実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当りの発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9で変動表示される図柄の表示結果が大当りでない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態である時短状態(時間短縮状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。なお、この実施の形態では、所定の移行条件が成立した場合には、確変状態(つまり、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い遊技状態)かつ時短状態(つまり、通常状態および確変状態に比べて特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)である確変時短状態にも移行される。確変時短状態においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。
上記のように、確変時短状態や時短状態において、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加されるが、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行制御することによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度がより一層高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数がより一層高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
なお、確変時短状態や時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動表示が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、確変時短状態や時短状態において、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動表示開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動時間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
ステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを滑り演出などの有無でグループ化してもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動表示に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態(最終停止図柄が導出表示される前の状態であって、既に停止表示されている演出図柄により大当り図柄の組み合わせが最終停止される可能性が継続している状態)にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、PA1−1(非リーチPA1−1)〜PA1−3(非リーチPA1−3)、PA2−1(非リーチPA2−1)〜PA2−3(非リーチPA2−3)の変動パターンが用意されている。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、PA3−1(ノーマルPA3−1)〜PA3−2(ノーマルPA3−2)、PA3−3(スーパーPA3−3)〜PA3−6
(スーパーPA3−6)の変動パターンが用意されている。なお、スーパーリーチの変動パターンとして、スーパーリーチαの変動パターンと、スーパーリーチβの変動パターンとがある。
ノーマルPA3−2、スーパーPA3−4、スーパーPA3−6の変動パターンは、擬似連の演出を伴う変動パターンである。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。なお、図8における「擬似連2回」は2回の仮停止が行われることを意味し、「擬似連3回」は3回の仮停止が行われることを意味する。また、擬似連演出が実行された後、リーチ演出が実行される。
1回の仮停止が行われる擬似連演出を伴う変動パターンを用いたり、3回を越える仮停止が行われる擬似連演出を伴う変動パターンを用いたりしてもよい。
また、リーチしない場合に擬似連演出を伴う変動パターンがあってもよい。
また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、PB1−1(ノーマルPB1)−1〜PB1−2(ノーマルPB1−2)、PB1−3(スーパーPB1−3)〜PB1−6(スーパーPB1−6)の変動パターンが用意されている。
スーパーPB1−7〜スーパーPB1−8の変動パターンは、擬似連の演出を伴う変動パターンである。
図9は、演出図柄の変動パターン種別を示す説明図である。図9に示すように、CA1−1は、変動表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−2は、変動表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜4個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−3は、変動表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数5〜8個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−4は、変動表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−5は、変動表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜8個短縮(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別である。
また、CA2−1は、変動表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CA2−2は、変動表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。
また、CB1−1は、変動表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CB1−2は、変動表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。
図10は、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを示す説明図である。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り変動パターン種別決定テーブル132Aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、CB1−1〜CB1−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図11(A)〜(B)は、はずれ変動パターン種別判定テーブル133A〜133Bを示す説明図である。このうち、図11(A)には、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−1,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜4である場合に用いられる変動パターン種別CA1−2,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が5〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−3,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとが示されている。また、図11(B)には、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−4,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−5,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとが示されている。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブル134Aと大当り変動パターン決定テーブル134Bを示す説明図である。図12(A)に示すはずれ変動パターン決定テーブル134Aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図12(B)に示す大当り変動パターン判定テーブル134Bは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示すように、変動パターン種別CB1−2は、確変大当りの場合には、非確変大当り(通常大当り)の場合に比べて高い割合で選択される。また、変動パターン種別CB1−1は、非確変大当りの場合には、確変大当りの場合に比べて高い割合で選択される。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドは使用されないが、変動表示が開始される前の1回または複数回の変動表示に亘って予告演出(いわゆる、先読み予告演出)を実行する場合には使用される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンドおよび大当り開始指定2指定コマンドがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。なお、コマンドB000(H)〜B002(H)を遊技状態指定コマンドという。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図16(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図16(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
図16(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1221)。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図16(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1232)。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0である場合には、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でない場合には、CPU56は、保留特定領域(図17(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行することが好ましい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7(A)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、ステップS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致する場合には、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップS71)。次いで、CPU56は、図7(B)に示す大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」または「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」を設定し、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」を設定する。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を通常大当り」に決定した場合には「3」(通常大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」(確変大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを用いることに決定する(ステップS92)。
大当りフラグがセットされていないときは、CPU56は、はずれ変動パターン種別決定テーブル133Aまたは133Bを用いることに決定する(ステップS95)。なお、現在の遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認するとともに現在の合算保留記憶数を確認して、遊技状態および合算保留記憶数に応じたテーブルを選択する(図11参照)。また、時短フラグがセットされているか否かによって遊技状態を確認し、保留記憶数カウンタの値によって合算保留記憶数を確認する。その後、ステップS102に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,95の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
また、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン決定テーブル134B(図12(B)参照)、またははずれ変動パターン決定テーブル134A(図12(A)参照)かを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム4(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS104)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS106)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS107)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS108)。
なお、はずれと決定されている場合において、変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。なお、大当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74の処理で大当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。
ステップS112では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変フラグがセットされている場合には、ステップS146に移行する。セットされていない場合には、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動表示可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。
時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS144)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS145)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS175に移行する。
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットするとともに(ステップS171)、時短フラグをセットする(ステップS172)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS173,S174)。そして、ステップS175に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S172の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS175では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。その後、ステップS702に移行する。
図25は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS619)。ただし、受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)である場合には、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行い、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドである場合には、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う。また、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドである場合には、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新し、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドである場合には、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する。そして、ステップS611に移行する。
図26は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図26に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および特定演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
特定演出決定用乱数SR2は、特定演出の種類(具体的には、擬似連演出に関連して表示される特定画像(例えば、キャラクタ画像)の種類と表示位置)を決定するために用いられる乱数である。
図27および図28は、特定演出の一例を示す説明図である。特定演出は、擬似連演出を伴う変動パターンにもとづいて演出図柄の変動表示が実行されているときに、仮停止表示する際に、図柄表示エリア9L,9C,9Rのうちのいずれかの近傍において実行される予告演出である。
図27の左側には、左の図柄表示エリア9Lにおいて特定演出が実行される例が示されている。図27の右側には、右の図柄表示エリア9Rにおいて特定演出が実行される例が示されている。図28には、右の図柄表示エリア9Rにおいて特定演出が実行される例が示されている。
図27および図28に示す例では、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて左中右の演出図柄が変動を開始した後(図27(A),(B)参照)、左中右の演出図柄が仮停止表示される(図27(C)参照)。その際に、図27の左側に示す例では、特定画像としてのキャラクタ画像9aが、左図柄の近傍に所定期間(例えば、2秒)表示される(図27(C),(D)参照)。図27の右側に示す例では、特定画像としてのキャラクタ画像9aが、右図柄の近傍に所定期間表示される。図28に示す例では、特定画像としてのキャラクタ画像9aが、中図柄の近傍に所定期間表示される。
図29は、特定演出の他の例を示す説明図である。図29に示す例では、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて左中右の演出図柄が変動を開始した後(図29(A),(B)参照)、左中右の演出図柄が仮停止表示される(図29(C)参照)。その際に、特定画像としてのキャラクタ画像9bが、左図柄の近傍に所定期間表示される(図29(C),(D)参照)。
なお、キャラクタ画像9bが、中図柄の近傍または右図柄の近傍に表示されることもある。
また、図27〜図29に示す例では、演出図柄の近傍は、演出図柄の表示領域における背面(演出図柄の表面よりも後ろの面)である。
そのような表示制御を実現するには、VDP109が、キャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bを背景画像に重畳し、さらに、演出図柄をスプライト画像として背景画像上に重ねた画像を生成する。
なお、演出図柄の近傍は、演出図柄の表示領域における背面に限られず、表示画面における演出図柄の上、下、左または右の領域であって、演出図柄から所定距離(一例として、表示画面のサイズの1/10)以内の領域であってもよい。
また、図27〜図29に示す例では、左中右の演出図柄が仮停止表示した直後にキャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bが表示されるが、仮停止表示する直前または仮停止と同時にキャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bを表示してもよい。
また、変動表示領域(図柄表示エリアの近傍)内の複数位置で、キャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bが表示されるようにし、表示位置が異なると大当りに対する期待度が変わるようにしてもよい。
図30および図31は予告パターン決定テーブルを示す説明図である。予告パターン決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに格納されている。図30は、仮停止回数が3回である場合に使用される。図31は、仮停止回数が2回である場合に使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する予告パターンを用いることに決定する。なお、図30および図31には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。
図30および図31に予告パターン決定テーブルを用いる場合には、仮停止時の仮停止図柄(「1」「1」「2」または「6」「6」「7」:以下、チャンス目ともいう。)が決定されるとともに、演出態様として、いずれの仮停止時にいずれの演出図柄の近傍にいずれの種類のキャラクタ画像が表示されるのかが決定される。なお、「キャラクタA」はキャラクタ画像9aのことであり、「キャラクタB」はキャラクタ画像9bのことである。
なお、この実施の形態では、予告パターン決定テーブルを用いることによって、仮停止図柄と演出態様との双方が決定されるが、それらを、別個に決定するようにしてもよい。すなわち、仮停止図柄を決定した後演出態様(キャラクタ画像の種類や表示位置)を決定してもよいし、演出態様を決定した後仮停止図柄を決定してもよい。
また、この実施の形態では、1回の可変表示における全ての仮停止時に同じ仮停止図柄が表示されるが、同じでなくてもよい。例えば、各々の仮停止の回で異なる仮停止図柄が仮停止表示されるようにしてもよい。その場合、各々の仮停止時に仮停止図柄を例えば乱数を用いた抽選によって決定してもよいし、最初に(例えば、変動開始時に)各々の仮停止の回も仮停止図柄を決定してもよい。
図30および図31に示すように、全ての仮停止回において特定演出が実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い(大当りへの信頼度が高い)。また、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も低い(大当りへの信頼度が低い)。
また、1回目については、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。
また、図30に示す例では、2回目に中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.02,04,08,11,22,24,28,31(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(20+12+5+3+40+24+6+6)/300=0.39の割合で生じ、はずれ時には(2+2+4+4+1+1+2+2)/300=0.06の割合で生ずる。
2回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.01,05,09,10,21,25,29,30(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(25+2+1+4+50+4+4+8)/300=0.33の割合で生じ、はずれ時には(2+2+10+10+1+1+5+5)/300=0.12の割合で生ずる。
2回目に右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.03,06,07,12,23,26,27,30(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(15+1+4+2+30+2+10+4)/300=0.23の割合で生じ、はずれ時には(8+16+8+12+4+8+4+6)/300=0.22の割合で生ずる。
従って、2回目については、中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。
なお、この実施の形態では、大当りに対する期待度に関して、「なし」(特定演出が実行されない)については考慮されないが、「なし」を考慮に入れてもよい。例えば、No.10の予告パターンは、2回目(遊技者から見ると初めての(1回目の)仮停止ではあるが)で、左の図柄表示エリア9Lの近傍で「キャラクタA」による演出が実行される予告パターンであるとする。その上で、上記のように、いずれの図柄表示エリア9Lの近傍でいずれの特定演出が実行されるかに応じて期待度が異なるように判定値が設定されてもよい。
また、仮停止図柄が「6」「6」「7」である場合には、仮停止図柄が「1」「1」「2」である場合に比べて大当りに対する期待度が高い。
また、例えば、1回目および2回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合には、1回目においてのみ左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合(2回目は、中の図柄表示エリア9Cの近傍または右の図柄表示エリア9Rの近傍)に比べて、大当りに対する期待度が高い(予告パターンNo.01〜03,21〜23参照)。また、2回目および3回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合には、いずれかにおいてのみ左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合に比べて、大当りに対する期待度が高い(予告パターンNo.01〜03,21〜23参照)。すなわち、特定予告が実行される図柄表示エリア9L,9C,9Rの組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、各々の実行回における特定予告が実行される図柄表示エリア(具体的には、図柄表示エリアの近傍)が決定される。
また、図30に示す例では、「キャラクタB」による特定予告が右の図柄表示エリア9Rの近傍で実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍または中の図柄表示エリア9Cの近傍で実行される場合に大当りに対する期待度が高い([右の図柄表示エリア9Rの近傍で実行される場合の大当り時の判定値の和/はずれ時の判定値の和]が、[左の図柄表示エリア9Lおよび中の図柄表示エリア9Cの近傍で実行される場合の大当り時の判定値の和/はずれ時の判定値の和]よりも大きい)。すなわち、特定予告の種類と特定予告が実行される図柄表示エリアとの組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告の種類と特定予告が実行される図柄表示エリア(具体的には、図柄表示エリアの近傍)とが決定される。
なお、図30および図31に示す例は一例であって、3回(または2回)の仮停止の機会のうちのいずれかの1回のみ(または2回のみ)において特定演出を実行するようにしてもよい。また、全ての実行機会において常に特定演出を実行するようにしてもよい。例えば、1回目および3回目の仮停止に際して特定演出を実行したり、1回目および2回目の仮停止に際して特定演出を実行したりしてもよい。
また、図31に示す例において、仮停止図柄が「1」「1」「2」であるときには、「キャラクタB」は1回目においてのみ使用可能であるようにしてもよい。
また、大当り確率(通常状態では、1/300)と大当りになるときの擬似連演出の発生率(擬似連演出を伴う変動パターンの選択率)との積が、はずれ確率(通常状態では、299/300)とはずれになるときの擬似連演出の発生率との積が等しい(つまり、大当り時には、はずれの場合に比べて発生率が299倍)場合には、全ての変動パターンを考慮して、大当りに対する期待度が上記のようになるように、判定値数が割り当てられる。
擬似連演出が発生したときを対象として大当りに対する期待度を算出する場合には(擬似連演出が発生したときに限って、大当りに対する期待度が高い/低いを考慮する場合)には、図30および図31に例示するような判定値の設定がなされる。
また、1回の仮停止が行われる擬似連演出を伴う変動パターンや、3回を越える仮停止が行われる擬似連演出を伴う変動パターンを用いる場合にも、大当りに対する期待度を、上記のような大当りに対する期待度の傾向(左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに大当りに対する期待度が最も高い、仮停止図柄が「6」「6」「7」である場合には、仮停止図柄が「1」「1」「2」である場合に比べて大当りに対する期待度が高いなど)に合わせる。
また、この実施の形態では、擬似連演出を伴う変動パターンはリーチ変動パターンであるが、リーチしない場合に擬似連演出を伴う変動パターンがある場合には、低い割合で特定演出を実行してもよい。
図32は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図33は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図34は、図32に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域から、受信した表示結果指定コマンドを読み出す(ステップS822)。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンが擬似連変動パターン(擬似連演出を伴う変動パターン)であるか否か確認する(ステップS823)。擬似連変動パターンでない場合には、ステップS826に移行する。
擬似連変動パターンである場合には、演出制御用CPU101は、特定演出決定用乱数を抽出し(ステップS824)、図30に示された予告パターン決定テーブルまたは図31に示された予告パターン決定テーブルを用いて使用する予告パターン(チャンス目と演出態様)を決定する(ステップS825)。具体的には、特定演出決定用乱数の値に一致する判定値(予告パターン決定テーブルに設定されている判定値)に対応する予告パターンに決定する。そして、ステップS831に移行する。
なお、ステップS825の処理で、演出制御用CPU101は、大当りの場合には大当り用の判定値を使用し、はずれの場合にははずれ用の判定値を使用する。また、演出制御用CPU101は、決定した予告パターンをRAMに記憶する。
また、ステップS825の処理で、特定演出が実行される場合のチャンス目が決定されるが、演出制御用CPU101は、特定演出が実行されない場合(図30および図31において「なし」とされている場合に対応)の仮停止図柄(チャンス目と同じでもよい。)を決定して、RAMに記憶する。
ステップS826では、演出制御用CPU101は、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を決定する。そして、ステップS831に移行する。
図35は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図35に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する(擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
大当り図柄を決定する際に、具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS826の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、および特定演出の演出態様に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
図36に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、変動パターン、および特定演出の演出態様に応じて用意されている。すなわち、特定演出の各々の種類に応じたプロセステーブルがROMに格納されている。
特定演出を実行することに決定されている場合には、ステップS831の処理で、ステップS825の処理で決定された予告パターンの演出態様を実現するためのプロセステーブル(決定された予告パターンに対応するプロセステーブル)が選択され、ステップS833の処理でプロセスデータに従って演出装置が制御され、その後、プロセスタイマがタイムアウトするとプロセステーブルにおける次のプロセスデータに従って演出装置が制御されることによって、図27〜図29に例示された特定演出が実行される。
なお、この実施の形態では、特定演出が実行される場合には、擬似連演出が実行された後リーチ演出が実行されるので、特定演出の演出態様を実現するためのプロセステーブルには、擬似連演出が終了した後に実行されるリーチ演出を実現するためのプロセスデータも設定されている。
図36は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示時間(変動時間)中の演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で表示演出を実行させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS834)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS835)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。
その後、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS836)。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS841)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS843)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS844)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS845)。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動中の背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS846)。
なお、特定演出が実行されている場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の仮停止タイミングが到来したときに、RAMに記憶されている予告パターンで特定される仮停止図柄を所定期間仮停止する。仮停止タイミングは、変動パターン毎にあらかじめ決めれているが、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値によって仮停止タイミングを認識できる。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、ステップS853に移行する。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行い(ステップS861)、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には図柄確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS862)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS865)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS866)。
大当りにしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS867)。
図39および図40は、変形例における予告パターン決定テーブルを示す説明図である。図39および図40に示す例では、図30および図31に示す例とは異なり、全ての仮停止回において特定演出が実行される場合には、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い(大当りへの信頼度が高い)。また、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も低い(大当りへの信頼度が低い)。
また、1回目については、左の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。2回目については、中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。
第1の実施の形態では、演出制御用CPU101は、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるかに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告が実行される図柄表示エリアを決定するので、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるのかに遊技者を注目させることができ、チャンス目が仮停止表示される際の遊技の興趣をより向上させることができる。
また、演出制御用CPU101は、いずれの種類のチャンス目が仮停止表示されるのかといずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるかとに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、仮停止表示されるチャンス目と特定予告が実行される図柄表示エリアとを決定するので、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるのかと仮停止表示されるチャンス目とに遊技者を注目させることができ、チャンス目が仮停止表示される際の遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、チャンス目として、「6」「6」「7」および「1」「1」「2」が使用されるが、他の図柄の組み合わせを用いてもよい。また、チャンス目は、1種類であってもよい。また、この実施の形態では、チャンス目以外の演出図柄の組み合わせでも使用される演出図柄(「1」、「2」、「6」、「7」)が用いられるが、チャンス目以外の演出図柄の組み合わせでは使用されない図柄等を用いてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに全ての図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいてチャンス目を仮停止表示させた後に変動表示を再度実行する再変動表示を実行する場合に、チャンス目が仮停止表示する際に、図柄表示エリア9L,9C,9Rのうちのいずれかの近傍において特定予告を実行したが、第2の実施の形態では、保留記憶中に表示結果を大当り図柄にする保留があったときに複数回の変動表示に亘って予告演出(いわゆる先読み予告演出(連続予告演出ともいう。))を実行する。そして、チャンス目が導出表示される際に、図柄表示エリア9L,9C,9Rのうちのいずれかの近傍において特定予告を実行する。
この実施の形態では、第1の実施の形態の場合と同様に特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する連続予告演出(先読み予告演出)を実行する。
この実施の形態では、特定演出は、連続予告演出が実行されているときに、演出図柄を停止表示する際に、図柄表示エリア9L,9C,9Rのうちのいずれかの近傍において実行される予告演出である。すなわち、図27〜図29に示された演出と同様に、演出図柄の近傍においてキャラクタ画像が表示される演出である。ただし、第1の実施の形態では、左中右の演出図柄が仮停止表示される際にキャラクタ画像が表示されるが、この実施の形態では、左中右の演出図柄が導出表示(最終停止表示)される際にキャラクタ画像が表示される。
また、この実施の形態では、左中右の演出図柄が導出停止された後にキャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bが表示されるが、導出停止される直前または導出停止と同時にキャラクタ画像9aまたはキャラクタ画像9bを表示してもよい。
図41は、入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理は、始動口スイッチ通過処理(図15参照)において実行される。
入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS1216,S1226の処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216,S1226の処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り種別決定用乱数と大当り種別判定テーブルとを用いて、大当り種別を判定する(ステップS224)。そして、大当り種別を示す入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして大当り種別に対応するデータを設定する(ステップS225)。そして、ステップS231に移行する。なお、入賞時判定結果指定コマンドは、入賞時判定処理の結果を示す演出制御コマンドである。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、始動入賞にもとづいて開始される変動(可変表示)の開始時の遊技状態が確変状態になるか否か確認する(ステップS222)。
ステップS222の処理で、CPU56は、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがセットされていれば)、保留記憶バッファにおいて通常大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がある場合には、遊技状態が確変状態にならないと判定する。また、CPU56は、現在の遊技状態が通常状態であって(確変フラグがセットされていない)、保留記憶バッファにおいて確変大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がない場合にも、遊技状態が確変状態にならないと判定する。
遊技状態が確変状態になる場合には、CPU56は、ステップS1216,S1226の処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。一致する場合には、ステップS224に移行する。
一致しない場合には、CPU56は、ステップS1216,S1226の処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と変動パターン決定テーブルとを用いて、変動パターンがリーチ演出を伴うリーチ変動パターンになるか否か判定する(ステップS226,S227)。
変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータを設定する(ステップS228)。そして、ステップS231に移行する。
変動パターンがリーチ変動パターンにならない場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンではなく、かつ、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータを設定する(ステップS229)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、ステップS225,S228,S229の処理でEXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図42は、第2の実施の形態における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、先読み予告演出決定処理を実行した後(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。
図43は、先読み予告演出決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理(図34参照)において、ステップS823〜S825の処理を実行しない。
先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの入賞時判定結果指定コマンドを新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。入賞時判定結果指定コマンドが受信されると、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを入賞時判定結果記憶バッファに格納する。入賞時判定結果記憶バッファは、8つの入賞時判定結果指定コマンドを記憶可能である。
ステップS6001の処理では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに入賞時判定結果指定コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって、入賞時判定結果指定コマンドを新たに受信したか否か確認できる。新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。
新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU101は、既に予告演出(先読み予告演出)の実行中または実行することに決定されていることを示す予告実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS6002)。なお、予告実行フラグは、ステップS6009の処理でセットされる。予告実行フラグがセットされている場合には、処理を終了する。
予告実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が2以上であるか否か確認する(ステップS6003)。合算保留記憶数が2未満である場合には、処理を終了する。合算保留記憶数が2以上である場合には、大当りまたはリーチはずれになる保留記憶がある(入賞時判定結果記憶バッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドの中に大当りまたはリーチはずれになることを示す入賞時判定結果指定コマンドがある)か否か確認する(ステップS6004)。そのような保留記憶がない場合には、処理を終了する。
なお、ステップS6004の処理で大当りまたはリーチはずれになる保留記憶がないと判定された場合には、全ての保留記憶は非リーチはずれになる保留記憶である。すなわち、この実施の形態では、非リーチはずれを対象とする連続予告演出は実行されない。
しかし、非リーチはずれを対象とする連続予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、連続予告演出は、「偽」の予告演出である(大当りまたはリーチはずれにならないので)。
そのような保留記憶がある場合には、演出制御用CPU101は、その保留記憶(以下、予告対象の入賞時判定結果または予告対象の保留記憶という。)の1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果が全て非リーチはずれになるか否か確認する(ステップS6005)。非リーチはずれにならないものがある場合には、処理を終了する。全て非リーチはずれになる場合には、ステップS6006に移行する。なお、ステップS6004の処理で大当りまたはリーチはずれになる保留記憶があると判定された場合、その保留記憶が最新の保留記憶であるときには、「その前」の保留記憶は存在しないので、ステップS6005の判定処理の結果は当然「N」である。
なお、ステップS6004の処理を実行せず、ステップS6005の処理における「その前」を「最新の保留記憶」に置き換えて処理を実行するようにしてもよい。
ステップS6006では、演出制御用CPU101は、特定演出決定用乱数を抽出し、予告パターン決定テーブルを用いて、予告演出(先読み予告演出すなわち連続予告演出)を実行するか否か等を決定する。
図44および図45は、第2の実施の形態における予告パターン決定テーブルを示す説明図である。予告パターン決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに格納されている。図44は、先読み予告演出を実行可能な変動表示の回数が3回である場合(今回の判定対象の保留よりも前に発生した保留記憶の数が3である場合)に使用される。図45は、先読み予告演出を実行可能な変動表示の回数が2回である場合(今回の判定対象の保留よりも前に発生した保留記憶の数が2である場合)に使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する予告パターン(連続予告パターン)を用いることに決定する。なお、図44および図45には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。また、図44および図45には、先読み予告演出を実行可能な変動表示の回数が3回である場合と変動表示の回数が2回である場合とが例示されているが、先読み予告演出を実行可能な変動表示の回数の各々に対応する予告パターン決定テーブルがROMに格納されている。
また、図44および図45に示す予告パターン決定テーブルおける判定値の割り当て方は、図30および図31に示された予告パターン決定テーブルおける割り当て方と同じである。
従って、図44および図45に示すように、第1の実施の形態の場合と同様に、全ての変動回において特定演出が実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い(大当りへの信頼度が高い)。また、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も低い(大当りへの信頼度が低い)。
また、1回目については、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。
また、図44に示す例では、2回目に中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.02,04,08,11,22,24,28,31(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(20+12+5+3+40+24+6+6)/300=0.39の割合で生じ、はずれ時には(2+2+4+4+1+1+2+2)/300=0.06の割合で生ずる。
2回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.01,05,09,10,21,25,29,30(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(25+2+1+4+50+4+4+8)/300=0.33の割合で生じ、はずれ時には(2+2+10+10+1+1+5+5)/300=0.12の割合で生ずる。
2回目に右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行される予告パターンは、No.03,06,07,12,23,26,27,30(2回目および3回目に実行される場合には、2回目を1回目と見なす。)であるが、それらの予告パターンは、大当り時には(15+1+4+2+30+2+10+4)/300=0.23の割合で生じ、はずれ時には(8+16+8+12+4+8+4+6)/300=0.22の割合で生ずる。
従って、2回目については、中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い。
また、停止図柄が「6」「6」「7」である場合には、停止図柄が「1」「1」「2」である場合に比べて大当りに対する期待度が高い。
また、例えば、1回目および2回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合には、1回目においてのみ左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合(2回目は、中の図柄表示エリア9Cの近傍または右の図柄表示エリア9Rの近傍)に比べて、大当りに対する期待度が高い(予告パターンNo.01〜03,21〜23参照)。また、2回目および3回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合には、いずれかにおいてのみ左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合に比べて、大当りに対する期待度が高い(予告パターンNo.01〜03,21〜23参照)。すなわち、特定予告が実行される図柄表示エリア9L,9C,9Rの組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、各々の実行回における特定予告が実行される図柄表示エリア(具体的には、図柄表示エリアの近傍)が決定される。
また、図30に示す例では、「キャラクタB」による特定予告が右の図柄表示エリア9Rの近傍で実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍または中の図柄表示エリア9Cの近傍で実行される場合に大当りに対する期待度が高い([右の図柄表示エリア9Rの近傍で実行される場合の大当り時の判定値の和/はずれ時の判定値の和]が、[左の図柄表示エリア9Lおよび中の図柄表示エリア9Cの近傍で実行される場合の大当り時の判定値の和/はずれ時の判定値の和]よりも大きい)。すなわち、特定予告の種類と特定予告が実行される図柄表示エリアとの組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告の種類と特定予告が実行される図柄表示エリア(具体的には、図柄表示エリアの近傍)とが決定される。
演出制御用CPU101は、予告演出(先読み予告演出)を実行すると決定した場合には(ステップS6008)、予告実行フラグをセットし(ステップS6009)、予告の演出態様をRAMに記憶する(ステップS6010)。
ステップS6006の処理で、各変動停止時の停止図柄(「1」「1」「2」または「6」「6」「7」(チャンス目))が決定されるとともに、演出態様として、いずれの変動回にいずれの演出図柄の近傍にいずれの種類のキャラクタ画像が表示されるのかが決定される。なお、「キャラクタA」はキャラクタ画像9aのことであり、「キャラクタB」はキャラクタ画像9bのことである。
なお、この実施の形態では、予告パターン決定テーブルを用いることによって、停止図柄と演出態様との双方が決定されるが、それらを、別個に決定するようにしてもよい。すなわち、仮停止図柄を決定した後演出態様(キャラクタ画像の種類や表示位置)を決定してもよいし、演出態様を決定した後仮停止図柄を決定してもよい。
また、演出制御用CPU101は、予告対象の保留記憶の(番号−1)を予告演出実行回数カウンタにセットする(ステップS6011)。予告演出実行回数カウンタは、予告対象の保留記憶にもとづく変動(可変表示)までに実行される変動の回数(予告対象の保留記憶にもとづく変動を含む。)をカウントするためのカウンタである。
なお、保留記憶の番号は、何番目の保留記憶であるかを示す情報に相当するが、図26に示された例を参照すると、例えば入賞時判定結果記憶バッファにおける格納領域3に格納された入賞時判定結果が予告対象であるとすると、予告対象の保留記憶の番号は「3」である。
演出制御用CPU101は、次の演出図柄の変動開始以降に、予告実行フラグがセットされていた場合には、RAMに記憶された演出態様を実現するためのプロセステーブルを用いて変動中の演出を実行することによって、連続演出を実現するとともに、特定演出を実現する。また、演出制御用CPU101は、RAMに記憶された「停止図柄」を変動終了時に導出表示する。
なお、図44および図45に示された予告決定テーブルにおいて「なし」に対応する変動回では、ステップS826の処理で決定される「停止図柄」を変動終了時に導出表示するが、チャンス目を導出表示するようにしてもよい。
第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるかに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告が実行される図柄表示エリアを決定するので、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるのかに遊技者を注目させることができ、チャンス目が導出表示される際の遊技の興趣をより向上させることができる。
また、演出制御用CPU101は、いずれの種類のチャンス目が導出表示されるのかといずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるかに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、導出表示されるチャンス目と特定予告が実行される図柄表示エリアとを決定するので、いずれの図柄表示エリアで特定予告が実行されるのかと導出表示されるチャンス目とに遊技者を注目させることができ、チャンス目が導出表示される際の遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、この実施の形態では、チャンス目として、チャンス目以外の演出図柄の組み合わせでも使用される演出図柄が用いられるが、チャンス目以外の演出図柄の組み合わせでは使用されない図柄等を用いてもよい。
また、第2の実施の形態では、演出図柄変動開始処理(図34参照)において、ステップS823〜S825の処理を実行しないようにしたが、すなわち、擬似連演出が行われているときには特定演出を実行しないようにしたが、第2の実施形態において、擬似連演出が行われているときにも特定演出を実行するようにしてもよい。
その場合、擬似連演出におけるチャンス目と先読み予告演出おけるチャンス目とは、同じでもよいし異なっていてもよい。
擬似連演出が行われているときにも特定演出を実行する場合、図44および図45に示す予告パターン決定テーブル(連続予告パターン決定テーブル)おける判定値の割り当て方を、図30および図31に示された予告パターン決定テーブル(通常予告パターン決定テーブル)おける割り当て方と変えてもよい。すなわち、大当りに対する期待度の傾向を変えてもよい。
例えば、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の場合と同様に、全ての変動回において特定演出が実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高くなり、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も低くなるようにしたが、第1の実施の形態の場合とは異なり、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高くなり、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も低くなるように、連続予告パターン決定テーブルおいて判定値を割り当てるようにする。
連続予告パターン決定テーブルと通常予告パターン決定テーブルとで判定値の割り当て方を同じようにした場合には、遊技者は、連続予告が実行されているときと擬似連演出が実行されているときとで、大当りに対する期待度について同様の傾向を示すので、期待度を把握しやすい。
なお、上記の実施の形態では、遊技者に付与される所定の価値として、大当りを例にしたが、所定の価値は、確変状態であってもよいし時短状態であってもよい。つまり、変動表示の表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与する遊技機において、遊技者に付与される所定の価値が、当該有利価値と同じこともある。また、大当り遊技の期間(ラウンド数)であってもよい。また、所定の価値は、複数種類の価値を対象とする場合には、それらの間で、価値に対する期待度の傾向(左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときにある価値に対する期待度が最も高く、仮停止図柄が「6」「6」「7」である場合には、右の図柄表示エリア9Rの近傍で特定演出が実行されるときにある価値に対する期待度が最も高いなど)が異なるようにしてもよい。
また、価値は遊技者に付与される所定のポイント等の特典であってもよい。また、価値付与のために、演出表示装置9に、特定のWebサイトと接続するためのQRコード(登録商標)などの二次元バーコード(価値に相当)を表示するようにしてもよい。その場合、遊技者は、携帯電話機などを介してWebサイトに接続し、Webサイトから第3ステップ演出に相当する報知を受けることができ、演出表示装置9等における演出から受ける興趣以外の遊技の興趣を得ることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560および演出制御用マイクロコンピュータ100は、さらに、以下のような変形例の制御を行ってもよい。
(変形例1)演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御されることを予告する予告演出を実行するとともに、所定期間(例えば、複数回の可変表示)に亘って所定の演出が連続して行われる連続演出を実行する。連続演出は、第1連続演出と、第1連続演出が実行されるときに比べて、識別情報の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)になるときに実行頻度が高い第2連続演出とを含む(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる場合に、高い割合で第2連続演出を実行する。)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様が異なる複数の予告演出のいずれかを実行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1連続演出を開始した後、実行している予告演出の演出態様の違いに応じて異なる割合で、第1連続演出の中途から第2連続演出に移行させる。
そのような制御を行うことによって、第1連続演出よりも特定表示結果の期待度が高い第2連続演出が開始されなくても、遊技者を、第2連続演出を期待する状態にすることができる。
なお、特定遊技状態に制御されることを予告する予告演出は、可変表示中に実行される演出であって、当該可変表示の表示結果を予告する演出である。また、連続演出は、例えば、保留記憶中に表示結果を大当り図柄にする保留があったときに高い頻度で実行される予告演出(いわゆる先読み予告演出(連続予告演出ともいう))や、1回の可変表示(変動)中に1回以上演出図柄が仮停止表示および再変動されるような擬似連演出である。また、先読み予告演出を実行する場合には、予告対象の変動において、上記の実施の形態における示唆演出を実行するようにしてもよい。
先読み予告演出を実行する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、当該始動入賞に応じて開始される可変表示の表示結果や可変表示態様を判定し、判定結果をコマンドで演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行するか否かと予告演出の態様を決定する。
また、擬似連演出を実行する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連演出を伴う変動パターンであることをコマンドで演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したり、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に擬似連演出を実行するか否か決定する。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
なお、上記に示した実施の形態では、以下の(1)〜(6)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)複数の変動表示領域(例えば、図柄表示エリア9L,9C,9R)において変動表示を行い、変動表示の表示結果を導出表示するとともに、所定条件が成立したことにもとづいて遊技者にとって有利な有利価値(例えば、大当り)を付与することが可能な遊技機であって、変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに仮停止表示させた後に変動表示を再度実行する再変動表示が所定回実行される再変動表示パターン(例えば、擬似連演出を伴う変動パターン)により変動表示を実行する再変動表示実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS823,S844〜S846の処理を実行する部分)と、仮停止表示する際に、変動表示領域のうちのいずれかの近傍において特定予告(例えば、キャラクタ画像9a,9bによる予告)を実行する予告実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS823〜S825,S831〜S833,S841〜S843の処理を実行する部分)と、複数回の変動表示に亘って所定の演出が連続して行われる連続演出を実行する連続演出実行手段とを備え、再変動表示実行手段は、複数種類の仮停止表示態様(例えば、仮停止図柄としての「1」「1」「2」と「6」「6」「7」)のうちのいずれかを仮停止表示させ、予告実行手段は、複数種類の特定予告を実行可能であり、いずれの種類の仮停止表示態様が仮停止表示されるのかといずれの変動表示領域の近傍においていずれの種類の特定予告が実行されるかに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告を実行し(図30,図31参照、例えば、仮停止図柄が「6」「6」「7」であって、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い)、連続演出実行手段は、第1連続演出と、第1連続演出が実行されるときに比べて有利価値が付与される期待度が高い第2連続演出とを実行可能であり、第1連続演出を開始した後、いずれの種類の特定予告が実行されるかに応じて異なる割合により第1連続演出から第2連続演出に移行させることを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、いずれの変動表示領域の近傍において特定予告が実行されるのかと仮停止表示される仮停止表示態様とに遊技者を注目させることができ、変動表示が行われる際の遊技の興趣をより向上させることができる。
(2)複数の変動表示領域(例えば、図柄表示エリア9L,9C,9R)において変動表示を行い、変動表示の表示結果を導出表示するとともに、所定条件が成立したことにもとづいて遊技者にとって有利な有利価値(例えば、大当り)を付与することが可能な遊技機であって、未だ開始していない変動表示について、保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、保留記憶バッファ:図16(B)参照)と、所定条件を成立させるか否かを決定する決定手段と、決定手段の決定よりも前に所定条件が成立するか否かを判定する判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61の処理を実行する部分)と、判定手段の判定結果にもとづいて、判定の対象となった保留記憶よりも前に記憶された保留記憶にもとづく所定回の変動表示の表示結果が導出表示される際に、変動表示領域のうちのいずれかの近傍において特定予告(例えば、先読み予告演出時のキャラクタ画像9a,9bによる予告)を実行する予告実行手段(例えば、第2の実施の形態で、演出制御用マイクロコンピュータ100における先読み予告を実行することに決定された場合にプロセステーブルもとづいて演出制御を実行する部分)と、複数回の変動表示に亘って所定の演出が連続して行われる連続演出を実行する連続演出実行手段とを備え、予告実行手段は、複数種類の特定予告を実行可能であり、複数種類の表示結果(例えば、チャンス目としての「1」「1」「2」と「6」「6」「7」)のうちのいずれの種類の表示結果が導出表示されるのかといずれの変動表示領域の近傍においていずれの種類の特定予告が実行されるかに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告を実行し(図44,図45参照、例えば、停止図柄が「6」「6」「7」であって、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い)、連続演出実行手段は、第1連続演出と、第1連続演出が実行されるときに比べて有利価値が付与される期待度が高い第2連続演出とを実行可能であり、第1連続演出を開始した後、いずれの種類の特定予告が実行されるかに応じて異なる割合により第1連続演出から第2連続演出に移行させることを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、いずれの変動表示領域の近傍において特定予告が実行されるのかと導出表示される表示結果とに遊技者を注目させることができ、変動表示が行われる際の遊技の興趣をより向上させることができる。
(3)予告実行手段は、複数回の特定予告を実行する場合に、特定予告の実行回と特定予告が実行される変動表示領域とに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告を実行する(図30,図31,図44,図45参照:1回目については、左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行されるときに大当りに対する期待度が最も高いが、2回目については、中の図柄表示エリア9Cの近傍で特定演出が実行されるときに、大当りに対する期待度が最も高い)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、いずれの回の変動においていずれの変動表示領域において特定予告が実行されるのかに遊技者を注目させることができ、変動表示が行われる際の遊技の興趣をより向上させることができる。
(4)予告実行手段は、複数回の特定予告を実行する場合に、特定予告が実行される変動表示領域の組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告を実行する(図30,図31,図44,図45参照:1回目および2回目に左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合には、1回目においてのみ左の図柄表示エリア9Lの近傍で特定演出が実行される場合(2回目は、中の図柄表示エリア9Cの近傍または右の図柄表示エリア9Rの近傍)に比べて、大当りに対する期待度が高い)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、複数回の変動に亘っていずれの変動表示領域において特定予告が実行されるのかに遊技者を注目させることができ、変動表示が行われる際の遊技の興趣をより向上させることができる。
(5)予告実行手段は、複数種類の特定予告(例えば、キャラクタ画像9aによる特定予告とキャラクタ画像9bによる特定予告)のいずれかを実行し、特定予告の種類と特定予告が実行される変動表示領域との組み合わせに応じて所定の価値が遊技者に付与される割合が異なるように、特定予告を実行する(図30,図44参照:キャラクタ画像9bによる特定予告が右の図柄表示エリア9Rの近傍で実行される場合には、左の図柄表示エリア9Lの近傍または中の図柄表示エリア9Cの近傍で実行される場合に大当りに対する期待度が高い)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、いずれの種類の特定予告がいずれの変動表示領域において特定予告が実行されるのかに遊技者を注目させることができ、変動表示が行われる際の遊技の興趣をより向上させることができる。
(6)予告実行手段は、識別情報が表示された後に変動表示が開始されたときに、識別情報の表示領域における背面において特定予告を実行する図27(D),図28(D),図29(D)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特定予告の興趣をさらに高めることができる。