JP2016162433A - バス運行情報配信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 コスト面等で問題を抱える外的要因自体の解消を図ることなく、様々な外的な要因により変化するバスの運行情報をバスの利用者にリアルタイムに提供する。【解決手段】 バス8の利用者は、所有する端末装置2によってバス8の運行情報をサーバ5に投稿する。運行情報を投稿する際、端末装置2には画面2aが表示される。画面2aの上方には、バス8の遅延を把握したバス停を選択する選択欄が表示され、バス8の利用者は、プルダウン表示されたいずれかのバス停を選択する。また、画面2aの中央には、バス8の遅延具合を表す複数段階の選択肢が、画面2aの下方には、バス8の遅延原因を表す複数項目の選択肢が表示される。バス8の利用者は、いずれかの選択肢を選択し、「投稿する」ボタンをクリックすることで、選択した情報をサーバ5へ送信する。サーバ5は、収集した投稿運行情報をバス8の他の利用者が有する端末装置2に配信する。【選択図】 図2
Description
本発明は、バスの運行情報を配信するバス運行情報配信システムに関するものである。
従来、この種の運行情報配信システムとしては、例えば、特許文献1に開示された乗車車両情報提供システムがある。この乗車車両情報提供システムでは、車両に乗車したユーザの携帯端末から車両の現在位置、現在進行方位、現在時刻をサーバが受信する。そして、受信した現在位置に近い最寄り地点の一覧を取得し、受信情報に基づいて最寄り地点の一覧から乗車車両の路線・方面を絞り込み、乗車路線・乗車方面を特定して直前通過駅を特定する。次に、サーバは、運行情報データベースを参照して乗車路線、乗車方面、直前通過駅に対応する運行情報を取得し、時刻表データベースを参照して乗車車両の車両情報を取得して、ユーザの携帯端末に乗車車両の車両情報、運行情報、付随情報を送信する。
しかしながら、車両の運行は様々な外的な要因により遅延するため、データベースに予め記憶された情報を基に車両の運行情報を把握する上記従来の乗車車両情報提供システムでは、外的な要因により発生する事象に対応した運行情報を配信することはできない。
特に、今日のバス交通では、様々な外的な要因によりバスの運行は遅延をしてしまい、時刻表通りの定時性を確保することが困難になっている。一方、外的要因自体の解消は、コスト面等の問題で大きな負担を抱えるために困難であり、劇的な改善は見込めない。また、今日の商業施設は大規模化し、大規模な商業施設が集客力を高める一方、バス路線沿道の小規模な商業施設は集客力を失いがちで、町の活気の低下や町の荒廃につながる要因となっている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、バスの利用者が端末装置によって投稿するバスの投稿運行情報をネットワークを介してサーバに収集し、収集した投稿運行情報をネットワークを介してバスの他の利用者に配信するバス運行情報配信システムを構成した。
本構成によれば、外的な要因により遅延するバスの運行情報がバスの利用者によってバス運行情報配信システムに投稿され、投稿されたバスの運行情報がバス運行情報配信システムによってバスの他の利用者に配信される。このため、バスの運行が様々な外的な要因により遅延しても、その情報がバスの利用者同士でリアルタイムに共有されるようになる。したがって、コスト面等で問題を抱える外的要因自体の解消を図ることなく、様々な外的な要因により時々刻々と変化するバスの運行情報がバス運行情報配信システムによってバスの利用者にリアルタイムに提供されるようになり、バスの利用者の便宜を向上することができる。
また、本発明は、バスの利用者またはバス路線沿道の施設運営者が端末装置によって投稿するバス路線沿道の投稿施設情報をネットワークを介してサーバに収集し、収集した投稿施設情報をネットワークを介してバスの利用者に配信することを特徴とする。
本構成によれば、バス路線沿道の施設情報がバスの利用者またはバス路線沿道の施設運営者によってバス運行情報配信システムに投稿され、投稿されたバス路線沿道の施設情報がバス運行情報配信システムによってバスの利用者に配信される。このため、バス路線沿道の施設情報が広く知れ渡るようになり、バス路線沿道の小規模施設の集客力が向上することが期待される。したがって、バス路線沿道一帯の町作りに寄与することができるバス運行情報配信システムが提供される。
また、本発明は、投稿運行情報が、バスの遅延を把握したバス停の情報と、そのバス停におけるバスの予定到着時刻に対する遅延情報とであることを特徴とする。
本構成によれば、バスの遅延を把握したバス停の情報と、そのバス停におけるバスの予定到着時刻に対するバスの遅延情報とが、バスの運行情報としてバスの利用者によって投稿される。このため、バスの利用者は、どのバス停でどの位の遅延が生じているのか、具体的に把握することができる。
また、本発明は、遅延情報が、複数段階に分けられたバスの遅延具合と、複数項目に分けられたバスの遅延原因とから構成されて端末装置に表示され、バスの遅延具合の段階とバスの遅延原因の項目とがバスの利用者によって選択されて投稿されることを特徴とする。
本構成によれば、バスの利用者によるバスの運行情報の投稿は、端末装置に表示されるバスの遅延具合の段階と遅延原因の項目とを単に選択することで行われる。このため、バスの利用者による運行情報の投稿が容易に行えるようになり、多数のバス利用者による投稿運行情報を収集できることが期待でき、収集するバス運行情報の多様性および信頼性を高めることができる。
また、本発明は、バスに搭載された位置検出装置またはバスに乗車しているバスの利用者が有する端末装置が備える位置検出装置によってバスの位置情報を取得し、取得した位置情報に基づくバスの運行情報をバスの運行管理者がバスの利用者に配信することを特徴とする。
本構成によれば、バスの利用者によって投稿されるバスの投稿運行情報に加え、位置検出装置によって取得されたバスの位置情報に基づくバスの運行情報が、バスの運行管理者によってバスの利用者に配信される。このため、多面的に捉えられるバスの運行情報がバスの利用者に提供され、バスの利用者の便宜をさらに向上することができる。
また、本発明は、取得した位置情報および位置情報の取得時刻からバスの走行位置および走行時刻を把握し、把握したバスの走行位置および走行時刻に基づいてバスが次に停車するバス停に到着する到着時刻を予測し、予測したこの到着時刻から次のバス停における予定到着時刻に対する遅れ時間を算出し、算出したこの遅れ時間をバスの運行情報としてWEBサイトに掲載して配信することを特徴とする。
本構成によれば、バスの利用者は、保有する端末装置からバスの運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスすることで、バスの運行管理者が配信するバスの遅れ時間を適宜入手することができる。このため、入手したバスの遅れ時間を、バスの利用者によって投稿されるバスの投稿運行情報と共に参照することで、バスの運行状況をさらに詳細に把握することが可能になる。
また、本発明は、取得した位置情報および取得時刻を蓄積し、蓄積した位置情報および取得時刻に基づいて各バス停間をバスが移動するのに要する平均所要時間を算出してデータベース化しておき、WEBサイトにアクセスしたバスの利用者が入力した乗車バス停および降車バス停の情報を参照し、入力された乗車バス停および降車バス停間をバスが移動するのに要する所要時間または入力された降車バス停にバスが到着すると予測される予測到着時刻をデータベースに基づいて算出して、WEBサイトにアクセスしたバスの利用者が有する端末装置にその算出結果を表示させることを特徴とする。
本構成によれば、バスの利用者は、バスの運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスして、乗車バス停および降車バス停の情報を入力することで、乗車バス停および降車バス停間をバスが移動するのに要する所要時間、または降車バス停にバスが到着すると予測される予測到着時刻を把握することができる。このため、バスの利用者は、今後のバスの運行を具体的な時間をもって予測することができるようになる。したがって、バスの現在の運行状況に加えてこれからの運行予測情報をもバスの利用者に提供することができるようになり、バスの利用者の便宜はさらに向上する。
また、本発明は、取得した位置情報からバスの走行位置を把握し、把握したバスの走行位置が表示された地図をバスの運行情報としてWEBサイトに掲載して配信することを特徴とする。
本構成によれば、バスの利用者は、保有する端末装置からバスの運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスすることで、バスの走行位置が表示された地図を視認することができる。このため、所望する時にバスの走行位置を地図上で確認することができ、確認したバスの走行位置を、バスの利用者によって投稿されるバスの投稿運行情報と共に参照することで、バスの運行状況をさらに詳細に把握することが可能になる。
本発明によれば、上記のように、様々な外的な要因により時々刻々と変化するバスの運行情報がバス運行情報配信システムによってバスの利用者にリアルタイムに提供されるようになり、バスの利用者の便宜を向上することができる。また、バス路線沿道一帯の町作りに寄与することができる。
次に、本発明によるバス運行情報配信システムを実施するための形態について説明する。
図1は、一実施の形態によるバス運行情報配信システム1の概略構成を示す図である。
本実施の形態によるバス運行情報配信システム1は、バス8の利用者が有する携帯電話や、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パソコンなどの端末装置2と、この端末装置2どうし間でパケット通信を行わせるパケット通信基地局3と、このパケット通信基地局3と専用線4を介して接続されるバス会社に設置されたサーバ5とを備える。パケット通信基地局3およびサーバ5はインターネット6にも接続されており、端末装置2およびサーバ5間は、パケット通信基地局3および専用線4、またはパケット通信基地局3およびインターネット6のネットワークを介して通じる。サーバ5にはデータベース7が接続されており、サーバ5はデータベース7に記憶された情報を用いてバス8の運行管理を行う。バス会社が所有するバス8には、複数のGPS衛星9からの電波によって自車位置を検出する位置検出装置10が搭載されている。位置検出装置10によって検出されるバス8の走行位置情報およびその検出時刻情報は、パケット通信基地局3を介してバス会社に設置されたサーバ5へ送信される。
本実施の形態では、このような構成をしたバス運行情報配信システム1において、バス8の投稿運行情報またはバス路線沿道の投稿施設情報が、次に述べる各態様で、バス8の利用者に配信される。
第1の配信態様は、バス8のある利用者が投稿するバス8の投稿運行情報をバス8の他の利用者に配信する態様である。つまり、バス8のある利用者は、自分が所有する端末装置2によってバス8の運行情報をサーバ5に投稿する。本実施の形態では、バス8の投稿運行情報は、バス8の遅延を把握したバス停の情報と、そのバス停におけるバス8の予定到着時刻に対する遅延情報とで構成される。運行情報を投稿する際、端末装置2の画面には、例えば、図2(a)に示す画面2aが表示される。
画面2aの上方には、バス8の遅延を把握したバス停を選択する選択欄が表示され、この選択欄には、バス8の運行路線に対応したバス停の一覧がプルダウン表示される。バス8の利用者は、表示されたいずれかのバス停の名称を選択することで、バス8の遅延を把握したバス停を選択する。また、画面2aの中央には、バス8の遅延具合を表す複数段階の選択肢が、画面2aの下方には、バス8の遅延原因を表す複数項目の選択肢が、それぞれイラスト付きで表示される。本実施の形態では、バス8の遅延情報は、複数段階に分けられたバス8の遅延具合と、複数項目に分けられたバス8の遅延原因とから構成される。バス8の利用者は、バス8の遅延具合の段階を表すいずれかの選択肢、およびバス8の遅延原因の項目を表すいずれかの選択肢を選択する。そして、最後に、画面2aの下端にある「投稿する」ボタンをクリックすることで、選択した情報をサーバ5へ送信する。
バス8の遅延を把握したバス停、バス8の遅延具合、およびバス8の遅延原因の情報は、バス8の利用者によって上記のように投稿されることで、ネットワークを介してサーバ5に収集される。サーバ5は、収集した投稿運行情報をネットワークを介してバス8の他の利用者が有する端末装置2に配信する。
このような第1の配信態様によれば、上記のように、外的な要因により遅延するバス8の運行情報がバス8の利用者によってバス運行情報配信システム1に投稿され、投稿されたバス8の運行情報がバス運行情報配信システム1によってバス8の他の利用者に配信される。このため、バス8の運行が様々な外的な要因により遅延しても、その情報がバス8の利用者同士でリアルタイムに共有されるようになる。したがって、コスト面等で問題を抱える外的要因自体の解消を図ることなく、様々な外的な要因により時々刻々と変化するバス8の運行情報がバス運行情報配信システム1によってバス8の利用者にリアルタイムに提供されるようになり、バス8の利用者の便宜を向上することができる。
また、第1の配信態様によれば、バス8の遅延を把握したバス停の情報と、そのバス停におけるバス8の予定到着時刻に対するバス8の遅延情報とが、バス8の投稿運行情報としてバス8の利用者によって投稿される。このため、バス8の利用者は、どのバス停でどの位の遅延が生じているのか、具体的に把握することができる。
また、第1の配信態様によれば、バス8の利用者によるバス8の運行情報の投稿は、端末装置2の画面2aに表示されるバス8の遅延具合の段階と遅延原因の項目とを単に選択することで行われる。このため、バス8の利用者による運行情報の投稿が容易に行えるようになり、多数のバス利用者による投稿運行情報を収集できることが期待でき、収集するバス運行情報の多様性および信頼性を高めることができる。
第2の配信態様は、バス8の利用者またはバス路線沿道の施設運営者が端末装置2によって投稿するバス路線沿道の投稿施設情報をネットワークを介してサーバ5に収集し、収集した投稿施設情報をネットワークを介してバス8の利用者に配信する態様である。つまり、バス8の利用者またはバス路線沿道の施設運営者は、自分が所有する端末装置2によってバス路線沿道の施設情報をサーバ5に投稿する。施設情報を投稿する際、端末装置2の画面には、例えば、図2(b)に示す画面2bが表示される。
画面2bの上方には、施設名を選択する選択欄が表示され、この選択欄には、データベース7に予め登録された施設名の一覧がプルダウン表示される。バス8の利用者またはバス路線沿道の施設運営者は、表示されたいずれかの施設名を選択することで、投稿の対象とする施設を選択する。また、画面2aの中央には自由記入欄が表示される。バス8の利用者またはバス路線沿道の施設運営者は、この自由記入欄に、選択した施設についての情報、例えば、その施設で提供するサービスの評価や、施設の広告等を記入する。そして、最後に、画面2bの下端にある「投稿する」ボタンをクリックすることで、選択および記入した施設情報をサーバ5へ送信する。サーバ5は、受信した施設情報をネットワークを介してバス8の他の利用者が有する端末装置2に配信する。
このような第2の配信態様によれば、バス路線沿道の施設情報がバス8の利用者またはバス路線沿道の施設運営者によってバス運行情報配信システム1に投稿され、投稿されたバス路線沿道の施設情報がバス運行情報配信システム1によってバス8の利用者に配信される。このため、バス路線沿道の施設情報が広く知れ渡るようになり、バス路線沿道の小規模施設の集客力が向上することが期待される。したがって、バス路線沿道一帯の町作りに寄与することができるバス運行情報配信システム1が提供される。
第3の配信態様は、上記の第1の配信態様によって投稿運行情報を配信すると共に、または第1の配信態様および第2の配信態様によって投稿運行情報および投稿施設情報を配信すると共に、バス会社が運営するバスロケーションシステムによって収集されるバス8の運行情報を配信する態様である。バスロケーションシステムは、GPS衛星9およびバス8に搭載された位置検出装置10を用いて、バス8の位置情報をパケット通信基地局3および専用線4を介してサーバ5に取得し、取得した位置情報に基づくバス8の運行情報をバス8の運行管理者がサーバ5によりインターネット6およびパケット通信基地局3を介してバス8の利用者が有する端末装置2に配信するシステムである。
なお、バス8の位置情報は、バス8に乗車しているバス8の利用者が有する端末装置2が備える位置検出装置によっても、バス8に搭載された位置検出装置10と同様にして取得することができる。
本実施の形態では、サーバ5は、位置検出装置10を用いて取得したバス8の位置情報および位置情報の取得時刻からバス8の走行位置および走行時刻を把握し、把握したバス8の走行位置および走行時刻に基づいてバス8が次に停車するバス停に到着する到着時刻を予測する。そして、予測したこの到着時刻から次のバス停における予定到着時刻に対する遅れ時間を算出し、算出したこの遅れ時間をバス8の運行情報としてバス8の運行管理者が開設するWEBサイトに掲載して配信する。
また、サーバ5は、取得したバス8の位置情報および取得時刻を蓄積し、蓄積した位置情報および取得時刻に基づいて各バス停間をバス8が移動するのに要する平均所要時間を算出してデータベース7に記憶しておく。そして、バス8の運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスしたバス8の利用者が入力した乗車バス停および降車バス停の情報を参照し、入力された乗車バス停および降車バス停間をバス8が移動するのに要する所要時間、または入力された降車バス停にバス8が到着すると予測される予測到着時刻を、データベース7に記憶されたデータに基づいて算出する。その後、WEBサイトにアクセスしたバス8の利用者が有する端末装置2にその算出結果を表示させる。
このような第3の配信態様によれば、バス8の利用者によって投稿されるバス8の投稿運行情報に加え、位置検出装置10によって取得されたバス8の位置情報に基づくバス8の運行情報が、バス8の運行管理者によってバス8の利用者に配信される。このため、多面的に捉えられるバス8の運行情報がバス8の利用者に提供され、バス8の利用者の便宜をさらに向上することができる。
また、第3の配信態様によれば、バス8の利用者は、保有する端末装置2からバス2の運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスすることで、バス8の運行管理者が配信するバス8の遅れ時間を適宜入手することができる。このため、所望する時に、バス8の運行管理者が配信するバス8の遅れ時間を入手することができ、入手したバス8の遅れ時間を、バス8の利用者によって投稿されるバス8の投稿運行情報と共に参照することで、バス8の運行状況をさらに詳細に把握することが可能になる。
また、第3の配信態様によれば、バス8の利用者は、バス8の運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスして、乗車バス停および降車バス停の情報を入力することで、乗車バス停および降車バス停間をバスが移動するのに要する所要時間、または降車バス停にバス8が到着すると予測される予測到着時刻を把握することができる。このため、バス8の利用者は、今後のバス8の運行を具体的な時間をもって予測することができるようになる。したがって、バス8の現在の運行状況に加えてこれからの運行予測情報をもバス8の利用者に提供することができるようになり、バス8の利用者の便宜はさらに向上する。
第4の配信態様は、上記の第1の配信態様によって投稿運行情報を配信すると共に、または第1の配信態様および第2の配信態様によって投稿運行情報および投稿施設情報を配信すると共に、バス8の走行位置が表示された地図をバス8の運行情報としてWEBサイトに掲載して配信する態様である。バス8の走行位置は、前述のように、バス8に搭載された位置検出装置10またはバス8に乗車しているバス8の利用者が有する端末装置2が備える位置検出装置によって取得されるバス8の位置情報から、把握することができる。
このような第4の配信態様によれば、バス8の利用者は、保有する端末装置2からバス8の運行管理者が開設するWEBサイトにアクセスすることで、バス8の走行位置が表示された地図を、図3に示す端末装置2の画面2cのように視認することができる。また、表示されたバス8のイラストをタップすることで、バス8の行き先や系統、始発バス停の出発時刻といったバス情報を表示させることができる。このため、所望する時にバス8の走行位置を地図上で確認することができ、確認したバス8の走行位置を、バス8の利用者によって投稿されるバス8の投稿運行情報と共に参照することで、バス8の運行状況をさらに詳細に把握することが可能になる。
本実施形態によるバス運行情報配信システム1の上記各配信態様によって配信されるバス8の運行情報の質の違いにより、バス8の利用者に与える影響について、検証実験を行った。この検証実験は、バス運行情報の取得方法を固定した4種類のグループに被検者を分けて、実験中、指定したバス8に繰り返し乗車してもらって行った。被検者の人数nは、各グループで5人(n=5)、全体で20人である。
Aグループ(バスロケグループ)は、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報(図2(a)参照)と第3の配信態様によって配信されるバス8の遅延情報とを参照して、バス8に乗車した。Bグループ(バス位置情報グループ)は、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報と第4の配信態様によって配信されるバス8の位置情報(図3参照)とを参照して、バス8に乗車した。Cグループ(投稿情報グループ)は、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報だけを参照して、バス8に乗車した。Dグループ(情報無しグループ)は、バス8の運行情報を何ら参照しないで、バス8に乗車した。
検証は、配信されるバス運行情報の質の違いによる投稿運行情報の利用の違いと、実験中の被検者の心境の違いなどに関して、実験中と実験終了後とに2種類のアンケートを配布し、回答してもらうことで行った。
図4(a)は、時刻表でのバス到着時刻より前にバス亭で待つ時の心境について、「イライラしたと思いますか?」と聞いた結果をまとめたグラフ、同図(b)は、時刻表でのバス到着時刻後もまだバス亭で待つ時の心境について、「イライラしたと思いますか?」と聞いた結果をまとめたグラフである。このアンケートは、「そう思う」、「ややそう思う」、「どちらとも言えない」、「あまりそう思わない」、および「そう思わない」のいずれかを選択してもらうことで、行った。
これらグラフから、被検者がバス亭で待機する時間で、バスの到着予定時刻より前の場合より、到着予定時刻を過ぎた場合の方が、イライラしたと全般的に感じていることが確認される。しかし、Aグループに注目すると、到着時刻の前では「どちらとも言えない」との回答が占める割合が高かったのが、到着時刻を過ぎたら「ややそう思う」との回答が占める割合が高くなっていることが確認できる。
一方で、Bグループに関しては、イライラしたと思う人の割合は増加しているにしても、イライラしないと感じる人の割合はあまり変化していないことが確認できる。したがって、Aグループの結果と比較して、数値的に遅延具合を把握するよりも地図上でバス8の位置情報を確認する方がストレスにはならないと考えられる。
図5は、A,B,Cの各グループについて行った各アンケートに対し、肯定的な回答、つまり、「そう思う」および「ややそう思う」の回答をした人の分布を示すグラフである。各アンケートの内容は、「情報の精度は高い?」、「情報量が多い?」、「情報の内容は信頼できる?」、「画面が見やすい?」、「操作しやすい?」、および「遅延状況が読み取りやすい?」である。
同グラフから、Aグループの用いた、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報と第3の配信態様によって配信されるバス遅延情報とによれば、操作性は低いが情報の精度が高いことが確認できる。同様に、Bグループの用いた、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報と第4の配信態様によって配信されるバス位置情報とによっても、操作性は低いが情報の精度が高いことが確認できる。一方で、Cグループの用いた、第1の配信態様によって配信される投稿運行情報だけによれば、情報の精度は低いが操作性が高いことが確認できる。したがって、バス運行情報の利用目的に応じて、使用する配信態様を適宜選択することで、目的に沿った最適なバス運行情報が得られるものと、考えられる。
1…バス運行情報配信システム
2…端末装置
2a、2b、2c…端末装置2の画面
3…パケット通信基地局
4…専用線
5…サーバ
6…インターネット
7…データベース
8…バス
9…GPS衛星
10…位置検出装置
2…端末装置
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7…データベース
8…バス
9…GPS衛星
10…位置検出装置
Claims (8)
- バスの利用者が端末装置によって投稿するバスの投稿運行情報をネットワークを介してサーバに収集し、収集した前記投稿運行情報をネットワークを介してバスの他の利用者に配信するバス運行情報配信システム。
- バスの利用者またはバス路線沿道の施設運営者が端末装置によって投稿するバス路線沿道の投稿施設情報をネットワークを介してサーバに収集し、収集した前記投稿施設情報をネットワークを介してバスの利用者に配信することを特徴とする請求項1に記載のバス運行情報配信システム。
- 前記投稿運行情報は、バスの遅延を把握したバス停の情報と、そのバス停におけるバスの予定到着時刻に対するバスの遅延情報とであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバス運行情報配信システム。
- 前記遅延情報は、複数段階に分けられたバスの遅延具合と、複数項目に分けられたバスの遅延原因とから構成されて前記端末装置に表示され、バスの遅延具合の前記段階とバスの遅延原因の前記項目とがバスの利用者によって選択されて投稿されることを特徴とする請求項3に記載のバス運行情報配信システム。
- バスに搭載された位置検出装置またはバスに乗車しているバスの利用者が有する端末装置が備える位置検出装置によってバスの位置情報を取得し、取得した位置情報に基づくバスの運行情報をバスの運行管理者がバスの利用者に配信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバス運行情報配信システム。
- 取得した前記位置情報および前記位置情報の取得時刻からバスの走行位置および走行時刻を把握し、把握したバスの走行位置および走行時刻に基づいてバスが次に停車するバス停に到着する到着時刻を予測し、予測したこの到着時刻から次のバス停における予定到着時刻に対する遅れ時間を算出し、算出したこの遅れ時間をバスの前記運行情報としてWEBサイトに掲載して配信することを特徴とする請求項5に記載のバス運行情報配信システム。
- 取得した前記位置情報および前記取得時刻を蓄積し、蓄積した前記位置情報および前記取得時刻に基づいて各バス停間をバスが移動するのに要する平均所要時間を算出してデータベース化しておき、前記WEBサイトにアクセスしたバスの利用者が入力した乗車バス停および降車バス停の情報を参照し、入力された乗車バス停および降車バス停間をバスが移動するのに要する所要時間または入力された降車バス停にバスが到着すると予測される予測到着時刻を前記データベースに基づいて算出して、前記WEBサイトにアクセスしたバスの利用者が有する端末装置にその算出結果を表示させることを特徴とする請求項6に記載のバス運行情報配信システム。
- 取得した前記位置情報からバスの走行位置を把握し、把握したバスの走行位置が表示された地図をバスの前記運行情報としてWEBサイトに掲載して配信することを特徴とする請求項5に記載のバス運行情報配信システム。
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