以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機の正面図、図2は遊技盤の正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技店(遊技場)に設置される遊技機設置島600の前面(または後面)に設置される。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。打球操作ハンドル(操作ノブ)5には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8a又は8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
演出表示装置9の下部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する特別図柄保留記憶表示器18aと、第2始動入賞口に入った有効入賞球数(保留記憶数)を表示する特別図柄保留記憶表示器18bとが設けられている。特別図柄保留記憶表示器18aは、4つのLEDを備え、第1始動入賞口に入った保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。また、特別図柄保留記憶表示器18bは、4つのLEDを備え、第2始動入賞口に入った保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。
演出表示装置9の表示画面の左上方部、右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示器19a、19bが設けられている。第4図柄表示器19a、19bは、LEDを備えている。
この実施の形態では、演出表示装置9とは異なる第4図柄表示器19a、19bで第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
なお、この実施の形態では、各特別図柄表示器に対応して第4図柄表示器を1つ設ける場合を示しているが、各特別図柄表示器に対応して第4図柄表示器を2つ設けるようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。また、特別図柄表示器8a及び8bに対応する1つ又は2つの第4図柄表示器を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第4図柄表示器を演出表示装置9とは別にLEDなどの発光体を用いて実現する場合を示しているが、演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。
演出表示装置9の上部には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動可能に表示する可変表示を行い、表示結果を導出表示(停止表示)する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8a及び8bが設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8a及び8bは、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置15aが設けられ、普通入賞球装置15aの下には、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置15bが設けられている。普通入賞球装置15aで形成される第1始動入賞口は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。普通可変入賞球装置15bは、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。普通可変入賞球装置15bは、ソレノイド16によって開状態にされる。第1始動入賞口に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出される。第2始動入賞口に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14b(例えば、近接スイッチ)によって検出される。
普通可変入賞球装置15bの下には、有利状態としての特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)で検出される。
普通可変入賞球装置15bの左には、遊技球が通過可能なゲート32と、ゲート32を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ32aとが設けられている。また、特別図柄表示器8a及び8bの下には、左右に配置された2つのランプを備える普通図柄表示器10が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、普通図柄表示器10の2つのランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における可変表示の表示結果(可変表示結果)が当りである場合に、普通可変入賞球装置15bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数(遊技球数)を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a(例えば、近接スイッチ)によって検出される。各入賞口29,30は、遊技媒体(遊技球)を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口及び第2始動入賞口や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。
プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8aにおいて特別図柄が可変表示(変動)を始める。また同様に、遊技球が第2始動入賞口に入り始動口スイッチ14bで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8bにおいて特別図柄が可変表示を始め、特図ゲームの実行が開始される。これらに対し、図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やし、特図ゲームの実行が保留される。
特別図柄表示器8a及び8bにおける特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止することにより、1回の特図ゲームが終了する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態(有利状態)に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放は、決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(例えば、15ラウンドまで)許容される。
停止時の特別図柄表示器8a又は8bにおける特別図柄(確定特別図柄)が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、大当り遊技状態が終了した後、次に大当りになる確率が高くなる確変制御が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態、後述する確変状態、及び、後述する時短状態(特別状態)以外の状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後には、時短制御(時間短縮制御)が行われる。時短制御が行われることにより、通常状態に比べて特別図柄や演出図柄の可変表示時間(各図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる図柄が導出表示されるまでの所要時間)が短縮される。時短制御は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
さらに、大当り遊技状態が終了した後には、時間制御とともに、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時間制御とともに、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、高開放制御が行われることにより、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかであるときに時間制御が行われている期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における可変表示結果が当りである場合に、普通可変入賞球装置15bが所定時間だけ開状態になる。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。
また、この実施の形態では、遊技領域7のうち第1始動入賞口及び第2始動入賞口や大入賞口などが設けられている領域の背面には電波センサ61が設けられている。また、この実施の形態では、遊技領域7の所定領域の背面には磁石センサ62が設けられている。なお、図2に示した電波センサ61や磁石センサ62の数や配置は一例であり、遊技領域7の構成の仕方などによって電波センサ61や磁石センサ62を様々な数・位置に配置してもよい。図2に示すように、この実施の形態では、電波センサ61が設けられていることによって電波を用いて不正に入賞を誤検出させるような行為を検出できるとともに、磁石センサ62が設けられていることによって磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出することができる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機の背面図である。図3に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。また、演出制御基板80および遊技制御基板(主基板)31には、裏面側から見て視認可能な態様でそれぞれ異常報知用LED80A,31Aが設けられている。
さらに、パチンコ遊技機1の裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ910A、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチ910Aの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがって遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがって遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。
パチンコ遊技機1の裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図27に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板(遊技制御基板)31の構成例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37や演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56、I/Oポート部57およびハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aまたは14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路511が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータとの間でシリアル通信を行う場合を示しているが、演出制御基板80側にもシリアル通信回路を搭載するようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信方式を用いて演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように制御してもよい。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、遊技を再開させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。また、この実施の形態では、バックアップRAMには、後述するセンサ異常(電波異常または磁気異常)を検出したことを示すセンサ異常フラグや、セキュリティ信号を出力するために用いるセキュリティ信号情報タイマも保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電波センサ61からの電波センサ信号と、磁石センサ62からの磁石センサ信号とが入力される。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、普通可変入賞球装置15bを開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8a,8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18a,18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知用LED31Aの点灯制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM101cを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポート(図示省略)を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して異常報知用LED80Aの点灯制御を行う。
図6は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図6に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および普通可変入賞球装置15bを開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図6に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータでは必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。したがって、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。また、セキュリティ信号は、初期化処理が行われたとき、異常入賞、磁気異常、または電波異常が検出されたときに出力される信号である。また、この実施の形態では、磁気異常または電波異常が検出された場合に遊技停止状態となることから、セキュリティ信号は遊技停止状態となったときに出力される信号でもある。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、この実施の形態に示すように、特別図柄表示装置を2つ備えるように遊技機を構成する場合、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、いずれか一方の特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、両方の特別図柄の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、いずれか一方の特別図柄のみの変動回数に加えて、両方の特別図柄の合計の変動回数も把握することができる。
図7は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、入力ポート0のビット0,2,3には、カウントスイッチ23の検出信号、および入賞口スイッチ29a,30aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0〜4には、始動口スイッチ14a,14bの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図8は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図8に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図8に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
コネクタCN6から出力される時短信号は、時短状態に関する信号である。この時短信号は、ホールコンピュータなどの外部装置へ伝送される。この実施の形態では、一例として、大当り遊技状態が終了した後の時短状態が開始するときに(時短状態に制御されるときに)、時短信号の出力が開始され、時短状態が終了した後、当該時短状態の終了時に保留されている第2特図についての可変表示(第2特図ゲーム)が全て終了するときまで、時短信号が継続して出力されるようになっている。この実施の形態では、時短状態の終了時から、当該時短状態の終了時に後述する第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶(保留情報や保留データなどともいう。)に対応する可変表示(保留されている第2特図の可変表示)が全て終了(消化)するまでの間の期間を、特定期間という。なお、特定期間内に大当り遊技状態に制御される場合、大当り遊技状態においては時短状態が一時的に終了するが、大当り遊技状態が終了した後には再び時短状態が開始する。この場合には、当該大当り遊技状態中でも時短信号が継続して出力されるようになっている。
なお、特定期間は、上記した時短状態の終了時から、当該時短状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する可変表示が全て終了するまでの間の期間に限定されない。例えば、特定期間は、時短状態の終了時から、当該時短状態の終了時に第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間や、時短状態の終了時から、第1特図保留記憶部あるいは第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶、または、第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示のうち、所定回数(例えば、4回など)の可変表示が終了するまでの間の期間、時短状態の終了時から所定時間(例えば、2分間など)経過するまでの間の期間、時短状態の終了時から、当該時短状態の終了後に最初に実行されるデモ画面表示(客待ちモードや客待ちデモなどともいう。)が開始されるときまでの間の期間などであってもよい。
ホールコンピュータ(外部装置)は、パチンコ遊技機1から伝送された時短信号を確認することにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるか否かなど(時短中であるか否かなど)を認識することができる。例えば、時短信号がオン状態であるときには、ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態又は時短中の大当り遊技状態であると認識することができる。また、ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から伝送された大当り信号1などを確認することにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを認識することができる。ホールコンピュータは、時短中に大当り遊技状態に制御された場合、具体的には、パチンコ遊技機1から時短信号が伝送されている状態において大当り信号1などが伝送された場合、連続して大当り遊技状態に制御されている状態(連続大当り状態)であることを示す情報として、例えば「連続大当り状態」といった画像を情報表示器に表示することができる。また、ホールコンピュータは、連続大当り状態における時短中に大当り遊技状態に制御されずに、時短状態が終了した場合、具体的には、パチンコ遊技機1からの時短信号の出力が停止された場合、連続大当り状態が終了したことを示す情報として、例えば「連続大当り状態終了」といった画像を情報表示器に表示することができる。
情報表示器は、例えば図1に示すように、呼び出しボタンを備えた呼び出しランプ610によって構成される。呼び出しランプ610は、パチンコ遊技機1の上方に設置されている。呼び出しランプ610は、ホールコンピュータからの指示に基づいて各種情報を表示するための表示部を備えている。この表示部には、上述した「連続大当り状態」や「連続大当り状態終了」といった画像などが表示される。
図8に示すコネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a,14b)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、電波センサ61の検出結果にもとづいて電波異常が発生したと判定された場合や、磁石センサ62の検出結果にもとづいて磁気異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、磁石等を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。以下、電波異常と磁気異常とをセンサ異常と総称することがある。
この実施の形態では、センサ異常(電波異常または磁気異常)の検出にもとづきセキュリティ信号を外部出力する場合には、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が実行されるまで、このセンサ異常(電波異常または磁気異常)の検出にもとづくセキュリティ信号の外部出力が継続される。
また、後述するように、クリアスイッチが操作されることなく電源が再投入されたときには、初期化処理が行われず、ホットスタート処理が行われる。そして、ホットスタート処理が行われる場合には、初期化処理が行われる場合のようにセキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)外部出力されない。なお、この実施の形態で示す例に限らず、例えば、ホットスタート処理が行われる場合にも、初期化処理が行われる場合と同様に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)外部出力されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、普通可変入賞球装置15bが開状態でないときに第2始動入賞口への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、この異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、普通可変入賞球装置15bや大入賞口に対する不正行為によって異常入賞が生じたことを報知することができ、その結果、普通可変入賞球装置15bや大入賞口に対する不正行為を確実に抑制することができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、磁気異常が検出された場合と、電波異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。また、磁気異常や電波異常、異常入賞も何らかの不正行為が行われないかぎり発生しないのであるから、磁気異常や電波異常、異常入賞のために専用のコネクタや半導体リレーを個別に設けることも効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、磁気異常が検出された場合と、電波異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、この実施の形態では、第2始動入賞口および大入賞口の両方の異常入賞を検出してセキュリティ信号を外部出力可能に構成しているが、第2始動入賞口と大入賞口とのいずれか一方の異常入賞のみを検出して、セキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。
また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータとの間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータから払出制御コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路511のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータとの間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータとの間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、磁気異常の検出、電波異常の検出、第2始動入賞口への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、通信エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。したがって、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を抑制することができ、その結果、不正行為を確実に抑制することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図9は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ROM54に記憶されているセキュリティチェックプログラムにしたがって、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを抑制できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート2を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。ステップS91のホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データ(例えば、賞球プロセスコードや賞球プロセスタイマ、枠状態表示バッファ、前回枠状態表示バッファ)が設定されている。ステップS91の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
なお、詳細については後述するが、この実施の形態では、センサ異常が検出されたことにもとづいてセンサ異常フラグがセットされ、センサ異常フラグがリセットされるまで、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)と、遊技に関する制御の停止と、特別図柄表示器8a,8b、特別図柄保留記憶表示器18a,18bおよび第4図柄表示器19a,19bの消灯制御とが行われる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が検出されると、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)と、遊技に関する制御の停止と、特別図柄表示器8a,8b、特別図柄保留記憶表示器18a,18bおよび第4図柄表示器19a,19bの消灯制御とが行われる状態となり、そのような状態は、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が行われることによって解消される(すなわち、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)が停止され、遊技に関する各制御が行われ、特別図柄表示器8a,8b、特別図柄保留記憶表示器18a,18bおよび第4図柄表示器19a,19bの表示制御が行われる)。
ホットスタート処理が終了すると、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。なお、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、センサ異常フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。この実施の形態では、後述する高ベース中保留フラグ設定部に設けられた高ベース中保留フラグにも初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路511を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムにしたがってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路511に設定することによって、シリアル通信回路511に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路511を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路511の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557にしたがって処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルにしたがって、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルにしたがって、シリアル通信回路511において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路511からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報にしたがって、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路503やシリアル通信回路511の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路511のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
また、ステップS15〜S15bは、必ずしも実施されなくてもよい。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(遊技用乱数ともいい、例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数(特図表示結果決定用の乱数値)や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数(大当り種別決定用の乱数値)、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数(普図表示結果決定用の乱数値)など)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、普通可変入賞球装置15b、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8a,8bの表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数(変動パターン決定用の乱数値)が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路511からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路511から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
次に、タイマ割込処理について説明する。図10は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20a)。
次いで、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS20b)、センサ異常フラグがセットされていなければ、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、およびカウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8a,8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18a,18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8a,8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。また、特別図柄保留記憶表示器18a,18bについては、ステップS210またはステップS303,S307で設定される出力バッファの内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18a,18bに対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための異常入賞報知処理を行う(ステップS23)。
次いで、CPU56は、磁石センサ62や電波センサ61から検出信号を入力したことにもとづいて磁気異常報知や電波異常報知を行うセンサ異常報知処理を実行する(ステップS24a)。
次いで、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS24b)、センサ異常フラグがセットされていなければ、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路511を介して、払出制御用マイクロコンピュータとの間で信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には始動口スイッチ14a,14bや、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。なお、この実施の形態では、図6に示すように、出力ポート0にソレノイドに関する内容(ビット1、2)と、接続信号に関する内容(ビット0)と、高確中信号に関する内容(ビット7)とが設けられているが、接続信号に関する内容と、高確中信号に関する内容とを出力するための出力ポートを、出力ポート0とは別に設けるようにしてもよい。この場合には、ソレノイドに関する内容を出力する処理(例えば、ステップS34ではソレノイドに関する内容を出力する処理を行う)と、接続信号に関する内容または高確中信号に関する内容を出力する処理とを分けるようにしてもよい。
なお、CPU56は、ステップS34で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能となったりしないかぎり、払出制御基板37に対して接続信号を継続して出力する。この実施の形態では、払出制御基板37に出力された接続信号は、払出制御基板37上の回路に入力されるが、払出制御用マイクロコンピュータには入力されないように構成されているが、払出制御用マイクロコンピュータに入力されるように構成されていてもよい。
次いで、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS40)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS41)、処理を終了する。
また、ステップS20bまたはステップS24bにおいてセンサ異常フラグがセットされている場合には(ステップS20bのYまたはステップS24bのY)、ステップS40に移行する。すなわち、センサ異常が発生しているときには、ステップS21からS37の処理が行われず、それらの処理によって制御される動作等が停止された状態となる。厳密には、センサ異常報知処理(ステップS24)においてセンサ異常が検出された直後(つまりセンサ異常フラグがセットされた直後)には、センサ異常報知処理以降のステップS25〜S37の処理が行われず、次回以降のタイマ割込処理でステップS21からS37の処理が行われないようになる。例えば、スイッチ処理(ステップS21)が行われなくなることで、遊技球が、ゲートスイッチ32aや始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aを通過したとしても、通過したと認識されないようになる。また、例えば、賞球処理(ステップS32)が行われなくなることで、賞球の払い出しが停止されることになる。また、例えば、出力処理(ステップS34)が行われなくなることで、ソレノイド16やソレノイド21の動作(遊技制御用マイクロコンピュータ56によって制御されるモータが設けられている場合にはモータの動作)が停止し、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることにより、遊技球の発射が停止される。このように、この実施の形態では、センサ異常フラグがセットされている期間には、ステップS21からS37の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)を行わないようにすることで、センサ異常を検出したときから、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が行われるまでは、遊技に関する制御が停止されるように構成されている。なお、図10に示す例に限らず、ステップS20bの処理の前にセンサ異常報知処理(ステップS24a)を実行し、ステップS24bの処理を省略するように構成してもよい。
この実施の形態では、遊技制御基板(主基板31)とカードユニットとの双方から払出制御基板37に対して接続信号が出力されているときに、払出制御基板37から発射制御基板91に発射制御信号が出力されるように構成されている。そして、発射制御基板91は、少なくとも払出制御基板37から発射制御信号が出力されていなければ、駆動モータに通電しないように構成されている。そのため、遊技制御基板(主基板31)から払出制御基板37に対して接続信号が出力されていなければ、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータが駆動されず、遊技球が発射されることはない。したがって、この実施の形態では、異常状態が検出されたときには、ステップS34の処理が行われず、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることによって、遊技球が発射されない発射停止状態に移行される。
なお、発射停止状態に制御するために、例えば、CPU56から発射制御基板91に対して発射停止信号を出力し、発射停止信号を入力した発射制御基板31において、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータを駆動せず、打球が発射されないように制御するようにしてもよい。なお、発射制御基板91における制御状態は、電源再投入によって初期化される。すなわち打球が発射可能な状態に制御される。
なお、詳細については後述するが、センサ異常が発生している場合(センサ異常フラグがセットされている場合)には、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置のみがセットされ続けるため、セキュリティ信号のみが出力され続ける。このように、センサ異常フラグがセットされているときには、遊技に関する制御が停止される(ステップS21〜S37の処理が省略される)が、全ての制御が停止されるのではなく、情報出力処理(ステップS40)において、セキュリティ信号の外部出力が行われる。そのため、異常状態が検出されたことにもとづいて遊技に関する制御を停止した場合(例えば、スイッチ処理の停止や賞球処理の停止、出力処理の停止、発射停止などを行った場合)でも、異常状態が検出されたことを外部に報知することができる。また、遊技に関する制御が停止されていても後述する電源断処理は行われる。
図11および図12は、ステップS20aの電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。電源断信号は、電源スイッチ910Aの押下または停電等により電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると出力される。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、センサ異常(電波異常または磁気異常)が発生したことを示すセンサ異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS470)。センサ異常フラグがセットされていれば、センサ異常フラグをリセットする(ステップS470a)。
ステップS470aでセンサ異常フラグがリセットされることにより、ステップS20b、S24bでYと判定されなくなり、遊技停止状態が解除された状態となるとともに、S1001でYと判定されずS1003が実行されなくなり、セキュリティ信号の出力も停止される。なお、ステップS470、ステップS470aにおけるセンサ異常フラグをリセットする処理を、電源断処理で行わずに電源投入時、例えばステップS91のホットスタート処理で行ってもよい。また、ステップS20bおよびS24bの判定に用いるフラグと、後述するステップS1001の判定に用いるフラグとを異なるフラグとしてもよく、一方のフラグを電源断処理でリセットし、他方のフラグを電源投入時にリセットしてもよい。すなわち、遊技に関する制御の停止(タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)をスキップすること)の解除と、セキュリティ信号の出力の停止とを、一方を電源断処理で行い、他方を電源投入時に行ってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、センサ異常フラグがセットされていても、ステップS454〜S463におけるパリティデータの作成を行う。そして、その後の電源投入時に、ステップS9のパリティチェックでチェック結果が正常であれば、ステップS91の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。すなわち、センサ異常フラグがセットされて遊技停止状態となっていても、データのバックアップが可能である。
また、電源断処理が行われることにより、ステップS470aにおいてセンサ異常フラグがリセットされるので、その後、図10に示すS21〜S37の処理はスキップされない。つまり、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が行われることにより、遊技停止状態は解除される。また、パチンコ遊技機1に遊技停止状態を解除するための専用の停止解除スイッチを設けてもよい。また、例えば、停止解除スイッチを単独で押下することにより遊技停止状態を解除できるように構成してもよいし、停止解除スイッチを押下しながら電源スイッチ910Aを押下することにより遊技停止状態を解除できるように構成してもよい。
また、センサ異常フラグは、初期化処理のRAMクリア処理(ステップS10)においても初期化(すなわちリセット)される。電源断処理が正常に行われなかった場合は、ステップS9の処理においてNOとなり初期化処理が行われると考えられるため、電源断の後、再投入されると、ホットスタート処理と初期化処理とのいずれが実行されるかに関わらずリセットされる。
センサ異常フラグがセットされていなければ、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。なお、出力ポートをクリアする処理をチェックサムデータを作成する処理の前に実行してもよい。例えば、CPU56は、ステップS453でYと判定した後、直ちにステップS472〜S480の出力ポートクリアの処理を実行するようにしてもよい。
また、ステップS470、S470aのセンサ異常フラグのリセット処理と、ステップS472〜S480の出力ポートクリアの処理とを電源断処理で行わずに、電源投入時、例えばステップS91のホットスタート処理で行ってもよい。また、センサ異常フラグのリセット処理と、出力ポートクリアの処理とのいずれか一方を電源断処理で行い、他方を電源投入時に行ってもよい。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。そして、電源断信号がオン状態の間は(ステップS482のY)、ステップS482の処理を繰り返し実行して待機する。
なお、センサ異常フラグをリセットする処理を、電源断処理で行わずに電源投入時に行う場合、ステップS482の処理が繰り返し実行されている間もセキュリティ信号は出力されていることとなる。
これに対して、ステップS482にて電源断信号がオフ状態となったときには(ステップS482のN)、所定の電断復旧時における設定を行った後(ステップS487)、図9に示すメイン処理の先頭にリターンする。一例として、ステップS487の処理では、CPU56に内蔵されたスタックポインタに電源断復旧時ベクタテーブルの記憶アドレスを格納し、遊技制御用タイマ割込み処理から復帰(リターン)させる。ここで、電源断復旧時ベクタテーブルは、ROM54に記憶された制御コード(遊技制御プログラム)の先頭アドレスを指定するものであればよい。図10に示すタイマ割込処理のような割込処理から復帰(リターン)するときには、スタックポインタで指定されるアドレスの記憶データが復帰アドレスとして読み出される。こうして、ステップS487の処理を実行した後には、CPU56により、ROM54に記憶されている制御コードの先頭から、遊技制御の実行を開始(再開)させることができる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されること)されている。この例では、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS91の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S13の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS91、S92の復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板37からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
図13は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図14は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU56は、まず、普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた始動口スイッチ14a(第1始動口スイッチ)からの検出信号に基づき、始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、始動口スイッチ14aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU56は、RAM55の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM55の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて始動口スイッチ14aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた始動口スイッチ14b(第2始動口スイッチ)からの検出信号に基づき、始動口スイッチ14bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、始動口スイッチ14bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU56は、RAM55の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。始動口スイッチ14bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
また、ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。その後、時短中であるか否かを判定する(ステップS206a)。このとき、CPU56は、RAM55の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が時短状態であるか否か、即ち時短中であるか否かを判定すればよい。ステップS206aにて時短中であると判定された場合(ステップS206a;Yes)、CPU56は、今回の第2始動入賞の発生に対応する高ベース中保留フラグをオン状態とする(ステップS206b)。高ベース中保留フラグの詳細については後述する。ステップS206aの処理を実行した後、高ベース中保留通知コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS206c)。
ステップS203、S206cの処理のいずれかを実行した後や、ステップS206aにて時短中でないと判定された場合(ステップS206a;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM55の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU56は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路503やRAM55の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。
一例として、主基板31の側で用いられる遊技用乱数には、図15に示すように特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置15bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が進入しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図16(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図16(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図16(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(特別図柄表示器8a(第1特別図柄表示装置)における第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU56が乱数回路503等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする第1保留記憶情報(「第1保留情報」や「第1保留記憶」ともいう)となる。
図16(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(特別図柄表示器8b(第2特別図柄表示装置)における第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU56が乱数回路503等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ態様など)となるか否かなどを判定可能にする第2保留記憶情報(「第2保留情報」や「第2保留記憶」ともいう)となる。
この実施の形態では、図16(C)に示すような高ベース中保留フラグ設定部が設けられている。高ベース中保留フラグ設定部には、第2特図保留記憶部に記憶される保留データに対応して高ベース中保留フラグが設けられている。具体的には、第2特図保留記憶部における保留番号1〜4と高ベース中保留フラグ設定部におけるバッファ番号1〜4とが一対一で対応しており、各バッファ番号の高ベース中保留フラグは、各バッファ番号に対応する保留番号の保留データに対応している。なお、この実施の形態では、第1特図保留記憶部に記憶される保留データに対しては、高ベース中保留フラグは設けられていないが、第1特図保留記憶部に記憶される保留データに対しても、高ベース中保留フラグを設けてもよい。
この実施の形態では、上述したステップS206bの処理が実行されることにより、高ベース中保留フラグがオン状態にセットされる。なお、初期状態では、高ベース中保留フラグはオフ状態となっている。図16(C)に示す例では、バッファ番号1〜2の高ベース中保留フラグがオン状態(「1」)となっており、バッファ番号3〜4の高ベース中保留フラグがオフ状態(初期値:「0」)となっている。従って、図16(C)では、図16(B)に示す第2特図保留記憶部の保留番号1〜2に記憶されている保留データが、時短中に記憶された保留データであるということを示している。
ステップS210の処理に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。その後、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。さらに、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204の処理に進む。これにより、始動口スイッチ14aと始動口スイッチ14bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図17は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、高ベース中保留通知コマンドとなるコマンドC400Hが、予め用意されている。
普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したときには、図14に示すステップS202の処理で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、図14に示すステップS203の処理で始動口バッファ値を「1」に設定してからステップS211の処理による送信設定を行うことで、主基板31から演出制御基板80に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに図14に示すステップS213の処理による送信設定を行うことで、主基板31から演出制御基板80に対して第1保留記憶数通知コマンドが送信される。
普通可変入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチ14bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したときには、図14に示すステップS205の処理で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、図14に示すステップS206の処理で始動口バッファ値を「2」に設定してからステップS211の処理による送信設定を行うことで、主基板31から演出制御基板80に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。また、時短中であるときには、ステップS206cの処理による送信設定を行うことで、主基板31から演出制御基板80に対して高ベース中保留通知コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「2」であるときに図14に示すステップS213の処理による送信設定を行うことで、主基板31から演出制御基板80に対して第2保留記憶数通知コマンドが送信される。
演出制御基板80の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する。高ベース中保留通知コマンドは、時短中に保留されたことを通知する。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図13に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、RAM55の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM55の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示器8aや特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM55の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、特別図柄表示器8aや特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図18は、特別図柄通常処理として、図13のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS301)。第2特図保留記憶数は、特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU56は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS301にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS301;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM55の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS302)。これにより、図14に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。また、ステップS302では、読み出した保留データに対応する高ベース中保留フラグの設定値を読み出す。このとき読み出された数値データや高ベース中保留フラグの設定値は、例えば変動用乱数バッファや高ベース用バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS302の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容及び高ベース中保留フラグ設定部における記憶内容をシフトさせる(ステップS303)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトするとともに、高ベース中保留フラグ設定部にてバッファ番号「1」より下位の記憶領域(バッファ番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された高ベース中保留フラグの設定値を、1エントリずつ上位(バッファ番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS303の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM55の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS304)。
ステップS301にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS301;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS305)。第1特図保留記憶数は、特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU56は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS305の処理は、ステップS301にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM55の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS305にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS305;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM55の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS306)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS306の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS307)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS307の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS308)。
ステップS304、S308の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS309)。一例として、ステップS309の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU56は、図19(A)に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図19(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。
CPU56は、ステップS302又はS306で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU56は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU56は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図19(A)に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図13に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU56は、ステップS309の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS310)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS310;Yes)、RAM55の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にする(ステップS311)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS312)。一例として、ステップS312の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU56は、例えば、図19(B)に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図19(B)に示すように、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「確変」と「非確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。この実施の形態では、図19(B)に示すように、変動特図が第2特図の場合、第1特図の場合と比べて高い割合で、大当り種別としての「確変」に決定されるように設定されている。したがって、第1特図の可変表示結果が「大当り」となるときよりも、第2特図の表示結果が「大当り」となるときの方が、大当り種別として「確変」に決定されやすいので、遊技者にとっての有利度が高いということになる。
CPU56は、ステップS302又はS306で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS312の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS313)。CPU56は、RAM55の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図19(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS310にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS310;No)、ステップS313の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS316)。一例として、ステップS310にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS310にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS312における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS316の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS317)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS317にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図13に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS305にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS305;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS318)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板80では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図13のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図20は、変動パターン設定処理として、図13のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS331)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS331;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS332)。ステップS331にて大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS333)。
図21は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図20に示すステップS332の処理では、例えば図22(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU56は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「100」である場合、CPU56は、大当り種別が「非確変」であるときには、変動パターンPA3−2を選択し、大当り種別が「確変」のときには変動パターンPA3−3を選択する。
図20に示すステップS333の処理では、遊技状態が時短状態を含まない状態(通常状態又は確変状態)である時短中以外の場合と、遊技状態が時短状態を含んで(時短状態、又は、時短状態及び確変状態で)時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、時短フラグがオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中以外である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図22(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図22(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値から特定すればよい。CPU56は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、時短中以外と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中以外であるときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。CPU56は、例えば、時短フラグがオン状態のとき(時短中のとき)で乱数値MR3が「229」である場合、CPU56は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「2」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図22(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図22(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図20に示すステップS332、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS336)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図21に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU56は、ステップS332、S333の処理で決定した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS336の処理に続いて、特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS337)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、特別図柄表示器8aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、特別図柄表示器8bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU56は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、特別図柄保留記憶表示器18aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を特別図柄保留記憶表示器18aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU56は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、特別図柄保留記憶表示器18bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を特別図柄保留記憶表示器18bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS337の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS338)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述の演出図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の可変表示部(図柄表示エリア)で可変表示される演出図柄(飾り図柄ともいう)などの変動パターン(ステップS332、S333の処理で決定した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS316において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS338の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS339)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS339にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図13に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図13のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示器8aや特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示器8aや特別図柄表示器8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理などが含まれている。
図23は、特別図柄停止処理として、図13のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、時短回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、時短フラグ及び確変フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS352)。時短回数カウンタは、RAM55の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントするカウンタである。
その後、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS353)、RAM55の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたラウンド数計数用カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りのラウンド数をカウントするためのもの、ラウンド数カウンタともいう。)にカウント初期値(例えば、大当り種別が「確変」や「非確変」のときは「15」)を設定し(ステップS354)、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)と、確変フラグのオン状態・オフ状態及び時短フラグのオン状態・オフ状態を指定することなどによって現在の遊技状態(通常状態)を指定する遊技状態指定コマンド(演出制御コマンド)と、の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述の演出図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
CPU56は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、時短フラグがオンであるかを判定する(ステップS357)。CPU56は、時短フラグがオンである場合には(ステップS357;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS358)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS359)。CPU56は、カウント値が「0」である場合(ステップS359;Yes)、時短フラグをオフ状態にし(ステップS360)、時短状態を終了させる。CPU56は、ステップS360の処理を行った後には、現在の遊技状態(時短が終了した遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(ステップS361)。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述の演出図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS361の後や、時短フラグがオンでない場合(ステップS357;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS359;No)、CPU56は、高ベース中保留フラグ設定部を確認して、高ベース中保留フラグが全てオフ状態であるか否かを判定する(ステップS362)。ステップS362にて高ベース中保留フラグが全てオフ状態であると判定された場合(ステップS362;Yes)、RAM55の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短信号フラグをオフ状態にする(ステップS363)。この実施の形態では、後述するステップS327にて時短信号フラグがオン状態とされ、後述するステップS40の情報出力処理が実行されることによって、時短信号がホールコンピュータなどの外部装置へ出力(伝送)されるようになっている。そして、上記ステップS363にて時短信号フラグがオフ状態とされ、後述するステップS40の情報出力処理が実行されることによって、時短信号の出力が停止される。ステップS363の処理を実行した後や、ステップS362にて高ベース中保留フラグが全てオフ状態でないと判定された場合(ステップS362;No)、特図プロセスフラグを「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了(停止)し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板80側になされる。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27、各種ランプなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図24は、図13のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU56は、まず、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図13に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM55の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、CPU56は、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ及び確変フラグを切り替える(ステップS323)。大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」であれば)、確変フラグ及び時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。
その後、CPU56は、ステップS323で時短フラグをオン状態にした場合、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する(ステップS324)。その後、CPU56は、現在の遊技状態(ステップS323の処理内容に応じた遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(ステップS325)。そして、CPU56は、時短信号フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS326)。ステップS326にて時短信号フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS326;No)、時短信号フラグをオン状態とする(ステップS327)。この実施の形態では、ステップS327で時短信号フラグがオン状態とされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、時短信号が外部出力される。ステップS327の処理を実行した後や、ステップS326にて時短信号フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS326;Yes)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS328)、大当り終了処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述の演出図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
図25は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS250)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS250のY)、遊技状態が大当り遊技状態であることになる。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技状態以外の状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS250のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ0(入力ポート0に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(ステップS251)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ0の内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図7参照)との論理積をとる(ステップS252)。スイッチオンバッファ0の内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS253のN)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS254)。この実施の形態では、ステップS254でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、大入賞口への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
なお、上記実施の形態では、大入賞口への異常入賞の確認処理だけを行うようにしたが、さらに第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を行うようにしてもよい。例えば、PU56は、普通図柄プロセスフラグの値を確認することなどにより、普通電動役物(普通可変入賞球装置15b)が開状態(普通可変入賞球装置15bが物理的に開いている状態と、普通可変入賞球装置15bが物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態とを含む)であるか否かを判定する。普通電動役物が開状態であると判定された場合、第2始動入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
また、普通電動役物が開状態でないと判定された場合、第2始動入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性があるので、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を行えばよい。
第2始動入賞口への異常入賞の確認処理では、例えばCPU56は、スイッチオンバッファ2(入力ポート2に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ2の内容と始動口スイッチ入力ビット判定値(02(H)、図7参照)との論理積をとる。スイッチオンバッファ2の内容が02(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14bがオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。始動口スイッチ14bがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、すなわち、始動口スイッチ14bがオンしていれば、CPU56は、第2始動入賞口への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(例えば、30秒)をセットする。そして、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、第2始動入賞口への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(例えば、30秒)外部出力されればよい。
以上のような処理によって、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS40参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。なお、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を実行可能としたとき、普通可変入賞球装置15bが開閉動作していない状態(第2始動入賞口が開状態でない状態)において始動口スイッチ14bがオンした場合にも、第2始動入賞口への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS40参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。
なお、ステップS250の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが抑制され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり、異常報知されたりしてしまうようなことはない。
なお、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を実行可能としたときにも、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにすることにより、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15bを閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにすれば、普通可変入賞球装置15bが閉鎖する直前に第2始動入賞口に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が初期値(例えば、0)に戻った後に始動口スイッチ14bで検出されてしまうということが抑制され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり、異常報知されたりしてしまうようなことはない。
なお、普通可変入賞球装置15bを閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値を初期値の「0」に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が「0」に切り替わってから所定時間経過後に、異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを、大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
図26は、ステップS24aのセンサ異常報知処理を示すフローチャートである。センサ異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、磁石センサ62からの磁石センサ信号を入力したか否かを確認する(ステップS260)。具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と磁石センサ信号入力ビット判定値(20(H)、図7参照)との論理積をとり、論理積の演算結果が20(H)であれば磁石センサ信号を入力したと判定する。
磁石センサ信号を入力していれば(すなわち、磁石センサ62によって磁気が検出されていれば)、CPU56は、磁気異常が発生したと判定し、磁気異常が発生したことを報知することを指定する磁気異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS261)。そして、ステップS264に移行する。
また、磁石センサ信号を入力してなければ(ステップS260のN)、CPU56は、電波センサ61からの電波センサ信号を入力したか否かを確認する(ステップS262)。具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と電波センサ信号入力ビット判定値(10(H)、図7参照)との論理積をとり、論理積の演算結果が10(H)であれば電波センサ信号を入力したと判定する。
電波センサ信号を入力していれば(すなわち、電波センサ61によって電波が検出されていれば)、CPU56は、電波異常が発生したと判定し、電波異常が発生したことを報知することを指定する電波異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS263)。そして、ステップS264に移行する。また、磁石センサ信号および電波センサ信号を入力していなければ(ステップS262のN)、センサ異常報知処理を終了する。
ステップ264では、磁気異常または電波異常を検出したことを示すセンサ異常フラグをセットする(ステップS264)。この実施の形態では、ステップS264でセンサ異常フラグがセットされ、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、電源断処理が実行されるまでセキュリティ信号が外部出力される。また、既に説明したように、この実施の形態では、ステップS264でセンサ異常フラグがセットされたことにもとづいて、遊技に関する制御が停止される(タイマ割込処理のステップS21〜S37(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)が省略される)。
次いで、CPU56は、異常報知用LED31Aを点灯させてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したことを報知する(ステップS265)。
次いで、CPU56は、特別図柄表示器8a,8bを消灯状態に制御する(ステップS266)。具体的には、CPU56は、特別図柄表示器8a,8bを消灯状態に制御するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定し、出力バッファの設定内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号を出力する。
また、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18a,18bを消灯状態に制御する(ステップS267)。具体的には、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18a,18bを消灯状態に制御するための特別図柄保留記憶表示制御データを特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファに設定し、出力バッファの設定内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18a,18bに対して駆動信号を出力する。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、特別図柄表示器8a,8bまたは特別図柄保留記憶表示器18a,18b(またはこれらに相当する表示)が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ステップS266〜S267の処理を行うことによって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されたときに、特別図柄表示器8a,8bおよび特別図柄保留記憶表示器18a,18bを消灯状態に制御するように構成されている。つまり、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、特別図柄表示器8a,8bおよび特別図柄保留記憶表示器18a,18bにおいて検出前まで表示されていた特別図柄および特別図柄保留記憶が非表示となる。このように、特別図柄表示器8a,8bおよび特別図柄保留記憶表示器18a,18bを、センサ異常(磁気異常または電波異常)検出前と明らかに異なる表示態様(非表示)とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が発生したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
なお、この実施の形態では、ステップS266〜S267を実行することによって、特別図柄表示器8a,8bおよび特別図柄保留記憶表示器18a,18bを消灯状態に制御するように構成されているが、例えば、ステップS266〜S267のいずれかのみを実行することによって、特別図柄表示器8a,8bまたは特別図柄保留記憶表示器18a,18bのいずれかのみを消灯状態に制御するものであってもよい。また、特別図柄表示器8a,8bおよび特別図柄保留記憶表示器18a,18bに限らず、例えば、普通図柄表示器10や普通図柄保留記憶表示器41を消灯状態に制御するものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される発光体がある場合には、それらを消灯状態に制御するものであってもよい。
また、ステップS265〜S267の処理は必ずしも実施されなくてもよい。
図27は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図27に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS40参照)によって出力される。また、この実施の形態では、図27に示すように払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理によって出力される。
図柄確定回数1信号は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技状態中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技状態中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であること、時短状態中に制御された大当り遊技状態中であること及び特定期間中であることを通知するための信号である。
この実施の形態では、図6に示すように出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータに対して、大当り1信号、大当り2信号及び大当り3信号といった大当り遊技状態の制御に関する信号を出力する。なお、ホールコンピュータに対して出力する大当り遊技状態の制御に関する信号は、少なくとも大当り1信号を含んでいればよく、大当り2信号及び大当り3信号を含まなくてもよい。ホールコンピュータに対して大当り2信号や大当り3信号を出力しない場合には、図6に示す出力ポート1のビット3やビット4に対して、大当り2信号及び大当り3信号以外の各種情報出力用信号を割り当ててもよい。例えば、出力ポート1のビット3やビット4に対して高確中信号を割り当て、出力ポート1から高確中信号が出力されるようにしてもよい。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a,14b)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、磁石センサ62または電波センサ61の検出結果にもとづいてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、大入賞口(または第2始動入賞口)への異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、既に説明したように、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a,14b)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
図28は、ステップS40の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図28に示す例では、情報出力処理で実行される処理のうちセキュリティ信号を外部出力する処理の部分及び時短信号を外部出力する処理の部分について示し、その他の処理については記載を省略しているが、実際には、情報出力処理では、図28に示す処理の他に図柄確定回数1信号や、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、入賞信号、高確中信号を外部出力する処理も実行される。
情報出力処理において、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1001)。センサ異常フラグがセットされていれば(すなわち、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されていれば)、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマの値をクリアする(ステップS1002)。また、CPU56は、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットするとともに、セキュリティ信号出力ビット位置以外の信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7以外のビット)をリセットする(ステップS1003)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1013で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1014で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、セキュリティ信号出力ビット位置以外の信号出力ビット位置がリセットされると、その後のステップS1013で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1014で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号以外の信号は、出力ポート1から出力されない(オフ状態となる)。
なお、ステップS1001で、センサ異常フラグがセットされていた場合に、必ずしもステップS1002の処理を行わなくてもよい。
以上に示したステップS1001〜S1003の処理によって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が実行されるまで(すなわちセンサ異常フラグがリセットされるまで)、センサ異常(磁気異常または電波異常)にもとづくセキュリティ信号が出力されるとともに、セキュリティ信号以外の信号が出力されなくなる。
なお、既に説明したように、センサ異常フラグはバックアップRAMに記憶されるが、電源断処理が実行されたことによってセンサ異常フラグもリセットされ、センサ異常にもとづくセキュリティ信号の外部出力が終了することになる(ただし、初期化処理が実行された場合には、後述するステップS1004〜S1009の処理が実行されることにより、初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の外部出力が所定期間(例えば、30秒)実行されることになる)。
センサ異常フラグがセットされていなければ(ステップS1001のN)、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1004)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1005)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1006)。この実施の形態では、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合(第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を実行可能としたときには、普通可変入賞球装置15bが開状態でないときに第2始動入賞口への遊技球の入賞を検出した場合)に異常入賞が発生したと判定され、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(異常入賞報知処理におけるステップS254参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1006のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1007)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1008)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1009)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1013で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1014で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1006のY)、ステップS1009の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1004〜S1009の処理によって、大入賞口(または第2始動入賞口)への異常入賞が検出されてから30秒が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまでターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。
なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから30秒が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
また、異常入賞を検出したことや、初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した後、まだセキュリティ信号の出力中であるときにセンサ異常を検出した場合には、異常入賞の検出や、初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の出力制御からセンサ異常にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。具体的には、異常入賞の検出や、初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号情報タイマがセットされていることによりステップS1004〜S1009の処理が実行されてセキュリティ信号が外部出力されているときに、センサ異常が検出されると、センサ異常報知処理においてセンサ異常フラグがセットされる(ステップS264参照)。そして、それ以降は、センサ異常フラグがセットされていることによりステップS1001〜S1003の処理に切り替わり、セキュリティ信号情報タイマはクリアされて(ステップS1002参照)、遊技機への電力供給が停止され電源断処理でセンサ異常フラグがリセットされるまで、センサ異常フラグがセットされていることにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される(ステップS1003参照)。
ステップS1003、S1009の処理を実行した後や、ステップS1006にてセキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていると判定された場合(ステップS1006のY)、CPU56は、時短信号フラグがセットされているか否か(オン状態となっているか否か)を判定する(ステップS1010)。時短信号フラグがセットされていれば(ステップS1010のY)、情報バッファの時短信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット5)をセットする(ステップS1011)。情報バッファの時短信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1013で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1014で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、ステップS1010にて時短信号フラグがセットされていない場合(ステップS1010のN)、情報バッファの時短信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット5)をリセットする(ステップS1012)。情報バッファの時短信号出力ビット位置がリセットされると、その後のステップS1013で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1014で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力されない(オフ状態となる)。
以上に示したステップS1010〜S1012の処理によって、時短信号フラグがオン状態となってからオフ状態となるまで、即ち、時短状態が開始してから、時短状態の終了時に保留されている第2特図についての可変表示(第2特図ゲーム)が全て終了するときまで、ターミナル基板160のコネクタCN6を用いて時短信号が出力される。
ステップS1011やステップS1012の処理の後、ステップS1003、ステップS1009、ステップS1011またはステップS1012の処理にもとづいて、情報バッファを出力値にセットする(ステップS1013)。その後、出力値を出力ポート1に出力して(ステップS1014)、情報出力処理を終了する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図28に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1003,S1009,S1011,S1012参照)、ステップS1013,S1014を実行して出力ポート1から外部出力(ただし、この実施の形態では、高確中信号は出力ポート0から外部出力。図6参照。)する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図29は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS14a参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1004〜S1009,S1013,S1014の処理が実行されて、図29(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、大入賞口への異常入賞が発生したと判定されたとき(また、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を実行可能としたときには、第2始動入賞口への異常入賞が発生したと判定されたとき)にも(ステップS250〜S253参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS254参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1004〜S1009,S1013,S1014の処理が実行されて、図29(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
なお、セキュリティ信号の出力期間(セキュリティ信号情報タイマにセットされる時間)は、出力する契機(例えば、初期化処理の実行、大入賞口への異常入賞、(または第2始動入賞口への異常入賞))毎に異なっていてもよい。そのように構成することで、外部からいずれの異常が発生したかを判別することができる。
また、センサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定されたときにも(ステップS260,S262参照)、センサ異常フラグがセットされたことにもとづいて(ステップS264参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1001〜S1003,S1013,S1014の処理が実行されて、図29(B)に示すように、次に電源断処理が実行されるまで、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。このときには、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が実行されるまで、ステップS21〜S37の処理がスキップされることで、遊技に関する制御が停止される。
上記のように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、大入賞口(または、第2始動入賞口)への異常入賞を検出したときと、センサ異常(磁気異常または電波異常)を検出したときとに、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たにセンサ異常(磁気異常または電波異常)を検出した場合には、初期化処理の実行や異常入賞の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御からセンサ異常(磁気異常または電波異常)の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。例えば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合や、大入賞口(または、第2始動入賞口)への異常入賞を検出したことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図29(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図29(C)に示すように、その30秒を経過する前であっても、磁石センサ62からの磁石センサ信号または電波センサ61からの電波センサ信号が入力されてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定される可能性がある。この場合、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されセンサ異常フラグがセットされることにより(ステップS264参照)、情報出力処理(ステップS40参照)においてステップS1004〜S1009の処理からステップS1001〜S1003の処理に切り替えられて、図29(C)に示すように、次に電源断処理が実行されるまで、セキュリティ信号の出力が継続されることになる。また、このときには、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されたときから、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が実行されるまで、ステップS21〜S37の処理がスキップされることで、遊技に関する制御が停止されることになる。
なお、この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行された場合や大入賞口(または、第2始動入賞口)への異常入賞を検出した場合には30秒間に亘ってセキュリティ信号を出力する場合を示したが、セキュリティ信号の出力時間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、初期化処理が実行された場合にはセキュリティ信号を30秒間出力する一方で、大入賞口(または、第2始動入賞口)への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力したりするなど、セキュリティ信号の出力時間を異ならせて、初期化処理が実行された場合であるか大入賞口(第2始動入賞口)への異常入賞を検出した場合であるかを認識可能に構成してもよい。
さらに、第2始動入賞口への異常入賞の確認処理を実行可能としたときの第2始動入賞口への異常入賞を検出した場合と、大入賞口への異常入賞を検出した場合とでセキュリティ信号の出力期間を異ならせてもよい。例えば、第2始動入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を2分間出力し、大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するようにしてもよい。
次に、時短信号の出力タイミングについて図30を参照して説明する。図30(A)は、この実施の形態における時短信号の出力タイミングを示す。また、図30(B)は、従来のパチンコ遊技機における時短信号の出力タイミングを示す。
図30(A)に示すように、大当り遊技状態aが終了するときには時短フラグがオフ状態からオン状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態に移行する。このとき、ホールコンピュータに対して時短信号の出力が開始される。時短状態中に新たに大当り遊技状態bに制御されるときには、時短フラグがオン状態からオフ状態となる。このとき、ホールコンピュータに対して大当り1信号が出力される。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号が出力されている状態において大当り1信号が出力された場合、連続して大当り遊技状態に制御されている状態(連続大当り状態)であることを示す情報として、「連続大当り状態」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に表示する。そして、大当り遊技状態bが終了するときには再び時短フラグがオフ状態からオン状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態が開始される。
続いて、予め定められた所定回数の可変表示が実行されて時短状態が終了するときには時短フラグがオン状態からオフ状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)に移行する。図30(A)に示す例では、時短状態の終了時には第2特図についての可変表示が4変動分保留されているものとする。したがって、時短状態の終了時から、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまでの間の期間が特定期間となっている。なお、時短状態の終了時に第2特図についての可変表示が1、2または3変動分保留されている場合は、特定期間は、時短状態の終了時から、第2特図についての可変表示が1、2または3変動分終了するまでの間の期間となる。また、時短状態の終了時に第2特図についての可変表示が1つも保留されていない場合は、特定期間は無いこととなる。
特定期間内に(例えば、図30(A)に示すように時短状態の終了後、第2特図についての可変表示が2変動終了したときに)新たに大当り遊技状態cに制御された場合、時短フラグはオフ状態のまま維持され、また、時短信号の出力が継続される。情報表示器では、連続大当り状態であることを示す情報の表示が継続される。そして、大当り遊技状態cが終了するときには再び時短フラグがオフ状態からオン状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態が開始される。
次いで、予め定められた所定回数の可変表示が実行されて時短状態が終了するときには時短フラグがオン状態からオフ状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態に移行する。時短状態の終了時から、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまでの間の期間である特定期間が経過すると、時短信号の出力が停止される。このように、この実施の形態では、時短状態や時短中の大当り遊技状態に制御されている期間に時短信号を出力し、さらに、時短状態の終了時から特定期間が経過するまで(上記の例では、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまで)、時短信号を出力するようになっている。
ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号の出力が停止された場合、連続大当り状態が終了したことを示す情報として、「連続大当り状態終了」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に所定期間表示する。
これに対し、従来のパチンコ遊技機では、図30(B)に示すように大当り遊技状態bが終了するときに時短フラグがオフ状態からオン状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態が開始される。そして、予め定められた所定回数の可変表示が実行されて時短状態が終了するときには、時短フラグがオン状態からオフ状態となる。時短信号の出力は、時短状態の終了とともに停止される。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号の出力が停止された場合、連続大当り状態が終了したことを示す情報として、「連続大当り状態終了」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に所定期間表示する。このように、従来のパチンコ遊技機では、時短状態の終了後の特定期間内に大当り遊技状態に制御される場合でも、時短状態の終了とともに時短信号の出力を停止してしまう。従って、特定期間内に大当り遊技状態cに制御される場合でも、大当り遊技状態cに制御されるよりも前に、連続大当り状態が終了したことを示す情報が情報表示器に表示されてしまい、大当り遊技状態cも連続大当り状態における大当り遊技状態であると認識する遊技者の認識と、情報表示器において報知されうる内容との間にズレが生じてしまう。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS705)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS706)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS707)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行うことを示す磁気異常報知フラグ、または電波異常報知を行うことを示す電波異常報知フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS709)、セットされていなければ、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS710)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示器19a,19bにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、異常報知(本例では、磁気異常または電波異常の報知)を行う異常報知処理を実行する(ステップS711)。そして、演出制御用CPU101は、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS712)。その後、ステップS705に移行する。
図31に示すように、この実施の形態では、磁気異常報知中または電波異常報知中であれば(すなわち磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされていれば)、第4図柄プロセス処理(ステップS710)が行われず、第4図柄の表示制御が停止された状態となる。また、詳細については後述するが、磁気異常または電波異常が検出されると、磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされるとともに、第4図柄表示器19a,19bが消灯状態に制御される(つまり第4図柄は非表示となる)。したがって、磁気異常報知中または電波異常報知中であれば(すなわち磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされていれば)、第4図柄表示器19a,19bは消灯状態に制御されたまま(つまり第4図柄は非表示のままとなる)となる。
ステップS707のコマンド解析処理が実行されることにより、第1始動入賞口への入賞に対応して、例えば図32(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM101cの所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドとが順番に記憶される。また、第2始動入賞口への入賞に対応して、例えば図32(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM101cの所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドと高ベース中保留通知コマンドとが順番に記憶される。なお、高ベース中保留通知コマンドは、第2始動入賞口への入賞にもとづいてのみ、主基板31から伝送されるコマンドである。
図32(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU101は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図32(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンド及び高ベース中保留通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU101は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図32(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図32(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」〜「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに(この実施の形態では、後述のステップS171の処理が実行されるごとに)、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図32(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、後述のステップS171において保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされる。保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドがある場合には、これら各コマンドも、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
なお、特別図柄の変動開始時に主基板31から送信される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようする。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンド、高ベース中保留通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンド、高ベース中保留通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。また、高ベース中保留通知コマンドについても同様に行えばよい。
図32(A)における第1始動口入賞指定コマンドの「B100(H)」は、第1始動入賞口への入賞を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C101(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C103(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において3つであることを示す。図32(B)における第2始動口入賞指定コマンドの「B200(H)」は、第2始動入賞口への入賞を示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C201(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。高ベース中保留通知コマンドの「C400(H)」は、時短中に保留されたことを示す。
第1特図保留記憶部と第1始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第1特図保留記憶部の保留番号と第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データと、第1始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。また、第2特図保留記憶部と第2始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第2特図保留記憶部の保留番号と第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データと、第2始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。
また、コマンド解析処理では、遊技状態に変更があったときなどに主基板31から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があったか否かを判定し、遊技状態指定コマンドの受信があったと判定された場合、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。
高確フラグは、例えば、RAM101cの所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板31側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM101cの所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板31側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
例えば、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
図33は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS170〜S176のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板31から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置9の画面上における演出図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、特別図柄表示器8a,8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、演出表示装置9の画面上における演出図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。この実施の形態では、可変表示開始設定処理において、連続大当りの回数をカウントする連続大当りカウント処理が実行される。連続大当りカウント処理の詳細については後述する。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理には、RAM101cの所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の画面上に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により各種ランプや装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板31から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の画面上に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により各種ランプや装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図34は、可変表示開始設定処理において実行される連続大当りカウント処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す連続大当りカウント処理において、演出制御用CPU101は、まず、今回実行される可変表示が第2特図についての可変表示であるか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601では、例えば主基板31から伝送された変動開始コマンドが第2変動開始コマンドである場合に、第2特図についての可変表示であると判定されればよい。ステップS601にて第2特図についての可変表示であると判定された場合(ステップS601;Yes)、高ベースフラグのオン・オフ状態を確認することなどにより、現在時短中であるか否かを判定する(ステップS602)。
ステップS602にて時短中であると判定された場合(ステップS602;Yes)、今回の可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS603)。ステップS603では、例えば主基板31から伝送された可変表示結果通知コマンドが「大当り」を指定するものである場合に、可変表示結果が「大当り」であると判定すればよい。ステップS603にて可変表示結果が「大当り」であると判定された場合(ステップS603;Yes)、RAM101cの所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた連続大当りカウンタのカウント値に1加算して(ステップS604)、連続大当りカウント処理を終了する。
また、ステップS601にて第2特図についての可変表示でないと判定された場合や(ステップS601;No)、ステップS603にて可変表示結果が「大当り」でないと判定された場合(ステップS603;No)、連続大当りカウント処理を終了する。
ステップS602にて時短中であると判定された場合(ステップS602;Yes)、今回の可変表示に対応して高ベース中保留通知コマンドがあるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605にて高ベース中保留通知コマンドがあると判定された場合(ステップS605;Yes)、今回の可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS606)。ステップS606にて可変表示結果が「大当り」であると判定された場合(ステップS606;Yes)、RAM101cの所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた特別態様フラグをオン状態にする(ステップS607)。ステップS607は、時短中ではなく(ステップS602;No)、高ベース中保留通知があり(ステップS605;Yes)、可変表示結果が「大当り」となる場合(ステップS606;Yes)、即ち特定期間内に大当り遊技状態に制御される場合に実行される。ステップS607の後、連続大当りカウンタのカウント値に1加算して(ステップS604)、連続大当りカウント処理を終了する。なお、ステップS607にて特別態様フラグがオン状態となることにより、後述するステップS905にて特別態様での連続大当り状態発生演出の実行設定が可能となる。
また、ステップS605にて高ベース中保留通知コマンドがないと判定された場合(ステップS605;No)、連続大当りカウンタのカウント値に初期値として「1」を設定する。なお、時短中で(ステップS602;Yes)大当り遊技状態に制御される場合(ステップS603:Yes)や、時短中でなくても(ステップS602;No)高ベース中保留通知がある場合には(ステップS605;Yes)、少なくとも連続大当り状態になる直前に大当り遊技状態(所謂、初当り)に制御されたこととなる。そのため、ステップS608では、連続大当りカウンタのカウント値に初期値として「1」を設定している。
ステップS608の処理を実行した後や、ステップS606にて可変表示結果が「大当り」でないと判定された場合(ステップS606;No)、連続大当りカウント処理を終了する。
図35は、大当り中演出処理として、図33のステップS175にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば主基板31から伝送された大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS901)。ステップS901にて大当り終了指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS901;No)、演出制御用CPU101は、大当り演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS902)。ステップS902にて大当り演出開始タイミングであると判定された場合(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU101は、連続大当りカウンタのカウント値をチェックして、連続大当り回数を特定する(ステップS903)。例えば、連続大当りカウンタのカウント値が「1」である場合、連続大当り回数を「1」と特定し、連続大当りカウンタのカウント値が「2」である場合、連続大当り回数を「2」と特定する。連続大当りカウンタのカウント値が「3」以上である場合も同様である。
ステップS903の処理を実行した後、特別態様フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS904)。ステップS904にて特別態様フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS904;Yes)、特別態様での連続大当り状態発生演出の実行設定を行った後(ステップS905)、特別態様フラグをオフ状態とする(ステップS906。また、ステップS904にて特別態様フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS904;No)、通常態様での連続大当り状態発生演出の実行設定を行う(ステップS907)。
ここで、連続大当り状態発生演出について説明する。連続大当り状態発生演出とは、連続大当り状態において大当り遊技状態が発生したこと及び連続大当り状態における連続大当り回数、即ち、大当り遊技状態が何回連続したかを報知する演出である。連続大当り状態発生演出では、例えば、連続大当り状態において最初の大当り遊技状態(初当りの次の大当り遊技状態)が発生したとき、「連続2回」といった画像を演出表示装置9の画面上に表示することにより、大当り遊技状態が2回連続したことを報知する。なお、大当り遊技状態の連続回数(連続大当り回数)が3回、4回、5回・・・などの場合には、「連続3回」、「連続4回」、「連続5回」・・・などといった画像が演出表示装置9の画面上に表示する。この実施の形態では、連続大当り状態発生演出は、一例として大当り中に実行される。なお、連続大当り状態発生演出は、大当り中に実行される演出に限定されない。例えば、大当り遊技状態が開始されるときや、大当り遊技状態が終了するとき、可変表示結果が導出されるときなどに、連続大当り状態発生演出が実行されてもよい。
連続大当り状態発生演出の演出態様には、通常態様と特別態様とが設定されている。連続大当り状態発生演出の演出態様が通常態様の場合、上述した「連続2回」や「連続3回」などといった表示態様の画像が表示される。また、連続大当り状態発生演出の演出態様が特別態様の場合、例えば「特別!!連続2回」や「特別!!連続3回」などといった特殊な表示態様の画像が表示される。この実施の形態では、「特別!!連続2回」や「特別!!連続3回」などといった特殊な表示態様の画像を表示する連続大当り状態発生演出を、特殊演出ともいう。特殊演出は、特別態様フラグがオン状態となったとき、即ち特定期間内に大当り遊技状態に制御されるときに、実行される。
ステップS906やS907の後には、その他の演出実行設定を行う(ステップS908)。ステップS908の後や、ステップS902にて大当り演出開始タイミングでないと判定された場合(ステップS902;No)、ステップS905やS907、S908の設定に基づいて、演出動作制御を行って(ステップS909)、大当り中演出処理を終了する。
また、ステップS901にて大当り終了指定コマンドを受信したと判定された場合(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU101は、大当り中演出終了設定を行った後(ステップS921)、演出プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“6”に更新して(ステップS922)、大当り中演出処理を終了する。
次に、連続大当り状態発生演出の実行タイミングについて図36を参照して説明する。なお、図36に示す大当り遊技状態の発生タイミングや時短信号の出力タイミング、情報表示器における連続大当り状態であることを示す情報及び連続大当り状態が終了したことを示す情報の表示タイミングなどは、図30に示すタイミングと同じであるものとする。
図36に示すように、時短状態中に大当り遊技状態bに制御された場合、大当り中の演出として連続大当り状態発生演出が実行される。この連続大当り状態発生演出では、「連続2回」といった画像が演出表示装置9の画面上に表示される。また、特定期間内に(例えば、図36に示すように時短状態の終了後、第2特図についての可変表示が2変動終了したときに)大当り遊技状態cに制御された場合、大当り中の演出として連続大当り状態発生演出が実行される。この連続大当り状態発生演出では、「特別!!連続3回」といった画像が演出表示装置9の画面上に表示される。なお、連続大当り状態発生演出が実行される大当り遊技状態中は、時短信号が出力されている状態(オン状態)となっている。図36に示す例では、大当り遊技状態cに制御されたときに、「特別!!連続3回」といった特殊な表示態様の画像が表示されたので、大当り遊技状態c中の連続大当り状態発生演出として特殊演出が実行されたことになる。
図37は、図31に示された演出制御メイン処理における第4図柄プロセス処理(ステップS710)を示すフローチャートである。第4図柄プロセス処理では、まず、磁気異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS7101)。磁気異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、磁気異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行うことを示す磁気異常報知フラグをセットする(ステップS7102)。
また、磁気異常報知指定コマンドを受信していなければ(ステップS7101のN)、演出制御用CPU101は、電波異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS7103)。電波異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、電波異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、電波異常報知を行うことを示す電波異常報知フラグをセットする(ステップS7104)。
ステップS7102またはステップS7104で、磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグをセットすると、演出制御用CPU101は、第4図柄表示器19a,19bを消灯状態に制御する(ステップS7105)。その後、第4図柄プロセス処理を終了する。
磁気異常報知指定コマンドおよび電波異常報知指定コマンドを受信していなければ(ステップS7103のN)、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値に応じてステップS7106〜S7108のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
なお、第4図柄の変動表示を行う処理をプロセス処理として構成するのではなく、第4図柄の変動表示用の表示制御データを第4図柄表示制御データ設定用の出力バッファに順次設定していく第4図柄表示制御処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示用の表示制御データの更新を開始することによって第4図柄の変動表示を開始するようにし、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の停止図柄表示用の表示制御データを出力バッファに設定し停止図柄を停止表示するようにしてもよい。そして、次の図柄変動指定コマンドを受信するまで継続して停止図柄を停止表示させるようにしてもよい。
第4図柄変動開始処理(ステップS7106)では、特別図柄の変動開始時に主基板31から送信される変動開始コマンドを受信した場合に、第4図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動中処理(ステップS7107)に対応した値に更新する。
第4図柄変動中処理(ステップS7107)では、第4図柄の変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御する。すなわち、演出制御用CPU101は、第4図柄を変動状態(本例では点滅状態)に表示制御する。そして、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信した場合に、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動停止処理(ステップS7108)に対応した値に更新する。
第4図柄変動停止処理(ステップS7108)では、第4図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU101は、第4図柄を停止状態(本例では消灯状態)に表示制御する。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動開始処理(ステップS7106)に対応した値に更新する。なお、第4図柄変動停止処理では、次回の変動が開始されるまで、表示結果(停止図柄)の表示を継続させるように構成されていてもよいし、表示結果に応じた表示態様に変化させて(例えば、はずれ用の表示態様や大当り用の表示態様に変化させて)表示を継続させるように構成されていてもよい。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、第4図柄表示器19a,19b(またはこれに相当する表示)が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ステップS7105の処理を行うことによって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されたときに、第4図柄表示器19a,19bを消灯状態に制御するように構成されている。つまり、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、第4図柄表示器19a,19bにおいて検出前まで表示されていた第4図柄が非表示となる。このように、第4図柄表示器19a,19bを、センサ異常(磁気異常または電波異常)検出前と明らかに異なる表示態様(非表示)とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が発生したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
図38は、図31に示された演出制御メイン処理における異常報知処理(ステップS711)を示すフローチャートである。異常報知処理において、演出制御用CPU101は、まず、磁気異常報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3001)。磁気異常報知フラグがセットされていれば(すなわち、磁気異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、磁気異常報知画面を表示する(ステップS3002)。図39は、磁気異常報知画面の一例を示す説明図である。図39に示す例では、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 磁気異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる磁気異常報知画面が表示されている。この実施の形態では、図39に示すように、磁気異常報知画面が表示されているときには、演出図柄の変動等の演出は表示されない。
また、磁気異常報知フラグがセットされていなければ(ステップS3001のN)、演出制御用CPU101は、電波異常報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3003)。電波異常報知フラグがセットされていれば(すなわち、電波異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、電波異常報知画面を表示する(ステップS3004)。例えば、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 電波異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる電波異常報知画面が表示される。磁気異常報知画面が表示されているときと同様に、電波異常報知画面が表示されているときにも、演出図柄の変動等の演出は表示されない。磁気異常報知フラグおよび電波異常報知フラグがセットされていなければ(ステップS3003のN)、異常報知処理を終了する。
ステップS3002またはステップS3004で、磁気異常報知画面または電波異常報知画面を表示すると、演出制御用CPU101は、異常報知用LED80Aを点灯させてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したことを報知する(ステップS3005)。
次いで、演出制御用CPU101は、装飾用ランプを点滅させる制御を行う(ステップS3006)。例えば、演出制御用CPU101は、各ランプ25,28a,28b,28cを所定の報知パターンで点滅させることによって異常報知を行う。その後、異常報知処理を終了する。
なお、この実施の形態では、異常報知の具体例として異常報知画面(本例では、磁気異常報知画面または電波異常報知画面)を表示するとともに装飾用ランプを点滅する場合を示したが、異常報知の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、異常報知画面の表示または装飾用ランプの点滅のいずれか一方のみを実行することによって異常報知を実行するものであってもよい。また、例えば、報知音を音出力することによって異常報知を実行するものであってもよく、さらに、異常報知画面の表示、装飾用ランプの点滅、および報知音の音出力の全てまたはいずれか2つを組み合わせて実行することによって、異常報知を実行するものであってもよい。また、装飾用ランプを所定の報知パターンで点滅させるものに限らず、所定の輝度で点灯させるものであってもよい。
また、この実施の形態では、センサ異常が発生したときにのみ異常報知画面を表示する等の異常報知を行うように構成されているが、これに限らず、例えば、異常入賞等の他の異常状態が発生したときにも、同様に異常報知を行うようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図30(A)に示すように、大当り遊技状態bが終了すると、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態に移行する。予め定められた所定回数の可変表示が実行されて時短状態が終了すると、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態に移行する。時短状態の終了時から、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまでの間の期間である特定期間内に(例えば、図30(A)に示すように時短状態の終了後、第2特図についての可変表示が2変動終了したときに)新たに大当り遊技状態cに制御された場合、時短信号の出力が継続される。大当り遊技状態cが終了すると、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態に移行する。このとき、ホールコンピュータに対して時短信号の出力は継続されている。予め定められた所定回数の可変表示が実行されて時短状態が終了すると、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態に移行する。時短状態の終了時から、特定期間が経過すると、時短信号の出力が停止される。このように、時短状態や時短中の大当り遊技状態に制御されている期間に時短信号を出力し、さらに、時短状態の終了時から特定期間が経過するまで、時短信号を出力する。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号の出力が停止された場合、連続大当り状態が終了したことを示す情報として、「連続大当り状態終了」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に所定期間表示させる。このように、特定期間内に大当り遊技状態に制御される場合、当該大当り遊技状態に制御されるよりも前に、連続大当り状態が終了したことを示す情報が情報表示器に表示されてしまうことがない。したがって、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図8や図27に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160を介して、時短信号や、大当り1信号などといった複数種類の信号がホールコンピュータに出力される。このように複数種類の信号がホールコンピュータに出力されることによって、ホールコンピュータは、複数の信号に基づいて、所定の情報を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に表示させることができる。したがって、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、停止手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ56によって実現される)は、異常検出手段(本例では、電波センサ61または磁石センサ62によって実現される)によって異常状態(本例では、センサ異常(電波異常または磁気異常))が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止する(例えば、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)をスキップする)。また、外部出力手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56によって実現される)は、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、ホールコンピュータ等の外部装置にセキュリティ信号を送信する。このように異常状態が検出されたことにもとづいて、ホールコンピュータ等の外部装置にセキュリティ信号が送信されるので、遊技機の状況を外部から認識することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図36に示すように、時短状態中に大当り遊技状態bに制御された場合、大当り中の演出として連続大当り状態発生演出が実行される。この連続大当り状態発生演出では、「連続2回」といった画像が演出表示装置9の画面上に表示される。また、特定期間内に(例えば、図36に示すように時短状態の終了後、第2特図についての可変表示が2変動終了したときに)大当り遊技状態cに制御された場合、大当り中の演出として連続大当り状態発生演出が実行される。この連続大当り状態発生演出では、「特別!!連続3回」といった画像が演出表示装置9の画面上に表示される。このように特定期間内に制御される大当り遊技状態に対応して、特殊な表示態様の画像を表示する連続大当り状態発生演出である特殊演出を実行でき、遊技者に特別感を与えて興趣を向上することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図16(A),(B)に示す第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部といった特図保留記憶部を備えており、特定期間は、例えば、時短状態の終了時から、当該時短状態の終了時に第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間などとなっている。これにより時短状態の終了時に記憶されている保留記憶が消化されるまでに大当り遊技状態に制御される場合に、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1保留記憶を記憶する第1特図保留記憶部と、第2保留記憶を記憶する第2特図保留記憶部と、を備え、ステップS301にてYesのときに、ステップS305の処理を実行するといったように、第1保留記憶と第2保留記憶とが共に記憶されているときに、特別図柄表示器8bにおける可変表示を特別図柄表示器8aにおける可変表示よりも優先して実行する。また、図19(B)に示すように、第1特図の可変表示結果が「大当り」となるときよりも、第2特図の表示結果が「大当り」となるときの方が、大当り種別として「確変」に決定されやすくなっている。そして、特定期間は、図30(A)に示すように、時短状態の終了時から、当該時短状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間となっている。これにより時短状態の終了時に記憶されている保留記憶のうち、第1特図の可変表示よりも遊技者にとっての有利度が高い第2特図の可変表示に対応する保留記憶が消化されるまでに大当り遊技状態に制御される場合に、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(変形例)
上記実施の形態では、図24に示す大当り終了処理におけるステップS323にて時短フラグをオン状態とすることにより、大当り遊技状態後には必ず時短状態に移行するようにした。しかし、大当り遊技状態後に時短状態に移行しない場合を含んでもよい。この場合には、特定期間を、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する可変表示が全て終了するまでの間の期間としてもよい。また、特定期間を、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間や、大当り遊技状態の終了時から、第1特図保留記憶部あるいは第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶、または、第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示のうち、所定回数(例えば、4回など)の可変表示が終了するまでの間の期間、大当り遊技状態の終了時から所定時間(例えば、2分間など)経過するまでの間の期間、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了後に最初に実行されるデモ画面表示(客待ちモードや客待ちデモなどともいう。)が開始されるときまでの間の期間などとしてもよい。
図40は、特定期間を、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する可変表示が全て終了するまでの間の期間としたときの、時短信号の出力タイミングを示す。なお、図40に示す例では、大当り遊技状態aが終了した後には時短状態に移行し、大当り遊技状態b、cが終了した後には時短状態に移行しないものとして説明する。
図40に示すように、大当り遊技状態aが終了するときには時短フラグがオフ状態からオン状態となり、パチンコ遊技機1における遊技状態として時短状態に移行する。このとき、ホールコンピュータに対して時短信号の出力が開始される。時短状態中に新たに大当り遊技状態bに制御されるときには、時短フラグがオン状態からオフ状態となる。このとき、ホールコンピュータに対して大当り1信号が出力される。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号が出力されている状態において大当り1信号が出力された場合、連続して大当り遊技状態に制御されている状態(連続大当り状態)であることを示す情報として、「連続大当り状態」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に表示させる。そして、大当り遊技状態bが終了するときには時短フラグがオン状態とならずにオフ状態のままとなり、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)に移行する。
図40に示す例では、大当り遊技状態bの終了時には第2特図についての可変表示が4変動分保留されているものとする。したがって、大当り遊技状態bの終了時から、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまでの間の期間が特定期間となっている。なお、大当り遊技状態bの終了時に第2特図についての可変表示が1、2または3変動分保留されている場合は、特定期間は、大当り遊技状態bの終了時から、第2特図についての可変表示が1、2または3変動分終了するまでの間の期間となる。また、大当り遊技状態bの終了時に第2特図についての可変表示が1つも保留されていない場合は、特定期間は無いこととなる。
特定期間内に(例えば、図40に示すように大当り遊技状態bの終了後、第2特図についての可変表示が2変動終了したときに)新たに大当り遊技状態cに制御された場合、時短フラグはオフ状態のまま維持され、また、時短信号の出力が継続される。情報表示器では、連続大当り状態であることを示す情報の表示が継続される。そして、大当り遊技状態cが終了するときには時短フラグがオン状態とならずにオフ状態のままとなり、パチンコ遊技機1における遊技状態として通常状態または確変状態に移行する。
大当り遊技状態cの終了時から、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまでの間の期間である特定期間が経過すると、時短信号の出力が停止される。このように、この変形例では、時短状態や時短中の大当り遊技状態に制御されている期間に時短信号を出力し、さらに、大当り遊技状態の終了時から特定期間が経過するまで(上記の例では、第2特図についての可変表示が4変動分終了するまで)、時短信号を出力するようになっている。
ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1から時短信号の出力が停止された場合、連続大当り状態が終了したことを示す情報として、「連続大当り状態終了」といった画像を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に所定期間表示させる。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、特定期間内に大当り遊技状態に制御される場合、当該大当り遊技状態に制御されるよりも前に、連続大当り状態が終了したことを示す情報が情報表示器に表示されてしまうことがない。したがって、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
また、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、図8や図27に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160を介して、時短信号や、大当り1信号などといった複数種類の信号がホールコンピュータに出力される。このように複数種類の信号がホールコンピュータに出力されることによって、ホールコンピュータは、複数の信号に基づいて、所定の情報を情報表示器である呼び出しランプ610の表示部に表示させることができる。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、図16(A),(B)に示す第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部といった特図保留記憶部を備えており、特定期間は、例えば、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間などとなっている。これにより大当り遊技状態の終了時に記憶されている保留記憶が消化されるまでに大当り遊技状態に制御される場合に、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
なお、上記変形例に係るパチンコ遊技機1において、第1保留記憶を記憶する第1特図保留記憶部と、第2保留記憶を記憶する第2特図保留記憶部と、を備え、ステップS301にてYesのときに、ステップS305の処理を実行するといったように、第1保留記憶と第2保留記憶とが共に記憶されているときに、特別図柄表示器8bにおける可変表示を特別図柄表示器8aにおける可変表示よりも優先して実行するようにしてもよい。また、図19(B)に示すように、第1特図の可変表示結果が「大当り」となるときよりも、第2特図の表示結果が「大当り」となるときの方が、大当り種別として「確変」に決定されやすくしてもよい。そして、特定期間は、図40に示すように、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間としてもよい。これにより大当り遊技状態の終了時に記憶されている保留記憶のうち、第1特図の可変表示よりも遊技者にとっての有利度が高い第2特図の可変表示に対応する保留記憶が消化されるまでに大当り遊技状態に制御される場合に、情報表示器などにおいて報知されうる内容と遊技者の認識との間のズレを抑制することができる。
なお、大当り遊技状態後に必ず時短状態に移行するような場合(上記実施の形態に示すような場合)であっても、特定期間を、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する可変表示が全て終了するまでの間の期間や、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了時に第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示が終了するまでの間の期間、大当り遊技状態の終了時から、第1特図保留記憶部あるいは第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶、または、第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶に対応する全ての可変表示のうち、所定回数(例えば、4回など)の可変表示が終了するまでの間の期間、大当り遊技状態の終了時から所定時間(例えば、2分間など)経過するまでの間の期間、大当り遊技状態の終了時から、当該大当り遊技状態の終了後に最初に実行されるデモ画面表示が開始されるときまでの間の期間などとしてもよい。
上記実施の形態では、特別状態を時短状態とし、特別状態に関する特別信号を時短信号として説明した。しかし、特別状態は時短状態に限定されず、また特別信号は時短信号に限定されない。確変状態が、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了するような場合には、例えば、特別状態を確変状態とし、特別信号を確変信号としてもよい。確変信号は、ターミナル基板160の所定のコネクタを介してホールコンピュータなどの外部装置に対して出力されればよい。この場合の確変信号の出力タイミングは、図30(A)などに示す時短信号の出力タイミングと同様のタイミングであればよい。このように、確変状態に関する信号にも、図30(A)などの時短信号の出力パターンを適用することができる。なお、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、確変状態が終了するような場合でも、特別状態を確変状態とし、特別信号を確変信号としてもよい。この場合の確変信号の出力タイミングは、図40に示す時短信号の出力タイミングと同様のタイミングであればよい。
上記実施の形態では、ホールコンピュータに対して出力する時短信号として、図30(A)に示す時短信号を出力した。しかしながら、この時短信号に代えて、大当り2信号の出力タイミングを図30(A)に示す時短信号の出力タイミングとしてもよい。この場合、時短信号については、図30(B)に示す時短状態であるか否か(時短フラグのオン・オフ状態)に合わせて時短信号を出力するものとしてもよい。他方で、図30(B)に示す時短信号としての第1時短信号と、図30(A)に示す時短信号としての第2時短信号とを出力可能な構成としてもよい。
上記実施の形態では、特殊演出を、「特別!!連続2回」や「特別!!連続3回」などといった特殊な表示態様の画像を表示する連続大当り状態発生演出としたが、特殊演出は上記のような連続大当り状態発生演出に限定されない。例えば、特殊演出は、「連続2回」や「連続3回」などといった表示態様の画像を表示するとともに、「特別大当り」といった画像を別途表示したり、「特別大当り」といった音声をスピーカ27から出力したり、通常態様での連続大当り状態発生演出を実行するときには点灯や点滅をさせない装飾用ランプを点灯や点滅させたり、特別な映像を再生したりする演出であってもよい。このような特殊演出を実行しても、遊技者に特別感を与えて興趣を向上することができる。
上記実施の形態では、連続大当り状態発生演出において、「連続2回」や「連続3回」、「特別!!連続2回」、「特別!!連続3回」などといった表示態様の画像を表示した。なお、連続大当り状態発生演出において、上記画像とともに、初当りである大当り遊技状態からの出玉数(払い出された賞球数)が表示されてもよい。
また、連続大当り状態発生演出の実行回数に応じて、連続大当り状態発生演出の演出態様が異なっていてもよい。例えば、連続大当り状態発生演出が9回実行された場合、連続大当り状態発生演出において、「10連荘達成」などといった大当りの連続回数(連続回数)を示す表示態様の画像が表示されたり、他の大当り中に再生される映像とは異なる特別な映像が再生されたりしてもよい。
上記実施の形態では、時短信号の出力を停止するタイミングを、時短フラグがオフ状態となるタイミングよりも遅くする遅延処理として、ステップS206a、S206bの処理を実行し、高ベース中保留フラグがオン状態となっている保留記憶があるうちは、時短信号の出力を延長(継続)させた。なお、時短信号の出力を延長する方法は、上記高ベース中保留フラグを用いる方法に限定されない。例えば、時短状態の終了時に第2特図の可変表示についての保留数(第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶の数)を確認し、当該保留数に対応する値をカウント値として信号延長カウンタにセットする。そして、第2特図の可変表示が実行される毎に信号延長カウンタのカウント値を1減算していき、信号延長カウンタのカウント値がゼロとなるまで、時短信号の出力を延長してもよい。なお、高ベース中保留フラグや信号延長カウンタなどを用いずに、単純に第2特図の可変表示が所定回数(例えば、4回)実行されるまで、時短信号の出力を延長してもよい。
上記実施の形態では、図19(B)に示すように、変動特図が第2特図の場合、第1特図の場合と比べて高い割合で、大当り種別としての「確変」に決定されるように設定し、第1特図の可変表示結果が「大当り」となるときよりも、第2特図の表示結果が「大当り」となるときの方が、大当り種別として「確変」に決定されやすく、遊技者にとっての有利度が高くなるようにした。なお、「遊技者にとっての有利度が高い」には、大当り種別として「確変」に決定されやすいことに限らず、その他のことも含まれる。以下、「遊技者にとっての有利度が高い」に含まれるその他の例について説明する。
例えば、大当り種別として確変大当り(「確変」)と決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御されるパチンコ遊技機とは異なり、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機がある。このようなパチンコ遊技機には、確変領域が、例えば遊技球が通過可能な開放状態と遊技球が通過不可能な閉鎖状態とに切り替わるようになっているものがある。このようなパチンコ遊技機である場合に、第1特別図柄の可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるときよりも、第2特別図柄の可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるときの方が、確変領域の開放状態となる割合を多くすることにより、確変継続率を異ならせればよい。このように確変継続率が異なることによって、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が、遊技者にとっての有利度が高くなればよい。
例えば、時短終了条件(時短状態の終了条件)と確変終了条件(確変状態の終了条件)とが同じであり、例えば最大50回の可変表示が実行されたことによって、時短終了条件と確変終了条件とが成立するように制御される(時短状態と確変状態とが同時に終了する)パチンコ遊技機がある。なお、確変状態および時短状態である状態は、特別状態やスペシャルタイム状態、ST状態、あるいは、単にスペシャルタイム、STともいう。このようなパチンコ遊技機には、第1特図の可変表示と第2特図の可変表示とが同時に可変表示するものがある。このようなパチンコ遊技機である場合に、第1特別図柄に関する出玉数(払い出される賞球数)よりも第2特別図柄に関する出玉数の方を多くすることにより、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が、遊技者にとっての有利度が高くなればよい。
例えば、上記実施の形態と同様に、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されることによって、確変終了条件が成立するように制御されるパチンコ遊技機がある。このようなパチンコ遊技機である場合に、第1特別図柄に関する出玉数よりも第2特別図柄に関する出玉数の方を多くすることにより、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が、遊技者にとっての有利度が高くなればよい。
例えば、大当り遊技状態の終了後に特図ゲーム(特別図柄の可変表示)が開始されるごとに確変転落抽選が実行されるパチンコ遊技機がある。このようなパチンコ遊技機では、確変転落抽選において「確変転落あり」の決定がなされたときには、確変制御を終了させ、また、確変転落抽選において「確変転落なし」の決定がなされたときには、確変制御を終了させない。このようなパチンコ遊技機である場合に、第1特別図柄の可変表示が開始されるときだけ確変転落抽選が実行されるようにし、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには確変転落抽選が実行されないようにして、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が、遊技者にとっての有利度が高くなればよい。
すればよい。
また、上記確変転落抽選が実行されるパチンコ遊技機である場合に、第1特別図柄の可変表示が開始されるときの確変転落抽選において「確変転落あり」に当選する割合が、第2特別図柄の可変表示が開始されるときの確変転落抽選において「確変転落あり」に当選する割合よりも高ければよい。このように、第1特別図柄の可変表示の方が「確変転落あり」に当選しやすくすることにより、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が、遊技者にとっての有利度が高くなればよい。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、未だ開始されていない可変表示について、保留記憶として記憶可能な保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部といった特図保留記憶部など)と、保留記憶手段に記憶されている保留記憶の各々に対応して所定の表示態様で保留表示を表示する保留表示手段(例えば、特別図柄保留記憶表示器18a,18b、または、演出制御用マイクロコンピュータ100側で制御される演出表示装置9の表示画面の所定領域、もしくはLED等の演出装置でもよい)とを備えるように構成されている。このような構成によれば、保留記憶の状況を認識することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技機への電力供給が停止されるときに遊技停止状態を解除する遊技停止状態解除手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS470aを実行する部分)を備え、外部出力手段は、遊技機への電力供給が停止されるまでセキュリティ信号を出力する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS470a,S1001〜S1003を実行する部分)ように構成されている。このような構成によれば、遊技機の状況を外部から認識することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、所定のメイン処理を繰り返し実行するメイン処理実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1〜S19,S91,S92を実行する部分)と、タイマ割込を所定時間毎に発生させるための設定を行うタイマ割込設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS16を実行する部分)と、タイマ割込が発生したことにもとづいて、メイン処理の実行を中断してタイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS20a〜S41を実行する部分)とを含み、停止手段は、タイマ割込処理実行手段によるタイマ割込処理の少なくとも一部の処理を実行しないことにより遊技停止状態に制御する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS20b,S24bを実行する部分)ように構成されている。このような構成によれば、遊技に関する制御の停止を容易に実現することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、可変表示を行う可変表示手段(例えば、特別図柄表示器8a,8b)と、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、異常報知を行う異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS40,S265を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3002,S3004,S3005,S3006を実行する部分)とを備え、可変表示手段は、異常報知手段によって異常報知が行われているときに、可変表示の表示態様を特定態様に変化させる(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS266を実行する部分)ように構成されている。このような構成によれば、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、異常報知を行う異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS40,S265を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3002,S3004,S3005,S3006を実行する部分)とを備え、保留表示手段は、異常報知手段によって異常報知が行われているときに、保留表示の表示態様を特定態様に変化させる(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS267を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、可変表示を行う可変表示手段(例えば、特別図柄表示器8a,8b)と、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、異常報知を行う異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS40,S265を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3002,S3004,S3005,S3006を実行する部分)と、可変表示手段における可変表示の状態を特定可能な状態表示を表示する状態表示手段(例えば、第4図柄表示器19a,19b)とを備え、状態表示手段は、異常報知手段によって異常報知が行われているときに、状態表示の表示態様を特定態様に変化させる(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS7105を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
上記実施の形態では、異常報知手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ56または演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される)は、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、異常報知を行う(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560による異常報知用LED31Aの点灯制御や、演出制御用マイクロコンピュータ100による異常報知用LED80Aの点灯制御、異常報知画面の表示制御など)。そして、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8a,8bによって実現される)における識別情報(本例では第1特別図柄,第2特別図柄)の表示態様を特定態様に変化させる。図39に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、特別図柄表示器8a,8bは消灯状態に制御される。
また、上記実施の形態では、開始されていない識別情報の可変表示の数を特定可能な保留表示を表示する保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18a,18bによって実現される)を備え、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、保留表示手段における保留表示の表示態様を特定態様に変化させる。図39に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、特別図柄保留記憶表示器18a,18bは消灯状態に制御される。
また、上記実施の形態では、可変表示手段における識別情報の可変表示の状態を特定可能な状態表示(本例では、第4図柄)を表示する状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19bによって実現される)を備え、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、状態表示手段における状態表示の表示態様を特定態様に変化させる。図39に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、第4図柄表示器19a,19bは消灯状態に制御される。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、可変表示手段、保留表示手段または状態表示手段が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、上記実施の形態では、異常状態が検出されたときには、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段における識別情報、保留表示および状態表示の表示態様を特定態様に変化させるように構成されている。このように、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段における識別情報、保留表示および状態表示を、異常状態を検出する前と異なる表示態様とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、異常報知を検出したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
また、上記実施の形態では、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報を非表示とし、保留表示手段における保留表示を非表示とし、状態表示手段における状態表示を非表示とするように構成されている。そのように構成されることによって、異常報知を検出したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができる。
また、上記実施の形態では、外部出力手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって実現される)は、停止手段によって遊技に関する制御が停止されているときに、遊技機の外部に所定の外部出力信号(本例ではセキュリティ信号)を出力するように構成されている。そのように構成されることによって、異常状態が検出されたことによって、遊技に関する制御を停止しているときでも、異常状態が検出されたことを外部に知らせることができる。
なお、この実施の形態では、異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報、保留表示手段における保留表示、および状態表示手段における状態表示の表示態様を特定態様に変化させる(本例では、消灯状態(非表示)に制御する)ように構成されているが、例えば、可変表示手段における識別情報、保留表示手段における保留表示、または状態表示手段における状態表示のいずれかのみの表示態様を特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよいし、いずれか2つを組み合わせて、いずれか2つの表示態様を特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよい。また、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段に限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される発光体がある場合には、それらの表示態様も特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよい。また、普通図柄表示器10における普通図柄、または演出表示装置9に表示される右打ち、左打ち等の遊技者に対する指示を特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよい。
また、上記実施の形態では、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報を非表示とし、保留表示手段における保留表示を非表示とし、状態表示手段における状態表示を非表示とするように構成されているが、例えば、識別情報、保留表示または状態表示を所定のパターンで点滅させるものであってもよい。ただし、遊技が正常に行われているとき(非異常状態)にも、それらが点滅するように構成されている場合には、正常ではないことを認識させるように、正常時とは異なるパターンで点滅させることが望ましい。
また、上記実施の形態では、保留表示は、保留表示手段(本例では特別図柄保留記憶表示器18a,18b)において表示されているが、これに限らず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で制御される演出表示装置9の表示画面の所定領域またはLED等の演出装置において表示されるような構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、演出表示装置9等の演出装置において保留表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常報知指定コマンドや電波異常報知指定コマンドを受信したときに、演出表示装置9等の演出装置において保留表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるように制御することによって実現可能である。
また、上記実施の形態では、状態表示(本例では第4図柄)は、状態表示手段(本例では第4図柄表示器19a、19b)において表示されているが、これに限らず、例えば、演出表示装置9の表示画面の所定領域において表示されるような構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、演出表示装置9において保留表示や状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。
また、上記実施の形態では、状態表示手段(本例では第4図柄表示器19a,19b)は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御されているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、センサ異常報知処理において、センサ異常が検出されたときに、状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるように制御することによって実現可能である。
また、上記実施の形態では、異常状態として、センサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したときに、異常報知を行うとともに、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるように構成されているが、例えば、大入賞口(または第2始動入賞口)への異常入賞や異常賞球などの他の異常状態が発生したときにも、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるようにしてもよい。異常賞球とは、払出制御用マイクロコンピュータ370側で異常な払出(過剰な払出や払出不足)の検出数を累積的に管理し、その累積値が所定の払出個数異常エラー判定値(例えば2000)以上であるかによって判断される異常である。異常な払出を検出したとき直ぐに異常と判断せずに上記のような判断をすることにより、誤作動等によるものではなく何らかの不正行為により払出動作が行われている可能性が極めて高いと考えられる場合に異常状態と判断し、必要以上に異常状態と判断されることを抑制している。また、異常状態には、パチンコ遊技機1で発生するものに限らず、隣接して設置されているカードユニットでエラーが発生している状態や、パチンコ遊技機1とカードユニットとの通信において通信エラーが発生している状態が含まれていてもよい。例えば、パチンコ遊技機1とカードユニットとの間で通信エラーが発生したときに、遊技に関する制御の停止や異常報知を行うとともに、特別図柄や保留表示、第4図柄の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにしてもよい。
また、2つの始動口と、2つの始動口に交互に入賞させる振分装置とを備えた場合に、いずれか一方の始動口に連続して所定数以上入賞した場合に遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるようにしてもよい。また、特別図柄表示器8a,8bに大当り図柄が停止表示されたときに開放されラウンド抽選を行うための複数の入賞口を有するゲートを備えている場合、そのゲートにおける異常入賞、動作異常、またはゲート開放時の振動検出等が発生した場合に、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるようにしてもよい。
また、上記のような複数種類の異常状態のうち、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させる異常状態を遊技店員が設定可能とするために、押しボタン等の設定手段を備えていてもよい。
また、上記実施の形態では、異常状態が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止するために、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理をスキップ(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理などを行わずに制御を停止する)しているが、これらの全ての制御を停止するものではなく、一部の制御のみを停止するものであってもよい。例えば、異常状態が検出されたときには、タイマ割込処理において、停止する制御をスキップする(例えば、賞球を停止する場合には、賞球処理(ステップS32)をスキップする)ように構成することで実現できる。また、この実施の形態では、異常状態が検出されたときに、遊技に関する制御を停止する一方で、セキュリティ信号の外部出力を行っているが、セキュリティ信号の外部出力も停止するようにしてもよい。例えば、異常状態が検出されたときには、タイマ割込処理において、情報出力処理(ステップS40)もスキップするように構成することで実現できる。
また、上記実施の形態では、異常状態が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止するために、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理をスキップ(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理などを行わずに制御を停止する)しているが、例えば、CPU56の動作を停止状態(HALT)へ移行させることによって、遊技に関する制御を停止するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8a,8b)、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18a,18b)および状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19b)は、異常状態が検出されていない通常状態であっても、例えば、特別図柄の可変表示が行われていないときや、保留記憶がない場合等には、消灯状態に制御されることがあるが、これに限らず、常に点灯状態に制御されるものであってもよい。例えば、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8a,8b)または状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19b)において、特別図柄の可変表示が行われていないときには点灯状態に制御され、特別図柄の可変表示が行われているときには所定パターンにもとづく点滅状態に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8a,8b)または状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19b)を、所定パターンとは異なる点滅状態に制御するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示が行われていないときの点灯状態(例えば、白色で点灯)とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、特別図柄の可変表示が行われていないときとは異なる色で所定パターンとは異なる点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、例えば、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18a,18b)において、保留記憶がない場合には第1点灯状態(例えば白色で点灯)に制御され、保留記憶が増えると第2点灯状態(例えば青色で点灯)に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18a,18b)を点滅状態に制御するようにしてもよいし、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、例えば、状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19b)において、特別図柄の可変表示が行われていないときには第1点灯状態(例えば白色で点灯)に制御され、特別図柄の可変表示が行われているときには第2点灯状態(例えば青色で点灯)に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、状態表示手段(本例では、第4図柄表示器19a,19b)を点滅状態に制御するようにしてもよいし、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、センサ異常が検出されたときに、異常報知処理が実行されることによって、例えば、図39に示すように、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 磁気異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる磁気異常報知画面が表示される場合について説明したが、異常報知の方法はこれに限られない。例えば、センサ異常が検出されたときに、演出表示装置9において、表示中の画像に対して異常状態が発生した旨を示す画像が重畳表示されるようにしてもよい。なお、センサ異常が検出され、異常報知が行われているときにも表示中の画像が残される場合(すなわち画像が表示され続ける場合)には、演出図柄の表示態様を通常態様とは異なる特定態様(例えば、非表示や点滅状態など)に変化させるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「0」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。