化させて、変速比を無段階に変化させることができる。
無段変速機3のケース底部にはオイルが貯留されたオイルパン4が設けられ、オイルパン4に貯留されたオイルは、無段変速機3のケース内に設けられた油圧ポンプ5により吸入加圧される。油圧ポンプ5は、変速機入力軸3aにより、すなわち、実質的には、エンジン1の回転出力により駆動される。油圧ポンプ5で吸入・加圧されたオイルは、油圧ポンプ5からライン圧制御部6を介して、プライマリプーリ3b、セカンダリプーリ3c及びトルクコンバータ2のロックアップ機構へ作動油として供給される。
プライマリプーリ3bには入力側プーリ圧制御部7が設けられ、ライン圧制御部6を経たオイルは、さらに入力側プーリ圧制御部7を介してプライマリプーリ3bへ供給される。セカンダリプーリ3cには出力側プーリ圧制御部8が設けられ、ライン圧制御部6を経たオイルは、さらに出力側プーリ圧制御部8を介してセカンダリプーリ3cへ供給される。トルクコンバータ2にはロックアップ圧制御部9が設けられ、ライン圧制御部6を経たオイルは、さらにロックアップ圧制御部9を介してロックアップ機構へ供給される。
ライン圧制御部6、入力側プーリ圧制御部7、出力側プーリ圧制御部8及びロックアップ圧制御部9には、それぞれ、油圧ポンプ5からの吐出圧を調圧する油圧制御弁を駆動するアクチュエータとして、リニアソレノイドが組み込まれている。そして、各リニアソレノイドの駆動は、駆動回路を含む制御ユニット(電子制御装置)10により、個別に制御される。
図2は、電子制御装置10の回路構成の一例を示す。
電子制御装置10は、メイン電源部12、サブ電源部14、駆動部16、メインCPU(Central Processing Unit)18、サブCPU20、を有している。
電子制御装置10は、メイン電源部12、サブ電源部14、駆動部16、メインCPU(Central Processing Unit)18、サブCPU20、を有している。
メイン電源部12は、バッテリ電源から車両のイグニッションスイッチIgSWを介して電源供給され、メインCPU18を含む電子制御装置10の各部に対して3種類の制御用電圧6.5V(ボルト),5V,3.3Vを供給する第1の電源回路をなす。メイン電源部12は、電子制御装置10の各部に対する1次電源としての6.5V生成回路12aを内蔵し、この6.5V生成回路12aによりバッテリ電源の電圧Vbb(例えば12V)から生成された6.5Vの電圧V6.5を、内部の5V生成回路12bにより、メインCPU18の動作電圧Vddmainである5Vの電圧V5(第1電圧)へ変換し、変換した電圧V5をメインCPU18へ供給している。また、メイン電源部12は6.5V生成回路12aで生成された6.5Vの電圧V6.5を、内部の3.3V生成回路12cにより3.3Vの電圧V3.3main(第2電圧)へ変換し、その電圧V3.3mainをメインCPU18へ供給している。
サブ電源部14は、バッテリ電源からイグニッションスイッチIgSWを介さずに電源供給され、サブCPU20に対して制御用電圧3.3Vを供給する第2の電源回路をなす。サブ電源部14は、内部の3.3V生成回路14aにより、バッテリ電源の電圧VbbをサブCPU20の動作電圧である3.3Vの電圧V3.3sub(第3電圧)へ変換し、変換した電圧V3.3subによりサブCPU20へ電源供給している。また、サブ電源部14は、メインCPU18へ電圧V3.3subを供給している。
メイン電源部12及びサブ電源部14は、入力した直流電圧を別の直流電圧に変換して出力する電源回路であれば、半導体スイッチのオン・オフ時間比率を制御する等のスイッチング制御式や、リニアレギュレータ、シャントレギュレータなどのリニアレギュレータ電源等、様々な方式により実現可能である。
駆動部16は、駆動回路16a、電流検出回路16b及びA/D変換回路16cを有している。
駆動回路16aは、ライン圧制御部6、入力側プーリ圧制御部7、出力側プーリ圧制御部8及びロックアップ圧制御部9にそれぞれ組み込まれたリニアソレノイドを個別に駆動する回路である。図2では、駆動回路16aにライン圧制御部6のリニアソレノイド6aが接続されているが、駆動回路16aに接続される他のリニアソレノイドについては、重複する説明を避けるため図示を省略している。駆動回路16aは、外部からの制御信号に応じてオン・オフ可能な半導体のスイッチング素子を、リニアソレノイド6aをはじめとする各リニアソレノイドについて複数備え、バッテリ電源から各リニアソレノイドに対する電圧Vbbの供給は、各スイッチング素子により制御される。
駆動回路16aは、ライン圧制御部6、入力側プーリ圧制御部7、出力側プーリ圧制御部8及びロックアップ圧制御部9にそれぞれ組み込まれたリニアソレノイドを個別に駆動する回路である。図2では、駆動回路16aにライン圧制御部6のリニアソレノイド6aが接続されているが、駆動回路16aに接続される他のリニアソレノイドについては、重複する説明を避けるため図示を省略している。駆動回路16aは、外部からの制御信号に応じてオン・オフ可能な半導体のスイッチング素子を、リニアソレノイド6aをはじめとする各リニアソレノイドについて複数備え、バッテリ電源から各リニアソレノイドに対する電圧Vbbの供給は、各スイッチング素子により制御される。
電流検出回路16bは、リニアソレノイド6aをはじめとする各リニアソレノイドに供給される電流をリニアソレノイド毎に検出する回路であり、例えば、駆動回路16aと各リニアソレノイドとを結ぶ電力供給ラインPLにそれぞれシャント抵抗を直列に介挿し、このシャント抵抗の両端電位差ΔVを検出するように構成されている。
A/D変換回路16cは、メイン電源部12の5V生成回路12bで生成された電圧V5を基準電圧にして、電流モニタ値としての両端電位差ΔV(アナログ電圧)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路16cは、変換して得られた実電流デジタル値Diを、SPI(Serial Peripheral Interface)通信等のデータ転送可能な通信線を介してメインCPU18へ出力する。
なお、メイン電源部12及び駆動部16を別々のユニットとして構成することや、さらに駆動回路16aをリニアソレノイド毎に別々のIC(Integrated Circuit)として設けることもできるが、電子制御装置10に小型化の要請があることを考慮して、本実施形態では、メイン電源部12及び駆動部16を、特定の用途・製品向けに設計された半導体チップのカスタムIC22により一体的に形成し、1つの駆動回路16aで全てのリニアソレノイドを個別に駆動するようにしている。
メインCPU18は、通信バスによって、サブCPU20、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信インタフェース、入出力インタフェースなどとデータ送受信可能に接続され、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して外部の上位制御装置(図示省略)から入力したリニアソレノイド6aの駆動指令信号と、駆動部16のA/D変換回路16cから入力した実電流デジタル値Diと、に基づいて、駆動回路16aにおけるスイッチング素子のオン・オフ時間比率であるデューティを演算し、このデューティを反映したPWM(Pulse Width Modulation)制御信号SPWMを出力する。
また、メインCPU18は、メイン電源部12の5V生成回路12bで生成された電圧V5、メイン電源部12の3.3V生成回路12cで生成された電圧V3.3main、及び、サブ電源部14の3.3V生成回路14aで生成された電圧V3.3subの3つの制御用電圧の電圧信号を入力して、それぞれについてA/D変換を行い、A/D変換された後のデジタル値に基づいて、メイン電源部12又はサブ電源部14に異常が発生しているか否かを診断する第1の制御器をなす。メインCPU18は、かかるA/D変換の基準電圧Vrefとして、メイン電源部12の5V生成回路12bで生成された電圧V5を入力する。
サブCPU20は、サブ電源部14を介してバッテリ電源と直接接続されて、イグニッションスイッチIgSWのオン・オフにかかわらず常時給電され、また、通信バスによって、メインCPU18等とデータ送受信可能に接続されている。サブCPU20は、イグニッションスイッチIgSWがオフの場合には、オフの時間を計測するタイマ機能を有し、また、イグニッションスイッチIgSWがオンの場合には、メインCPU18と協働して、メインCPU18の動作に異常が発生しているか否かを監視する第2の制御器をなす。
例えば、サブCPU20は、メインCPU18に例題を出題し、メインCPU18からの例題の回答に基づいてメインCPU18の演算機能を監視する。また、例えば、サブCPU20において、メインCPU18でA/D変換を行う3つの制御用電圧の電圧信号についてA/D変換を行い、A/D変換された後のデジタル値と、メインCPU18でA/D変換されたデジタル値とを比較することで、A/D変換機能に異常が発生しているか否かを診断することができる。
メイン電源部12及びサブ電源部14並びにメインCPU18は、同じ電位のグランドに接地される。これにより、メイン電源部12及びサブ電源部14において同一の接地電位を基準にして制御用電圧V5,V3.3main,V3.3subを生成し、A/D変換回路16c及びメインCPU18において同一の接地電位を基準にした基準電圧VrefでA/D変換を行うようにしている。なお、サブCPU20においてA/D変換機能の診断を行う場合には、サブCPU20もメインCPU18と同じ電位のグランドに接地させて、同一の接地電位を基準にA/D変換を行うようにしてもよい。
図3は、メインCPU18の機能構成を模式的に示している。
メインCPU18は、目標電流演算部18a、デューティ演算部18b、PWM制御信号生成部18c、選択部18d、A/D変換部18e、電源回路診断部18fを有している。
メインCPU18は、目標電流演算部18a、デューティ演算部18b、PWM制御信号生成部18c、選択部18d、A/D変換部18e、電源回路診断部18fを有している。
目標電流演算部18aは、外部の上位制御装置から入力した、リニアソレノイド6aにより駆動される油圧制御弁の要求開度等を内容とする駆動指令信号に基づいて、リニアソレノイド6aの駆動電流の目標値である目標電流値Ditを算出する。
デューティ演算部18bは、算出された目標電流値DitとA/D変換回路16cから入力した実電流デジタル値Diとの偏差ΔDに基づいて、PWM制御信号生成部18cにおいて生成するPWM制御信号のデューティ(%)を演算する。デューティは、例えば、目標電流値Ditと実電流デジタル値Diとの偏差ΔDに基づく比例積分制御(PI制御)により、下式に従って演算することができる。
偏差ΔD=目標電流値Dit−実電流デジタル値Di
デューティ=(ΔD×比例ゲイン+ΔDの積分値×積分ゲイン)/電源電圧×100
なお、デューティの演算処理を比例積分制御に限定するものではなく、比例積分微分制御(PID制御)など既知の演算処理方法を適宜採用可能である。
デューティ=(ΔD×比例ゲイン+ΔDの積分値×積分ゲイン)/電源電圧×100
なお、デューティの演算処理を比例積分制御に限定するものではなく、比例積分微分制御(PID制御)など既知の演算処理方法を適宜採用可能である。
PWM制御信号生成部18cは、算出されたデューティに応じた直流電圧信号と所定周期の搬送波とに基づいて、駆動回路16aの各スイッチング素子をオン・オフ制御するPWM制御信号を生成し、これらを駆動回路16aに出力する。
選択部18dは、A/D変換を行う3つの制御用電圧の電圧信号、すなわち、メイン電源部12の5V生成回路12bで生成された電圧V5、メイン電源部12の3.3V生成回路12cで生成された電圧V3.3main、及び、サブ電源部14で生成された電圧V3.3subのうち、A/D変換を行う1つを順次選択する。
A/D変換部18eは、メイン電源部12から入力された電圧V5を基準電圧Vrefとして、選択部18dで3つの制御用電圧V5,V3.3main,V3.3subの電圧信号のうち選択された1つに対して順次A/D変換を行う。これにより、電圧V3.3subは、デジタル値D3.3subにA/D変換され、電圧V3.3mainは、デジタル値D3.3mainにA/D変換され、電圧V5は、デジタル値D5にA/D変換される。
電源回路診断部18fは、A/D変換部18eで得られたデジタル値D3.3sub、D3.3main及びD5に基づいて、メイン電源部12又はサブ電源部14に異常が発生しているか否かを診断する。電源回路診断部18fは、メイン電源部12又はサブ電源部14に異常が発生していると診断した場合には、例えば、デューティ演算部18bの演算結果にかかわらず、強制的にデューティを低減させる等、車両の走行安全性に影響を与えないように何らかのフェールセーフ制御を実施することができる。また、電源回路診断部18fは、A/D変換部18eで電圧V5をA/D変換して得られたデジタル値D5が、それぞれ、正常時と異常時とでどの程度乖離しているのかを特定することで、A/D変換回路16cで電圧V5を基準電圧VrefとしてA/D変換して得られた実電流デジタル値Diを、デューティ演算部18bにおける演算に用いる際に補正することができる。
図4は、メインCPU18においてイグニッションスイッチIgSWのオンを契機として繰り返し実行される、メイン電源部12又はサブ電源部14等の異常診断処理を示すフローチャートである。
ステップ101(図中、「S101」と略記する。以下同様である。)では、選択部18d及びA/D変換部18eの協働により、電圧V5を基準電圧Vrefとして電圧V5をA/D変換し、デジタル値D5を得る。本実施形態では、例えば、A/D変換部18eが8ビットのデジタル値を出力する場合、A/D変換部18eは、複数の抵抗素子を含む分圧回路により、基準電圧Vref及びこれを{Vref/(28−1)}Vずつ段階的に減少させた各電圧の合計(28−1)個の参照電圧(Vref1, Vref2,…,Vref254, Vref255)を生成し、参照電圧とA/D変換の対象である電圧V5とを(28−1)個の比較器でそれぞれ比較した比較結果を演算処理する、いわゆる並列比較型のA/D変換により、デジタル値D5を得るものとする。なお、他の実施形態ではA/D変換を他の方法で行うことも可能である。
ステップ102では、電源回路診断部18fにより、デジタル値D5が期待値E1であるか否かを診断する。期待値E1は、5V生成回路12bにより生成される電圧V5が5Vで正常である場合に、A/D変換部18eによりA/D変換されて得られる既知のデジタル値である。電圧V5が5Vで正常である場合、基準電圧Vrefも5Vであるので、期待値E1は5Vを示すデジタル値である。
具体的には、5V生成回路12bにより生成される電圧V5の若干のバラツキやA/D変換部18eにおける量子化誤差を含む変換誤差±αを考慮して、E1−α<D5<E1+αである場合には、基準電圧VrefとA/D変換の対象として入力された電圧V5とがA/D変換を行う際に略同一であり、かつ、メインCPU18におけるA/D変換も正常に行われているので、メイン電源部12又はサブ電源部14に異常が発生しているか否かを診断すべく、ステップ103へ進む(Yes)。
一方、D5≦E1−α、又は、D5≧E1+αである場合には、A/D変換を行う際に、基準電圧Vref又は電圧V5の少なくとも一方の電圧レベルがA/D変換部18eの前で変化してしまったか、あるいは、A/D変換が正常に行われなかった可能性がある。したがって、D5≦E1−α、又は、D5≧E1+αである場合には、ステップ109へ進み(No)、メイン電源部12の5V生成回路12bからメインCPU18のA/D変換部18eへの信号線、またはメインCPU18の演算機能に異常が発生しているという診断(メインCPU等異常診断)をして、電源回路等の異常診断処理を終了する。
前述のように、電圧V5を基準電圧Vrefにしてこの電圧V5をA/D変換して得られるデジタル値D5に基づいて、メイン電源部12(5V生成回路12b)に異常が発生しているか否かを診断することはできない。これは、5V生成回路12bに異常が発生して、生成される電圧V5が、例えば、5Vから4Vに低下した場合、基準電圧Vrefも5Vから4Vに低下するので、A/D変換部18eにおける電圧V5と基準電圧Vrefから生成した各参照電圧(Vref1, Vref2,…,Vref254, Vref255)との比較結果が正常時と比べて変化せず、変換後のデジタル値D5が期待値E1と同じになって正常と診断される可能性があるからである。
ステップ103では、ステップ101と同様に、選択部18d及びA/D変換部18eの協働により、電圧V5を基準電圧Vrefとして電圧V3.3mainをA/D変換し、デジタル値D3.3mainを得る。
ステップ104では、電源回路診断部18fにより、デジタル値D3.3mainが期待値E2であるか否かを診断する。期待値E2は、5V生成回路12bにより生成される電圧V5が5Vで、かつ、3.3V生成回路12cにより生成される電圧V3.3mainが3.3Vで正常である場合、A/D変換部18eにより電圧V5を基準電圧Vrefとして電圧V3.3mainをA/D変換したときに得られる既知のデジタル値であり、このデジタル値は3.3Vを示す。
具体的には、5V生成回路12bにより生成される電圧V5の若干のバラツキやA/D変換部18eにおける量子化誤差を含む変換誤差±βを考慮して、E2−β<D3.3main<E2+βである場合には、メイン電源部12及びサブ電源部14が正常である可能性があるので、さらに異常があるか否かを診断すべく、ステップ105へ進む(Yes)。
一方、D3.3main≦E2−β、又は、D3.3main≧E2+βである場合には、基準電圧Vrefとしての電圧V5及びA/D変換の対象である電圧V3.3mainの少なくとも一方に異常があり、5V生成回路12b及び3.3V生成回路12cの少なくとも一方に異常があるといえる。したがって、D3.3main≦E2−β、又は、D3.3main≧E2+βである場合には、ステップ108へ進み(No)、少なくともメイン電源部12に異常が発生しているという診断(電源回路異常診断)をして、電源回路等の異常診断処理を終了する。
前述のように、電圧V5を基準電圧Vrefにして電圧V3.3mainをA/D変換して得られるデジタル値D3.3mainに基づいて、メイン電源部12又はサブ電源部14が正常であるという確定的な診断を行うことはできない。これは、6.5V生成回路12aに異常が発生して、例えば、で生成する電圧V6.5が6.5Vから5.5Vに低下すると、5V生成回路12bで生成される電圧V5が5Vと3.3V生成回路12cにより生成される電圧V3.3mainとが同じ減少率で低下して、前述のように、A/D変換部18eにおける電圧V3.3mainと基準電圧Vrefから生成した各参照電圧(Vref1, Vref2,…,Vref254, Vref255)との比較結果が、正常時と比べて変化せず、A/D変換後のデジタル値D3.3mainが期待値E2と同じになって正常と診断される可能性があるからである。
ステップ105では、ステップ101と同様に、選択部18d及びA/D変換部18eの協働により、電圧V5を基準電圧Vrefとして電圧V3.3subをA/D変換し、デジタル値D3.3subを得る。
ステップ106では、電源回路診断部18fにより、デジタル値D3.3subが期待値E3であるか否かを診断する。期待値E3は、ステップ104で説明した期待値E2と同様、5V生成回路12bにより生成される電圧V5が5Vで、かつ、3.3V生成回路14aにより生成される電圧V3.3subが3.3Vで正常である場合、A/D変換部18eにより電圧V5を基準電圧Vrefとして電圧V3.3subをA/D変換したときに得られる既知のデジタル値であり、このデジタル値は3.3Vを示す。
具体的には、変換誤差±γを考慮して、E3−γ<D3.3sub<E3+γである場合には、ステップ107へ進み(Yes)、3つの制御用電圧V5,V3.3main,V3.3subはすべて正常の範囲にあり、6.5V生成回路12a、5V生成回路12b及び3.3V生成回路12cを有するメイン電源部12、並びに、3.3生成回路14aを有するサブ電源部14は、すべて正常であるという診断(電源回路正常診断)をして電源回路等の異常診断処理を終了する。
一方、D3.3sub≦E3−γ、又は、D3.3sub≧E3+γである場合には、5V生成回路12b及び3.3V生成回路12cが正常であっても6.5V生成回路12aの異常により電圧V5及び電圧V3.3mainに異常が発生しているか、あるいは、メイン電源部12は正常でサブ電源部14の3.3V生成回路14aで生成する電圧V3.3subのみに異常があるか、の少なくとも一方である。したがって、D3.3sub≦E3−γ、又は、D3.3sub≧E3+γである場合には、ステップ108へ進み(No)、メイン電源部12又はサブ電源部14の少なくとも一方に異常があるという診断(電源回路異常診断)をして、電源回路等の異常診断処理を終了する。
このような電子制御装置10によれば、メインCPU18が制御用電圧V5,V3.3main,V3.3subを生成するメイン電源部12及びサブ電源部14に異常が発生しているか否かを、イグニッションスイッチIgSWがオンになったことを契機に繰り返し診断しているので、A/D変換回路16cにおいて、リニアソレノイド6aの電流モニタ値として検出されたアナログ電圧ΔVを、制御用電圧V5を基準電圧VrefとしてA/D変換する場合、A/D変換された後のデジタル値Diが実際のリニアソレノイド6aの駆動電流の値から乖離しているか否かを直ちに診断することができ、フェールセーフ制御の実施やデジタル値Diの補正が早期に可能となる。
特に、電子制御装置10は、サブCPU20に電源供給を行うサブ電源部14で生成された電圧V3.3subを、メインCPU18でA/D変換してデジタル値D3.3subを得ることで、このデジタル値D3.3subに基づいて、メイン電源部12及びサブ電源部14が正常であるという診断を確定させることができる。
なお、前述の実施形態において、メイン電源部12及びサブ電源部14において生成される電圧はあくまでも例示であり、メインCPU18の動作電圧Vddmainに応じて、メイン電源部12の5V生成回路12aにより生成される電圧も変化し、同様に、サブCPU20の動作電圧に応じて、サブ電源部14の3.3V生成回路14aにより生成される電圧V3.3subも変化する。
また、メイン電源部12の3.3V生成回路12cからメインCPU18に供給される電圧V3.3mainの設定電圧レベルは、サブ電源部14の3.3V生成回路14aにより生成される電圧V3.3subの設定電圧レベルと同一である必要はなく、電子制御装置10の各部に制御用電圧として必要な電圧等、他の電圧レベルであってもよい。
前述の実施形態において、メインCPU18等に異常が発生していることを特定する必要がなく、メイン電源部12及びサブ電源部14に異常が発生しているか否かを診断すればよい場合には、図4の電源回路等の異常診断処理のうち、ステップ101、102及び109を省略することができる。
前述の実施形態において、図4の電源回路等の異常診断処理のうち、ステップ105及び106を実行した後でステップ103及び104を実行することで、電圧V3.3mainの異常診断と電圧V3.3subの異常診断との実行順序を入れ替えることができ、さらに、前述のようにステップ101、102及び109を省略してもよい。このようにしても、メイン電源部12及びサブ電源部14が異常であるか否かを診断することができる。
前述の実施形態において、図4の電源回路等の異常診断処理のうち、ステップ108へ移行する直前にステップ104とステップ106とのどちらを実行したのかを識別できるようにすることができる。例えば、ステップ104からステップ108へ進んだ場合にはその旨の処理履歴情報を、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の書き込み可能な不揮発性メモリに格納する一方、ステップ106からステップ108へ進んだ場合にはその旨の処理履歴情報を書き込み可能な不揮発性メモリに格納してもよい。これにより、異常が発生した電源回路には、少なくともメイン電源部12が含まれるのか、あるいは、メイン電源部12及びサブ電源部14の少なくとも一方が含まれるのかを特定することができる。
前述の実施形態において、電子制御装置10を車両用変速装置におけるオイル供給システムに適用して説明したが、これに限定されず、例えば、電動パワーステアリング装置の駆動源となる電動アクチュエータ等、様々な車載アクチュエータの制御装置として適用可能である。
6…ライン圧制御部、6a…リニアソレノイド、10…電子制御装置、12…メイン電源部、12a…6.5V生成回路、12b…5V生成回路、12c…3.3V生成回路、14…サブ電源部、14a…3.3V生成回路、16…駆動部、16a…駆動回路、16b…電流検出回路、16c…A/D変換回路、18…メインCPU、18a…目標電流演算部、18b…デューティ演算部、18c…PWM制御信号生成部、18d…選択部、18e…A/D変換部、18f…電源回路診断部、20…サブCPU、22…カスタムIC
Claims (5)
- 同一電源から第1電圧及び第2電圧を生成する第1の電源回路と、
第3電圧を生成する第2の電源回路と、
前記第1電圧、前記第2電圧及び前記第3電圧を入力する第1の制御器と、
を含んで構成され、
前記第1の制御器が、前記第1電圧を基準電圧として、前記第2電圧及び前記第3電圧をそれぞれA/D変換し、A/D変換した後のデジタル値に基づいて、前記第1の電源回路又は前記第2の電源回路に異常が発生しているか否かを診断するように構成されている、電子制御装置。 - アクチュエータを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路に流れる駆動電流をアナログ電圧として検出する電流検出回路と、
前記第1電圧を基準電圧として、前記アナログ電圧をA/D変換して前記第1の制御器に出力するA/D変換回路と、
をさらに含んで構成され、
前記第1の制御器は、前記A/D変換回路において前記アナログ電圧をA/D変換した後のデジタル値に基づいて、前記駆動回路を制御する、請求項1に記載の電子制御装置。 - 前記駆動回路、前記電流検出回路及び前記A/D変換回路は、1つの集積回路を形成する、請求項2に記載の電子制御装置。
- 前記第2の電源回路は、前記第1の制御器の動作を監視する第2の制御器に対して、前記第3電圧を供給する、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電子制御装置。
- 前記第1の制御器は、前記第1電圧を基準として、さらに前記第1電圧もA/D変換し、A/D変換した後のデジタル値に基づいて、前記第1の制御器に異常が発生しているか否かを診断する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電子制御装置。
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