JP2016172199A - 水処理剤および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水処理だけでは防ぎきれない循環流路の汚れを洗浄によって除去する場合に、当該洗浄にかかる時間とコストを大幅に削減することができる技術を提供する。【解決手段】本発明では、循環流路を循環する冷却水に投入して使用される水処理剤40の形態を、粉末の水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した形態とした。この水処理剤40は、水に投入した場合に、循環流路を固形物の状態で水とともに循環するとともに、当該循環中において、水に溶解する前は循環流路内を物理的に洗浄する作用をなし、水に溶解した後は循環流路内で水処理の作用をなす。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理に用いて好適な水処理剤とその製造方法、および水処理方法に関する。
たとえば、冷却水等の循環システムでは、冷却媒体としての水(冷却水)を循環流路に沿って循環させている。循環システムが備える循環流路の途中には、たとえば熱交換器(復水器、凝縮器などを含む)が設置され、この熱交換器内を循環流路の一部として冷却水が循環される。このような循環システムでは、冷却媒体としての水に対し、必要に応じて水処理薬品が投入される。水処理薬品は、循環流路を構成する配管類や各種の機器類に対して、たとえば、スケール防止、スライム抑制、防食、除菌(レジオネラ菌の除菌)などを目的に使用されるものである。
実際に水処理薬品を使用する場合は、循環流路を循環している水に水処理薬品を投入する。水に投入する前の水処理薬品は、液体や粉末になっている。この水処理薬品を水に投入すると、水を溶媒として水処理薬品が溶解する。水処理薬品は、水に溶解した状態で循環流路を循環し、スケール防止などの効果を発揮する(特許文献1を参照)。
特開2014−205923号公報
ところで、冷却水等の循環システムにおいては、冷却塔で所定の温度に調整した水(冷却水)を、配管を通して冷却塔から熱交換器に供給し、この熱交換器内で熱交換された水を再び冷却塔に戻すことにより、当該循環システム内で水を循環させている。その場合、当該循環システム内の循環流路を流れる水に水処理薬品を投入して所望の水処理効果を得るには、水処理薬品の濃度を適正に維持する必要がある。
しかしながら、たとえ水処理薬品の濃度を適正に維持したとしても、スケールの析出などを完全に抑制することはできない。このため、循環流路の内壁には、長時間の使用によって徐々にスケール等が蓄積され、これによって流路内が汚染されていく。この汚染が進むと、循環流路を水がスムーズに流れなくなるため、たとえば、熱交換効率の低下などの弊害を招いてしまう。したがって、冷却水等の循環システムを稼働する場合は、水処理だけで防ぎきれない循環流路の汚れを別途、洗浄によって除去する必要がある。
そこで、循環流路の一部である、熱交換器の導管を洗浄する方法としては、たとえば、熱交換器を分解して洗浄する方法が知られている。しかし、このような洗浄方法では、循環システムの稼働を一旦停止させる必要がある。また、洗浄作業も非常に煩雑で時間がかかる。このため、循環システムの稼働率が低下し、かつ、コストも多く費やされるという問題があった。
本発明の主な目的は、水処理だけでは防ぎきれない循環流路の汚れを洗浄によって除去する場合に、当該洗浄にかかる時間とコストを大幅に削減することができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
循環流路を循環する水に投入して使用される水処理剤であって、
前記水処理剤は、前記水に投入した場合に、前記循環流路を固形物の状態で前記水とともに循環するとともに、当該循環中において、前記水に溶解する前は前記循環流路内を物理的に洗浄する作用をなし、前記水に溶解した後は前記循環流路内で水処理の作用をなすように構成されている
ことを特徴とする水処理剤である。
本発明の第2の態様は、
前記水処理剤は、粉末または液体の水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成したものである
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の水処理剤である。
本発明の第3の態様は、
前記水処理剤の粒の形状は、球形である
ことを特徴とする上記第1または第2の態様に記載の水処理剤である。
本発明の第4の態様は、
前記水処理剤の粒の大きさは、1mm以上3mm以下である
ことを特徴とする上記第1〜第3の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤である。
本発明の第5の態様は、
前記水処理剤は、コア部と、このコア部を被覆する被覆部と、を有する
ことを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤である。
本発明の第6の態様は、
前記被覆部は、前記コア部よりも水に溶けにくい性質を有する
ことを特徴とする上記第5の態様に記載の水処理剤である。
本発明の第7の態様は、
前記被覆部は、前記コア部よりも硬く形成されている
ことを特徴とする上記第5または第6の態様に記載の水処理剤である。
本発明の第8の態様は、
前記被覆部は、前記コア部よりも高い密度で形成されている
ことを特徴とする上記第5〜第7の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤である。
本発明の第9に態様は、
前記水処理剤の比重は、前記循環流路を循環する水の比重と実質的に同一である
ことを特徴とする上記第1〜第8の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤である。
本発明の第10の態様は、
前記水処理剤の表面に複数の突起が形成されている
ことを特徴とする上記第1〜第9の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤である。
本発明の第11の態様は、
粉末または液体の水処理薬品をバインダと混合して造粒する工程を経て、
前記水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤を得る
ことを特徴とする水処理剤の製造方法である。
本発明の第12の態様は、
粉末または液体の水処理薬品をバインダと混合して造粒することによりコア部を形成する工程と、
前記コア部の表面をコーティングすることにより被覆部を形成する工程と、を経て、
前記水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤を得る
ことを特徴とする水処理剤の製造方法である。
本発明の第13の態様は、
循環流路を循環する水に水処理剤を投入して水処理を行う水処理方法であって、
前記水処理剤として、上記第1〜第10の態様のいずれか一態様に記載の水処理剤を用いる
ことを特徴とする水処理方法である。
本発明によれば、水処理だけでは防ぎきれない循環流路の汚れを洗浄によって除去する場合に、当該洗浄にかかる時間とコストを大幅に削減することができる。
本発明の第1実施形態に係る循環システムを説明する図である。 プレート式熱交換器の内部構造を説明する図である。 プレート式熱交換器の第1プレートを説明する図である。 プレート式熱交換器の第1プレートを説明する図である。 プレート式熱交換器の要部を説明する図である。 本発明の第1実施形態にかかる水処理剤を示すもので、図中(A)は当該水処理剤の形状を示す外観図、(B)は当該水処理剤の内部構造を示す断面図である。 水処理剤の比重と流れ方の関係を模式的に示す図である。 水処理剤の他の構造例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る循環システムを説明する図である。 多管式熱交換器の内部構造を説明する図である。 本発明の変形例を説明する図である。 本発明の他の変形例を説明する図であり、図中(A)は大粒の水処理剤、(B)は中粒の水処理剤、(C)は小粒の水処理剤を示している。
<第1実施形態>
(循環システム)
図1は本発明の第1実施形態に係る循環システムを説明する図である。
図示した循環システムは、冷却水を循環させる循環流路を備えるシステムである。この循環システムは、大きくは、プレート式熱交換器10と、冷却塔20と、これらをつなぐ配管31,32と、を用いて構成され、これらの構成要素によって冷却水の循環流路が形成されている。
(プレート式熱交換器)
プレート式熱交換器10は、凹凸をつけてプレス成形された金属のプレートを複数枚重ね合わせた構成を有し、それらのプレート間に形成される隙間(流路)に交互に温度差にある流体(低温流体および高温流体)を流すことにより、プレートを介して熱交換を行うものである。プレート式熱交換器10は、低温流体用の配管31,32を介して冷却塔20に接続されている。また、プレート式熱交換器10は、図示しない高温流体用の配管を介して熱交換対象の外部機器に接続されている。
プレート式熱交換器10には、上述した金属製のプレートからなる第1プレート11および第2プレート12のほかに、4つの導管33a,33b,34a,34bが設けられている。導管33a,33bは低温流体用の導管であり、導管34a,34bは高温流体用の導管である。導管33aには低温流体用の配管31が接続され、導管33bには低温流体用の配管32が接続されている。また、配管31の途中にはポンプ31aが設けられている。ポンプ31aは冷却水を圧送するものである。一方、導管34a,34bには、それぞれ図示しない高温流体用の配管が接続されるようになっている。
プレート式熱交換器10には、導管33aを通して低温流体が導入されるとともに、導管33bを通して低温流体が導出される。また、プレート式熱交換器10には、導管34aを通して高温流体が導入されるとともに、導管34bを通して高温流体が導出される。その際、導管33aを通して導入された低温流体は、プレート式熱交換器10内の流路を流れた後、導管33bを通して導出される。また、導管34aを通して導入された高温流体は、プレート式熱交換器10内の流路を流れた後、導管34bを通して導出される。
プレート式熱交換器10の内部には、図2に示すように、第1プレート11と第2プレート12とが交互に重ねて配置され、これによって低温流体用の流路と高温流体用の流路が形成されている。そして、これら複数の流路に低温流体と高温流体が交互に流れることで、熱交換が行われる。以下に、各プレートの構成について説明する。
(第1プレート)
第1プレート11には、図3に示すように、4つの流通孔(貫通孔)111,112,113,114が設けられている。これら4つの流通孔111〜114は、プレート式熱交換器10内で流体を流通させるために、第1プレート11の各コーナー部の近傍に一つずつ形成されている。このうち、図の左上の隅と右下の隅に形成されているのがバイパス用の流通孔111,112であり、図の右上の隅と左下の隅に形成されているのが循環用の流通孔113,114である。
第1プレート11の表面および裏面には、それぞれ凹凸のパターンが形成されている。この凹凸のパターンは、プレート式熱交換器10の熱交換効率を高めるために形成されるものである。第1プレート11の表面には、シール材としてのガスケット115,116,117が取り付けられている。これらのガスケット115〜117は、互いにつながった状態で形成することが可能である。ガスケット115は、流通孔111の開口を囲むように取り付けられ、ガスケット116は、流通孔112の開口を囲むように取り付けられている。また、ガスケット117は、図中矢印で示すように流通孔114から流通孔113に向かう循環用の流路を形成すべく、流通孔113、114の各開口の一部と図示しない凹凸のパターン部分とを囲むように取り付けられている。
(第2プレート)
第2プレート12には、図4に示すように、4つの流通孔(貫通孔)121,122,123,124が設けられている。これら4つの流通孔121〜124は、プレート式熱交換器10内で流体を流通させるために、第2プレート12の各コーナー部の近傍に一つずつ形成されている。このうち、図の右上の隅と左下の隅に形成されているのがバイパス用の流通孔123,124であり、図の左上の隅と右下の隅に形成されているのが循環用の流通孔121,122である。
第2プレート12の表面および裏面には、上記同様の目的で、それぞれ図示しない凹凸のパターンが形成されている。また、第2プレート12の表面には、シール材としてのガスケット125,126,127が取り付けられている。これらのガスケット125〜127は、互いにつながった状態で形成することが可能である。ガスケット125は、流通孔123の開口を囲むように取り付けられ、ガスケット126は、流通孔124の開口を囲むように取り付けられている。また、ガスケット127は、図中矢印で示すように流通孔121から流通孔122に向かう循環用の流路を形成すべく、流通孔121、122の各開口の一部と図示しない凹凸のパターン部分とを囲むように取り付けられている。
上述した第1プレート11と第2プレート12は、流通孔111と流通孔121、流通孔112と流通孔122、流通孔113と流通孔123、および、流通孔114と流通孔124を、それぞれ位置合わせした状態で、互いに重ね合わせられる。これにより、図5に示すように、第1プレート11と第2プレート12を交互に複数枚にわたって重ね合わせた状態では、第1プレート11の表面側にガスケット117によって流体(たとえば、低温流体)の流路が形成され、その裏面側となる第2プレート12の表面側にガスケット127によって流体(たとえば、高温流体)の流路が形成される。
また、第1プレート11の表面側に形成される流路には、各々のプレート11,12に形成された流通孔113,123および流通孔114,124が連通した状態となり、第2プレート12の表面側に形成される流路には、各々のプレート11,12に形成された流通孔111,121および流通孔112,122が連通した状態になる。このため、第1プレート11の表面側に形成される循環用の流路には、第2プレート12に形成された流通孔123,124を通して流体がバイパスされ、第2プレート12の表面側に形成される循環用の流路には、第1プレート11に形成された流通孔111,112を通して流体がバイパスされる。
(冷却塔)
冷却塔20は、冷却水を冷却するものである。冷却塔20内で冷却された冷却水は、配管31を通してプレート式熱交換器10に送り込まれる。また、プレート式熱交換器10から排出された冷却水は、配管32を通して冷却塔20に取り込まれる。冷却塔20の側部には、水処理剤投入装置が設置されている。
(水処理剤投入装置)
水処理剤投入装置は、上記図1に示すように、ホッパー21と、供給パイプ22と、電動ボール弁23と、制御盤24と、を備えている。ホッパー21は、投入前の水処理剤40を収容するものである。ホッパー21は、取付ブラケット25を用いて冷却塔20の側部に固定されている。供給パイプ22は、ホッパー21の下部に連結されている。供給パイプ22は、ホッパー21に収容された水処理剤40を冷却塔20内に投入すべく、ホッパー21の下部から冷却塔20内に延出している。
電動ボール弁23は、ホッパー21と供給パイプ22の連結部分に取り付けられている。電動ボール弁23は、水処理剤40の投入を開始または停止すべく開閉動作するものである。具体的には、水処理剤40の投入を開始する場合は、電動ボール弁23を閉状態から開状態に切り替え、水処理剤40の投入を停止する場合は、電動ボール弁23を開状態から閉状態に切り替える。また、電動ボール弁23の開度を変えることで、単位時間あたりの水処理剤40の投入量を調整することも可能である。制御盤24は、電動ボール弁23の開閉動作を制御するものである。制御盤24は、ホッパー21の側方に取り付けられている。
(水処理剤)
続いて、本発明の実施形態に係る水処理剤について説明する。
まず、従来使用されている水処理薬品は、水に溶解して循環流路を循環することにより、初めて水処理の効果を発揮するものである。このため、従来では、水に投入した水処理薬品がすぐに水処理の機能を発揮するように、水に溶解しやすい粉末または液体の状態で水処理薬品を使用している。また、従来においては、水処理薬品を徐々に溶解させて水処理の効果を長く維持するために、水処理薬品を大きなブロックの塊に成形し、これを循環流路に循環させることなく水中に沈めて使用することも行われている。いずれにしても、従来の水処理薬品は、水処理という単一の機能だけを果たすものとなっている。
これに対して、本発明の実施形態においては、水処理剤40に対して、水処理という本来的な機能のほかに、物理的な洗浄という新たな機能を付加している。以下に、水処理剤40の構成について詳しく説明する。
図6は本発明の第1実施形態にかかる水処理剤を示すもので、図中(A)は当該水処理剤の形状を示す外観図、(B)は当該水処理剤の内部構造を示す断面図である。
図示した水処理剤40は、上述した循環システムにおいて、循環流路を循環する水に投入して使用されるものである。具体的には、水処理剤40は、上記の循環システムに付設された水処理剤投入装置のホッパー21に収容され、このホッパー21から電動ボール弁23の開閉動作により供給パイプ22を通して冷却塔20内に投入されるものである。ホッパー21の内部には多数の粒が水処理剤40として収容され、そこから所定量の水処理剤40がザラザラした粒(固形状)の状態で投入される。上記水処理剤投入装置において、所定量の水処理剤40の投入は、1回にまとめて行ってもよいし、数回にわけて行ってもよい。
水処理剤40は、粉末の水処理薬品を固形状に固めて所定の大きさの粒状に形成したものである。水処理剤40をどのような成分の水処理薬品で構成するかは、水処理の主たる目的が、たとえば、スケールの防止にあるのか、スライムの抑制にあるのか、あるいはその両方にあるのか、などによって変わる。ほかにも、防食、除菌などの使用目的の違いにより、水処理に使用する水処理薬品の成分が変わる可能性がある。
(水処理剤の形状および寸法)
水処理剤40は、一つの粒でみると、球状に形成されている。水処理剤40の粒の大きさは、好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは1mm以上5mm以下、さらに好ましくは1mm以上3mm以下とするのがよい。水処理剤40の粒の大きさは、水処理剤40の最も外側の部分で規定するものとする。このため、水処理剤40の粒の形状が球形であれば、その大きさは直径で規定されることになる。なお、水処理剤40の最小単位は「粒」であるが、循環システムの水処理に水処理剤40を使用する場合は、多数の粒の水処理剤40が適量ずつ投入されることになる。
水処理剤40は、循環流路を循環する水に水処理剤40を投入した場合に、循環流路を固形物の状態で水とともに循環するものである。ここで記述する「固形物の状態」とは、水処理剤40が水に完全には溶けていない状態をいう。水処理剤40を固形物の状態で循環流路を循環させるためには、循環流路の途中で水処理剤40が詰まらないように、水処理剤40の粒の大きさを設定する必要がある。具体的には、冷却塔20から配管31、プレート式熱交換器10および配管32を通して冷却塔20に戻る循環流路のなかで、最も狭い流路の部分でも水処理剤40が通過できるように、水処理剤40の粒の大きさを設定する必要がある。
上記の循環システムにおいて、たとえばプレート式熱交換器10内で第1プレート11と第2プレート12との間(隙間)に形成される流路の部分が最も狭い部分であるとすると、この流路の部分を通過し得るように水処理剤40の大きさを規定するよい。また一般的に、プレート式熱交換器10には、当該プレート式熱交換器10への異物混入防止等を目的にストレーナーが設置され、このストレーナーの部分が、最も狭い流路部分となる。この場合、水処理剤40の粒の大きさは、ストレーナーを通過し得る大きさに設定する必要がある。具体例として、パンチングメタルタイプのストレーナーであれば、パンチング孔の部分を通過し得るように水処理剤40の粒の大きさを設定する必要がある。
(水処理剤の作用)
また、水処理剤40は、循環流路を循環中において、水に溶解する前は循環流路内を物理的に洗浄する作用をなし、水に溶解した後は循環流路内で水処理の作用をなすように構成されている。ここで記述する「水に溶解する前」とは、水処理剤40が水に完全に溶けてなくなる前という意味である。また、「水に溶解した後」とは、水処理剤40が水に溶け始めた後という意味である。水処理剤40による物理的な洗浄作用(以下、「洗浄効果」ともいう。)は、循環流路の内壁部に水処理剤40が衝突することにより得られるものであるため、水処理剤40が水に完全に溶けてなくなった後は得られなくなる。これに対して、水処理剤40による水処理の作用(以下、「水処理効果」ともいう。)は、水処理剤40を構成する水処理薬品の化学的な作用であるため、水処理剤40が水に完全にとけてなくなった後も持続的に得られる。
ちなみに、水処理剤40の粒の大きさを、好ましくは1mm以上と規定した理由は、粒の大きさが小さすぎると、循環流路の内壁部に水処理剤40が衝突したときの衝撃力が弱すぎたり、水処理剤40を投入してから、水処理剤40が完全に水に溶解するまでの時間(以下、「溶解時間」という。)が短すぎたりするおそれがあるためである。このため、水処理剤40の構造や製造方法などの工夫により、適度な衝撃力や溶解時間を確保できるようであれば、水処理剤40の粒の大きさは1mm未満であってもかまわない。
(水処理剤の比重)
水処理剤40の比重は、水処理剤40の物理的な洗浄効果を考慮すると、循環流路を流れる水の比重と等しいことが好ましい。その理由は、次のとおりである。すなわち、図7に示すように、循環流路を矢印方向に流れる水に所定量(多数の粒)の水処理剤40を投入した場合に、水の比重に対して、水処理剤40の比重が等しい場合は、同図(A)に示すように、投入した水処理剤40の粒が水中に均一に分散しながら水と一緒に循環する。このため、水処理剤40の物理的な洗浄効果によって循環流路内を隅々まで洗浄することができる。
これに対して、水の比重よりも水処理剤40の比重が小さい場合は、水処理剤40を水に投入したときに、同図(B)に示すように、投入した水処理剤40の粒が浮力で浮き上がろうとする。このため、水処理剤40の粒は、水中の上層部分に偏って分散する。したがって、循環流路の下層部分では、十分に洗浄効果が得られないおそれがある。また、水の比重よりも水処理剤40の比重が大きい場合は、水処理剤40を水に投入したときに、同図(C)に示すように、投入した水処理剤40の粒が水中に沈み込もうとする。このため、水処理剤40の粒は、水中の下層部分に偏って分散する。したがって、循環流路の上層部分では、十分に洗浄効果が得られないおそれがある。以上の理由により、水処理剤40の比重は、循環流路を流れる水の比重と等しいことが好ましい。
本明細書においては、循環流路を流れる水の比重を「1.0」としたときに、水処理剤40の比重が、0.9以上1.1以内(水の比重の±10%以内)であれば、水処理剤40の比重は水の比重と実質的に同一であるとみなす。また、水処理剤40の比重が、1.2超(水の比重の1.2倍超)であれば、水処理剤40の比重は水の比重よりも大きいとみなし、水処理剤40の比重が、0.8未満(水の比重の0.8倍未満)であれば、水処理剤40の比重は水の比重よりも小さいとみなす。
ただし、水処理剤40の比重は、物理的に洗浄しようとする循環流路内のどの部分に多く汚れが付着しているか、あるいはどの部分に付着している汚れを集中的に取り除きたいか、などに応じて適宜、水の比重と格差をもたせてもよい。以下に、水処理剤40の比重が、水の比重と異なる場合の具体例について説明する。
まず、水平に配置された循環流路の下側の部分に、より多くの汚れ(スケール、スライムなど)が付着し、この汚れを水処理剤40の物理的な洗浄作用で取り除きたい場合は、水処理剤40の比重を水の比重よりも大きくする。これにより、水に投入された水処理剤40の多くは、水の下層部分を流れる。このため、循環流路の下側の部分に付着した汚れを効果的に取り除くことができる。ただし、水処理剤40の比重を過度に大きくすると、水処理剤40が循環流路の途中に滞留してスムーズに循環しなくなるおそれがある。このため、水処理剤40の比重を大きくする場合は、そのような滞留が起こらない範囲にとどめる。
これに対して、水平に配置された循環流路の上側の部分に、より多くの汚れが付着し、この汚れを水処理剤40の物理的な洗浄作用で取り除きたい場合は、水処理剤40の比重を水の比重よりも実質的に小さくする。これにより、水に投入された水処理剤40の多くは、水の上層部分を流れる。このため、循環流路の上側に部分に付着した汚れを効果的に取り除くことができる。
また、水処理剤40の比重は、必ずしも一様である必要はなく、循環のために許容される範囲内で適度にバラツキをもたせてもよい。また、水と実質同一の比重を有する水処理剤40と、水よりも小さい比重を有する水処理剤40と、水よりも大きい比重を有する水処理剤40のうち、少なくとも比重の異なる2種類の水処理剤40を所定の割合で混ぜて使用してもよい。
(水処理剤の硬度および密度)
水処理剤40の粒の硬さ(以下、「硬度」ともいう。)は、水処理剤40の物理的な洗浄効果を考慮すると、循環流路に損傷を与えない範囲で、できるだけ硬いことが好ましい。水処理剤40の硬度は、水に投入する前(固形物の状態)の水処理剤40に一定の方向から荷重を加え、水処理剤40が破壊したときの荷重で規定することが可能である。水処理剤40の硬度は、水処理剤40の溶解のしやすさ(溶解度)とも関連する。すなわち、水処理剤40の硬度を高くするには、水処理剤40を構成する水処理薬品の粉末を高い密度で固形状に固める必要があるが、そうすると水処理剤40を水に投入したときに、水処理剤40に水が浸透しにくくなる。その結果、水処理剤40が水に溶解しにくくなる。
水処理剤40の溶解度(溶けやすさや溶けにくさの程度)や溶解時間は、水処理剤40の構造的な工夫により、ある程度の範囲で調整することが可能である。具体的には、図8に示すように、水処理剤40の粒を、コア部40aと、このコア部40aの表面(外面)を被覆する被覆部40bと、によって構成することにより、たとえば、水処理剤40に適度な難溶性を付与することができる。コア部40aは、中実構造の球形に形成されている。被覆部40bは、コア部40aの表面全体を覆っている。この構成では、コア部40aと被覆部40bが、いずれも水溶性を有する。また、コア部40aと被覆部40bのうち、少なくともコア部40aは、粉末の水処理薬品を固形状に固めたものとなっている。また、被覆部40bは、コア部40aよりも水に溶けにくい性質を有する。被覆部40bをコア部40aよりも水に溶けにくくするには、たとえば、コア部40aと被覆部40bで構成物質の成分を変えたり、各部を構成する粉末(水処理薬品)の密度を変えたりすることが考えられる。また、被覆部40bの物質成分や厚さなどをパラメータとして水処理剤40の溶解時間を調整することが可能である。
上記の循環システムでは、水処理剤40はホッパー21から適量ずつ供給されるが、その際に水処理剤40の循環によって物理的な洗浄効果を得るには、水処理剤40の溶解時間をある程度長く確保し、その溶解時間内に水処理剤40を固形物のまま何度も循環流路を循環させることが肝要である。その場合、循環中の水を媒体とした水処理剤40の溶解度を溶解時間で規定すると、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは1時間以上確保するのがよい。ただし、水処理剤40の溶解時間があまり長くなると、水処理の効果が現れるまでの時間も長くなる。このため、水処理剤40の溶解時間については、好ましくは、4時間以下、より好ましくは2時間以下とするのがよい。
また、水処理剤40が固形物の粒のまま循環流路を循環する回数で水処理剤40の溶解度を規定すると、好ましくは3回以上、より好ましくは10回以上、さらに好ましくは20回以上にわたって循環し得るように、水処理剤40を構成するとよい。
(水処理剤の製造方法)
上記図6に示す水処理剤40は、造粒法を利用して製造することができる。具体的には、まず、造粒の原料として用いる粉末の水処理薬品を用意する。その際、水処理薬品が均一かつ所望の細かさの粉末になるように、必要に応じて、水処理薬品を粉砕したり分級したりしてもよい。次に、粉末の水処理薬品にバインダを混合し、この混合物を造粒することにより、当該水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤40を得る。これにより、水処理剤40を構成する多数の粒が同時に得られる。この場合、水処理剤40の粒をどの程度の大きさで形成するか、あるいは水処理剤40をどのような物質で構成するか、などにより、水処理剤40の溶解時間を調整することが可能である。
これに対して、上記図8示す水処理剤40は、コア部40aを形成する第1の工程と、被覆部40bを形成する第2の工程とを経て製造される。第1の工程では、上記同様に粉末の水処理薬品にバインダを混合し、この混合物を造粒することにより、当該水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成したコア部40aを形成する。第2の工程では、第1の工程で得られたコア部40aの表面をコーティングすることにより被覆部40bを形成する。被覆部40bによるコーティングは、たとえば、錠剤などのコーティングと同様の方法で行うことができる。また、被覆部40bの構成物質を粉末とし、この粉末にバインダを混ぜて、コア部40aの表面に均一に付着させてもよい。この場合は、水処理剤40の粒をどの程度の大きさで形成するか、コア部40aおよび被覆部40bをそれぞれどのような構成物質で構成するか、あるいは被覆部40bをどの程度の厚みで形成するか、などにより、水処理剤40の溶解時間を調整することが可能である。また、コア部40aおよび水処理剤40のうち、少なくともいずれか一方は水処理薬品で構成する必要があるが、たとえば、コア部40aを水処理薬品で構成した場合は、被覆部40bを水処理薬品以外の物質で構成してもよい。ただし、その場合でも、被覆部40bを構成する物質は、水溶性であって、コア部40aによる水処理効果を阻害しないものとする。
(水処理方法)
続いて、本発明の実施形態に係る水処理方法について説明する。
この水処理方法は、循環流路を循環する水に水処理剤を投入して水処理を行うものであって、当該水処理剤として、上述した水処理剤40を用いる。
以下に、上記構成の循環システムにおいて水処理を行う場合を例に挙げて説明する。
まず、冷却塔20で冷却された冷却水は、ポンプ30aの駆動によって圧送されることにより、次のような経路を辿って循環する。まず、冷却塔20を循環流路の始点および終点とすると、冷却塔20で冷却された冷却水(低温流体)は、配管31を通してプレート式熱交換器10に供給される。次に、冷却水は、導管33aを通してプレート式熱交換器10に導入される。次に、冷却水は、プレート式熱交換器10内で高温流体と熱交換される。次に、冷却水は、導管33bを通してプレート式熱交換器10から導出される。次に、冷却水は、配管32を通して冷却塔20に戻される。以降は、同様の経路を辿って冷却水が循環する。
一方、温水などの高温流体は、図示しない外部機器から導管34aを通してプレート式熱交換器10に導入される。次に、高温流体は、プレート式熱交換器10内で低温流体と熱交換される。このため、高温流体は、プレート式熱交換器10内で冷やされる。次に、高温流体は、導管34bから導出され、元の外部機器へと戻される。
この循環システムにおいては、循環流路の一部を構成する冷却塔20内の水に水処理剤投入装置によって水処理剤40が投入される。具体的には、制御盤24からの制御指令にしたがって電動ボール弁23が開閉動作することにより、ホッパー21内の水処理剤40が、供給タイプ22を通して冷却塔20内に投入される。このとき、水処理剤40の投入タイミングや投入量などは、制御盤24によって制御される。
水処理剤40の投入タイミングに関しては、制御盤24に時計機能やタイマー機能を持たせることで制御可能となる。制御盤24に時計機能を持たせた場合は、循環システムの稼働中に、制御盤24が予め決められた時間で電動ボール弁23を開閉動作させることにより、水処理剤40の投入タイミングを制御可能となる。また、制御盤24にタイマー機能を持たせた場合は、循環システムの稼働中に、制御盤24が予め決められた長さの時間が経過するごとに電動ボール弁23を開閉動作させることにより、水処理剤40の投入タイミングを制御可能となる。ほかにも、循環流路に水を補給する際に、この補給と連動したタイミング(たとえば、水の補給タイミングと同時、またはその前後のタイミング)で水処理剤40を投入してもよい。
水処理剤40の投入量に関しては、制御盤24が電動ボール弁23を閉状態から開状態に切り替えた後、再び閉状態に戻すまでの時間の長さを変えることにより制御可能となる。また、制御盤24が電動ボール弁23の開度を変えることによっても、水処理剤40の投入量を制御可能となる。
なお、水処理剤40の投入タイミングや投入量は、オペレータの手動操作で制御することも可能である。また、あるタイミングで水処理剤40を投入するときの投入量は、たとえば、プレート式熱交換器10の能力や、水処理薬品の必要濃度などに応じて調整すればよい。
上述のように電動ボール弁23の開閉動作によって冷却塔20内に投入された水処理剤40は、その後、循環システム内の循環流路を冷却水とともに流れる。また、投入された水処理剤40は、すぐには溶解せずに、少なくとも循環流路を一巡するあいだは固形物の粒の状態で流れる。そして、水処理剤40は、冷却水を溶媒として時間の経過とともに徐々に溶解していく。
その過程において、水処理剤40の粒は、冷却水と一緒に循環流路を流れながら、循環流路の内壁部などに衝突する。特に、プレート式熱交換器10内の流路は部分的に狭くなっているため、そのような流路の内壁部には集中的に水処理剤40の粒が衝突する。また、それ以外の部分、たとえば、配管31,32の内壁などにも水処理剤40が衝突する。このため、循環流路の内壁部にスケールやスライムなどの汚れが付着していた場合は、この汚れが水処理剤40の衝突にともなう物理的な洗浄作用よって取り除かれる。また、水処理剤40の粒は、循環流路を循環しながら冷却水の中に徐々に溶けていく。このため、冷却水における水処理薬品の濃度は、水処理剤40の溶解によって徐々に上昇する。したがって、水に溶けた水処理剤40は、スケール防止やスライム抑制などの水処理効果を発揮するようになる。
(実施形態の効果)
本発明の実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
本実施形態においては、循環システムの循環流路を流れる水に水処理剤40を投入した際に、水処理剤40が化学的な水処理効果だけでなく物理的な洗浄効果も発揮する。このため、従来の水処理薬品による水処理だけでは防ぎ切れない循環流路の汚れを、水処理剤40の物理的な洗浄効果によって取り除くことができる。これにより、循環流路の汚れが及ぼす熱交換器の効率の低下を低減することができる。また、熱交換器を分解して洗浄する必要がなくなる。また、熱交換器を分解して洗浄するとしても、その洗浄の頻度を低減することができる。その結果、循環流路を長期にわたって洗浄な状態に維持し、循環システムの稼働率を向上させることが可能となる。また、従来では循環流路の洗浄のために必要とされていた時間とコストを削減することが可能となる。
また、本実施形態に係る水処理剤40は水溶性であるため、たとえコア部40aを被覆部40bでコーティングした構造にしても、これを水に投入すれば、いずれは水に溶解し、固形物として存在しなくなる。このため、水処理剤40を水に投入した後、水処理剤40を回収する必要がない。したがって、水処理剤40の使用に際して、余計な手間が一切かからない。
また、本実施形態においては、水処理剤40をコア部40aと被覆部40bによって構成している。このため、たとえば、被覆部40bをコア部40aよりも水に溶けにくい性質にすれば、水処理剤40を水に投入した際に、水処理剤40がすぐに溶けてしまうことがないよう、水処理剤40に適度な難溶性を付与することができる。また、水処理剤40の溶解時間を、被覆部40bの厚みなどによって調整することができる。また、被覆部40bをコア部40aよりも硬く形成した場合は、相対的に硬い被覆部40bが循環流路の内壁部に衝突することになるため、水処理剤40の物理的な洗浄効果を高めることができる。
また、循環流路を流れる水に対して、水処理剤40の比重を、当該水の比重と実質的に同一とすれば、循環流路を流れる水の中に水処理剤40の粒を均一に分散させ、循環流路内を隅々まで洗浄することができる。
<第2実施形態>
図9は本発明の第2実施形態に係る循環システムを説明する図である。本第2実施形態は、多管式熱交換器50を用いた場合の例である。上記第1実施形態と異なる点は、第1実施形態におけるプレート式熱交換器10の代わりに多管式熱交換器50を用いた点にあり、その他の内容は、水処理剤の構成や製造方法、水処理方法などを含めて、上記第1実施形態と同様である。このため、本第2実施形態においては、上記第1実施形態と重複する説明を省略し、異なる点のみを重点的に説明する。
多管式熱交換器50は、図10にも示すように、筒状の胴体51の内部に筒の中心軸と平行に多数の両端開口の下部伝熱管52aおよび上部伝熱管52bが設けられたものである。多管式熱交換器50は、胴体51の両側が蓋体53および54によって塞がれている。冷却塔20からポンプ31aにより送られた冷却水は、配管31および蓋体53を通して多管式熱交換器50内に取り込まれる。取り込まれた冷却水は、下部伝熱管52aに沿って流れた後、蓋体53に流入し、そこで折り返される。折り返された冷却水は、上部伝熱管52bを沿って流れた後、蓋体54および配管32を通して冷却塔20に戻される。
熱交換の対象となる高温流体は、胴体51の中腹部に接続された高温流体導入管55を通じて胴体51の内部に導入され、下部伝熱管52aおよび上部伝熱管52bと接触して熱交換した後、胴体51に接続された高温流体排出管56を通じて外部機器に送られるようになっている。このような多管式熱交換器50を用いる場合には、ホッパー21から冷却塔20内に投入された水処理剤40は、配管31、下部伝熱管52a、上部伝熱管52bおよび配管32を順に流れて冷却塔20に戻り、以後同様の経路で循環する。そして、この循環中に、水処理剤40は、上記第1実施形態の場合と同様に物理的な洗浄作用および化学的な水処理作用をなす。その際、水処理剤40は、特に、下部伝熱管52aおよび上部伝熱管52bに付着したスケール等を除去するなどの洗浄効果を発揮する。
上記の多管式熱交換器50を用いて冷却水の循環システムを構成した場合は、循環流路において最も狭い流路の部分が、たとえば伝熱管52a,52bの部分になる。そうした場合は、冷却塔20内の水に投入した水処理剤40がこの伝熱管52a,52bを通り抜けられるように、水処理剤40の粒の大きさは、伝熱管52a,52bの内径未満であればよい。一般的に、多管式熱交換器50の伝熱管52a,52bの内径は10〜20mm程度であるため、上述したプレート式熱交換器10に比べて、循環のために許容される水処理剤40の粒の大きさが大きくなる。したがって、水処理剤40による物理的な洗浄効果を長く維持させることができる。また、より大きな洗浄効果を得ることが可能となる。ただし、多管式熱交換器50にストレーナーが設置されている場合は、このストレーナーの部分が最も狭い流路部分となるため、そこを通過し得るように水処理剤40の大きさを設定する必要がある。
(変形例等)
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態では、水処理剤40の形状(外観)を球状としたが、本発明はこれに限らず、たとえば、立方体、直方体、楕円形など、あらゆる立体形状を採用することが可能である。また、水処理剤40による物理的な洗浄効果をより高めるために、たとえば図11に示すように、表面(外表面)に複数の突起(角状)40cが形成された粒状の水処理剤40としてもよい。図示した水処理剤40を用いた場合は、たとえば、プレート式熱交換器10の内部において、より細かい溝などにも衝突して洗浄効果を発揮することが期待される。
また、水処理に使用する水処理剤40の粒の大きさは、必ずしも一様な大きさで揃える必要はなく、循環のための許容される範囲内で適度にバラツキをもたせてもよい。また、水処理に使用する水処理剤40を、図12(A)〜(C)に示すように、相対的に粒が大きい「大粒」、相対的に粒が小さい「小粒」、それらの中間的な大きさの「中粒」といった3種類の大きさに区分し、その中から、所望の大きさの水処理剤40を選んで使用してもよい。また、大きさの異なる水処理剤40を適宜選んで使用してもよい。具体的には、たとえば、「大粒」と「中粒」の組み合わせ、「中粒」と「小粒」の組み合わせ、「大粒」と「小粒」の組み合わせ、あるいは「大粒」と「中粒」と「小粒」の組み合わせといった具合に、粒の大きさが異なる水処理剤40を組み合わせて(混在させて)投入してもよい。その場合は、粒の大きさの違いによって、各々の水処理剤40の溶解時間に差が生じる。また、水処理剤40の粒が循環流路の内壁部に衝突した際の衝撃力にも、粒の大きさによって差が生じる。あるいは、循環流路において、相対的に粒の小さい水処理剤40が衝突しやすい箇所や、相対的に粒の大きい水処理剤40が衝突しやすい箇所などが存在する場合は、粒の大きさが異なる水処理剤40を混在させて投入することにより、循環流路をくまなく洗浄することができる。また、粒の大きさが異なる水処理剤40の混在させる場合の割合は、均一の割合にしてもよいし、特定の大きさの水処理剤40の割合を相対的に多く(または少なく)してもよい。この割合は、水処理剤40を投入後、水処理効果が現れるまでの時間や、物理的な洗浄効果が持続する時間などを調整するパラメータの一つとなり得る。
また、上記実施形態においては、被覆部40bを一つの層で構成したが、これに限らず、被覆部40bを複数の層で構成してもよい。
また、上記実施形態においては、コア部40aおよび被覆部40bによって水処理剤40を構成する場合に、コア部40aよりも被覆部40bのほうを水に溶けにくい性質としたが、これに限らず、被覆部40bよりもコア部40aのほうを水に溶けにくい性質としてもよいし、どちらも同じ程度に水に溶けにくい性質としてもよい。
また、水処理剤の製造方法として、粉末状の水処理薬品と水とを所定の割合で混合した混合液を作製し、この混合液を所定の大きさの氷の粒に凍らせてもよい。こうして得られる水処理剤は、冷凍容器などに冷凍保存しておき、冷凍状態のまま、循環流路を流れる水に投入して使用する。これにより、循環流路への水の補給と水処理薬品の補給を、水処理剤40の投入により、まとめて行うことができる。
また、本発明は、冷却水の循環システムだけではなく、たとえば温水の循環システムなど、水を循環させる循環システム全般に広く適用することが可能である。
また、本発明に係る水処理方法は、水処理剤40のみを用いて水処理するだけでなく、液状や粉末の水処理薬品を併用してもよい。
また、上記実施形態においては、粉末の水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤40を例示したが、本発明はこれに限らず、液体の水処理薬品を用いて水処理剤40を形成してもよい。具体的には、たとえば、液体の水処理薬品を粉末のバインダと混合して造粒する工程を経て、上記図6に示す水処理剤40や、上記図8に示す水処理剤40を得てもよい。
10…プレート式熱交換器
11…第1プレート
12…第2プレート
20…冷却塔
21…ホッパー
40…水処理剤
40a…コア部
40b…被覆部
50…多管式熱交換器

Claims (13)

  1. 循環流路を循環する水に投入して使用される水処理剤であって、
    前記水処理剤は、前記水に投入した場合に、前記循環流路を固形物の状態で前記水とともに循環するとともに、当該循環中において、前記水に溶解する前は前記循環流路内を物理的に洗浄する作用をなし、前記水に溶解した後は前記循環流路内で水処理の作用をなすように構成されている
    ことを特徴とする水処理剤。
  2. 前記水処理剤は、粉末または液体の水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の水処理剤。
  3. 前記水処理剤の粒の形状は、球形である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理剤。
  4. 前記水処理剤の粒の大きさは、1mm以上3mm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理剤。
  5. 前記水処理剤は、コア部と、このコア部を被覆する被覆部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理剤。
  6. 前記被覆部は、前記コア部よりも水に溶けにくい性質を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の水処理剤。
  7. 前記被覆部は、前記コア部よりも硬く形成されている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の水処理剤。
  8. 前記被覆部は、前記コア部よりも高い密度で形成されている
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の水処理剤。
  9. 前記水処理剤の比重は、前記循環流路を循環する水の比重と実質的に同一である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の水処理剤。
  10. 前記水処理剤の表面に複数の突起が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の水処理剤。
  11. 粉末または液体の水処理薬品をバインダと混合して造粒する工程を経て、
    前記水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤を得る
    ことを特徴とする水処理剤の製造方法。
  12. 粉末または液体の水処理薬品をバインダと混合して造粒することによりコア部を形成する工程と、
    前記コア部の表面をコーティングすることにより被覆部を形成する工程と、を経て、
    前記水処理薬品を固形状に固めて粒状に形成した水処理剤を得る
    ことを特徴とする水処理剤の製造方法。
  13. 循環流路を循環する水に水処理剤を投入して水処理を行う水処理方法であって、
    前記水処理剤として、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水処理剤を用いる
    ことを特徴とする水処理方法。
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