JP2006183970A - 蓄熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓄熱材と流体との間の熱交換効率を高めた状態を、十分に維持すること。
【解決手段】 蓄熱装置10は、蓄熱材21を充填する蓄熱材充填空間22とこの蓄熱材充填空間に隣接して流体31を通す流体通路32とを設けた蓄熱本体20を備え、蓄熱材と流体との間で熱エネルギーを交換するものである。蓄熱材充填空間に、流体通路から離れた位置に永久磁石等の磁力発生体23を配置した。蓄熱材は、キュリー温度で磁性が変化する感温磁性材料からなる粒子24・・・を含有する。粒子のキュリー温度は、蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーによって流体を加熱するときの流体の温度よりも高温で、且つ、蓄熱材によって流体を冷却するべく流体の熱エネルギーを蓄熱材に蓄えるときの流体の温度よりも低温である。粒子のキュリー温度は、蓄熱材の凝固温度よりも低温である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄熱材と熱交換流体との間で熱エネルギーの交換をする形式の蓄熱装置に関する。
近年、蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーを冷却水等の熱交換流体に付与することで、エネルギーの有効利用を図るようにした、蓄熱装置の開発が進められている。例えば、エンジンにおいては、駆動中に多くの廃熱を発生させる一方で、始動時には熱量を付与することで起動が円滑になることから、駆動中の廃熱を蓄熱して始動時のウォームアップに使用するように蓄熱装置が設けられたものがある。このような蓄熱装置としては各種知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平7−56433号公報
特許文献1に示す従来の蓄熱装置を、次の図7に基づいて説明する。
図7は従来の蓄熱装置の概要図である。従来の蓄熱装置100は、小径の内管101の周囲を大径の外管102で覆い、外管102の中に炭素繊維103及び蓄熱物質104(蓄熱材)の複合材料を充填したというものである。入口101aから内管101へ流入した熱媒体105(流体)は、外管102内の蓄熱物質104と熱エネルギーを交換した後に、出口101bから流出することができる。
外管102内において、炭素繊維103の充填密度は熱媒体105の下流側で大きい。この結果、蓄熱物質104の充填密度は下流側で小さくなる。このようにすることで、蓄熱物質104と熱媒体105との間の熱交換効率を、熱媒体105の流れ方向で均一にすることができる。
ところで、例えば、蓄熱物質104に蓄えられた熱エネルギーによって熱媒体105を加熱したときに、蓄熱物質104の温度は徐々に低下する。特に、内管101における管壁の近傍での、温度降下が大きい。外管102内において、内管101の管壁付近に存在する蓄熱物質104と、それ以外の部分に存在する蓄熱物質104との間には、温度ムラが生じる。時間の経過に伴って、内管101付近の蓄熱物質104の温度と、熱媒体105との温度差は、小さくならざるを得ない。このため、常に熱媒体105を所定の温度まで加熱できるようにするには、改良の余地がある。
特に、蓄熱物質104として、液体から固体に相変化を伴う材料(潜熱蓄熱材)を採用した場合には、蓄熱物質104と熱媒体105との間で熱交換が進むことにより、内管101の近傍にある蓄熱物質104は低温になって凝固し得る。これでは、高温である液状の蓄熱物質104と熱媒体105との間に、固体の蓄熱物質104からなる熱絶縁体を新たに設けたと同じことになる。従って、蓄熱物質104と熱媒体105との間の熱交換効率を、常に高めた状態で維持するには、改良の余地がある。
本発明は、蓄熱材と流体との間の熱交換効率を高めた状態を、十分に維持することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、蓄熱材を充填する蓄熱材充填空間とこの蓄熱材充填空間に隣接して流体を通す流体通路とを設けた蓄熱本体を備え、蓄熱材と流体との間で熱エネルギーを交換する蓄熱装置において、
蓄熱材充填空間には、流体通路から離れた位置に永久磁石等の磁力発生体を配置し、
蓄熱材には、キュリー温度で磁性が変化する感温磁性材料からなる粒子を含有し、
この粒子のキュリー温度を、蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーによって流体を加熱するときの流体の温度よりも高温で、且つ、蓄熱材によって流体を冷却するべく流体の熱エネルギーを蓄熱材に蓄えるときの流体の温度よりも低温にしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の蓄熱装置において、蓄熱材を潜熱蓄熱材にて構成し、粒子のキュリー温度を、潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低温にしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、例えば、蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーによって流体を加熱したときに、蓄熱材及び粒子の温度は徐々に低下する。特に、流体との熱交換を行う隔壁の近傍での温度降下が大きい。蓄熱材充填空間内において、隔壁付近の蓄熱材及び粒子と、それ以外の蓄熱材及び粒子との間には、温度ムラが生じる。
熱交換が進むことによって、隔壁の近傍にある粒子は、キュリー温度以下の低温になることで、強磁性の特性に変化する。強磁性の粒子は、磁力発生体の磁力によって吸引され、隔壁側から内方へ移動して磁力発生体に吸着する。磁力発生体側へ移動する粒子は、液状の蓄熱材を撹拌することになる。
蓄熱材は、蓄熱材充填空間の中央側の高温部分と、隔壁側の低温部分とが、撹拌されて混ざり合う。すなわち、液状の蓄熱材には、蓄熱材充填空間の中央側の高温部分と隔壁側の低温部分との強制対流が発生する。この結果、蓄熱材充填空間内において、隔壁付近の蓄熱材の温度を、比較的高温状態に維持することができる。従って、蓄熱材と流体との間の熱交換効率を高めた状態を、十分に維持することができる。
請求項2に係る発明では、蓄熱材を潜熱蓄熱材にて構成したので、蓄熱材と流体との間で熱交換が進むことにより、隔壁の近傍にある蓄熱材は低温になって凝固する。さらに、この凝固した部分における粒子は、キュリー温度以下の低温になることにより、磁力発生体の磁力によって吸引される。この結果、固体状の蓄熱材に含有している粒子が、磁力発生体側へ移動することによって、固体状の蓄熱材は剥離して粒子と共に移動する。剥離した片状の蓄熱材は、粒子に比べて極めて大きい。
このように、剥離した多数の片状の蓄熱材によって、液状の蓄熱材を撹拌することができるので、小さい粒子だけで撹拌する場合よりも、撹拌作用を、より一層増すことができる。撹拌作用が増すので、蓄熱材において、蓄熱材充填空間の中央側の高温部分と、隔壁側の低温部分とを、より一層十分に混合することができる。従って、蓄熱材と流体との間の熱交換効率を高めた状態を、より一層十分に維持することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る蓄熱装置の断面図である。図2は本発明に係る蓄熱装置の要部拡大図兼作用図であり、図1に対応させて表した。
図1に示すように、蓄熱装置10は、密閉した筒状の蓄熱本体20と、蓄熱本体20内で蓄熱材21を充填する複数の蓄熱材充填空間22・・・と、これらの蓄熱材充填空間22・・・に隣接して流体31を通す複数の流体通路32・・・と、蓄熱材充填空間22・・・と流体通路32・・・との間を仕切る薄肉の隔壁41・・・と、各流体通路32・・・の上流側に連通する流体供給用ヘッダ42(流体分配室)と、各流体通路32・・・の下流側に連通する流体排出用ヘッダ43(流体集合室)と、流体供給用ヘッダ42に連通する導入口44と、流体排出用ヘッダ43に連通する導出口45とからなる。
蓄熱本体20は、蓄熱材充填空間22・・・、流体通路32・・・、隔壁41・・・、流体供給用ヘッダ42及び流体排出用ヘッダ43を内部に一体に設けるとともに、導入口44及び導出口45を形成した構成である。
全ての蓄熱材充填空間22・・・及び全ての流体通路32・・・は、互いに平行に配列した細長い空間部である。
流体通路32は、蓄熱材充填空間22の周囲を個別に隔壁41を介して囲んだ構成である。例えば、隔壁41は蓄熱材充填空間22を囲うべく、細長い丸パイプや角パイプ等のパイプからなる。このような隔壁41・・・は、蓄熱材充填空間22・・・と流体通路32・・・との間で熱交換をする、伝熱板の役割をも果たす。
流体供給用ヘッダ42及び流体排出用ヘッダ43は、蓄熱材充填空間22・・・並びに流体通路32・・・に対して、ヘッダ用隔壁46,46にて仕切られた構成である。
導入口44及び導出口45は、蓄熱本体20に対して互いに反対側にある。
ところで、図1及び図2に示すように、各蓄熱材充填空間22・・・は、それぞれ隔壁41・・・を介して対向する流体通路32・・・から離れた位置に、磁力発生体23・・・を配置したことを特徴とする。磁力発生体23・・・は永久磁石等からなる。
より具体的には、パイプからなる隔壁41の中央に丸棒状の磁力発生体23を配置し、この磁力発生体23を隔壁41に平行に配列して、ヘッダ用隔壁46,46間に掛け渡した構成とすればよい。磁力発生体23の磁極は、例えば径方向に配列している。従って、磁力発生体23は全周囲にわたって磁力を発することになる。
蓄熱材21は、液体から固体に相変化を伴う材料(潜熱蓄熱材)であり、具体的にはパラフィン系のもの、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール系のもの、硝酸マグネシウム6水和物等の塩水和物等からなる。さらに蓄熱材21は、感温磁性材料からなる多数の粒子24・・・を含有している複合材料であることを特徴とする。これらの粒子24・・・は、例えば微小な大きさの微粒子からなる。
感温磁性材料は、予め設定されたキュリー温度で磁性が変化する特性を有した材料であることが、知られている。すなわち、感温磁性材料は、温度が上昇してキュリー温度に達すると磁性が消失する特性を有した材料であり、例えば、Mn−Zn系(マンガン・亜鉛系)フェライトからなる。
ここで、「キュリー温度(Curie temperature)」とは、磁心が強磁性(Ferromagnetism)から常磁性(Paramagnetism)に移る臨界温度、すなわち磁気変態温度のことであると、知られている。
図3は本発明に係る感温磁性材料からなる粒子の特性図であり、横軸を粒子の温度とし、縦軸を粒子の透磁率として、温度変化に対する透磁率の変化の一例を表した。図3によると、透磁率は粒子の温度がキュリー温度Ctよりも高温であるときにほぼ0(零)であり、キュリー温度Ct以下であるときに急激に増大することが判る。このように、感温磁性材料からなる粒子は、キュリー温度Ctを境に磁性が大きく且つ急激に変化する。すなわち、粒子は、キュリー温度Ct以下では強磁性体となる。
ここで、図1に戻って説明を続ける。流体31は、蓄熱材21と互いに熱交換し得る液体、すなわち熱交換流体(冷媒、熱媒)であって、例えばエンジン51冷却用の冷却水である。流体31には冷水や温水も含む。
エンジン51の水冷ジャケットをホース52,53にて導入口44及び導出口45に接続することで、水冷ジャケットと流体通路32・・・との間を循環させることができる。
次に、上記構成の蓄熱装置10の作用を説明する。
図1において、駆動中のエンジン51を冷却した後の流体31の温度Tfhは、約+90℃と高温である。高温の流体31は、水冷ジャケットからホース52を介して導入口44に入る。導入口44に入った流体31は、流体供給用ヘッダ42→流体通路32・・・→流体排出用ヘッダ43→導出口45の経路で流れる。
流体31が流体通路32・・・を流れることにより、高温である流体31の熱エネルギーを低温の蓄熱材21に放出して熱交換をすることで、熱エネルギーは蓄熱材21に蓄えられる。この結果、流体31の温度は下がり、蓄熱材21の温度は上がる。蓄熱装置10によって、エンジン51の廃熱を回収することができる。低温になった流体31は、導出口45からホース53を介してエンジン51の水冷ジャケットに戻る。
一方、エンジン51の始動時における流体31の温度Tfcは、約−20〜+20℃と低温である。これに対して、蓄熱された蓄熱材21の温度は比較的高温である。上記廃熱回収時と同様に、低温の流体31は、水冷ジャケットからホース52を介して導入口44に入る。導入口44に入った流体31は、流体供給用ヘッダ42→流体通路32・・・→流体排出用ヘッダ43→導出口45の経路で流れる。
流体31が流体通路32・・・を流れることにより、高温である蓄熱材21の熱エネルギーを低温の流体31に放出して熱交換をすることで、流体31は加熱される。この結果、蓄熱材21の温度は下がり、流体31の温度は上がる。蓄熱装置10によって回収された廃熱を利用して流体31を加熱することができる。高温になった流体31は、導出口45からホース53を介してエンジン51の水冷ジャケットに戻る。
このようにして、複数の蓄熱材充填空間22・・・に充填された蓄熱材21と、流体通路32・・・を流れる流体31との間で、熱交換をすることができる。すなわち、蓄熱装置10によってエンジン51の廃熱を回収するとともに、この回収された廃熱を利用してエンジン51の始動時のウォームアップをすることができる。
ところで、図1及び図2に示す粒子24・・・のキュリー温度Ct(図示せず)については、蓄熱材21に蓄えられた熱エネルギーによって流体31を加熱するときの流体31の温度Tfcよりも高温で、且つ、低温の蓄熱材21によって流体31を冷却するべく流体31の熱エネルギーを蓄熱材21に蓄えるときの流体31の温度Tfhよりも低温に設定したことを特徴とする(Tfc<Ct<Tfh)。
上述のように、流体31の温度Tfc,Tfhは、流体31が導入口44に導入されたとき、又は、流体通路32・・・に導入されたときの温度である。
なお、粒子24・・・は蓄熱材21に含有しているのであるから、粒子24・・・の温度は蓄熱材21の温度と同一であると考えて、実質的に差し支えない。
より好ましくは、粒子24・・・のキュリー温度Ctは、蓄熱材21に蓄えられた熱エネルギーによって流体31を加熱するときの蓄熱材21の最高温度Tsmax(図示せず)よりも低温で、且つ、蓄熱材21によって流体31を冷却するべく流体31の熱エネルギーを蓄熱材21に蓄えるときの蓄熱材21の最低温度Tsmin(図示せず)よりも高温に設定するとよい(Tsmin<Ct<Tsmax)。
すなわち、流体31の温度Tfc,Tfhに対して、蓄熱材21の温度は最低温度Tsminと最高温度Tsmaxとの間で変動するものである。これらの温度Tsmin,Tsmax間にキュリー温度Ctを設定した。
蓄熱装置10自体からの放熱を無視して考えると、同一の流体31であって、流体31の流量が一定であるなら、温度Tfhの流体31によって、蓄熱材21は最低温度Tsminから最高温度Tsmaxまで加熱される。また、温度Tfcの流体31によって、蓄熱材21は最高温度Tsmaxから最低温度Tsminまで冷却されることになる。
ところで、上述のように、蓄熱材21と流体31とは隔壁41を介して熱交換するものである。蓄熱材充填空間22に充填された蓄熱材21の熱エネルギーを、熱伝導によって隔壁41に伝え、更に隔壁41を介して流体31に伝えることになる。蓄熱材21のうち隔壁41に面した部分の温度と、流体31の温度とは、隔壁41がある分、多少の温度差があるものの、同一温度であると考えて実質的に差し支えない。
蓄熱材21に蓄えられた熱エネルギーで流体31を加熱するときには、蓄熱材21のうち、少なくとも隔壁41に面した部分は、流体31へ放熱することによって温度が下がり、キュリー温度Ctよりも低温になる。従って、隔壁41の近傍の蓄熱材21に含有している粒子24・・・も、キュリー温度Ctよりも低温になるので、強磁性の特性になる。このように強磁性の特性となった粒子24・・・を含む蓄熱材21は、磁力発生体23に引き寄せられる。この結果、蓄熱材充填空間22内の蓄熱材21は撹拌されることになる。
さらに、より一層好ましくは、粒子24・・・のキュリー温度Ctは、潜熱蓄熱材である蓄熱材21の凝固温度Tss(図示せず)よりも低温に設定するとよい(Ct<Tss)。この場合に、キュリー温度Ctは、凝固温度Tssに対して若干低温である程度が、最も好ましい。低温過ぎると、蓄熱材21が凝固してから、粒子24・・・がキュリー温度Ctに低下するまでの時間が、長時間になるからである。
例えば、蓄熱材21にパラフィン系の材料を採用した場合には、蓄熱材21の凝固温度Tssは約60〜70℃である。この場合には、粒子24・・・のキュリー温度Ctを約50〜55℃に設定すればよい。
高温の蓄熱材21と低温の流体31とを熱交換する場合の作用について、図2、図4〜図6に基づき、より詳しく説明する。なお、図4〜図6については図2に対応させて表した。
図2に示す、蓄熱された蓄熱材21の温度は、凝固温度Tssよりも高温である。このため、蓄熱材21は液体の状態にある。液状の蓄熱材21内には、感温磁性材料からなる多数の粒子24・・・が概ね均一に含有している。これに対して、エンジン51(図1参照)の始動時における流体31の温度Tfcは、低温である
高温である蓄熱材21の熱エネルギーは、隔壁41を介して流体通路32を流れる低温の流体31に伝わり、流体31を加熱する。この結果、蓄熱材21の温度は下がり、流体31の温度は上がる。特に、蓄熱材充填空間22において、隔壁41付近の蓄熱材21の温度は、中央部分に比べて低温になり、次第に凝固温度Tssを下回る。この結果を図4に示す。
図4は本発明に係る蓄熱装置の作用図(その1)であり、隔壁41近傍の蓄熱材21が凝固し始めたことを示す。
蓄熱材21のうち、熱交換が進んでいる隔壁41の近傍の部分には、潜熱を放出して液体から固体への相変化が発生する(凝固し始める)。すなわち、隔壁41に沿って蓄熱材21の固相が析出する。蓄熱材21のうち、このように固体に変化した状態の部分21sのことを「固体層21s」と言うことにする。
固体層21sには、多数の粒子24・・・が含有している。粒子24・・・のキュリー温度Ctは、蓄熱材21の凝固温度Tssよりも低温に設定されている。以下、固体層21sに含有している粒子24・・・のことを、特に「固体層含有粒子24s・・・」と言うことにする。
蓄熱材21と流体31との間で熱交換が進み、固体層21s・・・の温度が更に下がることによって、固体層含有粒子24s・・・の温度がキュリー温度Ct以下になる。この結果、固体層含有粒子24s・・・の特性は、強磁性に急激に変化する。固体層含有粒子24s・・・は、蓄熱材充填空間22の中央にある磁力発生体23の磁力によって吸引されて、磁力発生体23に接近しようとする。この結果を図5に示す。
図5は本発明に係る蓄熱装置の作用図(その2)であり、隔壁41近傍の固体層21s・・・が剥離し始めたことを示す。
磁力発生体23の磁力による吸引力によって、固体層21sは固体層含有粒子24s・・・と共に隔壁41から剥離して、多数の小さい剥離片となる。これらの剥離した固体層21s・・・のことを「剥離片21sc・・・」と言うことにする。
固体層含有粒子24s・・・を含有している剥離片21sc・・・は、磁力発生体23に接近することにより、蓄熱材充填空間22内の液状の蓄熱材21を撹拌して、隔壁41の近傍へ移動させることになる。
また、隔壁41の近傍には、キュリー温度Ct以下に低下した粒子24・・・のうち、固体層21sから分離している物もある。このような粒子24・・・も強磁性に変化するので、磁力発生体23の磁力によって吸引されて、磁力発生体23に接近しようとする。磁力発生体23に移動する粒子24・・・は、液状の蓄熱材21を撹拌して、隔壁41の近傍へ移動させることになる。
このようなことから、液状の蓄熱材21には、蓄熱材充填空間22の中央側の高温部分と隔壁41側の低温部分との強制対流が発生する。この結果を図6に示す。
図6は本発明に係る蓄熱装置の作用図(その3)であり、剥離片21sc・・・が磁力発生体23に吸着したことを示す。
磁力発生体23に吸着し又は磁力発生体23付近にある低温の剥離片21sc・・・は、周囲の液状の蓄熱材21により加熱されて、再び液体に変化する。つまり、固体から液体への相変化が発生する。
一方、隔壁41側に移動した液状の蓄熱材21は、隔壁41を介して流体通路32を流れる低温の流体31を加熱する。
このように、図2→図4→図5→図6の順に示す作用を繰り返すことができるので、蓄熱材21にて流体31を加熱するときに、隔壁41近傍に生じた固体層21sを速やかに液体に戻すことができる。従って、蓄熱材21と流体31との間の熱交換効率を高めた状態を、十分に維持することができる。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
図1に示すように、蓄熱装置10は、蓄熱材充填空間22・・・に、流体通路32・・・から離れた位置に磁力発生体23・・・を配置し、蓄熱材21に、キュリー温度Ctで磁性が変化する感温磁性材料からなる粒子24・・・を含有したことを特徴とする。さらに、この粒子24・・・のキュリー温度Ctは、蓄熱材21に蓄えられた熱エネルギーによって流体31を加熱するときの流体31の温度Tfcよりも高温で、且つ、蓄熱材21によって流体31を冷却するべく流体31の熱エネルギーを蓄熱材21に蓄えるときの流体31の温度Tfhよりも低温に設定したことを特徴とする。
例えば、蓄熱材21に蓄えられた熱エネルギーによって流体31を加熱したときに、蓄熱材21及び粒子24・・・の温度は徐々に低下する。特に、流体との熱交換を行う隔壁41の近傍での温度降下が大きい。蓄熱材充填空間22・・・内において、隔壁41付近の蓄熱材21及び粒子24・・・と、それ以外の蓄熱材21及び粒子24・・・との間には、温度ムラが生じる。
熱交換が進むことによって、隔壁41の近傍にある粒子24・・・は、キュリー温度Ct以下の低温になることで、強磁性の特性に変化する。強磁性の粒子24・・・は、磁力発生体23の磁力によって吸引され、隔壁41側から内方へ移動して磁力発生体23に吸着する。磁力発生体23側へ移動する粒子24・・・は、液状の蓄熱材21を撹拌することになる。
蓄熱材21は、蓄熱材充填空間22の中央側の高温部分と、隔壁41側の低温部分とが、撹拌されて混ざり合う。すなわち、液状の蓄熱材21には、蓄熱材充填空間22の中央側の高温部分と隔壁41側の低温部分との強制対流が発生する。この結果、蓄熱材充填空間22・・・内において、隔壁41付近の蓄熱材21の温度を、比較的高温状態に維持することができる。従って、蓄熱材21と流体31との間の熱交換効率を高めた状態を、十分に維持することができる。
さらに蓄熱装置10は、蓄熱材21を潜熱蓄熱材にて構成し、粒子24・・・のキュリー温度Ctを、潜熱蓄熱材21の凝固温度Tssよりも低温に設定したことを特徴とする。
蓄熱材21と流体31との間で熱交換が進むことにより、隔壁41の近傍にある蓄熱材21は低温になって凝固する。さらに、この凝固した部分における粒子24・・・は、キュリー温度Ct以下の低温になることにより、磁力発生体23の磁力によって吸引される。この結果、固体状の蓄熱材21に含有している粒子24・・・が、磁力発生体23側へ移動することによって、固体状の蓄熱材21は剥離して粒子24・・・と共に移動する。剥離した片状の蓄熱材21は、粒子24に比べて極めて大きい。
このように、剥離した多数の片状の蓄熱材21によって、液状の蓄熱材21を撹拌することができるので、小さい粒子24・・・だけで撹拌する場合よりも、撹拌作用を、より一層増すことができる。撹拌作用が増すので、蓄熱材21において、蓄熱材充填空間22の中央側の高温部分と、隔壁41側の低温部分とを、より一層十分に混合することができる。従って、蓄熱材21と流体31との間の熱交換効率を高めた状態を、より一層十分に維持することができる。
なお、本発明は実施の形態では、蓄熱装置10を配置する向きは任意である。蓄熱装置10の用途や他の装置とのレイアウト等に合わせて、上下左右自由である。
また、蓄熱材21は、液体から固体に相変化を伴う潜熱蓄熱材に限定されるものではなく、顕熱蓄熱材であってもよい。
また、隔壁41・・・は、各蓄熱材充填空間22・・・と各流体通路32・・・との間を仕切る部材であればよく、例えば、各流体通路32・・・を個別に形成するためのパイプ状であってもよい。
本発明の蓄熱装置10は、蓄熱材21と熱交換流体31との間で熱エネルギーの交換をする形式の装置であるから、エンジン51の廃熱を回収するとともに、この回収された廃熱を利用してエンジン51の始動時のウォームアップに使用する装置に好適である。
本発明に係る蓄熱装置の断面図である。 本発明に係る蓄熱装置の要部拡大図兼作用図である。 本発明に係る感温磁性材料からなる粒子の特性図である。 本発明に係る蓄熱装置の作用図(その1)である。 本発明に係る蓄熱装置の作用図(その2)である。 本発明に係る蓄熱装置の作用図(その3)である。 従来の蓄熱装置の概要図である。
符号の説明
10…蓄熱装置、20…蓄熱本体、21…蓄熱材、21s…固体層、21sc…剥離片、22…蓄熱材充填空間、23…磁力発生体、24…感温磁性材料からなる粒子、24s…固体層含有粒子、31…流体、32…流体通路、Ct…粒子のキュリー温度、Tfc…蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーによって流体を加熱するときの流体の温度、Tfh…蓄熱材によって流体を冷却するべく流体の熱エネルギーを蓄熱材に蓄えるときの流体の温度、Tss蓄熱材の凝固温度。

Claims (2)

  1. 蓄熱材を充填する蓄熱材充填空間とこの蓄熱材充填空間に隣接して流体を通す流体通路とを設けた蓄熱本体を備え、蓄熱材と流体との間で熱エネルギーを交換する蓄熱装置において、
    前記蓄熱材充填空間は、前記流体通路から離れた位置に永久磁石等の磁力発生体を配置し、
    前記蓄熱材は、キュリー温度で磁性が変化する感温磁性材料からなる粒子を含有し、
    この粒子のキュリー温度は、前記蓄熱材に蓄えられた熱エネルギーによって前記流体を加熱するときの流体の温度よりも高温で、且つ、前記蓄熱材によって前記流体を冷却するべく流体の熱エネルギーを蓄熱材に蓄えるときの流体の温度よりも低温であることを特徴とした蓄熱装置。
  2. 前記蓄熱材は潜熱蓄熱材であり、前記粒子のキュリー温度は、前記潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低温であることを特徴とした請求項1記載の蓄熱装置。
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