JP2016155743A - 電気伝導性ペースト組成物用のガラス組成物 - Google Patents

電気伝導性ペースト組成物用のガラス組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ソーラーパネル技術に利用される電気伝導性ペースト組成物の形成に使用されるガラス組成物の提供。【解決手段】導電性金属粒子と、有機ビヒクルと、酸化テルル(TeO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)および少なくとも1種のイオン性ガラス修飾物質(IGM)、たとえばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、銀化合物および/または希土類金属化合物の少なくとも1つを含むガラス組成物とを含む電気伝導性ペースト組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電気伝導性ペースト組成物の形成に使用されるガラス組成物に関する。本発明の一態様では、ソーラーパネル技術に利用される電気伝導性ペースト組成物は導電性金属粒子と、有機ビヒクルと、酸化テルル(TeO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)および少なくとも1種のイオン性ガラス修飾物質(IGM:ionic glass modifier)、たとえばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、銀化合物および/または希土類金属化合物の少なくとも1つを含むガラス組成物とを含む。
太陽電池は、光起電力効果を用いて光のエネルギーを電気に変換する装置である。太陽光発電は、持続可能であり、かつ無公害副生成物しか生じないため、注目されるグリーンエネルギー源である。したがって、現在、材料および製造コストを継続的に低減しながら、効率を高めた太陽電池の開発に多くの研究が注がれている。動作に関しては、太陽電池に光が当たると、入射光の一部が表面で反射し、残りは太陽電池に透過する。透過光の光子は、通常シリコンなどの半導体材料で作られた太陽電池に吸収される。吸収された光子のエネルギーにより、それらの原子から半導体材料の電子が励起され、電子−正孔対が生成される。次いでこれらの電子−正孔対はp−n接合により分離され、太陽電池表面上に施された導電性電極で捕集される。
太陽電池は典型的には、その前表面および裏表面の両方に塗布された電気伝導性ペーストを有する。典型的な電気伝導性ペーストは、導電性金属粒子、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを含む。多くの場合、銀を含む前側ペーストは、前電極として働く基板の前側に塗布される。場合によっては、ガラスフリットは、焼成時にシリコン基板の表面上の窒化シリコンコーティングなどの反射防止コーティングをエッチングし、導電性粒子とシリコン基板との間に電気接点を構築するのに役立つ。一方、ガラスフリットは焼成後にp−n接合を短絡するほど活性でないと望ましい。たとえば、比較的多量の酸化鉛を含むガラスフリットは反射防止層を損傷し、基板のp−n接合を劣化させることがある。その結果、太陽電池の電気性能が危険に曝される場合がある。さらに、ガラスフリットは、広い溶融温度範囲を有することが知られており、ガラスフリットの作用は、その組成および処理パラメーターに強く依存する。そのため、既知のガラスフリットでは、迅速焼成法下でガラス処理パラメーターおよび作用の予測はできにくい。さらに、酸化鉛は環境有毒物質であるため、電気伝導性ペーストにおいてその使用を減らす、またはなくすことが望ましい。
したがって、エミッタの品質を改善することにより太陽電池効率を向上させるように、電気伝導性ペーストと下地基板との間の電気接点を改良するガラス組成物が望まれる。セル全体の性能の改善は、たとえば、短絡電圧の上昇、直列抵抗の低減、電極の基板への接着の改善、および電流の上昇によっても示される。こうしたガラス組成物は、反射防止層およびp−n接合を損傷するほど活性であるべきでない。さらに、有毒な酸化鉛の存在を減らした、またはなくしたガラス組成物も、環境および健康上の目的のため望ましい。加えて、処理ウインドウがより広く、溶融挙動が予測しやすいガラスフリットも望ましい。
本発明は、導電性金属粒子、少なくとも1種のガラス組成物および有機ビヒクルを含む電気伝導性ペースト組成物を提供する。少なくとも1種のガラス組成物は、TeOと、Biと、酸化亜鉛(ZnO)と、アルカリ金属およびその化合物、アルカリ土類金属およびその化合物、希土類金属およびその化合物、ならびに銀化合物からなる群から選択される少なくとも1種のイオン性ガラス修飾物質(IGM)とを含む。少なくとも1種のガラス組成物はまた、以下のような特徴を有する:
a) IGMに対するBiの重量比は、約5〜15(たとえば(e.g)、約5.0〜15.0)の範囲にあり;
b) ZnOに対するBiの重量比は、約1〜4(たとえば、約1.0〜4.0)の範囲にあり;
c) IGMに対するZnOの重量比は、約0.1〜10(たとえば、約0.1〜10.0)の範囲にあり;かつ
d) IGMおよび/またはZnOの量はガラス組成物の総重量に対して約1wt%より多い。
本発明はさらに、本発明の電気伝導性ペースト組成物をシリコンウエハに塗布してシリコンウエハを焼成することにより製造された太陽電池も対象とする。本発明はさらに、本発明の少なくとも1つの電気的に相互接続された太陽電池を含む太陽電池モジュールも提供する。
本発明はさらに、前側および裏側を有するシリコンウエハを用意するステップ、電気伝導性ペースト組成物をシリコンウエハに塗布するステップ、およびシリコンウエハを焼成するステップを含む太陽電池を製造する方法も対象とする。
本発明はガラス組成物に関する。本発明のガラス組成物は、電気伝導性ペースト組成物、たとえば太陽電池の電極の形成に使用される電気伝導性ペースト組成物に使用できるが、こうした用途に限定されるものではない。本発明の電気伝導性ペースト組成物は、好ましくは導電性金属粒子、有機ビヒクルおよび開示されたガラス組成物を含む。電気伝導性ペースト組成物は、1種または複数種の添加剤をさらに含んでもよい。
電気伝導性ペースト組成物は、物理処理(たとえば、メカノケミカル処理、粉砕または磨砕)または化学処理(たとえば、焼成、熱分解、または光もしくは放射化学分解)においてガラス(単数または複数)を形成するガラス組成物または化合物(たとえば、有機金属化合物、塩)の組み合わせを含んでもよい。他の実施形態では、ガラス組成物(単数または複数)を形成する要素は、非晶質、結晶性もしくは部分結晶性でもよい単一の成分中に存在しても、あるいは2つ以上の成分中に分散していてもよい。
こうしたペーストは、シリコン太陽電池に塗布すると、シリコンウエハの前側または裏側のいずれの電気接点層または電極を形成するのにも使用することができる。好ましい一実施形態では、電気伝導性ペーストは太陽電池のシリコンウエハの前側に使用し、かつ銀粒子、本発明のガラス組成物(単数または複数)および有機ビヒクルを含む。
ガラス組成物
本発明のガラス組成物は、電気伝導性ペースト組成物に使用すると、複数の機能を果たす。第1に、ガラスは導電性粒子の送達媒体となり、導電性粒子がペーストから半導体基板の界面に移動するのを可能にする。ガラスはまた、高温に曝されたときペースト成分が界面で物理化学的反応を起こすための反応媒体ともなる。物理的反応には、溶融、溶解、拡散、焼結、沈殿および結晶化があるが、それらに限定されるものではない。化学反応には、合成(新しい化学結合の形成)および分解、還元および酸化、ならびに相転移があるが、それらに限定されるものではない。さらに、ガラスはまた、導電性粒子と半導体基板との間に結合を与える接着媒体としても働くことで、太陽光装置の寿命中に電気接点性能を改善する。同じ効果を達成することを意図しているにも関わらず、既存のガラス組成物は、ガラスの絶縁性により電気伝導性ペーストとシリコンウエハとの界面での接触抵抗が高くなることがある。本発明のガラス組成物は所望の送達媒体、反応媒体および接着媒体となるだけでなく、接触抵抗を低減し、セル全体の性能を改善する。太陽電池性能の改善は、たとえば、短絡電圧の上昇、直列抵抗の低減、電極の基板への接着の改善および電流の上昇によって示され得る。
さらに詳しくは、ガラスは、太陽電池の導電性粒子と半導体基板(たとえば、シリコン基板)との間のオーミック接触およびショットキー接触を改善する。ガラスは、シリコンに対して反応媒体であり、直接接触またはトンネリングなどにより接触全体を改善する活性領域をシリコン基板上に作る。接触特性が改善するとオーミック接触およびショットキー接触が改善し、したがって太陽電池全体の性能が改善する。さらに、特定の量でガラス成分を組み合わせると、ガラス転移温度、軟化温度、溶融温度、結晶化温度および流動温度の範囲が広いペーストが得られ、したがって得られるペーストの処理ウインドウが広がる。これにより、得られる電気伝導性ペーストは種々の基板との適合性が改善され得る。
好ましい実施形態によれば、ガラス組成物は低い鉛含有量を有する。別の好ましい実施形態によれば、ガラス組成物は鉛を含まない。本明細書に記載する場合、「低い鉛含有量」という用語は、組成物が少なくとも0.5wt%、かつ約5wt%未満、たとえば約4wt%未満、約3wt%未満、約2wt%未満、約1wt%未満および約0.8wt%未満の鉛含有量を有することをいう。本明細書に記載する場合、「鉛を含まない」という用語は、組成物が約0.5wt%未満、好ましくは約0.4wt%未満、一層好ましくは約0.3wt%未満、一層好ましくは約0.2wt%未満、最も好ましくは約0.1wt%未満(ガラス組成物の100%総重量に対して)の鉛の鉛含有量を有することをいう。最も好ましい実施形態では、ガラス組成物は、残りのガラス成分による不可避不純物として存在し得る約0.01wt%未満の鉛を含む。好ましい一実施形態では、ガラス組成物は、意図的に加えた鉛をまったく含まない。
好ましい実施形態では、ガラス組成物は、酸化テルル(TeO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)および少なくとも1種のイオン性ガラス修飾物質(IGM)を含む。IGMは、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウム)およびその化合物、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウム)およびその化合物、希土類金属(スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウム)およびその化合物、ならびに銀化合物、たとえば、酸化銀(たとえば、AgO)および銀塩(たとえば、ヨウ化銀および硝酸銀)から選択してもよい。好ましい実施形態では、IGMは、少なくとも1種のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物である。より好ましい実施形態では、IGMは少なくとも1種のアルカリ金属の酸化物である。最も好ましくは、IGMは酸化リチウム(LiO)である。別の実施形態では、ガラス組成物を形成する原材料として、酸化物に熱分解し得る他の種類の化合物、たとえば炭酸塩、たとえばLiCOまたはNaCOを使用してもよい。
少なくとも1つの実施形態では、ガラス組成物は、以下の通り配合される:
・ IGMに対するBiの重量比は、約5〜15(たとえば、約5.0〜15.0)の範囲にあり;
・ ZnOに対するBiの重量比は、約1〜4(たとえば、約1.0〜4.0)の範囲にあり;かつ
・ IGMに対するZnOの重量比は、約0.1〜10(たとえば、約0.1〜10.0)、好ましくは約0.2〜8(たとえば、約0.2〜8.0)の範囲にある。
さらなる実施形態では、(b)Bi、ZnOおよびIGMの総量に対する(a)IGMの重量比は、約0.08〜0.4の範囲にある。なおさらなる実施形態では、Biに対するTeOの重量比は、約2.5〜4(たとえば、約2.5〜4.0)の範囲にある。IGMがLiOである好ましい実施形態では、(b)Bi、ZnOおよびLiOの総量に対する(a)Biの重量比は0.75未満である。
さらなる実施形態では、ガラス組成物は、以下の通り配合される:
IGMに対するBiの重量比は、約5.0〜15.0の範囲にあり;
ZnOに対するBiの重量比は、約1.0〜4.0の範囲にあり;かつ
IGMに対するZnOの重量比は、約0.1〜10.0の範囲にある。
なおさらなる実施形態では、Biに対するTeOの重量比は、約2.5〜4.0の範囲にある。
ガラス組成物は、好ましくはガラス組成物の100%総重量に対してTeOを約40〜90wt%、一層好ましくは約50〜90wt%、最も好ましくは約60〜80wt%含む。モルパーセント単位では、ガラス組成物は、好ましくはガラス組成物の100%総モル数に対して約50〜80mol%、好ましくは約60〜80mol%、最も好ましくは約60〜70mol%のTeOを含む。
ガラス組成物は、好ましくはBiを約10〜40wt%、好ましくは約10〜30wt%、最も好ましくは約20〜30wt%含む。モルパーセント単位では、ガラス組成物は、好ましくはガラス組成物の100%総モル数に対して約1〜20mol%、好ましくは約1〜15mol%、最も好ましくは約1〜10mol%のBiを含む。
ガラス組成物は、好ましくは1.0wt%を超えるZnOを含む。一実施形態では、ガラス組成物は、約1〜20wt%ZnO、好ましくは約1〜15wt%ZnO、最も好ましくは約1〜10wt%ZnOを含む。モルパーセント単位では、ガラス組成物は、好ましくはガラス組成物の100%総モル数に対して約1〜20mol%、好ましくは約10〜20mol%、最も好ましくは約10〜15mol%のZnOを含む。
ガラス組成物は、好ましくは1.0wt%を超える総IGMを含む。一実施形態では、ガラス組成物は、好ましくは約1〜20wt%IGM、好ましくは約1〜10wt%IGM、最も好ましくは約1〜5wt%IGMを含む。モルパーセント単位では、ガラス組成物は、好ましくはガラス組成物の100%総モル数に対して約1〜30mol%の総IGM、好ましくは約10〜25mol%の総IGM、最も好ましくは約15〜20mol%の総IGMを含む。
ガラス組成物は、ガラス材料(単数または複数)、セラミック材料(単数または複数)、および高温で反応性マトリックスを形成する当該技術分野において公知の他の任意の化合物(単数または複数)を含んでもよい。一実施形態では、ガラス組成物は、少なくとも1種の実質的に非晶質のガラスフリットを含んでもよい。別の実施形態では、ガラス組成物は、結晶相もしくは結晶化合物、または非晶質材料、部分結晶材料および/もしくは結晶材料の混合物を含んでもよい。ガラス組成物は、当該技術分野において公知の他の酸化物または化合物をさらに含んでもよい。たとえば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、シリコン、ニッケル、タングステン、ガドリニウム、タンタル、アンチモン、セリウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、スズ、ルテニウム、コバルト、鉄、銅およびクロムの酸化物、もしくはそれらの少なくとも2つの任意の組み合わせ、好ましくはアンチモン、マンガン、ニッケル、タングステンおよびルテニウム、もしくはそれらの少なくとも2つの組み合わせ、焼成時にそれらの金属酸化物を生成し得る化合物、または前述の金属の少なくとも2つの混合物、前述の酸化物の少なくとも2つの混合物、焼成時にそれらの金属酸化物を生成し得る前述の化合物の少なくとも2つの混合物、または上記のいずれかの2つ以上の混合物を使用してもよい。全ガラス組成物のガラス転移温度などの特性を調整するための添加剤として、他のガラスマトリックス形成剤またはガラス修飾物質、たとえば酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化リン、金属リン酸塩および金属ハロゲン化物(たとえば、フッ化鉛およびフッ化物亜鉛)ならびにカルコゲナイドをさらに使用してもよい。一実施形態では、ガラス組成物は、少なくとも1種のガラスと少なくとも1種の酸化物または添加剤の組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、ガラス組成物は、追加の酸化物および/または添加剤を少なくとも約0.1wt%を含み、かつ約10wt%以下、好ましくは約5wt%以下、最も好ましくは約3wt%以下で(ガラスの100%総重量に対して)そうした酸化物および/または添加剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、ガラス中に存在する任意の追加の酸化物または化合物の全量は、TeO、Bi、ZnOおよびIGMの全量が好ましくは97.0wt%を超えるように、まとめてガラス組成物の3.0wt%以下である。
ガラスは、固相合成法、溶融急冷法または他のシミドゥース(Chimie Douce)(ソフト化学)法を含む当該技術分野において公知の任意の方法により形成することができる。典型的な溶融急冷法では、第1のステップは、適切な量の出発材料(通常、粉末形態)を混合する。この混合物を空気中または酸素含有雰囲気中で加熱して溶融物を形成する。所望の粒度を有する混合物を得るため、溶融物を急冷し、次いで磨砕し、ボールミルし、および/またはスクリーニングする。たとえば、粉末形態の成分をVコームブレンダー(V−comb blender)で一緒に混合してもよい。出発材料が反応して1つのガラス系を形成し得るように、混合物を約30〜40分間加熱(たとえば、約800〜1200℃に)する。次いでこの系を急冷すると、砂のような均一性を呈する。この粗粉末を微粉が得られるまでボールミルまたはジェットミルなどで粉砕する。ガラス粒子は、約0.01〜20μm、好ましくは約0.1〜5μmの平均粒度(d50)に粉砕してもよい。一実施形態では、ガラス粒子は、約1〜約100nmにわたるd50を有するナノサイズの粒子として形成してもよい。
シミドゥース(Chimie Douce)(ソフト化学)法は、約20℃〜約500℃の温度で行われる。シミドゥース(Chimie Douce)反応はトポタクティックな反応であり、反応物の構造成分は生成物内で保存されるが、組成が変化することを意味する。こうしたプロセスには、ゾルゲル法、沈殿法、水熱法/ソルボサーマル法および熱分解があるが、それらに限定されるものではない。本明細書に記載のガラス組成物の調製には、さらに従来の固相合成を使用してもよい。このプロセスでは、出発原材料を真空下で溶融石英管またはタンタルもしくは白金管に密閉し、次いで約700〜1200℃に加熱する。この材料をこの高温で約12〜48時間維持し、次いでゆっくりと(約0.1℃/分)室温まで冷却する。場合によっては、固相反応は空気中にてアルミナるつぼで行ってもよい。ガラス組成物を調製するためのなお別のプロセスは共沈殿である。このプロセスでは、金属元素を還元し、他の金属酸化物または水酸化物により共沈殿させて、pHレベルを調整することによりまたは還元剤を加えることにより金属カチオンを含む溶液を形成する。これらの金属、金属酸化物または水酸化物の沈殿物を乾燥させ、真空下にて約400〜800℃で焼成して微粉を形成する。
本発明の一実施形態によれば、ガラス組成物は、電気伝導性ペーストの所望の焼成温度未満のガラス転移温度範囲(T)を有する。好ましいガラス組成物は、少なくとも約200℃、好ましくは少なくとも約220℃、一層好ましくは少なくとも約240℃、一層好ましくは少なくとも約250℃、一層好ましくは少なくとも約260℃、一層好ましくは少なくとも約270℃、最も好ましくは少なくとも約280℃のT範囲を有する。それと同時に、好ましいガラス材料は、熱機械分析を用いて測定する場合、約750℃以下、好ましくは約700℃以下、最も好ましくは約650℃以下のT範囲を有する。具体的には、ガラス転移温度は、DSC装置、TA Instruments SDT Q600 Simultaneous TGA/DSC(ティーエイインスツルメント(TA Instruments))を用いて判定することができる。測定値およびデータの評価については、測定ソフトウェアTA Universal Analysis 2000、V 4.5Aを使用する。基準物質およびサンプル用のパンとして、6.8mmの直径および約90μlの体積を有するアルミナサンプルカップ(ティーエイインスツルメントから市販されている)を使用する。約20〜50mgの量のサンプルを0.01mgの精度でサンプルパンに秤量する。空の基準物質パンおよびサンプルパンを装置に入れ、オーブンを閉じ、測定を開始する。25℃の開始温度から1000℃の終了温度まで10〜50℃/分の昇温速度を利用する。機器の残部を常に窒素(N 5.0)でパージし、オーブンを合成空気(リンデ(Linde)製の80%Nおよび20%O)でパージし、50ml/分の流量とする。上述のソフトウェアを用いてDSC信号の第1のステップをガラス転移として評価し、決定されたオンセット値をTの温度と見なす。
ガラス粒子が種々の形状、大きさおよびコーティング層を呈し得ることは、当該技術分野において周知である。たとえば、多くのガラス粒子形状が当該技術分野において公知である。いくつかの例として、球状、角がある、細長い(棒状または針状)および扁平(シート状、フレーク)が挙げられる。ガラス粒子はまた、異なる形状(たとえば、球およびフレーク)の粒子の組み合わせとして存在してもよい。作製された電極の有利な接着に都合のよい形状または形状の組み合わせを有するガラス粒子が好ましい。
当該技術分野において周知の粒子の特徴に中央粒径d50がある。d50は、粒度分布の中位径または中央値である。それは、累積分布における50%累積時の粒径の値である。粒度分布は、レーザー回折、動的光散乱、イメージング、電気泳動光散乱、または当該技術分野において公知の他の任意の方法により測定することができる。ガラス組成物の粒度分布を判定するには、LA−910ソフトウェアプログラムを備えたコンピューターに接続されたHoriba LA−910レーザー回折式粒度分布測定装置を使用する。ガラス粒子の相対屈折率は、LA−910マニュアルから選択し、ソフトウェアプログラムに入力する。試験チャンバーを、タンクの適切な充填ラインまで脱イオン水で満たす。次いでソフトウェアプログラムの循環および撹拌機能を用いて、この溶液を循環させる。1分後、溶液を排出する。チャンバーに任意の残留物が確実になくなるように、これをもう1回繰り返す。次いで3回目にチャンバーを脱イオン水で満たし、1分間循環および撹拌させる。溶液中の任意のバックグランド粒子を、ソフトウェアのブランク機能を用いて除去する。次いで超音波撹拌を開始し、透過率バーがソフトウェアプログラムの適切な領域になるまでガラス組成物を試験チャンバー内の溶液にゆっくりと加える。透過率が妥当なレベルになったなら、レーザー回折分析が行われ、ガラスの粒度分布が測定され、d50(d50)として与えられる。好ましい実施形態では、ガラス粒子の中央粒径d50は、少なくとも約0.1μm、好ましくは約20μm以下、一層好ましくは約10μm以下、一層好ましくは約7μm以下、最も好ましくは約5μm以下である。
さらに当該技術分野において周知の粒子の特徴として比表面積がある。本明細書に記載する場合、表面積測定はすべて、SMART法に従って作動するMonosorb MS−22アナライザー(フロリダ州ボイントンビーチのカンタクロームインスツルメンツ(Quantachrome Instruments)社製)により、BET(ブルナウアー−エメット−テラー(Brunauer−Emmett−Teller))法を用いて行った。サンプルは、内蔵の脱気ステーションで分析用に調製する。流動ガスにより不純物を吹き飛ばすと、吸着が起こり得る清浄な表面が得られる。サンプルは、付属の加熱マントルにより使用者が選択可能な温度に加熱してもよい。機器の前パネルには、デジタル温度制御およびディスプレイが取り付けられている。脱気終了後、サンプルセルを分析ステーションに移す。クイックコネクトフィッティングが移行中にサンプルセルを自動的に密閉する。1つのボタンを押すと、分析が開始される。冷却剤の入ったジュワー瓶が自動的に上昇し、サンプルセルを浸漬し、吸着を引き起こす。機器は、吸着がいつ終了するか(2〜3分)を検出し、ジュワー瓶を自動的に下げて、サンプルセルの背面を、内蔵の温風送風機を用いて室温まで穏やかに加熱する。その結果、脱着ガス信号がデジタルメータに表示され、表面積が前パネルディスプレイに直接提示される。全測定(吸着および脱着)サイクルには、典型的には6分未満を要する。この技術は高感度熱伝導度検出器を使用して、吸着および脱着の進行に伴う吸着質/不活性キャリアガス混合物の濃度の変化を測定する。検出器は、基板上の電子回路により統合されていると、較正と比較して、吸着または脱着したガスの体積を与える。内蔵のマイクロプロセッサは直線性を確保し、サンプルのBET表面積をm/g(m2/g)単位で計算する。一実施形態では、ガラス粒子は、少なくとも約0.1m/gかつ約15m/g以下、好ましくは少なくとも約1m/gかつ約10m/g以下の比表面積を有する。
電気伝導性ペースト組成物
本発明の一態様は、電気伝導性ペースト組成物に関する。所望の電気伝導性ペーストは、得られた太陽電池の電気性能を最適化するような高導電性のものである。電気伝導性ペースト組成物は一般に、金属粒子、有機ビヒクルおよび本明細書で考察した少なくとも1種のガラス組成物からなる。一実施形態によれば、電気伝導性ペーストは、(i)少なくとも約50wt%かつ約95wt%以下の金属粒子;(ii)少なくとも約1wt%かつ約10wt%以下のガラス;および(iii)少なくとも約1wt%かつ約25wt%以下の有機ビヒクルを含む(ペーストの100%総重量に対して)。
好ましい実施形態では、電気伝導性ペースト組成物は、少なくとも約0.1wt%、好ましくは少なくとも約0.5wt%のガラス組成物を含む。それと同時に、電気伝導性ペースト組成物は、ペーストの100%総重量に対して約10wt%以下、好ましくは約8wt%以下、最も好ましくは約6wt%以下のガラス組成物を含む。
導電性金属粒子
電気伝導性ペーストは、導電性金属粒子を含む。電気伝導性ペーストは、ペーストの100%総重量に対して少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約60wt%、一層好ましくは少なくとも約70wt%、最も好ましくは少なくとも約80wt%金属粒子を含んでもよい。それと同時に、ペーストは、好ましくはペーストの100%総重量に対して約95wt%以下の金属粒子を含む。
電気伝導性ペーストに使用するのに好適と考えられる、当該技術分野において公知の金属粒子はすべて、利用することができる。好ましい金属粒子は、高導電性を示し、かつ効率および曲線因子が高く、直列抵抗およびグリッド抵抗が低い電極を与えるものである。好ましい金属粒子は、元素金属、合金、金属誘導体、少なくとも2種の金属の混合物、少なくとも2種の合金の混合物または少なくとも1種の合金と少なくとも1種の金属の混合物である。好ましい金属は、銀、アルミニウム、金、銅およびニッケルの少なくとも1種、ならびにそれらの合金または混合物を含む。好ましい実施形態では、金属粒子は銀を含む。別の好ましい実施形態では、金属粒子は銀およびアルミニウムを含む。好適な銀誘導体として、たとえば、銀合金および/または銀塩、たとえばハロゲン化銀(たとえば、塩化銀)、硝酸銀、酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀、オルトリン酸銀およびそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、金属粒子は、1種もしくは複数種の異なる金属または合金で被覆された金属または合金、たとえば、アルミニウムで被覆された銀粒子または銀で被覆された銅粒子を含む。
ガラス粒子と同様に、金属粒子は種々の形状および大きさを呈し得る。金属粒子はまた、異なる形状(たとえば、球およびフレーク)の粒子の組み合わせとして存在してもよい。導電性の改善に都合がよい、ある形状または形状の組み合わせを有する金属粒子が好ましい。粒子の表面性を考慮せずにこうした形状を特徴付ける1つの方法は、以下のパラメーター:長さ、幅および厚さによるものである。本発明の文脈において、粒子の長さは、両方の終点が粒子内に含まれる最も長い空間変位ベクトルの長さにより与えられる。粒子の幅は、両方の終点が粒子内に含まれる上記で定義した長さベクトルに垂直な最も長い空間変位ベクトルの長さにより与えられる。粒子の厚さは、両方の終点が粒子内に含まれる、どちらも上記で定義した長さベクトルおよび幅ベクトルの両方に垂直な最も長い空間変位ベクトルの長さにより与えられる。一実施形態では、可能な限り均一な形状(すなわち長さ、幅および厚さに関する比が可能な限り1;好ましくは少なくとも0.7、一層好ましくは少なくとも0.8、最も好ましくは少なくとも0.9に近く、かつ好ましくは約1.5以下、好ましくは約1.3以下、最も好ましくは約1.2以下である形状)を有する金属粒子が好ましい。この実施形態では、金属粒子の好ましい形状の例は、球および立方体、またはそれらの組み合わせ、またはそれらの1つもしくは複数と他の形状との組み合わせである。別の実施形態では、均一性が低い形状を有する、好ましくは長さ、幅および厚さの寸法に関する比の少なくとも1つが約1.5超、一層好ましくは約3超、最も好ましくは約5超である金属粒子が好ましい。この実施形態による好ましい形状は、フレーク形状、棒もしくは針形状、または他の形状とフレーク形状、棒もしくは針形状の組み合わせである。
金属粒子の中央粒径d50(ガラス粒子について開示されたのと同じ方法を用いて測定される)は、少なくとも約0.1μm、好ましくは約10μm以下、好ましくは約8μm以下、一層好ましくは約7μm以下、最も好ましくは約5μm以下であることが好ましい。さらに、金属粒子は、少なくとも約0.1m/gかつ約10m/g以下の比表面積(ガラス粒子について開示されたのと同じ方法を用いて測定される)を有する。好ましい実施形態によれば、少なくとも約0.2m/g、好ましくは少なくとも0.5m/g、かつ同時に約5m/g以下の比表面積を有する銀粉末を使用する。
より有利な接触特性および電気伝導性に寄与する追加の成分も好ましい。たとえば、表面コーティングを有する金属粒子が存在してもよい。金属粒子には、本発明の文脈において好適と考えられる、当該技術分野において公知の任意のそうしたコーティングを利用してもよい。好ましいコーティングは、得られた電気伝導性ペーストの接着性を促進するコーティングである。こうしたコーティングが存在する場合、コーティングは、金属粒子の100%総重量に対して約10wt%以下、好ましくは約8wt%以下、最も好ましくは約5wt%以下であることが好ましい。
有機ビヒクル
本発明の電気伝導性ペーストは、有機ビヒクルをさらに含む。一実施形態では、有機ビヒクルは、ペーストの100%総重量に対して少なくとも約0.01wt%、かつ約50wt%以下、好ましくは約30wt%以下、最も好ましくは約20wt%以下の量で電気伝導性ペースト中に存在する。
本発明の文脈において好ましい有機ビヒクルは、電気伝導性ペーストの成分が溶解形態、エマルジョン形態または分散形態で確実に存在する、1種または複数種の溶媒、好ましくは有機溶媒(単数または複数)をベースとした溶液、エマルジョンまたは分散系である。好ましい有機ビヒクルは、電気伝導性ペーストの成分に最適な安定性を与え、さらにペーストに粘度を付与して効果的な印刷適性を可能にするものである。
一実施形態では、有機ビヒクルは、有機溶媒と、任意にバインダー(たとえば、ポリマー)、界面活性剤およびチキソトロープ剤の1種または複数種とを含む。たとえば、一実施形態では、有機ビヒクルは、有機溶媒中に1種または複数種のバインダーを含む。
本発明の文脈において好ましいバインダーは、有利な安定性、印刷適性、粘度および焼結特性を有する電気伝導性ペーストの形成に寄与するものである。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適であると考えられるバインダーはすべて、有機ビヒクル中のバインダーとして利用することができる。好ましいバインダー(多くの場合、「樹脂」と呼ばれるカテゴリーに包含される)は、ポリマーバインダー、モノマーバインダー、およびポリマーとモノマーとの組み合わせであるバインダーである。ポリマーバインダーは、単一分子に少なくとも2つの異なるモノマー単位が含まれるコポリマーであってもよい。好ましいポリマーバインダーは、ポリマー主鎖に官能基を有するものと、主鎖から離れて官能基を有するものと、主鎖におよび主鎖から離れて両方に官能基を有するものとである。主鎖に官能基を有する好ましいポリマーは、たとえばポリエステル、置換ポリエステル、ポリカーボネート、置換ポリカーボネート、主鎖に環式基を有するポリマー、多糖、置換多糖、ポリウレタン、置換ポリウレタン、ポリアミド、置換ポリアミド、フェノール樹脂、置換フェノール樹脂、任意に他のコモノマーと前述のポリマーの1種もしくは複数種のモノマーのコポリマー、またはそれらの少なくとも2つの組み合わせである。一実施形態によれば、バインダーは、ポリビニルブチラールまたはポリエチレンであってもよい。主鎖に環式基を有する好ましいポリマーは、たとえばポリビニルブチレート(polyvinylbutylate)(PVB)およびその誘導体、ならびにポリテルピネオールおよびその誘導体またはそれらの混合物である。好ましい多糖は、たとえばセルロースおよびそのアルキル誘導体、好ましくはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロースおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの少なくとも2つの混合物である。他の好ましいポリマーは、セルロースエステル樹脂、たとえば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート(buyrate)、および任意のそれらの組み合わせである。ポリマー主鎖から離れて官能基を有する好ましいポリマーは、アミド基を有するもの、多くの場合アクリル樹脂と呼ばれる酸および/もしくはエステル基を有するもの、または前述の官能基の組み合わせを有するポリマーもしくはそれらの組み合わせである。主鎖から離れてアミドを有する好ましいポリマーは、たとえばポリビニルピロリドン(PVP)およびその誘導体である。主鎖から離れて酸および/またはエステル基を有する好ましいポリマーは、たとえばポリアクリル酸およびその誘導体、ポリメタクリレート(PMA)およびその誘導体、もしくはポリメチルメタクリレート(PMMA)およびその誘導体、またはそれらの混合物である。好ましいモノマーバインダーは、エチレングリコール系モノマー、テルピネオール樹脂もしくはロジン誘導体、またはそれらの混合物である。好ましいエチレングリコール系のモノマーバインダーは、エーテル基、エステル基、またはエーテル基およびエステル基を有するものであり、好ましいエーテル基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびより高級のアルキルエーテルであり、好ましいエステル基はアセテートおよびそのアルキル誘導体、好ましくはエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテートまたはそれらの混合物である。アルキルセルロース、好ましくはエチルセルロース、その誘導体、および前述のバインダーリストまたはバインダーリスト以外の他のバインダーとそれらの混合物は、本発明の文脈において最も好ましいバインダーである。バインダーは、有機ビヒクルの100%総重量に対して少なくとも約0.1wt%、好ましくは少なくとも約0.5wt%の量で存在してもよい。それと同時に、バインダーは、有機ビヒクルの100%総重量に対して約10wt%以下、好ましくは約8wt%以下、一層好ましくは約7wt%以下の量で存在してもよい。
好ましい溶媒は、焼成中にかなりの程度までペーストから除去される成分である。好ましくは、溶媒は、焼成後に絶対重量が焼成前と比較して少なくとも約80%、好ましくは焼成前と比較して少なくとも約95%減少して存在する。好ましい溶媒は、有利な粘度、印刷適性、安定性および焼結特性に寄与するものである。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適であると考えられる溶媒はすべて、有機ビヒクルの溶媒として利用することができる。好ましい溶媒は、標準周囲温度および圧力(SATP:standard ambient temperature and pressure)(298.15K、25℃、77°F)、100kPa(14.504psi、0.986atm)下で液体として存在し、好ましくは約90℃を超える沸点および約−20℃を超える融点を有するものである。好ましい溶媒は、極性または非極性、プロトン性または非プロトン性、芳香族または非芳香族である。好ましい溶媒は、モノアルコール、ジ−アルコール、ポリ−アルコール、モノ−エステル、ジ−エステル、ポリ−エステル、モノ−エーテル、ジ−エーテル、ポリ−エーテル、これらのカテゴリーの官能基の少なくとも1種または複数種を含み、任意に他のカテゴリーの官能基、好ましくは環式基、芳香族基、不飽和結合、ヘテロ原子で置換された1つまたは複数のO原子を有するアルコール基、ヘテロ原子で置換された1つまたは複数のO原子を有するエーテル基、ヘテロ原子で置換された1つまたは複数のO原子を有するエステル基を含む溶媒、および前述の溶媒の2種以上の混合物である。この文脈において好ましいエステルは、好ましいアルキル成分がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびより高級なアルキル基、または2つの異なるこうしたアルキル基の組み合わせであるアジピン酸のジ−アルキルエステル、好ましくはジメチルアジペート、および2
種以上のアジペートエステルの混合物である。この文脈において好ましいエーテルは、好ましいアルキル成分がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびより高級なアルキル基、または2つの異なるこうしたアルキル基の組み合わせであるジエーテル、好ましくはエチレングリコールのジアルキルエーテル、および2種のジエーテルの混合物である。この文脈において好ましいアルコールは、第一級アルコール、第二級アルコールおよび第三級アルコールであり、好ましくは第三級アルコール、テルピネオールおよびその好ましい誘導体、または2種以上のアルコールの混合物である。2種以上の異なる官能基を組み合わせた好ましい溶媒は、多くの場合テキサノールと呼ばれる2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、およびその誘導体、多くの場合カルビトールとして知られる2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、そのアルキル誘導体、好ましくはメチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、ペンチルカルビトールおよびヘキシルカルビトール、好ましくはヘキシルカルビトールまたはブチルカルビトール、およびそれらのアセテート誘導体、好ましくはブチルカルビトールアセテート、または前述の少なくとも2種の混合物である。有機溶媒は、有機ビヒクルの100%総重量に対して少なくとも約60wt%、一層好ましくは少なくとも約70wt%、最も好ましくは少なくとも約80wt%の量で存在してもよい。それと同時に、有機溶媒は、有機ビヒクルの100%総重量に対して約99wt%以下、一層好ましくは約95wt%以下の量で存在してもよい。
有機ビヒクルは、1種または複数種の界面活性剤および/または添加剤をさらに含んでもよい。好ましい界面活性剤は、有利な安定性、印刷適性、粘度および焼結特性を有する電気伝導性ペーストの形成に寄与するものである。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適であると考えられる界面活性剤はすべて、有機ビヒクルの界面活性剤として利用することができる。好ましい界面活性剤は、直鎖、分岐鎖、芳香族鎖、フッ素化鎖、シロキサン鎖、ポリエーテル鎖およびそれらの組み合わせを有するものである。好ましい界面活性剤には、単鎖、二本鎖または多鎖ポリマーがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤は、非イオン性頭部、アニオン性頭部、カチオン性頭部、両親媒性頭部または両性イオン頭部を有してもよい。好ましい界面活性剤は、ポリマーおよびモノマーまたはそれらの混合物であってもよい。好ましい界面活性剤は顔料親和性基を有してもよく、好ましくは顔料親和性基を有するヒドロキシ官能性カルボン酸エステル(たとえば、DISPERBYK(登録商標)−108、ビーワイケーユーエスエーインク(BYK USA,Inc.)製)、顔料親和性基を有するアクリレートコポリマー(たとえば、DISPERBYK(登録商標)−116、ビーワイケーユーエスエーインク製)、顔料親和性基を有する修飾ポリエーテル(たとえば、TEGO(登録商標)DISPERS 655、エボニックテゴケミー(Evonik Tego Chemie)GmbH製)、高顔料親和性基を有する他の界面活性剤(たとえば、TEGO(登録商標)DISPERS 662 C、エボニックテゴケミーGmbH製)である。上記のリストにない他の好ましいポリマーには、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ならびにアルキルカルボン酸およびその誘導体もしくは塩、またはそれらの混合物があるが、それらに限定されるものではない。好ましいポリエチレングリコール誘導体はポリ(エチレングリコール)酢酸である。好ましいアルキルカルボン酸は、完全飽和アルキル鎖を有するもの、および単もしくは多不飽和アルキル鎖を有するもの、またはそれらの混合物である。飽和アルキル鎖を有する好ましいカルボン酸は、約8〜約20個の範囲の炭素原子のアルキル鎖長を有するものであり、好ましくはC19COOH(カプリン酸)、C1123COOH(ラウリン酸)、C1327COOH(ミリスチン酸)C1531COOH(パルミチン酸)、C1735COOH(ステアリン酸)、またはそれらの塩もしくは混合物である。不飽和アルキル鎖を有する好ましいカルボン酸は、C1834(オレイン酸)およびC1832(リノール酸)である。好ましいモノマー界面活性剤は、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体である。界面活性剤は、存在する場合、有機ビヒクルの100%総重量に対して少なくとも約0.01wt%であってもよい。それと同時に、界面活性剤は、有機ビヒクルの100%総重量に対して好ましくは約10wt%以下、好ましくは約8wt%以下、一層好ましくは約6wt%以下である。
有機ビヒクルの好ましい添加剤は、前述の成分と異なり、かつ電気伝導性ペーストの有利な特性、たとえば有利な粘度、印刷適性、安定性および焼結特性に寄与する材料である。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適であると考えられる添加剤を使用することができる。好ましい添加剤には、チキソトロープ剤、粘度調節剤、安定化剤、無機添加剤、増粘剤、乳化剤、分散剤およびpH調節剤があるが、それらに限定されるものではない。好ましいチキソトロープ剤には、カルボン酸誘導体、好ましくは脂肪酸誘導体、またはそれらの組み合わせがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい脂肪酸誘導体には、C19COOH(カプリン酸)、C1123COOH(ラウリン酸)、C1327COOH(ミリスチン酸)C1531COOH(パルミチン酸)、C1735COOH(ステアリン酸)C1834(オレイン酸)、C1832(リノール酸)およびそれらの組み合わせがあるが、それらに限定されるものではない。この文脈において脂肪酸を含む好ましい組み合わせは、ヒマシ油である。
添加剤
別の実施形態によれば、電気伝導性ペーストは、導電性粒子、ガラスおよび有機ビヒクルと異なる添加剤を含んでもよい。好ましい添加剤は、電気伝導性ペースト、それで作製された電極、または得られた太陽電池の性能を高めるのに寄与する。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適であると考えられる添加剤はすべて、電気伝導性ペーストの添加剤として利用することができる。好ましい添加剤には、チキソトロープ剤、粘度調節剤、乳化剤、安定化剤もしくはpH調節剤、無機添加剤、増粘剤および分散剤、またはそれらの少なくとも2つの組み合わせがあるが、それらに限定されるものではない。無機添加剤が最も好ましい。好ましい無機添加剤には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、遷移金属、たとえばニッケル、ジルコニウム、チタン、マンガン、スズ、ルテニウム、コバルト、鉄、銅およびクロム、タングステン、モリブデン、亜鉛;ポスト遷移金属、たとえばホウ素、シリコン、ゲルマニウム、テルル、ガドリニウム、鉛、ビスマス、アンチモン、希土類金属、たとえばランタン、セリウム、酸化物、混合金属酸化物、錯体化合物、またはそれらの酸化物から形成された非晶質もしくは部分結晶化ガラス、またはそれらの少なくとも2つの任意の組み合わせ、好ましくはビスマス、亜鉛、アンチモン、マンガン、マグネシウム、ニッケル、タングステン、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、テルルならびにルテニウム、またはそれらの少なくとも2つの組み合わせ、それらの酸化物、焼成時にそれらの金属酸化物またはガラスを生成し得る化合物、または前述の金属の少なくとも2つの混合物、前述の酸化物の少なくとも2つの混合物、焼成時にそれらの金属酸化物、混合金属酸化物、化合物または非晶質もしくは部分ガラスを生成し得る前述の化合物の少なくとも2つの混合物、または上記のいずれかの2つ以上の混合物があるが、それらに限定されるものではない。
電気伝導性ペースト組成物は、存在する場合、ペーストの100%総重量に対して少なくとも約0.1wt%添加剤を含んでもよい。それと同時に、ペーストは、好ましくはペーストの100%総重量に対して約10wt%以下、好ましくは約5wt%以下、一層好ましくは約2wt%以下添加剤(単数または複数)を含む。
電気伝導性ペースト組成物の形成
電気伝導性ペースト組成物を形成するには、ガラス組成物は、ペースト組成物の調製に関する当該技術分野において公知の任意の方法により、導電性金属粒子および有機ビヒクルと組み合わせればよい。均一に分散されたペーストが得られる限り、調製方法は重要ではない。各成分を、ミキサーなどを用いて混合し、次いでたとえば3本ロールミルを通して、分散された均一なペーストを製造することができる。
太陽電池
別の態様では、本発明は太陽電池に関する。一実施形態では、太陽電池は、半導体基板、たとえばシリコンウエハ、および本明細書に記載の実施形態のいずれかによる電気伝導性ペースト組成物から形成する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる電気伝導性ペースト組成物を半導体基板に塗布すること、および半導体基板を焼成することを含むプロセスにより調製された太陽電池に関する。
シリコンウエハ
好ましいウエハは、太陽電池の領域の中でも特に、電子−正孔対を作るため高効率で光を吸収し、境界、好ましくはp−n接合境界を挟んで正孔および電子を高効率で分離させることができる。好ましいウエハは、前ドープ層および裏ドープ層で構成された単体を含むものである。
好ましくは、ウエハは、適切にドープされた四価の元素、二元化合物、三元化合物または合金を含む。この文脈において好ましい四価の元素は、シリコン、GeまたはSn、好ましくはシリコンである。好ましい二元化合物は、2種以上の四価の元素の組み合わせ、V族元素とIII族元素の二元化合物、VI族元素とII族元素の二元化合物またはVI族元素とIV族元素の二元化合物である。四価の元素の好ましい組み合わせは、シリコン、ゲルマニウム、スズまたは炭素から選択される2種以上の元素の組み合わせ、好ましくはSiCである。V族元素とIII族元素の好ましい二元化合物はGaAsである。好ましい実施形態によれば、ウエハはシリコンである。シリコンが明示的に言及された前述の記載はまた、本明細書に記載の他のウエハ組成物にも当てはまる。
p−n接合境界は、ウエハの前ドープ層と裏ドープ層とが接するところに位置する。n型太陽電池では、裏ドープ層が電子供与n型ドーパントでドープされ、前ドープ層が電子受容または正孔供与p型ドーパントでドープされる。p型太陽電池では、裏ドープ層がp型ドーパントでドープされ、前ドープ層がn型ドーパントでドープされる。好ましい実施形態によれば、p−n接合境界を有するウエハは、最初にドープされたシリコン基板を用意し、次いでその基板の片面に反対型のドープ層を塗布することにより調製される。
ドープされたシリコン基板は、当該技術分野において周知である。ドープされたシリコン基板は、当該技術分野において公知で、本発明に好適であると考えられる任意の方法により調製することができる。シリコン基板の好ましい原料は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、冶金法による高純度シリコン(upgraded metallurgical silicon)、最も好ましくは単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである。ドープされたシリコン基板を形成するためのドーピングは、シリコン基板の調製中にドーパントを加えることにより同時に行ってもよいし、あるいはその後のステップで行ってもよい。シリコン基板の調製後のドーピングは、たとえばガス拡散エピタキシーにより行うことができる。ドープされたシリコン基板はまた、商業的に容易に入手できる。一実施形態によれば、シリコン基板の最初のドーピングは、シリコン混合物にドーパントを加えることにより、その形成と同時に行ってもよい。別の実施形態によれば、前ドープ層および高度にドープされた裏層の塗布は、存在する場合、気相エピタキシーにより行うことができる。気相エピタキシーは、好ましくは少なくとも約500℃、好ましくは少なくとも約600℃、最も好ましくは少なくとも約650℃の温度で行う。それと同時に、気相エピタキシーは、好ましくは約900℃以下、一層好ましくは約800℃以下、最も好ましくは約750℃以下の温度で行う。エピタキシーはまた、好ましくは少なくとも2kPa、好ましくは少なくとも約10kPa、最も好ましくは少なくとも約30kPaの圧力で行う。それと同時に、エピタキシーは、約100kPa以下、好ましくは約80kPa以下、最も好ましくは約70kPa以下の圧力で行う。
シリコン基板が多くの形状、表面テクスチャーおよび大きさを呈し得ることは、当該技術分野において公知である。基板の形状には、いくつかの例を挙げると直方体、ディスク、ウエハおよび不規則な多面体があり得る。好ましい実施形態によれば、ウエハは、長さと幅の寸法が類似、好ましくは同等であり、厚さの寸法が残りの2つの寸法より著しく小さい直方体である。厚さの寸法は、最初の2つの寸法より少なくとも100倍小さくてもよい。
さらに、種々の表面型も当該技術分野において公知である。一実施形態では、粗面を有するシリコン基板が好ましい。基板の粗さを評価する1つの方法は、基板の全表面積に比較して小さい、好ましくは全表面積の約100分の1未満であり、かつ本質的に平面である基板のサブ表面の表面粗さパラメーターを評価することである。表面粗さパラメーターの値は、そのサブ表面を、平均二乗変位量を最小化してサブ表面に最適なフラットな平面に投影することにより形成された理論的表面の面積に対するサブ表面の面積の比率により与えられる。表面粗さパラメーターの値が高くなると、表面がより粗く、より不規則であることが示され、表面粗さパラメーターの値が低くなると、表面がより滑らかで、より平坦であることが示される。シリコン基板の表面粗さは、好ましくは以下に限定されるものではないが、光吸収および表面への接着など多くの因子間で最適なバランスが得られるように改変される。
シリコン基板の大きい方の2つの寸法は、得られる太陽電池に求められる用途に合わせて変えてもよい。シリコンウエハの厚さの方は、少なくとも約0.01mmであることが好ましい。それと同時に、厚さは、好ましくは約0.5mm以下、一層好ましくは約0.3mm以下、最も好ましくは約0.2mm以下である。一実施形態によれば、シリコンウエハは、0.01mmの最小厚さを有してもよい。
前ドープ層は、裏ドープ層に比較して薄いことが好ましい。前ドープ層は、少なくとも約0.1μm、かつ約10μm以下、好ましくは約5μm以下、最も好ましくは約2μm以下の厚さを有することも好ましい。
裏ドープ層と任意の別の層との間のシリコン基板の背面に高度にドープされた層を塗布してもよい。こうした高度にドープされた層は、裏ドープ層と同じドーピング型であり、こうした層は一般に+で示される(n+型層はn型裏ドープ層に塗布され、p+型層はp型裏ドープ層に塗布される)。この高度にドープされた裏層は、金属化を促進し、電気伝導性特性を改善するのに役立つ。高度にドープされた裏層は、存在する場合、少なくとも約1μm、かつ約100μm以下、好ましくは約50μm以下、最も好ましくは約15μm以下の厚さを有することが好ましい。
ドーパント
好ましいドーパントは、シリコンウエハに加えられると、電子または正孔をバンド構造に導入することによりp−n接合境界を形成するものである。これらのドーパントの種類および濃度は、p−n接合のバンド構造プロファイルを調整し、必要に応じて光吸収および導電性プロファイルを設定するように個別に選択されることが好ましい。好ましいp型ドーパントは、正孔をシリコンウエハバンド構造に加えるものである。本発明の文脈において好適と考えられる、当該技術分野において公知のドーパントはすべて、p型ドーパントとして利用することができる。好ましいp型ドーパントには、三価の元素、特に周期表の13族のものがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい周期表の13族元素には、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムまたはそれらの少なくとも2種の組み合わせがあり、それらに限定されるものではないが、ホウ素が特に好ましい。
好ましいn型ドーパントは、電子をシリコンウエハバンド構造に加えるものである。本発明の文脈において好適と考えられる、当該技術分野において公知のドーパントはすべて、n型ドーパントとして利用することができる。好ましいn型ドーパントには、周期表の15族の元素があるが、それらに限定されるものではない。好ましい15族元素には、窒素、リン、砒素、アンチモン、ビスマスまたはそれらの少なくとも2つの組み合わせがあり、それらに限定されるものではないが、リンが特に好ましい。
上記のように、p−n接合の様々なドーピングレベルは、得られる太陽電池の所望の特性を調整するため変化させてもよい。
ある種の実施形態によれば、半導体基板(すなわち、シリコンウエハ)は、約60Ω/□超、たとえば約65Ω/□超、70Ω/□超、90Ω/□超、95Ω/□超または100Ω/□超のシート抵抗を示す。
太陽電池構造
本発明の一態様は、本発明の方法から得られる太陽電池である。好ましい太陽電池は、出力電気エネルギーに変換される入射光の総エネルギーの割合の点から、高効率を有するものである。軽量で耐久性のある太陽電池も好ましい。最低でも、太陽電池は、(i)前電極、(ii)前ドープ層、(iii)p−n接合境界、(iv)裏ドープ層、および(v)はんだ付けパッドを含むのが典型的である。太陽電池は、化学的/機械的保護のため追加層をさらに含んでもよい。
反射防止層
電極を太陽電池の前面に塗布する前に反射防止層を外層として塗布してもよい。好ましい反射防止層は、前面で反射される入射光の割合を低下させ、ウエハにより吸収されるべく前面を通過する入射光の割合を高めるものである。有利な吸収/反射比率を与える反射防止層は、電気伝導性ペーストによるエッチングの影響をうけやすく、その他の点では電気伝導性ペーストの焼成時に必要な温度に耐性があり、かつ電極界面の近傍で電子および正孔の再結合の増加に寄与しないことが好ましい。本発明の文脈において好適と考えられる、当該技術分野において公知の反射防止層はすべて、利用することができる。好ましい反射防止層には、SiN、SiO、Al、TiO、またはそれらの少なくとも2種の混合物および/もしくはそれらの少なくとも2つの層の組み合わせがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい実施形態によれば、反射防止層は、特にシリコンウエハを利用する場合、SiNである。
反射防止層の厚さは、適切な光の波長に適している。本発明の好ましい実施形態によれば、反射防止層は、少なくとも約20nm、好ましくは少なくとも約40nm、最も好ましくは少なくとも約60nmの厚さを有する。それと同時に、厚さは、好ましくは約300nm以下、好ましくは約200nm以下、最も好ましくは約90nm以下である。
パッシベーション層
シリコンウエハの前側および/または裏側に1つまたは複数のパッシベーション層を外層として塗布してもよい。パッシベーション層(単数または複数)は、前電極を形成する前に塗布しても、あるいは反射防止層を塗布する前に(反射防止層が存在する場合)塗布してもよい。好ましいパッシベーション層は、電極界面の近傍における電子/正孔の再結合速度を低下させるものである。当該技術分野において公知であり、かつ本発明の文脈において好適と考えられる任意のパッシベーション層を利用することができる。好ましいパッシベーション層には、窒化シリコン、二酸化シリコンおよび二酸化チタンがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい実施形態によれば、窒化シリコンを使用する。パッシベーション層は、少なくとも0.1nm、好ましくは少なくとも約10nm、最も好ましくは少なくとも約30nmの厚さを有することが好ましい。それと同時に、パッシベーション層は、好ましくは約2μm以下、一層好ましくは約1μm以下、最も好ましくは約200nm以下である。
追加の保護層
太陽電池の主な機能に直接寄与する上述の層に加えて、機械的および化学的保護のため別の層を加えてもよい。
セルは、化学的保護を与えるため封入してもよい。封入は当該技術分野において周知であり、本発明に好適な任意の封入を利用することができる。好ましい実施形態によれば、こうした封入が存在する場合、透明熱可塑性樹脂と呼ばれることが多い透明ポリマーを封入材料として使用する。好ましい透明ポリマーには、シリコンゴムおよびポリエチレン酢酸ビニル(PVA)があるが、それらに限定されるものではない。
セルの前面に機械的保護を与えるため、太陽電池の前に透明ガラスシートをさらに加えてもよい。透明ガラスシートは当該技術分野において周知であり、任意の好適な透明ガラスシートを利用することができる。
機械的保護を与えるため、太陽電池の背面に裏面保護材を加えてもよい。裏面保護材は当該技術分野において周知であり、任意の好適な裏面保護材を利用することができる。好ましい裏面保護材は、優れた機械的特性および耐候性を有するものである。好ましい裏面保護材は、ポリフッ化ビニルの層を有するポリエチレンテレフタレートである。裏面保護材は、封入層の下に存在することが好ましい(裏面保護層および封入の両方が存在する場合)。
機械的に支持するため、太陽電池の外側にフレーム材を加えてもよい。フレーム材は当該技術分野において周知であり、本発明の文脈において好適と考えられる任意のフレーム材を利用することができる。好ましいフレーム材はアルミニウムである。
太陽電池の調製方法
太陽電池は、前側電極を形成するため、シリコンウエハなどの半導体基板の前側の反射防止コーティングに、たとえば窒化シリコン、酸化シリコン、酸化チタンまたは酸化アルミニウムに、電気伝導性ペースト組成物を塗布することにより調製することができる。次いではんだ付けパッドを形成するため、裏側電気伝導性ペーストを太陽電池の裏側に塗布する。電気伝導性ペーストは、本発明の文脈において好適と考えられる当該技術分野において公知の任意の方法で塗布してもよい。例には、含浸、浸漬、流し込み、滴下、射出、噴霧、ナイフコーティング、カーテンコーティング、ブラッシングもしくは印刷またはそれらの少なくとも2つの組み合わせがあるが、それらに限定されるものではない。好ましい印刷技術は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、タンポン印刷、オフセット印刷、凸版印刷もしくはステンシル印刷またはそれらの少なくとも2つの組み合わせである。電気伝導性ペーストは、印刷により、好ましくはスクリーン印刷により塗布することが好ましい。具体的には、スクリーンは、好ましくは直径が少なくとも約10μm、一層好ましくは少なくとも約15μm、一層好ましくは少なくとも約20μm、最も好ましくは少なくとも約25μmのフィンガーライン開口を有する。それと同時に、フィンガーライン開口の直径は、好ましくは約100μm以下、一層好ましくは約80μm以下、最も好ましくは約70μm以下である。
次いでBSFを形成するため、アルミニウムペーストを基板の裏側に塗布し、裏側電気伝導性ペーストから形成されたはんだ付けパッドの端に重ねる。次いで基板および電気伝導性ペーストの組成により判定された適切なプロファイルに従い、基板を焼成する。
固体導電体を形成するため、焼成を行い印刷された電極およびはんだ付けパッドを焼結させる。焼成は当該技術分野において周知であり、本発明の文脈において好適と考えられる任意の方法で行うことができる。焼成はガラス組成物のT超で行うことが好ましい。
焼成のため設定される最大温度は、約900℃未満、好ましくは約860℃未満である。太陽電池を得るには、約820℃という低い焼成温度が利用されている。焼成温度プロファイルは典型的には、電気伝導性ペースト組成物の有機バインダー材料のほか、存在する他の任意の有機材料の燃え切りが可能なように設定する。焼成するステップは典型的には、ベルト炉にて空気中または酸素含有雰囲気中で行う。焼成は、全焼成時間が約30秒(s)〜約3分の範囲、一層好ましくは約30s〜約2分の範囲、最も好ましくは約40s〜約1分の範囲の迅速焼成プロセスで行うことが好ましい。600℃を超える時間は、最も好ましくは約3〜7sの範囲である。基板は、約1〜5sの時間、約700〜900℃の範囲のピーク温度に達してもよい。焼成はまた、たとえば、約100〜500cm/分の高い輸送速度で停止時間を約0.05〜5分として行ってもよい。所望の熱プロファイルを制御するため、複数の温度領域、たとえば3〜12領域を使用してもよい。
前面および背面の電気伝導性ペーストの焼成は、同時に行ってもあるいは連続的に行ってもよい。両面に塗布される電気伝導性ペーストが類似、好ましくは同一の最適な焼成条件を有する場合、同時焼成が適切である。適切な場合には、焼成は同時に行うことが好ましい。焼成を連続的に行う場合、裏電気伝導性ペーストを最初に塗布および焼成し、続いて電気伝導性ペーストを前面に塗布し、焼成することが好ましい。
焼成プロセスの温度プロファイルは、Despatch製のWafer Test Assembly 1−T/C 156mm SQ(品番DES−300038)に連結されたデータパックリミテッド(Datapaq Ltd.)、ケンブリッジ、英国製のデータロガーDatapaq DQ 1860 Aを用いて測定することができる。データロガーは、データパックリミテッド、ケンブリッジ、英国製のシールドボックスTB7250により保護され、Wafer Test Assemblyの熱電対線に連結される。焼成プロセスの測定温度プロファイルが正確に測定されるように、太陽電池シミュレーターを焼成炉のベルトの最後のウエハの真後ろに置く。遮蔽されたデータロガーは、温度プロファイル安定性に影響を与えないように、約50cmの距離でWafer Test assemblyの後に置かれる。データはデータロガーにより記録され、その後データパックリミテッド、ケンブリッジ、英国製のDatapaq Insight Reflow Tracker V7.05ソフトウェアを備えたコンピューターを用いて分析される。
電気伝導性ペーストの性能の測定
太陽電池の性能を測定するため、標準的な電気試験を行う。印刷された前側ペーストおよび裏側ペーストの両方を有するサンプル太陽電池について、ハルムエレクトロニカ(Halm Elektronik)GmbH製の市販のIVテスター「cetisPV−CTL1」を用いて特性を決定する。測定機器のすべての部分のほか、試験対象の太陽電池は、電気測定中25℃で維持する。この温度は常に、温度プローブによる実際の測定中にセル表面上で同時に測定される。Xeアークランプは、セル表面上で公知のAM1.5、強度1000W/mの太陽光をシミュレートする。シミュレーターをこの強度にするには、ランプを、IVテスターのソフトウェア「PVCTControl 4.260.0」によりモニターされる安定なレベルに達するまで、短時間内に数回フラッシュさせる。ハルムIVテスターは、セルのIV曲線を決定するため、多点接触法を使用して電流(I)および電圧(V)を測定する。そうするには、プローブのフィンガーがセルのバスバーと接触するように、太陽電池を多点接触プローブの間に置く。接触プローブ線の数は、セル表面のバスバーの数に調整する。電気値はすべて、実装されたソフトウェアパッケージにより自動的にこの曲線から直接判定される。標準試料として、同じ面積寸法、同じウエハ材料からなり、同じ前側配置を用いて処理したISE、フライブルグ(Freiburg)製の校正された太陽電池を試験し、データを認証値と比較する。まったく同じ方法で処理した少なくとも5つのウエハを測定し、各値の平均を計算することによりデータを解釈する。ソフトウェアPVCTControl 4.260.0は、効率、曲線因子、短絡電流、直列抵抗および開放電圧の値を与える。
固有接触抵抗は、測定を行う前にすべての設備および材料を平衡状態にして、22±1℃の温度の空調された部屋で測定することができる。シリコン太陽電池の前ドープ層の焼成された銀電極の固有接触抵抗の測定には、GPソーラー(GP Solar)GmbH製の「GP−4 Test 1.6.6 Pro」ソフトウェアパッケージを備えた「GP4−Test Pro」を使用してもよい。この装置は4点測定原理を適用し、伝送長法(TLM:transfer length method)により固有接触抵抗を推定する。固有接触抵抗を測定するため、ウエハの1cm幅の2つのストライプをウエハの印刷されたフィンガーラインに対して垂直に切断する。各ストライプの正確な幅は、0.05mmの精度を有するマイクロメータにより測定する。株式会社キーエンス(Keyence Corp.)製のワイドレンジズームレンズVH−Z100Rを備えたデジタル顕微鏡「VHX−600D」を用いて、焼成された銀フィンガーの幅をストライプ上の3つの異なる地点で測定する。各地点で、2点測定により幅を10回測定する。フィンガー幅値は、全30測定の平均である。フィンガー幅、ストライプ幅、および互いに印刷されたフィンガーの幅を使用して、ソフトウェアパッケージにより固有接触抵抗を算出する。測定電流を14mAに設定する。6つの隣接するフィンガーラインと接触するのに好適な多点接触測定ヘッド(品番04.01.0016)を取り付け、6つの隣接するフィンガーと接触させる。測定は、各ストライプ上に均等に配置された5地点で行う。測定の開始後、ソフトウェアにより、ストライプ上の地点ごとに固有接触抵抗(mΩ*cm)の値が判定される。全10地点の平均を固有接触抵抗の値と見なす。
太陽電池モジュール
本発明の別の態様は、本発明の太陽電池から形成された太陽電池モジュールである。複数の太陽電池を空間的に配置し、電気的に相互接続してモジュールと呼ばれる集合装置を形成することができる。好ましいモジュールは、多くの装置、好ましくはソーラーパネルと呼ばれる長方形の装置を有してもよい。太陽電池を電気的に接続する種々の方法のほか、そうしたセルを機械的に配置し、固定して集合装置を形成する種々の方法が、当該技術分野において周知である。本発明の文脈において好適であると考えられる、当該技術分野において公知の任意のそうした方法を利用することができる。好ましい方法は、低い質量出力比、低い体積出力比(ration)および高い耐久性をもたらすものである。アルミニウムは、太陽電池の機械的固定に好ましい材料である。
実施例1
4種の例示的ガラス組成物のセット(G1〜G4)を各々、下記表1に記載した配合量に従い調製した。量はすべて、ガラス組成物の100%総重量に対する重量パーセントで示す。場合によっては、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)または酸化物に熱分解し得る他のリチウムを含むもしくはナトリウムを含む化合物を出発材料として使用した。
Figure 2016155743
ガラスは溶融急冷法を用いて形成することで、出発材料を粉末形態で所定量にて混合した。次いでこの混合物を空気中または酸素含有雰囲気中で加熱して溶融物を形成し、次いでこれを急冷した。次いで所望の粒度を有する混合物を得るため、急冷したガラスを磨砕し、ボールミルし、スクリーニングした。
次いで約2.5wt%の例示的ガラス組成物を各々、約88wt%銀粉末および約9.5wt%有機ビヒクル(ペースト組成物の100%総重量に対して)と組み合わせて例示的ペーストP1〜P4を形成した。ペーストを均一な稠度に混合したら、ワイヤー直径約16μmおよびEOM15μmの360メッシュのステンレス鋼ワイヤーを有するスクリーンを用いて、シート抵抗90Ω/□のブランクの多結晶シリコンウエハの前側にスクリーン印刷した。市販されている裏側ペーストを使用して、セルの全長にわたり、幅約4mmとしたはんだ付けパッドを形成した。次にセルの後ろ側の残りの領域全体に、市販されているアルミニウム裏側ペーストを印刷してアルミニウムBSFを形成した。次いでセルを適切な温度で乾燥させた。次いで印刷された前側ペーストおよび裏側ペーストを有するシリコン基板を約700〜975℃のピーク温度で焼成した。
ペーストP1〜P4の電気伝導性能を下記表2に記載する。効率(Eta、%)、曲線因子(FF、%)および3つの標準照度下の直列抵抗(Rs3、mΩ)はすべて、本明細書に記載したパラメーターにより算出した。
Figure 2016155743
実施例2
別の例示的ガラス組成物のセット(G5〜G8)を各々、下記表3に記載した配合量に従い調製した。量はすべて、ガラス組成物の100%総重量に対する重量パーセントで示す。ガラス組成物は、実施例1に記載したプロセスにより形成した。
Figure 2016155743
次いで約2.5wt%の例示的ガラス組成物を各々、約88wt%銀粉末および約9.5wt%有機ビヒクル(ペースト組成物の100%総重量に対して)と組み合わせて例示的ペーストP5〜P8を形成し、実施例1に記載されているように混合し、印刷して焼成した。
ペーストP5〜P8の電気伝導性能を下記表4に記載する。効率(Eta、%)、曲線因子(FF、%)、および3つの標準照度下の直列抵抗(Rs3、mΩ)はすべて、本明細書に記載したパラメーターにより算出した。
Figure 2016155743
実施例3
別の例示的ガラス組成物のセット(G9〜G18)を各々、下記表5に記載した配合量に従い調製した。量はすべて、ガラス組成物の100%総重量に対する重量パーセントで示す。ガラス組成物は、実施例1に記載したプロセスにより形成した。
Figure 2016155743
次いで約2.5wt%の例示的ガラス組成物を各々、約88wt%銀粉末および約9.5wt%有機ビヒクル(ペースト組成物の100%総重量に対して)と組み合わせて例示的ペーストP9〜P18を形成し、実施例1に記載されているように混合し、印刷して焼成した。
ペーストP9およびP17の電気伝導性能を下記表6に記載する。効率(Eta、%)、曲線因子(FF、%)、および3つの標準照度下の直列抵抗(Rs3、mΩ)はすべて、本明細書に記載したパラメーターにより算出した。
Figure 2016155743
実施例4
別の例示的ガラス組成物のセット(G19〜G26)を各々、下記表7に記載した配合量に従い調製した。ガラス組成物は、実施例1に記載したプロセスにより形成した。
Figure 2016155743
次いで約2.5wt%の例示的ガラス組成物を各々、約88wt%銀粉末および約9.5wt%有機ビヒクル(ペースト組成物の100%総重量に対して)と組み合わせて例示的ペーストP19〜P26を形成し、実施例1に記載されているように混合し、印刷して焼成した。
本発明のこれらおよび他の利点は、前述の明細書から当業者に明らかになるであろう。そのため、本発明の広範な発明思想を逸脱することなく、上述の実施形態に変更または修正をなし得ることが当業者により理解されるであろう。任意の特定の実施形態の具体的な寸法は、例示のみを目的として記載される。したがって、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲および精神内にあるすべての変更および修正を含むことを意図しているものと理解されるべきである。
実施例5
別のガラス組成物の対(G27〜G28)を各々、下記表8に記載した配合量に従い調製した。ガラス組成物は、実施例1に記載したプロセスにより形成した。
Figure 2016155743
次いで約2.5wt%の例示的ガラス組成物を各々、約88wt%銀粉末および約9.5wt%有機ビヒクル(ペースト組成物の100%総重量に対して)と組み合わせて例示的ペーストP27〜P28を形成し、実施例1に記載されているように混合し、印刷して焼成した。
ペーストP27およびP28の電気伝導性能を下記表9に記載する。効率(Eta、%)、曲線因子(FF、%)および3つの標準照度下の直列抵抗(Rs3、mΩ)は、本明細書に記載したパラメーターにより算出した。
Figure 2016155743

Claims (17)

  1. 導電性金属粒子;
    少なくとも1種のガラス組成物;および
    有機ビヒクル
    を含む電気伝導性ペースト組成物であって、
    前記少なくとも1種のガラス組成物はTeOと、Biと、酸化亜鉛(ZnO)と、アルカリ金属およびその酸化物、アルカリ土類金属およびその酸化物、希土類金属およびその酸化物、ならびに銀化合物からなる群から選択される少なくとも1種のイオン性ガラス修飾物質(IGM)とを含み、
    a)IGMに対するBiの重量比は、約5〜15の範囲にあり;
    b)ZnOに対するBiの重量比は、約1〜4の範囲にあり;
    c)IGMに対するZnOの重量比は、約0.1〜10の範囲にあり;かつ
    d)IGMおよび/またはZnOの量は前記ガラス組成物の総重量に対して約1wt%より多い、
    電気伝導性ペースト組成物。
  2. (b)Bi、ZnOおよびIGMの総量に対する(a)IGMの重量比は、約0.08〜0.4の範囲にある、請求項1に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  3. Biに対するTeOの重量比は、約2.5〜4.0の範囲にある、請求項1または2に記載の電気伝導性ペースト組成物
  4. TeO、Bi、ZnOおよびIGMの全量は前記ガラス組成物の総重量に対して約97wt%を超える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  5. 前記少なくとも1種のガラス組成物は前記ガラス組成物の総重量に対して約40〜90wt%、好ましくは約50〜90wt%、最も好ましくは約60〜80wt%TeOを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  6. 前記少なくとも1種のガラス組成物は前記ガラス組成物の総重量に対して約10〜40wt%、好ましくは約10〜30wt%、最も好ましくは約20〜30wt%Biを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  7. 前記少なくとも1種のガラス組成物は前記ガラス組成物の総重量に対して約1〜20wt%ZnO、好ましくは約1〜15wt%、最も好ましくは約1〜10wt%ZnOを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  8. 前記少なくとも1種のガラス組成物は前記ガラス組成物の総重量に対して約1〜20wt%IGM、好ましくは約1〜10wt%IGM、最も好ましくは約1〜5wt%IGMを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  9. 前記少なくとも1種のガラス組成物は前記ガラス組成物の総モル数に対して約1〜30mol%、好ましくは約10〜25mol%、最も好ましくは約15〜20mol%IGMを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  10. 前記少なくとも1種のIGMは酸化リチウム(LiO)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  11. (b)Bi、ZnOおよびLiOの総量に対する(a)Biの重量比は約0.75未満である、請求項10に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  12. 前記ペーストは前記ペーストの100%総重量に対して少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約60wt%、一層好ましくは少なくとも約70wt%、最も好ましくは少なくとも約80wt%金属粒子を含み、かつ約95wt%以下の金属粒子を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物をシリコンウエハに塗布し、前記シリコンウエハを焼成することにより製造された太陽電池。
  14. 前記電気伝導性ペースト組成物は前記シリコンウエハの表面の反射防止コーティングに塗布される、請求項13に記載の太陽電池。
  15. 請求項13または14に記載の、少なくとも1つの電気的に相互接続された太陽電池を含む太陽電池モジュール。
  16. 前側および裏側を有するシリコンウエハを用意するステップ;
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気伝導性ペースト組成物を前記シリコンウエハに塗布するステップ;および
    前記シリコンウエハを焼成するステップ
    を含む太陽電池を製造する方法。
  17. 前記電気伝導性ペースト組成物は前記シリコンウエハの前記前側に塗布される、請求項16に記載の太陽電池を製造する方法。


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