JP2016163211A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハーフトーン処理のための回路規模を抑制しつつ印刷性能を向上させる。【解決手段】画像処理装置は、画像データのうち、第一色成分の階調値に対して誤差拡散法を用いずにハーフトーン処理を行う第一処理部と、前記画像データのうち、前記第一色成分と異なる第二色成分の階調値に対して少なくとも誤差拡散法を用いてハーフトーン処理を行う第二処理部と、前記第一処理部によるハーフトーン処理の結果と前記第二処理部によるハーフトーン処理の結果とを画素毎に合成してハーフトーンデータを出力する合成部と、を備え、前記合成部は、前記第一処理部の出力信号を所定のクロック数だけ遅延させる遅延回路と、前記遅延回路から入力される出力信号と前記第二処理部から入力される出力信号とをパラレル出力又はシリアル出力する出力ユニットとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は画像処理装置に関し、特にハーフトーニングに関する。
従来、階調値をプリンターのインクドットの吐出(オン)と非吐出(オフ)を示す値に変換するハーフトーン処理の方法として、ディザ法、誤差拡散法、これらを組み合わせた方法(特許文献1)など、様々な方法が知られている。一般に、ハーフトーン処理を高速化するためには、ハーフトーン処理のための専用のハードウェアが用いられ、シアン、マゼンタ、イエロー等の色成分毎に処理を並列化する手法が採用される。
近年、プリンターの色成分の数、すなわちインクの色数を増やすことにより、印刷色域を拡大する技術が広く採用されている。このようなプリンターにおいては、画質や印刷速度といった求められる印刷性能によって、色成分毎に最適なハーフトーン処理方法が異なる場合がある。しかし色成分によって異なるハーフトーン処理方法を適用すると、色成分毎にハーフトーン処理時間が異なる。特許文献2には、異なる方法に基づくハーフトーン処理回路を並列に配置し、色成分毎にハーフトーン処理回路を選択することにより、並列に処理される各色成分のハーフトーン処理時間の差を小さくする技術が開示されている。
特開2014−78980号公報 特開2006−42312号公報
しかし、誤差拡散法や、ディザ法と誤差拡散法を組み合わせた方法はディザ法に比べて回路規模が大きいため、色毎に回路を並列配置することは、大幅なコストアップを招く。また、ディザ法と誤差拡散法を組み合わせた方法は、処理ステップ数が相当多くなるため、特許文献2に記載されているように、色成分毎の余白の大きさでディザ法との処理時間の差を相殺するように色成分毎にハーフトーン処理回路を選択することも難しい。
本発明は、ハーフトーン処理のための回路規模を抑制しつつ印刷性能を向上させることを目的の1つとする。
上記目的を達成するための画像処理装置は、画像データのうち、第一色成分の階調値に対して誤差拡散法を用いずにハーフトーン処理を行う第一処理部と、前記画像データのうち、前記第一色成分と異なる第二色成分の階調値に対して少なくとも誤差拡散法を用いてハーフトーン処理を行う第二処理部と、前記第一処理部によるハーフトーン処理の結果と前記第二処理部によるハーフトーン処理の結果とを画素毎に合成してハーフトーンデータを出力する合成部と、を備えた画像処理装置であって、前記合成部は、前記第一処理部の出力信号を所定のクロック数だけ遅延させる遅延回路と、前記遅延回路から入力される出力信号と前記第二処理部から入力される出力信号とをパラレル出力又はシリアル出力する出力ユニットとを備える。
本発明によると、誤差拡散法を用いるハーフトーン処理と誤差拡散法を用いないハーフトーン処理とを色成分毎に施すため、ハーフトーン処理のための回路規模を抑制しつつ、画質や印刷速度といった印刷性能を総合的に向上させることができる。また本発明によると、誤差拡散法を用いないハーフトーン処理の出力信号を所定のクロック数だけ遅延回路で遅延させるため、誤差拡散法を用いてハーフトーン処理された色成分の出力信号と誤差拡散法を用いずにハーフトーン処理された色成分の出力信号とを画素毎に合成して出力することができる。
なお請求項に記載された各手段の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各手段の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
本発明の実施形態にかかるブロック図。 本発明の実施形態にかかるブロック図。 本発明の実施形態にかかるフローチャート。 本発明の実施形態にかかるフローチャート。 本発明の実施形態にかかるデータテーブルを示すグラフ。 本発明の実施形態にかかる回路図。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.装置構成
図1に示す本発明の実施例としてのプリンター1は、双方向印刷を行うシリアルインクジェットプリンターである。プリンター1は、送紙モーター32によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモーター31によってキャリッジ40をプラテンの長手方向に往復動させる機構と、キャリッジ40に搭載された印刷ヘッド90を駆動してインクドットの吐出を行う機構と、制御ユニット10とを備えている。
キャリッジ40をプラテンの長手方向に往復動させる機構は、プラテンの軸と平行に架設されてキャリッジ40を摺動可能に保持するガイドと、無端ベルトが掛け渡されてキャリッジモーター31によって駆動されるプーリー等から構成されている。
キャリッジ40には、カラーインクとして、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクY、ブラックインクK、ライトシアンインクLc、ライトマゼンタインクLmをそれぞれ収容したインクカートリッジ41〜46が搭載される。以下、C、M、Y、K、Lc、Lmの階調で表すデータ形式をCMY形式という。キャリッジ40の下部の印刷ヘッド47には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ40にこれらのインクが充填されたインクカートリッジ41〜46を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド47へのインクの供給が可能となる。
各カラーインクは、面積階調によりフルカラーを表現するための色成分を構成する。すなわち、C、M、Y、K、Lc、Lmのインクドットが占める面積の割合を異ならせることによりC、M、Y、K、Lc、Lmの6つの色成分でフルカラーが表現される。印刷ヘッド47は、インクドットを吐出する(オン)か、インクドットを吐出しない(オフ)かを格子点毎に制御できるにすぎないため、後述するハーフトーン処理部16において、CMY形式の階調値はインクドットのオンとオフを示すハーフトーンデータに変換され、印刷ヘッド47はハーフトーンデータに基づいて駆動される。
制御ユニット10は、CPU13、フラッシュメモリ・EEPROMなどの不揮発性記憶媒体からなる外部記憶12、揮発性記憶媒体からなる主記憶52、入出力部11、画像処理IC(Integrated Circuit)19を備え、これらがバスで相互に接続されている。制御ユニット10は、外部記憶12に記憶されたプログラムを主記憶14にロードし、CPU13で実行することにより、入力された画像データに対する画像処理を実行してハーフトーンデータを生成し、プリンター1の動作全般を制御する。
入出力部11は、USB、イーサネット(登録商標)、IrDA、ブルートゥース等の規格に準拠したデータ入力インターフェースを備え、リムーバブルメモリや外部機器から画像データを入力することができる。本実施例においては、入出力部11から入力される画像データは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分の階調値を画素毎に持つ。
外部記憶12には、OS、印刷制御プログラム等の各種のプログラムのほか、色変換テーブル120、ディザマスク121、誤差拡散閾値テーブル122等の各種のデータテーブルが記憶されている。色変換テーブル120には、RGBの階調値とCMYKLcLmの階調値とが予め対応付けて記憶されている。ディザマスク121は、組織的ディザ法によるハーフトーン処理に用いるものであり、複数のディザ閾値により構成される。ディザマスク121は、本実施例では、いわゆるブルーノイズ特性を備えている。誤差拡散閾値テーブル122は、誤差拡散処理におけるドットのオンとオフの決定に用いる拡散閾値が記憶されたテーブルであり、その詳細は後述する。
画像処理IC19は、以下で説明する色変換部15、ハーフトーン処理部16、ドット処理部17、吐出制御部18の機能を実現するためのプログラムが所定のハードウェア記述言語によって記述されることで設計された集積回路である。
色変換部15は、色変換テーブル120を参照することでRGBからCMYKLcLmへの色変換を行う。色変換後の画像データは、CMY形式の各色成分について256段階(0〜255)の階調値Dnを有する。
ハーフトーン処理部16は、色変換部15からCMY形式の画像データを入力し、画素単位にインクドットのオンとオフを示す二値のハーフトーンデータに変換する。ハーフトーン処理部16の詳細については後に説明する。
ドット処理部17は、二値のハーフトーンデータを入力し、印刷媒体上に形成されるドットの配置を示すドット配置データに変換し、ドット配置データをドットの吐出順に並び替えたドット吐出データを出力する。
吐出制御部18は、ドット吐出データを入力し、ドット配置データに応じたドットが印刷媒体上に形成されるように、ドット吐出データに基づいて印刷ヘッド47、キャリッジモーター31、送紙モーター32を駆動するための制御信号を出力する。
ここで図2を参照しながらハーフトーン処理部16の構成について詳細に説明する。
第一処理部、第二処理部および第三処理部として機能するディザユニット61は、ディザマスク121を参照しながらディザ閾値と注目画素の階調値Dnとの大小を色成分毎に比較し、比較結果を出力する。比較結果を示すディザユニット61の出力信号は、ディザ閾値以上(ドットオン)またはディザ閾値未満(ドットオフ)を示す二値であり、以後、ディザ比較値という。ディザユニット61は、各色成分についてこのディザ処理を並列に実行する。全ての色成分のディザ比較値は、第一セレクタ62および第二セレクタ67に入力される。また後述する誤差拡散ユニット64、65、66で用いるため、ディザユニット61に入力される全ての色成分の階調値も第一セレクタ62に入力される。
合成部として機能する第一セレクタ62は、注目画素の全ての色成分についてディザ比較値と階調値を取得し、各色成分についてこれらの出力先を選択する。すなわち第一セレクタ62は、注目画素の誤差拡散処理の対象ではない第一色成分については、遅延バッファ63にディザ比較値を入力し、注目画素の誤差拡散処理の対象である第二色成分については、誤差拡散ユニット64、65、66にディザ比較値と階調値を入力する。
合成部として機能する遅延バッファ63は、誤差拡散ユニット64、65、66において注目画素について処理が完了するのに必要なクロック数だけ注目画素の他の色成分についてディザ比較値を保持する遅延回路(パイプラインレジスタ)である。なお、全ての色成分について誤差拡散処理を行わない場合には、遅延バッファ63でディザ比較値を保持する必要が無く、1つの色成分についてのみ誤差拡散処理を行う場合には、5つの色成分についてディザ比較値を遅延バッファ63で保持する必要がある。したがって第一セレクタ62と遅延バッファ63とを接続する信号線の数は、最大でも、プリンター1が対応可能な色成分の数である6よりも1小さい5つの色成分についてディザ比較値を伝送できる数だけ用意すればよい。本実施例では、3つの色成分について二値のディザ比較値を伝送する3本の信号線で第一セレクタ62と遅延バッファ63とが接続される。
第二処理部として機能する第一誤差拡散ユニット64、第二誤差拡散ユニット65、第三誤差拡散ユニット66は、構成が共通であって、それぞれ注目画素の1つの色成分について、ディザ比較値と注目画素の階調値とを第一セレクタ62から取得し、注目画素のディザ比較値と階調値に基づいて、誤差拡散法におけるドットのオン/オフの決定に用いる閾値である誤差拡散閾値を変化させることで、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさを制御するパイプラインプロセッサである。各誤差拡散ユニットには、誤差加算部661、閾値比較部662、オン誤差計算部663、オン誤差記憶部664、拡散範囲係数テーブル665、オフ誤差計算部666、オフ誤差記憶部667、選択部としての第三セレクタ668、拡散誤差記憶部669が備わっている。誤差加算部661、閾値比較部662、オン誤差計算部663、オン誤差記憶部664、拡散範囲係数テーブル665、オフ誤差計算部666、オフ誤差記憶部667、第三セレクタ668、拡散誤差記憶部669の機能については後に詳しく説明する。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンター1は、キャリッジモーター31を駆動することによって、印刷ヘッド47を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、送紙モーター32を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット10は、キャリッジ40が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、ドット吐出データに基づくタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体Pに各色のインクドットを吐出する。こうすることによって、プリンター1は、印刷媒体P上にカラー画像を印刷することが可能となっている。
2.印刷処理
次に図3を参照しながらプリンター1における印刷処理について説明する。ここでの印刷処理は、ユーザーが操作パネル20等を用いて、所望の画像データについて印刷指示操作を行うことで開始される。印刷処理を開始すると、CPU13は、まず、入出力部11を介して印刷対象であるRGB形式の画像データを主記憶14に読み込む(ステップS1)。
画像データを入力すると、CPU13は、色変換部15に色変換を実行させる(ステップS2)。色変換部15は、外部記憶12に記憶された色変換テーブル120を参照して、画像データについて、RGB形式の画像データをCMY形式に変換する。なお、CPU13は、RGB形式またはCMY形式の画像データについて、解像度変換処理やスムージング処理などの画像処理を施してから色変換部15に色変換を実行させてもよいし、色変換後に解像度変換処理やスムージング処理などの画像処理を施しても良い。
色変換処理を行うと、CPU13は、ハーフトーン処理部42にハーフトーン処理を実行させる(S3)。
ハーフトーン処理を行うと、CPU13は、ドット処理部43にドット処理を実行させる(ステップS4)。ドット処理部43は、プリンター1のノズル配置や紙送り量などに合わせて1回の主走査単位でドット配置データをドット吐出データに並び替える。
ドット処理を行うと、CPU13は、吐出制御部18に印刷を実行させる(ステップS5)。吐出制御部18は、ドット吐出データに基づく制御信号を印刷ヘッド47、キャリッジモーター31、送紙モーター32等に出力して印刷を実行する。
3.ハーフトーン処理の詳細
ここでハーフトーン処理(ステップS3)について、図2、図4を参照しながら詳細に説明する。図4に示すように、ハーフトーン処理を開始するとき、CPU13は、まず、ハーフトーン処理の対象の画像データについて、誤差拡散処理の対象となる色成分を設定する(S31)。具体的には、第一セレクタ62がディザ比較値と階調値とを出力する先を各色成分についてCPU13が設定する。すなわちCPU13は、誤差拡散処理の対象となる色成分のディザ比較値と階調値とが誤差拡散ユニット64、65、66に出力され、誤差拡散処理の対象とならない色成分のディザ比較値が遅延バッファ63に出力されるように第一セレクタ62を設定する。
誤差拡散処理の対象となる色成分には、ディザ処理と誤差拡散処理とを組み合わせたハーフトーン処理が施されることになる。また誤差拡散処理の対象とならない色成分には、ディザ処理だけがハーフトーン処理として施されることになる。また、ディザユニット61の出力は、第一セレクタ62だけでなく、最終的なハーフトーン処理結果を出力するための第二セレクタ67にも入力される。したがって、誤差拡散ユニット64、65、66も遅延バッファ63も使わずに、全ての色成分に対してディザ処理のみを高速なハーフトーン処理として施すことも可能である。全ての色成分に対してディザ処理のみをハーフトーン処理として施す場合、CPU13は第一セレクタ62から出力されたディザ比較値が選択して出力されるように第二セレクタ67を設定すればよい。
いずれの色成分を誤差拡散処理の対象とするかについては、本発明において任意の設計事項である。例えば、印刷品質よりも印刷速度を重視する場合には、全ての色成分についてディザ処理だけをハーフトーン処理として施しても良い。またモノトーン画像のように画像データの大部分の色が特定の色域に集中しているような場合には、色が集中している色域に近い色成分について誤差拡散処理の対象として、印刷品質を高めてもよい。
なお、誤差拡散処理の対象となる色成分をどのような単位で設定するかについては、例えば、画像データ毎に誤差拡散処理の対象となる色成分を設定しても良いし、ページ毎に設定しても良いし、ファイル毎に設定しても良いし、バンド毎に設定しても良いし、起動毎に設定しても良いし、出荷後のセットアップ時に一度だけユーザーが設定するようにしてもよいし、工場組立時に一度だけ設定するようにしても良い。すなわち、ステップS31の処理は、図3に示す印刷処理の実行前に実行されても良い。工場組立時に一度だけ設定する場合であっても、第一セレクタ62を備えることにより、誤差拡散ユニットを設ける数を設計仕様に応じて容易に変更することもできるため、設計コストを低減できる。
誤差拡散処理の対象となる色成分を設定した後、CPU13が、色変換部15から出力されるCMY形式の画像データに対してハーフトーン処理部16にハーフトーン処理の実行を指示すると、ディザユニット61は、CMY形式の画像データについて、注目画素の位置を示す座標n(x、y)と、注目画素の階調値Dnとを取得する(ステップS31)。
注目画素の座標n(x、y)と階調値Dnとを取得すると、ディザユニット61は、ディザ処理を行う(ステップS33)。ここでのディザ処理は、外部記憶12に記憶されたディザマスク121を構成する複数の閾値のうちの、注目画素の座標n(x、y)に対応する閾値THn_dの値と、階調値Dnとの大小関係を比較する処理である。この処理は、通常行われるディザ法によるドットのオン/オフ判断の処理と同一の処理である。ただし、本実施例のディザ処理は、後述する誤差拡散法によってドットのオン/オフが最終的に決定される可能性があるという点では、仮のディザ処理であり、また、誤差拡散法の閾値(誤差拡散閾値)を決定するための処理でもある。
ディザユニット61からディザ比較値としてのオンまたはオフが画素毎、色成分毎に出力されると、第一セレクタ62は、ステップS31の設定に基づいて、色成分毎に出力先を選択してディザ比較値と階調値を出力する(ステップS34)。すなわち、第一セレクタ62は、色成分毎に異なるハーフトーン処理をする場合において、誤差拡散処理の対象である第二色成分については、ディザ比較値と階調値Dnの出力先を誤差拡散ユニット64、65、66のいずれかとし、誤差拡散処理の対象外である第一色成分については、ディザ比較値の出力先を遅延バッファ63とする。
遅延バッファ63は、誤差拡散処理の対象外の色成分のディザ比較値を取得すると、以下に述べる誤差拡散処理に必要なパイプラインステップ数に対応するクロック数だけディザ比較値を保持する(ステップS35)。
誤差拡散ユニット64、65、66は、誤差拡散処理の対象色成分のディザ比較値と階調値Dnを取得すると、パイプライン処理により誤差拡散処理を実行する。パイプライン処理により複数の処理が同時に実行されるため、実際には図4に記載された順序で実行されるわけではないが、1つの注目画素に施す誤差拡散処理の手順を理解しやすくするために、図4に記載された流れに沿って誤差拡散処理を説明した後に、実際の処理順序を図6を参照して説明する。
まず閾値比較部662は、ステップS33のディザ処理によって定まったディザ比較値がドットオンであるかドットオフであるかを判定し(ステップS36)、ドットオンであれば、誤差拡散処理に用いる閾値THeを、階調値Dnに対応する低位閾値THe_Lに設定する(ステップS37)。一方、ディザ比較値がドットオフであれば、誤差拡散処理に用いる閾値THeを、階調値Dnに対応する高位閾値THe_Hに設定する(ステップS38)。このように、本実施例においては、誤差拡散法に用いる閾値THeをディザ処理の結果と階調値Dnに応じて変化させる構成としている。かかる閾値THeの設定は、外部記憶12に記憶された誤差拡散閾値テーブル122を参照して行われる。
誤差拡散閾値テーブル122の具体例を概念的に図5に示す。図示するように、誤差拡散閾値テーブル122では、階調値Dn(ここでは0〜255)と、低位閾値THe_L及び高位閾値THe_Hとが、それぞれ対応付けられている。図中に示す閾値THe_Nは、通常の誤差拡散法で用いられる閾値の例を参考として表示するものであり、この例では、閾値THe_Nは、階調値Dnによらず一定値127.5となっている。
図5に示す例では、高位閾値THe_Hは、階調値Dnが0の場合に値127.5をとり、階調値Dnが0から大きくなるに従って大きくなり、最終的には、階調値Dnが255の場合に値207.5となる。低位閾値THe_Lは、階調値Dnが0の場合には、高位閾値THe_Hと同じ値127.5をとり、階調値Dnが0から大きくなるに従って小さくなり、階調値Dnが255の場合に値47.5となる。
換言すれば、高位閾値THe_Hと低位閾値THe_Lとの差分(以下、閾値差分ΔTHeともいう)は、階調値Dnが0の場合に値0であり、階調値Dnが大きくなるに従って大きくなり、階調値Dnが255の場合に値80となる。つまり、図5の例では、誤差拡散閾値テーブル122は、注目画素の階調値Dnの全範囲に亘って、階調値が大きいほど閾値差分ΔTHeが大きくなるように(ここでは正比例の関係に)設定されている。このように、高位閾値THe_Hと低位閾値THe_Lとの大小関係は、互いの値が等しいか、高位閾値THe_Hが低位閾値THe_Lよりも相対的に大きくなるように設定される。ただし、高位閾値THe_Hと低位閾値THe_Lとが全ての階調値において等しい場合は除かれる。なお、階調値ごとの高位閾値THe_H及び低位閾値THe_Lの値は、かかる大小関係が保持されていれば、いかようにも設定することが可能である。なお、本実施例では、テーブルを参照することにより、階調値Dnに応じた高位閾値THe_H及び低位閾値THe_Lを求める構成としたが、関数によりこれらを求めてもよい。
次に誤差加算部661は、階調値Dnに、拡散誤差記憶部669に記憶されている他の画素の拡散誤差Ednを加算し、階調値Dn+を出力する(ステップS39)。ここで、拡散誤差Ednについては、注目画素の近傍にある先行画素について後述するステップS44において決定されるものであり、その内容は後述する。階調値Dn+は、先行画素に生じた拡散誤差Ednを注目画素の階調値Dnに加算した結果としての階調値である。
一方、オン誤差計算部663とオフ誤差計算部666は、それぞれ、注目画素に生ずる二値化誤差と拡散誤差を見積もる(ステップS40)。二値化誤差Enは、先行画素に生じた拡散誤差Ednを加算した階調値Dn+とドットのオン/オフ結果(ここでは階調値255または0)との差分である。拡散誤差Ednとは、上記ステップS36において他の画素(後続画素)の階調値Dnに加算する誤差である。本実施例では、二値化誤差Enを、ドットのオン/オフを閾値比較部662で未決定の周辺画素である、注目画素の右隣の画素に対して7/16、左下の画素に対して3/16、下の画素に対して5/16、右下の画素に対して1/16の割合で、拡散誤差Ednとして配分する。これらの係数は拡散範囲係数テーブル665に記憶されている。すなわち、オン誤差計算部663およびオフ誤差計算部666は、階調値Dn+と階調値255または0との差分である二値化誤差Enに、次式(1)〜(4)のように、拡散範囲係数テーブル665に記憶された係数を掛け合わせて、注目画素の各近傍画素について拡散誤差Ednを導出する。なお、拡散範囲係数テーブル665はこれに限られるものではなく、異なる数字を用いてもよいし、拡散する範囲を広げたり、狭めたりしてもよい。
E1n=En×7/16…(1)
E2n=En×3/16…(2)
E3n=En×5/16…(3)
E4n=En×1/16…(4)
誤差拡散閾値を設定した閾値比較部662は、先行画素に生じた拡散誤差Ednが加算された階調値Dn+と、ステップS38またはステップS39で設定した閾値THeとを比較する(ステップS41)。その結果、階調値Dn+が閾値THe以上であれば、注目画素のドットをオンに決定し(ステップS42)、階調値Dn+が閾値THe未満であれば、注目画素のドットをオフに決定する(ステップS43)。
閾値比較部662は、注目画素についてドットオンまたはドットオフを決定すると、第三セレクタ668をその決定に応じて設定し、決定に応じた拡散誤差Ednを第三セレクタ668から出力させる(ステップS44)。すなわち、閾値比較部662がドットオンを決定した場合には、オン誤差記憶部664が保持している拡散誤差Ednが第三セレクタ668から出力される。また閾値比較部662がドットオフを決定した場合には、オフ誤差記憶部666が保持している拡散誤差Ednが第三セレクタ668から出力される。こうして決定された拡散誤差Ednは、拡散誤差記憶部669に格納される。
以上述べたステップS36〜S44の処理は、誤差拡散法によるハーフトーン処理であり、色成分毎に誤差拡散ユニット64、65、66がパイプライン処理により実行する。誤差拡散法については、周知の技術であるため、詳細な説明は省略するが、上述したとおり、注目画素の階調値の量子化誤差を周囲の画素に所定の配分比率で加算しながら、注目画素の階調値と所定の閾値とを比較して階調値を量子化する手法である。
注目画素について誤差拡散ユニット64、65、66による誤差拡散処理が終了すると、第二セレクタ67は、ステップS35で遅延バッファ63に格納されたドットオンまたはドットオフと、ステップS44で第三セレクタ668から出力されるドットオンまたはドットオフとを、1つの注目画素のハーフトーン処理の結果として出力する(S45)。すなわち、第二セレクタ67は、誤差拡散処理の対象になった色成分のハーフトーン処理の結果と、誤差拡散処理の対象外の色成分のハーフトーン処理の結果とを画素毎に合成して出力する。ここで、既に述べたとおり、誤差拡散ユニット64、65、66のクロック数(パイプラインステップ数)に応じたクロック数だけ遅延バッファ63はドットオンまたはドットオフを保持するように構成されているため、第二セレクタ67には1つの注目画素の各色成分のドットのオン又はオフが同時に入力され、第二セレクタ67は、1つの注目画素の各色成分のドットのオン又はオフを同時に出力する。その結果、画素毎にドットのオン又はオフを示すハーフトーンデータがハーフトーン処理部16から出力される。
ここでハーフトーン処理部16は、第二セレクタ67から出力される各色成分のドットのオン又はオフを示す信号をパラレル出力しても良いし、画素毎にまとめてシリアル出力しても良い。パラレル配線の場合には、全色成分のドットのオン又はオフが並列に画素毎に同時に出力される。シリアル配線の場合には、全色成分のドットのオン又はオフが直列にまとまって画素毎に出力される。
そしてハーフトーン処理部16は、全ての画素を順次注目画素として上記ステップS32〜S45の処理を繰り返す(ステップS46)。全ての画素について上記ステップS32〜S44の処理が終了すると、ステップS3のハーフトーン処理は終了する。
なお、第二セレクタ67には、ディザユニット61の出力も直接入力されるため、全ての色成分に対して誤差拡散処理を施さない場合には、上述したステップS34〜ステップS44の処理は実行されず、ディザユニット61の出力がそのままハーフトーン処理の結果として第二セレクタ67から出力される。このため、全ての色成分に対して誤差拡散処理を施さない場合には、高速なハーフトーン処理が可能になる。
次に上述したディザ法と誤差拡散法とを組み合わせたハーフトーン処理の原理について、以下に説明する。上述したように、ステップS37〜S39の処理においては、注目画素の階調値Dnがディザ処理の閾値THn_dの値以上であれば、誤差拡散法に用いる閾値THeは、低位閾値THe_Lに設定され、階調値Dnがディザ処理の閾値THn_dの値未満であれば、閾値THeは、高位閾値THe_Hに設定される。閾値差分ΔTHe(=THe_H−THe_L)は0以上の値である。
ここで、閾値差分ΔTHeが値0である場合(THe_H=THe_L)を考える。この場合(本実施例では階調値Dn=0の場合)、ディザ処理の結果は、閾値THeに影響を与えないのであるから、ステップS33の処理は、誤差拡散法(ステップS36〜S44)による最終的なドットのオン又はオフの決定に対して意味を持たないことになる。このことは、ステップS3のハーフトーン処理において、最終的なドットのオン又はオフが、誤差拡散法のみによって決定されていることを意味する。
次に、閾値差分ΔTHeが値0より大きい場合(THe_H>THe_L)を考える。この場合(本実施例では階調値Dn≠0の場合)、CPU13は、ディザ処理によりドットオンと判断すると(階調値Dnが閾値THn_dの値以上である場合)、閾値THeを相対的に小さい低位閾値THe_Lに設定する。一方、ディザ処理によりドットオフと判断すると(階調値Dnの階調値が閾値THn_dの値未満である場合)、閾値THeを相対的に大きい高位閾値THe_Hに設定する。つまり、CPU13は、ディザ処理によりドットオンと判断すると、誤差拡散法によりドットがオンになりやすいように制御し、ディザ処理によりドットオフと判断すると、誤差拡散法によりドットがオフになりやすいように制御する。このことは、閾値差分ΔTHeが値0である場合と比べて、階調値Dnが大きいほど誤差拡散法による最終的なドットのオン/オフの判断結果がディザ処理によるドットのオン/オフの判断結果に近づくことを意味している。つまり、最終的なドットのオン/オフを、誤差拡散法の要素とディザ法の要素とを組み合わせて判断していることになる。
そして、この閾値差分ΔTHeが大きくなるほど、ディザ法が支配的になっていき、閾値差分ΔTHeが無限大になれば、完全にディザ法のみでドットのオン/オフのみを判断していることとなる。閾値差分ΔTHeが無限大の場合、ディザ処理によりドットがオンと判断されれば、その後の誤差拡散法により必ずドットオンと判断され、ディザ処理によりドットをオフと判断されれば、その後の誤差拡散法により必ずドットオフと判断されるからである。
要するに、ディザ処理の結果に応じて誤差拡散処理の閾値THeを変化させることにより、具体的には、閾値差分ΔTHeの大きさを変化させることにより、ハーフトーン処理におけるディザ法の要素と誤差拡散法の要素とのそれぞれの寄与度を制御することができるのである。本実施例においては、こうした原理を利用して、階調値Dnの階調値に応じて、ハーフトーン処理におけるディザ法の要素と誤差拡散法の要素とを動的に制御している。
そして、誤差拡散法においては閾値THeが大きいほどドットがオフになりやすいため、ディザ処理の結果に応じて閾値THeを変化させることにより、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさの制御の程度を制御していると捉えることもできる。
ここで、誤差拡散ユニット64、65、66における誤差拡散処理の順序について図6を参照しながら詳細に説明する。注目画素に生ずる拡散誤差は、閾値比較部662において、先行画素に生じた拡散誤差Ednが加算された注目画素の階調値Dn+と閾値THeとが比較された結果として最終的にドットオンまたはドットオフが決定されなければ本来算定することができない。すなわち、先行画素に生じた拡散誤差Ednが定まるまでは、注目画素に生ずる拡散誤差を算定することができない。
注目画素に生ずる拡散誤差は、誤差加算部661において後続画素の階調値に加算されるところ、注目画素についてドットのオン/オフが決定されて注目画素に生ずる拡散誤差が算定されていなければ、後続画素の処理が滞ることになる。すなわち、閾値比較部662がドットのオン/オフを決定するまで待ってから注目画素に生ずる拡散誤差を導出するとすれば、ドットのオン/オフの決定を待つためのパイプラインバッファのクロック数が増加することで、誤差拡散処理の全体に必要なクロック数が増加する。そして誤差拡散処理の必要クロック数が増加すれば、誤差拡散処理の対象外の色成分について遅延バッファ63がディザ比較値を保持するクロック数も増加させなければならず、ハーフトーン処理の全体として必要なクロック数が増加する。したがって、注目画素に生ずる拡散誤差を早い段階で算定しておくことにより、後続画素に対する誤差拡散処理を早く進行させることができる。
そこで、オン誤差計算部663は、閾値比較部662が注目画素のドットオンまたはドットオフを決定する前に、閾値比較部662がドットオンを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差を予め導出し、オン誤差記憶部664に記憶させておく。またオフ誤差計算部666は、閾値比較部662が注目画素のドットオンまたはドットオフを決定する前に、閾値比較部662がドットオフを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差を予め導出しておき、オフ誤差記憶部667に記憶させておく。このように閾値比較部662が注目画素のドットオンまたはドットオフを決定するための処理を実行している期間中に、拡散誤差を予め2通り見積もってそれぞれ保持しておくことで、後続画素に対する誤差拡散処理の開始を早めることができる。すなわち、誤差拡散ユニット64、65、66のパイプラインステップ数を少なくすることができる。
このようにプリンター1は、注目画素のドットオンまたはドットオフを決定するための処理を実行している期間中に、閾値比較部662がドットオンを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差と、閾値比較部662がドットオフを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差とを導出しておくことにより、誤差拡散処理のパイプラインステップ数を少なくする。その結果、誤差拡散処理を施さない色成分についてディザ処理の結果を保持するパイプラインバッファのクロック数も減らすことができる。その結果、色成分毎にディザ処理のみまたはディザ処理と誤差拡散処理を組み合わせて行うハーフトーン処理に必要なパイプラインステップ数が少なくなり、ハーフトーン処理を高速化することができる。
そしてプリンター1は、インクの色数分だけの誤差拡散ユニットを備える代わりに、誤差拡散ユニットで処理できない色成分数の色成分のディザ比較値を保持できる遅延バッファを備えているため、ハーフトーン処理のための回路規模を抑制することができる。またプリンター1は、第一セレクタ62の出力先を色成分毎に選択できるため、ディザ処理のみのハーフトーン処理を行うか、ディザ処理と誤差拡散処理を組み合わせたハーフトーン処理を行うかを、要求される印刷性能や仕様に応じて、色成分毎に選択することができる。さらに、誤差拡散ユニット64、65、66により誤差拡散処理を行うために必要なクロック数だけディザ処理の結果であるディザ比較値を遅延バッファ63で保持することができるため、1つの画素のハーフトーン処理結果を同時に第二セレクタ67に入力して画素毎にハーフトーン処理結果を合成して出力することができる。
また、プリンター1は、ハーフトーン処理において閾値差分ΔTHeを適宜設定することで、ハーフトーン処理におけるディザ法と誤差拡散法との寄与度を、所望の程度に設定することができる。また、仮ディザ処理の結果に基づいて閾値THeを変化させることで、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさを制御するので、構成が簡単であり、処理の高速化に資する。
また、プリンター1は、階調値Dnの階調値の大きさに基づいて、閾値THeの大きさを変化させて、具体的には、閾値差分ΔTHeを変化させて、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさを制御するので、画像データの階調値に応じて、ディザ法的要素と誤差拡散法的要素との寄与度を変化させることができる。しかも、かかる寄与度は、画像データの任意の領域ごとに変化させることができる。その結果、画像データや印刷装置の特性に応じた良好な寄与度のドットデータを生成することができ、印刷画質を向上させることができる。
本実施例においては、誤差拡散処理によるドットのオン/オフの決定は閾値差分ΔTHeの大きさによって制御されるところ、高階調側ほど閾値差分ΔTHeが大きくなるように設定されている。そして誤差拡散処理では、ディザ処理によりドットオンと判断すると、階調値Dnが大きいほど誤差拡散処理によりドットがオンになりやすくなる低位閾値ΔTHe_Lが設定され、ディザ処理によりドットオフと判断すると、階調値Dnが大きいほど、誤差拡散法によりドットがオフになりやすい高位閾値ΔTHe_Hが設定される。つまり、プリンター1は、高階調の画像データに対しては、低階調の画像データに対してよりも、誤差拡散処理の結果がディザ処理の結果に近づく誤差拡散閾値THeを定めるため、低階調側では、誤差拡散法的要素によるメリットを得つつ、高階調側では、ディザ法的要素のメリットを得ることができる。
低階調側での誤差拡散法のメリットとしては、例えば、印刷画質の良好な粒状性が得られる点が挙げられる。誤差拡散法として、拡散範囲切替誤差拡散法などを用いれば、さらに、画質の向上が期待できる。拡散範囲切替誤差拡散法は、公知の技術であるため、詳しい説明は省略するが、入力階調値と二値化結果の組み合わせに応じて誤差拡散範囲を切り替える手法であり、低階調値でドットオンになった時のみ広い範囲に誤差拡散することで、低階調領域の粒状性を改善し、ドットの非所望な連続、いわゆるワームの発生を抑制することができる。
高階調側でのディザ法のメリットとしては、例えば、ドット着弾位置のずれによる画質劣化を抑制できる点が挙げられる。このメリットは、ディザマスク121の上述した所定のドット形成特性に起因するものである。なお、高階調領域では、ディザ法によってドットデータを生成しても、インクのにじみによって印刷画質の粒状性が目立ちにくく、大きな問題とはならない。
しかも、誤差拡散閾値テーブル122は、階調値Dnの大きさに基づいて、閾値差分ΔTHeが段階的に変化するように設定されている。つまり、プリンター1は、階調値の大きさに基づいて、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさの制御の程度を段階的に変化させている。したがって、ディザ法的要素と誤差拡散法的要素との寄与度をデータ階調値に応じて滑らかに変化させることができる。その結果、印刷結果において、ディザ法的要素と誤差拡散法的要素との寄与度の変化が視認されにくいので、同一の印刷画像におけるディザ法的要素と誤差拡散法的要素の寄与度の変化に伴う印刷画質の低下を抑制することができる。
特に、本実施例では、ディザマスク121に、印刷画質の粒状性に優れたブルーノイズ特性を有するものを採用していることから、同じく印刷画質の粒状性に優れた誤差拡散法的要素との寄与度の変化をよりスムーズに見せることができる。なお、ディザマスク121がブルーノイズ特性を有していない場合であっても、階調値の大きさに基づいて、誤差拡散法によるドットの形成のされやすさの制御の程度を段階的に変化させれば、ディザ法的要素と誤差拡散法的要素との寄与度をデータ階調値に応じて滑らかに変化させることは可能である。
4.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、閾値比較部662に階調値Dn+が入力されてから閾値比較部662がドットのオン/オフを決定するまでの期間中に、閾値比較部662がドットオンを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差と、閾値比較部662がドットオフを決定した場合に注目画素に生ずる拡散誤差とを導出できればよいため、オン誤差記憶部664、オフ誤差記憶部667は必ずしも必要ではないし、オン誤差記憶部664、オフ誤差記憶部667に代えて、若しくはオン誤差記憶部664、オフ誤差記憶部667に加えて、階調値Dnまたは誤差加算部661から出力される階調値Dn+を保持するバッファ(パイプラインレジスタ)を設けても良い。
また、上述の実施例では、ドットのオンまたはオフのみを決定するハーフトーン処理について説明したが、サイズが異なる複数種類のドットのそれぞれについてドットのオンまたはオフを決定する多値化処理をディザユニット61、誤差拡散ユニット64、65、66で行ってもよい。
また上述の実施例では、画素毎に1つのドットのオンまたはオフを決定するハーフトーン処理について説明したが、画素毎に複数のドットのオン又はオフを決定してもよい。すなわち、画像データの1つの画素がプリンターの複数のドットに対応する構成にも、本発明を適用可能である。
また上述の実施例では、第一処理部に適用するハーフトーン処理方法としてディザ法を例示したが、ディザ法でも誤差拡散法でもない別のハーフトーン処理方法を第一処理部に適用しても良い。また、上述の実施例では、第一処理部と第二処理部がディザユニット61を共有する例について説明したが、ディザユニット61を第一処理部とし、誤差拡散ユニット64、65、66を第二処理部として、色成分毎にディザ法または誤差拡散法を択一的に適用する構成としても良い。
1…プリンター、10…制御ユニット、11…入出力部、12…外部記憶、14…主記憶、15…色変換部、16…ハーフトーン処理部、17…ドット処理部、18…吐出制御部、20…操作パネル、31…キャリッジモーター、32…送紙モーター、40…キャリッジ、41−46…インクカートリッジ、42…ハーフトーン処理部、43…ドット処理部、47…印刷ヘッド、52…主記憶、61…ディザユニット、62…第一セレクタ、63…遅延バッファ、64、65、66…誤差拡散ユニット、64…誤差拡散ユニット、64…第一誤差拡散ユニット、64、65…誤差拡散ユニット、64、65、66…誤差拡散ユニット、65…第二誤差拡散ユニット、66…第三誤差拡散ユニット、67…第二セレクタ、90…印刷ヘッド、120…色変換テーブル、121…ディザマスク、122…誤差拡散閾値テーブル、661…誤差加算部、662…閾値比較部、663…オン誤差計算部、664…オン誤差記憶部、665…拡散範囲係数テーブル、665…拡散範囲係数テーブル、666…オフ誤差計算部、667…オフ誤差記憶部、668…第三セレクタ、669…拡散誤差記憶部、19…画像処理IC、P…印刷媒体

Claims (8)

  1. 画像データのうち、第一色成分の階調値に対して誤差拡散法を用いずにハーフトーン処理を行う第一処理部と、
    前記画像データのうち、前記第一色成分と異なる第二色成分の階調値に対して少なくとも誤差拡散法を用いてハーフトーン処理を行う第二処理部と、
    前記第一処理部によるハーフトーン処理の結果と前記第二処理部によるハーフトーン処理の結果とを画素毎に合成してハーフトーンデータを出力する合成部と、
    を備えた画像処理装置であって、
    前記合成部は、前記第一処理部の出力信号を所定のクロック数だけ遅延させる遅延回路と、前記遅延回路から入力される出力信号と前記第二処理部から入力される出力信号とをパラレル出力又はシリアル出力する出力ユニットとを備える、
    画像処理装置。
  2. 前記画像データのうち、どの色成分を前記第一処理部で処理を行い、どの色成分を前記第二処理部で処理を行うかを選択する第一セレクタを備える、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像データの全ての色成分の階調値について誤差拡散法を用いずにハーフトーン処理を行う第三処理部を備え、
    前記出力ユニットは、前記第二処理部から入力される出力信号および前記遅延回路から入力される出力信号、若しくは、前記第三処理部から入力される出力信号のいずれか一方を選択して出力する第二セレクタを含む、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第一処理部および前記第二処理部は、ディザ法に基づくハーフトーン処理を行うディザユニットを有し、
    前記第二処理部は、前記ディザユニットによる処理の結果に基づいて、誤差拡散法におけるドット形成の有無の判断に用いる閾値である誤差拡散閾値を変化させることで、前記誤差拡散法によるドットの形成のされやすさを制御する誤差拡散ユニットをさらに有する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記ディザユニットの出力信号のうち、どの色成分を前記遅延回路に入力し、どの色成分を前記誤差拡散ユニットに入力するかを選択する第一セレクタを備える、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記合成部は、前記遅延回路から入力される出力信号および前記誤差拡散ユニットから入力される出力信号、若しくは、前記ディザユニットから入力される出力信号のいずれか一方を選択して出力する第二セレクタを備える、
    請求項4又は5に記載の画像処理装置。
  7. 前記第一セレクタは、画像毎又はバンド毎に色成分の選択を行う、
    請求項2又は5に記載の画像処理装置。
  8. 前記第一セレクタと前記遅延回路とは、画像処理装置が対応可能な色成分の数よりも少ない数の信号線で接続されている、
    請求項2、5又は7に記載の画像処理装置。
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