JP2016160810A - 排ガス浄化装置の管理システム - Google Patents

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義久 岸本
Yoshihisa Kishimoto
義久 岸本
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Abstract

【課題】車両の運用効率を低下させることなく、PM捕集フィルターを損傷させずに強制再生することができる排ガス浄化装置の管理システムを提供する。
【解決手段】車両に搭載されたディーゼルエンジン1の排気通路2に、インジェクタ3と、前段にDOC4が配置されたPM捕集フィルタ5を格納する格納容器6とを上流側から順に設置してなる排ガス浄化装置7に対して、車両の外部に設置されたサーバー11は、ECU10から送受信機12を通じて送信されたPM捕集フィルタ5におけるPMの堆積量が予め設定されたしきい値超となったときは、PMを緩慢に燃焼させるためのマップデータから決定されるインジェクタ3からの燃料の噴射量及び噴射タイミングを送受信機12を通じてECU10へ送信し、ディーゼルエンジン1がアイドリング状態であることを確認した後に、送信した燃料の噴射量及び噴射タイミングが実施されるようにECU10を通じてインジェクタ3を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は排ガス浄化装置の管理システムに関し、更に詳しくは、車両の運用効率を低下させることなく、PM捕集フィルターを損傷させずに強制再生することができる排ガス浄化装置の管理システムに関する。
ディーゼルエンジンを搭載した車両においては、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を除去するための排ガス浄化装置が必要となる。前者のPMについてはPM捕集フィルタが、後者のNOxについては還元剤触媒システムやNOx吸蔵還元触媒などが、それぞれ実用化されている。
上記のPM捕集フィルタは、排ガス中のPMを、セラミックス製のハニカム状多孔体のフィルタで捕集して浄化するものであるが、フィルタの目詰まりを防ぐために、捕集限界量に達する前にPMを燃焼させて除去する必要がある(例えば、特許文献1を参照)。
排ガスの温度が500℃以上などの高温であるときには、PMは連続的に自然燃焼する。しかし、排ガスの温度が低温のときには、排ガス中に未燃燃料を供給して、未燃燃料の炭化水素(HC)をフィルタの前段に配置された酸化触媒(DOC)で燃焼させ、その酸化反応熱を利用してDOCを600℃程度に加熱することで、排ガスを昇温して捕集されたPMを強制的に燃焼させる強制再生が必要となる。
一般に強制再生は、車両の走行中に行われる自動再生と、ドライバーにより車両のアイドリング中に行われる手動再生とに大きく分けられる。しかしながら、PM捕集フィルタ内に非常に多量のPMが堆積してしまうと、PMの燃焼時にPM捕集フィルタが高温になって損傷を受けるおそれがある。そのため、そのような場合には、専門技術者や専門機器により予め設定された再生条件下でPMを数時間かけて緩慢に燃焼させる、いわゆるゆっくり焼き(ゆっくり再生)が行う必要がある。
このようなゆっくり再生を行うためには、専門技術者や専門機器を備えた施設に車両を持ち込む必要があるが、車両の運用効率が低下してしまうという問題がある。
特開2005−16317号公報
本発明の目的は、車両の運用効率を低下させることなく、PM捕集フィルターを損傷させずに強制再生することができる排ガス浄化装置の管理システムを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の排ガス浄化装置の管理システムは、車両に搭載されたディーゼルエンジンの排ガスが流れる排気通路に、インジェクタと、前段に酸化触媒が配置されたPM捕集フィルタを格納する格納容器とを上流側から順に設置してなる排ガス浄化装置を管理する管理システムであって、前記ディーゼルエンジン及び前記排ガス浄化装置を制御する制御手段と、前記格納容器の差圧と前記インジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングとの関係を示す予め設定されたマップデータを格納する前記車両の外部に設置された管理手段と、前記制御手段と前記管理手段との間のデータ交換を仲介する送受信機とを備え、前記管理手段は、前記制御手段から前記送受信機を通じて送信された前記PM捕集フィルタにおけるPMの堆積量が予め設定されたしきい値超となったときは、前記送信された堆積量と前記マップデータとに基づいて決定される前記インジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングを該送受信機を通じて該制御手段へ送信し、前記ディーゼルエンジンがアイドリング状態であることを前記制御手段を通じて確認した後に、前記送信したインジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングが実施されるように前記制御手段を通じて前記インジェクタを制御することを特徴とするものである。
本発明の排ガス浄化装置の管理システムによれば、車両を施設に持ち込むことなく、遠隔で送信された条件に基づいてPM捕集フィルタに堆積したPMの緩慢な燃焼を実施するようにしたので、車両の運用効率を低下させることなく、PM捕集フィルターを損傷させずに強制再生することができる。
本発明の実施形態からなる排ガス浄化装置の管理システムの構成図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態からなる排ガス浄化装置の管理システムを示す。
この排ガス浄化装置の管理システム(以下、「管理システム」という。)は、車両に搭載されたディーゼルエンジン1の排ガスGが流れる排気通路2に、燃料を噴射するインジェクタ3と、前段にDOC4が配置された触媒付きPM捕集フィルタ5(以下、「PM捕集フィルタ」という。)を格納する格納容器6とを、上流側から順に設置してなる排ガス浄化装置7を管理するものである。
DOC4は、排ガスGの混合機能を有する構造に成形した金属製の担持体に、ロジウム、酸化セリウム、白金、酸化アルミニウム等を担持して形成される。また、PM捕集フィルタ5は、多孔質セラミック製のハニカムのチャンネル(セル)の入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム型のウオールフローフィルタに、酸化触媒を塗布して形成される。
更に、車両の運転席には、ドライバーに警告を示す警告灯8と、手動再生スイッチ9とが設置されている。
これらのインジェクタ3、警告灯8及び手動再生スイッチ9は、ディーゼルエンジン1及び排ガス浄化装置7を制御する制御手段であるECU10に信号線(一点鎖線で示す)を通じて接続している。
ECU10は、格納容器6の両端の差圧データ等から、PM捕集フィルタ5にPMが捕集限界量の近くまで堆積したと判断すると、インジェクタ3から燃料を排気通路2を流れる排ガスG中に噴射させて、その燃料に含まれる未燃HCやCOなどがDOC4において酸化する際の反応熱により排ガスGを昇温させることでPMを強制的に燃焼させる自動再生を実施する。また、車両の走行状態等により自動再生だけではPMを完全に燃焼させることができないと判断したときには、警告灯8を点灯させてドライバーへの警告を行う。そして、警告を受けたドライバーにより手動再生スイッチ9がオンにされると、ディーゼルエンジン1がアイドリング状態にあることを確認した後に、インジェクタ3から燃料を排ガスG中に噴射させて、PMを強制的に燃焼させる手動再生を実施する。
そして、管理システムは、車両の外部に設置された管理手段であるサーバー11と、そのサーバー11とECU10との間のデータ交換を仲介する送受信機12とから構成されている。なお、送受信機12における通信方式13は、特に限定するものではないが、インターネットや衛星通信などが例示される。
このようなサーバー11及び送受信機12は、例えば、車両の運行情報システムである「みまもりくん」(いすゞ自動車株式会社の登録商標)に係る既存の機器を利用することができる。
サーバー11には、PM捕集フィルタ5のゆっくり再生に関する専門技術者の知識や経験を反映したマップデータが格納されている。なお、ここで「ゆっくり再生」とは、格納容器6等に熱損傷を与えない温度でのPMの緩慢な燃焼を指すものとする。このマップデータとしては、格納容器6の差圧とインジェクタ3からの燃料の噴射量及び噴射タイミングとの関係を示すものが例示される。
このような管理システムにおいて、サーバー11は、ECU10から送受信機12を通じて送信されたPM捕集フィルタ5におけるPMの堆積量が、予め設定されたしきい値超になったと判断したときは、その送信された堆積量とマップデータとから決定されるインジェクタ3からの燃料の噴射量及び噴射タイミングを、送受信機12を通じてECU10へ送信する。
そしてサーバー11は、ECU10によりディーゼルエンジン1がアイドリング状態にあることを確認した後に、あるいはドライバーにディーゼルエンジン1をアイドリング状態にすることを指示した後に、送信した燃料の噴射量や噴射タイミングが実施されるようにECU10を通じてインジェクタ3を制御する。
このように、車両を施設に持ち込むことなく、PM捕集フィルタ5のゆっくり再生を実施するようにしたので、車両の運用効率を低下させることなく、PM捕集フィルタ5を損傷させずに強制再生することができるのである。
また、遠隔操作によってゆっくり再生を行うので、PM捕集フィルタ5の強制再生に係る最新の知見を適用して、排ガス浄化装置7の性能を維持することが可能となる。
1 ディーゼルエンジン
2 排気通路
3 インジェクタ
4 DOC
5 PM捕集フィルタ
6 格納容器
7 排ガス浄化装置
10 ECU
11 サーバー
12 送受信機

Claims (1)

  1. 車両に搭載されたディーゼルエンジンの排ガスが流れる排気通路に、インジェクタと、前段に酸化触媒が配置されたPM捕集フィルタを格納する格納容器とを上流側から順に設置してなる排ガス浄化装置を管理する管理システムであって、
    前記ディーゼルエンジン及び前記排ガス浄化装置を制御する制御手段と、前記格納容器の差圧と前記インジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングとの関係を示す予め設定されたマップデータを格納する前記車両の外部に設置された管理手段と、前記制御手段と前記管理手段との間のデータ交換を仲介する送受信機とを備え、
    前記管理手段は、前記制御手段から前記送受信機を通じて送信された前記PM捕集フィルタにおけるPMの堆積量が予め設定されたしきい値超となったときは、前記送信された堆積量と前記マップデータとに基づいて決定される前記インジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングを該送受信機を通じて該制御手段へ送信し、
    前記ディーゼルエンジンがアイドリング状態であることを前記制御手段を通じて確認した後に、前記送信したインジェクタからの燃料の噴射量及び噴射タイミングが実施されるように前記制御手段を通じて前記インジェクタを制御することを特徴とする排ガス浄化装置の管理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020133514A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 トヨタ自動車株式会社 Pm量推定装置、pm量推定システム、データ解析装置、内燃機関の制御装置、および受信装置

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