JP2016165704A - マイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ流路内を流れる反応溶液中の気泡の成長を抑制できるマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置を提供する。
【解決手段】反応溶液が流れるマイクロ流路100と、マイクロ流路100の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡200を分断する分断部111と、を有する。
【選択図】図3
【解決手段】反応溶液が流れるマイクロ流路100と、マイクロ流路100の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡200を分断する分断部111と、を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、マイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置に関する。
マイクロ流路チップは、試料である標的核酸を増幅させるためのマイクロ流路を有するチップであり、例えば、標的核酸を含む反応溶液(反応流体)に所望の温度変化を繰り返し与えることによって標的核酸を増幅させる。
例えば、特許文献1には、マイクロ流路チップのマイクロ流路を複数の異なる温度領域に分割しておき、反応溶液が各温度領域を繰り返して通過するように蛇行した流路(蛇行流路)を設けることが開示されている。
ところで、マイクロ流路チップのマイクロ流路を流れる反応溶液には、チップに反応溶液を注液する際の気泡の巻き込み、反応溶液の加熱による沸騰、流路内の流れの不均一による泡噛み、又は、反応溶液自身からの発泡等により、気泡が発生する。そして、発生した気泡同士が結合し成長することで、送液速度のばらつき、又は、反応溶液の反応の阻害等を引き起こしてしまうという課題がある。
そこで、本発明は、マイクロ流路内を流れる反応溶液中の気泡の成長を抑制できるマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るマイクロ流路チップは、反応溶液が流れるマイクロ流路と、前記マイクロ流路の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡を分断する構造物である分断部と、を有する。
また、本発明の一態様に係るマイクロ流路装置は、上記のマイクロ流路チップと、ヒータと、を有し、前記ヒータは、前記マイクロ流路が有する所定の流路を所定の温度に設定する。
本発明の一態様に係るマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置は、マイクロ流路内を流れる反応溶液中の気泡の成長を抑制できる。
以下では、本発明の実施の形態に係るマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
以下、図1〜図4を用いて、実施の形態を説明する。
以下、図1〜図4を用いて、実施の形態を説明する。
[全体構成]
まず、本発明の実施の形態に係るマイクロ流路チップ1及びマイクロ流路装置2の構成について説明する。
まず、本発明の実施の形態に係るマイクロ流路チップ1及びマイクロ流路装置2の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係るマイクロ流路装置2の斜視図である。
図2は、実施の形態に係るマイクロ流路装置2の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るマイクロ流路装置2は、試料となる標的核酸を増幅させるためのデバイスであって、マイクロ流路チップ1とヒータ30とを有する。
マイクロ流路チップ1は、試料となる標的核酸を含む液体(反応溶液)が流れるマイクロ流路100、導入部130及び排出部140を備える。また、マイクロ流路チップ1は、後述するヒータ30に載置される。
導入部130は、反応溶液が導入される試料導入口(インレット)である。
マイクロ流路100は、標的核酸を含む反応溶液を送液するための流路であり、導入部130に導入された反応溶液に含まれる標的核酸を増幅させるための流路である。また、マイクロ流路100は、反応溶液が一方通行的に流れる1本の流路で構成され、一方の端部が導入部130に、他方の端部が排出部140に繋がっている。
排出部140は、マイクロ流路100で増幅された標的核酸を含む反応溶液を排出するための試料排出口(ドレイン)である。
本実施の形態において、導入部130を介してマイクロ流路100に導入された反応溶液は、マイクロ流路100内を毛管力(キャピラリ力)により送液される。例えば、マイクロ流路100の内面を、接触角が鋭角である親水性表面とすることによって、反応溶液を毛管力によって送液することができる。
マイクロ流路100に導入される反応溶液は、少なくとも試料となる標的核酸を含む溶液であり、本実施の形態では、標的核酸と標的核酸を増幅させるための反応試薬とを含む水溶液である。なお、反応溶液には、ある種のアルコールや界面活性剤等が含まれていてもよい。
本実施の形態では、マイクロ流路チップ1を用いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応:Polymerase Chain Reaction)法を実施する場合について説明する。
PCR法は、ターゲットDNAを温度サイクルにより増幅させる技術である。反応溶液には、ターゲットDNAの他に、PCRプライマやポリメラーゼ酵素、バッファー等が含まれている。このような反応溶液に温度サイクルを付与することで、ターゲットDNAを増幅することができる。増幅したDNAの増幅量は、反応検出機構によって検出することができる。
ヒータ30は、マイクロ流路チップ1に対向するように配置され、マイクロ流路100が有する所定の流路を所定の温度に設定するための加熱装置である。マイクロ流路100に送液される反応溶液は、ヒータ30によって所定の温度に調整される。ヒータ30は、例えば、反応溶液に温度サイクルを付与するために、ヒータ30を図2に示されるy軸方向において2等分したときの、+y軸方向側と−y軸方向側とを所定の異なる温度にする。ここで、第1温度となるヒータ30の+y軸方向側の領域を第1温度領域とする(図示せず)。また、第2温度となるヒータ30の−y軸方向側の領域を第2温度領域とする(図示せず)。
なお、ヒータ30は、例えば、直方体のアルミニウムやステンレス等の金属からなる金属ブロックを組み合わせたヒータである。つまり、それぞれ所定の異なる温度の複数の金属ブロックによりマイクロ流路100の所定の流路は異なる温度に設定される。また、ヒータ30としては、金属ブロック以外に、ガラス基板上に金属薄膜を印刷等により形成した金属薄膜ヒータ等を用いることもできる。
また、ヒータ30は、温度制御部(図示せず)に接続される。これにより、温度制御部がヒータ30を構成する例えば複数の金属ブロックのそれぞれを異なる温度に制御することで、マイクロ流路100の所定の領域を、異なる温度に設定することができる。
本実施の形態では、第1温度領域の温度が第2温度領域の温度よりも高くなるように制御される。つまり、第1温度領域は高温領域であり、第2温度領域は低温領域である。
高温領域での第1温度は、例えば93℃〜98℃であり、一方、低温領域での第2温度は、例えば50℃〜75℃である。
また、マイクロ流路100は、折返し部110及び直線部120を有する。
直線部120は、ライン状の流路である。
折返し部110は、反応溶液の流れる方向を折り返させる流路であり、直線部120を折り返すように形成される。
このように、マイクロ流路100は、2つの温度領域を複数サイクルで往復するように、複数の直線部120と複数の折返し部110とを有する。つまり、マイクロ流路100は、蛇行するように形成された蛇行流路であり、第1温度領域の上と第2温度領域の上とを交互に繰り返して通過するように構成されている。マイクロ流路100は、直線部120が、所定間隔毎に折返し部110で折り曲げられながら連続的に折り返すように(往復するように)形成されている。マイクロ流路100の折り返し回数は、例えば20〜70サイクル程度であるが、これに限らない。
また、本実施の形態におけるマイクロ流路チップ1は、第1基板10と、第2基板20とによって構成されている。なお、マイクロ流路チップ1の外形は、例えば縦(x軸方向)の長さが40mmで横(y軸方向)の長さが20mmの略矩形状である。
第1基板10は、図2に示されるように、導入部130の一部を構成する第1凹部12と、排出部140の一部を構成する第2凹部13と、マイクロ流路100を構成する溝部11とを備える。第1基板10は、例えばシリコン基板である。
溝部11(マイクロ流路100)は、第1凹部12(導入部130)と第2凹部13(排出部140)とをつなぐように形成されている。溝部11には反応溶液が流れる。具体的には、第1凹部12に反応溶液が導入されると、導入された反応溶液は、第2凹部13に向かって溝部11内を進行する。
このように構成されるマイクロ流路100は、例えば、後述する図4で説明するように、矩形状の断面形状を有する。この場合、マイクロ流路100を構成する溝部11の幅及び深さは、例えば100〜300μm程度である。マイクロ流路100は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を利用して微細加工されることにより形成される。
なお、溝部11の断面形状は、矩形に限らず、半円形又は逆三角形としてもよい。また、第1基板10は、透明基板等の透光性基板及び不透光性基板のいずれであってもよく、また、シリコン基板に限らず、樹脂基板又はガラス基板等であってもよい。
第2基板20は、図2に示されるように、第1基板10を覆う蓋部であり、第1基板10上に載置される。第2基板20は、例えば、透明樹脂基板又はガラス基板等である。第2基板20には、導入部130の一部として、第2基板20を貫通する第1貫通孔21が設けられている。また、第2基板20には、排出部140の一部として、第2基板20を貫通する第2貫通孔22が設けられている。
図1に示されるように、第1基板10上に第2基板20を載置することによって、溝部11の開口部分が塞がれて全方位が密閉されたマイクロ流路100が構成される。これにより、マイクロ流路100は、反応溶液の送液方向(進行方向)に垂直な断面における壁面全周が閉じられた構成となり、かつ、導入部130及び排出部140においてのみ外部空間と繋がる構成となる。このように、マイクロ流路100の全方位を閉じることによって、マイクロ流路100における毛管力を増強させることができるとともに、送液中に反応溶液が揮発することを抑制できる。
なお、第2基板20の材料は、樹脂やガラスに限らず、シリコン等であってもよい。
[折返し部]
次に、本実施の形態のマイクロ流路100が有する折返し部110の構成について図3及び図4を用いて説明する。
次に、本実施の形態のマイクロ流路100が有する折返し部110の構成について図3及び図4を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る折返し部110の上面図である。
図4は、実施の形態に係る折返し部110の断面図である。
図3に示される折返し部110は図1に示される折返し部110を拡大したものである。また、図4では、図3に示されるIV−IV線における断面が示される。
本実施の形態に係る折返し部110は、図3に示されるように、分断部111、第1流路112、第2流路113、及び分岐前流路114を備える(図1及び図2には図示せず)。
ところで、マイクロ流路100を流れる反応溶液には、導入部130に反応溶液を注液する際の気泡の巻き込み、反応溶液の加熱による沸騰、流路内の流れの不均一による泡噛み、又は、反応溶液自身からの発泡等により、気泡200が発生する。反応溶液中に発生した複数の気泡200同士は、お互いに結合して成長していく。
分断部111は、マイクロ流路100の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡を分断する。分断部111は、具体的には、マイクロ流路100の折返し部110の内部に設けられる。ここで、マイクロ流路100(又は折返し部110)の内部とは、マイクロ流路100の一方の側壁と他方の側壁との間のことである。
分断部111は、マイクロ流路100を第1流路112及び第2流路113に分岐する。具体的には、分断部111は、反応溶液を第1流路112及び第2流路113に分岐させた後に合流させる。
より具体的には、図4に示されるように、分断部111は、折返し部110の内部において、第1基板10の溝部11の底面から垂直に延び、分断部111の高さが、溝部11の側壁の高さ、つまり、溝部11の深さと同じになるように設けられる。また、図3に示されるように、分断部111は、溝部11の一方の側壁と他方の側壁との間において、溝部11の側壁に沿った方向に設けられる。従って、第2基板20が第1基板10に載置されることで、分断部111が第2基板20に接触し、かつ、溝部11の開口部分が塞がれるため、反応溶液の送液方向に垂直な断面における壁面全周が閉じられた2つの流路が折返し部110に形成される。つまり、分断部111は、反応溶液の送液方向における所定の区間に亘ってマイクロ流路100を第1流路112及び第2流路113に区切る壁体となる。ここで、反応溶液の送液方向における所定の区間の長さは、長いほうが好ましい。反応溶液の送液方向における所定の区間の長さは、例えば、マイクロ流路100の幅の少なくとも3倍以上である。例えば、マイクロ流路100の幅が100μmの場合、分断部111はマイクロ流路100を300μmに亘って区切る。従って、分断部111は、ピラーのように細長い柱でマイクロ流路100を一部分で区切るのではなく、所定の区間に亘ってマイクロ流路100を完全に区切る。また、詳細は後述するが、マイクロ流路100は、分断部111で分断された気泡200の再結合を抑制する構造を有する。
また、分断部111の幅は、図3に示されるように、分断部111の送液方向における両端部において狭くなる。なお、分断部111の幅は、分断部111の送液方向における両端部において狭くなるとは限らない。例えば、分断部111の幅は、分断部111の送液方向における両端のうち、分岐前流路114側の端部において狭くなってもよい。また、分断部111の幅は、分断部111の送液方向における両端部において狭くならなくてもよく、一定の幅でもよい。
また、第1流路112と第2流路113とは、流路断面積が異なる。具体的には、分断部111が、マイクロ流路100の一方の側壁と他方の側壁との間のうちのどちらかの側壁側に寄って設けられることで、第1流路112と第2流路113とは、流路断面積が異なるように形成される。本実施の形態では、分断部111は、第1流路112の流路断面積が第2流路113の流路断面積よりも大きくなるようにマイクロ流路100を区切る。ここでは、流路断面積とは、反応溶液の送液方向に亘って断面積がほぼ一定である流路の断面積としている。
分岐前流路114は、分断部111で分岐される直前の流路であって、反応溶液の送液方向において、マイクロ流路100の第1流路112及び第2流路113への分岐が始まる直前の流路である。
なお、分断部111は、マイクロ流路100が有する複数の折返し部110のうちの少なくとも1つの折返し部110に設けられればよいが、例えば、2つ以上の折返し部110に設けられてもよいし、全ての折返し部110に設けられてもよい。
[気泡の分断及び再結合の抑制方法]
次に、反応溶液中に発生した気泡200の分断及び再結合の抑制方法について説明する。
次に、反応溶液中に発生した気泡200の分断及び再結合の抑制方法について説明する。
まず、反応溶液中に発生した気泡200の分断方法について説明する。
反応溶液中に発生した気泡200は、反応溶液と共にマイクロ流路100内を送液方向に流れていき、折返し部110に到達する。折返し部110に到達した気泡200のうち、分岐された第1流路112又は第2流路113の断面積よりも外形が大きい気泡200は、第1流路112又は第2流路113に入ることができず、分断部111に接触する。分断部111に接触した気泡200は、送液方向への圧力により分断部111との接触面から力を受けるため、分断部111で分断される。本実施の形態では、分断部111の幅は、分断部111の送液方向における両端部において狭くなるため、気泡200と分断部111との接触面は小さくなる。従って、気泡200が分断部111との接触面から受ける力はより強くなり、気泡200はより分断されやすくなる。そして、気泡200は、図3に示されるように、第1流路112に気泡200a、第2流路113に気泡200bに分断される。
次に、分断された気泡200a及び200bの再結合の抑制方法について説明する。ここでは、流路を流れる反応溶液の速さを、流路の流速と呼ぶ。
マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113とでの流速を変える構造を有する。具体的に、第1流路112と第2流路113とでの流速を変える構造とは、第1流路112と第2流路113との流路断面積が異なる構造である。本実施の形態では、マイクロ流路100は、第2流路113の断面積が、第1流路112の断面積よりも小さくなるように分断部111によって区切られている。ここで、一般的には、流路の流速は、流路の断面積が小さくなるほど速くなる。従って、第2流路113の流速は第1流路112の流速よりも、より速くなる。
このように、分断部111が、第1流路112と第2流路113との流路断面積が異なるようにマイクロ流路100を区切ることで、第1流路112と第2流路113とでの流速が変えられる。
図3に示されるように、第2流路113の断面積は、第1流路112の断面積よりも小さいため、第2流路113の流速はより速く、第1流路112の流速はより遅くなる。これにより、気泡200bは、気泡200aよりも早く第2流路113を通り抜けるため、気泡200a及び200bの再結合は抑制される。しかし、例えば、第1流路112と第2流路113とでの流速が変えられない場合、分断部111で分断された気泡200a及び200bは、第1流路112及び第2流路113を同じタイミングで通り抜けて合流する可能性がある。従って、同じタイミングで第1流路112及び第2流路113を通り抜けた気泡200a及び200bは、再結合をする可能性がある。
このように、マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113との流路断面積が異なる構造を有することで、第1流路112と第2流路113とでの流速を変えるため、分断部111で分断された気泡200の再結合が抑制される。
また、その他の方法で、第1流路112と第2流路113とでの流速が変えられることで、分断部111で分断された気泡200の再結合が抑制されてもよい。
一般的に、流路の流速は、流路を流れる液体の粘性が低いほど速くなる。そして、液体の粘性は液体の温度が高くなるほど低くなる。従って、流路を流れる液体の温度が高くなるほど、流路の流速は速くなる。
例えば、第1流路112と第2流路113とが異なる温度に設定されることで、第1流路112と第2流路113とでの流速が変えられてもよい。例えば、ヒータ30が第1流路112と第2流路113とを異なる温度に設定する。具体的には、ヒータ30の第2流路113に対応する領域が、ヒータ30の第1流路112に対応する領域より高い温度に制御される。これにより、第2流路113を流れる反応溶液の温度は高くなり、第2流路113の流速は第1流路112の流速よりも、より速くなる。
このように、第1流路112と第2流路113とが異なる温度に設定されることで、第1流路112と第2流路113とでの流速が変えられ、分断部111で分断された気泡200の再結合が抑制されてもよい。
さらに、その他の方法で、気泡200が分断部111で分断されてもよく、そして、分断された気泡200の再結合が抑制されてもよい。
一般的に、液体中の気泡は、液体の温度が高くなると大きくなる。また、液体中の気泡は、液体の温度が低くなると小さくなり、小さくなった気泡は結合しにくくなる。
例えば、第1流路112及び第2流路113と、マイクロ流路100の分断部111で分岐される直前の流路(分岐前流路114)とが異なる温度に設定されてもよい。例えば、ヒータ30が第1流路112及び第2流路113と、分岐前流路114とを異なる温度に設定する。具体的には、ヒータ30の分岐前流路114に対応する領域が、ヒータ30の第1流路112及び第2流路113に対応する領域より高い温度に制御される。これにより、分岐前流路114では、反応溶液の温度が高く気泡200は大きくなるため、分断部111でより分断されやすくなる。また、第1流路112及び第2流路113では、反応溶液の温度が低く、分断された気泡200a及び200bが小さくなる。従って、第1流路112及び第2流路113を通り抜けた気泡200a及び200bは小さくなっているため、結合しにくくなる。
このように、第1流路112及び第2流路113と、マイクロ流路100の分断部111で分岐される直前の流路とが異なる温度に設定されることで、分断部111で分断された気泡200の再結合が抑制される。
以上のように、マイクロ流路100は、分断部111で分断された気泡200の再結合を抑制する構造を有する。
[効果等]
マイクロ流路チップのマイクロ流路を流れる反応溶液には、チップに反応溶液を注液する際の気泡の巻き込み、反応溶液の加熱による沸騰、流路内の流れの不均一による泡噛み、又は、反応溶液自身からの発泡等により、気泡が発生する。そして、発生した気泡同士が結合し成長することで、送液速度のばらつき、又は、反応溶液の反応の阻害等を引き起こしてしまうという課題がある。
マイクロ流路チップのマイクロ流路を流れる反応溶液には、チップに反応溶液を注液する際の気泡の巻き込み、反応溶液の加熱による沸騰、流路内の流れの不均一による泡噛み、又は、反応溶液自身からの発泡等により、気泡が発生する。そして、発生した気泡同士が結合し成長することで、送液速度のばらつき、又は、反応溶液の反応の阻害等を引き起こしてしまうという課題がある。
そこで、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ1は、反応溶液が流れるマイクロ流路100と、マイクロ流路100の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡200を分断する分断部111と、を有する。
これにより、分断部111が気泡200を分断するため、気泡200の大きさが小さくなり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長を抑制できる。
また、分断部111は、マイクロ流路100を第1流路112及び第2流路113に分岐する構造である。
これにより、分断部111が気泡200を第1流路112に気泡200a、第2流路113に気泡200bに分断するため、気泡200の大きさが小さくなり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長を抑制できる。
さらに、マイクロ流路100は、分断部111によって第1流路112及び第2流路113に分岐した後に、合流する構造を有し、分断部111は、反応溶液の送液方向における所定の区間に亘ってマイクロ流路100を第1流路112及び第2流路113に区切る壁体である。
これにより、マイクロ流路100のうちの一部の流路に所定の長さの分断部111を設けることで、マイクロ流路100は、第1流路112及び第2流路113に区切られる。従って、分断部111を容易に設けることができるので、容易に気泡200を分断することができる。
さらに、マイクロ流路100は、分断部111で分断された気泡200の再結合を抑制する構造を有する。
これにより、マイクロ流路100は、分断部111で分断された気泡200が再結合することで元の大きさに戻ることを抑制するため、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長を抑制できる。
また、マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113とでの流速を変える構造を有する。
これにより、分断部111で分断され、第1流路112を流れる気泡200aと第2流路113を流れる気泡200bとが第1流路112及び第2流路113を通り抜けるときに同じタイミングで合流しない。従って、マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113とでの流速を変えるため、分断部111で分断された気泡200の再結合を抑制できる。
例えば、第1流路112と第2流路113とは、流路断面積が異なる。
これにより、例えば、分断部111が、マイクロ流路100の一方の側壁と他方の側壁との間のうちのどちらかの側壁側に寄って設けられることで、第1流路112と第2流路113とは、流路断面積が異なる構造となる。従って、第1流路112と第2流路113とが、流路断面積が異なる構造を有するため、マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113とでの流速を変えることができる。
また、例えば、第1流路112と第2流路113とは、異なる温度に設定される。
これにより、例えば、ヒータ30が第1流路112と第2流路113とを異なる温度に設定する。従って、第1流路112と第2流路113とが異なる温度に設定されるため、マイクロ流路100は、第1流路112と第2流路113とでの流速を変えることができる。
また、第1流路112及び第2流路113と、マイクロ流路100の分断部111で分岐される直前の流路とが異なる温度に設定される。
これにより、例えば、ヒータ30が分岐前流路114を第1流路112及び第2流路113よりも高い温度に設定することで、気泡200は分岐前流路114で大きくなり分断部111で分断されやすくなる。また、分断された気泡200a及び200bは、第1流路112及び第2流路113が低い温度に設定されることで小さくなるため、再結合しにくくなる。従って、第1流路112及び第2流路113と、マイクロ流路100の分断部111で分岐される直前の流路とが異なる温度に設定されるため、分断部111で分断された気泡200の再結合を抑制できる。
また、マイクロ流路100は、折返し部110を有する蛇行流路であって、分断部111、第1流路112及び第2流路113は折返し部110に設けられる。
これにより、蛇行流路であるマイクロ流路100において、分断部111、第1流路112及び第2流路113が折返し部110に設けられるため、マイクロ流路チップ1の省スペース化ができる。具体的には、マイクロ流路チップ1では、マイクロ流路100に分断部111を設けるために、マイクロ流路100は流路の幅を、例えば分断部111の幅だけ大きくして設けられる。従って、分断部111が複数の折返し部110に設けられる場合、マイクロ流路チップ1は、図1に示されるy軸方向に最大でも2つの分断部111の幅だけ大きくなる。具体的には、図1に示される16箇所の折返し部110に分断部111が設けられた場合でも、マイクロ流路チップ1の大きさは、図1に示されるy軸方向に2つの分断部111の幅だけ大きくなるだけである。しかし、例えば、分断部111が複数の直線部120に設けられる場合、マイクロ流路チップ1は、図1に示されるx軸方向に、複数の分断部111の幅だけ大きくなる。具体的には、図1に示される17箇所の直線部120に分断部111が設けられた場合、マイクロ流路チップ1の大きさは、図1に示されるx軸方向に17個の分断部111の幅だけ大きくなる。このように、蛇行流路であるマイクロ流路100において、分断部111が折返し部110に設けられるため、マイクロ流路チップ1の省スペース化ができる。
また、本実施の形態に係るマイクロ流路装置2は、マイクロ流路チップ1と、ヒータ30と、を有し、ヒータ30はマイクロ流路100が有する所定の流路を所定の温度に設定する。
これにより、マイクロ流路100が有する所定の流路を容易に所定の温度に設定することができる。例えば、第1流路112と第2流路113とを異なる温度に設定できる。また、例えば、第1流路112及び第2流路113と、マイクロ流路100の分断部111で分岐される直前の流路とを異なる温度に設定できる。
(変形例)
以下、本発明の変形例に係るマイクロ流路チップについて説明する。なお、以下に説明するマイクロ流路チップは、上記の実施の形態におけるマイクロ流路チップ1と同様の構造であり、各変形例において特徴となる構成のみを説明する。
以下、本発明の変形例に係るマイクロ流路チップについて説明する。なお、以下に説明するマイクロ流路チップは、上記の実施の形態におけるマイクロ流路チップ1と同様の構造であり、各変形例において特徴となる構成のみを説明する。
(変形例1)
図5は、変形例1に係る捕獲部150を有する折返し部110の上面図である。
図5は、変形例1に係る捕獲部150を有する折返し部110の上面図である。
図6は、変形例1に係る捕獲部150を有する折返し部110の断面図である。図6では、図5に示されるVI−VI線における断面が示される。
図5及び図6に示されるように、本変形例に係るマイクロ流路100は、実施の形態における折返し部110に、さらに、反応溶液中の気泡200を捕獲する捕獲部150を有する。本変形例に係るマイクロ流路100では、第2流路113が捕獲部150を有する。
捕獲部150は、マイクロ流路100内に設けられた段差又は突起等であり、気泡200を捕獲する気泡トラップである。捕獲部150は、例えば、20〜30μm角の直方体状の突起である。捕獲部150と同程度以下の大きさの気泡200は、捕獲部150に引っ掛かり捕獲されやすくなる。つまり、捕獲部150が分断部111で分岐された流路に設けられることで、分断部111で分断され捕獲部150と同程度以下の大きさにまで小さくなった気泡200が、捕獲部150に捕獲されやすくなる。具体的には、分断部111で分断され第2流路113を流れる気泡200bは捕獲部150に捕獲されることで、気泡200bは、分断部111で分断され第1流路112を流れる気泡200aが第1流路112を通り抜けるときに気泡200aに合流しない。つまり、分断部111で分断された気泡200a及び200bは、気泡200bが合流してこないため、再結合しない。
このように、マイクロ流路100は、流れる反応溶液中の気泡200を捕獲する捕獲部150を有する。これにより、気泡200が捕獲部150に捕獲されることで気泡200の再結合が抑制され、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長を抑制できる。
また、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられる。
図6に示されるように、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方(重力の加わる方向と反対)側の壁面、つまり、マイクロ流路100を構成する第2基板20の面に設けられる。なお、捕獲部150は、第2基板20の面に接するように設けられてもよい。例えば、図6に示されるように、捕獲部150が溝部11の側壁の第2基板20側に設けられてもよい。これにより、第2基板20が第1基板10に載置されることで、捕獲部150が、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられる。
このように、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられる。これにより、気泡200は、重力の加わる方向と反対方向に昇っていくため、捕獲部150がマイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられることで、気泡200がより捕獲されやすくなる。
また、気泡200は、蒸気圧が下がると発生しやすくなる。例えば、流速の速い流路では蒸気圧が下り、気泡200が発生しやすくなる。従って、本変形例の第2流路113は、第1流路112よりも断面積が小さいため、流路の流速が速くなり気泡が発生しやすくなる。また、気泡200は、反応溶液の温度が高くなると発生しやすくなる。従って、例えば、ヒータ30の第2流路113に対応する領域が高い温度に制御されることで、第2流路113を流れる反応溶液の温度が高くなり、気泡200は発生しやすくなる。
このように、第2流路113では、流路の断面積が小さくなる、又は、流路を流れる反応溶液の温度が高くなることで脱泡効果が高まり、これにより発生した気泡200は、第2流路113に設けられた捕獲部150に捕獲される。従って、第2流路113で気泡200bが脱泡されることで、第2流路113以外の流路において、気泡200が発生しにくくなり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中で発生する気泡200同士の結合による成長を抑制できる。
また、図5に示されるように、マイクロ流路100は、捕獲部150を複数有する。これにより、マイクロ流路100の折返し部110において、気泡200が捕獲される可能性が高まり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長をより抑制できる。
(変形例2)
図7は、変形例2に係る直線部120の上面図である。
図7は、変形例2に係る直線部120の上面図である。
図7に示される直線部120は図1に示される直線部120を拡大したものである。
本変形例に係る直線部120は、図7に示されるように、分断部121、第1流路122及び第2流路123を備える(図1及び図2には図示せず)。
実施の形態では分断部111は、マイクロ流路100の折返し部110の内部に設けられたが、本変形例では、分断部121は、マイクロ流路100の直線部120の内部に設けられる。分断部121は、実施の形態の分断部111と同様に、反応溶液を第1流路122及び第2流路123に分岐させた後に合流させる。つまり、分断部121は、反応溶液の送液方向における所定の区間に亘ってマイクロ流路100を第1流路122及び第2流路123に区切る壁体となる。
また、分断部121の幅は、図7に示されるように、分断部121の送液方向における両端部において狭くなる。従って、気泡200が分断部121との接触面から受ける力はより強くなり、気泡200は分断されやすくなる。
このように、実施の形態と同様に、本変形例における直線部120における分断部121は、気泡200を分断する。
また、第1流路122と第2流路123とは、流路断面積が異なる。具体的には、分断部121が、マイクロ流路100の一方の側壁と他方の側壁との間のうちのどちらかの側壁側に寄って設けられることで、第1流路122と第2流路123とは、流路断面積が異なるように形成される。本変形例では、分断部121は、第1流路122の流路断面積が第2流路123の流路断面積よりも大きくなるようにマイクロ流路100を区切る。
このように、実施の形態と同様に、マイクロ流路100は、第1流路122と第2流路123との流路断面積が異なる構造を有することで、第1流路122と第2流路123とでの流速を変えるため、分断部121で分断された気泡200の再結合が抑制される。
これにより、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長を抑制できる。
なお、実施の形態と同様に、第1流路122と第2流路123とが異なる温度に設定されることで、第1流路122と第2流路123とでの流速が変えられてもよい。
また、実施の形態と同様に、第1流路122及び第2流路123と、マイクロ流路100の分断部121で分岐される直前の流路とが異なる温度に設定されてもよい。
また、分断部121は、マイクロ流路100が有する複数の直線部120のうちの少なくとも1つの直線部120に設けられればよいが、例えば、2つ以上の直線部120に設けられてもよいし、全ての直線部120に設けられてもよい。但し、上記実施の形態のように、折返し部110に分断部111が設けられたほうが、マイクロ流路チップの省スペース化ができる。
(変形例3)
図8は、変形例3に係る捕獲部150を有する直線部120の上面図である。
図8は、変形例3に係る捕獲部150を有する直線部120の上面図である。
図8に示されるように、本変形例に係るマイクロ流路100は、変形例2における直線部120に、さらに、流れる反応溶液中の気泡200を捕獲する捕獲部150を有する。本変形例に係るマイクロ流路100では、第2流路123が捕獲部150を有する。
このように、変形例1と同様に、捕獲部150が分断部121で分岐された流路に設けられることで、分断部121で分断され捕獲部150と同程度以下の大きさにまで小さくなった気泡200が、捕獲部150に捕獲されやすくなる。
また、変形例1と同様に、第2流路123では、流路の断面積が小さくなる、又は、流路を流れる反応溶液の温度が高くなることで脱泡効果が高まり、これにより発生した気泡200は、第2流路123に設けられた捕獲部150に捕獲される。従って、第2流路123で気泡200が脱泡されることで、第2流路123以外の流路において、気泡200が発生しにくくなり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中で発生する気泡200同士の結合による成長を抑制できる。
また、図8に示されるように、マイクロ流路100は、捕獲部150を複数有する。これにより、マイクロ流路100の直線部120において、気泡200が捕獲される可能性が高まり、マイクロ流路100内を流れる反応溶液中の気泡200の成長をより抑制できる。
また、捕獲部150は、変形例1と同様に、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられる。
図9は、変形例3に係る捕獲部150を有する直線部120の第2流路123の断面図である。図9では、図8に示されるIX−IX線における断面が示される。
図9に示されるように、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方(重力の加わる方向と反対)側の壁面、つまり、マイクロ流路100を構成する第2基板20の面に設けられる。なお、捕獲部150は、第2基板20の面に接するように設けられてもよい。変形例1では、捕獲部150が溝部11の側壁に設けられたが、例えば、図8に示されるように、捕獲部150が分断部121の側壁(溝部11の側壁と平行な面)の第2基板20側に設けられてもよい。これにより、第2基板20が第1基板10に載置されることで、捕獲部150が、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられる。
これにより、気泡200は、重力の加わる方向と反対方向に昇っていくため、捕獲部150がマイクロ流路100の鉛直上方側の壁面に設けられることで、気泡200がより捕獲されやすくなる。
(その他)
以上、本発明に係るマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置について、上記実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
以上、本発明に係るマイクロ流路チップ及びマイクロ流路装置について、上記実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
上記実施の形態及び変形例では、マイクロ流路100は、分断部111、121によって第1流路112、122及び第2流路113、123に分岐した後に、合流する構造を有したがこれに限らない。例えば、マイクロ流路100は、分断部111、121によって第1流路112、122及び第2流路113、123に分岐した後に、合流しない構造を有してもよい。但し、上記実施の形態及び変形例のように、マイクロ流路100が、分断部111、121によって分岐した後に合流する構造を有するほうが、分断部111、121をマイクロ流路100の一部に設ければよいため、容易に分断部111、121を設けることができる。
また、上記実施の形態及び変形例では、分断部111、121は、折返し部110又は直線部120のどちらかに設けられたが、これに限らない。例えば、分断部111、121は、折返し部110及び直線部120の両方に設けられてもよい。
また、上記変形例では、捕獲部150は、図6に示されるように、溝部11の側壁の第2基板20側に設けられたが、これに限らない。例えば、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面全体に設けられてもよい。具体的には、捕獲部150は、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面において、溝部11の側壁からy軸方向に延び、分断部111まで設けられてもよい。また、例えば、捕獲部150は、溝部11の側壁全体に設けられてもよい。具体的には、捕獲部150は、溝部11の側壁において、溝部11の底面からz軸方向に延び、マイクロ流路100の鉛直上方側の壁面まで設けられてもよい。 また、上記変形例では、捕獲部150は、断面積の小さい第2流路113、123に設けられたが、これに限らない。例えば、捕獲部150は、第1流路112、122に設けられてもよく、第1流路112、122及び第2流路113、123の両方に設けられてもよい。また、捕獲部150は、マイクロ流路100のうち、分断部111、121により分岐されない流路において設けられてもよい。
また、上記変形例では、捕獲部150は、マイクロ流路100の折返し部110又は直線部120において、鉛直上方側の壁面に設けられたが、これに限らない。例えば、捕獲部150は、マイクロ流路100のうち、分断部111、121により分岐されない流路において、鉛直上方側の壁面に設けられてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、分断部111、121は、マイクロ流路100を分岐したが、これに限らない。例えば、分断部111、121は、網目状の構造を有してもよい。網目状の構造とは、例えば、反応溶液の送液方向に垂直な板状であり、送液方向に貫通する複数の孔が設けられた構造である。これにより、気泡200は、網目状の構造により、細かく分断される。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 マイクロ流路チップ
2 マイクロ流路装置
30 ヒータ
110 折返し部
111、121 分断部
112、122 第1流路
113、123 第2流路
150 捕獲部
200、200a、200b 気泡
2 マイクロ流路装置
30 ヒータ
110 折返し部
111、121 分断部
112、122 第1流路
113、123 第2流路
150 捕獲部
200、200a、200b 気泡
Claims (14)
- 反応溶液が流れるマイクロ流路と、
前記マイクロ流路の内部に設けられ、流れる反応溶液中の気泡を分断する構造物である分断部と、を有する
マイクロ流路チップ。 - 前記分断部は、前記マイクロ流路を第1流路及び第2流路に分岐する
請求項1に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記分断部は、前記反応溶液の送液方向における所定の区間に亘って前記マイクロ流路を前記第1流路及び前記第2流路に区切る壁体であり、前記反応溶液を前記第1流路及び前記第2流路に分岐させた後に合流させる
請求項2に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記マイクロ流路は、前記分断部で分断された気泡の再結合を抑制する構造を有する
請求項3に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記マイクロ流路は、前記第1流路と前記第2流路とでの流速を変える構造を有する
請求項4に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記第1流路と前記第2流路とは、流路断面積が異なる
請求項5に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記第1流路と前記第2流路とは、異なる温度に設定される
請求項5又は6に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記第1流路及び前記第2流路と、前記マイクロ流路の前記分断部で分岐される直前の流路とは、異なる温度に設定される
請求項4〜7のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記マイクロ流路は、前記反応溶液の流れる方向を折り返させる折返し部を有する蛇行流路であって、
前記分断部、前記第1流路及び前記第2流路は前記折返し部に設けられる
請求項2〜8のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記分断部は、網目状の構造を有する
請求項1に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記マイクロ流路は、さらに、前記反応溶液中の気泡を捕獲する捕獲部を有する
請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記マイクロ流路は、前記捕獲部を複数有する
請求項11に記載のマイクロ流路チップ。 - 前記捕獲部は、前記マイクロ流路の鉛直上方側の壁面に設けられる
請求項11又は12に記載のマイクロ流路チップ。 - 請求項7又は8に記載のマイクロ流路チップと、
ヒータと、を有し、
前記ヒータは、前記マイクロ流路が有する所定の流路を所定の温度に設定する
マイクロ流路装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-03-10 JP JP2015047738A patent/JP2016165704A/ja active Pending
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