JP2016169270A - 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置 - Google Patents

相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水と油とが混合されながら透明性を維持できる含水油の製造方法及びその為の装置を提供する。【解決手段】油と、負の酸化還元電位を呈した水とを含む被処理液26を、散気しながら撹拌してエマルジョン化する工程と、得られた被処理液26を、還元剤32と接触させる工程と、透明化剤75を添加する工程と、を備え、散気工程における撹拌は、オロイド撹拌翼を揺動回転させて行い、透明化剤75が、アミン化合物、水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテルのうちの少なくとも1種を含む。本装置1は、オロイド撹拌翼を備え、オロイド撹拌翼を揺動回転させて撹拌を行う撹拌手段29と、散気手段2を経て得られた油水エマルジョンを含んだ被処理液26を、還元剤32と接触させるための還元剤接触手段3と、透明化剤75を添加する透明化剤添加手段7と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置に関する。更に詳しくは、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油の製造方法及びその為の相溶性透明含水油製造装置に関する。
近年、埋蔵量が限られている石油等の化石燃料の枯渇問題や、化石燃料を燃焼させた際に排出されるCOや、NOx、SOx等の有害物質による地球温暖化や環境汚染の問題に対処するために、燃料油と水を混合してエマルジョン化したエマルジョン燃料が注目され、種々の製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されている発明は、燃料油の中に空気注入によって気泡を発生させて撹搾しつつ、200V以上のプラス電位が付与される環境下で水を混入することによって、透明化した油水混合液を得ようとするものである。
また、特許文献2に記載されている発明は、エダクター効果と渦流効果を利用して、植物由莱の増粘剤により水の粘度を高めた活性水と、油性燃焼促進剤を適宜調整添加した基燃料油を撹搾及び循環混合することにより、長時間安定して油水が分離しない均一なエマルジョン燃料油を得ようとするものである。
尚、特許文献3は本出願人による。
特開2005−307136号公報 特開2010−138362号公報 国際公開第2013/054451号パンフレット
しかしながら、前述した特許文献1に記載された発明は、乳化剤等を使用することなく透明な混合油を製造する方法を提供するものであるが、油中に混合できる水の重量比率は10%〜15%程度に留まるものであった。
また、特許文献2に記載されている発明では、燃料油をエダクター効果と渦流効果を利用して水と撹拌混合している。このため、均一に粒子化されたエマルジョンを得ることが難しく、高い含水比率においては、油水エマルジョン状態を長期間安定して維持することが困難である。また、得られた製品油は透明ではなく、商品価値を高められない問題もあった。
更には、特許文献3と異なると共により優れた相溶性透明含水油の製造方法及びその為の相溶性透明含水油製造装置を提供する。
本発明は上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油の製造方法及びその為の相溶性透明含水油製造装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
請求項1に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、油と、負の酸化還元電位を呈した水と、が共存された被処理液を、散気しながら撹拌してエマルジョン化する散気工程と、
前記散気工程を経て得られた油水エマルジョンを含む被処理液を、還元剤と接触させる還元剤接触工程と、
前記散気工程前の被処理液、前記散気工程中の被処理液、前記散気工程後且つ前記還元剤接触工程前の被処理液、及び、前記還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液に対して、透明化剤を添加する透明化剤添加工程と、を備え、
前記散気工程における撹拌は、オロイド撹拌翼を揺動回転させて行い、
前記透明化剤が、アミン化合物、水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテルのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする相溶性透明含水油の製造方法。
請求項2に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1に記載の相溶性透明含水油の製造方法において、前記還元剤は、亜硫酸塩を含むことを要旨とする。
請求項3に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1又は2に記載の相溶性透明含水油の製造方法において、前記散気工程は、散気槽内で行われ、
前記散気を行っている間に、前記散気槽内にある被処理液を、前記散気槽の下部から槽外へ取出して前記散気槽の上部から槽内へ再投入するように循環されることを要旨とする。
請求項4に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法において、前記還元剤接触工程は、粒状担体に前記還元剤を担持した粒状還元材を充填した還元剤接触槽内に、前記被処理液を滴下することによって前記接触を行う工程であることを要旨とする。
請求項5に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法において、前記還元剤接触工程と同時、又は、前記還元剤接触工程の後に、それまでに得られた被処理液を濾過する濾過工程を、更に、備えることを要旨とする。
請求項6に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法において、前記油が、燃料油であることを要旨とする。
請求項7に記載の相溶性透明含水油製造装置は、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法のための相溶性透明含水油製造装置であって、前記散気を行う散気手段と、
オロイド撹拌翼を備え、前記オロイド撹拌翼を揺動回転させて前記撹拌を行う撹拌手段と、
前記散気手段を経て得られた油水エマルジョンを含んだ被処理液を、還元剤と接触させるための還元剤接触手段と、
透明化剤を添加する透明化剤添加手段と、を備えることを要旨とする。
請求項8に記載の相溶性透明含水油製造装置は、請求項7に記載の相溶性透明含水油製造装置において、前記散気手段は、散気槽と循環機能部とを備え、
前記循環機能部は、前記散気工程中の被処理液を、前記散気槽の下部から槽外へ取出して前記散気槽の上部から槽内へ再投入できる機能部であることを要旨とする。
請求項9に記載の相溶性透明含水油製造装置は、請求項4に記載の相溶性透明含水油の製造方法のための相溶性透明含水油製造装置であって、前記散気を行う散気手段と、
オロイド撹拌翼を備えて、前記オロイド撹拌翼を揺動回転させて前記撹拌を行う撹拌手段と、
前記散気手段を経て得られた油水エマルジョンを含んだ被処理液を、還元剤と接触させるための還元剤接触手段と、
透明化剤を添加する透明化剤添加手段と、を備え、
前記還元剤接触手段は、粒状担体に前記還元剤を担持した粒状還元材を充填するための還元剤接触槽と、前記還元剤接触槽内に、前記被処理液を滴下する滴下手段を備え、
前記滴下手段は、滴下方向に対して90度となる水平面内で回動可能とされ、その回動中心から遠ざかるように延設された少なくとも1本の滴下流路を備え、
前記滴下流路は、その下面に前記被処理液を滴下するための複数の滴下孔を備えており、前記滴下孔は、前記回動中心側よりも前記回動中心から遠ざかる側で大きくなるように穿孔されていることを要旨とする。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法は、散気工程と還元剤接触工程と透明化剤添加工程とを備える。この方法によれば、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油を製造できる。
還元剤が、亜硫酸塩を含む場合には、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油を特に確実に得ることができる。
散気工程が、散気槽内で行われ、散気を行っている間に、散気槽内にある被処理液を、散気槽の下部から槽外へ取出して散気槽の上部から槽内へ再投入するように循環される場合には、より効率よく相溶性透明含水油を得ることができる。
還元剤接触工程が、粒状担体に還元剤を担持した粒状還元材を充填した還元剤接触槽内に被処理液を滴下することによって接触を行う工程である場合には、より効率よく相溶性透明含水油を得ることができる。
還元剤接触工程と同時、又は、還元剤接触工程の後に、それまでに得られた被処理液を濾過する濾過工程を、更に、備える場合には、ぬめりを生じている場合に、このぬめりを除去することができる。
油が燃料油である場合には、燃焼カロリーを維持しつつ、窒素酸化物及び硫黄酸化物の生成を抑制する相溶性透明含水油を得ることができる。
本第1発明の相溶性透明含水油製造装置は、散気手段と、還元剤接触手段と、透明化剤添加手段と、を備える。本装置は、この構成により、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油を製造できる。
散気手段が、散気槽と循環機能部とを備え、循環機能部が、散気工程中の被処理液を、散気槽の下部から槽外へ取出して散気槽の上部から槽内へ再投入できる機能部である場合には、より効率よく相溶性透明含水油を製造できる。
本第2発明の相溶性透明含水油製造装置は、散気手段と、撹拌手段と、還元剤接触手段と、透明化剤添加手段と、を備える。更に、還元剤接触手段は、粒状担体に前記還元剤を担持した粒状還元材を充填するための還元剤接触槽と、還元剤接触槽内に、被処理液を滴下する滴下手段を備える。加えて、滴下手段は、滴下方向に対して90度となる水平面内で回動可能とされ、その回動中心から遠ざかるように延設された少なくとも1本の滴下流路を備え、滴下流路は、その下面に被処理液を滴下するための複数の滴下孔を備えており、滴下孔は、回動中心側よりも回動中心から遠ざかる側で大きくなるように穿孔されている。本装置は、この構成により、水と油とが混合されながら透明性を維持できる相溶性透明含水油を製造できる。
相溶性透明含水油製造装置の一例を示す模式図である。 相溶性透明含水油製造装置の一例を示す模式図である。 相溶性透明含水油製造装置の一例を示す模式図である。 散気の一形態を説明する模式図である。 散気の他形態を説明する模式図である。 オロイド撹拌翼を備えた撹拌手段を説明する模式図である。 滴下手段を説明する模式図である。
1.相溶性透明含水油の製造方法
本相溶性透明含水油の製造方法は、散気工程と、還元剤接触工程と、透明化剤添加工程と、を備えることを特徴とする。
上記「散気工程」は、油と、負の酸化還元電位を呈した水と、が共存された被処理液(以下、単に「第1被処理液」ともいう)を、散気しながら撹拌してエマルジョン化する工程である。即ち、油水エマルジョンを含んだ被処理(以下、単に「第2被処理液」ともいう)を得る工程である。
上記「油」は、どのような油でもよく制限なく利用できる。即ち、例えば、鉱物油、植物油、合成油等が挙げられる。更に、これらの各種油は、新油であってもよく、廃油であってもよく、新油と廃油との混合油であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記のうち鉱物油には、石油(原油)、天然ガス、石炭等の化石燃料に由来する燃料油が含まれる。即ち、例えば、ガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクタン化ガソリンなど)、軽油、灯油、重油(A重油、C重油及びバンカーC重油など)等が含まれる。更には、C9等の燃料油が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
尚、C9としては、例えば、比重0.9267であり、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタジエン、ビニルトルエン、インデン、T−B−Me−スチレン、C10オレフィン、ナフタレン、H−レジン、エチルベンゼン+BTX等が含まれた燃料油が例示される。
上記のうち植物油には、各種植物から採取される油が含まれる。即ち、パームオイル(アブラヤシ)、パーム核油(アブラヤシ)、ヤシ油(ココヤシ)、コーン油(トウモロコシ)、米油(イネ)、米糠油(イネ)、綿実油(アオイ科ワタ属植物)、オリーブオイル(オリーブ)、ピーナッツ油(ラッカセイ)、菜種油(アブラナ)、サフラワー油(紅花)、ごま油(ゴマ)、大豆油(大豆)、ヒマワリ油(ヒマワリ)、ジャトロファオイル(ナンヨウアブラギリ)、ヘンプオイル(麻)、オウレンボク油(黄蓮木)、松油などの各種針葉樹から採取される油(松などの針葉樹)、その他、ナッツとして利用される各種植物の種子類から採取される油等が挙げられる。即ち、通常、バイオディーゼルと称される範疇に含まれる植物油が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、合成油には、鉱物油を加工して得られる油、植物油を加工して得られる油、更には、鉱物油及び植物油を原料としない化学合成油が含まれる。即ち、例えば、各種ポリオレフィン系合成油、エーテル系合成油、エステル系合成油などが含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの各種の油は、いずれも単独又は併用により、燃料油として利用できる。なかでも、燃料油としては、上述した鉱物油が好ましく、更には、ガソリン、軽油、灯油、重油がより好ましい。
油水エマルジョンに含まれる水と油との割合は特に限定されないが、通常、得られる相溶性透明含水油に含有させる水の量と同量が配合される。具体的には、油水エマルジョン100体積%に対して、水が50体積%以下(通常10体積%以上)となるように配合することが好ましい。
油としてガソリンを用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜30体積%であることが好ましい。
また、油として軽油を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜30体積%であることが好ましい。
更に、油として灯油を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜40体積%であることが好ましい。
また、油としてA重油を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜40体積%であることが好ましい。
更に、油としてC重油を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜30体積%であることが好ましい。
また、油としてバンカーC重油を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、水は10〜30体積%であることが好ましい。
更に、油としてパーム油(バイオディーゼル燃料を含む)を用いる場合、油水エマルジョン100体積%に対して、加工水は10〜30体積%であることが好ましい。
上記「負の酸化還元電位を呈した水」(以下、この水を「加工水」ともいう)は、酸化還元電位が負の値を呈する水である。この加工水は、(1)実質的に水のみからなり、その酸化還元電位が負の値とされていてもよく、(2)水溶された他成分を含有することによって、その酸化還元電位が負の値とされていてもよい。後者の場合にあっては、通常、水は加工水全体に対して90体積%以上含有される。
加工水を構成する水は、どのような水でもよく制限なく利用できる。即ち、例えば、水道水、河川湖沼水、地下水、イオン交換水、脱イオン水、精製水、純水などを利用できる。尚、海水を利用することもできるが、相溶性透明含水油を調製した後に塩分除去を行うことが好ましい。
上記「負の酸化還元電位を呈した」とは、酸化還元電位計(ORP計)で測定される電位(mV)がマイナス値であることを意味する。具体的には、0mV未満であればよいが、0mV未満−1000mV以上であることが好ましく、−100mV以下−950mV以上であることがより好ましく、−200mV未満−900mV以上が更に好ましく、−400mV未満−900mV以上がより更に好ましく、−500mV未満−850mV以上が特に好ましい。加工水の酸化還元電位が負の値であることにより、散気工程において被処理液(第1被処理液及び/又は第2被処理液)を散気する時間を短縮することができる。
尚、本酸化還元電位は、ORP計の比較電極として飽和塩化銀電極を用いた場合の値であるものとする。
負の酸化還元電位は、どのように得られてもよい。例えば、電気分解によって負の酸化還元電位を得る方法や、他成分の添加によって負の酸化還元電位を得る方法や、散気によって負の酸化還元電位を得る方法等が挙げられる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に上記のうち、他成分の添加によって負の酸化還元電位を得る方法としては、例えば、メタ珪酸ソーダを添加する方法や、次亜塩素酸及び/又はその塩の水溶液を添加する方法等が挙げられる。また、散気によって負の酸化還元電位を得る方法としては、磁鉄鉱石と接触された空気を含む散気気体や、水素を含む散気気体等を用いて散気を行う方法が挙げられる。
上記「被処理液(第1被処理液)」は、加工水と油とを含む混合液である。この第1被処理液における加工水と油との割合は特に限定されないが、通常、得られる相溶性透明含水油に含有させる加工水の量と同量が配合される。具体的には、第1被処理液100体積%に対して、加工水が50体積%以下(通常10体積%以上)となるように配合することが好ましい。
上記「油水エマルジョン」は、水と油とが含まれ、これらが分散された状態の分散液である。この油水エマルジョンでは、水と油とのうちのいずれが分散質になっていてもよく、水と油とのうちのいずれが分散媒になっていてもよい。
散気工程における散気はどのようにして行ってもよい。即ち、例えば、第1被処理液を散気しながら連続的に処理を行ってもよく、散気槽を用いて非連続的に処理を行ってもよい。
連続的に行う方法としては、図5の方法が例示される。即ち、流通管28と、その流通管28の流路に沿って配設され流通管28内へ散気できる散気手段と、を用いて行う方法である。この場合、散気手段は、図5に例示されるように、散気体23を流通管28の流路に沿って複数を備えることができる。そして、流通管28の上流側から下流側に向かって(図5の矢印の方向)第1被処理液を流通させながら散気を行うことができる。
一方、非連続的に行う方法としては、図4が例示される。即ち、散気槽21を用い、散気槽21内で第1被処理液26を循環させながら散気する方法である。具体的には、第1被処理液26が収容されて散気が行われている散気槽21の下方からこの第1被処理液26を散気槽21の外へ取出し、取り出した第1被処理液26を散気槽21の上方から散気槽21内へ再投入できるように循環機能部22を備えることよって、第1被処理液26を循環させながら必要な時間の散気を行うことができる。
尚、循環される場合には、第1被処理液は第2被処理液と混合され、次第に、全体が第2被処理液へと変化してもよい。
上述のように、散気槽を用いて散気を行う場合、散気槽へ加工水を投入する場合には、予め油(全量である必要はない)が投入された散気槽内で散気を行いながら、加工水を散気槽へ後投入することが好ましい。更には、加工水を投入する際に、加工水は散気槽の上側からスプレー投入されることが好ましい。
この散気工程で利用される散気気体は特に限定されず、例えば、空気をそのまま用いることができるが、磁鉄鉱石と接触された空気を含む散気気体を用いることもできる。
散気工程における散気量は特に限定されないが、散気工程全体において、通常、被処理液(第1被処理液及び第2被処理液の区別なく被処理液全体の量)100Lに対して100m/分以上を利用することが好ましい。この散気量は、被処理液100Lに対して200〜1000m/分がより好ましく、300〜600m/分が更に好ましい。また、この散気気体は、加熱して用いることができる。散気気体を加熱することで、散気槽21内の被処理液26を加熱できる。この場合、例えば、被処理液26が温度40〜60℃となるように加熱できる。
更に、散気工程における撹拌は、オロイド撹拌翼を揺動回転させて行う。散気工程において、散気とともに撹拌を行い、更に、撹拌翼としてオロイド拡散翼を用いて、これを揺動回転させた場合には、それ以外の方法を用いた場合に比べて、油水を混合するうえで透明化するのにより適したエマルジョンが形成され易くすることができる。更に、副次的に、エマルジョン化の時間効率も向上される。
上述のオロイド撹拌翼とは、オロイド形状を平板上で転がした際にその外周の軌跡によって形成される立体形状を有する撹拌翼である。このオロイド撹拌翼は、上記の外形を有すればよく、中空の形態であってもよいが、中実の形態であることが好ましい。更には、金属製の中実形態であることが好ましい(当然ながら、回動軸を挿通する個所を除く)。
また、オロイド形状とは、直径の等しい2枚の仮想円板A及びBを、仮想円板Aの中心が仮想円板Bの円周と接し、仮想円板Bの中心が仮想円板Aの円周と接するように、仮想円板A及びBを直交させた形状である。即ち、仮想円板A及び仮想円板Bの中心間の距離が互いの半径と等しくなるように仮想円板同士を直交させた形状である。
このオロイド撹拌翼は、そのオロイド形状を構成する仮想円板Aの中心を直交貫通する回動軸292と、そのオロイド形状を構成する仮想円板Bの中心を直交貫通する回動軸292との2つの回動軸を設けて回転させることによって、パドルを漕ぐような動きをさせることができる。このように二軸支持してオロイド撹拌翼を回転させると、オロイド撹拌翼の重心移動によって、揺動回転されることとなる。
より具体的に、図6にオロイド撹拌翼291を有する撹拌手段29の例を示す。オロイド撹拌翼1には、直交関係にある2つの回動軸292(292及び292)が挿通されている。また、2つの回動軸292(292及び292)は、2つの二股桿293(293及び293)に各々回動可能に接続されている。更に、2つの二股桿293(293及び293)は、ユニバーサルジョイントを介して、駆動軸294(294及び294)に各々接続されている。
この撹拌手段29では、駆動軸294の回転に伴い、回動軸292(292及び292)を中心にオロイド撹拌翼291が回転する構造となっている。通常、駆動軸294の1回転目に回動軸292を中心にオロイド撹拌翼291の仮想円板A側が回転し、駆動軸294の2回転目に回動軸292を中心にオロイド撹拌翼291の仮想円板B側が回転するようにして、左右の仮想円板が交互に回転するような動作を繰り返すこととなる。このため、左右の仮想円板の交互の回転に伴って揺動を生じ、撹拌対象物の撹拌を行うことができる。
本方法では、オロイド撹拌翼を揺動回転させて撹拌できればよく、利用するオロイド撹拌翼の数、大きさ及びその回転速度等は特に限定されない。
例えば、1000L以下の被処理液に対して利用するオロイド撹拌翼は、1枚であることが好ましい。
また、50L以上2000L以下(更には500L以上2000L以下)の被処理液に対して利用するオロイド撹拌翼は、オロイド形状をなす仮想円板直径が10cm以上40cm以下であることが好ましく、20cm以上30cm以下であることがより好ましい。
更に、50L以上1000L以下(更には500L以上1000L以下)の被処理液に対して利用するオロイド撹拌翼による揺動回転の速度は、30サイクル/分以上80サイクル/分以下であることが好ましく、40サイクル/分以上60サイクル/分以下であることがより好ましい。
また、散気工程では、直流電源91(図3参照)の負極に接続された導電体92(図3参照)を、被処理液26と接触させながら散気を行うことができる。直流電源91の負極に接続された導電体92と、被処理液26とが接触された状態で散気を行うと、エマルジョンの生成を効率的に進めることができる。具体的には、散気時間を1/2〜1/4に短縮できる。導電体92を構成する材料は特に限定されないが、金属及び炭素等を利用できる。また、直流電源91は、例えば、30〜400Vの電圧とすることができる。尚、散気槽21が金属容器等の導電性を有する場合には、導電体92は、散気槽21と接触されないように配設される。また、直流電源91の正極は、アースすることができる。
更に、被処理液26を循環させながら散気を行う場合には、循環される被処理液26を磁鉄鉱石と接触させる工程(磁鉄鉱石接触工程)を、更に、設けることができる。この工程を備える場合には、油水エマルジョンの生成を更に効率的に進めることができる。
尚、前述のように、連続的に行う方法に比べると、非連続的に行う方法は、相溶性透明含水油製造装置を小さくまとめることができる観点において好ましい。
また、被処理液26を循環させながら散気を行う場合には、循環される被処理液26を加熱する工程(被処理液加熱工程)を、更に、設けることができる。この工程を備える場合には、油水エマルジョンの生成を更に効率的に進めることができる。加熱を行う場合は、どのように加熱を行ってもよい。例えば、循環用管路221(図1−3参照)を備える場合には、循環用管路221にヒータジャケットを巻回し、循環用管路221内を流通された被処理液26を加熱できる。また、上述したように磁鉄鉱石接触工程を備える場合には、磁鉄鉱石接触槽(図3の223)にヒータジャケット(図3の95)を巻回し、磁鉄鉱石接触槽223内を流通された被処理液26を加熱できる。更には、磁鉄鉱石接触槽223(図3参照)において磁鉄鉱石を加熱することで、磁鉄鉱石接触槽223内を流通された被処理液26を加熱できる。これらの加熱に際しては、例えば、被処理液26が温度40〜60℃となるように加熱できる。
上記「還元剤接触工程」は、散気工程を経て得られた油水エマルジョンを含む被処理液(第2被処理液)を、還元剤と接触させる工程である。本方法における
還元剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩(亜硫酸水素塩)、次亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩(メタ重亜硫酸塩)、亜硝酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、シュウ酸、過酸化水素などが挙げられる。これらの化合物は、無水和物を用いてもよく、水和物を用いてもよい。また、これら還元剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの還元剤のなかで、亜硫酸塩、重亜硫酸塩(亜硫酸水素塩)、次亜硫酸塩(亜ジチオン酸塩)、ピロ亜硫酸塩(メタ重亜硫酸塩)、亜硝酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩等の各種塩としては、2価陽イオンによる塩、1価陽イオンによる塩が挙げられる。2価陽イオンとしては、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Fe2+等が挙げられる。また、1価陽イオンとしては、Li、Na、K、NH 等が挙げられる。
即ち、例えば、亜硫酸塩のうち2価陽イオンによる塩としては、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ストロンチウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、亜硫酸鉄等が挙げられる。また、亜硫酸塩のうち1価陽イオンによる塩としては、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。
これらの2価陽イオンによる塩及び1価陽イオンによる塩のなかでは、2価陽イオンによる塩が好ましい。2価陽イオンによる塩は、1価陽イオンによる塩に比べて、水に対する溶解度が低いため、相溶性透明含水油内に残留される還元剤の溶解物の量を少なく抑制できる。具体的には、20℃における水に対する溶解度が1g/100mL以下である化合物が好ましい。この溶解度は、0.5g/100mL以下(20℃)であることがより好ましく、0.2g/100mL以下(20℃)であることが特に好ましい。また、油水エマルジョンの透明化を促進する目的において、より効果的に透明化を行うという観点から、水に対する溶解度は、0.0001g/100mL以上(20℃)であることが好ましい。
例えば、亜硫酸カルシウム:0.0043g/100mL(18℃)、亜硫酸バリウム:0.0011g/100mL(20℃)、亜硫酸亜鉛・二水和物:0.16g/100mL(20℃)、亜リン酸バリウム:0.687g/100mL(20℃)等。
更に、2価陽イオンによる塩のなかでも、2価金属イオンによる塩がより好ましく、更には、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩が更に好ましく、なかでもカルシウム塩が特に好ましい。更に、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、次亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硝酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩のなかでは、亜硫酸塩が特に好ましい。即ち、還元剤としては、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛が好ましく、なかでも、亜硫酸カルシウムが好ましい。
油水エマルジョンと還元剤との接触は、結果的に油水エマルジョンが透明化されればよく、どのように行ってもよい。透明化されるとは、油水エマルジョンの透明度が、原料である油(加工水と混合する前の油)と同じ透明度、又は、それ以上に高い透明度になることを意味する。
上記接触は、例えば、還元剤が収容された容器内に油水エマルジョンを流通させて上記接触を行うことができる。この際、還元剤は、どのような形態で用いてもよい。例えば、粉末状、粒状、塊状等の形態で用いることができる。その他、還元剤を担体に担持させて用いることができる。還元剤を担体に担持させて用いる場合、セラミックス、金属等を用いて形成された担体の表面に、粉末状や粒状の還元剤を、担持させた形態で用いることができる。また、担体は、ボール状、網状、棒状、錐状、立方体状、直方体状等の形態とすることができる。更には、担体の形態に関係無く、担体は多孔質なものを用いることができる。
この還元剤接触工程では、どのようにして、第2被処理液と還元剤とを接触させてもよいが、特に、粒状担体に還元剤を担持した粒状還元材を充填した還元剤接触槽内に、被処理液(第2被処理液)を滴下することによって接触を行うことが好ましい。
この際に用いる粒状還元材の大きさは特に限定されないが、粒径が1mm以上30mm以下の粒状還元材を用いることが好ましい。この範囲の粒径の粒状還元材を用いることで接触効率を向上させて、透明化を促進することができる。この粒径は、3mm以上20mm以下がより好ましく、5mm以上10mm以下が更に好ましい。
更に、滴下速度は特に限定されないが、直径5cm以上20cm以下の範囲への滴下であって、0.1L/分以上2L/分以下とすることが好ましく、0.5L/分以上1.5L/分以下とすることがより好ましい。
更に、滴下時には、粒状還元材の下方から上方(被処理液は、粒状還元材の上方から落下されて、粒状還元材の上部へと滴下される)へ向かって送風を行うことが好ましい。送風により接触効率を向上させて、透明化を促進することができる。
送風速度は特に限定されないが、10L/分以上100L/分以下とすることが好ましく、20L/分以上70L/分以下とすることがより好ましい。
尚、滴下方法及び送風方法に関する具体的な装置の構成等は、相溶性透明含水油製造装置において後述する。
上記「透明化剤添加工程」は、散気工程前の被処理液、散気工程中の被処理液、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、及び、還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液に対して、透明化剤を添加する工程である。
即ち、透明化剤の添加は、散気工程又は還元剤接触工程と同時に行ってもよく、これらの工程とは別に行ってもよい。更には、散気工程と還元剤接触工程との両方の工程にまたがって連続的に行うこともできる。また、透明化剤添加工程は、複数回行うこともできる。即ち、例えば、散気工程中の被処理液に対して透明化剤を添加した後、更に、還元剤接触工程中の被処理液にも透明化剤を添加することができる。
本方法では、透明化剤の添加により、還元剤接触工程において、より効果的に油水エマルジョンを透明化できる。透明化するとは、油水エマルジョンを含んだ被処理液の透明度を、原料である油(加工水と混合する前の油)と同じ透明度、又は、それ以上に高い透明度にすることを意味する。
上記散気工程中の被処理液は、加工水と油とを含み、散気によってこれらが油水エマルジョンとなる過程にある液体である。通常、このような被処理液は、エマルジョンの下層に水層が認められる状態にある。また、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液は、加工水と油とを含み、散気によってその全体が油水エマルジョンとなった液体である。更に、還元剤接触工程中の被処理液は、油水エマルジョンが還元剤と接触されることによって、透明化される途中にある被処理液である。
この透明化剤添加工程で用いる透明化剤としては、各種のアミン化合物、水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を用いてもよい。
透明化剤のうち、アミン化合物は、具体的には、−NRで表されるアミン基を1つ又は2つ以上する有機化合物又はその塩である。但し、R〜Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。即ち、上記アミン化合物は1級アミンであってもよく、2級アミンであってもよく、3級アミンであってもよい。
上記アミン化合物を構成するR〜Rが有機基である場合、これらの有機基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基及びアリール基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8の環状のアルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基の直鎖状又は分岐状のアルキル基や、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等である。また、ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状及び分岐状のヒドロキシアルキル基や、炭素数6〜8のヒドロキシシクロアルキル基等が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等のヒドロキシアルキル基や、ヒドロキシシクロヘキシル基等が挙げられる。更に、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等が挙げられる。また、上記アミン化合物は水溶性のアミン化合物であることが好ましい。
このようなアミン化合物としては、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アミノフェノール、アミノシクロヘキサノール、シクロヘキサンジアミン、シクロヘキシルヒドロキシルアミン、アミノベンジルアルコール等が挙げられる。
これらのなかでも特に、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタンが好ましい。これらの好ましいアミン化合物は、特に水に対する溶解性が極めて高いためである。
これらのアミン化合物は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
透明化剤として、アミン化合物を用いる場合、アミン化合物の含有量は特に限定されず種類に応じて十分な効果が得られる程度に含有されることが好ましい。通常、被処理液(散気工程前の被処理液、散気工程中の被処理液、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液)100体積部に対して、アミン化合物は0.1〜10体積部添加することが好ましく、0.5〜8体積部がより好ましく、1〜6体積部が更に好ましく、1.5〜4体積部が特に好ましい。
また、アミン化合物のなかでも、シクロヘキシルアミンのみを用いる場合、被処理液(散気工程前の被処理液、散気工程中の被処理液、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液)100体積部に対して、0.1〜5体積部が好ましく、0.2〜3.5体積部がより好ましく、0.5〜2.5体積部が特に好ましい。
更に、透明化剤としてシクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを併用する場合には、シクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを体積比で1:9〜3:7(とりわけ1.5:8.5〜2.5:7.5)で混合したアミン混合物を用いることが好ましい。そして、油水エマルジョン100体積%に対して、アミン化合物(アミン混合物)は0.001〜0.05体積%含まれることが好ましい。この範囲ではより効果的に油水エマルジョンが透明化されるとともに、その透明性を維持し易い。この範囲を超えて含有されてもよいが、効果向上は認められ難い。この含有割合は、更に、0.002〜0.03体積%がより好ましく、0.005〜0.02体積%が特に好ましい。
一方、透明化剤としての、水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテルは、いずれも水溶性であることが好ましく、水に溶解できる、アルコール、ケトン、エーテルが好ましい。具体的には、通常、これらの水溶性の化合物の炭素数は1〜8であることが好ましい。
より詳しくは、水溶性のアルコールには、アルキルアルコール及びエーテルアルコールが含まれる。そして、アルキルアルコールには、アルキルモノオール及びアルキルジオールが含まれる。一方、エーテルアルコールには、エーテルモノオール及びエーテルジオールが含まれる。このうち、アルキルアルコールの炭素数は1〜6が好ましく、なかでも、アルキルモノオールの炭素数は1〜4が好ましく、アルキルジオールの炭素数は2〜6が好ましい。一方、エーテルアルコールの炭素数は3〜6が好ましく、なかでも、エーテルモノオールの炭素数は3〜5が好ましく、エーテルジオールの炭素数は3〜6が好ましい。更に、水溶性のケトンの炭素数は2〜5が好ましく、水溶性のエーテルの炭素数は2〜4が好ましい。
即ち、水溶性のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルキルモノオール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキルジオール;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセタート等のエーテルモノオール;ジエチレングリコール等のエーテルジオール;などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、水溶性のケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、水溶性のエーテルとしては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水溶性の程度は、水溶性のアルコール、水溶性のケトン、及び、水溶性のエーテル、いずれであっても、100mLの水(20℃)に対する溶解量が3g以上であることが好ましい(溶解量の上限は特に限定されないが、例えば1000g)。即ち、上記に例示した水溶性のアルコール、水溶性のケトン、水溶性のエーテルの全てが含まれる。
これらの透明化剤(水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル)の水溶性は、より大きいことが好ましく、具体的には、100mLの水(20℃)に対する溶解量が20g以上であることがより好ましい。即ち、上述した透明化剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルキルモノオールが含まれる。更に、上述した全てのアルキルジオール類、上述した全てのエーテルモノオール類、上述した全てのエーテルジオールが含まれる。また、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が含まれる。
更に、これらの透明化剤(水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル)の水溶性は、100mLの水(20℃)に対する溶解量が80g以上であることが特に好ましい。即ち、上述した透明化剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルキルモノオールが含まれる。更に、上述した全てのアルキルジオールが含まれる。また、上述した2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール等のエーテルモノオール、及び、全てのエーテルジオールが含まれる。更に、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が含まれる。
これらの透明化剤(水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル)の含有量は特に限定されず種類に応じて十分な効果が得られる程度に含有されることが好ましい。通常、被処理液(散気工程前の被処理液、散気工程中の被処理液、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液)100体積部に対して、これらの透明化剤(水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル)は0.1〜20体積部添加することが好ましく、0.5〜15体積部がより好ましく、1〜10体積部が更に好ましく、1.5〜5体積部が特に好ましい。なかでも、2−プロパノールのみを用いる場合、0.1〜20体積部が好ましく、0.2〜10体積部がより好ましく、0.5〜5体積部が特に好ましい。また、シクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを併用する場合、その混合物を0.1〜5体積部添加することが好ましく、0.2〜3.5体積部がより好ましく、0.5〜2.5体積部が特に好ましい
アミン化合物と、他の透明化剤(水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテル)と、を併用する場合、アミン化合物と他の透明化剤との合計を100体積%とした場合に、アミン化合物:他の透明化剤は、90体積%:10体積%〜10体積%:90体積%の範囲とすることができる。この割合は、90体積%:10体積%〜50体積%:50体積%の範囲が好ましい。
油水エマルジョンには、水、油及び透明化剤以外にも他の成分を配合できる。他の成分としては、乳化剤が挙げられる。乳化剤としては、各種の界面活性剤を利用できる。界面活性剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤及びリン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。
更に、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等のエステル型界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤、等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸、硫酸エステル、スルホン酸及びリン酸エステルを、カチオン部分としてアミン及び第4級アンモニウムを持つものが挙げられる。具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプのもの等が挙げられる。
これらのなかでも、ノニオン系界面活性剤が好ましく、なかでも脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤がより好ましく、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが特に好ましい。
油水エマルジョンにおける乳化剤の含有量は特に限定されないが、水100体積部あたりに0.01体積部以上(通常10体積部以下)であることが好ましい。この含有量は、水100体積部あたりに0.05〜10体積部がより好ましく、0.1〜5体積部が更に好ましく、0.1〜1体積部が特に好ましい。
更に、油水エマルジョンには、水、油、透明化剤及び乳化剤以外にも他の成分を配合できる。他の成分としては、ケイ酸塩が挙げられる。
ケイ酸塩としては、メタケイ酸塩が挙げられる。更に、このメタケイ酸塩はアルカリ金属塩であることが好ましい。具体的には、メタケイ酸ナトリウムが好ましい。ケイ酸塩の配合により、より効率よくエマルジョン化を促進できる。このケイ酸塩の配合量は特に限定されないが、通常、水と油との合計100体積部に対して10体積部以下が好ましい。この配合量は、更に、0.5〜8体積部がより好ましく、1〜5体積部が特に好ましい。
本方法は、散気工程、還元剤接触工程、及び透明化剤添加工程、以外に他の工程を備えることができる。他の工程としては、濾過工程が挙げられる。
「濾過工程」は、還元剤接触工程と同時、又は、還元剤接触工程の後に、それまでに得られた被処理液を濾過する工程である。散気工程において、被処理液内には、ぬめり様の成分が生成される場合がある。濾過工程を行うことで、このぬめりの様な成分を取り除くことができる。
濾過工程における濾過は、通常、フィルタを用いて行う。また、濾過は1段のみを行ってもよいし、複数段の濾過を行ってもよい。複数段の濾過を行う場合には、異なる濾過精度でフィルタを含むことができる。
濾過工程におけるフィルタの濾過精度は特に限定されないが、1〜10μmであることが好ましい。この範囲では、散気工程において油内に分散された水を再分離させることなく、前述のぬめりを除去することができる。更に、この濾過精度は、2〜9μmであることがより好ましく、3〜7μmであることが更に好ましい。
フィルタを構成するそれぞれの濾材にはどのような濾材を用いてもよい。即ち、例えば、濾紙を用いてもよく、不織布を用いてもよく、延伸多孔フィルムを用いてもよく、その他の濾材を用いてもよい。これらの濾材は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、樹脂繊維を用いた不織布からなる濾材を用いることが好ましく、いわゆる化繊紙(例えば、乾式製法の不織布)が好ましい。濾材に用いる樹脂種は特に限定されず、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、レーヨン及びアセテート等のセルロース系樹脂、などを用いることができる。これらのなかでも、特にポリプロピレンが好ましい。即ち、例えば、ポリプロピレン製の化繊紙を用いることができる。
更に、フィルタへの被処理液の通過はどのように行ってもよい。即ち、例えば、上流側から加圧して被処理液をフィルタに通過させてもよいし、下流側から吸引してフィルタを通過させてもよいし、回転による遠心力を利用して通過させてもよいし、自然流下させて通過させてもよい。これらのなかでは、加圧及び/又は遠心力を用いることなく、自然流下させて濾過することが好ましい。加圧及び/又は遠心力を用いた場合には、油水が分離されてしまうことが危惧されるからである。
本方法によれば、30〜50体積%という高含水率の相溶性透明含水油を得ることができる。水は油に比べて単価が小さいため、油に30〜50体積%の水(加工水)を混合することによって単位体積あたりの燃料コストを低減できる。
また、本方法によって得られた相溶性透明含水油は、油水が分離されることなく透明性を維持することができる。透明性を維持するとは目視によって乳濁状態を視認できない状態を維持できることである。より具体的には、原料である油(加工水を混合する前の油)と、得られた相溶性透明含水油と、の透明度を比較した場合に、同じであるか又は相溶性透明含水油の方が、透明度が高い状態を、常温(温度25℃)において24時間以上維持できる。
更に、本方法により得られる相溶性透明含水油は、燃焼の場で発熱量の向上を図ることができる。また、植物油についても燃料油として使用することが可能となるため、従来の化石燃料への依存の比率を減少することができる。更に、植物性燃料によるカーボンニュートラルな循環型燃料システムを構築することができる。
また、本方法で得られる相溶性透明含水油は、燃焼時に、含水量分だけCO、NOx、SOx等の発生量を削減することができるため、地球温暖化を抑制して地球環境の保全にも大きく貢献することができる。更に、本発明の相溶性透明含水油の製造方法によって製造された含水油は、透明化されているため、製品の商品価値を高めることができる。
2.相溶性透明含水油製造装置
本発明の相溶性透明含水油製造装置は、上記方法のための相溶性透明含水油製造装置1であって、散気を行う散気手段2と、撹拌手段29と、還元剤接触工程を行う還元剤接触手段3と、透明化剤の添加を行う透明化剤添加手段7と、を備えることを特徴とする。
上記「散気手段(2)」は、散気槽21を備える。散気槽21は、被処理液26を収容できるとともに、その被処理液26に対して散気できる槽である。また、散気は、散気槽21内の底部に収容された散気体23から気体を吐出させて行う。
散気槽21には、通常、給油手段5から油が供給され、給油手段4から水又は加工水が供給される。
このうち、給油手段5は、油55を貯留するための油貯留タンク51を備えることができる。油貯留タンク51に貯留された油は、給油管路52を介して散気槽21へと供給できる。給油管路52には、更に、流量計53及びポンプ54を備えて、散気槽21への給油量の調整及び監視を行うことができる。
一方、給水手段4は、水49(又は加工水49)を貯留するための水貯留タンク41を備えることができる。水貯留タンク41に貯留された水は、給水管路45を介して散気槽21へと供給できる。給水管路45には、更に、流量計47及びポンプ46を備えて、散気槽21への給水量の調整及び監視を行うことができる。
更に、給水管路45の散気槽21側の端部には、スプレー投入部(スプレーヘッド)48を備えることができる。これにより、加工水49を散気槽21内へとスプレー供給できる。スプレー供給により、散気槽21での散気効率を向上させて、油水エマルジョンを生成する時間を短縮することができる。
給水手段4は、給水機能のみを有してもよいが、水を加工水へと加工する機能を備えることができる。即ち、水に対して電気分解を施すことにより負の酸化還元電位を与える手段を備えることができる(図示せず)。具体的には、給水管路42を介して水貯留タンク41へ供給された水(加工前の水)を槽内において電気分解することで加工水を得ることができる。
一方、散気手段2へ気体(散気気体)25を供給するために、給気手段6を備えることができる。給気手段6は、散気槽21へ接続されて、散気槽21内の底部に収容された散気体23へと接続される。更に、給気手段6と散気槽21とを接続する給気管路24には、バルブ63及び流量計64を設けることができる。これにより、散気槽21への気体25の供給量の調整及び監視を行うことができる。
また、給気手段6は、気体25を加熱するための手段を備えることができる。気体(散気気体)を加熱して用いることで、散気槽21内の被処理液26を加熱(例えば、被処理液が温度40〜60℃となるように加熱)できる。気体25を加熱する手段としては、気体25が流通される給気管路24に巻回したヒータジャケットが挙げられる(図示せず)。このようなヒータジャケットを給気管路24に設けることで、給気管路24内を流通する気体25を加熱できる。
更に、図3に示すように、磁鉄鉱石61が充填された気体調製槽62を設け、気体25を、気体調製槽62内を通過させることができる。これにより、磁鉄鉱石61と接触された空気を気体25として供給できる。
また、散気手段2は、循環機能部22を備えることが好ましい。循環機能部22は、被処理液26を、散気槽21の下部から槽外へ取出して散気槽21の上部から槽内へ再投入できる部位である。具体的には、図1−図3に例示されるように、散気槽21の下部に循環用管路221が接続され、散気槽21から被処理液26を取出して散気槽21の上部へと送り、被処理液26を循環できる構成が好ましい。この循環機能部22を備えることにより、被処理液26を効率的に散気でき、散気工程に要する時間を短縮できる。また、この循環機能部22では、循環用管路221にポンプ225及び流量計(図示されない)を配設できる。
本装置1では、循環機能部22内に、循環される被処理液と磁鉄鉱石とを接触させるための磁鉄鉱石接触槽223を設けることができる(図3参照)。循環機能部22内で循環させる被処理液と磁鉄鉱石224とを接触させた場合には、エマルジョンの生成をより効率的に行うことができる。磁鉄鉱石接触槽223は、図3に例示されるように、循環用管路221に接続して設けることができる。
また、上述の循環機能部22を備える場合には、本装置1は、被処理液26を加熱する加熱手段を備えることができる。加熱手段を備える場合には、被処理液26を加熱することができ、エマルジョンの生成をより効率的に進めることができる。加熱手段は、例えば、磁鉄鉱石接触槽223に巻回されたヒータジャケット95として加熱手段を備えることができる。この場合には、磁鉄鉱石接触槽223内に流通される被処理液26を加熱(例えば、被処理液が温度40〜60℃となるように加熱)できる。更に、磁鉄鉱石接触槽223(図3参照)内の磁鉄鉱石224を加熱することができる。
また、本装置1は、直流電源91の負極に接続された導電体92を備えることができる(図3参照)。この導電体92は、散気を行う際に、被処理液26と接触可能に配置されることで、エマルジョンの生成をより効率的に進めることができる。直流電源91は、例えば、30〜400Vの電圧とすることができる。
上記「撹拌手段(29)」は、オロイド撹拌翼291を備え、オロイド撹拌翼291を揺動回転させて撹拌を行う手段である。この撹拌手段29は、散気槽21内の被処理液26にオロイド撹拌翼291が浸漬されるように設置される。例えば、フロート機能を有する部位に対し、オロイド撹拌翼291及びこれを回動させる機能部を懸架し、その全体を散気槽21の被処理液26の表面に浮かべて利用できる(図1−図3参照)。
撹拌手段29は、オロイド撹拌翼291を備えて、これを揺動回転させて、散気槽21内の被処理液26を撹拌することができればよいが、例えば、以下の構成とすることができる。即ち、図6に例示するように、撹拌手段29は、1つのオロイド撹拌翼1と、2つの回動軸292(292及び292)と、2つの二股桿293(293及び293)と、駆動軸294(294及び294)と、連設部295と、を備える。このうち、オロイド撹拌翼291については前述の通りである。
回動軸292は、1つのオロイド撹拌翼291に対して、2つの回動軸292及び292を備える。これらの回動軸は、各々、オロイド撹拌翼291を構成する2つの仮想円板A及びBの中心を通り、当該仮想円板A及びBに対して直交(円板の表面に対して垂直)されるように、挿通されている。従って、2つの回動軸292及び292は、互いに直交関係にある。
二股桿293は、2つの回動軸292及び292の各々に対応して、2つの二股桿293及び293を備える。そして、各二股桿293は、各々1つの回動軸292が回動自在となるように、回動軸292と接続されている。
駆動軸294は、2つの二股桿293及び293の各々に対応して、2つの駆動軸294及び294を備える。この駆動軸294は二股桿293とユニバーサルジョイントを介して接続されている。ユニバーサルジョイントは、二股桿293と駆動軸294との間に単体として介在されてもよいし、駆動軸294自体がユニバーサルジョイントの機能を備えてもよいし、更には、二股桿293自体がユニバーサルジョイントの機能を備えてもよい。
連設部295は、駆動軸294及び294を連設させるための部位であり、強度を強化するために設けられる部位である。
このような構成である撹拌手段29は、2つの駆動軸294及び294が、連動するように一方向へ回転されると、この回転に伴って、対応された各回動軸292を中心にオロイド撹拌翼291が回転する構造となっている。通常、駆動軸294の1回転目に回動軸292を中心にオロイド撹拌翼291の仮想円板A側が回転し、駆動軸294の2回転目に回動軸292を中心にオロイド撹拌翼291の仮想円板B側が回転するようにして、左右の仮想円板が交互に回転する動作を繰り返す。このため、左右の仮想円板の交互の回転に伴ってパドルを漕ぐような動きをして揺動を生じ、撹拌対象物の撹拌を行うことができる。
上記「還元剤接触手段(3)」は、還元剤接触槽31と、その内部に充填された還元剤32とを備える。還元剤接触槽31内で被処理液26と還元剤32とを接触させることで、被処理液を透明化することができる。
そして、還元剤接触手段3は、図1−図3に例示されるように、濾過手段8とは別に、濾過手段8の前段に配設することができる。また、これ以外に、濾過手段8の内部に配設することもできる。即ち、還元剤接触槽31自体に、被処理液26が通過できる開孔(例えば、槽31の全周から滲出可能に開孔)を設けることで、還元剤32と接触された被処理液26は、還元剤接触槽31から排出されて、更に、濾過手段8で濾過されて取り出すことができる(図示省略)。
還元剤32は、例えば、多孔セラミック製の粒状担体の表面に、還元剤を担持した形態で用いることができる。
本装置1では、滴下手段34を備えることができる。滴下手段34は、粒状還元材32(粒状担体に還元剤32が担持されたもの)が充填された還元剤接触槽31内に、被処理液26を滴下する手段である。この滴下によって、粒状還元材32の表面に担持された還元剤32と被処理液26とを接触速度を十分に確保して、確実に両者を接触させることができる。
滴下手段34の構成は特に限定されないが、例えば、滴下流路342及び滴下孔343を備えて形成できる。このうち、滴下流路342は、滴下方向(還元剤接触槽31の上部から下部へ向かう方向)に対して90度となる水平面内で回動可能とされ、その回動中心349から遠ざかるように延設された少なくとも1本の流路である。また、滴下孔343は、滴下流路342の下面に、被処理液26を滴下するために穿孔された複数の孔である。この滴下孔343は、回動中心349側よりも回動中心349から遠ざかる側で大きくなるように穿孔されていることが好ましい。
このような滴下手段34としては、図7に例示する構成の滴下手段34が挙げられる。即ち、滴下手段34は、その中心部に液受け部341を備える。液受け部341は、被処理液26を、滴下流路342へと分配するために、被処理液26を一時的に貯留する部位である。更に、この液受け部341は、その下部に、滴下方向(還元剤接触槽31の上部から下部へ向かう方向)に対して90度となる方向へ伸びる滴下流路342を少なくとも1本備える。滴下流路342は、回動中心349に対して2本以上を備えることが好ましい。また、2本以上の滴下流路342を備える場合には、各滴下流路342は、回動中心349を中心として、互いに等角度で配置されることが好ましい。即ち、例えば、2本、3本、4本又は5本の滴下流路342を備えることが現実的である。
滴下流路342は、各々、その下面に、被処理液26を滴下するための複数の滴下孔343を備える。1本の滴下流路342が備える滴下孔343の数は特に限定されないが、通常、3孔以上であり、5孔以上が好ましく、30孔以下が好ましい。
更に、滴下孔343は、いずれも同じ大きさの開口であってもよいが、回動中心349から遠ざかるに従って大きくなるように穿孔されていることが好ましい。但し、各滴下孔343は、順次開口径が大きくなるように形成されてもよいが、例えば、同開口径の3孔が連続し、次いで、より大きく開口された同開口径の3孔が隣接して連続する等のように同じ開口径の滴下孔343を利用して形成してもよい。このように、回動中心349から遠ざかるに従って大きくなるように穿孔された滴下孔343を有する場合であって、後述する回動機構を有する場合には、何ら回動のための動力を要することなく、被処理液26の落下に伴って滴下流路342を、回動中心349を中心として回動させることができる(通常は、特定方向へ回転される)。
また、図7に示す滴下手段34は、液受け部341の中心に回動中心349を備える。具体的には、液受け部341の底部中央に、図7に示すように、内部(液受け部341の内側)へ向かうように凹んだ有底凹部344が設けられている。この有底凹部344は、後述するシャフト345に対する軸受として機能する。一方、滴下手段34は、先端の接触面積が小さくなるように先窄まりの形状されたシャフト345を備える。シャフト345は、基部346に垂直に立設されるとともに、シャフト345の先端が、有底凹部344の底部に接するように有底凹部344内に緩挿されている。
このような構造により、滴下手段34は、有底凹部344と、その内部へ挿入されたシャフト345の先端と、とが少ない面積で接触して、液受け部341と滴下流路342とは、回動自在にされている。そして、液受け部341に被処理液26が注がれると(矢印X参照)、液受け部341は、各滴下流路342へと被処理液26を分配する(矢印X参照)。そして、滴下流路342へ流入された被処理液26は、滴下孔343から、滴下される(矢印X参照)こととなる。また、この際には、滴下孔343が、回動中心349から遠ざかるに従って大きくなるように穿孔されているために、何ら回動のための動力を要することなく、被処理液26の落下に伴って、滴下流路342は回動中心349を中心として、例えば、矢印Yの方向へ回転されることとなる。
本装置1では、滴下時に、粒状還元材32の下方から上方(被処理液26は、粒状還元材32の上側から落下されて、粒状還元材32の上部へと滴下される)へ向かって送風を行う送風手段35を備えることができる。このように、還元剤接触槽31の粒状還元材32が充填された領域において、粒状還元材32の下部から上部へ向かう送風を行うことで、被処理液26と還元剤32とが接触されると同時に曝気されるような形態となり、透明化をより効果的に促すことができる。この際の送風は、例えば、空気、酸素、又は酸素濃度を高くした空気等を用いることが好ましい。
この送風のために、送風手段35は、還元剤接触槽31の上部にブロア351を備え、更に、還元剤接触槽31の下部に給気部352を備えることができる。ブロア351によって、給気部352から外気等を吸引し、ブロア351を介して外部へ誘導することで上述の気流を形成できる。このような送風により、還元剤32と被処理液26との接触効率を向上させて、透明化を促進することができる。
上記「透明化剤添加手段(7)」は、被処理液26に透明化剤75の添加を行う手段である。前述のように、透明化剤75の添加は、散気工程前の被処理液、散気工程中の被処理液、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、及び、還元剤接触工程中の被処理液、のうちの少なくともいずれかの被処理液に対して行うものである。従って、透明化剤添加手段7は、上記添加時期の少なくともいずれかの被処理液に透明化剤を添加できる手段であればよい。このうち、図1―図3には、散気工程中の被処理液、及び/又は、散気工程後且つ還元剤接触工程前の被処理液、に対して透明化剤75を添加できる透明化剤添加手段7を例示している。
透明化剤添加手段7は、図1−3に例示するように、透明化剤75を貯留するための透明化剤貯留タンク71を備える。また、所定の供給箇所へと透明化剤75を供給するための透明化剤供給管路72(図1−図3では、循環用管路221に接続されている)を備える。更に、透明化剤75を透明化剤貯留タンク71から送出するためのポンプ74及び流量計(図示されない)を配設できる。また、循環用管路221へ透明化剤75を供給するか否かを選択するためのバルブ76を備えることができる。
本発明の装置は、散気手段2、撹拌手段29、還元剤接触手段3、及び透明化剤添加手段7以外に他の手段を備えることができる。他の手段としては、前述した濾過(濾過工程)を行う濾過手段8が挙げられる。
濾過手段8は、濾過を行うことができればよく、その構成は特に限定されないが、例えば、図1−図3に例示するように、フィルタ81及び相溶性透明含水油を取り出すための取出管路83を備えることができる。また、フィルタ81は、1つのみを備えてもよく、2つ以上を備えてもよい。複数のフィルタを備える場合には、1つのフィルタの濾過完了を待たずに、他のフィルタに被処理液26を導入して濾過を行うことができ、濾過速度による律速を装置全体で緩和できる。また、複数のフィルタを備える場合には、各フィルタを、各々油の種類により使い分けることもできる。
フィルタの内部構造は、図1−図3に図示されないが、例えば、ポリプロピレンの化繊紙を使用した、濾過精度(JIS Z8901の7種のダストを混合した液において濾過効率90%となる粒径)が略5μmのフィルタ部材が収容された形態とすることができる。
また、本装置1では、循環機能部22を備える場合に、循環機能部22はスタティックミキサー226(図3参照)を備えることができる。スタティックミキサー226は、循環機能部22内に配置されればよく、その設置位置は特に限定されないが、通常、透明化剤添加手段7よりも下流側(被処理液26に透明化剤が添加された後に、スタティックミキサー226を通過する位置)に設置することが好ましい(図3参照)。また、スタティックミキサー226には、ヒータジャケットを巻回設置できる。
スタティックミキサー226は、動的攪拌部を有さない静止型混合器である。このスタティックミキサー226は、管と、管内に長手方向に連接して配置された複数のミキシングエレメントとを有する。これらのミキシングエレメントは、各々が長方形の板を180度ねじった形状をなしている。そして、ミキシングエレメントは、そのねじれ角度が端部で互いに直交するように連接されている。このような形態によって、スタティックミキサー226内を通過する被処理液26は、流れが、分割、転換、及び反転され、これらが繰り返されて、効率的にエマルジョン化される。管内に配設されるミキシングエレメントの数は特に限定されないが、4個以上が好ましい。また、通常、30個以下である。また、管の長さL(mm)と管の直径D(mm)の比L/Dは20〜200が好ましい。
更に、本装置1では、散気槽21は、被処理液26の液面に、散気による被処理液26の飛散や、過度の泡立ちを抑制するために、被処理液カバー27を設けることができる。この被処理液カバー27は、被処理液26の表面に浮かべて利用できる。具体的には、通気性を有する不織布等を利用することができる。
本方法及び装置によって製造が可能な相溶性透明含水油の、原料油に対する加工水の混合率(体積%)の上限は、通常、下記の通りである。
ガソリン 30%
軽油 30%
灯油 40%
A重油 40%
C重油 30%
バンカーC重油 30%
パーム油(バイオディーゼル燃料を含む) 30%
また、特に、パーム油等の植物油は、鉱物油とは異なり一般に融点が高く、元来、冬期や寒冷地での使用には不向きであったが、本発明方法によって得られる含水油では、融点を−20℃まで下げることが可能となり、燃料油としての実用価値が高められる。
以下、実施例を用いてより具体的に説明する。
[1]相溶性透明含水油製造装置
〈実施例1〉
相溶性透明含水油を製造するに際して、図1に示した相溶性透明含水油製造装置1を利用できる。
装置1は、給水手段4と給油手段5とを備える。このうち、給水手段4は、水貯留タンク41と、給水管路42及び45と、ポンプ46、流量計47、スプレー投入部(スプレーヘッド)48を備える。一方、給油手段5は、油貯留タンク51、給油管路52、流量計53、ポンプ54を備える更に、水貯留タンク41に加工水49を貯留でき、油貯留タンク51には油55を貯留できる。
水貯留タンク41に貯留された加工水49は、給水管路45、ポンプ46、流量計47を通過して、スプレー投入部48から散気槽21内に投入される。また、油貯留タンク51に貯留された油55は、給油管路52、流量計53、ポンプ54を通過して、散気槽21内に投入される。
更に、装置1は、散気手段2を備える。この散気手段2は、散気槽21、循環機能部22、散気体23、給気管路24を備える。散気槽21に投入された被処理液26の表面に、被処理液カバー27を浮かべた状態で、散気手段2を利用して気体25が散気される。
更に、装置1は、図6に示す撹拌手段29を備える。即ち、撹拌手段29は、1つのオロイド撹拌翼1と、2つの回動軸292(292及び292)と、2つの二股桿293(293及び293)と、駆動軸294(294及び294)と、連設部295と、を備える。回動軸292は、1つのオロイド撹拌翼291に対して、2つの回動軸292及び292を備える。これらの回動軸は、各々、オロイド撹拌翼291を構成する2つの仮想円板A及びBの中心を通り、当該仮想円板A及びBに対して直交(円板の表面に対して垂直)されるように、挿通されている。また、二股桿293は、2つの回動軸292及び292の各々に対応して、2つの二股桿293及び293を備え、各二股桿293は、各々1つの回動軸292が回動自在となるように、回動軸292と接続されている。更に、駆動軸294は、2つの二股桿293及び293の各々に対応して、2つの駆動軸294及び294を備える。この駆動軸294は二股桿293とユニバーサルジョイントを介して接続されている。また、駆動軸294及び294は連設部295によって連設されている。そして、この撹拌手段29は、図1に示すように、散気槽21内の被処理液26にオロイド撹拌翼291が浸漬されるように浮かべて設置されている。
また、循環用管路221には、透明化剤添加手段7が接続される。透明化剤添加手段7は、透明化剤貯留タンク71、透明化剤供給管路72、ポンプ74及び流量計73を備える。そして、被処理液26が循環機能部22において循環される間に、被処理液26に対して透明化剤75が添加される。
散気槽21内の被処理液をサンプリングし、サンプリングした被処理液の下部に水が分離して滞留することなく、その全体がエマルジョン状態となったことを目安に散気を終了する。その後、被処理液26が還元剤接触手段3の側へ流入するようにバルブ311により所定の流路を開放し、被処理液26を還元剤接触手段3へと送出する。また、切替流路312を備えることで、本装置1は、連続製造するか、バッチ製造するかを必要に応じて選択できる構成となっている。
還元剤接触手段3は、濾過手段8に対して上流に配置されている。濾過手段8は、還元剤接触手段3に対して下流に配置されている。還元剤接触手段3へ導入された被処理液27は、還元剤32と接触された後、還元剤接触手段3から排出されて、濾過手段8へと送出されて濾過されて、被処理液26は透明化され且つぬめり成分が除去される。
尚、還元剤接触手段3及び濾過手段8は以下のようにして一体的に構成できる。即ち、濾過手段8内のフィルタ81に濾材が収容し、更に、濾材内には還元剤32が充填することができる。即ち、濾材が還元剤接触槽31として機能されている。
この場合、還元剤接触手段3へ導入された被処理液26は、還元剤32と接触された後、濾材の内側から外側へ濾過されながら滲出される。即ち、還元剤接触工程と濾過工程とが実質的に同時に行われることとなる。また、還元剤接触手段3及び濾過手段8内では、圧力をかけずに自然流下によって、被処理液26が通過されて、透明化され且つぬめり成分が除去される。
〈実施例2〉
相溶性透明含水油を製造するに際して、図2に示した相溶性透明含水油製造装置1を利用できる。
図2の相溶性透明含水油製造装置1は、還元剤接触手段3に滴下手段34(図7参照)が設けられており、更に、送風手段35(図2参照)を備える点において、図1の相溶性透明含水油製造装置1と異なっている。
滴下手段34は、その中心部に液受け部341を備える。液受け部341は、被処理液26を、滴下流路342へと分配するために、被処理液26を一時的に貯留する部位である。この液受け部341は、その下部に、滴下方向(還元剤接触槽31の上部から下部へ向かう方向)に対して90度となる方向へ伸びる滴下流路342を2本備える。この2本の滴下流路342は、各々、その下面に、被処理液26を滴下するための複数の滴下孔343を備える。1本の滴下流路342が備える滴下孔343の数は10個である。
また、滴下孔343は、回動中心349から遠ざかるに従って大きくなるように穿孔されている。
更に、液受け部341は、液受け部341の底部中央に、内部(液受け部341の内側)へ向かうように凹んだ有底凹部344が設けられている。この有底凹部344は、シャフト345に対する軸受として機能する。そしてシャフト345を備える。シャフト345は、先端の接触面積が小さくなるように先窄まりの形状されている。このシャフト345は、基部346に垂直に立設されるとともに、シャフト345の先端が、有底凹部344の底部に接するように有底凹部344内に緩挿されている。
送風手段35は、滴下時に、粒状還元材32の下方から上方(被処理液26は、粒状還元材32の上側から落下されて、粒状還元材32の上部へと滴下される)へ向かって送風する手段である。送風手段35は、還元剤接触槽31の上部にブロア351を備え、更に、還元剤接触槽31の下部に給気部352を備える。ブロア351によって、給気部352から外気等を吸引し、ブロア351を介して外部へ誘導することで気流を形成する。
〈実施例3〉
相溶性透明含水油を製造するに際して、図3に示した相溶性透明含水油製造装置1を利用できる。
図3の相溶性透明含水油製造装置1は、図2の相溶性透明含水油製造装置1と、以下の5点で異なっている。即ち、(1)気体調製手段6を備えること、(2)直流電源91に接続された導電体92を備えること、(3)スタティックミキサー226を備えること、(4)磁鉄鉱石224が充填された磁鉄鉱石接触槽223を備えること、(5)磁鉄鉱石接触槽223に巻回されたヒータジャケット95を備えること、である。
このうち、導電体92は、30Vの直流電源91に接続された銅製の導電体92である。この導電体92は、散気槽21と接触されないように散気槽21に固定される。また、導電体92はその一部が散気槽21内の被処理液26に浸漬され、被処理液26と接触される。
また、ヒータジャケット95は、磁鉄鉱石接触層223の外周に巻回されており、磁鉄鉱石224を間接的に加熱できるようになっている。そして、磁鉄鉱石接触層223に流通される被処理液26は、磁鉄鉱石224によって加熱され、温度約40℃に加熱される。
図3の相溶性透明含水油製造装置1を利用することで、図2の装置を用いた場合に比べて、通常、相溶性透明含水油の製造時間を1/3に短縮できる。
〈実施例4〉相溶性透明含水油の製造
図2に示した相溶性透明含水油製造装置1を用いて、軽油70体積%及び加工水30体積%となる相溶性透明含水油の製造を行なう。
油貯留タンク51に軽油を投入し、水貯留タンク41に加工水49を貯留する。加工水49は、脱イオン水(酸化還元電位が300〜500mV)の酸化還元電位を電気分解により−700mV(温度20℃においてORP計にて計測される値)にした液体である。
散気槽21に投入された軽油(70L)の表面に、被処理液カバー27を浮かべた状態で、気体25を上限400m/分の範囲で流量調節しながら散気する。この際には、撹拌手段29を利用して、オロイド撹拌翼291を揺動回転させて撹拌を行った。
次いで、水貯留タンク41内から加工水(49)30Lをスプレー投入部48から吐出して、散気槽21に投入する。加工水の投入が完了すると、被処理液26を循環機能部22へと流通されて、被処理液26を循環させながら散気及び撹拌を継続する。
被処理液26を循環させている間、透明化剤添加手段7からは、シクロヘキシルアミン:メチルアルコールが20体積%:80体積%の割合で混合された透明化剤を、被処理液100体積部に対して2体積部投入する。
そして、散気槽21内の被処理液をサンプリングし、サンプリングした被処理液の下部に水が分離して滞留することなく、その全体がエマルジョン状態となったことを目安に散気を終了し、被処理液26を還元剤接触手段3へと送出する。
還元剤接触手段3及び濾過手段8を通過した被処理液26は、透明化された相溶性透明含水油であった。また、得られた相溶性透明含水油は、燃油として内燃機関で問題なく利用することができるとともに、静置した状態で油水の分離は認められなかった。
また、還元剤接触工程を行わない以外に、同様の操作を行った場合、濾過手段8を通過した被処理液26が乳化状態を維持している場合がある。この場合には、静置することで約10〜24時間掛けて次第に透明化されることとなる。対して、実施例4では、還元剤接触工程を経ることで、濾過手段8を通過した被処理液26は、透明化された状態となっている。即ち、還元剤接触工程を設けることにより、油水エマルジョンが透明化されるまでの時間を短縮することができる。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法は、鉱物油(石油由来のA重油、C重油、バンカーC重油、軽油、灯油、ガソリン等の化石燃料)やパーム油等の植物油を原料とした含水油の製造方法として、幅広く利用可能である。
1;相溶性透明含水油製造装置、
2;散気手段、21;散気槽、22;循環機能部、23;散気体(被処理液を散気するための散気体)、24;給気管路、25;気体、26;被処理液、27;被処理液カバー、28;流通管、
221;循環用管路、223;磁鉄鉱石接触槽、224;磁鉄鉱石、225;ポンプ、
29;撹拌手段、291;オロイド撹拌翼、292(292及び292);回動軸、293(293及び293);二股桿、294(294及び294);駆動軸、295;連設部、
3;還元剤接触手段、31;還元剤接触槽、311;バルブ、312;切替流路、32;還元剤(粒状還元材)、
34;滴下手段、341;液受け部、342;滴下流路、343;滴下孔、344;軸受、345;シャフト、349;回動中心、
35;送風手段、351;ブロア、352;給気部、
4:給水手段、41;水貯留タンク、42、45;給水管路、46;ポンプ、47;流量計、48;スプレー投入部(スプレーヘッド)、49;水又は加工水
5;給油手段、51;油貯留タンク、52;給油管路、53;流量計、54;ポンプ、55;油、
6;給気手段、61;磁鉄鉱石、62;気体調製槽、63;バルブ、64;流量計、
7;透明化剤添加手段、71;透明化剤貯留タンク、72;透明化剤供給管路、73;流量計、74;ポンプ、75;透明化剤、76;バルブ、
8;濾過手段、81;フィルタ、83;取出管路、
91;導電体、92;直流電源、95;ヒータジャケット。

Claims (9)

  1. 油と、負の酸化還元電位を呈した水と、が共存された被処理液を、散気しながら撹拌してエマルジョン化する散気工程と、
    前記散気工程を経て得られた油水エマルジョンを含む被処理液を、還元剤と接触させる還元剤接触工程と、
    前記散気工程前の被処理液、前記散気工程中の被処理液、前記散気工程後且つ前記還元剤接触工程前の被処理液、及び、前記還元剤接触工程中の被処理液、のうちのいずれかの被処理液に対して、透明化剤を添加する透明化剤添加工程と、を備え、
    前記散気工程における撹拌は、オロイド撹拌翼を揺動回転させて行い、
    前記透明化剤が、アミン化合物、水溶性のアルコール、水溶性のケトン及び水溶性のエーテルのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする相溶性透明含水油の製造方法。
  2. 前記還元剤は、亜硫酸塩を含む請求項1に記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  3. 前記散気工程は、散気槽内で行われ、
    前記散気を行っている間に、前記散気槽内にある被処理液を、前記散気槽の下部から槽外へ取出して前記散気槽の上部から槽内へ再投入するように循環される請求項1又は2に記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  4. 前記還元剤接触工程は、粒状担体に前記還元剤を担持した粒状還元材を充填した還元剤接触槽内に、前記被処理液を滴下することによって前記接触を行う工程である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  5. 前記還元剤接触工程と同時、又は、前記還元剤接触工程の後に、それまでに得られた被処理液を濾過する濾過工程を、更に、備える請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  6. 前記油が、燃料油である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の方法のための相溶性透明含水油製造装置であって、前記散気を行う散気手段と、
    オロイド撹拌翼を備え、前記オロイド撹拌翼を揺動回転させて前記撹拌を行う撹拌手段と、
    前記散気手段を経て得られた油水エマルジョンを含んだ被処理液を、還元剤と接触させるための還元剤接触手段と、
    透明化剤を添加する透明化剤添加手段と、を備えることを特徴とする相溶性透明含水油製造装置。
  8. 前記散気手段は、散気槽と循環機能部とを備え、
    前記循環機能部は、前記散気工程中の被処理液を、前記散気槽の下部から槽外へ取出して前記散気槽の上部から槽内へ再投入できる機能部である請求項7に記載の相溶性透明含水油製造装置。
  9. 請求項4に記載の方法のための相溶性透明含水油製造装置であって、前記散気を行う散気手段と、
    オロイド撹拌翼を備えて、前記オロイド撹拌翼を揺動回転させて前記撹拌を行う撹拌手段と、
    前記散気手段を経て得られた油水エマルジョンを含んだ被処理液を、還元剤と接触させるための還元剤接触手段と、
    透明化剤を添加する透明化剤添加手段と、を備え、
    前記還元剤接触手段は、粒状担体に前記還元剤を担持した粒状還元材を充填するための還元剤接触槽と、前記還元剤接触槽内に、前記被処理液を滴下する滴下手段を備え、
    前記滴下手段は、滴下方向に対して90度となる水平面内で回動可能とされ、その回動中心から遠ざかるように延設された少なくとも1本の滴下流路を備え、
    前記滴下流路は、その下面に前記被処理液を滴下するための複数の滴下孔を備えており、前記滴下孔は、前記回動中心側よりも前記回動中心から遠ざかる側で大きくなるように穿孔されていることを特徴とする相溶性透明含水油製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108970205A (zh) * 2018-07-20 2018-12-11 芜湖杨燕制药有限公司 驱虫斑鸠菊注射剂的配液装置
CN109289644A (zh) * 2018-10-30 2019-02-01 深圳市乐业科技有限公司 一种自动化领域的新型高效液体物料配制设备

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