JP2016157747A - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート電極に正の高い電圧が印加されたときでも高速動作が可能な化合物半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板101と、基板101上方のバッファ層103と、バッファ層103上方のチャネル層104と、チャネル層104上方のバリア層107と、チャネル層104上方のゲート電極123、ソース電極121及びドレイン電極122と、が含まれる。チャネル層104の量子井戸がバッファ層103側の第1の面においてバリア層107側の第2の面よりも深い。
【選択図】図3

Description

本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
ミリ波帯(30GHz〜300GHz)及びサブミリ波帯(300GHz〜3THz)領域で動作可能な通信用超高速トランジスタの一つに高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)がある。HEMTの高速化は、例えばゲート長の短縮により達成される。ゲート長の短縮は、閾値電圧の負方向シフト、相互コンダクタンスの減少、遮断周波数の減少及びドレインコンダクタンスの増大等の短チャネル効果を引き起こすが、短チャネル効果は、バリア層及びチャネル層の総厚を小さくすることで抑制できる。
しかしながら、バリア層及びチャネル層の総厚が小さくなると、ゲート電極に正の高い電圧を印加したときに、チャネル層中に形成される量子準位のうち、基底準位と第一励起準位との間のエネルギー差が小さくなる。この結果、サブバンド間散乱の頻度が高くなり、HEMTの高速化が妨げられてしまう。
特開平05−315365号公報 特開2002−176169号公報
S.-J. Yeon et al., IEDM Tech. Dig., p. 613 (2007) E.-Y. Chang et al., Appl. Phys. Express, vol.6, 034001 (2013)
本発明の目的は、ゲート電極に正の高い電圧が印加されたときでも高速動作が可能な化合物半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
化合物半導体装置の一態様には、基板と、前記基板上方のバッファ層と、前記バッファ層上方のチャネル層と、前記チャネル層上方のバリア層と、前記チャネル層上方のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、が含まれる。前記チャネル層の量子井戸が前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深い。
化合物半導体装置の製造方法の一態様では、基板上方にバッファ層を形成し、前記バッファ層上方にチャネル層を形成し、前記チャネル層上方にバリア層を形成し、前記チャネル層上方にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する。前記チャネル層の量子井戸を前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深くする。
上記の化合物半導体装置等によれば、適切なチャネル層が含まれるため、ゲート電極に正の高い電圧が印加されたときでも高速動作を行うことができる。
参考例に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 図1の参考例におけるバッファ層、チャネル層及びバリア層の伝導帯のエネルギーを示す図である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の構成を示す断面図である。 第1の実施形態におけるバッファ層、チャネル層及びバリア層の伝導帯のエネルギーを示す図である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の構造を示す断面図である。 ゲート電極に正の電圧が印加されている時の伝導帯のエネルギーを示す図である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図7Aに引き続き、化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図7Bに引き続き、化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図7Cに引き続き、化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図7Dに引き続き、化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図7Eに引き続き、化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置の構造を示す断面図である。 電界強度と差ΔEとの関係を示す図である。
本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。この結果、バリア層及びチャネル層の総厚が小さくなると、チャネル層内の電界が強くなり、HEMTに印加されたバイアス、特にドレイン電圧又は熱により、電子が基底準位から励起準位へ遷移しやすくなることが判明した。このような遷移はサブバンド間遷移とよばれ、サブバンド間遷移が起こると、励起準位に遷移した電子の速度が減少し、真性遅延時間が増大してHEMTの高速化が妨げられる。
ここで、参考例を用いてサブバンド間遷移について説明する。図1は、参考例に係る化合物半導体装置600を示す断面図である。
参考例に係る化合物半導体装置600には、図1に示すように、基板601上のバッファ層603、チャネル層604及びバリア層607が含まれる。基板601はInP基板、バッファ層603はIn0.52Al0.48As層、チャネル層604はIn0.53Ga0.47As層、バリア層607はIn0.52Al0.48As層である。化合物半導体装置600には、バリア層607上のソース電極621、ドレイン電極622及びゲート電極623も含まれる。
図2は、バッファ層603、チャネル層604及びバリア層607の伝導帯のエネルギーを示す図である。化合物半導体装置600では、バッファ層603及びバリア層607の伝導帯のエネルギーが平坦であると仮定すると、図2(a)のように、チャネル層604の伝導帯のエネルギーも平坦である。そして、ゲート電極623に正の電圧が印加されると、図2(b)に示すように、バッファ層603及びバリア層607の伝導帯のエネルギーが傾斜する。この結果、チャネル層604のバリア層607側の伝導帯のエネルギーがバッファ層603の伝導帯のエネルギーに対して相対的に下がり、チャネル層604の伝導帯のエネルギーも同程度に傾斜する。つまり、チャネル層604のバリア層607側の面(上面)における伝導帯のエネルギーが、バッファ層603側の面(下面)における伝導帯のエネルギーよりも低くなり、三角ポテンシャルが形成される。
一般に、チャネル層の量子井戸の伝導帯のエネルギーの変化の割合が大きいほど、その基底準位E0が高い。このため、図2(b)に示すように、量子井戸の伝導帯のエネルギーの変化の割合が大きいほど、基底準位E0と第一励起準位E1との差ΔE(=E1−E0)が小さく、ドレイン電圧の印加や熱により、基底準位E0に存在していた電子が第一励起準位E1に遷移しやすい。第一励起準位E1に遷移した電子の運動エネルギーは差ΔEの分だけ減少するため、電子の速度が低下してしまう。本願発明者は、このような知見に基づき、サブバンド間遷移を抑制できる構成について鋭意検討を重ねた結果、以下の実施形態に想到した。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、HEMTの一例である。図3は、第1の実施形態に係る化合物半導体装置の構成を示す断面図である。
第1の実施形態に係る化合物半導体装置100には、図3に示すように、基板101上のバッファ層103、チャネル層104及びバリア層107が含まれる。チャネル層104、バリア層107は、それぞれ電子走行層、電子供給層でもある。化合物半導体装置100には、バリア層107上のソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123も含まれる。チャネル層104の量子井戸はバッファ層103側の面(下面)においてバリア層107側の面(上面)よりも深い。
図4は、バッファ層103、チャネル層104及びバリア層107の伝導帯のエネルギーを示す図である。化合物半導体装置100では、バッファ層103及びバリア層107の伝導帯のエネルギーが平坦であると仮定すると、図4(a)のように、チャネル層104の量子井戸がバッファ層103側の面(下面)においてバリア層107側の面(上面)よりも深い。つまり、下面における量子井戸の深さD1が上面における量子井戸の深さD2よりも大きい。本願において、チャネル層の上面又は下面における量子井戸の深さとは、当該面において隣接する層との間の伝導帯のエネルギーの差を示す。そして、ゲート電極123に正の電圧が印加されると、図4(b)に示すように、バッファ層103及びバリア層107の伝導帯のエネルギーが傾斜する。この結果、チャネル層104のバリア層107側の伝導帯のエネルギーがバッファ層103側の伝導帯のエネルギーに対して相対的に下がり、チャネル層104のバリア層107側の伝導帯のエネルギーがバッファ層103側の伝導帯のエネルギーに近づく。つまり、チャネル層104のバリア層107側の面(上面)における伝導帯のエネルギーとバッファ層103側の面(下面)における伝導帯のエネルギーとの相違が小さくなり、量子井戸が矩形ポテンシャルに近づく。
上記のように、一般に、チャネル層の量子井戸の伝導帯のエネルギーの変化の割合が大きいほど、その基底準位E0が高く、基底準位E0と第一励起準位E1との差ΔEが小さく、基底準位E0に存在していた電子が第一励起準位E1に遷移しやすい。本実施形態では、ゲート電極123に正の電圧が印加されると、量子井戸が矩形ポテンシャルに近づくため、チャネル層104の量子井戸の伝導帯のエネルギーの変化の割合が小さくなる。従って、差ΔEが参考例のものよりも大きく、電子のサブバンド間遷移及びこれに伴う運動エネルギーの低下が抑制され、電子の速度を高く維持することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、InP系HEMTの一例である。図5は、第2の実施形態に係る化合物半導体装置の構造を示す断面図である。
第2の実施形態に係る化合物半導体装置200には、図5に示すように、基板201上のバッファ層202、バッファ層203、チャネル層204、スペーサ層205、δドープ領域206及びバリア層207が含まれる。チャネル層204、バリア層207は、それぞれ電子走行層、電子供給層でもある。化合物半導体装置200には、更に、バリア層207上のエッチングストッパ層208、キャップ層209及びキャップ層210が含まれる。バッファ層202、バッファ層203、チャネル層204、スペーサ層205、δドープ領域206、バリア層207、エッチングストッパ層208、キャップ層209及びキャップ層210に素子分離領域220が形成されている。素子分離領域220により区画された素子領域内で、キャップ層210上にソース電極221及びドレイン電極222が形成されている。キャップ層210上には、平面視でソース電極221とドレイン電極222との間の絶縁膜224も形成されている。キャップ層209及びキャップ層210に、平面視でソース電極221とドレイン電極222との間の開口部245が形成されている。ソース電極221とドレイン電極222との間で、開口部245は絶縁膜224より小さく形成されており、絶縁膜224の一部とエッチングストッパ層208との間に空隙が存在する。絶縁膜224に、平面視で開口部245より内側の開口部244が形成されている。化合物半導体装置200には、エッチングストッパ層208に接し、開口部245及び開口部244を貫通し、開口部244より上方まで延びるゲート電極223が更に含まれる。例えば、ゲート電極223の断面形状はT字型である。絶縁膜224下に空隙が存在するため、平面視でゲート電極223はキャップ層209及びキャップ層210から離間されている。
例えば、基板201は表面のミラー指数が(100)の半絶縁性InP基板であり、バッファ層202は結晶品質を高めるための、厚さが30nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないIn0.53Ga0.47As層(i−InGaAs層)である。例えば、バッファ層203は厚さが200nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないIn0.52Al0.48As層(i−InAlAs層)である。例えば、チャネル層204は厚さが10nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないInxGa1-xAs層(i−InGaAs層)である。xの値(In組成)は、下面で0.80、上面で0.53であり、これらの間では上面に近づくほど連続的又は段階的に小さくなっている。従って、チャネル層204の量子井戸はバッファ層203側の面(下面)においてバリア層207側の面(上面)よりも深い。
例えば、スペーサ層205は厚さが3nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないIn0.52Al0.48As層(i−InAlAs層)である。δドープ領域206は、スペーサ層205の表面へのδドーピング(不純物のシート状のドーピング)により形成されている。例えば、不純物としてSiが用いられ、そのドーピング量は1×1013cm-2程度である。例えば、バリア層207は厚さが6nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないIn0.52Al0.48As層(i−InAlAs層)である。例えば、エッチングストッパ層208は厚さが3nm程度の意図的な不純物の導入が行われていないInP層(i−InP層)である。例えば、キャップ層209は厚さが20nm程度のn型のIn0.53Al0.47As層(n−InAlAs層)であり、キャップ層210は厚さが10nm程度のn型のIn0.70Al0.30As層(n−InAlAs層)である。例えば、不純物としてSiが用いられ、そのドーピング濃度は1×1019cm-3程度である。
例えば、ソース電極221、ドレイン電極222及びゲート電極223は、Ti膜、その上のPt膜及びその上のAu膜を含み、絶縁膜224は厚さが20nm程度のシリコン酸化膜である。
図6は、ゲート電極223に正の電圧が印加されている時のバッファ層203、チャネル層204、スペーサ層205、δドープ領域206、バリア層207、エッチングストッパ層208、キャップ層209の伝導帯のエネルギーを示す図である。図6(a)は第2の実施形態における伝導帯のエネルギーを示し、図6(b)は、チャネル層204に代えて組成が均一なIn0.53Ga0.47As層が設けられた参考例における伝導帯のエネルギーを示す。図6(a)に示すように、第2の実施形態では、チャネル層204の下面における量子井戸の深さD1が上面における量子井戸の深さD2よりも大きい。一方、図6(b)に示すように、参考例では、チャネル層の下面における量子井戸の深さD1が上面における量子井戸の深さD2と等しい。従って、第2の実施形態では、参考例と比較して、チャネル層204の量子井戸のエネルギーの傾斜が極めて緩やかであり、基底準位E0と第一励起準位E1との差ΔEが大きい。このことは、第2の実施形態では電子のサブバンド間遷移が生じにくく、電子の運動エネルギーの低下が抑制され、電子の速度を高く維持することができることを示す。
次に、第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法について説明する。図7A乃至図7Fは、第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図7A(a)に示すように、基板201上にバッファ層202、バッファ層203、チャネル層204、スペーサ層205、δドープ領域206、バリア層207、エッチングストッパ層208、キャップ層209及びキャップ層210を形成する。これら化合物半導体層は、例えば、有機金属化学気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法、又は分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法等の結晶成長法により形成することができる。
次いで、図7A(b)に示すように、バッファ層202、バッファ層203、チャネル層204、スペーサ層205、δドープ領域206、バリア層207、エッチングストッパ層208、キャップ層209及びキャップ層210に素子分離領域220を形成する。
その後、図7B(c)に示すように、素子分離領域220により区画された素子領域内で、キャップ層210上にソース電極221及びドレイン電極222を形成する。ソース電極221及びドレイン電極222は、例えば次のようにして形成することができる。先ず、ソース電極221又はドレイン電極222を形成する予定の領域を露出し、他の領域を覆うフォトレジストマスクをキャップ層210上に形成する。次いで、Ti膜、Pt膜及びAu膜を蒸着法により形成し、フォトレジストマスクをその上のTi膜、Pt膜及びAu膜と共に除去する。このように、ソース電極221及びドレイン電極222はリフトオフ法により形成することができる。
続いて、図7B(d)に示すように、キャップ層210上に、平面視でソース電極221とドレイン電極222との間の絶縁膜224を形成する。絶縁膜224は、例えばプラズマCVD法により形成することができる。
次いで、図7C(e)に示すように、レジスト膜231を絶縁膜224上に形成し、ソース電極221及びドレイン電極222上にレジスト膜232を形成し、レジスト膜232上にレジスト膜233を形成する。つまり、汎用的な3層レジスト膜を形成する。レジスト膜231、レジスト膜232及びレジスト膜233は、例えば塗布により形成することができる。例えば、レジスト膜231及びレジスト膜233の材料は日本ゼオン社製のZEPレジストであり、レジスト膜232の材料はポリジメチルグルタルイミド(poly-dimethylglutarimide:PMGI)である。
その後、図7C(f)に示すように、レジスト膜233に開口部243を形成し、レジスト膜232に開口部242を形成する。開口部243及び開口部242の形成では、電子ビーム露光法によるゲート電極223のヘッド部分を形成する領域の露光及び現像を行う。レジスト膜233の感光感度とレジスト膜232の感光感度とが互いに相違するため、開口部243及び開口部242の露光を一度に行っても、開口部243よりも開口部242を広く形成することができる。開口部243を形成するための現像液と開口部242を形成するための現像液とは互いに相違する。
続いて、図7D(g)に示すように、レジスト膜231に開口部241を形成する。開口部241の形成では、電子ビーム露光法によるゲート電極223のフット部分を形成する領域の露光及び現像を行う。開口部241のゲート長方向の寸法はゲート長と一致させる。
次いで、図7D(h)に示すように、レジスト膜231をマスクとして、反応性イオンエッチングにより絶縁膜224に開口部244を形成する。このときのエッチングガスとしては、例えばCF4を用いる。
その後、図7E(i)に示すように、ウェットエッチングにより、キャップ層209及びキャップ層210に開口部245を形成する。このときのエッチング液としては、例えばクエン酸(C687)と過酸化水素水(H22)との混合液を用いる。キャップ層209及びキャップ層210のウェットエッチングはエッチングストッパ層208で停止する。
続いて、図7E(j)に示すように、Ti膜、Pt膜及びAu膜を蒸着法により形成することでゲート電極223を形成する。3層レジスト膜が用いられているため、ゲート電極223の断面形状はT字型になる。
次いで、図7E(k)に示すように、フォトレジストマスクをその上のTi膜、Pt膜及びAu膜と共に除去する。このように、ゲート電極223はリフトオフ法により形成することができる。
そして、必要に応じてパッシベーション膜及び配線等を形成して化合物半導体装置を完成させる。
なお、図8に示すように、バッファ層202が含まれていない化合物半導体装置300によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、チャネル層がInGaAs層であり、バリア層がAlGaAs層又はInAlAs層であり、チャネル層に含まれるInの割合がチャネル層の上面に近づくほど連続的又は段階的に小さくなっていてもよい。チャネル層がInGaSb層であり、バリア層がAlGaSb層又はInAlSb層であり、チャネル層に含まれるInの割合がチャネル層の上面に近づくほど連続的又は段階的に小さくなっていてもよい。チャネル層がInGaN層であり、バリア層がAlGaN層又はInAlN層であり、チャネル層に含まれるInの割合がチャネル層の上面に近づくほど連続的又は段階的に小さくなっていてもよい。
次に、本願発明者が行った実験について説明する。この実験では、3種の試料を作製し、それらの縦方向の電界強度と基底準位E0と第一励起準位E1との差ΔE(=E1−E0)との関係を求めた。これらの試料は第2の実施形態に倣ったものであり、チャネル層としてInxGa1-xAs層を用いた。試料No.1では、xの値(In組成)を0.53に固定した。試料No.2では、xの値(In組成)を第2の実施形態と同様に下面で0.80、上面で0.53とし、これらの間では上面に近づくほど小さくした。試料No.3では、xの値(In組成)を下面で1.00、上面で0.53とし、これらの間では上面に近づくほど小さくした。この実験の結果を図9に示す。
図9に示すように、xの値が0.53に固定された試料No.1では、電界強度が200kV/cmに達する前に差ΔEが急激に低下した。これに対し、試料No.2及びNo.3では、200kV/cm超の電界強度でも差ΔEが高く維持された。これは、xの値が適切に変化し、これに伴ってチャネル層の量子井戸がバッファ層側の第1の面(下面)においてバリア層側の第2の面(上面)よりも深くなっているからである。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
基板と、
前記基板上方のバッファ層と、
前記バッファ層上方のチャネル層と、
前記チャネル層上方のバリア層と、
前記チャネル層上方のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記チャネル層の量子井戸が前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深いことを特徴とする化合物半導体装置。
(付記2)
前記チャネル層の組成が厚さ方向で変化していることを特徴とする付記1に記載の化合物半導体装置。
(付記3)
前記チャネル層がInGaAs層であり、
前記バリア層がAlGaAs層又はInAlAs層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記4)
前記チャネル層がInGaSb層であり、
前記バリア層がAlGaSb層又はInAlSb層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記5)
前記チャネル層がInGaN層であり、
前記バリア層がAlGaN層又はInAlN層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記6)
前記バリア層と前記ソース電極との間及び前記バリア層と前記ドレイン電極との間のキャップ層を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記7)
基板上方にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上方にチャネル層を形成する工程と、
前記チャネル層上方にバリア層を形成する工程と、
前記チャネル層上方にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記チャネル層の量子井戸を前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深くすることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記チャネル層の組成を厚さ方向で変化させることを特徴とする付記7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記チャネル層がInGaAs層であり、
前記バリア層がAlGaAs層又はInAlAs層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする付記7又は8に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記チャネル層がInGaSb層であり、
前記バリア層がAlGaSb層又はInAlSb層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする付記7又は8に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記チャネル層がInGaN層であり、
前記バリア層がAlGaN層又はInAlN層であり、
前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする付記7又は8に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記バリア層と前記ソース電極との間及び前記バリア層と前記ドレイン電極との間のキャップ層を形成する工程を有することを特徴とする付記7乃至11のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
100、200、300:化合物半導体装置
101、201:基板
103、202、203:バッファ層
104、204:チャネル層
107、207:バリア層
121、221:ソース電極
122、222:ドレイン電極
123、223:ゲート電極
206:δドープ領域
209、210:キャップ層

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上方のバッファ層と、
    前記バッファ層上方のチャネル層と、
    前記チャネル層上方のバリア層と、
    前記チャネル層上方のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、
    を有し、
    前記チャネル層の量子井戸が前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深いことを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記チャネル層の組成が厚さ方向で変化していることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記チャネル層がInGaAs層であり、
    前記バリア層がAlGaAs層又はInAlAs層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記チャネル層がInGaSb層であり、
    前記バリア層がAlGaSb層又はInAlSb層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記チャネル層がInGaN層であり、
    前記バリア層がAlGaN層又はInAlN層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合が前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  6. 基板上方にバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上方にチャネル層を形成する工程と、
    前記チャネル層上方にバリア層を形成する工程と、
    前記チャネル層上方にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    を有し、
    前記チャネル層の量子井戸を前記バッファ層側の第1の面において前記バリア層側の第2の面よりも深くすることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  7. 前記チャネル層の組成を厚さ方向で変化させることを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  8. 前記チャネル層がInGaAs層であり、
    前記バリア層がAlGaAs層又はInAlAs層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする請求項6又は7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  9. 前記チャネル層がInGaSb層であり、
    前記バリア層がAlGaSb層又はInAlSb層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする請求項6又は7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  10. 前記チャネル層がInGaN層であり、
    前記バリア層がAlGaN層又はInAlN層であり、
    前記チャネル層に含まれるInの割合を前記第2の面に近づくほど連続的又は段階的に小さくすることを特徴とする請求項6又は7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
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