JP2016153369A - 焼結体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系プラズマに対して優れた耐性を示し、エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料として有用な焼結体の提供。
【解決手段】イットリウムのオキシフッ化物を含み、イットリウムのオキシフッ化物がYOF及び/又はY5O4F7であることが好ましく、相対密度が70%以上で開気孔率が10%以下であることが好ましく、又、3点曲げ強度が、10〜300MPaである焼結体。イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、前記成形体を、5〜100MPaの圧力下、800〜1800℃の温度で焼結して焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】イットリウムのオキシフッ化物を含み、イットリウムのオキシフッ化物がYOF及び/又はY5O4F7であることが好ましく、相対密度が70%以上で開気孔率が10%以下であることが好ましく、又、3点曲げ強度が、10〜300MPaである焼結体。イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、前記成形体を、5〜100MPaの圧力下、800〜1800℃の温度で焼結して焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、イットリウムのオキシフッ化物を含む焼結体に関する。
半導体の製造における各工程、特に、ドライエッチング、プラズマエッチング及びクリーニングの工程ではフッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス及びこれらを用いたプラズマが使用される。これらの腐食性ガスやプラズマにより半導体製造装置の構成部材が腐食され、また、構成部材の表面からはく離した微細粒子(パーティクル)が半導体表面に付着して製品不良の原因となりやすい。そのため、半導体製造装置の構成部材には、ハロゲン系プラズマに対して耐食性の高いセラミックスがバルク材料として使用される必要がある。
このようなバルク材料として、現在はアルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、アルミニウムイットリウム複合酸化物や、イットリウムフッ化物が用いられている(特許文献1〜3を参照)。
このようなバルク材料として、現在はアルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、アルミニウムイットリウム複合酸化物や、イットリウムフッ化物が用いられている(特許文献1〜3を参照)。
また出願人はエッチング装置の腐食を防止するために用いる耐食性材料として、これまでにイットリウムのオキシフッ化物を含む溶射材料を提案した(特許文献4)。
アルミニウム酸化物等のアルミニウム含有化合物は、半導体シリコンへのアルミニウム汚染が懸念されている。イットリウム酸化物はプラズマ耐性が不十分であることが指摘され、フッ素系プラズマ照射により、表面が変質してイットリウムフッ化物(YF3)が形成される。イットリウムフッ化物はフッ化物のため、化学的な安定性に疑問がある。
また、イットリウムのオキシフッ化物を溶射材料として用いて半導体装置の内部をコーティングした場合には、得られるコーティング膜の緻密性に限界があり、ハロゲン系腐食ガスを遮断する性能が十分なものと言えない。
また、イットリウムのオキシフッ化物を溶射材料として用いて半導体装置の内部をコーティングした場合には、得られるコーティング膜の緻密性に限界があり、ハロゲン系腐食ガスを遮断する性能が十分なものと言えない。
したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る焼結体を提供することにある。
本発明は、イットリウムのオキシフッ化物を含む焼結体を提供するものである。
また、本発明は、前記焼結体の製造方法であって、
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、5MPa以上100MPa以下の圧力下、800℃以上1800℃以下の温度で焼結することにより前記焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法を提供するものである。
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、5MPa以上100MPa以下の圧力下、800℃以上1800℃以下の温度で焼結することにより前記焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記焼結体の製造方法であって、
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、無加圧下、1000℃以上2000℃以下の温度で焼結する工程と、を有する、焼結体の製造方法を提供するものである。
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、無加圧下、1000℃以上2000℃以下の温度で焼結する工程と、を有する、焼結体の製造方法を提供するものである。
本発明の焼結体は、ハロゲン系プラズマに対して優れた耐性を示し、エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料として有用である。また本発明の焼結体の製造方法は、本発明の焼結体として緻密な焼結体を効率よく製造できる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の焼結体は、イットリウムのオキシフッ化物を含むことを特徴の一つとしている。本発明におけるイットリウムのオキシフッ化物は、イットリウム(Y)、酸素(O)、フッ素(F)からなる化合物である。イットリウムのオキシフッ化物としては、イットリウム(Y)、酸素(O)、フッ素(F)のモル比がY:O:F=1:1:1である化合物でも良い。あるいは、イットリウムのオキシフッ化物としては、前記のモル比がY:O:F=1:1:1以外の化合物でも良い。そのような化合物としては、Y5O4F7やY7O6F9等も含み、これらのうち1種以上のオキシフッ化物を含むものである。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では、前記のモル比がY:O:F=1:X:3−2X(Xは0.5〜1.2)である化合物が好ましく、YOF及びY5O4F7が特に好ましい。YOFを用いることで、機械的強度に優れた焼結体が得られる、緻密で割れの無い焼結体が得られる、他の組成と比べて耐食性に優れる等の利点を有する。また、Y5O4F7を用いることで、緻密で割れの無い焼結体が低温で得られる、酸化後にYOFが生成することで耐食性が向上する等の利点を有する。
本発明ではイットリウムのオキシフッ化物を溶射材料ではなく、焼結体とすることにより、ハロゲン系腐食ガスの遮断性を高いものとすることが可能である。溶射材料とする場合、溶射材料を構成する各粒子が溶射により溶解したものが積み重なって溶射膜が形成されるところ、この溶解した粒子間における微小な隙間にハロゲン系腐食ガスが流入してしまうことがある。これに比して焼結体は緻密性が高く、ハロゲン系腐食ガスの遮断性に優れるため、これを例えば半導体装置の構成部材に用いた場合、この部材内部へのハロゲン系腐食ガスの流入を防止できる。このため本発明の焼結体は、ハロゲン系腐食ガスによる腐食防止性能の高いものである。このようにハロゲン系腐食ガスの遮断性が高い部材は、例えば、エッチング装置の真空チャンバー構成部材やエッチングガス供給口、フォーカスリング、ウェハーホルダーなどに好適に用いられる。本発明の焼結体をより緻密なものにする観点から、該焼結体は相対密度が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが特に好ましい。相対密度(RD)は、高ければ高いほど好ましく、上限としては100%が挙げられる。耐食性向上の観点から、気孔率、特に開気孔率(OP)は小さいほうが好ましい。開気孔率は下記に記載する方法で求められ10%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、0.5%以下が特に好ましい。このような相対密度(RD)及び開気孔率(OP)を有する焼結体は、本発明の焼結体を後述する製造方法(1)又は(2)で製造する際に、その温度条件や圧力条件を調整することにより得ることができる。
ここでいう相対密度(RD)および開気孔率はJIS R1634に基づいて、アルキメデス法により測定でき、具体的には以下の方法で測定される。
<相対密度(RD)と開気孔率(OP)の測定方法>
焼結体を蒸留水に入れ、ダイアフラム型真空ポンプによる減圧下で1時間保持した後、水中重量W2[g]を測定する。また、余分な水分を湿布で取り除き、飽水重量W3[g]を測定する。その後、乾燥器に入れて焼結体を十分に乾燥させた後、乾燥重量W1[g]を測定する。以下の式により、かさ密度ρb[g/cm3]と開気孔率OPを算出する。
ρb=W1/(W3-W2)×ρ1(g/cm3)
OP=(W3-W1)/(W3-W2)×100(%)
ここで、ρ1 [g/cm3]は蒸留水の密度である。得られたかさ密度ρbと、理論密度ρc[g/cm3]を用いて、相対密度(RD)[%]を以下の式により算出する。
RD=ρb/ρc×100(%)
焼結体を蒸留水に入れ、ダイアフラム型真空ポンプによる減圧下で1時間保持した後、水中重量W2[g]を測定する。また、余分な水分を湿布で取り除き、飽水重量W3[g]を測定する。その後、乾燥器に入れて焼結体を十分に乾燥させた後、乾燥重量W1[g]を測定する。以下の式により、かさ密度ρb[g/cm3]と開気孔率OPを算出する。
ρb=W1/(W3-W2)×ρ1(g/cm3)
OP=(W3-W1)/(W3-W2)×100(%)
ここで、ρ1 [g/cm3]は蒸留水の密度である。得られたかさ密度ρbと、理論密度ρc[g/cm3]を用いて、相対密度(RD)[%]を以下の式により算出する。
RD=ρb/ρc×100(%)
また、本発明の焼結体は、3点曲げ強度σfが一定以上の高い値であることが、好ましい。具体的には、本発明の焼結体の3点曲げ強度σfは20MPa以上であることが好ましく、50MPa以上であることが好ましく、100MPa以上であることがより好ましい。また3点曲げ強度σfは高ければ高いほど好ましいほど好ましいが、上限としては、300MPa以下であることが、焼結体の製造の容易性等の観点から好ましい。上記の強度を有する焼結体は、本発明の焼結体を後述する製造方法(1)又は(2)で製造することにより得ることができる。
3点曲げ強度σfは以下の方法で測定される。
3点曲げ強度σfは以下の方法で測定される。
<3点曲げ強度σfの測定方法>
焼結体を切断し、片面を鏡面研磨することにより、厚さ1.5〜3.0mm, 幅約4mm、長さ約35mmの短冊形の試験片を作製する。これをSiC製治具に置き、万能材料試験機(1185型、INSTRON製)で3点曲げ試験を行う。条件は、支点間距離30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minとし、試験片本数は5本とする。JIS R1601に基づき、以下の式を用いて曲げ強度σf [MPa]を算出する。
σf =(3×Pf×L)/(2×w×t2) (MPa)
ここで、Pfは試験片が破断した時の荷重[N]、Lはスパン距離 [mm]、wは試験片の幅[mm]、tは試験片の厚さ[mm]である。
焼結体を切断し、片面を鏡面研磨することにより、厚さ1.5〜3.0mm, 幅約4mm、長さ約35mmの短冊形の試験片を作製する。これをSiC製治具に置き、万能材料試験機(1185型、INSTRON製)で3点曲げ試験を行う。条件は、支点間距離30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minとし、試験片本数は5本とする。JIS R1601に基づき、以下の式を用いて曲げ強度σf [MPa]を算出する。
σf =(3×Pf×L)/(2×w×t2) (MPa)
ここで、Pfは試験片が破断した時の荷重[N]、Lはスパン距離 [mm]、wは試験片の幅[mm]、tは試験片の厚さ[mm]である。
また、本発明の焼結体は、好ましくは弾性率が100GPa以上、300GPa以下、より好ましくは、150GPa以上、200GPa以下である。
<弾性率の測定方法>
弾性率はJIS R1602に従い、以下の方法で求められる。
測定はオシロスコープ(WJ312A、LECROY製)及びパルサーレシーバー(5072PR、Olympus NDT製)を用いる。試験片に縦波振動子(V110、5 MHz)、横波振動子(V156、5 MHz)を接着剤(縦波用:COUPLANT B GLYCERIN(オリンパス製)、横波用:ソニコートSHN-B25(ニチゴー日興製))を用いて固定し、パルスの伝搬速度から縦波速度Vl [m/s]と横波速度Vt [m/s]を測定する。得られたVl及びVt、試験片のかさ密度ρb [kg/mm3]から、以下の式を用いて弾性率E[GPa]を算出する。
E = ρb・(Vt 2・Vl 2- 4Vt 4)/(Vl 2 - Vt 2)×10−9 (GPa)
弾性率はJIS R1602に従い、以下の方法で求められる。
測定はオシロスコープ(WJ312A、LECROY製)及びパルサーレシーバー(5072PR、Olympus NDT製)を用いる。試験片に縦波振動子(V110、5 MHz)、横波振動子(V156、5 MHz)を接着剤(縦波用:COUPLANT B GLYCERIN(オリンパス製)、横波用:ソニコートSHN-B25(ニチゴー日興製))を用いて固定し、パルスの伝搬速度から縦波速度Vl [m/s]と横波速度Vt [m/s]を測定する。得られたVl及びVt、試験片のかさ密度ρb [kg/mm3]から、以下の式を用いて弾性率E[GPa]を算出する。
E = ρb・(Vt 2・Vl 2- 4Vt 4)/(Vl 2 - Vt 2)×10−9 (GPa)
また、本発明の焼結体は、好ましくは熱伝導率が5.0W/(m・K)以上、より好ましくは10.0W/(m・K)以上である。このように高い熱伝導率を有する焼結体は、均熱性の求められる構成部材や温度変化の大きい構成部材の用途に好適に用いることができる。また、本発明の焼結体をエッチング装置の、ガスや電気等の導入端子等断熱性が求められる構成部材の用途に用いる場合は、該焼結体の熱伝導率が5.0W/(m・K)以下、特に3.0W/(m・K)以下程度に低いことも好ましい。熱伝導率は以下のように測定できる。
<熱伝導率の測定方法>
一辺10mm、厚さ1mmの正方形板状試料を用いた。試料の両面に白金コーティングをし、その上から炭素粒子入りスプレー(FC-153、ファインケミカルジャパン製)を薄く吹きつけた。黒化処理をした試料を治具に設置し、表面にキセノンフラッシュランプによるパルス(パルス幅0.33ms)を照射し、試料裏面の温度変化を測定することにより、熱拡散率αを求めた。温度変化はハーフタイムの10倍を計算範囲とした。また、標準試料としてアルミナを用い、比熱容量Cを求めた。温度25℃、湿度50%、空気中で測定を行い、測定は3回行った。測定には熱定数測定装置(LFA447、NETZSCH製)を用いた。
JIS R1611に基づき、以下の式を用いて熱伝導率λ [W/(m・K)]を求めた。
λ = α × C × ρ (W/(m・K))
ここでαは熱拡散率 [m2/s]、Cは比熱容量 [J/kg・K], ρは試料のかさ密度[kg/m3]である。
<熱伝導率の測定方法>
一辺10mm、厚さ1mmの正方形板状試料を用いた。試料の両面に白金コーティングをし、その上から炭素粒子入りスプレー(FC-153、ファインケミカルジャパン製)を薄く吹きつけた。黒化処理をした試料を治具に設置し、表面にキセノンフラッシュランプによるパルス(パルス幅0.33ms)を照射し、試料裏面の温度変化を測定することにより、熱拡散率αを求めた。温度変化はハーフタイムの10倍を計算範囲とした。また、標準試料としてアルミナを用い、比熱容量Cを求めた。温度25℃、湿度50%、空気中で測定を行い、測定は3回行った。測定には熱定数測定装置(LFA447、NETZSCH製)を用いた。
JIS R1611に基づき、以下の式を用いて熱伝導率λ [W/(m・K)]を求めた。
λ = α × C × ρ (W/(m・K))
ここでαは熱拡散率 [m2/s]、Cは比熱容量 [J/kg・K], ρは試料のかさ密度[kg/m3]である。
本発明の焼結体は、実質的にイットリウムのオキシフッ化物のみからなるものであってもよいが、イットリウムのオキシフッ化物以外の成分を含んでいてもよい。実質的にとは、オキシフッ化物以外に、不可避的不純物のみが含まれていることを意味し、具体的には、オキシフッ化物の含有量が98質量%以上であることを指す。ここでいう不可避的不純物としては、例えば下記(1)又は(2)の方法で製造した場合の酸化イットリウム等の副生物が挙げられる。
具体的には、本発明の焼結体におけるイットリウムのオキシフッ化物の含有量は、50質量%以上であることが、本発明の耐プラズマ性の効果を一層高く奏する観点や、機械的な強度が向上する等の観点から好ましい。この観点から焼結体中のイットリウムのオキシフッ化物の量は、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。焼結体中のイットリウムのオキシフッ化物の含有量は高ければ高いほど好ましい。
本発明の焼結体が、イットリウムのオキシフッ化物及びイットリウム酸化物からなることが定性分析により確認できた場合、焼結体中のイットリウムのオキシフッ化物の含有量は以下の方法により測定できる。この場合の定性分析は、例えばX線回折測定により行うことができる。
酸化イットリウムとオキシフッ化イットリウムを一定割合で混合した粉末試料について、X線回折測定を行う。得られた回折ピークのうち、酸化イットリウムの最大ピーク強度とオキシフッ化イットリウムの最大ピーク強度の比をとり、混合比に対してプロットし、検量線を作成する。検量線に照らして酸化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとの混合比を測定し、両者の合計を100とした場合のオキシフッ化イットリウムの比率を、オキシフッ化イットリウムの含有量とする。焼結体のX線回折測定は焼結体を粉末としたものの測定であり、後述した実施例に記載の方法により行うことができる。
また、上記の定性分析により、焼結体においてイットリウムのオキシフッ化物及びイットリウム酸化物以外の物質が含まれていることが判明した場合は、その物質について、上述した方法と同様にしてその物質とオキシフッ化イットリウムとの混合比を測定することで、オキシフッ化イットリウムの含有量を求めればよい。
酸化イットリウムとオキシフッ化イットリウムを一定割合で混合した粉末試料について、X線回折測定を行う。得られた回折ピークのうち、酸化イットリウムの最大ピーク強度とオキシフッ化イットリウムの最大ピーク強度の比をとり、混合比に対してプロットし、検量線を作成する。検量線に照らして酸化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとの混合比を測定し、両者の合計を100とした場合のオキシフッ化イットリウムの比率を、オキシフッ化イットリウムの含有量とする。焼結体のX線回折測定は焼結体を粉末としたものの測定であり、後述した実施例に記載の方法により行うことができる。
また、上記の定性分析により、焼結体においてイットリウムのオキシフッ化物及びイットリウム酸化物以外の物質が含まれていることが判明した場合は、その物質について、上述した方法と同様にしてその物質とオキシフッ化イットリウムとの混合比を測定することで、オキシフッ化イットリウムの含有量を求めればよい。
本発明の焼結体は、これを粉末としたときのCuKα線又はCu−Kα1線を用いたX線回折測定(走査範囲:2θ=10°〜80°)において、最大強度の回折ピークがイットリウムのオキシフッ化物に由来するピークであることが好ましい。また、このX線回折測定において、イットリウムのオキシフッ化物以外の成分に由来するピークが観察されても良いが、当該ピークが小さいか、或は、当該ピークが観察されないことが好ましい。たとえば上記走査範囲における、イットリウムのオキシフッ化物に由来する最大ピークの高さを1としたときに、イットリウムのオキシフッ化物以外の成分に由来する最大ピークの高さが0.5以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。特に、上記のX線回折測定において、上記走査範囲における、イットリウムのオキシフッ化物に由来する最大ピークの高さを1としたときに、YF3に由来するピークの最大ピークの高さが、0.1以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましい。また上記のX線回折測定において、上記走査範囲における、イットリウムのオキシフッ化物に由来する最大ピークの高さを1としたときに、Y2O3に由来する最大ピークの高さが、0.2以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。焼結体粉末のX線回折測定は後述した実施例に記載の方法により行うことができる。本発明の焼結体における上記のピーク比は、原料粉末におけるイットリムのオキシフッ化物の割合や、焼結条件の温度や焼結雰囲気等を調整することにより、上記の範囲とすることができる。
本発明の焼結体がYOFを含む場合、該YOFとして菱面体晶を含むことが好ましく、本発明の焼結体がY5O4F7を含む場合、該Y5O4F7として斜方晶を含むことが好ましい。これらの結晶相は、焼結体表面又は粉末のX線回折測定を行うことで同定できる。
本発明の焼結体のうち、イットリウムのオキシフッ化物以外の成分としては、例えば、各種の焼結助剤、バインダ樹脂、炭素等が挙げられる。また本発明の焼結体は、イットリウムのオキシフッ化物に加えて、従来用いられてきたアルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、アルミニウムイットリウム複合酸化物や、イットリウムフッ化物、イットリウム以外の他の希土類元素含有化合物等の各種のセラミックス材料を含有していても良い。
本発明の焼結体は、イットリウムのオキシフッ化物を含む焼結体であることにより、他のセラミック材料の焼結体に比べて、ハロゲン系プラズマに対して優れた耐性を有し、また、従来のイットリウムのオキシフッ化物を含む溶射材料に比べて緻密性やハロゲン系腐食性ガスの遮断性に優れる。
次に本発明の焼結体の好適な製造方法について説明する。本発明の焼結体の製造方法としては例えば、以下の(1)の方法を挙げることができる。
(1)イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、5MPa以上100MPa以下の圧力下、800℃以上1800℃以下の温度で焼結することにより前記焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法。
(1)イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、5MPa以上100MPa以下の圧力下、800℃以上1800℃以下の温度で焼結することにより前記焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法。
(1)の方法についてまず説明する。
上記(1)の方法において、成形体を得る工程と成形体を焼結する工程は同時に行ってもよい。例えば、粉末試料を型に入れ、これをそのまま加圧焼結することも上記(1)の方法に含まれる。
上記(1)の方法において、成形体を得る工程と成形体を焼結する工程は同時に行ってもよい。例えば、粉末試料を型に入れ、これをそのまま加圧焼結することも上記(1)の方法に含まれる。
上記イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末におけるイットリウムのオキシフッ化物としては、上記の焼結体に含まれるイットリウムのオキシフッ化物と同様のものが挙げられる。原料に用いるイットリウムのオキシフッ化物は通常粉末状である。原料粉末に含有されるイットリウムのオキシフッ化物の平均粒子径としては5μm以下のものが好ましく、1μm以下のものがより好ましい。平均粒子径は、体積基準の積算分率における50%径(以下、単に「D50」ともいう)であり、レーザ回折・散乱式粒度分布測定法により測定される。具体的な測定方法は以下の通りである。原料粉末の平均粒子径の好ましい粒径としては、原料粉末に含有されるイットリウムのオキシフッ化物の平均粒子径と同様の粒径が挙げられる。
(平均粒子径の測定方法)
日機装株式会社製マイクロトラックHRAにて測定する。測定の際には、分散媒として2質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、マイクロトラックHRAの試料循環器のチャンバーに試料(顆粒)を適正濃度であると装置が判定するまで添加する。
日機装株式会社製マイクロトラックHRAにて測定する。測定の際には、分散媒として2質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、マイクロトラックHRAの試料循環器のチャンバーに試料(顆粒)を適正濃度であると装置が判定するまで添加する。
原料粉末には、イットリウムのオキシフッ化物に加えて、その他の成分として、上述した焼結助剤やバインダ等を用いてもよいが、本発明の焼結体は焼結助剤及びバインダ樹脂等のその他の成分の量は少ないことが好ましい。特に、原料粉末中、焼結助剤は5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。本発明の製造方法は、焼結助剤を用いないか、極力その量を少なくしても、緻密な焼結体が得られることを特徴の一つとしている。ここでいう焼結助剤としては、SiO2、MgO、CaO、さらには各種希土類酸化物などが挙げられる。原料粉末の成形には金型プレス法、ラバープレス(静水圧プレス)法、シート成型法、押し出し成型法、鋳込み成形法等を用いることができる。原料粉末中、イットリウムのオキシフッ化物の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。
(1)の方法では、上記で得られた成形体を、加圧焼結する。具体的な加圧焼結法としては、ホットプレス、パルス通電加圧(SPS)、熱間等方圧加圧(HIP)を用いることができる。加圧焼結の加圧力としては5MPa以上100MPa以下であることが好ましい。5MPa以上とすることで、緻密で耐プラズマ性の高い焼結体が得やすく、100MPa以下とすることでプレス型の破損を抑える等の利点がある。これらの観点から加圧焼結の加圧力は20MPa以上であることが好ましく、100MPa以下であることがより好ましい。また焼結温度としては800℃以上1800℃以下であることが好ましい。800℃以上であることで緻密化が進みやすいほか、添加したバインダーの分解・蒸発が進む、原料中に含まれる未反応成分が反応してオキシフッ化物を形成する等の利点を有する。1800℃以下であることでオキシフッ化物の分解を抑える、加圧焼結機器の損傷を抑える等の利点を有する。これらの観点から、焼結温度は1000℃以上1700℃以下がより好ましい。
また、上記範囲の圧力及び温度において加圧焼結する時間(最高温度での保持時間)は、0時間以上6時間以下が好ましく、0時間以上2時間以下がより好ましい。
特にホットプレスの場合は、加圧焼結の加圧力としては30MPa以上50MPa以下が好ましく、焼結温度は、1300℃以上1700℃以下が好ましい。また、パルス通電加圧焼結の場合は、加圧焼結の加圧力としては30MPa以上100MPa以下が好ましく、焼結温度は、1000℃以上1500℃以下がより好ましい。
本発明の焼結体は、(1)の方法に代えて、下記(2)の方法によっても好適に製造することができる。
(2)イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、無加圧下、1000℃以上2000℃以下の温度で焼結する工程と、を有する、焼結体の製造方法。
(2)イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、無加圧下、1000℃以上2000℃以下の温度で焼結する工程と、を有する、焼結体の製造方法。
(2)の方法は、無加圧焼結を行う点で(1)の方法と異なるが、原料粉末の成形体を得る工程は(1)の方法と同様である。
焼結温度は1000℃以上であることが緻密な焼結体を得る観点や、混入した有機物除去の観点から好ましく、2000℃以下であることがオキシフッ化物の分解を抑える、加圧焼結機器の損傷を抑える、等の観点から好ましい。これらの観点から、焼結温度は1200℃以上、1800℃以下がより好ましい。また、上記の焼結温度で焼結する時間(最高温度での保持時間)は、0時間以上24時間以下が好ましく、0時間以上6時間以下がより好ましい。本製造方法では無加圧焼結であっても上記の原料粉末を上記の温度で焼結することにより、十分に緻密な焼結体を得ることができる。
焼結温度は1000℃以上であることが緻密な焼結体を得る観点や、混入した有機物除去の観点から好ましく、2000℃以下であることがオキシフッ化物の分解を抑える、加圧焼結機器の損傷を抑える、等の観点から好ましい。これらの観点から、焼結温度は1200℃以上、1800℃以下がより好ましい。また、上記の焼結温度で焼結する時間(最高温度での保持時間)は、0時間以上24時間以下が好ましく、0時間以上6時間以下がより好ましい。本製造方法では無加圧焼結であっても上記の原料粉末を上記の温度で焼結することにより、十分に緻密な焼結体を得ることができる。
(1)及び(2)のいずれの方法における焼結も、酸素含有雰囲気下で行ってもよく、不活性雰囲気下で行ってもよい。しかしながら、酸化イットリウムの生成を防止する観点から不活性雰囲気で行うことが好ましい。酸素含有雰囲気としては大気が挙げられ、不活性雰囲気としてはアルゴンなどの希ガスや窒素や真空等が挙げられる。
このようにして得られた焼結体は、エッチング装置における真空チャンバー及び該チャンバー内における試料台やチャック、フォーカスリング、エッチングガス供給口といった半導体製造装置の構成部材に用いることができる。また本発明の焼結体は半導体製造装置の構成部材以外にも各種プラズマ処理装置、化学プラントの構成部材の用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕(無加圧焼結によるYOFを含む焼結体の製造)
YOF粉末(平均粒子径0.8μm)を、直径15mmの円形の金型に、約1.4g入れ、油圧プレスで25.5MPaの圧力で一軸加圧して1分間保持し、一次成形した。得られた一次成形品についてさらに、200MPa、1分間保持で静水圧成形をした。これ
をアルミナ製るつぼに入れ、敷き粉を敷いて、その上に成形体を乗せ、ふたをして、さらにるつぼ全体をカーボン製の大きなるつぼに入れた。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。これにより焼結体を得た。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ、96%であり、開気孔率は0.2%であった。下記の方法にて、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図1に示す。図1に示す通り、このX線チャートにおいては、YOFに由来するとみられるピークのみが観察され、YOF以外の成分に由来するピークは観察されなかったこと、原料粉末としてYOFのみを用いたことから、この焼結体はYOFをほぼ100質量%含むものとみられる。実際に得られた焼結体について、上記の方法でイットリウムのオキシフッ化物の量を測定したところ、100質量%であった。
YOF粉末(平均粒子径0.8μm)を、直径15mmの円形の金型に、約1.4g入れ、油圧プレスで25.5MPaの圧力で一軸加圧して1分間保持し、一次成形した。得られた一次成形品についてさらに、200MPa、1分間保持で静水圧成形をした。これ
をアルミナ製るつぼに入れ、敷き粉を敷いて、その上に成形体を乗せ、ふたをして、さらにるつぼ全体をカーボン製の大きなるつぼに入れた。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。これにより焼結体を得た。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ、96%であり、開気孔率は0.2%であった。下記の方法にて、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図1に示す。図1に示す通り、このX線チャートにおいては、YOFに由来するとみられるピークのみが観察され、YOF以外の成分に由来するピークは観察されなかったこと、原料粉末としてYOFのみを用いたことから、この焼結体はYOFをほぼ100質量%含むものとみられる。実際に得られた焼結体について、上記の方法でイットリウムのオキシフッ化物の量を測定したところ、100質量%であった。
<焼結体粉末のXRD測定>
焼結体の一部を、磁製乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末を得、この粉末をガラス製ホルダーにセットし、XRD測定を行った。XRDの測定条件は、連続スキャンで、Cuターゲット、管球電圧40kV,管球電流30mA、走査範囲2θ=10°〜80°、走査速度0.050°2θ/sとした。Kβ線はわん曲グラファイトフィルターにより除去した。
焼結体の一部を、磁製乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末を得、この粉末をガラス製ホルダーにセットし、XRD測定を行った。XRDの測定条件は、連続スキャンで、Cuターゲット、管球電圧40kV,管球電流30mA、走査範囲2θ=10°〜80°、走査速度0.050°2θ/sとした。Kβ線はわん曲グラファイトフィルターにより除去した。
〔実施例2〕(加圧焼結によるYOFを含む焼結体の製造)
縦35mm、横35mmの四角形の金型に、YOF粉末(平均粒子径0.8μm)を約20g入れ、油圧プレスにより、18.4MPaの圧力で一次成形をした。これを前記の角型と同じサイズのカーボン製のホットプレス型に入れ、ホットプレスにより焼結した。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、10 ℃/minで 1200℃まで降温し、その後 30℃/min で降温した。1600℃で1時間保持している間に36.7MPaの圧力で一軸加圧した。これにより焼結体を得た。実際に得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ99.5%であり、開気孔率は0.1%であった。また上記の方法で3点曲げ強度を測定したところ120MPaであった。また上記の方法で弾性率を測定したところ183GPaであり、上記の方法で熱伝導率を測定したところ17W/(m・K)であった。実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図2に示す。図2に示す通り、このX線チャートにおいては、YOFに由来するとみられるピークのみが観察され、YOF以外の成分に由来するピークは観察されなかったこと、原料粉末としてYOFのみを用いたことから、この焼結体はYOFを100質量%含むものとみられる。得られた焼結体について、上記の方法でイットリウムのオキシフッ化物の量を測定したところ、100質量%であった。
縦35mm、横35mmの四角形の金型に、YOF粉末(平均粒子径0.8μm)を約20g入れ、油圧プレスにより、18.4MPaの圧力で一次成形をした。これを前記の角型と同じサイズのカーボン製のホットプレス型に入れ、ホットプレスにより焼結した。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、10 ℃/minで 1200℃まで降温し、その後 30℃/min で降温した。1600℃で1時間保持している間に36.7MPaの圧力で一軸加圧した。これにより焼結体を得た。実際に得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ99.5%であり、開気孔率は0.1%であった。また上記の方法で3点曲げ強度を測定したところ120MPaであった。また上記の方法で弾性率を測定したところ183GPaであり、上記の方法で熱伝導率を測定したところ17W/(m・K)であった。実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図2に示す。図2に示す通り、このX線チャートにおいては、YOFに由来するとみられるピークのみが観察され、YOF以外の成分に由来するピークは観察されなかったこと、原料粉末としてYOFのみを用いたことから、この焼結体はYOFを100質量%含むものとみられる。得られた焼結体について、上記の方法でイットリウムのオキシフッ化物の量を測定したところ、100質量%であった。
〔実施例3〕(無加圧焼結によるY5O4F7を含む焼結体の製造)
Y5O4F7粉末(平均粒子径1.1μm)を、直径15mmの円形の金型に、約1.4g入れ、油圧プレスで25.5MPaの圧力で一軸加圧して1分間保持し、一時成形した。得られた一時成形品についてさらに、200MPa、1分間保持で静水圧成形をした。これをアルミナ製るつぼに入れ、敷き粉を敷いて、その上に成形体を乗せ、ふたをして、さらにるつぼ全体をカーボン製の大きなるつぼに入れた。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1400℃まで昇温した後 10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。これにより焼結体を得た。1400℃での保持時間は0時間であった。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ、99.6%であり、開気孔率は0.1%であった。また、得られた焼結体について、実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図3に示す。図3に示す通り、このX線チャートにおいては、Y5O4F7に由来するとみられるピークが主として観察され、Y5O4F7以外の成分に由来するピークは極めてわずかしか観察されなかったこと、原料粉末としてY5O4F7のみを用いたことから、この焼結体はY5O4F7を95質量%以上含むものとみられる。
Y5O4F7粉末(平均粒子径1.1μm)を、直径15mmの円形の金型に、約1.4g入れ、油圧プレスで25.5MPaの圧力で一軸加圧して1分間保持し、一時成形した。得られた一時成形品についてさらに、200MPa、1分間保持で静水圧成形をした。これをアルミナ製るつぼに入れ、敷き粉を敷いて、その上に成形体を乗せ、ふたをして、さらにるつぼ全体をカーボン製の大きなるつぼに入れた。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1400℃まで昇温した後 10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。これにより焼結体を得た。1400℃での保持時間は0時間であった。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ、99.6%であり、開気孔率は0.1%であった。また、得られた焼結体について、実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図3に示す。図3に示す通り、このX線チャートにおいては、Y5O4F7に由来するとみられるピークが主として観察され、Y5O4F7以外の成分に由来するピークは極めてわずかしか観察されなかったこと、原料粉末としてY5O4F7のみを用いたことから、この焼結体はY5O4F7を95質量%以上含むものとみられる。
〔実施例4〕(加圧焼結によるY5O4F7を含む焼結体の製造)。
縦35mm、横35mmの四角形の金型に、Y5O4F7粉末(平均粒子径1.1μm)を約20g入れ、油圧プレスにより、18.4MPaの圧力で一次成形をした。これを前記の角型と同じサイズのカーボン製のホットプレス型に入れ、ホットプレスにより焼結した。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1400℃まで昇温した後 10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。1400℃での保持時間は0時間であった。温度が1200℃以上である間に36.7MPaで一軸加圧した。これにより焼結体を得た。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ99.8%であり、開気孔率は0.1%であった。また得られた焼結体について上記の方法で3点曲げ強度を測定したところ26MPaであった。また上記の方法で弾性率を測定したところ157GPaであり、上記の方法で熱伝導率を測定したところ2.9W/(m・K)であった。また、得られた焼結体について、実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図4に示す。図4に示す通り、このX線チャートにおいては、Y5O4F7に由来するとみられるピークが主として観察され、Y5O4F7以外の成分に由来するピークは極めてわずかしか観察されなかったこと、及び、原料粉末としてY5O4F7のみを用いたことから、この焼結体はY5O4F7を95質量%以上含むものとみられる。
縦35mm、横35mmの四角形の金型に、Y5O4F7粉末(平均粒子径1.1μm)を約20g入れ、油圧プレスにより、18.4MPaの圧力で一次成形をした。これを前記の角型と同じサイズのカーボン製のホットプレス型に入れ、ホットプレスにより焼結した。Ar流中(流速2リットル/分)下、30℃/minで1200℃まで昇温し、さらに10℃/minで1400℃まで昇温した後 10℃/minで1200℃まで降温し、その後30℃/minで降温した。1400℃での保持時間は0時間であった。温度が1200℃以上である間に36.7MPaで一軸加圧した。これにより焼結体を得た。得られた焼結体について上記の方法で相対密度RDを測定したところ99.8%であり、開気孔率は0.1%であった。また得られた焼結体について上記の方法で3点曲げ強度を測定したところ26MPaであった。また上記の方法で弾性率を測定したところ157GPaであり、上記の方法で熱伝導率を測定したところ2.9W/(m・K)であった。また、得られた焼結体について、実施例1と同様にして、得られた焼結体の粉末のXRDを測定した。得られたX線チャートを図4に示す。図4に示す通り、このX線チャートにおいては、Y5O4F7に由来するとみられるピークが主として観察され、Y5O4F7以外の成分に由来するピークは極めてわずかしか観察されなかったこと、及び、原料粉末としてY5O4F7のみを用いたことから、この焼結体はY5O4F7を95質量%以上含むものとみられる。
〔実施例5〕(無加圧焼結によるYOFを含む焼結体の製造)
焼結をAr雰囲気下から大気雰囲気下とし、1600℃での保持時間を1時間から2時間とした以外は、実施例1と同様にして、相対密度RDが87%であり、開気孔率が0.2%の焼結体を得た。XRD測定の結果、この焼結体にはYOFの他に多量のY2O3が含まれていた。
焼結をAr雰囲気下から大気雰囲気下とし、1600℃での保持時間を1時間から2時間とした以外は、実施例1と同様にして、相対密度RDが87%であり、開気孔率が0.2%の焼結体を得た。XRD測定の結果、この焼結体にはYOFの他に多量のY2O3が含まれていた。
〔比較例1〕
単結晶シリコン(Si)を用いた。
単結晶シリコン(Si)を用いた。
〔比較例2〕
アルミナ(Al2O3)の焼結体を用いた。
アルミナ(Al2O3)の焼結体を用いた。
〔比較例3〕
イットリア(Y2O3)の焼結体を用いた。
イットリア(Y2O3)の焼結体を用いた。
〔比較例4〕
フッ化イットリウム(YF3)の焼結体を用いた。
フッ化イットリウム(YF3)の焼結体を用いた。
実施例2で得られた焼結体、比較例1の単結晶及び比較例2〜4の焼結体について、以下の〔評価1〕に記載のようにSEM観察(S-4800、日立ハイテクノロジーズ)することにより耐プラズマ性を評価した。
〔評価1〕
プラズマ処理装置(PT7160、エルミネット)により、実施例2で得られた焼結体、比較例1の単結晶及び比較例2〜4の焼結体の表面に対し、CF4+O2プラズマを照射した。CF4を0.8目盛り、O2を0.2目盛りとし、出力を100Wとして30分保持した。
プラズマ照射前後における、実施例2及び比較例1〜4の各固体表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。それぞれ固体表面を撮影したSEM写真を図5〜図9に示す。図5〜図9においてそれぞれ上側が照射前のSEM写真であり、下側が照射後のSEM写真である。
プラズマ処理装置(PT7160、エルミネット)により、実施例2で得られた焼結体、比較例1の単結晶及び比較例2〜4の焼結体の表面に対し、CF4+O2プラズマを照射した。CF4を0.8目盛り、O2を0.2目盛りとし、出力を100Wとして30分保持した。
プラズマ照射前後における、実施例2及び比較例1〜4の各固体表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。それぞれ固体表面を撮影したSEM写真を図5〜図9に示す。図5〜図9においてそれぞれ上側が照射前のSEM写真であり、下側が照射後のSEM写真である。
図5に示す通り、実施例2であるイットリウムのオキシフッ化物は、照射前後で変化がほとんど見られない。これに対し、図6に示す通り、比較例1であるシリコンは、照射前は平坦であるが、照射後は表面が荒れている様子が確認できた。図7に示す通り、比較例2であるアルミナは、照射後において、照射前に見られなかった白い粒子が多数発生しているのが確認できる。図8に示す通り、比較例3であるイットリアは、照射前後で変化があまり見られない。図9に示す通り、比較例4であるフッ化イットリウムは、照射後はクラックが多く発生している。
以上より、焼結体表面のSEM観察によれば、実施例2のイットリウムのオキシフッ化物の焼結体及び比較例3のイットリアの焼結体が、他の焼結体や単結晶よりもハロゲン系プラズマに耐性があることが示された。
以上より、焼結体表面のSEM観察によれば、実施例2のイットリウムのオキシフッ化物の焼結体及び比較例3のイットリアの焼結体が、他の焼結体や単結晶よりもハロゲン系プラズマに耐性があることが示された。
次に、上記の〔評価1〕で得たプラズマ照射前後の各試料について、更に、以下の〔評価2〕に記載の評価方法により、耐プラズマ性を評価した。
〔評価2〕
各試料表面について、走査型電子顕微鏡(S-4800、日立ハイテクノロジーズ)に附属の装置により、EDX分析を行った。倍率は5000倍とし、加速電圧を1kV, 3kV、10kVおよび30kVに変化させて測定を行い、ZAF法により下記式を用いて電子侵入深さRに対する原子の質量濃度Ciの変化を求めた。さらに求めた関係から各試料表面から電子侵入深さが0.1μm(100nm)までの部分におけるF原子及びO原子の質量濃度を求めた。得られた濃度により、この部分におけるF/Oの原子比を求めた。プラズマ照射前のF/Oの原子比(照射前F/O)、プラズマ照射後のF/Oの原子比(照射後F/O)及び、プラズマ照射前後におけるF/Oの原子比の変化量(照射後F/O/照射前F/O)の示すグラフを図10に示す。下記式においてρは密度、Aは原子量、E0は加速電圧、λ0は0.182である。Zは平均原子番号であり、それぞれの元素の原子番号をZi、質量濃度をCiとすると、Z=ΣCiZiで表される。
各試料表面について、走査型電子顕微鏡(S-4800、日立ハイテクノロジーズ)に附属の装置により、EDX分析を行った。倍率は5000倍とし、加速電圧を1kV, 3kV、10kVおよび30kVに変化させて測定を行い、ZAF法により下記式を用いて電子侵入深さRに対する原子の質量濃度Ciの変化を求めた。さらに求めた関係から各試料表面から電子侵入深さが0.1μm(100nm)までの部分におけるF原子及びO原子の質量濃度を求めた。得られた濃度により、この部分におけるF/Oの原子比を求めた。プラズマ照射前のF/Oの原子比(照射前F/O)、プラズマ照射後のF/Oの原子比(照射後F/O)及び、プラズマ照射前後におけるF/Oの原子比の変化量(照射後F/O/照射前F/O)の示すグラフを図10に示す。下記式においてρは密度、Aは原子量、E0は加速電圧、λ0は0.182である。Zは平均原子番号であり、それぞれの元素の原子番号をZi、質量濃度をCiとすると、Z=ΣCiZiで表される。
図10に示す通り、各比較例であるシリコン(Si)、アルミナ(Al2O3)、イットリア(Y2O3)及びフッ化イットリウム(YF3)の各試料においては、フッ素系プラズマ照射により、F/O比が大きく増加した。すなわち、これらの試料表面へのF元素の侵入が認められた。特に比較例3のイットリア(Y2O3)においては照射後のF/O比が照射前の2倍弱、比較例4のフッ化イットリウム(YF3)においては照射後のF/O比が照射前の2倍超となっており、フッ素系プラズマ照射によりこれら焼結体表面でフッ素が大きく増加していることが示された。これらに対して、実施例2であるイットリウムのオキシフッ化物の試料においては、プラズマ照射によるF/O比の増加は極めてわずかで、ほとんど変化していない。したがって、イットリウムのオキシフッ化物がフッ素含有プラズマに対して最も安定性が高いと考えられる。
上記の〔評価1〕で得たプラズマ照射後の各試料のうち、比較例3のイットリア試料、及び、実施例1のイットリウムのオキシフッ化物の試料について以下方法で更に、以下の〔評価3〕に記載の評価方法により、耐プラズマ性を評価した。
〔評価3〕
プラズマ照射後の試料の表面に目印として白金を蒸着したのち、日立イオンミリング装置IM4000により、表面に垂直にArイオンを照射して、断面観察用試料を作製した。この断面観察用試料を高感度のEDXを装備した走査型電子顕微鏡(SU-8200、日立ハイテクノロジーズ)により観察し、SEM写真を得るとともに、酸素、フッ素、白金、イットリウムの原子分布図を得た。実施例2の焼結体断面のSEM写真及び原子分布図を図11に示し、比較例3の焼結体断面のSEM写真及び原子分布図を図12に示す。図11及び図12のいずれにおいても上段左側がSEM写真であり、上段右側がフッ素原子分布図であり、下段右側が白金原子分布図であり、下段左側が白金原子分布図とフッ素原子分布図とを重ね合せた図である。
プラズマ照射後の試料の表面に目印として白金を蒸着したのち、日立イオンミリング装置IM4000により、表面に垂直にArイオンを照射して、断面観察用試料を作製した。この断面観察用試料を高感度のEDXを装備した走査型電子顕微鏡(SU-8200、日立ハイテクノロジーズ)により観察し、SEM写真を得るとともに、酸素、フッ素、白金、イットリウムの原子分布図を得た。実施例2の焼結体断面のSEM写真及び原子分布図を図11に示し、比較例3の焼結体断面のSEM写真及び原子分布図を図12に示す。図11及び図12のいずれにおいても上段左側がSEM写真であり、上段右側がフッ素原子分布図であり、下段右側が白金原子分布図であり、下段左側が白金原子分布図とフッ素原子分布図とを重ね合せた図である。
図11及び図12における上段左側のSEM像で、上下方法に伸びるバンド状のものが白金コート層であり、それより左側が試料となる。白金層の右側は、イオンミリング時の再堆積層であり、本来の試料ではない。すなわち白金の直ぐ左が試料の表面である。本発明の焼結体は、YOFからなるため、もともとフッ素元素を含有している。このため図11では、フッ素原子分布図である上段右側の図において、白金層に該当する黒色部分以外における灰色部分がフッ素原子の存在箇所を示すところ、この灰色部分が白金に該当する黒色部分よりも左側全体に広がっている。すなわち、図11におけるフッ素原子分布図によれば、フッ素が表面からの深さに関係なく、一様に分布している。図11の下段左側における、白金原子分布図とフッ素原子分布図とを重ね合せた図においても同様であり、試料表面におけるフッ素原子の蓄積はみられない。すなわち、本発明の焼結体では、フッ素プラズマの影響は認められない。
一方、比較例3であるイットリア焼結体はフッ素を元来含有していないにも関わらず、プラズマ照射後におけるこの焼結体断面を観察した図12では、上段右側のフッ素原子分布図において灰色部分が存在することからこの部分にフッ素が存在している。図12の下段左側の白金原子分布図とフッ素原子分布図とを重ね合せた図及び図12のSEM写真から明らかなように、比較例3の焼結体におけるフッ素原子の存在部位とは、白金層のすぐ左側であり、試料表面から約50nmの範囲である。つまり比較例3におけるイットリアの焼結体ではプラズマ照射により表面にフッ素原子が侵入したことが判る。
一方、比較例3であるイットリア焼結体はフッ素を元来含有していないにも関わらず、プラズマ照射後におけるこの焼結体断面を観察した図12では、上段右側のフッ素原子分布図において灰色部分が存在することからこの部分にフッ素が存在している。図12の下段左側の白金原子分布図とフッ素原子分布図とを重ね合せた図及び図12のSEM写真から明らかなように、比較例3の焼結体におけるフッ素原子の存在部位とは、白金層のすぐ左側であり、試料表面から約50nmの範囲である。つまり比較例3におけるイットリアの焼結体ではプラズマ照射により表面にフッ素原子が侵入したことが判る。
上記〔評価1〕〜〔評価3〕の結果を合わせて考えると、本発明の焼結体は、比較例1〜4の何れの材料よりもハロゲン系プラズマに対する耐食性が高いことは明らかである。よって、本発明の焼結体がエッチング装置等の半導体製造装置の構成部材として有用であることは明らかである。
Claims (9)
- イットリウムのオキシフッ化物を含む焼結体。
- イットリウムのオキシフッ化物がYOFである、請求項1に記載の焼結体。
- イットリウムのオキシフッ化物がY5O4F7である、請求項1に記載の焼結体。
- イットリウムのオキシフッ化物を、50質量%以上含む請求項1〜3の何れか1項に記載の焼結体。
- 相対密度が70%以上である、請求項1〜4の何れか1項に記載の焼結体。
- 開気孔率が10%以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の焼結体。
- 3点曲げ強度が、10MPa以上、300MPa以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の焼結体。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の焼結体の製造方法であって、
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、5MPa以上100MPa以下の圧力下、800℃以上1800℃以下の温度で焼結することにより前記焼結体を得る工程と、を有する、焼結体の製造方法。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の焼結体の製造方法であって、
イットリウムのオキシフッ化物を含む原料粉末の成形体を得る工程と、
前記成形体を、無加圧下、1000℃以上2000℃以下の温度で焼結する工程と、を有する、焼結体の製造方法。
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