<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,第1作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,第2作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、第1作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、第1作動口33に対する第2作動口34の有利性を高める上では、第1作動口33に係る払出個数よりも第2作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、共に上向きに開放されている。第1作動口33は、可変表示ユニット36と上下方向(鉛直方向)に並ぶように可変表示ユニット36の下方に位置している。第2作動口34は、可変表示ユニット36を正面からみて右方に位置している。
スルーゲート35は、可変表示ユニット36と幅方向に並ぶようにして、可変表示ユニット36の左右方向にそれぞれ一箇所づつ設けられている。スルーゲート35は、上下方向に遊技球が通過可能となっており、スルーゲート35に入賞した遊技球は遊技領域から排出されることなく、遊技領域における下流側に流下するようになっている。以下、説明の便宜上、可変表示ユニット36を正面からみて左側に設けられたものを第1スルーゲート35a、右側に設けられたものを第2スルーゲート35bという。
第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。また、第2作動口34の上方に位置するようにして、規制釘38aが設けられている。
ここで、電動役物34a及び規制釘38aについて図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。電動役物34aは、各スルーゲート35a,35bに遊技球が入賞したことをトリガとして開放状態となるようになっている。
電動役物34aが閉鎖状態にある場合には規制釘38aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう第2作動口34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで第2作動口34への入賞が可能となる。詳細には、電動役物34aが十分に開放されるまでは第2作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は電動役物34aの側面又は規制釘38aに当たって外側に弾かれ、第2作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には第2作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ第2作動口34への入賞が容易となる。
なお、電動役物34aの閉鎖状態において、第2作動口34に遊技球が入賞できない又は入賞しにくいようになっていれば、上記構成を変更してもよい。例えば、規制釘38aに代えて、電動役物34aの開放状態においては第2作動口34に遊技球が入賞し得るように、閉鎖状態において遊技球の入賞を阻害する阻害役物が設けられているものが考えられる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
第1結果表示部ASでは、第1作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第1作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第2作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、各スルーゲート35a,35bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、各スルーゲート35a,35bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート35a,35bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。各スルーゲート35a,35bへの入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が2回行われることとなる2ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球が各スルーゲート35a,35bを通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
発射ハンドル54の操作により、遊技領域における所定位置に遊技球が到達するように遊技を行うことが可能となっている。本実施の形態では、第1作動口33に遊技球が入賞するよう遊技を行う場合と、第2作動口34に遊技球が入賞するように遊技を行う場合と、がある。
ここで、遊技領域における遊技球が流下していく流下経路について説明する。流下経路は、可変表示ユニット36によって第1経路と第2経路とに区分けされている。第1経路は、可変表示ユニット36を正面からみて左側を遊技球が流下していく経路であり、第1経路には、第1作動口33及び第1スルーゲート35aが設けられている。第2経路は、可変表示ユニット36を正面からみて右側を遊技球が流下していく経路であり、第2経路には、第2作動口34及び第2スルーゲート35bが設けられている。そして、第1経路及び第2経路は、第1作動口33の下方にて合流するようになっている。
上記構成であることにより、第1経路を流下する遊技球が第1作動口33及び第1スルーゲート35aに入賞し得るようになっており、第2経路を流下する遊技球が第2作動口34及び第2スルーゲート35bに入賞し得るようになっている。遊技球が流下する経路が区分けされていることにより、第1経路を流下する遊技球が第2作動口34及び第2スルーゲート35bに入賞しないようになっており、第2経路を流下する遊技球が第1作動口33及び第1スルーゲート35aに入賞しないようになっている。
補足すると、遊技領域における第1作動口33と第2作動口34とに挟まれた位置に釘群38bが設けられている。釘群38bは、可変表示ユニット36の下方において第1経路と第2経路を区分けしており、第2経路を流下した遊技球が第1経路に流れ込むことを抑制している。なお、第2経路を流下する遊技球が第1経路に流れ込むことを抑制可能ならば釘群38bが設けられていなくともよい。
つまり、第1作動口33に遊技球を入賞させる場合には、第1経路を遊技球が流下するよう発射ハンドル54を遊技者は操作し、第2作動口34に遊技球を入賞させる場合には、第2経路を遊技球が流下するよう発射ハンドル54を遊技者は操作する。このため、遊技の進行に応じて、発射ハンドル54の操作を遊技者に変更させることが可能となる。この結果、遊技の進行に応じて発射ハンドル54の操作を変更することがない又はする必要がない構成と比して、遊技が単調化することを抑制している。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源・発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及び各スルーゲート35a,35bなどといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、各スルーゲート35a,35bへの入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、第2作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継し、また電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る内容について説明する。
表示制御装置212には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが予め記憶されている。
また、図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。この場合、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1大当たりや第2大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4と、を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリアに格納される。
保留球格納エリアは、第1取得情報記憶手段としての第1結果表示部用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段としての第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域と、を備えている。第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、第1作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1結果表示部用保留エリアRaには、第1作動口33への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
第2結果表示部用保留エリアRbも同様に、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、第2作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。第1エリア〜第4エリアに情報が格納される順序は、第1結果表示部用保留エリアRaと同様である。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2結果表示部用保留エリアRbには、第2作動口34への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。総保留数記憶領域は、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶する機能を有している。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「71」,「93」,「113」,「137」,「151」,「173」,「199」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「199」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」〜「9」である大当たり数値情報が参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が9個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が9/200であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が10/200であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるものであり、確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるものである。
振分テーブルにおいて、「0〜3」が通常大当たり結果に対応しており、「4〜19」が確変大当たり結果に対応している。すなわち、大当たり結果となった場合、20%が通常大当たり結果に振り分けられ、80%が確変大当たり結果に振り分けられるようになっている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチ表示を発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、各スルーゲート35a,35bのいずれかに遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU202の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM204の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35a,35bへの入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、第2作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち第1作動口33,第2作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理のステップS501にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図11のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。その後、本情報取得処理を終了する。
また、本情報取得処理におけるステップS304の処理が実行された場合、各作動口33,34のいずれに入賞したものであるかを示す保留コマンドが音声ランプ制御装置82に送信される(後述する通常処理の外部出力処理にて送信される)。音声ランプ制御装置82では、第1作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、第2作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図12のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球が各スルーゲート35a,35bのいずれかに入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS401でスルーゲート35a,35bのいずれにも遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が各スルーゲート35a,35bに入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。ステップS403の処理が実行された場合、通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて各スルーゲート35a,35bに遊技球が入賞したことを示すコマンドが音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、当該コマンドを受信したことにより第3保留ランプ部47を左側から順次点灯させる。例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、電源投入時のリセットに伴い起動される通常処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509及びS510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
続くステップS505では、第2作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS507では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS507にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS511以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS513にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図14〜図16のフローチャートを参照して説明する。
図14に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS610の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口33及び第2作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。
ステップS804にて大当たり当選である場合には、ステップS805にて確変回数カウンタエリア237の値が「5」であるか否かを判定する。確変回数カウンタエリア237は通常大当たり結果となることなく確変大当たり結果となった回数を把握するためのものである。確変回数カウンタエリア237の値が「5」でない場合には、ステップS806にて当選していた大当たりが確変大当たりか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たり結果に対応したものであったか否かを判定する。
確変大当たり結果である場合には、ステップS807にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。ステップS805にて確変回数カウンタエリア237の値が「5」である場合、又はステップS806にて確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。本パチンコ機10では、確変回数カウンタエリア237の値が「5」である場合、大当たり種別カウンタC2の値を参照することなく通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。このため、通常大当たり結果となることなく、5回よりも多く(すなわち、6回以上)連続して確変大当たり結果とならないようになっている。上述したように確変大当たり結果となった場合、開閉実行モードが終了した後に高確率モードが設定され、各大当たり当選となり易い。確率大当たり結果に連続して当選する回数に上限を設けたことにより、過度に高確率モードが設定され過度に大当たり結果となることを抑制できる。この結果、パチンコ機10を設置している遊技ホール等に予想外の不利益が発生することを抑制できる。また、ステップS804にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS809にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS807〜ステップS809の各停止結果設定処理では、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS807及びステップS808では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための確変大当たり結果に対応した情報又は通常大当たり結果に対応した情報をMPU202のレジスタに記憶する。
ステップS807〜ステップS809のいずれかの処理を実行したらステップS810に進む。ステップS810では、今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。そして、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、レジスタに、確変大当たり結果又は通常大当たり結果に対応した情報のいずれかが記憶されているか否かを判定する。いずれかの情報が記憶されている場合には、リーチ表示の発生として、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204に設けられた変動表示時間カウンタエリアに格納する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、上記処理を行う。
リーチ表示が発生しない場合には、共通保留数CRNを把握する。そして、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値及び共通保留数CRNの数に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204の変動表示時間カウンタエリアにセットする。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
ステップS810にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS811にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり当選の情報、通常大当たり当選の情報、外れ結果の情報などが含まれる。設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。
音声ランプ制御装置82では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合、それらコマンドをそのまま表示制御装置212に出力する。表示制御装置212では、受信したコマンドに基づいて遊技回が終了する場合に図柄表示装置41に最終停止表示させる停止図柄及びその停止図柄を最終停止表示させるまでの図柄の変動表示態様を決定する。上述したように、確変大当たり結果及び通常大当たり結果に対応した図柄が予め設定されており、受信した種別コマンドが確変大当たり当選に対応していた場合、確変大当たり当選に対応した最終停止図柄として同一の奇数図柄の組み合わせを停止表示させる。また、受信した種別コマンドが通常大当たり結果に対応していた場合、通常大当たり当選に対応した最終停止図柄として同一の偶数図柄の組み合わせを停止表示させる。
その後、ステップS812にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS610の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動開始処理の変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS807〜S809のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
変動終了コマンドを設定したらステップS610に進み、遊技回数カウンタ減算処理を実行する。遊技回数カウンタ減算処理では、主制御装置81のRAM204に設けられた遊技回数カウンタエリア236の値を1ディクリメントする。本パチンコ機10では、遊技回数カウンタエリア236の値によって、経過した遊技回数を把握することが可能となっている。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図17〜図19のフローチャートを参照して説明する。
図17に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS901にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、レジスタに確変大当たり結果又は通常大当たり結果に対応した情報(ステップS807又はステップS808にて記憶される情報)が記憶されているか否かを判定する。上記情報が記憶されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS903にて開閉実行モードへの移行有りと判定した場合、ステップS904にて今回の開閉実行モードへの移行が確変大当たり結果に対応しているかを判定する。ステップS904にて確変大当たりに対応している場合、ステップS905に進み、MPU202のRAM204に設けられた確変回数カウンタエリア237の値を1インクリメントする。続くステップS906にて確変大当たりフラグを各種フラグ格納エリア235の大当たりフラグ格納エリアにセットする。
ステップS904にて今回の開閉実行モードの移行が確変大当たり結果に対応していないと判定した場合、すなわち、通常大当たり結果に対応したものであると判定した場合、ステップS907に進み、確変回数カウンタエリア237の値を「0」にクリアする。続くステップS908にて通常大当たりフラグを上述した大当たりフラグ格納エリアにセットする。大当たりフラグ格納エリアに通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかがセットされることにより、開閉実行モードが終了した場合に、高確率モード又は低確率モードのいずれを設定するかが特定できる。確変大当たりフラグがセットされた場合、開閉実行モードが終了した場合に高確率モードが設定され、通常大当たりフラグがセットされた場合、開閉実行モードが終了した場合に低確率モードが設定される。
また、確変大当たり結果となった場合、確変回数カウンタエリア237の値が1インクリメントされるとともに、通常大当たり結果となった場合、確変回数カウンタエリア237の値が「0」にクリアされる。
続くステップS909にて、RAM204の第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
第1ラウンドカウンタエリアRC1に値をセットしたらステップS910に進み、今回の大当たり当選が第2作動口34への遊技球の入賞に基づくものであるか否かを判定する。詳細には、今回の遊技回が実行された場合に第2結果表示部フラグがセットされたか否かによって判定する。第2結果表示部フラグがセットされていた場合、ステップS911に進み、各種フラグ格納エリア235に設けられた高頻度入賞モードフラグ格納エリアに高頻度入賞モードフラグをセットしてステップS912に進む。一方、ステップS910にて第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合、高頻度入賞モードフラグをセットすることなくステップS912に進む。
ステップS912ではオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS912の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS913にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、図18のフローチャートに示す通り、先ずステップS1001にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態である場合に大入賞口32aを開放中であると判定する。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1002にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が0か否かを判別すると共に、ステップS1003にてRAM204に設けられた第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判別する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合又は第1タイマエリアT1の値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でなく且つ第1タイマエリアT1の値が0である場合には、ステップS1004に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。続くステップS1005では、大入賞口32aに入賞した遊技球の数を記憶するための入賞カウンタPCに「0」をセットする。その後、ステップS1006では、高頻度入賞モードフラグが高頻度入賞モードフラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。高頻度入賞フラグがセットされている場合、ステップS1007に進み、第1タイマエリアT1に14750(すなわち29.5秒)をセットする。一方、高頻度入賞モードフラグがセットされていない場合、ステップS1008に進み、第1タイマエリアT1に100(すなわち、0.2秒)をセットする。
ステップS1007、又は、ステップS1008にて第1タイマエリアT1に値をセットした後、ステップS1009に進み、開放コマンドをセットし本処理を終了する。第1タイマエリアT1は2msec周期にて減算されるようになっており、第1タイマエリアT1に14750がセットされた場合、大入賞口32aが最大29.5秒間開放され、第1タイマエリアT1に100がセットされた場合、大入賞口32aが最大0.2秒開放されることとなる。ここで、開放コマンドとは音声ランプ制御装置82を介して表示制御装置212に対して送信されるものである。表示制御装置212は、当該コマンドを受信することにより、大入賞口32aが開放されたことを認識し、大入賞口32aが開放されている間に表示すべき動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
また、ステップS1001にて大入賞口32aが開放中である場合にはステップS1010に進み、第1タイマエリアT1の値が0か否かを判別する。第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合、ステップS1011にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを判別する。大入賞口32aに遊技球が入賞していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、大入賞口32aに遊技球が入賞していた場合には、ステップS1012にて入賞カウンタPCの値を1加算した後にステップS1013にて入賞カウンタPCの値が「8」か否かを判別し、「8」でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS1010にて第1タイマエリアT1の値が「0」の場合、又はステップS1013にて入賞カウンタPCの値が「8」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1014にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを制御する。続くステップS1015では第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップS1016にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が0か否かを判別する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が0でない場合にはステップS1017にて第1タイマエリアT1に「1000(すなわち2秒)」をセットし、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合にはステップS1018にて第1タイマエリアT1に「5000(すなわち10秒)」をセットする。その後、ステップS1019にて閉鎖コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、閉鎖コマンドとは音声ランプ制御装置82を介して表示制御装置212に対して送信されるものである。表示制御装置212は、当該コマンドを受信することにより、1回のラウンドが終了したことを認識し、例えば次回のラウンド数等を教示する開放前動画や、開閉実行モードが終了したことを示すエンディング動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
高頻度入賞モードフラグがセットされている場合、高頻度入賞モードフラグがセットされていない場合に比べ、大入賞口32aが開放される期間が長くなっている。以下、高頻度入賞モードフラグがセットされている開閉実行モードを高頻度入賞モードといい、高頻度入賞モードフラグがセットされていない開閉実行モードを低頻度入賞モードという。上述したように、高頻度入賞モードフラグは、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合にセットされるものである。このため、第1作動口33への入賞に基づいた大当たり当選よりも、第2作動口34への入賞に基づいた大当たり当選の方が遊技者に有利となっている。補足すると、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
遊技状態移行処理の説明に戻り、大入賞口開閉処理を実行したらステップS914に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS915にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。また、ステップS915では、継続フラグのクリアとして各種フラグ格納エリア235に設けられた継続フラグ格納エリアをクリアする処理を実行する。継続フラグは、後述する開閉実行モード終了時の移行処理にてセットされるフラグである。
その後、ステップS916では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理の説明に先立ち、本パチンコ機10に設定されているサポートモードについて説明する。本パチンコ機10では、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1101にて、大当たりフラグ格納エリアに確変大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。確変大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1102にて確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグを格納する。これにより、高確率モードが設定される。高確率モードフラグは、次回大当たり当選となるまでクリアされることはない。このため、高確率モードが設定された場合、次回大当たり当選となるまで高確率モードが継続することとなる。なお、確率モードフラグ格納エリアには、低確率モードフラグ、又は、高確率モードフラグの一方がセットされている。つまり、一方のフラグがセットされることにより、他方のフラグが上書きされクリアされるようになっている。
続くステップS1103にて確変回数カウンタエリア237の値が「5」であるか否かを判定する。確変回数カウンタエリア237の値が「5」である場合、ステップS1104に進み、高頻度サポートフラグがサポートフラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、ステップS1105に進み、高頻度サポートモードフラグをサポートモードフラグ格納エリアにセットする。そして、ステップS1106に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。高頻度サポートコマンドは、通常処理(図13)のステップS501の外部出力処理にて出力される。
上述したように高頻度サポートモードにおいては、第1作動口33よりも第2作動口34に遊技球が入賞し易くなっている。また、設定された高頻度サポートコマンドは、音声ランプ制御装置82を介して表示制御装置212に対して出力される。表示制御装置212は、当該コマンドを受信した場合、第2作動口34に遊技球が入賞するように遊技を行うよう促すメッセージ(例えば、右を狙え)を表示するよう図柄表示装置41を制御する。
続くステップS1107にてRAM204に設けられた遊技回数カウンタエリア236に「4」をセットする。一方、ステップS1104にて高頻度サポートモードフラグが既にセットされている場合、ステップS1108に進み、遊技回数カウンタエリア236に「25」をセットする。ステップS1107、又は、ステップS1108にて遊技回数カウンタエリア236に値をセットしたら本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技回数カウンタエリア236の値は、1遊技回が終了するごとに1ディクリメントされるようになっており、遊技回数カウンタエリア236の値が「0」となった場合に高頻度サポートモードが終了するようになっている。すなわち、ステップS1107の処理が実行された場合、高頻度サポートモードが4遊技回に亘り継続するとともに、ステップS1108の処理が実行された場合、高頻度サポートモードが25遊技回に亘り継続する。
ステップS1103にて確変回数カウンタエリア237の値が「5」でない場合、ステップS1109に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS1110に進み、上述した高頻度サポートコマンドを設定する。続くステップS1111にて、各種フラグ格納エリア235に設けられた継続フラグ格納エリアに継続フラグをセットする。継続フラグがセットされている場合、継続した遊技回数に関わらず、高頻度サポートモードが継続するようになっている。ステップS1109にて高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、又は、ステップS1111にて継続フラグをセットした場合、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS1101にて確変大当たりフラグがセットされていない場合、すなわち、通常大当たりフラグがセットされている場合、ステップS1112に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS1113に進み、低確率モードフラグを確率モードフラグ格納エリアにセットする。続くステップS1114にて遊技回数カウンタエリア236に「100」をセットして本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。これにより、高頻度サポートモードが100遊技回に亘り継続する。
ステップS1112にて高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、ステップS1115に進み、低確率モードフラグがセットされているか否かを判定する。低確率モードフラグがセットされている場合、ステップS1116に進み、高頻度サポートフラグをサポートフラグ格納エリアにセットする。続くステップS1117にて上述した高頻度サポートコマンドを設定する。その後、ステップS1118にて遊技回数カウンタエリア236に「4」をセットして本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。これにより、高頻度サポートモードが4遊技回に亘り継続する。ステップS1115にて低確率モードフラグがセットされていない場合、ステップS1119にて低確率モードフラグをセットして本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理におけるステップS916にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行したらステップS917に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。開閉実行モードの終了処理では、大当たりフラグ及び高頻度入賞モードフラグのクリアとして、大当たりフラグ格納エリア及び高頻度入賞モードフラグ格納エリアをクリアする。開閉実行モードの終了処理を実行したら遊技状態移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS505の電役サポート用処理を図20及び図21のフローチャートを参照して説明する。
図20に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1201にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、第2作動口34の電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1202に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1203に進み、RAM204に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1204にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1205にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1206にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1207にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1208にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1209にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1210では、ステップS1209の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1211の処理を実行することなくステップS1212に進み、サポート当選である場合には、ステップS1211にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1212に進む。
ステップS1212では、継続フラグが継続フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合、そのまま本電役サポート用処理を終了する。継続フラグがセットされていない場合、ステップS1213に進み、遊技回数カウンタエリア236が「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタエリア236が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1214にて低頻度サポートフラグをサポートフラグ格納エリアにセットする。低頻度サポートフラグがセットされることにより、サポートフラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていた場合に、その高頻度サポートフラグが上書きされクリアされるようになっている。また、ステップS1212の処理を実行することにより、継続フラグがセットされている場合、遊技回数カウンタ236の値に関わらず、高頻度サポートモードが継続するようになっている。
続くステップS1215では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1215にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1216にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1217では、ステップS1216の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1218にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1202にて肯定判定をし、ステップS1219に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1220にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1221では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1222に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1301にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1302に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1303に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1304では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1305にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中でない場合にはステップS1301にて否定判定をし、ステップS1307に進む。ステップS1307では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1308にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1309にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1310にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1311にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1312にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<遊技状態の移行の様子>
ここで、図22の説明図を用いて、大当たり当選となった場合及びその大当たりが終了した場合の遊技状態の移行(設定)について説明する。
W1の状態では、高確率モードよりも大当たり当選となりにくい低確率モードと、低頻度サポートモードとが設定されている。低頻度サポートモードが設定されているため、第2作動口34の電動役物34aが開放状態となりにくく(開放状態となる期間が短く)、第1作動口33よりも第2作動口34に遊技球が入賞しにくくなっている。本パチンコ機10では、一方の作動口に向けて遊技球が発射されるように遊技を行う場合、他方の作動口には遊技球が入賞しにくくなっている。このため、W1の状態では、第2経路よりも第1経路を遊技球が流下するように遊技を行った方が遊技者に有利となっている。この結果、W1の状態では遊技者は第1経路を遊技球が流下するよう遊技を行うものと考えられる。
W1の状態において、確変大当たり当選となった場合、その当選に基づく開閉実行モード終了の後にW2の状態が設定される。W2の状態では、低確率モードよりも大当たり当選となり易い高確率モードと、低頻度入賞モードとが設定される。W2の状態にて確変大当たり当選となった場合、W3の状態が設定される。また、W3の状態で確変大当たり当選となった場合、W4の状態が設定される。さらには、W4の状態にて確変大当たり当選となった場合、W5の状態が設定される。W3〜W5の状態では、W2の状態と同様に高確率モード及び低頻度サポートモードが設定される。また、W2〜W5の状態のいずれかにて通常大当たり当選となった場合、W1の状態が設定されるようになっている。
なお、本パチンコ機10の出荷状態においては、W1の状態(低確率モード及び低頻度サポートモード)が設定されている。また、本パチンコ機10では、RAM204に記憶されている情報をクリアするRAMクリア処理を実行することが可能となっている。RAMクリア処理を実行することにより、パチンコ機10を設置している遊技ホール等にてパチンコ機10のRAM204に記憶されている情報をパチンコ機10の出荷状態のものとすることができる。つまり、RAMクリア処理を実行することにより、W1の状態が設定されるようになっている。
W5の状態にて確変大当たり当選となった場合、X1の状態が設定される。X1の状態では、高頻度サポートモードが4遊技回に亘り継続する。すなわち、低頻度サポートモードにおいて通常大当たり当選となることなく5回に亘り確変大当たり当選となった場合に、高頻度サポートモードが設定されるようになっている(開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1103〜ステップS1107)。また、W1の状態にて通常大当たり当選となった場合にも、X1の状態が設定されるようになっている(開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1115〜ステップS1118)。すなわち、低頻度サポートモードにおいて確変大当たり当選となることなく2回に亘り通常大当たり当選となった場合に、高頻度サポートモードが設定されるようになっている(開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1115〜ステップS1118)。このため、大当たり当選となる期待度が相対的に高い高確率モードの方が、大当たり当選となる期待度が相対的に低い低確率モードよりも、高頻度サポートモードが設定されるために連続して設定されなければならない回数が多くなっているといえる。
上述したように、大当たり当選となった場合、20%の割合で通常大当たり当選となり、80%の割合で確変大当たり当選となる。通常大当たり当選となる割合及び確変大当たり当選となる割合が上記のように設定されていることにより、連続して通常大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度よりも、連続して確変大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度の方が高くなっている。
なお、大当たり当選となる頻度に着目すれば、相対的に発生しにくい大当たり当選となることなく相対的に発生し易い大当たり当選となり続けた場合に高頻度サポートモードが設定されるようになっているといえる。また、相対的に発生しにくい大当たり当選の後に、相対的に発生し易い大当たり当選となることなく、再び相対的に発生しにくい大当たり当選となった場合に高頻度サポートモードが設定されるともいえる。そして、高頻度サポートモードが設定されるために当選し続ける回数が、相対的に発生しにくい大当たり当選の方が、相対的に発生し易い大当たり当選よりも少なくなっている。
X1の状態にて大当たり当選とならなかった場合、高確率モードである場合には、W6の状態が設定され、高確率モードが継続するとともに、低頻度サポートモードが設定された状態となる。また、低確率モードである場合には、W1の状態が設定される。W6の状態では、確変回数カウンタエリア237の値が「5」となっているため、確変大当たり当選となることがない。W6の状態にて通常大当たり当選となった場合、その大当たりの後にW1の状態が設定される。
上記構成であることにより、X1の状態にて大当たり当選となるまで、W1〜W6及びX1の状態が繰り返されるようになっている。W1〜W6の状態では、高頻度サポートモードが設定されておらず、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となっているものと考えられる。このため、高頻度入賞モードが設定されず、大当たり当選となったとしても大入賞口32aの開放期間が短い。この結果、W1〜W6の状態にて大当たり当選となったとしても、大入賞口32aに遊技球が入賞することがほとんどないようになっている。以下、W1〜W6の状態を、低頻度入賞遊技状態という。
X1の状態にて通常大当たり当選となった場合について説明する。X1の状態にて通常大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後にY1の状態が設定される。Y1の状態では、低確率モード及び100遊技回に亘り継続する高頻度サポートモードが設定される。この場合において、通常大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に再びY1の状態が設定される。Y1の状態は、高頻度サポートモードが設定されるため、低頻度入賞遊技状態よりも有利となっている。また、Y1の状態にて大当たり当選となることなく100遊技回が経過した場合、低頻度サポートモードが設定される。すなわち、Y1の状態が終了し、W1の状態が設定される。
連続して確変大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定された場合について説明する。確変大当たり当選には5回までしか連続しないようになっており、W5の状態にて確変大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定された場合、通常大当たり当選にのみなり得る。X1の状態では確変大当たり当選とならず高確率モードが設定されないとしても、X1の状態にて通常大当たり当選となったことに基づいて高頻度サポートモードが設定されることにより遊技者に特典を付与することができる。
X1又はY1の状態にて確変大当たり当選となった場合、Y2の状態が設定される。Y2の状態では高確率モード及び高頻度サポートモードが設定される。そして、Y2の状態にて確変大当たり当選となった場合、Y3の状態が設定される。また、Y3の状態にて確変大当たり当選となった場合、Y4の状態が設定される。さらには、Y4の状態にて確変大当たり当選となった場合、Y5の状態が設定される。Y3〜Y5の状態では、Y2の状態と同様に高確率モード及び高頻度サポートモードが設定される。Y2〜Y5の状態が設定された場合、開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1109〜ステップS1111の処理が実行されており、継続フラグが継続フラグ格納エリアにセットされている。このため、Y2〜Y5の状態においては、大当たり当選となるまで、高頻度サポートモードが継続するようになっている。また、Y2〜Y5の状態のいずれかにて通常大当たり当選となった場合、Y1の状態が設定される。
Y5の状態にて、確変大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後にZ1の状態が設定される。Z1の状態では、高確率モード及び25遊技回に亘り継続する高頻度サポートモードが設定される(開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1101〜ステップS1104及びステップS1108)。
Z1の状態が設定された場合について説明する。Z1の状態では、確変回数カウンタエリア237の値が「5」となっているため、すなわち、連続して確変大当たり当選となり得る上限に達しているため、確変大当たり当選とはならないようになっている。このため、Z1の状態が設定された場合、通常大当たり当選としかなり得ず、その大当たり当選に基づく開閉実行モードが終了した場合に自ずとY1の状態が設定される。また、Z1の状態にて、高頻度サポートモードが終了するまでに大当たり当選とならなかった場合、W6の状態が設定されるようになっている。
X1,Y1〜Y5及びZ1の状態では、高頻度サポートモードが設定されており、電動役物34aが開放状態となり易く、第1作動口33よりも第2作動口34に遊技球が入賞し易い。具体的には、第2作動口34の電動役物34aが開放状態となり易く(開放状態となる期間が長く)、第1作動口33よりも第2作動口34に遊技球が入賞し易くなっている。本パチンコ機10では、一方の作動口に向けて遊技球が発射されるように遊技を行う場合、他方の作動口には遊技球が入賞しにくくなっている。このため、X1,Y1〜Y5及びZ1の状態では、第1経路よりも第2経路を遊技球が流下するように遊技を行った方が遊技者に有利となっている。この結果、X1,Y1〜Y5及びZ1の状態では遊技者は第2経路を遊技球が流下するよう遊技を行うものと考えられる。
このため、X1,Y1〜Y5及びZ1の状態にて大当たり当選となった場合、第2作動口34への入賞に基づいた大当たり当選であることが考えられる。この場合、高頻度入賞モードが設定され、大当たり当選となった場合に大入賞口32aの開放期間が長くなる。これにより、大入賞口32aに遊技球を入賞させることが可能であり、遊技球が遊技者に払い出されるようになっている。以下、Y1〜Y5及びZ1の状態を高頻度入賞遊技状態という。
なお、上述したように、第1経路を流下した遊技球が入賞し得るように第1スルーゲート35aが設けられており、第2経路を流下した遊技球が入賞し得るように第2スルーゲート35bが設けられている。これにより、開閉実行モードにおいて第1経路及び第2経路のうち、いずれの経路を遊技球が流下するように遊技を行ったとしてもいずれかのスルーゲート35a,35bに遊技球が入賞し得るようにすることが可能となる。これは、開閉実行モードにおいて第1経路及び第2経路のうちいずれの経路を遊技球が流下するように遊技を行ったとしても、開閉実行モードの終了時に役物保留記憶数SNの値が「0」となっていることを抑制するための工夫である。これにより、開閉実行モードにおいて、第1経路及び第2経路のうち、いずれの経路を遊技球が流下するように遊技を行ったとしても、開閉実行モードが終了した場合に役物保留記憶数SNが「0」よりも大きくなり得る。この結果、開閉実行モードにおいて、例えば第1経路を遊技球が流下するように遊技を行った場合に、第2経路を遊技球が流下するように遊技を行った場合に比べ、開閉実行モードが終了した後に、電動役物34aが開放されるまでの期間が過度に長くなることを抑制できる。
ここで、高頻度サポートモードの継続と大当たり当選確率とについて説明する。上述したように、大当たり当選確率は、低確率モードにおいて9/200となっており、高確率モードにおいて10/200となっている。Y1の状態では100遊技回に亘り高頻度サポートモードが継続されるようになっているため、Y1の状態にて大当たり当選となる期待度が約99.0%となっている。このため、Y1の状態にて大当たり当選となることなく、100遊技回が経過することがほとんどないようになっている。Z1の状態では、高頻度サポートモードは25遊技回に亘り継続するため、Z1の状態にて大当たり当選となる期待度はY1〜Y5の状態にて大当たり当選となる期待度より低く約72.3%となる。このため、Z1の状態が設定された場合、4回に1回程度の割合にてW6の状態が設定される。
上記構成であることにより、Z1の状態において、大当たり当選となることなく所定遊技回数(25回)が経過するまで高頻度入賞遊技状態が継続するようになっている。すなわち、Y1〜Y5及びZ1の状態が繰り返されるようになっている。高頻度入賞遊技状態においては、大入賞口32aが開放状態となる期間が低頻度入賞遊技状態よりも長くなっており、遊技者に有利となっている。また、通常大当たり当選となることなく確変大当たり当選となり続けた場合にZ1の状態が設定され、さらに、Y1の状態とZ1の状態とで大当たり当選となる期待度がY1の状態の方が高く、さらに、Y1の状態では大当たり当選とならないことがほとんどないようになっている。これにより、高頻度入賞遊技状態においては、確変大当たり当選となるよりも通常大当たり当選となった方が遊技者に有利であるといえる。この結果、高頻度入賞遊技状態においては確変大当たり当選ではなく通常大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。
また、低頻度入賞遊技状態において、通常大当たり当選となることなく5回連続して確変大当たり当選となった場合に、X1の状態が設定される。また、確変大当たり当選となることなく2回連続して通常大当たり当選となった場合に、X1の状態が設定される。そして、連続して通常大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度よりも、連続して確変大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度の方が高くなるように設定されている。これにより、低頻度入賞遊技状態においては、通常大当たり当選となるよりも、確変大当たり当選となった方が遊技者に相対的に有利となっている。
特に、W2〜W5の状態においては、確変大当たりに少なくとも1回当選している状態である。このため、W2〜W5の状態においては、通常大当たり当選ではなく確変大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。
上記構成であることにより、低頻度入賞遊技状態におけるW2〜W5の状態と高頻度入賞遊技状態とで、遊技者が期待する大当たり当選の種類が異なるようになっている。さらに、同一の偶数図柄の組み合わせが通常大当たり当選に対応しており、同一の奇数図柄の組み合わせが確変大当たり当選に対応している。つまり、有効ライン上に停止することを遊技者が期待する図柄が、低頻度入賞遊技状態におけるW2〜W5の状態と高頻度入賞遊技状態とで異なるようになっている。
なお、Y1の状態にて大当たり当選となる期待度を変更してもよいが、Y1の状態におけるZ1の状態に対する大当たり当選となることへの優位性を担保する上では、大当たり当選となることなくY1の状態が終了する頻度を低くすることが望ましい。具体的には、Y1の状態にて大当たり当選となる期待度を26%〜99%としてもよく、好ましくはY1の状態にて大当たり当選となる期待度が95%〜99%となるようにするとよい。
また、X1の状態にて大当たり当選となった場合に高頻度入賞遊技状態となる点及びZ1の状態にて大当たり当選とならなかった場合に低頻度入賞遊技状態となる点に着目すれば、「X1の状態」及び「Z1の状態」を所定条件が成立した場合に入賞遊技状態の変化の契機とする「移行契機状態」ということも可能である。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
低頻度入賞遊技状態において開閉実行モードに移行するよりも高頻度入賞遊技状態にて開閉実行モードに移行した方が、その開閉実行モードにて遊技者に払い出される遊技球の数が多い。これにより、高頻度入賞遊技状態において開閉実行モードに移行することを期待して遊技者は遊技を行い、遊技状態が高頻度入賞遊技状態及び低頻度入賞遊技状態のいずれであるかに注目して遊技を行う。この結果、遊技への注目度を高めることができる。
W2〜W5の状態においては通常大当たり当選となるよりも確変大当たり当選となった方が遊技者に有利となり、高頻度入賞遊技状態においては、確変大当たり当選となるよりも通常大当たり当選となった方が遊技者に有利となる構成とした。これにより、W2〜W5の状態では確変大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行い、高頻度入賞遊技状態では通常大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、設定されている状態によって遊技者が期待する大当たり当選の種類を異ならせ、常に同じ大当たり当選となることを期待する構成に比べ、遊技が単調化することを抑制できる。
X1、Y1及びZ1の状態では、高頻度サポートモードにて予め定められた遊技回数が経過した場合に、高頻度サポートモードを終了し、低頻度サポートモードを設定する構成とした。これにより、X1、Y1及びZ1の状態において、対応した高頻度サポートモードが継続する遊技回数が経過したか否かをそれぞれ判定することにより、それぞれの状態を終了するタイミングとなったか否かを判定できる。
低頻度入賞遊技状態において、通常大当たり及び確変大当たり当選のうち、一方の大当たり当選となることなく、連続して他方の大当たり当選となった場合に、X1の状態を設定する構成とした。これにより、連続して大当たり当選となった回数に遊技者は注目し、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、5回より多く連続して確変大当たり当選とならない構成とした。つまり、連続して確変大当たり当選となる回数に上限が設けられている。確変大当たり当選に基づく開閉実行モードが終了した後には高確率モードが設定されるため、少なくとも低頻度入賞遊技状態においては、確変大当たり当選となった方が通常大当たり当選となった場合よりも遊技者に有利といえる。連続して確変大当たり当選となる回数に上限が設けられていると、その上限に達している場合、確変大当たり当選となることがないため、遊技者の遊技を続行する意欲が低下することが考えられる。これに対して上記実施の形態では、低頻度入賞遊技状態では、上記上限に達した場合にX1の状態が設定される。上述したように、X1の状態が設定された場合には高頻度サポートモードが設定されている。つまり、上記上限に達した場合には、その確変大当たり当選に基づく開閉実行モードが終了した場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り換えることにより、確変大当たり当選となることがないとしても遊技者に有利なモードを付与することが可能となる。この結果、確変大当たり当選とならないとしても遊技者の遊技を続行する意欲が低下することを抑制できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、一方の大当たり当選となることなく、所定回数に亘り他方の大当たり当選となった場合に、遊技者に不利な低頻度入賞遊技状態から遊技者に有利な高頻度入賞遊技状態に移行するものであったが、本実施の形態では、不利な遊技状態から有利な遊技状態に移行する条件が異なっている。
本実施の形態では大当たり当選となった場合に、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「15」がセットされる15R大当たり状態と、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「2」がセットされる2R大当たり状態とが開閉実行モードとしてそれぞれ設定されている。
また、大当たり当選となる確率が上記第1の実施の形態よりも低くなっている。具体的には、低確率モードでは、当否テーブルのうち、大当たり数値情報が「7」の場合に大当たり当選となる。すなわち、当否テーブル記憶エリアにおけるアドレス情報の「1」が低確率モードにおける大当たり当選に対応しており、「1」〜「10」が高確率モードにおける大当たり当選に対応している。また、大当たり当選となった場合の振分テーブルは、大当たり当選のうち、20%が15R大当たり状態の当選となり、80%が2R大当たり状態の当選となるように設定されている。
本実施の形態における遊技状態移行処理について図23のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401〜ステップS1403の処理は、第1の実施の形態におけるステップS901〜ステップS903と同様であるため、説明を省略する。ステップS1403にて開閉実行モードへの移行有りと判定した場合、ステップS1404に進み、今回の開閉実行モードへの移行が15R大当たり当選に対応しているかを判定する。15R大当たり状態に対応している場合、ステップS1405に進み、大当たりフラグ格納エリアに15R大当たりフラグをセットする。続くステップS1406にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に「15」をセットする。ステップS1404にて15R大当たり当選に対応していない場合、すなわち、2R大当たり当選に対応している場合、ステップS1407に進み、大当たりフラグ格納エリアに2R大当たりフラグをセットする。続くステップS1408では、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「2」をセットする。
なお、15R大当たり状態及び2R大当たり状態にてそれぞれ第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする値を、15R大当たり状態にて第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットされる値が、2R大当たり状態にて第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットされる値よりも大きい範囲にて変更してもよい。
ステップS1406、又は、ステップS1408にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に値をセットしたらステップS1409に進み、オープニングコマンドを設定して本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1401にて開閉実行モード中である場合、ステップS1410に進み、大入賞口開閉処理を実行する。本実施の形態における大入賞口開閉処理は、上記第1の実施の形態における大入賞口開閉処理のステップS1006の処理を行うことなく、第1タイマエリアT1に14750をセットする点を除き同様のものとなっている。本実施の形態では、高頻度入賞モードフラグがセットされることがなく、いずれの大当たり当選となった場合にも大入賞口32aの最大開放期間が同様となっている。
大入賞口開閉処理を実行したらステップS1411に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1412に進み、上記第1の実施の形態にて説明したエンディングコマンドを設定する。
その後ステップS1413では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。続くステップS1414では開閉実行モードの終了処理として大当たりフラグ格納エリアをクリアして本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1501にて、大当たりフラグ格納エリアに15R大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。15R大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1502にて高頻度サポートフラグがサポートフラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。
ステップS1502にて高頻度サポートフラグがセットされていない場合、ステップS1503にて確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグをセットするとともに、ステップS1504にてサポートフラグ格納エリアに高頻度サポートフラグをセットする。続くステップS1505にて高頻度サポートコマンドを設定して本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1502にて高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS1506にて確率モードフラグ格納エリアに低確率モードフラグをセットするとともに、ステップS1507にてサポートモードフラグ格納エリアに低頻度サポートフラグをセットする。続くステップS1508にて低頻度サポートコマンドを設定して本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1501にて15R大当たりフラグがセットされていない場合、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。すなわち、2R大当たりフラグがセットされている場合、各確率モードフラグ及び各サポートフラグのセットと、各頻度サポートコマンドの設定が行われることなく、2R大当たり状態となる前の設定が維持されるようになっている。
本実施の形態では、高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードが設定された場合、次の大当たり当選が発生するまでそのモードが維持されるようになっている。このため、本実施の形態では、上記第1の実施の形態の電役サポート用処理におけるステップS1212〜ステップS1215の遊技回数カウンタエリア236の値から低頻度サポートモードフラグをセットする処理が実行されないようになっている。
上記構成であることにより、低頻度サポートモード及び低確率モードが設定されている状況下において15R大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に高頻度サポートモード及び高確率モードが設定される。また、高頻度サポートモード及び高確率モードが設定されている状況下において15R大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に低頻度サポートモード及び低確率モードが設定される。すなわち、15R大当たり当選となった場合、その大当たり当選となる前のモードと、その大当たり終了の後のモードとを切り換えている。このため、15R大当たり状態をモード切替大当たり状態ということも可能である。
また、低頻度サポートモード及び低確率モードが設定されている状況下において2R大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に低頻度サポートモード及び低確率モードが設定される。また、高頻度サポートモード及び高確率モードが設定されている状況下において2R大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に高頻度サポートモード及び高確率モードが設定される。すなわち、2R大当たり当選となった場合、その大当たり当選となる前のモードが、その大当たり終了の後に維持されるようになっている。このため、2R大当たり状態をモード維持大当たり状態ということも可能である。
本実施の形態によれば、低確率モードにおいては、高確率モードに移行することを期待し、15R大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。また、高確率モードにおいては、高確率モードが維持されることを期待し、15R大当たり当選ではなく、2R大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。このため、低確率モードにおいて当選することに期待する大当たり状態(15R大当たり状態)に高確率モードにおいては当選しないことを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、設定されているモードによって当選することを期待する大当たり状態を異ならせることが可能となり、遊技が単調化することを防止できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)高確率モード及び低確率モードにおいて大当たり当選となる期待度(当選確率)をそれぞれ変更してもよい。
また、高確率モード及び低確率モードが設定されておらず、いずれの場合においても大当たり当選となる期待度を等しくしてもよい。この場合、高確率モード及び低確率モードが設定されていないため、遊技者に付与される特典が異なる大当たり結果を複数種設定しておく。そして、一の大当たり結果に連続して当選した場合に、X1の状態やY1の状態を設定するようにすればよい。
(2)X1又はZ1の状態が設定されるために、連続して確変大当たり当選となる回数をそれぞれ変更してもよい。例えば、1回、2回、3回、又は、4回連続して確変大当たり当選となった場合にX1の状態が設定されるようにしてもよい。この場合、連続して確変大当たり当選となり得る回数(5回)と、X1の状態又はZ1の状態が設定されるために連続して確変大当たり当選となる回数と、が異なっている。
また、X1の状態が設定されるために、連続して通常大当たり当選となる回数を変更してもよい。例えば、1回、3回、4回、又はそれ以上に連続して通常大当たり当選となった場合にX1の状態が設定されるようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、X1の状態が設定されるために連続して当選する回数が、通常大当たり当選よりも確変大当たり当選の方が多くなっているものとしたが、X1の状態が設定されるために連続して当選する回数を確変大当たり当選よりも通常大当たり当選の方が多くなるようにしてもよい。
(3)上記第1の実施の形態において、大当たり当選となった場合、大当たり種別カウンタC2の値によってその当選が、確変大当たり当選であったか又は通常大当たり当選であったかを判定するものとしたが、かかる構成に限定されない。すなわち、大当たり当選となった場合、大当たり乱数カウンタC1の値によって、確変大当たり当選又は通常大当たり当選のいずれであるかを決定するようにしてもよい。
(4)大当たり当選となった場合、確変大当たり当選となる期待度が80%で通常大当たり当選となる期待度が20%であったが、これら期待度を変更してもよい。例えば、確変大当たり当選となる期待度よりも通常大当たり当選となる期待度の方が高くともよいし、確変大当たり当選となる期待度と通常大当たり当選となる期待度とが等しくなっていてもよい。但し、低頻度入賞遊技状態における通常大当たり当選となった場合に対する確変大当たり当選となった場合の優位性を担保する上では、連続して通常大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度よりも、連続して確変大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定される頻度の方が高くなるように、確変大当たり及び通常大当たり当選となる期待度をそれぞれ設定しておくとよい。
(5)上記第1の実施の形態では、低頻度入賞遊技状態においては可変入賞装置32に遊技球が実質的に入賞できない(入賞しにくい)ものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、低頻度入賞遊技状態においても、可変入賞装置32に遊技球が入球可能なものが考えられる。この場合、低頻度入賞遊技状態にて大当たり当選となった場合、大入賞口32aが開放される期間を高頻度入賞遊技状態における大当たり当選と同程度にすればよい。
本構成であっても、高頻度入賞遊技状態では、高頻度サポートモードが設定されるため、低頻度入賞遊技状態よりも遊技者に有利となる。また、低頻度入賞遊技状態では、確変大当たり当選となったことに基づいて高確率モードが設定され、遊技者が遊技球を得る機会を増やすことができる。これにより、低頻度入賞遊技状態における通常大当たり当選に対する確変大当たり当選の優位性を高めることができる。この結果、低頻度入賞遊技状態における確変大当たり当選となることへの遊技者の期待度を高めることができる。
(6)上記各実施の形態では、高頻度入賞遊技状態においては可変表示ユニット36を正面からみて両端外側のうち一方(第2経路)を遊技球が通過するよう遊技を行い、低頻度入賞遊技状態では他方(第1経路)を遊技球が通過するよう遊技を行うものとしたが、かかる構成に限定されない。すなわち、高頻度及び低頻度入賞遊技状態のうちいずれの状態であるかに関わらず、可変表示ユニット36の一方を遊技球が通過するよう遊技を行うものが考えられる。この場合、例えば、第1作動口33に入賞するよう発射された遊技球が第2作動口34に入賞し得るように、各作動口33,34が上下に並ぶように配置するものが考えられる。
(7)上記第1の実施の形態では、入賞した作動口によって開閉実行モードにおいて大入賞口32aを開放する期間を設定するものとしたが、大当たり当選となった場合に高頻度又は低頻度入賞遊技状態のいずれであったかによって大入賞口32aを開放する期間を決定してもよい。
この場合、第1作動口33及び第2作動口34が区別して設けられている必要はなく、例えば、第1作動口33が設けられていないものや、第1,第2作動口33,34のいずれに遊技球が入賞したとしても入賞した作動口を区分けすることなく、大当たり乱数カウンタC1の値を取得するものが考えられる。
(8)上記第1の実施の形態における高頻度サポートモードが継続する遊技回数を変更してもよい。例えば、Y2〜Y5の少なくとも一の状態においては、高頻度サポートモードが所定遊技回数継続した場合に、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するようにしてもよい。この場合、高頻度サポートモードが継続する遊技回数を、Z1の状態にて高頻度サポートモードが継続する遊技回数よりも多くするとよい。また、Y1の状態では、通常大当たり又は確変大当たり当選となるまで高頻度サポートモードが継続するようにしてもよい。
X1及びZ1の状態にて高頻度サポートモードが継続する回数を変更してもよく、例えば、X1の状態にて高頻度サポートモードが10遊技回に亘り継続するものが考えられる。この場合、Z1の状態よりもX1の状態の方が、高頻度サポートモードが継続する遊技回数が多くなるようにしてもよい。
(9)上記第1の実施の形態における低頻度入賞遊技状態においてX1の状態が設定される条件を変更してもよい。本構成では、X1の状態及びZ1の状態で高確率モードが設定されることがなく、低確率モードが設定されるようになっている。かかる構成について図25の遊技状態の移行を示す説明図を用いて説明する。
本構成においては、通常大当たり当選となることなく、確変大当たり当選となり続けることが可能な回数が4回までとなっている。この場合、主制御装置81の変動開始処理におけるステップS805において、確変回数カウンタエリア237の値が「4」であるか否かを判定するようにすればよい。このため、W5の状態及びY5の状態では、大当たり種別カウンタC2の値に関わらず確変大当たり当選となることがないようになっている。
W5の状態及びY5の状態にて大当たり当選となった場合についてそれぞれ説明する。W5の状態にて大当たり当選となった場合、その大当たり当選時における大当たり種別カウンタC2の値を参照する。そして、大当たり種別カウンタC2の値が「0〜3」であった場合、W1の状態が設定されるようになっており、大当たり種別カウンタC2の値が「4〜19」であった場合、X1の状態が設定されるようになっている。この大当たり種別カウンタC2の値による振分は、確変回数カウンタエリア237の値が「4」でない場合における通常大当たり当選又は確変大当たり当選のいずれのものとするかの振分と同様となっている。このため、W5の状態にて大当たり当選となった場合、20%の確率でW1の状態が設定されるとともに、80%の確率でX1の状態が設定される。また、その大当たり当選は通常大当たり当選であるため、X1の状態では低確率モードが設定されるようになっている。
また、Y5の状態においては、大当たり種別カウンタC2の値が「0〜3」であった場合、Y1の状態が設定されるようになっており、大当たり種別カウンタC2の値が「4〜19」であった場合、Z1の状態が設定されるようになっている。つまり、Y5の状態においてもW5の状態と同様に大当たり種別カウンタC2の値を参照し、Z1の状態及びY1の状態のいずれの状態を設定するかを決定している。そして、その大当たり当選は通常大当たり当選であるため、Z1の状態では低確率モードが設定されるようになっている。
本構成においては、確変回数カウンタエリア237の値が「4」であることに基づいて通常大当たり当選となった場合、そのことが開閉実行モード終了時の移行処理にて特定できるように移行処理用情報をレジスタに記憶するとともに、作動口33に遊技球が入賞したことに基づいて取得された大当たり種別カウンタC2の値をレジスタに記憶する。そして、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する場合にレジスタに移行処理用情報が記憶されているか否かを判定し、移行処理用情報が記憶されていた場合には、大当たり種別カウンタC2の値と、その通常大当たり当選となる前に低頻度サポートフラグ又は高頻度サポートフラグのいずれのフラグがセットされていたかを判定する。低頻度サポートモードフラグがセットされていた場合、W5の状態にて通常大当たり当選となったことを示すため、大当たり種別カウンタC2の値に基づいてW1の状態又はX1の状態が設定される。一方、高頻度サポートモードフラグがセットされていた場合、Y5の状態にて通常大当たり当選となったことを示すため、大当たり種別カウンタC2の値に基づいてY1の状態又はZ1の状態が設定される。
X1の状態及びZ1の状態では低確率モードが設定されているため、通常大当たり当選及び確変大当たり当選のいずれにもなり得るようになっており、X1の状態及びZ1の状態にて、通常大当たり当選となった場合にはY1の状態が設定され、確変大当たり当選となった場合にはY2の状態が設定されるようになっている。また、X1の状態及びZ1の状態にていずれかの大当たり当選となることなく、高頻度サポートモードが終了した場合には、W1の状態が設定されるようになっている。
本構成における低頻度入賞遊技状態では、W5の状態においては確変大当たり当選となることはないが、通常大当たり当選となったことに基づいてX1の状態が設定され得る。これにより、W5の状態においては、確変大当たり当選となることがなくとも遊技者に十分な特典を付与できるようになっている。
上述したように、W5の状態及びY5の状態では、大当たり当選となった場合、その大当たり当選は通常大当たり当選であるため、当選となった大当たりの種類の判定のために大当たり種別カウンタC2の値を参照する必要がなくなる。そこで、本構成では、大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり状態が終了した場合に設定する状態を決定するようになっている。つまり、取得された大当たり種別カウンタC2の値と、振分テーブルとを、通常大当たり当選となったことに基づいて設定する状態の振分のために流用している。これにより、W5の状態及びY5の状態にて大当たり当選となった場合の振分のためのテーブルを新たに設定する必要がなくなる。
また、本構成においては、低頻度入賞遊技状態において確変大当たり当選となることなく通常大当たり当選となり続けたとしてもX1の状態が設定されないようになっている。つまり、W1の状態にて通常大当たり当選となったとしてもX1の状態が設定されない。この場合、開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1112にて高頻度サポートモードフラグがセットされていなかったことに基づいて、ステップS1115〜ステップS1118の処理を行うことなく、低確率モードフラグをセットするようにすればよい。つまり、開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1112にて否定判定された場合、ステップS1119にて低確率モードフラグをセットして当該開閉実行モード終了時の移行処理を終了するようにすればよい。本構成によれば、低頻度入賞遊技状態においては確変大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、低頻度及び高頻度遊技状態において遊技者が当選となることを期待する大当たり結果を明確なものとする効果を得ることができる。
なお、上記構成では、W5の状態において通常大当たり当選となったことに基づいてX1の状態又はW1の状態が設定される。ここで、通常大当たり当選となった場合に、W1の状態又はX1の状態のいずれが設定されるかを遊技者が理解できないことが考えられる。このため、いずれの状態が設定されるかを遊技者が理解できるように、設定される状態に対応した報知を行うようにするとよい。
例えば、W5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、X1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止され、W1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止されるものが考えられる。この場合、低頻度入賞遊技状態においては、遊技者は奇数図柄の組み合わせが停止されることを期待して遊技を行う。また、W5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、X1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止され、W1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止されるものが考えられる。つまり、W5の状態にて大当たり当選となった場合に表示される図柄の組み合わせによって、その大当たり当選に基づく大当たり状態が終了した場合に設定される状態を報知するようにしてもよい。
また、Y5の状態にて大当たり当選となった場合にもいずれの状態が設定されるかを遊技者が理解できるように、設定される状態に対応した報知を行うようにするとよい。例えば、Y5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、Z1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止され、Y1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止されるものが考えられる。この場合、高頻度入賞遊技状態においては、遊技者は偶数図柄の組み合わせが停止されることを期待して遊技を行う。また、W5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、X1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止され、W1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止されるものが考えられる。つまり、W5の状態にて大当たり当選となった場合に表示される図柄の組み合わせによって、その大当たり当選に基づく大当たり状態が終了した場合に設定される状態を報知するようにしてもよい。
W5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、X1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止され、W1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止される構成と、Y5の状態において大当たり当選となったことに基づいて、Z1の状態が設定される場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止され、Y1の状態が設定される場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止される構成と、を適用したものが考えられる。本構成においては、低頻度入賞遊技状態及び高頻度入賞遊技状態において、表示されることに遊技者が期待する図柄の組み合わせを異ならせることが可能となる。
また、W5の状態にて大当たり当選となった場合にW1の状態又はX1の状態のいずれの状態を設定するかの振分と、Y5の状態にて大当たり当選となった場合にY1の状態又はZ1の状態のいずれの状態を設定するかの振分とをそれぞれ変更してもよい。この場合、W5の状態及びY5の状態において大当たり当選となった場合にいずれの状態を設定するかを決定するための振分テーブルを記憶しておいてもよい。また、W5の状態における振分テーブルとY5の状態における振分テーブルとが個別に記憶されていてもよいし、各状態に対応した共通の振分テーブルが記憶されていてもよい。本構成を適用することにより、W5の状態及びY5の状態における振分率をその他の状態における振分率と異ならせることが可能となる。
(11)確変回数カウンタエリア237の値は、確変大当たり当選となったことに基づいて加算されていくものとしたが、高確率モードフラグがセットされたことに基づいて確変回数カウンタエリア237の値を加算してもよいし、確変大当たり当選となり、奇数図柄の組み合わせが表示された場合に確変回数カウンタエリア237の値を加算してもよい。奇数図柄の組み合わせが表示された場合に確変回数カウンタエリア237の値を加算する構成においては、確変大当たり当選に対応した遊技回が終了した場合に確変回数カウンタエリア237の値を加算するようにすればよい。
(12)上記第1の実施の形態において、X1及びZ1の状態にて大当たり当選とならなかった場合、W1又はW6の状態が設定されるものとしたが、X1及びZ1の状態にて大当たり当選とならなかった場合にはいずれの状態であったとしてもW1の状態が設定されるようにしてもよい。すなわち、高頻度サポートモードが終了した場合、低確率モードが設定されるようにしてもよい。この場合、電役サポート用処理のステップS1214にて低頻度サポートモードフラグをセットするとともに、低確率モードフラグをセットするようにすればよい。
(13)上記第1の実施の形態では、通常大当たり当選となることなく、確変大当たり当選とは連続して5回よりも多く当選することはなかったが、通常大当たり当選となることなく、6回以上連続して確変大当たり当選となり得るようにしてもよい。この場合、変動開始処理におけるステップS805の処理を実行しないようにすればよい。
また、高頻度遊技状態においてのみ6回以上確変大当たり当選となり得るようにしてもよい。つまり、Z1の状態において確変大当たり当選となりY2の状態が設定され得る。
また、低頻度遊技状態においてのみ6回以上確変大当たり当選となり得るようにしてもよい。つまり、確変大当たり当選に基づいてX1の状態が設定された場合に確変大当たり当選となり得るようにしてもよい。
(14)上記第1の実施の形態においてX1及びZ1の状態のうち、一方又は両方が設けられていなくともよい。
X1の状態が設けられていない場合、低頻度入賞遊技状態にて、通常大当たり当選及び確変大当たり当選のうち、一方の大当たり当選となることなく他方の大当たり当選となり続けた場合に、X1の状態が設定されることなく高頻度入賞遊技状態となるようにしてもよい。この場合、W1の状態にて通常大当たり当選となった場合、又は、W6の状態にて確変大当たり当選となったことに基づいて、高頻度入賞状態に移行する。
また、Z1の状態が設けられていない場合、Y5の状態にて確変大当たり当選となった場合に、Z1の状態が設定されることなく低頻度入賞遊技状態に移行することとなる。
(15)上記第1の実施の形態において、X1の状態にて通常又は確変大当たり当選となった場合に高頻度入賞遊技状態となるものとしたが、かかる構成に限定されない。通常大当たり当選及び確変大当たり当選のうち、X1の状態において一方に当選した場合に高頻度入賞遊技状態となり、他方に当選した場合に低頻度入賞遊技状態が維持されるようにしてもよい。
(16)上記第1の実施の形態においてZ1の状態において通常又は確変大当たり当選となった場合に高頻度入賞遊技状態が維持されるものとしたが、かかる構成に限定されない。通常大当たり当選及び確変大当たり当選のうち、Z1の状態において一方に当選した場合に高頻度入賞遊技状態が維持され、他方に当選した場合に低頻度入賞遊技状態となるようにしてもよい。つまり、Z1の状態にて予め定められた大当たり結果となったことに基づいて高頻度入賞遊技状態が維持されるようにしてもよい。
(17)高頻度入賞遊技状態から低頻度入賞遊技状態に移行する条件を変更してもよい。例えば、高頻度入賞遊技状態にて確変大当たり当選となった場合にその大当たり終了の後に低頻度入賞遊技状態とするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。
また、例えば、通常及び確変大当たり結果の他に、その他大当たり結果が設定されており、上記その他大当たり結果となった場合に、低頻度入賞遊技状態から高頻度入賞遊技状態に移行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
また、第1の実施の形態におけるZ1の状態にて大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に高頻度及び低頻度入賞遊技状態のうち、いずれの遊技状態とするかの抽選が行われるようにしてもよい。すなわち、高頻度サポートモードを設定するか否かの抽選が行われるようにしてもよい。
また、例えば、高頻度入賞遊技状態にて通常大当たり当選となったことに基づいてZ1の状態が設定されるようにしてもよい。この場合、確変大当たり当選となったことに基づいてY1の状態が設定されるようにするとともに、連続して通常大当たり当選となった回数に応じてZ1の状態が設定されるようにすればよい。本構成によれば、通常大当たり当選となったことに基づいて低頻度入賞遊技状態に移行することにより、高頻度入賞遊技状態において、通常大当たり当選となった場合よりも確変大当たり当選となった場合の方が遊技者に有利である。
(18)低頻度入賞遊技状態から高頻度入賞遊技状態に移行する条件を変更してもよい。例えば、低頻度入賞遊技状態にて確変大当たり当選となった場合にその大当たり終了の後に高頻度入賞遊技状態とするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。
また、例えば、通常及び確変大当たり結果の他に、その他大当たり結果が設定されており、上記その他大当たり結果となった場合に、低頻度入賞遊技状態から高頻度入賞遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われるようにしてもよい。
また、第1の実施の形態におけるX1の状態にて大当たり当選となった場合、その大当たり終了の後に高頻度及び低頻度入賞遊技状態のうち、いずれの遊技状態とするかの抽選が行われるようにしてもよい。すなわち、高頻度サポートモードを設定するか否かの抽選が行われるようにしてもよい。
(19)低頻度入賞遊技状態において、確変大当たり当選及び通常大当たり当選のうちいずれか一方が連続して発生したことに基づいて高頻度入賞遊技状態へ移行させる構成とすることで、大当たり当選の連続回数に遊技者を注目させることができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を必須とすればよく、高頻度入賞遊技状態において確変大当たり当選となった場合よりも通常大当たり当選となった場合の方が低頻度入賞遊技状態に移行し易い構成としてもよい。
また、低頻度入賞遊技状態において、確変大当たり当選の上限回数に到達したことに基づいて高頻度入賞遊技状態へ移行させる構成とすることで、上記上限回数に到達した際に遊技者の遊技続行への意欲が減退してしまうことが抑えられるという顕著な効果に着目した場合、これらいずれかの構成を必須とすればよく、高頻度入賞遊技状態において確変大当たり当選となった場合よりも通常大当たり当選となった場合の方が低頻度入賞遊技状態に移行し易い構成としてもよい。
(20)高頻度入賞遊技状態において確変大当たり当選となった場合の方が通常大当たり当選となった場合よりも低頻度入賞遊技状態に移行し易い構成とすることで、各遊技状態において遊技者が注目する大当たり当選の種類を相違させることができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を必須とすればよく、低頻度入賞遊技状態から高頻度入賞遊技状態への移行条件として、同一種類の大当たり当選が複数回連続することが設定されていない構成としてもよい。
(21)上記第1の実施形態では、高頻度入賞遊技状態と低頻度入賞遊技状態とが設定されており、高頻度サポートモードが設定される点と、開閉実行モードにおいて大入賞口32aが開放される期間が長い点と、において高頻度入賞遊技状態が低頻度入賞遊技状態よりも遊技者に有利なものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、高頻度入賞遊技状態の方が低頻度入賞遊技状態よりも開閉実行モードにおいて大入賞口32aが開放される回数が多くなっているものが考えられる。
また、例えば、高頻度入賞遊技状態の方が入賞口(一般入賞口31、大入賞口32a、各作動口33,34)に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球数が多くなっているものが考えられる。
つまり、高頻度入賞遊技状態が低頻度入賞遊技状態よりも相対的に遊技者に有利となっていればよく、その内容は任意である。
(22)上記第1の実施の形態では、高頻度入賞遊技状態において、確変大当たり当選及び通常大当たり当選のいずれとなった場合でも、その大当たり当選に基づく開閉実行モードにて遊技者に払い出される遊技球数の期待度は同様(いずれの場合であっても大入賞口32aが2回に亘り開放される)のものとしたが、高頻度入賞遊技状態にて当選となった大当たりの種類によって遊技者に払い出される遊技球数の期待度が異なっていてもよい。
例えば、高頻度入賞遊技状態にて確変大当たり当選となった場合よりも、通常大当たり当選となった方が遊技者に付与される遊技球数の点において有利に設定されているものが考えられる。さらには、高頻度入賞遊技状態にて通常大当たり当選となった後に、確変大当たり当選となることなく通常大当たり当選となった場合に、確変大当たり当選となった後に通常大当たり当選となった場合に比べ、遊技者に払い出される遊技球数が多くなるようにするものが考えられる。この場合、大入賞口32aを開放する回数を変化させることにより、遊技者に払い出す遊技球数の期待度を変化させることができる。例えば、高頻度入賞遊技状態にて確変大当たり当選となることなく通常大当たり当選となった場合、大入賞口32aが15回に亘り開放されるようにするものが考えられる。
(23)上記各実施の形態では、大当たり当選となった場合の遊技状態及び当選となった大当たり結果の種類に関わらず、大入賞口32aが開放されるものとしたが、かかる構成に限定されない。すなわち、複数の大入賞口が設けられており、当選となった大当たり結果の種類によって開放させる大入賞口を異ならせてもよい。この場合、複数の大入賞口のうち、遊技球が入賞した大入賞口に応じて払い出される遊技球の数を異ならせてもよい。また、複数の大入賞口として、第1大入賞口と第2大入賞口とが設けられており、第1作動口33に遊技球が入賞したことに基づいて大当たり当選となった場合に第1大入賞口が開放され、第2作動口34に遊技球が入賞したことに基づいて大当たり当選となった場合に第2大入賞口が開放されるようにしてもよい。
(24)上記各実施の形態では、主制御装置81にてデータ設定処理及び変動開始処理が実行され、変動用コマンド及び種別コマンドが出力されたことに基づいて、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されるものとしたが、かかる構成に限定されない。すなわち、変動用コマンド及び種別コマンドが出力される前に図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されていてもよい。なお、本構成においては、変動用コマンド及び種別コマンドが出力されるに先立って、音声ランプ制御装置82に図柄の変動表示を開始させるタイミングを計るための信号が主制御装置81から出力されるのが望ましい。
(25)上記実施の形態では、各作動口33,34への遊技球の入賞に基づいて保留情報がそれぞれ4種まで記憶されるものとしたが、保留情報を記憶可能な数を変更してもよい。すなわち、記憶可能な保留情報の個数が3種以下でもよいし、5種以上でもよい。保留情報を記憶しない構成においては、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われていない状況において各作動口33,34へ遊技球が入賞したことに基づいて図柄の変動表示が開始されるようにすればよい。また、各作動口33,34への入賞に応じて記憶可能な保留情報の数が異なっていてもよい。
(26)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(27)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(28)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
(29)上記第1及び第2の実施の形態の特徴的な構成や、上記他の実施の形態の構成を、遊技への注目度を良好に高めることができるという効果が生じるのであれば、任意の組み合わせで相互に適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技状態として、相対的に遊技者に不利となった不利遊技状態(低頻度入賞遊技状態)と、相対的に遊技者に有利となった有利遊技状態(高頻度入賞遊技状態)とが設定されており、
少なくとも前記不利遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において前記特定条件の成立を含む移行条件が成立したことに基づいて、前記遊技状態を前記不利遊技状態に移行させる不利側移行手段(主制御装置81のMPU202における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、不利遊技状態において特定条件が成立したことに基づいて遊技者に特典が付与される。このため、不利遊技状態においては特定条件が成立することを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。また、有利遊技状態においては特定条件を含む移行条件が成立したことに基づいて不利遊技状態に移行される。有利遊技状態は相対的に遊技者に有利なため、有利遊技状態に移行していることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。このため、有利遊技状態においては、特定条件が成立しないことを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。
つまり、本特徴によれば、不利遊技状態にて遊技者に有利な特定条件成立が、有利遊技状態では遊技者に不利なものとなっている。このため、常に特定条件が成立することを期待して遊技者が遊技を行う構成に比べ、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴A2.予め定められた第1付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に第1の特典を付与するとともに、予め定められた第2付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、相対的に遊技者に不利となった不利遊技状態(低頻度入賞遊技状態)と、相対的に遊技者に有利となった有利遊技状態(高頻度入賞遊技状態)とが設定されており、
少なくとも前記不利遊技状態においては、前記第1の特典よりも前記第2の特典が付与された方が有利であり、
さらに、前記有利遊技状態において前記第2の特典の付与を含む移行条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記不利遊技状態に移行させる不利側移行手段(主制御装置81のMPU202による開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1101〜ステップS1104、ステップS1108等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、有利遊技状態において第2の特典の付与を含む移行条件が成立したことに基づいて不利遊技状態に移行する。このため、有利遊技状態においては第2の特典よりも第1の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。また、不利遊技状態においては、第1の特典よりも第2の特典が付与された方が遊技者に付与される特典が大きくなっている。このため、不利遊技状態においては第2の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。つまり、不利遊技状態と有利遊技状態とにおいて、付与されることを遊技者が期待する特典を異ならせることが可能となる。この結果、常に同じ特典が付与されることを期待する構成と比して、遊技が単調化することを抑制できる。
なお、前記第1付与条件及び前記第2付与条件が成立する確率が相対的に高低となる高確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803)と低確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802)とを備えており、前記第1付与条件が成立した場合、その後に前記高確率判定手段により判定が行われるとともに、前記第2付与条件が成立した場合、その後に前記低確率判定手段により判定が行われる構成としてもよい。この場合、第2の特典が付与された方が高確率判定手段による判定が行われるため有利となる。
特徴A3.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(第1作動口33、第2作動口34)と、
前記入球口に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報が、前記第1付与条件又は前記第2付与条件に対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記判定手段による判定の結果が、前記第1付与条件に対応している場合に前記第1の特典を付与するとともに、前記第2付与条件に対応している場合に前記第2の特典を付与することを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、入球口に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得される。また、取得された特別情報が第1付与条件又は第2付与条件に対応しているか否かが判定される。第1付与条件及び第2付与条件のいずれかを成立させるために、遊技者は発射操作を行うものと考えられる。この場合、入球口に遊技球を入球させる遊技と、遊技球が入球口に入球した場合には第1付与条件及び第2付与条件が成立するか否かを確認する遊技と、がある。本特徴に特徴A2を適用した場合、有利遊技状態及び不利遊技状態によって、付与条件が成立し付与されることを遊技者が期待する特典が異なる。この結果、第1付与条件及び第2付与条件が成立するか否かを確認する遊技への遊技者の注目度を高め、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴A4.前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において、前記第1の特典が付与された場合よりも、前記第2の特典が付与された場合の方が、前記不利遊技状態に移行させ易いことを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1の特典が付与された場合よりも第2の特典が付与された場合の方が有利遊技状態から不利遊技状態に移行し易い。これにより、有利遊技状態における第1の特典が付与された場合の第2の特典が付与された場合に対する優位性を高めることが可能となる。
特徴A5.前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において、前記第1の特典が付与された後に第1の降格条件が成立したことに基づいて前記不利遊技状態に移行させ、前記第2の特典が付与された後に前記第1の降格条件よりも成立し易い第2の降格条件が成立したことに基づいて前記不利遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1の特典又は第2の特典が付与された後に、対応した降格条件が成立したことに基づいて不利遊技状態に移行する。また、第2の降格条件は第1の降格条件よりも成立し易い。これにより、不利遊技状態及び有利遊技状態において第1の特典及び第2の特典が付与された場合の特典の内容を異ならせなくとも、有利遊技状態においては第1の特典が付与された方が遊技者に有利とし、不利遊技状態においては第2の特典が付与された方が遊技者に有利とすることが可能となる。
特徴A6.前記第1の特典が付与されることなく前記第2の特典が付与された回数を特定する回数特定手段(確変回数カウンタエリア237)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記第2の降格条件は、前記回数特定手段により前記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定されるまで成立しないものであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1の特典が付与されることなく、予め定められた回数連続して第2の特典が付与された場合に、第2の降格条件が成立し得る。このため、第2の特典が一度付与された場合に第2の降格条件が成立する構成に比べ、第2の特典が付与された場合に有利遊技状態が継続することへの遊技者の期待度を維持することが可能となる。
また、本特徴によれば、第1の特典が付与されることにより、第2の特典が連続して付与されているものとしてカウントされている回数が初期化される。これにより、連続して第2の特典が付与されるにつれ、第1の特典が付与されることへの遊技者の期待度を高めることが可能となる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A7.前記第1の特典が付与されることなく前記第2の特典が付与された回数を特定する回数特定手段(確変回数カウンタエリア237)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において、前記回数特定手段により記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定されたことに基づいて前記有利遊技状態から前記不利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、有利遊技状態において、第1の特典が付与されることなく第2の特典が予め定められた回数付与されたことに基づいて不利遊技状態に移行する。すなわち、有利遊技状態において予め定められた回数連続して第2の特典が付与されたことに基づいて不利遊技状態に移行する。これにより、有利遊技状態において、第2の特典が一度付与されたとしても、その第2の特典の付与の後に第1の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、第2の特典が一度付与された場合に有利遊技状態から不利遊技状態に移行する構成に比べ、有利遊技状態から不利遊技状態に移行することなく有利遊技状態が継続することへの遊技者の期待度を維持することが可能となる。
また、本特徴によれば、第1の特典が付与されることにより、第2の特典が連続して付与されているものとしてカウントされている回数が初期化される。これにより、連続して第2の特典が付与されるにつれ、第1の特典が付与されることへの遊技者の期待度を高めることが可能となる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A8.前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において前記第2の特典が付与されたことに基づいて、降格契機遊技状態(Z1の状態)に移行させるものであり、前記降格契機遊技状態において、予め定められた移行条件が成立した場合に、その降格契機遊技状態から前記不利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、有利遊技状態において第2の特典が付与されたことに基づいて降格契機遊技状態に移行する。その降格契機遊技状態において予め定められた移行条件が成立した場合に、降格契機遊技状態から不利遊技状態に移行する。つまり、有利遊技状態において第2の特典が付与された場合に不利遊技状態に移行し得る。この結果、有利遊技状態においては、第2の特典ではなく第1の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行い、有利遊技状態と不利遊技状態とで付与されることを遊技者が期待する特典を異ならせることが可能となる。
なお、降格契機遊技状態において、第1の特典及び前記第2の特典のいずれも付与されなかった場合に、その降格契機遊技状態から不利遊技状態に移行させるとともに、降格契機遊技状態において、第1の特典又は第2の特典のいずれかが付与された場合に、降格契機遊技状態から有利遊技状態に移行させる構成としてもよい。
特徴A9.前記第1の特典が付与されることなく前記第2の特典が付与された回数を特定する回数特定手段(確変回数カウンタエリア237)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において、前記回数特定手段により記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定された場合に、前記降格契機遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、有利遊技状態において、第1の特典が付与されることなく第2の特典が予め定められた回数付与された場合に降格契機遊技状態に移行する。すなわち、有利遊技状態において予め定められた回数連続して第2の特典が付与された場合に降格契機遊技状態に移行する。これにより、有利遊技状態において、一度第2の特典が付与されたとしても、その第2の特典の付与の後に第1の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、第2の特典が一度付与された場合に有利遊技状態から降格契機遊技状態に移行する構成に比べ、有利遊技状態から不利遊技状態に移行することなく有利遊技状態が継続することへの遊技者の期待度を維持することが可能となる。
また、本特徴によれば、第1の特典が付与されることにより、第2の特典が連続して付与されているものとしてカウントされている回数が初期化される。これにより、連続して第2の特典が付与されるにつれ、第1の特典が付与されることへの遊技者の期待度を高めることが可能となる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A10.前記第1付与条件又は第2付与条件が成立したか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われ、当該判定の判定結果に対応した報知結果が表示されることを遊技回の1回として、表示手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能、表示制御装置212における変動開始用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記不利側移行手段は、前記第2の特典が付与された後に、前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれも付与されることなく、予め定められた遊技回数が経過した場合に前記不利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A2乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第2の特典が付与された後に第1の特典及び第2の特典のうちいずれも付与されることなく、予め定められた遊技回数が経過した場合に不利遊技状態に移行する。これにより、第2の特典が付与された後に予め定められた遊技回数が経過したか否かを判定すれば、不利遊技状態へと移行するタイミングとなったことを判定することが可能となる。
特徴A11.前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において前記第1の特典が付与された後に、前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれも付与されることなく予め定められた遊技回数が経過した場合に、前記有利遊技状態から前記不利遊技状態に移行させるものであり、
前記有利遊技状態において前記第2の特典が付与された後に前記不利遊技状態に移行されるまでの遊技回数は、前記有利遊技状態において前記第1の特典が付与された後に前記不利遊技状態に移行されるまでの遊技回数よりも少ないことを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、有利遊技状態において第1の特典が付与された場合、その第1の特典の付与の後に、第1の特典び第2の特典のいずれも付与されることなく予め定められた遊技回数が経過した場合に有利遊技状態から不利遊技状態に移行する。また、有利遊技状態において、第2の特典が付与された場合よりも第1の特典が付与された場合の方が不利遊技状態に移行するまでの遊技回数が多い。つまり、第1の特典及び第2の特典のいずれかが付与された場合に、不利遊技状態に移行するまでの遊技回数をそれぞれ異ならせることにより、各特典が付与された場合の遊技者の有利度を異ならせることが可能となる。これにより、第2の特典ではなく第1の特典が付与されることを遊技者は一層期待する。この結果、不利遊技状態と有利遊技状態とで付与されることを遊技者が期待する特典を異ならせる効果を顕著なものとすることが可能となる。
特徴A12.前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において前記第1の特典が付与された後に、前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれも付与されることなく予め定められた遊技回数が経過した場合に、前記有利遊技状態から前記不利遊技状態に移行させるものであり、
前記有利遊技状態において前記第1の特典が付与された場合よりも前記第2の特典が付与された場合の方が前記不利遊技状態に移行し易いように、前記各予め定められた遊技回数と、前記判定手段により前記第1付与条件又は前記第2付与条件が成立したと判定される確率と、が設定されていることを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、有利遊技状態において第1の特典が付与された場合、その第1の特典の付与の後に、第1の特典及び第2の特典のいずれも付与されることなく予め定められた遊技回数が経過した場合に有利遊技状態から不利遊技状態に移行する。また、有利遊技状態において第1の特典が付与された場合よりも第2の特典が付与された場合の方が不利遊技状態に移行し易いように、各予め定められた遊技回数と、判定手段により第1付与条件又は第2付与条件が成立したと判定される確率と、が設定されている。これにより、有利遊技状態における第1の特典が付与された場合の第2の特典が付与された場合に対する優位性を担保できる。
特徴A13.前記不利遊技状態において前記特典付与手段により前記第2の特典が付与された場合、前記不利遊技状態において前記特典付与手段により前記第1の特典が付与された場合よりも、前記有利遊技状態に移行させ易い有利側移行手段(主制御装置81のMPU202による開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1101〜ステップS1107及びステップS1112〜ステップS1114等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、不利遊技状態において、第1の特典が付与された場合よりも第2の特典が付与された場合の方が、有利遊技状態に移行し易い。これにより、不利遊技状態においては、第1の特典よりも第2の特典が付与された方が遊技者に有利となる。これにより、不利遊技状態においては有利遊技状態に移行するように、第1の特典よりも第2の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、不利遊技状態と有利遊技状態とにおいて付与されることを遊技者が期待する特典を異ならせる効果を高めることができ、遊技が単調化することを抑制する効果を高めることができる。
なお、「前記不利遊技状態において前記特典付与手段により前記第2の特典が付与された場合、前記不利遊技状態において前記特典付与手段により前記第1の特典が付与された場合よりも、前記有利遊技状態に移行させ易い」には、第1の特典の付与に基づいて有利遊技状態に移行しない又はほとんど移行しないものが含まれる。
特徴A14.前記第1の特典が付与されることなく前記第2の特典が付与された回数を特定する回数特定手段(確変回数カウンタエリア237)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記有利側移行手段は、前記回数特定手段により前記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定されたことに基づいて、前記不利遊技状態から前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、不利遊技状態において第1の特典が付与されることなく、第2の特典が予め定められた回数付与された場合に有利遊技状態に移行する。すなわち、不利遊技状態において予め定められた回数連続して第2の特典が付与された場合に有利遊技状態に移行する。これにより、不利遊技状態にて第2の特典が付与された場合には、連続して付与された回数に注目して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A15.前記第1の特典が付与されることなく、前記第2の特典が付与された回数が予め定められた回数となっていることを特定する回数特定手段(主制御装置81のMPU202による変動開始処理のステップS805、開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1103)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記回数特定手段により前記予め定められた回数となっていることが特定されている場合、前記第2の特典を付与しないものであり、
前記有利側移行手段は、前記不利遊技状態において、前記回数特定手段により前記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定されたことに基づいて、前記不利遊技状態から前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
不利遊技状態においては、第1の特典が付与された場合よりも第2の特典が付与された場合の方が遊技者に有利になっている。これにより、第1の特典よりも第2の特典が付与されることを期待して遊技者が遊技を行うものと考えられる。また、第1の特典が付与されることなく、予め定められた回数よりも多く第2の特典が付与されることがない。すなわち、第1の特典が付与されることなく第2の特典が連続して付与される回数に上限が設けられている。しかしながら、第2の特典が予め定められた回数連続して付与された場合、その後に第2の特典が付与されないため、遊技者の遊技への注目度が低下するおそれがある。
これに対して本特徴によれば、第2の特典が予め定められた回数連続して付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行する。不利遊技状態よりも有利遊技状態の方が遊技者に有利であり、不利遊技状態から有利遊技状態に移行することを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。予め定められた回数連続して第2の特典が付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行することにより、上記回数に達している場合、第2の特典が付与されることがないとしても、遊技者の遊技への注目度が低下することを抑制できる。
特徴A16.前記第1の特典が付与されることなく、前記第2の特典が付与された回数が予め定められた回数となっていることを特定する回数特定手段(主制御装置81のMPU202による変動開始処理のステップS805、開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1103)と、
前記第1の特典が付与された場合に、前記回数特定手段が特定している回数を初期化する初期化手段(主制御装置81のMPU202の遊技状態移行処理におけるステップS907)と、
を備え、
前記有利側移行手段は、前記回数特定手段により前記第2の特典が予め定められた回数付与されていることが特定されたことに基づいて昇格契機遊技状態(X1の状態)に移行させるとともに、当該昇格契機遊技状態において前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれかが付与された場合、前記昇格契機遊技状態から前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴A13乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、不利遊技状態において第1の特典が付与されることなく、第2の特典が予め定められた回数付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態に移行する。そして、昇格契機遊技状態において第1の特典及び第2の特典のいずれかが付与された場合に有利遊技状態に移行する。これにより、特典が付与された場合の付与結果を異ならせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制する効果を高めることが可能となる。
特徴A17.前記有利側移行手段は、前記不利遊技状態において前記第1の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態(X1の状態)に移行させるとともに、前記不利遊技状態において前記第2の特典が付与されたことに基づいて、前記第1の特典が付与されたことに基づいて移行されるものと同一の昇格契機遊技状態に移行させるものであり、さらに、前記昇格契機遊技状態において前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれかが付与された場合、前記昇格契機遊技状態から前記有利遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴A13乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、不利遊技状態において、第1の特典又は第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態が設定される。昇格契機遊技状態において第1の特典及び第2の特典のいずれかが付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行する。また、各特典の付与に基づいて同一の昇格契機遊技状態を設定することにより、有利遊技状態に移行するための契機遊技状態を複数種類設定する必要がなくなる。
なお、同一の昇格契機遊技状態に移行しつつ、第2の特典が付与された方が第1の特典が付与された場合よりも有利遊技状態に移行し易い構成として、第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態に移行した方が、その昇格契機遊技状態にて第1の特典及び第2の特典のいずれかが付与され易いものが考えられる。
特徴A18.前記有利側移行手段は、前記第1の特典が付与されたことに基づいて前記昇格契機遊技状態に移行させる頻度よりも前記第2の特典が付与されたことに基づいて前記昇格契機遊技状態に移行させる頻度の方が高いものであることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、昇格契機遊技状態に移行する頻度が、第1の特典の付与に基づいた頻度よりも第2の特典の付与に基づいた頻度の方が高い。つまり、有利遊技状態に移行するための昇格契機状態に移行する頻度を異ならせることにより、不利遊技状態における第2の特典が付与された場合の第1の特典が付与された場合に対する優位性を担保できる。
特徴A19.前記第1付与条件又は第2付与条件が成立したか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)を備え、
前記判定手段は、前記第1付与条件成立及び第2付与条件成立となる確率が相対的に高低となる高確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803)と低確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802)とを備えており、さらに、前記第2の特典が付与された場合、高確率判定手段により判定が行われるとともに、前記第1の特典が付与された場合、低確率判定手段により判定が行われるものであり、
前記有利遊技状態において前記高確率判定手段により判定が行われている場合、前記第2の特典が付与された場合よりも前記第1の特典が付与された方が遊技者に有利であり、前記不利遊技状態において前記高確率判定手段により判定が行われている場合、前記第1の特典が付与された場合よりも前記第2の特典が付与された方が遊技者に有利であるように設定されていることを特徴とする特徴A2乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、第2の特典が付与された場合、その後に高確率判定手段により判定が行われるとともに、第1の特典が付与された場合、その後に低確率判定手段により判定が行われる。
ここで、高確率判定手段及び低確率判定手段のいずれのものによって判定が行われているとしても、第2の特典が付与された方が遊技者に有利な遊技機が考えられる。このような遊技機においては、常に第2の特典が付与されることを期待して遊技者が遊技を行い、遊技が単調になることが考えられる。これに対して本特徴を適用した場合、高確率判定手段により判定が行われている場合、有利遊技状態では第1の特典が付与された方が遊技者に有利となり、不利遊技状態では第2の特典が付与された方が遊技者に有利となる。このため、高確率判定手段により判定が行われている場合に、不利遊技状態では第2の特典が付与されることを期待して遊技者は遊技を行い、有利遊技状態では、第1の特典が付与されることを期待して遊技者が遊技を行うものと考えられる。この結果、高確率判定手段による判定が行われている場合に、有利遊技状態及び不利遊技状態のいずれの状態であるかによって、付与されることに遊技者が期待する特典を異ならせることが可能となる。
特徴A20.前記第1付与条件又は第2付与条件が成立したか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、当該流下する遊技球が入球し易い第1の状態とそれよりも入球しにくい第2の状態とに切り替え可能な可変入球手段(電動役物34a)と、
当該可変入球手段を第1の状態とした後に第2の状態に切り替える切替制御を実行する切替制御手段(主制御装置81のMPU202による電役サポート用処理)と、
を備え、
前記判定手段は、前記第1付与条件成立及び第2付与条件成立となる確率が相対的に高低となる高確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803)と低確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802)とを備えており、さらに、前記第2の特典が付与された場合、その第2の特典の付与の後に高確率判定手段により判定が行われるとともに、前記第1の特典が付与された場合、その第1の特典の付与の後に低確率判定手段により判定が行われるものであり、
前記切替制御手段は、少なくとも前記不利遊技状態よりも前記有利遊技状態の方が前記第1の状態となる頻度が高くなるように前記可変入球手段を制御することを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、第2の特典が付与された場合、その後に高確率判定手段により判定が行われるとともに、第1の特典が付与された場合、その後に低確率判定手段により判定が行われる。このため、不利遊技状態においては第2の特典が付与された場合の方が遊技者に有利となる。また、有利遊技状態においては可変入球手段が第1の状態となり易く有利であり、有利遊技状態から不利遊技状態に移行してしまうため、有利遊技状態においては第2の特典が付与された方が遊技者に不利である。このように、遊技者に付与される特典を複数種類設けたことにより、遊技状態によって付与された場合の特典の大きさを異ならせることが可能となる。
特徴A21.前記有利遊技状態は、各遊技状態において前記第1の特典及び前記第2の特典が付与された場合の特典の大きさが異なることにより、前記不利遊技状態よりも相対的に有利なものであることを特徴とする特徴A2乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、第1の特典及び第2の特典がそれぞれ付与された場合に付与される特典が異なることにより、有利遊技状態及び不利遊技状態の相対的な有利不利が決定される。つまり、有利遊技状態と不利遊技状態との移行契機と、有利遊技状態と不利遊技状態とにおける相対関係と、を第1の特典及び第2の特典の付与にてそれぞれ決定することが可能となる。
上記特徴A群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、大当たり状態等の遊技者に有利な特定遊技状態を発生させるか否かの大当たり抽選が行われると共に絵柄の変動表示が開始される。そして大当たり抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されると共に、遊技状態が特定遊技状態に移行する。特定遊技状態への移行に伴い、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が開始され、可変入球装置への入球に基づいて多量の遊技球が払い出されるようになっている。
また、大当たり抽選の当選には、確変大当たり当選と通常大当たり当選とが設定されており、特定遊技状態が終了した場合、抽選結果に応じて高確率状態又は通常状態のいずれかが設定される。高確率状態は確変大当たり当選となった場合に設定されるものであり、通常状態よりも大当たり抽選に当選する確率が高くなっている。高確率状態が設定されることにより、通常状態が設定された場合よりも所定期間内に特定遊技状態に移行する期待度が高くなっている。
上記のような遊技機においては、通常状態よりも高確率状態の方が大当たり抽選に当選する確率が高いため、特定遊技状態が終了した場合に高確率状態が設定されることを遊技者は期待するものと考えられる。すなわち、確変大当たり当選となることを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。このため、常に同じ抽選結果となることに遊技者が期待し、遊技が単調なものとなってしまうおそれがある。
また、上記特徴A1〜A21のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B10、下記特徴C1〜C4のいずれか1にて限定したものを適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
特徴B1.予め定められた第1付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に第1の特典を付与するとともに、予め定められた第2付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に第2の特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、相対的に遊技者に不利となった不利遊技状態(低頻度入賞遊技状態)と、相対的に遊技者に有利となった有利遊技状態(高頻度入賞遊技状態)とが設定されており、
さらに、前記不利遊技状態において、前記第1の特典及び前記第2の特典のうち、一方の特典が付与されることなく、他方の特典が予め定められた回数付与されたことに基づいて、遊技状態を前記有利遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置81のMPU202における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、不利遊技状態において第1の特典及び第2の特典のうち、一方の特典が付与されることなく、他方の特典が付与され続けた場合に有利遊技状態に移行する。これにより、付与された特典の種類に注目するとともに、連続して付与されている回数に注目して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高め、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴B2.予め定められた第1付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に第1の特典を付与するとともに、予め定められた第2付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記第1の特典が付与されることなく、前記第2の特典が付与された回数が予め定められた回数となっていることを特定する回数特定手段(主制御装置81のMPU202による変動開始処理のステップS805、開閉実行モード終了時の移行処理のステップS1103)と、
を備え、
さらに、遊技状態として、相対的に遊技者に不利となった不利遊技状態と、相対的に遊技者に有利となった有利遊技状態とが設定されており、
前記特典付与手段は、少なくとも前記不利遊技状態においては前記回数特定手段により前記予め定められた回数となっていることが特定されている場合、前記第2の特典を付与しないものであり、
前記不利遊技状態において、前記回数特定手段により前記予め定められた回数となっていることが特定されたことに基づいて、前記不利遊技状態から前記有利遊技状態に移行させる有利側移行手段(主制御装置81のMPU202における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、第1の特典が付与されることなく、予め定められた回数より多く連続して第2の特典が付与されないようになっている。つまり、連続して第2の特典が付与される回数に上限が設けられている。しかしながら、第2の特典が連続して付与された回数が上限に達している場合、その後に第2の特典が付与されず、遊技が単調化するおそれがある。特に、第2の特典が付与された方が第1の特典が付与された場合よりも、付与される特典が大きい場合、上記上限に達している場合には特典が大きい第2の特典が付与されないため、遊技者の遊技を続行する意欲が低下することも考えられる。
これに対して本特徴によれば、第1の特典が付与されることなく、第2の特典が予め定められた回数付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行する。つまり、第2の特典が連続して付与された回数が上記上限に達したことに基づいて有利遊技状態に移行する。この結果、第2の特典が連続して付与された回数が上記上限に達した場合の付与結果を異ならせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制できる。さらに、第2の特典が付与された方が第1の特典が付与された場合よりも付与される特典が大きい構成であり、上記上限に達し第2の特典が付与されないとしても、有利遊技状態に移行することにより、上記遊技者の遊技を続行する意欲が低下することを抑制できる。
なお、少なくとも不利遊技状態においては、第1の特典が付与された場合よりも第2の特典が付与された場合の方が遊技者に付与される特典が大きくなるようにしてもよい。この場合、第2の特典が連続して付与される回数に上限が設けられているため、第2の特典が予め定められた回数連続して付与された場合、その後に第2の特典が付与されることがなく、遊技者の遊技への注目度が低下するおそれがある。これに対して本特徴によれば、第2の特典が予め定められた回数連続して付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行する。不利遊技状態よりも有利遊技状態の方が遊技者に有利であり、不利遊技状態から有利遊技状態に移行することを期待して遊技者は遊技を行っているものと考えられる。第2の特典が予め定められた回数連続して付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行することにより、第2の特典が付与されないとしても、遊技者の遊技への注目度が低下することを抑制できる。
特徴B3.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(第1作動口33、第2作動口34)と、
前記入球口に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報が、前記第1付与条件又は前記第2付与条件に対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記判定手段による判定の結果が、前記第1付与条件に対応していた場合に前記第1の特典を付与するとともに、前記第2付与条件に対応していた場合に前記第2の特典を付与することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、入球口に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得される。また、取得された特別情報が第1付与条件又は第2付与条件に対応しているか否かが判定される。第1付与条件及び第2付与条件のいずれかを成立させるために、遊技者は発射操作を行うものと考えられる。この場合、入球口に遊技球を入球させる遊技と、遊技球が入球口に入球した場合には第1付与条件及び第2付与条件が成立するか否かを確認する遊技と、がある。本特徴に特徴B1又はB2を適用した場合、付与される特典の種類と、連続して付与された回数とに遊技者が注目する。この結果、遊技者の遊技への注目度を高め、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴B4.前記有利側移行手段は、前記不利遊技状態において前記第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態(X1の状態)に移行させるとともに、当該昇格契機遊技状態において予め定められた移行条件が成立した場合、前記昇格契機遊技状態から前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、不利遊技状態において、第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態に移行する。そして、昇格契機遊技状態において予め定められた移行条件が成立した場合に有利遊技状態に移行する。第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機状態に移行することにより、不利遊技状態における第2の特典が付与された場合の第1の特典が付与された場合に対する優位性を担保できる。
なお、「予め定められた移行条件が成立した場合」を、「前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれかが付与された場合」としてもよい。
特徴B5.前記有利側移行手段は、前記不利遊技状態において前記第1の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態(X1の状態)に移行させるとともに、前記不利遊技状態において前記第2の特典が付与されたことに基づいて前記第1の特典が付与されたことに基づいて移行されるものと同一の昇格契機遊技状態に移行させるものであり、さらに、当該昇格契機遊技状態において予め定められた移行条件が成立した場合、前記昇格契機遊技状態から前記有利遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、不利遊技状態において、第1の特典又は第2の特典が付与されたことに基づいて昇格契機遊技状態が設定される。昇格契機遊技状態において第1の特典及び第2の特典のいずれかが付与されたことに基づいて有利遊技状態に移行する。また、各特典の付与に基づいて同一の昇格契機遊技状態を設定することにより、有利遊技状態に移行するための契機遊技状態を複数種類設定する必要がなくなる。
なお、「予め定められた移行条件が成立した場合」を「前記第1の特典及び前記第2の特典のいずれかが付与された場合」としてもよい。
特徴B6.前記第1付与条件又は第2付与条件が成立したか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われ、当該判定の判定結果に対応した報知結果が表示されることを遊技回の1回として、表示手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能、表示制御装置212における変動開始用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利側移行手段は、前記昇格契機遊技状態に移行させた場合、前記予め定められた移行条件が成立することなく、予め定められた遊技回数が経過した場合に、前記昇格契機遊技状態から前記不利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、昇格契機遊技状態に移行した後に、予め定めれらた移行条件が成立することなく予め定められた遊技回数が経過した場合に、昇格契機遊技状態から不利遊技状態に移行する。これにより、昇格契機遊技状態にて予め定められた遊技回数が経過したか否かを判定すれば、昇格契機遊技状態から不利遊技状態へと移行するタイミングとなったことを判定できる。
特徴B7.前記有利側移行手段は、前記第2の特典が付与されることなく前記第1の特典が第1所定回数付与されたことに基づいて前記有利遊技状態に移行させるとともに、前記第1の特典が付与されることなく前記第2の特典が前記第1所定回数とは異なる第2所定回数付与されたことに基づいて前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、一方の特典が付与されることなく他方の特典が所定回数付与された場合に有利遊技状態に移行する。また、有利遊技状態に移行するまでに付与される回数が第1の特典と第2の特典とで異なっている。これにより、第1の特典が付与された場合と、第2の特典が付与された場合と、にて有利遊技状態に移行する期待度を異ならせることが可能となる。
特徴B8.少なくとも前記不利遊技状態においては、前記第1の特典が付与された場合よりも前記第2の特典が付与された方が遊技者に有利であり、
前記第1所定回数は、前記第2所定回数よりも少ないことを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、不利遊技状態においては、第1の特典よりも第2の特典の方が遊技者に有利である。このため、第2の特典が付与された場合に比べ、第1の特典が付与された場合、遊技者の遊技を続行する意欲が高まらないおそれがある。これに対して本特徴によれば、第1所定回数を第2所定回数よりも少なくしたことにより、第1の特典が付与された場合は、残り少ない回数第1の特典が付与されれば有利遊技状態に移行するものと遊技者は考え、遊技者の遊技を続行する意欲を高めることが可能となる。
特徴B9.前記第1付与条件又は第2付与条件が成立したか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、当該流下する遊技球が入球し易い第1の状態とそれよりも入球しにくい第2の状態とに切り替え可能な可変入球手段(電動役物34a)と、
当該可変入球手段を第1の状態とした後に第2の状態に切り替える切替制御を実行する切替制御手段(主制御装置81のMPU202による電役サポート用処理)と、
を備え、
前記判定手段は、前記第1付与条件成立及び第2付与条件成立となる確率が相対的に高低となる高確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803)と低確率判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802)とを備えており、さらに、前記第2の特典が付与された場合、その第2の特典の付与の後に高確率判定手段により判定が行われるとともに、前記第1の特典が付与された場合、その第1の特典の付与の後に低確率判定手段により判定が行われるものであり、
前記切替制御手段は、少なくとも前記不利遊技状態よりも前記有利遊技状態の方が前記第1の状態となる頻度が高くなるように前記可変入球手段を制御することを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第2の特典が付与された場合、その後に高確率判定手段により判定が行われるとともに、第1の特典が付与された場合、その後に低確率判定手段により判定が行われる。このため、不利遊技状態においては第2の特典が付与された場合の方が遊技者に有利となる。また、有利遊技状態においては可変入球手段が第1の状態となり易く有利であり、有利遊技状態から不利遊技状態に移行してしまうため、有利遊技状態においては第2の特典が付与された方が遊技者に不利である。このように、遊技者に付与される特典を複数種類設けたことにより、遊技状態によって付与された場合の特典の大きさを異ならせることが可能となる。
特徴B10.前記有利遊技状態は、各遊技状態において前記第1の特典及び前記第2の特典が付与された場合の特典の大きさが異なることにより、前記不利遊技状態よりも相対的に有利なものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1の特典及び第2の特典がそれぞれ付与された場合に付与される特典が異なることにより、有利遊技状態及び不利遊技状態の相対的な有利不利が決定される。つまり、有利遊技状態と不利遊技状態との移行契機と、有利遊技状態と不利遊技状態とにおける相対関係と、を第1の特典及び第2の特典の付与にてそれぞれ決定することが可能となる。
上記特徴B群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、大当たり状態等の遊技者に有利な特定遊技状態を発生させるか否かの大当たり抽選が行われると共に絵柄の変動表示が開始される。そして大当たり抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されると共に、遊技状態が特定遊技状態に移行する。特定遊技状態への移行に伴い、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が開始され、可変入球装置への入球に基づいて多量の遊技球が払い出されるようになっている。
しかしながら、特定遊技状態に移行するか否かの抽選を行わせるために作動口を遊技球が通過するか否かと、特定遊技状態に移行するか否かの抽選結果とのみに遊技者が注目し、遊技が単調なものとなってしまうおそれがある。
また、上記特徴B1〜B10のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A21、下記特徴C1〜C4のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
特徴C1.遊技状態として、相対的に遊技者に不利となった不利遊技状態(低頻度入賞遊技状態)と、相対的に遊技者に有利となった有利遊技状態(高頻度入賞遊技状態)とが設定されており、
前記不利遊技状態において、予め定められた特定条件の成立を少なくとも一の条件として、遊技状態を前記有利遊技状態に移行させる有利側移行手段(主制御装置81のMPU202による開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1101〜ステップS1103、ステップS1109〜ステップS1111等)と、
前記有利遊技状態において、前記特定条件の成立を少なくとも一の条件として、遊技状態を前記不利遊技状態に移行させる不利側移行手段(主制御装置81のMPU202による開閉実行モード終了時の移行処理におけるステップS1101〜ステップS1104、ステップS1108等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、相対的に不利な不利遊技状態と、相対的に有利な有利遊技状態とが設定されている。また、不利遊技状態において特定条件の成立を少なくとも一の条件として有利遊技状態に移行するとともに、有利遊技状態において特定条件の成立を少なくとも一の条件として不利遊技状態に移行する。これにより、不利遊技状態においては特定条件が成立することを期待するとともに、有利遊技状態においては特定条件が成立しないことを期待して遊技者は遊技を行うものと考えられる。この結果、遊技状態によって特定条件が成立することを期待する場合と、成立することを期待しない場合と、を設けることが可能となり、常に特定条件が成立することを期待して遊技を行う構成に比べ、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴C2.前記有利側移行手段によって前記不利遊技状態から前記有利遊技状態に移行される条件と、前記不利側移行手段によって前記有利遊技状態から前記不利遊技状態に移行される条件と、が異なっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、不利遊技状態から有利遊技状態に移行する条件と有利遊技状態から不利遊技状態に移行する条件とが異なっている。これにより、不利遊技状態においては有利遊技状態に移行する条件が成立することを遊技者は期待するとともに、有利遊技状態においては有利遊技状態から不利遊技状態に移行する条件が成立しないことを遊技者は期待する。この結果、不利遊技状態と有利遊技状態とにて、成立するか否かに遊技者が注目する特定条件を異ならせることが可能となり、常に一の特定条件が成立するか否かに注目する構成に比べ、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴C3.前記有利側移行手段は、前記不利遊技状態において前記特定条件が成立したことに基づいて昇格契機遊技状態(X1の状態)に移行させるものであり、前記昇格契機遊技状態にて予め定められた移行条件が成立したことに基づいて前記有利遊技状態に移行させるものであり、
前記不利側移行手段は、前記有利遊技状態において前記特定条件が成立したことに基づいて降格契機遊技状態(Y1の状態、Z1の状態)に移行させるものであり、前記降格契機遊技状態にて予め定められた移行条件が成立したことに基づいて前記有利遊技状態に移行させるものであり、
前記昇格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数と、前記降格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数と、が異なっていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、昇格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数と、降格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数と、が異なっている。つまり、昇格契機遊技状態及び降格契機遊技状態のうち少なくとも一方が複数種類設定されている。これにより、昇格契機遊技状態及び降格契機遊技状態がそれぞれ一の遊技状態のみ設定されている構成に比べ、遊技が単調化することを抑制できる。
特徴C4.前記降格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数は、前記昇格契機遊技状態として設定されている遊技状態の種類の数よりも多いことを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、降格契機遊技状態の種類が昇格契機遊技状態の種類よりも多い。つまり、有利遊技状態から不利遊技状態に移行する移行契機が単調化なものとなることを抑制できる。特に、複数設定されている降格契機遊技状態においてそれぞれ特定条件が成立する期待度を異ならせれば、降格契機遊技状態に移行した場合には特定条件が成立し易いものに移行することを期待して遊技者は遊技を行い、降格契機遊技状態に移行した場合の遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、上記特徴C1〜C4のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A21、上記特徴B1〜B10のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。