実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域になる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態になる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)になると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りになる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りになる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値になる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンの種別を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、飾り図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「2」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、飾り図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「2」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図6は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれになる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りになる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である。)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りに決定しないようにしてもよい。その場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が時短状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。しかし、遊技状態が高ベース状態(例えば、時短状態)であるときにも小当りが発生するようにし、かつ、高ベース状態になるか否かを遊技者に推測させるような演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が高ベース状態であるにも関わらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。しかし、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が高ベース状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変状態であるか否かを推測させるような演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
図9は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
通常大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回)まで許容され、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を時短状態に変化させるような大当りである。確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回)まで許容され、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させるような大当りである。突然確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少なく大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、開放時間が0.5秒で開放回数が2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。以下、突然確変大当り(突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態は特殊遊技状態の一例)を突確大当りまたは2ラウンド(2R)大当りということがある。また、通常大当りと確変大当りとを15R大当りと総称することがある。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りの場合には大入賞口の開放回数は2回であるが、すなわち、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数は2であるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数を、通常大当りおよび確変大当りのラウンド数と同じ(例えば、15ラウンド)にしてもよい。その場合には、1ラウンドの開放時間をさらに短くする(例えば、0.1秒にする)。
また、この実施の形態では、一例として、突然確変大当り特別図柄の停止図柄は「3」であり、確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は確変大当り図柄である「7」であり、通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は通常大当り図柄である「5」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図9(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルが示されている。図9(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
なお、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いる場合にのみ「突然確変大当り」に振り分けられることがあり、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いる場合には「突然確変大当り」に振り分けられることはないが(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にも、「突然確変大当り」に振り分けられることがあるようにしてもよい。
また、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
また、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定する場合に、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
図10は、大当りの種別と大当り遊技後の遊技状態を示す説明図である。図10に示すように、突然確変大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、確変状態かつ低ベース状態に制御される。確変大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、確変状態かつ高ベース状態に制御される。通常大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、通常状態(非確変状態)かつ高ベース状態(ただし、時短状態の終了まで)に制御される。
図11(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」になる場合には、15R大当りの場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
図11(C)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図11(C)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図12(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図12(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図12(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図12(C)には、遊技状態が時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図12に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、異なるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cが用いられるが、確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、図12(C)に示す例では、1つの時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、図12に示された例に限られない。例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。一例として、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、合算保留記憶数のそれぞれの値に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じて、複数のはずれ変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、図12(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、図12(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる。図12に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)になる割合が小さい。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、図12(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いる場合、すなわち、第1特別図柄の変動の開始時には、第1保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択し、第2特別図柄の変動の開始時には、第2保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択するにも、保留記憶数が多いほど、変動時間が短い変動パターンが選択されやすいように、はずれ変動パターン種別判定テーブルを構成する。
また、図12(A),(B)に示すように、保留記憶数に関わらずスーパーCA−7には同じ判定値が割り当てられているので、始動入賞が生じたときの判定でスーパーリーチになると判定されたにも関わらず、保留数の変化に起因して変動開始時にはスーパーリーチにならないと判定されることはなく、スーパーリーチに対する予告演出(例えば、連続予告演出)が実行されたにも関わらずスーパーリーチにならないという事態が生ずることはない。
図13は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。図13に示すように、合算保留記憶数に関わらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている(図12も参照)。よって、変動パターン種別を決定するときに(始動入賞時等)、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値にもとづいて、スーパーリーチになるか否かを容易に判定することができる。すなわち、その始動入賞に対応した可変表示の開始条件が成立する以前に、特定の可変表示パターンになるか否か判定する場合に、変動パターン種別判定用乱数の値が共通の判定値の範囲に含まれるか否か判定するだけで、変動パターン種別を判定することができる。
なお、「特定の可変表示パターン」は、スーパーリーチを伴う変動パターンに限られず、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
また、図12(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)において、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図12(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、いずれの遊技状態でも、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、確変状態、時短状態、通常状態に応じて、異なる大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
図14(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Aが選択される。変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Bが選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
なお、図14(A)に示す当り変動パターン判定テーブル137Aでは、変動パターン種別が、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、図14(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137Bでは、変動パターン種別が、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。なお、図14(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。その場合には、例えば、特殊CA4−1が、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2が、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図15は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドともいう。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、第1入賞時判定結果(第1始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(第1入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンド96XX(H)は、第2入賞時判定結果(第2始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(第2入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値と一致する場合には変動パターン種別を認識できるとともに、表示結果が大当りになるか否かも認識できる。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始指定コマンドと突確大当り/小当り開始指定コマンドとがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、15R大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突確大当り/小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。
コマンドB101(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。コマンドB102(H)は、通常状態であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。高確率状態指定コマンドと低確率状態指定コマンドとを、確率状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数および第2保留記憶数について、保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図17および図18は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図17には、第1入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例が示され、図18には、第2入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例が示されている。図17および図18に示すように、この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれに始動入賞したときに入賞時判定を行ったかと、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果になるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
入賞時判定処理において、大当りになると判定された場合には、大当りの種類に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図17に示す入賞時判定結果1指定コマンドもしくは入賞時判定結果2指定コマンド、または図18に示す入賞時判定結果21指定コマンド)が送信される。
なお、15R大当り(通常大当りまたは確変大当り)の場合には入賞時判定結果1指定コマンドまたは入賞時判定結果2指定コマンドが送信され、2R大当り(突然確変大当り)の場合には入賞時判定結果21指定コマンドが送信される。
また、第1始動入賞口13への始動入賞時に、遊技状態が通常状態で、はずれになると判定した場合、入賞時判定処理において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79であるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79である場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」が設定された入賞時判定結果8指定コマンドを送信する。この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数に関わらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別(擬似連演出を伴うことがないはずれ変動パターンの集まり)が共通に割り当てられているのであるから(図12参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果3指定コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1になることを認識することができる。
また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89である場合には、EXTデータに「04(H)」が設定された入賞時判定結果4指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99である場合には、EXTデータに「05(H)」が設定された入賞時判定結果5指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169である場合には、EXTデータに「06(H)」が設定された入賞時判定結果6指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199である場合には、EXTデータに「07(H)」が設定された入賞時判定結果7指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214である場合には、EXTデータに「08(H)」が設定された入賞時判定結果8指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229である場合には、EXTデータに「09(H)」が設定された入賞時判定結果9指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251である場合には、EXTデータに「0A(H)」が設定された入賞時判定結果10指定コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果10指定コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7になることを認識することができる。
また、第1始動入賞口13への始動入賞時に、遊技状態が時短状態で、はずれになると判定した場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜229になるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜229である場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別になる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0B(H)」が設定された入賞時判定結果11指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251である場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別になる場合)には、EXTデータに「0C(H)」が設定された入賞時判定結果12指定コマンドを送信する。
また、第1始動入賞口13への始動入賞時に、小当りになると判定した場合には、CPU56は、EXTデータに「0D(H)」が設定された入賞時判定結果13指定コマンドを送信する。
例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時には、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞時の場合と同様の判定処理によって、入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果31指定コマンドのいずれかのコマンドを送信する。なお、第2始動入賞口14への始動入賞時に関して、2R大当りになると判定された場合の入賞時判定結果指定コマンドはない。
入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果13指定コマンドが第1入賞時判定結果指定コマンドに相当し、入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果33指定コマンドが第2入賞時判定結果指定コマンドに相当する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくともスーパーCA2−7の変動パターン種別については、合算保留記憶数に関わらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図12参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。この実施の形態では、少なくともスーパーCA2−7の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して予告演出が実行される。また、この実施の形態では、変動パターン種別を特定不能であることに相当する入賞時判定結果指定コマンド(具体的には、保留数が変わると変動パターン種別が変わってしまうことになる判定値範囲に対応する入賞時判定結果指定コマンド:入賞時判定結果4指定コマンド〜入賞時判定結果9指定コマンド、および入賞時判定結果24指定コマンド〜入賞時判定結果29指定コマンド)が送信されるが、変動パターン種別を特定不能であることを示す入賞時判定結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合には、CPU56は、入賞時判定処理において、合算保留記憶数に応じて、変動パターン種別が非リーチになるのか、ノーマルリーチになるのかを判定する。また、CPU56は、予告演出の対象になる変動パターン種別になると判定したときにのみ入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図16〜図18に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶数カウンタも、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に(ステップS216A,S217A)、入賞時判定処理を行う(ステップS218A)。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、CPU56は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1増やす(ステップS219A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。図21に示すように、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS215Bの処理において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS218B)。また、CPU56は、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1増やす(ステップS219B)。
図22は、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。
この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否かや大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングでも、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、図22に示す入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを確認する。すなわち、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を判定し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチになることを予告するための所定の予告演出を実行する。
入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。ステップS220で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しないことを確認した場合には、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされている場合には、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(図24におけるステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)がいずれかの大当り判定値と一致する場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出し保留記憶バッファに保存した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当たりの種別を判定する(ステップS225)。ステップS225では、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図20に示す始動口スイッチ通過処理でステップS218Aの処理を実行している場合)には、図9(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「2R大当り」(突然確変大当り)または「15R大当り」(通常大当りまたは確変大当り)になるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図20に示す始動口スイッチ通過処理でステップS218Bの処理を実行している場合)には、図9(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R大当り」(通常大当りまたは確変大当り)になるかを判定する。そして、ステップS230に移行する。ただし、この実施の形態では、第2始動入賞にもとづいて大当りになると判定される場合には常に15R大当りになるので(図9(B)参照)、実際には、CPU56は、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、「15R大当り」になるか否かを判定しなくてよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しない場合には、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)がいずれかの小当り判定値と一致するか否か確認する(ステップS223)。いずれかの小当り判定値と一致する場合には、ステップS230に移行する。
いずれの小当り判定値とも一致しない場合には、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS226)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS226において、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS226で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS226で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している場合がある。
そして、CPU56は、ステップS226の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS227)。CPU56は、閾値より大きいか否かを判定することによって、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを判定し(ステップS228)、図17,図18に示す入賞時判定結果指定コマンドに設定するEXTデータの値を決定する。
例えば、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、ステップS228の処理で、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否か判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。ただし、第1始動入賞口13に始動入賞した場合にはMODEデータは「95(H)」であり、第2始動入賞口14に始動入賞した場合にはMODEデータは「96(H)」である。
また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0C(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。ただし、第1始動入賞口13に始動入賞した場合にはMODEデータは「95(H)」であり、第2始動入賞口14に始動入賞した場合にはMODEデータは「96(H)」である。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、ステップS228の処理で、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。なお、いずれの場合も、第1始動入賞口13に始動入賞した場合にはMODEデータは「95(H)」であり、第2始動入賞口14に始動入賞した場合にはMODEデータは「96(H)」である。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値229を設定する。この場合、CPU56は、ステップS228の処理で、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値229以下であるか否かを判定し、閾値229以下である場合(すなわち、1〜229である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。また、閾値229を越える場合(すなわち、230〜251である場合)には入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0D(H)」を設定すると判定する(図17,図18参照)。なお、いずれの場合も、第1始動入賞口13に始動入賞した場合にはMODEデータは「95(H)」であり、第2始動入賞口14に始動入賞した場合にはMODEデータは「96(H)」である。
なお、ステップS227,S228の処理において、閾値を例えばRAM55に設定した後に判定処理を行うのではなく、プログラムにおける命令中に各閾値が含まれ、CPU56は、プログラムを実行することによって閾値による判定が実現されるようにしてもよい。
また、始動入賞時にステップS226の処理で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。従って、始動入賞時にステップS226の処理で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に時短状態の終了条件が成立した場合には時短状態から通常状態に変化している。)場合がある。なお、ステップS226の処理の実行時から変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化して、予告演出が実行されたにも関わらず予告対象の演出(例えば、スーパーリーチを伴う可変表示)が実行されない事態が生じてしまう可能性を低減するために、時短状態の残り回数(変動可能回数)が少数(例えば、8回)になったら、または時短状態の終了後の複数回(例えば、8回)の可変表示(変動)については、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS223,S225,S228の判定結果に応じたEXTデータを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。また、EXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS231)。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが0でない場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。換言すれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図8参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。
遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当り判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS71に移行する。なお、ステップS62の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。
そして、大当り判定用乱数の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には(ステップS62)、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS71に移行する。
ステップS65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS66)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当り」、「通常大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS67)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS68)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS71)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄である「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS72)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図11(A),(B)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132C(図11(C)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされている場合には(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS99に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図12(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図12(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図12(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図12(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合には、図12(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、ステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図15参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図12(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図12(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図12(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図14参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図15参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図12に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図12に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」になるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチになるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図16参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS68で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
ステップS116では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす(ステップS119)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS120)。ステップS120では、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドまたは突確大当り/小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が15R大当り(確変大当りまたは通常大当り)である場合には大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突確大当り/小当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が15R大当りと突然確変大当りとのうちのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、S138の処理では、CPU56は、大当りの種別が15R大当りである場合には15回をセットし、突然確変大当りである場合には2回をセットする。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS140)。確変フラグがセットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。セットされていない場合には、ステップS147に移行する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、CPU56は、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に突確大当り/小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS148)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS162の処理では、CPU56は、15R大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合には大当り終了指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突確大当り/小当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していない場合には処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであったか否か確認する(ステップS166)。確変大当りまたは突然確変大当りであった場合には、確変フラグをセットする(ステップS168)。また、高確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS171に移行する。
確変大当りでも突然確変大当りでもなかった場合(通常大当りであった場合)には、時短回数カウンタに100をセットする(ステップS167)。また、CPU56は、大当りの種別が15R大当り(確変大当りまたは通常大当り)であったか否か確認する(ステップS171)。15R大当りであった場合には、時短フラグをセットする(ステップS172)。また、高ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS173)。そして、ステップS175に移行する。
なお、遊技状態が高ベース状態であるとき(この実施の形態では、時短状態)である場合に突然確変大当りであったときには時短フラグをリセットしないようにしてもよい。
確変大当りでも通常大当りでもなかった場合(突然確変大当りであった場合)には、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS174)。なお、15R大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS68の処理で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」または「02」であるか否かを確認することによって判定される。
また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。また、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、時短フラグがセットされている場合には、時短フラグがセットされていない場合に比べて、普通図柄の変動表示結果を当りにするか否かの抽選における当り確率(当りに決定する割合)を高くする。すなわち、時短状態がセットされている状態は、高ベース状態である。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
ステップS308〜S310の小当り開放前処理、小当り開放中処理、小当り終了処理において、CPU56は、ステップS305〜S307の大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り終了処理と同様の制御を行う。
ただし、小当り遊技の場合には、ラウンド数は、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の場合と同様に2ラウンドである。また、開放時間は、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の場合と同様に短い。
また、小当り遊技が終了したときに、CPU56は、遊技状態を変化させるための制御を実行しない。すなわち、時短フラグをセットしたりリセットしたりする処理を実行しない。その結果、小当りにすることに決定される前の遊技状態が時短状態であれば(時短フラグがセットされている状態)、小当り遊技の終了後に時短状態が維持される。また、確変フラグをセットしたりリセットしたりする処理を実行しない。その結果、小当りにすることに決定される前の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがセットされている状態)、小当り遊技が終了後に確変状態が維持される。
図30および図31は、抽選演出および予告演出の演出例を説明するための説明図である。なお、図30および図31において、矢印は、飾り図柄が変動していることを示す。
図30に示す例では、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9R(図30(A)参照)において識別情報の可変表示(変動)が行われているときに(図30(B)参照)、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて抽選演出が開始される(図30(C)参照)。なお、図30には、第1始動入賞口13に遊技球が入賞した例が示されている。
図30および図31に示す例では、抽選演出は、演出表示装置9において回転するように表示されるクルーン画像9aと球通路画像9bとを用いた演出である。クルーン画像9aには3つの球通過穴の部分がある。また、球通路画像9bには、球流下穴の部分がある。そして、図30(C)に示すように、球通路画像9bにおける球流下穴の部分から遊技球が落下するような表示演出が実行される。
さらに、球流下穴の部分から遊技球が落下した遊技球がクルーン画像9a上を移動するような表示演出が実行された後、飾り図柄の停止図柄が導出表示されるまでの間において(図30(E),(G)参照)、クルーン画像9aにおける3つの球通過穴のうちの当り穴9cに遊技球が落下するか(図30(F)参照)、またはクルーン画像9aにおける3つの球通過穴のうちのはずれ穴9dに遊技球が落下するような(図30(D)参照)表示演出が実行される。
図30(D)に示されたような演出は、抽選にはずれたことを示す演出である。その場合には、予告演出は実行されず、飾り図柄の停止図柄が導出表示された後(図30(E)参照)、通常の飾り図柄の変動が実行される状態に戻る。
図30(F)に示されたような演出は、抽選に当たったことを示す演出である。その場合には、次に実行される飾り図柄の変動(図30(G),(H)参照)が開始された後、予告演出が実行されるか、または再度の抽選演出が実行される。なお、抽選に当たったことを示す演出が実行された場合には、合算保留記憶表示部18cにおける予告の対象の可変表示に対応する保留表示の色が、通常の色(例えば、青色)とは異なる色(例えば、緑色)に変更される。
図31(I)には、再度の抽選演出が実行される例が示されている。図31(I)に示す例では、予告の対象の可変表示に対応する保留表示の部分が遊技球にたとえられ、その遊技球がクルーン画像9a上を移動するような表示演出が実行された後、飾り図柄の停止図柄が導出表示されるまでの間において(図31(J),(L)参照)、クルーン画像9aにおける3つの球通過穴のうちの当り穴9cに遊技球が落下するか(図31(J)参照)、またはクルーン画像9aにおける3つの球通過穴のうちのはずれ穴9dに遊技球が落下するような(図31(L)参照)表示演出が実行される。
図31(J),(L)に示されたような演出は、抽選に当たったことを示す演出である。その場合には、予告演出が実行される。図31(J),(L)には、保留表示を用いた予告演出が実行される例が示されている。ただし、図31(J)に示す予告演出は表示結果が大当りになる場合の演出であり、図31(L)に示す予告演出は飾り図柄の可変表示がスーパーリーチはずれになる場合の演出である。
なお、図30および図31には、抽選演出が2回実行される例が示されている(1回目について図30(F)参照、2回目について図31(I),(J)または図31(I),(L)参照)が、抽選演出が3回実行される場合もある。
この実施の形態では、予告演出は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を用いる演出である。具体的には、合算保留記憶表示部18cにおける予告の対象の可変表示に対応する保留表示の色が、通常の色(例えば、青色)とは異なる色(例えば、赤色や金色)に変更される。なお、例えば、予告の対象の可変表示の表示結果が大当り図柄になる場合には、金色に変更される。また、予告の対象の可変表示の表示結果が大当り図柄にならない可変表示中にリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)が場合には、赤色に変更される。
なお、図30および図31に例示された演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
また、図30(C),(D),(E)に示された演出では、飾り図柄の可変表示中(変動中)において抽選演出は実行されるが保留表示を用いた予告演出は実行されないので、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出(この実施の形態では、抽選演出)を実行した後に保留表示の表示態様を変更しない第2予告演出に相当する。
また、図31(I),(J),(K)に示された演出および図31(I),(L),(M)に示された演出では、飾り図柄の可変表示中(変動中)において抽選演出が実行された後に保留表示を用いた予告演出が実行されるので、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更する第1予告演出に相当する。
また、図31には示されていないが、1回の可変表示中に図31(I)に示されたような演出が実行された後に、保留表示を用いた予告演出が実行されずに飾り図柄の表示結果が導出表示されることがある。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図16〜図18参照)であるのか解析する。
図33〜図36は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS615)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS616)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS617)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが突確大当り/小当り開始指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、突確大当り/小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが突確大当り/小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが第1入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果13指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を+1する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、抽選演出決定処理を実行する(ステップS653)。そして、入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶カウンタの値が示す領域に、受信した第1入賞時判定結果指定コマンドで特定される入賞時判定結果(図17参照)をセットする(ステップS654)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS654の処理で、例えば、第1入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶カウンタの値が示す保存領域にセットする。第1入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図17参照)。
受信した演出制御コマンドが第2入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果33指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を+1する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、抽選演出決定処理を実行する(ステップS659)。そして、入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶カウンタの値が示す領域に、受信した第2入賞時判定結果指定コマンドで特定される入賞時判定結果(図18参照)をセットする(ステップS660)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS660の処理で、例えば、第2入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶カウンタの値が示す保存領域にセットする。第2入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図18参照)。
図37は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図37に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて8個の保存領域が確保されている。なお、保存領域は8個でなくてもよい(例えば、4個でもよい)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を−1する(ステップS666)。また、合算保留記憶数表示部18cの表示を更新する(ステップS667)。すなわち、合算保留記憶数表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
また、演出制御用CPU101は、保留記憶領域の内容をシフトする(ステップS668)。すなわち、保留記憶領域に記憶されている1つ目の入賞時判定結果(今回実行する変動表示に対応する入賞時判定結果)を削除する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を−1する(ステップS671)。また、合算保留記憶数表示部18cの表示を更新する(ステップS672)。すなわち、合算保留記憶数表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
また、演出制御用CPU101は、保留記憶領域の内容をシフトする(ステップS673)。すなわち、保留記憶領域に記憶されている1つ目の入賞時判定結果(今回実行する変動表示に対応する入賞時判定結果)を削除する。
受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS680)、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットする(ステップS681)。受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、高確率フラグをリセットする(ステップS683)。
受信した演出制御コマンドが高ベース状態指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをセットする(ステップS686)。受信した演出制御コマンドが低ベース状態指定コマンドであれば(ステップS687)、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをリセットする(ステップS688)。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS688の処理を実行する場合に、演出表示装置9に表示される背景画面を通常状態における背景画面の色調(例えば、青色の色調の背景画面)に変更してもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図38に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、抽選演出決定用乱数SR2、および演出種類決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
抽選決定用乱数SR2は、抽選演出(図31および図32参照)を実行するか否か決定するための乱数である。演出種類決定用乱数SR3は、演出の種類(演出には、抽選演出および予告演出が含まれる。)を決定するための乱数である。
図39および図40は、抽選演出決定処理を示すフローチャートである。予告抽選決定処理において、演出制御用CPU101は、抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS6001)。セットされている場合には、ステップS6008に移行する。なお、抽選演出/予告演出実行中フラグは、抽選演出または予告演出の実行が既に開始されていることを示すフラグである。
抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、全ての入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファから読み出す(ステップS6002)。
そして、所定数の入賞時判定結果を選択する。すなわち、図37に示された入賞時判定結果記憶バッファにおける「1」〜「所定数」の領域番号が付されている保存領域に設定されている入賞時判定結果を選択する。
なお、所定数は、2以上であり、かつ、4を上限として合算保留記憶数カウンタの値が示す数である(合算保留記憶数カウンタの値が5以上であれば、所定数は4)。
演出制御用CPU101は、選択した入賞時判定結果のうちに、入賞時判定結果が「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」を示す判定結果が1つでもあるか否かを確認する(ステップS6003)。
具体的には、演出制御用CPU101は、選択した入賞時判定結果について変動パターン種別が必ずスーパーリーチになることを示す値(具体的には、EXTデータが「0A(H)」または「0C(H)」:図17および図18参照)、または大当りになることを示す値(具体的には、EXTデータが「01(H)」または「02(H)」:図17および図18参照)であるか否かを判定する(ステップS6003)。
入賞時判定結果が「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」を示す判定結果が1つもない場合には、ステップS6005に移行する。
また、演出制御用CPU101は、「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」になるものがあると判定した場合には、そのように判定された入賞時判定結果に対応する保留記憶にもとづく可変表示(変動)が開始されるまでの各可変表示においてリーチが実行されるか否かも判定する(ステップS6004)。演出制御用CPU101は、ステップS6004の処理において、例えば、抽出した入賞時判定結果について変動パターン種別がリーチにならないことを示す値(具体的には、EXTデータが「03(H)」、「04(H)」または「0C(H)」:図17および図18参照)であるか否かを判定する。そして、各可変表示においてリーチ演出が実行されないと判定した場合に(すなわち、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に)、ステップS6005に移行する。リーチ演出が実行されることがあると判定した場合には、ステップS6008に移行する。
つまり、この実施の形態では、「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」になるものがあると判定した場合には、そのように判定した入賞時判定結果に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでの各可変表示について全て「非リーチはずれ」になることを条件に予告演出を実行可能にする。そのように構成することによって、予告演出の途中でリーチ演出が割り込むことにより予告演出の連続性が損なわれる事態を防止する。
ステップS6005の処理で、演出制御用CPU101は、抽選演出を実行するか否か決定する。
図41は、ステップS6005の処理で使用される抽選演出決定テーブルを示す説明図である。演出制御用CPU101は、ステップS6005の処理で、抽選演出決定テーブルを用いて、抽選演出を実行するか否かを決定する。
図41に示す抽選演出決定テーブルには、抽選演出決定用乱数SR2と比較される判定値であって「抽選演出を実行する」ことに対応する判定値と「抽選演出を実行しない」ことに対応する判定値とが設定されている。なお、抽選演出決定テーブルに「抽選演出を実行する」ことに対応する判定値のみが設定されていてもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS6005の処理で、図41に示された4つのテーブルのうち、予告対象の可変表示または表示結果についての入賞時判定結果に対応するテーブルを用いて抽選演出を実行するか否か決定する。すなわち、抽選演出決定用乱数SR2を抽出し、選択したテーブルにおいて、抽選演出決定用乱数SR2の値に一致する判定値がある場合に、抽選演出を実行することに決定する。
なお、「予告対象」は、ステップS6003の処理で「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」になるものがあると判定した場合には、そのように判定した入賞時判定結果に対応する保留記憶にもとづく可変表示または表示結果である。「スーパーリーチはずれ」、「2R大当り」または「15R大当り」になるものが1つもないと判定した場合には、ステップS6003の処理で使用した「所定数」に対応する回の可変表示である。例えば、所定数が4であるときには、4回目の可変表示である。
図41に示すように、予告対象が15R大当りまたは2R大当りである場合には、予告対象がスーパーリーチはずれの場合に比べて高い割合で抽選演出を実行することに決定される。また、予告対象がスーパーリーチはずれの場合には、はずれの場合に比べて高い割合で抽選演出を実行することに決定される。
なお、この実施の形態では、低い割ではあるが、予告対象がはずれの場合にも抽選演出が実行され、その後に予告演出が実行されるが、予告対象がはずれの場合には、抽選演出および予告演出を実行しないようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、抽選演出を実行することに決定しなかった場合には(ステップS6006)、ステップS6008に移行する。抽選演出を実行すると決定した場合には、演出種類を決定する(ステップS6007)。
図42〜図45は、ステップS6007の処理で使用される演出種類決定テーブルを示す説明図である。図42〜図45に示すように、演出の違いとして、何回目の可変表示(変動)において抽選演出が実行されるのかの違いと、所定回目の可変表示において抽選演出が実行されるとともに予告演出が実行される場合と抽選演出は実行されるが予告演出は実行されない場合とがあることの違いとがある。
図42には、入賞時判定結果コマンドで特定される予告対象である入賞時判定結果が15R大当りである場合に使用される演出種類決定テーブル(以下、連続予告決定テーブル(1)という。)が示されている。連続予告決定テーブル(1)には、演出実行中変動回数の値(2、3または4)に応じて、演出種類に対応する判定値が設定されている。
なお、「演出実行中変動回数」は、予告対象の可変表示が実行されるまでに実行可能な可変表示の回数(予告対象の可変表示を含む。)である。
図42に示す演出種類における「抽選演出:1回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(2回目の変動)」に対応する演出が、図30(C),(F)〜(H),図31(I),(J),(K)に例示された演出、または図30(C),(F)〜(H),図31(I),(L),(M)に例示された演出に相当する。
また、「抽選演出:1回目の変動 予告演出しない」に対応する演出が、図30(C),(D),(E)に例示された演出に相当する。
また、例えば、「抽選演出:1回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(2回目の変動)」では、1回目の変動において抽選演出のみが実行されるので、1回目の変動時の演出は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更しない第2予告演出に相当する。
また、「抽選演出:1回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(2回目の変動)」では、2回目の変動において抽選演出および保留表示を用いた予告演出が実行されるので、2回目の変動時の演出は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更する第1予告演出に相当する。
また、例えば、「抽選演出:2回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(3回目の変動)」では、2回目の変動において抽選演出のみが実行されるので、2回目の変動時の演出は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更しない第2予告演出に相当する。
また、「抽選演出:2回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(3回目の変動)」では、3回目の変動において抽選演出および保留表示を用いた予告演出が実行されるので、3回目の変動時の演出は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更する第1予告演出に相当する。
また、例えば、「抽選演出:1回目及び2回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(3回目の変動)」では、1回目の変動と2回目の変動のそれぞれにおいて抽選演出のみが実行されるので、1回目の変動時の演出と2回目の変動時の演出とは、それぞれ、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更しない第2予告演出に相当する。
また、例えば、「抽選演出:1回目〜3回目の変動 抽選演出及び保留表示での予告演出する(4回目の変動)」では、1回目の変動〜3回目の変動のそれぞれにおいて抽選演出のみが実行されるので、1回目の変動時の演出と2回目の変動時の演出と3回目の変動時の演出とは、それぞれ、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の表示態様を変更するか否かを報知する報知演出を実行した後に保留表示の表示態様を変更しない第2予告演出に相当する。
図43には、入賞時判定結果コマンドで特定される予告対象である入賞時判定結果が2R大当りである場合に使用される演出種類決定テーブル(以下、連続予告決定テーブル(2)という。)が示されている。連続予告決定テーブル(2)には、演出実行中変動回数の値(2、3または4)に応じて、演出種類に対応する判定値が設定されている。
図44には、入賞時判定結果コマンドで特定される予告対象である入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合に使用される演出種類決定テーブル(以下、連続予告決定テーブル(3)という。)が示されている。連続予告決定テーブル(3)には、演出実行中変動回数の値(2、3または4)に応じて、演出種類に対応する判定値が設定されている。
図45には、入賞時判定結果コマンドで特定される予告対象である入賞時判定結果が非リーチはずれである場合に使用される演出種類決定テーブル(以下、連続予告決定テーブル(4)という。)が示されている。連続予告決定テーブル(4)には、演出実行中変動回数の値(2、3または4)に応じて、演出種類に対応する判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、演出種類を決定するときに、予告対象の可変表示の入賞時判定結果に応じた演出種類決定テーブル(図42〜図45に示された演出種類決定テーブルのいずれか)を選択し、演出種類決定用乱数SR3を抽出し、演出種類決定選択したテーブルにおいて、演出種類決定用乱数SR3の値に一致する判定値に対応する演出を選択する。
図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおいて特徴的なことは、予告対象が大当りである場合には常に予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が実行されることである。また、予告対象がスーパーリーチはずれである場合には、はずれである場合に比べて高い割合で予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が実行される。なお、この実施の形態では、予告対象がはずれである場合にも予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が実行されることがあるが、はずれである場合には予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)を全く実行しないようにしてもよい。
また、図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおいて特徴的なことは、予告対象が大当りである場合には、予告対象がスーパーリーチはずれである場合に比べて、多い回数の抽選演出が実行される割合が高いことである。また、予告対象がスーパーリーチはずれである場合には、はずれである場合に比べて多い回数の抽選演出が実行される割合が高い。
また、この実施の形態では、抽選演出が複数回の可変表示に亘って実行されることがあるが、抽選演出が実行された後、予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が複数回の可変表示に亘って実行されるようにしてもよい。その場合には、図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおいて、「予告する」を示すデータが設定される可変表示の回数を多くする。その場合、第1の変形例として、演出種類決定テーブルを、例えば、予告対象が大当りである場合には常に複数回の可変表示に亘って予告演出(例えば、保留表示の表示態様を可変表示が実行される毎に変更するような演出)が実行されるように構成したり、高い割合で、複数回の可変表示に亘って予告演出が実行されるように構成したりする。
また、第2の変形例として、複数回の可変表示に亘って保留表示の表示態様を変更しないようにした後に(第2予告演出が複数回の可変表示に亘って実行されたことに相当)、保留表示の表示態様を変更するようにしてもよい。その場合に、予告対象が大当りである場合には、高い割合で、第2予告演出が複数回の可変表示に亘って実行されるようにしてもよい。なお、第2の変形例も、例えば、図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおいて、「予告しない」を示すデータが設定される可変表示の回数を多くすることによって実現可能である。
さらに、第3の変形例として、抽選演出が実行された可変表示の次の可変表示において予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が実行される態様が複数回繰り返されるようにしてもよい。つまり、[抽選演出+第1予告演出]が複数回繰り返されるようにしてもよい。その場合に、予告対象が大当りである場合には、高い割合で、[抽選演出+第1予告演出]が多数実行されるようにしてもよい。なお、第3の変形例も、例えば、図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおけるデータを変更することによって実現可能である。
さらに、第4の変形例として、抽選演出が実行された可変表示の次の可変表示において予告演出(保留表示の表示態様を変更する第1予告演出)が実行されない態様が複数回繰り返されるようにしてもよい。つまり、[抽選演出+第2予告演出]が複数回繰り返されるようにしてもよい。その場合に、予告対象が大当りである場合には、高い割合で、[抽選演出+第2予告演出]が多数実行されるようにしてもよい。なお、第4の変形例も、例えば、図42〜図45に示す演出種類決定テーブルにおけるデータを変更することによって実現可能である。
そして、演出制御用CPU101は、決定した演出種類に応じた演出実行回(抽選演出を実行する可変表示の回数(すなわち、何回目に抽選演出を実行するか)、および予告演出を実行する可変表示の回数(すなわち、何回目に予告演出を実行するか)を示すデータを、RAMに記憶する(ステップS6021)。なお、演出制御用CPU101は、演出実行回を示すデータに対応させて、その回の可変表示において抽選演出を実行するのか予告演出を実行するのかを特定可能なデータもRAMに記憶する。
また、演出制御用CPU101は、抽選演出決定済フラグをセットし(ステップS6022)、予告態様の可変表示(変動)までの回数(変動回数)を、RAMにおける演出実行中変動回数カウンタにセットする(ステップS6023)。
図46は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り/小当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り/小当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図47は、図46に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図48は、図46に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)にもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS820)。なお、決定された飾り図柄の表示結果は、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納される。
図49は、飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図49に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが15R大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として突確大当り/小当りの場合のチャンス目である「135」の組合せを決定する。
なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。
そして、はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
突然確変大当りまたは小当りにする場合には、左中右の停止図柄をチャンス目に決定する。15R大当りにすることに決定されている場合には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。そして、決定した停止図柄を保存領域に保存する。
なお、この実施の形態では、抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされている場合であって予告対象の可変表示の表示結果が大当り図柄である場合には、予告対象の可変表示において、左右図柄が揃った図柄を仮停止表示させる。そして、残りの変動時間において救済演出を実行する。
従って、演出制御用CPU101は、抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされている場合であって予告対象の可変表示の表示結果が大当り図柄である場合には、仮停止図柄を決定する(ステップS821)。演出制御用CPU101は、例えば、SR1−1を用いて左右の仮停止図柄を決定し、SR1−2を用いて中の仮停止図柄を決定する。
救済演出は、リーチ図柄が仮停止表示された後、例えば、特定のキャラクタ画像を演出表示装置9に表示し、キャラクタ画像が画面内で運動するような演出であったり、特定のキャラクタ画像が何らかの価値があることを想起させるような画像(例えば、宝箱の画像)を入手する直前に至るような表示演出であり、遊技者に、大当りに対する期待感を抱かせることが可能な演出である。
また、演出制御用CPU101は、救済演出を実行する場合には、最終停止図柄もリーチ図柄にするようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、予告対象の可変表示の前に実行される可変表示であるか否かを、演出実行中変動回数カウンタの値が「1」(予告対象の可変表示が実行されることに対応)よりも大きいか否かによって判定することができる。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、15R大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、抽選演出/予告演出実行中フラグまたは抽選演出決定済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS835に移行する。
いずれのフラグもセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS822)。そして、変動パターンに応じたプロセステーブル(図50参照)を選択する(ステップS824)。次いで、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。この場合には、抽選演出も予告演出も実行されない。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS826)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS827)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図50は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図50に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中または小当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
図51は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図51に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(演出制御実行データ)に従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の背景等の演出が実現される。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
ステップS835では、演出実行中変動回数カウンタの値が抽選演出または予告演出の実行回であるか否か確認する。抽選演出または予告演出の実行回であるか否かは、図40に示すステップS6021の処理でRAMに記憶されたデータによって確認される。
演出実行中変動回数カウンタの値が抽選演出または予告演出の実行回である場合には、今回実行すべき抽選演出または予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS836)。なお、救済演出を実行する場合には、抽選演出または予告演出と救済演出との双方を実行するためのプロセステーブルを選択する。
そして、演出制御用CPU101は、抽選演出決定済フラグと抽選演出/予告演出実行中フラグとのうちで抽選演出決定済フラグのみがセットされている場合(抽選演出を実行することに決定されているが、未だ抽選演出が開始されていない場合)には、抽選演出/予告演出実行中フラグをセットする(ステップS837)。その後、ステップS825に移行する。
演出制御用CPU101は、ステップS835の処理で、演出実行中変動回数カウンタの値が抽選演出または予告演出の実行回でないことを確認した場合には、ステップS824の場合と同様に、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS838)。その後、ステップS825に移行する。
図52および図53は、図46に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS846)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS847)。
次いで、演出制御用CPU101は、抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、ステップS861に移行する。抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされている場合には、今回の可変表示(変動)が予告演出の実行回であるか否か確認する。今回の可変表示(変動)が予告演出の実行回であるか否かは、図40に示すステップS6021の処理でRAMに記憶されたデータによって確認される。
予告演出の実行回である場合には、保留表示態様変更タイミングになったときに(ステップS853)、今回の変動パターンおよび表示結果に応じて合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の色を変える。
演出制御用CPU101は、飾り図柄の表示結果を大当り図柄にすることに決定されている場合には、保留表示の色を金色に変える。また、今回の変動パターンスーパーリーチはずれの場合には、保留表示の色を赤色に変える。
なお、保留表示態様変更タイミングは、変動開始時からあらかじめ決められた時間(例えば、開始時から3秒経過後)が経過したときであり、演出制御用CPU101は、例えば、変動時間タイマの値によって、保留表示態様変更タイミングになったか否かを判定できる。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS856)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、演出制御用CPU101は、ステップS858の処理を実行する。
ステップS861では、演出制御用CPU101は、抽選演出決定済フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、ステップS856に移行する。
抽選演出決定済フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、今回実行すべき抽選演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS862)。そして、演出制御用CPU101は、抽選演出/予告演出実行中フラグをセットする(ステップS863)。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS864)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS865)。その後、ステップS856に移行する。
ステップS861〜S865の処理は、飾り図柄の変動が開始された後(飾り図柄の変動中)に始動入賞が生じ、抽選演出決定処理(図35におけるステップS653,S659参照)が実行され、抽選演出を行うことに決定された場合に実行される処理である。そして、ステップS862,S864,S865の処理が実行されることによって、使用されていたプロセステーブルにもとづく演出から抽選演出に切り替わる。
なお、抽選演出を実行することに決定されたが1回目の可変表示(変動)では抽選演出を実行しない演出種類が選択された場合には、ステップS862,S864,S865の処理を実行しない。その場合には、使用されていたプロセステーブルにもとづく演出が続行される。
また、演出制御用CPU101は、抽選演出の実行時間を確保するために、変動時間の残り時間が所定時間(例えば、3秒)よりも長い場合にのみ、ステップS861の処理を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、抽選演出が実行された可変表示(変動)の後に開始される可変表示において保留表示態様変更が実行され、保留表示態様変更タイミングは変動開始時からあらかじめ決められた時間(例えば、開始時から3秒経過後)が経過したときであるが、飾り図柄の可変表示が開始された後(飾り図柄の可変表示中)に始動入賞が生じた場合に、その可変表示中に保留表示態様変更を実行可能にする変形例では、保留表示態様変更タイミングは始動入賞が生じた時点からあらかじめ決められた時間(例えば、3秒)が経過したときに保留表示態様を変更してもよい。
また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の可変表示の実行中に抽選演出に切り替える制御を実行しないようにしてもよい。その場合には、飾り図柄の変動中に始動入賞が生じ、抽選演出決定処理(図35におけるステップS653,S659参照)が実行され、抽選演出を行うことに決定された場合には、次回の可変表示から抽選演出が開始される。
図54は、図46に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8301)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8302)。
また、抽選演出/予告演出実行中フラグがセットされている場合には演出実行中変動回数カウンタの値を−1する(ステップS8303,S8304)。そして、演出実行中変動回数カウンタの値が0になった場合には、抽選演出/予告演出実行中フラグおよび抽選演出決定済フラグをリセットする(ステップS8305,S8306)。
また、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8307)。大当りまたは小当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りまたは小当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8316に移行する。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8311)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8312)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8313)。さらに、演出用タイマに、大当り表示時間または小当り表示時間に相当する値をセットする(ステップS8314)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8315)。
ステップS8316では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
図55は、図46に示された演出制御プロセス処理における大当り/小当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り/小当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、ステップS876に移行する。
大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS872)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS873)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS874)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置の制御状態を変更する(ステップS875)。
ステップS876では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをリセットする。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS877)。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶の中に大当り図柄とすることに対応する保留記憶があるか否かに応じて異なる割合で第1予告演出を選択し、また、保留記憶の中に大当り図柄とすることに対応する保留記憶があるか否かに応じて異なる割合で第2予告演出を選択するので、報知演出が実行された後、保留表示の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがあるので、保留表示の表示態様の変化による予告対象の可変表示が開始されるまでの間における判定結果に対する関心を持続させることができる。また、予告対象の可変表示が開始されるまでの間に実行される可変表示に対する遊技者の興味を低下させないようにすることができる。
なお、上記の実施の形態では、複数回の抽選演出が実行されている間では保留表示の表示態様は変化しないが、第5の変形例として、抽選演出を実行することに決定されてから予告対象の可変表示が開始されるまでの間において、保留表示の表示態様を段階的に変化させてもよい。例えば、1回目の可変表示では2番目の保留表示の表示態様を変え、2回目の可変表示では3番目の保留表示の表示態様を変えるような演出を行ってもよい。
また、第6の変形例として、抽選演出を実行することに決定されてから予告対象の可変表示が開始されるまでの間において、保留表示の表示態様を変化させないが、保留表示以外の表示態様を段階的に変化させてもよい。すなわち、第2予告演出の演出態様を段階的に変化させてもよい。例えば、1回目の可変表示では2番目の保留表示の周辺の表示態様を変え、2回目の可変表示では3番目の保留表示の周辺の表示態様を変えるような演出を行ってもよい。
また、抽選演出が、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作において実行されるようにしてもよい。例えば、遊技者が遊技機に設けられた操作ボタンを押下したことに応じて、図30(C)に示されたような演出(遊技球が落下するような演出)を実行し、さらに、遊技者が操作ボタンを押下したことに応じて、遊技球がクルーン画像9a上を移動するような表示演出(図30(D),(F)参照)を実行し、さらに、遊技者が操作ボタンを押下したことに応じて、クルーン画像9aにおける3つの球通過穴のうちの当り穴9cまたははずれ穴9dに遊技球が落下するような表示演出を実行する。
また、上記の実施の形態では、抽選演出および予告演出(第1予告演出)は演出表示装置9における表示演出で実現されたが、遊技機に設けられている他の演出装置(スピーカ27R,27LやLEDなど)を用いて抽選演出を実現するようにしてもよい。例えば、始動入賞が生じたときにスピーカ27R,27Lからルーレットが回転するときに出力されるような音を出力させる(抽選演出に相当)。そして、保留表示の表示態様を変更するときに玉がルーレットにおける所望の穴に入ったかのような音を出力させる。そのように構成した場合には、演出表示装置9において本実施形態の予告演出(保留表示の表示態様を用いた予告演出)とは別の予告演出を実行するようにしても、遊技者は、その予告演出(別の予告演出)と本実施形態の予告演出とが区別しやすくなり、本実施形態の予告演出に加えて、別の予告演出を実行するようにしても、遊技者を惑わしたりすることはない。
また、上記の実施の形態では、予告演出(第1予告演出)は保留表示の表示態様(例えば、表示色)を変化させることによって実現されたが、予告態様の可変表示に対応する保留表示を上下に移動させたり左右に移動させたり移動表示するようにしてもよい。その場合には、例えば、予告対象が大当りである場合には移動の程度を大きくし、予告対象がスーパーリーチはずれである場合には移動の程度を中程度にしたり、予告対象がはずれ(リーチなし)である場合には移動の程度を小さくしたりする。そのように制御する場合には、予告対象の大当りに対する期待度を容易に把握できるので、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、抽選演出が開始されるときの飾り図柄の可変表示は予告演出とは関連していなかったが、飾り図柄の可変表示態様(変動パターン)と抽選演出および予告演出とが関連するようにしてもよい。例えば、予告演出決定手段が、第1予告演出または第2予告演出とするかを決定するときに、特定の変動パターン(一例として、スーパーリーチはずれの変動パターン)により可変表示が行われているときには、高い割合で第1予告演出または第2予告演出とすることに決定する。そのように構成する場合には、図42〜図45に例示された演出種類決定テーブルを、実行中の変動パターンの種類(変動中でない場合も含む。)に応じたテーブルに分け、特定の変動パターンに対応するテーブルにおいて、第1予告演出または第2予告演出を含む演出種類が選択されやすいようにする。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。