以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1ついて説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技盤2の背面側であって、第1始動口21の右側及び左側の近傍、及び、ゲート25の上側の近傍には、破線で示したように、磁気を検知する磁気センサ50が配置されている。磁気センサ50は、磁石を遊技領域20に近づけて、流下する遊技球を誘導して不正に始動口に入賞させる不正行為等を検出するものであり、例えば、所定値以上の磁気を検出する。磁気センサ50で所定値以上の磁気が検出された場合、不正行為の疑いがあるため、例えば画像表示部6に不正行為の疑いを報知する画像が表示される等して、不正行為の疑いが報知される。ここで、モータ51は、可動役物7を動作させる動力源であり、破線で示すように、遊技盤2の背面側であって、磁気センサ50から所定距離(例えば10cm:磁気センサ50がモータ51により誤検知する恐れがある距離)以上離れた位置に配置される。これは、モータ51が発生させる磁気によって磁気センサ50が不正行為を誤検知することを防止するためである。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常状態、時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン37および演出キー38が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン37および演出キー38からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
演出制御部400は、図1を用いて説明した磁気センサ50(図4には図示なし)が所定値以上の磁気を検出すると、不正行為の疑いがあるとみなして、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に不正行為の疑いを報知する画像を表示させる。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作(より正確には、可動役物7を動作させるモータ51の動作)を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
以下では、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部の主要動作]
図5は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図5を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図5以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類(例えば、確変大当りや時短付大当り)を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図7のステップS407の処理で使用される。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図7のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図6を用いて後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113がONとなった時点(ゲートスイッチ113から遊技球の検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄を表示させたり、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図7を用いて後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、通常状態では10秒に設定し、電サポ状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、通常状態では低確率(1/10)に設定し、電サポ状態では高確率(10/10)に上昇させる。なお、電サポ状態では、特別図柄抽選の保留数が通常状態よりも多くなって特別図柄の変動時間が短縮されることとなるため、電サポ状態を時短状態と呼んでもよい。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、又、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図8及び図9を用いて後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、通常状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
ここで、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、通常状態と、電サポ状態と、確変状態と、大当り遊技状態とが少なくとも存在する。通常状態とは、基本となる通常の遊技状態であり、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(1/300:高確率は1/30)に設定され、又、電動チューリップ27が開放状態になり難い設定にされた遊技状態である。電サポ状態とは、典型的には、通常状態に対して、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開放抽選)の実行時間が短縮され、普通図柄抽選の当選確率が上がり、普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間開放されるように制御されることによって、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞する遊技状態である。つまり、電サポ状態は、通常状態よりも電動チューリップ27が開放状態になり易く設定された遊技状態である。確変状態は、特別図柄抽選の当選確率が高確率(1/30:低確率は1/300)に設定された遊技状態である。なお、電サポ状態と確変状態とが並存する場合もあり、この並存する状態を電サポ確変状態(又は時短確変状態)という。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技(特別遊技)が実行されているときの遊技状態である。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。
[始動口スイッチ処理]
図6は、図5のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図5のステップS2における始動口スイッチ処理について、図6を用いて説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図7のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かやリーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図7のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図7のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かやリーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図7のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。その後、処理は図5のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。なお、ステップS206でセットされた第1保留数増加コマンド及びステップS212でセットされた第2保留数増加コマンドは、図5のステップS9の出力処理によって、演出制御部400に送信される。
[特別図柄処理]
図7は、図5のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図7を用いて、図5のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図6のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図6のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類(例えば、確変大当りや時短付大当り)を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りと判定した場合、この大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数がROM102に記憶されている所定値(大当り発生時の変動パターン決定用の所定値)の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄の変動時間:報知演出の実行時間とも言える)を決定する。なお、本実施形態では、一例として、大当りと判定した場合、必ずリーチ演出を行う。
一方、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理でハズレと判定した場合、この大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数がROM102に記憶されている所定値(ハズレ時のリーチ実行決定用の所定値)の何れと一致するかに基づいて、リーチ演出を実行するか否かを決定する。そして、CPU101は、リーチ演出を実行すると決定した場合、今回の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数がROM102に記憶されている所定値(ハズレ時にリーチ演出を実行する場合の変動パターン決定用の所定値)の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(変動時間)を決定する。一方、CPU101は、リーチ演出を実行しないと判定した場合、RAM103に記憶されている保留数U1及びU2に基づいて、変動パターン(変動時間)を決定する。
以上のようにして決定された変動パターンの情報及びリーチ演出を実行するか否かを示す情報は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。この報知演出開始コマンドは、図5のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。このオープニングコマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。また、CPU101は、ステップS410及びS413の処理によって特別図柄が変動して停止表示される回数(つまり、回転数)に応じて、遊技状態を切り替えて(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定や電動チューリップ27の開放設定を切り替えて)、切り替え後の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この遊技状態通知コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、演出の切り替え(例えば、時短状態の演出モードから通常状態の演出モードへの切り替え)が可能となる。その後、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ち演出(デモ演出)に移行するか否かを判定する。例えば、CPU101は、特別図柄抽選の保留がない状態で、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)による特別図柄の変動表示が終了してから所定時間(例えば10秒間)経過した場合、遊技者による遊技が中断又は終了したとみなして、客待ち演出に移行すると判定する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出であり、また例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。ステップS415での判定がYESの場合、処理はステップS416に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS417に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ち演出の開始を指示する客待ち演出開始コマンドをRAM103にセットする。この客待ち演出開始コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、客待ち演出が開始されることとなる。その後、処理はステップS417に移る。
ステップS417おいて、CPU101は、客待ち演出を終了するか否かを判定する。例えば、CPU101は、客待ち演出実行中において、第1始動口21(又は第2始動口22)への入賞が有って第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)による特別図柄の変動表示が開始された場合、遊技者による遊技が再開(又は開始)したとみなして、客待ち演出を終了すると判定する。ステップS417での判定がYESの場合、処理はステップS418に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS418おいて、CPU101は、客待ち演出の終了を指示する客待ち演出終了コマンドをRAM103にセットする。この客待ち演出終了コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、客待ち演出が終了されることとなる。その後、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図8及び図9は、図5のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図5のステップS6における大入賞口処理について、図8及び図9を用いて説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「15」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図9のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ114がONになったか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が大入賞口スイッチ114がONになる毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図9のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図9のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図5のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図8のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図5のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS624において、CPU101は、ステップS623での処理による切り替え後の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この遊技状態通知コマンドは図5のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、演出の切り替え(例えば、大当り遊技演出から時短確変状態の演出への切り替え)が可能となる。その後、処理は図5のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図10は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図5のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500およびランプ制御部600に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図11及び図12を用いて後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、遊技者の操作により演出ボタン37および演出キー38から出力される操作入力信号に応じて、演出内容を設定し、設定した内容の演出を画像音響制御部500およびランプ制御部600に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットする演出入力制御処理を実行する。例えば、CPU401は、所定の操作入力有効期間において遊技者により演出ボタン37が操作されて操作入力信号が出力された場合、所定の演出(大当りの可能性を示唆する予告画像を表示する演出等)の実行を設定してコマンドをRAM403にセットする。
次に、ステップS13において、CPU401は、ステップS11およびS12の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11およびS12の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500およびランプ制御部600の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35、盤ランプ8および可動役物7等で実行されることとなる。
[コマンド受信処理]
図11は、図10のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11を参照して、図10のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図6のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像を追加表示させ、又、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて保留画像を先読み表示態様に変化等させる保留画像表示処理を行う。なお、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、特別図柄抽選の保留数が2以上である場合、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、先読み予告演出の内容を設定する。なお、先読み予告演出は、後に実行される報知演出で大当りする可能性を、この報知演出より前に実行される報知演出において前もって示唆する演出であり、例えば、「大当りは近い!?」と書かれた画像が表示される予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図7のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による報知演出を開始等する報知演出実行処理を行う。報知演出は、複数の装飾図柄を変動表示させてから停止表示させることによって特別図柄抽選の結果を報知する演出である。ここで、ステップS113の処理によって先読み予告演出を実行することが設定されている場合、開始する報知演出において先読み予告演出を実行する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図7のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS118に移る。
ステップS118において、CPU401は、図7のステップS414の停止中処理又は図9のステップS624の処理でセットされた遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理は図12のステップS120に移る。
ステップS119において、CPU401は、演出状態設定処理を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS118で受信した遊技状態通知コマンドが示す遊技状態に応じた演出状態で報知演出が実行されるように設定する。例えば、CPU401は、ステップS118で受信した遊技状態通知コマンドが示す遊技状態が時短確変状態である場合、画像音響制御部500等に指示して、報知演出の背景画像を赤色に設定し、ステップS118で受信した遊技状態通知コマンドが示す遊技状態が通常状態である場合、画像音響制御部500等に指示して、報知演出の背景画像を青色に設定する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS120に移る。
ステップS120において、CPU401は、図7のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、オープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図8のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を開始する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図8のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図9のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を終了させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカーのマークを表示させる演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図7のステップS416の処理でセットされた客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、客待ち演出を開始する。既に説明したように、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出であり、また例えば、遊技中において実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、図7のステップS418の処理でセットされた客待ち演出終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS129の処理で開始した客待ち演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図10のステップS12に移る。
[可動役物制御処理]
図13は、可動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図13を参照して、可動役物制御処理について説明する。
まず、ステップS301において、ランプ制御部600のCPU601は、演出制御部400が送信した可動役物演出の実行を指示するコマンドを受信したか否かを判定する。図14及び図15を用いて後述するが、可動役物演出は、可動役物7を動作させる演出であり、本実施形態では、一例として、図11のステップS115の処理で開始される報知演出の実行中に可動役物7を動作させる演出である。ステップS301での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS302に移る。
ステップS302において、CPU601は、ステップS301で受信したコマンドに基づいて、モータ51(典型的にはステッピングモータ)を制御して可動役物7を動作させて、可動役物演出を実行する。その後、可動役物制御処理は終了する。なお、可動役物演出を実行するステップS302の処理の詳細は、図17及び図18を用いて後述する。
[可動役物演出の内容]
図14及び図15は、本実施形態の可動役物演出について説明するための図である。図14に示すように、可動役物7は、画像表示部6の前面(遊技者側)に配置されており、矢印の形状をしている。そして、可動役物7は、矢印の根元部分を中心として回転動作を行うことによって可動役物演出を行う。以下、具体的に説明する。
図14に示すように、可動役物7は、通常は左方向を指す基本位置に配置されており(実線で示す可動役物7を参照)、可動役物演出において、根元部分を中心として回転動作を行って、第1位置〜第3位置に移動する(破線で示す可動役物7を参照)。可動役物演出は、特別図柄抽選結果を報知する報知演出において実行される予告演出(大当りの可能性を示唆する演出)の1つであり、図14に示すように、可動役物7が第1位置〜第3位置を移動して、最終的に停止する位置によって大当りの可能性(大当り信頼度)を示唆する演出である。図14に示すように、画像表示部6には、可動役物7が第1位置のときに指す位置に「残念?」の文字が表示されており、可動役物7が第2位置のときに指す位置に「熱い?」の文字が表示されており、可動役物7が第3位置のときに指す位置に「熱い!」の文字が表示されており、可動役物演出において可動役物7が最終的に何れの文字を指す位置で停止するかによって、大当りの可能性が示唆される。具体的には、可動役物7が「残念?」を指す第1位置で最終的に停止する場合、大当りの可能性は例えば0.5%であり、可動役物7が「熱い?」を指す第2位置で最終的に停止する場合、大当りの可能性は例えば5%であり、可動役物7が「熱い!」を指す第3位置で最終的に停止する場合、大当りの可能性は例えば25%である。
また、図15に示すように、可動役物演出において可動役物7の動作パターンは、4つ存在する。第1動作パターンは、可動役物7が第1位置(「残念?」)と第2位置(「熱い?」)との間で行き来する煽り動作を実行した後に最終的に第1位置で停止して大当りの可能性が極めて低い(1%)ことを予告する動作パターンである。第2動作パターンは、可動役物7が第1位置(「残念?」)と第2位置(「熱い?」)との間で行き来する煽り動作を実行した後に最終的に第2位置で停止して大当りの可能性が或る程度ある(5%)ことを予告する動作パターンである。第3動作パターンは、可動役物7が第2位置(「熱い?」)と第3位置(「熱い!」)との間で行き来する煽り動作を実行した後に最終的に第2位置で停止して大当りの可能性が或る程度ある(5%)ことを予告する動作パターンである。第4動作パターンは、可動役物7が第2位置(「熱い?」)と第3位置(「熱い!」)との間で行き来する煽り動作を実行した後に最終的に第3位置で停止して大当りの可能性が比較的高い(25%)ことを予告する動作パターンである。
[可動役物を動作させる動力伝達機構]
図16は、可動役物7を動作させる動力伝達機構70の一例について説明するための図である。図16(1)は、動力伝達機構70を遊技盤2の裏側から見た図であり、図16(2)は、図16(1)の白抜き矢印の方向から見た図である。以下、図16を用いて、可動役物を動作させる動力伝達機構70の一例について説明する。なお、図16(1)では、図示都合上、ギヤ及びベルトの歯形状を省略している。
図16(1)に示すように、動力伝達機構70は、ギヤ軸52、55、57、59と、ベルト54と、平ギヤ(以下、単に、ギヤという)53、56、58、60と、遮光板61と、フォトセンサA〜Dと、押さえ車66と、スプリング67と、を備える。
ギヤ軸52は、破線で示したモータ51の出力軸であり、ギヤ53に固定されている。なお、モータ51は、遊技盤2の背面に固定されるフレーム(図示なし)であって上記した各部材を配置するためのフレームに固定されている。ギヤ軸55は、フレームに固定され、ギヤ56は、ギヤ軸55を中心軸として回転可能に組み付けられている。また、ギヤ56には、ベルト54を組み付けるための歯形状の部分が設けられている(図16(2)参照)。ベルト54は、環形状であり、内側に歯形状があり、ギヤ56のこの歯形状の部分とギヤ53とに掛け渡される。ギヤ軸57は、フレームに固定され、ギヤ58は、ギヤ56と噛み合って、ギヤ軸57を中心軸として回転可能に組み付けられている。また、ギヤ58は、矢印形状の可動役物7の根元部分に固定されている。ギヤ軸59は、フレームに固定され、ギヤ60は、ギヤ56と噛み合って、ギヤ軸59を中心軸として回転可能に組み付けられている。遮光板61は、ギヤ60に固定され、ギヤ60と共に回転する。フォトセンサA〜D(以下、単に、センサA〜Dと呼ぶ場合がある)は、それぞれ、フレームに固定される。図16(2)に示すように、センサA〜Dには、それぞれ、光を射出する発光部68と、発光部68が射出した光を検出する受光部69とが備えられる。センサA〜Dは、それぞれ、遮光板61がギヤ60と共に回転して発光部68と受光部69との間に入って、発光部68の光が遮られて受光部69で検出されなくなることによって、遮光板61の位置を検出する。なお、図16(1)では、センサAで検出される位置に在る遮光板61を実線で示し、センサB〜Dで検出される位置に在る遮光板61を、それぞれ破線で示している。また、図16(2)では、説明の便宜のため、センサB〜Dは示していない。押さえ車66は、フレームに固定されたスプリング67によってベルト54を外側から押さえつけて、ベルト54の動きに伴って回転する抑え部材である。ベルト54は、ゴム等の伸縮材質からなり、押さえ車66によって外側から押さえられることによって、適切なテンション(引っ張り力)を維持する。
モータ51が動作して出力軸であるギヤ軸52が回転すると、ギヤ53が回転する。ギヤ53が回転すると、ベルト54が回転してギヤ56が回転する。ギヤ56が回転すると、ギヤ58及びギヤ60が回転する。ギヤ58が回転すると、可動役物7は、根元部分を中心として回転して基本位置から第3位置の間を移動する。一方、ギヤ60が回転すると、ギヤ60と共に遮光板61が回転してセンサAの位置からセンサDの位置の間を移動する。
ここで、可動役物7が基本位置に在るときには遮光板61はセンサAで検出される位置に在り、可動役物7が第1位置に在るときには遮光板61はセンサBで検出される位置に在り、可動役物7が第2位置に在るときには遮光板61はセンサCで検出される位置に在り、可動役物7が第3位置に在るときには遮光板61はセンサDで検出される位置に在る。つまり、可動役物7の位置と遮光板61の位置とには一対一の対応関係が有る。このことから、センサAで遮光板61を検出することで可動役物7が基本位置に在ることを検出でき、センサBで遮光板61を検出することで可動役物7が第1位置に在ることを検出でき、センサCで遮光板61を検出することで可動役物7が第2位置に在ることを検出でき、センサDで遮光板61を検出することで可動役物7が第3位置に在ることを検出できる。
次に、各部材の回転方向について説明する。モータ51の出力軸であるギヤ軸52が矢印方向に正回転すると、ベルト54が矢印方向に回転し、ギヤ56、58及び60がそれぞれ矢印方向に回転し、可動役物7が基本位置から第3位置に向かう方向に回転移動し、遮光板61がセンサAからセンサDに向かう方向に回転移動する。一方、モータ51の出力軸であるギヤ軸52が反矢印方向に逆回転すると、ベルト54が反矢印方向に回転し、ギヤ56、58及び60がそれぞれ反矢印方向に回転し、可動役物7が第3位置からに基本位置向かう方向に回転移動し、遮光板61がセンサDからセンサAに向かう方向に回転移動する。
以上のように、本実施形態の動力伝達機構70によれば、モータ51を動作させることによって、可動役物7を基本位置から第3位置までの間で移動させると共に、可動役物7の位置をセンサA〜Dによって検出することができる。
[可動役物演出の具体的制御]
図17及び図18は、図13のステップS302の詳細フローチャートの一例である。以下に、図16〜図18を参照して、図13のステップS302処理について具体的に説明する。
まず、ステップS310において、ランプ制御部600のCPU601は、モータ51を正回転(正確にはモータ51の出力軸であるギヤ軸52を正回転:図16(1)の矢印を参照)させる。このことによって、図16を用いて説明したように、可動役物7は、基本位置から矢印で示す方向に回転移動する(図16(1)の可動役物7付近の矢印を参照)。その後、処理はステップS311に移る。
ステップS311において、CPU601は、センサBで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第1位置(「残念?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。なお、センサA〜Dはランプ制御部600に接続され、CPU601はセンサA〜Dからの信号によって、センサA〜Dで遮光板61を検出したか否かを判定することができる。ステップS311での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS312に移る。
ステップS312において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に再び正回転させる。このことによって、可動役物7は、第1位置で0.3秒間停止した後に第2位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS313に移る。
ステップS313において、CPU601は、センサCで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第2位置(「熱い?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS313での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS314に移る。
ステップS314において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に再び正回転させる。このことによって、可動役物7は、第2位置で0.3秒間停止した後に第3位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS315に移る。
ステップS315において、CPU601は、センサDで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第3位置(「熱い!」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS315での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS316に移る。
ステップS310〜S315の処理によって、可動役物演出が開始されると可動役物7が基本位置から第1位置(「残念?」)、第2位置(「熱い?」)、第3位置(「熱い!」)の順番で短時間停止して移動していくこととなる。
ステップS316において、CPU601は、図13のステップS301で受信したコマンドに基づいて、今回の可動役物演出が第3動作パターン又は第4動作パターンの何れかであるか否かを判定する(図15参照)。つまり、第3位置と第4位置との間で煽り動作を実行するのか、第1位置と第2位置との間で煽り動作を実行するのかを判定する。ステップS316での判定がYESの場合(つまり、第3位置と第4位置との間で煽り動作を実行する場合)、処理は図18のステップS317に移り、この判定がNOの場合(つまり、第1位置と第2位置との間で煽り動作を実行する場合)、処理は図18のステップS326に移る。
図18のステップS317において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に逆回転させる。このことによって、可動役物7は、第3位置で0.3秒間停止した後に第2位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS318に移る。
ステップS318において、CPU601は、センサCで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第2位置(「熱い?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS318での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS319に移る。
ステップS319において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に正回転させる。このことによって、可動役物7は、第2位置で0.3秒間停止した後に第3位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS320に移る。
ステップS320において、CPU601は、センサDで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第3位置(「熱い!」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS320での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS321に移る。
ステップS321において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に逆回転させる。このことによって、可動役物7は、第3位置で0.3秒間停止した後に第2位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS322に移る。
ステップS322において、CPU601は、センサCで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第2位置(「熱い?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS322での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS323に移る。
ステップS323において、CPU601は、図13のステップS301で受信したコマンドに基づいて、今回の可動役物演出が第3動作パターンであるか否かを判定する(図15参照)。つまり、可動役物7を第2位置で最終的に停止させるのか、第3位置で最終的に停止させるのかを判定する。ステップS323での判定がYESの場合(つまり、第2位置で停止して「熱い?」を指すべき場合)、処理はステップS335に移り、この判定がNOの場合(つまり、第3位置で停止して「熱い!」を指すべき場合)、処理はステップS324に移る。
ステップS324において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に正回転させる。このことによって、可動役物7は、第2位置で0.3秒間停止した後に第3位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS325に移る。
ステップS325において、CPU601は、センサDで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第3位置(「熱い!」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS325での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS335に移る。
一方、ステップS326において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に逆回転させる。このことによって、可動役物7は、第3位置で0.3秒間停止した後に第1位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS327に移る。
ステップS327において、CPU601は、センサBで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第1位置(「残念?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS327での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS328に移る。
ステップS328において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に正回転させる。このことによって、可動役物7は、第1位置で0.3秒間停止した後に第2位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS329に移る。
ステップS329において、CPU601は、センサCで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第2位置(「熱い?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS329での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS330に移る。
ステップS330において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に逆回転させる。このことによって、可動役物7は、第2位置で0.3秒間停止した後に第1位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS331に移る。
ステップS331において、CPU601は、センサBで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第1位置(「残念?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS331での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS332に移る。
ステップS332において、CPU601は、図13のステップS301で受信したコマンドに基づいて、今回の可動役物演出が第1動作パターンであるか否かを判定する(図15参照)。つまり、可動役物7を、第1位置で最終的に停止させるのか、第2位置で最終的に停止させるのかを判定する。ステップS332での判定がYESの場合(つまり、第1位置で停止して「残念?」を指すべき場合)、処理はステップS335に移り、この判定がNOの場合(つまり、第2位置で停止して「熱い?」を指すべき場合)、処理はステップS333に移る。
ステップS333において、CPU601は、モータ51を0.3秒間停止させた後に正回転させる。このことによって、可動役物7は、第1位置で0.3秒間停止した後に第2位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS334に移る。
ステップS334において、CPU601は、センサCで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が第2位置(「熱い?」の位置:図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS334での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、処理はステップS335に移る。
ステップS335において、CPU601は、モータ51を2.0秒間停止させた後に逆回転させる。このことによって、可動役物7は、第1動作パターンの場合には第1位置(「残念?」)に2.0秒間停止した後に基本位置に向けて回転移動し、第2動作パターン又は第3動作パターンの場合には第2位置(「熱い?」)に2.0秒間停止した後に基本位置に向けて回転移動し、第4動作パターンの場合には第3位置(「熱い!」)に2.0秒間停止した後に基本位置に向けて回転移動する。その後、処理はステップS336に移る。
ステップS336において、CPU601は、センサAで遮光板61を検出したか否かを判定する。つまり、可動役物7が基本位置(図14参照)まで移動したか否かを判定する。ステップS336での判定がNOの場合、処理進行は待機され、この判定がYESになると、図13のステップS302処理は終了する。
以上に図14〜図18を用いて説明したように、可動役物演出において、可動役物7は、第1動作パターンの場合には第1位置と第2位置との間を行き来する煽り動作の後に最終的に第1位置に停止して画像表示部6に表示された画像「残念?」を指して大当りの可能性が非常に低いことを示唆し、第2動作パターンの場合には第1位置と第2位置との間を行き来する煽り動作の後に最終的に第2位置に停止して画像表示部6に表示された画像「熱い?」を指して大当りの可能性が或る程度あることを示唆し、第3動作パターンの場合には第2位置と第3位置との間を行き来する煽り動作の後に最終的に第2位置に停止して画像表示部6に表示された画像「熱い?」を指して大当りの可能性が或る程度あることを示唆し、第4動作パターンの場合には第2位置と第3位置との間を行き来する煽り動作の後に最終的に第3位置に停止して画像表示部6に表示された画像「熱い!」を指して大当りの可能性が比較的高いことを示唆する。
以上に説明したように、本実施形態によれば、モータ51の動力を可動役物7に伝達して可動役物7を動作させる動力伝達機構70(図16参照)において、ベルト54を用いて動力を伝達している。図19は、従来の動力伝達機構80を示し、本実施形態の動力伝達機構70の構成に対してベルト54を用いることなくギヤ81〜87を用いたものである。図19に示すように、従来の動力伝達機構80は、モータ51から可動役物7に動力を伝達するために多数のギヤを介しているので、これらのギヤのバックラッシュ(あそび)が累積されて、可動役物7のガタが非常に増大してしまう(破線で示す可動役物7を参照)。ここで、可動役物演出は、図14を用いて説明したように、画像表示部6に表示された画像を可動役物7が傾斜する動作によって指し示す演出である。このことから、従来の動力伝達機構80では、可動役物7のガタが非常に増大するので、可動役物7の指し示す方向がガタに大きく影響されてしまい、結果として、遊技者が可動役物7の指し示す画像を誤認してしまう恐れがある。本実施形態の動力伝達機構70によれば、ベルト54を用いているので、多数のギヤを用いることによるバックラッシュの累積による可動役物のガタの増大を効果的に防止することができ、その結果として、傾斜動作を含む演出を行う可動役物7の演出動作を適切に実行することができる。なお、従来の動力伝達機構80において多数のギヤ81〜87の代わりに、例えば1つ又は3つのギヤを用いてバックラッシュの増加を抑制する構成も考えられるが、このような構成とした場合、直径の大きいギヤを使用する必要があるため、スペース上の制約を受けて現実的ではない。本実施形態の動力伝達機構70によれば、バックラッシュの累積を防止すると共に、省スペース化を実現できる。
更には、本実施形態によれば、図16(1)を用いて説明したようにベルト54を押さえ車66によって押さえることによって、ベルト54のテンション(引っ張り力)を適正値に保つことができるので、ベルト54の弛みによって可動役物7のガタが生じることを効果的に防止できる。また、従来、押さえ車66を2つ設けてベルト54の上側及び下側の両方からベルトを押さえつけるのが一般的だが、本実施形態によれば、押さえ車66を1つ設けてベルト54の下側のみからベルト54を押さえつけているので、部品点数の削減及び省スペース化を実現できる。
また、本実施形態によれば、図1を用いて説明したように、モータ51は第1始動口21等に近接配置される磁気センサ50から所定距離(例えば10cm)以上離れた位置に配置される必要がある条件においても(つまり、モータ51の配置位置が可動役物7から遠い位置に設計上固定されている条件においても)、以上に説明したように、動力伝達機構70においてバックラッシュの累積を防止すると共に省スペース化を実現できる。
また、本実施形態によれば、可動役物7に対して遮光板61及びセンサA〜Dを配設する従来の構成ではなく、図16を用いて説明したように、モータ51の動力を可動役物7に伝達するギヤ56に組み付けられた動力を伝達しないギヤ60に対して遮光板61及びセンサA〜Dを配設する構成としている。ここで、従来の構成では、振動(例えば、演出ボタン37が遊技者によって非常に激しく押下された際の衝撃)によって可動役物7が一時的に動くと、この動きに直接的に連動して遮光板61が一時的に動いてしまい、可動役物7の制御に悪影響を及ぼす場合があった。例えば、図18のステップS333〜S335の処理によって可動役物7を第1位置(「残念?」)から第2位置(「熱い?」)まで移動させてから第2位置で最終的に停止させる制御において(図14、及び図15の第2動作パターン参照)、可動役物7が第2位置まで移動する手前のタイミングで振動によって可動役物7が一時的に第2位置まで移動してしまった場合、従来の構成では、その瞬間にステップS334及びS335の処理によってモータ51が停止してしまうので、可動役物7が本来指し示すべき画像「熱い?」を指す状態(第2位置)よりも第1位置方向に傾いた状態で可動役物7が最終的に停止する制御が行われてしまうこととなる。本実施形態によれば、振動によって可動役物7が一時的に第2位置まで移動してしまった場合でも、ギヤ58、ギヤ56及びギヤ60が緩衝手段として作用して遮光板61が可動役物7と共に一時的に動くことを効果的に防止できるので、振動が可動役物7の制御に悪影響を及ぼすことを効果的に防止することができる。
[変形例]
なお、上記した本実施形態では、動力伝達機構70において動力伝達を行わない動作部材であるギヤ60に遮光板61を設ける構成例を挙げた(図16参照)。しかし、これには限られず、例えば、図20に示すように、動力伝達を行うギヤ56に遮光板61を直接設ける構成としてもよい。この場合には、ギヤ60は設けられず、センサA〜Dはギヤ56に対して配置されることとなる。更には、例えば、ギヤに遮光板61を設けるのではなく、ベルト54に遮光板61を設ける構成としてもよい。この場合には、センサA〜Dはベルト54に対して配置されることとなる。
また、上記した本実施形態では、ベルト54を用いて省スペースで比較的長い距離を動力伝達する構成例を挙げた(図16参照)。しかし、これには限られず、例えば、ベルト54の代わりにシャフト(図示なし)を用いて省スペースで比較的長い距離を動力伝達する構成としてもよい。この場合、例えば、シャフトの両端にかさ歯車が組みつけられ、ギヤ53がかさ歯車とされ、又、ギヤ56にかさ歯車が固定される構成となる。
更には、例えば、ベルト54の代わりにチェーンを用いてもよい。この場合、例えば、ギヤ53の代わりにスプロケットとされ、又、ギヤ56にスプロケットが固定される構成となる。
また、上記した本実施形態では、可動役物演出が報知演出中に実行される構成例を挙げた。しかし、可動役物演出は、報知演出中に実行されるばかりではなく、大当り遊技演出や客待ち演出中に実行されてもよい。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。