JP2016166302A - フェロセニルチオカルボニル基を有するチオフェン化合物 - Google Patents

フェロセニルチオカルボニル基を有するチオフェン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】共役の長さが短くても長波長可視光を吸収でき、色素増感太陽電池等に増感色素に用いる化合物の提供。【解決手段】式(1)で表されるフェロセニルチオカルボニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を有するチオフェン化合物。(R1及びR2は各々独立にC1〜10のアルキル基、C1〜10のアルコキシ基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C3〜10のシクロアルキル基又はC4〜10のシクロアルキルアルキル基;n1及びn2は各々独立に0〜2の整数;n1及びn2が2のとき、各R1同士及び各R2同士が環を形成していてもよい:Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリーレン基;mは0〜10の整数;mが2以上のとき、各Arは各々独立に;X1及びX2は各々独立にフェロセニル基又はC1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基)【選択図】なし

Description

本発明は、新規なチオフェン化合物、及び上記化合物を含む増感色素組成物に関する。また、該増感色素組成物を用いる色素増感太陽電池に関する。
増感色素は、例えば、可視光応答性のない半導体等の表面に色素を吸着させ、色素が光捕集することにより光励起して、色素から半導体への電子流入を起こし、可視光応答を生じさせる。太陽電池において光エネルギーを効率よく利用するため、より機能性の高い増感色素、すなわち、光捕集の効果が高い増感色素を求めて盛んに研究が行われている。例えば、色素増感太陽電池にルテニウム錯体であるN3やN719が増感色素として用いられ、発電効率向上に寄与することが知られている。
また、有機色素の利用も検討され、オリゴチオフェン骨格を持つMK−2やMK−14が増感色素として優れた能力を発揮することが知られている。
有機色素は希少金属を必要とせず、分子の修飾が容易で性能の微調整が可能であることから、今後の益々の発展が期待されている。しかし、現状の有機色素では波長が500nm以上の長波長可視光の吸収は難しいため、太陽光エネルギーの有効な捕集の面で課題が残っている。優れた増感色素と言われる前記MK−2やMK−14も極大吸収波長は480nm、483nmである。長波長の可視光を吸収する方法としては、共役を拡張することであるが、合成にかかる手間やコストが増大するため実用面で難点がある。また、元々長波長可視光を吸収するポルフィリンやフタロシアニン骨格は、その溶解性の低さから修飾が難しい。これらの状況から、比較的短い共役長でも長波長可視光を吸収できる、取扱いの容易な分子骨格の開発が求められている。
長波長可視光の吸収効率が高く、色素増感太陽電池等に増感色素として用いることができる化合物を提供することを課題とする。
前記課題の解決のために鋭意研究の結果、フェロセニルチオカルボニル基又はメシチルチオカルボニル基を有するチオフェン化合物は、分子サイズが小さく、共役の長さが短いにもかかわらず、長波長可視光を効率よく吸収できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
(1)式(1)で表される化合物。
(式中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
n1及びn2は、同一でも異なっていてもよく、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
n1及びn2は、2であるとき、各R同士及び各R同士が一緒になって環を形成していてもよく、
Arは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリーレン基であり、
mは、0〜10から選択されるいずれかの整数であり、
mが2以上であるとき、各Arは同一でも異なっていてもよく、
及びXは、同一でも異なっていてもよく、フェロセニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。)
(2)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基が、メシチル基であることを特徴とする上記(1)に記載の化合物。
(3)Arが、以下のアリーレン基のいずれかであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化合物。
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
n3−1は、0〜4から選択されるいずれかの整数であり、
n3−2は、0〜6から選択されるいずれかの整数であり、
n3−3は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
n3−4は、0〜3から選択されるいずれかの整数であり、
n3−5は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
n3−1〜n3−5が2以上の場合、各Rは同一でも異なっていてもよく、
波線は、隣接するチオフェンへの結合部位であることを表す。)
(4)mが、0〜3から選択されるいずれかの整数であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物。
(5)式(2)で表される上記(1)に記載の化合物。
(X及びXは、同一であり、フェロセニル基又はメシチル基である。)
(6)式(3)で表される上記(1)に記載の化合物。
(X及びXは、同一であり、フェロセニル基又はメシチル基である。)
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とする増感色素組成物。
本発明の化合物は、長波長可視光の吸収効率が高く、酸化に対する安定性を有している。上記化合物を使用することによって、太陽光エネルギーの利用効率が向上した色素増感太陽電池を提供することが可能である。
化合物I−1、化合物II−1及び式(2−1)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトルを表す図である。 化合物I−2、化合物II−2及び式(2−2)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトルを表す図である。 化合物I−1、化合物III−1及び式(3−1)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトルを表す図である。 化合物I−2、化合物III−2及び式(3−2)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトルを表す図である。
(化合物)
本発明の化合物は、式(1)で表される、フェロセニルチオカルボニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を有するチオフェン化合物である。
上記式(1)中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
n1及びn2は、同一でも異なっていてもよく、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
n1及びn2は2であるとき、各R同士及び各R同士は、一緒になって環を形成していてもよく、
Arは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリーレン基であり、
mは、0〜10から選択されるいずれかの整数であり、
mが2以上であるとき、各Arは同一でも異なっていてもよく、
及びXは、同一でも異なっていてもよく、フェロセニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。
式(1)における炭素数1〜10のアルキル基とは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチルオ基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数1〜10のアルコキシ基とは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルコキシ基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
式(1)における炭素数2〜10のアルケニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルケニル基である。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デセニル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数2〜10のアルキニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基である。例えば、エチニル基、1−プロペニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキサニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数3〜10のシクロアルキル基とは、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基である。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基とは、置換基を有していてもよく、シクロアルキル基とアルキル基が結合した炭素数4〜10の基である。例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルエチル基、シクロへキシルメチル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数1〜4のアルキル基とは、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよい」の置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基等が挙げられる。
式(1)におけるヘテロ原子を含んでいてもよいアリーレン基とは、置換基を有していてもよい、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでもよい芳香族の二価基であり、隣接するチオフェンとπ共役するものであれば特に制限は無い。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、フラザニレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、フラニレン基、ピラニレン基、チエニレン基、3,4−エチレンジオキシチエニレン基、ベンゾチオフェニレン基、チオピラニレン基、イソチオクロメニレン基、チオクロメニレン基、チオキサントレニレン基、チアントレニレン基、フェノキサチイニレン基、ピロリジニレン基、1H−1−ピリンジニレン基、インドニジニレン基、イソインドリレン基、インドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリジニレン基、イソキノリニレン基、キノリニレン基、ナフチリジニレン基、フタラジニレン基、キノキサニリレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、プテリジニレン基、カルバゾリレン基、β−カルボリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、ペリミジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、フェノチアジニレン基、フェノキサジニレン基、アンチジニレン基、イソベンゾフラニレン基、ベンゾフラニレン基、イソクロメニレン基、クロメニレン基、キサンテニレン基、パラチアジニレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリルレン基等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよい」の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、3,4−エチレンジオキシ基、アリール基等が挙げられる。
式(1)におけるヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜10のアリーレン基は、好ましくは以下の構造で表されるアリーレン基のいずれかである。
上記構造式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
n3−1は、0〜4から選択されるいずれかの整数であり、
n3−2は、0〜6から選択されるいずれかの整数であり、
n3−3は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
n3−4は、0〜3から選択されるいずれかの整数であり、
n3−5は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
波線は、隣接するチオフェンへの結合部位であることを表す。
上記n3−1〜n3−5が、2以上の整数である場合、各Rは同一でも異なっていてもよい。
における、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基及び炭素数3〜10のシクロアルキル基は、前記式(1)における炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基及び炭素数3〜10のシクロアルキル基と同じ定義である。
式(1)における炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基とは、少なくとも1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o−イソプロピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基、ジュリル基(2,3,5,6−テトラメチルフェニル基)、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、メシチル基(2,4,6−トリメチルフェニル基)等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ジュリル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、メシチル基であり、特に好ましくはメシチル基である。
式(1)におけるmは、好ましくは0〜3から選択されるいずれかの整数である。また、mが2以上である場合、各Arは同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物は、具体的には、以下に示す化合物を例示することができる。なお、化合物中Fcはフェロセニル基を表す。
本発明の式(1)で表される化合物は、有機色素であって、増感色素として用いることができる。また、本発明の式(1)で表される化合物の光の極大吸収波長は長波長側にあるが、長波長側の光を効率よく利用する観点から、その極大吸収波長が、400nm以上の領域にある化合物が好ましく、450nm以上の領域にある化合物がより好ましく、500nm以上の領域にある化合物が特に好ましい。
本発明の式(1)で表される化合物は、極大の吸収ピークに加えて、さらに長波長側に吸収ピークがあり、n−π遷移及びd−π遷移に由来する。その吸収ピークは、500nm以上の領域にあるものが好ましく、600nm以上の領域にあるものがより好ましく、700nm以上の領域にあるものが特に好ましい。
(化合物の合成)
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の有機合成手法により合成することができる。本発明の式(1)で表される化合物を合成するとき、クロスカップリング反応及びカルボニルの硫化を鍵反応とする。
式(1)中のmが0のとき(式(1−1)と表す)は、例えば、以下に示す合成ルート1により合成される。
(式中、R、R、X、X、n1、n2は、前記式(1)におけるR、R、X、X、n1、n2と同じ定義である。)
出発物である式(3)及び式(4)の酸塩化物をそれぞれ、ルイス酸の存在下、フェロセン又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいベンゼンと反応(工程I)させることにより、式(5)及び式(6)の化合物を得ることができる。次に、上記の式(5)及び式(6)の化合物を、添加剤の存在下又は非存在下、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応(工程II)により式(7)の化合物へと誘導する。さらに、ローソン(Lawesson)試薬又は五硫化二リン(P10)によるカルボニルの硫化(工程III)を行うことで目的の式(1−1)の化合物へと誘導する。
出発物である式(3)及び式(4)の酸塩化物は、市販品である、例えば、チオフェン−2−カルボニルクロリドや3−メチルチオフェン−2−カルボニルクロリドを用いることができる。
また、式(3)及び式(4)の酸塩化物は、有機合成手法を用いてチオフェン環に置換基を導入することによっても得ることができる。
具体的には、例えば、上記の2−チオフェンカルボン酸や3−メチル−2−チオフェンカルボン酸を、濃硫酸等の酸触媒存在下、メタノールやエタノール等のアルコールと反応させることによってカルボン酸をエステルとして保護し、得られたエステルを、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)等でハロゲン化した後、マグネシウムを反応させグリニャール試薬を調製し、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル、炭素数2〜10のハロゲン化アルケニル、炭素数2〜10のハロゲン化アルキニル基、炭素数3〜10のハロゲン化シクロアルキルと反応させることにより、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を導入することができる。また、例えば、上記のエステルを、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、NBS、NCS、NIS等でハロゲン化した後、アルカリ金属アルコキシド(アルコキシド部分の炭素数は1〜10である。)を作用させることによって、炭素数1〜10のアルコキシ基を導入できる。
置換基を導入したエステルを加水分解し、さらに生成したカルボン酸を塩化チオニル等と反応させることによって、酸塩化物を得ることができる。
工程Iにおいて使用する炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいベンゼンとしては、ベンゼン、o−メチルベンゼン、m−メチルベンゼン、p−メチルベンゼン、o−エチルベンゼン、m−エチルベンゼン、p−エチルベンゼン、o−プロピルベンゼン、m−プロピルベンゼン、p−プロピルベンゼン、o−イソプロピルベンゼン、m−イソプロピルベンゼン、p−イソプロピルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、メシチレン等が挙げられ、市販品を用いることができる。また、工程Iにおいて使用するフェロセンも市販品を用いることができる。
工程Iにおいて使用するルイス酸としては、例えば、三臭化アルミニウム、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化鉄、五塩化アンチモン、四塩化ジルコニウム、四塩化スズ、四塩化チタン、四臭化チタン、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、トリメトキシホウ素、二塩化亜鉛、二塩化ベリリウム、二塩化カドミウム、三ハロゲン化ランタノイド、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルミニウムトリアルキル、アルミニウムアルコキシド、銀トリフラート、セリウムトリフラート、ハフニウムトリフラート、ランタニウムトリフラート、スカンジウムトリフラート、タリウムトリフラート、イッテルビウムトリフラート、ビスマストリフラート、トリメチルシリルトリフラート、チタノセントリフラート、ジアルキルボロントリフラート、スカンジウムトリフリルイミド、スカンジウムトリフリルメチド、オキソバナジウムトリフラート、トリメチルシリルトリフリルイミド、トリメチルシリルヨージド等が挙げられるが、好ましくは三塩化アルミニウムである。
工程IIにおいて使用する遷移金属触媒は、好ましくはパラジウム錯体であり、例えば酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、好ましくは、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリドである。効率よく反応が進行するために、例えばトリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリス(o−メトキフェニル)ホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等リン配位子、トリフェニルヒ素等のヒ素配位子等を適宜添加してもよい。
工程IIにおいて使用する添加剤は、遷移金属触媒の活性をさらに増大させる効果を有するものであれば特に制限されないが、例えば、硝酸銀、並びに、フッ化銀及びフッ化カリウムの組合せ等が挙げられ、フッ化銀及びフッ化カリウムの組合せが好ましい。
工程IIIにおいて使用するローソン(Lawesson)試薬は、カルボニル基をチオカルボニル基へ変換する。ローソン(Lawesson)試薬は、市販のものを使用することができる。
式(1)中のmが1〜10のとき(式(1−2)と表す)は、例えば、以下に示す合成ルート2により合成される。
(式中、R、R、X、X、n1、n2、Arは、前記式(1)におけるR、R、X、X、n1、n2、Arと同じ定義である。mは、1〜10から選択されるいずれかの整数である。Y及びYは、同一でも異なっていてもよく、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選択されるいずれかのハロゲン原子を表す。)
合成ルート1で得られた式(5)及び式(6)の化合物並びに式(8)のハロゲン化物を、酸又はその塩の存在下若しくは非存在下、及び塩基の存在下又は非存在下、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応(工程IV)により式(9)の化合物へと誘導する。次に、ローソン(Lawesson)試薬又は五硫化二リン(P10)によるカルボニルの硫化(工程III)を行うことで目的の式(1−2)の化合物へと誘導する。
上記式(8)のハロゲン化物は、市販のハロゲン化物を用いることができる。例えば、上記市販のハロゲン化物としては、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、2,7−ジブロモナフタレン、4,4’−ジブロモビフェニル、4,4’’−ジブロモ−p−トリフェニル、4−ブロモ−4’−ヨードビフェニル、2,6−ジブロモナフタレン、2,6−ジブロモピリジン、2−ブロモ−4−クロロピリジン、2,3−ジブロモピリジン、2,5−ジブロモピリジン、2−ブロモ−5−ヨードピリジン、2−ブロモ−6−クロロピリジン、2−ブロモ−5−ヨード−3−メチルピリジン、3−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリジン、5−ブロモ−2−クロロ−4−メチルピリジン、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル、2,5−ジブロモピラジン、2,5−ジブロモ−3,4−エチレンジオキシチオフェン等を挙げることができる。
また、上記式(8)のハロゲン化物は、公知の有機合成手法により合成することができる。例えば、上記の市販のハロゲン化物とマグネシウムを反応させグリニャール試薬を調製し、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル、炭素数2〜10のハロゲン化アルケニル、炭素数2〜10のハロゲン化アルキニル基、炭素数3〜10のハロゲン化シクロアルキルと反応させることにより、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を導入することができる。また、例えば、上記の市販のハロゲン化物を、アルカリ金属アルコキシド(アルコキシド部分の炭素数は1〜10である。)を作用させることによって、炭素数1〜10のアルコキシ基を導入できる。置換基を導入した後、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、NBS、NCS、NIS等を作用させて、式(8)のハロゲン化物へと誘導することができる。
工程IVにおける遷移金属触媒は、工程IIにおいて使用する遷移金属触媒の例示と同様のものが挙げられる。効率よく反応が進行するために、例えばトリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリス(o−メトキフェニル)ホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等リン配位子、トリフェニルヒ素等のヒ素配位子等を適宜添加してもよい。遷移金属触媒の中でも、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウムが好ましく、配位子としてトリス(o−メトキフェニル)ホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンを用いるのが好ましい。
工程IVにおける酸は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、ペンタン酸、3−メチルブタン酸、2−メチルブタン酸、ピバル酸、3,3−ジメチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、ペンタンカルボン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、4−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,3,3−トリメチルブタン酸、オクタン酸、2−プロピルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、6−メチルヘプタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、2,2−ジエチルブタン酸、2,2,4−トリメチルペンタン酸、2−メチルオクタン酸、2−メチルウンデカン酸、2−メチルノナン酸、α−メチルシンナミル酸、シクロプロピル酢酸、3−シクロプロピルプロピオン酸、シクロブチル酢酸、シクロペンチル酢酸、シクロヘキシル酢酸、シクロペンチルプロピオン酸、(2−メチルシクロペンチル)酢酸、シクロペンタンカルボン酸、3−オキソシクロペンタンカルボン酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−メチルシクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸、2−オクチル−シクロプロパンカルボン酸、1−(4−メチルフェニル)−1−シクロプロパンカルボン酸等が挙げられる。上記酸の中でもピバル酸が好ましい。
工程IVにおける塩基は、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等、C〜Cのアルコキシドの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、C〜Cのアルキルアニオンの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、テトラ(C〜Cのアルキル)アンモニウム塩(フッ化物塩、塩化物塩、臭化物塩)、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、イミダゾール等が挙げられる。上記塩基の中でも炭酸セシウム及び酢酸カリウムが好ましい。
式(1)中のmが1〜10であり、Arがチエニル基であるとき(式(1−3)と表す)は、例えば、以下に示す合成ルート3により合成される。
(式中、R、R、X、X、n1、n2は、前記式(1)におけるR、R、R、X、X、n1、n2、n3−3と同じ定義である。R、n3−3は、前記アリーレンの構造におけるR、n3−3と同じ定義である。m1及びm2は、0〜10から選択されるいずれかの整数であるが、m1とm2の合計は、1〜10から選択されるいずれかの整数mである。)
合成ルート1で得られた式(5)及び式(6)の化合物それぞれと、式(10)のチオフェン化合物とを、添加剤の存在下又は非存在下、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応(工程II)により、式(11)及び式(12)の化合物へと誘導する。次に、式(11)及び式(12)の化合物を工程IIと同様に、添加剤の存在下又は非存在下、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応により、式(13)の化合物を得る。さらに、ローソン(Lawesson)試薬又は五硫化二リン(P10)によるカルボニルの硫化(工程III)を行うことで目的の式(1−3)の化合物を合成する。
式(10)のチオフェン化合物は、市販のチオフェン化合物を用いることができる。例えば、上記市販のチオフェン化合物としては、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、2,2’−ビチオフェン、2,5’:5’,2’’−テルチオフェン、α-クアテルチオフェン、α-セキシチオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン等を挙げることができる。
また、上記式(10)のチオフェン化合物は、有機合成手法により合成することができる。例えば、上記の市販のチオフェン化合物を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、NBS、NCS、NIS等でハロゲン化した後、マグネシウムを反応させグリニャール試薬を調製し、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル、炭素数2〜10のハロゲン化アルケニル、炭素数2〜10のハロゲン化アルキニル基、炭素数3〜10のハロゲン化シクロアルキルと反応させることにより、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を導入することができる。また、例えば、上記の市販のチオフェン化合物を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、NBS、NCS、NIS等でハロゲン化した後、アルカリ金属アルコキシド(アルコキシド部分の炭素数は1〜10である。)を作用させることによって、炭素数1〜10のアルコキシ基を導入できる。
さらに、mが2以上の整数であり、Arの少なくとも一つがチエニル基であるとき(式(1−4)と表す)、例えば、以下に示す合成ルート4により合成される。
(式中、R、R、X、X、n1、n2、Arは、前記式(1)におけるR、R、X、X、n1、n2、Arと同じ定義である。R、n3−3は、前記アリーレンの構造におけるR、n3−3と同じ定義である。Y及びYは、前記式(8)におけるY及びYと同じ定義である。m1、m2及びm3は、0〜10から選択されるいずれかの整数であるが、m1とm2とm3の合計は、2〜10から選択されるいずれかの整数mであり、m1とm2の合計は少なくとも1である。)
合成ルート3で得られた式(11)及び式(12)の化合物それぞれと、式(14)のハロゲン化物を、酸又はその塩の存在下又は非存在下、及び塩基の存在下又は非存在下、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応(工程IV)により式(15)の化合物へと誘導する。次に、ローソン(Lawesson)試薬又は五硫化二リン(P10)によるカルボニルの硫化(工程III)を行うことで目的の式(1−4)の化合物へと誘導する。
式(14)のハロゲン化物は、式(8)のハロゲン化物と同様の市販品を用いるか、式(8)のハロゲン化物と同様の有機合成手法により合成することができる。
工程I、II、III、IVの反応は、それぞれ溶媒中で行うことができるが、反応温度や反応物等によって適宜選択される。また、工程I、II、III、IVの反応の反応温度は、用いる溶媒の沸点等の条件によって適宜選択される。工程I、II、III、IVの反応で溶媒を用いる場合、得られた反応溶液を必要に応じて濃縮した後、残渣をそのまま次の反応に使用してもよく、適宜な後処理を行った後に、式(1)で表される化合物として用いてもよい。後処理の具体的な方法としては、抽出処理及び/又は晶出、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製が挙げられる。
(増感色素組成物)
本発明の増感色素組成物は、前記式(1)で表される化合物を含んでいればよく、必要に応じて、試薬の調製に通常用いられる溶媒や添加剤を配合して用いてもよい。また、前記式(1)で表される化合物そのものを増感色素組成物として用いてもよい。本発明の式(1)で表される化合物や増感色素組成物は、色素増感太陽電池に使用することができる。
本発明の式(1)で表される化合物を色素増感太陽電池に用いる場合、既に知られているルテニウム錯体であるN3やN719等の増感色素に代えて用いることができ、発電効率向上に寄与する。
以下に、実施例において本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術範囲は、これらに限定されるものではない。
実施例1.式(2−1)で表される化合物の合成
[工程1]
化合物I−1は、既知化合物であり、文献(“Enantioselective Synthesis of Planar Chiral ortho-Functionalized Ferrocenyl Ketones” Enders, D.; Peters, R.; Lochtman, R.; Runsink, J. Eur. J. Org. Chem. 2000, 2839)に記載の方法に従って合成した。具体的には以下の手順によって合成した。
2−チオフェンカルボニルクロリド(和光純薬社製、3.2mL、30mmol)を塩化メチレン(30mL)に溶解し、塩化アルミニウム(III)(4.0g、30mmol)を0℃で添加した。0℃で30分間撹拌後、反応混合物をフェロセン(和光純薬社製、5.6g、30mmol)の塩化メチレン(30mL)溶液に0℃で添加した。0℃で2時間撹拌後、反応混合物を氷冷した水中に注ぎ反応を停止した。ジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/塩化メチレン:ヘキサン 1:1)で精製し、化合物I−1(6.8g、収率77%)を赤色結晶として得た。なお、合成した化合物I−1の各種スペクトルデータは、上記文献に記載のそれと一致した。
[工程2]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物I−1(0.59g,2.0mmol)とフッ化カリウム(0.23g,4.0mmol)、硝酸銀(0.68g,4.0mmol)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(23mg,60μmol)の混合物に無水ジメチルスルホキシド(15mL)を加え、60℃で12時間撹拌を行った。反応混合物をセライトろ過し、固形物は塩化メチレン(200mL)で洗浄した。得られたろ液を水で洗浄した(50mL×2)。洗浄後の有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:アセトン=1:0→1:0.1)で精製し、化合物II−1(0.17g,収率29%)を赤色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、高分解能質量スペクトル、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。
融点223−227℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 4.25(s,10H),4.63(t,J=1.9Hz,4H),5.04(t,J=1.9Hz,4H),7.36(d,J=4.0Hz,2H),7.87(d,J=4.0Hz,2H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 70.5,70.9,72.6,78.6,125.4,132.3,142.3,143.9,188.8.
高分解能質量スペクトル(ESI) m/z 590.9843[M+H](計算値:590.9838,C3023Fe).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 376nm(2.67×10),509nm(4.70×10).
[工程3]
アルゴン雰囲気下、化合物II−1(0.12g,0.20mmol)とローソン試薬(97mg,0.24mmol)の混合物に無水ベンゼン(6mL)を加え、1時間加熱還流を行った。反応混合物をシリカゲルろ過し、塩化メチレンで溶出した。得られた溶液の揮発成分を留去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン=1:1)で精製し、式(2−1)で表される化合物(50mg,収率40%)を深緑色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、高分解能質量スペクトル、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。また、化合物I−1、化合物II−1及び式(2−1)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトル図を図1に示す。
融点210−214℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 4.23(s,5H),4.81(t,J=1.9Hz,2H),5.16(t,J=1.9Hz,2H),7.37(d,J=4.2Hz,1H),7.72(d,J=4.2Hz,1H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 72.2,72.9,74.0,89.1,126.1,129.1,145.5,154.0,221.0.
高分解能質量スペクトル(ESI) m/z 622.9390[M+H](計算値:622.9381,C3023Fe).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 374nm(1.67×10),477nm(2.68×10),644nm(7.65×10).
実施例2.式(2−2)で表される化合物の合成
[工程1]
化合物I−2は、既知化合物であり、“Enantioselective Synthesis of Planar Chiral ortho-Functionalized Ferrocenyl Ketones” Enders, D.; Peters, R.; Lochtman, R.; Runsink, J. Eur. J. Org. Chem. 2000, 2839に記載の方法に従って合成した。具体的には以下の手順によって合成した。
2−チオフェンカルボニルクロリド(1.1mL、10mmol)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、塩化アルミニウム(III)(1.3g、10mmol)を0℃で添加した。0℃で30分間撹拌後、メシチレン(和光純薬社製、1.39mL、10mmol)を0℃で添加した。0℃で14時間撹拌後、反応混合物を氷冷した水中に注ぎ反応を停止した。塩化メチレンを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/塩化メチレン:ヘキサン 1:1)で精製し、化合物I−2(2.2g、収率96%)を淡橙色結晶として得た。なお、合成した化合物I−2の各種スペクトルデータは、上記文献に記載の化合物I−2のそれと一致した。
[工程2]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物I−2(0.46g,2.0mmol)とフッ化カリウム(0.23g,4.0mmol)、硝酸銀(0.68g,4.0mmol)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(23mg,60μmol)の混合物に無水ジメチルスルホキシド(15mL)を加え、60℃で12時間撹拌を行った。反応混合物をセライトろ過し、固形物は塩化メチレン(100mL)で洗浄した。得られたろ液を水で洗浄した(50mL×2)。洗浄後の有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製し、化合物II−2(0.38g,収率82%)を淡黄色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、高分解能質量スペクトル、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。
融点229−233℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 2.17(s,12H),2.32(s,6H),6.89(s,4H),7.25(brs,4H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 19.3,21.1,126.3,128.4,134.2,135.3,136.3,139.0,144.7,145.0,192.4.
高分解能質量スペクトル(ESI) m/z 459.1452[M+H](計算値:459.1452,C2827).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 376nm(3.50×10).
[工程3]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物II−2(46mg,0.10mmol)と五硫化二リン(53mg,0.12mmol as P4S10)の混合物に無水キシレン(3mL)を加え、3時間加熱還流を行った。反応混合物をシリカゲルろ過し、塩化メチレンで溶出した。得られた溶液の揮発成分を留去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン=1:1)で精製し、式(2−2)で表される化合物(38mg,収率77%)を赤色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。化合物I−2、化合物II−2及び式(2−2)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトル図を図2に示す。
融点215−218℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 2.16(s,12H),2.31(s,6H),6.89(s,4H),6.90−7.20(br,2H),7.32(d,J=4.2Hz,2H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 19.4,21.0,127.8,128.5,131.4,132.9,137.7,144.0,148.8,155.1,227.5.
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 485nm(3.60×10).
実施例3.式(3−1)で表される化合物の合成
[工程4]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物I−1(0.89g,3.0mmol)と1,4−ジブロモベンゼン(0.24g,1.0mmol)、炭酸セシウム(0.98g,3.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(5mg,5μmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4mg,0.01mmol)、ピバル酸(0.10g,1.0mmol)の混合物に無水トルエン(4mL)を加え、100℃で24時間撹拌を行った。反応混合物をセライトろ過し、固形物は温めたクロロホルム(500mL)で洗浄した。得られたろ液の溶媒を留去し、得られた粗生成物を水、エタノール、ヘキサン、ジクロロメタンで洗浄することで、化合物III−1(0.54g,収率82%)を紫色固体として得た。以下に、融点、HNMRデータ、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。
融点280℃以上.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 4.25(s,10H),4.62(t,J=1.8Hz,4H),5.05(t,J=1.8Hz,4H),7.42(d,J=4.0Hz,2H),7.76(s,4H),7.92(d,J=4.0Hz,2H).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 379nm(4.93×10
[工程3]
アルゴン雰囲気下、化合物III−1(0.13g,0.20mmol)とローソン試薬(97mg,0.24mmol)の混合物に無水ベンゼン(6mL)を加え、3時間加熱還流を行った。反応混合物をシリカゲルろ過し、温めたクロロホルムで溶出した。得られた溶液の揮発成分を留去した後、得られた粗生成物をエタノール、ヘキサン、ジクロロメタンで洗浄することで、式(3−1)で表される化合物(79mg,収率56%)を深緑色固体として得た。以下に、融点、HNMRデータ、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。化合物I−1、化合物III−1及び式(3−1)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトル図を図3に示す。
融点280℃以上.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 4.23(s,10H),4.80(t,J=1.8Hz,4H),5.17(t,J=1.8Hz,4H),7.41(d,J=4.0Hz,2H),7.75(s,4H),7.78(d,J=4.0Hz,2H).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 462nm(3.23×10
実施例4.式(3−2)で表される化合物の合成
[工程4]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物I−2(0.69g,3.0mmol)と1,4−ジブロモベンゼン(0.24g,1.0mmol)、酢酸カリウム(0.29g,3.0mmol)、酢酸パラジウム(2mg,0.01mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(4mg,0.01mmol)の混合物に無水ジメチルアセトアミド(4mL)を加え、150℃で20時間撹拌を行った。反応混合物を塩化メチレン(100mL)で抽出し、有機相を水で洗浄した(50mL×2)。分取した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製し、化合物III−2(0.40g,収率74%)を淡黄色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、高分解能質量スペクトル、並びに紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。
融点270−273℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 2.20(s,12H),2.32(s,6H),6.90(s,4H),7.32(m,4H),7.70(s,4H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 19.3,21.2,124.6,126.9,128.3,133.9,134.2,135.7,136.6,138.8,143.9,152.6,192.5.
高分解能質量スペクトル(ESI) m/z 535.1762[M+H](計算値:535.1765,C3431).
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 379nm(4.91×10).
[工程3]
アルゴン雰囲気下、上記の化合物III−2(0.11g,0.20mmol)と五硫化二リン(0.11mg,0.24mmol as P4S10)の混合物に無水キシレン(3mL)を加え、3時間加熱還流を行った。反応混合物をシリカゲルろ過し、塩化メチレンで溶出した。得られた溶液の揮発成分を留去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン=1:1)で精製し、式(3−2)で表される化合物(95mg,収率84%)を褐色固体として得た。以下に、融点、H及び13CNMRデータ、紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示す。化合物I−2、化合物III−2及び式(3−2)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトル図を図4に示す。
融点239−244℃.
HNMR(500MHz,CDCl) δ 2.19(s,12H),2.32(s,6H),6.90(s,4H),6.94−7.24(br,2H),7.35(d,J=4.0Hz,2H),7.72(s,4H).
13CNMR(500MHz,CDCl) δ 19.5,21.1,125.8,126.7,128.4,131.8,132.9,134.2,137.5,144.2,154.6,156.6,227.4.
紫外可視吸収スペクトル(CHCl) λmax(ε) 469nm(5.87×10).
化合物II−1及び式(2−1)で表される化合物の紫外可視吸収スペクトル図に示されるように、カルボニル基の硫化によって吸収領域が長波長側にシフトすることがわかった。硫化前の化合物II−1の吸収極大波長は376nmであったのに対して、硫化後の式(2−1)で表される化合物の吸収極大波長は477nmであった。また、式(2−1)で表される化合物には600〜700nmの波長領域にもn−π遷移及びd−π遷移に由来すると考えられる幅広い吸収帯があり、光捕集分子として優れた特性を有することが明らかとなった。
さらに、式(2−2)及び式(3−2)で表される化合物に関しても、吸収極大波長はそれぞれ485nm、469nmであり、長波長領域において光の吸収が見られることがわかった。
以上のことから、単純なビスチオフェンは可視光を吸収せず、無色であることを考慮すると、本発明のフェロセニルチオカルボニル基を導入した化合物は、増感色素として有用であるといえる。
本発明の化合物は、長波長可視光を吸収でき、上記化合物を使用することによって、太陽光エネルギーの利用効率が向上した色素増感太陽電池を提供することが可能である。

Claims (7)

  1. 式(1)で表される化合物。
    (式中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
    n1及びn2は、同一でも異なっていてもよく、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
    n1及びn2は、2であるとき、各R同士及び各R同士が一緒になって環を形成していてもよく、
    Arは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリーレン基であり、
    mは、0〜10から選択されるいずれかの整数であり、
    mが2以上であるとき、各Arは同一でも異なっていてもよく、
    及びXは、同一でも異なっていてもよく、フェロセニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。)
  2. 炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基が、メシチル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. Arが、以下のアリーレン基のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
    (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基であり、
    n3−1は、0〜4から選択されるいずれかの整数であり、
    n3−2は、0〜6から選択されるいずれかの整数であり、
    n3−3は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
    n3−4は、0〜3から選択されるいずれかの整数であり、
    n3−5は、0〜2から選択されるいずれかの整数であり、
    n3−1〜n3−5が2以上の場合、各Rは同一でも異なっていてもよく、
    波線は、隣接するチオフェンへの結合部位であることを表す。)
  4. mが、0〜3から選択されるいずれかの整数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 式(2)で表される請求項1に記載の化合物。
    (X及びXは、同一であり、フェロセニル基又はメシチル基である。)
  6. 式(3)で表される請求項1に記載の化合物。
    (X及びXは、同一であり、フェロセニル基又はメシチル基である。)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とする増感色素組成物。
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