JP2016156791A - セレンの価数別分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機炭素を含まない溶離液を使用し、十分な検出感度を有し、高塩濃度の試料に対しても適用可能である、セレン(Se)を価数別に定量する方法を提供する。【解決手段】アニオン性交換基を有するイオン排除カラムに硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を溶離液として通液しつつイオン排除カラムに試料液を注入し、試料液中のセレン化合物を価数別に分離し、イオン排除カラムから流出する液を誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)装置に導入してセレンを定量する。この方法では、ヒ素(As)についてもセレンと同時に価数別の定量を行うことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、溶液中のセレン(Se)を価数別に定量する方法に関する。
セレンは、半導体装置やガラス製品などの各種の製造工程、火力発電所での排煙脱硫工程、石油精製工程などにおいて、原料、副生成物あるいは除外対象物質として取り扱われている。現在、排水からセレン及びセレン化合物を除去する方法としては、沈殿法、イオン交換膜法、活性炭吸着法などが知られており、セレンを価数別に定量することが、排水中のセレンを適切に処理するために必要となっている。ここでいう価数とは、原子の酸化状態を示す数のことであり、水溶液中に存在し得るセレン化合物においては、一般に、+4価のセレン[Se(IV);例えば亜セレン酸化合物]及び+6価のセレン[Se(VI);例えばセレン酸化合物]が知られている。セレンは、ヒトにおける健康被害も懸念される元素であるから、上述したように排水のほかに、飲用水、河川水、海水、地下水などに含まれる微量のセレンを価数別に定量することが求められている。
セレンをその価数別ごとに定量する方法として、特許文献1には、強酸性アニオン交換樹脂を充填したイオン交換クロマトグラフィーにより、試料中の亜セレン酸イオン(SeO3 2-)とセレン酸イオン(SeO4 2-)とを分離し、硫酸を添加した後、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS;inductively-coupled plasma mass spectrometry)装置により、イオン交換クロマトグラフィ―での保持時間ごとすなわちセレンの価数ごとに、セレン原子をカウントする方法が示されている。特許文献1に記載されたものでは、イオン交換クロマトグラフィーにおける溶離液として、例えば、pH6.6に調整した1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の0.0001〜0.003モル/L水溶液が用いられている。
特開平11−2623号公報
特許文献1に記載された方法は、イオン交換によってSe(IV)とSe(VI)とを分離するので、高塩濃度の試料、例えば海水や排水への適用が難しい、という課題がある。これは、固定相交換基としてカチオン型であるものを用いるため、高塩濃度の試料中の塩化物イオン等のアニオンが固定相に結合するなどしてセレンの分離能が低下するためである。また、特許文献1の方法は、検出感度も十分なのものとは言えず、装置への負荷がかかる高濃度の有機炭素を含む溶離液を使用する、という課題がある。
本発明の目的は、有機炭素を含まない溶離液を使用し、十分な検出感度を有し、高塩濃度の試料に対しても適用可能である、セレンを価数別に定量する方法を提供することにある。
高感度に定量を行う装置として誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)がある。この高感度定量の場合にICP−MSに導入する溶液は一般に硝酸水溶液であるが、溶離液として硝酸水溶液を用いる場合には、セレン化合物を価数別に分離することが難しかった。本発明者らは、この点に検討を加えた結果、溶離液として硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を使用し、さらに、液体クロマトグラフィーとしてイオン排除クロマトグラフィ―を用いてICP−MSをその検出器として用いることにより、セレン化合物を価数別に定量できることを発見し、本発明を完成させた。すなわち本発明によれば、試料液に含まれるセレンを価数別に定量する方法は、アニオン性交換基を有するイオン排除カラムに硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を溶離液として通液しつつこのイオン排除カラムに試料液を注入し、試料液中のセレン化合物を価数別に分離する段階と、イオン排除カラムから流出する液を誘導結合プラズマ質量分析装置に導入してセレンを定量する段階と、を有する。
後述する実施例から明らかになるように、本発明によれば、これまでもICP−MSを用いる高感度定量分析で多用されてきた硝酸水溶液に少量の硫酸塩を加えた溶離液を使用することによって、装置に負荷をかけることなく、試料液中の微量のセレン化合物の価数別の定量が可能になる。また、イオン交換クロマトグラフィーではなくイオン排除クロマトグラフィーを用いることにより、すなわちイオン排除カラムを用いることにより、試料液中の塩濃度が高い場合においても支障なくセレンの定量を行うことができるようになる。
イオン排除クロマトグラフィ―の原理を説明する図である。 本発明の実施の一形態のセレンの価数別定量方法を実施するための装置の構成の一例を示す図である。 (a),(b)は、実施例1の結果を示すグラフである。 (a),(b)は、実施例2の結果を示すグラフである。 (a),(b)は、実施例3の結果を示すグラフである。 実施例4の結果を示すグラフである。 実施例5の結果を示すグラフである。 (a),(b)は、実施例6の結果を示すグラフである。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
本発明に基づくセレンの価数別の定量方法では、イオン排除カラムを用いるイオン排除クロマトグラフィーを利用して、試料液中のセレン化合物を価数別に分離する。そこでまず、イオン排除クロマトグラフィーの原理を説明する。図1は、イオン排除クロマトグラフィーの原理を示している。
液体クロマトグラフィーでの固定相11として例えばH型の強酸性カチオン交換樹脂を用いるとすると、固定相11の表面には多数の細孔(ポア)12が形成されるとともに、固定相11の最表面は例えばスルホ基などの強酸性アニオン基13で修飾されている。ここへ移動相である液体とともに、中性の化学種21、弱酸性の化学種22及び強酸性の化学種23とが流れてくる場合を考える。すると、強酸性アニオン基13が有する負電荷によって、移動相中のより大きな負電荷を有する化学種(pKaが小さい化学種)ほど大きな静電気排除を受け、早く溶出することになる。また、負電荷の大きさにより、細孔12内への浸透力が決まり、負電荷量が小さいほどすなわちpKaが大きいほど、細孔12内への浸透力が大きくなる。これらの結果、中性の化学種21の溶出時間は長くなり、pKaの小さな化学種ほど、溶出時間が短くなる。イオン排除クロマトグラフィーでは、一般に、イオン交換作用による移動相から固定相への化学吸着の寄与は無視できる。結局、強酸性カチオン交換樹脂を用いるイオン排除クロマトグラフィ―では、一般に、pKaが小さなアニオン(陰イオン)ほど早く溶出すると考えられる。
セレンの代表的な化合物であるセレン酸及び亜セレン酸の酸解離指数(pKa)は次に示す通りである。
HSeO4 - ⇔ H+ + SeO4 2- pKa2=1.66
2SeO3 ⇔ H+ + HSeO3 - pKa1=2.75
HSeO3 - ⇔ H+ + SeO3 2- pKa2=8.50
上述したイオン排除クロマトグラフィ―は、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーの一つの手法であって、海水で代表される塩化ナトリウム溶液などの高濃度共存試料が分析試料である場合であっても、固定相での交換基として強酸性アニオン基を用いており塩化物イオンが固定相に結合しないため、分離能が低下しないと考えられる。しかしながら、イオン排除クロマトグラフィ―によっても、後述の実施例から明らかになるように、溶離液として希硝酸を使用する通常の手法ではセレンの価数別分離を実現することができない。そこで、本発明に基づく方法では、溶離液として、硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を溶離液として使用し、セレンの価数別の分離と定量を可能にしている。
図2は、本発明に基づく方法によってセレンの価数別の定量分析を行う装置の構成の一例を示している。溶離液タンク31に貯えられている溶離液は、ポンプ32によってインジェクタ33に供給されるようになっている。インジェクタ33としては、高速液体クロマトグラフィーにおいて試料の注入のために通常用いられる六方弁型のものが用いられる。インジェクタ33には、試料ポンプ39を介し、試料瓶34からセレン化合物を含む試料液も供給されるようになっている。インジェクタ33には、サンプルループ35の両端が接続するともに、インジェクタ33の出口には、いずれもイオン排除カラムであるガードカラム36及び分離カラム37がこの順で直列に接続している。インジェクタ33は、ポンプ34からの溶離液をイオン排除カラムに直接通液しつつ、試料瓶34からの試料液をサンプルループ35に導入するロードモードと、ポンプ34からの溶離液をサンプルループ35を介してイオン排除カラムに通液するインジェクトモードとの間で切り替えられるようになっている。分離カラム37の出口が誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)装置38の試料入口に接続している。ここでは、ICP−MS装置38は、ガードカラム36及び分離カラム37からなるイオン排除カラムを用いたイオン排除クロマトグラフィーでのセレン元素の検出器として用いられている。
このような装置を用いてセレンの価数別の定量を行う場合には、硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を溶離液として使用し、インジェクタ33をロードモードとして、ポンプ32及びインジェクタ33を介してこの溶離液を連続的にガードカラム36及び分離カラム37に通液しつつ、インジェクタ33を介してサンプルループ35内に試料液を導入する。次に、インジェクタ33をインジェクトモードに切り替えて溶離液がサンプルループ35を経由するようにして、溶離液のイオン排除カラムへの通液状態を維持したままサンプルループ35内の試料液がガードカラム36に注入されるようにする。これにより、サンプルループ35内に一定量採取された試料液がガードカラム36、引き続いて分離カラム37に注入されることになる。このとき、上述したイオン排除クロマトグラフィーの原理によって、分離カラム37の出口からは、セレン酸が亜セレン酸に先行して流出することになり、試料液中のセレン化合物を価数別に分離されることになる。そして分離カラム37の出口からの液をICP−MS装置38に導き、ICP−MS装置の質量分析部においてセレンの原子イオン(例えば78Se+)を検出してカウントする。インジェクタ33において試料液を注入した時点(ロードモードからインジェクトモードに切り替えた時点)からの経過時間に応じてICP−MS装置でのカウント値を集計し、クロマトグラムを得ることにより、試料液中のセレンの価数別の定量が行われたことになる。
本発明において用いられるイオン排除カラムの例としては、
(1)島津製作所製のShim−pack(登録商標) SCRシリーズ(例えば、SCR−102H:長さ300mm、内径8mm、粒子径7μm、固定相がスルホ基)、
(2)Shodex社製のSH1011及びSH1821、(例えば、SUGAR SH1011:サイズ8mm×300mm、粒径6μm、官能基スルホ基)、
(3)Shodex社製のKC−811(例えば、RSpak KC−811:サイズ8mm×300mm、粒径6μm、官能基スルホ基)、
(4)東ソー社製のTSKgel(登録商標) OApak−A及びOApak−P(例えば、TSKgel(登録商標) OApak−A:粒子径5μm、官能基カルボキシメチル基、基材ポリマー(メタクリレート系))、
(5)東ソー社製のTSKgel(登録商標) SCX(粒子径5μm、官能基スルホ基、基材ポリマー(スチレン系))、
(6)Transgenomic社製のICSepシリーズ(例えば、ICSep ION−300:耐圧7MPa、粒子径7μm、官能基スルホ基、対イオンH+、架橋率6%)、
(7)サーモフィッシャー社製のDionex IonPacイオン排除カラムシリーズ(例えば、Dionex IonPac ICE−AS1:サイズ9×250mm、あるいはDionex IonPac ICE−AS6:サイズ9×250mm、官能基スルホ基及びカルボキシ基)
などが挙げられる。特に、強酸性カチオン交換樹脂を固定相として有するものを用いることが好ましく、強酸性カチオン交換樹脂はイオン形が水素(H)形であることが好ましい。図2に示したものでは、イオン排除カラムが前段のガードカラム36と後段の分離カラム37とに分かれているが、必ずしもガードカラムを設ける必要はない。上記に例示した各イオン排除カラム製品を分離カラム37として用いる場合には、当該イオン排除カラム製品に適合したガードカラムが指定されていることが多いから、そのように指定されたカラムをガードカラム36として用いればよい。一般には、ガードカラム36と分離カラム37とは相互に同種類の固定相が充填される。
次に、本発明において用いる溶離液について説明する。本発明においては、溶離液として、硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を使用する。溶離液のpHは1以上5以下とすることが好ましい。pHが5を超えると、イオン排除カラムにおけるSe(IV)とSe(VI)との分離が悪くなる傾向を示す。pHが1未満であると、その強い酸性により、イオン排除カラムやICP−MS装置、さらには溶離液を送液するポンプへの悪影響が懸念される。溶離液に含まれる硫酸塩としては、例えば、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、及び硫酸アンモニウムからなる群から選ばれた1以上の化合物を用いることが好ましい。ここでいうアルカリ金属とはLi,Na,K,Rb,Csの各元素を指し、アルカリ土類金属とはBe,Mg,Ca,Sr,Baの各元素を指す。具体的には、硫酸塩として、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。溶離液中の硫酸塩の濃度は、0.002mmol/L以上100mmol/L以下とすることが好ましい。もっとも、硫酸塩の濃度を一定値以上に高めてもセレンの価数分離性能の向上は頭打ちとなり、むしろ、クロマトグラムにおける価数別の各ピークが拡がる傾向となり、測定感度も低下する傾向となり、ICP−MSの導入部における詰まりの発生のおそれも生ずるから、硫酸塩の濃度は例えば、1mmol/L以下といった低濃度の領域に設定する方がより好ましい。
さらに本発明においては、セレンと同時にヒ素(As)を価数別に定量することができる。よく知られているようにヒ素は高い毒性を示し、しかも、+3価のヒ素(As(III)と+5価のヒ素(As(V))とを比較すると、+3価のものの方がより高い毒性を示す。そのため、高い検出感度でヒ素を価数別に定量できることが求められている。また、排水や環境試料においてセレンとヒ素とが共存することが多いから、セレンとヒ素とを同時に価数別に測定できることは有益である。
なお水溶液中に存在し得るヒ素化合物においては、一般に、+3価のセレン[As(III);例えば亜ヒ酸化合物]及び+5価のヒ素[As(V);例えばヒ酸化合物]が知られている。ヒ酸及び亜ヒ酸の酸解離指数(pKa)は次に示す通りである。
3AsO4 ⇔ H+ + H2AsO4 - pKa1=2.3
2AsO3 - ⇔ H+ +HAsO4 2- pKa2=6.8
HAsO4 2- ⇔ H+ + AsO4 3- pKa2=11.6
3AsO3 ⇔ H+ + H2AsO3 - pKa =9.28
セレンとヒ素とを含む試料液を対象として、試料液中のセレンとヒ素とを同時に価数別に定量する場合には、上記と同様のイオン排除カラム(ガードカラム36及び分離カラム37)及び溶離液を使用し、試料液をガードカラム36に導入し、分離カラム37の出口からの液をICP−MS装置38に導き、ICP−MS装置の質量分析部においてセレンの原子イオン(例えば78Se+)及びヒ素の原子イオン(一般に75As+)を検出してカウントする。そしてインジェクタ33において試料液を導入した時点からの経過時間に応じてICP−MS装置でのカウント値をセレンとヒ素とに分けて集計し、クロマトグラムを得ることにより、試料液中のセレン及びヒ素のそれぞれの価数別の定量が行われたことになる。
後述するように、本実施形態によれば、溶離液として、例えば、硝酸10mmol/Lと1mmol/L程度以下という低濃度の硫酸塩とを含む水溶液を使用しているが、これは、ICP−MS装置における分析性能(検出感度や安定性など)が最も良い試料条件である希硝酸を用いることができることを意味している。溶離液には、不揮発性塩である硫酸塩が硝酸以外にも含まれているが、その濃度は1mmol/Lといった非常に低濃度にできるので、ICP−MS装置における導入部の詰まりや汚染が少なく、また、検出感度に影響するセレンのイオン化率に対する影響も少なくなる。また、溶離液における塩濃度が低いため、イオン排除カラムを含む液体クロマトグラフ装置部分においても、ポンプやインジェクタにおける接液部での塩の析出などの影響をなくすことができる。したがって、本実施形態の方法によれば、機器に悪影響を与えることなく、微量のセレンを安定して正確に価数別に定量することができるようになる。
次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。各実施例において、図2に示した構成の装置を使用した。ただし、試料瓶34と試料ポンプ39は設けずに、マイクロシリンジにより試料液をインジェクタ33に導入するようにした。各実施例において共通の条件を以下に説明する。
各実施例において、Se(IV)、Se(VI)、As(III)及びAs(V)を含む試料液を使用する。これらの試料液は、Se(IV)として関東化学社製の亜セレン酸(H2SeO3)、Se(VI)として関東化学社製のセレン酸(H2SeO4)、As(III)として関東化学社製のヒ素標準液、As(V)としてSPEX社製のSPEC−As5を使用し、所定の濃度となるようにこれらを混合して超純水により希釈して調製した。溶離液の一成分として用いる硝酸としては、比重が1.42であるもの(関東化学社製高純度試薬Ultrapur−100)を用いた。溶離液は、硝酸と添加する硫酸塩とを超純水で希釈して調製した。
イオン排除カラムとして、分離カラム37には島津製作所製のSCR−102Hを用いた。これは、硬質のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基体としたH形強酸性カチオン交換樹脂を充填した内径8mm、長さ30cmのカラムであって官能基をスルホ基とするものである。ガードカラム36には、分離カラム37と同様の固定相を有する島津製作所社製のSCR102H(内径6mm、長さ5cm)を用いた。ICP−MS装置としてはAgilent社製7500ceを用い、これを高周波出力1550W、キャリアガス流量0.75L/分、メイクアップガス流量0.3L/分、及び水素(H2)ガス流量3mL/分の条件で運転した。セレンの検出には78Se+イオンを用い、ヒ素の検出には75As+イオンを用い、質量分析部での検出イオンの切り替えを高速に繰り返すことによって、セレンとヒ素とを同時に検出するようにした。
ポンプ32による溶離液の流量は1.5mL/分とした。サンプルループ35としては50μLのものを使用し、これにより、1回の動作で注入される試料液の量が50μLとなるようにした。
[実施例1]
試料液として、セレン原子換算でSe(IV)を50μg/L、Se(VI)を50μg/L含み、ヒ素原子換算でAs(III)を50μg/L、As(V)を50μg/L含むものを使用し、溶離液中に含ませる硫酸塩として硫酸ナトリウム(Na2SO4)を使用し、溶離液中の硫酸ナトリウム濃度を変化させ、変化させた硫酸ナトリウム濃度ごとにセレン及びヒ素についてのクロマトグラムを得た。溶離液中の硝酸濃度は10mmol/Lで一定とした。結果を図3に示す。なお図3に示す範囲で溶離液中の硫酸ナトリウム濃度を変化させても、溶離液のpHは2.1で一定であった。
図3(a)に示すように、セレンに関しては、硫酸ナトリウムを溶離液に全く添加しない場合には、セレンのピークがほとんど認められなかった。硫酸ナトリウムを0.0035mmol/L以上含む溶離液では、Se(IV)及びSe(VI)が分離し、これらを別々に定量することが可能であった。硫酸ナトリウム濃度が高いほど、Se(IV)及びSe(VI)が大きくなり、かつピークが先鋭なものとなった。これらから、セレンの価数別の定量には、希硝酸を主体とする溶離液に対し、硫酸塩を加えることが有効であることが分かった。
一方、図3(b)に示すように、ヒ素については、硫酸ナトリウムの量によらずにAs(III)とAs(V)とが良好に分離した。ピークの先鋭さの点では、硫酸ナトリウムを添加した方が良好な結果が得られた。ヒ素に関しては、価数別の分離に関し、硫酸塩の添加を添加した方がよいと考えられる。
[実施例2]
実施例1と同じ組成の試料液を使用し、溶離液中に含ませる硫酸塩として硫酸ナトリウムを使用し、溶離液中の硫酸ナトリウム濃度は0.7mmol/Lに固定し、硝酸濃度を変化させることによって溶離液のpHを変化させ、pHごとにセレン及びヒ素についてのクロマトグラムを得た。結果を図4に示す。
図4(a)に示すように、セレンに関しては、pHが2に近いほど、クロマトグラム上でSe(VI)のピークとSe(IV)のピークが大きく分かれた。これは、セレン酸のpKa2が1.66であるのに対し、亜セレン酸のpKa1が2.75であって、このpKaの差がイオン排除効果の差に大きく寄与している結果であると考えられる。この結果から、溶離液のpHは5以下とすることが好ましいことが分かった。
図4(b)に示すように、ヒ素に関しては、pHにあまり依存せずに、クロマトグラム上でAs(III)のピークとAs(V)のピークが大きく分かれた。
[実施例3]
実施例1と同じ組成の試料液を使用し、溶離液に加える硫酸塩の種類を異ならせたときにセレン及びヒ素のクロマトグラフがどのように異なるかを調べた。硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)を使用した。また、比較例として、硫酸塩の代わりに塩化ナトリウム(NaCl)を溶離液に添加した場合も調べた。溶離液における硝酸濃度は10mmol/Lで一定とし、また、硫酸塩の濃度も硫酸イオン(SO4 2-)に換算して0.5mmol/Lで統一した。塩化ナトリウムを加える場合には、その濃度を0.5mmol/Lとした。結果を図5に示す。
図5(a)から分かるように、セレンに関しては、溶離液中の硫酸塩の硫酸イオンとしての体積モル濃度が同じであれば、硫酸塩の種類によらず、Se(IV)とSe(VI)とを良好に分離して定量することができた。これに対し、塩化ナトリウムを用いた場合にはセレンのピーク自体を認めることができなかった。このことは、セレンの価数別の定量には、種類を問わずに硫酸塩を加えることが好ましいことを示している。
図5(b)から分かるように、ヒ素に関しては、硫酸塩の種類によらずにAs(III)とAs(V)とを良好に分離して定量できるほか、溶離液中に硫酸塩を含まずに塩化ナトリウムを含む場合であっても、As(III)とAs(V)とを分離できる。
[実施例4]
実施例1と同じ組成の試料液を使用し、溶離液に加える硫酸塩を硫酸アンモニウムとし、その濃度を0.7mmol/L及び70mmol/Lとして、セレンについてこれらの濃度でのクロマトグラフを得た。溶離液での硝酸濃度は10mmol/Lとした。結果を図6に示す。図6から分かるように、硫酸塩濃度が極端に高い場合には、Se(IV)とSe(VI)の各ピークが拡がって両者が相互に重なり合うようになる。ピークの重なりが大きいと分離しての定量が難しくなるから、溶離液中の硫酸塩の濃度は1mmol/L以下程度にすることが望ましいことが分かる。
[実施例5]
実施例1での溶離液中の硫酸ナトリウム濃度を0.7mmol/Lとした場合に得たセレンのクロマトグラムとヒ素のクロマトグラムとを重ねて表示したものを図7に示す。同時にセレンとヒ素とのそれぞれについて価数別の定量を行えることが分かる。
[実施例6]
セレン化合物及びヒ素化合物の濃度が異なる試料液を用意し、セレン及びヒ素の両方について同時に価数別の定量を行い、検量線を得た。同時に繰返し精度も求めた。溶離液としては、硝酸10mmol/L及び硫酸ナトリウム0.7mmol/Lを含むものを用いた。セレンについての検量線を図8(a)に、ヒ素についての検量線を図8(b)に示す。繰返し精度を示す変動係数(CV)は、Se(IV)に対し4.3%、Se(VI)に対し4.6%、As(III)に対し3.5%、As(V)に対し0.8%であった。その結果、本明細書で述べた測定の測定下限は、Se(IV)に対し5μg/L、Se(VI)に対し5μg/L、As(III)に対し1μg/L、As(V)に対し1μg/Lであると見積もられる。また本発明の方法による再現性がよいことが確かめられた。
[実施例7]
実試料について、セレンとヒ素とに対して同時に価数別の定量分析を行った。試料としては、日本分析化学会が頒布する河川水認証標準物質JSAC 0302−3(総セレンの認証値が5.0±0.2μg/L、総ヒ素の認証値が5.2±0.1μg/L)、2種類の工場排水(工場排水A、工場排水B)を用いた。工場排水A、工場排水Bの水質を表1に示す。表1中に示した総ヒ素の濃度は、誘導結合プラズマ−原子発光分光分析(ICP−AES(atomic emission spectrometry))法によるものである。
Figure 2016156791
価数別に定量した結果について表2及び表3に示す。表2はセレンに対する結果であり、表3はヒ素に対する結果である。なお、10μg/L添加試料とは、価数別に10μg/Lに相当するセレンまたはヒ素を試料に添加した後の測定値であり、元の試料での測定値と10μg/L相当を添加した後の測定値から、セレンまたはヒ素について回収率が算出されている。また、本実施例でのSe(IV)とSe(VI)の測定値の和またはAs(III)とAs(V)が測定値計として示され(これを[a]とする)、認証値またはICP−AESによる総セレンあるいは総ヒ素の値を[b]として、表の一番の右の欄には[a]/[b]が示されている。
Figure 2016156791
Figure 2016156791
実施例7の結果により、本発明の方法は、河川水のような環境試料、あるいは工場排水のように各種のイオンや金属成分を大量に含む試料に対して、セレンの価数別の定量に有効であることが確かめられた。

Claims (6)

  1. 試料液に含まれるセレンを価数別に定量する方法であって、
    アニオン性交換基を有するイオン排除カラムに硝酸と硫酸塩とを含む水溶液を溶離液として通液しつつ前記イオン排除カラムに前記試料液を注入し、前記試料液中のセレン化合物を価数別に分離する段階と、
    前記イオン排除カラムから流出する液を誘導結合プラズマ質量分析装置に導入してセレンを定量する段階と、
    を有する方法。
  2. 前記溶離液のpHが1以上5以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、及び硫酸アンモニウムからなる群から選ばれた1以上の化合物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記溶離液における前記硫酸塩の濃度が、0.002mmol/L以上100mmol/Lである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. セレンのほかにヒ素を含む前記試料液を前記イオン排除カラムに注入して前記試料液中に含まれるヒ素化合物をセレン化合物と同時に価数別に分離し、
    前記誘導結合プラズマ質量分析装置においてセレンとヒ素とを同時に定量する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記イオン排除カラムは、強酸性カチオン交換樹脂を固定相として含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
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