JP2016163326A - 無線送信機、無線受信機、および無線通信システム - Google Patents

無線送信機、無線受信機、および無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】高品質のデータ伝送が可能な無線送信機、無線受信機及び無線通信システムを提供する。【解決手段】送信機10は、空間的に直交する第1の送信アンテナ1と第2の送信アンテナ2と、内部で近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4を生成する。第1の符号バッファ11は、強自己相関符号5を収納し、複数の第2の符号バッファ12は、弱相互相関符号6を収納する。選択シーケンス記憶部15は、選択スイッチ14を所定順序に従って切り替え、第1の符号バッファ11及び第2の符号バッファ12の内容を選択して重畳回路13に符号信号を供給する。重畳回路13は、回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、回転偏波の一周期の所定位置に符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てる。【選択図】図1

Description

本発明は、無線送信機、無線受信機、および無線通信システムに関する。
携帯電話の全世界的な普及を可能とした通信技術は、従来の通信・放送用とに留まらず、高信頼および高セキュアな通信が求められる社会インフラ機器の監視・制御を主目的とする無線ネットワークの実現に向けて、関係各機関で研究・開発が鋭意進められている。社会インフラ機器の制御・監視ネットワークでは、通信サービスエリアがインフラシステム内に限定されることと、同システムを構成する機器の動作を妨げないために、該機器に無線機を設置し、各無線機間で通信するメッシュネットワークの構成が望まれている。そのようなメッシュネットワークでは、送信局と受信局の間に顕著な高低差を設けることは期待できず、かつ無線機から放射される電磁波が該機器により散乱を受けるので、通信は非見通し波である多重反射波を用いて行われる。
このような環境では、受信機は複数の伝搬路からの電波を同時に受け取るので、受信機が獲得する電力は同時に到来する該電波同士の干渉により強度が増減する。電波はベクトル波であるからこの干渉の要因は大別して、到来波の位相差と偏波ベクトルの差である。一般に、非見通し波を用いて無線通信を行うのに適した周波数は概略300MHzから3GHzである。それよりも高い周波数では送信機から放射された電波の到達距離が一般の社会インフラシステムの設置エリアである数100mから数kmより短くなり、それより低い周波数では電波を放射する無線機の寸法である数10cm以下の寸法でアンテナを実現することが困難となる。
到来波の位相差に関する干渉は、使用する電波の波長のオーダーで変動するので、300MHzから3GHzの周波数に対応する10cmから1mのオーダーで複数の伝搬路の行路長の変化に応じて複雑に変化する。社会インフラシステムを構成する機器の寸法は該伝搬路の行路長に比べて同等かそれ以上であり、該機器の設置間隔は該伝搬路の行路長に比べて大きいため、到来波の位相差に関する干渉を制御することは困難である。偏波ベクトルに関する干渉は、従来技術の電波では偏波ベクトルは固定、あるいは電波の伝搬周波数(搬送波周波数)で変化するので、同干渉は制御不可能あるいは前記と同様制御困難である。
近年、電波の偏波が搬送波周波数より低い周波数で回転する新たな電波が提案されている。
特許文献1には、第1の周波数の情報信号を第2の周波数で変調し、第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、前記情報信号を、前記第2の周波数と僅かに異なる第4の周波数で変調し、第4の変調信号を出力する第4の変調手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の差によって生じた第3の周波数で更に変調した第1の出力信号を出力する第1の合成手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号の反転信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の反転信号との差によって生じた前記第3の周波数で更に変調した第2の出力信号を出力する第2の合成手段と、を有することを特徴とする偏波角度分割ダイバシチ無線送信機が記載されている。特許文献1に記載の技術を用いれば、偏波の変化する周波数に対応する波長を、社会インフラシステムを構成する機器の寸法および設置間隔のオーダーより大きくすることができるので、送信機と受信機が任意の偏波で送信と受信を行うことにより、受信機に到来する複数の電波の偏波ベクトルに関する干渉を低減できる可能性がある。
特許第5632530号公報 特開平7−183827公報
ところで、無線通信システムとして、送受信機がそのような特定の偏波を用いて通信するためには、受信機に送信機が用いた偏波を認識させる必要があるが、同特許文献にはその具体的な方法は示されていない。
また、特許文献2には、偏波が回転する電波を用いて通信する場合、信号に符号を重畳させて情報を伝送する技術について述べられているが、偏波ベクトルとの対応をとる技術の開示はなく、送信機と受信機が特定の偏波を用いて通信を行う方法は示されていない。
多重反射波が干渉する環境において、良好な情報伝達を可能とする無線通信システムを実現することが課題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高品質のデータ伝送が可能な無線送信機、無線受信機、および無線通信システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の無線送信機は、僅かに周波数の異なる電波を用いて発生させたビート波を二つ用意して、互いに直交させ、かつ該ビート波の周波数を90°ずらすことで、伝搬周波数に比べて低い周波数で回転する回転偏波をつくり、前記回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、前記回転偏波の一周期の所定位置に前記符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てる変調手段と、前記変調された電波を送信する空間的に直交する第1および第2の送信アンテナと、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、高品質のデータ伝送が可能な無線送信機、無線受信機、および無線通信システムを提供する。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の概略の構成図である。 上記第1の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の詳細な構成図である。 上記第1の実施形態に係る無線通信システムを構成する受信機の構成図である。 上記第1の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの構成例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。 上記第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。 上記第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。 上記第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。 上記第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムを構成する受信機の他の構成例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線機を用いる無線通信システムを適用した昇降機システムを示す概略の構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る無線機を用いる無線通信システムを適用した変電設備監視システムを示す概略の構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(原理説明)
従来、円偏波を用いたシステムは知られている(例えば特許文献1)。円偏波とは、電波の伝搬方向の周波数と電波の偏波面を回転(以下、本明細書において、回転とは電波の偏波面を回転することをいう)する回転方向の周波数とが同一の電波の偏波である。言い換えれば、円偏波は、空間的に90°ずれていて、時間的に直交している電磁波である。ここでデジタル信号処理を安定に動作させるためには、アナログ信号を、所望の周波数の4倍以上のサンプリング周期でサンプリングし、このサンプリングしたデジタル信号をデジタル回路で処理させることが必要である。また、無線通信機器が取り扱う周波数は、300MHzから3GHzの範囲に限られる。電磁波の周波数が300MHz以下の場合、電波を空中に放射する効率が著しく低下する。電磁波の周波数が3GHz以上の場合、電波が空中を伝搬する際に被る遮蔽、反射、回折などによる散乱現象により電磁波エネルギの減衰が大きくなる。円偏波を特別な対策なく用いると、上記周波数のサンプリング周期の制限から、デジタル信号処理が多大となりコスト面および消費電力面から好ましくない。
そこで、本発明者らは、回転偏波という新しい電波を提案する。なお、回転偏波は、本発明者らが見出して命名したものである。
回転偏波は、非常に周波数の近い(例えば互いの周波数が0.5〜1.0%程度しか違わない)二つのキャリアを使う。このような僅かに周波数の異なる電波を用いると、ビート波が発生する。ビート波の周波数は、上記二つの周波数の差の1/2である。このビート波の波形を使ってビート波の周波数で電波を回転させる。
すなわち、ビート波の波形を二つ用意し、互いに90°ずらす(直交にする)。なおかつ、ビート波の周波数を90°ずらすと、ビート波の周波数でゆっくり回転する偏波がつくられる。これが回転偏波である。ちなみに、速く回転するものが上記円偏波である。本明細書において、回転偏波は、伝搬方向の周波数と回転方向の周波数とが独立に制御できる電磁波をいうものとする。なお、円偏波は、回転偏波の特殊な例として、伝搬方向の周波数と回転方向の周波数とが一致している電磁波ということもできる。
本発明は、偏波が伝搬周波数に比べて低い周波数で回転する回転偏波を用いて情報の伝送を行う無線通信システムを提供する。特に、受信機が複数の伝搬路から到来する電波を同時に受信するマルチパス環境で良好な受信感度を実現するものである。
受信機は、送信機が用いた回転偏波を識別し、複数の到来波の中で送信機が用いた特定の回転偏波の電波を選んで受信する。また、送信機と受信機が回転偏波を用いて通信を行う場合、主にコスト面の理由から、受信機の構成はなるべく変えず、送信機または送信データで対処したい要請がある。このとき必要となるのは、受信機は、送信機がどの偏波角度で送信したかを知らなければならないことと、マルチパス環境下で有効な回転偏波をいかにして取るかということである。
<回転偏波の同期>
受信機は、送信機が出している回転偏波の偏波角度を知るためには、通常、送信機と同期を取る必要がある。本発明は、受信機は、送信機と同期を取ることなく、受信した回転偏波から同期を取る手法を提供する。
本発明者らは、符号の相関には、自己相関と相互相関の二種類あることに着目した。
自己相関について述べる。強い自己相関性を持つということは、同じ符号に対して符号をずらしてみて(スライド相関してみて)、相関値の最大値(MAX)とセカンド最大値との差がなるべく大きいものをいう。本明細書では、「強自己相関性」という。強自己相関性は、同じ符号同士の相関を取ったときに、相関値の最大値とセカンド最大値との差がなるべく大きいものを使いたい場合に用いる。
相互相関について述べる。相互相関は、二つの違う符号があって、それぞれの相関を取った時に最大値が一番小さいものをいう。本明細書では、「弱相互相関性」という。弱相互相関性は、違う符号同士に関しては、相互相関を取った時に最大値が一番小さいものを使いたい場合に用いる。回転偏波の一周周期の中に前記同一符号とは異なる弱相関性符号を割り当てることで、回転偏波の同期を取ることができる。
<有限のパス>
受信機は、マルチパス環境下でほぼ無限の連続的なパスを受信する。それらをデジタル信号処理することはデジタル信号処理が多大となり現実的ではない。そこで、本無線通信システムは、回転偏波を構成するビート波の一周期を分割し、強自己相関性を持つ同一符号を割り当てる。例えば、0°、45°、90°、135°の45°分割した場合の回転偏波のみ(この例では、4種類)を離散的に取り扱う。また、この4種類を1つのグループとしてまとめて取り扱う。他の例では、45°分割の更に1/2の22.5°(8種類)を確認した。このようにまとめるために、符号を付けている。同じ符号がついているものは同一グループであるとする。例えば、0°から45°の間に符号P1、45°から90°の間に符号P2、90°から135°の間に符号P3を割り当てる。
(第1の実施形態)
[無線通信システムの構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム100を構成する送信機10の概略の構成図である。
無線通信システム100は、空間的に直交する複数のアンテナを具備する送受信機を用いる。送信機10は、搬送波周波数よりも遅い周波数で偏波が回転する電波を用いる。
図1に示すように、無線通信システム100を構成する送信機10は、空間的に直交する第1の送信アンテナ1と第2の送信アンテナ2と、内部で近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4を生成し、強自己相関符号5(「P」参照)を収納する第1の符号バッファ11(記憶手段)と、弱相互相関符号6(「Q」参照)を収納する複数の第2の符号バッファ12(記憶手段)と、を備える。送信機10は、前記ビート波の同相成分(V-pol.)3と直交位相成分(H-pol.)4に符号を割り当てる重畳回路13と、重畳回路13に第1の符号バッファ11および第2の符号バッファ12の内容を選択して符号信号を供給する選択スイッチ14と、選択スイッチ14を所定順序に従って切り替える選択シーケンス記憶部15と、を備える。図1中、fp−1は回転偏波の一周期の1/2を、fc−1はビート波の一振幅をそれぞれ表している。
上記第1の符号バッファ11および第2の符号バッファ12は、回転偏波生成手段の一部を構成し、上記重畳回路13、選択スイッチ14、および選択シーケンス記憶部15は、変調手段を構成する。
なお、強自己相関符号5および弱相互相関符号6の詳細については、図4により後記する。
重畳回路13は、同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4に対して、ビート周期を整数分割した各領域に強自己相関符号5を同じ時間タイミングで割り当てると共に、ビート周期のある一周期に該強自己相関符号5で挟まれた弱相互相関符号6を割り当てる。
重畳回路13は、弱相互相関符号6の符号長は強自己相関符号5の符号長の整数倍であるため、強自己相関符号5の符号長ごとに符号とビート波の同相成分3と直交位相成分4との演算を行えばよい。
選択スイッチ14は、選択シーケンス記憶部15の選択シーケンスに従い、選択スイッチ14を切り替える。送信機10は、重畳回路13を用いて後記する送信データを送信することができる。
図2は、上記送信機10の詳細な構成図である。図1と同一構成部分には同一符号を付している。
送信機10は、近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3(図1参照)と直交位相成分4を生成するために、下記の構成を採る。
図2に示すように、送信機10は、第1の周波数の余弦発振器21と、第2の周波数の余弦発振器22と、第1の周波数の正弦発振器23と、第2の周波数の正弦発振器24と、第1の乗算器25と、第2の乗算器26と、第3の乗算器27と、第4の乗算器28と、加算器29と、減算器30と、を備える。
重畳回路13は、符号信号を時系列で生成し、時系列で生成した符号信号を、第1の乗算器25と第2の乗算器26と第3の乗算器27と第4の乗算器28とに四分岐して出力する。
第1の乗算器25は、第1の分岐出力に第1の余弦発振器21の出力を重畳する。
第2の乗算器26は、第2の分岐出力に第2の余弦発振器22の出力を重畳する。
第3の乗算器27は、第3の分岐出力に第1の正弦発振器23の出力を重畳する。
第4の乗算器28は、第4の分岐出力に第2の正弦発振器24の出力を重畳する。
加算器29は、第1の乗算器25の出力と第2の乗算器26の出力を同相合成し、第1の送信アンテナ1から空中に放射する。
減算器30は、第3の乗算器27の出力と第4の乗算器28の出力を逆相合成し、第2の送信アンテナ2から空中に放射する。
図2の回路構成によれば、偏波が回転し、偏波回転の一周期を分割した領域に強自己相関符号あるいは弱相互相関符号を整数分割した各部分が割り当てられた電波を、直接ビート波を用いることなく送信することができる。ビート波を直接用いることなく送信することができるので、送信機10のデジタル回路を簡略化することができる。なお、送信機10の動作については、後記する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム100を構成する受信機40の構成図である。
図3に示すように、受信機40は、空間的に直交する第1の受信アンテナ41と第2の受信アンテナ42と、偏角制御回路43と、正弦重み回路44と、余弦重み回路45と、合成回路46と、第1の可変遅延回路47と、弱相互相関符号回路48(記憶手段)と、第1の相関乗算回路49と、復調回路50と、第2の可変遅延回路51と、複数の遅延回路52と、第2の相関乗算回路53と、強自己相関符号回路54(記憶手段)と、ベースバンド回路55と、を備える。
上記各部は、全体として、受信した信号に含まれる複数の伝搬路から到来した電波に関して、弱相互相関符号6を用いて送信機10の送信タイミングを割り出し、該送信タイミングに基づき、強自己相関符号5を用いて送信機10が用いた偏波角度を検出する検出手段を構成する。
第1の受信アンテナ41の出力は、複数分それぞれに余弦重み回路45が接続され、第2の受信アンテナ42の出力は複数分それぞれに正弦重み回路44が接続される。
偏角制御回路43は、正弦重み回路44と余弦重み回路45の偏角を決定する。
合成回路46は、正弦重み回路44と余弦重み回路45の出力を合成する。
第1の可変遅延回路47は、合成回路46の出力の一部を遅延して第1の相関乗算回路49に出力する。
弱相互相関符号回路48は、弱相互相関符号6を出力する。
第1の相関乗算回路49は、第1の可変遅延回路47により遅延された合成回路46の出力と弱相互相関符号回路48の出力との相関計算を行う。
復調回路50は、相関計算結果に基づいて、第1の可変遅延回路47の遅延量を変化させて、相関計算結果が最大となる遅延量を決定し、第1の可変遅延回路47と第2の可変遅延回路51に遅延量を指示する。
第2の可変遅延回路51は、合成回路46の出力の残りを遅延して遅延回路52に出力する。
遅延回路52は、複数配置されており、入力信号を順次遅延し、各々遅延して分岐出力する。
第2の相関乗算回路53は、遅延回路52からの各分岐出力と強自己相関符号回路54の出力との相関計算を行い、ベースバンド回路55に個別に出力する。
ベースバンド回路55は、入力されたベースバンド信号p 〜p を処理する機能を有している。なお、受信機40の動作については、後記する。
[無線通信システムの動作]
以下、上述のように構成された無線通信システム100の動作を説明する。
<送信データの構成>
まず、無線通信システム100を構成する送信機10の送信データの構成を説明する。
図4は、無線通信システム100を構成する送信機10の送信データの構成例を示す図である。
図4に示すように、本無線通信システム100では、符号においてその自己相関関数のサイドローブの最大値が符号を構成するビットよりも小さい(実用的には1/3以下)強自己相関符号5と、異なる符号においてそれらの相互相関関数の値が符号を構成するビットよりも小さい(実用的には1/3以下)弱相互相関符号6を用いる。
強自己相関符号5は、例えばPN(Pseudo random Noise)符号を用いているが、どのような符号でもよい。このPN符号のcode bitは、s ,s ,…,s である。また、弱相互相関符号6は、例えばPN符号を用いているが、どのような符号でもよい。弱相互相関符号6は、強自己相関符号5とは異なる符号であり、code bitは、s ,s ,…,s である。
ここで、偏波回転の一周期に割り当てられた符号(強自己相関符号5)は、偏波回転の周波数を搬送波周波数より低くできるから、各伝搬路で生じる伝搬時間の差が偏波回転の一周期を分割した領域の時間より小さくなるように、偏波回転の周波数を設定し、各領域に同一の強自己相関符号5を割当て、一部の回転偏波の周期には強自己相関符号5に挟まれた弱相互相関符号6を割り当てる。図4では、同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4に対して、回転周期を分割して得られる各領域(fp−1参照)に強自己相関符号5(「P」参照)を4つ割り当てると共に、ビート周期のある一周期に強自己相関符号5で挟まれた弱相互相関符号6(「Q」参照)を1つ割り当てる。なお、本実施形態では、弱相互相関符号6(「Q」参照)の両隣の強自己相関符号5(「P」参照)は、ガードビットとして用いられる。ここで、同期が取れると時間軸からみてガードビットであることが分かる。
<送信機の動作>
次に、無線通信システム100を構成する送信機10の動作を説明する。
送信機10(図1および図2参照)は、空間的に直交する第1の送信アンテナ1と第2の送信アンテナ2を具備し、内部で近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4を生成する。
送信機10は、搬送波周波数よりも遅い周波数で偏波が回転する電波(「回転偏波」)を用いる。具体的には、送信機10は、この偏波の回転周期を分割して得られる各領域に同一の強自己相関符号5を割り当てた偏波回転の一周期と、偏波回転の一周期内に強自己相関符号5を前後に従えた強自己相関符号5とは異なる弱相互相関符号6と、を生成する。
送信機10は、二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4に対して、ビート周期を整数分割した各領域に強自己相関符号5を同じ時間タイミングで割り当てるとともに、該ビート周期のある一周期に強自己相関符号5で挟まれた弱相互相関符号6を割り当てる。
送信機10は、偏波回転の一周期内に強自己相関符号5を前後に従えた強自己相関符号5とは異なる弱相互相関符号6を有する一周期とが、混在する一連の偏波回転の複数の周期を用いて、各領域を単位として情報を転送する。
次いで、送信機10は、ビート波の同相成分3と直交位相成分4をそれぞれ、第1の送信アンテナ1と第2の送信アンテナ2から空間に放射する。送信機10は、空間的に直交する第1の送信アンテナ1と第2の送信アンテナ2で偏波が回転する電波を放射する。送信機10から放射された偏波が回転する電波は、複数の異なる伝搬路を経て受信機40(図3参照)に到達する。
このように、送信機10は、内部で近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4を生成し、強自己相関符号5を収納する第1の符号バッファ11と、弱相互相関符号6を収納する複数の第2の符号バッファ12と、ビート波の同相成分(V-pol.)3と直交位相成分(H-pol.)4に符号を割り当てる重畳回路13と、を備え、回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、回転偏波の一周期の所定位置に前記符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てるように変調する。
ちなみに、上記変調方法をアナログ的に記述すれば、「各回転偏波を構成するビート波の一周期が分割され、強自己相関性を持つ同一符号で変調され、異なる同一符号で各回転偏波を構成するビート波が変調される」となる。また、デジタル的に記述すれば、「各回転偏波には強自己相関性を持つ同一の符号が掛け合わせられており、複数の回転偏波の周期には同期を取るための周期が含まれており、同該同期を取るための周期には、前記同一の符号とは異なる符号が掛け合わされている」となる。
<受信機の動作>
次に、無線通信システム100を構成する受信機40の動作を説明する。
図3に示すように、受信機40は、空間的に直交化する第1の受信アンテナ41と第2の受信アンテナ42を備える。第1の受信アンテナ41の出力は、複数分されそれぞれに余弦重み回路45が接続される。また、第2の受信アンテナ42の出力は、複数分されそれぞれに正弦重み回路44が接続される。
正弦重み回路44と余弦重み回路45の偏角は、偏角制御回路43で決定され、正弦重み回路44と余弦重み回路45の出力は、合成回路46で合成される。合成回路46の出力の一部は、第1の可変遅延回路47を介して弱相互相関符号回路48の出力と第1の相関乗算回路49により相関計算が行われ、その結果が復調回路50に入力される。復調回路50は、第1の可変遅延回路47の遅延量を変化させて、相関計算結果が最大となる遅延量を決定する。復調回路50は、また第2の可変遅延回路51の遅延量を決定する。
合成回路46の出力の残りは、第2の可変遅延回路51を介して、複数の遅延回路52で各々遅延分岐される。第2の相関乗算回路53では、各分岐出力と強自己相関符号回路54の出力とを相関計算し、ベースバンド回路55に個別に入力される。偏角制御回路43の出力の数Kに対応して、ベースバンド回路55に個別に入力される数はK倍される。
受信機40は、任意の偏波で到来する複数の電波の合成電力を同時に受信できる。このため、各偏波で受信された合成電力は、異なる伝搬路毎に弱相互相関符号6を用いて送信タイミングが割り出されて、該送信タイミングを用いて強自己相関符号5を用いて送信機10(図1および図2参照)が用いた強自己相関符号5で分割された偏波ごとに受信電力が弁別される。受信機40が同時に受信した信号に含まれる複数の伝搬路から到来した電波の電力は弱相互相関符号6を用いた異なる送信タイミングにより弁別される。
このように、受信機40は、任意の偏波で受信した送信機10が放射した電波を、異なる伝搬路毎にまた、送信機10が用いた偏波毎に抽出できるので、特定の送信偏波および受信偏波を用いて良好な伝搬状態を有する伝搬路を用いた高品質のデータ伝送が可能となる。
送信機10から放射された偏波が回転する電波(回転偏波)は、複数の異なる伝搬路を経て受信機40に到達する。受信機40は、同時に複数の伝搬路からの到来波を受信する。受信機40は、強自己相関符号5の特性により、強自己相関符号5をあらかじめ知ることで到来する複数の電波から所望の伝搬路を経由した電波のみを選別して受信することができる。
また、受信機40は、弱相互相関符号6を予め知ることにより弱相互相関符号6の時間軸上の位置を知ることができ、この位置を基準として、同一の強自己相関符号で分割された送信機10が用いた偏波回転の一周期中の特定の領域を特定することができる。その結果、受信機40は、送信機10が放射し特定の伝搬路を経由して受信機40に到達した電波の中で送信機10が用いた特定の偏波に相当する部分を選択して用いることができる。かつ、受信機40は、空間的に直交する複数のアンテナ(第1の受信アンテナ41と第2の受信アンテナ42)を用いることにより到来する各電波を任意の偏波で受信することができる。
本実施形態によれば、送信機10が任意の偏波で送信した信号を、受信機40は、任意の偏波で受信できる。これにより、送受信期間に複数の障害物があり、非見通し多重反射波が干渉する環境において、良好な情報伝達が可能となる。すなわち、特定の送受信偏波の組み合わせを用いることで、受信機40では、複数の到来波が引き起こす偏波ベクトルの干渉による受信電力の低下を最大限抑制することでき、マルチパス環境下での送受信間情報伝達品質向上に効果がある。
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信システム100の送信機10は、内部で近接する二つの搬送波により形成される同一周波数のビート波の同相成分3と直交位相成分4を生成し、強自己相関符号5を収納する第1の符号バッファ11と、弱相互相関符号6を収納する複数の第2の符号バッファ12と、ビート波の同相成分3と直交位相成分4に符号を割り当てる重畳回路13と、を備え、回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、回転偏波の一周期の所定位置に符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てるように変調する。
これにより、偏波が搬送波周波数より低いビート周波数で回転する電波の、回転偏波の一周期を等分割した各領域に同一の強自己相関符号5が割り当てられ、特定のある偏波回転の一周期に強自己相関符号5を前後に従えた弱相互相関符号6が割り当てられる。
受信機40は、この送信波を複数の異なる伝搬路を経て同時に受信する。受信機40は、弱相互相関符号6を用いて送信機10と受信機40間の同期をとり、この同期タイミングに基づき、強自己相関符号5を用いて送信機10が用いた偏波を知ることができる。受信機40は、空間的に直交する複数のアンテナを具備し、任意の偏波で到来波を受信するので、任意の送信偏波と受信偏波を用いて送信データを受信できる。このため、送受信間に障害物が存在し非見通し波である複数の多重反射波が干渉する電波環境であっても、複数の到来波の異なる偏波ベクトルの干渉による受信電力の低下を防ぐことができ、送受信間の通信品質の向上が実現可能となる。
このように、受信機40は、任意の偏波で受信した送信機10が放射した電波を、異なる伝搬路毎にまた、送信機10が用いた偏波毎に抽出できるので、特定の送信偏波および受信偏波を用いて良好な伝搬状態を有する伝搬路を用いた高品質のデータ伝送が可能となる。
(第2の実施形態)
本無線通信システム100を構成する送信機10は、以下のような構成を採ることができる。
第2の実施形態は、本発明に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例について説明する。
図5乃至図9は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムを構成する送信機の送信データの他の構成例を示す図である。図4と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
<送信データ構成例1>
図5に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する送信機10Aの送信データの構成は、図1の送信機10の送信データの構成と同様に、自己相関関数のサイドローブの最大値が符号を構成するビットよりも小さい強自己相関符号5と、異なる符号においてそれらの相互相関関数の値が符号を構成するビットよりも小さい弱相互相関符号6を用いる。
さらに、送信機10Aの送信データの構成は、情報信号7(「I」参照)を有する。情報信号7(「I」参照)は、偏波回転の一周期がS :[S ,…,S ],S ,S からなる。図5の例では、情報信号7のS に弱相互相関符号6が割り当てられている。
このように、送信機10Aの送信データの構成は、情報信号7により偏波回転の一周期で情報信号7の1ビットを(図3参照)拡散している。送信機10Aが同一のデータを異なる偏波を用いて送信し、受信機40(図3参照)は送信機10の用いた偏波を選択して送信データを復調できるので、送受信間で良好な通信が可能な送受信偏波の組み合わせを用いて、高品質のデータ転送が可能となる。
<送信データ構成例2>
図6に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する送信機10Bの送信データの構成は、図1の送信機10の送信データの構成と異なる点は、送信機10Bが複数の異なる弱相互相関符号6〜6を具備し、複数の弱相互相関符号6〜6を選択して、受信機40(図3参照)に対してデータ伝送を行う点である。
例えば、複数のデバイスの識別をしたい場合、デバイスを識別するIDを付けることが考えられる。強自己相関符号5にはID用の符号を設けられないので、複数の弱相互相関符号6〜6にID用の符号を設ける。
複数の弱相互相関符号6〜6は、例えばPN符号を用いているが、どのような符号でもよい。複数の弱相互相関符号6〜6は、強自己相関符号5とは異なる符号であり、data bitは、6が、sqL ,sqL ,…,sqL である。また、6が、sq1 ,sq1 ,…,sq1 である。
弱相互相関符号6〜6の弱相互相関性のため、弱相互相関符号6〜6をあらかじめ受信機40に持たせる。これにより、受信機40は、送信機10Bが用いた特定の弱相互相関符号6〜6を識別することができる。
本無線通信システムは、異なる無線機が異なる弱相互相関符号6〜6を送信時に使用する取り決めをすることにより、受信機40は複数の送信機10Bと個別のデータ転送を実現することができる。本無線通信システムが収容可能な無線機の数を増加させることが可能となる。
<送信データ構成例3>
図7に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する送信機10Cの送信データの構成は、図1の送信機10の送信データの構成と異なる点は、送信機10Cが複数の異なる強自己相関符号8A,8B,8C(「A」「B」「C」参照)を具備し、複数の強自己相関符号8A,8B,8Cを選択して、受信機40(図3参照)に対してデータ伝送を行う点である。
強自己相関符号8A,8B,8Cをあらかじめ受信機40に持たせることにより、受信機40は、送信機10Cが用いた特定の強自己相関符号を識別することができる。
本無線通信システムは、異なる無線機が異なる強自己相関符号を送信時に使用する取り決めをすることにより、受信機40は複数の送信機10Cと個別のデータ転送を実現することができる。本無線通信システムが収容可能な無線機の数を増加させることが可能となる。
<送信データ構成例4>
図8に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する送信機10Dの送信データの構成は、図7の送信機10Cの送信データの構成と異なる点は、送信機10Dが複数の異なる強自己相関符号8A,8B,8Cおよび複数の異なる弱相互相関符号6A,6B,6C(「Q」「Q」「Q」参照)を具備し、複数の強自己相関符号8A,8B,8Cおよび弱相互相関符号6A,6B,6Cを選択して、受信機40(図3参照)に対してデータ伝送を行う点である。
弱相互相関符号6A,6B,6Cの弱相互相関性のため、弱相互相関符号6A,6B,6Cをあらかじめ受信機40に持たせることにより受信機40は、各送信機10Dと個別の同期を取ることができる。更に、各送信機10Dが用いた異なる強自己相関符号8A,8B,8Cをあらかじめ受信機40に持たせることにより、受信機40は、送信機10Dが用いた特定の強自己相関符号8A,8B,8Cにより、各送信機10Dが用いた偏波を個別に識別することができる。
本無線通信システムは、異なる無線機が異なる強自己相関符号を送信時に使用する取り決めをすることにより、受信機40は複数の送信機10Dと個別のデータ転送を同時に実現することができるので、本発明の無線システムのスループットを増加させることが可能となる。
<送信データ構成例5>
図9に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する送信機10Eの送信データの構成は、図8の送信機10DC送信データの構成と異なる点は、送信機10Eが複数の異なる弱相互相関符号6(図8参照)を具備することなく、弱相互相関符号6の代わりに、別の複数の強自己相関符号18A,18B,18Cを元の強自己相関符号8A,8B,8Cで挟んだ符号列を用いて特定の偏波回転の一周期に割り当てることである。
一般に、符号長が小さい(実用的には、符号長が15以下)場合、異なる強自己相関符号8A,8B,8Cの相互相関特性は弱相互相関符号に比べて最大サイドローブの値が高くなり、符号を識別する感度余裕が小さくなる。しかしながら、本無線通信システムが用いる符号の種類を大幅に削減できる。このため、本無線通信システムが同時に占有する周波数スペクトラムの量を削減することができ、送受信間の通信感度を向上させることができる。
また、本無線通信システムが予め、同時に通信できる無線機の数を制限することにより、図8の送信機10Dの送信データの構成と比べて、より離れた送受信間の通信が可能となるので、同無線システムのサービスエリアを拡大することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、本発明に係る無線通信システムを構成する受信機の他の構成例について説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムを構成する受信機の他の構成例を示す図である。図3と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の無線通信システムを構成する受信機60は、図3の受信機40の送信データの構成と下記の点で異なる。受信機60は、図3の受信機40の弱相互相関符号回路48に代えて、符号バッファ61と、複数の弱相互相関符号発生回路62と、切り替えスイッチ63と、を備える。
受信機60は、複数の弱相互相関符号発生回路62の出力を切り替えスイッチ63により選択して符号バッファ61に蓄える。第1の相関乗算回路49では、可変遅延回路47を介して入力される合成回路46の出力の一部と符号バッファ61の出力との相関計算を行う。
本実施形態によれば、受信機60が異なる複数の弱相互相関符号6A,6B,6C(図8参照)を用いて、任意の偏波で受信した複数の送信機10,10A〜10Eが放射した電波を、異なる送信機10,10A〜10E毎に、異なる伝搬路毎、かつ送信機10,10A〜10Eが用いた偏波毎に抽出できるので、特定の送信偏波および受信偏波を用いて良好な伝搬状態を有する伝搬路を用いた高品質のデータ伝送を同時に複数の無線機間で実現可能となり、本実施形態の無線機を用いた無線通信システムのスループット向上が実現される。
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る無線機を用いる無線通信システムを適用した昇降機システムを示す概略の構成図である。
図11に示すように、昇降機システム1100は、縦長の直方体である建物に備わる昇降路1101と、昇降カゴ1111とを有している。昇降路1101の内部には、昇降カゴ1111が昇降する空間が設けられている。昇降カゴ1111は図示しないロープと駆動機構によって、昇降路1101の内部空間を昇降する。
建物1101の内部の天井部には、図示を省略するが本実施形態の回転偏波を送受信可能なアンテナを具備する送信機10,10A〜10Eおよび受信機40を具備する基地局無線機1103−1と基地局回転偏波アンテナ1102−1が結合して設置される。建物1101の内部の床部には、本発明の回転偏波を送受信可能なアンテナを具備する送信機10,10A〜10Eおよび受信機40を具備する基地局無線機1103−2と基地局回転偏波アンテナ1102−2が結合して設置される
昇降機1111の外部天井と外部床面には、回転偏波を送受信可能な端末局回転偏波アンテナ1113−1,1113−2が設置され、高周波ケーブル1114を用いて端末無線機1112に結合している。
基地局無線機1103−1,1103−2と端末局無線機1112は、建物1101の内部を無線伝送媒体とするので、建物1101の内壁および該昇降機の外壁により電磁波は多重反射を受け、多重波干渉環境が形成される。
本実施形態では、多重波干渉環境下でも複数の反射波を用いて、高品質の無線伝送が実現可能となる。建物1101から無線接続手段によって昇降カゴ1111の制御/監視が可能となるので、ケーブル等の有線接続手段によって昇降カゴ1111が昇降する空間を無駄にすることがなくなる。よって、建物1101を小さい体積とするか、または、同一の建物101の体積で昇降カゴ1111の寸法を増大させて輸送能力を向上させることが可能である。あわせて、昇降カゴ1111の軽量化も可能となる。昇降カゴ1111に接続されるケーブル等の有線接続手段の重さは、高層ビルにおいて、無視し得ない重さとなるためである。
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る無線機を用いる無線通信システムを適用した変電設備監視システムを示す概略の構成図である。
図12に示すように、本実施形態の変電設備監視システム1200は、複数の変電機1201−1〜1201−12と、これらの近傍に設定されている複数の無線基地局1211−1〜1211−4とを備えている。本実施形態では、変電機1201−1〜1201−12の数は無線基地局1211−1〜1211−4の数より多い。
それぞれの変電機1201−1〜1201−12には、本発明の回転偏波を用いる無線通信システムの送信機および受信機を具備する端末局無線機1203と端末局回転偏波アンテナ1202が結合し設置される。
また、複数の変電機1201−1〜1201−12の近傍には、本無線通信システムの送信機および受信機を具備する基地局装置1211−1〜1211−4が設営される。基地局装置1211−1〜1211−4は、回転偏波を用いる基地局無線機1213と基地局回転偏波アンテナ1212が結合し設置される。
変電機の寸法は、数mのオーダであり無線機が使用する電磁波の周波数である数百MHzから数GHzに対応する波長に比べ圧倒的に大きい。このため、複数の変電機1201により電磁波は多重反射を受け、多重波干渉環境が形成される。
本実施形態では、多重波干渉環境下で複数の反射波を用いて、高品質の無線伝送が実現可能となる。複数の無線基地局1211−1〜1211−4によって、変電機1201−1〜1201−12の遠隔制御と遠隔監視が可能である。よって、ケーブルなどを用いる場合に問題となる高圧誘導電力の問題を解決できると共に、ケーブルの敷設コストを削除でき、変電機1201−1〜1201−12の制御/監視システムの安全性の向上、および、コストの削減が可能となる。
本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
(変形例)
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。例えば、本発明の無線送信機、無線受信機を、セキュリティシステムにおける集中制御装置と、扉センサや、窓センサなどとの無線通信に適用してもよい。これにより、高度な通信品質が求められるセキュリティシステムを提供することが可能となる。
1 第1の送信アンテナ
2 第2の送信アンテナ
3 ビート波の同相成分
4 ビート波の直交位相成分
5 強自己相関符号
6 弱相互相関符号
10,10A〜10E 送信機(無線送信機)
11 第1の符号バッファ(回転偏波生成手段の一部)
12 第2の符号バッファ(回転偏波生成手段の一部)
13 重畳回路(変調手段)
14 選択スイッチ(変調手段)
15 選択シーケンス記憶部(変調手段)
21 第1の周波数の余弦発振器
22 第2の周波数の余弦発振器
23 第1の周波数の正弦発振器
24 第2の周波数の正弦発振器
25 第1の乗算器
26 第2の乗算器
27 第3の乗算器
28 第4の乗算器
29 加算器
30 減算器
40 受信機(無線受信機)
41 第1の受信アンテナ
42 第2の受信アンテナ
43 偏角制御回路
44 正弦重み回路
45 余弦重み回路
46 合成回路
47 第1の可変遅延回路
48 弱相互相関符号回路(記憶手段)
49 第1の相関乗算回路
50 復調回路
51 第2の可変遅延回路
52 遅延回路
53 第2の相関乗算回路
54 強自己相関符号回路(記憶手段)
55 ベースバンド回路
100 無線通信システム
1100 昇降機システム
1200 変電設備監視システム

Claims (7)

  1. 僅かに周波数の異なる電波を用いて発生させたビート波を二つ用意して、互いに直交させ、かつ該ビート波の周波数を90°ずらすことで、伝搬周波数に比べて低い周波数で回転する回転偏波をつくる回転偏波生成手段と、
    前記回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、
    前記回転偏波の一周期の所定位置に前記符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てる変調手段と、
    前記変調された電波を送信する空間的に直交する第1および第2の送信アンテナと、
    を備えることを特徴とする無線送信機。
  2. 前記変調手段は、
    前記弱相互相関性を持つ符号、および/または、前記弱相互相関性を持つ符号を複数有し、個別に用いて変調する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線送信機。
  3. 前記変調手段は、
    前記弱相互相関性を持つ符号が、前記回転偏波の同一周期に一度以上存在せず、かつ、一度の通信においてすべての偏波角度領域に少なくとも一度は存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線送信機。
  4. 前記変調手段は、
    前記弱相互相関性を持つ符号の前後に少なくとも一つ以上の前記強自己相関性を持つ符号が配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の無線送信機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線送信機が発信する電波を受信する無線受信機であって、
    前記無線送信機が発信する電波を受信する空間的に直交する第1および第2の受信アンテナと、
    前記無線送信機が用いる前記弱相互相関符号および前記強自己相関符号を記憶する記憶手段と、
    受信した信号に含まれる複数の伝搬路から到来した電波に関して、前記弱相互相関符号を用いて前記無線送信機の送信タイミングを割り出し、該送信タイミングに基づき、前記強自己相関符号を用いて前記無線送信機が用いた偏波角度を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする無線受信機。
  6. 前記検出手段は、前記第1および第2の受信アンテナの複数の出力を分岐し、それぞれに異なる偏角の正弦および余弦重みを乗じた後それらを合成することにより、同時に複数の異なる偏波で到来波を該偏波毎に受信する
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線受信機。
  7. 空間的に直交する複数のアンテナを有する無線送信機および無線受信機を備える無線通信システムであって、
    前記無線送信機は、
    僅かに周波数の異なる電波を用いて発生させたビート波を二つ用意して、互いに直交させ、かつ該ビート波の周波数を90°ずらすことで、伝搬周波数に比べて低い周波数で回転する回転偏波をつくる回転偏波生成手段と、
    前記回転偏波の一周期を分割して得られる各領域に強自己相関性を持つ同一符号を夫々割り当てるとともに、
    前記回転偏波の一周期の所定位置に前記符号とは異なる弱相互相関性を持つ符号を割り当てる変調手段と、を備え、
    前記無線受信機は、
    前記無線送信機が用いる前記弱相互相関符号および前記強自己相関符号を記憶する記憶手段と、
    受信した信号に含まれる複数の伝搬路から到来した電波に関して、前記弱相互相関符号を用いて前記無線送信機の送信タイミングを割り出し、該送信タイミングに基づき、前記強自己相関符号を用いて前記無線送信機が用いた偏波角度を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
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